自己紹介

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2009年11月30日月曜日

それは致命的

 
 オレ様鳥進化論。鳥の進化はきっとこうに違いない!!と進化のシナリオを提案するのだが、そのシナリオをどうやって導出したのかが不明で、しかもデータはそのシナリオを支持しない。

 ∧∧
( ‥)でっ、それがオレ様鳥進化論。

    (‥ )提案している本人は導出の過程を納得している
        みたいなんだけどね。

 でもこの手の進化のシナリオとやらは、これこれの条件ではこういうことになるからゆえにこういう進化が起きたはずだ、といういわばシナリオ先にありきの論法でこのままでは話にならない。

 ∧∧
( ‥)でもそういう発想自体は別に良いわけでしょ?

    (‥ )発想の過程自体は結果の正しさとは関係ないからな。

 オカルトな発想で妥当な結論に至る時もあれば、理路整然と破滅する場合もある。前者の例で言えばニュートンの万有引力が該当するとも言われるし、後者には例えばルイセンコ主義が該当しそう。

 ∧∧
( ‥)問題は発想を論証する過程ですね。

    (‥ )理論をいくらこねくりまわしても駄目なんだよな。

 シナリオに沿って理路整然と現象や事例を説明しても、それではどうにもならない。温暖化は嘘だというシナリオに沿ってすべての事柄を理路整然と説明することもできるし(逆も可能)、外来種の影響はまったくないと説明することもできるし(逆も可能)、アメリカ政府がUFOを隠しているでも理路整然と説明できる。

 ∧∧
( ‥)データとの整合性。誤差が最小か、あるいはそうではないか
    そこを仮説の識別点や妥当性の判断基準にするべきであると。

    (‥ )そうしないと区別できないだろうね。

 なんでこういうことをまた改めて書くのかというと、どっかの掲示板でオレ様鳥進化論を述べていた人が物理学は確立された科学であって、それに対して生物学は、、、みたいな優位性を述べていたから。

 どうも物理の法則で理路整然と導き出したのだから自分の答えが正しい、だから強力になると思っているらしいのだけども。

 ∧∧
( ‥)でも実際には物理学とてそういう種類のものでは
    ないですよね。

    (‥ )ニュートンは月やら地球、太陽の関係から万有引力を
        提案したけども、その導出の過程はいささか謎で
        そして太陽系内部で反証されちゃったんだよな。

 ようするに科学の歴史から分かることはこういうこと
 
1:仮説を導出する過程は謎でも良い
2:理論や仮説、グラフ、方程式はデータから導き出される
3:その妥当性は経験的に検証されねばならない
4:例え200年、2000年の検証で問題なかったとしてもその仮説がその後どうなるのかは保証の限りではない

 どっかの掲示板の人々もそうだけども、古今東西。オレ様鳥進化論者たちが抱える問題はこういう科学の過程を中途半端にしか理解してないところにたぶんある。

事実、方程式から導いたのだから答えが正しい、という発想は方程式を導出した過程が分かっていないことをしめしている

データからグラフを、グラフから方程式を、と考えた場合、方程式に値を入れて解くことそれ自体にはそりゃあ問題はない。

しかし新しいデータは絶えずその方程式それ自体を破壊する可能性を持っている
例:水星の軌道というデータは万有引力という仮説/グラフ/方程式それ自体を破壊する可能性を持っている

 新しいデータは方程式それ自体を破壊しうるし、そしてそれゆえに科学は検証をすることができる。入力して出力したから正しいってのは科学じゃねー。それは数学だ(数学は自然科学ではない)。

 ∧∧
( ‥)だから解けば問題ないじゃんってことは
    ないわけですね。

    (‥ )もしもそうだったら万有引力以前に天動説のまま
        だっただろうな。

 方程式を解けば問題ない。そういう姿勢はいろいろな人が言うことであるが、それは方程式を導出した過程と方程式の検証、この2つの過程を理解していないことを示している。

 ついでにいうと

 解けば問題ない、この発言には物理学にはそれがあるけども、進化学や生物学にはそういう方程式を導出する能力がない、ということを言外に示しているように聞こえる。しかし実はこれもまた致命的。だってあるんだから。

 ∧∧
( ‥)最節約法でもベイズ法でも色々ありますよねえ。

     (‥ )どのような進化が過去に起きたのか、
         個々の系統に関してそれを方程式なり/グラフにして
         出力できるからねえ。

 科学を理解せず、目の前に方程式を導出する方法があるのにそれを述べた教科書も論文も読まず、そしてそれらすべてをすっとばしてオレ様な理論を展開する。そりゃあまずかろう。

  

2009年11月29日日曜日

鳥と足

 
 鳥。一見すると特異な生き物だが、一皮むけばただの恐竜で普通に爬虫類。恐竜の中ではむしろアンキロサウルスの方が異常。あれのどこがどうディアプシダ?で爬虫類?

 でっ、しばらく前から考えていたんだけども。


    (‥ )鳥ってさあ、前足と後ろ足、どちらも単独で十分な
        動力になっている分、
        後ろ足の機能や形態に関する選択圧がルーズになって
        いるんじゃないのかなーと思ったりするわけよ。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか?

 少なくとも、他の恐竜よりはずっとルーズになっているんじゃないの? と。
 
    ( ‥)?そういう論文もあったような無かったような。
 ∧∧
( ‥)思い出して見つけなさい。


 後、北村の知り合いによる最近の提案がこんなの。ミクロラプトルの主翼は後ろ足。

 
 

2009年11月28日土曜日

かればん

 
 昔、フランク・ハーバードというSF作家がいた。代表作は「砂の惑星」。

 ∧∧
( ‥)おいちゃんはあまりこの人の作品を
    読んだことはないですよね?

     (‥ )砂の惑星とジャンプドアシリーズだけだからなあ。
         しかもストーリーはある意味同じね(特にドサディは)

 この作家さんの作風はなんか妙に詩的で美しい代わりにストーリーや設定の一部に不整合が見られること(面白さのためなら多少の破綻も無視いたしますよ勝つまでは)。

 他にも男性キャラが概して女性に依存する傾向があるとかそういう部分もあるんだけども(砂の惑星シリーズの最終回はおっかないけどしっかりもののお母ちゃんに支配されることで平和な世界が到来する一方、そんなお母ちゃんの支配なんかいやだと、あろうことか今までの登場人物が全員、涅槃の世界へ向けて逃げ出すという壮絶なオチ)。

 さて

 ジャンプドアシリーズの2作にはカレバンという知的存在が出てくる。人類を含めたいわゆる普通の宇宙人たちとコミュニケーションするにはピーチボールという球体の部屋を介さなくていけない。それは彼らがあまりに強大な力を持つがためのいわば緩衝剤。その姿は?なしろもの。というか見えていると思えるだけで見えていない(脳が見えたと思っている状態だということ)

 でっ、このカレバン、さらに言っていることがめちゃくちゃ。作風が詩的(つまりなんとなくお話を作りましたってことなので)ということもあるんだろうけども、一応、小説の設定上、彼らの知覚があまりに異質すぎるのが原因ってことになっている。

 ∧∧
( ‥)まったく完全なクローンを、記憶さえも同じものを
    仮に作ったとしても彼らは”識別”できるんですよね。

     (‥ )というか、”知覚”できるものが”それだけ”
         なんだよな。

 言ってみれば(作中、こういう単語による言及はないが)”由来”を識別できるし、逆にいうとそれしか知覚できない存在という設定らしい。彼らには人間が1本線に見えるんだそうな。

 でも、もしも”由来”が見えるとしたら実際には。。。。

 ∧∧
( ‥)網目に見えるはずですよね?

     (‥ )両親から半分ずつ遺伝子をもらっているからなあ。

 それともあれだろうか、生殖細胞の由来を見ると人類が離合集散する網目に見える一方で、個体の体細胞それ自体はその網目からすぽっとのびた一本線に見えるんだろうか。

 ∧∧
( ‥)なんか奇妙な世界ですよね。

     (‥ )でも現実には我々ってのはそういうものだろ?

 もしさらに解像度を上げたらどうなるんだろう?

 ∧∧
( ‥)遺伝子が離合集散しながら枝をのばした網目を
    構成しているのが見えてくるんでしょうか?

     (‥ )そうなるよねえ?

 例えばの話。血液型に関してどちらもBOの遺伝構成をもっている両親からはBOとBBとOOの子供が産まれうるわけだけども

 ∧∧
( ‥)親子の血縁関係という意味ではどの子供も
    産まれた時期が違うだけで同じですよね。

     (‥ )でもBとOの遺伝子の系譜を追跡した
         場合、同じではないよね。

 もしも由来を超高解像度で認識できる存在がいたら、人間やネコのことをどう見るだろう?

 ∧∧
( ‥)個体は網目になってどれも結合している一方で、
    よく見ると細い無数の糸がからまるように、
    個々の遺伝子の系譜が異なる分岐パターンを
    描くのが見えるのでは?

     (‥ )もしもカレバンがそこまで見た場合、
         人間のことを何て言うんだろうねえ?

 そして思うのだが、そういう知的存在はグールドとドーキンスの論争をなんと受け取るのだろう?

 
 

120度

 
 月が沈む。地平線との角度はおよそ15度。つまり360度の24分の1。ようするにあと1時間もすれば沈んでしまうのだけども、考えてもみれば


    (‥ )ドイツでは地平線から45度の高さ、
        ただし東の空に月がかかっていることに
        なるわけだよね。
 ∧∧
( ‥)ドイツと日本は8時間の時差がありますから
  -□ 天体は24時間で空を一周、つまり8時間の時差は
    単純に考えるとちょうど3分の1のずれに相当しますね。

 ようするに見えている星々、惑星、月、太陽の位置が120度ずれていることになる。

 ∧∧
(‥ )地平線から15度。つまり東の地平線から165度
 □-  そこから120度を引いて45度。

    (‥ )それでいいわけだよね。

 まあそういうことになるってことでオッケー?


    (‥ )ようするに今日の日の出が日本時間でおよそ6:30
        こちらの午後2:30にはドイツで夜明け近く
        つまり天体の位置が東の空から120度の
        位置にきたら、それ以後は地平線に沈むまで日本と
        ドイツで同時に見れるってことになるのか。
 ∧∧
( ‥)そういうことになりますか。
    緯度は違いますけども、その違いはどう効いてくるの
    でしたっけね? あちらの朝は遅く、夜は早いのですかね。

 ともあれ、今、見えている月は日本でもドイツでも同時に見えているんでしょう。こちらは夜中に西の山々に沈む月を。あちらは夕暮れの中、東の森から上がった月を。





2009年11月26日木曜日

オーガーフェイス

 
 君の真上に落ちてくよ 受け止めてくれないとコロス♪ って

 ∧∧
( ‥)すごい(ナイスな)歌詞ですね。

    (‥ )世の中には色々なラブソングがあるもんだな
    \- 

 人の発想力には限りがない。

 ∧∧
( ‥)そして今のあなたには時間と体力がない。

    (;— —)1日4枚は無茶だろー

 メダマグモ。英語では例えばOgre-faced spider。つまりオーガーフェイスドスパイダー。

 ∧∧
(‥ )直訳すれば人食い鬼顔グモですね
\-
     (‥ )ファンタジーの用語だとオーガって言うのかね?

 どっちにしても一見するとハエトリグモに似ているんだけども、目の配置と腕の配置が変なので確かに肩を怒らせた怪物に見えるご面相。本当は指程度の長さしかなく、ほっそい小さなクモなんだけども。顔はナイス。

 ∧∧
( ‥)クモとしての形からやや逸脱している?

     (‥ )そんな風に見えなくもないね。

 

 

寒い谷

 
 ぎょーせーさっしんかいぎー 口約束をまじめに果たそうとする正直者が馬鹿やってます。


    ( ‥)まー、今のところこんな評価かな
      -/
 ∧∧
( ‥)またざっくりとした評価ですねえ。

 どんな予算があるか分からんから言ってみましたでっかい約束。いざ現実になると約束はとにかく果たしてみようと大慌てでございます。過去のしがらみがないから革命できるんだって人がいるけども、まあなんだ何らかの行動に革命とか革新とか名称を与えても、その呼び名には品質の保証が全然ないんだよね、ただの名称だけに(過去のしがらみとやらも大事なんで残してきたってものをそういう名称で呼んでいたらチンチクリン)。

     (‥ )こんなんじゃ詐欺師にはなれるけど
         技術者にはなれんぞな。
 ∧∧
( ‥)はあ

 さて

 数時間前、さくっと雨が降っていたらしい。道には所々かすかに湿った跡が残っている。雨量情報を過去にさかのぼった限りでは確認がとれなかったけども、東京/神奈川ではぽつぽつとあちこちでわずかな降雨があった模様。本日(正確には昨日)の朝は曇り、昼間は晴れていたが夜になったら曇り。天気がやや不安定? よもや夜になって雨がぱらつくとは。

 そして夜の公園に散歩にいったら公園の入り口、谷間のところだけ道が濡れたままだった。

 ∧∧ なぜに?
(‥ )
 -( ‥)あそこだけ寒いからじゃない?

 公園の入り口は谷間になっている。というか公園自体が台地というか河岸段丘(でいいのか?)の浸食された谷間に作られた水田の跡地に作られたもので、周囲よりも20メートルかあるいはそれ以上低い。

 ∧∧  われわれがすんでいる段丘面と同じ高さですね
( ‥)
 -( ‥)入り口はそこまで低くなってるね。

 あのあたりは冷たい空気がたまっている場所で、道を通っていくとやや下りの過程で冷たい空気の層に体が潜っていくのが良く分かる。冬になればそこだけ霜が降りていることもあるし、地面が冷やされている分、あっこだけ乾きが遅いのではあるまいか。

 ∧∧
( ‥)それで十分説明できます?

     (‥ )さてねえ・・・後は空中の湿度が高いとか?

 冷えているせいか昼間、息を吐くとあっこの谷だけ息が白くなる。小川も流れているし、湿った感じもするし。空中の湿度が飽和状態に近くなっているとか?

 ∧∧
( ‥)説明としてはそんな感じですかね?

     ( ‥)丘の上、というか浸食され残った台地の部分に
         登ると暖かいんだよねー

 気晴らしにはちょうどいい。

 

 

2009年11月25日水曜日

カレーとハンバーグ、あなたはどっちが

 
 ネットとかamazonにある書評を見ると時々、はへーー??? というものにひっかかることがある。そういうのがよく見つかるのが理系書籍の書評。まあ、

私には分かりません、お金返してください

というのは極端な例なんだろうけども、なんかこういう痛いのがごろごろあったり。

 ∧∧
( ‥)・・・もはや書評の域を出ているというか
    あたしお馬鹿さんですって自分からいったも同然では?

    (‥ )まあそうなんだけどさ。

 そしておかしな書評を書いた人の書評を見ると、他の書評もやっぱ変。というかそういう人たちの書評一覧を見た時、アイドルのDVDとか漫画、CDなんかの書評がぞろぞろ出てきた時はさてなんとしたものか。

 ∧∧
( ‥)? アイドルのDVDを論評している人は
   お馬鹿さんってこと?

    (‥ )いや、そうではなくてだね。

 アイドルのこれがいい!! とか この漫画のここが駄目って、それは好き嫌いの話だよね。しかも個人のものでしかないよなあ。

 ∧∧
( ‥)人類に共通する好き嫌いもあることはあるでしょう?

    (‥ )甘いもの、しょっぱいもの、脂肪が多いものが好き
        腐った肉は嫌い、暖かく適度な湿度で晴れた日が好きとか
        そういうものはほぼ共通するだろうなあ。
 
 でも例えばアイドルとか漫画ってのはそういうものじゃあないだろう。

 あるいはこう? アイドルや漫画はそういう要求に応じて選抜されたものではあるのだろうが、いや、だからこそ、人類の大多数に共有されるような好きの基本的な要素は”既に”満たされているだろう。

 ∧∧
( ‥)でっそこから先となると
    それはもう個人の好みの相違の領域に
     入ってくると。

    (‥ )基本は既に実装済み。とっなると、それらの個々を評する
        書評は自動的におのが好みの単なる表明になるだろ?

 つまり結果的に、自動的にそういう書評はすでに他人にとっておおむね意味がないものになる。あるいは意味があるのかどうか保証の限りではない。

 ∧∧
( ‥)まあ、そもそも理系の書籍にちんちくりんな書評を
    書いている人が必ずしもアイドルのDVDや漫画の書評を
     メインに活躍しているわけじゃないでしょうけどね。

    ( ‥)まーねー そんな傾向があるというデータと
        解析手段を示せと言われたら困るしな。

 まあなんだ、単なる”思いつき”。

    (‥ )とはいえだ、個人の好き嫌いで科学を
        論評するのは望ましいことではないねえ。
 ∧∧
( ‥)それはそうでしょうね。

 さながらカレーとハンバーグならオレはハンバーグだ、その理由は・・・と得々と述べられてもこれは意味がない。

 ∧∧
( ‥)そしてそののりで科学を評するのは、
    それは少なくともペケですね。

    (‥ )まあ、そういうこっちゃ。

 

2009年11月24日火曜日

月と木星

 
 画材屋にいってホルベイン社製の色鉛筆Corkを買ったはずが、家に帰って確認したらBeigeだった。

 ∧∧
( ‥)? ちゃんと棚の数字は確認しましたよね?
  -゜ Corkは171。Beigeは173でしょ?

    (;— —)誰か間違って入れやがったな。

 色が似ている色鉛筆は抜いた後、なんとなしに戻すと戻すべき棚が間違っていることがしばしばある。戻す時は鉛筆の番号と棚の番号をちゃんと確認しないといけないですぜ、世間のお客様がたよ。

 うかつだった。そういうことがあるのは分かっているのに、いや、その前に色鉛筆を調べていた時だって、あっ、番号が違う。間違えて入れた奴がいやがるな、と気づいていたのに肝心なところで見落としを。

    (‥ )まあ、Corkは消耗がさほど激しくないから
        現状でなんとかなるんだけどさ。
 ∧∧
( ‥)これから1週間は家にこもりっきりですからねえ。

 さてもさても

 帰り際、夜空には三日月と明るく輝く木星が並んでいた。日本ではちょいと離れているけども、当然、お月様は移動するので地球の反対側、例えばドイツではもっと三日月と木星が近く見えるはず。

 ∧∧
(‥ )でも、ドイツの北部は雨みたいですよ。
\-
    (‥ )天気というのはうまくいかないなあ。

 神奈川県は昨日は雨だったが今日は晴れだった(厳密にはもう日が変わっているのだけども)。

 ∧∧
( ‥)明日も、というか今日の夜も三日月と木星が並ぶわけですね。

    (‥ )配置は反対になるけどね。

 木星は、あれはまだ山羊座にあるんだよねえ。

 ∧∧
( ‥)山羊座ってなんでヤギなのに下半身が魚なの?

    (‥ )ギリシャ神話ではテュポーンの襲来に
        驚いた神様パーンが慌てすぎたので変身が
        中途半端になったのだというけども。

 もともとの起源は古代メソポタミアだかなんだかという話。魚人間もいるメソポタミア世界の神話なら上半身は獣、下半身は山羊という存在がいても問題なしってことか。

 ∧∧
(‥ )でも、神奈川県では空が明るすぎて
    山羊座はよく分かりませんね。

    (‥ )先日は雨が上がった真夜中に
        もう何年ぶりなのか蟹座を見たよ。

 プレセペ星団を目で見たのは、さてはて何年ぶりだろう。



2009年11月23日月曜日

何か、何かドーピングを

 
 グラスフロッグは描きにくい。というかお腹がポイント、これ困る。背中は普通のカエル。でもお腹は透明、中身がちょっと透けて見えている。これがなかなかきれい。

 ∧∧
(‥ )内臓とかは白い袋に入っているんですね。
\-
    (‥ )カモフラージュなのかねえ?

 さてさて、さすがグラス(ガラス)ガエルというだけのことはある。

 絵はたくさん残っておる。絵を描くペースを早めたいものの維持するので精一杯。ドリンクによるドーピングは効きが悪いので、別のドーピングにトライ、トライ。

 ∧∧
( ‥)でっ? 具体的には?

    ( ‥)・・・・

 思いつかん。

 血液のめぐりをよくしよー 布団で温まるとか風呂に入るとか無しで(眠くなるので却下)。

 ∧∧
( ‥)それで? 具体的には? 

    (‥ )思いつかん・・・・
 
 心臓ばくばく、どきどきするような、こう、高揚感のある。いやそれでいて酒のような副作用が出ないものがいい。

 ∧∧
( ‥)ジェットコースターとか?

    (‥ )部屋にないよねえ。

 さてさてどうしたもんだか。

 
 

2009年11月22日日曜日

嘘はついていない

 
 神奈川県の天気は曇り。昨晩は晴れていたはずなんだけども朝になれば曇天。雨。

 ∧∧
( ‥)仕事がはかどりませんねえ。
 
    ( — —)事務作業は嫌いだよ。

 さて

 こんな話。

 私が開発したこの新商品をまず皆様に10個ずつ買っていただきます。そしてお友達やご家族にこの商品を買うように勧めてください。すると皆様が紹介することで新しくご購入された人、一人当たりにつき以下の金額が皆様に紹介手数料としてバックされます。そればかりではありません。新しく購入された方々が皆様と同様、いわば孫会員を勧誘なさるわけですから、その分の手数料もバックされるのです。

 つまり購入時に支払われた金額が戻るだけではありません。なんと定期的な収入が成立するわけですね。うれしいじゃありませんか、皆さん。今の年金システムに不安はありませんか? 老後に不安をお持ちではありませんか? この商品とこの購入システムに参加すればそんな不安は解決です。

 これを頭の固い人は成立しない商売であるとかいいますが、それは間違いです。この商売はまったく新しい経済システムなのです。ですから既存の経済システムでは推し量ることも評価することもできません。手持ちのもので推し量れない新しいものを推し量ろうとする。そんな無理をするから理解できないのです。そういうことを言う人は頭の固い人です。でも皆さんはどうですか? 皆さんはこの新しい経済システム、これを福天と言いますが、皆様はこの福天をご理解できる、それは皆様のお顔を見れば分かるんです、まだまだ柔らかい人だと私は思います。

 ∧∧
( ‥)ただのねずみ講やがな。

     (‥ )でもぱっと思いつきで書いたわりには
      □-  なかなか分かりやすい文章じゃね?

 分かりやすいってこういうことだよね?

 それに嘘はついていない。

 ∧∧
( ‥)そう? あっという間に破綻するでしょ?

     (‥ )それは既存の経済システムを通して考えた
         結論だろ? 先ほどもそう言っているジャナイかー

 ∧∧
( ‥)それはそうですけど、新しい経済システムとやらが
    それで正しい/成立するってことにはなりませんよね。

     (‥ )嘘も矛盾もないが意味とか妥当性とかは
         まったく保証されていないのだよな。

 ねずみ講やマルチ商法にひっかかる人たちは論理って言葉が好きで、経験とかアブダクションの方法論には興味がないに違いない。

 そして思う。分かりやすいって無惨な言葉だよねえ。なにも保証しちゃくれない。

 ∧∧
( ‥)まあ、世間一般の”分かりやすい”とは
    把握した気になれて、なおかつ最低限、鵜呑みにしても
    無害であることも保証されており、意図的な嘘でもないこと
    なんでしょうけどね。

     ( ‥)まーそうだろうな。

 意図的な嘘ではない、という条件がないとあるある発掘大事典(なんてすばらしい番組なんだ)は妥当であることになってしまう。

 無害であるだけでなく、よりよく言えば”妥当であることが経験的に妥当である方法論で論証されている”という点を識別の手がかりにしないとマルチ商法と科学は区別できない。

 

 

2009年11月21日土曜日

ジョギングやめるの?

 
 少し休もうと思ったら朝になっていた。

 
    (;— —)うおー、寝ちまった、寝ちまった
 ∧∧
(‥ )30分後に目覚ましをセットしたんですけどねえ
 □-  止めちゃってますね、普通に。

 
 人にはそれぞれ立場ってものがある。サイエンスライターなら事実を報道しなさいという品質面の要求に対して、嘘でもいいから本と記事をとにかく売らなきゃだめだぴょん、という経済的な要求がある。

 ∧∧
( ‥)でっ、概してサイエンスライターや
    ジャーナリズムの品質は保証されなくなると。

     (‥ )まあそれは一例なんだが。

 研究者は、例えば科学を追求するというそういう要求がある一方で、業績上げろ、という要求もある。そして一部の政治家が納税者にバック出来るような利潤が(短期的に)上がらなければ、そんな技術開発も研究も駄目だぴょん、という要求をしてくるのも、まあ当然。

 ∧∧
( ‥)でも政治家も理念と”当選しないと失職/失業”っていう
    要求の、いわば目標と経済の板挟みなわけですよね?

     (‥ )だから長期的な利益は維持できるが効果が見えずらいものは
         敬遠するし、長期的には破滅であっても次回の選挙で
          当選できる政策があれば、
          まあむしろそっちを選ぶだろうなあ。


 ∧∧
( ‥)じゃあロケット開発なんて無駄だぴょ〜んという政治家たちの
    意見と、ロケット開発駄目とは経済/国防の観点からして
     馬鹿だろお前らっていう、この2つの意見は等価というわけ?

     (‥ )発言をした動機に関して言うと、
        そういう意味では等価じゃないの?

 例えば、若手研究者の育成は雇用問題だぴょんっていう発言はそういう視点に立ったものじゃないかえ?

 ようするに若手の育成にお金を使うのは、それはようするに雇用しているんだろ? 税金で雇用しているんだろう? だから無駄だよ、無駄無駄。という発言は、

 ”オレ様もお前らも経済問題という点では立場が一緒だからオレもお前も等価のものとして扱っていいずら”

という思考を彼らがしているのだと解釈すると理解しやすい。たぶん。

 ∧∧
( ‥)でも実際には等価ではないですよね。

     (‥ )その投資で何が維持されているのか?
         そこから何が生み出されるのか、何を防衛しているのか
          そういう視点で見たとき、以上の2つは等価ではないね。

 
 ∧∧
( ‥)人がジョギングするのは体力を維持するためですよね

     (‥ )人間は体力が必然的に衰えるものである。
         だからジョギングやめて余った時間を読書に
          使おう、という主張も可能ではあるな。

 だがジョギングをやめれば本をリサーチしたり資料を読み込む体力も無くなってしまうだろう。それは例えばの話、ライターにとっては破滅だ。

 ∧∧
( ‥)本や資料を探す/読むってのは体力もお金も
    使いますしね。

     ( ‥)体力が無くなったばっかりに駄目になっていった
         サイエンスライターとか何人もいるからなあ。

 まあ政治家とか知識人がつまんないジョギングなんかやめてその時間をもっと楽しいことに使おーよーと明るく無邪気に言うのは、まあ分からんでもない。ただ個人的にはそれはおこちゃまな意見だと思う。若いよねえ。




 

2009年11月20日金曜日

さてなんとする

 
 行政刷新会議。そういえば今の与党は高校教育は無償化するとか言っていたけども、じゃあ社会に出た後の就職はどうなるんだい?

 ∧∧
( ‥)科学技術の維持運営を放棄した社会に
    発展と雇用があるのかってことですか。

    ( ‥)まーそういうこっちゃな。
        学校出ても、競争力のない国に
        まっとうな雇用なんて無いぞ。
 
 さもなきゃ低賃金労働。

 そうだねえ、今までの日本は、まーなんだバブル崩壊とか言われるよりも前の時代には”スキルがなくてもただ我慢して仕事していれば”それなりな給料が保証される時代だったわけでありまして。

 
    (‥ )そういう世界観だと技術やテクノロジーが
        世界標準に達していなくても雇用は
         創出されるわけさね。
 ∧∧
( ‥)それって低賃金で単純労働っていうことじゃないの?

 まあ、事実、それで日本は発展してきたわけだけども、給料が上昇して他の先進諸国と給料(人件費)が均衡状態に達してしまえば給料は飽和状態になるのはこれ当然。さらに製造業が外国へ出て行くのも当然。それでも雇用を守れというのなら人件費は据え置きか、事実として起きたようにデフレ。

 あら悲し。デフレですよデフレ。過去の成功にこだわったらデフレときたもんだ。たぶん同じ発想で行政刷新会議かな?

 ∧∧
( ‥)右肩上がりの経済成長って結局、
    飽和状態になるまでの夢ってことですかね。

    (‥ )そーじゃねーのか?
        中間層の平均所得が日本だけ月額2000万になんか
        これからなるわけないだろ?

 今からそうなるとしたら超絶技術を持った火星人、月給が地球換算(どんな換算?)で3000万、というやつらが地球に接触してきて彼ら相手に彼らの必需品を売るようになった状態じゃない?

 ∧∧
( ‥)さもなきゃ付加価値とスキルを売るしかないと。

    (‥ )そのためには教育だけでなく、訓練と
        社会に還元し続ける科学技術の維持運営が
        欠かせないだろうねえ。

 まあなんだ、世の中には低賃金労働なんかに頼る企業は日本から出て行け、そんなのがいるから俺たちは貧乏なんだって鼻息荒く言う人もいるけども、いやいや、自分や身の回りの人間をよく見てみねい。


 自分の手を見て考えてご覧よ。単純労働以外になんかできるようなスキルや知識を持っていたり、なんらかの技術を継承しているかね? 自分を月額20万以上で売るに足る十分な理由を法律とか労働者の保護とかうんぬん以外になにか持っているかね? 自分と同じ能力しか持たない他人に月額20万を払う気になるかどうか本気で考えてご覧よ。そんな力が自分にあるかね?

 ∧∧
( ‥)・・・・もってないように見えますね。

    (‥ )人は見かけで判断してはいけないというけど
        まー、大概はもってないだろうなあ。

 低賃金労働なんか出て行けというのは正論ではあるが、それを可能ならしめる条件が我々には整っていない。

 ∧∧
( ‥)この上、科学技術までどうかなったら
    どうなるんですかね?

    ( ‥)まーあれだな。アメリカから離れるぽ、アジアと仲良くする
        んだぴょん、って言われてもなあ、軍事力の維持均衡に
         例えば何が必要かとか、イージス艦のおつむって
         どこ製か知っている? なんでそういうことになってるか
         分かってます? とかそういうこと知らないんだろうな。

 技術を維持継承しなくてもファンタスティックに問題解決できるぴょんと言うのが行政刷新会議。

 とはいえ、行政刷新会議はあれはあれで仕事ではある。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )決断するのは別人だからあれ駄目、これ駄目って言えば
        仕事になるじゃないか。

 仮に企業がこれからどの部門を不採算部門として切り捨てるか、と会議する時、あんな会議にはならんでしょ。

 ∧∧
( ‥)そして勉学は支援するけども
    その後の就職は切り売りする結果を提案するわけですか。

    (‥ )今の代わりに子孫と未来を売り払ったって
        ことじゃないか?


 さてさて。ではどうしたものか。

 

雇用問題です

 
 まあ、そりゃあ全部の提言や刷新が原理的におかしいですということではないにせよ、若手の研究者の育成やらなにやらにかける予算を削減する。なるほどこれが行政刷新会議。

 ∧∧
(‥ )納税者に還元できることに予算配分するのーと
\-   主張している議員さんとかもいるんですね。

    (‥ )若手研究者の育成は雇用問題だろとか
        言っている人もいるみたいだなあ。

 まあ、そうねえ雇用問題なのかもねえ、循環論法的だけども個人の雇用という点で見たら、そりゃあそう見えるわさ。

 ∧∧
( ‥)でも若手の育成って技術の発展継承って側面もあるでしょ?

    (‥ )不採算部門は削る、というのはどんな会社でやっているに
        しても、技術/人材育成を削るからには、別の採算部門に
         ちゃんと投資するもんだけどねえ。

 そういうことしてるか? 連中は?

 逆にいうと雇用問題と言えば議員だってそうなんだろうけどもねえ。

 ∧∧
( ‥)?

    (‥ )科学は100年の計だと科学技術費の削減に反対した
        人たちがいたけども、議員ってのは次回の選挙の
         ことしか考えていないだろ?

 100年先のことなんか議員は考えないだろう。そういうもんだし、それで十分なのが議員ってもんさ。当選するのが仕事であって、妥当な政策をすることが彼らの仕事ではない。世の中には議員というものは妥当な政策を立案するもんだと考えている人もいるが、その仮説では彼らの行動は説明できないと思う。

 ∧∧
( ‥)じゃあ、長期的な視点に立つべきだ、という
    反論を彼らは聞かないと思う?

    (‥ )聞かないんじゃないか? 今年とか来年とかの選挙の方が
        大事だろ? 10年、20年さきなんて考える理由は
        彼らには欠片もありゃせんだろ。

 そもそも、納税者に利益が還元できることに予算を組むべきよーとか言っている時点でそんな視点や発想が事実として欠けていることを示している。

 ∧∧
( ‥)どうなっちゃうんでしょうね?

    (‥ )常識的な人間が是正するのを期待したいがどうだろうねえ。

 それは君たちの雇用問題でしょ、えへへ、と相手に言う前に、そもそも彼ら自身の雇用が(これは発言者自身が議員である場合だけども)かかっているんだ。大多数の選挙民に受けのいいことをして、その代わりに何かを売り払って取り返しのつかないことをするぐらい、平気でやっちゃうだろう。

 ∧∧
( ‥)どうしたもんですかね?

    ( ‥)常識的な人間がストップをかけることが無かった場合、
        そうねえ、若手への援助がなくなったジャンルに学生が
        進むのか? いや進まなくなったらどうなる?
        そういう基礎が破壊されてしまった場合、
         社会への利益の還元はどうなるんだろうとか。

 ∧∧
( ‥)そこまで事態が悪化したら是正する動きが
    起きますよね?

    (‥ )国が傾きかけた企業みたいになって
        競争力がなくなった状態で、わっこれは
        いかんぞなってか?

 手遅れ、手遅れ。

 ∧∧
( ‥)どうしたもんでしょうね。

    ( ‥)さーて、どうしたもんかね。

 馬鹿をやりつくして相手が勝手に自滅するのを待つってのもつまらないしねえ。
        

2009年11月19日木曜日

あるある漢方大事典

 
 漢方薬。あれは奇妙なしろもの。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )漢方薬が人体に効く仕組みと説明は
        いわゆる五行説に基づいているだろ?

 ようするに漢方薬というのはなんか良く分からん理論体系に基づいているわけで。

 ∧∧
(‥ )五行説って錬金術の亜種でしたっけ?
\-
    (‥ )まあ、系譜的にはそうなるのかな。

 ようするに四大元素説(地水火風)にプラスすることの金属(金)で、風が木に置き換わってるぞ状態。たぶん起源は西方世界でまあなんだ、メソポタミアあたりなんですかね、元素間の五芒星な配置とリンクと五角形のじゃんけん関係でできた理論体系。

 ∧∧
( ‥)でも、、、漢方薬って薬局でも売ってますよね?

    (‥ )だからといって医者や医学会は
        五行説で考えたりしないんだよな。

 解剖実習で五臓六腑がそれぞれ胆液が多くなると五行説に照らしてどうしたこうしたとかは習わないだろう。

 ∧∧
( ‥)? じゃあ薬局では疑似科学に理論づけられた
    しろものを販売しているわけ?

    (‥ )疑似科学というのが言い過ぎだとしたらそうだね、
        妥当であるかどうか検証されていない理論体系に
        裏づけられた物品を販売しているわけだが。

 ∧∧
( ‥)そーゆーのを疑似科学って言うんじゃないの?

    (‥ )まあ、広い意味ではそうなんだろうな。

 例えば葛根湯とかは風邪に”かかる前”に飲むと効果はそれなりにあるそうだ(という話を聞いた)。とはいえ漢方のどの成分がどう人体に効くのか、という論証とかは、まあなんだまともにやられていないっぽい。

 ∧∧
( ‥)? にゃっ? そういうのまずいんじゃない?

    (‥ )長い間使われているから観測されるほどには
        問題が生じたことが無い、つまり比較的無害
        ということなんじゃないの?

 でもここまで考えて思った。

 これ、発掘あるある大事典とどう違うわけ?

 ∧∧
( ‥)ああ、てきとーに健康番組を作っていたけども、
    問題が起きないように、効果はないけど無害ではある
    そういうダイエット法なりなんなりを提供していた番組ですね。

    (‥ )漢方ってあれとどう違うわけ?

:問題は起きない
:無害
:裏付けがないか、あるいは裏づける理論体系が現在では認められていない体系(てきとー)

 漢方薬とあるある発掘大事典はどこがどう違うのだぞなもし?

 ∧∧
(‥ )あの番組が問題になったのは”データの捏造”があったから
\-   ですよね。

    (‥ )まあ、番組で紹介した方法には効果がありませんと
        論証するのは大変だけど、捏造なら白か黒かを
        すぐに判別できるからな。

 それを見つけることで、これ破棄!!と対応したのは、まあまともな動作。でも逆にいうと漢方とあるある発掘大事典の相違点はそこだけか?

 ∧∧
( ‥)あー、漢方は一応、効果があるっぽい、ということは
   言えるとか?

    (‥ )まあ最低限、かなり無害ってことは言えそうだけども。

 これではあるあると漢方は識別できん。

 ∧∧
(‥ )漢方薬の入った薬効酒は適量の飲酒が勧められていますが
\-
    (‥ )納豆でダイエットさせても無害だからいいじゃんと
        番組をてきとーに作る発想とは、このままでは
         識別できんよな。

 もちろん、普通の薬も適量が求められるが、その場合は、これこれの量に達するとこのような弊害が生じるということが分かっている上で示されたものである。

 そういうことからすると”普通の薬の適量”は以上の事例(漢方とあるある)からは識別できるが、では漢方とあるあるの識別点はどこだ?

 ∧∧
( ‥)データの捏造があるかないか?

    (‥ )だったらすごいよねえ。

 漢方薬とは何だ?
 
 ∧∧
( ‥)漢方は副作用がないんだと言いますが。

    ( ̄  ̄ )そういう主張の時点ですごくいかがわしさを
          感じるよな。

 作用するけど副作用がない(と言い切る)論証ってどういう体裁をとるのやら。

 


 

2009年11月18日水曜日

本はマイナスです

 
 前に作った本の書評でこんなのがあった。内容はともかく、分量の割りには少し高いように感じます。

 ああ、それ、あちきも思いましたよ。

 ∧∧
( ‥)本を作った本人自身がそう思うと。

    (‥ )でもさあ、思い返してみると
     □-  この価格でないと純利益が生じないんだよね・・

 本を店頭で見つけて、ページ数の割りには高くないかなーーーっとなんとなく作った本人がそう感じる一方で、ところが考えても見れば、これだけの利潤が生じるのであるから、だからここまで投資して情報を集め、それをテキストとイラストに詰め込むことが可能である。そう自分自身が計算して制作していたことを思い出す(年間当たり数十万になる本代の何割りかがこの本の投資として割り当てられるということ)。

 ∧∧
( ‥)おかしな話ですね。本屋で自分の本を見たときに
    感じた感覚と、作っているときの計算/投資の時に
    考えていた内容が正反対というのは。

    (‥ )しかも2つの相反する考えを抱いているのに
        別に矛盾は感じていないのだ。
        というか意識すらしていなかったな。

 まあ考えてみれば当たり前で、安い価格でより多くの利益を求めようとする消費者な視線と、投資と利益、品質の要求から導き出されるある均衡点で本を作成している制作者とでは考えが同じになるわけがない。

    (‥ )本というのは消費者にとってマイナスなんだよね。
        少なくとも支払いに対する見返りに効率が上がるとか、
        1日に摂取できるカロリーが直接増大するとか、
        そういうベネフィットは本に関しては普通ないからねえ。
 ∧∧
( ‥)車のように移動の効率を上げるものでもなく、
    食事のようにカロリーになるわけでもなく、
    洋服のように社会的な地位向上を可能にする
    ものでもないということですね。

 本というのはそもそもが投資に対してむしろ損失を導き出すようなしろもので、商品としてはある意味、間抜け。

 本は人間の生活にとって必需品でもなく、カロリーにもならず、社会的地位を向上させるものでもない。そういう意味では、本を買う人間ってのは考えようによってはかなり変わっている人たちだとも言える。あるいはゲームの攻略本がその月における本の売り上げトップ10に入ることがある(あるいはあった)けども、それは当然。投資に対して直接効果が出るのであればそりゃあ買うだろう。

 ∧∧
( ‥)本は消費者の立場ではもともと損失的なものであるから
    評価がシビアになると。

     (‥ )でも作り手の立場に立つとそうはいかなく
         なるんだよなあ。

 ∧∧
( ‥)安くするにはどうすればいいんでしょうね?

     (‥ )まあ、ひとつには内容を薄くするとか
         人件費以外の投資が0になるように
          嘘八百と思い込みで塗り固めるとかね。

 
 逆に言うと類書がない(らしい)理由を実感。

 ∧∧
( ‥)あの価格、もろもろ以外の条件では・・・

     (‥ )ちょっと作るのは難しいかなあ。

 
 


さっしんします

 
 神奈川県では朝の2:00ぐらいにほんの少しだけ雲間から星が見えたものの、流星は確認できず。

 ∧∧
( ‥)まあ当然ですね。

    (‥ )やむを得んな。

 ヘビを描いた。ヘビ、意外と手間がかかる。

 さて

 ぎょーせーさっしんかいぎ。科学に関する分野だけでもめちゃくちゃな削減案がなされているので、世間的にはどうだか知らないけども、ネットや電子の世界では非難ごーごー。

 ∧∧
( ‥)さて、あなたはどうします?

    ( ‥)そうねえ、取りあえず、会議に参加した
      -□  面々のことを調べてみるか。

 どんな仮説でどんな世界観を持っているのか、それを見なくてはいけない。まあ予算は無限ではない、というのは当然なんだが、科学と技術の根幹を揺るがしかねない(端的に言うと、国というか日本国民と呼称されている集団の長期的な利益を捨てる気なのね?という)ようなことを決定する人々の判断過程はどうなっているのかという問題。

 ∧∧
( ‥)彼らを科学の対象にすると?

    (‥ )オレ様理論屋とかオレ様鳥進化論者とかを
        科学に扱えないか? とすでに考えている
        わけだよね?

 だったら科学を論評する人間も扱おうというのは当然。


    (‥ )まあそもそもなあ、1時間以内に赤道ギニアの
        抱える問題を解決する手段を考え、800字に
         まとめろって言われてひーひーいっている
         ような会議なんじゃないかと思うけども。
 ∧∧
( ‥)またそういう例えを・・・・

 でも問題が何なのか分からん状況で判断を迫られているという意味では、あの会議に参加している人々ってのは実のところほとんどそんな状況なんじゃあないのかね? マントルよりも地震をという発言の記録を見たときは笑った。というか微笑ましいなあ、大人ってやつは。

 

2009年11月17日火曜日

雨降り

 
 雨降り。

 ∧∧
(‥ )今日の夜はしし座流星群のピークのはずですけど。

    (‥ )こりゃあ見るのは無理だなあ。

 
 一応、起きている限りは夜空をチェックはするつもりだけども、天気予報では晴れ間がのぞくことはなさそう。ヨーロッパも雨降りの模様だし、あちらでも地域によってはともかく、ちょっと見るのは無理っぽい。

 ∧∧
( ‥)お天気だけはどうにもなりませんね。

    (‥ )どうもならんな。

 まあなんだ、流星群ってのはしょっちゅうあるんだ。また見れる時に見ればいい。

 ∧∧
( ‥)しし座流星群はピークを過ぎると見られないんですかね?

    (‥ )どうだろうねえ? 先日、夜空を見た時は
        さっぱり見えなかったけども。

 オリオン座流星群は前後数日間に渡って見ることができたのだけども、しし座流星群はピーク時に集中して、その前後にはほとんど流れないんだろうか? 

 ∧∧
(‥ )次ぎの流星群は来月。12月の14日にピークを迎える
\-   ふたご座流星群ですね。

    (‥ )また晴れたら夜空を見てみることにしつつ
        来月の流星群に期待しよう。

 
 

2009年11月16日月曜日

ほめおぱしー

 
 ホメオパシー。薄めてよく効くホメオパシー。

 ∧∧
( ‥)にゃ?

    (‥ )聞かんでくれ。おいらにも良く分からん。

 ホメオパシー。なんかすごいというが理屈が分からんホメオパシー。

 ∧∧
( ‥)アナタハフルイぱらだいむニトラワレテイルノデスーー
   
    (‥ )と、言われるのかな?

 確かにそうではある。お互いに異なる理論体系の中にいるので相手がまったく理解できない。

 ∧∧
( ‥)でも等価なのはお互いがお互いを相手の理論体系では
    理解できないって点だけでしょ?

    (‥ )そうであるな。

 現実世界において効果があるかないか、妥当かそうでないか、この点に関しては等価ではない。

 ホメオパシー。限りなく薬を薄めても効果がでるぞホメオパシー。

 とまあかつてホメオパシーのことをそう聞いて、最近、ふとニュースを見ていたらこんな話。水道水には色々なものが薄まったとはいえ含まれてくる。まあねえ、人間が色々なものをばらまいているから当然だ。水銀、鉛、有機塩素系化合物なんかが当然あるけども、香辛料や薬剤、ホルモン剤やらその他にも色々と含まれているのだそうな。

 まあ実際にそのデータを見たことがないので受け売りなんだけども、薄まっているとはいえそういうのが入っているのは、そりゃあ当然そうだろう。

 ホメオパシー。限りなく薄めても効果がきちんと出る(と主張している)ぞホメオパシー。

 ∧∧
( ‥)じゃあ水道水を飲んでももろもろの効果が
    てきめんなわけ?

     (‥ )さあ?

 実際のところ彼らの理論体系においてこのことがどう解釈されるのか? それについて予想できるほどホメオパシーについて知っているわけではない。

 

 

ぎょうせいさっしんかいぎ

 
 ふーむ。話で聞く行政刷新会議。さてもさても科学に関連する分野だけでもなんと評価したら良いものか。なんか一部に頭の悪そうな発言が混ざっているよなーと思いつつ。

 ∧∧
( ‥)評価するにはどうすればいいんですかね?

    (‥ )会議とやらに参加した人間にどの程度の知能があるのか
        判断の基準になった彼ら個人個人が持つ仮説は何か
         判断の元になったデータは何か、
          それをどう解釈したのか、

 そしてかつまた、では比較対象になりうるベストな解答はどのように導き出すべきか。

 ∧∧
( ‥)そして比較されるべきそれらが
    ベターであるかどうかをどう検証すればいいのか。

    (‥ )まあそうだね。

 もちろん、検証なんてものは簡単と言えば簡単なんだけども。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )やってから後悔するって言うだろ?

 

2009年11月15日日曜日

論理的だから科学だぴょん

 
 ドーピングは多少効いているかもしれない。しかし、これだけでフォローしきれるか?

 さて

 これは書評ってなんだいの続き。というかこっちがある意味、本題かもしれないんだけども。

 
   (‥ )ルイセンコ騒動とか「2つの遺伝学」を見ているとさ
       マルクス主義って”論理的だからこれは科学だぴょん”と
       思っている人にすっごく受けがいい理論体系なのかなー
       とまあ、そう思うわけですよ。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか?


 いやだって、マルクス主義だから科学的で論理的だからこれは科学で正しいのじゃーっという主張を聞いて、他にどんな解釈があるというのかや?

 ∧∧
( ‥)まあ少なくとも彼らがなぜ失敗したのかは
    良く分かりますけどね。

     ( ‥)論理的だから正しいんじゃーって考えには
         ”経験的にデータを付け加えることで仮説を検証する”
         という発想がないからねえ。

 そりゃ、実験もしないのは当然。そしていくら不利な証拠が現れたって無視するわけだがよ。

 実際、ルイセンコ騒動が終止符を打たれていったのはソ連でルイセンコが失脚するという政治的な出来事が発端なわけだし、”経験的に仮説を検証する”という意味での科学をしていなかったという結果がここにも見える。政治は科学じゃないでしょ(彼らは科学も政治であるべきで、マルクス主義に基づく革命を主張したから彼ら自身にとっては矛盾のない行動/主張なんだろうけど)。

 でっ、ここからがさらに本題。

     (‥ )論理的に正しいのだから正しいのだ、という意見は
         オレ様理論に共通する問題点じゃあなかろうか?
         というか、そもそもの元凶?
 ∧∧
( ‥)といいますと?

 言葉を定義してそれを論理的につなぎ合わせて矛盾のない文章を紡ぎ出す。

 これ、必然的ではないにせよ使用するデータは少数になるし、経験と検証を無視する(平たく言うと帰納法ではない)ことに直結するのでは?

 ∧∧
( ‥)なんで?

     (‥ )データってのはしばしば矛盾するもんだぜや。

 矛盾のない文章を作るって時点で、必然的に矛盾しているデータを削ぎ落としていないかね? そんなことを言っている時点で問題をものすごく単純化しているんじゃないのかね?(単純化それ自体は悪いことではないのだろうけど)

 ∧∧
( ‥)ああ、整合するデータだけをチョイスしているとか
    分かりやすい極端な例ではそういうことですね?

     (‥ )そもそも”定義”ってのがくせ者だろ?

 こう定義する。というよりも、文章内部でコンフリクトが起きないように定義している時がないかね?

 ∧∧
( ‥)データの恣意的な解釈ってやつですか。

     (‥ )既存のデータを曲解して自説に都合のよいように
         受け取っちゃう人っているだろ?
         あれって、結果的には恣意的な定義じゃないのか?

 そして当然、矛盾のない論理的な文章であるから、この文章が申し述べていることは現実にも真実である、という主張には経験的な検証という動作も発想もすっぽり抜けている。

 ∧∧
( ‥)しかし、科学の歴史を振り返るに、
    それは科学ではないですね。

     (‥ )でもそういう勘違いをしている人って多いだろ?
         知り合いのサイエンスライターにもそういうの
         いたぞなもし。

 法則を積み重ねて出した結論はすべからく正しい、とか、正確に定義した言葉を矛盾なく論理的に組立てれば科学であり、その解は真実であるとか、そんなものは科学とは呼べない。だけども科学とはそういうものであると考えている人は疑似科学を信じている人でもいるし、おかしなもんで疑似科学を批判する人にもいる。

 ∧∧
( ‥)矛盾ない文章、それ自体には妥当という意味はないですよね?

    (‥ )正確な文法でしゃべられた言葉でも嘘はつけるからな。

 
 ”論理的だからオレ様は科学だぴょん”はねーだろう。


 しかし、これらそもそもの根本である”使えるデータうち、少数のものしか使わない人は最初の仮説に固執する”というアイデアの調査は今だ、のろのろとして進まず。


 


 

書評ってなんだい

 
 「分類思考の世界」ふとたわむれに検索をかけてみたり、色々な書評をチラ見すると、それこそ色とりどりな書評があるらしい。例えば曰く、著者は種実在論に不都合な証拠ばかり集めていないか? 例えばルイセンコとか、という論評。

 ∧∧
( ‥)へーそう読み解く向きもありますか

    ( ‥)いや、なるほどね。
      -/

 個人的にはこう。かつてポパーはプラトンからマルクスへと続く知的伝統が本質主義を作ったと主張したが、実のところ例えば種に本質的なものがあるのではないのかと考える傾向はとんでもなく広く、あらゆるあまねく色々な立場、人物に出現する。

 ∧∧
( ‥)ようするに知的伝統とかそういう生易しいもんじゃ
    ないってことですよね。

    (‥ )例えばこう? 種や本質は一部の人々に憑いているものではなく
        我々全員の背後にすべからく立っているものである。

 さもなきゃこんなにあらゆる場所で顔を出してきたりしないでしょう。マイヤはマルクス主義者ではないなのか? と問われたり、ヘニックでさえ種に関して何かあるのだと考えている。

    (‥ )種とは人間の知恵から出たものではなく、
        人間の心からにじみ出たもの        
 ∧∧
( ‥)まあ、あなたはそう受け止めるわけですね。

 ルイセンコが廃滅した後もその残滓が種に関して残るのだってひとつにはそのせいなんでしょうね。知的伝統もさることながら、その部分だけはまま呑み込んでしまう素地が我々にはあるのであって。

 ∧∧
( ‥)だから不利な証拠を集めたというよりは

    (‥ )種というカテゴリーの起源と来た場所を、
        あるいはその歴史をあるいはその有り様を論じている。
        そう受け止めたのだけどね。

 この解釈自体が妥当かどうかは、さてどうだろう。確かに書評というのは本を論評したその人自身の能力が論評される恐ろしい場所なんであり、ほいほいと書評を書くのも、そりゃあどうかねーと思うのでありますよ。

 ∧∧
( ‥)そういうあなたはどうなんでしょうね?

    ( ‥)さあ、どうだろうねえ。

 書評自体の妥当性はどう検証したらいいと思う?

 ∧∧
( ‥)書評は解釈で、それ自体を支持する単語/表現/文脈が
    書評された本の内部/あるいは関連する書籍の中で登場するか
    どうか、それらの整合性で判断するしかないんじゃないですか?

    (‥ )そんな感じかなー。

 



星と世界

 
 体がもう仕事についていけない状況に陥ってしまっているらしく。8時間と起きていられない。

   ( — —)栄養ドリンクって本当に効くんですかね?
     -□   ぐびり
 ∧∧
( ‥)あっドーピング。


 さて

 ひさしぶりに夜空が晴れていたので散歩。雲が足早に過ぎ去ったり、雲だらけになったり、しかし30分もすぎると再び星空が広がったりと忙しい。

 しし座の流星群は18日未明に極大というから17日の夜ぐらいってことだろか。本日は流星は見当たらず。関東は17/18日と曇りや雨/晴れという天気予報であるらしく、観測にやや不適か?

 さて

 こんな話。「ダーウィン種の起源を読む」ではマイヤの生物学的種概念とかグールドやエルドリッジの断続平衡説は取り上げなかったのだけども。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

    (‥ )取り上げる必要がないと踏んだから、
        と言えば比較的正確な表現?

 生物学的種概念。少なくとも人間に認識できる2つの生物集団があって、それが実は交配している。あるいは隔離させていた機構が崩れて片方が片方に呑まれて消滅しつつある、あるいは交雑が起きているが選択圧のためか核ゲノムは浸透しないのにMtゲノムは片方の集団に浸透しつつある。

 とまあ、そういう”状況”を調べることも論ずることもまさに生物学ですね、なんだけども。

    (‥ )でもさあ、だからそれで種なんだ/いや種ではないって
        議論へ足を踏み入れた場合、はあ、だから何? 
        としか思えないんだよな。
 ∧∧
( ‥)まあそうかもしれませんね。

 例えばの話、A種とB種の交雑で単為生殖種Cが生じた場合、それは一体全体どういうこと? というわけで。

 ∧∧
( ‥)まあそもそもそこで種って言葉を使用してますけどね。

    (‥ )でもそれはあくまで便宜的な単語と使用法だろ?
        これを”交配しないのが種なのだ”と仮に設定した場合、
        以上の文章はまじめに考えれば混乱の極みになっちゃうべ

 種という言葉の使用、それ自体は場面場面ごとに何となく共通理解があるからいいけども、まじめに”種の普遍的な定義”だなんだと言い出したら、じゃあ例えばさっきの文章はどう書き直したらいいのよ、というわけでありまして。

    ( ‥)生物学的種概念に対して一番思うのは
      -□ このマイヤの提案が一体全体何の役にたったのか?
        ということであってね。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうですか。

 生物学的種概念。最初聞いた時は、そりゃあ気持ちは分かるけど何それ? と理解できなかったが、それは今も同じで個人的にはやっぱり理解できない。そしてダーウィンの理論展開を説明する時には有害なので削除。

 ∧∧
( ‥)断続平衡説は?

    (‥ )化石データの統計的な処理が未熟な時代に出現した遺物?

 というわけでこれも削除。

 種に関しては例えば「分類思考の世界」三中信宏 2009 を参考のことでありますよ。第10章で語られるブラックウェルダーさんの意見は、間接的に聞く限り、それはごもっともでございますという感想を。



 
 

2009年11月14日土曜日

独自の仮説を発見するお手軽な方法

 
 さっき、前々から気になっていた本(オレ様鳥進化論者に該当する?)を発注。まあそのうちに届く予定。

 ここで言うオレ様鳥進化論者というのはオレ様理論屋さんの中でも曰く、”鳥はこうして進化したに違いない!!”と独自の理論を展開する人たちなのだが、どういうわけか大抵の場合、どの人も致命的な欠陥を共有する。例えば、

1:進化理論が分かっていない(進化を論ずるのに進化の原動力を知らないとはこれいかに?)
2:系統解析が分かっていない(歴史を論ずるのに歴史を復元する方法論を知らない/使わないとはこれいかに?)
3:祖先形質の復元が分かっていない(過去を論じているのに過去を復元する方法論を知らないとはこれいかに?)
4:扱うデータが異常に少ない(使えるデータのごく一部しか使わないとはこれいかに?)


 こんな感じ。他には多くのオレ様理論屋さんと同様、論文読まない、引用しない、教科書を無視する、解析手段に興味を示さない、仮説の経験的な検証をしないなどなどもおおむね共通する模様。

 でもまあ、そうなってしまうのは分からなくもないし、当然と言えば当然。

 ∧∧
( ‥)なんで?

     (‥ )教科書読んでスタンダードな方法論を理解し、
         それを用いれば、既存のデータを用いる限り
         既存のものと同じ答えがでてくるはずだろ?

 ようするにスタンダードなことをすればスタンダードな意見を述べることになるし、既存の意見に賛成することになる(ぶれがあるにしても容認できる範囲内)。


 反対に言えば独自の意見を述べるには次ぎの方法がありうることになる。

1:新しいデータを追加する(例えば新しい化石を発見する/あるいは使用できる場合にのみ有効)
2:データを作り替える(作り替えた場合、既存のものよりもより整合性の高い仮説を発見した場合に有効)
3:既存の方法論とはまったく違う、新しい解析手段を考える(解析手段そのものの妥当性が有効であることが示される場合にのみ有効)

 とっ、こんな感じ?

 ∧∧
( ‥)1番は例えばシュウ・シンさんのミクロラプトルに基づく
    新仮説とかですね?

     (‥ )2番だと”始祖鳥は鳥ではない”と報道された論文とかが
         該当するんだろうな。

 2番には他にもウプサラ大学のバットさんによるバージェス頁岩を含めた節足動物の初期系統の見直しなんかが該当しそう。ケプラーがかつてやったこともこれに該当するかもしれない。

 ∧∧
( ‥)3番は?

     (‥ )分岐学を提案したヘニング/ヘニックとか
         少数の化石からそれが何を反映しているのか
         調べる数学的手段を提案した人とか、
         そういうのが該当するんじゃないの?

 だが例えばオレ様鳥進化論者は、見た限りではこのどれもしていないらしい。ようするに新しいデータを発見するわけでもない、化石を見つけるわけでもない、データをより整合性の高い形に再編成するわけでもなし、ましてや新しい方法論や解析手段など提案したこともない。

 ∧∧
( ‥)でも、それでもなお独自の理論や仮説を展開しますよね?

     (‥ )以上の1、2、3を使用しないで既存のものと
         異なる仮説を展開するお手軽な方法がある。

1:使用可能なデータのうち一部だけを使う(データセットが既存のものと変わるので違う答えが出てきうる)
2:既存のデータを”全体の整合性とは無関係に”組立てる(少数のデータのみを使う場合、はしょったデータにある不整合は無視できるので特に可能)
3:オレ様な方法で解析する(解析手段が不明か、解析手段の有効性が不明か、あるいはありがちなのが解析手段が間違っている場合)

 ∧∧
( ‥)まあ、そうなると既存のものと違う独自の仮説を
    展開できるでしょうね。

    (‥ )教科書も読まず、論文も読まず、解析手段も理解せず、
        それでもなお独自の仮説を発見しているとしたら
        それは必然的にこういう方法しかないんじゃないのか?

 言い換えればこう。

 一部のデータのみを整合的にオレ様に判断すると誰でも新しい仮説を述べることができる。

 ただしスタンダードからは無視される。

 


2009年11月13日金曜日

萌える昆虫軍団

 
 ふと、燃える昆虫軍団を思い出して検索をかけてみた。

 ∧∧
(‥ )おいちゃんが子供の時、テレビで見た映画ですね?
\-
    (‥ )最後、博士が火だるまになって、わきゃーーーーっ
        と昆虫たちと一緒に地割れに落ちて地下世界に
        ご招待、、、だったっけ?

 燃える昆虫軍団。昆虫は、あれは普通にマダガスカルオオゴキブリだよね。

 天井を見上げたら昆虫さんがみっしりといて、きゃあああーーーっと叫ぶ女性の顔にぼたぼた落ちてくるマダガスカルオオゴキブリ。

 実のところ撮影上はスタッフから落とされているであろうオオゴキブリをぎゃーぎゃーと叫びつつ顔面で受け止めるためにしっかと上を見上げ続ける女優さんは、子供心ながらに大変だなあ・・・と思ったもんでございます(あのシーンはおもちゃではなかったと思うのだけども)。

 ∧∧
( ‥)燃える昆虫さん。設定上は、お尻の尾毛を摩擦させて
   その摩擦熱で発火させるんでしたっけ?

    (‥ )だった記憶があるんだけどね。

 個人的にはその設定が子供心にもうクリーンヒットに萌え萌えで忘れられない(記憶が間違っていない限りはそう)

 でっ、萌える昆虫軍団とたわむれに検索かけてみたら。

 ∧∧
(‥ )ヒットしてきます。
\-
    (‥ )考えること皆、同じだな。

 萌える昆虫軍団。それは例えばどんな本?

 ∧∧
( ‥)昆虫さんを連想させる格好をした
    女の子がたくさん出てくるとか?

    (‥ )ゴミムシがただずらっと並んでいればいいんじゃない?

 ∧∧
( ‥)・・・萌えるんですか?

    (‥ )特徴や同定のさいに必要な形質、
        系統を知るために有効な形質を列挙すれば
        もう萌え萌えだ。

 できれば鞘翅もちゃんと開いて翅脈も比較したい。これぞ萌えるゴミムシ軍団。でも種類が多いから妥協して廉価版で。

    (‥ )次回作は萌えるカミキリムシ軍団
 ∧∧
( ‥)はあ。


 

サイエンスライターってのはSFじゃねーの?

 
 散歩にいきます、朝の3:30。帰り際、4:00だってのに公園の道で人に道を尋ねられた。なんでも隣の駅までの近道はここだーーって教えられたのでここまできちまったのだそうだ。

 ∧∧
( ‥)こんな夜遅くにあの道を教える人が?

    (‥ )どうかしているよね・・・・

 さもなきゃ聞いた人が勘違いしたんだろう。ともあれ、北から吹く風は冷たく、それでも10度はある感じ。はるか地球の反対、ユーラシア大陸の向こう側を見てみれば、イギリスは関東よりもはるかに高い緯度にあるというのにもう少し暖かく、ドイツは雨が降っているにも関わらず、温度はこちらの朝と似たり寄ったりってとこらしい。やはり大陸の西側と東側とでは気候がまるで違う。

 ∧∧
( ‥)神奈川県のここらではもう落ち葉の季節ですね。

    (‥ )間もなく冬か。

 さて

 散歩の最中ふと思った。サイエンスライターってSFなんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)はあ?

    (‥ )どっちも科学してるんじゃーーって言う割りには
        科学を無視した方が儲かる。

 例えばこういうことを言う人がいる。相対性理論は皆信用しているのに、なんで進化理論となるとオレ様進化論だの、ダーウィンの言っていることはおかしいだのっていうやつがわんさか湧き出てくるんだい?

 いや、それは間違いだ。たぶん。だって相対性理論だって、だーれも信じちゃいませんよ。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )SFを見てご覧よ。大宇宙を股にかけて何百光年もある恒星間を
        まるで隣町へタクシーでいくみたいに移動するし、
        大抵はウラシマ効果もなにもないじゃないか。

 ∧∧
( ‥)確かにそうですけど、でもそういうこと言い出したら
    難しいお話になりそうですね。

    (‥ )ウラシマ効果によって時間の向こうに引き裂かれる人々を
        きれいにまとめた話(「幻影の都市」とか?)もあるけど、
        大抵はそんな話にはしないよね。

 幻影の都市だって、例えばの話、映画化は無理でしょー。いやそんなことしなくていいんですけどね。

 ともあれ、はい、このようにみんな相対性理論を信じちゃいません。というか相対性理論が”すごい”ってことを知っているけど、内容を知らないからそれを無視したお話を見ても気にしないというのがより正確?

 ∧∧
( ‥)でもこれの何がどこで、どうサイエンスライターなんですか?

    (‥ )SFって結局は自然科学じゃなくて心理学だろ?

 みんなが喜ぶ話を作る。そうすれば売れるし、そうすれば生活できるし、そうする作家が生き残りやすい。ようするになんのこっちゃない、SFなりSF作家なり、それらは”心理的に受ける話”を作るように淘汰圧を受けているわけで。それは”妥当な仮説をチョイスせよ”という科学の世界とは全然違う。

    (‥ )SFっていうのは自然科学ではないし
        サイエンスライターも同様の意味で自然科学ではないし
        自然科学に参加すらしていないのさ。
 ∧∧
( ‥)はあ、、、でもそもそもSFが科学じゃないのは
    当然でしょ? あれフィクションだし。
    それを科学だって言ったら、それはファンタジーですよね。
    宇宙人、未来人、超能力者、それでいいじゃないですか。
    また聞きですけど。

 いやいやそう認識されているとは限らない。

 以前、ゴジラの映画はもっと科学的にちゃんとしたものであるべきだ、そう一生懸命言っている人がいたので、いや、SFも映画も自然科学ではなく心理学の範疇でしょ? つまりそれは心理学とか認知心理学で処理すべき問題(さもなきゃ市場リサーチ)といったら熱心に反論してくるのだが、その主張内容は「科学的におかしいのにも限度がある」という主張で。

 ∧∧
( ‥)? 限度があるってそれは堪忍袋の話ですよね?
    それこそ心理学の話では?

    (‥ )そりゃあそうだろうね。

 映画を科学的に妥当なものにってあなた、ゴジラが出てきた時点でもう破綻しているがな(*個人的にはゴジラ映画がどんな問題を抱えているのか知らないのでこれ以上は論評不可)。とにかく面白けりゃいいんですよ、面白けりゃ。心理的に、あるいは認識的に。

 そしてゆえに映画もSFも科学じゃねーがな。映画は論文じゃないし、SFも論文じゃねーし。

 ∧∧
( ‥)つまり、あなたの結論はあれですね?
    SFは科学でありたいと(一部の人は)主張するのだが、
    もともとそうではない。
    さらに心理的な淘汰を強烈に受けるからその望みはますます悪化する
     そういうことですね?

    (‥ )そしてそれはサイエンスライターもそうだろ?

 サイエンスライターは科学者ではないし、著作物は査読のある学術誌に載った論文ではない。データと解析手段、そして結論が理路整然と、あるいは結論同士の比較が可能な具体的な数値を出しているわけでもない。

実際のところサイエンスライターは多くの人が陥りやすい勘違いを自分もしてみせた方が多分、経済的には望ましい。例えばの話、

”これは異説であるがむしろこちらが正しいのではないのか!!”

と、こんな具合に”勘違い”した上でセンセーショナルに書き立てた方が”分かりやすい”し受けも良い。(*分かったという言葉や自覚それ自体は何の保証もしてくれないということ)

 ∧∧
( ‥)そしてそういう逸脱は淘汰圧によってますます
    顕著になると。

    (‥ )サイエンスライターもSFも、内部に抱える
        問題は同じじゃねーの?

 科学になれない、科学ができない、科学になりたい、でもますます状況は悪化する。しかもなんかどっちもじり貧ぽい。


 ∧∧
( ‥)それにしてもあなたはサイエンスライターに
    対して否定的ですよねえ。

    ( — —)立場上、肯定のしようがないからな。

 ルイセンコから50年、今西錦司、S.J.グールド(別に全部が変だとは言わないが)。それらを振り返った時に一体どんな弁解ができるというのだね?


 
 

2009年11月12日木曜日

物理の法則をおまじないに使う

 
 こんな話。例え幽霊が現れても、物理的に浮かぶことは不可能だ。そのことを相手に説けば、相手は落ちてしまう。

 ∧∧
( ‥)幽霊ってのは浮いているものだっていう
    前提付きですね?

    (‥ )まあ、超上のものは常識はずれであり、
        常識はずれなものは超上のものであるってことかね。

 たしかに惑星の大気中で何らかの動力もなく、静電気だの磁力だのも使用せず、それでもぷかぷか浮いているのは周囲の大気よりも密度が低い/軽いか、さもなきゃ万有引力に抗しているわけでありまして

 ∧∧
(‥ )もしもし、そこのあなた万有引力に反して
    浮いていますよ・・と言えばいいの?

    (‥ )万有引力でいいかどうかは知らんが、まあ
        そういうことじゃない?

 これを逆手にとったのがSF銀河ヒッチハイクガイドシリーズにおける飛行術。すなわち落ち損なう。

 ∧∧
( ‥)引力を完全に失念するんですよね。

    (‥ )そうすると引力から自由になって
        自在に飛翔できるという技ね。

 まあ、引力を忘れるだけで法則から自由になれたらそりゃあ落ちんよね。

 と、こんな話はともかくとして。

 もしもまじめに考えれば最初の提言。空中に浮かぶ幽霊に物理法則を説けば落ちる/存在を否定されて消滅する、というのは、実のところあまりいい考え方とは思えない。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )法則に反する事例に法則を説けばその事例が解消する
        もしもそうだとしたらだよ、

 もしもそうだとしたら万有引力に反しているから水星くん、君の公転周期はおかしいでしょ? と言えば水星の近日点の移動は解消されるのか? ということでありまして。

 ∧∧
( ‥)ああ、ようするに法則とは現象を説明するために人間が
    作ったものであって、例外の事例はむしろより良い仮説を
    発見する手がかりになりうるということですね。

    (‥ )だから例外の現象をすべからく無視するのは
       よくはないよね。まあ、例外の現象ってのは大抵の場合
       しょうもないものなんだけどさ。

 実際、例えば自分の部屋の中に身も知らない、しかもいるはずのない人間がいて、それが半透明だったりぷかぷか浮いていたりしたら、それはまず自分の脳内で起きている現象で、ただの幻覚だと思った方がいい。

 とはいえ

    ( ‥)もしもジョークの域を越えて、幽霊も既存の
        物理法則に”絶対的”に従うものである、と考えているとしたら
        それは地位や立場によっては致命的だろうね。
 ∧∧
( ‥)例えば?

 研究者であるとかライターであるとしたらまずいんじゃない? 幽霊ってのはほとんど論外な例え話、つまり幽霊が実在すると考える必然性は最節約にはまったくないのであるから、だからこの場合ではそれでもいいけど、もしも

 ”これから遭遇するいかなる例外的な事例も既存の法則の枠内で説明できる”

とちょっとでも思ってるとしたら、そりゃあまずかろう。

 まあどうでもいいような業績しか上げられないか、あるいはパラダイムシフトって呼ばれる現象が起きた時にぼろが出る。

 ∧∧
( ‥)サイエンスライターも例外ではないと。

     (‥ )破滅するね。まず間違いなく。

 


2009年11月11日水曜日

分かるとはなんぞいや

 
 夕闇が落ちた後で公園にいったものの、夜中から雨がざーざー降り始めたので身動きとれず。さて

 分かる。分かるとはなんぞいや?

 ∧∧
( ‥)例えば・・・・仕組みを把握した、という実感ですかね。

    (‥ )しかしそれが現実であるという保証はない。

 天動説は宇宙の仕組みを説明できると考えられていた。天動説で分かったと思われていた。事実、それで十分だった。天体の運行は問題なく説明できた。

 ∧∧
( ‥)だが実際にはそうではない。

    (‥ )そうではないことが分かった。

 つまりあれか、分かったというのは採用した仮説が経験的に妥当であるということを指す言葉なのか。

 だが妙ーなことがある。

 例えばKT境界以後の哺乳類の適応放散やカンブリア爆発という現象は分岐学/あるいは系統学では解析不可能だ、そう主張する人がいる(例えばグールド)。これを例えばwikiとかで見てまんま鵜呑みで信用する人がいるらしい。問題は。

    (‥ )これも分かったということなんだよねえ?
 ∧∧
( ‥)分かったということなんですかね?
    まあそうなんでしょうけど。

 以上の主張が分かったという場合、それは最節約という基準や”使えるデータは派生的なものだけだ”という主張/あるいは設定では原理的に解けない現象が起きているという主張である(というかそのはずだ)。

 しかしこれはかなり妙なことでもある。

    ( ‥)どんな条件でそうなるのか?と問われると
        困るんだよね、祖先多型ぐらいしか思いつかん。
 ∧∧
( ‥)大規模な収斂や逆転という現象は”短期間の放散”と
    関係があるとは思えませんしね。

 wikiとかで見て、分かった、と言う。だがこっちから見ると何が分かったのか、それが分からない。なぜなら元の文章や主張の内容に”そのアルゴリズムではこの問題が原理的に解けない必然的な理由”が明記されていないから。

 ∧∧
( ‥)分かった理由が分からないと。

    (‥ )分かったという信念の由来になるロジックが不明。
        あるいはそもそもそれが表示されていない。

 分かったとはなんだ? なぜ分かったのだ? 分かったという言葉には信念以外に内容が無い、すっからかんなものがあるということか。じゃあその信念の元になった選択の理由と動機はなんだ?

 ∧∧
( ‥)分かったという言葉の意味はあまりに広いと。

    (‥ )経験的にこの仮説に従えば把握できる、という意味から
        僕ちゃん信じているんですーというものまで色々あると。

 分かったという言葉は、なんの保証もしてくれない。なんとまあ馬鹿げた言葉。


 

2009年11月10日火曜日

分かったとは何だ?

 
 一部の子供はひとつの答えに固執するあまり迷路に関する問題をうまく解くことができない、だそうな。

 ∧∧
( ‥)オレ様理論に関する
    予防的なリサーチで出会った事例ですね。

    (‥ )さて、でもこれは具体的にはどんな事例なんだろう?
     □-
 
 オレ様理論屋さんの思考を解きほぐす手がかりになるのかどうかも分からない。論文にまでリサーチを広げる予定

 さて

 こんなことを言う人がいる。カンブリア爆発。つまりカンブリア紀の前期に起きた”化石記録に現れる動物の種類と形が急激に増加した事例”をもって、このような爆発的な進化は系統解析/分岐学/最節約法では解析できないのだ、という意見。

 ∧∧
( ‥)まあこれは基本的にはグールドさんの
    意見をそのまま入れたものですね。

    (‥ )少なくとも一例としてはそうだね
 
 グールドさん。彼は分岐学ではカンブリア爆発は解析できないのだ、そう主張した。ただそれは端から見ていると解析出来ないから解析できないのだ、という意見であって、

 ∧∧
( ‥)分岐学とか系統解析が出現するよりも前の世界観で
    見ているわけですよね。

    (‥ )彼としては当然の意見だけども、まあ、あれでは
        いわゆる論点先取ってやつかなあ

 解析できないから解析できない。矛盾はないが意味がない。

 異質性は分岐学では推し量れない。彼の主張はまったく正しい。そもそもそういうデータは意味がない、そういうのが分岐学の主張だから。彼の意見には矛盾はないが意味がない。

 ∧∧
( ‥)問題は異質性で系統を論じたグールドさんの
    主張の妥当性ですよね。

    (‥ )彼は違うから違うのだ、と言っただけだからね。

 しばしばグールドさんの「ワンダフルライフ」における主張は現代では否定されている、とか異質性は彼が主張するよりも高くはなかったことが判明していると言われているけども、それはたぶん”科学は進歩する”という枠組みの中で見た理解なんだろう。

 ∧∧
( ‥)実際には?

    (‥ )彼の主張には最初から意味がなかったし、
        おまけに系統解析の出現といういわゆる
         パラダイムシフトが起きたので
        ”意味がないことがもろばれになった”というのが妥当?

 意味がない上に、意味がないことがあからさまになった。こういえばオッケー?

 「ワンダフルライフ」の書評にはこんなものがある。これを読んで生物の進化は適者生存ではなく偶然性の要素が非常に大きいことが良く分かりました。

 ∧∧
( ‥)まあ、グールドさんの言いたいことをそのまま
    言った書評ですね。

    (‥ )つまり著者の言いたいことが分かったということだね。

 だがこんな書評もある。彼は科学者が自分の持っている思想を通して研究をすることで研究をゆがめるというけれども、ではとうの本人自身はどうだったのだろう?

 ∧∧
( ‥)グールドさんの立ち位置を
    端から見て論評した書評ですね。

    (‥ )著者がどんな立ち位置で言葉をつむいでいるのかを
        分かった/懸念した/射程に入れたってことだね。

 じゃあ分かるってなんだろう? 

 個人的には後者の書評は書評の域をやや逸脱しているようにも思えるけども、まっとうな評価だと思う。前者は作者の言いたいことはちゃんと分かっているが、間抜けだ。

 分かるってなんだ?

 ∧∧
( ‥)あなたにとって分かるとはなんですか?

    (‥ )保証のない小切手。

分かりやすい文章を書いてくれ。そう言うのなら君の好きな嘘を教えてくれないと困る。教えてくれるのならば、私は君にふさわしい小切手を発行しよう。


 
 

 
 夢を見た。

 系統学とか分岐学とか、そういう方法論では恐竜絶滅以後の哺乳類の進化のような急激な放散が起きた場合、解析不可能になるんだよ。

 そういうことをいっているやつがいたので、

 でっ? その根拠は? と聞いたら相手がこう言うのです。急激な放散が起きたら解析できないだろ? だからその根拠は?

 以下、押し問答 急激な放散が起きたら解析できないだろうでは根拠になっとらんがな、あんた頭大丈夫か? と言ったところで目が覚めた。

 まあなんだ、夢の話なんだけども、急激な放散が起きたのだから分岐学とか系統解析とか無理っていう理屈はそりゃあ言う人は実際にいる。

 ∧∧
( ‥)なんかうっおうしい夢を見てますけど、
    急激な放散が起きたせいで分解できないってことは
    実際にありえますよね?

     (‥ )祖先多型とかの場合はそうだろうね。

 しかしこれにしたって、分解できない、という形で出力されるのだから、その時に”何かあったな”ということはわかる。

 ∧∧
( ‥)解像度の問題と見るべきですかね。

     (‥ )どうだろう? 哺乳類の場合、分子をデータにしたものは
         面白い結果が出てきているだろ?

 見た感じでは分解できている。世の中には形態データと分子データのコンフリクトを系統解析が使えないという根拠だと勘違いする人がけっこういるらしい。

 しかしむしろここで出てきているのはデータの質や量の問題。。

 ∧∧
(‥ )哺乳類は歯のデータが多いですからねえ
 □-
     (‥ )歯のデータには収斂が多いので
         それが影響を与えているんだ、とは
          よく言われることだけども。

 実際にどの程度、影響を与えているのかは良く分からない。最近のクジラの話からすると平気で大規模な逆転なり収斂が起こっていることを示しているように思えるけどもどうだろう。他には、例えば”有蹄類”なんかはそういう例というべきか。

 ∧∧
( ‥)前に見た解析ではゾウさんやテチテリアの皆さん、
    奇蹄類が一緒になってましたよね。

      (‥ )アルシノイテリウムなんかもね。

 奇蹄類が一緒になったのは、やはり歯のデータのせいなんだろうか。

 ∧∧
( ‥)体の形質もあったでしょ?

      (‥ )一応ね、背骨が多いとかね。

 ∧∧
( ‥)むう・・・

      (‥ )なんかいかにもって思うだろ?

 
 とはいえ、アルシノイテリウムが一緒になっているというあたりは。

 ∧∧
( ‥)やっぱり系統を反映しているのではないのかと。

      (‥ )まあ見た目からしてハイラックスをばかでかくした
          ような外見をしているわけだけどさ。

 でっ、思う。急激な放散が問題なのではなくて、これはやはりデータの質に問題があるんじゃないんですか、

とはいえ、

 ∧∧
( ‥)めちゃくちゃではない。

      (‥ )たぶんね。


 

 
 

2009年11月8日日曜日

種の問題

 
 なぜこの忙しいさなかに音楽を聴きながら130年も前の死体の写真を眺めて絵を描かねばならんのか?

 ∧∧
( ‥)仕事だからでしょ?

    ( ̄  ̄ )・・・・・そうだけどさ。

 130年前の夢の痕がこの写真。しかし思い返せば50年前もさっぱり同じ。人間って愚かだよねえ(ノエイン風に)。

 さて

 種、とはなんぞいや?

 ∧∧
( ‥)あなたにとって種の問題ってなんですか?

    ( ‥)そうさのう。

1:種なるものを実際に見たことが1度としてない
2:いかなる方法で種を推論すればいいのか、それが分からない

 ∧∧
( ‥)そりゃまた深刻な。

    (‥ )まーねー

 ダーウィンさんは曰く。えっ? 種って実在しないんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)そりゃまたシンプルなお答えで。

    (‥ )あれが唯一納得できる答えでね。

 

どっちが重い症状?

 
 例のオレ様理論関係の予防的なリサーチで精神医学の本を読んでいたらこんな文章が。この症状ではしばしば”自分には超能力(例えばテレパシーなど)が身に付いた”というような空想的な妄想が付随・・・・

 まあそうねえ、自分にはテレパシーがあるんだ、人の心が読める、あるいは他人の心が自分に侵入してくると主張するのは、そうねえ、

 ∧∧
( ‥)まあ病的と呼べる状態でしょうね。

    (‥ )平均的でもないし、日常生活を妥当に行えるとも
        あまり思えない状態ではあるな。

 とまあ、こんな妄言がおかしいってことは誰でも分かることなんだけども。

 はてね。ふと思った、超能力という”非現実的”な主張が症状として取り上げられる一方で、例えばこんな事例は症状として取り上げられているんだろうか。どうも取り上げられていないらしいのだけども、

 例えば曰く、

 ”法則を論理的に組み上げたものこそ科学であり、そのようにして導かれた答えはすべからく正しい”


 ∧∧
( ‥)妄言?

    (‥ )妄言だろ?

 法則を論理的に組み上げたところで出てくる答えが正しいとは限らないし、そもそも法則が正しいとも限らない。

    (‥ )というか法則自体、論理では導いてないんじゃねーの?
 ∧∧
( ‥)まあねえ、ほとんどすべての法則は論理で
    見つけたものじゃないでしょうね。

 事例の枚挙から、うーん、こう? と法則を導いたらそれは論理とは申しませんですね。

 ∧∧
( ‥)でも、科学は法則と論理の積み重ね(それで十分)だって
    思っている人は意外と多いのでは?

    (‥ )後、定義するとかね。

 まあ、定義するのも別にいいし、こういうくくりで話を進めますからねと示すのは当然だし、論理を使うのも当たり前だし、法則を土台にすえて考えるのはそりゃあそうなんだが。

 ∧∧
( ‥)ゆえに科学だから問題ないって言ったら。

    (‥ )そりゃあ妄言だよね。

 科学者はそんなことしてないでしょー。

 でっ、思うに。

 法則と論理で科学十分、これで万歳と言う人は意外といるけども、それってテレパシーがどうしたこうしたと言うのと同じくらい病的な状態なんじゃあないのか? と。
 
 
 
 

2009年11月6日金曜日

詩人とチョウ

 
 ある詩人の詩。なんか変ですねー、と人に書き送ったら、そうですか? かっこいいじゃないですか、という返事。

 えっ、そうなの?

 
    ( ‥)ううーーーむむむ、おかしいのはおれか?
      -□
 ∧∧
( ‥)おかしいとか変とかじゃなくて
    受け取った、個人個人の違いでしょ?

 混乱した時代に生きた思春期の混乱した少年が書いた混乱した言葉。

 ∧∧
( ‥)まあ、それがあなたの評価であると。

    (‥ )美しいとしたら美しさはそこにあるんだろうな。

 思春期だの混乱だの若者だの、青春だの、そういうものはしばしば誰もがノスタルジックに思い返す。

 ∧∧
( ‥)あなたは何を考えていました?

    (‥ )? 自分が原子の集合体なら自分は存在しないんだろう
       そんなことを考えていたが。

 今風にいえば、自分という定義は便宜的にしかできないし、何かを自分と呼称することはできるがそれ自体に特に意味はないと言う感じ?

    ( ‥)山と呼ぶ個々のものはあるが山それ自体は無いのではないのか?
        そう言ったら同級生に、はっ? と言われた
        記憶があるのだぞなもし。
 ∧∧
( ‥)小学生ぐらいの時でしょ?
     あの時代におけるあなたのほぼ
     唯一の成果ですよね。
 

    (‥ )まあ、おかげで後の種論争とかに遭遇した時、
        あーそういうこと、と思えたわけだけど。
 ∧∧
( ‥)まあ、無駄な思索も時としては役に立つと。


 しかし世界には呼び名があふれかえり、その中にいるこちらにとってそれは極めて深刻。

 さて

    (‥ )チョウはあと1つ。それも側面だけだ
     □-  面倒くさいものは終わったぞ
 ∧∧
( ‥)作業効率を高めましょう。

 世界はこういううんざりするものの山積みだ。

 

幸せと引き換えに井戸の底にはまる

 
 オタクは堕落した。こんなことを言う人がいる。日本のオタクはなってない。そんなことを言った人もいる。日本のマニアなんてしょせんはゴミだ。まあそう怒った人もいた。

 ∧∧
( ‥)なぜにそういう発言が?

    (‥ )動機はいろいろあれど、怒っているんだろ?

 ∧∧
( ‥)あなた自身はどう思うんです?

    ( ‥)そーねー

 昔、ほんの少しだけかかわったマニア向けの雑誌。目の前で壊れてしぼんで消えました。ああ、お客はそういうの好まないってことだよね。いやいや、そもそもお客なんて最初っからいなかったのさ。

 ∧∧
( ‥)そうあなたは評価したと。

    ( — —)もっと深くかかわった人たちは
          マニアに対して絶望したっぽいけどね。

 いや、むしろ憎悪するようになったという方が正解かもしれない。今でも時々、恨み言が聞こえてくるから。

 ∧∧
( ‥)実際にはどうなんでしょうね?
   マニアは堕落したんですか? オタクは駄目になったんですか?

    (‥ )そんなものは最初から存在しない。そう扱うのが
        より近似?

 資料を集める、知識を集める。これだけでは意味がない。あるいはどれがすごいの基準が分からない。

 ある国で人気のある昆虫が別の国で人気があるとは限らない。例えばカブトムシやクワガタを喜んで集めるっていったらそれは日本人だし、希少であれば価値があるのかというとそうでもない。

    (‥ )しかも、価値があるという時、食料とか水とか
        技術とか、考え方、処理方法、解析手段
        これらの場合、世界どこにいっても使用可能であるが
        ”これはすばらしい”はどっちかというとパーソナルな
        もんだろ?
 ∧∧
( ‥)まあ、確かに、他人が価値がないと思うようなものにこそ
    価値を見いだして集めるのがマニアなのだ、とか
    そういう言い方もありますしね。

 そういう意味においては、株。

 いやいや株だって背景には企業の見通しとか技術とかの裏打ちがあるから、株よりも紙っぺら。それがオタクやマニアなアイテム。

    (‥ )つまりだ、もともと普遍的な意味も技術的な何かもない
       それを収集して集めること、それがマニアやオタクな
        行為だとするとそれにどんな意味があると思う?
 ∧∧
( ‥)虚構的な意味ですかね? このゲームではこの呪文1回で
    10000のダメージを与えると設定しましたという
     程度の意味で。

 いや、そんな意味すらないかもしれぬ。

 そしてオタクやマニアな動作に”数値”なりパラメーターを出した例はない。あるいはあっても”データを適切に処理して出した数値”ではないだろう。

 ∧∧
( ‥)つまり原理的に比較はできないと。

    (‥ )どれが優れているのか判断するパラメーターもない。
        これでは堕落したとか、なってないとか
         そう評価することがそもそも不可能だ。

 オタクやマニアのあり方を論ずるというのは、ハンバーグとカレーのどちらがすぐれているのかを論じているようなもので、意味がない。

 ∧∧
( ‥)それでもこれがすごいと断言するし、
    お前たちはなってないと小言を言うわけですか。

    (‥ )データを集めるが、データを集める動機が説明されておらず、
        それを解析する手段もなく、優劣を決定するパラメーターもなく
        目的は明かされないまま、ただ収集する。

 検証もなければ、その必要性がそもそも最初から否定されている。幸せになれるかもしれないが、井戸の底にはまったようにそこから抜け出せない。

 マニアとかオタクは便宜的なカテゴリーで、人間の心理的な産物か、あるいは意味のない固執した動作に対して与えられた名称。そしてたぶん、そんなものは実在しない。名前は名前でしかなく、呼称されるものに実体があるとは限らない。

 

月を見る

 
 真夜中の散歩から帰還。天頂に月があったので森の夜道はやはり明るかった。

 さて

 ふと思う。これが地球の反対側。例えばドイツとかでは今どうか。

 ∧∧
(‥ )えーっとこちらが今、朝の3:00(真夜中)で
\-   あちらは夜の7:00ってとこですか。

     (‥ )今、日本ではちょうど月が天頂、真上だから
         太陽の反対からおよそ3時間”遅れて”いる
          わけだよね。

 あーするとあれかい? あちらの9:00とか10:00ぐらいに月が登るってわけかいね?

 ∧∧
( ‥)するとこちらで天頂に見えている月が
    もう2、3時間するとドイツで見えることに
     なると?

     (‥ )そういうことか。あっちは曇りらしいが・・・

 とまあ、地球は丸いのだって話。

 

詩人

 
 詩人の詩。何をいっているのかさっぱりわからない。特に外国の詩を訳したものは。

 ∧∧
( ‥)まあ、向こうの言語ですからね。
    翻訳したら生きてこないというか

    ( ‥)英語だったらまだしも分かるのかもしれないけど。
      -□

 そういえば英語の俳句。あれはまあなんだ、やっぱ、それなりにきれいな詩をうたっているようだった。日本語ぺらぺらのオーストラリア出身の人が歌う日本語の俳句はやはりきれいだった。

 しかし、詩となるとよくわからない。原文を読んでも韻を踏んでいるのやらいないのやら。情熱を歌い上げているとなると余計に分からない。なぜならこちらは彼の情熱を共有していないから。
 
 ∧∧
( ‥)特にこの詩の内容はなんていったらいいんですかね?
  -□
    (‥ )まあなんだろうねえ、不安定な時代の不安定な年頃の
        少年が書いた文章だってことは分かるけどね。

 同性愛の彼氏に銃撃されちゃった。という一コマだけは知っていたもの、それをさてどう使ったらいいものか。それだけでは不器用なやつは不器用なことしかできないという、当たり前なことが分かるだけ。

 ∧∧
( ‥)まあ、詩人ってものは

    (‥ )普通のまともな人間ではないからなあ。

 そうでなければ詩人だの画家だのわざわざやりゃあしないし、やれもしない。詩人だの画家だのイラストレーターだの、それらはいわば世界の落伍者、人生の敗北者みたいなもんなんだ。それでもその道をいくしか能がないのを不幸というのか幸いというのか。

 しかしそんな話は今はどうでもいいことで、目下の課題はこれをどうしたらいいものか。

 ∧∧
( ‥)イラストを描く立場としてはいつもの天使待ちですか
         
    ( ‥)やっかいなことだ。

 世界を支離滅裂な言語で書き立てる、それをこっちはどう扱えばいいのやら。狂気を狂気で扱おうというのは我ながら正気のさたとは思えない。

 そしてそれはそれとして

    (— —;)やっぱりチョウは面倒くさいよ
 ∧∧
( ‥)散歩にでもいきますか。

 神経がぎしぎし言ってる。チョウは頭が痛くなる。

 
 

2009年11月5日木曜日

サフラン

 
 サフランの花が公園で咲いたので、ちょちょいと時間を見てスケッチしていると、老夫婦がやってきてサフランの雌しべをぶちぶちぶちぶちつみとっていくのです。

 ∧∧
(‥ )サフランライスでも作るんでしょうか?

    ( ‥)さあ、どうだろうね。
      -□

 さすがにスケッチ中のものはとらなかったが、周囲のサフランはぜーんぶ、雌しべを根こそぎつまみとっていく。まあ、なんだ、外来種だし、花をつむのでもなし、まあそれは分からんでもないんだが

 ∧∧
( ‥)おいちゃんも雌しべをひとつちぎって
    食べてみましたしね。

    (‥ )特に味はしないなあ。
     ゜-
 
 サフランは萼が3つ、花弁が3つ、雄しべが3つ、雌しべは先端が3つに分かれて奇妙に長い。そして真っ赤。でもつぶすとオレンジ。というかまっ黄色。さすが、ライスを黄色に彩るだけのことはある。

 しかし、

 ∧∧
( ‥)こちらも雌しべをかじったとはいえ

    ( ‥)なんか釈然としないよな、あの老夫婦。
        根こそぎかあ・・・。

 今年はたくさん咲いたわね、といっていた、ああ、昨年もそういえば雌しべが妙だなと思ったけども、ありゃあ、あの老夫婦のせいか。

 昨日、公園にいったら、先日スケッチしたサフランも全部、雌しべをとられていた。

 一方、もこもこのハナバチたちは寒さをものともしないでサフランの花で蜜を集めていたりする。

 ∧∧
(‥ )花粉はあんまり集めてないっぽいですね。

    (‥ )少なくとも、団子は作ってないね。

 花びらが巻いているだけで、そこが花の中心でもないのに、さてさてここはどんな案配ですか? のそのそ潜り込んでいくさまはなかなか微笑ましい。

 でも雌しべは根こそぎとられてる。確かに球根植物だけどさ。ここはあんたたちの畑ではないんだが。

 

 

夜道

 
 先日は風がごーごー吹いて、そのせいか空気がずいぶんと澄み切った。まあ、このあたりの空としてはまあまあ。

 ∧∧
(‥ )でっ、夜道を散歩して帰り、
\-   今しがた一仕事終えたわけですが。

    (— — )チョウを描くの、そろそろ飽きたー

 まあ、あと2つ、3つ描かねばならぬ。

 さて

 夜道は明るかった。森の葉っぱは散り始めているし、空気は澄んでいてなおかつ月が出ているのだからいわずもがな。背負ったリュックサックが赤いということもはっきり分かるほどに明るい。

 ∧∧
( ‥)スケッチできるほどですね。

    ( ‥)なんで夜中の3:00に森の中で
      -□ スケッチしているんだろう?

 まあ、それが仕事といえば仕事。

 月が明るく、雲もでてくるせいか最近はミラをよく確認できていない。先日見たミラらしき星。あれがミラだとするのなら

    ( ‥)だいたいそうねえ、オリオン座大星雲と
        同じぐらいの明るさかな。
 ∧∧
( ‥)3等星ってとこですか?

 あれが本当にミラだというのならそういうことに。

 

2009年11月3日火曜日

デリケート

 
 まあなんだかんだとオレ様理論屋さんを論評していてもしょうがない。

 ∧∧
( ‥)あなた自身の仮説が妥当なのかまずはそれを
    調べましょう。

    ( ‥)でっ、ざざっと調べたんだが。
      -/
 
 確かめるべき仮説:思いつきに固執する度合いと、思いつきに用いるデータの少なさはリンクしている(少ないデータで何かをひらめく人ほどそのひらめきに固執する)

 に関しては

    (‥ )よくわからん
      -/
 ∧∧
( ‥)まあ調べ始めたばかりですしね。

 〆切りがせまっている中、無茶なこともできぬ。本格的な検討/調査/収集は12月に入ってからだとして。

 ∧∧
( ‥)ああ、でも興味深い例はあるんですね
  -/

    (‥ )ただ、それは”非常に極端”な例だからね
        それで、これだーーーって言ったら割腹もんだ。
 
 それに直に関連しているとも思えない。
 
 ∧∧
( ‥)こういう問題はデリケートですからね

    (‥ )そうだ、絶えずデリケートなのだ。


 端から見ていて思うに、オレ様理論屋さんはその頑固さと固執具合がひどい人ほど数が減るように見える。それって背が極端に高い人は少ないっていうのと同じじゃねーの? という微妙な話。

 とはいえ、デリケートな部分と極端な事例の中になにかヒントがあるのではないかと、まずはそこから。

 ∧∧
( ‥)そこを経由して本丸にたどり着こうかと。

    ( ‥)本丸の次ぎに周辺の制圧だ。

 とはいえ、道はどうもはるかに遠いらしい。今のところの目算では。

 

恐怖か失望か?

 
 オレ様鳥進化論者:教科書も論文も読まず、鳥の進化に関して独自の仮説を唱えるが、進化の理解に欠かせない進化理論を知らず、歴史の推定に必要な系統解析も知っていない。さながら熱力学とその苦闘の歴史を知らないのにオレ様の新型エンジンは理論上、既存のすべてのエンジンの性能を上回ると語るがごとし。無論、実物を建造したことはない。

 創造論者:神が世界を作ったという仮説を守る人々。かつて科学者は神が世界を創造したという仮定に基づいて科学を建設したが、あまりにも整合しないデータがおおくなりすぎたためについにそれを放棄した。今の創造論者はそれを知らずむしろ退化している。彼らの世界観は19世紀というよりはむしろ18、7世紀と言えるくらいに後退している。なんという失望。

 オレ様進化論者:大概な場合、種というカテゴリーがあると無意識に前提し、そのカテゴリーの枠組みを突破するためにいつも無茶な新機軸を導入するが、当然のごとく世界理解に役立たない。論文を書かず、書けず、業績を上げられず、進化理論を論であるとして自分の無知な世界の枠組みに押し込め、そして進化理論の業績を無視する。
 
 しかし思うに

 ∧∧
( ‥)なんですか?

    (‥ )あの人たちは一歩でも外に出たら敗北するって
        実は気がついているんじゃないかな?

 そう思うことがある。

 教科書読まない、論文読まない、現時点における科学者の考え方を知らない、知ろうとしない。実際、知ったらおしまいだ。系統解析のなんたるかを知ったらオレ様鳥進化論は古今東西、どれもこれも単なるガラクタだってことが理解できてしまう(30年ぐらい前ならオッケーだったんじゃねーの?)。

 集団遺伝学やネオダーウィニズム(単にダーウィンのアイデアにメンデル遺伝と統計学をくっつけただけなんだけど)を理解したらオレ様進化論は終わってしまう(あんたたちの言うそんな新機軸、導入する必要なんてそもそもなくね?)

 科学が検証の連続であり、説明できるだけでも論理的なだけでも駄目であり、1つの反証ですべてが破壊されるわけもない。そうであると知ったら創造理論はおしまいだ(説明できてもそれだけじゃ意味ねーじゃんよ)。


     ( ‥)昔、創造論者の人と話した時に感じたんだが
 ∧∧
( ‥)ああ、ずいぶん昔のことですね。

 自説に不利な証拠を耳にすると、あーーーー、、、という感じで答えも言葉もはぐらかせてしまう。その瞬間、眼の焦点があっていなかったようにも思えるし、あるいは自説と現実の間にまたひとつできたギャップを埋める仮説を必死で構築している最中かもしれない。

 ∧∧
( ‥)ああ、考えるのに脳の容量の大部分を
    割いているのだと。

     (‥ )だから一瞬、ぼーっとするのかとね。
         そう思っただけなんだが。

 彼が特別だったのかもしれないし、そうでないのかもしれない。

 とはいえ思う。最節約に考えて現実と整合する仮説をチョイスすることを止めた時、あるいはひどく俗っぽい言い方をすれば、どうも研究者ってのは自分と違うことを考えていると分かった時、そうなったらそうねえ、意識的であろうが無意識的であろうが安全圏に留まるのは当然であるよね。

 ∧∧
( ‥)向こう側が危険地帯だと気がつくわけですか。

     (‥ )なんとなくやばそうって
         それはさすがに分かるんじゃねーの?

 自分の仮説に誰も見向きもしないと分かった時、それは失望と怒りにつながるだろうけども、本当に恐ろしいのは自分の仮説が”なぜ見向きもされないのか”というwhy?を知ることであって

 ∧∧
( ‥)whyを知るにはHowを知らなきゃいけませんね。

     (‥ )科学者が”どのようにして仮説をチョイスするのか”
         そういうHowを知ったらどうなるだろう?

 自分の仮説が破壊されてしまうその理由が理解できてしまう。それは恐怖だ。

     ( ‥)恐怖よりは失望と怒りの方を選ぶだろうな。
 ∧∧
( ‥)はあ、そんなもんですかね?

 あの手の人たちの推論過程とか検証とかはまあ後の課題として置いておいて、彼らの心は、そうねえ、心はあまり考えたことがなかったなあ。

 ∧∧
( ‥)あなたに人の心が理解できるんですか?

     (‥ )できるよ、当然。

 すべての人間はある共通祖先を有する。それゆえ脳神経はかなりな部分共通であり、かなりな部分、類推が可能。

     (‥ )ちなみにここで言う人間とはバブルス君よりも
      -   ジョージ・ブッシュjrに近いものを......
 ∧∧
( ‥)はいはい


 
 

 
 

オタク論

 
 オタクは金も時間も好きなものにつぎ込むことを躊躇せず、迷いもせずにただ資料を集め、論文を読み、邁進すればいい。

 というオタク論。

 ∧∧
( ‥)どう思います?

    (‥ )それは科学が2世紀前に捨てたもの。

 オレ様鳥進化論をいっているどっかの人たちも、そんな手持ちのちっちゃなデータで満足してないで論文や教科書、読めばいいのに。

 と、そんなことを前に書いたけども、ああいうことを書いた時に省略しちゃったことがある。

 ∧∧
( ‥)それは何かといいますと。

    (‥ )論文や教科書読んでも、
       それだけじゃどうにもならなりませぬ。

 読めばいいんだ。だがそれだけではまるっきり不十分。読んで、考え方、それ自体を理解しなければいけない。

 ∧∧
( ‥)考え方を理解する。それ大事ですね。

    (‥ )エンジンの仕組みを知っても熱力学とか
        原子論とか冶金学とか合金の特性とか
        そういうことを知らんとどうにもならんよね。

 中世の人間を連れてきて教えれば、まあエンジンの仕組みは一応、理解してくれそう。だけどもエンジンの改良をせよと言われればそれは無理だ。

 でっ、思う。論文を集め、読み、知識を得る。それだけじゃあどうにもなりませんぜ、旦那。

 ∧∧
( ‥)まあねえ

    (‥ )電車の時刻表や電車の種類を知っていても、
        運転手の勤務の実態や会社の抱える問題までは
        分からない。

 もちろん、機械のメカニズムが分からなければ電車自体も分からない。工学や物理の知識がなければ機械のメカニズムの意味すら分からない。

 ∧∧
( ‥)そして科学の考え方が分からないと
    工学や物理も分からない。

    (‥ )法則もってきて、こんな法則があるのだから
        オレ様の結論、これ絶対って言うだろうなあ。

 じゃあ、万有引力の出処とその結果ってなんなんだよ? 万有引力っていう公式があるからこれは確立した科学ですって言ってちゃあそりゃあ駄目だ(一体全体、いつの時代からタイムトラベルしてきた物理学者だい)

 ∧∧
( ‥)じゃあ、オタク的に論文を読んで知識を集めるって
    どういうことになるんですかね?

    (‥ )論文博物学じゃねえのか?

 でっ、そんなことをしたって科学は理解できません。それで科学を語られてもそりゃあどうにもならんでしょう。事実、博物学は生物学とは言わない。少なくとも現代的な意味では。

    ( ‥)博物学は進化理論を産んだかもしれないが
        博物学の尺度では進化理論は理解できん。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうかもしれませんね。

 オタク論なんっていった瞬間、それは科学にも、理解にも背を向けたってことさね。

 事実、検証とは言っとらんよね。



 

2009年11月2日月曜日

何もおもしろくない

 
 ふと、「何もない世界」、という単語を思いついて何気に検索かけてみよう、そう考えて、”何もな、、、”まで打ち込んだら、検索候補に”何もおもしろくない”というキーワードが出てきた。その数488万件。

 ある意味、笑える話。

   (‥ )まあ” ”がけすると97万3000件なんだけどね。
 ∧∧
( ‥)みんな現状と人生がつまらないって思っているわけですかね?
 

 488万件/より正確には97万件にどんな意味があるのかは良く分からない。モーニング娘。だと445万件なので、やはり多いと見るべきなのか、あるいはそうでもないのか。

 ∧∧
( ‥)みんな今よりもっと楽しいことをしたいと?

   (‥ )現状よりもより良い状況を望む。
       生物としては当然であるな。


 ふと本屋に立ち寄って売り上げベスト10を見たら、ダイエット、子育て、儲かる必勝法が並んでいるじゃあないですか。いかに適応度を上げるか。人間の行動原理はただただそこにある。

 ∧∧
( ‥)でっ、現状を打破しようと
    本を読むわけですか。

   (‥ )そんなこと無駄だって分かっていてもね。

 例えばダイエットなんて無駄だ。というかダイエットをするのに本を読む必要なんかない。食べずに運動すればいいだけなんだから。

 ∧∧
( ‥)でも、需要があることは問題解決がなされていないことを
    示してますよね?

   (‥ )デブは減らず、痩せたいと願う人もまた減らず。

 問題解決を望む人のために問題解決を解いた本は売れども、問題は解決されず。

 ∧∧
( ‥)いい商売です。

   ( ‥)さりとてそれでは個人的にはつまらんな。


 ではおもしろくするにはどうすればいい?


   (‥ )前に進めばいい。
 ∧∧
( ‥)でっ、どっちが前なんですか?

 
 極めて楽天的に考えた場合。データを適切に処理した場合、データが指し示す方向。それが前。

 ∧∧
( ‥)でも、それが面白い方向なんでしょうか?

   (‥ )面白いとは限らないな。

 ただ、現実と接する以上、いつか驚異にはぶつかるだろう。



 

2009年11月1日日曜日

バージン騒動

 
 新聞屋がきて言うのです。読売ですけどとってもらえませんか? 新聞なんて読まないよ。そうですか。

 そもそも思うに、かく言う営業周りのおっさん、兄さんも新聞なんて読んでいるんだろうか?

 新聞どころか今や部屋からはテレビもなくなり、ラジオもなく、もともとゲームもない生活。はてさて、そんなこっちからしてみれば新聞と言われてもそれは遠い異境の世界の話だで。

 閑話休題

 なんでも聞いた話。ある漫画のヒロインがバージンではないと発覚。そのことにショックを受けたファン?の間で騒動になったとか。

 ∧∧
( ‥)でも聞けば、この漫画の表現は”そう解釈できる”、
  -/ それだけの話みたいですよ?

     (‥ )むう。

 まあ、解釈だろうが推論だろうが憶測だろうが表現だろうが、”騒動”と言っても一体全体何人が参加したのか、それがネットだとさっぱり分からん、などなど色々なことがあるのだけども、そんなことより、、、、

     (‥ )男性/オスが女性/メスに対して
         純潔を求めるって行動に適応的な意義があったっけ?
 ∧∧
( ‥)さあ? 相手が未交渉でバージンの方が
    確実に自分の子供を産んでくれる、とか?

 だめだ。あったのか無かったのか、そんなことすら忘れている。ちょっと眼を離して別ジャンルの本を読んでいるとすぐこれだ。

     ( ‥)それともあれだろうか、体内受精動物は
         雌雄の間では自分の子供かどうかの確信に必然的に
         差が生じるから、という根拠で雌雄差を説明する。
         このことを議論の核心として頭に入れたせいか?
 ∧∧
( ‥)それでバージンかどうかのこだわりに関する議論があったかどうか
    忘れたと? どうでしょうね。

 単にぼけかかっているだけのような気もする。

     (‥ )考えてみれば、魚だと相手がバージンかどうか
         気にしないってことになるのかね?
 ∧∧
( ‥)どうなんでしょうね? 産卵したかどうか、
    つまり手持ちに未受精の卵をどれだけ持つかは
    気になったりするのかもしれませんね。

 まあ、憶測するよりもまずは読み返そう(ちょっと先の話になるけども)

 さて

 あと、こんな話も聞いた。最近発売されたゲーム。セクシーなお姉ちゃんが大暴れするアクションゲームだそうな。でも彼女を見て、ばばー、ばばーという人ありだそうで。

 ∧∧
(‥ )? 見てみるとただ単にグラマラスなお姉さんですけどね。
\-
     (‥ )ゲームってことは海外展開も考えているだろうから
         グラマラスなお姉さんは普通の販売戦略だと思うけどなあ。

 海外は見ての通りセックスアピールを強調するし、いやむしろそれが人類としては圧倒的に当たり前。そういえば日本の萌えキャラとかアニメキャラを見て、日本のキャラは馬鹿っぽくて幼くて、私は魅力を感じませんっていっているヨーロッパのおっさんがいたっけ。

 まあそんな感想は感想でしかないが、それにしても繁殖能力バリバリな人を捕まえて、ばばー、ばばーとはこれいかに?

  あれ? もしかして ロリコンの人がいやがっているわけ?

 ∧∧
( ‥)どうでしょうねえ?

     (‥ )そういえばロリコンって、あれは不明な
         形質なんじゃなかったっけ。

 未成熟な個体に執着する性質がどこをどうすれば適応的で、そもそも子孫を残せるのか、という話。

 ∧∧
( ‥)そういうことを言うとロリコンの人は俺たちを否定するかと
    怒りそうですが。

     (‥ )否定ねえ。どのように動作しているんだって調べることは
         否定とは呼ばないけどねえ。

 なにはともあれ、謎な話がそこにあり、世界は不思議で満ちている。まあ、新聞はこんなことは伝えてくれんよね。

 
 

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