自己紹介

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2013年9月30日月曜日

私はその速度に感銘を受けました! まて、落ち着け これは孔明の...

 
   ( ‥)....
     ‐/
 ∧∧
( ‥)何?
 
 この人の著作を見てください。この人が打ち出す活字と文字の数々を見てください。あっという間にこれだけの数の本を出版して、さらにメルマガまで出している。すごい! 私はこの人を見習って、文字を速く打つ練習をしました。どうですか、この速度。私はあの人の著作とその生産速度を見て、参考にして、そして変わったのです!
 
 ごめん、あなたが参考にしたその人、ゴーストライターを使ってるんじゃね?
 
 ∧∧
(‥ )参考にした本は...
\‐  ああ、この年に
    あの人とやらは
    その本も含めて
    7冊出してますね
 
  (‥ )一方、〆切に追われた
     漫画家がへとへとになって
     描き続けている週刊漫画を
     単行本にしたものは、
     年に4冊出るだけです。
     この違いはなんでしょうか?
 
 冷静になって考えてみよう。
 
 漫画は集団作業でぎりぎりまで速度を上げて、年に4冊。
 
 一方、人々にビジネスの指南を示して感銘を与える、とされる本が1人の人間から年間7冊生産されました。
 
 さて? これは何か?
 
 しばしば知的劣化と罵倒されるラノベも年に4冊出る、というのはべらぼうに速いらしい。
 
 一方、社会人が読んで仕事のヒントになるとされるビジネス書が年間7冊....
 
 ∧∧
( ‥)まともに考えれば
    おかしいだろ? とね
 
  ( ‥)活字はねえ、抽象的でね
    ‐□ コピペ、
      ゴーストライターの使用、
      これらが容易でね
 
 生産速度を上げるなど、雑作もない。
 
 
 ∧∧
(‥ )でも、この人は自分一人で
\‐  生産速度を上げたみたいです
    けどね
 
  (‥ )うーん、努力は
      認めるけども
      過労死するんじゃねーか?
 
 まあ、過労死も一興。過労死出来るほどの体力があれば、であるが。
 
 


 *注:生産速度を上げるなど雑作もない。
 生産速度自体を上げることは人を雇えば容易に達成できるけども、当然、ゴーストライターの取り分などが生じる。つまり売れないとみんなで餓死する可能性が出てくるので、十分以上に売れるめどが立たないと取るべきではない。
 
 ∧∧
( ‥)だとしたら一人の人は
    本当に速く書くしか
    無いのだと
 
  (‥ )そういう意味では
      打つ速度を上げた、
      というのは
      正しい判断ではあるの
      だろうね
 
 ただ、収入は生産速度、単価、売れ行き、必要経費などで決定されるので、生産速度、それ自体を上げてもどうにもならない場合がある(もちろん、そんなことは計算済みであろう)。
 
 ∧∧
( ‥)そしてなにより
 
  ( ‥)過労死の危険性も
    ‐□ さることながら、
      体力の低下と共に
      生産性が落ちる、
      そうすると収入が減る、
      収入が減ると
      体力が落ちる、
      すると生産性が減る、
      いわゆる負のスパイラルが
      始まるのが問題だ。
 
 そうなると、自らを支えられずに崩壊するのみ。まあでも、それも織り込み済みなのかもしれない。
 
 とはいえ、疲労は免疫の低下など色々な影響を及ぼし、ついには癌などに至る場合もある。ラノベ作家や漫画家で大量の作品をこなしつつ、若くして死んでいった人がいることは暗示的で、念頭に入れるべき。
 
 後、直接関係ないけども、漫画は低俗で、活字はすばらしい、と思い込んでいる人間は容易に騙せるのでカモにしやすい、ということはありうる。詐欺師になるのなら、漫画家になるよりは、活字家になった方がいいだろう。
 
 
      

ネットデビル

 
 うろ覚えで書くと、引用はどこかゆがむ。
 
 ∧∧
( ‥)ヒーローの共通点で、
    あなたがやったようにね
 
  ( ‥)養父母に虐待されている
    ‐□ それは少なくとも
      ラグラン男爵の指摘には
      なかったからね=>
 
=>hilihiliのhilihili: 努力、友情、勝利を信じた人は帰還できるか?

*ヒーローの共通点を述べたのはラグランさんだけではないので、他の指摘とごちゃまぜにした可能性があるけども、少なくともおそらくこれは自分の勘違いだろう。
 
 ∧∧
( ‥)養父母からの虐待、
    ハリーポッターや
    シンデレラのイメージが
    あったのでは?
 
  (‥ )記憶は...それを聞いた時に
      思い浮かべた自分の仮説に
      沿って補正され、
      ゆがめられる、
      そういうことかな?
 
 それを踏まえて
 
リノフリネ・アルボリフェラ(Linophryne arborifera)
 












 
 ∧∧
(‥ )チョウチンアンコウさんの
\‐   仲間で、
     オニアンコウ属の一種だよね
 
  (‥ )これは体長8センチ弱の
      個体に基づいて描いた
      ものなのだ。
      1.5センチの雄が
      寄生している。
 
 先日、ネットでこんなような文章を見かけた。
 
 チョウチンアンコウの雄は雌に寄生すると精子袋に成り果てる、と。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、おおむね正しい
    理解ではありますね
 
  (‥ )すべての
      チョウチンアンコウ類で
      寄生が行われるわけでは
      ないのだけどもね。

 **例えばチョウチンアンコウ類の代表であるチョウチンアンコウでは、寄生の証拠が見つかっていない。
 
 あるいはネットの文章には曰く、
 
 寄生に応じて、心臓や脳も退化する、とも
 
 いや、確かに一部の骨は退化消失するが、頭蓋骨はきちんと残っているし、脳も残っているだろう。心臓と鰓は退化するどころか、むしろ発達がいい。
 
 退化するのは消化器官であり、縮小するのは眼などの感覚器官だ。
 
 とはいえ、精巣が非常に大きくなって、事実上、存在が精子袋になる、というのはおおむね正しい。寄生できる種類で、寄生に成功した雄は、精巣が発達するので、存在が近似的に睾丸になる、とでも言えばいいか。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、かなりあちこち
\‐   間違っているけども、
     大枠は正しい理解、
     ですかね
 
  (‥ )雄が雌より多いから
      一匹の雌にたくさんの雄が
      寄生することがある、
      これは完全に間違いだなあ
 
雌に多数の雄が寄生する種類もあるが、一匹の雌に一匹の雄しか寄生しない種族もある。
 
 それにそもそも、チョウチンアンコウ類は、雌の方が多い。
 
 ∧∧
(‥ )この誤解はなんでしょうね?
\‐   雌に雄がたくさん寄生する、
     だとしたら雌の方が
     少ないのだろう、
     だとしたら雄が多いのだ、
     そういう風に解釈が
     事実にひっくり返ったのかも
 
  (‥ )雌の方が少ないのかな?
      雄の方が多いのだろう、
      雄の方が多いからだ。
      疑問が解釈になり、
      ついには原因となる。
      そういう流れかもね
 
 こんな実験がなかったか? 三角形を被験者に覚えさせる。後日、その三角形を描いてもらう。時間が経つに従って、被験者が思い出して描く三角形は、より、きれいな、ある意味では抽象的な三角形に移行していく。
 
 ∧∧
( ‥)理解しやすいように
    解釈を変造してしまう
 
  (‥ )おいちゃんが、
      ヒーローの共通点で
      やったように、かな
 
  
 さらに解釈は進んで、深海では雄と雌の出会いが少ない、だからこのような寄生が進化した、とも。
 
 あるいは、深海では餌が少ないから同種同士の競合を避けるために、雄が小型化して雌に栄養が集中するようにしたのだ、とも。
 
 ∧∧
(‥ )昔はそういう解釈を
\‐   よく聞きましたよね。
     今から考えれば
     群淘汰とか種淘汰の
     考えで誤りですが
 
  (‥ )出会いが少ないから...
      これはおいらも
      書いたことあるかもなあ
 
 群淘汰。ようするに種族のことを考えて進化が進むというアイデア。これは誤りで放棄された。いや、誤りじゃない、マルチ淘汰理論というものがあって、という人もいるけども、そういう声が上がった時は、それが受け入れられている仮説かい? それにその淘汰の単位が”実在するのか?”と問えば良い。マルチがうんぬんとか言い出す人はそこまでちゃんと考えていないもんだ。
 
 まあ今ここでここに注目すると話が脱線するので、詳しい議論は書籍かなにかでするとして...
 
 ∧∧
( ‥)チョウチンアンコウさんたちの
    場合はですよ、実際は....
 
  ( ‥)おそらくは、小さくても
    ‐□ 性的に成熟できる雄は
      小型化する方向へ
      進化が進んだ、
      意地悪な言い方をすると
      大きく成長するには
      生存率が下がる、
      そのリスクを雌にだけ
      押し付けて雄は
      世代交代の向こうへ逃げた
      そういうこと
      なんだろうけどもね
 
 とはいえ、しかし、チョウチンアンコウ類の雄は異常に小さい。こんな極端な小型化を遂げた深海魚は他にほとんどいない。
 
 ∧∧
( ‥)なぜ彼らでは
    ここまで小型化が
    アクセルされたのか?
    そこが課題であると
 
  (‥ )見方を変えれば、これが
      スタンダードな
      ダーウィニズムの偉大な
      ところよ、
      群淘汰論者は
      種のためですと言っては、
      こういう解くべき謎を
      賢し気に
      分かった気になって
      覆い隠してしまう。
      理解とは無様なものよ。
 
 
 とはいえ、謎は多い。というか研究した人がどうも見当たらない。多分、研究するには厳しいからだと思うけども。
 
 ∧∧
(‥ )それに発光器の装飾が
\‐   謎ですよねえ、
     普通に考えれば
     性淘汰の産物なの
     でしょうけども
 
  (‥ )性淘汰の条件は整って
      いると思うのだけども
      どう理解すれば良いか、
      途方にくれる点があるのも
      事実なんだよな。
      研究も見当たらないし、
      困っちゃうよね。
 
 ついでにいうと
 
 ∧∧
(‥ )イラストではお魚さんの色が
\‐   赤っぽすぎではないか
     とも思えますけども
 
  (‥ )チョウチンアンコウ類は
      黒、あるいは紫、
      あるいは黒に近い茶色、
      あるいは黒に近い赤、
      チョコレート色などなど
      なんかよく分からない
      側面があるんだよね。
      水中撮影での色のぶれ、、
      保存液で脱色した標本、
      撮影時における露出、
      魚自体の健康状態、
      生きてる生物なのに
      まる恐竜復元なんだよな
 
 それに、強烈な色を使わないと印刷ではきちんと出てくれない、という現実的な問題もある。

 
 ∧∧
( ‥)なにはともあれ、
    作業ですね
 
  ( ‥)可能な限り妥当な情報で
    ‐□ 本を埋め、
      ネットしか使わない人間と
      ネットと本の両方を
      使いこなせる人間の間に
      格差を作り出すのだ。
 
 どっかの俺様鳥進化論者のように、たった一週間の手間をはぶいて論文を読まなかったばっかりに、自分は科学者の間違いを見つけた、誰も見つけていない真実を自分が発見した、そう己の勘違いと思い込みで邁進し、何年もの時間と人生を無駄に過ごしてしまうことがある。読んでさえいれば、英語の辞書をひいてさえいれば、こんな馬鹿なことにはならなかったはずなのだ。つまり、ネットにも、本にも、論文にも、そこには体力の壁がある。馬鹿の壁なんてのは小賢しい言い方で、実際には頭の良し悪しではない。そこにあるのは体力の壁だ。能無しのデブがどこにもいけないように、体力がないともうどうにもならない。考えただけで物事が正しく把握できるなら、ではアリストテレスはなぜ間違いだらけだったのか?
 
 そして体力が人々に壁を作るのなら、ネットも壁を作るだろう。ワンクリックを惜しんだだけで人は壁の向こうへいけなくなる。同様の理由で本は啓蒙のための道具たりえない。本を読まない人間と、読む人間の間に格差を作り出す。それが本というものだ。
 
 では、格差を作る旅へ
  
 

2013年9月29日日曜日

子猫は獲物を発見した

 
 
  ( ‥)...
    ‐/
 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
 
  (‥ )gif画像でね、
      子猫がおもちゃを
      くわえて、
      それをベッドの下に
      運び込もうとして
      いるわけよ
 
 リンクをたどっていたら迷子になった=>Alien Attack!
 
 ∧∧
(‥ )ああ、ねこじゃらしの
\‐  根元が段ボールに
    さしこまれていて、
    色々ものが入った
    箱ごと、ひきずってますね
 
 自分よりずっとでかそうな段ボール箱ごと、ずそーっという感じ。
 
 ∧∧
( ‥)これが何か?
 
  ( ‥)人食いライオンが
    ‐/ 人間をくわえて
       運んでいく時も
       こんな感じなんだろうな
       殺る気、満々だよな
 
 ∧∧
( ‥)まあ、そりゃあ、
    同じネコですからね
 
 小型ネコは丸まって寝るが、大型ネコ(トラ、ライオン、ジャガー、ヒョウ、ユキヒョウ)はそうではないという。小型ネコはゴロゴロするが、大型ネコは吠えるという(文献未確認)。
 
 ∧∧
( ‥)でも、所詮は同じネコ。
    大きさとそれ以外、
    違いはほとんどありませんと
 
  ( ‥)「冒険者たち」をアニメに
    ‐□ した、ガンバの冒険って
      あったじゃない。
 
 ∧∧
( ‥)イタチたちに殺されてる
    島ネズミたちの
    救援に答えるって話、
    でしたよね。
    たしか、イタチ導入による
    ネズミ駆除が物語を
    考えるきっかけだったとか、
    なんとか。
   
 
  ( ‥)あれ、イタチのリーダー
    ‐□ ノロイが狡猾、残忍な
      妖怪のような
      キャラクターとして
      描かれてたけど
 
 うろ覚えではあるが、アニメだと島にいく前、ネズミのガンバたちがネコと遭遇する場面がある。それがもう、妖怪を通り越してもはや怪獣。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、そりゃね、
    ネズミどころか、
    イタチから見たって
    ネコは大きいからね
 
  (‥ )あれは
      ティラノサウルスですよ
      ティラノサウルス
 
 子猫が猫じゃらしをくわえて、ベッドの下、つまり影と闇の中へ無邪気に獲物をひきずりながら消えていく様子は、微笑ましくもホラーだ。
 
 
    

2013年9月28日土曜日

努力、友情、勝利を信じた人は帰還できるか?

 
 hilihiliのhilihili: 努力、友情、勝利が、そもそも詐欺の手口だったら、どうする?の続き
 
 
 1:ヒーローの母親は高貴な血筋のものであり、処女である
 2:ヒーローの父親は王である
 3:そして多くの場合、王はヒーローの母親となった女性の近親でもある
 4:ヒーローが受胎されるのは異常な状況下である
 5:ヒーローは神の子であると噂されるようになる
 6:彼の誕生を阻止しようと、彼を殺そうとする試みがなされる。それはしばしばヒーロー自身の父親、あるいは母方の祖母などによって行われる
 7:だが、ヒーローはそれをはねのける
 8:そして養父母によって、遠い異国の地で成人になるまで育てられる
 9:幼年時代のことは語られない
 10:成人すると、彼は生まれ故郷に戻る。あるいは後に彼が王国を築く事になる地へとおもむく
 11:王に対して勝利し、あるいは巨人、あるいは竜、あるいは野獣に対して勝利する
 12:ヒーローは姫と結婚する。姫はしばしば彼が獲得した、その地を支配していた者の娘である
 13:ヒーローは王となる
 14:彼の統治は平穏である
 15:彼は法を定める
 16:しかし、やがて彼は神の恩恵を失い、あるいは、臣民をも失う
 17:ヒーローは王の座を降り、町から去る
 18:そしてヒーローは異様な死を遂げる
 19:そこはしばしば丘の上である
 20:たとえ、ヒーローに子供がいたとしても、継承しない
 21:ヒーローは埋葬されない
 22:そうなったにも関わらず、ヒーローが幸せになる後日談が、ひとつか、それ以上ある。
 
 by Raglan FitzRoy Richard Somerset ,Baron. 1936
 
 意訳の所があるし、ネットでこの部分の原文を読みたい人は例えば以下を参考
 =>Lord' Raglan's Hero Pattern
 
 *ちなみに1の royal virgin は高貴な血筋の未婚女性、とか、あるいは単純に、お姫様と言うべきかもしれないけども、ここでは高貴な血筋のものであり、処女であると訳している。その理由は...
 
 ∧∧
( ‥)ちょっと長いね
 
  (‥ )じゃあ、こう言えばいい?
 
 :ヒーローは高貴な血統である
 :ヒーローを殺そうとする者たちがいる。それはしばしばヒーローの血縁者である
 :ヒーローは養父母に育てられる
 :成人したヒーローは冒険の旅に出て、敵を打ち倒し、お姫様を手に入れる
 :しかし、ヒーローは結局のところ最後を迎える。
 :ヒーローの最後はバッドエンドであり、幸せにはならない
 :そういうわけでハッピーエンドな二次創作が制作される
 
 ∧∧
(‥ )ラグランさんという人が
\‐   1936年に述べたこと
     みたいですね。
     ヒーローには共通する
     パターンがあると。
 
  (‥ )ご本人はもともと軍人
      みたいだね。でも、
      西欧世界ではこういう人が
      普通に科学や学問するよな
      貴族が学問と科学の
      推進役だった
      歴史の反映かな
 
 英雄譚には共通するあるパターンが見られる。
 
 これが英雄神話の絶対普遍的なパターンである、と言い切るのは、たぶん間違いなのだろう。確かに思い当たるふしはある。ギリシャ神話のヘラクレス、ペルセウス、ローマの建国者ロムルス、以上のパターンにかなりな程度、当てはまる英雄を探すのに苦労はしない。
 
 ∧∧
( ‥)でも、西欧世界の物語が
    こういうパターンを
    踏襲しているだけかも
    しれない。だとしたら
    これは単なる焼き回しの
    系譜だ、という話に
    なるのかもしれない。
 
  ( ‥)そもそもラグランさんが
    ‐□ 例としてあげたのが
      ヘラクレスを始めとする
      ヨーロッパ世界の
      英雄譚だからな。
      当てはまるのは
      当たり前だね。
 
 それに、あまりに複雑なパターンはなんにでも拡張できるし、なんにでも当てはまるのかもしれない。
 
 とは言うものの、
 
 まったく高貴な血統ではなく、神と関連性を持つ事もなく家族の中で幸せに過ごし、自分の普通の能力を訓練でただ伸ばし続けて冒険を成功させ、幸せ三昧に暮らした、という例があるかというと。
 
 ∧∧
( ‥)ちょっと思いつきませんね
 
  (‥ )つまり、友情、努力、正義
      そんなもの最初から
      どこにもないし、
      求めている人がいても
      ごく少数だよ、
      そういうわけだな。
 
 見返してみれば、3年前にもこんなことを書いていた
 =>hilihiliのhilihili: どちらが夢を見ているのか
 
 ∧∧
(‥ )うろ覚えで書いたせいか、
\‐   英雄譚の共通点に関する
     記述に誤り、
     あるいはラグランさんの
     指摘と違う点がありますね
 
  (‥ )我ながらうかつだな...
 
 
 ともあれ、友情、努力、勝利、それを求める人はいるが、同時に誰も求めていない。そういうことはここから分かるだろう。
 
 それをふと、先日思い出して検索をかけたら、血統、覚醒、勝利、という言葉が出てきたのであった。
 
 ∧∧
(‥ )掲示板の議論でね、
\‐  あなた自身は
    英雄譚をうまく要約してる
    と感心したけども、
 
  (‥ )まあ、要約した人自身は
      努力と言いつつ、
      どの漫画もアニメも
      結局は
      血統重視じゃないかよ
      ちきしょーっ、という
      揶揄のつもりらしいの
      だけどもね。
 
 だがしかし、はからずもこの指摘は正しいのだ。ヒーローの物語は、努力、友情、勝利ではない。血統、覚醒、勝利である。
 
 努力、友情、勝利など、血統にはりつけられた、見栄えは良いが、薄っぺらな化粧に過ぎぬ。
 
 
 ∧∧
( ‥)そしてヒーローの出生は異常
 
  (‥ )この場所ではない
      どこか、
      この普通の親ではない
      誰か、
      それがヒーローと
      その由来だよ。
 
 ある人は言った。セーラームーンなどにもそういう側面があるが、少女漫画を読めば分かる。女の子は、自分は本当はお姫様である。ここは本当の家ではなく、彼女は本当の母親ではなく、自分の本当の居場所はここではない。遠い異国のすばらしい場所にこそ、本当の家と居場所があり、母親がいるのだ。そう考えると。
 
 ∧∧
( ‥)でもそれ、男の子も
    同じだよね。
    というか、それこそが
    英雄譚であると
 
  (‥ )ハリーポッターが
      そうだし、
      スターウォーズも
      そうだよな。
 
 考えてみれば英雄譚は因果関係の順序が逆だ、とも言える。神の子だから英雄なのではない。英雄になれるほどの異才を放つから、彼は神の子だ、彼女はプリンセスだ、と言われるんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )ペルセウスも、ゼウスが
\‐   ダナエーと交わって
     生まれたのが
     ペルセウスである、
     という話がある一方で、
     彼女は男に犯された、
     というどちらかというと
     普通の出生譚というか、
     受胎譚もあるみたいですね
  
  (‥ )まるで、
      まず英雄が実在して
      英雄の異能を
      説明するために
      英雄は神の子である
      そう二次的に言われた、
      そういう風にも
      受け取れるよね。
 
 *「アポロドーロス ギリシア神話」岩波文庫 pp79~80を参照のこと
 
 実際、ヒーローは異常な存在だ。
 
 というか、異常でないとヒーローにはなれない。
 
 そして才が異常であるがゆえに、出生やその才能の源、さらには死までもが、異常なものとして飾り立てられるはむしろ必然。
 
 ∧∧
( ‥)努力で得られる才なれば
    それは異常にあらず
 
  ( ‥)考えてみればさ、
    ‐□ 神話で努力したり
      訓練してる場面って
      あまり聞かないよね。
 
 大胆に解釈すれば
 
 :異常な才を持つがゆえにヒーローは異常な出生を持つとされる
 :読者が自分の今の境遇に不満を持つ以上、仰ぎ見られるヒーローもまた不遇でなければならない
 :そしてヒーローは読者が望む、富と宝を手にしなければならない
 
 ∧∧
( ‥)しかし、読者は英雄譚を
    読んで夢の世界で遊んだ後、
    現実に帰還しなければ
    ならない
 
  (‥ )ゆえに、
      夢の担い手である英雄は
      現実の前に死ななければ
      ならないのだ。
 
 ああ、2年前にはこういうことを書いていたけども
 =>hilihiliのhilihili: 悲劇は現実帰還のための儀式
 
 ∧∧
(‥ )ファンタジー小説において、
\‐  異世界におもむき、
    大活躍した主人公は
    最後は異界から現実世界に
     舞い戻りますからね
 
  (‥ )自分が異能の才を
      発揮できる場所、
      そんなありもしない
      都合の良い場所に、
      読者はいつまでも
      いちゃいけない
      そういうことだろうな。
 
 英雄だってそうだろう。ただ、彼らはファンタジー物語とは逆だ。現実世界から異界へいったのではなく、異界から現実世界に来た人々だった。
 
 ∧∧
( ‥)だから彼は帰らねばならない
 
  (‥ )ヘラクレスが最後は
      謀略にはまって毒で肉が
      はがれ、自ら山の頂で
      火葬されたように、
      ロムルスが嵐のさなか
      おそらくは元老院に
      謀殺されて、
      死体も残らなかった
      ようにね
 
 ファンタジー物語は読者に帰還を強制する。ヒーローたちは無惨な死を遂げて、退場を余儀なくされる。
 
 つまり、血統、覚醒、勝利。これはうまい要約だけども、肝心な部分が足りない。
 
 ∧∧
( ‥)血統、覚醒、勝利、
    そして無惨で異常な死
 
  (‥ )あーとは二次創作の
      出番ってわけだなー
 
 ハッピーエンドの二次創作を作る人は、たぶん、一度遊んだ物語に、再び遊びにいったのだろう。一度帰ってきたのだ、また帰ってこれるのだろう。
 
 だが、努力、友情、勝利。これを信じた人は果たして帰って来れるだろうか?
 
 現実世界において努力だの友情だの、そんなもの役立ちはしない。だのに、それが役立つと信じて、あろうことか漫画やアニメの世界に旅立った彼らは、こちらへ戻って来れるのだろうか?
 

 
 

2013年9月27日金曜日

知識を魔改造する人間は

 
 分かりやすい嘘を書くと、みんな分かってくれる。
 
 あるいはこう言えばいい。
 
 分かりやすい嘘を述べると、私は理解できた、そう思い込んだ人の数が最大になる。
 
 ∧∧
( ‥)でもそんなことを
    するわけにもいかない
 
  ( ‥)というわけで
    ‐□ 鵜呑みに出来る程度に
      話を正しく簡略化します
 
 ただ、簡略化された説明は、今度は局地的にしか役に立たない
 
 ∧∧
( ‥)火災が発生しました、
    周囲の住人はすみやかに
    非難してください
 
  (‥ )住宅街ならその指示で
      良いけども、
      マンション内部
      地下鉄などでは、
      その指示だと駄目だな
      死ぬよね。
 
 状況に応じて簡略化は変えないといけない。
 
 また、これ以外にも問題がある。
 
 鵜呑みにしても無害なように説明を簡略化しても、考える人間がいる。彼らは鵜呑みにすべき知識を勝手に魔改造してしまう。つまるところ、考える奴、これが一番たちが悪い。
 
 ∧∧
( ‥)さりとて、人は誰しも考える
    特に一部の人は知識を勝手に
    魔改造してしまうぐらいに
    考える
 
  (‥ )こればっかりはゼロには
      できないんだ。
      さりとて、
      考える人間の勘違いを
      いちいち指摘、訂正して
      いたら、それだけで
      一冊の本になってしまう。
 
 そういうわけで、考える人間は最初から考慮しないで切り捨てる。これが大事。
 
 ∧∧
( ‥)必要なのは
 
  (‥ )考えることじゃなくて
      調べて検証して確かめる
      そこなのでな。
 
 
 
 

努力、友情、勝利が、そもそも詐欺の手口だったら、どうする?

 
 
 ∧∧
(‥ )最近の漫画は
\‐  努力、友情、勝利、
    じゃなくて
    血統、覚醒、勝利
    じゃないか!
    あまつさえ、
    こんな世の中はおかしい、
    という意見も
 
  (‥ )世の中がおかしいねえ...
      努力や友情では
      効果が期待できない
      つまり世の中は理不尽、
      だがそれが現実。
      だからこそ、
      ありもしない血統と覚醒が
      欲しいってことだろ?

 努力や友情では、自分の人生は開けなかった、だから世の中はおかしい、しかも、なんで漫画の中まで血統と覚醒なんだ! みんな頭がおかしいのか? それとも理想を忘れたのか? どいつもこいつも馬鹿ばっかりだ! 
 
 と怒りと絶望に声をふるわせるか、
 
 あるいは
 
 ∧∧
(‥ )そんな世の中だから
\‐   漫画の中ぐらい
     王様の血統だとか
     イヤボーンで覚醒だとか
     そういう裏技が
     欲しいなあ〜、
     暴れ回る主人公に自分を
     重ねて、
     ちょっと溜飲を下げたいのー
     という要求

 
  (‥ )どっちが大人だと思う?
 
 
 あきらめきれずに現実を否定するのと、

 俺の立ち位置、こんなもんでしょー、とあきらめて、でも漫画な中ぐらいチート技でハーレムでうはうは、
 
 どっちが大人だろうね。
 
 *注:イヤボーンの法則
 **以下参考=>イヤボーンとは - はてなキーワード
 ***ここではイヤボーンを、危機に陥った、あるいは救わなければならないヒロインや仲間のために、主人公が御都合主義的に覚醒して状況を安易に逆転しました、という意味で使っています。

 
 ∧∧
(‥ )そもそも、主人公が
\‐   王様の血統である、
     あるいは神の血統である、
     それは古今東西の英雄譚で
     普通に見られるもの
     ですからね
 
  (‥ )だから、なにを今更って
      感じだよな
      フィクションは神話と
      人類普遍の欲求に
      応じているだけだよ。
 
 それに、血統はずるい、という批判は、二世は楽をしている、という前提があるようにも思える。
 
 ∧∧
(‥ )安倍首相を批判する人は
\‐  そこを突いてきますよね
 
  (‥ )だからオバマ大統領が
      安倍首相を冷淡に扱った
      という話が出た時、
      ざまみろ、自力でトップに
      上り詰めた大統領は
      ぼんぼんの安倍なんかに
      良い顔するわけないんだ、
      という意見が出たけども
 
 ああ、いやあ、二世ってことは若い頃から親についてまわって現場を見たってことでもあって、ぽっと出の大統領より、ものをよく知ってるんじゃねえ?
 
 しかし、大統領は最前線の友邦国、そのトップであるはずの首相を冷たくあしらった。

 これが事実だと言うのなら
 
 ∧∧
( ‥)安倍さんは不愉快だろうと?
 
  (‥ )それもそうだけど、
      不愉快うんぬんとは
      実利にならん話でな
 
 外交は儀礼的な側面がある。アメリカという大国のトップでありながら、その儀礼がいい加減だ、と見られるということは
 
 ∧∧
( ‥)それは実利になる?
 
  (‥ )少なくとも弱点だと
      思われるよね。
      そして弱点は
      付け入る隙になる。
      それは利益になる。
      利益を奪って自国民に
      還元する。
      これは指導者のつとめ。
      それは他の指導者たちから
      見たってそうだろう?
 
 例えばロシアのプーチン大統領はKGBから始まってあの地位にいる。あれも努力ではあるのだろうけども、選挙の努力だけでないことは確かだ。そういう仕事じゃないんだし。さりとて国内に閉じこもっていた独裁者でもない。経験は、単純に考えてそりゃあ長い。
 
 ∧∧
( ‥)現場を見てきた二世、
    現場からのし上がった
    長期経験者、
    彼らから見れば、
    いかに最強国家の
    指導者といえども、
    現場経験も年齢も
    自分たちより若い
    ぽっと出の
    オバマ大統領。
    彼らには大統領が
    どう見えているのか?
 
  ( ‥)努力、友情、勝利、
    ‐□ それで当選した人を見て
       希望と仰ぐ人がいる。
 
 だが、それで渡っていけるなら、世の中、苦労しないんである。
 
 それに、血統、覚醒、勝利、これを馬鹿にする人は多いが、実のところこれらが
 
 経験、訓練、熟知、結果、
 
 だったらどうするのか?
 
 ∧∧
( ‥)勝てるわけがありません、と
 
  (‥ )そもそも、それに
      勝てないから、
      努力、友情、勝利
      こういう甘言を
      耳元でささやく、
      こういうスローガンで
      客を釣ろう
      そういうことだったら...
      どうするね?
      
 努力、友情、勝利、これ自体がいわば詐欺の騙し文句だったら、さて、どうする?
 


    

2013年9月26日木曜日

現象を司る大いなる要素が見つかるだろう

  
  (‥ )NTR?
 
 ∧∧
(‥ )寝取られ、の略記みたい
\‐  ですね。
    彼女が別の男に
    寝取られることに萌える
    処女の女の子が
    大好きだった人が
    反動でこれにはまるとか...
  
 例えばこんな見解=>寝取られ (ねとられ)とは【ピクシブ百科事典】
 
 ∧∧
(‥ )ネットの引用だけども、
\‐  ネット時代以後の通俗用語は
    むしろネットを引用する
    べきだと思いまして、
    以上に引用を
 
  (‥ )NTR属性の人は、
      元、処女厨の人だとも
      言われると...
      おおむねそんな内容だな
 
 うむ。寝取られではないが、以前、こんな話を聞いたことがある。知り合いの女の子が言うには職場の同僚の女の子に、少し変わった子がいたのだそうだ。
 
 もう何年も前で、その子も職場を変えているから、書いても良いだろう。
 
 その子は二刀流だったという。
 
 ∧∧
( ‥)二刀流...
    ああ、男の子ともやるけど
    女の子ともやる、
    そういうことね
 
  ( ‥)話を聞けば、
    ‐□ 実はその女の子、かつて
      女の子にレイプされた
      のだそうな。
 
 どうも女でありながら女に無理矢理、しかも初めてを奪われた。そのインパクトでこうなった、ということらしい。
 
 ∧∧
( ‥)犯罪じゃねえかよ
 
  ( ‥)ひどい話だよなあ
    ‐□ でもインパクトが
      人の心に痕を残す。
      そういう事例だね。
      男性体育教師に
      男の子が、
      それでゲイに目覚めた
      そういう話も聞くよな
 
 それを踏まえると、彼女は処女であるべき、と思っていた人が、現実を見て、心に痕が残り、”汚れ無き処女”、とはまるで反対の、寝取られというシチュエーションに萌えるようになる。そういうことは実際にありうる、ということか。
 
 
 ∧∧
(‥ )あなたはNTRに萌えます?
\‐
 
   (‥ )いや、萌えないなあ...
       早く帰ったら
       彼女が見知らぬ男と!
       という状況に陥ったら
       えらいこっちゃ、
       とは思うけどもさ。
 ∧∧
( ‥)どうしたら萌えます?
 
  (‥ )えーっと、
      彼女を寝取った男を
      犯すー、
      とか?
 
 ∧∧
( ‥)...まじかよ
    カミングアウトか?
 
  (‥ )いやいや、比喩よ比喩。
      単に自我が崩壊するとこ
      みたいだけよ。
      なんでおれのチンチンを
      相手のけつの穴に
      入れねばならぬ?
 
 映画マトリックス。三部作の第一。あの映画で最高なのはとっ捕まったモーティアスをエージェントたちが尋問するところ。だらだら脂汗を垂らすモーティアス。これがもう、たまらない。
 
  ( ‥)屈強なデブが
      じょじょに弱り、
      屈服していく
      その有様ときたら
 ∧∧
(‥ )おまわりさん、こいつです
   ‐
 
 あらゆるテストで妥当性を検討し、あらゆる虚飾をはぎ取ったその時、現象を司る大いなる要素がその奥底から見つかるであろう。
 
 尋問とはその過程にすぎぬ。そして終わることはない。永久に続くのだ。そのために何人の自我が崩壊しようが、知ったことか。
 
 
   

うん、本を読むには体力がいるんだ、そして体力がないとネットも使えん

 
 hilihiliのhilihili: コメントは脳を展開する行為なりの続き
 
 
 ∧∧
(‥ )もう10日も前のカキコですか
\‐
 
  (‥ )ある人が言った
 
 本で調べることを子供に経験させたい、そういう趣旨の文章で以下のことも書いた。
 
 ネット上で無料で読める情報は所詮は無料の情報である、と
 
 これがreblogされた時、コメントがついた
 
 本には校正がある、日本人は金銭が生じるものこそ優れていると考える、そういう理由なのだろうが、そんな見解、糞食らえだ、と
 
 おおむねこういう内容
 
 ∧∧
(‥ )でも、reblogのリンク先を見れば
\‐   最初に子供の質問にネットで
     検索して答えていること
     それでも子供に本で調べる
     経験をさせたいこと、
     本の優位性は
     監修されていることなどが
     あげられるが、
     それだけでネットと
     差別化できるだろうか?
     色々なことが書かれている
 
  (‥ )一方、
      コメントをつけた人が
      リンク先の文章を
      読んでいないことは
      明らかなのだ、
      読んでいたら、
      ...だろう、とか
      そういう推論的な
      表現は使わないからな
 

 つまり、引用先を読まずにコメントをつけてしまったことは明らかだ。
 
 ∧∧
( ‥)どう思います?
 
  (‥ )例えばこれ、
      商売になるんだよね
 
 子供を持つお母さん、お父さん向けに語る。
 
 抜粋。文章は、前後から切り離されると別の意味を持つことがあります。しかし、そういうこととは別に、読み手が勝手に解釈してしまう場合もあります。
 
 いや、これは言い過ぎかもしれません。私たちがしていることはすべて解釈だからです。解釈、これ自体が悪いわけではありません。
 
 ですが、すべての解釈が同じぐらい良いわけでもありません。
 
 例えばこれをご覧ください。このサイトで書き手の方が言いたいことはなんでしょうか?
 
 ネットは便利だ。もう本と同じように監修されている場合もある、信頼性のある情報も読める、論文でさえ手に入る。しかし、子供にネットだけでなく本で調べさせることもしたい。しかし、本で調べものをさせるメリットとは、今の時代、なんだろうか?
 
 そういう内容ですね? そして色々な理由が述べられている。
 
 これがreblogで抜粋されるとこうです。
 
 ネットにおける無料の情報は、所詮は無料である。

 この抜粋、これ自体は問題ありません。

これは皆さん、薄々気づいていることでもあるでしょう。昔からただほど高いものは無い、と申します。無料であるとは落とし穴があることだ、人は昔からそういうことを理解してまいりました。
 
 一方、以上の抜粋に対して次のようなコメントがつきました。
 
 まだこんなことを言う人がいるのか? これこれこういう理由で本の素晴らしさを述べているのだろうが、そんなもの糞食らえだ。
 
 どうでしょう? 明らかにreblogの引用先を読まずに憶測で解釈し、そして断罪していますね?
 
 さて、みなさんは、どう思われるでしょうか? 引用先をチェックしないで反射的に間違ったコメントをつけてしまう。
 
 しかも、
 
 それは第三者から見ればこのようにバレバレなのです。
 
 引用先ではなんと言っていたでしょうか? 
 
 どうやったらきちんとした調べものが出来るだろうか? ネットだけでなく本でも調べさせたいが、本で調べるメリットとはなんだろうか? 
 
 そう言っていましたね。
 
 しかしこれを、
 
 今時まだそんなことを言う奴がいるんだ。
 
 あるいは、
 
 本がすばらしいってことを言いたいのだろうけど、ネットで十分なんだよ!
 
 そう批判した人がいる。
 
 もう明らかでしょう。ネットのワンクリックを惜しんで原文を確認せず、そして勘違いを書いてしまったのは、誰あろう、ネットで十分だと言っていたこの人自身なのであります。
 
 本の重要性を言う人がネットを使いこなす。
 
 しかし、ネットで十分という人がネットを使いこなしておらず、ワンクリックの手間さえ惜しんで、間違いを書いてしまう。
 
 みなさん、みなさんのお子さんをこういう大人にして良いものでしょうか?
 
 そこでこの本....
 
 ∧∧
( ‥)実際にはこれ、半分ぐらい
    詐欺だよね?
 
  (‥ )たった一つのこういう
      事例から、
      本を読む人はネットも
      出来る、
      ネットで十分と思う奴は
      ネットすらも使えない、
      そんな普遍化は導き
      出せないからな。
 
 まあ、こういう連想を抱く事、それ自体は可能ではある。帰納法でも演繹法でもないが、それは可能だ。しかし、正当化はこのままでは難しい。
 
 だから、今言った事の半分ぐらいは詐欺なのだ。だがしかし、こういう事例を提示し、話を持っていた時、皆がどう思うか? それは、推して知るべし。
 
 ∧∧
( ‥)自分の子供に本で調べものを
    させれば、
    ネットを使いこなせる大人に
    なると
    お父さん、お母さんたちは
    期待するだろうと?
 
  (‥ )少なくとも、そう煽る
      ことは可能だな。
      たとえ、今言った事、
      本当は
      こんな単一の事例を
      一般論に普遍化するのは
      無理がありますけどね、
      このこと自体を講演の場で
      正直に話したとしても
      説得力は出るよ。
 
 最低限、これを見よ、と以上の事例を出されれば、多くの人はひるんでしまうだろう。

 だいたい、ネットで十分だ、と言いつつ、そういうあなたがワンクリックできてないじゃないか、と言われたら、言い訳は難しい。
 
 そしていやな話だが、ワンクリックを惜しむ、というのは概して体力がない証拠なんである。
 
 ∧∧
( ‥)実はワンクリックでは
    すまないのですよ、
    引用先の文章を
    読まなくてはいけない
 
  (‥ )仮に文章を読むのに
      6分かかるとしよう。
 
 時給1000円なら100円である。
 
 ∧∧
( ‥)100円の手間、
    100円分の労働の手間を
    惜しんだのであると
 
  ( ‥)まあ、ジュース1本の
      節約に近似だね
      それを考えれば当然の
      反応でもあるんだよな。
      言い換えればさ、
      ネットも、本も、
      実は体力なんだよね。
 
 例えば、オバマ大統領の演説内容を、書き起こしとyoutubeの動画で確認するのに、1時間弱かかった。アメリカ大統領の演説は情報が豊富だからこんな程度ですむ。
 
 だが、これが化石種のライオンの情報となると5時間以上調べて、読むべき論文と読むべき本がなんとなく分かった感じ。情報収集と確認はさらにここから先の作業だ。
 
 ∧∧
( ‥)必要なのは投資と、
    投資出来る体力だと
 
  (‥ )本を読むってのは
      体力が必要でね、
      本を読む大きな効果の
      ひとつは
      体力をつけること、
      そこなんだよな。
      すごい馬鹿げて
      聞こえるけど、
      これ大事。
      
 
 体力が必要って、体育会系かよwww という人がいるけども、体力がないと、ネットで探し物を5時間以上しなくなる。論文を読むために図書館までいかなくなる。英語とか国語辞典も引かなくなる。10万文字もすぐには読めない。そんな体たらくになってしまう。
 
 こんな有様では調べものなんか出来やしない。少なくとも、こういうことが出来ていない調べものなんか、ただの笑い話である。
 
 ∧∧
( ‥)漫画読むのだって
    体力がいるからね
 
  ( ‥)脳は大量のエネルギーを
    ‐□ 消費するからな、
      本が読める体力がある奴は
      ネットも使えるだろうよ
      少なくとも100円分の
      体力を惜しまない人は
      それなりなことが
      出来るってことだね。
 
 もちろん、体力つけるには普通の雑誌とか読んでも、ちとだめだ。ジャンクな情報ばかりつめると、体力がいびつになる、と言えば良いか。あるいは体力的なデブになると言うべきかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)そういう体力を
    つけるための本、
    それはきちんと制作
    されなくてはいけない
 
  ( ‥)トレーニングルームに
    ‐□ 体に悪い機械を
      置くわけにはいかんからな
      そして、
      ネットしかしてない連中は
      知らんだろうけども、
      そういう本は昔から
      確固たるジャンルとして
      あるわけよ。      
 
 ∧∧
(‥ )本の役割ってひとつには
\‐  そういう方向へいくんですかね
 
  (‥ )もともとそういう役割が
      あった、そして
      そういう部分だけが
      これからのネットによる
      浸食に耐えて残る、
      そういうことだと思うよ
      
 
 図書館はトレーニングルームだと思えばいい。置いてある本はたわいもない遊具もあるが、ちゃんとそれ専用に作られたトレーニング機械もある。それをどう使うのか、それは本人次第なのだ。
 
 
 

2013年9月25日水曜日

10年前、彼は11歳だった

 
 
 2003年3月、イラク戦争、開戦。
 
 ∧∧
(‥ )10年前ですか
\‐
 
  (‥ )....
 
 ふと、思い出した。当時、町の小さな講座で数日間、子供たちに恐竜学を教えたことがある。
 
 ∧∧
( ‥)開戦の少し前ですね
 
  ( ‥)小学校5年生だったな


 子供の一人が尋ねてきた。
 
 ねえ、先生、僕たちも戦争にいくの?
 
 少し不安そうだった。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも日本の戦争とは
    言いがたいのですけどね
 
  ( ‥)答えたものよ。
 
 あ、いや、今の戦争ってそういう戦争じゃないから。みんなを集めて銃を渡して数をそろえてやみくもに突撃させる。そんな戦争はもうしないよ。
 
 
  ( ‥)今にして思えば、
      僕らが銃を持って
      戦場へいって、それで
      なにするの?
      何もできないだろう?
      そう説明するかな。
      いや、それとほぼ同じ
      説明をしたんだよな。
      ナポレオン、
      連発銃、銃剣、
      日露戦争と203高地
      機関銃の登場、
      扱いの難しい近代兵器群
 
 ∧∧
( ‥)あなた11歳の子供に
    何を教えているんですか
 
 彼が納得したのかどうか、それは知らない。こんな話、覚えてもいないだろう。ただ、君らが戦場へいく? そんなことはない。その言葉には安心したらしい。
 
 あれから10年。
 
 ∧∧
(‥ )米軍はイラクから撤退し、
\‐   オバマ大統領は武力行使を
     明言しつつも、現状、
     実行は回避。
     余力がないのか、
     方針転換か、
     はたまた理想のなせる結果か
     それは吉と出るか大凶か
 
  (‥ )10年か、
      日本と中国の対立、
      戦争賛成も反対も、
      その大半は
      あいもかわらず総力戦の
      イメージのままだけども
      あの子は
      何を思ってこの状況を
      眺めているのかな?
 
 
 今は20とか、あるいは21歳のはずだ。多感な年頃のはずである。
 
 子供を戦場に送るな、と意味不明なことを言うか?
 起きたら、俺も戦争へいくのか、でも銃を見た事も持ったことも無い、そう考えているのか?
 別に興味無し、としごくまっとうな人生を送っているのか、
 
 あるいは
 
 ∧∧
( ‥)あるいは現代戦とは
    いかなるものか?
    それを調べているのか。
 
  (‥ )さて、どうだろうね
 
 
 

2013年9月24日火曜日

切子面を4つ以上取ると立体になる

 
 hilihiliのhilihili: 本はテーマという多面体の切子面を代表するの続き
 
 ∧∧
( ‥)ようするに、あなた、
    衝撃だったと
 
  ( ‥)さっきAmazonで
      本の発注をかけた時、
      なんとなく書評を
      見たのよ。
 
 その書評者のリンク先をたどると、彼は地学に興味があるらしいが、教科書には軒並み低い評価を与えていることが分かった。理由は、
 
 :分からないから
 :教科書だから
 :図が少ないから
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ご本人は真剣
    なのでしょうね
 
  (‥ )コメントも言葉も
      書評も、それは自分の
      脳を閲覧者の前で
      開くことなのだ。
 
 まるでクジャクが尾羽を広げて己の美しさと、それをコードする遺伝子を誇示するように。人間は脳を広げて誇示し、そして競い合う、僕らが日常している会話とはそういうものであるし、そして書評もまた、これそのものである。
 
 ∧∧
(‥ )分からないから駄目
\‐  教科書だから駄目
    図が少ないから駄目
 
  (‥ )彼が広げた脳の
      その有様を要約すれば
      僕ちゃん馬鹿でーす
      なんだけどね、
      ご本人はこれで良い
      そう思ってるわけよな
 
 いや、これこそが愚かであるがゆえに自分の愚かさに気づかないということなのだよ。
 
 ...そう切って捨てるは簡単だけども、やっぱ戸惑う。さすがに途方にくれる。それに困ったことにその人物、
 
 ∧∧
( ‥)あなたが発注した本を
    高く評価しておりますと
 
  (‥ )正直不安よな。
 
 こんな脳を堂々と広げるようなやからが高く評価した本に、果たして買う価値があるものだろうか?
 
 ひんまがった尾羽を広げるクジャクが言う、これがすばらしい、という美的評価と太鼓判は、言葉とうらはらに、恐るべき警告になっていないだろうか?
 
 ∧∧
(‥ )でも、この本はこのジャンルで
\‐   古典的な価値を持つ
     わけですよね
     論文にも引用されていますし
 
  (‥ )まあ、それにだ、
      本の良し悪しは買って、
      読んで、読み直して、
      それで判断するべきもの
      だからね。
      買って良し、買うのは当然
      それが仕事。
 
 とはいえ、一抹の不安を感じたのは事実なのだった。

 思うに、仮にあるテーマが立体であり、そのテーマを扱う本が立体の表面の一部を占める切子面であるとする。
 
 ∧∧
( ‥)一冊の本を読めば分かるとは
    ひとつの切子面を知れば
    立体のすべてが分かると
    同様の暴挙
 
  (‥ )せめてさ、4つぐらい
      把握するべきだよな
 
 4つ把握すれば正四面体の頂点を代表する。
 
 ∧∧
( ‥)つまり理解は平面から離脱し
    テーマと同じ次元、
    立体になり接近する
 
  (‥ )もちろん、隣同士の
      切子面を4つ選んでも
      駄目なんだけども、
      理屈としては
      4つからがスタートよ
 
 もっと数を増やせば、座標は増えて、テーマという立体の、その姿がおぼろげだが見えてくるだろう。
 
 もちろん、こんな言い様は単なる比喩でしかないけども
 
 ∧∧
(‥ )ともあれ、一冊読めばいい、
\‐   全部分かる本が読みたい、
     思ってたのと違う、
     このような姿勢で
     本を読んでしまうようでは
     状況の把握は無理でしょうね
 
  (‥ )学校の時のことを
      考えればいいのだよ。
 
 一冊の本を読んで、何が分かった? 
 
 あの時、どうして参考書を買ったか、その理由を忘れたか?
 
 足し算、引き算を把握すれば積分が解けると思ったか?
 
 教科書の述べていることでさえ、全容のほんの一端でしかない。そんなこと見れば分かるのではなかったか?
 
 ∧∧
( ‥)学生時代を思い出せと
 
  (‥ )みんなそんなにいやかね?
 
 そんなにいやか? なにもまったくできなかった、自分はまったく才能も能力も実力もないちっぽけな存在だと、それを思い知らされたあの時の失望、それを思い出すことが、そんなにいやか?
 
 

       
 

本はテーマという多面体の切子面を代表する

 
 寝て起きたら、日付は変わり、もはやスーパーは閉まっている時間
 
  (;‐ ‐)うー、またコンビニ
        ですか
 
 ∧∧
( ‥)高いけど、まあ、
    しょうがないね
 
 なんかコンビニって駄菓子屋だよな、と思いつつ、見たら駄菓子も置いてある。
 
 そうか、駄菓子屋みたい、じゃなくて、駄菓子屋なのか。
 
 ふと思い出した。駄菓子屋にいった記憶ってないなあ。
 
 ∧∧
( ‥)小学校の近くに駄菓子屋が
    あったでしょ?
 
  (‥ )あったのは覚えてる
      買ったような記憶もある
 
 だけども、あの駄菓子を食べたいとか、この駄菓子、懐かしいなあ、とか、今にして思えばあれはひどい味だった、とか、そういう思い出が一切ない。
 
 ∧∧
( ‥)買ったことはあるけど
    興味がなかったと
 
  ( ‥)アゲハチョウの幼虫を
      育てるためにカラタチの
      葉っぱが必要で、
      それをむしりに夏休み、
      学校まで自転車で出向いた
      そういう記憶は
      残っているからな
      そういうことだろうね
 
 以前、ネットで見たのである。誰が言ったか、こんな内容。

 小説を書くのはあの時の自分を救いにいくためであると。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは小説家じゃ
    ないけどもね
 
  ( ‥)でも、同じだな、
    ‐□ 自分がかつて
      欲しかったものを
      今、書いているのだ。
 
 深海生物の本を書くことが多いけども、それだって同じだ。あの時、自分が欲しかったものを書いている。
 
 ∧∧
( ‥)反対に言うと、世間の人が
    興味を抱く深海生物に
    ついては書く気がないと
 
  (‥ )皆無ではないけど、
      あまりないねえ。
      もちろん、それなりな
      理由もあるんだけどね。
 
 例えば、世間の人が興味を持つ深海生物。実は書く事が無い、そういう場合が非常に多い。
 
 ∧∧
( ‥)皆さんが興味を持つのは
    でっかい、おっかない
 
  (‥ )そういうのって
      捕獲も保存も難しくて
      必然的に情報が
      少なくなるんだよな
      産業になる魚種でもなく
      そもそもそう簡単には
      採取できないわけだから
      研究もされない。
 
 あるいはでかくて目立つ標本なので、あっという間に保存液に浸けられて公開されてしまう。これではますます分かりようが無くなる。そういうこともある。
 
 ∧∧
( ‥)例えば内部構造の資料が
    見当たりません。
    きれいな標本にしたいせいか
    解剖されていないものも
    ありますよね。
    でも、解剖しないと
    当然、食べてるものも
    分からなくなる。
 
  ( ‥)反対にダイオウグソクムシ
      みたいに、よく採取されて
      いるはずなのに、
      ほとんど論文が
      見当たらなかったり...
      あれに関しては、もはや
      リサーチのアプローチ
      それ自体を変える必要が
      あるだろう
 
 という深刻な理由が以上のように実際にある。

 とはいえ、
 
 ∧∧
( ‥)でも、あれでしょ?
    興味ないんでしょ?
 
  (‥ )資料がないから興味ない
      とも言えるけども、
      でもあれね、
      オンデンザメとか
      リュウグウノツカイ、
      ダイオウグソクムシ、
      あれらの魅力を引き出す
      ためには、
      最低限、深海生物という
      カテゴリーから離れるべき
      そんな感じかな
 
 あるいは、少なくとも、本の形式をまったく変える必要がある。まあ、結果的に言えば同じなのだ、その本は深海生物を取り扱ってはいるが、深海生物の本ではなくなる。
 
 ∧∧
( ‥)でも、結局は興味が
    ないのだと
 
  ( ‥)そうだねえ、少なくとも
    ‐□ 大きな動物が、
      怖かろう〜〜〜と
      並んているだけの本は、
      自分が子供の頃にでも
      興味が持てなかったろうな
      そして今の自分も
      そのままでは
      興味が持てない
      そういうことだよね。
 
 ∧∧
( ‥)そして確率的にはどこかにいる
    しかし、実際には
    実在する保証のない
    あなた自身のために
    本を書くと。
    でも、それは、
    他の読者からすれば
    許しがたいのでは?
 
  (‥ )いやあ、本ってのは
      前もいったように
      そういうものさ。
 
 本は色々な動機で、色々な人が、色々な視点や色々な立ち位置、あるいはアプローチで書くものなのだ。同じジャンル、同じ分野、同じテーマの本に見えても、実際には本は平面でしかなくて、”本が扱うテーマ”は本自身よりも次元の高い多面体のような存在だ。テーマとは、切子面が無数にあるガラス玉のように考えてもいい。1冊の本は多面体が持つ、無数のうちのたったひとつの”側面”を代表したものに過ぎぬ。
 
 深海生物を扱った本もそうだ。どれも深海生物の本ではあるが、実際、手にすればどれも全部互いにばらばらである。
 
 考えてみれば当たり前だ。深海は地球上で最大の生物圏で圧倒的に広大な空間だ。その空間に、大陸ごと地上のすべての動植物を塗り込めてしまえるし、それでもなお広大だ。そんな広大な世界とそこにすむ生物群をただの1冊で概要だけでも知れると思っているのなら、それは見通しが甘すぎる。
 
 ∧∧
( ‥)だから自らが望む知見を
    手にしたいのなら、
    同じテーマだから
    どれも同じ内容だろう
    そんな思い込みは捨てて
    ありうる無数の面の中から
    自分が望むものを代表する
    切子面たる本を探すべき
 
  (‥ )あるいは片っ端から読んで
      知見を総合すべきなのだ。
      一冊読めば全部分かる
      そんなことありえない
      からね。

 
 だがどういうわけか、一冊読めば欲しい情報が手に入る、そう思い込んでいる頭でっかちがしばしばいる。そういう奴に限って、自分が本を読めることを自慢して、本を読まない人間を馬鹿にしてたりする。しかし、一冊読めば分かるだろう、なんて思い込みを持っている方が、実はたちが悪いし、いかれてるのだ。
 
 同じジャンルの本を、10冊、100冊、あるいはもっと読めないと、欲しい情報なんか手に入りやしない。そりゃあ当たり前なのだ、ひとつの切子面を見ただけで、テーマなりジャンルなり、そう呼ばれる多面体の全容を把握できるわけがない。
 
 ∧∧
( ‥)本を読んで探すなら
 
  (‥ )果てしなく探さないと
      駄目ね
      多面体のすべての側面を
      網羅せよ、とは言わないが
      近い事はしないといかん
 
 可能な限り、切子面を探索せよ。さもなければ失望しか手に出来なくなるだろう。
 
 実際、書評サイトとかを見ると、大概はばらばらに読んだあげく、何も知る事が出来なかった、手に入れられなかった、そういう失望の塊になっているようである。
 
 
 
    
 

2013年9月23日月曜日

ガンジー・ジェット

 
 
 ガンジー・パンチにガンジー・キック
 
  
  ( ‥)ジョンブルが来たら
   ‐ ‐ こうっ!
      ジョンブルが来たら
      こうっ!!
 ∧∧
( ‥)非暴力な数のいやがらせは
    どこいったんだよ
 
 その子は言いました。ガンジーは偉大だわ。ヒトラーもナポレオンも、兵隊さんを失ったら負けたけど、ガンジーは兵力0から勝利したのだから。
 
 ∧∧
(‥ )敗軍の将がゲリラ戦に
\‐  転じるって、
    あまり聞かないですよね?
 
  (‥ )知らないだけなのか、
      あるいは
      そういうものだと
      僕らが思い込んで
      いるだけなのか。
 
 ∧∧
( ‥)軍隊が負けたら戦争終了
    指導者が負けたら
    そこでおしまい。
    敵も味方も指導者も
    一兵卒もそう思ってる
 
  (‥ )そういう戦争観を
      持ってるアメリカが
      イラクで大失敗したのも
      そう考えると印象的だよな
      指導者倒したから勝ち
      ...のはずだったのに
      みんながここぞとばかりに
      やりたい放題。
 
 視点を変えれば勝機あり、そういうことらしい。
 
 ∧∧
(‥ )フセインさん、
\‐   処刑されちゃったけどね
 
  (‥ )ままならぬ人生よな
 
 
 
 

炎上もポテチも止められない止まらない

 
 ∧∧
(‥ )炎上で人を叩くのは娯楽だ
\‐  だそうです
 
  (‥ )まあ、そうだろうけど
      なにゆえ娯楽に
      なるかが問題だよね
 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )でんぷんに塩と油が
      うまい具合に
      からんでると、
      止められない止まらない
      になるのはなんで?
 
 ∧∧
(‥ )生きていく上で、
\‐   でんぷん、塩、油が
     必須で貴重だから
     ですよね
 
  (‥ )じゃあ、それに対して
      押さえようがない欲望を
      感じるのは当然だよな
 
 では? 炎上が娯楽だ、というのなら、それは何を示す?
 
 ∧∧
( ‥)裏切り者の排除、ですかね?
 
  (‥ )人間にはエラーも誤作動も
      あるけども、
      ここまであからさまだと
      何か具体的で、必須で
      必然の機能だよね
      炎上が欲望の発現だと
      言うのなら、それは
      ポテトチップと同じ。
      つまり利益が
      見込まれるって
      ことじゃね?
  
 それに比べたら、炎上が道徳的にうんぬんとは波立つ海面を眺めるような、ごく表面的なものでしかない。まだ僕らはその内部を覗いていないことになるのだろう。
     
    

2013年9月22日日曜日

夢のアマチュア

 
 tumblrというサービスは果てしない抜粋と引用で成り立っている。
 
 ∧∧
( ‥)...あなたは他人様の
   tumblrを眺めて喜んでる
   だけですよね
 
  ( ‥)おれ、本を作るのが仕事よ
    ‐□ なんでぼんやりの時間まで
      編集作業をしなければ
      ならんのよ。
      めんどっちー編集作業は
      人々の自主性に
      まかせるべきだ
 
 tumblr。あれは抜粋と引用と相互リンクによる編集作業。格言、エロ、政治、二次元、萌え、セックス、トリップ、退廃、気取り屋、苦悶、詩人、そして死。
 
 ああ、これでは雑誌の終焉だ。ついに人々は自ら編集作業を行い、自ら読むものをはぐくみだした。
 
 ∧∧
( ‥)ネットに切り崩される
    出版界で、あなたは
    どのぐらい生き延びられるか
 
  ( ‥)ネットでは行き着けない
    ‐□ 情報を紙に書いて売る。
      相互にリンクしているが
      完全に重なり合う事の
      ない三つの世界、
      ネット、書籍、論文を
      行き来して、
      持ち帰った情報を売る。
      どこまで、いつまで
      生きていられるかねえ。

 
 tumblerには引用にコメントをつける機能もある。引用自体が、”私はこれを選択した、reblogした”という意思表示に他ならないせいか、コメントがついているケースはあまり多くない。
 
 ∧∧
(‥ )というかコメントをつける
\‐   ことについては、むしろ
     否定的な意見が多いみたい
     ですね
 
 (‥ )確かに、人気のある名言に
     ただ乗りしているような
     自己顕示欲丸出しな
     コメントとか、
     ここがおかしい! と
     意気込んでコメントしてるが
     引用とかみ合っていない、
     あるいは、
     そもそも指摘が間違いだ、
     とか、
     そういう痛いコメントが
     しばしばあるよね。
 
 *考えてみれば大量のテキストや文章、発言の中から抜粋されたものは、大きな分母から選ばれている。反対に、今、自分でそれにコメントをつけるというのは、手持ちのカードでしか勝負できないわけで、分母が極めて小さい。つまり双方の分母には大きな開きがありすぎる。分母が多いものから秀逸なものが選ばれると仮定すると、reblogにコメントするのはチャレンジ精神が旺盛だとも言えるが、あまりに無謀な勝負を挑んでいるとも言える。
 
 とはいえ、たまにだけども、本文とコメントがうまくかみ合っていたり、むしろ本文よりもコメントが秀逸なものもある。コメントが秀逸なので、それでreblogされているものも、ごくまれだがある。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、評価。それもまた見る人
\‐  次第ですからね
 
  (‥ )さっき見たのは、かなり前に
      見た抜粋が再び引用されて
      流れてきたものでね、
      
 その引用はこんなの
 
 共産主義は頭いい奴が何度も挑戦して、100パーセント失敗した理論で、1回も成功してない。しかしその試みによる犠牲者は1億人以上。冗談でも止めてほしい。
 
 ∧∧
( ‥)それ考えると、マルクスさん
    すごいよね。たった一人で、
    ほぼ1冊の著作で人類に
    ここまで大きな損害を
    与えたと。
 
  (‥ )しかも、あんな長くて
      冗長で要領を得なくて、
      実はよく読まれていない
      著作で、あの影響力ですよ
      ライターとしても注目だし
      なによりあの効果と結果!
      人類抹殺を秘かにもくろむ
      人たちからすれば、
      カール・マルクスって
      あこがれの存在なのよね。
 
 彼にはあそこまで出来た。では、この俺が。
 
 という感じ。
 
 ∧∧
( ‥)不謹慎な
 
  ( ‥)そうだね。でも本当に
      不謹慎なのは無邪気に
      実行した連中、
      失敗を認めずに粛清という
      責任転嫁をした連中だがな
 
 
 ともあれ、この引用、何ヶ月か前に見たと思うのだけど、今日、流れて来たものを見たらコメントがついていた
 
 人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう。
 
 ∧∧
(‥ )ああ、ガンダムF91の敵役
\‐  鉄仮面カロッゾ・ロナさんの
    台詞ですね
 
 =>人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、【ピクシブ百科事典】
 
  (‥ )懐かしいな、カロッゾさん
      ガンダムF91はビデオで
      見たよ。コンパクトな
      モビルスーツがきれい
      だったよねえ。
 
 ただ、奥さんに逃げられて鉄仮面になったカロッゾさんはなんか微妙。いや、その微妙がたまらん、と言うべきなのか。
 
 その微妙さは、今から聞き直せば、10分の9、という、いかにも中途半端な数に現れている。
 
 ∧∧
( ‥)理想郷は理想状態で
    ないと成立せず、
    理想状態は理想状態という
    単一の状態、つまり
    変化しない状態をさす
 
  (‥ )生物は変化する事、
      それそのものだ。
      だとすると理想状態
      つまり単一状態への
      固定とは、
      死に他ならない
 
 考えてみれば理想郷に到達する話はそこで最終回か、あるいはそこで人類滅亡なのだ。幼年期の終わりもエヴァンゲリオンも、新約聖書におけるヨハネの黙示録もみんなそう。
 
 理想郷は終わりであって、そこに生は無い。少なくとも現世の生の延長ではない。
 
 つまり、理想郷とは死、そのものに他ならぬ。
 
 なれば理想郷を渇望する者、10分の9などと言ってはならぬ。答えは10の10、そのすべて、これのみ。ただのひとりも残してはならぬ、もちろん自分も殺してすべてを破壊したその瞬間、その時に始めて理想郷は降りてくる。
 
 殺し尽くさねば理想郷は現世に顕現しない。
 
 ∧∧
(‥ )事実、マルクス主義を信奉して
\‐   理想社会建築に邁進した人は
     どこも粛清ですねえ
 
  (‥ )強制収容所、逮捕、
      拷問、虐殺
      理想は最終回答であるがゆえ
      自らの間違いを認めることが
      彼らには出来ない。
      なれば誤りはすべて他人が
      犯したことであって
      ならば誤りは是正せねば
      ならぬ。
      そんなところだろうな。
      発想がいかれてるが、
      発想がおこちゃまなんだよね
 
 誤りを犯したものを排除すれば理想社会になるはずだ。だが殺しても殺しても理想状態にはほど遠い。
 
 ∧∧
( ‥)それは当然だと
 
  (‥ )人々が生きている限り、
      理想状態などありえない
      だとしたら....
      彼らはいつ気づいたの
      だろうな?
      エリートだけ残すのは
      本末転倒、
      殺し尽くさねば理想郷は
      顕現しない、
      このことにいつ気づいた?
 
 
 あるいは、最後まで気づいていなかったのか?
 
 ∧∧
(‥ )それを考えれば、創作とはいえ
\‐   人類の10分の9を抹殺って
     かなりピントがずれた
     発言なんでしょうね。
     でも言い換えれば
     理想主義者ってのはもともと
     こういう勘違いさんだとも
     言えるし、
     そういうキャラとして
     カロッゾさんは
     創造されたのかもしれない。
 
  (‥ )狂気の発言ではあるけども、
      お茶目さんだよね。
      奥さんに逃げられて
      鉄仮面をつけたというのも
      彼は大量殺人を犯す
      度し難い狂人だけど、
      基本的に勘違いしてる
      お茶目さんな
      キャラクターなのですよ、
      という意味なのかね?
 
 制作にそういう意図があったのか、どうなのか。いずれにせよ、どうもカロッゾさん、二次創作を見ても、畏怖の立ち位置というよりは、概してネタ的な扱いをされているらしい。やはり、鉄仮面がいけないのか、あるいは、怖かろう〜、とか、そういう見ている者のハートを射抜くような台詞がいけないのか。
 
 ∧∧
( ‥)マルクスさんもそうだと?
 
  (‥ )本気でみんなを生きたまま
      理想郷へいざなうことが
      出来るし、それを理論的に
      予言できた。
      それを信じていたのなら
      お茶目さんだろうねえ。
 
 だが、現実は違う。そんなんでは駄目だ。自分を含めて全員を殺す者こそ、真の理想主義者。10分の9など、ただの子供のお遊びでしかない。
 
 ∧∧
(‥ )幸せにいざないたいのなら
\‐  人類を絶滅のコースへ
    導かねばならない
 
  (‥ )そういう意味では、
      例の発言、
      原子力ってお湯を
      沸かしているだけ
      なんですか?
      がっかりしました。
      あの発言は啓示。
 
 これは、裏を返せば、人間の技術は超絶的で夢のようなことが出来る。無邪気にもこんな馬鹿げた妄想を、皆が信じ込んでいることを示唆している。
 
 無限でクリーンなエネルギー。部品交換の必要がなく、メンテナンスの必要性を無視できるほど頑健な機械。電気をそのままの形で貯蔵し、自在に取り出し、大空を、大海原を経済的に移動できる運輸装置。
 
 これらは妄想でしかないが、しかし、これを信じているというのなら、そこにこそ付け入る隙があるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)実際には過去に植物が
    化学的エネルギーに変換した
    太陽エネルギーを
    石油、石炭を燃やして、
    時間を圧縮するという
    浪費的な形式で取り出し、
    熱を水蒸気に変換して
    タービンを回してなんとか
    発電し、
    位置エネルギーやはずみ車の
    ような運動エネルギーで
    電力を貯蔵し、あるいは
    蓄電池のように基本は
    ボルタ電池と同じだろ?
    という方法でしか貯蔵できず
    石油でないと運輸装置は
    十分に機能せず、
    複雑な機械は維持すら大変で
    核融合は夢のまま
 
  (‥ )そして石油の尽きる日が
      じりじりと近づく。
      それが現実。しかし、
      甘っちょろい夢を与えれば
      人々はこういう
      過酷な現実から眼をそらし
      油断するよな?
 
 人類の文明は指数関数的に発展してきた。だから未来はもっと....
 
 ああ、そうとも。しかし、忘れておりませんかな? 
 
 石炭に代わるものはあるか? 無い。あるとしたら、それは石油ではないか? 
 
 これは200年前の議論だけども、我々はここから一歩も出ていない。忘れておりませんか? 指数関数的発展とやらがなんと無力なことか、この事実を。
 
 出来ないものは出来ないのだ。掘削技術の発達で石油を絞り出し、時間延ばしをしているが、これを人々は石油が尽きるという警告は嘘であると受け取った。
 
 あらゆる技術。大深度掘削、四方にドリルを伸ばし、水圧で岩石を破壊する技、水を送り水圧で残された石油を絞り出し、あるいは炎で焼いて流動性を高め、あるいは界面活性剤で溶かしだす。そういう技術の成果をまったく無視して、石油は化石燃料で有限というのも嘘だ、石油業界の嘘だ、実は石油は地下で無機的に合成されていて尽きることはない、そう受け取った。
 
 そういう甘ったるい夢を見ている間に、時間切れは容赦なく接近する。だが、ここにこそ付け入る隙がある。
 
 ∧∧
( ‥)そして時がくれば
    もはや手遅れ。
    地球は有限で逃げ道がなく
    環境は破壊され、
    人口は維持できず、
    混乱が波及すれば
    指数関数的な発展どころか
    維持すらできず、
    解決策を発見する能力、
    それ自体を喪失する。  
 
  (‥ )人類を理想郷へいざなう
      道、ここに開けり。
 
 10分の9などたわ言である。そうではなく、10分の9から先。ここからが本当の勝負。
 
 思うに、マルクスたちは、ただのアマチュアだったのだ。彼らは夢のアマチュアだったのだろう。
 
 
 
 
  

2013年9月21日土曜日

戦闘力は53兆

 
 
  (‥ )私の戦闘力は53兆です
      ジンバブエドルで
 
 ∧∧
( ‥)わーお、いきなりインフレ
 
 
 

ゾンビの強さは着ているそのスーツにはあらず

 
 散歩にいこうとするも小腹が減ったのでコンビニによって少し食べ物を買った。
 
 ∧∧ 無駄遣いだ
( ‥)
 ‐( ‥)そうねえ、コンビニの
   ‐□  品物は高いからな
 
 ほんの一時の会社員時代。無駄に残業するので帰宅した時にはスーパーなんて開いておらず、コンビニでどうしてもジャンクな食料品を買わざるをえなかったことを思い出す。高くて、金だけがじゃぶじゃぶ出て行く不毛な感じ。
 
 ふと見たらレジにジャンプが置いてあった。
 
 ∧∧ ああ、週明けが休日だと
(‥ )
 ‐( ‥)こういう手がかりから
   ‐□ 曜日や休日を知る昨今
     ですよ
 
 公園についた時はまだ真っ暗だったが、早起きな老人たちはうろうろ散歩していて機械的に挨拶してくる。やはり、もっと夜の間にこそこそといくべきだった。いつも一人だが、しかし、夜空の下で過ごす一人の時間は何ものにも代え難い。

 さて
 
 以前の書き込み、hilihiliのhilihili: 無自覚な飛躍の足下になにがいるかよく見てみようの続き
 
 例えば、
 
 演繹と帰納で論理的にプレゼンをしよう。これはアメリカの経営者もやっているやり方なのですよ。
 
 という煽り文句を見たりする。
 
 ∧∧
( ‥)演繹と帰納法で論理ねえ....
 
  ( ‥)論理を理屈という程度の
    ‐□ すごく広い意味で
      使っているんだろうな。
 
 ナポレオン・ボナパルトが実在したことを演繹法、あるいは帰納法で論証せよ。
 
 ∧∧
( ‥)実際にはそんなこと無理で
    演繹法でも帰納法でもない
    方法を用いないと、
    ナポレオンの実在は
    主張できない
 
  ( ‥)ということは、
    ‐□ 演繹法と帰納法で
      論理的に経営とプレゼンを
      行おうって主張は
      実は底抜けのくるくるぱー
      だってことになる
 
 あるいは実用的だが怪しさ大爆発な手法に、ほとんどまったく役立たないが見た目はびしっと決まっている、論理というスーツをまとわせましょう。そういう主張だとも言える。馬鹿げているが重要だとも言えるし、重要ではあるが所詮は馬鹿げているとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )世の中の理屈や根拠の
\‐   ほとんどは、
     正しい、正しくない、
     役立つ、役立たないと
     関係なく、それらすべて
     へ理屈であると
 
  (‥ )そういう意味では、
      へ理屈も理屈のうちだ、
      という言い方は
      正しいとも言えるよね
 
 ただし、すべてのへ理屈が現実から等距離にあるわけではない。これもまた事実。
 
 ∧∧
( ‥)良いへ理屈と悪いへ理屈が
    ございますと
 
  ( ‥)まあ、その識別に
    ‐□ 帰納法や演繹法が
      重要な役割を果たすのは
      事実であるね。
      さりとて、
      帰納法と演繹法だけでは
      この局面においても
      やはり無力なんだが
 
 例えばの話、大量の喫煙は肺がんの原因になる。という理屈なり主張は妥当なものだと思われるが、帰納法や演繹法だけではその妥当性を論証することはできないでしょ? という意味。
 
 *大量の喫煙をすると肺がんになる。Aさんは大量の喫煙をしている。ゆえにAさんは肺がんになる。演繹法的にそう言って良いか?
 
 **喫煙者Aさんは肺がんになった。喫煙者Bさんも肺がんになった。喫煙者は肺がんになる、そう、帰納法的に言って良いか?
 
 さて、それを考えると
 
 ∧∧
(‥ )アメリカの経営者は
\‐  演繹法と帰納法で論理的な
    経営とプレゼンを...
    まるで演繹法と帰納法が
    魔法の解決策のような
    扱いですね
 
  (‥ )論理的とは、
     とてもじゃないが
     言えない主張だな
 
 思うに、アメリカの経営者が論理と演繹と帰納法でうんぬん、というのは得意先の部長さんに芸者ガールを呼んで接待を、と言っているのとなんら変わるまい。
 
 ∧∧
( ‥)少なくとも、単なる
    社会的な慣例でしか
    ないのだろうと
 
  (‥ )見た目はえらい違い
      なんだけどな、
      現実的にはそんなもの
      なんの意味もないじゃん
      という視点においては
      このふたつは
      区別できないと
      言えるよね。
 
 ナポレオン・ボナパルトの実在や禁煙の害も論証できない方法論を、芸者を呼んだ接待より高度で知的だ、などと差別化する必要はあるまい。というか、してはいかんだろ。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると、
\‐   アメリカ企業の強みって
     論理や合理性ではないって
     ことになりますね
 
  (‥ )産業革命の先陣を切った
      大英帝国の片割れで
      人口と資源が多く、
      自由で混沌。
      それだけで十分、
      説明できるのではないか?
 
 ∧∧
( ‥)つまりアメリカの強みとは
 
  (‥ )ゾンビ的なもんだろ?
      無限とは言わないが、
      絶対優位な体力を誇り
      無目的に蠢く。
 
 それを考えると、論理だ、帰納法だ演繹法だの、それはゾンビが自分を見栄え良く着飾るために身につけたスーツでしかないと言える。
 
 ひょっとしたら、いや、おそらくそうだと思うのだけども、アメリカ人自身も勘違いしているかもしれないが、論理だ、演繹だ、帰納だ、どうでもいいことなのだ。重要なのはそんな馬鹿げたところではないだろう。
 
 
 
 

2013年9月20日金曜日

中秋の名月だった

 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)食肉類において
    ‐□ 社会性の進化と脳の大きさ
      この両者には
      相関関係がある
 
 ∧∧
( ‥)怪しい?
 
  ( ‥)うん、なんかね、
    ‐□ 伝統的な見解なんだけど
      すごく怪しい感じ
 
 確かに何かしら関係性はあってもおかしくないように思えるが、反証というか、それをあざわらうような事例が、どうも普通にあるっぽい。先にいったような、二次的に社会性を失って、一見すると相関関係がないように見える、というものではなく、もっと露骨に、うわあ、みたいな。
 
 とはいえ、疲れたので、まあ後にしよう。何かもっとちゃんと言うほど調べるには、これは話がでかすぎるし複雑だ。系統解析の頑健性も関連してくるし。
 
 ∧∧
(‥ )朝のお散歩では
    きれいな満月を
    見れましたよね
 
  (‥ )黄色くくすんで
      緑がかった光だったな
      中秋の名月とは
      良く言ったものよ
 
 ともあれ、少し休もう
 
 
 

2013年9月19日木曜日

その冒険は暗い物置で起きていることだった

 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)....んんんんんー
    ‐□ 賛同しがたいが、
      全体としては
      良いように見えるね。
      ただ、一部の反論は
      駄目かもな
 
 社会性行動の進化と、脳の増大はリンクしている。しかるにこの化石種は脳が小さい。あなたはこの動物が社会性であるというが、脳の大きさからして、その推論はおかしい。
 
 いや、食肉類においてそれは無い。この論文を見よ、食肉類では脳の大きさと社会性には関連性がないと書いてある。
 
 ∧∧
(‥ )...いや、この原論文は
\‐  生活域が進化の過程で
    変化することで、
    かつて手に入れた
    社会性を二次的に失う
    場合があって、
    それゆえ相関性が不明瞭に
    なるという話では?
 
  (‥ )つまり、
      大きな脳が進化してから
      社会性を二次的に失う
      大きな脳だけが残る
      という話で、
      脳が小さくても社会性は
      成立する、という話では
      どうもないらしいの
      だけどね
 
 まあ、いいや、反論が一部おかしいからといって、論拠の根幹が崩れたわけではあるまい。もちろん、反論が効力を失ったということは、最初の指摘がまだ生きているということでもある。
 
 さて
 
 hilihiliのhilihili: 魔法がファンタジーだと勘違いしては駄目だ、逃げるんだ!の続き
 
 ∧∧
(‥ )魔女。人よりも薬学や
\‐  植物の知識がある人間が
    その知識をいかして
    寂しい我が身と
    悲しい境遇から
    薬物を使い、空想に逃避する
 
  (‥ )ひそかにしこしこ
      やっているということか
 
 ∧∧
( ‥)下品な...

  ( ‥)そういえば
    ‐□ ハリーポッターのハリーも
      階段下の物置のような
      部屋に閉じ込められてたな
      彼はどうなったのだろうね
 
 どうなったのか知らぬが、これを踏まえれば、なんと、あれはまさにファンタジーの王道ということか。
 
 ∧∧
( ‥)怒られそうな言い様だな
 
  ( ‥)だが、閉鎖された
    ‐□ 世界からの脱出。
      これこそが創作なのだ
 
 渇望。それが心を飛翔させる原動力になる。
 
 科学の力で星まで飛べばSFに、ほうきにまたがって夜空へ舞い上がればファンタジーに、過去と現実の扉を開けてあるはずもないハーレムな青春へ飛び込めばライトノベルに
 
 ∧∧
( ‥)全部、ひとつの狭い部屋で
    起こっている出来事ですか
 
  (‥ )すべては冷たく自分を
      見つめる
      周囲の眼から逃れて、
      暗く狭い部屋に
      閉じこもって
      しこしこやっている
      ことにすぎぬのだ
      本とか絵ってのは
      そういうものよ
 
 かつて、魔女狩りにおびえた老婆のように
 
 ∧∧
(‥ )なんかそれを考えると、
\‐   おばあちゃん、
     かわいそうですね
 
  (‥ )かわいそうかは知らんが
      笑うに笑えんな。
 
 ああ、誰かが書いていた。夜、秘かに調合した秘薬なるものを飲み、ほうきにまたがり、気分は高揚し、心は若返り、空を飛んでいるような軽やかな気持ちになるも、それは一時。やがて夜が開けて朝日が差し込み、残るのは日差しに照らされた醜い本来の自分の姿と、疲労とむなしさと罪悪感。そして恐怖。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると、
    SFに科学を、
    ファンタジーに魔法を
    ラノベに見栄と自制心を
    与えるってあんまりですね
 
  (‥ )冒涜ですよ、冒涜、
      しこしこやってる
      聖域に土足で踏み入る
      暴挙ですよ
 
 それを考えると、魔法は闇と夜の世界にいればよかったのだよね。日差しの差さぬ都会の喧噪の片隅、忘れられた建物の裏路地、夕闇の中の十字路。そこいれば、そこにいれさえすれば。本来の魔法なんていうおぞましい、体系化された理屈に触れることもなかったはずだろうに。
 
  ( ‥)光の下に行くべきでは
      なかったのだ。
      どれほどの大冒険を
      成し遂げても、
      すべては階段下の
      暗い物置で起きている
      ことなのだ
 
 ∧∧
( ‥)それはそれであんまりだな
 
 そう思えば、SFは本来ならば皆に夢を、誰でも魔女になれる夢を与えられるはずではなかったか?
 
 ∧∧
( ‥)なんで?
 
  (‥ )星の世界は夜の世界だろ?
      果てしなく続く圧倒的な夜
      これを手にしないとは
      なんともったいない。
 
 
 

魔法がファンタジーだと勘違いしては駄目だ、逃げるんだ!

 
 ( ‥)ああああ、、体が重い
     というか急激に眠気が
     襲ってきたり、
     食事したらおさまったり
 
 ∧∧
( ‥)なにもかも不足して
    いるんじゃね?
 
 さて
 
 先日、こんな話を見た
 
=>和訳魔法にシステムは必要か ― 西洋ファンタジー界に起こりつつある異変 : Kotaku JAPAN

=>原文But, but, but — WHY does magic have to make sense? | Epiphany 2.0
 
 ∧∧
(‥ )へー、ファンタジー小説にも
\‐  魔法の体系化の波が
    押し寄せているんですか
    めんどくさいですね
 
  (‥ )それが言う通りだとしたら
      なんかSFの末期みたいだな
 
 SFの末期、というと怒り狂う人も、力のない諦観の笑みを浮かべる人もいるだろうけども、これは

:かつてのSFは設定がめちゃくちゃで科学的考察はげろげろ、御都合主義だったけども、だが面白かった

:ある時、どういうわけかSFは科学的考察を重視するようになった

:そんなもの、一部のマニア以外、面白くないしろもので、当然、ジャンルは低迷し、取って代わるかのようにファンタジーが勃興して、読者を奪われたSFは敗北した

:これは巨大科学の負の側面が注目され、科学が軽視され、オカルトが重視されるよからぬ風潮の反映だと...
 
 ∧∧
( ‥)はあ、そうなの?
    もっともらしいけど、
    前半と後半、矛盾してね?
 
  (‥ )ひとつの解釈で、
      そういう意見を
      申し述べた人が
      いたって話さ
 
 彼の解釈は解釈だ。単なる懐古趣味ではないか、とか以前に、いかにもっともらしくても解釈は解釈。その解釈が妥当な説明そのものとは限らない。
 
 とはいえ、
 
  ( ‥)まあ、科学したSFは
    ‐□ つまらなくなるだろうな
      大人気のスターウォーズも
      科学的な見地からすれば
      まったく正当化できない
 
 ∧∧
( ‥)光速を自在に越える宇宙船、
    異星人と人類が普通に
    会話して社会を築ける世界、
    それを科学じゃないと
    否定して、
    人気作をSFから追放したら
    ジャンルはただ衰亡する
    だけでしょうね

 
 創作は創作でしかない。現実ではないのだ。そして科学は現実を記述する理論体系だ。創作は科学ではない。事実、創作は論文ではない。
 
 確かに、SFはサイエンスフィクションである。ゆえに科学すべきだ、と言えば、それは三段論法的で論理的かもしれない。しかし、SFはまぎれもない創作であり、創作は現実からの飛翔である。この理屈からすれば、前の言い様はただのたわ言だ。現実からの飛翔であるはずの創作を、現実を記述する理論で束縛してどうする?
 
 ∧∧
( ‥)創作は飛翔力を失い、
    現実という大地に
    叩き付けられる
 
  (‥ )そういう意味では、
     科学じゃないものは追放だ、
     これが本当にSF界において
     起きたのなら、
     創作の自殺行為だよね
 
 ファンタジーも創作だ。呪文一つで状況を是正し、ほうき一つで空を飛ぶ。
 
 ∧∧
(‥ )ファンタジーもかつてのSFと
\‐  同様で、現実からの飛翔で
    あったのですよね
 
  (‥ )現実からの飛翔。
      意地悪な言い方をすると
      逃避なんだがな。
      まあ、楽しみってものは
      不道徳で淫らなものでね
      言うなれば、
 
 逃避でないものは娯楽ではない
 
 といったところだろうか?
 
 だが、そんな淫らで自堕落な世界において、魔法が体系化されたらどうなるか?
 
 その世界では魔法はただの学校の授業と同じだろう。それも魔法学校という言葉から連想できるものじゃないだろう。呪文を覚えるとか、ドラゴンの名前を覚えるとか、マンドラゴラを使って秘薬を作るとか、そんな微笑ましいものじゃなくなるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)まるで周期表を覚えるように
    元素霊の関連性を学び、
    物理の公式を覚えるように
    呪文を読み解き、
    魔法力学と魔法量子論を学び
    微分積分を用いて問題を解いて
    勉強をしなければいけない
 
  (‥ )魔法が体系化された時、
      ファンタジーは現実の
      似姿になって魅力を失い
      地に落ちるというわけだ
 
 リンク先の著者の嘆きはごもっとも。
 
 魔法は科学ではないのだから...
 
 いや
 
 嘆きはごもっともだけども、残念、魔法は本来、科学なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)単に敗北して見捨てられた理論
    というだけでね、
    本来は自然を説明する理論体系
    それそのものであったと
 
  ( ‥)科学の歴史を調べていると
    ‐□ 自分自身がどうも
      魔法使いにならなければ
      いけない場面に遭遇する
      わけよ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは魔法使いになる
    必要があると
 
  (‥ )本を書くってのは
      そういうもんでな、
      だけどもねえ...
 
 魔法というもの、これがもう絶頂にうんざりする、見るのもいやな理論体系なんである。
 
 地火水風 熱冷乾湿、元素と状態の組み合わせからこの世界の流転を説明し、惑星、植物、宇宙、人体、鉱物のすべてを説明、操作できるという、巨大な理論体系。
 
 天文学、占星術、冶金学、医学、草本学、それら全部がひとつとなった、いわば古代、中世の大統一理論。
 
 ∧∧
( ‥)でも、なんのこっちゃない
    これは日本で言う
    漢方とか風水なんですよね
 
  (‥ )そもそもおそらく
      漢方とかの原点は
      西洋魔法だからな、
      なんだかんだいって
      近似なのよな。
 
 漢方、風水だ、という言葉の響きを考えれば分かるが、こんなもの面白いわけがないんである。面白くないだけなら良いのだが、なお悪いことに役に立たない。
 
 ∧∧
( ‥)苦痛ですよと
 
  ( ‥)おれ、魔法、
    ‐□ 大嫌いなんだよね
      確かに、西欧魔法は
      科学を生み出したし、
      錬金術と天文学の要素は
      東洋魔法では薄い要素で
      そこは魅力的なんだがね
 
 だが、やはり魔法はそんな面白いものじゃない。
 
 だもんだから、ファンタジー創作を見ると、いつも思う。
 
 これ、魔法じゃねえじゃん。
 
 魔法はこんな楽しいもんじゃあないでしょう。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると、
    ファンタジー小説は
    実は魔法から逃げたのだと
    言えますかね。
 
  (‥ )魔法は敗北したが
      本来は現実を説明する
      科学理論体系だった
      だとすると、
      現実から逃げるのが
      創作なら、
      ファンタジー小説は
      魔法から逃げなきゃ
      だめってことだ
 
 ああ、そう見ると、やはりリンク先の著者の言っていることは正しい。
 
 ファンタジーは魔法である、これがそもそもの間違いなのだ。ファンタジーといえば魔法だ、そう思い込んで魔法に手を触れてはだめだ、魔法はファンタジーじゃない。それは敗北した現実だ。勘違いして触れちゃだめだ。逃げるんだ。

 ファンタジーは魔法から逃げなければならない。
 
 ∧∧
( ‥)SFを科学だと勘違いして
    現実に触れて大地に
    叩き落とされたような
    ことになりますよ、と
 
  ( ‥)でもなんか、すでに
    ‐□ 手遅れみたいね、
      次は、みんなどこへ
      逃げるんだろうなあ?
 
 ついでにいうと
 
 ∧∧
(‥ )まあ、でも、魔法に
\‐  現実逃避の要素があった
    ことは事実ですよね
 
  (‥ )魔女ってのは経験的に
      草の持つ薬物に詳しい
      ばあさんが独自に調合した
      ものでラリった姿だ、
      そういう解釈あるよな。
 
 それこそ飛翔感を得るためにラリって、セックスの暗喩であるほうきにまたがり、薄汚れ、老いた自分を忘れて飛翔することを、一人寂しく隠れながら空想する。ファンタジーにおいて魔女が最高のシンボルであることは、多分、偶然ではないんだろう。
 
 
 続く=>hilihiliのhilihili: その冒険は暗い物置で起きていることだった
 
 
 

2013年9月18日水曜日

世界は果てしない変異と引用と組み合わせと

 
 星新一という人はアイデアを長編にすることなく、中途半端な短編にしてばんばん書く事で、多くの創作の芽をつぶしてきた。
 
 ∧∧
(‥ )...という意見がありますね
\‐  何を書いても星新一さんの
    ぱくりになる、という
    怨嗟の声も
 
  (‥ )ああ、ぱくれば
      良いんじゃね?
 
 ∧∧
( ‥)ぱくるか
 
  (‥ )そりゃああなた、
      創作なんてぱくり、
      ぱくられの世界ですよ
      問題ナッシングですよ
 
 ∧∧
(‥ )じゃあ、星さんのどれを
\‐   ぱくりましょうか?
 
  (‥ )えー、めんどくせーよ
      適当にやろうぜー
 
 ∧∧
( ‥)読まずにぱくるか
 
  ( ‥)何を書いても星さんの
    ‐□ ぱくりって
      言われるのだろ?
      だったら
      問題ナッシングですよ
 
 そういえば、星さんのショートショートにはキリストの誕生をつげるベツレヘムの星が、惑星を滅ぼす最終戦争の火であった、というものがあったけども。
 
 ∧∧
( ‥)アーサー・C・クラークさんの
    小説でしたっけ?
    超新星で焼き尽くされた
    恒星系を調べたら知的生物が
    存在した痕跡があって、
    ノヴァで滅びる運命を知って
    なんとか記録を残そうとした
    それを人類が見つける話が
    ありましたよね
 
  (‥ )でっ、それが
      ベツレヘムの星だった、
      救世主の誕生を告げるため
      神はひとつの世界と種族を
      丸ごと焼き尽くした
      という話な。
 
 あれも、短編だったよね。
      

 
 

2013年9月17日火曜日

日時計と青空と夕暮れと金星と土星

 
 蒸し暑い雨と湿気と台風は過ぎ去って、夜の間に空気は乾き、気温は17度にまで低下するほど風が入れ替わった。
 
 ∧∧
(‥ )ふわあー ひさしぶりの
    晴れ渡る青空です
 
  (‥ )良い天気ということで
      ひさかたぶりに日時計だ
 
 影は長くなりました。三角法で計算すると。
 
 8月15日、南中した時、太陽は69度26分の高さにあった

 8月31日、南中した時、太陽は64度35分の高さにあった
 
 ∧∧
(‥ )本日、9月17日、
\‐  影の長さから計算すると
    高さはほぼ58度ですね
    2週間につき、
    腕を伸ばした時の
    指4本弱分ぐらいの角度で
    移動している感じですね
 
  (‥ )本日、17日、
      日時計の影の動きは
      東西に水平
      今年の秋分の日は
      一週間後だけど、
      昼夜の長さは今や、
      ほぼ均等だ
 
 太陽は急速に南へ動いている。曇りや雨続きだったからよく見ていないことも多かったけども、すでにずいぶんと低くなっているのだ。日差しは強いが、たしかにかげりが見えている。
 
 夕暮れに散歩すると、洗い流されて青く澄んだ空と、秋を思わせるたなびいた雲が目に映った。












 
 さらに日が落ちて、西南西の空に金星が輝き始めると、その上に鈍く輝く、くすんだ黄色い星。
 
 ∧∧
(‥ )ずいぶん暗いけども
    この時間に見える星は
    かなり明るい星ですよね
  
  (‥ )ああ、あの位置からすると、
      土星だろうな
 
 望遠鏡で確認するとやはり土星だった。
 
 今、夕暮れの西空低く輝く金星を見ると、その上にある土星も見れる。
 
 ∧∧
(‥ )高度が低いので、
    すぐ沈んじゃいますけどね
 
  (‥ )金星の動きもあるから、
     どのぐらい上下に並んで
     見えていてくれるかな
 
 

台風明けの火星

 
 外に出てみると、月はすでに落ちて夜空はさらに暗く晴れ渡り、そして東の空に赤い見慣れぬ星が
 
 ∧∧
( ‥)火星ですか
 
  ( ‥)うん、火星だね
    ‐/
  
 ああ、ひさしぶりに見たなあ、こんなところにいたんだ。
 
 ∧∧
( ‥)一気に動いた感じ?
 
  (‥ )印象としてはそんなだな
      もちろん、実際の動きは
      ちゃんと確認しないと
      いけないけども、
      惑星の動きは、
      特に火星の不規則な動きは
      印象的だよねえ
 
 ここ、神奈川県中央において、外の気温は17度にまで下がっていた
 
 
  

あなたのすぐ隣に異界が

 
 台風18号マンニィは関東に接近し、神奈川では断続的に強い雨が降って、そうかと思うと晴れて、そうかと思うと雲がやってきて、ざっと降って、上がって、しかし月曜日は強烈な風と曇りと湿気で、
 
 ∧∧ 
(‥ )しかし夜になったら
    すっきり。
    月は輝き、
    空は晴れ渡って
    月夜の日本晴れ
    エアコンをつけてないけど
    室温は26度ですよ
 
  (‥ )あー、
      すっきりした
 
 さて
 
 ∧∧
( ‥)でっ? どうよ?
 
  ( ‥)んー、そうねえ、
    ‐□ 本格的に調べる前に
      ネットで探しているの
      だけどねえ、
      どうも肝心なデータが
      見当たらないねえ
 
 おそろしく基本的なデータ。
 
 大きさ

 これが分からない。
 
 ∧∧
( ‥)実際は分かるのですよね
    一方は化石種だから
    断片的だけど、
    頭蓋骨とか
    そういうパーツの
    大きさは分かる
 
  (‥ )問題はさ、
      プロポーションと
      平均値なんだよな
 
 化石種と、それと比較すべき現在の種。同種で亜種だろ? と言われてはいるが、プロポーションが同じであるとは限らない。頭蓋骨の長さが同じでも8頭身と9頭身とではまるで違う。
 
 ∧∧
(‥ )トラとライオンさんが
\‐   そうだって話ですね
     一応、この人たちは
     別種だとされて
     いますけども
 
  (‥ )でも、骨にすれば
      よく分からなくなる。
      言い換えると、
      骨でほとんど同種に
      見えても、
      プロポーションが
      同じだっていう保証は
      無いってことなんだよね
 
 現生種に比べて、化石種は1割ほど大きいのではないか、という推論があることは分かった(これ自体は手持ちの文献に基づく)。
 
 ∧∧
(‥ )でも、文献から読める
\‐   個々の計測値からは
     そうは思えませんね
     数値だけでは概して
     化石種の方が
     むしろ小さい
 
  (‥ )多分、平均値とか、
      大きさの分布から言って
      いるのじゃないかな?
      現生種と絶滅種、
      最大サイズだけを
      比べてもこの場合は
      あまり意味はないよな
 
 資料が多い現生種の方が、まれだが大きな個体を計測してしまっているので、数字の幅、それだけを見ると平均値が大きい方にずれていやしないか? という意味。
 
 *小学生の中に、大人のバスケットボール選手を入れたらおかしなことになるぞ、ということ。
 
 
 ∧∧
(‥ )確かに、化石種の方が
\‐  実際に大きいのかな?
    そう思えるふしはありますね
    最大サイズは現生種の方が
    大きいけども、
    現生種の頭蓋骨の
    平均値は28センチ、
    だけどある地域から見つかった
    化石種は頭蓋骨が
    36〜42センチの範囲に
    落ちると
 
  (‥ )それが仮に平均値なら
      化け物サイズだけどね
      それはそれで偏っていると
      考えるべきなんだろうな
      困ったことにさ、
      現生種の大きさも
      なんかよく分からん部分が
      あるんだよな、
      猛獣だからかねえ?
  
 でかくて危ない動物の数値は、どうしても不確定な要素が入りがちだ。
 
 ともあれ、
 
 ∧∧
( ‥)ネットで下調べをするとは
    高速道路から風景を見て
    どこへいくべきか考える
    ようなものであると
 
  (‥ )ネット、書籍、論文、
      これらは引用とリンクで
      構築された知識と知見の
      ネットワークだけど、
      互いにからみあう一方で
      完全には重なっていない。
      三つの世界は相互に
      関係するが、
      重なり合う事がない
      いわば平行世界なのだ。
      これを忘れちゃいけないな
 
 向こう側へいくには、ネットだけでは無理なのだ。新幹線や高速道路から富士山を見ることは出来るが、それだけでは登れないのと同じで。
 
 ∧∧
( ‥)こういうことを
    忘れちゃいますとね
 
  ( ‥)本の優位性を語るなんて
    ‐□ まだそんなことを
       いっちゃう人がいるんだ
       そう思うのは今時は
       むしろありがちだよね。
       しかし、ネットで
       どこへでもいける
       そんなことを信じていたら
       永久に世界の界面は
       越えられん。
 
 自分のすぐ隣に異界があることにも気がつかない。これを湘南の風に当たりながら手につかむ事のない風景を死ぬまで見続けるドライブのような幸せと見るか、あるいは空虚なつまらない安全パイな人生と見るか、それは個人の価値観次第。
 
 
 これはhilihiliのhilihili: コメントは脳を展開する行為なりの続き
 
  
 
 

2013年9月16日月曜日

コメントは脳を展開する行為なり

 
 tumblrは情報の抜粋だ。
 
 例えば抜粋で次のように曰く、
 
 ネットでは情報がただで読める。しかし、無料で読める情報はやはり無料な情報でしかない。子供には本で調べさせたい。
 
 この意見を否定した上でコメントが曰く。
 
 本はこれこれな理由でネットより優れている。そう考えているのであろう。だが、その意見はくずだと思う。
 
 ∧∧
(‥ )ところが引用先の原文を
\‐   読むと、
     そんな推論を
     するまでもなく、
     子供にはこういう理由で
     本で調べさせたい、
     まずネットで調べたこと
     それでもなお
     ネットだけでなく本も
     使わせたいその理由と
     根拠と動機がすべて
     きちんと明言されている
 
  (‥ )明言があるのに
      推論を述べる。
      つまり、コメントさんは
      抜粋だけ読んで、
      詳細を確認しないまま
      反対、否定した
      そういうことだよな?

 
 いや、その、まあ、なんだ、原文が申し述べていることは、まさにそういうことをしないように子供を育てるにはどうすれば良いのか、という話なのであって、このコメントは...。
 
 ∧∧
(‥ )原文には追記の部分が
\‐  あるけども、
    日付から考えると
    コメントさんが原文を
    読まないまま
    書いてしまったのは
    ほぼ確実ですかねえ...
 
 (‥ )少なくともあれな、
     ”あなた、原文をきちんと
     読んでいないでしょう?”と
     言われたら、
     反論は難しいだろうね。
 
 tumblrはコメントをつけられるが、つけない場合の方が圧倒的に多く、しばしばそこをこそ評価される。気に入った言葉や絵画や詩や雰囲気を引用する。それはすでに無言の意思表示であって、しかし、言葉がないから静かで雑音が少ないものだ。

 だからなのだろう。
 
 黙々とreblogすれば良いのに、なんで余計なコメントをつけるんだよ?? 
 
 と言う意見もたまに見る。
 
 ∧∧
( ‥)reblogする。それ自体が
    すでに意思表示であるから
    reblogした以上の、いかなる
    コメントが必要なりや?
 
  (‥ )コメントをつけたい、
      コメントが必要だ、
      そう思う、
      そうしたい状況は
      いくらでも想像できるが
      引用した時点ですでに
      お前自身は意思を
      述べたではないか、
      それ以上の何が必要だと
      言うのか?
      そう問われたら、それは
      確かにそうだからね
 
 最低限、あれだ、reblogに限らないが、言語化されたコメントはかなり自分の手の内をさらすことになるので、慎重にならないといけない。さらした以上、それは相手に自分の脳内を覗き見られることと同じなのだ。そういうことは言えるだろう。
 
 そうなのだ、実はそもそも人間のおしゃべりは、自分の脳を相手に展開することと同じで、これこそ、我々が巨大な脳を持つ理由である、という意見もある。これは意外と正しい意見なのではないかと個人的には思うけども、事実だとすればかなり深刻な話なのだ。
 
 ともあれ、
 
 ∧∧
( ‥)無料で読める情報は
    所詮はタダの情報である
 
  (‥ )少なくともあれだ、
      すべての情報は
       等価ではない。
       金銭を用いて
       表示すれば
       高い、安いがある。
       これ自体は事実。

 
 ∧∧
( ‥)それでもなお、
    仮にすべての情報の価値が
    無料だとする
 
  (‥ )”重量”がない状態、
      つまり無重量状態で
      浮かんでいるような
      状況だな。
 
 この状況で情報は等価であるか?
 
 ∧∧
( ‥)ありえませんね、
    近い、遠いがある
 
  ( ‥) googleの1ページ目、
    ‐/ 2ページ目、
       10ページ、
       100ページ、
 
 情報の分布に奥行きがある以上、等価ではない。
 
 では同じ距離にある情報なら等価であるか?
 
 ∧∧
( ‥)ありえませんね
    情報を把握し、理解するには
    コストがかかる
 
  (‥ )つまり情報が無料でも
      金銭の消費はどうしても
      発生するのだ
  
 情報自体が仮に無料であっても、情報が無料になることはあり得ない。
  
 例えば学校の授業は高コストだ。授業料とかの話じゃない。脳をいくら使ってもよく分からない。カロリーをどんどん消費し、時間があっという間に費やされていく。これらのコストは当然、金に換算できるし、事実、金を使わないと回復できない。このように、一部の情報は恐ろしく高コストなのだ。こんなこと、考えればすぐ分かるはずなんだが、人間は学校のいまわしい記憶、自分は出来が悪いのだ、というおぞましい経験をやたらと無視したがる。
 
 ∧∧
( ‥)でも、こうした、
    理解に関係するコストを
    下げることは可能であると
 
  (‥ )理解しやすい情報を
      集めれば、可能な限り
      低コストで膨大な情報を
      集められる。
      ネットはこれがしやすい
      便利さの裏返しだよね
 
 そしてこれは、コストが安くすむ情報が、ある領域に集まってくる、ということを示している。例えばの話、自分や友人の本棚を見ればそれはすぐに分かる。学校が関係しないと自分がどうなってしまうか? それを思い出せばいい。まるで見たくもない素顔を見るようではないか。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、無料の情報を
    集める人の周囲には
    コストの安い情報が
    集中してくる。
    情報はタダではない。
    しかし、
    タダではないからこそ
    タダの領域が分離して
    しまう。
 
  (‥ )問題はさ、
      コストのかからない
      分かりやすい情報って
      大雑把すぎて
      役に立たなかったり、
      あるいは
      間違いだらけだったり
      することなんだよね
 
 おまけに、タダの情報はタダの情報をお互いにリンクして、広大だがほとんど出口がない網目状の迷宮を作っている。これがいやなら、自分の周りにある、無料で美しいが、ゴミくずだらけの壁を無理矢理突破するしかない。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれにはコストがかかる
\‐
 
  (‥ )子供にネットだけでなく
      本を使った調べものを
      させようってのは
      こういう体力をつけさせる
      ためのトレーニングだと
      考えるべきだろうな
 
 ネットで論文も読めるし、通販もできるし、本を読むのにだってamazonを使う。
 
 ∧∧
( ‥)でもネットが取りこぼした
    論文や書籍の情報や
    古本や図書館の隅にしか
    ない紙情報も圧倒的にある
 
  (‥ )ネットってのはよく
      整備された高速道路網の
      ようなものだよな。
      どこにでもいけるが、
      どこにもいけない。
 
 そして高速道路から降りて、自転車に乗って探しにいける奴は、降りれない人間よりもその点で有利になる。ただ、それには体力が必要で、やったことがない人間は車窓から世界のすべてを知ったと満足するのみ。

 
 ちなみに
      
 ∧∧
( ‥)あなたとしてはどう?
 
  (‥ )ネットで見る事が
      出来ない論文を
      引用して情報を売る。
      そういう商売を
      している以上、
      タダの情報は概して
      無価値だよ、というのは
      まったくの事実かな。
 
 
      

2013年9月15日日曜日

人は知性のみに生きるにあらず

 
 10歳では菓子に、20歳では恋人に、30歳では快楽に、40歳では野心に、50歳では貪欲に動かされる。
 
 ∧∧
(‥ )人はいつになったら
\‐   知性のみを追って
     進めるのか?
     という言葉がですね
 
  (‥ )...それって知性は
      知性のために存在する、
      知性は知性のために
      動作するべきである、
      知性ほどすばらしい
      ものはこの世界にない、
      そういう前提があっての
      見解だよねえ?
 
 
 最初の見解が正しくあるためには、この前提が正しくなければならない。
 

 ∧∧
( ‥)菓子を得るために頭を使い
    恋人を得るために頭を使い
    快楽を、地位を、貪欲を
    名誉を得るために頭脳を
    フル回転させる
 
  (‥ )頭を使うってそういう
      ことだし、
      そもそも、知性と称して
      己の頭脳を誇示する。
      この行為それ自体も、
      社会的な地位や立ち位置を
      計算した、
      打算的な行為だよな?
 
 つまり、
 
 人はいつになったら知性のみを追えるのか
 
 この問いは、そもそも前提が根本的に間違っているのではないか?
  
 ∧∧
( ‥)人は異性をくどくことで
    その無駄に巨大な頭脳を
    進化させてきた、
    そういう意見もありますね
 
  ( ‥)頭脳は知性と賢さの
    ‐□ ために必要だ、
      知性は生き残る上で必須だ
      仮にそうなら、
      人間だけが飛び抜けて
      大きな頭脳を持つことが
      説明できなくなるのだ
 
 人類の近縁種であるチンパンジーもここまで大きな脳は持っていないし、この地球で大繁栄している昆虫はこんな頭脳をそもそも持っていない。
 
 チンパンジーはなんで賢くなろうとしないの?
 
 それは質問が根本から間違っている。
 
 世界のこの有様が述べていることは明白だ。
 
 人間の頭脳は合理的な理由では説明できない。つまり、知性は知性的に使われるものではなく、理性的に正当化できるものでもなく、当然、知性は合理的なものではありえない。

 合理的にではなく、そもそもおかしな使い方をするもの。しょうもないことに使用するもの。それが頭脳であり知性というものだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、
    人はなぜ知性を追わないのか
    この主張は
 
  (‥ )理不尽な主張と考えるべき
      でも、その意味では
      理性的な主張かもね
      言ってる内容が
      結果的には
      トンチンカンになってる
      という意味でね
 
 
    

台風18号マンニィ接近

 
 一昨日は晴れていた。昨日は曇りで妙に蒸し暑く、夕方から雲はさらに濃くなった。
 
 日付が変わって雨が降り始め、ここ神奈川では結構な強さになっている。妙に蒸し暑く、温度が高い。
 
  ( ‥)やれやれ、洗濯物を
    ‐□ 室内に入れねば
      ならないな
 
 ∧∧
(‥ )台風が来てるみたいだよ
\‐ 
 
  (‥ )...この蒸し暑さは
      そういうことか
 
 ∧∧
(‥ )台風18号マンニィ
\‐  明日の夜には関東付近を
    通過するみたい
    本日昼間と明日一日中
    雨だね
 
 テレビがないと、台風は刻一刻と接近してくる巨大な渦巻く個物、個物と言っていいのか、つまりインディビジュアルとは思えない。
 
 それは単に日々移り変わる天気の一部であり、それは強い雨の空、風の強い日、であり、それが2、3日続くだけのことだ。
 
  ( ‥)昔の人も、台風は
      あくまで夏の終わりにくる
      雨の季節とその一環としか
      思わなかったのかな
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ぐるぐる回る雲を
    認識はできませんからね


 たしかに流れる雲と風の向きが通過にしたがって大きく変わるのは観察できる。
 
 しかし、これだけの観察から巨大な構造物全体とその渦巻きを推論するのは、発想としては不可能ではないものの、大胆すぎるだろう。
 
 
 
 

世界を二分する敵の最高指導者は、酔っていた

 
 hilihiliのhilihili: 草葉の陰に大統領の続き
 
 以前からある話。オバマっちは安倍っちに対してけんもほろろの対応で、むしろ邪険にしている、という噂。それを聞いて日本のリベラルは曰く、ほらみろ、国粋主義者の安倍なんかオバマから見たら評価に値しないってことじゃないか、ざまーみやがれ、と。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのご意見は?
 
  (‥ )仮に本当に嫌いだから
      邪険にしました、
      そうだと言うのなら、
      それは、
      政治家うんぬん以前に
      人として駄目だよね?
      
 
 いや、リベラルで、白人社会の中で生き抜いてついにトップに立ったオバマ大統領から見れば、安倍のようなぼんぼんの極右は否定されて当然なのです。
 
 ∧∧
( ‥)という意見もありますが
 
  (‥ )だったらなおのこと。
      政治家なら会わなきゃ
      駄目じゃねえ?
 
 相手が危険だ、と聞いたなら、その危険な相手を推し量る機会が到来したれば、それを逃してはいかん。機会があるごとにつついて推し量るべし。
 
 ∧∧
(‥ )ジャーナリストで言うなら
\‐  事件の渦中にある
    重要人物が向こうから
    ひょこひょこやってくる
    ようなものですよね
 
 
  (‥ )だのに、
      聞く限りでは
      あいつはけしからん奴だ
      だから会談は軽く扱おう、
      本当にそんなことを
      したというのなら、
      それは先入観にまみれた
      手抜きであって、
      仕事に対する
      態度ではないなあ。
      ましてやこれが
      指導者の判断だとするなら
      信じがたい話だけどね

 
 なんとも言えないけども、仮にアメリカの最高指導者であるオバマ大統領が事実としてそういうことをした、あるいは”する”人物だとする。
 
 ∧∧
( ‥)でも、考えてみれば、
    オバマさんだけがそういう人だ
    というわけじゃないですよね
 
  ( ‥)その前のブッシュ
    ‐□ 出来の良いお父さん
      ではない、
      息子の方、
      あの人も大概だった
      からね
      それを考えれば
      この信じがたい話も
      普通の話なのかもしれん
 
 ブッシュ大統領(Jr)は正気とは思えない戦争を始めて、お父さんの業績を木っ端みじんにしたのみならず、結果的に国を傾けた(そもそもオバマ大統領の仕事自体、これを是正することである)。
 
 ∧∧
( ‥)一時的な後退でしょうけども、
    この痛手からアメリカが
    回復するにはベトナム同様、
    一世代ぐらいは
    かかりますかねえ
    あるいは状況が違うから
    もっと長いか
 
  ( ‥)もちろん、これは外交の
      おもてなしの問題では
      ないけども、
      理屈や打算よりも信念を
      優先している
      そういう意味では
      ブッシュJrも
      オバマ大統領も
      同じじゃないのか?
      ということよね。
 
 ならずもの国家、その筆頭であるフセイン大統領を打ち倒し、イラクに民主主義を打ち立てる十字軍を! という無神経極まる夢と信念は現実という泥沼の中で無惨な姿をさらしてもがいて死んで、腐って消えた。

 そして、ブッシュJrも敵の言うことはおろか、本来は味方である人であっても、自分に反対する人の意見は聞いたりはしなかったようである。
 
 少なくとも、当時の国際的な雰囲気とあの戦争の陣容はどう見てもそうだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、信念で素人くさい
    ことをしてしまう。
    これはアメリカ大統領に
    おいては普通に起こる?
 
  (‥ )アメリカは直接選挙。
      直接選挙で選ばれるのは
      それは日本の知事を
      見ても分かるけども、
      しばしば経験がない、
      目立つ成り上がり者
      だよな?
 
 そして必然的に彼らはしばしば信念の人ではないか? 
 
 ∧∧
( ‥)政治家はそもそも
    信念の人ですけどね
 
  (‥ )だが経験があると
      現実の前に丸くなるだろ?
      信念は現実に屈服し
      より妥当に、あるいは
      狡猾になるのだ。
 
 でも、そうでない場合、直接選挙で選ばれた政治家は”信念だけの人”になるのではないか?
 
 そして信念とは、それがいかに美しくとも空虚なものだ。だって、現実じゃないのだから。
 
 では、信念の人が舵を取る時、何が起こるか? それは、我々自身が何度も色々な場面で目撃したこと、いや、巻き込まれたことではなかったか?
 
 直接選挙で選ばれた政治家には、新鮮さと信念がある一方で、現実に対して妙に無神経なところがある。
 
 
 ∧∧
(‥ )官僚体制が整っている
\‐  国ならば、
    指導者よ、あなたはそう
    おっしゃいますが
    現実はこうですよ、
    政治家にそういう具申が
    なされるので、
    そうした現実への無神経さは
    緩衝されるのですけどね。
 
  (‥ )だからあれよね、
      官僚や専門家のいない
      古代世界の直接民主制
      よりは、
      現在の直接民主制は
      まっとうに機能している
      ように見えるよね
 
 だが、やはり成り上がり者は成り上がり者。経験の薄さは否めない。そういう素人くささは官僚制でいかに糊塗しても表に出てしまう。それが自然ではなかろうか?
 
 ∧∧
(‥ )反対に、子供の頃から
\‐  政治に関わる機会があった
    二世、三世議員の方が
    政治家としては練度が
    高くなりうる。
    彼らは成り上がり者とは
    違う。
    理屈の上ではそうですね。
    もちろん反証例は
    いくらでも
    ありそうですが
 
  (‥ )ブッシュJr大統領や、
      日本のこの前までの
      首相なんかそうだろうな
      トラストミーで
      大騒ぎですよ
  
 しかし二世たちのこうした体たらくの一方で、大きな勝利を上げたパパブッシュが戦争参加者であり、実戦経験者であり、政治家としての職歴も長く、そればかりか現場と政権中枢、その両方から戦争を見ていたことを考えると、印象的だ。
 
 ∧∧
( ‥)二世、三世議員であれば
    プロになれる、ではなく
    プロになるには職歴が
    長いことが必要で、
    世襲議員はそれを
    満たす可能性がある、
    そういう感じですかね
 
  (‥ )世襲にすれば良いって
      ものではない。
      だがそれは、
      世襲でなければ良いを
      意味するわけでもない。
      民主制は業界のことを
      知らない素人を絶えず
      中枢に放り込んでいる。
      そういう仕組みで
      あることを
      忘れちゃいかん
      そういうことだろうな
 
 僕ら観客は、舞台上の俳優たちはシナリオに沿って声を上げる均一なプロだと思っているが、考えてみればそんなことはないんである。観客から飛び込みで壇上に上がる奴がいるし、名家もあれば素人も混ざったおかしな舞台なのだ。思惑もばらばら。
 
 ∧∧
( ‥)舞台上の政治家たちは、
    理詰めやシナリオじゃ
    考えられない、
    おかしなことを
    しているだろうと
 
  (‥ )そして時々、荒削りの
      素人臭さが顔を出す、
      そうでないと説明が
      つかないことが多すぎると
      思わないかね?
 
 直接選挙で選ばれたからすばらしい”はずだ”、とか、二世、三世だから駄目”なはずだ”、それらは空虚な信念でしかないだろう。
 
 現実は経験と実力だろうし、職歴の長さはある程度ではあるが、それを示す目安となるだろう。
 
 それを考えた時、この指導者は直接選挙で選ばれたからすばらしく、こちらは二世だから劣っている、そういう前提が支持されるか? それを検討してみても悪くはない。少なくとも現実は信念ではないのだ。    
  
 そして現実と言えば
 
  ( ‥)そういえばさ、
      クリントン大統領って
      赤ら顔のエリツィンが
      くだを巻いてしゃべるのを
      聞きながら、
      いやそうな顔で会談してた
      ことあったよな
 
 ∧∧
( ‥)ああ、確か、チェチェンの
    ならずものがぁぁ〜〜とか
    どう見ても酒飲んでるだろ
    という顔でエリツィンが
    しゃべってた時ね
 
 
 なんで地球を二分する相手との会談がこれなんだ? と思っても、我慢しなければいけないことがある。現実ってのはこんなもんらしい。
 
 
  
 
 

2013年9月14日土曜日

まあ、成功してから言うこった

 
 ∧∧
(‥ )今の若者は勇ましいことを
\‐  言う...と
 
  (‥ )学生時代に
      「革命ー!」とか
      叫んでた世代が
      言う事ではないな。
 
 
 出来もしない革命に挫折し、うまくいくはずもない計画を実行して大失敗した。そんな人間が言う言葉ではない。
 
 
 
 

2013年9月13日金曜日

草葉の陰に大統領

 
 hilihiliのhilihili: 警察官はいやだけど、警察官しなくちゃいけないの続き
 
 
 湾岸戦争(1991年開戦)が始まる前、一般市民を相手に演説をする大統領にやじがとんだ。あるいは、垂れ幕であったか。
 
 「石油のために戦争をするのか?」
 
 これに対し、ブッシュ(父親)大統領は答えた。 
 
 「いや、これは正義のための戦争なのだ」
 

 ∧∧
( ‥)うろ覚えだけど、
    あなたの記憶ですね
 
  ( ‥)本当は石油のための戦争
      なんだけど、
      兵隊さんに向かって
      石油のために死んでくれ、
      とは言えないからな
 
 本音は本音。建前は建前。理想は理想。現実は現実。
 
 そんなこと、百も承知なブッシュ大統領(パパ)とパウエル将軍であったのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )確か、クウェートから
\‐   イラク軍をたたき出した
     現地司令官がさらなる
     追撃をしようとしたのを
     パウエルさんが
     やめさせたって出来事
     ありませんでしたっけ
 
  (‥ )うろ覚えで書くのは
      良くないけども、
      そういう話あったよな。
      シュワルツコフ司令官を
      途中で止めたって話ね
 
 結果的に延命を許されたフセイン大統領は国内で起きた反乱を鎮圧したのであった。
 
 南部のシーア派を。北部のクルド人勢力を。
 
 それを見たアメリカ国民からは当時、ごうごうたる非難の声が上がった。なぜフセイン大統領をそのままにしたのか? なぜイラクに攻め込まなかったのか?
 
 ∧∧
( ‥)湾岸戦争はフセイン大統領を
    退陣させられなかったから
    軍事的にも失敗だった
    そんなことを書いた本も
    当時、ありましたよね
 
  (‥ )アメリカ人が書いた本でね
      あれを見た時は、
      衝撃だったな
      本当にめまいがしたよ
      パパブッシュと将軍の
      判断はまったく正しかった
      のではなかったか?
 
 少なくともアメリカの立場で見る限り、敵であるイランと同じシーア派を助けてどうなるだろう? 周辺諸国にまたがり、お互いに敵対する組織もあって、さらにそれぞれの国の政府と対立しているクルド諸勢力に介入してどうなるだろう? それらをしたら周りの国々はどんな顔をするだろう?
 
 見捨てたのは確かに人の道には反するが、では介入したらどうなっていたのか?
 
 ∧∧
(‥ )石油ではなく、正義の戦いだ
\‐   アメリカ国民はそれを
     真に受けたって
     ことですかね?
 
  (‥ )事実、2001年の
      アメリカ同時多発テロを
      受けた後、
      ほとんど言いがかりで
      2003年、イラクに
      攻め込むわけだね
      湾岸戦争の画竜点睛を
      いまこそつけるのだ、
      そういう勢いだよな
      バカバカしいが本気でね

 しかし、というか、当然のごとくあの結果。
 
 ∧∧
( ‥)パパブッシュの判断は
    正しかったのだ、と
 
  ( ‥)この世界には
    ‐□ 遅れた進んだとかでは
      なくて、
      欧米とは状況も条件も
      統治もまるで違う国家が
      存在する、
      そこに民主主義を
      押し付けても機能なんか
      しやしない。
      そういうことを
      アメリカ人の大多数は
      まったく
      理解できていなかった
      そういうことだよね
 
 それを考えると
 
 ∧∧
(‥ )オバマさんが10日の演説で、
\‐  イラク戦争の後、
    独裁者を排除したら
    次に起こるすべてに
    対応しなければならなくなった
    我々はそこから学んだ、
    今ひとつの独裁者、
    つまりサダトさんを排除する
    ことはしない、
    これを言ったのは
    画期的かもですね
 
  (‥ )アメリカ大統領の演説を
      全部網羅してるわけじゃ
      ないけど、なんかすごい
      ぶっちゃけたよな
      大量破壊兵器の危険性を
      アメリカに向けない限り
      独裁は容認します、
      ということだからね。
 
 これも、サダム・フセイン大統領の功績、ということか。
 
  ( ‥)大統領も、
      今頃、草葉の陰で
      お喜びだろう

 ∧∧
( ‥)俺の前に気づいてほしかった
    そう思っているのでは?
 
 いや、気づいてはいたんですよ。少なくともパパブッシュとか、将軍とか。
 
 しかしである。人はさほど賢くなくて、やってしまってから気づくのだ。
 
 ∧∧
(‥ )これを考えると、
\‐   これから先のアメリカは
     大量破壊兵器の使用には
     断固とした報復というか
     見せしめの攻撃をする
     その一方で、
     逆らわない独裁者には
     暗黙の了解を与える、
     そうした方向へ舵を切る
     そういうことですかね?
 
 (‥ )そうなるのが現実だろうけど
     現実の人々がそれを自覚する
     のはまだ先かもね。
 
 多分、言ってるオバマ大統領がそういう風には考えていない可能性もあるし。
 
 ∧∧
( ‥)なぜに?
 
   (‥ )毒ガスの使用には
       安全保障として断固たる
       措置をとるが、
       安定の要になるなら
       たとえ相手が
       独裁者であっても
       温存し、利用しよう
       そう自覚している
       指導者がだよ
 
 そういう理解の方針や戦略の枠組みで動いている指導者が、友邦国である日本の安倍首相(しばしば国家主義者と揶揄される)と距離を取る、というのは理にそぐわない。意味不明だ。
 
 ∧∧
( ‥)理に沿った行動を取らない
    それは別の理に沿って
    行動しているのでは?
 
  (‥ )ということはだ、
      オバマっち自身は
      以上のようには
      考えていないって
      ことだよね。
 
 あくまで当てずっぽうだけども
 
 しかし、演説で、
 
 4年半、戦争を終わらせる仕事をしてきました、帰還した兵士の皆さんはそれぞれの家庭からこの国を立て直してほしい、中産階級を盛り上げてほしい。
 
 そういう言い方をしていることからすれば
 
 ∧∧
( ‥)国内問題しか見ていない?
 
  (‥ )というか戦後処理しか
      していないし、
      それしか眼中にない、
      そういうことじゃね?
      リベラルらしいと
      言えばそうだよね
      そしてリベラルなら
      安倍っちと仲悪いのは
      おかしな話じゃないな
      
 
 まあ、でも、それが当然なんだろう。人間、できることには限界があるし、理解できることにも限界がある。指導者ともなればむしろなおさらだ。
 
 圧倒的な人気を誇った小泉首相だって郵政民営化、が精一杯だったわけだし。
 
 ∧∧
(‥ )人生でかなえられる願いは
\‐  たったひとつ
 
  (‥ )パパブッシュはベトナムの
      敗北を念頭にいれて、
      将軍と一緒に大勝利を
      おさめた。
 
 もちろんこれは、とてつもない大兵力を長距離輸送して、万事条件を整えて、しかも敵国には基本的に入り込まない。それを踏まえて、局地的な勝利と目的を追求した戦いだったわけで。実は例外なのだとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)アメリカって陸戦では
    勝利を納めたことが
    事実上、ない、とも
    言えますよね。
 
  (‥ )ロシアと挟み撃ちした
      対ドイツ戦、
      クウェートだけに
      しぼった湾岸戦争、
      それ以外は朝鮮戦争
      ベトナム戦争、
      そしてイラク戦争
      ひどいもんだからね
 
 いや、ベトナム戦争の愚を踏まえて、目標をしぼってせっかく大勝利した湾岸戦争だのに、それで訳の分からん勘違いをしてしまったからこそ、結果的にイラク戦争という大失敗をしてしまったわけで。
 
 ∧∧
(‥ )パパブッシュは勝った
\‐  しかしそれしか
    評価されなかった
    ジュニアは
    フセイン大統領を打倒した
    しかしそれだけだった
    オバマさんは戦後処理、
    それだけで終えるだろう
 
  (‥ )戦後処理による復興の
      果実があっても、
      それを収穫するのは
      オバマ大統領ではない
      こういうのは当然、
      時間差があるからね
      たぶん、あまり良い評価を
      されることもなく、
      普通のレッテルを張られて
      おしまいだろうな。
      いや、指導者ってのは
      ほとんど全員
      そうなのだよね
      
 みなさん、ひとつの仕事を終えて、そして草葉の陰へと去っていくのだろう。評価として考えた場合、実りの少ない人生。しかし、考えてみれば、それこそが彼らの義務だとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )もしかしたら、オバマさんの
\‐   演説はリベラルゆえの内容で
     戦略的な深い意味なんか
     実はないかもしれない
 
  (‥ )軍隊とか専門機関から
      具申はされるから
      演説に戦略的な意味が
      混ざるけど
      本人自身の理解は
      そういうものである
      必然性はないからね
 
 I agree あの二文字もそういう文脈で理解されるべきものなのかもしれない。
 
 とはいえ、しかし、言い換えれば指導者たちはほんの少し、ただひとつだけあるべき方向へ舵を切ればそれで良いのだ。失敗すれば、それこそオバマ大統領がやっているように逆に切ればいい。これらが累積すれば結果が出る。この過程において本人自身に自覚がある必要性はないし、自覚がなくとも歴史には参画しているし、後の時代から、これがターニングポイントだった、そう言われることもあるのだろう。
 
 皆、ひとつのことを成し遂げて、草葉の陰へと去りゆくのみ。
 
 
 
 ところで
 
 ∧∧
( ‥)あの、クリントンさんは...
 
  (‥ )口ですれば浮気にあらず
      男一匹、成したり格言。
      
 
 

2013年9月12日木曜日

警察官はいやだけど、警察官しなくちゃいけない

 
 ( ‥)状況はじょじょに
   ‐□ 進行するので、
     気づいた時には
     すでに手遅れ

 ∧∧
( ‥)さりとて、
    状況の進行に気づいた
    ところで、
    どこへいけばいいのやら
 
  (‥ )うっほ、逃げようぜ
 
 ∧∧
(‥ )どこにいくと言うのですか
\‐   仕事してください
 
 さて
 
 
 ∧∧
(‥ )...なんかね、オバマさんが
\‐  アメリカは世界の警察では無い
    と言ったとかで、
    それが一部で大受けしててね
 
  (‥ )...ああ? なんだあ?
      俺たちもう自由って
      ことか?
 
 これは吉報! 好きにさせてもらうぜえ ひゃっはー!
 
 *FSSにおけるグリーン・レフト大反乱のイメージで
 
 
 ∧∧
( ‥)そんなわけねーだろ
 
  ( ‥)具体的には...
    ‐/ 何をいったのだろうね?
       シリア政府が内戦に
       おいて毒ガスを使った
       そのことへの対応を
       説明する10日の
       演説だね
 
 NPRによる演説の起こしはこちら=>Transcript: President Obama's Address To The Nation On Syria : NPR
 
 youtubeはこちら=>Obama Addresses the Nation on Syria Sept 10th 2013 | Full Speech - YouTube
 
 *以下の訳は適当なので、知りたい人は自己解決して、よろしくプリーズ。
 
 
 But I have resisted calls for military action because we cannot resolve someone else's civil war through force, particularly after a decade of war in Iraq and Afghanistan.

 しかし私は軍の召集は控えております。このような内戦を力で解決することは不可能だからです。特に、イラクとアフガニスタンにおける戦いの後だけになおさらです。
 
 それから続く演説の要旨をまとめれば、
 
 アサド政権が毒ガスを用いた事、過去、アメリカと世界は毒ガスによって多くの犠牲を払った事、アサド政権が毒ガスを用いた証拠は多々ある事、これは国際法に反するのみならず、我々自身の安全にとっても脅威であること。
 
 化学兵器を禁じた法律が損なわれたら、他の暴君たち(tyrantsという単語を使用)がこれを使うであろうこと、そうなれば我が国の兵士たちが戦場で化学兵器の脅威にさらされうること、それのみならずテロリストたちによって市民もその脅威にさらされうること、これを受け入れるわけにはいかないこと。
 
 それゆえ、軍事攻撃を決定したこと、この攻撃の目的はアサド政権による化学兵器の使用に対してのものであること、化学兵器の使用を出来ないようにするものであること、世界が化学兵器の使用を許さないことを示すものであること。
 
 *ここで言っている軍事攻撃とは、a targeted military strike のこと。まんま訳すと”目標物を定めたなにかしらの軍事攻撃”。
 
 **つまり、military action はしないけども、targeted military strike はする、ということを大統領は説明している。前後の文脈や I will not put American boots on the ground in Syria. という言い方からするに、陸軍を投入した戦争はしないけども、軍事施設の空爆とかはするからよろぴく、という理解で良いらしい。
 
 
 ∧∧
(‥ )そして、戦争を始める
\‐   わけではないのだ、
     そういう説明が
     続きますね
 
  (‥ )今、戦争は容認できる
      手段ではないのです、
      そういう発言があるね
 
 Now, I know that after the terrible toll of Iraq and Afghanistan, the idea of any military action, no matter how limited, is not going to be popular.

 今、私が思いますに、イラクとアフガニスタンの恐るべき代償の後では、いかなる軍事行動といえども、それが例え限定的なものであってさえも、受け入れられるものではないのであります。
 
 ****これはむしろ、次のように意訳した方が良い?
=>陸軍を動員した本格的な戦争は、それがいかに限定的なものであっても、到底、国民の理解を得られないのであります。
 
 ∧∧
(‥ )くだんの箇所はこのさらに後で
\‐   出てくるものですね
 
  (‥ )最後に、多くの人が
      問いますけれども、と
      述べてから
      国民の問いかけに
      対して
      軍事行動の正当性を
      答える文脈で
      出てくるのな。
 
 And several people wrote to me, we should not be the world's policeman. I agree. And I have a deeply held preference for peaceful solutions. Over the last two years may administration has tried diplomacy and sanctions, warnings and negotiations. But chemical weapons were still used by the Assad regime.
 
 幾人かの人々は手紙により、我々は世界の警察官であるべきではない、私にそう述べております。私もそう思いますし、事実、私は平和的解決を優先してまいりました。ここに至る二年間を通して、外交的、国際法的な警告や交渉を続けてきたのです。しかし、アサド政権は化学兵器を使用したのであります。
 
 以上の部分はyoutubeでは10:27から出てくる
 =>Obama Addresses the Nation on Syria Sept 10th 2013 | Full Speech - YouTube
 
 ∧∧
( ‥)まあ、あなたの翻訳が
    良いか悪いかはともかく、
    大意としてはこういう内容で
    あると
 
  ( ‥)アメリカは世界の警察で
    ‐□ あるべきではないけど
      あいつら化学兵器を
      使ったんだよ、
      攻撃しなくちゃ
      しょーがねーだろー?
      という意味合いなのな。
 
 ∧∧
( ‥)けっして、アメリカが
    世界の警察であるという
    自負を捨てたわけではない
 
  (‥ )というか、あれな、
      世界の警察ではないが
      パクス・アメリカーナは
      行使するよ、
      そういう意味だと
      受け取れるよね
 
 ∧∧
(‥ )パクス・アメリカーナ
\‐   アメリカの圧倒的軍事力と
     それによる世界平和
 
  (‥ )そういう役回りを
      世界の警察と
      呼ぶか、呼ばないか、
      オバマ大統領自身が
      それに否定的であろうが
      アメリカ国民に
      そういう役回りをこばむ
      厭戦的な気分があろうが
      そういう名称を
      使いたくなかろうが、
      仕組みと必要性は
      軍事力による平和を
      要求する。
      そういうことだよね。
 
 そういう意味では、一部ネットで見られる、
 
 ”「アメリカは世界の警察ではない」そう述べたオバマ大統領はアメリカの歴史に残る大きな転換を行った”
 
 という解釈は過大すぎるけども
 
 ∧∧
(‥ )でも、結果的にこれは、
\‐   警察官という肩書きは
     いやだけども、
     警察行為はしなくちゃ
     いけないんだ、
     そういう主張ですよね?
     乖離している理想と現実を
     わざわざ演説で口にする。
     これは大胆だとも、
     奇妙だとも、混乱してるとも
     言えますよね。
 
  (‥ )I agree.
      この2語がなかったら
      国民の皆様の中には
      そういう意見もありますが
      で、すむのだけどね。
      わざわざ入れたのは
      なんでだろうね。
      単に国内のリベラル層に
      向けた発言かもだけど
      混乱的だよな?
 
 I don't think we should remove another dictator with force. We learned from Iraq that doing so makes us responsible for all that comes next. But a targeted strike can make Assad or any other dictator think twice before using chemical weapons.
 
 私は力によって独裁者を追放するべきとは考えておりません。我々はイラクにおいて、そのようなことをすると次にどうなるか学んだのであります。しかし、目標を定めた攻撃でも、アサドや、あるいは他のいかなる独裁者にも、化学兵器の使用をためらわせる効果があるはずです。
 
 ∧∧
(‥ )あなたの意訳ですけど
\‐  これはようするに、
    脅威を与えない独裁者なら
    追放はしません、という
    宣言ですかね?
 
 (‥ )another dictator
     直訳すれば今一人の独裁者
     つまり、
     イラクのフセイン大統領を
     殺したら、イラクがあんな
     大混乱に陥って、
     アメリカは甚大な損害を
     こうむったから、
     アサド大統領は殺さないよ
     でも化学兵器の使用を許すと
     歯止めが利かなくなるから
     限定攻撃ですませるね、
     そういうことだよな。
 
 ∧∧
( ‥)自分たちが統治するには
    あまりに手を汚しすぎるから
    拷問や秘密警察とか
    そういう汚い仕事は
    独裁者にまかせて
    間接統治しようと?
 
  (‥ )アメリカっていうと、
      南米ではもともと
      そういうことをしてた
      わけだしね、
      中東でも現実路線に
      向かいましょうって
      ことかな。
 
 単にイラク戦争の損害がでかすぎたので、嘘でも本気でも偽善でも理想を掲げる体力がありません、それだけのことだと言えるけども。
 
 ∧∧
(‥ )戦争はしません、
\‐   私は4年半の間、
     戦争を止める仕事を
     してまいりました
 
  (‥ )イラクや
      アフガニスタンから
      帰ってきた兵士たちは
      我が国を立て直し、
      中産階級を成長させて
      欲しい、そういうことも
      言ってる。
 
 ∧∧
( ‥)ブッシュ(息子)政権時代の
    つけがあまりにも大きい。
    まずは国の立て直しであると
 
  (‥ )サブプライム大爆発も
      あったしね、
      世界最強とはいえ、
      休息が必要だ、
      というか、そうしないと
      国が死にます
      そういうことだろうね

 演説の最中では
 
 This nation is sick and tired of war
 
 こういう言葉まで出てくるわけだし。
 
 それを考えると、確かにネットの過剰な反応も、実は根本において正しいのだと言える。何世紀という長期的視点から見てもそうなのだろうけど、少なくとも今のアメリカは取りあえず方針転換をしないといけないってことなのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でも、それをわざわざ
\‐   言っちゃうのは
     なぜでしょうね?
 
  (‥ )時代を変えなきゃいけない
      そう思っているのかも
      しれない。
      それを言いたいのかも
      しれない。
 
 もっとも、それを考えると、オバマっちが、日本の安倍っちとなんかうまくいってないらしいのは、理解に苦しむ。
 
 ∧∧
( ‥)そんなに休憩したいなら
    きな臭い戦線にいる
    友邦国ともっと緊密に
    ならなきゃいけない
    でしょうに。なんで?
 
  (‥ )オバマっちは理屈でなく
      理念で動いているの
      かもしれないね。
 
 理屈の人からすればそうでないかもしれないが、理念を持つ平和主義者からすれば安倍っちは許しがたい存在だろう。
 
 ∧∧
(‥ )その一方ではアサドさんは
\‐   殺さないよ宣言ですか
 
  (‥ )I agree.の件といい。
      なんか混乱的だな。
      でも、それこそが
      理念の人であるゆえんだ
      そういうことなのかも
      しれん。
 
 
 それにしても、さすがに立場による重圧。オバマっち、白髪が増えたなあ...
 
 
 
  

2013年9月11日水曜日

真理こそ打倒すべき敵

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ、この前、
      ネットで見たのは
      こんな言い様であった
 
 ピタゴラスは数学の天才だったが、彼は無理数を発見した者を殺した。真理を見つけた者を否定する。こういうことが今も行われていないか?
  
 ∧∧
( ‥)...ピタゴラスさんが数学の
    天才だ、というのは
    多分、言い過ぎでしょ?
 
  (‥ )あの人の業績はよく
      分からないし、
      ピタゴラス教団の業績は
      ピタゴラス教徒のもの
      だからね
 
 個人の業績が不明瞭なのだ。
 
 ”無理数を発見した者を殺した”、のがピタゴラスかどうかにいたっては、さらによく分からない。少なくとも発見した者が始末された、という逸話はあるが、諸説あって(ピタゴラス自身がやった、という逸話もあるにはある)ひどく不明瞭(原典探索中)。
 
 ∧∧
( ‥)でもまあ、そいうところを
    抜きにすれば上の文章は
    おおむね意味は通じますね
 
  (‥ )こんな感じに言い換えれば
      いいわけかな?
 
 数学史において大きな業績を上げたピタゴラス教団は、数学を宗教とした教団であった。彼らは数の比で世界を示せると考えたが、いかなる数の比でも示せない数、つまり無理数の発見に恐怖し、見つけたものを殺した。このようなこと、今でも行われていないか?
 
 ∧∧
(‥ )...なんか、むしろ長く、
\‐   回りくどくなったね

 
  (‥ )うほっ、厳しい現実
      
 ともあれ

 
 ∧∧
( ‥)数学という証明と演繹から
    得られた知見を、
    己が信念でつぶしてしまう
    という矛盾
    それが起きるのは事実。
 
  (‥ )真理を追求する者が
      真理をつぶすとは
      いかなることか?
 
 ああ、しかし、ピタゴラス教団や古代ギリシャ人には、彼らなりの言い訳があるんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)守るべき真理、それは
    数の比で示せる
    美しい世界
 
  (‥ )プラトンだって
      先生の教えた
      無理数の証明を
      どうでもいい理屈で
      矮小化して、
      無理数だって数の比で
      示せるんだって、
      トンデモ主張を始めたり
      するからね
 
 それを考えると、数学を知らぬ者は入ってはいけない、そう書いてあったというプラトンの学校。だがしかし、彼が掲げた”数学”とは一体なんだったのか?
 
 ∧∧
(‥ )彼には守るべき真理があった
\‐  そういうことでしょうね
 
  (‥ )じゃあ、結論は
      簡単よな。
 
 真理は答えありきであって、現実と結論をゆがめてしまう。理想の真実、つまりイデアとは、どこにもない単なる虚構。
 
 ならば。打倒すべき敵、すなわちそれは真理なり。
 
 あるべきは、あるべき姿ではない。
 
 
 

2013年9月10日火曜日

その鳴き声を聞け

 
 キジが鳴いたのだが、それが
 
 ひーははははぁー 貴様はここから丸見えだぁー
 
  (‥ )だった場合、そこに
      銃弾を撃ち込んで
      良いものでしょうか
 
 ∧∧
( ‥)取りあえず、あなたが
    撃って、よろしく
    プリーズ
 
 

無駄な休みあってこその休日

 
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  ( ‥)そうねえ、せっかくの
    ‐□ 休みなのにどこにも
      行く気がしない、
      それは
      疲労の反映だよね
 
 ∧∧
(‥ )そういう時はただ休むべき
\‐   なのでしょうね
 
  (‥ )休みを有効活用したい
      それも分かるが、
      無理をすると
      楽しみもストレスに
      なってしまう。
      無駄な時間を過ごすのも
      休みのうちよ
      いや、むしろそれこそが
      重要なのだな。
 
 
 休めるだけも良しとしよう...、そう思って、ただぼんやりと時々の休みを過ごす。
 
 そうしてある日、ふと、
 
 暇だし、何かしようかな
 
 そう思った時が
 
 ∧∧
( ‥)疲れがとれた時だろうと
 
  (‥ )それまでの無駄な休みが
      あってこその休日なのだ
 
 例えばの話、寝ている時間はいかにも無駄だ、この睡眠時間をなんとか有効活用できまいか? これを本気で言う人がいるとすれば、それは発想がいかれているのだ。
 
 ∧∧
(‥ )寝るのは無駄な時間だけども
    無駄であるからこそ
    意義があるのです
 
  (‥ )休みもそういうこと
      だよな
 
 そうねえ、有効活用しよう、という姿勢は見方を変えれば、有効活用できなかった、そう自分に思える時間が”喪失感”に変貌する、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、無駄を無くそう、
    そう思えば思うほど、
    喪失感や損をした、
    そういうストレスが
    増えることになる
 
  (‥ )そんなことしてたら
      普通に死ぬよね
     
 
 
 

2013年9月9日月曜日

デトロイト・オリンピック・シティー

 
 
  (‥ )ああ、2020年の
      オリンピックは
      東京で決まったのか。
      
 ∧∧
(‥ )もう先日のニュース
\‐   ですけどね。
 
 
 ちょっと意外だったけども、対立候補の中では一番安定した場所だから、当然と言えば当然か。
 
 
  ( ‥)2020年...
      今年は2013年
      オリンピックの年は
      4の倍数...
 ∧∧
( ‥)それがなによ
 

 
  (‥ )じゃあ去年、
      オリンピックが
      あったわけ?

 ∧∧
(‥ )2012年はロンドン
\‐   オリンピックだね
 
 
  (‥ )もっと前に盛り上がって
      いなかったっけ?
 
 ∧∧
( ‥)それ、暴動じゃね?
 
 =>https://www.google.co.jp/search?q=2011+england+riots&bav=on.2,or.r_qf.&bvm=bv.51773540,d.dGI,pv.xjs.s.en_US.jkEW54nYU50.O&biw=1002&bih=797&um=1&ie…
 
 ∧∧
(‥ )なんでこんなことに
\‐  なっちゃうんでしょうね
 
  (‥ )でもさ、ダーウィンの時代
      にも労働者階級の暴動に
      そなえて紳士階級が
      使用人と一緒に
      猟銃やバールみたいな
      もので武装して待ち構える
      話があったよね?
 
 それを考えると何一つ変わっていないし、移民もイギリスの階級社会にきっちり取り込まれ、呑み込まれていった。その結果があれなんじゃねーの? とか、英国社会をろくに知りもしないのにそう思う。
 
 ∧∧
( ‥)バールみたいなので
    貧乏人の頭をかち割るのが
    英国ジェントルマン?
 
  (‥ )日本の武士階級が
      日本刀で暴徒を
      斬るような感覚で
      いいんじゃない?
 
 ∧∧
(‥ )なんでしょうね、その違いは
\‐   ともあれ、
     東京オリンピックで
     経済効果がうんぬんと
 
  (‥ )建設すると予算が回る
      すごく暴言的に言うと
      無駄遣いがないと
      お金は貯蓄されるだけで
      意味を失うからな
      無駄遣いは必要よね
 
 クールジャパンとやらも、結局はあこぎなプロデューサーに金が落ちただけじゃん。何をやっているのだ、馬鹿役人共は。そう言う人もいるけども、まとまった金が回る、とはそういうことなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)税金を使う以上、
    しかるべき人に
    お金を渡して
    計画的に
    消費させないと
    いけませんからね
 
  (‥ )ただ、普通は
      ちゃんとした
      ゼネコンがいて業界に
      金が回るのだけど、
      クールジャパンには
      そんなものがなかった
      あるいは
      クールジャパンは
      プロデュースなので
      高名なプロデューサー
      とやらへ無意味に
      金が流れるはめになった
      業界には関係なかった
      そういうことだよね
 
 実際のところクールジャパンとは無名の個人が好き勝手やる混沌、確率的、あるいは進化的な過程から生まれたものだ。いわば、頭の無い、顔無き混沌から生まれたもの。浮世絵の昔から日本の漫画やアニメはいわば無貌の神であり、その落とし子だったと言える。

 賢しい人は言いました、日本人は西洋へ送る陶器を包む梱包材に浮世絵を使った。だが西欧人が注目したのは浮世絵だった。だから言います、日本人は物を見る目がなかったのだと。
 
 いや、これは否。それは日本人の見る目の無さ、ではなく、無価値でどうでも良い大量の混沌からこそ価値が生まれるということを示している。今から見れば浮世絵を重要だと信奉するその人ならば、今でこそ美術館の浮世絵をたたえるが、反対に漫画は平気で踏みにじるだろう。

 だから本来ありもしないクールジャパンの顔にプロデューサーを選び、そこに金を落としてもまるで意味はないってことが分かる。
 
 あるいは、これらすべては知性から価値が生まれると考える、愚かしい知性主義者共の敗北と見るべきか。
 
 *知性主義者は知性こそが鍵だと考えるがゆえに、知性がなくとも解を探せる進化的な仕組みを理解することも作ることもできない。だから神だとかデザイナーとかを考えだす。知性主義者と言いつつ、実のところ彼らはそんな程度の知性しか持っていない人々である、という意味。
 
 つまるところ、顔がある、という時点で、それは失格なのだ。
 
 そんなことなら、漫画業界とかアニメ業界に直接に、でもなく、建築業界に金を落として、コミケ専用とまではいかないまでも、大規模イベント用の会場を作った方がよかったんじゃね? 
 
 ∧∧
(‥ )まあ、そういう話かも
\‐   しれないと
 
  (‥ )知ってる人なら
      そうじゃないんだ
      こうなんだ、と
      色々反論するだろう
      けどもね。
 
 それにしても
 
 オリンピックを開催すると金が回る、公共施設が出来る、というのなら
 
  (‥ )デトロイトでやれば
      いいじゃねえの?
 
 ∧∧
(‥ )今、あそこは壊滅的
\‐   みたいですからね
 
 子供の頃、自動車の町と知られたデトロイトが、いまや嘘みたいな状況になっているらしい。Detroit ghost town で検索すると印象的な画像の数々が

=>https://www.google.co.jp/search?q=detroit+ghost+town&bav=on.2,or.r_qf.&biw=1002&bih=797&bvm=pv.xjs.s.en_US.jkEW54nYU50.O&um=1&ie=UTF-8&hl=ja&tbm… 
 
 ∧∧
(‥ )2024年の開催地立候補
\‐  から辞退したという
    ニュースも引っかかって
    きますね。
    過去7回立候補したけど
    いずれも失敗、
    2013年の辞退理由は
    財政破綻危機などを
    考慮すると招致参加は
    断念せざるをえない、
    市長がそう述べたとか。
 
  (‥ )前の失敗が1974年、
      その時だったらなあ...
      以来、ほぼ40年、
      今となってはもはや
      壊滅状態で
      オリンピックでテコ入れ
      とか、
      そういう状態ですらない
      そういうことなのか....
      時間は怖いよね。
 
  それを考えると、さてもさても、金を投入する決断、する場所、タイミング、いずれも重要で、しかし、金を受け取る側も体力と安定が必要なのだ、それゆえにこそのタイミングだ。そういうことがよく分かる。 

 
   

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