自己紹介

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2012年1月31日火曜日

差別されたっぽい

 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
    ( ‥)うーん、ゲルマン、差別されてる?
      -□ 
 
 なんか根源的に。どういうわけか知らんけど。
 
 
    (‥ )なぜローマ皇帝になれないのよ?
        なんで支持してくれないの?
        お前ら、オレの臣民じゃないの?
        同じローマ人でしょ?
 ∧∧
( ‥)お前、ゲルマンだし
 
 
    (‥ )まあ、こんな感じっぽいのだけど
 ∧∧
( ‥)あんまりですね
 
  
    ( ‥)アラブ人の皇帝もシリア人の皇帝も
      -□ いたんだけどなあ。
 ∧∧
( ‥)なにがいけないんでしょうね?
 
 
 
 
 
 

粛々たる埋葬

 以前、見た光景、トンビとカラスがバトル中。トンビは大きいが、カラスの方が旋回能力があるので通常、空中戦ではカラス優勢なるものの、今回はトンビとカラス、互角。しかしそこへさらに1羽のカラスと、どういうわけか周囲を根城にしているオオタカが参戦。3種族、4羽、三つ巴の大乱戦に
 
 
   ( ‥)悲しみのなーいー
       自由な空へー
       翼ーはためーかーせー♪
 ∧∧
( ‥)うーそーだー!!
 
 
 均衡状態のなか、戦いは散会。
 
 アーサー・ケストラーの「真昼の暗黒」を買う。
 
 ∧∧
( ‥)おや、小説を買うなんてめずらしいですね
 
    ( ‥)アーサー・ケストラーは
      -□ ヨハネス・ケプラーに関する印象的な
        本を書いていてね、その参考だ。
        手隙な時に読む予定さね。
 
 ケプラーの考えでは重力と慣性力が実際とは逆の役割をはたしていたが、そこには後のニュートンにつながる重力理論の萌芽が見られる、というのは
 
 ∧∧
(‥ )確かに、ケプラーさんの著作を
 □-  読むと、その評価は正しいし
    的を射ているように思えますね。
 
    (‥ )アーサー・ケストラーの著作
        「ヨハネス・ケプラー」がしばしば
        引用されるのは、こういうこと
        だろうね。薄いけども重厚な本でね
        なかなかにすばらしい。
 
 それにしてもアーサー・ケストラー。ずっと以前にもどこかで聞いた名前だよな、と思っていたら。
 
 ∧∧
( ‥)ケストラーさん、「サンバガエルの謎」の
   作者ですよ。
 
    (‥ )中学生ぐらいの時に本屋で手にして。
     □-  「獲得形質? 何言ってるの??」
        と思って買わなかったやつだわ。
 
 ∧∧
(‥ )ケストラーさんは小説家でジャーナリストで
 □-  いわゆるユダヤ人で、共産党に入って
    スペイン内乱に参加して、共産党とスターリンに
    失望して脱党して、ソ連内部での粛正を
    題材にした「真昼の暗黒」でフランス共産党や
    知識人から大バッシングを受けて..そういう
    経歴みたいですね。
 
    (‥ )興味深い。スペイン内乱に参加したのは
       「1984年」のオーウェルと同じ(親交が
        あったという)。スターリニズムとかに
        絶望したのも同じ。ユダヤ人で共産党や
        マルクスつながり、さらにはダーウィニズム
        を批判しようとしたのはグールドと
        ある程度、共通するわけだ。
 
 これは面白い。
 
 *注:グールドはしばしばガチガチのダーウィニストだと勘違いされるが、実際はまったくの逆。彼の理論や理解や主張は、ダーウィンやその後継者のものとは似ても似つかないなんか変なもの、というのが正しい。彼が否定した理論、斉一的で漸進的な進化、社会生物学、個体間どころか遺伝子の間でさえも起こる競合、さらには分岐学、これらすべてが結局は現在のスタンダードであって、このすべてにおいて彼が敗北したこと、マルクス主義者だったことは非常に印象的。
 
 ∧∧
( ‥)あの当時の知識人はなんとか
    自由になりたい、と思った
    そういうことでしょうか?
 
   ( ‥)血統によるレッテル貼りで絶滅収容所に
     -□ 送られるかもしれない。そういう
       体験や目撃をするとダーウィニズムや
       遺伝的決定論を否定しないと、自分たちは
       自由になれない。生存競争を否定しないと
       自分たちは資本主義に圧殺される、そう
       思い込むのかもしれないなあ。
 
 ∧∧
(‥ )自分たちでは品種改良で作った家畜や野菜を
 □-  食べて生活しているのに、自分たちは遺伝子から
    フリーダムだと考えるって妙じゃありません?
 
    (‥ )だから人間は特別だって言い出す
        のかもしれんね。端から見ると
        ちょーごーまーん、なんだが。
 
 すばらしい、なかなかに興味深い。実際、旧世代たちは自由になろうと見果てぬ夢を追いかけて、結局挫折しただけであった。大空の向こうにも自由はないし、そもそも羽ばたく翼さえ持っておらず、無理に持とうとしたらそれは無惨にへし折れた。実に痛快。
 
 ∧∧
( ‥)調べますか
 
    ( ‥)ああ、そしてかつての敗残兵たちを
      -□ 粛々と埋葬しよう。
 
 空を飛ぶなら、鳥のように、逃げるためではなく、生きるために飛ぶべし。
 
 

2012年1月30日月曜日

省略できない人がいる

    ( ‥)...もうガリレオ抜きでどうよ?
      -□ 問題なくねえ?
 ∧∧
( ‥)そんなわけにいかんでしょうよ
 
 
    (‥ )だめか?
 ∧∧
( ‥)裁判あるし
 
 
    ( ‥)...バチカンめ、余計なことを
      -□
 ∧∧
( ‥)まあ、ご本人たちも古人について
    そう思っているんじゃないですかね?
 
 

攻めの姿勢で大胆に

 昼間は晴れていたが、夕闇が落ちて夜が来ると、空は曇り、雪がちらついてきた。雲間から三日月と木星が見えた。

 ∧∧
( ‥)でっ、神保町をうろうろして、さらに
    打ち合わせから帰りました、と。
 
    ( ‥)打ち合わせの最中、ラノベの話に
        なったのよね。
 
 ラノベのタイトルは印象的ですよねえ。
 
 出版界の中では上昇傾向にある分野ですから、攻めの姿勢の現れではないですかね?
 
 ∧∧
( ‥)おー
 
    (‥ )言われればそうなんだよな。
 
 もう成長できない、でもこれだけ巨大だから、まあ、いいっしょー、減点されないように無難にやろーぜー、とか皆が思い出したら。
 
 ∧∧
( ‥)終わりですね
  
    ( ‥)S◯NYみたいになっちまうんだろうな
      -□
 
 ∧∧
( ‥)おや、企業批判ですか?
 
    (‥ )いやあ、今日、歩いていたら
        S◯NYはなぜAppleになれないのか??
        という広告がでかでかとあったのでね。
 
 ああ、あの会社は今、そういう象徴になっているのね、という案配である。そしてもちろん、幸せを選ぶのは悪いこっちゃない。
 
 ∧∧
( ‥)幸せと夢は衰亡の選択肢であると
 
    (‥ )だからね、夢とか理想とか
        ぶち壊すの大好きよ。
 
 お前さんが得意げに吹聴している仮説はただのゴミくずだよ。夢をくしゃりと踏みつぶし、私は君に親切をほどこしてやりました。さあ、感謝しながら不毛の世界を諦観と共に歩くがいい。見たまえ、空は人生のように永劫の灰色だ。実にすばらしいじゃないか。
 
 
 
 
 

2012年1月29日日曜日

玉石陳列

    ( ‥)いや、あれだよ? 科学ニュースなんか
      -□ いくら見たって科学のことは分からんよ
        ジャーナリズムや販売戦略のことは
        分かるだろうけどさ。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、知識は手に入りますけどね
 
 
    (‥ )しかしだ、あまり食い過ぎると消化不良に
        なるのだ。腹の中で腐るってやつよ
 ∧∧
( ‥)知識だとどうなりますかね?
 
 
 
 頭がいかれる。普通に。
 
 メディアリテラシーなどという抽象的なごまかしではどうにもならん。
 
 
    ( ‥)玉石混合の知識だけひけらかして、
      -□ 得意げになっているマニアを
        科学者が嫌うのは、たぶん、これが
        原因なんだけどもね。
 ∧∧
( ‥)まあ、そりゃあ、玉石混合なの分からないままで
   見て見て、すごいっしょ、すごいっしょ、
   と言われると、知っている人は引きますわいなあ。
 
 
 科学ニュースと言ってもしょせんはニュース。

 ニュースは娯楽。ゆえに楽しむべし。信じる、こだわるにあらず。
 
 

内接、外接、正四面体

 正四面体がある
 
 ∧∧
( ‥)当然、底面は正三角形で、まず底面から
    考えます。底面の正三角形の頂点から
    底辺に垂線を下ろします
 
    (‥ )垂線の長さは
    △-  ピタゴラスの定理で求められる
 
 次にすべての角から向かい合う辺の中間に線(ようするに向かい合う辺を底辺にした場合の垂線)を引く。線の交点は三角形の中心。
 
 ∧∧
( ‥)(底面の中心から角までの線分の長さ)は
  -△ 垂線全体の長さとピタゴラスの定理で
     導けます。
 
    (‥ )次に、正四面体に話を戻す。
        正四面体の頂点から底面の中心に
        垂線を下ろす。垂線と、先ほど求めた
        (底面の中心から角までの直線)、
        そして四面体の1辺で
        直角三角形ができている。
        以上とピタゴラスの定理から
        正四面体の垂線の長さが分かる。
 ∧∧
( ‥)次に、垂線が通る正四面体の中心に注目します
    中心から底面までの長さ、
    中心から角までの長さ、2つを合計すると
    それは垂線の長さですが、これら各々の
    長さもピタゴラスの定理で
    導くことが可能。
 
    (‥ )中心で分けられた垂線の線分を
        それぞれa,bとすれば
        a+b=垂線
        aの2乗+(底面の中心から角までの
        長さの2乗)=bの2乗となる
 
 ∧∧
( ‥)この場合、
    aは正四面体に内接する球の半径、
    bは正四面体に外接する球の半径
 
    ( ‥)その比は3対1なのだ。
     -○ ◯
 
 ∧∧
(‥ )ケプラーさんのアイデアでは
 □-  この比が木星と火星の軌道の比に
    なるのですよね
 
    (‥ )実際には3.4ぐらいなんだけどね
        まあ、なんだ、これだけ近い値だと
        ユリイカー!! になるかもね
 
 

宇宙の神秘

 ケプラーによる「宇宙の神秘」を読み終える。
 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
    ( ‥)うーん...プラトンの「ティマイオス」
      -□ プトレマイオスの「アルマゲスト」
        コペルニクスの「天球回転論」
        以上にピタゴラスを踏まえまして
        出来ちゃいました、なんか妙なのが
        そんな感じ?
 
 ∧∧
( ‥)でも、こっから近代天文学が始まるのでしょ?
 
    (‥ )近代と古典的な神秘主義のごちゃまぜ
     □-  っていわれるけども、まさにそんな
        感じだね。25歳でこれ、書いちゃうの
        だものなあ、すげーよな。
 
 あと、驚いた、というか、さもありなんというのか、ケプラーの第1はともかくとして、
 
    (‥ )どうもねえ、正多面体が惑星の軌道間に
     □-  入っている、とか、惑星の動力は
        霊である、という発想が、ケプラーの
        第2、第3法則の発見につながっている
        ように見えるのよね
 ∧∧
( ‥)ああ、トンデモとかあからさまに間違っている
    前提や動機からスタートしているのに、
    正しい答えが見つかっちゃうという、
    まれに起こるやつですか?
 
 どうもそんな感じ。
 
 *これはトンデモやオレ様理論家でも、本当に頭の出来が良ければ発見できうるよ、ということでもある(ただし、そこまで頭の良い奴はまずいないので、お前はケプラーじゃないのだからまずは教科書通りのことをしていろ、自分の貧相な才能以上のことを考えるのはよせ、ということでもある)
 
 
    ( ‥)後、プトレマイオスは原因が分からないのに
      -□ 事実から正しいことを見いだしたのだ、
        とケプラー本人が書いているのは
         ずばり、すごいね。
 ∧∧
( ‥)ああ、プトレマイオスさんを最初に越えたのは
    ケプラーさんだ、というまさに本人が
    自覚的に言っているわけですか。
 
 *これはひるがえると、プトレマイオスがすごかった、ということでもある。
 
 ∧∧
(‥ )それにしても、霊とか多面体にこだわった
 □-  せいでしょうか? それまでの天文学では
    多用されていた周転円とかが出てきませんね
 
    (‥ )言葉は何度か出てくるのだけどね、
        言葉の使い方が前任者と同じか
        どうかチェックしなければなるまいよ
 
 さてもさても、頭の痛い話である。
 
   
 
 

残る文化

 企業買収やネットでの株取引がもてはやされた時、額に汗水たらして働く人の事業を横取りするつもりか、とか、お金本位な考え方は文化を破壊する!! とか言い立てた知識人や文化人は多かったけども。
 
 ∧∧
( ‥)今時、額に汗水たらして働く労働者って
    少ないですけどね。
  
   ( ‥)まあ、だから額に汗水とかいう戯言は
     -□ 置いておこう。既得権益にしがみついて
       いるだけだし、汗なら株取引の連中の
       方がよっぽど流してるだろうしね
 
 お金本位は文化を破壊する!!
 
 ∧∧
( ‥)でも、その文化ってチープじゃ
    ないんですよね
 
    (‥ )音楽だろうが、絵画だろうが、
        世に言う高尚なる文化ってのは
        金が無駄にかかるのだ
        どっちがお金本位だろうな?
 
 そもそも文化なんてのはお金持ちや貴族が金にものを言わせて道楽にふけったり、そういう閉鎖的な社会の中でオレの方がすごい、オレなんかこんなこともできる、いやいやオレ様の方が見る目あると、いたちごっこをしているようなもので
 
 ∧∧
( ‥)自動的にエスカレートしていくと
 
   ( ‥)銀座の店とか京都の料亭とかの主人が
     -□ 文化がって言っているのを見たことある
       けども、ちゃんちゃらおかしいさね。
       金の使い方で勝負している、悪い意味で
       オタクな集団を相手に商売して、
       搾取している連中がそれを言いますか

 ああ、すると、世に批判されるAKB商法なるものは、だがしかし、実際は正当な文化行為というべきかもしれぬ。料亭や銀座が文化なら、あれも文化と認めるべきだろう。
 
 ともあれ
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、アイドルの商法はともかく、
    既存の金のかかる文化なるものは
    もう消えていくだけじゃないの?
 
    (‥ )アメリカみたいに格差が大きいのなら
        ともかくとして、日本みたいな国で、
        しかもこの不景気だしね。
        金のかかる文化は生き残れまい。
 
 以前、銀座でお店をもっていた、という人に話を聞いたけども、なんかもうそれはそれは、特に去年の地震の後はひどい状況らしい。
 
 ∧∧
(‥ )接待費が削減されているから
\-  企業の人が使ってくれないそうでね。
 
   (‥ )音楽も絵画も、衰亡して、
       文化は猥雑なものが主流になる
        そういうこったろうな。
 
 ∧∧
( ‥)でも、考えてみれば、本来が
    そういうものなのですよね。
 
   (‥ )浮世絵だって漫画やアイドルグラビアや
       エロやブロマイドに対応するものだし
       結局、ああいうのが残るのよ。
 
 そういえば江戸時代に日本は輸出した陶器を包むのに浮世絵を使ったこともあったのだけど、西欧では本体の瀬戸物よりも浮世絵に注目が集まった。日本人は文化の価値を分かっていなかったのだ、とかいう論評があったと思うけども。
 
 ∧∧
( ‥)今で言ったら、ジャンプをひっちゃぶいて
    陶器が割れないように包んだ状態
    なんでしょうね
 
   (‥ )それを読んで、ねえ、この続き
       どうなってるの?? 
       と言い出す奴がいる
       それと同じようなもので
       西欧人が勝手に文化だって
       勘違いしただけだよなあ。
 
 ようするにあれだ、文化人を気取る人間が馬鹿にする漫画やアニメこそ、未来に残るということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)残る文化はどっちかというと底辺、
    分母が広い集団の中にあるものですね
 
   ( ‥)そして底辺はいずって、淘汰されるから
     -□ 多くの人に感染する浸透力を
       持つに至るのだ。
 
 
 

2012年1月28日土曜日

倫理観が違う

 ∧∧
( ‥)?
 
    ( ‥)カエサルはアレキサンドリアの
      -□ 大図書館を失火で焼いてしまった
        図書館の片割れを最終的に意図的に
        抹殺するのがキリスト教徒だったと
        してもね。
 
 カエサルは自著においてそのことに触れたがらず、しかし、弁解を試みている。
 
 ∧∧
( ‥)それだけ恥ずべき行為だったという
    ことですね
 
    (‥ )ところがさ、あの人は大量虐殺や
     □-  見せしめの略奪、捕虜の奴隷化は
        ふつーに書いちゃっているのよね
 
 ∧∧
( ‥)当時はそれが当たり前で、別に恥ずべき行為では
    なかったってことなんでしょうね。
  
    ( ‥)倫理観が違うよねえ。
      -□ 今だと、図書館の破壊よりも
        虐殺の方が問題になるだろうな。
 
 本も安くなったものだ、とも言えるが、印刷技術のない当時の本と、そもそも戦争捕虜も含めた奴隷制で経済がまわっているところがある国と時代だったのだから、当たり前か
 
 *一応、書いておくと、カエサル本人に言わせれば、降伏した町はそのままにする。しかし抵抗して墜ちた町は略奪という自分のルールを決めていたそうである。これは時々、征服王になった人物がやるやり方に似ている。ようするに、征服において合理的な選択肢らしい。また女子供、老人まで含む無差別大量殺戮の事例(岩波版。ガリア戦記のpp237)は、仲間が奇策にかかって全滅したこと、その報復と、最後まで頑強に町が抵抗したことによる兵士のフラストレーションであったという(言い換えると、カエサルも止めなかったということでもある)。
 
 ∧∧
(‥ )でもローマ市民同士の内戦では、機会があれば
 □-  カエサルさんは戦闘を回避して、なるべく
    相手を殺さずに勝とうと試みて
    いるみたいですね。
 
    (‥ )少なくとも、その態度を示したわけだから
       ローマ市民に関しては倫理観なり、
       あるいは政治的な配慮、つまり
       政治的な配慮を示さなくてはいけない
       社会通念があったということだろうね。
 
 

それは確かに困る

 選挙で政策Aを提案した人間に投票する。政策Aが実行され、それが失敗であった場合、政策Aを提案した人間は失職し、新しい政策Bがチョイスされる。

 ∧∧
( ‥)政策の立案、チョイス、実行
    失敗か否か、それが選挙に反映される
    単純にこう動く場合、知能という
     概念は必要ないのだと。
 
    ( ‥)民主主義は知性抜きで機能できる
        解答探索システムだと思えば良い
        そういう考え方だけどね。
 
 ∧∧
( ‥)政治家に知能も必要ないし、
    本来、選挙民にも知能は必要ないと
 
    (‥ )単純に言ってしまうとそうだなあ
        そうはならないのは、人間が社会
        生活を行うサルで、内部で駆け引きを
        行うからだよね。
 
 とはいえ、

 ∧∧
( ‥)でもまあ、あれですよね、あなたたちお猿さん
    も、所詮は動物。お腹がすいてはそんな
    駆け引きも流されてしまうでしょう
 
    ( ‥)そうなんだよなあ、人間からサルという
        外見をはぎとってしまえば、餌を求めて
        うごめく虫や大腸菌と変わらない。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 民主主義に基づいてずるずると
    答えに向かってはいずっていくと。
    さながらでっかいミミズみたいにね
 
    (‥ )朝日がやってきて、アスファルトの上で
        あわててもがいているミミズみたいにな
 
 ごく単純な仕組みだから、どこにいけば助かるのか、人間には一目瞭然だが、彼らにはそれができない。あっちが暗い、=湿っているだろう(とは残念ながら限らないが、概してそうではある)、と動いていくだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )ミミズなあなたたちは答えを出すのに
\-   ものっすごい時間がかかるのですよ
 
    (‥ )年金が破綻する。何十年も前から答えは
        分かっているが、ようやく、ああ、こういう
        仕組みだから破綻するのか...という流れに
        なってきたって感じだよね。
 
 数年前には、若者が年金を払わないと、我々が払ったお金が返ってこない!! 若者は逃げようとしている!! とか老人が若者非難を平気で連呼していたことからくらべると、人間、すなわち白痴な動物の割には、とうとうここまで理解が進んできたのかと感慨深い。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると、無知脳な動物である
    にも関わらず、集団では解答探索が
    出来るあなたたちに、
    解答探索の方法を伝えるのは、
    意味がないし、必要もないんじゃね?
    ということですね。
 
    (‥ )でっ、それを言われると確かに
        困っちゃうのだよな。
 
 

確かに反論はできない

 世の中、馬鹿ばっかり。なんでこんな腐った世の中なのか?
 
 ∧∧
( ‥)...という嘆きですませるのではなく
   お馬鹿であることを前提に世の中を
   推し量り、商売を進めようと。
 
    ( ‥)馬鹿、というよりは、僕らは
      -□ 自分自身を知的生命体だと
        認識することを放棄した方がいい。
 
 
 人間は大腸菌や粘菌や、あるいはミツバチ、サルとたいして違わない。そんな程度の生物なのだ。そう考えた方が世界はより、理解しやすくなるだろう。少なくとも、大腸菌を見ても人間は理解できないし、ミツバチやサルをいくら観察しても人の社会は理解できないと主張した人々、そんな連中が、それこそお馬鹿をやってしまった世界に僕らは生きていて、その残骸整理に追われていたりする。
 
 ∧∧
( ‥)だとすると、妥当な知識とか
    妥当な解答を指し示すとか、
    どれが良い仮説か、それ自体を
    発見する方法を紹介するとか、
    そんなこと必要ないよね? 
    と、言われるのですよ。
 
    (‥ )そう言われるとだな、悲しいかな
        反論できんのよね。
 

 
 

2012年1月27日金曜日

まだまだ本格的ではないでしょう

 ∧∧
( ‥)ひゃっはー!!
 
   ( ‥)略奪だー!!
 
 しばしば言われたというのが、日本人はなぜ地震などの災害でも略奪をしないのか?
 
 ∧∧
( ‥)でも、本格的な略奪って
    住人皆殺しにしちゃうのでしょ?
 
   (‥ )男は殺して、女、子供は奴隷にして
       売り飛ばす、これが本格的な略奪
       
 
 もちろん、男でも捕虜は奴隷にして売り飛ばしたりした。それが略奪。
 
 
   ( ‥)外国だって、おうおうにして
       スーパー襲うくらいだものな
 ∧∧
( ‥)それを考えるとまだまだ本格的ではない、
    そういうことですかね?
 
 言い換えれば、”略奪している連中”だって、おおむね文明的なんだとも言える。単にああいう略奪が混乱で生じたもので、組織的なものではない、とか、人身売買の販路があまり確立していない、それだけの話なのかもしれないけども。
 
 ∧∧
( ‥)でも、つい最近、本格的なのが
    内乱の一局面であったという
    事例を聞きましたね
 
   (‥ )世界の正体見たり。
 
 

2012年1月26日木曜日

惑星たち

    ( ‥)そういえば、今日出かける時に
        見た、三日月と金星はきれいで
        印象的だったな。
 ∧∧
( ‥)明るさを増しゆく金星と
    細い三日月が並んでましたからね。
 
 今、夕刻の西空に燦然と輝くは金星、その時、ちょうど天の上の方で明るく輝くのが木星。
 
 ∧∧
( ‥)10時ぐらいになって東から登ってくる
    赤い星が、今、獅子座にいる火星で。
 
    (‥ )その時には木星は西空低くなって
        そろそろ沈む頃合いだ。
 
 そして明け方、火星が西空に傾き始めた頃、南東の空で輝く2つの星が。
 
 ∧∧
( ‥)土星と乙女座のα星スピカですね。
 
    (‥ )なかなかね、壮観でね。
 
 もし、時間があれば見てみるといい。もちろん、雪と凍った地面に気をつけて、できれば誰かと一緒に。
 
 

まあ、喜ぶ人はいないよね

 ∧∧
( ‥)ネットなどで見る限りでは
    原発報道は不安と疑心暗鬼を
    生んだのです。
 
    ( ‥)テレビを持っていないとそのへんが
      -□ さっぱり分からんのでな。
        テレビを持っている人に、
        どうでした? どうだった? と
        聞くのだよ。
 
 先日の方の答えはこうだった。
 
 政府もマスコミも隠し事をしている。情報を隠してごまかしているようにしか見えなかった。
 
 今日は高校の同期に聞いてみた、彼が言うには
 
 国は何も掴んでいないように見えた。とりあえず何か言わなきゃいけないので、てきとーなことを言っているように感じた
 
 ∧∧
( ‥)とのことですが、あなたは
    どう思ってました?
 
     (‥ )まあ、前も書いたことだけども
         現場から正式な報告が来て
         状況把握に1時間ぐらいかかるよな
 
 そこから専門家が会議で状況判断を行い、それを官僚と相談して、彼らが該当する省庁や部局に相談、調整した上で、それから適切な原稿を書いて政治家に読ませるのに
 
 ∧∧
( ‥)数時間ぐらい?
 
     (‥ )まあ、頑張って短縮してそのくらい
         ですむのかなあ。もっとかかりそう
         だけどもね。
 
 でっ、物理も工学も医学も法律もさっぱり分からん口先だけの政治家が、言質をとられたり責任をとられないように、理解も出来ぬままに原稿を読み上げて、のらりくらりと質疑応答をする。
 
     (‥ )これで全部説明できると
         思うけどもね、どうよ?
 ∧∧
( ‥)それが事実だとしても
    喜ぶ人はいないでしょうね。
 
 
 

凍てつく夏の大三角形

 ふと、外へ出てみたらさそり座が高く上がっていた。
 
 ∧∧
(‥ )ベガも見えるし、丘の上に低くまたたくのは
    アルタイルじゃないですか?
 
    (‥ )見に行ってみるか。
 
 散歩がてら霜をざくざく踏みながら公園の向こうまでいって見えたのは、すでに高く上がったベガ、白鳥座のデネブ、そして白みゆく空に上がり始めたアルタイル。
 
 ∧∧ 夏の大三角形ですね
( ‥)
 -( ‥)ああ、もうじき暖かい季節が
     やってくるよ。
 
 帰る時には夜がほぼ明けて、火星が鈍く光り残っていた。
 
 

妥協

 イランの核開発をなんとかしよう、という話。
 
 ∧∧
( ‥)負けるはずがないと言っても、
    イラン相手に陸戦は挑めませんよね?
 
    ( ‥)空爆とミサイル、スパイを使った
      -□ テロ行為、特殊部隊による攻撃
        が精一杯だろうなあ
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると、それで核開発を
    遅らせられるのなら、やると?
 
    (‥ )というのりになっているのかね?
        よく知らんけどもね。
 
 それにしても、アメリカもイスラエルも、もういい加減、列強(かつての列強にインドとかイランとかも含む)同士の均衡で成り立つ、冷たいか、熱いか知らないが、戦争続く世界の中で妥協と共に生きていくしかない、ということを認識するべきだと思うけども。
 
 ∧∧
(‥ )でも、そう簡単にはいかないでしょうね
\-
    (‥ )前、イスラエルから離れてドイツで
        働こうかな...と考えている青年に
        お母さんが泣きながら激怒する
        様子がテレビで流されていたことが
        あったよねえ。青年って言っても
        結構な年なんだが、お母さんが
        言うんだよね。
 
 「お婆ちゃんもおじいちゃんも、皆殺されたのよ?? なんでドイツにいくの!!」という言葉だったか。
 
 ∧∧
( ‥)ご本人はほんの数歳ぐらいで
    それを見て、逃げて、
    生き延びたのですよね
 
     ( ‥)戦争と虐殺を知る世代から
         1世代しか離れていない。
          どうにもなるまいなあ。
 
 ∧∧
( ‥)あなただって、戦争から1世代目
    ですしね
 
     (‥ )まだ子供だったけども、
         親は戦争も、アメリカ軍の
         戦闘機が町に機銃掃射するところも
         遠くから見ているのよな。
 
 それを考えると、70年ぐらいじゃどうにもならんか。
 
 先日は古本屋で戦争の歴史に関する本があった。参考になるかと思って手にしたが
 
   ( ‥)道義的な戦争と本人が認識するものには
     -□ いけいけだったり、トルコのスルタンを
       退廃と悪習で堕落して国を傾けたと
       書いたり(そうではなく力学的な理解が必要)
       価値観で推し量るのでは役に立たないし
       肝心なことがあまりないって印象でね
 ∧∧
( ‥)アメリカの方で、生粋の研究者っていうよりは
   元々テレビのディレクター
   だかなんだかでしたっけ?
 
 そこそこ古い本でちょうど湾岸戦争で記述が終わっていた。著者はクウェートからイラク軍を追い出した時点で作戦を止めた、当時中枢にいた人々、ようするにパパブッシュとパウエル将軍(この時すでに肩書きは将軍ではないが)たち、の判断をお気にめしていなかったようす。独裁者を倒すべきだった、彼らはおじけづいたのだ、そういうような内容と代弁で本は締められている。
 
 ∧∧
( ‥)イラク戦争の結果を知ったらどう
    思うのでしょうね?
 
    (‥ )当時、多くの人たちが
        あれを回避した人々を批判したが
        現実を見たときに、謝ったのかね?
        
 いい加減、妥協しようぜー、現実にさ
 
 ∧∧
(‥ )でも、現実に妥協できずに理想を追い求めて
\-   大量の犠牲者を出す人々がいる、
     それも現実なのですよ
 
    (‥ )やれやれ、妥協せざるおえないか
 
 
 
    

2012年1月25日水曜日

テレビ昔話

 テレビをひさしぶりに見た。あれ? 普通に面白いじゃん。
 
 テレビを捨てて損したかもなー。それにしてなんで捨てたはずのテレビがあるんだろ、というかここ、オレの部屋じゃねえ。
 
   ( ‥)とっ、疑問に思ったところで
       目が覚めました
 ∧∧
( ‥)ああ、夢オチだったのね
 
 
   (‥ )昨日は人と飲んで、
       今のテレビはつまらない。でも
       昔も似たようなもので、アメリカの
       番組ばっかり放送していた。
       コロンボしかり、名犬ラッシー
       警部マクロード、わんぱくフリッパー
       そんな話をしていたのよね。
 ∧∧
(‥ )自分たちでコンテンツを作れなかった
\-   のは今も昔も変わらずなのか
     昔に先祖返りしちゃったのか、
     どっちなんでしょうねえ。
 
 ミクロの決死圏のアニメ版すら日本で放映され、今は大人の子供たちが見ていて、40代であればかすかな記憶として脳裏に残っている。
 
 4人のメンバーが毎回縮小して人体に侵入、なんかするのは良いとして、その面々たるや眼帯親父とグラマー姉ちゃんと眼鏡君と、
 
    ( ‥)どういうわけか混ざっている
        ターバン巻いたぱちもんくさい
        インド人、その名もミスター念力。
        マスター・オブ・ミステリアスパワー
        原作無視のなんじゃこりゃアニメ
 ∧∧
( ‥)でっ、毎回、念力〜〜のかけ声で
    ミスター念力さん、ただ1人で問題を解決。
    他の3人、まるでいらないし、
    そもそも医療行為じゃないですよね
 
 一体全体どうしてこんな企画が通ったのかよく分からないアメリカアニメも、かつては流されてたのであった。
 
    (‥ )こんどウィルスミス主演で
        決死圏をリメイクするじゃない。
        彼はミスター念力役か?
 ∧∧
( ‥)まあ、年齢的には本人も
    見ているはずですけどね
 
 アニメを忠実に再現して郷愁をくすぐると同時に、原作を知る観客の心の背骨をさば折りするような映画になってくれることを望む。
 
 
 

活字は机上の空論

 ∧∧
( ‥)つまり?
 
    ( ‥)そうねえ、みんなが受け入れる嘘や
      -□ 思いつきを書いた方が売れる。
        それはまったくの事実なんだが。
 
 自分でも嘘と分かっていることを書くのはいかがなものか?
 
 ∧∧
( ‥)他人を騙す時に相手をあざ笑う人でも
 
    (‥ )自分を騙すのはつらいよね。
 
 もっとも、ご本人も「そう思い込んでいる」場合、その嘘は意図的な嘘ではないし、騙していることにもならない。勘違いは嘘ではない。
 
 ∧∧
( ‥)勘違いを売りつけるお客を見つけるのが大変では?
 
    ( ‥)不特定多数に勘違いを披露すれば良い、
      -□ 自分と波長の合った思い込み屋さんが
        見つかるさ。
 
 ∧∧
( ‥)思い込み屋さんの数が十分でないと飢死だけど
    十分ならば生活できる。
 
    (‥ )こうして淘汰が起こる。
     □-  まあ、良いライターってのは
        そういうものであるだろうな
 
 もちろん、良いということは別に確からしさを示しているわけではない。活字というのはしょせん、机上の空論なのだ。
 
 

2012年1月24日火曜日

人生ざっくり

 一億総◯◯と論評することによって、論評しているオレ様だけは集団に流されない孤高の天才を気取る、みたいな
 
 ∧∧
( ‥)痛い?
 
    ( ‥)そうね、見ててすごく痛い感じ
      -/
 
 ∧∧
(‥ )どうしたもんでしょうね?
\-
    (‥ )国民だろうがなんだろうが、
       自分を含めて集団をざっくり言うと
       こんな感じ?ぐらいにしておくと、
       仮説の提案程度に聞こえるので、
       オッケーかもですよ
 
 

路線変更

 
    (‥ )人気と売り上げを上げるために
        漫画がバトルものに路線変更
        したりするじゃない?
 ∧∧
( ‥)ああ、時々あるみたいですね
 
 
    ( ‥)人や作品によると、いざという時の
        ために路線変更へとつながりうる
        伏線や隠し球を用意し、設定に
        練り込むという。
 ∧∧
( ‥)備えあればうれいなし、ですね
 
 
    (‥ )ロメオとジュリエットも
        そういうものだよね?
 ∧∧
( ‥)まあ、二大ファミリーが抗争してますから
    可能ではあるでしょうね。
 
 
    ( ‥)バトルものへ路線変更したら
        ちょっと見てみたいよなあ
 ∧∧
( ‥)刃物ですかね? 銃ですかね?
    それともこぶし?
 
  
 
 
 

これいかに?

 ∧∧
( ‥)例えば?
 
   ( ‥)そうねえ、分かった、を説明せよ
       そう問われた時、
       お前はそれを説明できるか?
 
 自分では分かったを説明できないのに、自分に分かるように説明せよとは、これいかに?
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
   (‥ )分かるように説明する、というのは
       真面目に考えると意味不明だね。
 
 ∧∧
( ‥)それを言い換えるとですよ
 
   ( ‥)聞き流す分には問題ないのだ
       無駄に考える奴は、
       分かるが分からんままに
       無駄に分かろうとするから
       どうにもならんだろうな
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
   (‥ )無駄に真面目な奴は
       やばいってことじゃね?
 
 
 
 

舞い上がって有頂天

 ∧∧
(‥ )昨日、降った雪が融けて凍って
    外はざくざくですね
 
    (‥ )資料をコピーしにいく途中、
        雪で輝く山と町の灯が
        きれいだったなあ
 
 雨と雪と、氷結でホコリと水分が一掃されたせいか、透明度は非常に良い。コピーから帰ればすっかり日は上がり、気温もかなり急速に上がってきた。
 
 さて
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
   ( ‥)理解は仮説、だからちゃんと理解したか
     -□ 学校ではテストという検証を行う
 
 ∧∧
(‥ )でも、社会に出ると理解をテストする過程は
\-   あまり行われなくなりますね。
 
   (‥ )社会人の悪い癖だ。もう、テストがない!!
      と有頂天に飛んでいって、脳みそが
      舞い上がっとる。
 
 ∧∧
( ‥)理解は仮説。だのにテストもないままに
    オレ様分かっていると満足する
    それはなんと言うべき?
 
   (‥ )普通に脳みそが病んでいるのだと
       思うけどな。
 
 ああ、これは大人特有の病気なんだ。たかが自分の人生ごときで一体何が分かったというのだか
 
 
  

紙くずの世界

   ( ‥)そうだなあ、自分が分かる本だけ
     -□ 読んでいると何でも分かる、分かった
       そういう全能感にはひたれる
       だろうね。
 ∧∧
( ‥)でも、現実はそうではないと。
 
 というか、現実は僕らが理解しているようなものではない、ということが暴かれ続けてきたのが科学の歴史であった。
 
 ∧∧
(‥ )分かる本だけ読んだり書いたりしちゃ
\-  だめだってことですね。
 
    (‥ )分かる本だけ書いて、読者に
        分かった気になった感を
        売りつければ、
        ライターとしてはそれで
        十分なのだがな。
 
 読者もそれで十分なんである。もっとも、そんなものは理解とは言わないし、あるいはそれが理解であると言うのなら、理解なんてものは紙くずだ。そういうことでもある。
 
 

これが活字文化だの、啓蒙だのの限界

 子供の本は大人が買う。子供のことを考えて買うし、作るし、売るからおかしな内容にはならない。だがしかし、いや、だからというべきか、子供はそんな本、読まない。
 
 大人の本は大人が買う。自分の楽しみや、自分が分かる本を自分で買う。だから自分の能力以上の本に、自分からは手を出さない。大人は本をたくさん読むが、まったくの無意味だ。0をいくら積み重ねても、それはしょせん、0である。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、占い、オカルトを除外しても
\-   子供向けの本にも大概なものが
     混ざってますけどもね。
 
    (‥ )それは編集が阿呆なのだ。
        監修者を探したり、リサーチして
        まっとうなライターを探せないと
        そうなるのよ。
 
 とはいえ、しかし、概してこんなものではないか? 中学の時、図書館には「流れる固体」があった。
 
 ∧∧
( ‥)でも、誰も図書館にはいかない
 
    ( ‥)おいちゃんだって、図書館には
      -□ めったにいかなかったよ。
        子供のために、と書いても
        子供は読まないもんさ
 
 では、大人は? と見てみると、固体が流れるなんてこと、ほとんど誰もしらない。だから「マントルが対流している」という耳学問から「対流しているのだから液体にちがいない」と勘違いする。本屋にはたくさんの人がいるが、しかし、レオロジーの本に手を出す人間なんてまずいない。
 
 ∧∧
( ‥)結局のところ?
 
    (‥ )ためになる本は読みたくない、
        自分が読める程度の本はために
        ならない。無様だろ? これが
        活字文化とやらの限界だ。
 
 

2012年1月23日月曜日

光の子

 ∧∧
( ‥)ローマやギリシャの人々、
    哲学者のみなさんも迷信深かった
    のですよね?
 
   (‥ )まあ、現代人が神社にいったり星占い
       するのと同じ程度には神の世界を
       信じていたように見えるね。
       あるいはもっと強烈。
 
 ∧∧
(‥ )ローマ帝国が苦境に立たされた3〜4世紀
\-  この時、様々な宗教がはやって、最終的に
    キリスト教が他を圧倒するのですけども
    この時代は迷信深い時代、無知が理性に
    勝利した時代と揶揄されるみたいですが
 
   (‥ )苦しいときの神頼み以上の意味が
      あるとしたらキリスト教が組織的な
      宗教だった、それぐらいじゃないかね
      別におかしなことでも
      異常事態でもないさ
 
 内乱だの生活危機だの食料の不足だの増税だの借金だの、そんなことが半世紀も続けば、そりゃあ何かにすがりつきたくなるだろう。むしろそんな状況が半世紀も続いてしまったことこそ異常事態だ。しかも入信すれば互助会にも入れますと言っているのだ。信者も増えるさ。
 
 ∧∧
( ‥)ローマって社会保障の制度が
    あまり完備してなかったの
    ですかねえ?
 
    (‥ )完備してたら、ああはならんの
        じゃないか? 少なくとも、
        そこを突かれているっぽいよね
 
 ∧∧
( ‥)一方、宗教が権力になってしまって以後
  -□ 近代ヨーロッパの人にとっては、
    キリスト教の勝利と中世は暗黒時代、
    ギリシャ、ローマを理性の時代と
    みたと。
 
    (‥ )まあ、既得権益に対する抵抗って
       ことで、そういう見方になるのだけど
       多神教も一神教も宗教であって
       理性とは別のところに由来が
       あるのは同じだし、どっちが理性的か
       と言われれば、なんともねえ。
 
 ∧∧
( ‥)違いがあるとすれば
 
    ( ‥)一神教は真面目すぎるよねえ
      -□ そこが魅力なのかもしれないが。
 
 1人しかいないんだっ!! という主張はものすごい強烈で、非常に真面目だし、肩に力が入り過ぎだとも言える。実のところ、近代ヨーロッパの知識人とかインテリがいっていた理性の時代とやらは、オカルトだの神秘だのがいい加減で、単に不真面目な時代だったのじゃなかろうか?

 ∧∧
(‥ )でも、それにあこがれたと。
\-
 
    (‥ )今でも欧米のアーティストは
       不埒な格好をあえてしたり、
       悪魔になったりするだろ?
       実在どころか漫画のヒーローさえ
       同様なのだから、アンチキリストに
       ならないと自由になれず、
       もがき苦しむってこと
       なんじゃないか?
 
 ∧∧
( ‥)不真面目さえも命がけにやらねば
    ならぬのだと?
 
     (‥ )そう見えるけどもね。
         実際、無駄に真面目じゃね?
         真面目から逃れようとして
         真面目になっとる。もはや
         呪いだよ。
 
 まあしかしである、どっちみち、彼らもしょせんは神の栄光の元へ、最後は最初にいた場所に戻るのだ。
 
 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね?
 
     (‥ )全部じゃないけど、
         大概はそうだろう
 
 さあ、放蕩息子のご帰還だ。もう充分楽しんだ。家に帰りたまえ。光の子供たち
 
 ∧∧
( ‥)光の子供たちって痛い台詞ですねえ
 
     ( ‥)あいつらが真面目すぎるんだよ
       -□ 真面目すぎて痛々しいくらいさね
 
 だらだらしよーぜー、ひなたぼっこしながらさあ。真面目に生きてると、寿命縮むよ?
 
 

爆発した

 リア充が爆発したら自分が真っ先に犠牲者に
 
 ∧∧
( ‥)...不憫な
 
     (‥ )でも、世の中ってそんなもんよ?
 
 
 

下品なことを言っていい場所と駄目な場所がある

 ∧∧
(‥ )1番でなくてもいいじゃない
\-   人間だもの、って言うと喜ばれる。
    でも、2番じゃいけないんですかー?
    というと叩かれる、なぜでしょうね?
 
   (‥ )色っぽいムチムチな人妻と
       昼間っから浮気したいな〜とか、
       部長が公の場で言ったら
       どうなると思う?
 
 
 ∧∧
( ‥)「...でなくてもいいじゃい、○○だもの」
    ああいうロゴはエロ親父が買う漫画とかと同じ?
 
    ( ‥)みんなが買うものみれば
      -□ 何を望んでいるかだいたい分かるべ。
        みながそれを話す場所、かける場所を
        みれば、それが秘密にしなくちゃ
        いけないものだって分かるべさ。
        夢ってのは太陽の下で、大声で言える
        上品なものじゃねえのよ。
   
 
 駄目でどうにもならない自分の人生を肯定してください。そんなこと麻薬よりも下品で下劣で、それが分かっているからこそ、こそ〜り、と楽しむのである。大声で、しかも真顔で言うことじゃない。
 
 

シーザーとポムペイ

 ∧∧
( ‥)「内乱記」、読み終わりましたか
 
    ( ‥)やはり、興味深いね
      -□
 
 失火とは言え、アレクサンドリア大図書館を焼いちゃった....。とは言えないので、やむをえなかったんです、不可抗力です、、、と口を濁している場面がなんか絶妙。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、図書館はその後、
 □-  再建はされたみたいですけども
 
    (‥ )それこそ、2世紀に大天文学者
        プトレマイオスが出てくるくらい
        だものな。
 
 そうねえ、プトレマイオスは偉大であった。イスラーム世界とラテン世界のあまたいた天文学者たちのなかで、初めて、本当に彼を越えたのは1400年後のケプラーではなかったか。
 
 ∧∧
( ‥)コペルニクスではなくてね
 
    ( ‥)そうねえ、コペルニクスでは
      -□ ないよねえ。地動説を言っている
        けども、コペルニクスではないねえ
 
 しかし、それにしても、プトレマイオスを越えた最初の男が、ぶっちぎりで星占い師で神秘主義者のケプラーだったってのは、これは呪いか何かではないかと思う。
 
 ∧∧
( ‥)プトレマイオスさんの方が
    まともっぽいですよねえ
 
    (‥ )少なくとも、「アルマゲスト」を
     □-  読む分にはそうだね。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それにしてもカエサルさんの
 □-  ことを知るにはクロスチェックを
    したいところですね。プルタルコスさんの
    「対比列伝(英雄伝)」とか。
 
    (‥ )和訳持っているのだけど古くてなあ
       カエサルがシーザーなのはまだ良いと
       して英訳から訳したからポンペイウスが
       ポムペイって表記されているのは
       埋もれた町ですか? みたいな感じでね
       ござるとか、なのじゃって言葉遣いも
       なんかセピア色だよね。
 
 まあ、和訳は和訳でともかく、ギリシャ語の原典(まったく読めないにしても)、あるいは参考に英訳を買いたいところだけども、さて、どれを買ったら良いのやら。ページ数からすると、これ、抜粋じゃね? と思われるものもある。
 
 ∧∧
( ‥)ラテン語やギリシャ語って
    英語読みされてどえらいことに
    なっていたりしますよね。
    カエサルさんのシーザーもしかり、
    プルタルコスさんもプルタークですし、
    プトレマイオスさんがトレミーって
    どういうことですかね?
   
   (‥ )フランス語とかもそうらしくて
     「長い間にオレたち読みになっちゃった
      ラテン語をちゃんと発音しようよ」
      という提言に対して、
     「伝統的なフランス語発音でラテン語を
      読む会」だかなんだか、訳分からん
      集まりが一時、出来たとか聞いたなあ
      ともあれ原文を一応、確認したいのよね
 
 さてもさても頭が痛い
 
 

2012年1月22日日曜日

補給は大事なり

 東京より帰宅
 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
   ( ‥)そうねえ、ローマ帝国の税制は
     -□ 属州によってまちまちみたいね
 
 通貨で払う場合もあれば、物納(穀物など)の場合もあるらしい。
 
 カエサルによる「内乱記」(自分の失脚をもくろむ元老院に対して、武力行使に出たカエサルと対抗勢力として担ぎ上げられたポンペイウスとの内戦を描いたもの)も読んでいる最中
 
 ∧∧
(‥ )ポンペイウス側の人が
 □-  兵士に対して自分の所有地から
    1人につき10ヘクタールあげるから
    がんばって!! と約束する場面が
    ありますね
 
    (‥ )10ヘクタール(ようするに
        正方形で1辺が333メートル)
        あまりに多すぎじゃね? と
        後に疑問をもたれたそうだけども
        土地所有にひどい偏りが生じて
        いることはわかるな。
 
 自分の小作人や奴隷を兵力に使う人や、牧人(どうも家畜を放牧して奉仕する奴隷や小作人)を使用してカエサルに対抗する人がいたり。
 
 ∧∧
( ‥)当時の社会状況が
 □-  なんかほの見えますね。
 
    (‥ )格差が拡大していることが良く
       分かる。
 
 
 ∧∧
( ‥)徴税は、固定税だったり、土地の質や
    畑の種類に応じて決めたり、
 
    (‥ )時と場所によると人口調査があって
     □- いわゆる人頭税もあったみたいだけど
       どっちかというと、もっと荒い
       ざっくりした感があるのだよね。
 
 社会構成も経済も、都市のあり方も農業の重要さも、さらには徴税やそれを行う権限の仕組みも、現代人にはさっぱり理解できないくらい違っているっぽい。

 当然、ガリア戦記と同様あいもかわらず、敵も味方も戦争の補給は取り付けた援助の約束、強制的な徴発、略奪、さらには権限を行使しての徴税という形で行われている。
 
 ∧∧
( ‥)でも、こういうのはナポレオンさんの
    時代でも同じだったのですよね?
 
    (‥ )戦費は戦争でまかなう。現地調達で
        戦うと装備が少なくてすむので
        行軍が異常に速かったというね。
 
 なんでもナポレオンは足で勝つと言われたとか。

 
 ∧∧
(‥ )でっ、そろそろこの本も佳境ですか。
 □-
    (‥ )包囲したポンペイウス軍が
       なかなか墜ちないし、損害も出たので
       カエサルは包囲を解いて後退、
       カエサルが逃げ出した!!と
       追いすがるポンペイウス軍を引き離し
       補給目当てに都市を劫略したところだね
 
 カエサルに言わせると、900名以上の損害が出て後退したところ、カエサルは決定的な敗北を喫して逃げたという噂が流れ、以前は援助を約束した都市が当然というか叛旗をひるがえし、それを良いことに半日であっさりと都市の防壁を突き崩し
 
 ∧∧
( ‥)兵士諸君、思うままに略奪していーよー
 
    ( ‥)ひゃっはー!!
 
 現在、追いすがるポンペイウスを尻目に、補給の真っ最中である。
 
 

2012年1月21日土曜日

雨の日は眠い

 
    (‥ )みんなは真面目を
    -   求めていなーい!
 ∧∧
( ‥)求めていなーい!!
  -
 
    ( ‥)楽しいことしよー!
       -
 ∧∧
( ‥)楽しいことしよー!!
  -
  
    (‥ )楽しいことreblogしよー!!
    -   真面目な人生なんかくそだー!!
 ∧∧
(‥ )くそだー!!
- 
 
    (‥ )...まあ、そもそもreblogもtumblrも
       やっておらんのだがな
 ∧∧
( ‥)そうでしたね
 
 
    (‥ )寝ていい?
 ∧∧
( ‥)寝るな。
 
 ずっと雨が降っている。冬の終わりが近づきつつあるということか。それにしてはちと早い。
 
 ずっと雨が降っている。おかげで家の中に閉じこもりっぱなし。
 
    ( ‥)資料に目を通すかあ
      -□
 ∧∧
( ‥)今度はローマ帝国の
    税制と経済の本ですか
 
 
 

理念と理想

 理念は裏打ちがないと効力を発揮できない点で紙幣と同じ。そして裏打ちのない紙幣は紙くず、しかし紙ですらない理念は紙切れ以下。
 
 ∧∧
(‥ )大変!! 理念を紙に書くことに
 □-  成功してしまいました!!
    理念が紙切れなみにグレードアップです
 
    (‥ )まあ、紙幣も紙に描けるのだけどね
        偽造だから罪になるけど
 
 ∧∧
( ‥)理念を紙に書いても罰せられないのは
 □-  なぜでしょうね?
 
    (‥ )普遍の価値がないってことじゃ
        ないか?
 
 まあ、その方が良いのだ。普遍の価値を押し付け保証する国家なんぞ、せせこましくて、そして勝負には勝てないだろう。
 
    
 
 

最悪、最低、だだ下がり

 1対1の喧嘩と勝負が当たり前の世界で、2人で共同戦線を張る者たちが現れた。

 ∧∧
( ‥)さて問題です。この時、
    どうすれば良いでしょう
 
    (‥ )自分も2人で共同戦線を張るか
        あるいは3人で共同戦線を
        張って勝つかだね
 
 でも今度は4人で共同戦線を張るものが現れる。
 
 ∧∧
( ‥)結局、人間の集団化は行き着くところまで
    行き着くと。
 
    ( ‥)でも人間は個人の集合なので、
        外には共同戦線でも、内部では
        奪い合いなのだ。
 
 既得権益を掴んだ奴は他人にそれを奪われまいとするし、財が少ない人間はなんとかして財を奪おうと虎視眈々と狙い、実力行使に出る。
 
 ∧∧
( ‥)その時、あなたがたが使う道具は
    権利だ、とか、社会のため、とか
    社会の常識だ、とか、格差だ、とか、
    人間らしい生活、とか
    そういうものですね。
 
    (‥ )言い換えると、そういう言葉の
        背景には集団同士の戦いと
        集団内部の集団による戦いが
        あるのよ。
 
 なんのこっちゃない、理念とか権利というのは戦争の結果うまれたルールであって、実体としてあるわけではない。それは戦いと争いに従属するもので、現実に張り付いたぺらぺらの上っ面だ。紙幣が国力や経済力で価値が決定されているように、理念も希望も、それ自身では紙切れ。あるいはそれ以下でしかない。なんといっても理念だの権利だの、紙ですらないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)しかも状況はますます厳しくなる一方です
 
    ( ‥)見方を変えればあれよね。
        まだ幸せになれると思い込んでいる
        人がいるのは驚きだね。
 
 人間らしい生活? 馬鹿馬鹿しい。そんなことがこの闘争の世界で出来るわけがない。したら食われるだけだし、出来るならとっくにやっておるがな。やりたいなら自分がやってみせるがいい。実際、そんな奴はいくらだっていたはずなのに、しかし誰もいない。ようするに全員失敗したのである。
 
 ∧∧
( ‥)そして道は過労死だと。
 
    (‥ )戦だもの、戦死者ぐらい出るさ。
        無駄に出すべきではないが、
        0にはならない。
 
 ∧∧
( ‥)問題はそれが名誉の戦死に
    してもらえないことですね?
 
   ( ‥)してくれないどころか、
     -□ 切り捨てようとする
       戦死者が無駄に出るのは最悪
       しかし、それを名誉にすら
       出来ないなら、最悪な上に最低だね
 
 指揮官として無能、組織として下劣なら皆の士気がだだ下がるは必定。さて、皆さんの周囲はどう?
 
 ∧∧
(‥ )どうなっちゃいますかね?
\-
   (‥ )食われるだろうな。士気が低い
      集団なんていくら図体がでかくても
      時間をかければ食われるよ。
 
 まあ、待ちねえ、待ちねえ。士気がもうちょっと高くなる集団がそのうちやってきて、もう少しましな戦死をさせてくれるように社会が変わるから。
 
 ∧∧
( ‥)時間をかければね
 
   (‥ )人間はなにかことを成し遂げるのに
       数世代かかるのだ。
       ”頭が中途半端に良い人”は
       こうすればいいのに!!って
       不満で憤死しかねないけどね
       
 

ラッシュアワー

 そういえば、もう12年ぐらい前になるか。朝、東京都庁の方から新宿駅西口にむかっていたところ、通勤時間だったので、それはもう大勢の人がこちらへぞろぞろ歩いてきた。
 
 ∧∧
( ‥)それを見て、一緒にいたイタリア人が
    言うのです「すげー、こんなに
    たくさんの人が一方向に一斉に歩いてる」
 
   ( ‥)確かにあれは壮観な眺めでね
     -□ さすが首都の中枢という
       感じなんだが、
       つたない英語で尋ねたのよ、
       イタリアにはこういうのないの?
 
 彼が言うには「見たこと無い。でも北の方だったらあるかもね」だそうであった。
 
 ∧∧
( ‥)同じ国とはいっても
    地域によってずいぶん違うと
 
   (‥ )日本もそれは同じなのだけどもね
       もちろん、彼は職場放棄など
       しないよ。そもそも納品した品に
       不具合が生じたので来たのだし
 
 とはいえ、ふと思い出した。
 
 
 
 

2012年1月20日金曜日

人生いろいろ

    ( ‥)人生には無限の選択肢があるのだ
 ∧∧
( ‥)ほほー
 
 
    (‥ )たとえ1センチの広さでも
        目盛りを無限分割できるように
        選り取りみどりである
 ∧∧
(‥ )でも、そこを越えた1ミリ先にすらいけないと
\-  
 

大丈夫だ、ただちに影響が出るものではない

 ∧∧
(‥ )マスコミは腐敗しています
\-  
 
    (‥ )そりゃあ、腐ったものの方が
        売れるからね
 
 ∧∧
( ‥)批判はしない?
 
    (‥ )否定はするけども、お客の注文と
        趣向に応じただけなんだよな
        そのことは忘れるべきではないね
 
 ∧∧
(‥ )でも、嘘を売るのって
\-   良くないですよね
 
    (‥ )だから、彼らは意図的な嘘、では
        なかった、事実ではある、という
        体面を作ろうとする。
 
例1:○○大学教授、□□さんによりますと、今、心配する必要がないといっている研究者は無責任です。御用学者です。危険があります
例2:環境に放出された短寿命放射性核種は自然状態の1000万倍
 
 ∧∧
( ‥)...嘘ではないですね
 
   ( ‥)..と言っている人がいる、
      のは嘘ではない
      短寿命放射性核種は自然界では
      事実上0だから、それと比較すれば
      ベクレルで何千万倍
    (影響はないレベルだけどね、それは秘密)
      というも嘘ではない。
 
 嘘にならないようにいかに腐ったものや質の悪いもの、安いものを売るか? これはいかなるジャンルにおいても商売の基本を流れる要素だ。
 
 ∧∧
( ‥)食べ物だとお腹が下って問題になる
    のですけどね。
 
    (‥ )検証ができるわけだ。
        でも情報はそうじゃない
 
 例えばの話、意地悪なことを言えばこうである。マスメディアは嘘ばっか!! という人たちの中にも、ダーウィンの自然淘汰説はとっくに駄目になったんだよ!! そうでないとカンブリア爆発は説明できないんだよ!! というヨタ話を真面目に信じている人もいるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)サイエンスライターの”嘘ではない”
    に騙された例ですね
 
   ( ‥)..と言っている人がいる
      オレはそう思っている、嘘ではない
      それを良いことに、
      あなたの既存の知識は時代遅れ
      かもしれませんよ?
      そうささやいて毒を売りつけるのは
      この業界のイロハなんでね。
 
 そんなのだらけなんだよ、メディアの世界は。
 
 さりとて、自分で調べても、そもそも自分の頭の出来が信用できないのだ。自分の頭の出来を信用できるとしたら、それこそが問題だとも言える。その人は単に思い込みの強い人かもしれない。悪いことは言わない、サイエンスライターにでも転職して思い込みをべらべら書いた方がいい。波長の合うお客が多ければ、まあ売れる(売れなくても責任はとれないけど)。
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
    (‥ )まっ、聞き流すこった。
 
 放射能が怖い、と言っていても、図書館では放射性医学の本がそのまま残っていたりするのだ。みんなそんな真面目ではない。たいていの人は聞き流して、しかし取りあえず自分の望む解答を安く手に入れてそれで満足する。自分の不安を誰かに肯定してもらえばそれで良いのだ。それが分かっているからメディアだって腐ったものを売りつける。さりとて不安を煽りすぎてパニックになっても困るし、嘘じゃないか?? となじられても困るからメディアはある限界で自重する。これは送り手と受け手の、信用と不安のチキンレースだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )言い換えると、マスメディアの人は
\-   真面目ではあるのですよね。
    言質をとられないように、嘘でないように
    保険はかけるわけですから。
 
   (‥ )責任があるからね。見方を
       変えればだ、責任ってそんな程度の
       ことだったりするのさ。
 
 でもそうねえ、マスメディアやサイエンスライターの言うことを真面目に長期間摂取すると頭の健康に影響が出るだろうねえ。
 
    ( ‥)まあ、ただちに脳に影響が
        出るものじゃないんだけどな
 ∧∧
( ‥)個人差ありますけどね。
 
 

ガリア戦記後編

 夢を見た。スーパーの中で車椅子の子を押している。「食べたいものが見当たらないなあ」というと、「これがおいしそう」と、その子が手にしたのはカボチャ食パンなるものだった。当たり前だが、そんなものは自分の知る限り実在しないし、必然的に珍しいから買った。後ろ姿だけでその子の顔は見ていない。

 家に帰ると、そこは自分の住んでいる家ではなかった。倉庫と事務所をかねたような、理想的で、ああここなら住んでみたいと思える場所だが、妙に寒々しい。どういうわけかその時になって、その子も車椅子もいつの間にかいなくなっていることに気がついた。自分だけどうして帰ってきてしまったのか?

 携帯電話で連絡をとろうと慌てて操作するも、しばらくしてから思い出した。僕はその子の電話番号を知らない。
 
 以下、*の続き。
 
 
 ∧∧
( ‥)...ところでガリア戦記の方は?
 
   ( ‥)読み終えた、興味深い
     -□
 
 ガリア、およそフランス。ゲルマーニア、およそドイツ。
 
 ∧∧
( ‥)カエサル将軍によって行われたガリア征服
    そのうち、紀元前58〜52年における
    有様を記述したのがガリア戦記。
 
   (‥ )ガリア人が曰く、「ゲルマン人の土地は
    □-  ガリア人の土地とは比較にならず、
       生活の程度も比べ物にならない」と
       のべている。
 
 ∧∧
( ‥)涼しいとはいっても畜産と並行して
    穀物をそれなりに耕作できるフランスと
 
   (‥ )それよりも牧畜、肉と乳製品に
       対する依存度が高いドイツ。
       そういうことだね。
       風習、習慣もあるだろうけども
       そもそも気候が悪いのだろうな。
       ガリア人がいっているのも
       そういうことだしね。
 
 カエサルはガリア征服においては、友好的(カエサルに言わせれば態度も熱意もころころひるがえすのだけど)な部族から穀物の補給を受けたり、あるいは敵対する部族の土地を略奪することで軍隊をまかなっていた。しかし、敵がゲルマン人の領域に逃げたことを知ったカエサルは
 
 ∧∧
( ‥)ゲルマーニー人がみな農業にあまり
  -□ 熱心でないから穀物に不足するかも
    知れないのを恐れて...という描写が
    ありますね。
  
    (‥ )補給は現地調達。それが
        分かる部分でもあるね。
 
 敵もいないし、物資を集めようか、と畑で刈り取りをしている兵士が襲われたり、薪集めの兵士が殺されたり、家や町、畑を焼く焦土戦術に悩まされたり、補給、兵站、渡河地点の確保などにおいて具体的で色々な描写がある。
 
 ∧∧
( ‥)カエサル将軍が軍事史で輝いているのは
   こういう資料を残したからでしょうか?
 
   (‥ )戦争で戦っている当事者にしては
    □-  イデオロギーとか価値観の鼓舞や
       連呼とか、そういう痛い面が
       すごい薄いのよな。
       かなり淡々と、司令官だから
       だろうけども、知り得た情報に
       基づいて簡潔に、しかも具体的に
       詳しく書いているのよね
 
 これは重宝するだろう。2000年たっても価値があるとはこういうことか。

 考えてみればすぐに価値観を持ち出して「ここは倫理的にこうあるべき」「これではまるで某大国ではないか!」と演説したり、馬鹿みたいに派手な形容詞を使いたがる作家やインテリが世の中にめちゃくちゃ多いことからすると、ちょっと異例な人だと思う(やれると思う人はやってみよう。自分の日々のことでも良いから、淡々と具体的に、恥のすべてを書けとはいわないが、失敗も適切に)。
 
 ∧∧
( ‥)そういえば失火だけど、エジプト制圧の
    際にはアレクサンドリア大図書館を
    焼いちゃったのですよね。
 
    (‥ )まだ読んでないけど、言葉濁して
     □-  言い訳しているらしいのだけど
        あれよね、「やっべーこと
        しちゃった...」と思う感性を
        カエサルは、あるいは彼を
        記述した人々はおそらく
        持っていたということよな。
 
 最終的に図書館を破壊して価値観ばかり連呼したキリスト教徒とはえらい違いだと言える(イスラム教徒による図書館の最終的な破壊と焚書にまつわる伝説はどうも嘘ではないかと言う)。
 
 話を戻すと
 
 ∧∧
(‥ )8世紀のカール大帝の時代でも
 □–  ガリアの農耕は地味を回復させる
    ために耕作地が移動したり、
    徴税の仕組みを発達させられずに
    大帝自らが直接徴税に回ったり。
 
   (‥ )ガリアは部族が割拠する小さな
      共同体のパッチワークらしいけども
      ガリア征服当時から8世紀たっても
      基本は同じで、農業も村も、
      ひいては国も未成熟で、
      有力者とその周囲の被保護者たち
      という仕組みのまんまだった。
      そういうことのように見えるね
 
 それでもフランスはまだしも気候が良い。フランスはいち早く中央集権国家を打ち立てたけども、それにくらべてドイツが統一政権を作るのが遅れたのは、列強の中では後発の国で不利になったのは、それは気候と農業のせいか?
 
 ∧∧
( ‥)次は帝国の税制や、西ローマ崩壊後の
    封建制の確立とかを調べると?
 
    ( ‥)まあ、必要なのはそれだけじゃ
      -□ ないから、ほどほどにしないと
        いけないのだが。
 
 
        

2012年1月19日木曜日

ストレスの箱

 ∧∧ 
( ‥)テレビを持っていなくて
    何が良いか? 
 
    ( ‥)ああ、ストレスなくなるかもね
 
 原発がぱーんした時も、よほど近くにいた人、避難地域に指定された人、風評被害などいろいろな煽りをくらった人はともかく
 
 ∧∧
(‥ )ネットとかで見た限りでは
\-  少なくとも、一部の人にとって
    実害はないけどもテレビ、新聞、
    メディアの報道は恐ろしく
    ストレスだったみたいでしたね
 
    (‥ )でも自分で本や教科書を読んで
        調べないのだけどな。
 
 知り合いにもそんな人がいた。
 
 そこから分かったことは、たとえご本人が「命が心配!!」といっていても、本を買うこと、資料に目を通すこと、それにかかる時間、それを時給換算やカロリー換算した際に生じるだろう金額数万〜数十万円
 
 ∧∧
( ‥)その投資すらしないのだと
 
    ( ‥)まあ、だからあれ以来、誰かが
        僕知りたいのです、といっても
        真に受けないことにしているの
        よね。
 
 命や健康がかかっていると自称する時ですら数万の出費もしないのだ。言葉があまりに軽すぎる。

 あるいは、分かった、分かりたいとは、所詮はこんな程度ということか。自分にとって都合の良い解答を数百円の投資で買えば、それが「分かった」だし、それで満足するんじゃね? ということ。考えてみれば世に人気のある、占いというものがそもそもそうなのだ。運命すら数百円という小銭で買うのも、欲しい解答が簡潔に書いてあるからにそういない。
 
 だが、それは事実の妥当な把握ではない。だから現実との接点がゆがむ。ゆがみはストレスと嘘になる。ほら、投資をけちったばかりに致命的なことになったじゃないか。それもこれもガーガー喚き立てるマスメディアをぼりぼりばりばり食い過ぎるからだ。
 
 ∧∧
( ‥)そんなことよりは
 
    (‥ )テレビを捨てた方が良いと
        思うけどね。
        あれはストレスの箱だよ。
 
 雑誌も買いなさんな。新聞も読むの止めろ。頭が馬鹿になる。でもまあ、その時々に思ったことだけども、公園や町を歩いて見た限り、不安気に話し込んでいる人はついぞ見なかったのであった。
 
 ∧∧
( ‥)普通の人はそんなもん
    聞き流していると
    いうことですか。
 
    ( ‥)その方がまっとうだ
      -□ そういうことじゃないのかい?
 
 ちなみに先日、古本屋を漁っていたら、紳士な身なりのおっさんが店員に「今の増税案はおかしい」と無駄に話し込んでいた。公私混同はなはだし。そしてたまたまかもしれないが、どうもこの観測からすると、増税の方がよっぽど深刻らしい。
 
 ∧∧
( ‥)これもテレビのせいですかね?
 
    (‥ )さあねえ
 
 

テレビを見ませんか?

 ネットとテレビを接続できます、というセールスがあったのだけども断る
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ、我が家にはテレビがない
    ですから
 
    ( ‥)パソコンでも見る気しないし
      -□ 見る価値ありとするコンテンツなら
        DVDでもなんでも、買って
        見ればいいのさ。
 
 ああ、でも、今でもテレビは娯楽の王様ということなのだ。衰亡して死にかかっているか、あるいは過剰なダイエットの必要にさらされて目がぐるぐる回って訳分からんことをつぶやいているデブだとしてもだ。
 
  以前、話題になった韓流ごり押し騒動だって
 
 ∧∧
( ‥)みんながテレビ持っていて、それを
    見ていて、それが娯楽だから
    騒動になったのですよね
 
   (‥ )始めて聞くのに「これがはやってます」
      経験的事実と違う宣伝文句の連呼に、
      「はあ?」になっちゃったのだよな
 
 宣伝で客を白けさせるとは娯楽として最悪。しかし騒動になったのはむしろ喜ぶべきこと。反対に、いやなら見なければいい、というのは愚昧。実際、無関心に流されるようになったら、そんな娯楽は終了だ。
 
 
 ∧∧
(‥ )AKBもよく批判されているの
\-  ですけどもね
 
   (‥ )でも、やっぱあのプロデューサーさんは
      プロだよなあ。商売があこぎだとか
      色々と批判されるにしてもだ。
 
 というか、テレビがあった時代にはAKBは本当に秋葉原の地域アイドルとでも言うべきものだったし、テレビでメジャーになった時は
 
 ∧∧
( ‥)もう、すでに我が家にはテレビは
    ありませんでした
 
    ( ‥)だから電車のつり革広告で始めて
        彼女らの姿と容姿を見たのよね
        その時、愕然としたよ
        Pはまったくぶれてねえ!!
 
 そういえば、高校の時、夕焼けニャンニャンとおニャン子クラブが大好きな奴がいて、「オレは◯◯ちゃんと会うために芸能界に就職する!!」と言って、本当にまじで卒業後はその進路を選択していたのだが、卒業目前に彼女らは解散してしまい、なんかほうけたような顔をしておった。
 
   ( ‥)あいつ今頃なにしてるだろうな? 
 
 ∧∧
( ‥)もしそのままくじけずに進路のまま
    残っているのなら、ひょっとしたら
    ですけどもね。
 
 人間、継続が大事ってか?
        
 ∧∧
(‥ )言い換えると、韓流ごり押し騒動と
\-   AKBはプロデュース能力の違い
    ですよねえ。 
 
    (‥ )安いコンテンツを安く売ろうとして
        けちったあげくに、Pまで安いのを
        使ったのじゃないか? とか
        勘ぐってしまうけどもね。
 
 まあ、どっちにしろ直接は関係ない話ではある。
 
 ∧∧
( ‥)DVDで見ればいいじゃないと言っていますが
    先日見た、「破」はどうでしたか?
 
    ( ‥)そーさのー
 
 ライバルの女の子も彼を好きだと気がついて自分はいさぎよく身を引いてみせたものの、天使に乗っ取られた瞬間に本能むき出し、彼氏を押し倒す勢い。「大変だ!! あの娘が操られている!!」と男の子も必死で抵抗するものの、当のご本人の腕がにゅーっとのびてきて首をしめるどころか合体までしようとするあまりの剣幕についにシンちゃん抵抗を断念。萌えた。
 
 ∧∧
( ‥)でもその後、息子の貞操の危機に
    夫婦が合体したまま乱入ですよ
 
    (‥ )理屈じゃ分かるけど、
        頭に血が昇り過ぎだよなあ
 
 それともあれだろうか、自分も人の親になればその気持ちも分かるということか?
 
 

ガリア戦記前編

 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)ガリア戦記、どんな具合?
 
   ( ‥)そうねえ、まず町がある
     -□ それと耕作が行われて
       かなり穀物も自給できる
       みたいね。
 
 故地を離れて移動を開始した一部のガリア人が持てない穀物を焼き、3ヶ月分の食料を挽いて携帯する、という表現が出てくる。
 
 ∧∧
(‥ )移動と略奪にびっくりした
 □-  ほかの部族の人がローマに
    救援を要請して。やってきた
    カエサルが、「ねえ、補給の
    穀物まだー?」と部族に催促する
    場面もありますね
 
   (‥ )補給や援助をする程度の
       穀物の余剰があるか、あるいは
       よりありそうなのは、穀物を徴収
       してもほかのものでしのげる
       牧畜とかが発達していると
       みるべきかね。
 
 ∧∧
( ‥)税金はどうやって、何で
    徴収したんでしょうねえ?
 
   (‥ )わからんなあ
    □-  まあ、これ自体はガリア征服に
       乗り出したカエサルのレポート
       なわけだけど。
 
 ∧∧
( ‥)思ったよりも面白いと
 
   ( ‥)せっかく有利な陣地を
     -□ 占めたのに、味方の誤報に
       惑わされて作戦不発のエピソードが
       話のしょっぱなにくるのが、
       なんかね、色々な意味でリアルよね。
 
 ∧∧
( ‥)敵の方が数が多いので、味方の右翼が
    後ろから包囲されかかった戦いが
    その次ですか。
 
   (‥ )対してレギオンを分離してしのいでる。
    □-  レギオンは初期にガリア人に敗北して
       それで融通が効く陣形に組み直されたって
       いうけども、その真骨頂かね?
 
 あるいはこんな話。有利な丘の上に陣地を築いていたら、いきなり森の中から戦闘態勢の軍勢が現れて、障害物である前方の川を突破し、丘まで駆け上がってくる。味方は混乱。丘の上にまで一部敵の侵入はゆるすし、局地的には相当な苦戦に。
 
 ∧∧
(‥ )苦戦する第12軍団の後備が戦いを避ける
 □-  みたいな描写は、どう見るべき
    なのでしょうね?
 
   (‥ )当時の軍勢は列になっているし、
       前の人が倒れた時とか、今が押し時
       という時に後ろのものが戦闘に
        参加するのだそうだ。
 
 それぞれの隊長達が戦死、さらにレギオンを構成する中隊が密集しすぎたり(という描写あり)、周囲から敵がくるので、指示は出ないし、前に出ようにも隙間はないし、どうしていいか分からなくなった、ということか。
 
 ∧∧
( ‥)カエサルさんがそこで戦闘に
  -□ 参加して、指示を出すことで
    持ちこたえると
 
   (‥ )崩壊しかかった戦線にリーダーが
       突入することで盛り返すってのは
       戦史では時々聞くよね。
       これもそういう例なんだろうな。
 
 戦争怖いし、集団戦だもの、どうしていいか分からないと、そりゃあ個人個人は動きを止めて、集団は機能しなくなる。こういう時に大事なのがリーダーの資質ということか。

 
 
      

2012年1月18日水曜日

ゲルマーニア

 ∧∧
( ‥)でっ? どう?
 
   ( ‥)タキトゥスの「ゲルマーニア」
     -□ 岩波文庫を読んだのだけども

 やっぱりどうも、ローマ帝国時代の西欧(ここでは広い意味でドイツ)において、農耕は発展していなかったらしい。
 
 ∧∧
(‥ )耕作地はあったのですけども
 □-  村で占有、それから皆で分配、
    作付け場所は取り替えると
 
   (‥ )麦を育てると地味がやせてしまう
       そのことなんだろうな
 
 村、といっても住居は密集していないらしい(別の文献に従えば、農耕の制限上、そうすることができない)。食べ物は果実、肉、乳製品。
 
 ∧∧
( ‥)パンもあることはあったし
  -□ 魚もとっていたと、訳者の方が
    注をいれてはいますが
 
   (‥ )牧畜が主。牛はほぼ唯一の
       貴重な財産で数は多いが小さい
       そういうことみたいね。
 
 ∧∧
(‥ )この時代の税金って何だったの
 □-  でしょうねえ?
 
   (‥ )イタリアと北海の間で成立した
       交易路に交易都市があったり
       したから、そこからも徴税した
       のだろうけども。
 
 あるいは、決まりの年貢をいついつまでに、どこどこへもってくるように。そう指定し、取り決めの日に毎年、徴税人が出向いたのか。
 
 ∧∧
(‥ )そういえばローマ帝国ではないけど
 □-  「ヴァイキングの経済学」では
    王様から徴税をおおせつかった
    ノルウェーの豪族がフィン人から
    貢ぎ物(毛皮やセイウチの牙)
    を取り立てに遠征する話が
    ありましたよね
 
   (‥ )数十人だけど毎年、武装して
       いくのよな。ローマ帝国に
       組み込まれたガリアも
       そんな感じだったのかねえ?

 どうも文献を見る限り、帝国の穀倉地帯はチュニジアとエジプトで、イタリアなどの農地は商品作物に特化した大農園になっていた。
 
 ∧∧
( ‥)考えてみれば帝国領内だからといって
    ガリアに自給できる農耕地と村がある
    必然性はないのですよね
 
  ( ‥)村も農耕も発達していなくても
    -□ 毛皮とかを税にすれば良いし
      *以上に関しては次に続く=>*
      駐屯地は輸入した食料配給で
      維持できるわけだしね。
      もっとも、それを確認するのが
      仕事なんだが。
 
 まあ良い。今度はガリア戦記を読もう。 
 
 *フィン人:いわゆるラップ人のこと。ラップは蔑称であるという。
 
       

2012年1月17日火曜日

偉大なり、アトランティス

 
 プラトンのティマイオス(和訳)を読み終える
 
 ∧∧
( ‥)当、blogにおける前の書き込み*
  -□ 要修正箇所に気がつきました。
 
    (‥ )しかも、僕らの考えた理想国家が
        実はかつてあったのです!!
        それがアトランティス!! 
        ではなくて。

 しかも、僕らの考えた理想国家が実はかつてあったのです!! それがアトランティスと戦った今は亡き古代アテネ、僕らの祖先!! 
 
 というのが正しい。
 
 ティマイオスの続き、クリティアスも読み終えた。

 *ちなみにティマイオスもクリティアスも人名。ここにプラトンの師匠であるソクラテス、さらにヘルモクラテスさんなる人物を加えて、4人の対話と説明形式でどちらの本も話が進行する。ティマイオスはティマイオスさんが語る世界の構造についての話、クリティアスはクリティアスさんが語るまるまるアトランティスの話(短編未完)。
 
 ∧∧
( ‥)神ポセイドンの血を引きながらも
   度重なる人間との交配で堕落した
   子孫、アトランティス。
 
    (‥ )侵略してきたアトランティス軍と
        戦った古代アテネ人。洪水と
        天変地異で記録と記憶がリセット
        されて、忘れ去られた国家
        ...という設定。
 
 プラトンの著作、「国家」において、師匠である今は亡きソクラテスの口を借りて語られた、理論上の理想国家。
 
 しかーし、それはマジで実在した!! なんとそれこそ、リセットされて記録から消えた我々の祖先、アトランティスに対抗した古代アテネそのものだったのだ!!


 ∧∧
( ‥)という、やっぱりSFな内容
 
    ( ‥)プラトンってSF作家だよなあ
      -□ どっちかというと悪い意味で
 
 ちなみに、このティマイオスは近所の図書館から借りてきたのだが、こともあろうに、箇所は少ないがボールペンで線が入れられている。
 
 ∧∧
(‥ )アトランティスは地中海を支配した、
 □-  軽装投石兵、神殿は異国風、
    伝説上のアテネ王は蛇身、
    掟が刻まれた柱には、したがわぬものに
    呪いがかかるようにという祈りが刻まれて、
    だいたい、そういった箇所に線が
    引かれていますね。
 
   (‥ )....印象を言うと、なにか物語を
      つむぐのに必要な部分、あるいは
      世界観をつむぐのに必要な箇所を抜粋
      しているように見えるけどね。
 
 この本を借りた時、挟まれたまま忘れ去られた貸し出しカードが落ちてきた。2008年、夏の日付だった。
 
 ∧∧
( ‥)たぶん、4年間、だーれも
   借りなかったのでしょう。
 
   (‥ )貸し出しカードの人が線を引いた
    □-  本人かどうかは分からんが、
       アトランティスで何をする気
       だったのかねえ?
 
 ものすごく単純に考えると、物語を考えている高校生か大学生が、夏休みを利用して真面目にも原典に当たってアトランティスを調べている。そんな印象だけども、実際は分からない。
 
 ∧∧
( ‥)ティマイオスの本編、世界の
  -□ 仕組みと創造の過程、宇宙論など
    に関する部分にはなーんにも
    書き込みがないのですよ
 
   (‥ )ぶれてねえなあ。目的が
       ひどくはっきりしていること
       からすると、好奇心がなくなった、
       あるいは仕事で借りた人間、
       もっと年上の可能性があるかもね
 


 *注:ティマイオスの冒頭で、クリティアスが、なぜ自身がアトランティス物語を聞き知ったのかを説明する箇所がある。そこには線が引かれているが、ティマイオスが語る本編の宇宙理論に関してはきれいさっぱりそういう痕跡がない。

単純な把握は大言壮語な希望

 自分のどうしようもない人生を変えられない。

 恋人との中を改善できない。
 
 夫婦仲も家族も改善できない。
 
 教室もクラスも部活も職場も変えることができない。
 
 ∧∧
(‥ )でも、会社はこうすれば良くなる
\-   社会はこうすれば良くなる、
    国はこうすれば変えることができる
    それも革命的によくなると信じている
    話の対象が大きくなるにつれて
    こういう発言が多くなりません?
 
    (‥ )自分から遠いものほどモデルが
      -□ 粗くなるんじゃね?
 
 粗いモデルだったら、これさえすればうまく動くと思い込むだろう。
 
 ∧∧
( ‥)粗いモデルねえ
 
    (‥ )シーソーぐらいに単純な、
    -   レバーを押し下げると反対側が
        上がるというくらいに単純な
 
 そんな程度のモデルと理解
 
 ∧∧
(‥ )言い換えると、ご自分のことは
\-   複雑だと思っている
     そういうことですかね?
 
    (‥ )自分は世界で一番複雑で、
        自分から離れるに従って
        世界は粗雑で単純になる、
        そう思っているのかもしれん
 
 少なくとも、誰であれ、遠くのものほど分からなくなるは道理なり
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
    (‥ )把握=モデルということじゃ
        ないのかな?
 
 ∧∧
( ‥)単純にしか把握できない遠くのものは
    頭の中に思い描くモデルも単純だから
    単純に動かせる。そう思い込むと?
 
    (‥ )そうとでも考えないと
        説明できないと思うがどうかね?
 
 
 まあ、自分の人生を変えて見ることだ。それもできないのに何をどうすると?
 

2012年1月16日月曜日

単純にいって分母がでかい方が強い

 かつて大学時代に西洋史を専攻したその人は、アリストテレスを英語で読んだそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)なんでも、教科書のほとんどは英語で
    英語科よりも英語が多いほどだった
    そう言ってましたね。
 
    (‥ )そりゃ西洋史だものな、
        あっちの言語で読むのは
        当たり前だよね。
 
 古代メソポタミアの楔文字のテキストも英語だったそうである。それはそうだろう。ドイツ語とかもあるのかもしれんけども、そりゃああっちが本場だもの。
 
 時々、英語なんて必要ないんだと言う人がいるけども、いや、自分も全然駄目だから気持ちは分かるが、ああいうことを言う人たちは一体全体、どんなジャンルでどんなレベルで勝負するつもりだったのだろうか。
 
    (‥ )メジャーもセリエもいかないけども
       僕すごいです。
 ∧∧
( ‥)なにをするつもりだ
 
 世の中、いくら負け惜しみをいっても分母の多い方が勝ちなのだ。そして学生時代の不勉強のつけが一生祟るのである。
 
 

取りあえず、落ち着こうよ

 *の一部、続き
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
   ( ‥)分かる、それ自体は必要なこと
       なんだけども、
       分かって満足するのは
       すごく損なことだよな
 
 ∧∧
( ‥)理解は仮説なのに、ある時点で仮説に
    満足してしまうということは
 
   (‥ )より、妥当な理解に到達できなくなる。
      そういうことなんだよな。実際、
      トンデモとかオレ様理論家とか
      自分の説明にすぐ満足して、
      「それは当然です」とか無駄に
      もったいぶって、物事を説明したり
      解説しだしたりするだろ?

 だがしかし、端から見ていると明らかにトンチンカンだし、大事なこと知らねえし、調べてもいないのバレバレだ。お前さん、学校でも先生に「キチンと確認しない」「思い込みが強い」「自己主張が無駄に激しい」とか、内申書に書かれなかったか?
 
 ∧∧
(‥ )ティマイオスも読んでいて
 □-  どう思います?
 
   (‥ )そうねえ、プラトンさんも今の僕らから
       すれば、ああ、そこで満足しちゃうんだ
       そこで理解しちゃうんだ、そんな印象を
       受けるよね。アリストテレスさんも
       そうだけどね。
 
 というか、当時は、おそらく近代に至るまで、世界はほとんどそういう考えだらけだったし、今だって現状の理解に満足してしまう人は多い。ああ、それを考えると、理解したからもう満足と停止するのは普通ではあるけども、見方を変えれば病だよな。
 
 ∧∧
( ‥)そういえばティマイオスには
  -□ アトランティスの話も出てくる
    のですよね。
    *2012.11.12 補正:正しくは
    ティマイオスの続きの
    クリティアス
 
   (‥ )エジプト人の神官が、ああ、アテネの人よ
      あなたがたは忘れているが、実はあなたがた
      こそ、我々をアトランティス軍から守って
      くれた偉大な人々の子孫なのだ、と
      教えてもらうという、形でね。
 
 もちろん、こんな話は世迷いごとである。
 
 *注:アトランティス軍は大西洋の向こうにある本国からやってきて、イタリアとか北アフリカを制圧し、さらなる征服のためにギリシャ、エジプトにまで軍を進めてきた、それに対抗したのが古代アテネ人という設定
 
 ∧∧
(‥ )エジプトは土地が安定で記録が
\–  残るけども、他の地域は
    天変地異で記録が消去、歴史が
    リセットされてしまう、だから
    エジプトだけ歴史が古く見えるという
    設定でね。
 
   (‥ )なんかさあ、現代以前に技術力を持った
       超古代文明が何度も最終戦争で滅びたって
       言う、はっちゃけ設定の現代SFとか、
       プラトンが由来だってことだよね。
 
 アトランティスというと無駄に宗教的というか、いわゆる中二病とか揶揄されるような設定に使われるけども、元祖がこれなのだから、むしろそういう使用法こそが正当か。
 
 ∧∧
( ‥)しかも、この設定ってあれですよね
  -□ 古式ゆかしい、古き文明のエジプトに
    祖先が立派だよ、助けてくれてありがとう!!
    と讃えられる、そういうことですよね。
 
   (‥ )露骨な言い方すると、ギリシャ人は
       新参者で、歴史が浅く、技術も文明度も
       低い、そういうコンプレックスがあった
       ということだよね。
 
 しかも、僕らの考えた理想国家が実はかつてあったのです!! それがアトランティス!! という内容なので

 *2012.01.17において以上の赤字の部分、要訂正 次を参照のことー>*
 
 ∧∧
( ‥)...まあ、痛いと申しますか
 
   ( ‥)師匠が衆愚制の犠牲になって
     -□ 自害させられたとか、色々辛いことが
       あったのは確かだけどさ
       落ち着けよ、プラトン。
 
   

鼻の穴、顎の有無

 ∧∧
( ‥)..でっ、鼻と顎の進化に関する
    記事を書いて、送って、
    一仕事終了ですか。
 
    ( ‥)鼻の穴の数と顎の有無には
      -□ 関係性がある。今回はそれを
        テーマにしたのだが。
 
 *注:地方新聞に掲載している科学コラムのこと。あと1回で担当期間終了である。月はとっくに冷えた天体なのになぜ海(うさぎさんマークのこと)になって見えるほど溶岩が噴き出すことができたのか? とかそういうネタも書いた。しかし、たぶん、隕石衝突で火山噴火がどっかーんとか思い込んでいる連中はだーれも気づいていないらしい。あら悲し。
 
 *隕石衝突とクレーター形成による掘削で固体であったマントルが減圧で融解するということは条件次第でありうるけども、地球でその条件は満足できそうにないし(単純に満足できると思っている人は必要文献を読んでいないか、あるいは掘削深度を過大評価していると思う)、そして満足したという実例も見当たらない。せいぜい、地殻が吹き飛ばされ、マントルが露出して水没し、熱水活動ができるくらいっぽい。さらに言えば、巨大隕石衝突、即、火山噴火という無邪気な考え(ようするに、どうも地殻の下はマグマで溶けていると思い込んでいるらしい)では、月は冷えて粘性が極めて低く、地球よりもずっと固く、アイソスタシーが均衡に達していない天体である。しかし、ではなぜそんな星で溶岩がぼこぼこ噴き出したのか? という長年の謎を謎と思わないだろう。それってお前らすごく損しているよね? 不思議はいつも目の前にぽっかり浮かんでいるぜー? これが世の中ってもんよ。という話。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、以上の案件はそのうちに
    HPで説明するにしても、
    鼻の穴と顎の有無については
    どう?
 
    ( ‥)nature 2011 vol.476 pp324~327を
      -□ 例えば参考にしているのだけど
        書いてあること自体は
        おおー、なんだけども、
        少し不思議なんだよな。
 
 ガレアスピスの仲間では嗅覚器官が1対2つある、というのは共著者であるJaniverさん自身、1996年の自著で書いていることなのだけども。
 
 ∧∧
(‥ )2011年の論文は、保存状態の良い
\-   化石を見ることで、よりはっきりと
    器官の位置を確認しました。
    なおかつKuratani etal 2001などの
    成果を踏まえてそれを考察しました、
    そういうことなんですかね?
 
    (‥ )うーむ、無顎類の内部構造に
        関する、これまでの研究を
        ちゃんと把握する必要があるよな。
 
 何事も、把握するのは、なかなかに難しい。
 
 ともあれ、この研究は現生生物の発生学と、化石に基づく古生物学の成果を合わせたもので、いわゆるエボデボの話である。
 
 

2012年1月15日日曜日

饅頭怖い

 
     ( ‥)何が怖いってあれなんだ
         自分の駄目さ加減が近親者に
         バレるのが怖いのだ。
 ∧∧
( ‥)...すでにバレとるがな
 
 
     (‥ )いや、だから、もっとバレる
         でしょうが
 ∧∧
( ‥)ああ、それは困るね
 
 
 
 

多面体の世界は直角三角形

 町へいった。喫茶店で本を読んでいたら、隣に座ったカップルが相性占いをしていた(女性主導、男性微妙にやる気なし、かつ女性に比べて不釣り合いに地味、女の子、声でけえ)。
 
 ∧∧
(‥ )女の子がiPadで相性占いの
    コンテンツを表示、使用して
    いました。
 
    (‥ )時代は変わりつつあるな。
 
 相性占いは、良い、だったらしい。
 
 
 プラトンの「ティマイオス」、ようやく半分。
 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
   ( ‥)...原子論のぱくり?
     -□
 
 地水火風は正多面体よりなり、それら正多面体は直角二等辺三角形とそうでない直角三角形よりなり、それの組み合わせで正三角形と正方形が、それの組み合わせで正多面体が...
 
 ∧∧
(‥ )正多面体の解体と複合、その比率で
 □-  周囲の物質が出来ていて、なおかつ
    空隙がある。ここは原子論ですね。
 
   (‥ )幾何学図形を重宝したり、それに
       神秘的な付加価値を見いだすのは
       ピタゴラス学派的って感じ?
 
 ギリシャ哲学者列伝によると、プラトンは競争者を排除するために、デモクリトスの本をすべて燃やそうと画策した、という話がある。
 
 ∧∧
( ‥)本当だとしたら正気とは
    思えませんけどね。
 
  ( ‥)最低限あれね、プラトンは高名であった
    -□ しかし、彼に対抗し、凌駕しうる
      原子論を唱えたデモクリトスがいる
      なんらかの形で彼を打倒しないと
      プラトンはナンバーワンになれない
      そんな見解が当時あった、
      そういうことは言えるかもね。
 
 ∧∧
( ‥)そして、このティマイオスあたりが
    後の錬金術の基礎ですか?
 
   (‥ )まだ、よくわからん。
    □-
 
 ただ、おおまかに言うと、水の元素は水というよりは液体、あるいは流動物の属性を、火の元素は炎というよりは熱としての属性を持つ、やはりそう理解した方が良いこと、そういう考えはプラトンですでに現れている(あるいは先行者のそういう考えがここでまとめられている)ということは分かった。
 
 

2012年1月14日土曜日

本を読まない方々、あなた方は幸いである

 最新知識を知りたい
 
 ∧∧
(‥ )単なる発見から正しい仮説、
\-   怪しげで誰も信用していない
     理論まで、まとめてごった煮
 
   (‥ )でも、それがえてして、
       求められるものなのよね。
 
 良く言えば満漢全席といったところ。

 ∧∧
( ‥)でもだーれも支持していないけども
  -□ 目新しく聞こえる仮説、隕石衝突と
    巨大噴火はリンクしている、
    マントルプリュームが周期的な絶滅を
    引き起こす、とか、そんな仮説も
    ”最新知識”に混ざっている
    ことから察するとですよ
 
   ( ‥)むしろジャンクフードの寄せ集めだな
 
 進化理論は今、百花繚乱、今西進化論から断続平衡説までいっぱいあります。ダーウィンの自然淘汰説? あんなのは中立説とかが出た時点で終わりました。とかいっているライターがいて、そいつにその彼の見解を表現した、漫画ちっくなイラストを描かされそうになったことがある。
 
 ∧∧
( ‥)あなたイラストレーターでも
    ありますからね。
 
   ( ‥)あの時は、やばいっ!!と
       思って、かわして逃げたよ。
 
 あれ以来、サイエンスライターという人種にはぬぐえない不信感、こいつらはトンデモとオカルトの使徒、科学の敵、殲滅すべきやつら、という軽蔑がずっとつきまとっている。
 
 要するに本当に必要なのは最新知識なんぞではない。どれが妥当かを判断する適切な解析手段とその理解、実際の使用方法だ。それが分からなければ毒でも有害でもなんでも、最新で新鮮だから体に良いだろうと、まるで漢方薬はどれだけ摂取しても自然だから体に無害だと信じる人のように、ばくばく食べ続けることになるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも、そういう、妥当性を推し量る
    解析手段を書いた本はうけないのだと
 
   (‥ )ジャンクフードをみんなで食っている
      時にだよ、人体栄養学の話なんぞ
      聞きたくないからな。
      それと同じようなもんで、
      まあ、そりゃあそうだよな。
 
 言い換えると
 
 ∧∧
(‥ )時々、つまみぐいする分には
\-  本をたまに読んでふーん、と
   思う分には良いのですよね。
 
   (‥ )逆にいうとさ、それを意識しないで、
       本を読んで読んで、学んでいる人間って
       ジャンクフードまじりの体に悪いものを
       ばくばく食っているようなもの
       なんだよな。
 
 太るよー? それも最悪に健康に悪い意味で太るよー。
 
 ∧∧
( ‥)ふりかえるとですよ
 
    ( ‥)本を読まない方々、あなた方は
      -+ 幸いである。
 
 聞き流す人よ、あなたがたは幸いである。重要な情報も聞き逃すだろうが、有害な情報に触れることも、またないだろう。楽しめ、そして信じるな。なんとなく思っているだけで、それで良い。拘泥と固執はオカルトへの道である。
 
 ∧∧
( ‥)それでも本を大量に読むならば
 
    (‥ )まず、そのジャンルの解析手段を
     □-  知らねばならん。
 

 

最終解決

 男女3人、三角関係
 
 ∧∧
(‥ )三角関係だとストーリーも
\-   安定的に不安定になる
     そういうことですね
 
    (‥ )でも最後は何らかの
        解決をしなければいかん
 
 ∧∧
( ‥)片方があきらめる、片方が退場
  -□ 4人目があらわれて片方と
    くっつく、あるいは主人公を
     かっさらう。
 
    ( ‥)2人を共に救済するには
        どうすれば良いものか

 ぴんっときました

 
    (‥ )2人をはんぶんこにして
    -    それを結合させ、
        1人にしてしまうのだ
 ∧∧
(‥ )2人を切って、それぞれくっつけたら
 □-  結局、2人になりますよね?
 
 
     ( ‥)....ああ、言われればそうだな
 ∧∧
( ‥)リアルに今、気がついているのは
    問題だと思います。
 
 

彼はほくそ笑む

 時々思う
 
   ( ‥)アメリカを先進国の地位から
     -□ 引きずりおろすために
       宗教原理主義とか反進化論とか
       そういう活動を援助して
       にやにやとほくそ笑んでいる奴が
       いるんじゃないかとね。
 ∧∧
( ‥)単純にあのお国は色々な意味で
    格差が激しいだけだと思いますがね。
 
 悪魔の爪、拾ったのだけどよ。これ、お前さん達が処分だか引き取ってくれるだかしてくれるんっていうから届けにきただ。といって博物館に持ち込まれる絶滅オオナマケモノの巨大な爪。実話。
 
 

2012年1月13日金曜日

I am I

 名。名を知られることは相手に存在自体を掴まれてしまうことである。
 
 ∧∧
( ‥)相手の真の名を知る、名を奪われる
    それによって制御する、制御される
    古典的に広くみられる呪法ですね
 
    (‥ )だが結局のところ、名前というのは
        単なるカテゴリーに関連づけられた
        発音でしかないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)ようするにあなた方の脳神経の中で
    起きている便宜的な情報処理ですよ
 
    ( ‥)人間は自分の認識の通りに外部が
       実在していると思っている。
       だから名前で制御できると思うのだな
       しかし、いかにそう思っていても
       外部と認識は別物だ。
 
 だが、人間は脳神経という枠組みから離れることができない。認識したがゆえに理解したと思い、ゆえに制御できると思い込んでいる。だから呪法が成立すると考える。だが、外部は外部、認識は認識。呪法それ自体には効果がない。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは誰ですか?
    すると答えて曰く、
    I am I
 
    (‥ )主語である私は目的語として私を
       成立させることができる。
       この答えはつまり、私なるものは
       お前達、人の認識の枠外に
       ある、そういうことだよね?
 
 かつては便宜的な呼び名があったという。しかしその名もすでに失われて、もう誰も知らない。
 
 
 

趣向がばれるぞな

 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)ひるがえるに、あなたに以前
    愚痴をこぼした相手の方は
    どうなのでしょうね?
 
   (‥ )うーん、彼の場合はそれなりに
       正当じゃないかな?
 
 これこれな儲け話はあるが、君、やらないか? という問いに対して「いやあ、ちょっと」とか「僕には人生設計がありましてリスクは...」とか言われてばかりだと
 
 ∧∧
(‥ )ようするに若者は愚痴るだけで
\-   チャンスをとらないのはなぜ??
    という嘆きを、この場合は
    こぼしたくもなるでしょうよ、と。
 
   (‥ )まっ、あの選択肢は別に若者でなくても
       リスクの大きさに大概は逃げるけどね。
 
 ∧∧
( ‥)つまりこれは雇う側の具体的な嘆き、ですか
 
   (‥ )雇う側は皆からひとつ抜き出たエリート
      なのだ。彼らから見れば普通の人間では
      満足できないし、それでは困る。
      そして嘆く。そういうことよね。
      エリートからすれば大概の人間は
      失望のたねさ。
 
 あれはあれで正当であるとは思う。
 
 ∧∧
(‥ )でも、リスクうんぬんはともかくです
\-   若者にはチャンスがあまりないし
     日本を覆う閉塞感と言っているのは
     閉塞させた張本人たち世代だし
     八方ふさがりですよね
   
    (‥ )道が見当たらないのよねえ、
        それは、おいちゃんも一緒でね
 
 ∧∧
( ‥)1年と半年先までは仕事が
    あるのですけども。
 
    (‥ )でもそっからどうなるか分からん
       それもどうなるか分からん
       まあ、それ自体はいつものこと
       なのだが、明らかに不景気のあおりを
       受け始めたところだ。
 
 例えば会社が事業や部署の見直しや、あるいはその一環で人事の配置換えをなどをすると。
 
 ∧∧
( ‥)そうすると仕事こなくなりますからね
 
   ( ‥)出版界って組織と組織のつきあいって
     -□ いうよりは、個人と個人の関係だけで
       成り立っているようなところあるのよね
       編集部も組織というよりは、編集者
       それ自身が一国一城の主に近いというか
       よほどの売れっ子でなければ
       人が変われば関係性は途切れてしまう。
 
 残念、自分は売れっ子どころかまったくの無名だ。
 
 ∧∧
(‥ )みなにこんな道があるよ!! と
\-   具体的な提案したり、社会を
     活性化できたらいいのですけどねえ
 
   (‥ )個人の能力や、たった1人の発想では
      そんなことは無理だなあ。無理と無茶する
      お馬鹿さんを大量導入して、ようやく
      新しい選択肢が発見できる。それが
      世の常ってやつでね。
      現状では「各自で生き残れ、後で集合」
      としか言えないよ。
 
 無茶するお馬鹿は社会と組織、集団にとって実に貴重なのだ。スマートな人間はいらねえ。
 
 ∧∧
( ‥)..それ考えると、若者のせいにしたり
    世代論にもっていって愚痴るっていうのは
    楽な道ですよね? 対案もなければ
    代替案もないわけでしょ?
 
    ( ‥)あれの何がいけないのかって
        具体的な対価も示さないで
        断られると、お前らがいけない!!
        と騒ぐわけだろ? ビジネスマン
        としては失格だし、その愚痴を
        なんたることか、清書して
        売っておる。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、皆が抱えている不満を清書して
    理論武装して、僕らは悪くないと
    思わせる心地よい言葉を売るのは
    ライターとか知識人、文化人の
    いろはでしょ?
 
    (‥ )問題はだ、ビジネスになってない
       不当な取り引きを正当化する文章を
       こともあろうに年配のビジネスマンが
       買って喜んで、溜飲を下げている
       のではないか、ということなのよね。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、頭を抱える光景と言いましょうか
 
     ( ‥)若者世代論を喜んでいる時点で
       -□ 無能という証拠だし、
         それ自体が現状の原因だと
         思わないかね?
 
 そんなもの買ったり喜んだりしてると無能がばれるぞな。買ってるエロ本から本人の趣向が無駄にばれるように。
 

ぐだぐだ言わんと、金だよ金

 ∧∧
(‥ )若者よなぜ立ち上がらない?
\-  なぜ消費しない、なぜ元気ない?
    こうすればいいじゃないか、
    ああすればいいじゃないか、
    これだから駄目なんだ
    ....という提案。
 
    (‥ )あれよね、中身のない
        ビジネスモデルを持ちかけて
        どーよ? どーよ?
        すごくね? すごくね?
        と聞いているのよね。
 
 ∧∧
( ‥)ようするにですよ
 
    ( ‥)仕事経験のない学生が言ったら
      -□ 痛い奴ですむが、社会人が
        言ったら馬鹿丸出しね。
 
 ビジネスとか商売って、そんなもんじゃねえだろう? 中身も対価もない話をもちかけちゃあ、そりゃあ白い目で見られるだろうさ。
 
 ぐだぐだ言わんと、お前のご自慢のプランとやらでいったいいくら儲かるんだよ? それともあれか? プランもなくて文句だけじゃねえだろうな? 金だよ金。金が無いと死ぬんだよ。
 
 

2012年1月12日木曜日

去年の本

 公園の広場でプラトンの「ティマイオス」を読んでいると、微妙にうだつのあがらないおっさんが、両手を上げてバルタン星人がフォッフォッフォッとやる時のアクションをしながら歩いていった。
 
 ∧∧
( ‥)シャドーボクシングみたいな
-   動作もしてましたけど、
    あれってトレーニングですかね?
 
    (‥ )...いや、わからん。
 
 脳内議会では賛成多数でおかしなおっさんということに、取りあえずしている。
 
 
 一応、去年の暮れに新刊を2冊出したのでリンク
 =>*
 =>*
 
 ∧∧
(‥ )まあ、一冊は改訂新版ですが
\-
    (‥ )大急ぎだったけども
        中身は結構変えたよ。
 
 ともあれ、これで去年のノルマ、1年に4冊発行は達成。
 
 
 

限界突破

 狭い場所に閉じ込め、音楽をひたすら流し、眠らせず、価値観を述べさせ、それを否定し、ひたすらに神経をすりへらせて不安にさせる
 
 ∧∧
( ‥)ねずみ講でも霊感商法でも
    宗教でもやる洗脳の一環ですね
    部屋の照明も赤を使うのだとか
 
    ( ‥)不安が限界、という時に
      -□ 教祖が現れて、救い主となり
        洗脳は最終段階となる
 
 だがしかし、教祖もあずかりしらぬことであったのだが、床が落とし穴であり、あっ? という声と顔と共に教祖は大量のドジョウが満たされた熱い湯の中へ落下。「ドジョウがっ!! 熱さを逃れようとオレの穴という穴にドジョウがああああーー!!!」という絶叫を合図に四方の壁が爆音と共に破壊され、目に痛いほどの鮮やかな青い閃光をバックにしながら、ブーツだけをはいた屈強なオイルまみれのお兄ちゃんズが、「ぷりちーなボーイたちがいっぱい!! いれ食いよー♡」と、とてつもないだみ声を張り上げながら頬を紅潮させた笑い顔で次々無差別に襲う襲う。
 
    (‥ )問題です。このような状況で人は
        どうなるでしょうか?
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 
 

これが世界の仕組み

 
    ( ‥)やれやれ、一仕事終わった
      -□
 ∧∧
( ‥)お疲れさまでした
 
 さあ、寝ようか。
 
 しかしその前に
 
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
    (‥ )人間はあれなのだ
        分かり切った答えを出すのに
        数世代かかるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)年金問題とか赤字国債とかね
    あなたの子供の時から
     問題視されていたでしょ?
 
    ( ‥)何度も増税の試みがあって
      -□ 次々に失敗して、少しずつ
        前進して...
 
 それでも先日、年金を払わないと年取った時に困るよ、と老いた人が話しているのを聞いた時、さすがにぎょっとした。
 
 ∧∧
( ‥)あー、まだ信じている人
    いるんですね
 
    (‥ )せっかちな人はなあ、
        オレ様が分かっているのに
        お前らどうして馬鹿なんだ??
        って怒るのだけどさ。
 
 いやあ、先のような人は確かにいる。だけどもさ、あんた程度に頭が回って先が読める人間なんざ何百万人もいるし、これではいかんと志をもって改革に向かった連中だって何千何万もいたよ。
 
 ∧∧
( ‥)全員失敗、あるいは
    死屍累々の代償にほんのわずかな
     小手先の前進というしょぼい
      結果でね。
 
   ( ‥)あるいはフランス革命やロシア革命の
     -□ ように甚大な損害を出して、結局
       前と変わらん似たような状態に
       落ち着くか、そんなとこよな。
 
 革命ねえ。自分の家族もクラスも自分の人生さえも革命できないのに、国家や社会は革命できると思い込む人間は不思議と多い。
 
 でも世界はそんなものじゃないのだ。
 
 農兵を使って無敵を誇ったローマ軍は、しかし、征服地の拡大と大土地所有者の出現で農民は零落し、弱体化した。
 
 ∧∧
( ‥)資本となる手持ちのお金がある人が
    勝つし、勝てば勝つほど有利になるし
    一方、遠征が増えれば農民は土地を
    たがやせずに没落する。格差は
    拡大する一方。
 
  ( ‥)土地の分配をするべきなんだけども
     それを強行したグラッスス兄弟は
     支持者もろとも殺されちゃうのよね
 
 本来なら国家がなんとかするべきなんだけども、ローマはそういう仕組みの国ではなかったらしい。いくら目を見張るような国であったとはいえ、結局は2000年も前の原始的な体制だということか。
 
 ∧∧
( ‥)でっ、結局は、最有力な人間が兵士
    という形で人を雇用して、勝ち抜き
    トーナメント戦へ突入と。
 
   (‥ )どうすれば良いか分かっているのに
       それに辿り着くのに1世紀の内乱
       が必要だったのだ。
 
 その結果は元首制、いわゆる帝政。暴君の中には貴族を処刑、財産を没収して国庫に入れた人もいたけども、私利私欲に使ったこともあれ、あれは実のところ格差是正の試みでもあったということなんだろうか? 彼らが自軍の兵士にお金を使ったせいだろうけど、暴君を暗殺したら、兵士に恨まれ、ぶち殺された人たちもいる。 
 
 そして再び危機的な状況に陥った3世紀になると、これまたどうすれば良いかさんざん試行錯誤して、結果を出すのにおよそ50年以上の月日が流れるありさま。
 
 ∧∧
( ‥)その時代の皇帝の皆さんって
    2年ぐらいで死んでますよね。
 
   ( ‥)内乱に次ぐ内乱。政権はどれも
     -□ 長続きせず、死ぬわ殺されるわ
       暗殺されるわ、それでも皇帝達は
       それぞれ少しずつ是正して
       最終的な形態へ至るのよな。
 
 そうして4世紀にやってくるのが、人を土地にしばりつけ、義務と負荷を重くのせつけ、キリスト教に基づいた支配を貫徹する専制君主制の軍事国家
 
 ∧∧
( ‥)分かり切った答えに、
   あるいは出すべき答えに
   何世代もかかるのだと
 
   (‥ )今の世界も先進国は、いや
       発展途上国もそうだろうけど
       全部そうだろうね。
 
 どこもかしこものたうち回っておる。
 
 ∧∧
(‥ )楽観的に考えると、
\-   日本も老人が死んで、相続税が
     国庫に入って、負担が減って
     30年後あたりから再スタート
     なのですけどもねえ
 
  (‥ )分かり切った答えに何世代もかかる
     ちょっと頭が回る奴はなぜだなぜだと
     無駄に怒り狂い、我が手で何かをと
     思った連中はほとんど犬死。
     これが世界の仕組みってやつよ。
 
 

2012年1月11日水曜日

金色の月

 
 丘の上にある灯のともった家々、東の空に登り始めた高度低く金色に輝く月、照らされる青い夜空、強い風に細くたなびく影のような雲
 
    ( ‥)きれいだ
        なぜきれいなんだろう?
 ∧∧
( ‥)ああ、柄にもなく
 
 

人類抹殺

 なんか見た。江戸時代から100年で月までいけたのだから、人類なんとかなるんじゃない? というような。およそこんな言葉。ああ、それはそうだ。
 
 ∧∧
(‥ )科学を破壊する暗黒時代のような
\-   ことをしなければ。
     そんな感じの内容でしたね。
 
    (‥ )...残念、もうそうなってる
 
 ∧∧
( ‥)どこで?
 
    (‥ )福島の一件で。
 
 ∧∧
( ‥)あーまー、そーねー
    石油、石炭以外の現実的な
    エネルギー源は原発、それも
    本当は技術さえ確立してない
    高速増殖炉ですからねー
 
    ( ‥)カイワレおじさんは
      -□ 人類の運命に関して
        責任あるのよ
        困ったじじーだぜ。
 
 とっ、ここまで考えて気がついた。
 
    (‥ )おー!! 人類を
        滅ぼせるぞ。
 ∧∧
( ‥)またそういう。
 
 植生の破壊、環境の改変、増加する人口、枯渇するエネルギー源
 
    ( ‥)いったん混乱と衰亡に向かったら
        技術のブレークスルーは困難だろう
 ∧∧
( ‥)核融合も高速増殖炉も確立できぬままに
    すべてのウランと石油、石炭を燃やし
    尽くしてジ・エンドする。
    それを満たす条件を考えてますね?
 
    (‥ )しかり、ジ・エンドではなく
        ジ・エンドの条件と
        その具体的な発見と把握
        それが重要なのだ
 ∧∧
( ‥)はいはい
 
 計算しろ。計算しろ。技術の構築と維持に必要な必須の要素と、それを記述する式を探して検討しろ。実際、我々にはもう時間があまりない。エネルギー源を失ったら、人口を支える耕地を失ったら、混乱が始まったら終わりだ。理解を試みよ。理解は仮説であり、仮説はそれを走らせることでその妥当性を検証できる。そしてわずかでいい、ほんのわずかなタイミングで進路と選択肢をねじ曲げることができるテコの支点、それを発見すれば、ほぼ確実に人類を滅ぼせるのではないか?
 
    (‥ )すばらしい 人の言葉には
        耳を傾けるものだな
 ∧∧
( ‥)本気でわくわくしているのは
    どうかと思います。
 
 

やはり他人事とは思えない

 最近の案件のひとつ、これの続き*
 
 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
   ( ‥)少なくともあれね、
     -□ 手持ちの文献をざっくり
       見た限り、4〜5世紀になると
       帝国の人々に色々な制限や
       責務が加えられたのは
       確かみたいだ
 
 後期ローマ帝国、というか、ローマ帝国からビザンチン帝国への移行期の話(もちろん、こんな区分を当時の人はしていなくて、ローマ帝国は1453年までローマ帝国だったのだけど)。
 
 この時代は一般的にはドミナートゥス制が確立された時代、と呼ばれている。あるいは呼ばれていた、というべきか。なぜなら最近はこうした見解、衰亡するローマ帝国はそれを防ぐためにその末期に専制君主制になり、人々を法律でがんじがらめに縛り上げ、社会階層はほとんどカースト制度のように固定化され、人々に責務を強制する、強制国家になった、というかつてスタンダードだった見解、この見解に疑義が唱えられているから。
 
 ∧∧
( ‥)でも、地域によって違うけども、
  -□ 場所によると一部の土地持ちが
    土地のかなりの部分を支配して
    小作農や出稼ぎ農民を使って
    運営していたと、やはり最近の
    文献にもありますね。
 
   (‥ )奴隷はまだ残っていたけど
    □-  少なくて、小作農の中には
       土地に縛り付けられたコロヌス
       まあ、農奴がいたと。
 
 まあ、ようするにこういうのは事実なのだ(疑義もこれを否定しているわけではない)。ようするに大土地所有者がますます多くの土地を持つようになる一方で、農民が零落する傾向は確かにあったらしく、比較的安定した統治のもとで、勝利者と敗北者の格差が拡大した、ということらしい。
 
 コロヌスは一応、自由民なんだけども、土地は貸し与えられたもので、それを耕作して地代を収め、その土地を放棄して勝手にどこかへいくことは許されない。またこの時代、法律の改正に従って、土地を売る時には、オプションとして、彼らは土地とワンセットで売られることになった(こういうことは前にも書いたし、これも理解としてはオッケーらしい)。
 
 ∧∧
(‥ )しかし最近は土地労働の形態が
\-   帝政前期と後期で大きく変化したとは
     前提しない傾向がある、
     そう、さる文献にはあるように、
     このことは”過大に”評価しないのだと
 
   (‥ )でも別の文献では納税者でもある
      彼らや小作人が村から離れないように
      どこにいるか把握しやすいように
      色々な制限を加えた、という
      記述もあるのよね。
 
 零落傾向と制限があった、より多くの義務を負わされた、そうでないと帝国が成り立たない状況だった、それはまあ事実っぽい(異民族の侵入とペルシャ帝国との戦争で軍事費が非常に高くなったので)。
 
 また、当時、都市の支配者は大変裕福な有力者であった。以前は、これが世襲に固定され、なおかつ徴税など、様々な責任と義務を負わされ、それが果たせないと自分で金を支払うはめになった、そうしたことが国家から強制された。このように後期ローマ帝国はいわばカースト化された社会だったと言われていた。
 
  ( ‥)しかし、カーストという言葉から
    -□ 連想されるような、固定された
      社会的地位、というものでは
      なかったっぽいね。
      世襲だけども、そこから官僚や
      騎士身分、役人、医師などに
      なろうとした人もいたらしいし
        
 ∧∧
( ‥)でも無償で色々な責務を負わされるから
  -□ 大変だったみたいですよ。「多くの職務に
    疲れ果てて」27歳で無くなったという
    フィリップスさんなる人物、これって
    過労死ですよね?
 
 *「ディオクレティアヌスと四帝統治」文庫クセジュ ベルナール・レミィ 2010年(原著は1998年)のpp86 フィリップスさんは速記者で計算係で会計係だったそうだ。手につけた技能で寿命を縮めてしまった事例だろうか?
 
 
 ∧∧
( ‥)今のあなた方の社会も徴税のために
    戸籍も住所も転出届けもありますし
    世襲の有力者ではないけど、
    選挙で選ばれた人と公務員が基本、
    そこそこな給料で
    義務を果たすわけですから
    仕組みは違えども同じといえば
    同じかもですよ
 
    (‥ )確かにカーストというのは
     □-  たぶん、おそらく正しくない
        だけども後期の帝国では
        格差と義務が増大し、
        人々の負荷が増えたってのは
        どうも事実なんじゃないか?
 
 そしてこの状況、今の我々からするとやはりあまり他人事とは思えない。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、さらに文献を調べて
    現在の研究動向とその解釈、
    妥当性を把握する必要がありますね
 
    ( ‥)なんともねえ、本題でないけど
      -□ 可能な限り状況を把握せざる
        をえないよね。
 
 実際、まだ一次文献には到達していないのである(当時の碑文や法律を直接読んだわけではない、という意味)
 
 
 

にるばーな

 
   (‥ )ニルバーナってさ、特に西欧人に
      神秘の境地、神との合一と思われて
      過剰評価されているみたいだけども
      あれって単に「死んでるなう」
      じゃないの?
 ∧∧
( ‥)知らんがな
\-  
 

2012年1月10日火曜日

リセット願望

 
   (‥ )まあ、あれよね、金が
   -   なければ結婚できない
       しちゃいけない、
       むしろお金を無駄にかけて
       くださいっていう、あの
       たかりの風潮は最悪だった
       よなあ。
 ∧∧
( ‥)たかり? ああ、結婚屋さんとかの
    こと?
 
 というか、社会的に色々全部
 
   ( ‥)やっちまって出来たら結婚
       それでも生活できるのみならず
       子供に正当な学業を与えて
       人材をキープするには
       どうすれば良かったのかと
 ∧∧
(‥ )まあ、年金やらなにやら無駄な
\-   支出やたかりがいっぱいありまして
    どこもかしこもどうにもなって
    ないのが現実でしてね。
 
 ∧∧
( ‥)革命でも起こしますか?
\-
   (‥ )いやいやそういう、学生時代に
       ぷらぷら過激派やってたような
       浮ついた意見じゃダメだ、ダメ
       きっと失敗する。
 
 ∧∧
( ‥)でもさー、ローマ帝国も7世紀、8世紀の
   イスラームの大進撃で国土の3分の2を喪失
   社会の崩壊で既得権益者がいなくなって
   リセットされて復活したのでしょ。
 
   ( ‥)たしかにそうなんだけどさ
     -□ ぶち殺しまくったり、どっかの
       国とお互いに総力戦をやるわけには
       いかんだろうよ。
 
 
     
  
    
       

文系と理系

 ∧∧
(‥ )文系と理系、どっちが難しいでしょうか?
\-   という問いかけですね
 
   (‥ )基本は同じようなもんだよね
 
 違いがあるとしたら理系の方が解析手段とか公式とか計算が頻繁に出てくる、それが苦手な人が多い(ようするに人間はこういう抽象化とか言われるようなものが概して苦手だ、ということでもある)、という感じ?
 
 ∧∧
( ‥)あなたの感想としてそうだと
 
  ( ‥)第一次文献までさかのぼって
    -□ 相互に照らし合わせたり、
      考古学的な証拠、つまり現実と
      照らし合わせたり
      そういう困難は文系も理系も
      結局は同じよね。
      相互の比較、観測と
      データによる検証だ
 
 ただなんというか
 
   (‥ )時々なあ、文系の方が
       無駄に専門用語が多いと
       感じることあるなあ
 ∧∧
( ‥)無駄にね
 
 なんというか、用語の発明がやたら多いというか、個人でしか使っていないような用語が頻繁に出てくるというか。概念に名前つけ過ぎというか。
 
   (‥ )なんというかね、文系の人は
       理詰めで考え過ぎな
       印象があるんよね。
 ∧∧
(‥ )一般的には逆なイメージがありますけども
 □-  理詰めを無矛盾と考えるとそうかも
    しれませんね。
 
 科学は誤差があるの前提だし。ざっくり説明できればそれで取りあえずいいっしょ、役に立っているじゃーん、だし。そもそも公式だって、ざっくりこんな、という実はアバウトな余地ありが前提だったりする。
 
 ∧∧
( ‥)ひるがえれば、理詰めで矛盾なく
    現実を説明しようと試みると、
    カテゴリーがやたらに
    増えますよね?
 
  (‥ )物事をカテゴライズして単語を発明し
      矛盾のない文章にして体系的な
      説明を試みる。無駄に単語が多い
      印象があるってそういうことじゃ
      ないかなーと思うのだが。
      どうだろうな?
 
 ようするに、文系も理系も同じなんだが、公式とかああいう、実はアバウトなものを使わないので、それを良いことに無駄に理詰めな人が混じりやすい、という感じ?
 
 
    ( ‥)そういえば、今西進化論が
        よくないのも
        こういうところだよね。  
 ∧∧
( ‥)あれは無駄なカテゴリーと
   単語がやたらに出てきますし。
 
 無意味に理詰めはよろしくなかろう。
 
 
 
 
 

世界はクラスター

 以前、種の起源を読むを書いた時に
 
 ∧∧
(‥ )生物学的種概念や断続平衡説は
\-  なんで取り上げないの? みたいな
    感想ありましたよね。
 
    (‥ )あの時、ああ、距離があるなあ
        と感じたのよな。
 
 生物学的種概念。それ何の役に立つの?
 
 断続平衡説。それであなたならどんな論文を書くの?
 
 これらで一体何ができると思う?
 
 ∧∧
( ‥)意味ないから教える必要は
    ないだろうと。
 
  ( ‥)逆に中立説をなんで取り上げないの?
    -□ という意見がなかったのは興味深いね
 
 ダーウィンと中立説の関係はなかなかに興味深い。一般的には中立説によって進化論はダーウィンを越えた、中立説こそ、ダーウィンの不完全さを表しているものだと考えられているっぽい。それを考えると、中立説の記述がないのは当たり前だと思われたのかもしれない(実際には手に負えないので意図的に抜いた、が正しい)。
 
 
 ∧∧
( ‥)まっ、あの時には手を出さずに
    いましたが
 
    (‥ )今度は可能かなあ?
     □-
 
 ∧∧
( ‥)マニアックな本になると思う?
 
    (‥ )どうだろうねえ?
     □-  マニアックな本にはなるけど
        売れるのとはちと違うしね
 
 ありきたりなものは必要ない。ある程度、特化したものが必要なものとなる。でも特化したものが、すべからく必要であるとは限らない。それに、
 
 ∧∧
(‥ )それに、必要性に特化しちゃう
\-   そんなことも起こるのですよね
 
   (‥ )一般的にはそれで問題ないけども
      本の場合は読者の思い込みに特化して
      心地の良い、でまかせになっちゃう
      ことがあってね。
 
 そうねえ、あの距離を思うと、
 
 ∧∧
( ‥)読者は無視した方が良いのでは
    ないかと?
 
    ( ‥)ご要望を聞いて嘘まみれに
      -□ なるよりはましだろうしね
 
 実際、よほど根源的な機能に関わることでない限り、消費者の願いを聞いても、商品は大概ろくなものにならない。
 
 理論を説明するのと、理論が形成された歴史を記述するのはまったく違う。理論を説明する時には必要なかった敗北した理論の紹介も、歴史を記述する時には、その敗北の過程と理由を説明することがむしろ必要になるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )実際、断続平衡説は今、最前線で
\–  脚光を浴びている理論だ!! と
    勘違いしている人もまだいるの
    ですよねえ。
 
   (‥ )ああいうの見るとな、
      自分を科学好きとか思っている人とは
      距離を置きたくなるのよな。
      明らかに汚染されて、自分で自分を
      是正できていない。つき合いきれん
 
 というか、こんな状況を作ってしまったのがサイエンスライターとやらの罪というものか。先日も、そうそうたる研究者の面々に混ざって、馬鹿が進化論をトンデモ紹介している本があって、頭を抱えた。
 
 そうさ、これが科学ジャーナリズムってやつの罪だよ。
 
 研究者の皆さんもとっくにごぞんじでしょう? この世界にはお互いに何の関心も持たず、読む本も手にした情報もまるで違う、隔絶された人間集団が幾つも並立しており、しかも互いの存在をほとんど感知していない。
 
 
 
 

これは悩ましい

 彼曰く
 
 ∧∧
(‥ )売れるものがない、そこそこ売れる
\-   ものしかない。
 
    (‥ )あっちの業界もそーかー
 
 そこそこ売れるだけでもめっけもの。不思議とつぶれた会社はない。だ、そうである。
 
 ∧∧
( ‥)そこそこ売れるもので利益を出すために
    むやみに忙しく、仕事はたくさん
    あるみたいです。
 
    (‥ )職がある、ではなくて、
        1人あたりのこなさなければ
        いけない仕事量が多いという
        意味でね。
 
 彼もまあ、コンテンツ産業というか、そんなような世界にいる。
 
 ∧∧
(‥ )ありきたりなものならネットで
\-   足りちゃいますからね。
     お客の購買力が落ちてますし、
     金を出しても良いと思わせる
     それなりなもの、特殊なものを
     作ることになると。
 
    (‥ )売れないと生産数が落ちる
        おまけに材料費が値上がり
        しているから、どうしても
        単価を上げざるをえない
        それでも買ってもらえるのは
        特殊なものだよなあ。
 
 ∧∧
( ‥)本もそうでしょ?
   tumblrのようにただで雑誌状態の
   コンテンツがある世界で売るには
   ありきたりなものでは
   だめですよね?
 
    ( ‥)そういえば特殊な本って
      -□ 作ったことがないんだよなあ
 
 ∧∧
( ‥)マニアックな本を作ってみますか?
 
    (‥ )うーむ。依頼がこないと
     □-  作れない、作らないと依頼が
        こない。悩ましいところだね。
 
 
        

2012年1月9日月曜日

走れ!! 発電機

 映画マトリックス
 
 ∧∧
( ‥)人間を発電機として使って生きる
    機械達の世界。
 
    ( ‥)あれは確かに理想世界
        なのだよね。
 
 人間は発電するという対価を払い、自由を売り払って苦しみから逃れ、夢だけ見ていればいい。
 
 ∧∧
( ‥)でも僕らの世界では技術うんぬん
    理屈うんぬんではなくて、
    ああいうことは不可能なのですよ
 
    (‥ )国民のほとんど全員は何も
       知らなくてよい、技術者と
       科学者たちだけが苦しみ、
       国民はカプセルの中にいて
       必要な資金を提供すれば良い。
       これは成り立たない。
 
 なぜかというに、僕らには敵が、自分たちより強大か、あるいは互角の敵が存在するからだ。
 
 ∧∧
( ‥)人間が発電機で、科学と技術の使徒が
    それに支えられるってのは必然的に
    ”側”だけしか競争の戦線に
    送り込めなくなる
    そういうことですからね。
 
    ( ‥)それでは負けてしまう。
        軍人貴族によるプロの軍隊が
        フランス市民軍の前になす術が
        なかったようにね。
 
 補充に必要な者以外、全員を戦線に投入せよ。それは集団に帰属する全員を戦線に関連づけよという要請でもある。
 
 ∧∧
( ‥)巨大なひとつの戦闘機械、それが
    近代民主制と国民国家の正体だと。
 
    (‥ )民主制を道徳的に善と見る人も
        いるけども、むしろ血塗られた
        肉轢き器だと考えるべき。
        国民に高度な教育を施そう
        というのも、結局は
        動員体制なのよね
 
 今の科学や技術は徒弟制度で維持や優位を保てるようなもんじゃない。集団全体に教育を施すことで、ブレークスルーを起こせるような何者かを絶えず抽出しなければいけない。そうでないと競争に勝てない。そういう意味では「この勉強が何の役に立つのですか?」という質問は主語がおかしい。

 「この勉強は”私”にとって何の役に立つのですか?」ではなく、「この勉強によって、使える”何者か”を抽出し、利益の還元をはかる」というのがむしろ正しい。
 
 端的に言ってしまうと、「それを発見できないお前は発電機としての使命を全うせよ」ということでもある。なんのこっちゃない、学校は皆がよく知っている場所、人を選別する場所なのだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも発電機になっても
\-   マトリックスのような幸せの世界は
     やってこないということですね。
 
    (‥ )マトリックスの”発電機”たちは
        こんな訓練を受けるわけじゃ
        ないからな。無駄なバーチャルで
        彼らは幸せなのだ。僕らよりもね。
 
 この世界は失望に満ちていて、未来は確定的であり、可能性はほとんど閉じている。果てしなき競争に最後に勝ち残る、ではなく、次々に脱落する皆々を尻目に走り、そして最後に滅びるというのが我らに残された、ほぼ唯一の選択肢。
 

 

救いあれ

 「古代末期の世界」ピーター・ブラウン 刀水書房を読む。
 
 ∧∧
( ‥)日本語の副題は、ローマ帝国は
    なぜキリスト教化したか? 
    ですけども、どう?
 
   ( ‥)ううーーーむむむむ
     -□ そうねえ。
 
:個人の内面世界を重視する風潮が生まれた
:この風潮のもとでは「罪を犯すこと」は間違い、ではなく、その人が悪魔に操られているという判断を生む
:対して、悪魔をコントロール下に置いている、悪魔に勝利したと主張していた宗教はキリスト教であった
 
 ∧∧
( ‥)これだけ読むと。はあ?
  -□ という印象ですが。
 
   (‥ )著者はこれが重要だと
    □-  書いているけども
       この説明自体は短くてね。
       むしろその後に述べられる
 
:3世紀、帝国の都市間を行き来する人々がいた
:キリスト教徒であれば、都市にあるそれぞれの教会で便宜をはかってもらうことができた
:教会は貧しい人々を援助したし、信者の収めた奉納金を信者に分配することもした
 
 という説明の方が長くて具体的(もちろん、長くて具体的であれば正しいってわけではないけども)。

 ∧∧
(‥ )この場合ですと、便利な互助会だ
 □-  という利点の指摘ですね。
 
   (‥ )ローマ帝国は裕福な有力者が
       統治する都市の集合体なので
       そのままでは法律、制度が違うから
       人の行き来にあまり向いていない
       という指摘でもあるね。
 
 他の宗教はそういうことしなかったのだろうか? という疑問は、まあ、おいおい確認することにして。
 
 ∧∧
( ‥)キリスト教会はじょじょに
  -□ 増えたのではなくて、3世紀に
    なって急に増加したとありますが
 
   (‥ )3世紀末にディオクレティアヌス帝
      が大迫害をするけども、それまで
      半世紀、帝国はずーっと内乱と
      異民族の侵入に対する防衛戦、
      ササン朝ペルシャとの戦争だったから
      基本、ほったらかしだったのだよね。
 
 ∧∧
( ‥)一般的に言われる、いわゆる危機の3世紀で
    帝国内部でキリスト教がかなり躍進した
    ということなのでしょうけども。
 
   ( ‥)まだひとつになりきれていない
     -□ 帝国における、普遍的で便利な
       互助会(著者はこんな言い方は
       していないけども)、というのは
       拡大の具体的な説明には
       なっているよね
 
 ∧∧
(‥ )哲学者の述べる真理よりも
\-   てっとりばやく真理が学べた
    という分かりやすさもあった
    ようですけども。
 
   (‥ )まあ、他の宗教でもそれは
       そうなのだろうけどもね。
 
 例えばの話、哲学として始まったはずのストア哲学も、マルクス皇帝の自省録では倫理や生活規範の格言集のようになっていることからすれば(本の性質上、それが当たり前であるにしても)、それが当時の社会で求められていたものだったということか。

 *マルクス・アウレリウス帝は2世紀後半の皇帝で、五賢帝最後の人。人類最良の時代なんて言われることもある五賢帝時代だけども、マルクスの時代には異民族の侵入があいつぎ、それを防衛する一方に。彼自身も転戦に次ぐ転戦を余儀なくされ、最後は戦線で没した。続く3世紀になると状況はさらに悪化する。
 
 ∧∧
( ‥)...つまるところ基本的には
  -□ しばしば言われる理解で
    良い、ということでしょうか?
 
    (‥ )教会の組織力、
        教えの簡便性、救いの提示
        他の宗教に対する攻撃性と
        非寛容、妥協しない態度
        以上を優位とする政情不安
        そういうことかね。
 
 

2012年1月8日日曜日

大衆は馬鹿だと無駄に絶望することに価値を見る

 
 
   ( ‥)大衆は愚かで欲望むき出しであり
     -/ 醜いのだ 
 ∧∧
( ‥)わーお、無意味に過激ー!!
 
 
   (‥ )自分を見れば分かる
 ∧∧
( ‥)わーい、否定できない
 
 
   (‥ )と、いうわけで寝ていいですか?
 ∧∧
( ‥)仕事しろ
 
 
 そうねえ、奇妙なことなんだけども、人間にはある割合で欲望を否定し、理想を振りかざす人がかならず出現する。
 
 ∧∧
(‥ )欲望の否定には性欲の否定の
\-   ように、生物としては致命的な
     ものが含まれるほどですが。
 
   (‥ )なおかつ、理想なるものはしょせんは
       失敗するプラン。つまり現実を記述
       できない役立たずな理論なわけでね
 
 これはかなり奇妙と言えば奇妙なんだけども、どちらも現実の否定であるという点では同じだ。
 
 ∧∧
( ‥)自分にある欲望の否定、
    そして周辺の否定
 
    ( ‥)同じと言えば同じなんだ
        自分の欲望の否定、
        他人の欲望の否定
 
 ∧∧
( ‥)そしてそれに固執すると
 
    (‥ )答えに固執する。プランに固執する
        だけど現実はこうあるべきではない。
        否定から始まっているので、現実と
        経験から学ぶことができないのだ。
 
 プランの是正や失敗による改善ができない。そうである以上、失敗はほぼ必定。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、このこと自体は前から
    あなたがぶつぶつ申し述べて
    いることですが
 
    ( ‥)彼らの興味深さは実は
        そこではないのだ。
 
 彼らは必ず、それなりな数生まれてくる。それもクラスに1人ぐらい。なぜだ?
 

 ∧∧
( ‥)有利なんじゃないですかね?
    これは爆弾発言ですけどね
 
    ( ‥)最低限、固執は集中力と
      -□ 表裏一体だったり
        するからね。
 
 確かに集中力は有益ではあろうかなーと思う。特にインテリとかいう無駄な連中が幅を効かせられるほど人々が群れた社会ではそうだ。ただ、問題はもっと肝心な部分、”経験から学んで計画を是正する”、という重要な部分がどうも見る限りでは彼らインテリには欠けているか、あるいは乏しい。
 
 ∧∧
( ‥)それで彼の人たちは何か中途半端な
    行動をとっていると?
 
    (‥ )ぼけーっとしながら
        受け流す大衆でも、
        集中力と改善を両方そなえた
        現実主義者でもない。
        彼らは中途半端な能力者なのだ
        これは実に興味深い。
 
 ∧∧
( ‥)ようするにあれだ、あなたは
    インテリを知性に欠陥がある人々、
    妥当な推論を行う過程に
    不具合が生じている人と
    みなしているわけだ。
 
   (‥ )そう言う意味でインテリにも
      トンデモ君にもオレ様理論家にも
      ずーっと注目しているよ
      分かるかね? 欠陥のある箇所、
      不具合の生じる決定的な部分。
      それこそが推論に必須な部品なのだ
 
 ああ、そうだ、ずっとずっと君たちを見ている。できることなら彼ら同士を交配させてその様子を見てみたいほどに。たぶん、因子はあまり多くないのじゃないか?
 
 ∧∧
( ‥)もはやあなたがトンデモ
 
   (‥ )そういってもらえると
       実に嬉しいねえ。
 
 そうだ、大衆は馬鹿だ、と言うことにはまったく価値はない。しかし、大衆が馬鹿だと絶望するその思考、そしてそれを支配する因子と欠如にはおそらく価値がある。自信と希望を持て諸君。君らには君らにしかないすばらしい価値があるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )この車、走りません
 ゜-  この部品が無いからですね
 
   (‥ )かくて我々は発火プラグが
       自動車の起動に必須であることを
       把握した。欠陥があることは
       実に有意義だ。
 
 欠陥と不具合を見た時、どれが必須なパーツなのか? それが明らかとなる。
 
 ところで
 
 ∧∧
( ‥)あなたたちイラストレーターも
   おかしいのでしょ? 集中力が
   必要な職業ですしね。
 
   (‥ )ああ、ほとんど病気だと
       言っていい状態だね。
 
 イラストレーターは何かしらおかしい。というかそうでないと絵は描けない。絵が降りてこないのだ。そういう意味において、絵がへたくそであることは幸いである。大衆は馬鹿だと無駄に絶望しないことが幸いであるように。
 
 

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