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2011年8月9日火曜日

グッピーとメンデル

 
 ふと思い出した、例のあの本、

 ∧∧
( ‥)この書き込み*で言及した本、
  -□ でしたっけ?
 
    (‥ )だと思うけどね。

 京大でやった、暗黒下で世代交代を繰り返させたショウジョウバエに変化が生じていた、という研究を引用して、こんな短時間で変化が起きるってことは、ダーウィニズムでは説明できないすごいことが起きているに違いない!! 断続平衡説ー!! というようなことを書いていた記憶がある。
 
 ∧∧
( ‥)...いや、単に普通の淘汰でしょ?
   
    (‥ )まあそれこそな、今、見ている資料では
     □-  グッピーの個体群がわずか2年で変化を
        見せたレポートの概要が載っているのだが。

 いやその、なんだ、すっごいことが起きているって、そりゃあ研究者だって、「こんな短時間で変わるもんだねー、すごいねえ」と思っているだろうけどさ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、普通の淘汰ですよね?
  
    (‥ )淘汰圧が大きい意外、
        別に格段おかしなことではないね。
 
 だが人によってはこうした”短時間の変化”はダーウィニズムでは説明できない、ダーウィニズム破れたりで夢想はついに断続平衡説へと飛翔するものらしい。

 *断続平衡説。進化には進化が速く進む時期と停滞する時期がある。進む時は急激に進み、種分化は急速という説。化石記録では確かにそう見える事例があるのだが、それって、”急激な進化が起きた証拠”だと本当に解釈できるものなのかい? というそもそも根本的なところを突かれて(しかも提案されてすぐに)、まあなんだ、結局ダメになった仮説。ルーレットで赤が連続するからとうとう運が向いてきた、と思うのは結構だが、そんなもの本当にあるのか? という話でもある。
 
 ∧∧
( ‥)ようするに急激な進化=
    ダーウィニズムの破綻と見る
    この妙なくせは。
 
    (‥ )あれだ。メンデル遺伝を理解していない。
        そういうことだな。
 
 例のこの話題と多分、同じ→*
 
 ようするにあれだ、

:生物の遺伝には膨大な変異があらかじめストックされていること。言ってみれば大小様々、形も様々な玉(玉でないものすらある)が混ざっていること。

:淘汰というふるいを通すと当然、選別が起こって有利なものが残る。ある特定の玉が残る。

:そりゃあ急激に進化は進むでしょうよ。一瞬で特定の玉に偏るのはあたり前だよな、という話。

ということが分かっていない。言い換えると。
 
 ∧∧
( ‥)メンデル遺伝を理解していないって
    ことですよね?
 
    (‥ )そうとしか考えられないな。
 
 あるいはこう言えば良い? メンデル遺伝という進化理論を理解する必須のキーワードを知っているだけで理解していないので、現実が理解できない。そのため、理解の欠陥の穴埋めに得体の知れない概念を挿入している。
 
    ( ‥)たぶん、淘汰がかかる時に
        変異が出現する、そう思っている
        のだろうなあ。
 ∧∧
( ‥)そういえば、そんな都合の良い時に
    都合の良い変異が発生するわけないって
    言っている人がネットでいましたね。
 
 ああ、そうか、そういうことか。メンデル遺伝は誰しも習っていることだ。しかし習っているだけでそれを理解したとか、それを組み込んで世界を理解しようとか、そういう応用面がまるっと欠けているってことらしい。
 
    (‥ )笑っちまう話だろ?
        知っているのに知っているだけで
        理解できずに訳分からん説明を
        試みて、それが分かりやすいって
        評価されるわけだ。
 ∧∧
( ‥)評価している人もされている人も
  -□ メンデル遺伝は知っているはず
    なのですけどね。
 
 ああ、じゃあなるほどそういうことか。
 
     ( ‥)次の本ではメンデル遺伝の
       -□ こういう側面をちゃんと
         子供向けに書くべきかも
          知れないな。
 ∧∧
( ‥)まあ、それこそグッピーの話が
    出てきますから、問題ないかも
     しれませんね。
 
 世の中の読書家、と言われる人々の心の中を少しのぞけた気がする。だがとてもではないが感心はできない。我ら劣った旧世代、黙して死ぬべし。ただ一心不乱に死ね。
 
 
 

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