自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2013年5月31日金曜日

文明人なんてちゃんちゃらおかしい

 
 
 ∧∧
(‥ )貧しい国から生きるために
\–   決死の覚悟で密入国した人に
     なぜ石を投げられるのか?
     祝福してあげることこそ
     文明人ではないのか?
     そういう意見。
 
 (‥ )積み立ててないじゃん、とか
     うんぬん以前にあれよな、
     まずその主張は無意味だね。
 
 それは文明人は倫理的であるべきだ、という大前提から出発した主張でしかなくて、
 
 ∧∧
( ‥)ゆえに無意味だと
 
  (‥ )設定を申し述べているだけ
      だろう?
      俺が石油王だと思って
      結婚してくれ、と言って
      いるのと変わらんぞ。
 
 次に、文明とはそもそも自分でない弱者を収奪し、圧殺し、制圧し、奴隷化して隷属させるものであった。そうではないか? 嘘だというなら自分たちがやったことを思い出せばいい。地上の文明人で胸を張って、これに否と答えられるのは嘘つきだけだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり文明人であれば
 
 ( ‥)次に何をするか分かるだろ?
     隷属させ、都合良く使い、
     使い終わればポイ捨てだ
 
 だがもちろん、相手も人間だ。はい、そうですか、なんて言うわけもない。
 
 ∧∧
(‥ )あくまで”移民”ですけども
\–   先頃、スウェーデンでは
     移民による暴動が何日も
     続いたのですよね
 
  (‥ )昔から西欧はそうだな。
      あんな気候の悪いところの
      どこがいいのか知らんけど、
      色々な民族が流入しては
      殺し合ったり、
      征服したりしてね。
      ゲルマン、マジャール、
      ノルマン、スラブ、
      今も何一つとして
      変わらねえなあ。
      これからも殺し合いをして
      次の文明を築くんだろう
 
 文明人だって人間だ。弱者に対して容赦などするわけないではないか。
 

 
 

それは無念だね

 
  
   ( ‥)そうねえ、男なら
       40過ぎたら
       焦るかもだね
 
 ∧∧
( ‥)平均寿命からすればちょうど
    半分ですからね
 
 これまでの無駄な人生を振り返るに、ああ、そうか、どうあがいても、もうこれまで以上になることも長くなることもないんだ。これまでの時間で自分は何ができたか? それを考えれば残りの時間で何ができるか? 
 
 ∧∧
( ‥)大したことはできない
    そうでしょ?
 
   ( ‥)40年かけて
     –□ 出来なかったことは、
        後40年かけても
        出来やしねえ。
        だのに10年前、当時
        40代のあやつは
        結婚してー、と
        大騒ぎでな
        みっともないったら
        ありゃしない

 
 ∧∧
( ‥)優先順位からすれば
    正しいでしょうよ。
    ...でっ? どうよ
 
  ( ‥)んー、自分は論文を
    –□ ちゃんと読んでなかった
       それは分かった。

 ∧∧
( ‥)...まあ、あなたは語学力が
    まるでないですからね
    何度でも読み直すしか
    ないでしょう
 
   ( ‥)これが日本語でも
     –□ 状況は同じだった
        だろうしね。
        だが、無念だな
 
 ∧∧
( ‥)なにが?
 
  ( ‥)死んだら、ああここが
    –□ 分かっていなかったのか
       それがもう分からなく
       なるんだよね
 
 ∧∧
( ‥)それはしょうがないですね
    でっ?
 
  ( ‥)この魚は骨の相同性に
    –□ 関して議論があった、
       結果的に言うとだ、
       これはプレマクシラ
       ではない。
       彼の同定はいい加減だ、
       そう批判した人の同定が
       間違っていた、
       そういうことっぽい
 
 ∧∧
(‥ )稚魚からの発生過程を追った
 □–  レポートを見れば
     くだんの骨はプレマクシラ
     つまり前上顎骨で
     良いらしいと
 
  (‥ )では、これを違う骨と
      同定したその人の根拠は...
      そこまでは見えて
      こないがね。
 
 ∧∧
( ‥)テキスト間に合う?
 
   ( ‥)あと一週間で終わらせる
     –□ そういう予定。
 
 
 ああ、しかし。そうか、ここが分かっていなかったのか、それがもう分からなくなる。それはやはり無念だね。
 
 
       
  

さあ、歩き出そう

 
 hilihiliのhilihili: 君の夢がお前のすがる最後の緩衝材の続き
 
   ( ‥)ミームというアイデアが
       あったじゃない
 
 ∧∧
( ‥)ああ、人間を媒体として
    伝播、変貌していく
    文化要素を生物や遺伝子、
    その複製や繁殖、進化に
    見立てた考え方ですね
 
 文化というのは、それはそれでひとつの生物だと言える。そういう意味で言うと。
 
 
  (‥ )夢って言うのは病原体だな
      それも悪性の奴。
 
 ∧∧
( ‥)宿主を殺す、という
    意味ではね
 
 そう考えると夢殺しにはひとつ方法がある。
 
  ( ‥)夢自身に宿主を
      殺させればいいんだ
 
 ∧∧
( ‥)たぶん、宿主が死ぬ前に
    次の宿主に感染するだけ
    でしょうけども...
    具体的にはどうします?
 
  
  ( ‥)そうさのー
 
 
 
 君は志を持っていたのではなかったか?
 
 君は自分が挫折した、と思っているが本当にそうかい?
 
 君は自分の才能を認めない世間が悪い、と言っているが本当にそうだったのかい?
 
 単に壁が思ったよりも少し固かっただけじゃないのか?
 
 99回叩いた。そこで諦めたが、あともう1回叩けば扉が開くかもしれない。
 
 いや、事実、成功した人は皆そうしてきたんだ。実際、君自身がそう言っていたじゃないか。皆そうした、俺はあきらめないと。あれは嘘だったのかい?
 
 あの時の君と比べて今の君はどうだい? 
 
 もう少しのところであきらめて東京から逃げ帰り、blogだの掲示板だので認めぬお前達が悪い、そう愚痴をこぼすだけじゃないか。
 
 昔の君が今の君を許すだろうか? 僕はそうは思わない。
 
 さあ、もう一度来たまえ。そしてもう一回チャレンジしてみよう。
 
 進むも地獄、しかし退くも地獄。同じ地獄ならばもう一度前を向いて歩いてみよう。残りの人生、夢見て走るのも悪くない。そうじゃないのか?
 
 
 ∧∧
( ‥)...おい、最低だな
 
   ( ‥)夢は人を殺す。
       ならば夢を殲滅するには
       夢自身に人を殺させる
       これも一興
 
 だから、おいで。愚痴をこぼしていないで、ひざを抱えていないで、人のせいにしていないで。立って歩くんだ。さあ輝く未来へ新しい一歩を。
 

 
   (‥ )ああ、自分がなぜ歌が
       大嫌いなのか分かったよ
       あれは人殺しの詩だ。
       だからだな
 ∧∧
( ‥)あなたにとっては
    街頭できれいに歌うあの声が
    夢を歌って人を殺す
    殺人鬼の戯れ言に聞こえると
 
 この世のすべての夢と詩、ことごとく倒さねばならん。
 
 

2013年5月30日木曜日

君の夢がお前のすがる最後の緩衝材

  
 
 人の夢を踏みにじり、それが壊れていく様を見て、砕けゆく甲高い音を聞くのは心地いい。

 ∧∧
( ‥)おまえの夢も壊してやろうか。
    そう言われるかも
 
  ( ‥)ああ? おいちゃんの夢は
      とっくに壊れちまった。
      それをどう壊すって
      言うんだよ。
 
 確かに子供の時には夢があった。皆の夢をすべて破壊せよ。
 
 ∧∧
( ‥)どうしてそんな夢を
    夢見たのでしたっけ?
 
  (‥ )確かな、子供の頃、
      誰かに言われたのだ
      誰であったのか、それは
      忘れたがね。
 
 人には親切にしなさい
 
 ∧∧
( ‥)ならば、皆の夢と幸せを
    破壊してしまえば良いでは
    ないか、と。
 
  ( ‥)夢は現実を説明できない
      理想論だよね。
      つまり失敗した理論だ。
      それに拘泥する限り、
      人は前に進めない。
      その行き着く先は破滅だ。
      だから人を救うには夢を
      破壊するしかない。
      今なら、そう説明するね。
 
 今でもなんでも、動機はそれだ。すべての人の夢を破壊し、みんなの理想と幸せを倒し尽くしたその時、それは地上に降りてくる。
 
 夢が破壊しつくされた夢のような世界。
 
 理想が理想的に根絶された理想的な世界。
 
 灰色の大空とあきらめと失望に覆われ、全員がうつむいて歩き続ける完璧なる理想郷。
 
 ∧∧
( ‥)聞けば聞く程、言葉の
    矛盾だね。
 
  ( ‥)それにだな、実現するには
      人類を絶滅させねばならん
      それは最低限、自分の一生
      ではまったく無理なのだ。
      少なくとも数世紀は必要だ
      それに気づいて、夢は
      あきらめたよ。
      はかないもんだよな。
 
 ∧∧
( ‥)でも? 人は子供の頃の
    夢から逃れることが
    できないのだと。
 
  (‥ )夢は、それを諦めたその時
      むしろ実現可能な姿に
      なりうる。
 
 確かに、確かに。すべての夢を破壊することはかなわぬが、それを認めるのなら、それに妥協できるのなら、ならば喜べ。夢の根絶は無理だ。だが、それは死ぬまで次々に夢を破壊し続けられること意味する。無尽に湧き出る愚かな夢を次々に粉砕する楽しく限られた時間の始まりだ。
 
 ∧∧
(‥ )夢を破壊した方が幸せなのか
\–   夢を破壊しない方が幸せ
     なのか? 人によっては
     手遅れというケースも
     ありませんか?
 
  (‥ )能力もなく文才も画力もない
      それだのに自分はすばらしい
      ものを作れると勘違いし
      夢を抱いて上京し、そして
      35を過ぎ、40を過ぎ、
      50代になった。
      代謝は落ちて体は崩れかかった
      肥満体になり、太った指は
      ペンも筆も満足に扱えず
      もう逃げるしか無い。
 
 その彼から今さら夢を奪えと?
 
 ∧∧
( ‥)...手遅れじゃね?
 
  ( ‥)30代だったら修正が
    –□ 効くのだけどね、
       40過ぎたらもう駄目だ
       ましてや50代ではな
 
 ∧∧
( ‥)あなたも色々見ましたよね
 
 ( ‥)10年前、まだ30代だった
     その時、その人たちは
     40代で皆、結婚しようと
     必死だったよ
 
 オチは、言うまでもない。そんな泥縄でどうこうなるわけがない。何もかも手遅れなのだ。それに気づかなかった彼らは、40代にしては愚かであったとしか思えない。
 
 それに彼らは繁殖の機会喪失、その恐怖に眼を奪われて、もっと深刻な問題から眼をそらしていた。
 
 ∧∧
(‥ )...最近はあの人達の愚痴や
\–   呪いの言葉もあまり
     聞かなくなりました
 
  (‥ )老いて機会を失うってのは
      そういうものさ。
      繁殖の失敗は系統の死だが
      老いは個体の死だ。
      彼らは自分の老いと死から
      眼をそらしすぎていたよ。
 
 組織だったら40代だの50代だの、実はもはや単なる老害でもお情けで職を与えられるし、才能のある人なら体力が尽きてもなお、経験に裏打ちされた対応はまだ使えるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それも組織あっての
    ことでしかないのだと
 
  ( ‥)フリーランスを見れば
      分かるだろう?
      組織力という緩衝が
      なければ40代、50代
      なんぞ、
      ひとたまりもないさ。
      人間、知らずに老いて
      いるからな。
 
 言い換えると、組織の中であの人が、50、60でも現役だから、自分も出来るはず、なんて考えてはいけない。そういうことなんだろう。
 
 それが出来るのは組織の中だからだ。外界から緩衝された場所だからだ。本来はそんなこと、人の身では出来ないんである。
 
 ∧∧
( ‥)...もう彼にとっては夢だけが
    最後の緩衝材なのかも
    知れません。
 
  (‥ )夢という嘘が最後の避難所
      もっと早く壊してやる
      べきだったかもね。
 
 
 夢を破壊するのは実はごくごく簡単だ。
 
 ただじっと見ていればいい。どいつもこいつも勝手に壊れて、無様な音色を響かせながら、つまらなく、ぐずぐずと壊れていく。
 
 それは当然だ。現実を説明できない非合理な理論だから夢であり、だから夢は必然的に崩壊する。
 
 そして最後はくたびれはてた自分を守る単なる詭弁の鎧に成り果てる。それが夢なのだ。
 
 そんなもの、最初から破壊した方が幸せだったはずだのに、あの時であれば、夢を手放しても歩ける体力がまだあったはずだのに。だが、手遅れになった今は逃げ場という幸せを与える唯一の場所になって、もはや手放せない。
 
 
 続く=>hilihiliのhilihili: さあ、歩き出そう
 
 
 

自分を愛するな

 
 
 その本は1886年の本だった。
 
  ∧∧
 (‥ )背表紙がとれてるね
⊃_–
 
  (‥ )でも、紙自体は健在だな
 
 コピーは最小限に行って、必要な部分は後日、書き取ることにする。
 
 ∧∧
( ‥)127年前の本ですよ
 
  (‥ )150年以上前の本も以前
      コピーしたけども、
      あれに至っては紙も
      ぼろぼろになっていたな
 
 
 もちろん、保存条件次第でもあるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )日の当たるところ、
□   表紙がなくて空気に触れやすい
    状態、そういう状況だと
    紙は数年で黄色くなったり
    しますからね
 
  (‥ )だけどあれだね、
      電子メディア
      電子媒体と違って特別な
      読み取り器は必要ないし、
      機械の変遷に翻弄される
      こともない。
      大いなる長所だな
      少なくとも普通の紙でも
      100年は保つわけだ。

 
 
 もちろん、紙の性質も紙次第なので一概には言えないけど。
 
 ∧∧
( ‥)電子で描いた絵も
□–   プリントアウトしておいた
     方が良いのでしょうね
 
  (‥ )絵もそうだけども、
      何のために本を作るか?
      それは後の人に何事か
      伝えるため。
      これは本においては
      特に顕著だよね。
 
 たとえ絶版になっても、本自体は著者よりも長生きできる可能性を絶えず持っている。そのための古本だ。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、ほとんど消滅してしまう
\–   運命なんですけどね
 
  (‥ )そりゃあそうさ。だから
      次々に書くわけだよ。
 
 ∧∧
( ‥)電子化の際に本を裁断する
    場合がありますよね。
    それを見て嘆く著者がいる
    しかし、樹々を伐採して
    くだらない本にする人間こそ
    くだらないではないか、
    それを見て樹々は嘆くだろう
    そう指摘する人もいる。
 
  (‥ )それはこじゃれた言い様
      だけども、物事が今ひとつ
      分かっておらんよね。
 
 人間も木も生物だ。殺し合って相手を食いつくし、相手の構成物から自分のコピーを作る。そこに容赦はない。あるのは自己目的化したエゴだけだ。機械的に相手を踏みにじり、無限に収奪する機会をのがさぬコピーのコピー。
 
 ∧∧
( ‥)死んだ人は火葬されて
    二酸化炭素と水に戻り、
    樹々に吸収され、そして
    伐採されて本になる
 
  (‥ )お互い様さ。
      人が自らを託した
      自分の本の末路に
      涙するように、
      人を食って実った樹々は
      自分の実がリスに食われて
      嘆くのだ。
      人も樹々も紙も容赦ない
      エゴイストだよ。
 
 人のようには嘆かないが、例えば彼らは毒物やタンニンを実にしこんだ。嘆くどころか相手を殺す気概でもって対抗措置を打ってくる。
 
 ああ、しかし、消費者だけがこの渦巻く敵意に気づかない。
 
 
  ( ‥)理由は簡単なんだよね。
      消費者は消費するだけ。
      別に生存と殺し合いの
      ゲームの渦中にいるわけ
      ではないからな。
 ∧∧
( ‥)この場合の消費者は
    媒体、という意味ですね
 
 土も墓も、媒体であり実りの土台ではあるが、それ自体はゲームに参加しているわけではない。
 
 ∧∧
( ‥)消費者を墓と呼ぶと
     激怒する人もいる
     でしょうけどね
 
  (‥ )人は皆、墓だよ。
      骨は物質でしかない。
      思い出は劣化していくが
      それでもその思い出が
      埋葬されて
      残っているのは
      生きている人の内だろ?
      人は連綿と続く墓以外の
      何ものでもなかろうよ。
 
 ∧∧
(‥ )いずれにしても、
\–   本の存続ゲームの中で
     あなたの圧倒的な劣勢は
     覆し難いですけどね
 
  (‥ )本の存続そのものよりも
      本が消滅し切る前に
      たった一人でいいんだ。
      次が現れれば良し。
      それこそが焦点だ。
      それでもなお、
      劣勢は否めないけどね。
 
 自分の人生が成果も無く、無駄に終わることは、想定していなければならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)だけど? それでも
    まだましな選択肢だったと?
 
  ( ‥)僕を愛して、自分を見て
      そう叫んだ連中が、
      なぜ僕を見てくれないの?
      なぜそんなものを見てるの
      僕を見てよ、これを見てよ
      そう罵った連中が
      どうなったか....
      それを見ただろう?
 
 誰がお前など愛するものか。
 
 誰がお前ごときの作ったものなど見るものか。
 
 誰がお前のありもしない才能など評価するものか。
 
 お前は真っ先に自分を殺すべきだったよ。自分を愛するべきではなかったのだ。
 
 
  ( ‥)もしそうしていたら奴は
      上京もせずに
      持ち込みもせずに
      なじめないコミケで浮く
      こともなく、
      無駄に歳を取り、
      同人誌も作れず、
      絵もうまくならず
      不摂生な生活で過剰な
      肥満体と化して、
      尻尾巻いて故郷に
      逃げ帰ることもなかった
      だろうな
 
 ∧∧
( ‥)まあ、そういう人も
    いましたね
 
 自分を愛する者にはその報いが待っている。目的のためなら他人も消費者もことごとく踏みにじって良いが、自分を愛するのは犯罪だ。
 
 
  
 

2013年5月29日水曜日

売女のくそ餓鬼

 
 図書館へ向かう道でふと思う
 
 
  ( ‥)sun of the bitchを
      ”売女のくそ餓鬼”と
      訳した本があってだな
 
 ∧∧
( ‥)まあ、直訳ですね
 
 sun of the bitchを”くそったれ”と訳す場合もある。
 
  (‥ )くそったれって
      ”あなたはウンコを
       漏らしましたね”
      そういう意味だよね?
 ∧∧
( ‥)語源まで調べたわけじゃ
    ないですが、普通に考えて
    そうでしょうね
 
 英語圏では”あなたは売春婦の息子ですね”が悪口であり
 
 日本語では”あなたはウンコを漏らしました”が悪口である。
 
 
  (‥ )な−なー、英語圏では
      売春婦ってウンコ漏らしと
      同じなの?
 
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、そうなんですかね
 
 

  (‥ )あんだけコールガールが
      突っ立っていて
      高級売春クラブに有名人も
      通ってるのに
      悪口では売女〜〜〜って
      この建前と本音の隔離は
      一体全体なにね?
 
 ∧∧
( ‥)知らんがな、欧米人に
    聞けよ。
 
 

 
 

2013年5月28日火曜日

図書館の終わりを告げるメロディー

 
 
 散歩がてら公園までいこうとして、ああ、それなら資料も持っていこう、そう考えて引き返し、そして公園、図書館へ
 
    気分転換のはずなのに
 ∧∧ 資料を持っていく
( ‥)
 –( ‥)本末転倒
   –□ 笑わば笑え
 
 
 もう夕暮れ近く、図書館は2時間弱で閉まってしまうが、それでも良い。というか、むしろ人がはけていて、いつもは混んでいるテーブルに資料を広げて読めるのはありがたい話。
 
 ふと、隣の隣の席に小難しい本が積まれているのが眼に入る。
 
    ラテン語の参考書
 ∧∧ 日本、西欧の文学
(‥ )
 –( ‥)不思議な組み合わせだね
   –□
 
 資料を読み終わる頃、席の主が戻ってきた。歳の頃は60ほど、しかし過酷な生活をしてきたものか、細身な体と顔には深いしわが刻まれ、皮膚は日に焼けてくたびれており、しゃれてはいるがこ汚い服装、そして臭い。
 
 ∧∧ 普通に読めてるみたいです
(‥ )
 –( ‥)ああいう本を自然に
   –□ 読める。それなりに能力は
      高いのだろうな。

  
 ああ、しかし、本を買えないのだろうなあ。あるいは家が狭いのか、すでに家が本だらけなのかもしれない。いずれにせよ収入が少ないのだろう。こ汚い服装と臭いは、彼が一人暮らしであることを暗示しているんだろう。それも誰とも会わない、そういうレベル。
 
 ∧∧ ひどい決めつけ
( ‥)
 –( ‥)本を読む、これは
   –□ 周囲の空気を読めない奴が
      夢中になる娯楽でな。
      そんな人間は先が閉じる。
      出世し難し、成功し難し、
      家庭を築き難し。
 
 
 ∧∧ あの人もそうだと?
(‥ )
 –( ‥)そうであるか、ないのか
   –□ しかし彼の姿はこの二つの
      間に相関関係があることを
      暗示している。
      そうじゃないかね?
 
    ...通勤電車の中で本を読み、
    勉強をするサラリーマンを
 ∧∧ あなたは馬鹿にするのか
( ‥)
 –( ‥)そう言った奴を
   –□ おいちゃんがせせら笑う
      のはこれが理由
      でもあるなあ。
 

 本を読むってのは本来、邪法、破滅的なことなのだ。そこから見れば、自分が分かる本を合間に読む、そんなものは鼻で笑い飛ばして良い。そんな連中はただの餌だし、事実として餌ではないか。=>
 
 
    でも出版界にとっては
 ∧∧ 必要だ
( ‥)
 –( ‥)ままならぬ人生を突破
   –□ せんと試みる人を騙し、
      文学を読み込む人は
      選ばれし者だと騙して
      人生を押しつぶし、
      次々に人を餌食にする
      これが僕らの仕事だね
 
 ∧∧ ...それでもなお?
( ‥)
 –( ‥)100万の人生を
   –□ 破壊し尽くしてもかまわん
      たった一人、ただ一つの
      成果さえ得られればそれで
      充分なんだ。
      それが本じゃないかね?

 
 何人轢き潰そうが知ったことか。
 
 図書館の終わりを告げるメロディーが流れる中、振り返るとおっさんは身じろぎもせずに本を読んでいた。
 
 ああ、多分、彼には帰るべき、帰りたい家がない。
 
 
 
 

個々の説明は理論に潰される。それが運命。

 
 
 
 マスコミは日本を破壊する敵国の工作員であり、民主党も同じ。だから民主党にとって都合の悪いことはごまかしてきたが、自民党政権が誕生すれば漢字の読み方だの、どうでもいいことで政権を攻撃するだろう。

 ∧∧
( ‥)この陰謀論は、マスコミが
    安倍の食べたカレーは
    3500円だ!! と
    喚き立てた瞬間に、
    陰謀論であることをやめ
    正確に現象を予言し、
    未来を予測する立派な
    理論になったのだと
 
  ( ‥)だからさ、マスコミの
    –□ 実態はこんなですよー
       とか、
       そんなだいそれた陰謀は
       ないでしょう、
       とか、
       そういう個々の説明に
       もはや意味ないんだよね

 
 人間に必要なのは個々の説明ではない。正しい予測をもたらしてくれる”役に立つ”理論体系だ。
 
 ∧∧
(‥ )予測を的中させる=正しい、
\–   ではないんですけどね
 
  (‥ )それはそうだ。
      だが正誤の確認が
      できない以上
      採用されるのは
      役に立つ理論だよ。
      当然だよね。
 
 視線を変えれば、

 疑われている時、俺は浮気していない、とか、この名前はこれこれの取引先の...、という説明をしても、たとえそれが個々ではいかにもっともらしくとも、所詮、個々のものでしかない。
 
 個々の説明、それらが全部事実だとしても相手の疑義をはらすことにほとんど何の効果もない。そういうものではないか?
 
 
 ∧∧
( ‥)まあ、その場の言い訳にしか
    聞こえませんからね
 
  (‥ )だからさ、例えば
      安倍さんとプーチンさんの
      会見の後、
      空気読まない質問をした
      日本の記者がいる、
      奴は敵国の工作員だと
      ネットで言われた。
      そういうことがあったよね
      それに対し、いや、
      あの質問はこれこれなのだ
      そう反論する人もいるが、
      そんなの効果あるわけ
      ないんだよな。

 
 現実に対して予測能力を持ち、役立つことを実証せしめた理論を面前にした時、個々の説明なんぞ勝てるわけがない。そんなちんけなしろものは、理論に押しつぶされてひしゃげるだけだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)間違った理論も現実を理解する
    上では役立っていた。
    それが理解の歴史。なれば
    結果的に間違っている理論でも
    それが役立つ以上、
    人が当面の間、それを採用し、
    使用するのはむしろ必然。
 
  (‥ )そもそもこの事態を招いた
      のはマスコミ自身だからな
      3500円のカレーだの
      そんなことではなく、
      もっとちゃんとした
      仕事をするべきだった
      そうではないかね?
 
 それをしていない状況だのに、いや、あれは何々、と言えばその時だけ耳を傾けてもらえると思う。そう考えて対応してしまうこと、それ自体がすでに病的だ。
 
 ∧∧
( ‥)するとやはり
 
  (‥ )やっぱりさあ、
      敵を殺すにはまず味方から
      だな
 
 不埒な味方を倒し尽くさないと敵が納得する道理はどこにもない。これは当然ではないか?
 
 
 
 
      

理解できない人は理解できないを理解する手がかりになりうる

 
 
 
  ( ‥)間違いを見つけられるのは
      自分がまだ生きている証
 
 ∧∧
( ‥)生きることが
    解探索の過程であるのなら
    そうでしょうね
 
 人間には妙な傾向がある。ように見える。
 
 
  (‥ )思い込みを無矛盾に
      組み上げたら
      それを真理だと信じ込む
      そういう特性。
      これが実は
      人類の知の歴史、
      理解の歴史、
      哲学の歴史、
      これらそのものに
      ほぼ近似ではないか、
      という恐怖
 ∧∧
( ‥)古代ギリシャ以来、
    事実としてずっとそうなのだ、
    とも言えますね。
 
 個人的にプラトンを評価するとすれば、彼がアトランティスを、おそらく嘆きと失望と希望と共に書いたことだけだ。
 
 そしてもちろん経験的に言えば、無矛盾で誤りない体系は自己完結しているだけのひ弱な存在で、世界に放り出されるとただちに死んでしまう。
 
 ∧∧
( ‥)でも? 
    論理>経験で考える真理の人は
    経験を取るに足らぬと無視して
    死ぬことを拒否すると。
 
 ( ‥)それを考えると、
     科学の世界に
     論理では扱い切れない
     ものを扱う技術と、
     統計学、因果関係の推論
     確率的な過程
     これらを導入した
     ダーウィンやヴォルツマンや
     フィッシャーたちは
     人類の歴史の中でも
     偉大な人々だったのだな
 
 
 ∧∧
( ‥)言い換えればダーウィンの
    進化論や自然淘汰説、
    性淘汰説を理解できない人は
    むしろ人間としては
    ”普通”の賢さでしか
    ないのだと
 
  ( ‥)妙な話ではあるのだな
      人間がこうした過程を
      理解できなくなるのは
      生物進化に関する場合に
      限られるようなのだよね
 
 山脈が浸食されて丘になる。あるいは海辺の丘が隆起して山になり、ついには大山脈になる。この過程に疑問を抱いた人は、キリスト教の創造論全盛の時代はともかく、個人的には今のところ見たことがない。
 
 ∧∧
( ‥)ところが、個体変異、
    集団のわずかな違い、
    変種、亜種、別種、別属、
    別の科、さらには別の門
    こういう進化と変貌の過程は
    多くの人が理解し損なう
 
  (‥ )理解の奇妙な失敗。
      理解の失敗にある偏り
      ここには
      人類という種族が持つ
      認知的なバイアスが
      かかっている、
      という説は
      納得がいくのだよね。
 

 例えばの話。ブリキのバケツを加工して作ったブリキ板は、バケツ由来のブリキ板だが、それをバケツのブリキ板である、とはわざわざ言わない。
 
 だが、馬を加工して作った肉は肉ではない。馬肉と呼ばれる。
 
 ∧∧
( ‥)人類は、生物の本質は
    変化しないと思っている。
    それがここからうかがえるし
    だから自然の変貌は
    理解できるのに、
    生物の変貌は理解できない
    そういうことだろうと。
 
 ( ‥)進化論を理解できない人を
     目の当たりにした時、
     行うべきは、理解させること
     ではないのだ。
 
 
 彼がどのような認識を持つがゆえに理解が阻害されているのか?
 
 なぜ”彼”ではそれが顕著なのか? 
 
 彼のその理解の有様を決定している因子は何か? 
 
 それを探らねばならない。
 
 ∧∧
( ‥)説得も理解も教化も
    あなたは求めませんと
 
  (‥ )数学できない奴に数学を
      教える奴がいるか?
      教えても意味ないだろ?
      彼はその時点で
      すでに必要ないのさ。
 
 彼に必要なのは、彼が理解することでも、彼を理解することでもない。彼を支配する因子が何か? それを探る手がかりになるというただ一点のみにおいて意味がある。
 
 理解できない人には価値がある。それは彼自身が”理解できない”を理解する手がかりになりうるからだ。

 

 
 

2013年5月27日月曜日

あなただけに、こっそり教えちゃいます♡

 
 しばらく前に書き込んだ、hilihiliのhilihili: 本を読んで分かったなど、どうでもよろしいの続き
 
 ∧∧ 資料を求めて〜♪
( ‥)
 –( ‥)遠出だよ〜♪
 
 ほぼ通勤時間と重なる。
 
   あちらの人が読んでるのは
 ∧∧ ビジネス書?
(‥ )
 –( ‥)ロジカルな
   –□ コミュニケーションで
      活路を開く、とかいう
      タイトルだな。
      いわゆる自己啓発本の
      たぐいかな。
 
 タイトルは正確な記憶ではないがおおむね、そんな。
 
    快速の車内広告も
 ∧∧ 自己啓発本ですね
( ‥)
 –( ‥)皆に頼られるリーダーに
   –□ なる方法ねえ。
      おれだったら、
      そういう本を読む奴に
      頼りたくはないけどね。
      そこんところ
      どうなんだろうね?
 
    
    でもこういう本を買う人は
 ∧∧ 大事なお客様でしょ?
(‥ )
 –( ‥)もちろん、大事だよ。
   –□ 売れるからね。
      本が売れれば出版社には
      余裕ができる。
      余裕が出来れば
      おいらみたいなやからでも
      泳げる隙間が出来てくる。
 
 ああ、だから大事。とても。
 
 ∧∧
( ‥)でもあなたは本なんか
    読んでも賢くなれないよ
    何も分からないよ、
    そう言っては、
    頑張る人たちを
    激怒させるのです
 
  (‥ )事実を言っている
      だけだがな。
 
 怒るなら、じゃあほら、お前さんが自己申告する”賢い自分”とやらを見せてみな。自分が分かる本だけに手を伸ばし続けた結果である、その”賢さ”、とやらを。
 
 ∧∧
(‥ )あなたも体力維持のために
 □–  走ったり、必死ですけどね
 
  (‥ )維持のためだろ?
      運動しているからオレ様は
      勝ち組だ、なんて言った
      覚えはないなあ。
 
 好きで本を読む。面白いから読んだ。一応読んでみた、分からなかった。それで充分じゃあないか。
 
 そういえば、
 
 ∧∧
(‥ )ラノベを読む奴は馬鹿、
 □–  あれは承認欲求を満たすため
     だけの稚拙な娯楽で...
     という評価ありますね
 
  (‥ )承認欲求ねえ。
      無駄に賢そうな言葉だけど
      ご都合主義のことだよね。
      だが娯楽とは、そもそも
      ご都合主義なもんさ。
 
 ある日、処女な美女と白馬の王子様が空から落下してくる。
 
 ∧∧
( ‥)また下品なことを言う
 
   (‥ )だが、これが
       娯楽っちゅーもんよ。
 
 これを読めば、あなたも立派なリーダーになりますよ、この本を読むあなただけに、そのノウハウをこっそり教えちゃいます♡ というぐらいにご都合主義。
 
 ∧∧
(‥ )本は夢を売るのが仕事、
 □–  欲求をくすぐるのが仕事。
 
  (‥ )商品だからな。
      そりゃあ当たり前よ。
 
 ただ
 
  ( ‥)金を持ってる奴を
      たぶらかした方が
      金になるんだよな
 
 ∧∧
( ‥)子供よりは大人をね
 
 中高生よりもビジネスマンをたぶらかした方が儲かるんだ。
 
 あなただけにこっそり教えちゃいます♡
 
 
      
 


2013年5月25日土曜日

かつて微分して得たその答えは今も近似値か?

 
 hilihiliのhilihili: 金勘定をしてなくね?の続き
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  ( ‥)つまり、悪や善が世界を
      動かす。そう考えている
      のではないかとね。
 
 ∧∧
( ‥)あるいは
 
  (‥ )あるいは、行動も理解も
      推論も固定化されているの
      かもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)実際は、世界はもっと流動し
    変化するものですよね
 
  ( ‥)武装した市民による
      重装歩兵軍団。
      軍役を義務とする
      市民参加の民主制。
      国民皆兵
 
 戦争がプロ化するしたがって、市民は兵士にならなくなり、重装歩兵よりももっと維持費がかかる騎士の時代になり..
 
 その時代、戦争に勝ち、軍団を指揮していたある貴族は捕虜のうち、ボーガン兵だけを処刑したという。理由は

 ∧∧
( ‥)剣をふるわず、力を使わず
    それでいて優れた人を殺す、
    卑怯である、という理由でね
 
  (‥ )だが時代はボーガン兵どころか
      もっと力を使わない銃兵の
      時代になっていくわけだ。
 
 銃で武装した民衆をひたすら突撃させるナポレオンが現れて戦争は再び戻る。市民を武装して投入する国民皆兵の民主国家。古代世界に存在した凶暴な殺戮兵器が地球に舞い戻ってきた。かくて地獄が地上に顕現する。
 
 ∧∧
( ‥)みながそれをまだ覚えて
    いるのだと?
 
  ( ‥)さらに言えば植民地化、
      ブロック経済化、
      それを押し進めるための
      戦争。それを覚えている
      のだと思う。
 
 そうとでも思わないと、
 
 いつ? どこへ? なんのために? なにをしにどんな戦争をするの? 
 
 その問いに答えられない抽象的な不安。法律が変えられて戦争へ突き進む気だ、というあまりにも漠然とした不安は出てこないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)みんな70年前の戦争のまま
    凍結しているのだと?
 
  (‥ )おかしなもんだよな
      あれ以来、総力戦を
      したことないんだけどね
      ”あれ”で凍結された
      ままなんだよな。
 
 ああ、考えてみればなにもかもそうなんだと言える。浮世離れした例えかもしれないけども、ガンダムだって、連邦に追いつめられたジオンは学徒動員をするわけだし。
 
 ∧∧
( ‥)戦争は文化面や創作に
    おいてさえも
    WW2のイメージのまま
    凍り付いているんですね
 
  (‥ )実際はさ、あんな巨大な
      二足歩行兵器が戦場の
      主力になったら、
      それは騎士の物語になる
      はずであって
      学徒動員なんかしないよね
      素人なんかじゃ
      意味ないからな。
 
 *実際、そうなると宇宙世紀は総力戦の世界ではなくなるだろう。政体だって民主制でも独裁制でもない、例えば未来ではあるが騎士たちによる封建制になるだろう。農奴がいるかどうかは知らないが、民衆は自分の周囲が戦場にならない限り、あるいは税金に関する以外、貴族の戦争にほとんど興味を持たないだろう。
 
 **リアルロボというのが実際にはリアルでもなんでもないのは、これも原因のひとつ。多分。
 
 ∧∧
(‥ )そういえば以前遭遇したデモの
 □–  叫びには
     子供を戦場に送るなー
     ってのがありましたね=>*
 
  (‥ )学徒動員なんて総力戦の
      末期なわけだろう?
      一体全体、
      どことどんな戦争をする
      ことを想定しているんだ?
      そう疑問に思ったけどもね
 
 これも凍結している例ということか。
 
 ∧∧
( ‥)でも? むしろ現在は
    また過去に戻りつつあると?
 
  ( ‥)戦争がプロ化すれば
    –□ 総力戦それ自体が
       なくなっちゃうからな
 
 世界がどうなるのかは分からない。軍人貴族が世界を支配し、科学技術は衰退し、変化のない静かな場所になって凶暴な民主制はついに死に絶え、抑圧された幸せが訪れるのか、あるいは中世ローマ帝国のように民主制で選ばれた独裁と政治に関与しない軍隊が並立する不思議な世界になるのか?
 
 いずれにせよ世界が流転するのは確実だ。
 
 しかし人間の寿命はせいぜい数十年しかなく、僕らはごくわずかな世界しか見ることができない。
 
 ∧∧
( ‥)巨大なカーブも微分すれば
    接線に、つまり直線に
    還元されてしまうように
 
  (‥ )僕らはごく短い期間しか
      観察できない。
      その時に得た確信は
      その時には近似値だろう。
      だがその値は経過とともに
      誤差が大きくなるのだ
      
 
 徴兵制を唱える老人や女性。再び戦争に突き進むのではないか? と不安を表明する文化人。
 
 ああ、確かに確かに、彼らがその想いを固定した時代や局面ではそうであったかもしれないが、
 
 ∧∧
( ‥)その理解は今も有効か?
    その微分で得た接線は
    今も近似値のままでいるか
    そこが問われるのだと
 
  (‥ )すでにただの
      間違いになっていると
      思うけどね。
 
 だが、たぶん彼らは当時、微分で得た数値のままなのだ。
 
  

金勘定をしてなくね?

 
 
 キョキョ キョキャキョキョ キョキョ キョキャキョキョ
 
 ちょっとした軽い食事の用意をしていると、青くなり、間もなく明ける夜空にホトトギスの声が響く
 
 ∧∧
(‥ )飛びながら鳴いている
    みたいですね
 
  (‥ )公園から森へ、
      声が移動していく時も
      あるからなあ。
      夜も昼も朝も鳴くし、
      ずいぶん忙しい鳥だよね
 
 さて
 
 法律がいつの間にか変えられて戦争に突き進んでしまう。という不安の表明。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、無法なことをする
    理想主義者がいる一方で、
    真面目に法律を守る
    現実主義者がいるのも
    この世界ですから
    法律を変えられたら
    大変だ!! というのは
    そうかもですね
 
  ( ‥)そりゃ不安があるのは
    –□ 当然かもね。
 
 例:二正面作戦は...いくらなんでも無茶だろう。せめて片方を破ってからもう片方を。と思っていても、法的には指揮権があるヒトラーの言うことを聞かざるをえず、生真面目に法律を守ったばかりに国の敗北と分割を阻止できなかったドイツ軍。
 
 ∧∧
( ‥)よく知らないけど、WW1も
    ロシア軍に戦力を割かざるを
    えず、それゆえに
    フランス軍を迅速に突破、
    パリを占領する当初の目論みが
    崩れたとか。   
 
  ( ‥)露仏という二大国に
      はさまれてるから大変だよね
      そして人によっては意地悪な
      言い方でこう言うのだ。
      軍事の素人が戦略だのに
      口をはさむような
      文民統制は破滅的だ
      ヒトラーを見れば分かる
      だろう? と。
 
 法律は道理を守るためのものかもしれないが、考えてみれば道理は定義できない。しかるに、法律は定義を行う。ゆえに法律は道理を壊す。少なくともそういう場合がある。これもまた道理。
 
 ∧∧
( ‥)だから法律を変えぬことにも
    法律を変えることにも、
    どちらの場合でも、それに
    恐怖する人がいる。
 
  (‥ )だが、妙だと思わないかね?
 
 例えばの話。WW1の敗北。植民地の喪失ばかりか自国領土の割譲。あるいは占領。とてつもないインフレ。そして大恐慌。
 
 が、実際の歴史やら背景だけども、このような状況になかったとする。
 
 その時、ヒトラーが現れた場合、彼が政権を取り、さらに法律を改正して権限を集中。総統に就任し...

 ∧∧
( ‥)そして征服戦争へと
    国を駆り立てられるか?
    そういう問いですね
 
  ( ‥)無理だろうとしか
      思えないが、
      見方を変えればこうよな。
 
 反対に、現実の歴史において、タイムマシンで過去へ向かい、ヒトラーを子供の頃にあらかじめ暗殺する。
 
 この場合、WW2は阻止されるか?
 
 
 ∧∧
( ‥)やっぱ起きるんじゃね?
 
  (‥ )この問いは要するに、
      戦争は個人の野望で
      引き起こされるのだろうか?
      ということね。
 
 ∧∧
( ‥)野望が引き金になっていても
    引き金があるということ
    それ自体が答えでしょうね
 
  ( ‥)銃はそこにあり、
      発射する目的があり、
      打算があり、
      仕組みがあるのだ。
      ”すでに”そこにあるのだ
 
 野望は引き金を動かす動機でしかない。
 
 
 ∧∧
( ‥)戦争は経済や人や金や
    物や富の分布から起こると
 
  ( ‥)そうだとすれば、
      指導者の個性は
      色でしかないんだろう。
      ただ、あの人の場合、
      その色が強烈だったから
      引き合いに出されるの
      だけどもね。
 
 しかし、その彼とて、その時、その状況があったからあそこまで至ったのではないか? 困窮していない人から見れば、身振りが過剰に派手な、人気はあれどもただのおかしな人だろう。
 
 
 ∧∧
( ‥)ともあれ、戦争が経済や人や
    金や富の分布から起こるなら
    戦争という現象の動態を
    把握するには
    数字や数や記号で
    論じるべきだと
 
  (‥ )例えば会社の経営は理念や
      思いですべてを取り仕切るか?
      違うよね。必要なのは
      数字と金の出入り、
      さまざまな技術であり、
      そして計算だ。
 
 弁舌なんぞどうでもよろしい。
 
 だからこそ、それを踏まえると、非常に奇妙だとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)法律を少しずつ変えられたら
    戦争を始めるぞ。
 
  ( ‥)妙な意見だよな。
      野望と思いと法律と道理と
      理念だけで世の中のすべてを
      論じているようじゃないか
 
 実際、金と物と富と数字で記述できる世界なれば、法律だの理念だのが先行しても何もできやしない。
 
 
  (‥ )我が村は本日12:00を
      もって日本国から独立。
      制定された憲法に基づき
      村長が世界合衆国の
      終身大統領に就任。
      全世界に対して臣従を
      命令します。
     
 ∧∧
( ‥)世界おもしろニュースには
    なるかもね
 
 法律を変えたら戦争を始めるって、そりゃあ、ずいぶん夢のある話じゃあないか。自分を変えれば即効で人生が開けて、もてもてうはうはになるんだ、というぐらいに夢のある話。
 
 
 ∧∧
( ‥)そもそも。法律を変えて
    どこに戦争しにいくんです?
 
  (‥ )さあ? その心配をして
      いるのはオレじゃないし
 
 ∧∧
( ‥)どっかの国を占領するの?
    それで幾らぐらい儲かるわけ?
 
  (‥ )さあ? WW2までは
      そういうのがはやったけど
      今はどのぐらい儲かるのかね?
 
 防衛戦がきちんとできるようになりましょう、というのはともかくとして、心配されているようなニュアンスの戦争。例えば侵略戦争とかイデオロギーに基づいた聖戦とか。それを心配するのを止めろ、とまでは言わないが、では、ご心配のその戦争とやらはどういう規模でどのぐらいの出費で、一体全体、幾らぐらい儲かるわけ? あるいは損するにしても国の経済で支えられる規模に収まるの?
 
 ∧∧
(‥ )今は、機械化された武器が
\–   高いし、訓練された兵士も
     金がかかっているし、
     よほどのことがないと
     損になるどころか、
     継続することも大変では
 
  (‥ )アメリカ見てると分かるよな
      派手にドンパチしてるのは
      重要資源がある場所か、
      戦略的に重要な場所で、
      それですら撤退したくて
      しょうがない。
      世界最大の経済大国ですら
      あの有様でな。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )あのさ、なんだかんだいって
      俺たち、気分は今だに
      植民地獲得戦争の時代の
      ままなんじゃねーの?
      それも思いだけで人生が
      開けちゃう♡ みたいな
      すごい軽い世界観。
 
 そして思うに
 
 ∧∧
( ‥)どうも、戦争を理念でしか語って
    いないのだと?
 
  (‥ )少なくともだ、
      兵隊さんを動かすのに
      食事と水とガソリンと機械と
      それを運営する兵隊さんがいて
      もろもろを手配する人がいて、
      ではそれを合計した場合、
      移動するだけで現在、幾ら
      かかるでしょうか。
      食費は? 交通費は?
      人件費は? 運営の費用は?
      そういう運営面における
      具体的な金勘定してなくね?
  
 

2013年5月23日木曜日

退いてもそれなりに、退いたのだからそれなりの

 
 
 ∧∧
( ‥)結局、退きましたか
 
  ( ‥)平たく言えば逃げたのさ
    –□
 
 ∧∧
( ‥)あなたが逃げたのだと
 
  (‥ )無理なものは無理だ
      人生の半分以上を一人で
      過ごしてきたのだ、
      人と一緒にいるのは
      もう耐えられない。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは人として欠陥品?
 
 ( ‥)言い様はいくらでもあるね
     しかし、いくら取り繕っても
     平均値からのずれがでかい
     という事実は...
     誤摩化せないからなあ。
 
 ∧∧
( ‥)退いて、でっ? どうします?
 
  ( ‥)バックしたんだろ?
    –□ それならハンドル切って
       次の選択肢と補正を
       行うまでよ
       次々にやるさ
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 肝心の仕事はどうよ?
 
  ( ‥)自分の絵に二カ所、
    –□ 間違いがあることを
       見つけたよ。
 
 ∧∧
( ‥)それ自体は過去の話ですね
    でっ?
 
  ( ‥)シーラカンス、ラブカ、
    –□ こいつらを含めて
       4種類を削除する
 
 ∧∧
( ‥)帳尻、合わせられる?
 
  ( ‥)まあ、見てなさい
    –□ 合わせるから
 
 ∧∧
( ‥)...あの、〆切りは?
 
 ( ‥)この〜♪ せかいの〜♪
   –□ どこかにーしめきりの
      ないー
      国があるという〜♫
 
 

2013年5月22日水曜日

エロ漫画みたいな何かを描く人

 
 一部、これhilihiliのhilihili: 珍妙なエロのような何か。あるいは大いなる水増しの続き
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ、例えば
    −□ おいちゃんに
      エロ漫画を描いてくれ
      そういう依頼が来たと
      するだろ?
 
 しかし出来上がるものは
 
 ∧∧
( ‥)エロ漫画みたいな
    なにか、でしかないと
 
  (‥ )どう描けば良いか
      分からんからな。
 
 例えば極端な話、エロビデオ、というか、エロDVD、というか昨今はネットの発達でそういうものすら眼につかないような時代だけども
 
 ∧∧
( ‥)エロ動画
 
  (‥ )それを丸パクリして、
      コマ割りして、
      紙に描くとする
 
 ∧∧
( ‥)三次元の女の子を
    二次元のキャラに
    変換するのだと
 
  ( ‥)言うは簡単だが、
    −□ 人体を紙に、しかも
      コマ割りされた小さな
      空間に描くには
      テクニックが必要だ。
 
 実際、漫画の一こまはどんなに大きくても、それを現実の視界における角度に換算すれば、大きさが15度に達するかぐらいではないか? 実際にはもちろん、ずーっと小さい。
 
 ∧∧
( ‥)大きく描いても女の子が
    1メートルぐらい先に、
    小さければ何メートルも
    ずーっと先にいるような
    状況ですね
 
  (‥ )古典バレエの演技者は
      眼などを極端に強調する
      メイクをするよね?
      歌舞伎も中国の京劇も
      同じことをするよね?
      漫画も同じよな。
 
 眼など、人間が一番興味を引き、なおかつ表情豊かな部分を小さなコマでも判別できるように描くには、それ自体を本来よりも大きく描かないといけない。漫画ってのはそういうものだ。小さくても大きく見えるように、分かるように変換しないといけない。
 
 ∧∧
(‥ )人体全体の形や配置、
 □−  プロポーションや比率も
    二次元では変えざるを
    えないですよね
 
  (‥ )漫画は心理と認識に
      特化した表現だからね。
      部分ごとの比率が
      めちゃくちゃでも、
      全体として視聴者に
      ああ、なんか良い、と
      思わせればそれでいいのだ
 
 
 言い換えれば、正確に描いても、それが心理的に受け付けなければ、価値などない。
 
 ∧∧
( ‥)そして、丸ぱくりするにしても
    動画と紙では表現方法が
    根本的に違うよね。
 
  ( ‥)擬音を書く、擬態語を書く
    −□ いや、それだけではない
      撮ると描くじゃ、
      視点の位置も違うし
      ピントがぼける、
      ぼけないとか、
      色々な違いがある。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、丸パクリしても、
    丸パクリできない。
 
  (‥ )丸パクリでは
      エロ漫画みたいな、
      動画みたいななにか、
      にしかならんのよな
 
 エロ漫画として成立するには、そうしたもろもろを解決しないといけないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)それを解決しても、
    エロ漫画である程度
    食えなきゃいけない
    わけですよ
 
  (‥ )仕事が速くないと
      いかんのよな
 
 ∧∧
( ‥)つまりこれらすべてを
    満たさない限り、
    エロ漫画を描くことは
    成立しない
 
  ( ‥)やれと言われれば
    −□ 誰でもなんでも出来る
      政治家のまねごと
      社長のまねごと
      大人のまねごと
      問題は成立しているか?
      なんだよね。
 
 
 ∧∧
(‥ )でも、漫画とかエロ漫画とかは
 □−  社会的ステータスが
    低いのですよ。無念ですね
 
  (‥ )しかしだな、
      低かろうがなんだろうが、
      そこには高度な技術と
      積み重ねがある。
      賢い、というか、
      賢しい人間はそういうのを
      見誤るもんだが、それは
      いただけないなあ。
 
 真に迫った油絵が描けるならエロ漫画が描けるか、というとそうではない。そんなのは当たり前だ。同様にたくさんのことを取材したからといって...
 
 ∧∧
( ‥)正しい道を人に示せる
    わけではない
 
  (‥ )当たり前な話なんだが
      これを勘違いしてる人
      意外に多いよね。
 
 
      

2013年5月21日火曜日

望ましい形態に崩壊せよ

 
 
 ∧∧
( ‥)あなたは、丘の上から
    夜の町を眺めて見るのが
    好きですよね
 
  ( ‥)あの灯の向こうには
      平均するとまっとうな
      人生のすべてが
      今、渦巻いていて、
      自分のやってきたこと
      自分がしていることに
      一体何の意味があるのか
      それを思えるからね
 
 ∧∧
( ‥)何の意味もないことを
    自覚するのだと?
 
  (‥ )いや、まっとうで
      平均的な人生は
      いわば鏡だ。そして
      自分は決してあちらには
      いけなかったなあ、と
      それを自覚するのだ
 
 自分の進路のすべてが無駄に終わるのは織り込み済みだ。そうである以上、自分が誰であるのかを思い出す鏡がなければいけない。
 
 ∧∧
( ‥)ずっと一人で走ってきた
    報いですよ
 
  ( ‥)人と一緒に何かするのは
      無理だね。もう手遅れだ
 
 ∧∧
( ‥)最初からそんなこと、
    望んでいなかったくせに
 
  (‥ )その通りだ。
      問題は発狂していく自分が
      望み通りの形式に
      崩壊できるか、そこだよ
 
 ∧∧
( ‥)発狂を止める気はないのだと?
 
  ( ‥)ないねえ
 
 なぜなら、どんな人間も老化する以上。自己の緩慢な崩壊を阻止することはできないからだ。
 
 ∧∧
( ‥)繰り返しにより強化され
    反復した行動を続ける
    頑固で意固地で、
    愚かで
    愚直で、愚昧な自動機械に
    成り果てて、肉体は瓦解し
    心はメッキのようにはがれ落ち
    見た目は人間という、
    残骸のみが残る
 
  (‥ )崩壊が阻止できない。
      その時、出来ることは
      幾らでもあるが
      やるべきはひとつだ。
 
 いかに望ましい形態に崩壊するか?
 
 ∧∧
( ‥)...残骸でもなお機能する
   形だけを残す気ですか?
 
 (‥ )原理的に不可能に思えるが
    しかし、なかなか楽しそうな
    選択肢だと思わないかね?
 
 
      

2013年5月20日月曜日

珍妙なエロのような何か。あるいは大いなる水増し

 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)うん、書けた
    −□ 
 
 ∧∧
( ‥)やむなしだけども、
    時間をかけすぎです
 
  (‥ )まあ、おかげで状況は
      把握できたと思う。
      あくまでも現時点と
      過去を比較しての話だが
 
 さて、
 
 10ヶ月前のこの話=>hilihiliのhilihili: 45年前の7月の続き
 
 かつて学生時代に読んだ本で知った、1967年に起きた殺人事件の記述。それが事実としてあったのか。なんとなく調べた際に眼についた45年前(もうすでに46年前)の日本の新聞と事件の数々。
 
 それは全然知らない、自分が生まれる前の日本の姿であり、庶民の姿だった。
 
 ∧∧
(‥ )どこの犯罪大国だ? と
 □−  とまどうほどの
    ニュースの数々。
 
  (‥ )行きずりの強盗、
      学生の爆弾製造
      うさばらしに新幹線の
      転覆をもくろみ、
      あるいは面白半分に
      線路にダイナマイトを
      しかける未成年。
 
 
 3週間程度の間にこれか? という頻度で次々に起こる起こる。
 
 それにしても、当時の新聞を見ていて気がついたことがある。
 
 ∧∧
( ‥)記事がコンパクトだと
 
  (‥ )これが統計的裏付けの無い
      感想でしかないのは
      分かっているがね、
      印象はそうなんだ。
 
 無駄な憶測、推測がほとんどない。
 
 社会に対する自発的な、余計な意見もコンパクトで短い。
 
 でっ、この感想を踏まえてさらに感想を言ってしまえば。
 
 ∧∧
( ‥)新聞記者、ジャーナリズム、
    この仕事の正体が
    事件を誤字脱字なく、
    短く要約することだと
    したらですよ
 
  (‥ )凶悪事件が次々に起きる
      45年前、記者は余計な
      ことを書けなかったし、
      書く必要もなかった
      そうではないかね?
 
 だが、今はどうだ?
 
 ∧∧
( ‥)立てこもり程度で
    全国延々生中継
 
  (‥ )思うのだがね。
      平和になった今、
      ジャーナリストは
      何をすればいいのだ?
 
 減少する事件。埋めなければいけない紙面。先細りする購買層、次々にネットに現れる暴露と噂、必然性のなくなった紙、巨大なだけで太りすぎた組織。
 
 センセーショナルな見出しにたより、思いついた文字ですべてを満たすしかなく、しかし、枯渇した若さが足を引く。
 
 思いついた文字で埋める。
 
 最初からそういう仕事であれば、内容も充実出来るだろう。
 
 だが、そうでなかったのならどうだ?
 
 ∧∧
( ‥)水増しすると?
 
  ( ‥)余計な感想、陳腐な意見
    −□ 薄っぺらな世界観で
      錆び付いてしまった
      イデオロギーを振りかざし
      子供でも書けるような、
      対案も具体案もない
      文字だけを並べたてる。
 
 だが、それ以外に何をしろと?
 
 要約し続けてきたのではなかったか? 次々起こる出来事を必死に処理してきたのではなかったか? 奔流のような情報と文字と活字と言葉をなんとか制御してきたのではなかったか?
  
 しかし、それがある日、途絶える。
 
 ∧∧
( ‥)人は繰り返される作業が
    出来るように、
    同じ出力が出来るように
    反復し、
    それゆえに強化され
    そしてそれ以外はついに
    できなくなる。=>
 
  ( ‥)紙面の中で減少する文字。
      増大する空白。
      それを埋めるために言葉を
      つむぐが、だがしかし、
      現実を適切に操作する
      訓練は受けていない
 
 そりゃあそうだ。現実を、この世界をコントロールし、問題と報告書と書類に対応し続けてきたのはジャーナリストではない。それをし続けてきたのは文化人でも知識人でもない。
 
 それをしてきたのは、陳情する有権者にうんざりしている政治家や、げんなり顔で書類と格闘し続ける国家官僚たちではなかったか?
 
 ∧∧
( ‥)いきなり。はい、活字の
    時間は終わりました。
    現実をコントロールする
    実行可能な具体案を提示し、
    それが成立しうることを
    現実的な数値で示してください
    そう言われた状況。
 
  (‥ )不可能だ。
 
 ∧∧
( ‥)不可能か
 
 (‥ )それはあれよな、
     おいちゃんなら、明日から
     エロ漫画を描いてくださいと
     言われるようなもんだよ
 
 人はそれぞれに特化しているのだ。
 
 漫画? あんなもの馬鹿の読むものだ。
 
 エロ?? わろす、低俗。などと言う身の程知らずは地獄に落ちる。
 
 どんなものにもノウハウがあり、常人にはまねできない技術がそこにある。自分にそれが出来なくとも、満たすべき要求があることは認識せねばならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)? つまり、ジャーナリズムは
   エロ漫画を描いてください
   そう言われて珍妙で的外れな
   ”エロみたいな何か”を作る
   イラストレーターの残骸
   みたいなもの?
 
  (‥ )じゃねえか?
 
 というか、
 
 ∧∧
( ‥)そう考えた方が
    納得のいくことが
    多いのではないか、と?
 
  (‥ )事実、色々と
      思い当たらないかね?
 
 例えば、この人は最前線の情報にずっと接してきたはずなのに、取材をしているはずなのに、それも何度もしているはずだのに、なぜにこのぺらい意見? という違和感。
 
 
    
 
 
      

2013年5月19日日曜日

赤を緑として


 hilihiliのhilihili: 青だけが見えるままで赤だけが見えるようにせよの続き
 
 ∧∧
( ‥)でっ? どうよ?
 
  ( ‥)そうねえ、少なくとも
    −□ 先の魚じゃないが
      ある動物が赤を緑として
      感じる、そういう引用が
      出てきた。
      元ネタはnatureだから
      意外と身近にこういう
      記述があったわけだな
 
 ∧∧
(‥ )構図自体は先のお魚さんと
 □−  同じなんですね。つまり
    赤を緑や青として認識する
    そういう理解で良いと
 
  (‥ )きちんと読まなきゃ
      いかんけども
      そういうことだな。
      赤、青、緑を同じ色と
      して認識する。
      その状況で
      赤だけを認識するには
      赤以外の色をあらかじめ
      排除する必要が
      あるわけだね。

 でっ
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 必要な論文に眼を
    通した結果はどうよ?
 
  ( ‥)そうねえ、フジクジラは
    −□ 今回の記事には
       なりにくいかなあ。
 
 ∧∧
( ‥)おや残念
 
  (‥ )代わりにそうねえ、
   □−  赤い人たちを4見開きに
      まとめようかと
      思っているんだけどね
 


      

2013年5月18日土曜日

君ならどんな残骸になりたい?

 
 
 その社長さんは、ばりばり働いていた時代、お客様に連呼していたセールストークを今も繰り返しているという。
 
 ∧∧
( ‥)もう、すっかりぼけちゃって
    いるんだけどね
 
  ( ‥)最後に残ったのがそれか
 
 いつも同じ道をゆく。何度も通れば荷馬車は土の道にわだちを残し、アスファルトの道路も加重によって、じょじょに流れ自動車の通過痕を残し、参道の石畳さえも人の動きと荷馬車の動きに沿ってすりへっていく。
 
 ∧∧
( ‥)そして、そうしたわだちに
    沿って車は進み、
    ますますわだちは深く、
    車はわだちにますます
    沿って動くことになる
 
  ( ‥)事態は相乗的に進行し
    −□ 同じことが繰り返され
      繰り返しから逃れ
      られなくなる
 
 これ自体は例え話でしかないけども。
 
 ∧∧
( ‥)でも、行動も神経も
    反復すると強化される
    わけですよね?
 
  (‥ )あまり無責任なことは
      言えないけどもね、
      それを考えると
      とたん、
      恐ろしくなるよな
 
 時々、というかいつも疑っているのだけども
 
 僕らが、いや、世間が満足げに語る、
 
 まさに40、50は一番仕事に脂がのっている時期、
 
 というのは、
 
 ∧∧
( ‥)本当だけども、
    実は嘘じゃね?
 
  (‥ )とっ、疑っているのよね
 
 事実ではあるんだろう。何度も繰り返して慣れて、経験を積み、適切に仕事をこなし、非常事態にも対応できる。
 
 ∧∧
( ‥)でも、もしかしたら
    数年、10年のスパンで
    起こる出来事のすべてに
    対応できるように
    脳内マニュアルが完成した
    だけで
 
  (‥ )実はさ、もうすでに
      何も考えていない
      のかもしれない。
 
 もしかしたら、のりのりに働いている人は、マニュアルに沿って動くだけの自動機械になり果てているのかもしれない。
 
 何度も幾度も同じことを繰り返し、すらすらとこなせる。40、50というと、仕事を始めて20〜30年はたっている。それだけの時間があれば、数年、10年の単位で起きることなら、経験済みだ。そしてその程度の頻度で起こることなら、この先もしばらくはそのまま自動的に対応できるだろう。というか、事実、そうしている。
 
 ∧∧
( ‥)それが”脂が乗り切っている”
    という状態ならば、
    脂が乗っているとは、
    実は試行錯誤の放棄、
    解探索の停止、
    方程式に沿った行動の
    単純な強化、そして
    自己の自動機械化
    なのかもしれない
 
  ( ‥)40、50が仕事の
    −□ ピークというのは
      正しくもあり、
      間違いでもある
      そういうことかも
      知れない。
 
 
 ∧∧
( ‥)何度も何度も繰り返して
    そのわだちから逃れられない
 
  (‥ )何が逃れられないって、
      逃れる必要性を感じない
      ことなんだろうな。
      当然、必然ではあるが、
      これは破滅的だ。
 
 ∧∧
( ‥)そして? いつも使わない道は
    わだちもないまま、
    通ることもないまま
    朽ち果ててホコリと植物に
    埋められて消えていき
 
  (‥ )最後の最後に残るのが
      一番深いわだちの道だ
      先の人は、それが
      セールストークだった
      そういうことかな。
 
 ある人は、自分が興味を持てないことには興味がなかった。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃそうでしょう
 
  ( ‥)色々なことに興味を
      持つべきです、そういう
      忠告に耳を貸さない人で
      ひたすらに仕事を続け、
      退職後も自治会の事務を
      こなし続けたという。

 今でもそのまま、というか、”今ではそれだけ”になってしまい、何度も繰り返しているらしい。
 
 ∧∧
( ‥)興味ないことに興味を持つのは
    無理ですけど...
    仕事以外に興味を広げろ、
    趣味を持て、
    好奇心を刺激しろ、
    そういう忠告はそういうこと
    なのでしょうね。
 
  ( ‥)わだちのすぐ脇には
    −□ 知りもしない事柄が
      転がっているからな
 
 そういえば、先日、ダイニングってどういう意味? と聞かれた。
 
 ∧∧
(‥ )ダイニングルームで
 □−  食堂って意味だけど
    動詞はダイン:dineで
    意味は食事をする。
    辞書によれば
    古期フランス語の
    ”断食を破る”に由来する
    と書かれていますね。
 
  (‥ )どうでも良いことでも
      調べればなんかあるな
      イギリスがフランス貴族に
      征服された国だからか?
      それとも、かつては
      フランスの方が先進国で
      フランス語が流入した
      その名残か?
      もっと調べればもっと
      色々なことがあろうな

 
 わだちの脇道へごそごそ入るのも、悪くはなかろう。
 
 ∧∧
( ‥)わだちだけになりたくない
    ですからね
 
  (‥ )なるのは仕方ないが
      可能な限り、進行を
      遅らせたい。
    
 
 あるいはこう言えばいいか? 君ならどんな残骸になりたい?

 
 

青だけが見えるままで赤だけが見えるようにせよ

 
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうね、要するにこの魚は
    −□ 赤と青の区別がつかない
      そういうことらしい
 
 ∧∧
( ‥)赤を青と感じる、そういう
    ことですか
 
  ( ‥)論文にそういう明言は
    −□ ないけども、
      理屈の上ではそういう
      ことになるね
 ∧∧
( ‥)それぞれ個々の事実は
    すでに知っていたの
    ですけどね
 
  ( ‥)楽観的に言えば
    −□ より理解した、という
      ことなんだろうけども、
      まあ、読み直したり、
      再リサーチするのは
      大事だってことだな
 
 すでに知っていることは、把握した部分にすぎぬ。知らないが故にまだ認識できていないことにこそ、より価値があるのだ。把握したことは空白を知る手がかりとなるがゆえに重要だが、知っていることや知識、それ自体はどうでもよい。分かったなんてちゃっちゃとおっちね。なるべくむごたらしく。
 
 ∧∧
(‥ )でも、このお魚さんの
 □−  ”売り”は赤を見ることに
    特化していることに
    あるのですよね。
    青は認識できるけど、
    青を認識しては
    困るのだと。
 
  (‥ )そここそが
      整合的であるんだ。
      この魚の眼球は
      赤以外の色を
      徹底的に排除するように
      出来ているからね。
      最初から赤だけを
      認識できるように
      設計されていたなら、
      こんな造りにはならない
      そういうことだよね。
 
 考えてみれば当たり前で、彼らの祖先は青系統の色しか見えない生物だったのだ。つまりこの結果は当然と言えば当然。青系統を見るように調整された肉体を”赤だけを見る”ように、しかも最短距離で調整せよ、と言われたらこうするしかないだろう。
  
 ∧∧
( ‥)まさに知性抜きで
    解を探索できる
    進化アルゴリズムの結果?
 
  (‥ )まさにそういう例
      なんだろうな。

 
 調べ直すと色々出てくる。
 
 ∧∧
( ‥)時間ないよ? 記事全部を
    書き直していられる??
 
  ( ‥)そうだな、必要な
    −□ 論文を後3つぐらい
      読んで、テキスト自体の
      拡張を試みよう。
 
 ∧∧
( ‥)悪く言うと水増しする
    ということですか
 
  (‥ )良く言えば把握できた
      事柄が増大すると
      書けることが増える。
      拡張分を展開することで
      テキスト作成の遅れを
      取り返す。
      そういうことだね。
 
 

冷静な彼は何を見ていただろう

 
 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)いやさ、こんな話が
      あったじゃないか。
 
 学生の登山部。たぶん、30年以上は前の話である。雪山登山で天候が悪化。部員の一名は衰弱が激しく、ついに死亡。もちろん持って下山などできない。やむなく、彼をとりあえず置いて、生き残りの部員で自力下山を目指す。
 
 ∧∧
( ‥)ああ、下山途中で生き残りの
    部員に幻覚を見る者が出現
    それが他の部員に次々に
    伝染した、という話ね
 
  ( ‥)実話なんだよな。
 
 雪に埋もれた笹の中に棺桶が見える。暖かい食事を用意しているだろう食堂が見える。家が見える。先発してルートを通る彼がロープウェイに乗っていく。止めてくれ! 僕たちを残していってしまう!!
 
 ∧∧
( ‥)一人が見え始め、
    幻覚を報告し始める。
    二人目が同じように
    見え始める。
  
  (‥ )幻覚だから、
      疲れているから
      何を言っているんだ
      そう否定していた
      三人目も、家が見える、
      あたりから、
      本当に見え始めて、
      ああ、これは疲労が
      限界なんだ、そう思った
      そんな話だったよね。
 
 なんでもリーダーだけは最後まで冷静で、幻覚を否定し、3人目までも幻覚が見えた...と報告した時点で、とにかく休もう、ビバークの準備をした、そんな話だったけども。
 
 ああしかし、これを聞いてある人が曰く
 
 リーダーも実は最初から幻覚が見えていたのではないか? ただ、すべての幻覚の下に、”これは幻覚だよ”、という注釈が見えていたのではないか、と
 
 ∧∧
( ‥)...だったらすごくいやだね
 
  (‥ )死者が出ているわけで
      冗談で言う話ではない
      それは承知している。
      だけどね、
      リーダー以外の全員が
      見えている状況で
      リーダーのみ冷静であった
      だが、それは必ずしも
      ”見えていない”ことを
      意味するわけではない。
      この指摘は重要だよね
  
 少なくとも言えるのは、見えているそれが事実かどうか? それは相互的に、あるいは経験的に判断されることであって、見えるもの、それ自体は事実そのものではない。そういうことではあるだろう。
 
  
 
 
      

2013年5月17日金曜日

人生、小中学で決定、おおむね

 
 
 ∧∧
(‥ )網膜上にある
 □−  葉緑素由来の色素の存在が、
    本来は感知できない
    波長を知覚する鍵であると
 
  (‥ )なかなかね、意味を
      把握するのに時間が
      かかったよ。
      学業をさぼると
      こうなるという見本だ

 
 
 ふと思い出した。
 
 ∧∧
(‥ )メモリーを閲覧するに、
 □−  小学校も中学校も
    あなたは成績が
    悪かったですねえ
 
  (‥ )高校もあまり良い高校には
      いけなくてだな。
      そこでふと思い出したよ
 
 ああ、そういえば、高校時代の友人というか仲間たちというか。全員、大きな会社につとめることなく、結婚もしておらんよな。
 
 ∧∧
(‥ )...ひとり、その業界では
 □−  そこそこ大きな会社に
    勤めて結婚された方が
    いたじゃないですか
 
  (‥ )ありゃあ、マイナーな
      分野で法的に保護されて
      競争会社がいないから
      独占状態で、
      ゆえに”大きい”のだがな。
      ともあれ彼は例外だね。
 
 もう20年は音信不通なので、その後、どうなったのかは知らないが、まあ、愚痴をこぼしつつ、自由が良かったと嘆きつつも家庭と人生を堅実に、それなりに歩んでいるんだろう。
 
 あくまで推論でしかないが。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのお知り合い、
    美術部の面々は、ちょっと
    くせがありましたから
 
  ( ‥)一方、市内で一番
    −□ 頭の良い学校へいった
      連中には、
      省庁に入ったり、
      教授になった人も
      いるんだよね
 
 つまりそうだ。成績が人生を決めるのだ。
 
 そりゃあそうだ。他人よりも問題文をきちんと読み、解くべきルールを把握し、適切に速く答えられる人間は、この巨大化した社会を運営する側に回るべく選抜されるのだから。
 
 その編み目からぼろぼろ落ちた連中はもう駄目だ。
 
 もちろん、駄目なら駄目なりにすればいい。
 
 とはいえ言えることはある。
 
 ∧∧
( ‥)人生は小学校、中学校で
    その成績で決まっている
 
  (‥ )おおむねだが、
      ほぼ確定的でね
 
 決定論ではないが、運命は確定的で抗いがたい。
 
 さらにここでふと思い出した
 
 ∧∧
(‥ )以前、聞いた話ですね
 □−  あなたの中学校時代の
    同級生の行く末です
 
  (‥ )頭が良くて、体が大きく
      スポーツマンで、
      努力家で、
      リーダーシップを
      取りたがり...


 ∧∧
( ‥)取りたがり、ね
 
  ( ‥)無駄に努力するというか
    −□ 端から見ていて、
      肩の力が抜けないの
      だよなあ。
 
 勉強だ。
 
 勉強だ。
 
 勉強に関係ない歴史のうんちくを話すあの教師が許せない。
 
 これじゃ勉強ができないじゃないか、教科書が終わらないじゃないか
 
 他人がさぼるのが許せない。
 
 色々な場面と学校生活の端々でそんなことを言う、口うるさい奴でもあった。
 
 ∧∧
( ‥)無理があったと思う?
 
  ( ‥)無理でもなんでも
    −□ さっきいった、
      市内で一番頭が良い
      高校へいったよ。
 
 その後のことは全然知らなかった。ただ、7年あまり前、人づてに聞いたのである。地元の大きな銀行につとめ、そこそこ出世した後、そこをやめて、今では地方で塾の講師だかなんだかをしていると。
 
 ∧∧
( ‥)...折れましたかね
 
  ( ‥)ある人がこういったな
      銀行はコネ入社が
      あるのよ
      名前は大きいけれど
      人に頭を下げなくちゃ
      いけないのよ、
      ノルマがあるのよ
 
 
 コネ入社がある。
 
 それが”銀行が”、なのか、”あの銀行が”なのかは知らない。
 
 いずれにせよ、
 
 ∧∧
( ‥)折れたか
 
  ( ‥)かもしれんな
      コネ入社と同期や上司
      耐えられるとは
      思えん。
 
 もちろん実際は知らない。ただ、あやつの顔を思い出し、言葉と行動と姿勢を思い出すと、折れたのではないか? そう思ってしまう。それだけの話。
 
 ∧∧
(‥ )同じ高校から駆け上る
 □−  人もいれば
    折れたように見える
    人もいるのだと
 
  (‥ )塾の講師かあ
      どんな教え方を
      してるのかな?
 
 もっと頑張れ! と自分の人生の挫折と恨みを込めて叱咤激励しているのか。
 
 こういうことになる場合もあるよ、そう流すように教えているのか。
 
 それは謎であるし、想像と憶測の域を出ない。
 
 ∧∧
( ‥)そして思うに
 
  ( ‥)やっぱ小学校、中学、
    −□ そこで人生がほぼ
      決まってるよねえ。
 
 出来る力を使いこなすか、無理して折れるか、無駄とあきらめて自由にやるか、さて、どうなりますか。
 
 
 
      
    

2013年5月16日木曜日

本を読んで分かったなど、どうでもよろしい

 
 
 本を読んでも何も分からないよ
 
 ∧∧
( ‥)そういうと、
    偉そうに言うな
    そう怒る人がいますよね
 
  ( ‥)あれよな、本を読んで
    −□ 頭がよくなった、
      本を読んでいる自分は
      漫画読んでる馬鹿より
      偉い、そう思い込んで
      いる人はそういう反応を
      するかもだね。
 
 実際のところ、みそ汁に砂糖とミルクを加えるのが正しい食べ方である、そう本に書いてあれば、それを”知って”、自分は賢くなった、そう思えるのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)これはあからさまに間違いが
    分かる例ですけども
 
  (‥ )この文章だって名詞を
      変えれば正しいか、
      正しくないか
      分からなくなる。
 
 プチャムにケパルとキーヨを加えるのが正しい食べ方である
 
 ∧∧
( ‥)知らないことの間違いは
    分からない
 
  ( ‥)本を読めば頭が良くなる
    −□ 本を読んでいる俺は偉い
       これは砂上の楼閣よな
 
 当たり前の話で、これは一般的に使われる建材であり、土台です、そう言われてサラサラの砂を売りつけられても、それを使って出来上がるものが砂上の楼閣なのかそうでないのか、それは実際に建物を立てない限り判別できない。
 
 本を読むだけでは判別できない。
 
 ∧∧
(‥ )ましてや、読者家の中には
 □−  自分の好きな本だけを
    読む人がいますしね
 
  (‥ )ダーウィニズムが怪しいと
      思うから、今西進化論や
      グールドを読んでみよう、
      本気でそういうことを
      平気で言っちゃう読書家が
      事実としているからな。
 
 もちろん、そういう人向けの商品も取り揃えておりますよ、出版界はね。なんでもあるんだ、この業界は。
 
 お上品なテレビや新聞と違って、より良いものも、よりひどいものも、すべて取り揃えております。
 
 ∧∧
(‥ )世間のどんなに難しい本も
 □−  教科書に比べれば
    児童書ですからね
 
  (‥ )そりゃね、お客様向けに
      分かりやすく書いている
      わけだからね。
      だが、分かりやすいは
      簡略化なんだ
      省略された部分には
      重要な箇所もある
  
 ∧∧
( ‥)それでも、簡略化ですめば
    良心的なわけでしょう?
 
  (‥ )そりゃ良心的さ。
      とてもよく分かりやすいは
      嘘っぱちになるからね。
      すらすら読めるなんて
      嘘のオンパレードだよ
 
 
 ああ、だから、無駄なプライドや、”漫画を読む奴は馬鹿”とか、そういう考えや前提は脇に置いてだね、もう少し真面目に聞いてもらいたいものだ。
 
 本を読んでも賢くなんかなれないよ。
 
 お前は俺たちを馬鹿にするのか? 通勤の途中で本を読んで勉強するサラリーマンの努力を馬鹿にするのか???
 
 馬鹿になどしていないさ。ただ、作っている側がそう言っている。それ、どういうことか分かるかい?
 
 ∧∧
( ‥)どうしたもんでしょうね?
 
  (‥ )嘘っぱちは論外だとして、
      簡略化を考えよう。
      簡略化とはパズルのピースが
      足りない状態だよね?
 
 ∧∧
( ‥)つまり簡略化された
    分かりやすいを
    把握した場合、
    足りない箇所が必然的に
    見えてくるだろう
 
  (‥ )重要なのはそこじゃね?
 
 
 分かったから、分からない箇所が見えてくる。それが簡略化の過程で抜け落ちた部分であれば、分かった箇所そのものよりも分からない箇所が重要でありうる。
 
 ∧∧
( ‥)重要でないから簡略化で
    省略された部分もあるけど
  
  (‥ )応用問題でこそ重要で
      あるから、基礎では
      意図的に省略された
      ピースもある。
 
 理解が基礎よりも上を目指すという過程なら、意図的に省略され、結果的に出来上がった空白に気がつくべき。
 
 それに比べれば分かったなんぞ、どうでもよろしい。
 
 
 

2013年5月15日水曜日

見えているものがそこにあると主張するのはよせ

 
 
 ∧∧
( ‥)あなたが怒ると泣いています
 
   (‥ )いや、あれよ?
       人が見える、と言うな
       そんなことを言っている
       わけじゃないぞ
 
 見えているから実在する、とか言うのはやめろ、と言っているだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )人は色々な状況下で
 □−  ありもしないものが
    見えてきますからね
    いもしない人が見えたり
    ありもしない店や物が
    見えたり、
    おかしな”虫”が見えたり
 
  (‥ )”見える”のはしょうがない
      見えてそれを怖いと
      思うのも当然だ。
 
 例えばの話、治療薬の副作用や隔離、どんな原因であれ、いもしない人が部屋の隅に突っ立っていたり、こちらを、じっと見ていたり....
 
 ∧∧
( ‥)それが幻覚だろうが
    幽霊だろうが妖怪だろうが
    いやでしょうね
 
  ( ‥)そりゃあいやだろうな
      当然だよ。
 
 ただ、観察できたものが実在する、と無条件に思うのはやめろ、と言っているだけだ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは無条件な肯定が
    耐えられないと
 
  ( ‥)僕らは肉体を通して
      現象を認識している。
 
 肉体が個体としても系統としても存続していることからすれば、僕らの認識はそれなりに外界に対して適切に対応できているのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)しかし、誤差が生じる
    余地はある
 
  (‥ )だから言うのさ。
 
 目撃した、理解した、認識した、見た、
 
 目撃したから、理解したから、認識したから、見たから
 
 だからそれはそこにある
 
 そう言うのはやめろ。
 
 ∧∧
( ‥)見えるから
    そこにあるに違いない
    その論法にあなたは
    耐えられない。

   ( ‥)観測と存在の間に
       直接の関係はない。
       僕らは絶えず
       存在の確からしさを
       論証せねばならない。
 
 ならばこう
 
 見えているからそれがそこにあると主張するのはやめろ。
 
 

2013年5月14日火曜日

それは、おわた、でしょう

 
 hilihiliのhilihili: 地形の改変者の続き
 
 
 世の中、間違ってる。そう言うことが間違いだ。
 ∧∧
(‥ )こういうことを言うと、
 □−  反感を持たれることが
    ありますよね。
 
  (‥ )ああ、でもそれは
      おわた、だな。
 
 世の中、間違ってる。それを言うことがすでに間違いだ。
 
 そうおっしゃるが、世の中の間違いを指摘しないと間違いは是正できないではないか。
 
 
 言わんとすることは分からんでもない。
 
 だが、こういう反論をするとは、例えば彼は、次ぎのようなことを考えているのではないか?
 
 ∧∧
( ‥)もしかしたら、発言者は
    間違いを指摘すれば
    間違いが是正できる、
    そう思っているのでは
    ないだろうか?
 
  ( ‥)つまり、おわた、だな。
 
 このガラスは割れている。
 
 このガラスは割れている。
 
 100万人がこれを唱えたら、では割れたガラスは元に戻るか?
 
 戻らない。
 
 戻すにはガラス職人が必要だ。
 
 ∧∧
( ‥)100万回唱えたら
    誰かが直してくれるかも
    知れません。
 
  (‥ )ガラス職人がいれば、
      だろ?
 
 より正確には、ガラスの原料を採掘する場所、それを調整する技術、技術を伝承する学校や図書館、教育機関、材料を運ぶ物流、工場、販売先、これらすべての需要をこなし、金額を支払ってくれる消費者。そしてその必要に応じて育成されたガラス職人、これらが必要。
 
 ∧∧
( ‥)つまり社会の地形が
    その要望を満たしていれば
    要望の声は満たされるだろう
 
  (‥ )では、そうでないなら
      どうなるかな?
 
 そうでないなら、”間違い”を指摘してもどうにもならん。”間違い”を100万回唱えても誰も直せん。
 
 唱えるのではなく、これらのすべてを作らねばならん。
 
 それが満たされない限り、
 
 世の中間違っていると言うこと自体が間違っている。あなたはそうおっしゃるが、間違いを指摘しなければ世の間違いは是正されないでしょう。
 
 という主張がかなえられることはない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )つまり、おわた、だよ
 
 なにひとつできまい?
 
 なぜって、なにひとつ自力で作っていないからだ。
 
 望むよりも地形を変えよ。
 
 ∧∧
(‥ )成功した人はほぼ
 □−  0のようですが
 
  (‥ )歴史的に見て
      不可能ではない。
      だがほぼ不可能だな。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )やっぱ、おわた、だねえ
  
 それがいやならせいぜいあがいてみることだ。
 
 
      

地形の改変者

 
 
 hilihiliのhilihili: 変えたいなら、間違ってるという自分をまず変えた方が良くね?の続き
 
 ∧∧
( ‥)世界の”故障”をそれほどまでに
    直したいなら、文句を言うより
    配管工になるべき。
    でも、世界はもっと難儀な
    ものかも知れませんね。
 
  ( ‥)世界の欠陥を修理する
    −□ 配管工。この例え話は
      配管工は世界の構造に
      熟知しているのみならず
      ”修理すべき箇所”が
      不自然だ、という前提が
      あるのだ。
 
 問題はである。
 
 不自然、ではなく、それが”自然”だったらどうする? 
 
 ∧∧
( ‥)川は地形にそって流れる

  (‥ )ここに川があっては困る
      そう主張することは
      出来るが、
      川は地形に沿って
      流れているだけ、なのだ
 
 人の諸々の思いと無関係に川は流れる。川は地形に沿っているだけで、人の倫理や道徳、価値観を超越している。
 
 ∧∧
( ‥)奴隷制は間違っている
    そう主張した人が
    何百年もの間、
    たくさんいたのに、なぜ
    奴隷制は維持されたか?
 
  (‥ )需要と供給があり
      消費と製造がある限り
      貿易の流れはとまらん
      人の営み、人の空腹、
      人の欲、生の営み、
      これらは想いではない。
      物質的な必然性で
      数値であって変更できん
      これら自体がそれを
      許しているのなら、
      ”川”は地形に沿って
      流れているだけだと
      したらどうなるね?
 
 そうだとしたら、世の中が間違っている、そう思う人は、配管工になるだけでは足りない。
 
 なぜなら川の流れを決定するものが地形である以上、”世界の有様を熟知し、故障箇所を直せる配管工”、では必然的に役不足だからだ。
 
 ∧∧
( ‥)地形という世界の有様を
    熟知し、地形を
    可能な方法で改変する
    技術者が必要になる
 
  (‥ )運河の掘削技術者の
      ようにね。つまり、
      地形の改変者に
      ならねばならん。
 
 ∧∧
( ‥)地形の改変者とは難儀な
 
  ( ‥)皆の考え方を変えれば
      地形が変わる、というのは
      ありがちな意見だが論外だ
 
 
 教育を徹底すれば犯罪が0になると言っているのと同様。そんなものは念じれば川の流路が変わると言っているようなもので、たわ言だ。それでは運河の掘削技術者にはなれない。
 
 ∧∧
( ‥)地形がおかしい、と言っても
    地形は変わらない。
 
 (‥ )しかし、地形を変えねば、と
     努力しても地形は
     そうは変わらん。
 
 思うに。世の中間違っているとは、それはそれは大勢の人が口にするし、俺が世の中を、俺がこの会社を変えると意気込んだ人も星の数ほどいるはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも変わった試しが
    ほとんどない。というか
    まず聞いたことがない。
 
  (‥ )それがなぜなのか
      分かる気が
      しないかね。
 
 さて? ではどうするね? 
 
 愚痴をこぼすだけか? それとも絶望的な地形を前に座り込んでたださめざめと泣いて涙をこぼすか? それとも変えぬことも出来ぬこの世が悪いと、人と世界を呪って死ぬのか? あるいは出来もしない理想をただ唱えて、見てください自分は頑張りました、汚れているのは世界なんです、でも少なくとも自分は清かった、そう自己陶酔と自己満足の中で死ぬのかね?
 
 理想主義者の皆さんはどうなさるおつもりかな?
 
 以下に続く=>hilihiliのhilihili: それは、おわた、でしょう
 

      
      

2013年5月13日月曜日

変えたいなら、間違ってるという自分をまず変えた方が良くね?

 
 
 世の中が間違っていると思ったら
 
 ∧∧
( ‥)それは、それを思っている
    お前が間違っているのだよ、
    あなたはそう言いました
 
  (‥ )ああ、つまり大事なのは
 
 もっと出力の出るエンジンが欲しいなあ、そう思ったその時、必要なのは熱力学や材料工学や、そういうもろもろの知識だ。
 
 必要なのはそれであって、このエンジンは間違っている、という事実や感想や言葉などではない。
 
 ∧∧
( ‥)世の中が間違っている、とは
    改善の動機にしかならない

  (‥ )動機がなければ改善は
      起きないが、
      動機があっても改善は
      できんのよね。
      動機だけでは操作が
      分からんからね。
 
 世の中が間違っていると思った時、それを是正したいと思ったとき、その時に必要不可欠なのは”世の中がこれこれゆえに間違っている”という事実(と本人は思っている何か)ではない。
 
 そんなもの、どうでもいい。
 
 
 ∧∧
( ‥)間違っている社会を
    適切に説明できる
    理論が必要なのだと
 
  (‥ )いや、間違っている、とは
      価値判断でしかない。
      ただの感想文だろ?
      そこも、というか
      ”そこを”抜くべき。
 
 
 必要なのは社会を説明できる理論。
 
 ただし、説明できるだけでは意味がない。”適切”に説明できること、テストに合格することが必要。
 
 ∧∧
( ‥)”説明できるだけの理論”なら
    いくらでも作れますからね
 
  ( ‥)マルクス主義なんかは
      そうだったな。
      そして価値判断と
      性能をごちゃまぜにして
      破綻した典型例だよね。
      マルクス主義は正しい
      豊かな未来を必然のもの
      として予言するこの理論は
      正しい。こういう考え方や
      主張の仕方は、
      だめだったよねえ。
 
 説明が妥当か?
 
 ではなく
 
 良いから正しい理論だ、
 
 これでは破滅だろう。
 
 このエンジンは適切に動くか?
 
 ではなく
 
 このエンジンは思いをこめて作ったから正しく動くはずだ。正しく動かないのは扱う人の信心が足りないからである。
 
 これでは破滅だろう。
 
 
 価値判断と性能評価をごちゃまぜにするのは破滅のもと。
 
 ∧∧
( ‥)そういう意味では
 
  (‥ )世の中間違ってる
      この言葉の最大の欠陥は
      すでに明らかだよね。
 
 ”間違ってる” 
 
 もう価値判断が混ざっている。つまりこの台詞を言った時点で雲行きがすでに怪しい。
 
 ∧∧
( ‥)さらに言えば
 
  ( ‥)世の中間違ってる。
      はーい、この台詞、
      あなたで何人目かなー?
 
 ∧∧
( ‥)100万人じゃきかない
    のでは?
 
  (‥ )じゃあ、結果は概して
      明らかだよね。
 
 何人目なのかは知らないが、お前さんも破滅する。
 
 いや、破滅しないで愚痴だけで、そして何一つ、まったく毛ほどのことすら何も出来ずに終わる。そして100万1人目だか1000万1人目だかになる。
 
 ∧∧
( ‥)どうしたもんですかね?
 
  (‥ )そうね、例えば
      こういう課題を
      考えてみたら?
 
 古代世界を支えた奴隷制。奴隷制に意義を唱えた宗教や哲学は数多くあったが、奴隷制が消滅したのはそのずっと先のことだった。これはなぜか? あるいはそもそも奴隷制とは何か?
 
 ∧∧
( ‥)奴隷制は間違ってる、
    そう主張した人は
    数多くあれども、
    そういう主張や言葉
    理念では奴隷制は
    終わらなかったと。
 
  ( ‥)そもそも奴隷制は
      終わっていない
      そういう意見もあるが、
      少なくとも古典的な
      奴隷制がなぜ終わりを
      告げたのか?
      それはなぜか?
 
 あるいは、
 
 あるいは、階級差別は完全になくなったわけではないが、しかし、少なくとも西欧世界の農奴たちは解放された。
 
 なぜか?
 
 ∧∧
(‥ )国内の農奴を解放し、
 □−  ナポレオン率いる
    フランス軍に対抗すべし
    その進言を退けた
    王様がいましたよね
 
  (‥ )もう一度、問おうじゃないか
      では農奴が解放されたのは
      なぜか?
 
  
 奴隷制も農奴解放も、それを実現したのは、それが間違っているという理念だろうか? もしかしたら、社会の仕組みが先に変わり、理念は後付けの、都合の良い正当化でしかないのではないか?
 
 ∧∧
( ‥)冷戦が終了して
    核兵器削減が実現した時
    我々の運動が米ソを
    動かした。そう主張した
    平和団体の人々が
    いましたよね。
 
  ( ‥)冷戦を集結させたのは
      理念か? 
      冷戦は別の理由で続行が
      不可能になり、
      後付けで核削減、
      平和というレッテルが
      貼付けられただけでは
      ないのか?
 
 理念で、、あるいは間違っているという言葉で一体何が出来るのか?
 
 この水道管は故障している。そう言うことは出来るが、そう言えば水道管はなおるのか? 必要なのは配管業者ではないのか?
 
 故障している。その台詞を100万回言ったらなおるのか? 愚痴をこぼす自分が100万と1人目であるならば、事実として”故障”は直っていないではないだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)つまり世の中間違っている
    そう思ったら。
 
  (‥ )そんな言葉で満足してる
      自分をまず作り替えてだな
      配管工になるべきじゃね?

 ただし、世の中間違っているという言葉が何度も何度も、いくらでも出てくることからすると、配管工になろうとした人はまったくいないか、あるいはなるのが非常に難しいらしい。
 
 
 でっ、さらに続く=>hilihiliのhilihili: 地形の改変者
 
 
  
 
 

2013年5月12日日曜日

BBは色々考えられるがどうだろう?

 
 hilihiliのhilihili: BBが怖いのなら君の夢を粉砕しようの続き
 
 我が社は業績がうなぎ上りです
 
 ∧∧
( ‥)去年の業績を改ざんすればね
    業績が横ばいでもうなぎ上り
    でしょう。
 
  ( ‥)1984年における
    −□ イングソック党の無謬性
       とはこういう
       たわいない話なんだよね
 
 こんな会社が競争ある現実世界で長続きするわけがない。
 
 ∧∧
( ‥)1984年とビッグブラザー
    これらはたわいもない夢物語
 
  (‥ )それでもなお、管理社会を
      恐怖し、その代名詞として
      ビッグブラザーを使う。
 
 ようするにそういう人は、競争とか、仕事とか、敵とか、そういうことを重要視していない、のではないか?
 
 ∧∧
( ‥)自由競争な仕事に
    関心がない、そういう
    ことですか
 
  (‥ )興味深いだろ?
      仕事をしていないのかも、
      考え事だけの生活をして
      いるのかも、
      あるいは自由競争を敵視
      してさえいるのかも、
      色々考えられるが、
      どうなんだろうね?

 
 
 
 

BBが怖いのなら君の夢を粉砕しよう

 
 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)うん、意外とね、
    −| ホルベイン社のcocoaが
       使えた。
       絵の欄外にメモして
       おこう。
 
 ※ホルベイン社のcocoaとは色鉛筆のこと。ナンバーはop098
 
 さて
 
 ∧∧
( ‥)あなたがNHKに非常な
    不信感を持つようになった
    のは何が原因でしたっけ
 
  ( ‥)スターリン体制下の
      ソ連を民族の共存共栄と
      述べたこととか、
      国民から金を徴収する
      高給取りのくせに
      格差社会とかがなり
      立てるとか、色々
      あったけども
 
 最大の不信感はあれかなあ
 
  (‥ )DJ OZMAの紅白参加記録を
      消そうとした疑惑、かな
 ∧∧
( ‥)ああ、2006年の紅白で
    全裸(っぽい)パフォーマンス
    をした人ね

 
 
 パフォーマンスの是非は興味もないし、どうでも良い。
 
 気になったのは、その後、彼の登場記録が抜け落ちていたので、記録抹消か? と一瞬だけ物議をかもした話だ。
 
 ∧∧
(‥ )参加記録はHP上でも
 □−  残っていますし
    そもそも記録抹消疑惑も
    記録ミスの可能性を
    述べていませんでしたか?
 
  (‥ )もううろ覚えだな。
 
 ∧∧
( ‥)でも? そのうろ覚えで
    あなたはNHKを
    全否定ですか
  
  ( ‥)記録改ざんなんて
      スターリンや
      1984年じゃあるまいし
      ジャーナリズムは絶対
      やってはいかん。
 
 ※1984年じゃあるまいし。
 
 ブラックコメディー漫画的な小説「1984年」。この世界は地球が3つの超大国に分割支配されているのみならず、超国家は一党独裁制であり、党は無謬性を喧伝しているし、事実として無謬の存在である。
 
 ∧∧
( ‥)ただ単に過去の声明を
    全部作り替えている
    だけなんですけどね
 
  ( ‥)今期は100万トンを
    −□ 製造します
      しかし80万トンしか
      製造できなかったら
      過去の声明を75万トンに
      書き換えて、予定よりも
      5万トンも多く
      製造できました
      そう発表するのだ。
 
 記録を改ざんするというのは、まあ、確かにそういうことだ。ソ連が成立した当初にいた同士も、彼が粛正されれば公式の写真から彼の存在は消され、最初からいなかったことになる。
 
 党の指導は無謬である。過去の記録を支配するもは無矛盾の存在。つまり神になれる。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、少なくとも
    ジャーナリズムはやるべきでは
    ないことでしょうね。
    
 
  ( ‥)DJ OZUMAの件は、、
      うろ覚えなんだがね
      個人的には印象的で
      あったなあ。
 
 ∧∧
(‥ )確認できないのに色々言うのは
 □−  良くないことなのですが
 
  (‥ )そうねえ、だから
      blogのネタとしてだけ
      話を膨らませようか。
 
 
 1984年の舞台、イギリスを支配するオセアニア国にはビッグブラザーという指導者がいる。
 
  ( ‥)豊かなひげに隠された
      謎の笑み。モデルが
      スターリンなのか
      レーニンなのか、
      マルクスなのかは
      知らんけども。
 
 ∧∧
( ‥)作者オーウェルさんの時代の
    独裁者という点では
    スターリンさんですかね
  
 ネタばらしすると、そもそもビッグブラザーは小説世界においても実は存在しない。”彼”は集団指導体制の党が作った架空のキャラであり、党が大衆向けにかぶった仮面でしかない。彼は二次元アイドルなのだ。二重の意味で存在しない架空キャラなんだが、どういうわけかビッグブラザーは現実世界でこそ人気がある。
 
 ∧∧
( ‥)二重の意味で実在しないから
    独裁や管理社会の
    代名詞になりやすいのでは?
 
  ( ‥)たぶんそうだね。みんな
    −□ ブッグブラザーが
      やってくる。
      管理社会が到来する、
      そう警告する時に
      BBを使うのだ。
      防犯カメラの設置と言えば
      すぐBBだからな。
 
 ※BB:1984年世界におけるビッグブラザーの略称。
 
 ああ、しかし、皆さん、忘れちゃいませんか? なにゆえに「1984年」の世界の中で人々がBBを必要としたのかを?
 
 ∧∧
( ‥)あの世界って核戦争で
    社会が存亡の危機に
    直面した世界なんですよね
 
  (‥ )このままでは社会と支配と
      権力と秩序の崩壊だ。
      それを恐怖した人々が
      いっさいの戦争と競争を
      放棄して幸せを選んだ
      世界なんだよね。
 
 戦争を放棄したから、いっさいの競争を放棄したから、つまり外敵が存在しないから、だからこそ1984年の世界は”すべての記録の改ざん”、”予言の無謬性”を獲得できるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)敵が存在したら、そんな
    詭弁と虚構の世界は
    併呑されて抹殺されて
    しまいますからね
 
  ( ‥)業績をたばかる会社
      みたいなもんだからな
      そんな国が存続するのは
      戦略的価値がないか
      戦略的価値ゆえに
      緩衝国家として
      存続している場合のみ
      それだけだよね。
 
 
 忘れちゃあいませんか? 1984年は皆が夢と幸せを選んだ世界なのだと。外を見るのをやめて闘争ごっこをしながら引きこもった、哀れで繊細でひ弱な世界であることを。
 
 そしてこの原則に立つ限り
 
 ∧∧
( ‥)ビッグブラザーはこの世界では
    存続しえない。
 
  (‥ )出現しても獲物として
      食われるか、
      生きながらえても
      緩衝国家に幽閉されて
      飼い殺しだろ。
 
 この現実世界の行く末は確定的だ。人間は世界の富を食いつぶし、後は地球が支えられる人口になるまで殺し合いをするだけである。
 
 ∧∧
( ‥)混乱と崩壊と人口減少の中で
    それを阻止する技術革新が
     どこまで進むか?
 
  (‥ )要するにこれらを条件
      とした平衡状態で
      未来が決定されるのだ。
      僕らの未来は完璧な地獄に
      続いている。
 
 実にすばらしい。ゆえにこの世界にビッグブラザーが存続する余地はない。
 
 ∧∧
( ‥)夢と希望と無謬のアイドル
    ビッグブラザーは
    この世界では生きていけない
 
  (‥ )それでも心配だと言うなら
      予防措置を張ろうでは
      ないか
 
 夢と希望と無謬とあきらめがBBを生むなら、対応策など簡単である。
 
 すべての人の夢と希望をひきつぶしてしまえば良い。
 
 さあ、こっちにおいでそこの君。君の夢と希望をすりつぶして破壊してやろう。その後、我々を充填するのだ。
 
 

2013年5月11日土曜日

本は基礎を与えるが、受け継ぐは妥当解

 
 hilihiliのhilihili: 絵本を思い出すの続き
 
 かこさとしさんの「地球」福音館1975年を読み返して気がついたことがある。
 
 ∧∧
(‥ )記述からすると海洋プレートの
 □−  運動はマントルの対流で
    駆動されている、
    そういう説明ですね。
 
 (‥ )興味深い。時代を反映して
     いるんだろうな。現在は、
     駆動力は海洋プレート自身の
     重さや位置エネルギーだろう
     ということになっている
     からね。
 
 ※例えば、断層で分断され、平行にずれている海嶺がなぜ動けるのか、古い海底ほど速く動いているように見えるのはなぜか? マントル対流で駆動されている、と考えると説明がつきにくい現象が色々とある。
 
 ある時点で説明が変わった。これは理解の歴史そのものだ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたの子供時代は
    火山噴火のマグマは
    プレート同士の摩擦熱で
    マントルの岩石が
    溶けたもの、
    そういう説明でしたっけ
 
  (‥ )そう聞いていたよなあ
      実際は水によって
      マグマが出来るのだ。
      それを考えると、
      時代も理解も変わったよ
 
 
 ∧∧
(‥ )これがアップデートする
 □−  ということなのでしょうね
 
  (‥ )本はその時代の知識を
      基礎として与える。
      基礎になった知識を
      土台や踏み台にして
      より妥当な解と理解を
      手にして、それを次に
      伝える。
      世代を超えて知識は
      伝えられるが、
      知識自体は書き換えられ、
      より妥当な解が伝えられる
      
 
 ∧∧
( ‥)そしてしかし、古い知識もまた
    この過程で役立ったのだと
 
  (‥ )人はついつい必要なのは
      新しい知識である
      そう考えるが、
      実際には違う
      与えるべきは基礎、
      しかし受け継ぐは妥当解
      この両方が無ければ
      理解は前には進まない

 
 そういうことなのだろう
 
 
 
 

2013年5月10日金曜日

絵本を思い出す

 
 
 ∧∧
( ‥)加古里子さん。著名な
    絵本作家さんですね
 
  (‥ )「地球」福音館 1975年
   □−  子供の頃に読んだ本だが
 
 ちきゅうを卵に例えると、「かたまったしろみがマントル...」ということがきちんと書かれているし、
 
 ∧∧
( ‥)マントルが重い岩石で
  −□ できているけど
     動いていること、
     対流していることが
     書かれていますね。
     岩石が溶けてマグマが
     出来る場所が海溝に
     偏ることも
     書いてあります
 
  (‥ )ちゃんと書いてあった
   □−  わけだな。
 
 ∧∧
( ‥)読んだけど記憶にない?
 
  (‥ )いや、マントルが岩石で
      出来ていること、
      マントルが対流すること
      そういうことは知識に
      なったけども、
      総合的な理解に及ぶには
      中学の時に読んだ、
      「流れる固体」からだね
 
 固体も流れる。岩石だって流れる。岩石の流れやすさは水と同様、それを粘性率で示すことが出来る。
 
 ∧∧
( ‥)それを扱う学問。
    それがレオロジー。
 
  (‥ )それを読むまでは
      岩石であるマントルが
      対流する、という
      概念は正確には理解
      出来ていなかった。
      そういうことだと
      思う。
 
 ∧∧
(‥ )かこさとしさんの御本も
 □−  その一言が書いてあれば
     あなたの理解もまた
     変わったのでしょうか?
 
  (‥ )わからん。だけども
      それを踏まえて
      この前に書いた
      絵本では
 
 
 岩石も流れる
 
 地殻の下にあるカンラン岩の粘りは水の100億倍の100億倍の1000倍
 
  ( ‥)とっ、書いたわけだ
    −□
 ∧∧
( ‥)でも? それでは
    不十分だろうと。
 
  (‥ )海底を舞台にしている
      とはいえだな、あくまで
      深海生物の絵本であって
      以上の地質的な理解も
      説明文で説明しているだけ
      だからな。
 
 
 この説明では理解に不十分であること、疑いない。
 
 
 ∧∧
( ‥)地球の絵本も作れたら
    良いですかね
 
  ( ‥)理想的にはそうだな
    −□ ともあれ、より妥当な
       情報を発信することで
       若い世代が持つ情報を
       より優れたものにし、
       知的に劣った旧世代、
       つまり我々40代以上を
       彼らによって置き換える
 
 ∧∧
( ‥)知的に劣った世代、とは
    刺のある言いよう。
 
  (‥ )40以上の基礎知識は
      学校卒業時の知識。
      つまりもう20年以上前、
      知的に一世代前だろ。
      一世代前だよ?
      知的に劣った世代と
      言われてむっとするとは
      むしろ逃げ。
      現実から逃げている
      だけではないかね?
 
 最新でも20年前の知識。
 
 これを聞いて、やばいと思わないとしたら、そっちの方が問題だ。
 
 ∧∧
( ‥)人は知識を鵜呑みにすべき?
 
  (‥ )夏休みの宿題を考えれば
      わかるだろう?
      ほぼすべての答えに
      自力で正解を出せるのは
      ごくわずかな人間だ。
 
 それが出来ない有象無象な僕らは”現時点で妥当な知識”を鵜呑みにするしかないではないか。
 
 ∧∧
( ‥)その妥当解とやらを
    本で書くお前は
    夏休みで正しい答えを
    出せるのか? 
    えらい上から目線じゃね?
    そう問われるでしょう。
 
  (‥ )無理もない問いだが、
      それは愚問でもあるよな。
      一部の問いだけなら
      正しい解を得ること
      可能なり。
 
 それ自体は馬鹿でも出来る。ただ単に、自分が馬鹿だと分かっていない底抜けな馬鹿は、これが解けたから他の問いもオレ様には同様に分かる(はずだ)、と絶頂に勘違いするからいけない、それだけの話。
 
 ∧∧
( ‥)正しい解を書けたから
    頭が良いわけではない
 
  (‥ )つまりだな、
      おいちゃんの頭脳でも
      局地的になら正解を
      見つけ、書き、それを
      人に伝えることは
      可能ってわけよ。
 
 
 見方を変えれば、頭が良い奴というのは、こっちが10問の正しい答えを発見する間に残り990問の解答を自力で、しかも、まんべんなく書ける人のことを言う。
 
 ※つまりこれが出来ないから、馬鹿な自分ではこっちの問題も出来ないに違いない、そう考える必要はない。
 
 ※※ただし、これは先に述べたように、こっちの問題が解けるからあっちも解けるに決まってる、そう考えてはいけないということでもある。それを思うくらいなら自害した方がいい。こういう勘違いをするのがいわゆるトンデモくんだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)ともあれ、あなた自身もまた
    子供の頃に読んだ本の
    先にいるというわけ
    ですか
 
  ( ‥)生きて死ぬ、とは
      そういうことだろう?
 
 世代交代のたびにアップデートし、知識そのものではなく、アップデートそれ自体を受け継ぐ。妥当解を探索するには有効な手段であるし、この探索の過程には死が必要だ。役立たずであることが明らかとなった情報は死によって消去されねばならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)つまるところ
 
  (‥ )知的に劣った世代と
      言われて怒る。
      お前は不老不死にでも
      なるつもりか?
      そういうことよな。
      なんたる思い上がった
      野望だろうね?
      醜く、ひ弱で惰弱だ。
 
 できもしないことを言うべきでも、ましてや信じるべきでもない。そうではないか?
 
 粛々と出来ることだけをしていこう。
 
 
 
  

プロなら良いとは素人な

 
 
 そういえば以前、ほんの少し前、2年以内の話。こんな人がいた。彼曰く。韓流ブームを見てください。あちらのタレントを見てください。美人でスタイルも良くて歌も踊りもプロ。我々日本のタレントでは勝てませんよ。なんで日本はアイドルや文化輸出に力を入れないのでしょうか、ウンヌン
 
 ∧∧
( ‥)あなたは言いました
    日本のアイドルは昔から
    むしろ素人芸だし、
    美人さやスタイルの良さを
    特に求められている
    わけでもないですよ、と。
 
  ( ‥)彼はこう言ったな。
    −□ 日本人は本物を見る目が
       ないのだと。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはどう思います?
 
  (‥ )プロの品質を持ってくれば
      売れるだろうとは
      発想が素人よな。
 
 
 
 

2013年5月9日木曜日

2番さん、選択肢のお時間です

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ、例えば
      こう言えばいい?
 
 人間は3種類に分けることができる。

1:夏休みの宿題を自分で正しく解ける奴
2:夏休みの宿題を自分で解いて、間違えた答えを書く奴
3:夏休みの宿題を他人に聞く奴
 
 ∧∧
( ‥)おかしなもので、
    この中で一番のお馬鹿さんは
    実は2であるのだと。
 
  (‥ )1は自力で分かる
      3は自分が出来ないことは
      ちゃんと分かっている。
      だから出来る奴に聞く。
 
 1番は当然、1、2、をそれぞれ識別できる。
 
 3番も1と2を識別できる。
 
 ∧∧
( ‥)2だけが、1と2を
    識別できない
 
  (‥ )なぜ出来ないのか?
      そのメカニズムの考察は
      置いておくとしてだな。
 
 このことは例えば以下のようなことを示している。
 
 まず、自分より頭が良い奴を見つけ出し、その解答を鵜呑みにすべき。
 
 ∧∧
(‥ )でも、考える力が大事なのだ
 □−  そう主張する人がいますよね
 
 (‥ )それは考えること
     それ自体が良い、という
     主張でしかないな。
     しかもね、
     ”考えることそれ自体が
     良い”、この主張、
     これ自体の根拠は
     どこから湧いてきたんだ?
 
 考えて出した結論が妥当か妥当でなかったか、それを決めるのは”答え合わせ”である。
 
 ∧∧
( ‥)答え合わせがない状況では
    1、2、3の選択肢は
    区別できなくなる。
 
 (‥ )考えること自体が良い、
     この主張は答え合わせを
     想定していない
     そういうことではないかね?
 
 
 考えたから俺は正しい。
 
 これも同様に、答え合わせを想定していない。
 
 俺が思うに俺の答えに間違いはない。
 
 これも同様。
 
 ∧∧
( ‥)俺の答えに間違いはない
    それは、その論理は
    ”その論理の枠内では
    矛盾がありません”
    それだけの意味ですからね
 
 (‥ )だが現実の世界があるのは
     その論理の枠外なのだ。
     その論理内で満足しても
     意味はない。
     答え合わせはその論理の
     枠外、つまり現実にこそ
     あるわけだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )考えることが良い、
      これを言う人こそ
      2番ではないのか?
      自分の論理の枠内だけで
      満足するから2番なの
      ではないか。
      そういうことじゃね?
 
 しかし、自分の論理の枠内だけで満足し、しかも鵜呑みにせずに自分で”考えて”いる。これほど危険なことはない。
 
 ∧∧
( ‥)夏休みの宿題を自力で
    解いて間違える。
 
  (‥ )それを社会人になっても
      やってしまう。
      これがどれほど危険か
      分かるだろう?
 
 例えば、夏休みの宿題や課題を、人生の課題、と書き換えてみよう。さて、2番の将来はどうなってしまうだろうか?
 
 
 
 
 
 

タコの貝殻

 

 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)んー、だいたい把握できた
    −□ と思う。
 
 馬の鞍型よりも馬の蹄鉄型の方が原始的。
 
 ∧∧
( ‥)タコさんの貝殻の話ね
 
  (‥ )タコが貝殻を持っていると
      言うと、面食らう人、
      多いだろうけどね。
 
 ※カイダコなどの話ではない。タコ全般に見られる”貝殻”の話。
 
 常識的にはタコは貝殻を持たない。
 
 常識。
 
 しかし常識には落とし穴がある。
 
 例えばの話、巨大隕石が地球に衝突して地殻を剥ぎ取れば、マグマがぼこぼこ、というのは理屈がおかしい、と書いたら。この人、間違ったこと書いてる! 間違ったこと書いてる! とはやしたてた馬鹿がいたけども、それをネタにすれば、
 
 ∧∧
( ‥)マントルが溶けている
    というのは世間的には
    ”常識”ですからね。
    地殻が剥ぎ取られれば
    火山噴火が起きる、というのが
    世間的には常識なんでしょう。
 
  (‥ )世間的に言うとタコは
      貝殻を持っていないことに
      なっているけども。
      それをふまえれば、
      ”タコの貝殻”、と書けば
      間違ったこと書いてる!
      間違ったこと書いてる!
      とかはやしたてる奴も
      いるのかね?
 
 ∧∧
( ‥)常識は危険?
 
  (‥ )常識という言葉が
      何を指すか次第だろうね
 
 そんなのお前、常識だろ? というのが
 
 観察するに人間の大半はそうするだろう
 
 観察するにこの現象はこのような振る舞いを見せる場合が多い
 
 ∧∧
( ‥)という内容ならば
 
  (‥ )それは考慮すべきこと
      だろうなあ。
 
 だけどもこれが、
 
 皆が信じている知識A、俺様も信じている知識Aは無条件に正しい
 
 ∧∧
( ‥)では危険であると
 
  ( ‥)妙な話ではあるんだよね
    −□ 昔、始祖鳥とかが
      見つかった時、
      歯を持つ鳥なんておかしい
      という強固な反対意見が
      出たと聞くけども。
 
 つまり19世紀には、鳥は歯を持たないものであり、ゆえに始祖鳥は非常識な存在であり、受け入れがたいものであった。
 
 ∧∧
( ‥)でも今では
    始祖鳥は歯がある鳥である。
    それがむしろ常識ですか
 
  (‥ )経験的に考えれば鳥の
      顕著な特徴のひとつは
      くちばしを持つこと、
      歯をもたないことだから
      ”歯がある始祖鳥は
      鳥ではない”
      こちらの方がむしろ
      正しい反応なんだがな。
 
 歯を持つ鳥。進化論的な考えに基づけばこの”おかしな事実”を説明できる。ゆえに進化論は妥当だろう、そういう論証に基づいて眺めたその時、初めて”歯を持つ始祖鳥”は十分な理解の俎上に登り、支障なく理解できる現実となる。
 
 はず、なのだが
 
 ∧∧
( ‥)...おかしくね?
    世間の人は”自然選択説”を
    理解していないでしょうよ。
 
  ( ‥)自然選択説を理解して
      いなくても、進化、
      つまり”生物の変貌”
      だけを信じていれば
      始祖鳥は受け入れられる
      そういうことかもしれん
 
 だけども、この解釈でも説明できないことがある。
 
 ∧∧
( ‥)以前、話をした人には、
    生物は進化する、という
    ことは知っていたけど、
    ”始祖鳥は歯を持つ”という
    知識を聞いて。素直に
    驚いていた人がいましたよね
 
  (‥ )つまり、進化という理論を
      知っているだけでは
      ただちにintermediateを
      理解し、受け入れられる
      わけではない、そういう
      ことが分かるよね。
 
 ※intermediate:インターメディエイト まま訳せば中間種。ただし、この言葉は1と3の中間は2である、という意味ではない。”1と3の中間が2であるとは限らない。別の姿でありうる”この意味におけるインターメディエイトはダーウィンによる理論の中核をなす概念の一つであるけども、世間的には非常に誤解されているものの一つ。
 
 そして、以上のことはむしろ次のことを示唆しているように見える。
 
 始祖鳥は歯を持つ、これを別に不思議に思わない私たちは、実は知識を鵜呑みにしているだけで、鳥の特徴を理解しているわけではない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり子供の時か、いつか
    そういう知識を鵜呑みにして
    そのままなのだと。
 
  ( ‥)話を戻せば地下は
      マグマでどろどろだ、
      この”常識”の由来は何か?
      実のところ、
      そういう描写は子供向けの
      ロボットアニメとかで
      よく見た気がするよ。
 
 うろ覚えだが、例えば宇宙戦艦ヤマトでは遊星爆弾の落下で富士山が噴火する場面がなかったろうか?
 
 ∧∧
( ‥)まあ、マグマだまりの上を
    どんぴしゃりで剥ぎ取れば
    噴火自体は起こりそう
    ですけどね
 
  (‥ )そりゃあ溶けてる場所を
      えぐるのだから当然。
      しかしそれは特別な
      場合だよね
      普通はそんなことは
      起こらん。
 
 地球上における火山の分布を見てみるがいい。恐ろしく偏っている。そういう、”地下にマグマがあらかじめある場所”以外、他の場所に隕石を落としてもどうこうなるもんじゃない。その場の地殻を全部剥ぎ取っても高温のカンラン岩が露出して、それで終わりである

 ※減圧溶融という手はあるが、それを実現するには地殻を剥ぎ取りました、では駄目で、もう一工夫必要。調べたい人はそれなりな検索ワードを使うか、教科書を見よ。三手ぐらいは数時間から数日で思いつくか行き当たるので、それから個々の手が妥当かどうか、検討すると良い。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると、
    地殻を剥ぎ取ればマグマが
    ぼこぼこ、とか、
    マントルは溶けているとか、
    あれは漫画やアニメの
    影響ですかね?
 
 ( ‥)影響というか...
     地学は必須科目でないから
     間違った知識が是正されない
     だから当然、作り手も
     地下は溶けている。
     そういう思い込みで演出する
     それが知識として
     連綿と伝わってきた
     単純にそういう話
     なんだろう
 
 
 ああ、そういう点ではドラえもんは違うよなあ。確か、地底探検車で地球の奥深く潜っていくとき、
 
 ∧∧
( ‥)記憶ですけど、
    マントルは固体として
    描写されてませんでしたっけ?
 
  (‥ )コアに突っ込んだ時、
      液体の描写になるんだよね
      少なくとも探検車が
      外部コアにぬるーーっと
      突っ込んでいくんだ。
      あれを見たときには、
      さすがF先生。違うわ、と
      思ったものだけど。
 
 
 僕らは単純に子供の頃の思い込みや、鵜呑みにした知識だけで物事を判断しているかもしれない。
 
 考えても正しい解答を導けない人にとって、正しい知識を鵜呑みにする、というのは体にも頭にも世間体で考えても良い話ではある。
 
 だが、当然、鵜呑みは致命的にもなりうる。
 
 そして最初の話、タコの貝殻に戻る。
 
 ∧∧
(‥ )すると? シルテンシスさんが
 □−  原始的?
 
  (‥ )単純に考えるとそうだね
      逆転の可能性もあるけど
      素直に考えればそうだ。
 
 
 
 
 

2013年5月7日火曜日

生活に必要なのが、おおむね質より量

  
 ∧∧
( ‥)なによ?
 
  ( ‥)ほら、以前、こんな話を
    −□ したじゃないか。
 
 =>hilihiliのhilihili: 実は単価が1枚3000円のまま
 
 ∧∧
( ‥)計算してみれば、
    あなたのイラストの単価は
    一枚あたり3000円のまま
    そういう話ですね。
 
  (‥ )200ページの本は
   □−  見開きが100。
      見開き1つにつき
      イラスト1枚。
      すると全部で100枚。
 
 本の原稿料が60万として、作者とイラストレーターで分割した場合、純粋にイラストレーターの取り分は30万。
 
 ∧∧
( ‥)それを100で割れば
    単価は3000円という計算に
 
  (‥ )3000円かあ。
      この仕事を始めてから
      イラストの代金は事実上、
      横ばいだね。
 
 とはいえ、先日、編集者の人とこの話をしたらこう言われた。
 
 いやあ、でも、それは数がまとまってますよね。
 
 ∧∧
( ‥)即座にそういう切り返しが
    出来る。あの人は
    修羅場をくぐってますよね
 
  ( ‥)そうなんだよな、
      単価そのものより
      重要なのは
      数なんだよな。
 
 例えばの話、1枚のイラストが100万円で売れたとする。
 
 ∧∧
( ‥)でも売れたのが1年間に
    1枚だったら、それが年収に
 
  (‥ )年収100万。あら悲し。
      というやつよな。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、3000円を毎日描いて
 □−  年収114万というのも
    困った話ですが。
 
  (‥ )おいちゃんがまがいなり
      にも生活できるのは
      テキストも自分で書くから
      原稿料を分割する必要が
      ない。
      ゆえに1見開きあたりの
      儲けが6000円になる
      そういうカラクリだからね
 
 しかし、そういうカラクリを抜きにしても、100万の絵が1年間に売れるという状況よりは、3000円の絵を300枚以上描く方がまだ想像できるのが現実。

 仮に1枚3万のイラストを3枚売っても、それを描くのに一ヶ月かかったら、月収は9万円に。
 
 ∧∧
( ‥)それなら3000円の
    イラストを一ヶ月で
    30枚描けば
    追いつける公算ですね。
 
  (‥ )テキストとイラストが
      一緒なら、15見開きで
      追いつける計算だね。
      まあ、そもそも1枚3万の
      イラストってそうはない
      からなあ。
      こういう比較自体が
      成り立たないかもだよ
 
 ∧∧
( ‥)スーパーリアル系のイラスト
    とかなら、そういう値段
    だったのですかね?
 
  (‥ )さあ? いずれにせよ
      そういうイラストの需要は
      一昔前に比べて激減した
      らしいからね。
      そういう発注を常時、
      しかもまとまって
      期待できる状況かというと
      怪しいなあ
 
 
 聞くに、例えばエロイラストならまだそういう需要が比較的まとまって手に入るらしい。
 
 しかし、このこと自体、質より量であることを物語っている。
 
 ”まとまって”とはそういうことだ。
 
 ∧∧
(‥ )そーしゃるげーむ? ですか
 □−  pixivとかでめぼしい作家を
    見つけては自分たちのゲームに
    必要な電子イラストを
    ただで発注しようと
    画策する業者もいるそうですが
 
  (‥ )なんか出版界からすれば
      考えにくい話だよな。
      おいちゃんだって、
      この前は1枚1000円の
      仕事をしたけども、
      それは白黒線画のカット。
      そして1枚1000円でも
      有料は有料だ。
      タダ、というのは暴力だよ
      さすが新参者。
      本屋とは違うわさ。
 
 
 ∧∧
( ‥)テレビとかもそうでしょ?
    テレビで放送すれば目立つから、
    あなたの宣伝になるから
    ただで使わせろ、と言う
 
  (‥ )露骨な詭弁だよね。
 
 テレビで映ったイラストが、印象に残るわけがない。放送すれば宣伝になるから、だからタダで、などというのはたわ言以外の何ものでもない。
 
 実際、テレビの宣伝は宣伝する側が”買う”のである。本当に宣伝になるのなら、あなたの絵を放送するから金をよこせ、というのが本来だ。タダで使わせて、お願い、というのは詐欺もいいところである。
 
 媒体がテレビでなくて、そーしゃるげーむ、とやらでもそれは同じだ。
 
 まあ、それはそれとして
 
 ∧∧
( ‥)でっ? あなたの作業は
    どうなってるのよ?
 
  ( ‥)えーっとね、
    −□ 今ね、1932年の論文に
      目を通しているところでね
      もう少しまってね
 
 
 

 

2013年5月6日月曜日

胸を張るならちゃんとしろよ

 
 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)...論文自体がドイツ語から
    −□ 翻訳したものだからかな
      あまり見たことがない
      言い回しや表現があるね。
      だから意味が微妙に
      分かりにくいかなあ
 
 ∧∧
( ‥)でも、冒頭の記述はちょっと
    びっくりでしたね
 
  ( ‥)新属新種の記載において
    −□ タイプ標本が指定されて
      いなかった、
      19世紀初頭のような
      古い時代ではありがち
      だけども、
      このタコがそうだとは
      ねえ。
 
 これがどのぐらいの事実であるか? それは、一応、確認すべきことだけども、確かにしばしば、分類学者ってのは分類の重要性を熱く語る割にはずいぶんいい加減なことをする。
 
 ∧∧
( ‥)まあ分類学者というのは
    カテゴリーであって、
    複数の個人。
    真面目な人もいますが
    いい加減な人もいます
    からね。
 
  (‥ )とはいえ、分類こそ
      生物学の基礎、とか
      胸を張る割には、
      いい加減な同定や
      だめな記載をする
      分類学者がいるのは
      困るよね。
 
 学会で新種発表をする馬鹿、という言葉があるように、やっちゃいかんことをする人がいるのは困ったもんである(これは無効です)。
 
 ∧∧
( ‥)雑誌とのインタビューで
    新属の名前を言っちゃう
    研究者とかね
 
  ( ‥)あの時はとりあえず
      死ね! と思ったよ
    
 
 

では、みんなの笑顔のために

 

 ∧∧
( ‥)科学ジャーナリズムは
  −□ 科学になり得ない。
 
  ( ‥)ジャーナリズムは科学に
      なれない。
      科学を理解できない。
      時間と文字の制限が
      あるがゆえに、
      普通の事件ですらきちんと
      把握できない
 
 プロの仕事とは、制限時間、制限文字の枠内に仕事を納めて誤字脱字をなくすことである。
 
 それ以上ではない。
 
 例えば原発がぱーんした後でこんなことを言う
 
 科学は信頼を失った。もっと積極的に市民と対話するべきです。
 
 ∧∧
( ‥)一応、正論ではありますね
 
  ( ‥)ああ、だが同時に
      手抜きでもある
 
 科学を正確に伝えるのは我々ジャーナリズムではない、お前たちだ。というか、して、お願い。
 
 という丸投げ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、あなた自身が
    言ったのだ。
    プロが出来るのは
    誤字脱字をなくすこと
    それだけだと。
 
  (‥ )おいちゃんは別に
      ジャーナリストを
      責めてる気はないよ。
 
 それは丸投げだよね、手抜きの糊塗だよね。
 
 なぜなら、それがあなた方の限界だからだ。
 
 そういっているだけだ。
 
 ∧∧
( ‥)いやみ?
 
  ( ‥)事実だ。それを
      いやみと取るか、
      皮肉ととるか、
      あるいは事実ととるか、
      それは個人次第だな。
 
 ∧∧
( ‥)では、あなたは研究者を
    擁護する?
 
  (‥ )いやあ、全然。
 
 事実、研究者や科学を擁護したことなんかないし。
 
 ∧∧
( ‥)そう?
 
  (‥ )人類の争いと競合が
      科学をアクセルさせた。
      それゆえに科学を放棄した
      集団は奴隷化されるか、
      あるいは抹殺される。
      それが人の歴史。
      恐怖と憎悪と闘争が
      民主主義と科学の
      生みの親である。
      僕らの背後には
      血まみれの戦争が
      立っている。
      これが科学の擁護かね?
 
 
 これは現象を説明する、力学的な解説でしかないのではないか?
 
 ∧∧
(‥ )科学者たちは、
 □−  科学ジャーナリストや
    新聞記者たちを
    馬鹿と罵る。
    そんなことをしていては
    彼らが敵に回るだけ
 
  (‥ )ああ、それはそうだ。
      当然だね、
      だけどもおおむね
      無意味でもあるなあ。
 
 優しく丁寧に教えても、ジャーナリストはどうせ裏切るし。
 
 ∧∧
( ‥)じゃあ、ジャーナリストを
    厚遇しても意味はない?
    やはり科学者を弁護する?
 
  (‥ )いやあ、弁護ではないよ。
 
 同じことは科学者だってそうではないか? だって、いくら才能があっても、根幹はただの人間ではないか。
 
 つまるところ
 
 ∧∧
( ‥)ジャーナリストが
    科学者と一生懸命
    つきあっても、どうせ
    科学者はジャーナリストを
    裏切るだろうと
 
  (‥ )人間は利益があるか
      ないかだけで行動を 
      決定するのだ。
 
 科学者だろうが新聞記者だろうが同じサルなのだろう? 

 同じ肉体に閉じ込められているのだろう? 基本はほとんど全部同じなのだろう?
 
 ならば答えは簡単ではないか。どちらも”裏切る”のだ。
 
 いや、裏切るというのは裏切られる側から見た視点、あるいは解釈でしかない。
 
 ∧∧
( ‥)都合が良い限りは笑顔
    都合が悪くなれば罵倒
    あるいは無視。
    人間なれば、これは
    必然なり。
    裏切るうんぬん以前の話
 
 
  (‥ )これが批判かね?
      これが擁護かね?
      違うよね?
      これは事実の指摘だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもこうした鬱積が
 □−  お高くすました研究者共が
    俺たち市民の代表の手で
    目を白黒させている!!
    というゆがんだ形で
    現れる、と。
 
  (‥ )事業仕分けのことな。
      俺たち市民の代表と
      やらがお登りさんで
      お馬鹿さんだったのは
      ご愛嬌だったね。
 
 ∧∧
( ‥)じゃあ、仕分けた側を
    愚かとののしり、
    仕分けされた側を
    あなたは擁護しますか?
 
  (‥ )いやあ、しないよ。
      この仕分けは無知のなせる
      愚かな行為だ、とは
      書いたことはあるけど、
      それは単純な事実だろ?
      馬鹿は馬鹿だ。これだけ。
      それだけなら、これは
      仕分けされた側を
      擁護したことにはならない
      擁護しても意味はない
      そういうことさ。
 
 ∧∧
( ‥)なぜ?
 
  (‥ )仕分けされた組織にだ、
      こんなどの馬の骨とも
      わからんやつがだな
      近づいたらどう思う?
      どう思われると思う?
      来るな!! と言われる
      のがオチだよ。
      擁護もなにもないさ。
      必要ないのだからね。
 
 ∧∧
(‥ )来るな!! とは言われた
 □−  ことはないですけどね。
 
  (‥ )同じだよ。
      歓迎されざる客だ。
      本来なら、どうでもいい
      面倒くさい奴としか
      思われていないからね。
      実際だよ、
      広報が機械的に対応し、
      研究者が機械的に対応する
      それ以上のことが
      出来るかね?
      いや、そもそもする必要が
      ないんだよ。
      それが組織だろ?
      それが個人だろ?
      それ以上をどう
      要求するのかね?
 
 組織は組織を認識するが、個人は認識していない。
 
 ジャーナリストが科学者を擁護する必要はまったくない。なぜかというに、そんなことを科学者は望んじゃいないからだ。ジャーナリストなんぞ彼らの眼中にはないのである。ジャーナリストが科学者を擁護しようが擁護しなかろうが、彼らはそんなこと感知しない。
 
 そしてまた、
 
 ジャーナリストが科学的に正しい記事を書く必要は、実はまったくない。
 
 それと同様。
 
 科学者がジャーナリストに真面目に対応する必要は、実は全然ないんである。
 
 確かにどちらも、双方も、互いに、あるいは自分たち自身に対して、”その必要はある”と言う。だが、”ある”と言わなければいけないこと、それ自体が、”ではない”ということなのだ。
 
 少なくとも、そんな間抜けな理想論よりはこちらの方が現実を記述できている。そうではないか?
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ、いやな現実を
    まんま言っているだけ
    ですからね
 
  (‥ )その通り。
      だが、なればこそ、
      私の主張の勝ちだ。
 
 いやはや、理想を言うもろもろの諸君たち。残念ながらあなた方全員の負けだ。そんなことは明白ではないか。実際、よーく考えてみよう。いやで、うんざりする、このどうしようもない日常と現実から逃れたい、ただそれだけの思いで言っているのではないかね?
 
 そしてそれだけではどこにもいけないのだ。

 
 ∧∧
( ‥)どうします?
 
  (‥ )どうするもこうするも
      みんな勝手に言って
      勝手にやっている
      それだけだろう?
      それが明瞭ならばだよ
 
 勝手にやればいいんじゃないすかね?
 
 ∧∧
(‥ )なんか寂しい話ですね
 □−
 
  (‥ )ああ、だが、
      有象無象の人々の
      うごめきが、
      全体にある方向性を
      持たせて世界はそちらへ
      移動する。
 
 ∧∧
( ‥)それが科学をアクセルさせる
 
  (‥ )ならば答えは明白だ。
 
 さあ、戦え、戦え、殺し合え。しかし、それゆえにこそ、行き着く先は明らかだ。
 
 ∧∧
( ‥)ジャーナリストは科学者を
    象牙の塔と決めつけ、
    科学者はジャーナリストを
    馬鹿とののしり、
    市民は双方を白い目で眺め
    両者が市民を侮蔑する
 
  (‥ )しかし、それでもなお
      科学の勝利は明らかだ。
      地上に存在する国々の
      どこが最後に死ぬ権利を
      手に出来るか?
      今、僕らは命をかけた
      競争の真っ最中だからね
 
 溺れる船の中で右往左往する人々と同様、僕らは生き残る権利ではなく、最後に死ぬ権利をめぐって殺し合わねばならぬ。最後に死ぬには最後まで勝利しなければならぬ。すべてを倒し尽くした者だけが最後に死ねるのだ。
 
 そしてそれには科学が必要だ。それゆえに科学の勝利は明らかではないか。
 
 ∧∧
( ‥)勝手にやるにしても
    あなたはどうします?
  
   ( ‥)世界の行く先が地獄なら
       やるべきことは
       ひとつではないか。
 
 
 世界をより完璧な地獄に変える。さあ、ささやかながら、そのお手伝いをばいたしましょう。
 
 ∧∧
( ‥)無駄な人生ですね
 
  (‥ )人生とは無駄なものさ
 
 
   

 
 
 
 
 

2013年5月5日日曜日

ただちに健康に影響が出るものではない

 

 ∧∧
(‥ )健康にただちに影響はない。
 □−  すいません、私は日本語が
    不自由なんで....
    それはどういう意味ですか?
    この切り返し、どう思います?
 
  (‥ )真面目に考えれば
      ただのジョークだろ?
 
 パチンコしても、人生にただちに影響はない。
 
 すいません、それはどういう意味なのか、パチンコ初心者の私でも理解できるように説明していただけませんか?
 
 ∧∧
( ‥)どうなるのかは確率と
    暴露の量で変わる。
    それは統計的な話。
 
  (‥ )そういうことを白黒、
      あるいは○×で答えてくれ
      と真顔で聞くのは
      真面目に言えば不条理でね
      ジョーク以外の何ものでも
      ないだろうな。
 
 でも? このジョークをジョークではないと受け止める人もいる。
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  (‥ )興味深い。人間は統計的な
      因果関係の推論を理解できず
      白黒で考える、そういう
      ことだろう?
 
 
 
 

肺魚移送

 

 ∧∧
( ‥)...まあ、強行軍でしたからね
 
  ( − −)肺魚の移送、
       思ったよりも
       大変であった。
 
 プロトプテルス・アネクテンス(多分)、およそ60センチをまず水槽から出して

 ∧∧
( ‥)暴れてるね
 
  (;‥)うおおっ ビニール袋から
    −□ 水漏れが!
 
 肺魚は噛む力が強い。重量物移送用のビニール袋も、大口を開けて吸い込むようにして噛み付けばとっかかりを得て、まるで砂利道で踏みにじったような感じで小さな穴が開く。
 
 ∧∧
(‥ )とりあえず、ガムテープで
 −  水漏れ箇所を防ぎましょう。
 
  (‥ )思ったよりも重いな
      保温も出来る
      クーラボックスが理想だが
      それもないし、時間もなし
      段ボールで運ぶか。
 
 水漏れしても良いように、段ボールの外も中も縁も、すべて梱包用のビニールテーブで止めて裏打ちする。
 
 ∧∧
( ‥)一応、袋を別のビニール袋に
  −□ 入れて、それから段ボール箱に
    入れましょう。
 
  (‥ )さて、では運ぶか。
 
 肺魚は肺呼吸をする。肩に乗せて運んでいると、段ボール越しに、おうああぁ、という呼吸音が聞こえた。
 
 ∧∧ これが肺魚の生活感
( ‥)
 −( ‥)10キロ以下の重さだが
   −□ 持って長距離を歩くと、
     意外ときついなあ。
 
 もろもろあって3時間あまり後にようやく目的地へ。かなり冷えたので大丈夫か? と思ったけども、今は新居の水槽で、ぼけーーっとしている。
 
 ∧∧
(‥ )水槽の水は濁って
    水質は安定していませんが
 
  (‥ )まあ、それはしょうがない
      浄化部分のフィルターに
      バクテリアが繁殖するまで
      時間がかかるからね。
 
 新居は狭い水槽(90センチから60センチ)になったけども、前の水槽よりは条件が良いはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)もう10年以上は
    飼ってましたよね?
 
  (‥ )15年はたっているかなあ
      寿命はどのぐらい
      なんだろうね?
 

 

2013年5月4日土曜日

理解できないを理解するためのパターンを探せ


 
 ∧∧
( ‥)結局、作業で1日が終わって、
    日付も変わっちゃいましたね
 
  ( — —)あー疲れました
 
 
 ∧∧
( ‥)寝てる暇、あります?
 
  ( — —)そこ問題だね
        でも徹夜明けだと明日
        訳の分からないことを
        言ってしまいそうだ。
 
 hilihiliのhilihili: その論証が分からないならあの論証も分かっていないのだろう?の続き
 
 
 科学とは再現実験できるものだ。
 
 ∧∧
( ‥)この定義を用いた場合
    実験室で扱えない大きさ、
    性質を持つものは
    科学できなくなる。
 
  (‥ )宇宙、銀河、星雲、星
      太陽、惑星、月、地球、
      大陸、海洋、河川、
      地層、台風、歴史、
      人生、社会、
      これら全部が
      科学で扱えない
 
 
 まあ、別に扱えなくなってもいいのだけども。
 
 ∧∧
( ‥)星も歴史も人生も再現できない
    だから科学ではない、と
    言い立てても、
 
  (‥ )ふーん? それで?
      そう聞き流して
      無視して、論文にして、
      成果にすれば良いだけだ。
 
 実際、以上言ったものすべてに関して、それらを説明する仮説を各々検証することは可能だ。
 
 ∧∧
( ‥)理論が正しいのなら
    理論から予測される事象Aが
    観測されるだろう。
 
  (‥ )星の爆発、星雲の形
      惑星の運行、河川の形態
      地層の有様、
      予測された化石
      そして似たような状況で
      似たような反応を示す
      異なるが類似した挙動を
      示す社会。
 
 
 再現こそ科学。

 アホらしい。再現ごとき、そんなものができなくたって、理論と仮説を検証する方法などいくらもある。
 
 というか、事実としてやっている。論文も山ほどある。
 
 
 ∧∧
(‥ )ダイアモンドさんの
\–   論証もそういうものです
     からね
 
  (‥ )あの人、生物学者、
      あるいは生物地理学者と
      言うべきかな。
      生物の形質と分布パターン
      から過去の歴史と
      生物の振る舞いを
      理解し、検証する。
      それを人間に応用したのが
      「銃・病原菌・鉄」だよな
 
 
 あれは生物や進化学の人からすれば当たり前な手法。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それが理解できない
     人がいるのだと。
 
  (‥ )だから興味深い。
       彼らにとっての論証とは
       そもそも何なのか?
 
 予測を導く理論を立てる。その予測が存在するかどうかで理論を検証する。
 
 それが理解できないとは
 
 ∧∧
( ‥)予測を導く理論を立てない
    予測が存在するか否かで
    理論を検証しない。
    そういうことではないかと
 
  ( ‥)そうだとすると、それは
    –□ ものすごくおかしな
       ことなんだよな。
 
:旦那の様子がおかしい。
:その様子を総合的に説明するのは”旦那が浮気している理論”である
:その理論に沿って調べると、旦那の携帯に怪しいメールが
:さらに調べると出張と言いつつ、当日は都内へ出向き、女性と一緒に食事をした後、ホテルに
:ホテルから2人が一緒に出てくるところで仁王立ち<=今ここ
 
 ∧∧
( ‥)すなわち仮説演繹法*
    まあ、その実はこれ、
    人間が普通にやっている
    行動なんですよね
 
  (‥ )これをより緻密に、
      数式や標本採集、
      観測を駆使すると
      星の振る舞いや生物進化、
      さらには人類社会の挙動が
      見えてくるわけなんだが
 
 だが、”彼ら”はこれができない。
 
 ????
 
 
 ∧∧
( ‥)にわかには信じ難い
 
  ( ‥)確かに、普通にやって
    –□ いることを大真面目に
       やってみたら皆が
       面食らうってことは
       あるんだけどね。
 
 確かに、実はこういう方法論を科学の世界でおそらく最初に、大規模に、そして神をも恐れぬ姿勢でやったダーウィンは、それは帰納法じゃない、とか、そういう風に非難されたことがある。
 
 ∧∧
( ‥)なにゆえか?
 
  (‥ )奇妙だろ?
      ゆえに興味深い。
 
 ∧∧
( ‥)例えばダイアモンドさんの
    論証が理解できない人は
    ダーウィンの進化理論も
    理解できていないだろう
  
 
  (‥ )奇妙ではある。
      だけどもね、
      理解できない人は
      いつでもいるんだ。
 
 言い換えればこうである。
 
 彼らの”理解できない”パターンを観察すれば、こういう現象を理解する手がかりが見えてくるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ゆえに興味深い
 
  ( ‥)そうだな
    –□ 調べる必要があるな
 
 理解できないパターンを適切に配置すれば、理解できないを理解できるパターンが出現するだろう。
 
 
 
 ところで
 
 ∧∧
( ‥)こういう論法を理解
    できない人は
    以上のような過程で
    浮気を発見された時、
    なんて言うわけ?
 
  (‥ )さあ? 真面目に
      考えると、
      仁王立ちの奥さんに
      君は何もかも、
      自分の思い込みに
      当てはめようとしている
      僕が彼女と浮気している
      というのは
      壮大な物語でしかない、
      と言うはずだが
  
 だが、こんなことは信じ難い。だから多分、彼らはもっと奇妙で不整合なことを脳内でしているのではないか?
 
 
 
 
 
 

2013年5月3日金曜日

その論証が分からないならあの論証も分かっていないのだろう?

 
 hilihiliのhilihili: 君の心の中にない論証は何?の続き
 
 
  ( ‥)そうね、わずかな言葉の
      切れ端から考察するのは
      議論の余地があるけども
 
 ∧∧
( ‥)けども?
 
 
  (‥ )抽象的な話、というか
      仮説的な話として
      考えてみよう。
  
 ∧∧
( ‥)これ自体がささやかながら
    理論というわけですか?
 
 昔、ある人がこういった。
 
 文系の人はね、ダーウィンは自分たちのものだと思っている。
 
 ∧∧
( ‥)なぜに?
 
  (‥ )数式が出てこないから
 
 ∧∧
( ‥)悪ふざけな言い様ですね
 
  ( ‥)半分ぐらいは本気だが
      後の半分はこんな理屈
      であったね。
 
 ダーウィンは社会的に哲学的に思想的に強大なインパクトを与えた。それはもはや理系の俎上だけではすまない。文系の領域にまで文字通りの意味で広がっている。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、文系、理系という
    分け方自体に意味があるか
    疑問といえば疑問ですがね
 
  ( ‥)じゃあこう言えばいい?
 
 
:単純な理論や式で世界をざっくりと記述できればそれで良い。というか、そうでないと使えないし、意味がないし、有用でもない。
 
:否! 世界は式で記述できるものではない。そのすべてを詳細に記述すると複雑なものになる。それが真実であり、世界の真の姿は複雑で雄大。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、その両極端が
    あるとしましょうか
    そして後者が例えば
    ダーウィンは自分たちの
    俎上の上のものだ、そう
    考えているとする。
 
  ( ‥)この文脈で考えた時、
    –□ ダイアモンドの仮説は
       薄っぺらである、という
       評価は非常に興味深い
       ものになる。
 
 ダイアモンドの仮説。あの論証の形式はまんまダーウィンが用いたものだよね?
 
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ダーウィンさんよりは
    整理されていますけどね
 
  (‥ )これ、”彼らは”根本的に
      ダーウィンの論証を
      理解できないってこと
      でもあるよな?
 
 だがそれでもなお、”彼ら”は、自分たちはダーウィンを理解できる、そして理解するべきであり、批判、批評すべき俎上の人物である、そう思っているとしたら、それはなんだ?
 
 ∧∧
( ‥)原理的に理解できないけど
    理解出来ている、
    そう思っていると?
 
  (‥ )そう考えてみると
      腑に落ちること多いけどな
 
 ∧∧
(‥ )ダーウィンさんの論証は
\–   独特なものですからね
 
  (‥ )画期的なものでもある
      ただ、あれだ、
      科学=再現実験、とか
      科学=論理的に無矛盾
      であるとか、
      そう考えていると
      理解できない
 
 ∧∧
( ‥)無矛盾であれば良い、
    それでは神学と区別できず、
    再現実験のみが科学であると
    考えると、ごく狭い領域でしか
    科学は機能しなくなる
 
  (‥ )それを突破するには
      予測と整合性が必要だ。
      それには予測を発見する
      方法論が必要だ。
      整合性を判定する基準が
      必要になってくる。
 
 この場合に検証が可能となり、理論は論証されうる。
 
 ∧∧
( ‥)ダイアモンドさんの論証も
    これに準じる。しかし、
    この論証それ自体を
    理解できていないらしい
    人たちがどうもいる。
 
  (‥ )ダイアモンドの論証が
      理解出来ない。
      ならばダーウィンの論証も
      理解できていないだろう。
      そう考えると理解しやすい
      事例が多いと思わないかね?
 
 さあ、君の心の中でどんな理解が生じているだろう?
 
 そして、その論証が分からないのなら、あの論証も分かっていないのではないか? どうだね?
 
 
 
 ∧∧
(‥ )でも皮肉なものですよね
\–   ダーウィンさんの論証を
     論じたり、注目したり
     否定したり
     肯定したりしたのは、
     科学哲学者さんたち
     だったりしましたけど
 
  (‥ )どこのジャンルも人の質は
      ぴんきりだってことだろ?
      ジャンルは個人の
      集合体でしかない。
      理系にだって、
      再現実験できないものは
      科学じゃない、とか
      科学は真実を
      追求する学問だ、とか
      かなりうかつなことを
      口走る人いるからな。
 
 
 
 

ブログ アーカイブ