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2010年3月31日水曜日

それはやはりミチだった

 
 月が沈む、夜が明ける。地球の西の彼方、ドイツのあたりでは雨らしい。月は見えないか?

  
 ∧∧
( ‥)でっ?

     ( ‥)やはり先日の植物は
       -□ ミチタネツケバナみたいだ。

 そして確認しました、タネツケバナの方。


     (‥ )これは水田に生えていた
 ∧∧
( ‥)ミチタネツケバナの方は公園にも
    部屋の前の庭にも生えてますよね?
    なんでしょうね? 住み分けですか?

 さて? なんだろう、どうだろう?
         

ゼノンの楽しい時間にようこそ

 
 手に入れられるテレビ番組の3分の1が楽しい番組だとする。

 
     (‥ )1日、6時間テレビを見ると
     -    2時間も楽しい。これ、桃源郷。
 ∧∧
( ‥)2時間も楽しい時間が続く、、、
    現実ってそんな世界でしたっけ?

 楽しみにしている番組が1週間につきドラマ2本、お笑い2本だとする。合計4時間、1日に見るテレビの時間が3時間だとして、1週間に21時間、そのうちの4時間が楽しいとして、およそ5分の1

     (‥ )1日、10時間テレビを見ると
         なんと平均、2時間も楽しめる。
 ∧∧
( ‥)結論がおかしい。

 テレビの楽しい時間が1週間で4時間だとしたら、それ以上には増えるわけがない、当然、テレビを見る時間、それ自体をいくら増やしても楽しい時間は増えない。

 ∧∧
( ‥)でも、現実には増える可能性は0ではないですよね?
    知らなかっただけで、探せば面白い番組に
     出会える確率は0より大きいですよね?

     ( ‥)100時間の探索につき1回、面白い
         番組を発見できるとする。

 しかし予算削減などの理由で番組の質が落ち、それが反映されることによって、例えば単位時間あたりに発見できる面白い番組が1から0.9に下がったとする。

 ∧∧
( ‥)えーっと? およそ111時間に1回、面白い番組を
    発見できる?

     ( ‥)1から0.9に下がるだけで11時間増えた。

 テレビの広告収入が年に5%減少すると仮定する。最初のスタートから4年後に

 ∧∧
(‥ )最初の年のおよそ81.45%まで減少して
\-  翌年の5年後に80%を切りますね。

     ( ‥)収入の減少が直接、テレビ番組の面白さに
         反映すると大雑把に仮定し、ざっくりと
         当初の8割りになったとする。つまり、
         発見できる面白い番組が単位時間あたり0.8に
         まで下がったと仮定する。

 ∧∧
( ‥)125時間に1回面白い番組を発見できますね。

     ( ‥)最初の100時間に1回よりも25時間増えた。
         

 ∧∧
( ‥)テレビ番組それ自体の放送時間は並列する局が増えない限り
    有限かつ同じですから、探索時間を増やしてもすぐに頭打ちに
     なるのでは?
 

     ( ‥)つまり探索時間よりも制作者側の作り出す頻度が
         より重要な要素となる。
 ∧∧
( ‥)ようするに待てばいいんでしょ?


 番組改編が3ヶ月、つまり90日に1回だとする。単純に90日に1回、面白い番組を発見できるとする。しかしその確率が1から0.8に下がった場合。

 
 ∧∧
( ‥)およそ113日に1回の発見になりますね。

      ( ‥)これまでと同様の利益(楽しい)を
          手に入れるために23日余計にかかった。

 ∧∧
( ‥)でも23日っていっても寝たり、食べたりしている
    時間も含めてでしょ?


    ( ‥)100時間の探索で1回の面白さと同等の利益を
        得ようとしたところ探索時間は増加し、
         現時刻において探査できる番組をほぼ探査し終えても
         目標は発見できなかった。そのため、番組改編という
         未来に期待したが、確率が1から0.8になったことで
         待機時間はそれまでの1.25倍となり、つまり
         探索のコストと待機時間の増大という.......

 ∧∧
( ‥)はあ


 以上のような視聴者が負担するコストの増大に対して番組が提供する利益(面白さ)がペイしないので、結果的に広告費が下がり、そのため、面白い番組の確率が1から0.75になったと仮定する。すると....
          
 

 
 
 

2010年3月29日月曜日

鮮やかに冷えた月を見る

 
 曇った天気が続いていたと思ったら、夜になってから神奈川県は晴れ。すかっと晴れた夜空に鮮やかな月が浮かぶ。ひさしぶりに見る月は光が鋭い。
 
 ∧∧
( ‥)さむいー

     (‥ )そうねえ

 今、雨が降ったら間違いなく雪になっちゃうような温度。北からの風が入ったからなのか、晴れてしまったこともあって冷える冷える。明日の朝には霜が降りるのではないかと思えるほどに冷えている。

 ∧∧
( ‥)ハツカダイコンさんは大丈夫ですか?

     (‥ )まだ芽は出てないから大丈夫だと思うよ。

 アブラナ科の比較のために何種類かのハツカダイコンをまいたが、幸いにもまだ芽が出ていない。万が一にも霜が降りても多分、大丈夫だろう。

 ∧∧
(‥ )天気予報を見るに、ドイツは
\-   最低気温でも7℃ぐらいあるみたいです

     (‥ )いつも思うけど、前にも書いたけど、
         ユーラシアの西は内陸でも温暖だよなあ。

 海の影響を受けるから、イギリスも似たような最低気温。

 反対にこっち側、ユーラシアの東部にある日本は神奈川県では、明日の最低気温は1℃あまりの予想らしい。あっちと違ってこっちは大陸で冷やされた空気が入るからこういうことになる。

 ああ、今が白亜紀だったら、今が白亜紀だったら、そしたら海はもっと底上げされていて、地球は水浸しで、火山噴火で温室効果で、結果的に北極はもっと暖かいから北風もこんなに冷えていなくて、こんな季節でも、こんな緯度でもずっとのんびり過ごせるはずなのに。

 ∧∧ さむいー 
( ‥)
 -( ‥)はいはい、布団に入って
     休みましょうよ。

 

その動態をどう説明する?

 
 政治家は国や国民の成功を向上させるために働くべきである、あるいはそれをすべきだ、という仮説は政治家の動態を説明することに失敗している。

 それと同じく

 サイエンスライターは科学を分かりやすく、かつ正しく伝える、あるいは妥当と思われる仮説を読者に伝えることで、読者の、ひいては科学に対して何かしらの向上をはかるべきである、あるいはそうすべきだ、という仮説はサイエンスライターの動態を説明することに失敗している。

 ∧∧
( ‥)ではあなたの動態はいかなる仮説で
    説明されるべきですか?

     (‥ )いかなる仮説であれば妥当性の追求が
         最も効率的に、現実的に、なおかつ妥当に運営できるのか
         それを可能とする仮説を発見するべきだ。




 

真面目で質の良い低賃金労働者を生産工場

 
 ふと思う。科学というのは進化する実体だ、という意見。

 ∧∧
( ‥)人間を媒介物にして伝播しつつ
    淘汰を受けて適応を重ねる思想の
    ひとつであると。

     (‥ )という風に考えた場合にはだな、、、、

 人生において科学を選択した個人が、例えば自身の生まれた国で科学を全うする必要はさらさらないわけで。

     (‥ )とっ、するとだよ。科学というのは
         こんだけ面白いよーということを伝える場合、
         日本じゃらちがあかないや、とあなたが思ったら
         こういう風に国外へいく道があるよと
         そういうことも具体的に伝えるべきなんだろうか?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、伝えてもいいでしょうねえ。
    別に禁止されていませんしね。

 とはいえ、それはノイローゼに近いぐらいの杞憂ってもんだ。海外へいって科学関係で就職できるってのは(そりゃあ分野にもよりますが)よっぽどの人間であって、そういう人間は言われなくても出て行くし、出て行きたくても能力のない奴は出て行けない。

 ∧∧
( ‥)別に推奨するようなことでも
    教えるようなことでもないですよね?
    出て行ける人間はその立場になったら
     出て行くわけですからね。

     ( ‥)そうなんだよな。言われて気がつくような人間には
         言う必要がないし、言われる必要がある人間は
         自力で気づくから言う必要がない。

 どっちのカテゴリーにもあてはまらない個人もいるだろうけども、まあそういうのはどうでもいい。

 さて

 ∧∧
( ‥)なぜにそんな疑問を?

     (‥ )いやあ、日本って科学の分野において
         将来性あるのかねえ??
         ないと思わないかね?

 英語圏の方が科学において圧倒的に強いのは、まあなんだ、あんまりいい例えではないかもしれないけども、Wikiを見ればなんといいますかね、少なくとも科学においてはざっくりといって、英語のWikiには当然、間違いが見つかるけども、日本語のWikiはしばしば間違い以前の問題、ぐだぐだ。

     (‥ )日本ってただの後進国だろ?
         ご本人たちは技術立国ですとか
          思い込んでいるみたいだけどさ。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ。

 ジャレド・ダイヤモンドの理屈で言えばアジアがヨーロッパに追い抜かれたのには地理上の(是正不可能な構造的とも言える)原因があったからで、だとすると(個人的には彼の意見を否定する理由がみつからない)日本が後進地域になってしまった原因は今もって是正できていないことになる。

 ∧∧
( ‥)まあ、おまけに開国して150年ですからね。

     ( ‥)150年で数世紀分の遅れは
         取り戻せないぜや。

 そんなんで取り戻せるのならアフリカの問題なんてとっくに解決だ(部族社会と植民地経済から半世紀しかたってないのだから当たり前と無視するのではなく、数世代勉強すれば問題解決だというのは非現実的という意味で)。

 いや、考えてみればなあ、戦後日本が成功したのは低賃金だったからで、それ以外で成功した理由があったとしたら

     (‥ )あったのなら、バブル以後に景気を取り戻せないなんて
         おかしいと思わないかい?
 ∧∧
( ‥)まあ、あれですね、低賃金以外に武器が
    なかったってことですか。

 確かに世界には低賃金なだけで何にもできない国があるから、低賃金だけが武器ではないし、成功の条件はそれだけではなかったはずだけども。

 ∧∧
( ‥)でも現在の状況は、日本はこの状況を是正するほどの
    武器を他には持っていなかったという証拠であるのかも
    知れませんね。

     ( ‥)そういう日本という国で科学を伝えることに、
         あるいは子供に科学を教えることに
          何の意味があるんだろうか?

 いや、そもそもみんな、真面目で質の良い低賃金労働者を生産することだけを良しとしてきたのではなかったか?

     (‥ )道徳教育に躍起になるのはそういうことだろうし
         平等とか、事業仕分けとか高校無償化とか、
         ようするに人並み以上の技術を
          身につけるなってことだろ?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ、あなたの解釈なら
    そうなんでしょうねえ。

 経理やカスタマーサポートの部門まで外国に委託している昨今。ビールの経理ができるとか、そういうことに特化しないと、単に経理の資格があるだけでは就職できない。そんな言葉を耳にすると、では高校教育を無償化して、じゃあどうなるわけ? という話(おまけに科学技術を破壊するようなことしてやんの)

 まあそりゃねえ、政治家ってのは当選するのが仕事なのだから国や国民のことを考える必要がないってのは分かるけどもねえ(政治家は国や国民の成功の度合いを保証するべきで、ものであるという仮説は彼らの動態を説明する仮説として成功していないと思う、ということ)。しかしそれじゃあ困るのよねえ。

 ∧∧
( ‥)低賃金労働者を生産することが望まれているこの国で
    子供に科学を教えることに何の意味があるのだろう?
    そういうことですか。

     (‥ )まあ、冷静に醒めた眼で考えれば
        どうでもいいっちゃどうでもいいのだけどね。

 できるやつは自力でどうにかするだろう。

 できないやつはただの低賃金労働者に終わるだろう。人生の最後に社会がいけないというのだろうか? まあ、いけないのかもしれない。自力でどうにかする人間以外には手に職をつけさせる機会も訓練も積極的には与えなかった、という意味では。

 ∧∧
( ‥)ではですよ、サイエンスライターには
    何の意味があるんでしょうね?

     (‥ )意味? サイエンスライターなんぞに
         意味も意義も最初から最後まで無いさ。

 ただ、もしもあるとしたら幾人かの人間に機会を与えるきっかけを作るかもしれない。

 ∧∧
( ‥)最低限、正しい、あるいは妥当な内容を書き続けるのなら
    そういう効果を発露できるはずだと。

     (‥ )日本がくびれ死んでいくとしても
         低賃金労働者の集まりに劣化するにしても
         2、3人の子供に機会を与えられる程度の
         効果を発揮できたら、それで充分だと
         思わないかね?

 もしもそんなことができたらの話ではあるが。

 

2010年3月28日日曜日

それは道のものだった

 
 先日スケッチしたタネツケバナ

    ( ‥)これ、タネツケバナではないかもしれない。
      -□
 ∧∧
( ‥)ほう

 外来種の同属別種、ミチタネツケバナかもしれない。

 ∧∧
( ‥)タネツケバナ属は似た種類が
    多いみたいですね。

    (‥ )これは面白いね

 なかなか使えそうである。
 

2010年3月27日土曜日

それはやはり辛かった

 
 タネツケバナを描いた。

 ∧∧
( ‥)サクラは?

     (‥ )もう少し待たないと手が届く高さまで
         咲いてくれないんよね。

 サクラを見たいのならその願いをかなえよう。しばし待て。

 さて

 タネツケバナを描いて、その後、かじってみた。

 ∧∧
( ‥)お味は?

     ( ‥)根っこは、、、、普通にダイコンの味だね
       -゜ 引き抜いた時にするワサビっぽい匂いは
          ダイコンの匂いにも似ているかな。
          辛みがあるのは確かだねえ。

 小さいのでショカツサイよりはまし。とはいえやはり繊維質で食べてもあまり栄養にはならないだろう。辛みがあるのはいいけども、小さすぎて薬味にはなりそうにない。葉っぱは菜っ葉っぽい味が少しするくらい。

 ∧∧
( ‥)よーく洗っているとはいえ、生というのは

     (‥ )呑み込んでないし(呑み込んでも栄養になりそうにない)
         それにアブラナ科の辛みは熱で分解しちゃうと
         聞いたので、そこはやはり生でね。

 あれですかね、すりおろされた時に細胞内の化合物と酵素との反応で辛みが出るというから、煮たりすると熱で酵素が失活しちゃうから辛みが出ないのかね? (実際、生のダイコンはおろすと辛いけども、煮たダイコンは別に辛くないわいな)

     ( ‥)謎は公園に転がっているのだ。
 ∧∧
( ‥)でっ、そろそろ仕事をしてください。

 へいへい。

 

花咲く道はどこにある?

 
 サクラがそろそろ咲き始めた。そういえばサクラを見たいと言っていたなあ。今度、サクラを描くとしよう。

 さて

 被子植物の花を見ることで、被子植物の大系統を編むことができるか?

 ∧∧
( ‥)可能?

     (‥ )どうだろうねえ???

 爬虫類とかの系統を骨から編むのは、まあそんなに難しい話ではないと思うけども(議論の余地はあろうが)、花はどうだろうか?

 ∧∧
(‥ )萼、花弁、雄しべ、雌しべが螺旋状に配置されている
\-   グループは認識できそうですけどねえ。

     (‥ )昔のモクレン亜綱とか下綱とかとして
         くくられていた感じでならねえ。

 単子葉植物が単系統であることは、まあ強力にサポートされるわけで、ざっくりと言うと

 (花の構造が螺旋状に配置されている)(単子葉植物)(5放射状の花とかなんか花っぽい花)

 ∧∧
( ‥)なんかこんな感じには分けられると?

     (‥ )この場合の(花の構造が螺旋状)というのが
         結果的に多系統になるのだが。

 以上に加えて花粉の溝が1つか3つかで、非常に楽観的に考えると比較的妥当な幾つかの系統に再編成は可能?

 ∧∧
( ‥)でも、、、そもそも外群比較は
    どうするんですか??

     (‥ )そこなんだよねえ。

 仮にごく単純に考えてイチョウと球果植物とソテツを外群とした場合、生殖器官が螺旋状に配置される、というのは原始形質になるとして

 ∧∧
(‥ )花の構造が螺旋状というのは系統をくくる形質としては
\-  はい消えたーっで、(単子葉植物)(花っぽい花で花粉に溝3つ)
    そしてよくわからない原始的な群が複数出来る??

     (‥ )とっまあ、なにかうまくいったような
         感じなんだけども。

 でも、この外群比較をした時、イチョウと球果植物、ソテツのくるくると巻いた生殖器官の配置と一部の被子植物の生殖器官が螺旋状というのと、同じだと前提していることになるよね? これって結果的には妥当なのかな?

 ∧∧
( ‥)でも手持ちの限られた理解と前提から
    推論を始めたら必然的にそうなりますよね?

     (‥ )そうねえ、結局、我々はいつでも
         有限の、それも本来あったものよりも
         明らかに少ない情報で勝負せざるおえない
         からねえ。

 化石記録は永久に不完全だが、現在の生物は情報量が圧倒的に多い。ゆえに分岐学は化石には適用できないし、永遠に不完全な系統しか出力できないと言った人がいたけども、まあそれは思いっきりなたわ言だ。というか、あんたゴーティエも知らないんだろ? としか思えない(さもなきゃ知らないふりして嘘ついたのかどちらか)。そして帰納論がどうして哲学者に不安をもたらすのかも知らないのだろう。

 ∧∧
( ‥)でっ、それはともかくとして
    生殖器官が螺旋状に配置される
    ということは同じでいいんですかね?

      ( ‥)植物の体が軸から枝なり葉なりが分岐して
        -□ それがしばしば螺旋状に配置されること
          生殖器官がそうした葉なり枝なりにあったもの
          由来である、という推論からすれば
          同じといえば同じかな。

 問題はその器官と配置ができた時のイベントそれ自体は共通かどうかってだけで(コウモリの翼と鳥の翼は前足としては同じではあるが、翼としての機能を得たイベントは別々なので翼としては同じではない)。

 ∧∧
( ‥)被子植物の起源には論争があるし
    化石記録がもう少し詳しければねえ。

      (‥ )それでもある程度は分かっているわけで
       □- 

 さてー? 公園と花屋の花を見て、花の系統を編むことはどこまで可能?

 

それはコーヒー豆に似ていた

 
 コブシの花のスケッチをアップUntitled Document

 ∧∧
( ‥)そろそろ仕事をしてください

     ( ‥)はいはい

 コブシの花粉も顕微鏡で見てみた。メチレンブルーで簡単に染色するとなんというかコーヒー豆みたいな姿が見えてくる。

 ∧∧
(‥ )溝は片面にしかないんでしょうか?
\-
     (‥ )なかなか分かりかねるねえ。

 幾つかの花粉には溝が見当たらない、というかなんか花粉越しに向こう側に溝っぽいものが見える? という状況だったので、たぶん思うに、片面にしか溝がないんじゃないだろうか、と推論。もう少しうまく観察できないものか。

 ∧∧
( ‥)でもまあ、これがプリミティブな花粉の姿
\-   というわけですよね?

     (‥ )そう考えていいと思うけどもね。
 

 とはいえ、なかなか形質の解釈ってのは難しい。マグノリッドクレードや単子葉植物、スイレンなどの花には3放射とでもいうのか、そういう構造が共通して見られるらしいのだけども(詳細はよく分からない)、これらは収斂だという話。

 ∧∧
( ‥)形質の判断ってのは
    総合的に見ないとだめですよねえ

     (‥ )いやまったく。

 単子葉植物の花の構造を今すぐ言えと言われても、そうねえ、チューリップは3つの萼と3つの花弁、6本の雄しべを持っていて、雌しべが3放射に見えるってぐらいですわいなあ。

 ∧∧
( ‥)ツユクサもそうですよね

     (‥ )そうだね。単子葉植物では
         それが基本的な形態なのかねえ?
    

 まあそういうことも含めてもろもろ検討しないといかん。そういえば、ツユクサの花粉に溝って見た覚えがないよなあ。
 

2010年3月26日金曜日

だから僕は頭がいいから苦しいの、という詭弁

 
 でっ

 ∧∧
( ‥)おととい、昨日とずっと寝ていたわけですが

    ( — —)うーむ、なんでだろうね?

 仕事したり、徹夜のまま三浦半島へいったりしていたせい? まあ、とはいえ、おとといはショカツサイを食べてみたり、昨日はうざったい電話セールスを排除するために番号非通知の電話は通知しないと受けないよーというサービスに切り替えたり、

 ∧∧
( ‥)とはいえ、ずっと寝ていましたよね

    (‥ )なんでだろうねえ。

 ちょっと前にはやった言葉を思い出す。100年に一度の不況。

 ∧∧
( ‥)そうなの?

    (‥ )? いやあ、別に普通の不況だけどね。

 そういや一時、蟹工船が流行ったりしてましたけっね。

    (‥ )小説読んでる暇があるなら他にやることあるだろうに。
 ∧∧
( ‥)まあ、別にいいんじゃないですか?
    うっくつした時にアニメみたり
     漫画で全能感を得たりするってのは
     ありがちでしょ?

 マルクス主義を解説する本もほんのちょっと流行ったけども。マルクスバブルはとっくの昔にはじけて終わっていたわけで、今更どうこうなるものでもなし。

    ( ‥)昔は、論理的であればそれで正しいのだ
        楽園は約束されている決定事項であって
        それに反対するのは反動勢力だ、そう言えば
 ∧∧
( ‥)そういえばよかった時代があったというわけ
    ですか。

 そんな時代がとっくの昔に終わったというのはいいことだ。

 とはいえふと思う。論理的であればそれでいい。楽園は決定事項。自分に反対する連中は論理が分からない馬鹿。こういう馬鹿は決定事項の到来を遅らせようとする反動勢力。だから叩き潰していい。叩き潰す俺たち正義。無意味に主語でかい。

    (‥ )これってものすごくしばしばよく見る
        論法だよなーと。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、そうかもしれませんねえ。

 なんというか、平均よりちょーっとだけ頭がいい連中が陥りやすい論法だよなーと。
 
 論理はそれ自身で現実を説明してくれるわけではないし、正しい文章が現実を説明できているわけでもない。楽園が決定事項であるというのは決定論的な宇宙観で、一体全体いつの時代からタイムトラベルしてきたのか分からない(そもそもマルクスが19世紀の人間で確率以前の世界にいたってのが致命的か)。

 なによりも、論理を金科玉条に振りかざしてしまったので経験をフィードバックできなくなってしまったのが最悪(経験的にものを考えるのは論理とは呼ばないので、経験を無視して理論の通りに邁進するのは確かに論理的ではある)。

 ∧∧
( ‥)確かに、ちょっと頭いい人はこういう
    世界観とか科学観をしばしば持ちますよね。
    論理的であれば科学であるとか平気で言うでしょ?

     (‥ )まあそういう人はいっぱい見てきたよなあ。
         サイエンスライターにもいるんだよねえ、
          論理的であれば科学だって言う人。

 ちょっと頭がいい人ってのは本人の自己申告を聞く限りでは不幸の固まりであるらしい。平均よりもちょっと頭がいいから、道で会う人、会社で会う人、学校で会う人、そのほとんどが自分よりも馬鹿に見えるらしい。

 ∧∧
( ‥)そして世の中に不満を持つ?

     (‥ )不満を持つからこそ、あなたたちはこれではいけない
         こうあるべきだ、こうしなさいって
         自分から自主的に主張するんだろ?

 でっ、世の中に感じる理不尽を是正してくれる(と本人が思い込んで信奉できる程度に複雑な)理論を発見するとそれを信仰し、理論の実現に邁進する。ちょっと頭がいい程度だと”ちょっと頭がいい人”は山ほどいるので徒党もそこそこ組みやすくなる。
 
 ∧∧
( ‥)でも理論が妥当なものじゃなかったら
    あるいは理論を適切にバージョンアップする
    ようなことができなかったらどうなります?

     (‥ )すべてに失敗して勝手に絶望するんじゃねーの?

 だからほら、そういう年齢の文化人を気取るおっさん、おばはんを見てごらん。連中は斜に構えて恨みと憎しみとあきらめを込めた眼で他人を見ながらどうせだめだと笑って愚痴をこぼす。

 平均よりちょっと頭がいいってそりゃあ不幸なこったろう。
 
 世間の人間に失望する程度に頭が良くて、そのくせ問題を適切に解ける方法論を発見できる能力を持たず、自分がつまるところ阿呆だということに気がつかないままに自分勝手な絶望を抱いてる。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)あなたはどうなんです?

     (‥ )自分が行方不明っていうかね。

 自分の座標をロストした。
 

 

2010年3月24日水曜日

そして僕は根っこをかじる

 
 雨がずっと降っている。こんな季節に雨が降るとすぐに温度が下がる。公園に散歩へいってみると、さあああああーーーっと何か小さい固いものが無数に落ち葉を叩く音がする。

 ∧∧  ぱらぱらと氷の粒が降っているんですね
(‥ )
 -( ‥)雲の上から融け切らないまま
     落ちてきたのかな?

 公園の隅っこに生えていたショカツサイを引っこ抜いて、根っこを洗い出すと、あれまあ、太くて白くてちょっとダイコンっぽいじゃないですか。どんな味だろう、共有派生形質だという辛みはあるのか? さらに洗って、そいでもってかじってみる。

 ∧∧
( ‥)でっ? お味のほどは?

     (;— —)うげええーーー
 
 繊維質でがちんがちん。とても食べれたものではない。というか噛んでも食べられる部分がない。汁が出るぐらい。飢餓や飢饉にでもならないと口にしない代物だろうし、無理矢理に呑み込んだところで栄養にはなってくれなさそう。

     (‥ )とはいえ、味も匂いも辛みも
      ゜-  ダイコンだね
 ∧∧
( ‥)別属なのにねえ。

 あの味や辛みはアブラナ科に普遍的な特徴かそれに近似?
 

2010年3月23日火曜日

コブシを上げろ

 
 近所の空き地にショカツサイが生えていたので、ちょいと掘り抜いて持ち帰ってスケッチ

 ∧∧
(‥ )紫色のきれいな花ですね
\-   これでもアブラナ科ですか

    (‥ )まあ、花の構造はアブラナというか
        ナズナとおおむね一緒だなあ。

 ↑アブラナの花、そのものをじっくり見たわけではないのでこういう言い方になる。

 ショカツサイは中国原産らしい。春先に大きめで、なおかつきれいな紫色の花を咲かせるからよく目立つ。生まれ故郷にはなかったと思うけども、関東では春の風物詩のひとつってところ。

 しかしそれにしても妙なことに、ショカツサイは花によって雌しべの長さが違うような、、、、。開花の順序とその様子からすると咲いてから時間がたつにつれ、最初は雄しべしか見えなかったものが、だんだん雌しべが長くなって出てくるように思える。

 はて? 受粉すると子房が膨らむから? それとも雄しべが先で、次に雌しべが主体っていう性転換とかそういうの??

 ∧∧
( ‥)見ただけじゃあ良く分かりませんね

    (‥ )そうねえ。

 そんなこんなで公園にいった時に季節が終わって花芽をのばしはじめたハボタンを見る。ショカツサイもナズナもタネツケバナもハボタンも、どれも同じアブラナ科だというのに、いやはやハボタンのとんでもない葉っぱの大きさとその姿。ああいうのを見ると人間というものがどれだけすごい選択圧を栽培植物にかけてきたのかよく分かるってもの。

 さて

 hilihiliのコンテンツで被子植物の系統をこつこつ作っているので、比較的原始的な被子植物、モクレンの仲間であるコブシの白い花が咲いていたので公園でスケッチ。持っていった色鉛筆が微妙にはずれた色ばかりだったので苦労したけども、ともあれ、描いて、そして帰る。

 ∧∧
( ‥)モクレン群のコンテンツはとりあえず作ったけども
   コブシのイラストはまだアップしませんか。

     ( ‥)まあ、もうしばし待ちなさい。

 モクレン群の共有派生形質はよく分からない。しかしコブシの白い花は奇妙に原始的できれいで印象的。

 

 

2010年3月22日月曜日

そしてタネツケバナは僕らの分類を笑う

 
 ヨーロッパ、例えばドイツと日本とでは8時間の時差がある。

 ∧∧
( ‥)こちらが8時間未来ですね。

    (‥ )そういうこっちゃな。
    \-   あっちはまだ夜の10時だ

 昨晩の夜の9時に西の空へ落ちていく三日月を見たが、例えばドイツならまだ昼の2時。一応、同じ月は見えているはずだけども、青い空にかすむ白くてはかない、そしておぼろげな月だろう

 ∧∧
( ‥)やっぱり満月以降くらいが
    日本とドイツで同時に見られる月
    ですかね?

     (‥ )そういう感じかな。

 さて

 アブラナ科の共有派生形質は4つの長い雄しべ、2つの短い雄しべだけども。

     ( ‥)タネツケバナの花はそうではないと聞いたけども、
       -゜ 確かにそうではないみたいだ。
 ∧∧
( ‥)おやおや、ナズナと並んで一番身近なアブラナ科の
    植物がいきなりそれですか?

 いわゆる、それは我々の分類を笑う、というやつ。

 ∧∧
( ‥)でも分類群を定義する一律な形質なんてないのに、
    なぜ分類群があるのか? という問いに答えた
    ことがダーウィンさんの業績でもあるんですよね?

     (‥ )とっ、言うわけでナズナとタネツケバナは
         使えると見た。

 いい感じで動いてる?

 

2010年3月21日日曜日

ナズナ

 
 ナズナのスケッチを生命の樹にアップ。Untitled Document その他、被子植物のコンテンツなどを手直ししたり、Eudicotのコンテンツを作ったり。

 
 ∧∧
( ‥)こんな作業に丸々一日使っちゃいましたね
\-
     ( — —)まあ、しょうがないよ。
           一応、仕事になるわけだし。

 しかしまあ、そうねえ、実際のところこんなことでもしないと雑草の系統とか、それに付随する議論とか問題とか調べないよねえ。

 ∧∧
(‥ )アブラナ科の共有派生形質に辛みが??
 □-
     (‥ )なんかそうみたいね。

 考えてみればそうか、ダイコンは辛いし、カラミダイコンなんていう品種もあるし、ワサビもアブラナ科だし、ワサビダイコン(書籍によってはセイヨウワサビ)も辛みを目的に栽培される品種だし。

     ( ‥)さっき引っこ抜いてきた
       -゜タネツケバナも少しワサビ臭がするような、、、
 ∧∧
( ‥)そうなんですか??

 まあ、今度、色々食べて調べてみよう。

 ナズナ、どうでもいいような雑草に見えて意外に奥が深い。

 

2010年3月20日土曜日

だってめんどくさいことしたくないじゃん

 
 ドイツはずいぶんあったかいらしい。

 日本のこちら、本日の関東は神奈川県。朝晩は寒いが、昼間は風が冷たいものの、曇りがちながらも太陽は暖かかった。ナズナをスケッチした。
 
    ( ‥)他に今日は何したっけ?
 ∧∧
( ‥).....

 ああ、朝は原稿のチェックしたよなあ。キャロラインがシャーロットになっていたのに気がついてあわててなおしたっけ。一応、後でもう一度確認しよう。キャロラインは嫁に出ているはずだし、年代を見て、整合性がとれるかどうか検討しなければならぬ。

 ああ、しかし、それから何したっけ?

 ∧∧
( ‥).......

    (‥ )いやいや、仕事したよ、仕事した。
        図書館にいってギリシャ語の辞書引いた
        部屋の整理もしたよ、本の間に道ができたよ。
        テラスにすぐいけるよ。すごいよ画期的だよ。

 さて

 テレビとか新聞社とか図体がでかくて時代に対応しきれていない情報産業がヨロヨロとよろめいてる。無駄に図体がでっかい分、そう簡単に倒れないけども、ああ、でも予測するにあの人達はどうにもしないんだろうなあ。

 ∧∧
( ‥)なぜにそう予測します?

    (‥ )人間はコストを最小限、利益を最大に
        しようと考える動物であるとしようじゃないか。


 会社や組織で利益を最大にする手段とは何か?

    (‥ )何もしないで給料もらって、危険な選択肢を選ばずに
        定年退職、退職金と年金、セカンドライフ、うはは。
 ∧∧
( ‥)まあねえ、そりゃあ当然ですよねえ。

 ということはベストな戦略とはすなわち

 ”何もしない”

 ということに違いない。ありきたりな答えで、しかしベストな選択肢。さあ世の中のおじさんおばさん諸君、民間も企業もNHKも何もしない仕事人生を満喫しようじゃないか。


    (‥ )まだ会社に余裕のある期間に退職できる
        上司は安全パイをとることが可能であるし、
        ゆえに部下に冒険はさせないに違いない。
 
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ、それがベストな戦略でしょうねえ。


 会社がつぶれる前に逃げられればそれでいいではないか。問題ない。さあさあ、今日も会社に愚痴をこぼしながら、自分の人生を肯定的に評価しつつ、現実には眼をつぶろう。幸せになることは悪いことじゃあないはずだ。


 ∧∧
( ‥)じゃあ、よろめきはじめたああいうでっかい企業は
    手遅れになるまで何もしないと?

    (‥ )そうじゃねえの?

 体に悪いと知っていても酒やタバコや遊びやデブはやめられないだろう。個人でさえ是正しないのだから、個人の集合体の企業なんてもっと阿呆に違いない。

 ∧∧
(‥ )でもテレビがないから良く分かりませんね。
\-
    (‥ )そうねえ、今頃、世界はどうなっているのかねえ。

 世間が何をしているのか、それは興味が持てない謎。

 
    (‥ )幸せとは不幸の源だよ
 ∧∧
( ‥)はあ
 



      

2010年3月18日木曜日

その論拠はどこから湧いて出た?

 
 森は木の芽がほころびはじめたので、もやーーっとしてる。もやーがもややーーーーっとしてきた。林の中でタチツボスミレも咲き始めたし、いよいよ春の花のシーズン到来。ドイツの森はどんな感じだろう?

 さて

 出版界も市場縮小、赤字だけども、しかしテレビはもっとつまらない。はて? すると出版界の人間よりもテレビ界の人間の方が仕事をしていないってことだろか?

 ∧∧
( ‥)手抜きがばれやすいとか?

    (‥ )さあ? 

 背景真っ白で面白いコンテンツを作れと言われて、できないよと言うのがテレビで、はいはいとやっちゃえるのが漫画?

 さてさて

 漢方薬ってやつには妙な話がついてまわる。例えばの話

 漢方には副作用がない

 ∧∧
( ‥)そんなわけないでしょ?

    (‥ )まあないよな。

 水だって一時に大量に摂取すればえらいこっちゃになるわけだし、塩だってそう。だから最低限、

 「副作用がないなんて断言できるわけがない」

 ということは言える、そして事実として副作用はあるだろう。

 ∧∧
(‥ )化合物や化学物質が天然由来だからといって
\-   有益かつ無害であるっておかしいですよねえ

    (‥ )そりゃあね、おかしいだろうね。

 確かに、完全に合成された塩化ナトリウムと海水から煮出して作った塩はずいぶん違うけども、それは

 ∧∧
( ‥)不純物があるかないか(極微量)の違いでしょ?

    (‥ )煮出したのなら塩化マグネシウムとか
        もっと微量の元素とか
        色々入っているわいなあ。

 しかしそれは天然(おかしな言葉だ)と合成はそういう意味合いにおいて違うってだけの話。生物に必須のものが混入しているとか、そういう理由で不純物が入っているからいいこともあるけども、逆にいえば、、、

 ∧∧
( ‥)不純物が入っているからやばいってものも
    ありますよねえ。

    (‥ )純粋で健康、天然だって言われて販売されているけども
        いやあ、それ、ダイオキシンとか水銀入ってるっしょ
        ってものも普通にあるからなあ。

 とまあ、そんなこんなで漢方は副作用がないってのはずいぶんおかしな話だ、と思っていたら、最近、聞いた話ではなんでも漢方の先生からしても”副作用がない”というのはおかしな話なんだとか。

 ∧∧
( ‥)漢方の背景理論って陰陽五行説とかそんな
    もんですよね? 水は火に勝ち、土は水に勝ち
    以下云々ってやつですよね。

    (‥ )あれってようするに、人体のバランスをとれば
        調和が保たれるって理論だよね。

 彼が言うには、中国の漢方の先生が曰く、ずっと摂取してたらバランスが崩れるじゃないですか、という話。確かにたぶんだけども、漢方の理論からしてもそうなるよなあ。

 陰陽五行説をこちらが採用する必要はないのだけども、その理論から見ても副作用がないという主張はおかしいでしょ、というのは、そりゃあそうでしょと言える。何千年も漢方してきたのだから、やばい処方や悲惨な結果を招くような説明は淘汰されて、理論自体はちんちくりんでも即座に有害で無い程度には穏便で当たり障りのない説明になっているだろう(だからたぶん、効能が即座でないのかもしれない)。

 ∧∧
( ‥)じゃあ、漢方に副作用がないって
    どっからきたんですかね?

    (‥ )さあ?

 原子論からしても、科学からしてもおかしいし、肝心の背景理論である東洋医学の視点からしてもおかしいとしたら、漢方に副作用がないとはどこから来た論拠なりや?

 

 

まあそこが組織の弱いところ

 
 そういえば先日、打ち合わせの時、相手の人がこんなことを言った。

 最近は、、いらいらするためにテレビを見ているようなもんで、、、。

 ∧∧
( ‥)確かに・・・・

    (‥ )テレビを持っていた時の最後の記憶は
        確かにそんなだったな。

 まあなあ、そりゃあなあ、テレビごときがネットや携帯に勝てるわけがないよなあ。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、携帯の向こうにいるのは
    生きた人間ですからね。

    ( ‥)テレビの中にいるのは台本通りに動く
        出来の悪い人工知能みたいなもんだからな。

 アイドルやタレントやキャスターはつまるところ調整された二次元キャラみたいなもんだし(というか3次元の生きている素材を使うから2.5次元というの?)、後はシナリオライターやプロデューサーの腕次第なのだけども。

    ( ‥)でもつまらんな
 ∧∧
( ‥)お金がかかるからですか?

 確かにセットにはお金も時間もそれなりにかかるけども、いやあ、つまるところ才能なんじゃないすかね? それかあれだ、根本的に組織の弱点じゃないの。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )漫画家は面白い連中がごろごろいるだろ?
        テレビはコンテンツで明らかに漫画に
        負けてるじゃんよ。

 セットが立派でリアルでもつまらないものはつまらないし、絵がへたくそ(ヘタウマ)でも面白い漫画は面白い。

 ∧∧
( ‥)じゃあ違いがあるとしたら

    (‥ )そりゃあ個人の才能じゃない?

 さもなきゃ、会社にいると適当ーな仕事してても給料が入るから困らんので知らんうちに手を抜くってやつだなあ。

 ∧∧
( ‥)出版社の漫画担当者も会社人間ですが。

    (‥ )だけども人間は見つけてくるよね。

 フリーのシナリオライターってのもいるんだろうけども、どうなんだろうねえ。個人の力を引き出す過程においてテレビはうまくいってないってことかねえ。図体だけでかくてよろめいて、手抜きで、組織の悪い点ばかり出ていて。それでも今の中核の人間が退職するまでは会社も保つから勝ち逃げする気かな? 中堅の人たちは。

 ∧∧
( ‥)いまやテレビは漫画以下の手抜きメディア?

    (‥ )事実として面白さにおいて負けているじゃんか。

 


NHK

 
 テレビ捨てたけど金払えとNHKから通知がくる。

 ∧∧
( ‥)そういえば集金にきたおばはんが、
    あたしは集金するだけで、解約とかそういうのはしてないの、
    だかなんだかと、、、

     ( ‥)そう言ってたか
         妙な話だがなあ。

 電話したら 

 テレビ捨てた? いやあ解約の手続きしてないですねえ、事務的な記録ないです、じゃああなたの言ったことを聞いたという集金の人に確認してから折り返し電話を、、、

 いやいや、ちょっと待て。集金に来た人間はあたしじゃできない、だって集金の業務を委託されているだけって言っていたわけだろ(うろ覚えだが)。じゃあ担当した人間に聞いたところで事務手続き上では何も意味ないじゃんか(聞いた人間は報告する義務はないと主張しているし、事実として報告していないし、しかし義務のない人間の報告を聞いてからでないとお客であるこちらが言ったことをまま受理しないというのなら、なんのこっちゃないお前の申告には意味がないと言っているのと同じ)。

 でっ? 担当した人間が覚えてないとか言ったらどうすんだい?

 と聞いたところ

 折り返し電話しますんで、しか言わないので、もっと上の奴に代われ、と言ったが

 ∧∧
( ‥)まあ、上の人間とやらも
    どっちも同じ反応でしたね
   
    ( ‥)本当に報告の義務がないのかどうか
        契約内容を把握してないのかもしれないな。

 集金しているおばはんと自分たちがどんな契約かわしているか、あんた知らないだろ? といっても折り返しかけ直すので、の一点張り。ああやっぱり、知ってないなこいつら。

 どうでもいいから解約しろと言うと、解約するなら部屋を見せろという。

 じゃあ今すぐこいと言うと、すぐには無理だとか抜かしやがる。おまけにNHKの未払い料金は債券になるのだとか言う。すぐには確認にはいけないけど、その分の金は債券だから支払えってか? おいおい? どんな悪徳商売だよお前ら。

 いいから今すぐこい、でさっさとこさせた。

 ∧∧
( ‥)30分できましたね

    (‥ )隣駅だもん、当たり前さ。
        歩く距離だけ考えれば1キロないんだよ?

 できるなら最初っからやればいいんだ。高給取りのくせになにふざけたこと抜かしてやがる。時給分の仕事しやがれ。

 ∧∧
(‥ )でも名刺の名前からすると
 □-  電話で対応した人じゃないですね

    ( ̄  ̄ )時給分の仕事・・・・・

 まあ、何はともあれ、これで僕ちゃん文系だからノーベル物理学賞の内容分かりませんとか平気でほざくキャスターを飼っているような連中とは正式に縁が切れたわけ(なのか?手続きしてないから金払えとか平気で言いそうな連中だ)


    (‥ )いいかね。死んだNHKだけがいいNHKだ。
 ∧∧
( ‥)はあ
 
 

その壁はなんである?

 
 ∧∧
(‥ )テラスに出していたサクラソウの花が
□   咲きました

    (‥ )ドイツは今日、明日と暖かいみたいだ
        あちらもそろそろサクラソウが咲くのかな?

 さて

 すでに昨日、のそのそと歩いた三浦海岸、そしてその台地。歩いて、見て、そして帰ってからまたgoogleで思い出に聞かされた家を探してみて、そんなこんなでなんか気がついたことがある。

 ∧∧
( ‥)うねうねの谷間が分岐する股にあたる部分では
\-  岩石が壁のように露出しているみたいですね。

    (‥ )?! 確かに昨日見た谷間はそうだったよなあ。

 はてねえ、浸食ってそういう作用をするの? まあ分岐した谷がそのままさらに浸食されると分岐点のV字状の突出部は、上から見ればたしかに台形を逆さにした形になるといえばなるか。

 つまり \  /  → \__/  
      \/
 

 ∧∧
(‥ )重機を入れて削ったとか?
\-
    (‥ )谷間はどこもかしこも畑だからね。
        でもそんなことをしてもあまり広く
        ならないぜや。

 そういえば海岸近くの小さな崖を見たら、海岸の岩石と同様?の岩ががさがさに崩れて砂と一緒に埋まった層が露出していたけども、ああいうのって浸食の過程で崩れて流されて埋まったくずだろうか?

 ∧∧
( ‥)谷間の壁が出来る過程で崩れた岩石も
   含まれているとか?

    (‥ )かもしれないね。

 あの壁は何?

 

2010年3月17日水曜日

そしてその場所を探しにいった

 
 ∧∧
( ‥)でっ、始発電車に乗って三浦半島まで
    いってきたというわけですか・・・

     ( ‥)7:15には海岸につくという
         この速さ。

 海岸の岩石に残る生痕化石を眺め、部屋で飼っているイソギンチャクのために海水をくみ、そして歩き始めました、緑のうねうね目指して

 ∧∧ やっぱりうねうねの正体は谷間の斜面ですね
(‥ )
 -( ‥)河川の浸食だよねえ。

 うねうねの中にはどれも小川が流れてる。ところどころ海岸のものと同じ堆積岩がわけわからん方向を向いて露出していたり、堆積岩の上に関東ロームが乗っているせいか湧き水がわいていて、そこにはオタマジャクシたちがいたりする。深海の堆積物と火山灰の堆積物の中にオタマジャクシがいるのはなかなか愉快。

 ∧∧ 道がなくなりました
( ‥)
 -( ‥)むう

 谷間の奥はさすがに手つかずで完全な森とやぶに覆われていた。いけばいくほど歩きづらくなるし、小川の浸食で溝まで出来ている。しょうがないのでマムシグサを傍目に見ながら、斜面を無理矢理に登って出てみれば、そこは台地の上、一面がダイコン畑、そして見つけた目指す家。

 三浦半島ね。子供の時、そこにあった別荘のような家に何度かつれられていったことがある、しかし今ではどこにあるのか分からない。近くに漁港があって、周りは畑で、他に家がなくて、農道を通っていった場所にあって・・・。

 そんな思い出話を聞きつつ、はて、それならgoogleでも位置が分かるのではあるまいか? あのあたりは人家が少ないわけだし該当する特徴的な家なら航空写真で充分に分かるだろう。

 そう検討をつけてみれば目的の場所のすぐ近くにあるじゃないですか、なんかかなり記述に合う家が。じゃあだったら谷間と地層の観察と一緒に見に行こう。航空写真から見るにその家がある場所は地形的には浸食されて成長する谷間の、本当に一番奥。ようするにこれから台地が削れ始めたところだよというところであって、つまるところ目的の谷を突破すればそれでそのまま辿り着けるって案配(谷間が途中で分岐するので正確には家の横に出る)。

 ∧∧ そしてドンピシャリ目の前に出ましたね
(‥ )
 -( ‥)それはいいのだけども、むう、意外と
   -□  近くに人家があったなあ。

 航空写真ではもっと孤立して見えたのだけども、現場に立ってみると意外と近所の家が目立つ。聞かされた思い出話にかなり合致する家なのだけども、整合しないところがあるのも事実。

 ∧∧ もう少し、手広く探してみますか
( ‥)
 -( ‥)地層を探しつつ、家も探してみよう。

 帰り際には赤土の露頭を観察。なかなか考えさせられるものがある。

 

2010年3月16日火曜日

そのうねうねを知れ

 
 恐竜絶滅は隕石衝突ってことで決まりでいいですよねー、というある意味ありきたりな論文が出たのだから、そろそろちゃんと絶滅のコンテンツもきちんと作ろうかなー、夏ぐらいまでに、と考えているこの春先。

 ∧∧
( ‥)外は雨がざーざー

    (‥ )軒下の洗濯物は大丈夫かいな。

 さて

 三浦半島の南部。そこは海岸にある漁村と港町。そして台地とでもいうのか、半島の高い場所を占める大根畑とキャベツ畑の広がる世界。

 しかしgoogleで見ていると、あっちこっちにうねうねと緑のラインがのたくるように伸びている。

 なんだー? これー?? と思いながら、ストリートビューも併用したり、実際に近場を歩いた経験から考える。

 ああ、これは、、、

 ∧∧
( ‥)開発されずに残った斜面ですね。

    (‥ )おいちゃんの家の近くでいうと河岸段丘の
    \-   斜面と同じなんだろうね。

 たぶん、半島が隆起して大地となり、しかしそれと同時に浸食され始めて、谷間は田んぼや民家に(谷間は水が豊富なので)、上の台地(とでもいうのか)は畑に、そして間の斜面は開発できないので森のまま。たぶんそういうことっぽい。

 ∧∧
( ‥)うねうねが分岐して走るのも

    (‥ )河川(この場合は小さな小川)が
        作ったからだな。

 また今度、いって調べてみましょうか。

 

 

2010年3月15日月曜日

バーチャルで歩く

 
 確定申告は無事終了。事務作業が嫌いなので、ようやくせいせいとした感じ。帰宅後、googleで三浦半島をリサーチ。

 ∧∧
(‥ )半島の南部は町と畑だらけですね
\-
    (‥ )以前、西岸から東岸へ半島を歩いて
        抜けたことがあったけども、、、

 途中で広大な畑が広がったり、放棄された大根やキャベツが山になっていたり(生産調整ってやつですか?)と、へー、大通りから一歩離れるとこんなふうになっていたんだ、と思ったことが。

 そういうわけでグーグルのストリートビューを使って、かつて歩いた道を探してみたり。

 ∧∧
( ‥)懐かしい風景が出てきましたよ
\-
    (‥ )意外と狭い場所だったんだな。
        実際に歩くと、「うわあ、広い」と
        思ったもんだけど。

 ちょっとした丘の上にお家があると言っていた。どれだろう。該当しそうな家は幾つかあるようだけど、よくわからない。

 そして以前、歩いた道には赤土の路頭があったように記憶していたのだけども、しかしビューでははっきりしなかった。今度確認しにいってこよう。

 ∧∧
( ‥)時代としては新しい赤土ってことに?

    (‥ )それが分かればいいね。

 


本当に必要なのか?と問われたら

 
 自営業者は本日中に、去年の収入はこうでした、必要経費はこうでした、それで計算すると実質的な利益はこれこれになります、そこから計算すると払うべき税金はいくらになります、ですが、、、、

 ∧∧
( ‥)ですが、すでに徴収されている税金は
   これこれでありまして、私はすでに必要以上に
    払っています、ですから、、、

     (‥ )ですから計算上、必要以上に払ってしまった
         税金を還付してください、あるいは
         払うべき税金はこれこれですので、これだけを
          支払いますね。と述べるわけだが。

 それが確定申告。必要経費を主張するには領収書が必要になるので、自営業者はあっちこっちで領収書をもらうようになる。

 ∧∧
( ‥)そういえば、自営業を営んでいる家族が
    外食の時の食費を会議の必要経費として
     領収書をとるということもあるみたいですね。

     (‥ )まあ、会議っちゃ会議かもな。

 単に議事録が、ねえママー、お醤油とってー、こらっ野菜もちゃんと食べなさい、パパ、最近太った? お前は学校で一体全体、何をしておるんだ?? とか、そんな内容になるってだけで。

 ∧∧
( ‥)まあ、そもそも議事録をとってないでしょうね

     (‥ )そうだろうねえ。

 もちろん税務署だってそんないちいち細かいことなんかやっていられないので、それなりな収入、収益のある個人、自営業者、店にしか訪れたりはしないわけだけども(ようするに、このくらいは税金として採れますよね、という目算と利益の目処がたって行動するということ)。

 さてさて

 そんなこんなで必要経費と領収書を計算してみたところ

 ∧∧
(‥ )書籍代がAmazonだけで
\-   90万を越えてますね

    (‥ )あらら、、、、

 輸送や移動費などが減った代わりにamazonが圧倒的に増えた。書籍代はトータルで100万を突破。一方、論文のコピー代は4万円台でそんなに高くない(今年はコピー代が増える予定)。

 しかしもしも税務署とかに、この本が本当に必要なんですか? と問われたらどうしたものか。そりゃあ必要だから買ったのだ、と答えられるし、その必要性もとうとうと説明できるけども。

 ∧∧
( ‥)でも、本を読まず、口からでまかせを書くことだって
    できるわけでしょ?

    (‥ )そしたらもっと効率よく仕事ができるだろうなあ。

 実際、一般消費者は自分でいちいち記事や本の妥当性なんか調べないし、調べる人でも勘違いして間違った結論に辿り着くことがしばしばある。調べてなおかつ正しい結論に到達できる人間なんてごくわずか。

 ようするに、でまかせを書いてもバレないし、バレるにしても、調べて正しい結論を発見し、記述内容のおかしさに気がつく人は少数なわけだから、そんな少数派が例えば「水に良い言葉をかけてもどうにもなりゃせんよ」と言っても別にたいした効果はない。

 だいたい、最初に騙された人、実のところ本人は騙されたとは思っていないし、そもそも言い出しっぺの人間もそれを信じていたら騙したことにはならないのだけども、そういうヨタ話を鵜呑みにした人間は考え方を変えないだろう。人間はいちいち物事を調べたりしないのだから答えを知ることも、反論があることすら知ることはないし、認識すらしないのはこれ必然。

 ∧∧
( ‥)つまり正しい情報発信には
    あまり意味がないと。

    (‥ )たいした効果は認められない、というのが
        より正解かなあ。

 じゃあそういう状況であるこの世界の中で、本とか資料を集めることが本当に書き手なりライターなりに必要なことなのか? と問われたら。

 ∧∧
( ‥)どう答えます?

    (‥ )ライターにとって情報収集と論文の妥当性を
        検討することは、必ずしも必然ではない、
        そう答えるね。

 そんなことをしなくても書けるし売れるという現実は、つまるところそうした行為が必ずしも必要ではないということを示している。

 なんのこっちゃない。正しいことや確からしいことを伝えるのはサイエンスライターの条件でもなければ、義務でもないし、必然でもないってことだ。

 ∧∧
( ‥)では、あなたはなんて答えるんですか?

    (‥ )サイエンスライターにとって必要なくても
        私の作業には必要だ、そう答えるかな。

 サイエンスライターなんて肩書きに、何の意味も意義もなく、必然性すらありゃしない。
 
 
    (‥ )人間最後は、自分勝手にやれ、しか残らないのよね
 ∧∧
( ‥)はあ。

  



 

2010年3月14日日曜日

ぼんやりしてきた

 
 暖かい南風が入って日中はまさに春の陽気。

 ∧∧
(‥ )公園へいってみれば、樹々の芽が
    芽吹きそうな予感

    (‥ )ふくらんできたねえ。

 こういう季節、森は多数の芽が膨らんで、芽吹いていくので、もやーーーーっという感じになる。

 さて

 人件費が安いことを武器にして、より生活水準の高い国から仕事をもらい、そして売りつける。

 ∧∧
( ‥)でも、生活が豊かになれば、いずれ人件費が上がって
    今までお客様だった国と肩を並べて、
    ついには仕事をもらえなくなる。

    (‥ )少なくとも、単純労働では仕事はもうもらえないって
        ことだな。

 さもなきゃ、パートや非正規労働者を多くすることで人件費を押さえなくてはやっていけない。手に職がない人間は多分、一生、非正規労働者のままだろう。これに対して人件費が安い時代に就職した年配の人間は、いってみれば勝ち逃げ。実力がともなった地位ではないけども、まあ勝ち逃げであることには違いない。

 ∧∧
( ‥)その一方では、自分たちが豊かになって自分たちの
    人件費が上がったので、海外のより安い生産物を
     輸入して買うと。

    (‥ )かつて自分たちがしたのと同じことを
        よその国にやらせるってわけだな。

 安いものが手に入ったわ、とほくほく笑顔の一方で、給料がちっとも上がらないのはどういうことだ?? 生活が厳しい以下ウンヌン。さんざんにこぼすことになるのだが、その不満は言ってみればたわ言だ。

 ∧∧
( ‥)でも、たとえたわ言であったとしても
    それを言わないと生きていけないんですよね。
    あなたたちお猿さんは。

    ( ‥)社会が悪い、会社が悪い、景気が回復しない
        給料が上がらない、安いものが欲しい。
        僕は不遇だ、私は悪くない、認めないあいつらが
        いけないんだ、愚痴をこぼし続けないと人間は死ぬんだよ。

 と、言いつつ、人件費の安い中国とかインドに頼って、相手を買いたたいたり、あるいは商売に負けたり、品質が悪いと愚痴をこぼしたり、あちらの景気におんぶにだっこだったり。

 だがしかし

 ∧∧
( ‥)中国やインドもいずれ飽和状態に達するはずですよね

    (‥ )たぶん、僕らが生きている間にね。

 あちらは格差が大きいから、そう簡単に飽和状態に達しないだろうと楽観視していたのだけども、そうではないのではないのか? という意見があって、検討してみるとそうかもしれないってことに気がつく。さてさて、もしもそうなってくるとしたら困ったもんだ。

 ∧∧
( ‥)あなたの人生も後半生は
    えらいこっちゃに?
    時が来たらどうします?

    (‥ )ならないためにはさてどうするね?

 未来は曖昧模糊としていて、とりとめがなく、窮屈で広大だ。



 

2010年3月13日土曜日

夕日を追いかける

 
 仕事がすんだり、ここ直してくださいと再発注がきたり、打ち合わせにいったり、帰ってから人と飲みにいったり

 ∧∧
( ‥)東奔西走?

     (‥ )まあ、そういうことになるのかな。

 知っている子がドイツに帰った。電車に乗っていて夕焼けを見ながらふと思う。ドイツへいくのなら、あれですか、北回りですかね、どっちにしろ太陽を追いかけるわけだし、そしておよそ11〜12時間のフライトでも時差が8時間引かれるから

 ∧∧
(‥ )夕方の3:00ぐらいに出たとして向こうにつくのは
\-   夜の7:00ぐらいですね。もうすぐですか。

     (‥ )夕闇のすぐ後に到着する。
         よく言われるように、ずーっと太陽が沈まないわけだな。

 しかし今の季節、北回りだとしたらどんな案配に見えるんだろう、よくわからない。
 
 ∧∧
( ‥)太陽が地平線の近くにあって
    薄暮の時間が長く続くのでしょうか?

     (‥ )どうなんだろうねえ。

 ともあれ、考えてみればドイツはまだまだ寒いけども、しかしもうじき春がくる。ドイツの春は初めてのはずだ。

 ∧∧
( ‥)森にサクラソウが咲きますか?

     (‥ )見てみたいなあ。

 
 どうよ、木枯らしの森も、もうすぐきれいになるの? その様子はどうよ。

 
 
 

2010年3月12日金曜日

累積した人生に画期的な転換を

 
 仕事は、

 ∧∧
( ‥)終わりましたか?

    ( ‥)多分。
      -□
 
 結局、夜が明けたが、しかし今日は打ち合わせがある。

 ∧∧
( ‥)ありがちですね

    (‥ )ありがちだね

 さて

 ふと気がつけば現在の政権が成立してからもう半年。

 半年前にはこの政権が半年もつとは思わなかったので、半年もつか金を賭けようぜー、オレ、もたない方ね、と色々な人に話を持ちかけたのだがだーれも賭けに乗ってくれず、成立しなかったのが懐かしい。

 そういう意味では素直に意外。ごめんね、過小評価して。

 ∧∧
(‥ )支持率は低迷しているみたいですが
\-
    (‥ )とはいえ、半年もったのは事実さ。
 

 テレビがないから知らないが、どうも世間では金の問題で支持率が落ちたとかなんとか。そうなんだかどうなのかは知らないが、でもどっちにしたって何千万だの何億だの、金の問題なんかどうでもいいじゃないか。

 ∧∧
( ‥)そういうもんですか?

    ( ‥)ちゃんとした仕事をそれなりにできるのなら
        ちょっとのことには眼をつむるさ。

 まあ金の話はどうでもよい。。

 しかしそれにしても例えばあなたの人生を劇的に変えてあげます、こう言われた場合、その言葉を信用する人は何人くらいいるだろう?

 ∧∧
( ‥)そんないるとは思えませんけどね。

    (‥ )まあ、そんなにはいなさそうだよね。

 一人の人間の人生がある日、突然劇的に変わるってことはめったにないし、変わるにしても悪い方向に変わるのがだいたいだと思う。考えてみれば人間ってのは生物だ。死んで水と二酸化炭素に分解されちゃった状態の方が実のところ安定的。それを考えれば人生が”悪い方向”に劇的に変化するのが当たり前と言えば当たり前。

 だからなんだろうけども、あなたの人生を良い方向に劇的に変えて差し上げます。だからこれを買ってください。そんな言葉を信用する人間はそうはいない。

    (‥ )ところがさあ、人間個人の集合体である社会を
        劇的に変えます、と主張すると当選できるって
        どういうわけ?
 ∧∧
( ‥)さあ? 有権者は”ああ、はいはい セールストークで
    2割増なのね、、、”と思っているだけで
    言葉通りには受け取っていないのでは?

 かもしれない。

 だが、人生の集合体である社会を劇的に変えられると思う人間がいたり、少なくともそれができる、なんでもやっちゃえるはずだ、あれもしよう、これもできる、そう主張する人間がいるのはどういうわけだ?

 ∧∧
( ‥)人生の集合体を劇的に変えるのは
    可能だと思っているのかもしれませんね。

      (‥ )変な世界観だと思わないかね?
 
 人生を劇的に良い方向へ変えることは、まあほとんどない。一人の人間ですらそうなのに、その集合体となれば色々な人生を平均化したようなもんだ。

      (‥ )そうした集合を劇的に良い方へ変えるとは
          これいかに?
 ∧∧
( ‥)さあ?

 
 

2010年3月10日水曜日

アレクサンダー

 
 19世紀末に海洋生物の分野で活躍したアガシ

 ∧∧
(‥ )ルイ・アガシさんの息子
 □-  アレクサンダー・アガシさんですね。

    (‥ )Louis Agassiz の息子が
         Alexander Agassiz ってわけね。

 お父さんは1807〜73年。息子のアレクサンダーは1835〜1910年。

 100年ばかし前の論文を読んでいるとあっちこっちでアガシ(息子のアレクサンダー)の名前が出てくる。どうもあっちに調査航海に出かけてはドレッジ、こっちへ調査航海に出かけてはドレッジという案配。

 ∧∧
( ‥)つまりお父さんのライバルであったフォーブスが始めた
    ドレッジを大々的に使ったってことですね。

    (‥ )まあ、海洋調査では当たり前の手段になっていたって
        ことなんだろうなあ。

 19世紀末にはアレクサンダーは60歳前後になっていた。論文からなんとなく垣間みるに、蒸気船アルバトロス号を率いたりして、深海生物を含めて色々な海洋生物の標本を集めた、あるいはプロジェクトを遂行したことがうかがえる。Poromitraもそうした調査で記載されたもの。

 ∧∧
(‥ )彼に献名した深海生物も幾つかあるみたいですね
 □-
    (‥ )そういや、ギガントキプリスもそうだよなあ。

 Gigantocypris agassizii .....あれ? アガシ?? ルイ・アガシのこと? とか、これまでぽけーーーっと思っておりましたよ。記載論文を読めば、はい、アレクサンダー・アガシに献名ですね、状況から察するに。

 他にもアレクサンダーさん、なんだか学術誌を1冊丸々ぶち抜いて総説を書いたりしているっぽい、というかそうだよね、これ、というのが見つかったりする。深海研究の歴史を簡単に解説している章があったり、遅ればせながら今度、手隙の時に読んでおこう。

 ∧∧
( ‥)それにしてもアレクサンダーさんは
    大御所であったと?

    (‥ )そういうことだろうねえ。
 
 どういう人だったのかは、これだけではよく分からない。



 

2010年3月9日火曜日

息子さんの方ですか

 
 19世紀末の深海関係の論文ではAgassizの名前がよく出てくるなあーと思っていたけども。

 ∧∧
( ‥)考えてみればLouis Agassizさんじゃないですよね

    (‥ )おおっ、うかつだ。19世紀末には
     □-  ご存命ではないからなあ。

 息子さん、ですか。
 
 *息子のアレクサンダーに関しては次を参照hilihiliのhilihili:アレクサンダー  
 

Poromitra

 
 Poromitra それはπωρος + μιτρα なのだという話。

 ∧∧
( ‥)πωροςは小さな穴という意味だ
  -/ とありますが

     (‥ )確かに手持ちの辞書ではπωρολιθοςで
      □-  limestoneあるいはporous stone とあるけども。
         *λιθοςは石の意味。

 でっかい本格的な辞書ではchalk stone formed in the joints とかそういうような意味合いのことが書いてある。

 *ちなみにποροωなる単語もあって、それはfurnish with poresなのだそうな。

 ∧∧
( ‥)ともあれ、μιτραはヘッドバンドのことだそうですね。

     (‥ )ギリシャ人から見るとアジアっぽい
         エキゾチックな頭に巻く装飾のことを
         指したみたいね。

 穴の開いたヘッドバンド。頭部の帯状になった側線と、そこに開口する穴のことを指すか?

 まあ、記載論文を読んで、頭の側線に穴が開いている、と記述があればその解釈でオッケーだろうと思ったものの。

 ∧∧
(‥ )記載論文にはそんなこと書いていないっぽいですよ
 □- 
     (‥ )あれえ?

 はて? じゃあ。あれか? むしろ石製のヘッドバンドという方がまだしも雰囲気にあっているかもしれないということか?(μιτραにはユダヤ教司祭が頭にまくターバンだかなんだかの意味もあるそうな)。

 ところで

 ∧∧
( ‥)Poromitraを採集したドレッジってAgassizさんが
    やったものだったんですね。

     (‥ )Agassiz、やるなあ。

 というか19世紀末の深海ものの論文にはアガシの名前がしょっちゅう出てくる。

 ∧∧
( ‥)そもそもドレッジってライバルのフォーブスさんが
    始めたことじゃなかったでしたっけ?

     (‥ )おう、アガシ。

 人の生きた時代と人生がほの見える。↑以上のAgassizさんに関する記述は北村の勘違いなので以下を参照のこと:息子さんの方ですか
 

2010年3月7日日曜日

されて困る質問というのは例えばこれだ

 
 最近、されて一番困った質問。


:分類を系統立てて教えて欲しい。


 はへ?

 ∧∧
( ‥)にゃ?

    (‥ )たぶん、その、なんだ。

:私の知っている分類群を順序立てて(半順序立てて?)教えて欲しい。

 という意味合いのことを言っているのだろうと意訳。

 ちなみにほぼ同じ質問が独立して複数。


 

2010年3月6日土曜日

本日のジョークでアイデア

 
 ひさかたぶりに某会合へ

 そして本日、というかすでに昨日だけども、飲み会の席で示されたジョークでアイデアな提案

 人類の祖先が直立二足歩行をしたのは


    (‥ )森から乾燥地帯に出たとき、
    -    地面があちちだったので手を離してしまった
 ∧∧
( ‥)いやいやいやいや

 この仮説を検証してみよう。

    ( ‥)チンパンジーをあちちな乾燥地帯に連れて行って
       - そして離すのだ。
 ∧∧
( ‥)おいおいおいおい

 もしも立ったら見つけもの

    (‥ )あちち、あちち
 ∧∧
( ‥)はい、はい、

 

2010年3月4日木曜日

デザインとはいかにあるべし

 
 高校以来の特撮好きな知り合いが、年甲斐もなく夢中になっているのがシンケンジャー。

 ∧∧
( ‥)年甲斐もなくですか

     (‥ )いいんだよ、世界に誇る日本のオタク文化だとか
         そんな理論武装をしなけりゃ表に立てないような
         そんなやわなやつじゃない。

 でっ、そのシンケンジャーに出てくる正義のメカ、シンケンオーは5体合体

 ∧∧
(‥ )5つのメカがそれぞれ左右の足、左右の腕、
\-  胴体に変形、さらに合体ですね

     (‥ )さらに5つのメカがそれぞれ
         個々に変形して獣形態になるそうだ。

 玩具としてはそれでいいのだろうけども、関節が多い分だけ壊れそうだなおい、と思ったら、実際に玩具でも一部、壊れやすい部分がどうしても出るとか、なんとか。

 そこでふと、思い出す。

 そういえばシドミードがガンダムのデザインをしたときに、そういうコメントをしていたような、、、、、可動性をあげてもむしろ壊れるよ、とかそんな感じのことだったか。

 ∧∧
( ‥)うろ覚え?

    (‥ )うろ覚え。

 ああ、でもシドミードのガンダムデザインはすばらしい。さすが工業デザイナー。

 ∧∧
( ‥)何が一番好きですか?

    ( ‥)ターンXもいいけどもね
        フラットかな

 なんじゃこりゃ? プレハブ建築が動いとる!! というあの即物的な感じがたまらない。

    (‥ )Xの、あれ? 頭のネジがゆるんだ??
       というデザインも好きだけどね。
 ∧∧
( ‥)さいですか

 基本的に合理的っぽく見える方が望ましい(一般消費者はそうは考えないだろうけども)。

 さて

 ∧∧
( ‥)先のシンケンジャーのシンケンオーにはさらに
    トラやらカブトやらカジキにイカさんメカまで
     出てくるそうですね。

    (‥ )カブト、カジキ、トラが合体して飛行メカなのかな?
    \-  ダイテンクウなるものになり、そこにイカが+されて
        イカテンクウバスター・・・・・

 そればかりかシンケンオウにカブトが合体したり、カジキが変形合体したりと個々の変形合体もあるらしい。例:カブト+シンケンオーでカブトシンケンオー

 ∧∧
( ‥)それどころかダイテンクウとシンケンオウの
  -/ 変形合体でテンクウシンケンオーになるそうですね。

    (‥ )これに牛+牛車(これ単独での変形人型化あり)が
     □-  加わって、最終合体(?)サムライハオーに、、、

 検索とかyoutubeでみる限り。

 ∧∧
( ‥)どうですか?

    ( ‥)おもちゃを売るために人が作ったとは分かるけども、
      -/ こりゃあ、ちょっと人智を越えたデザインだなあ。
         なんかサムライハオーにやられる敵が可哀想に
         見えるくらいすごいねえ。

 なんていうの、インドの神様的な意味で無敵なデザインっていうんでしょうかね。

 

 

 

ミツクリザメ

 
 新江ノ島水族館に生きたミツクリザメが持ち込まれたけれども、網に混獲された深海生物の常で残念ながらもう弱っていてお亡くなりに。それでも聞けば明日まで氷水に漬けられた標本としてお姿を展示とのこと。なにぶん、氷水に漬けただけなので状態いかんによっては展示の限界はもっと早いかもしれない。

 ∧∧ というわけで新江ノ島水族館へ急遽出発ですか
( ‥)
 -( ‥)閉館まで時間もないのに
     やってきましたここ江ノ島

 灰色の色あせた姿。ゴブリンシャークと呼ばれるその異形な顔も、顎を収納した通常の状態ではどこか普通のサメのような、しかしなにか見慣れない不可思議な雰囲気をかもしだす。

 ∧∧
(‥ )口の周りや吻部に小さな点々がありますね

    (‥ )長いヘラのような吻部で餌を探すというから、
       感覚器官か何かなんだろうな。

 鋭く細い歯、長い吻部、感覚器官とおぼしき小さな孔、よく突き出す顎、

 ∧∧
( ‥)眼も普通ですね

    (‥ )ミツクリザメって時々困ったような顔で写っているけども、
        あれって顎を人為的に突出させた時にしわがよっているのじゃ
        ないかなあ。

 一見普通で、だけど見たこともない固有の形を示すそれ。

 実物を間近で見ると地味だが、しかし、それはそれはすばらしい。



すぐにベネフィットを上げたい人の物語

 
 気づいて考えた人、チャールズ・ダーウィン

 しかしまあ、世の中には考えない人もいる。というか思いつきで終わっちゃう人の方が圧倒的に多い。

 例えば曰く、定向進化、生物にはそれぞれある方向に進化するという内在する力があるからマンモスの牙とかオオツノジカの角のようなものができるという説

 ∧∧
( ‥)それ、説明になってないがな。

    (‥ )単なる現実の言い換えだよな。

 表現が冗長になっているだけで説明でもなんでもない。

 例えば、どこぞでご本人たちは真剣に鳥の進化を議論している(つもりでいる)掲示板。そこで曰く、ああいう変な特徴は病気みたいなもんでしょー、という話。

 ∧∧
( ‥)それも説明ではないですね。

    (‥ )まあなんだ、オオツノジカのでっかい角が病気でも
        それでいいっちゃいいんだ。

 問題は病気でしょ?という解答が、そもそもなんで全員、角がでっかい状態なのだ? という問いに全然答えていないってことにある。

Q:なんで全員、角が大きいの?
A:全員、病気だからです

 これは結局のところなぜ”全員が角が大きい状態に固定されているのか?”、という疑問に答えていない。それは現実の単なる言い換えであって解答でも説明でもなんでもない。

 例えばダーウィンはなぜこの形質が一定なのか? という点でウォレスなんかと対立することになるけども、以上のような説明が平気ではびこるのを見て思うに(別にこういう意見はオレ様理論屋だけの専売特許でもなんでもなくしょっちゅう出てくる)、形質がなぜ一定なのか? という問題は実のところほとんどの人間、それこそオレ様は他人よりも物事を考えていると自称する人でさえ全然気がついていないのだってことでもある。

 そんな説明で満足している、あるいは良しとするのなら、そんな議論で例えば鳥の進化を語っても意味ないよなあ(そんなことやっているようだったら結局は同じように説明になってない説明で終わるでしょ、ということ)。

 だからほら、ぐだぐだ言わんと論文や教科書読めよ。


 でもしかし、そういう人々が、いや、そういう人々でなくても普通の人間は論文や教科書は読まないのは、これまた観測する限り、当たり前の出来事でございます。

 ∧∧
( ‥)なんでですかね?

     (‥ )コストがあまりにも大きいからじゃない?

 読むには本を買うとしたらお金がかかる。図書館にいくとしても時間がかかる。読む事自体にも時間がかかる。時間をかけるということは時給が発生してしまうのと同じ状態になるか、あるいは費やした時間分、他のことに使えなくなる。

 ∧∧
( ‥)例えば楽しいことに使う時間がなくなると

     (‥ )そういうこっちゃな。

 1時間かけたら、1時間分のコストが発生する。1時間で上げられるベネフィットを上げられなくなる分、実はそれはマイナスとして換算される。

     (‥ )例えば自営業者の場合、1時間を読書に
         費やしたら1時間で上げられる利益を
         失っていることになる。ようするに
         ”支払うべき時給”が発生しているのと同じ。
 ∧∧
( ‥)まあ、必要経費ってやつですね。

 会社に雇用されている人間だってそれは立場が同じだ。1時間を読書やリサーチに費やしたらその分だけ楽しい時間に回せなくなる。

 おまけにコストは買う時に生じる金銭や費やした時間だけではない。考えるという事自体が実は大変なコストだ。

 ∧∧
( ‥)だからみんな読まない?

     (‥ )そう考えていいんじゃないの?
         だって面倒くさーいって言うじゃんよ。

 そういえばあれだ、先の鳥の進化を論じているオレ様掲示板でもそういう話があったような。つまり曰く、僕らでも分かるような本を書くのがサイエンスライターでしょ!! という話。

 ∧∧
( ‥)このような個人の要望に例えばあなたなら
    なんと答えます?

     (‥ )個人は実在しないから却下します。

 というか、こういえばどう? 1人の個人の要望に基づいて本を作ることは、経済的にペイしない。確かに1人が500万円を支払うのなら1冊売れただけでライターと出版社は投資に見合った利益を得られるが、そんなことは普通、起こりそうにない。

 ∧∧
( ‥)だから個人の要望に答えられないと。

     (‥ )個人リサーチといわずして、
         市場リサーチと言うのはこれいかに
         そういうこっちゃな。

 市場リサーチしてから現実的な要望を述べなさい。そういうことでもある。
 
 ライターとか出版社からしてみれば、販売という場面において市場は存在するし必要であると仮定できる(実際には市場なんてものは多分、実在しない)。

 しかし販売において個人が実在すると考える必要性はないし、その仮定は非現実的。

 むしろ個人の存在を積極的に否定しているんだとも言える(実際には一般的な意味においてなら個人は便宜的には実在する)。

 ともあれ、僕らでも分かるように書いてくれる人がサイエンスライターでしょ、という発言からなんとなく分かることがある。

 消費者はサイエンスライターなり科学者なり、あるいは新聞社の記者なりテレビの報道番組になりに対して、お金を支払うことによって考えることや情報収集を代行してもらおうとしている。

 ∧∧
( ‥)まあ、当たり前ですね

     (‥ )だけど作り手側は個人個人の要望すべてには
         答えきれない。

 というわけで経済的にありうる本というものはおよそ平均的な内容になる。反対に十分な利潤を生み出せるほどには大きくない要望(市場)があっても、そんな需要に応じた本は誰も出さない。いや、出してもいいが、そればかりやっていることはできない、会社が潰れる。というか潰れた事例なんてちょっと知っている人ならすぐに幾つか例が出てくるだろう。ようするに淘汰される。

 ∧∧
( ‥)というわけで、どうしても取りこぼしが
    起きると。

     (‥ )まあそれは前にも書いた、A群、B群、C群
         の話なんだけども。

*人間の疑問を持つ力と理解力が平均にもっとも多く集中するとして、人間をA=物事をいちいち考えないで鵜呑みにする、B=鵜呑みにしないで考えるが正しい答えに行き着ける力がない、C=考えて資料を探し、論文を読んで自力で答えにたどり着ける、と3群に分けた場合、その数はA>B>C

 サイエンスライターはA群だけが投資に対してペイする大きな市場なのでA群向きの記事を書く、A群はおかしなことも鵜呑みにするが、研究者の書いたまともなことも鵜呑みにするので全体的に問題は少ない。

 C群はサイエンスライターをまったく必要とせず、眼中にない。

 B群はA群以上のものを求めるが、市場が小さいので答えを与えられず、さりとて自力で答えにたどり着ける程の投資は自分ではしないので(自分の要求に対して才能と投資が不十分であると言える)、それゆえに不十分な知識から間違った結論を導き出す。オレ様理論はこの群から誕生する。

というごく個人的な、人間の有り様を説明する仮説。

 ∧∧
( ‥)でっ、それはそれとして今回はどんな
    ことを論じるわけですか?

     (‥ )ベネフィットをすぐに上げたい
         お客もライターもそう考えるということはだね、、、

 と、ここで、長いので続く

 
 

かつて考えていた人の物語

 
 ダーウィンの種の起源。あれは相当に難解な本で、ダーウィンの考えた種分化の過程とか、中立的な形質がある形質に固定される過程に関する考察はどう把握し切れば良いのか簡単には分かりきれない。

 ∧∧
( ‥)あの人の種分化に関する考え方って
    隔離だけではかならずしも種は誕生しない
    そういうものでしたよね。

    (‥ )ガラパゴス諸島に隔離されたからといって
        必ずしも種分化が起きているわけではない
        環境が違うからといって必ずしも種が分化している
        わけでもない、そういう体験が考えの根っこに
        あったかららしいけども。

 今でいうと同所的な、それも生存競争に基づいた種分化が主体ではないのかと考えていたように思えるのだけども、それをどう論証すればよいのか、それを現在の種分化の考え方(現在の考え方の妥当性も含めて)を通してみた場合、どう論評されるべきなのかなど、

 ∧∧
( ‥)簡単には扱いかねると

    ( ‥)それこそ本の中だけでなく、
        hilihiliのコンテンツでやりましょうと
        言うことなんだけどもね。

 まだできてないけど。

 中立的な形質がある状態に固定されてしまうのはなぜなんだ? というダーウィンの問いかけと、彼による解決案もまた、取り上げるべき、かつ、論証すべきことなんだけども

 ∧∧
( ‥)ジェンミュールの枠組みで理解、解決。
    あるいはそれを解決する方法論のひとつが
    ジェンミュールの挙動だと。

    (‥ )そういうことだろうというのは
        なんとなく分かるのだけどもねえ。

 彼の問題提起と問題解決は現在の中立説とかその周辺の何かで見たらさて、どう考えられるか。

 ∧∧
( ‥)でっ、まだコンテンツは作っていないと

    ( — —)まーそうなんですけどね。
          秋ぐらいには作りますよ、ええ。

 ともあれ、いつも思うけども、種の起源は150年も前の本であるから間違いもあるし、今は特に読む必要はない、と言う人は多い。

 実際、それはそれでひとつの事実ではある。彼の問題提起(どうも当時はほとんど理解されなかったらしいし、解決すべき問題であると認識されて伝承されたのかどうかすら怪しい)は現在ではまあおよそ解かれたりしているわけで、150年前の問題提起と150年前の解決試案を読む必要がないというのは

 ∧∧
( ‥)正しいっちゃ正しいですよね

    (‥ )正しいといえば正しいのだよな。

 そうねえ、とはいえねえ、あんたなめすぎじゃない? ということは言えるかねえ。

 例えばの話、淘汰において中立な形質がなぜ固定されているのか? という問題提起は普通しないと思うのだけども。

 ∧∧
( ‥)だから? 種の起源とは

    (‥ )考えた人の考えた記述

 

 

2010年3月2日火曜日

果てしない本の物語

 
 うとうとと寝たのだけども起きてしまい、

 ∧∧
( ‥)でっHPの更新をしてしまったと

    (;— —)すいませんねえ、すいませんねえ

 もう去年のうちにとっくに出ていた本、2冊の紹介コンテンツを作って更新。

 ∧∧
( ‥)去年、監修なんてことをするはめになった本の
    紹介はまだですか?

    (‥ )あれなあ、自分で書いた本でないけども
        分野が多岐に渡るからフォローが大変なんよね。

 先日、M中さんのblog(ですかね?)をチェックしていたら、北村さんはイラスト描いてない? とあったけども

 あっ、いや、描いていないです。はい。外国の方々のテキストと絵ですから。

 北村の仕事は監修でした。いやはや恐ろしや。

 ∧∧
( ‥)しかし、あなたが監修とはねえ、、、

    ( — —)いやもう無茶な作業でしたよ、はい。

 その本の名は「EVOLUTION 生命の進化史」2月1日発売
 
 全生物群の系統を網羅し、化石の主要産地を片っ端から時代順に網羅してすべてのイラストをつなげて(実は1枚つながりのイラストだったりする)、それらをすべて解説する。

 そんな無茶というか力技の本というかそれ自体がとほうもない偉業なんだけども、それを翻訳した方は大変だったろう。

 ∧∧
( ‥)翻訳された方が一番ご苦労なのは当然として

    (— — )監修というチェックをしただけのこの身ですら
          大変でした。ええ。
 
 最後は日暮里のあたりから最終電車でへろへろになって帰った。途中、黒人とジャップなヤンキー3人組がラップ口調で何か話しかけてきたが、ありゃあなんだ??

 ともあれ、すげえ本ですよ。あれで5000円は安いよなあ。

 ∧∧
( ‥)でっ、今だにあなたはEutheriaを
   正獣類と訳したことを考えていると。

    (‥ )多くは、特に最近はEutheriaは真獣類と
        訳すからねえ。

 でも正獣類の方が正しい、という人もいる。困った。現在もなお調査続行中。

    ( ‥)でも今度からエウテリアにしてやる。
 ∧∧
( ‥)まあ、それが一番いいかもですね。

 それにしても

    (‥ )なんで、例えばAmazonだと翻訳された人の名前よりも
        おいちゃんの名前が先に出ているんだい??
 ∧∧
( ‥)苦労された翻訳者さんの名前が先にくるべきですよねえ。

 あれは感心できない。

 ∧∧
( ‥)まあ、とはいえあなたも一応、報酬分の仕事はしたと。

    ( ‥)したと思うよ。

 原著自体、さすがに無傷というわけにはいかなかった。あまりにも大きな本であるせいか、どういうはずみか一部のページに誤植が集中(誤植が用語/taxon名だったので訳せばどうこうなるものではない)していたので、例えばそういうのは全部直したし、一部の不整合をちょいと手直し。最低限、そういうことはした。

 
 

2010年3月1日月曜日

知らないものが沈む時、それは存在していると

 
 眠い、駄目だ、沈む、、、、

 確かに仕事は終えたものの他を終える前になぜか限界。沈む、、、沈む。ああ、そういえばメンダコの種名は沈むって意味でしたね、べちゃーーって自重でつぶれて広がっているからですかねえ、、、と思いつつ、何気に「沈む」で検索をかけたら「日本のコンテンツはネットのせいで沈む」というコンテンツが引っかかってきた。まるで絵を見すぎているうちに絵に入ってしまった人々のよう。

 なんとなしに見てみると

 ∧∧
( ‥)ようするにネットが出現した今、
  -/ テレビ局は大変だって話みたいですね
     コンテンツの自由化うんぬんもありますが

    (‥ )テレビねえ、そういえばそんなメディアも
        あったよなあ。

 テレビを捨てても別に困らない。天気予報もネットで調べてる。テレビ局ねえ、社員の給料を半分にすれば皆さんの抱える問題は万事解決じゃねーの?

 ∧∧
( ‥)またあなたはそういうことを言う。

    (‥ )でも、でっかい会社って大抵そうじゃねーか?
        余計な人間を余計な金を払って”飼う”から
        飼育費用がバカ高くなるんじゃないのかね?

 調子の良い時に不摂生に太る(人間を抱える)から、ほら、色々な障害が出てくる。

 テレビがなくても別に困らない。というかテレビはジャンク情報が多すぎる。

 ∧∧
( ‥)ネットはもっとジャンクでしょ?

    (‥ )桁違いに多いね。

 ただ、ネットにはテレビにない情報がある。というかそういう点ではテレビはネットにも市立程度の図書館にさえもかなわない(ネットもしばしば市立の図書館にさえもかなわない)。

 ∧∧
( ‥)まあテレビは皆さん向けの平均化した
    ものですからね。

    (‥ )だから、まあ、おいちゃんには
        特に必要ではないなあ。

 テレビは放送禁止を削除する点で良心的だが、科学のような、世間から”異質なもの”も排除してしまう。

 だから個人的には必要ない。

 いや、そもそもテレビは皆から何をどれだけ必要とされているんだろうか? それも実は良く分からない。テレビがなくなってから世の中を歩いて思うに、

    ( ‥)道行く人や電車の中にいる人が
      -□ 読んでいるのは小説かスポーツ新聞の競馬欄
        だと思うんだが、、、。
 ∧∧
( ‥)まあ、、そうかもしれませんねえ。

 娯楽(ドラマ)と賭け事。まあねえ、テレビはそういうものも放送しているからねえ、それで十分なんだろうけども。ではそれ以外のものは何なのだ?

    (‥ )なんというかさあ、ローマ帝国の演劇が
        遠い世界の良く分からない出来事だっていうのと
        同じようにテレビが良く分からないというかねえ
 ∧∧
( ‥)そんなもんですかねえ?

 テレビや新聞のマスメディアとしての側面は、実のところ情報の転売屋にしかならず、サイエンスライターと同様、情報発信において妥当性を十分に維持できない。というか彼らにとっての十分はおよそ満たせるのだが、それは可能の限界よりもはるかに手前で経済と時間によって制限されるだろうし、実際にそうなっているっぽい。

 それは単純に現実だと思うのだけども、テレビ全体が例えば何をしているのかは良く分からない。それは知らないのだというよりは

 ∧∧
( ‥)というよりは?

    (‥ )同じ小言や同じ意味不明な動作を
        ただひたすら繰り返す老人のように
        見える、そんな感じかな?

 現在の動作には当然、原因も理由もあるのだろうけども、それが何なのかさっぱり分からない。

 だが、それもそうなのだけども

 ∧∧
( ‥)そうなのだけども?

    (‥ )実は出版界が何をしているのか?
        そもそも出版という動作に
        どんな意味なり効果があるのか?

 それも分からない。その話は、まあ次ぎに



 


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