自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2014年10月31日金曜日

月とユリウス・カエサル

 
 月齢6をアップ=>Untitled Document

 こちらで画像だけをアップするとこう
 












 
 ∧∧
(‥ )白抜きのblogにアップすると
\‐  必要以上に暗く見えちゃうね
 
  (‥ )サムネイル上は
      そう見えるが
      まあ止むを得ないさ
 
 今日、ではなく、昨日、30日にスケッチしたものだ。最初は絶好調に晴れていたのに途中から雲が出て、スケッチは中途半端で終わった。
 
 ∧∧
( ‥)あなた夜の野外で
    空に向けて怒っているのだもの
    やばい人だよ
 
  ( ‥)あと1時間、あと1時間
    ‐□ あればなあ
 
 ともあれ、クレーター、ユリウス・カエサルを見たのであった。
 
 ∧∧
(‥ )大政治家の名前が
\‐  ついているのに
    なんかくたびれた
    崩れかけのクレーターだよね
    あなたのスケッチでも
    申し訳程度ですよ
 
  (‥ )でも月の地形の歴史を
      とどめたクレーターなのだ
      さほど有名ではないが
      月の地質学の文献には
      一応、言及されるものだね
 
 雨の海、つまり月のうさぎさんマークのお腹が出来た時、その隕石衝突でふっとばされた放出物と岩盤によってクレーター、ユリウス・カエサルは半ば埋まり、そしてすっとんでくる放出物によって周囲を削られ、浸食されてしまったのであった。
 
 それが把握できただけでも良しとしよう。
 
 ∧∧
( ‥)HPの更新は4ヶ月ぶりだね
 
  ( ‥)ここしばらく忙しくてな
    ‐□ 新刊の宣伝もしていないし
      そろそろ作らないとな
 
 本日は神保町へいってきたが、神保町はブックフェアであり、そして世間は今日、31日、ハロウィンであった。本をあさる人が多く、書店はにぎわい、仮装をした人がちらほらと見える。日本でもほんの少しだけどハロウィンがイベントとして定着してきたらしい。後、半世紀もしたら得体の知れない魔改造されたイベントになって、本家である西欧人を戸惑わせているのだろうか。
 
 ∧∧
( ‥)でもあなたはお月様の
    コンテンツを更新だ
 
  (‥ )まあ、ちょっと
      ハロウィン?
      みたいな感じでな
 
 遺伝の本を借りて目を通したり、ニホンカワウソの文献を買ったり、古生物学の古本を購入したり、月の本を電車の中で読んだりと、どうもめまぐるしいのである。

 



2014年10月30日木曜日

これはむしろ凶兆

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)考えてみると
    ‐□ ここ最近
      仕事を断ることが多い
      断る理由自体は
      手持ちの仕事の処理で
      いっぱいいっぱいだ
      そういうことなんだが
 
*=>hilihiliのhilihili: ピンハネは相手を信用しないと成立しない
 
 ∧∧
(‥ )非常に楽観的に考えると
\‐  あなたの知名度が上がって
    あなたがいよいよ
    売れっ子になってきた
    依頼が多いからこそ
    断らざるをえない
    そう考えることが
    出来ますけども
 
  (‥ )いや、なんかな
      そんな感じじゃ
      ないのだよな
 
 なんと言うか、うまく言えないが、これまで無かったようなことが起きているのではないか、そんな印象を受ける。
 
 なにかこうやばい感じだ。
 
 ∧∧
( ‥)業界の構造が何かしら
    変ったのではないか?
 
  ( ‥)単純に市場の規模が
    ‐□ 縮小したとか
      ネットに食われて
      どこも苦しいとか
      大手が自分たちの
      雇用を守るために
      下請けに仕事を丸投げで
      業界の構造に破綻が
      起きているとか
      反対に電子書籍の伸びが
      ようやく見えてきたとか
      そういう何かが
      影響しているかもだけど
      よく分からん
 
 ∧∧
( ‥)ともあれあなたの印象としては
 
  (‥ )これはむしろ凶兆
      大凶だと見た
      もう時間があまりないの
      かもしれん
 
 
 
 業界の合理化、下請けなどに関して、以下追記
 
 *先にも話題にした、35歳だけどもう漫画家として限界だ! という嘆きの声。あれがどこまで本当かはネットで見るだけでは分からぬ。ただ、その書き込みにあった内容、大手出版社の雇用を守るために漫画の出版部数などが制限されて、漫画家にしわ寄せがきて苦しい、という指摘。これは多分、現実かそれに近いのだろう。
 
 **合理化の一環として部門を子会社化する。あるいは下請けに回す、これはありがちな手である。
 
 ***しばしば社内の部門は、他の利益を上げている部門に寄生している場合がある。その部門だって技術的に必要だ、うんぬんではなく、書類上はそうなのだ。そうである場合、それを切り離すと他の部門は寄生者から開放される。負担が減る。会社は存続し、救済される。一方で切り離されて子会社化した部門は自分で立たねばならぬ。下請けに仕事を回すというのも同じだが、これは、しわ寄せを作ることで富を自分に偏らせて本体が存続するという手法だ。その点では若手からピンハネして”熟練者”の雇用を守るということと、構図は同じだろう。
 
 ****そして若手からピンハネして収入を確保する。漫画家はそれをアシスタントにするし、出版社は漫画家にそれをするのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )テレビの業界だと
\‐  顕著に起きた事柄だよね
    テレビは雇用を守る代わりに
    質が落ちてしまった
 
  (‥ )正社員の雇用を守るのと
      引き換えに
      下請け、孫請けに
      次々に負担を押しつけ
      ピンハネしすぎて
      現場である制作を
      貧乏にしてしまった
      だから質が落ちる
      まあ、そういうことかな
 
 出版界はテレビよりもこの点では救われているように思える。もともと小さい企業が山のようにある業界だ。部門の切り離し、下請け、孫請け、というしわ寄せの連鎖がそもそも起きにくい。そもそも漫画家が愚痴をこぼすという事自体がその暗示だろう。
 
 ∧∧
( ‥)漫画の中心とは
    集英社、小学館、講談社
    これらであって
    そしてこれらは
    出版界の上位を独占する
    三大超巨塔ですからね
    漫画家さんは大手の下請けだ
    つまり漫画家さんとは
    あなたのような
    他の下請けとは
    比べ物にならない人々ですよ
 
  ( ‥)その分、漫画家さんは
    ‐□ 業界の合理化とその影響を
      顕著に受けてしまった
      そういうことかも
      しれないな
      もちろん、35歳までに
      事業を確立せよというのは
      至上命題であって
       それに失敗したのは
      第一に個人の責任だがな


 しかし、今や話はそれですまないように思える。良い話を聞かないし、良い話ではないのである。

 
 ∧∧
( ‥)なんとします?
 
  (‥ )人間が打てる手は有限だ
      ならば
      有効と思われる方向へ
      手を集中することで
      状況の突破を
      はかるしかあるまい
 
 ∧∧
(‥ )脇目も振らずにですか
\‐
 
  (‥ )脇目もふらずに突破したら
      その先が予想と違って
      泥沼で
      そこでお仕舞いってことも
      あるんだけどな
      そもそも集中しないと
      突破が出来ぬでな
      話は突破してからなのだ
      丘を越えてから嘆くべき
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  今は仕事を選ぶべきって
    ことですかね
 
  (‥ )実際、すべての仕事を
      一人で抱えることは
      出来ないのだから
      そういうことだろうね
 
 
 それにしても、なにか嫌な予感がする。合理化だとか下請けだとか、それだけですまないような何か、これまでに経験したことがないようなことが起きているように思える。
 
 
 

2014年10月29日水曜日

ピンハネは相手を信用しないと成立しない

 
 最近はどういうわけか仕事の依頼を断る事案が多い。
 
 ∧∧
(‥ )今日も一件断りました
\‐
 
  (‥ )仕事を選んでいる
      場合じゃない
      それは分かるのだけど
      これは無理っぽいな
      というのは
      引き受けない方が
      良いだろうなあ...
 
 ∧∧
( ‥)イラストレーターさんが
    間に入るわけだよね
 
  ( ‥)イラストレーターと
    ‐□ 仕事するのは
      ものすごく
      面倒くさいのだよ
 
 まず、イラストレーターであれば絵を描ける。
 
 これは当然。
 
 だがしかし、イラストレーターとは、自分が描いているものが何なのか、それを分かっていないままに描いていることがしばしばある。
 
 ∧∧
(‥ )本来、イラストレーターとは
\‐  描きたいものを
    描きたいわけだからね
    でも仕事でくるのは
    描きたくないものかもしれない
 
  (‥ )俺だって
      描きたくないものを
      描きたくはないからな
      嫌気がさして
      仕事を断ったこともあるし
 

 それを考えると、分かっていないままに描く、それがなぜありがちなのか分かろうというものだ。
 
 気乗りしないのである。
 
 というか、そもそも調べていないのだ。
 
 しかし仕事だ。必然、把握し切っていないのに絵を描くことがままある。間違いとかではない。把握がずさんなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)見れば分かりますよ、と
 
  ( ‥)それゆえにだな
    ‐□ イラストレーターには
      資料を送るだけじゃ
      すまないのだよね
      ”この資料はこう理解して
      下さい”
      つまり理解の仕方まで
      指示しないといかんのよ
      当たり前なんだがな。
 
 そんなことは当たり前なのだ。資料は資料単独で存在しているわけじゃない。資料は”適切な解釈の仕方”と一緒になって、初めて意味をなす。だから資料だけではなく、その資料の理解の仕方も伝えねばならぬ。
 
 多くのイラストレーターは自分ではものを調べない。
 
 自分で調べたイラストレーターも、資料を理解できない。

 これゆえ、イラストレーターには資料だけでなく理解の仕方も伝えねばならぬ。
 
 困ったことに、理解それ自体を理解する必要があるので、理解のための理解を伝えねばならぬ。
 
 だがしかし、これが超絶面倒くさいのである。
 
 ∧∧
(‥ )その手間ひまを考えると
\‐  仕事にならんだろうと
 
  (‥ )仕事にならんどころか
      むしろ他の仕事の足を
      引っ張る事に
      なるだろうからな
      そうなると利益は
      マイナスだ
      断るのは残念だが
      止むなしだなあ
 
 とはいえ、こういう判断は、本来は正しいものではない。
 
 ∧∧
(‥ )本来なら若手の
\‐  イラストレーターや
    ライターを使って
    ”効率的”に仕事を
    するべきなんでしょうね
 
  (‥ )自分を含めて3人で
      仕事をする
      取り分は自分と他の2人で
      6:4にする
      それで2倍以上の仕事を
      すれば1人の時よりも
      収入は上がる
 
 もっともこれ、自分が雇った2人は取り分の4割をさらに等分することになるから、彼らは2割程度の収入しか得られないことになる。3人で3倍の仕事をこなしても、彼らの収入は1人で仕事をした時の6割にしかならない。
 
 ∧∧
( ‥)でも駆け出しの人は
    そもそも仕事が
    もらえないのだから
    0よりは6割の方が良い
 
  ( ‥)写真家、イラストレーター
    ‐□ 漫画家、ライターは
      こういう仕組みで
      成り立っている
      美容師さんとかも
      そうなのかな
      こういう業界は多いはずだ
 
 ∧∧
(‥ )これってぶっちゃけ
\‐  若者をピンハネしていること
    だよね
 
  (‥ )そういう風に解釈すると
      普通の会社も
      こういうことなんだがな
 
 言い換えれば、イラストレーターでも以上のようにすれば、会社員のように大きな収入を定常的に得ることが可能だ。そういうことである。これは漫画家でも誰でそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)ただし
    そこまで規模を大きく
    出来ればね
 
  ( ‥)先日ネットで話題になった
    ‐□ 35歳だけど生活できない
      だから俺は漫画家辞める!
      そういう嘆きがあったけど
      あれもこういう話
      なんだよな
 
 40歳が人間の仕事のピークなら、35歳までに事業は軌道に乗せねばならない。つまり、35歳までにアシスタントなりなんなり、彼らをピンハネすることで自分が悠々自適に生活できるようにするのみならず、アシスタントたちも生活できる程度にまで事業の拡大に成功せよ。自営業者が持つ課題とはこれなのだ。
 
 言い換えると、35歳だけど、もう漫画家としてやっていけない、とはこの課題に失敗したということに他ならない。
 
 ∧∧
(‥ )あなたもそれに失敗した
\‐  そればかりか
    この期に及んで
    イラストレーターとの
    調整が面倒くさいと
    逃げているよね
 
  (‥ )多分なあ
      俺は他人を信用して
      おらんのだな
 
 考えてみれば、ピンハネをするとは、相手を信用するということでもあるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、単純に搾取するだけの
    場合もあるんだけどね
 
  ( ‥)悪い奴は搾取だけする
    ‐□ 中途半端な奴は
      使えねー 使えねー
      と愚痴だけこぼして
      部下を怒鳴って
      ばかりいる
      会社でもどこでも
      こういうゴミカス野郎は
      いるものだ
 
 それでもなお言わねばならぬ。組織的な意味で言えば、若手をピンハネして生活を共にしよう、というのは、相手を信用しなければ成り立たないのだと。
 
 ∧∧
( ‥)だけどあなたは他人を
    信用出来ない
    だからほぼ自分一人で
    ことを行おうとする
    どうします?
    体力はどんどん低下して
    事業の軌道がさらに下がるよ?
 
  (‥ )だとすると
      全く別の手を
      打たねばならんだろうな
 
 別の手を打たねばならん。実際、そろそろ限界に近いのだ。

 
      

もう負け戦だよね

 
 アメリカが勝った相手というと
 
 ∧∧
(‥ )スペインの勢力圏を奪った
\‐  米西戦争の勝利とか
    WW2におけるドイツ、日本
    後は冷戦におけるロシア
 
  (‥ )国と戦うと勝てるのだな
 
 というか、国民が指導者の元にまとまっている、顔のある国に対して勝てるということでもあろう。西欧型の国に対して勝てる。ようするに同じ戦争文化を共有している国には勝てるのだ、とも言える。考えてみれば当たり前で、騎馬戦の王者は、相手の帽子を奪ったら勝ち、というルールの元での王者なのだ。
 
 ∧∧
(‥ )朝鮮戦争ではゲリラと
\‐  人民解放軍の群れに
    押し返され
    ベトナムではベトコンの
    ゲリラ攻撃に敗北撤退
    湾岸戦争はクウェートから
    たたき出すという目的に
    限定することで勝利するも
    欲をかいてイラクに
    攻め込んだら大失敗
 
  (‥ )フセイン大統領という顔を
      殺す事はできた
      騎馬戦の帽子を取った
      よっしゃ俺の勝ちだ!
      ガッツポーズを取るが
      ところが試合続行
      今度は相手のルールです
      あの時、アメリカは
      とまどったのだろうなあ
 
 騎馬戦の王者は騎馬戦のルールがあったから王者になれたのであって、騎馬戦のルールが通じない場所では王者たりえない。どれほど強くても勝てない。というか実際に負けている。ベトナムやイラクからは撤退しただけだけども、負けは負けだ。
 
 ∧∧
(‥ )姿無き敵との戦い!
\‐
 
  (‥ )ようするにアメリカは
      僕ちゃん負けです!
      そう大声で叫んでいるのと
      同じなんだけどね
      あの人たち
      それが分かってるのかな?
 
 テロとの戦い!
 
 これは 、
 
 今の私は負け確定〜♡
 
 と言っているのと同じなんだけども、分かって言っているのだろうか?
 
 ∧∧
(‥ )軍隊は対応しているのだよね
\‐  特殊部隊とか
    無人偵察機での暗殺とか
    色々とやっているしね
 
 (‥ )問題はさ
     そこまでしてもそれは
     相手と同じ土俵に上がる
     ことでしかないんだよな
     そうしないといけないのだが
     そうした以上は
     あの時、殺されたから殺す
     あの時、殺したから殺される
     報復合戦を永久に続けないと
     いけないわけだ
 
 そうせざるをえないし、事実、そうしているのだが、これはようするに部族間紛争に巻き込まれているわけで、そして国家よりも部族社会の方が、寿命が長い。そうである以上、いつかあちらが防衛線を突破してなだれ込んでくる。国家の軍隊 VS ゲルマンの戦士たち。両者の報復合戦の果てに、ついにローマ帝国がゲルマン人の侵入を許してしまったように。
 
 ∧∧
( ‥)つまりどっちとっても
    負け戦じゃないか、と
 
  ( ‥)後は最終的な負けを
    ‐□ どれだけ先延ばしに
      出来るかだよな
      アメリカほどの国なら
      2、3世紀は先延ばしに
      出来そうだけどね
      どうなるかね
 
 ∧∧
(‥ )イスラム国は
\‐  どうなるのでしょうね?
 
  (‥ )ああいう恐怖戦術を
      やってる国は
      長続きしないと思うから
      ああいう勢力の中から
      何かもっとまっとうな
      人々が出てきて
      安定するんじゃね?


これはhilihiliのhilihili: 姿の見えぬ敵との戦いの続き
 
      

2014年10月28日火曜日

姿の見えぬ敵との戦い

 
 姿の見えぬ敵との戦い
 
 ∧∧
(‥ )でも姿の見える敵である
\‐  フセイン大統領は
    殺しちゃったのだよね
 
  (‥ )馬鹿だよねえ
     生かしておけば
     どうにかなったろうにな
 
 
 姿の見える敵を殺しておいて、姿の見えぬ敵との戦い! と叫ぶのである。頭がいかれているとしか思えない。
 
 
 ∧∧
( ‥) 正面から突撃粉砕する
    戦争文化では
    それで良かったの
    でしょうけどね
 
  (‥ )異なる文化同士では
      戦争すらまともに
      出来なくなるのだな
 
 
 あるいはこうも言える。アメリカという国は他所の文化がまったく理解も把握も出来ていないと。
 
 ∧∧
(‥ )これ致命的なことに
\‐  なるんでしょうね
 
  (‥ )というかすでに
      なっているのだろうな
 
 そしてなぜこうなってしまうのか、それが全然分からないまま突き進むことになるのだろう。
 
 
 一応、hilihiliのhilihili: 激突! 戦争文化の続き
 
 
 

激突! 戦争文化

 
 夜寝て、起きたら朝だった。
 
 ∧∧
( ‥)...当たり前やがな
 
  ( ‥)でもこんなに長く寝たのは
    ‐□ ひさしぶりな気がするよ
 
 だが、実際のところ、7時間程度しか寝ていないのである。食事をすませ、一仕事をして、そして最近は妙に疲れる。少し休もう。なんとなく横になって起きたら午後である。
 
 ∧∧
( ‥)なんかここ一週間ぐらい
    寝てばかりじゃない?
 
  (‥ )起きてる時間が妙に
      短いのだ
      なんでかな?
 
 どうも先日、夜中に15キロだか20キロだか歩いたせいやもしれぬ。
*この話=>hilihiliのhilihili: 逗子市から鎌倉、江の島、六会日大前まで
 
 あるいはあれだ、その後、
 
 おおっ、なんか疲労が回復したら走れる距離が伸びておる(気がする)
 
 と走ってみたのがいけなかったのかもしれぬ(とはいえ走った距離は3キロちょいでささやかなものだ)
 
 ∧∧
(‥ )運動不足で歳なのに
\‐   歩いて走って
     破壊が起きた筋肉を
     再構成するために
     休みが必要だとかね
 
  (‥ )そういやさ
      なんか無性に肉を
      食べたくてなあ
      俺の体は今、
      ”急募! タンパク質”
      状態なのかな?
 
 
 起きている時間よりも寝ている時間の方が長いように思えるし、体の調子というか、体の振る舞いが、どうもなんか変である。
 
 さて
 
 図書館へいって資料を読んだ。
 
 ∧∧
( ‥)なぜ?
 
  ( ‥)散歩をかねてね
    ‐□
 
 そこで資料とは全然関係ないが、ふと思った。
 
 中近東の軍隊は昔から正面決戦や突撃を避ける傾向があったという。
 
 ∧∧
(‥ )そういえば古代世界では
\‐  ギリシャ人の重装歩兵部隊が
    ペルシャ帝国に
    傭兵として雇われたのだよね
 
  (‥ )巨大な軍隊の
      展開の仕方とか
      兵站とかは
      ペルシャ帝国が
      進んでいるのだけど
      手堅い陣形で正面決戦
      あるいは突撃
      あるいは敵の突撃を
      逃げずに受け止める
      そういうことは
      ギリシャ人が優れていた
      わけだよね
 
 結局、中東と同様に大規模な軍隊の展開を可能ならしめる術を持つに至ったギリシャ人、アレクサンドロス大王によって中東はついに征服されることとなった。この時だって、容赦のない大王の進撃にペルシャ帝国は負けなくても良いのに負けていくのである。
 
 言い換えれば中東の軍隊や戦争の形式は、正面決戦や突撃を避けるようなものである、そう言う事も出来る。これは実際にそう評した人がいたし、戦争とは文化の一種であることも示している。
 
 つまり”戦争文化”だ
 
 ∧∧
( ‥)こう言うと文化人は
    怒り狂うだろうけど
    戦争とはそれぞれの文化圏で
    まったく違う様相を示す
    つまり戦争とは
    文化そのものである、と
 
  ( ‥)中近東を支配する種族は
    ‐□ インドヨーロッパ語族の
      ペルシャ人
      セム族のアラブ人
      遊牧民族として入った
      アジア系のトルコ人が
      主力だけども
      あちらの人は
      ”正面決戦を避ける”のが
      戦争文化かもね
 
 というか、ギリシャ、ひいては古代ギリシャの市民軍をそのまま真似て再現した近代ヨーロッパの軍隊と、彼らの戦争文化がおかしいのだろう。陣形を崩す事無く、仲間が撃たれてもひるむことなく、そして突撃。
 
 確かに、こんな狂信的な戦争文化を受け入れた国は、西欧以外ではただひとつ、日本だけだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも欧米も日本も
\‐  そういう突撃戦は
    廃れていったわけだよね
 
  (‥ )一糸乱れぬ陣形で突撃
      日露戦争とWW1以後
      そういう戦闘の形式は
      機関銃で
      なぎ倒されちゃうように
      なったからな
 
 とはいえ、戦争も文化。文化である以上、伝統を受け継ぐものだ。それは例えば湾岸戦争で現れたという意見がある。はったりと脅しをかけながら戦争を避け、妥協点を模索しようとするイラクのフセイン大統領に対し、アメリカは 一顧だにしないまま突撃して蹂躙し、殲滅した。
 
 正面決戦を避ける戦争文化と、突撃を好む戦争文化。
 
 突撃を好む戦争文化の大勝利!
 
 ...だったはずが
 
 ∧∧
( ‥)ところがイラク戦争では
    戦争には勝っているのに
    次から次へと現れる
    武装勢力の
    内ゲバも含めた
    乱戦に巻き込まれ
    突撃も蹂躙も殲滅もできぬまま
    体力がじりじり削られ
    出血死していく有り様に
 
 
  (‥ )突撃して粉砕したら
      姿を見せないで
      逃げ回る敵が
      爆弾やら狙撃やら
      自爆やらでな
      どうにもなりゃしない
 
 つまり、正面決戦を避ける戦争文化でも、欧米の軍隊を撃破できるということである。考えてみればこれは、ベトナム戦争でも多分明らかになったことだったのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )湾岸戦争はイラク軍を
\‐  クウェートからたたき出す
    ということだけに
    目的をしぼっていたから
    突撃で勝てたのかもね
 
  (‥ )欲をかいて
      イラクに攻め込んだら
      あの有り様だからな
      そういうことだろうな
 
 時々思うのだけども、中東の人は文明の歴史が長いせいなのか、あの人たちは戦争をめんどうくさいと思っているのかもしれぬ。
 
 反対に、欧米や日本は戦争をもっと真面目な物だと考えている。だから突撃する。
 
 一方、中東のように皆が戦争をめんどうくさいと思う世界では、イラク軍のように”近代的な軍隊”は実際には役には立たぬだろう。というか、役に立たなかった。粉砕される以前に雲散霧消してしまった。
 
 あれを見て思うに、中東の人々が戦争をきちんと行うとしたら、それは、国民軍でも市民軍でもなく、やる気のある少数精鋭でなければならぬ。そういうことではなかろうか。
 
 ∧∧
(‥ )実際、
\‐  イスラームによる
    大征服の後だと
    中東の軍隊って
    軍人奴隷マムルークの人々で
    占められていたんだよね
 
  (‥ )アラブの人は
      独立心が旺盛で
      王様だからといって
      忠誠心を示してくれるとは
      限らないし
      部族社会でもある
      だったら後ろ盾が無い
      異民族出身の奴隷を
      親衛隊にしようって
      考えよね
 
 騎馬民族で優秀な兵士になるトルコ人からなるマムルーク、後にはセルビア人などから徴用されたオスマントルコ帝国のイェニチェリ軍団。彼らは奴隷ではあるがエリートであり、軍事力と権力を持つに至った人々であった。
 
 これはまさに、やる気のある人だけを集め育成した少数精鋭ではなかろうか。少なくとも国民国家の市民軍とかではない。実際そもそも国民国家でないのだから。中東の軍隊とは、本来、こういうものなのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも時代の趨勢で
     市民軍からなる
     ヨーロッパの軍隊には
     対抗出来ず
     中東世界は
     西欧世界の軍門に下る
 
  ( ‥)でも、その西欧の市民軍は
    ‐□ 事実上、解体したわけだ
 
 戦争をめんどくさい、と思うのは、いまや先進諸国も同様だ。1000年戦争を続けて、野蛮人と蔑まれた西欧人も、その末裔である米国人も、とうとう文明人になってしまったということだろう。
 
 欧米の軍隊は変ってしまった。未だに戦闘力自体は無敵ではあるが、かつて持っていた優位性の多くを失った、とも言える。
 
 そして一方
 
 ∧∧
(‥ )今、中東のイスラム国には
\‐  世界中から情熱を持つ人々が
    集まっているわけだね
 
  (‥ )市民軍で敵を蹂躙した
      欧米にはもはや
      市民軍がいない
      一方
      戦争にやる気がない
      中東の元に
      少数精鋭とは言わないが
      世界中からやる気のある
      人間が集まってくる
      これは何を意味するか?
 
 これは、少なくとも構図だけを考えると、立場が互角になってしまったということやもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)まあ有志国連合でしたっけ?
    欧米軍は機械化された
    プロの軍隊だから
    やる気のある素人ゲリラに
    負けるわけが
    ないんですけどね
 
  ( ‥)まあ、正面決戦で
    ‐□ 負けることは
      絶対ないだろうねえ
 
 だがしかし、そもそも中東の戦争文化は正面決戦をしないことであり、それは湾岸戦争でもイラク戦争でも明らかになったことであった。つまりこれは成り立たない。
 
 ∧∧
(‥ )それにプロの軍人さんと
\‐  近代兵器はお金がたくさん
    かかるのだよね
 
  (‥ )さあ、これは
      何を意味するのかな?
 
   
      

2014年10月27日月曜日

かすんだ青空と火星の運行

 
 本日の神奈川は昼間は妙に蒸し暑く、空はかすみがかって、遠くの山並みはなにやら仙人境のような感じ。













 
 一方、夕方になって日が落ちると、今度は急激に涼しくなってきた。どんよりとかすみ、あるいは曇った空が晴れていく。
 
 ∧∧ 火星さんを見に行きますか
( ‥)
 ‐( ‥)いくのだー
 
 アンタレスはもう見えなくなっていた。運行する太陽はじりじりと東へ移動し、さそり座は明るい夕暮れと、かすんだ空の向こうでもう見えない。少なくとも今日はそうだ。
 
 そして火星はもはや、いて座の中にいた。
 
 ∧∧
(‥ )9日前の画像と比べると
\‐  ずいぶんと動いたものだね
 
  (‥ )9日前10月18日の
   □‐  記録を見ると
      火星といて座ヌンキの
      角度はおよそ19度だな
      本日は12度だ

 
 
 10月18日の画像












画像右側の明るい星が火星
 

そして本日、10月27日の画像











右側は三日月、そして中央の明るい星が火星だ。

ヌンキはいて座で一番明るい星で、画面でもひしゃく(南斗六星)をひっくり返した角にあたる星である。火星はヌンキに一直線に近づいているわけではないし、画像の倍率も同じではないけども、ずいぶん動いたということは、見れば分かるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)最低でも
    9日間で7度は
    動いている計算ですか
 
  ( ‥)単純に考えると
    ‐□ 1日に1度近く
      動いているわけだな
      太陽の運行よりも
      やや遅い速度で東へ
      移動しているのだね
 
 
 つまり太陽は火星になかなか追いつけない、ということらしい。すると火星が明るい夕暮れに没するまでまだ時間がかかるということだろうか。まだまだしばらくは火星を西空で見続けることになりそうである。
 
 
  


面倒くさくて危険 それが扉

 
 ∧∧
(‥ )嘘か本当か
\‐  35歳なんだけど
    もう採算が取れないから
    漫画家をやめたい
    そういう愚痴がネットに
    上がってるね
 
  (‥ )35歳かあ
     取ってつけたような
     そのまんまな数字だなあ
     まるで作り話のようだね
 
 人の能力は体力と経験の合算から成り立っている。
 
 体力の低下による作業効率の低下
 経験の向上による作業効率の上昇

 この二つを加味した時、人間のピークは40歳である。

 40歳を過ぎた以上、後は落ちる一方だ。  
 
 ∧∧
( ‥)それを踏まえた場合
    40までに事業を軌道に乗せて
    実作業はアシスタントにまかせ
    自分は経営者として
    第一線から退き
    安定的な飛行が 組織として
    継続できるようにする
    40がタイムリミットで
    あることを考えれば
    そこに至る数年前までに
    事業に目鼻をつけねばならぬ
 
  ( ‥)切りの良いところで
    ‐□ 区切れば
      それが35歳なのだ
 
 言い換えると、35歳で事業に目鼻をつけるにまで至らなかった場合、後は落下する一方となる。人工衛星になれず軌道に乗れなかった者は、単なる弾丸となって着弾する運命。
 
 ∧∧
( ‥)あなたなんて
    軌道に上がるどころか
    35歳でようやく
    とっかかりを得ただけ
    ですけどね
    しかもイラストレーターだし
    もう45だよ?
 
  ( ‥)まあ、そういうわけでだな
    ‐□ 着弾どころか
      飛ばないままの飛行機は
      風力で地上を走行中よ
 
 風に流され、からから音を立てながら動いていく始末。そうして時々、空から落下してくる人々をぼんやり眺めるのみである。
 
 落下する人が着弾すると、派手に土煙が....と言いたいところだが、そんなことは起きないし、見えもしない。
 
 軌道から落下するに従って人々の知名度はどんどん下がる。着弾する時には誰もがすでに無名だ。彼が地面に叩き付けられる音も悲鳴も、もはや聞こえない。
 
 大空には色々な人が飛び交っているのが見えるし、怒号や悲鳴も聞こえてくるが、地上はおそろしく静かなままだ。
 
 ∧∧
(‥ )正社員と違って
\‐  漫画家さんや
    イラストレーターには
    保証がありませんしね
 
  (‥ )当然だけども
      出版社は社員である
      編集者に関して
      責任を負っているのだ
 
 それはいつでもどこでも同様である。例えば、知っているイラストレーターで某企業に雇われている奴がいる。絶対的には中小企業ではあるが、その業界では一番の大手だ。だが彼は、いや、彼らは発注を受けているだけで、雇用関係にあるわけではない。
 
 ∧∧
( ‥)いつ関係を切られても
    文句は言えないのである
 
  ( ‥)会社だって馬鹿ではない
    ‐□ いつ使い物に
      ならなくなるか
      それが分からん奴を
      保証付きで高額で
      雇ったりはしないものよ
      大損害だからな
 
 ブームが終われば生産体制を大きく変える必要がある。その時のために雇わず、そして発注し、良いように使って、いざとなれば切り捨てだ。そうでなければ会社も正社員も雇用も守れない。そういうものだ。
 
 ∧∧
(‥ )あなたのお知り合いは
\‐  それ分かっているのですかね?
 
  (‥ )さあねえ?
      でも彼らは30、40を
      過ぎているのだよ。
 
 切り捨てられた時に、そんなことは分かりませんでした、ではすまされない歳だ。これは確かであろう。
 
 会社に名刺を作ってもらった。そう少しだけ嬉しそうな顔をしていたけども、名刺は所詮、名刺だ。保証ではない。
 
 ∧∧
( ‥)あなたも他人事ではないよね
 
  ( ‥)まったくだな
    ‐□ 依頼元は複数ある
      だがしかし
      いつ切られるか
      分からんからな
 
 まあ、とはいえ、救いも無いわけではない。
 
 ∧∧
(‥ )出版界は何が起こるか
\‐  分からないですからね
 
  (‥ )売れる売れないの
      因果関係が
      さっぱり分からないのでな
      なぜこれが売れないのだ?
      ということもあるし
      これは普通に売れるけど
      普通に売れるだけだよな
      ということもあれば
      時として
      何か分からんけど
      めちゃくちゃ売れてる
      なんで???
      ということも起こる
 
 動態が複雑な世界ではこういうことが起こる。
 
 確かに90年代の出版界を知っている人は、今のこの業界には絶望しているようだ。ネットに分母を食われたせいか、かつてぶいぶい言わせた漫画家やライターたちが、浸食によって青色吐息となり、絶望にその身をこがしておる。
 
 ∧∧
( ‥)だけど出版界とは
    得体の知れないことが
    まだ起こる世界である
 
  ( ‥)他の業界じゃ
    ‐□ こういうことは
      あまり起きないのでな
      自由と可能性がなく
      賭けの余地がない業界が
      どんな顔をしてるか
      それは知ってるよね
 
 昨今の人が申し述べる絶望とは、自由と可能性が無く、賭けに出る余地がまったくないことにある。
 
 だがしかし、出版界にはまだそれがあるのだ。
 
 いや、無い! と叫ぶ人も、結局は空を仰ぎ見ながら、なぜ俺はあそこへいけなかったのだろう? と嘆きながら言っている。可能性が無いのではない。自分には可能性が無かった...そう言っているにすぎぬ。
 
 ∧∧
(‥ )でも言い換えればさ
\‐  絶望にうちひしがれる人は
    出版界にもいっぱいいる
    そういうことだよね
 
  (‥ )そりゃそうだろうな
      一生懸命作ったものが
      まったく売れない
      それは存在を全否定された
      ようなものだからな
      漫画家だろうが
      イラストレーターだろうが
      ライターだろうが
      編集者だろうが
      それで絶望しない人間は
      むしろおかしいだろうね
 
 ∧∧
( ‥)どうしたものでしょうねえ
 
  ( ‥)今までの経験からすると
    ‐□ 駄目だった
      ということは
      今までにやっていない
      ことをやれ
      そういうことなんだが
 
 ∧∧
( ‥)それは面倒くさいね
 
  (‥ )面倒くさいどころか
      危険だろうな
      実際、失敗の可能性は
      大きいだろう
 
 とはいえ、しかし、賭け、とはそういうものである。そして賭場でない限り、高揚感は生まれないし、可能性の扉も開かないものだ。
 
 面倒くさくて危険。それが扉。
 
  
 
    
    

2014年10月26日日曜日

愚痴の状況把握 出口探索のための状況把握

 
 ∧∧
(‥ )どう思います?
\‐
 
  (‥ )愚痴をこぼすための
      状況把握と
      突破口を見つけるための
      状況把握は
      同じじゃないからな
 
 
 もちろん愚痴をこぼしている本人は言うのである。
 
 状況を把握したから世を嘆き、業界を呪い、愚痴をこぼしているのである。と
 
 
 ∧∧
(‥ ) だがしかし、ならば
\‐  突破口を見つけるために
    状況の把握をやり直そう
 
  (‥ )あれ? 八方ふさがりだ
      もう駄目だ
      というのと
      八方ふさがりで
      あることは分かった
      だから
      出口を見つけるために
      もう一度調べ直そう
      前提から再検討してみよう
      この二つの動作は
      まるで別物なんでな
 

 今まではやってこれた、その立場からすると八方ふさがりである
 
 と
 
 今までの経験からすれば、これは八方ふさがりである。だが、出口を見つけねばならない。その立場からこの状況を再度見直した場合、これはどう見えるか? 前提を含めてすべてを再検討せよ。
 
 どんな仮説に基づいて物を見るのか、あるいは、今までの前提で見ると結果はこうだが、その前提を捨てた場合、結果はどう変るのか? そういう問いでもある。
 
 ∧∧
( ‥)つまり同じように見えて
    全然違う行為であるし
    単なる見直しでもない
 
 ( ‥)今までの立場で考えれば
   ‐□ これは八方ふさがりである
     だがしかし
     異なる立場で見れば
     商機も勝機もある
     そういうことが
     実際にあるからね
 
 必ずしもあるわけではないが、無いわけでもない。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、大概は無いか
\‐  あってもほとんどの人は
    それを見つけられずに
    終わるんだけどね
 
  (‥ )だがしかし
      探さないと
      あるいは
      見方を変えて
      再検討をしないと
      可能性は0で
      死を待つのみなのよ
      そんなわけには
      いかんのでな
 
 あるいはこうも言える。状況は八方ふさがりである、そう愚痴をこぼしているだけの人は、それだけ恵まれた立場にいるのだと。本気で今の居場所から逃げたいわけではないのだと。
 
 ∧∧
( ‥)すぐ死ぬわけじゃないから
    愚痴をこぼしていられるので
    ありますよ、と
 
  ( ‥)愚痴の内容が
    ‐□ 評論家みたいになったら
      もう駄目だろうな
 
 社会が悪い、業界が悪い。あるいは文化だの、資本主義の限界だの、自己責任論だの、経済学だの、ミクロだのマクロだの、政治家がどうの、官僚がどうした、仕事のあり方がなんたら、日本のなんとかがどうの、そういう希有壮大な話を言い始めたら終わりだ。
 
 その手の話には、自分の立ち位置から見て周囲の出口を探そうという具体的な視点がまるで無い。
 
     
 
 
     

ついにパラダイスが到来する可能性

 
 公園へいってみると、人が多かった。
 
   なにかイベントを
 ∧∧ やっているね
(‥ )
 ‐( ‥)秋だしなあ
     気候も良いし
     蚊もいないしな
     ベンチは食事をしている
     人たちだらけだね
 
 
 ベンチの前の切り株にワインとワイングラスを置いて、それをたしなんでいる夫婦もいた。色々な人がいるものである。
 
 
 さて
 
 農業は植物の成長に依存する。その植物の成長は太陽エネルギーと、それを用いた光合成の速度に制限されている。
 
 ∧∧
( ‥)つまり文明とは本来
    太陽エネルギーと
    植物の化学反応の速度に
    制限されるものであった
 
  (‥ )まあ、その話は以前も
      したことなんだが
 
*=>hilihiliのhilihili: 光合成に規定された未来

 
 光合成の速度に制限された文明。現代文明はこれを突破したけども、それはあくまで過去の光合成の集積である石油や石炭を急激に消費することで成立しているものであった。光合成の束縛から逃れたわけではない。貯蓄を食いつぶしているバブル状態であるだけなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)石油に代わる
    真の代替エネルギー
    つまり
    高速増殖炉か
    核融合が実用化しない限り
    現代文明は滅び
    光合成に制限された過去の
    様相へ戻るであろう
 
  ( ‥)逆にさ
    ‐□ 核融合がついに実現したと
      しようじゃないか
 
 まあ、高速増殖炉でも構わないのだが、その場合、文明は今のまま継続できる。確かに制限、それ自体はありうるのだ。例えば電気自動車はバッテリーなり蓄電池なりの性能に制限される。
 
 ∧∧
(‥ )まあなんだ
\‐  実用的な超伝導コイルとかが
    実現したらまた話は
    変るのでしょうけど
    バッテリーの性能に
    制限は受けるよね
 
  (‥ )でも核融合が
      実用化されたら
      基本的に現代の文明は
      そのまま存続できるのだ
 
 事実上、無限に近いエネルギーを手にした人間はどうなるのか?
 
 ∧∧
( ‥)まあ、事実上、無限に近いけど
    単位時間当たりの発電量は
    機械の性能や数に
    制限されるのですけどね
 
  ( ‥)でもこれは大きな
    ‐□ 可能性だよね
 
 例えばの話、生産された食料は、現代は内燃機関で、この世界では電気自動車などで自在に運べる。

 しかし、食料生産これ自体は、地球に入射してくる太陽エネルギーに依存しなければならない。
 
 少なくとも旧来の農業ではそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも核融合であれば
    それ以上のエネルギーを
    用いて
    それ以上の食料生産を
    可能にできる
    そういう可能性ですか
 
  (‥ )現在でも発光ダイオードを
       用いた
      野菜工場があるのだからね
      電力がもっと自由に使える
      世界であれば
      これがもっと大規模に
      展開できるかもしれぬ
 
 というか、未来技術なのである。光エネルギーと植物を使うどころか、電力から直接、光合成に該当する化学反応を押し進めて、単純な化合物から食料を生産することをやってのけるかもしれぬ。というか出来るだろう。
 
 ∧∧
(‥ )ついに人類が
\‐  食料不足から開放される
    世界ですか
 
  (‥ )人口増加自体は
      食料生産に必ず追いつくが
      現在の社会を見ると
      豊かになって
      出費が増えると
      子育てそれ自体が
      リスク扱いというか
      負担扱いになって
      しまうのだよな
 
 豊かさと豊かさを維持するための労働は過労死を作り出し、そしてなにより人口増加を押さえるように働く。
 
 つまり食料増産と人口増加に因果関係がなくなる状況が起こりうる。そしてそれには、豊かさを維持するために大量の出費がいる、そういう条件が必要。
 
 そして、電気が無尽蔵に生産できる世界でも、電気代はただではないはずだ。発電機、送電網、これらを維持管理するには労働が必要であり、人件費が、つまり金がかかる。同じ理由で他のいかなる生産物も金がかかるし、それは労働で支払わねばならないし、今よりもはるかに豊かな生活である一方で、やはり過労死があるだろう。
 
 豊かではあるが、その維持のために膨大な労力を支払う世界
 
 しかしこのことを言い換えればである
 
 ∧∧
( ‥)条件さえ満たせば
    人類の食料生産がついに
    人口増加を引き離してしまう
    そういう可能性
 
  (‥ )まあユートピアの
      到来であるな
      過労死はあるんだがな
 
 とはいえふと思った。
 
 無尽蔵の電力によって工場で食料を生産する世界。
 
 これ、一回でも壊滅的な被害を受けたら、食料生産、それ自体が二度とできなくなるってことだよな。
 
 ∧∧
(‥ )全地球規模で壊滅が
\‐  起きるのか?
    という疑問はあれども
    ここまで強大な文明は
    今以上にお互いに
    結びつき合って
    全地球規模になって
    いるかもですね
 
  (‥ )でっ、この世界では
      農業ってすでに
      ”ロストテクノロジー”に
      なっているはずなんだよな
 
 まあ、趣向品とか天然物をたっとぶ消費者相手に向けて何か作っている可能性はあるけども、それは大規模な農業生産や輸送を可能にするものではあるまい。そもそも天然ものではあるけども人工照明を用いる野菜工場で作っているのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)ああ、つまりこれは
    なにかの拍子に
    壊滅が波及して
    食料生産に
    わずかな欠落が生じる
    それが次の破滅を招いて
    社会全体が混乱し
    機能を失い
    食料生産能力が深刻な
    被害を受ける
    ついには...という筋書きね
 
  ( ‥)安全対策は幾つも
    ‐□ 講じているだろうけど
      最悪の場合
      農業を忘れた状態で
      廃墟になった地球に
      膨大な人口が取り残される
      そういう筋書きも
      描けるだろうなあ
 
 まあ、未来には色々な可能性がありうる。基本的な技術を放棄するのは、時として致命的だろう。


 


全自動洗濯機

 
 日付は変ってもはや26日、とはいえ、今日は洗濯機をついに買い替えたのであった。
 
 ∧∧
(‥ )古いよねえこの洗濯機
□   学生時代から使ってるし
    そもそもお下がりだし
    今年でちょうど30年目
    だったんだね
 
  (‥ )浴槽と脱水の二槽式だ
      電動ではあるが
      洗い終わったら
      脱水槽に洗濯物は
      手動で移し替えねば
      ならん
      今時の洗濯機は
      ひとつの槽で
      洗浄と脱水を行い
      なおかつ
      全自動だそうだな

 
 
 30年経ってもまだ動くが、寒くなると強烈なきしみ音が鳴るようになってしまった。修理の仕方も分からず、買い替えることに。
 
 ∧∧
( ‥)新しい洗濯機は設置が少し
    めんどうくさくなってるね
 
 ( ‥)全自動だから
   ‐□ 接続した水道は
     開きっぱなしにして
     機械の方で弁の開放を
     行う仕組みなんだな
     それゆえに開きっぱなしの
     蛇口から水漏れしないよう
     機械との接合部分には
     アダプターをつけねば
     ならんわけだ
 
 ボタンが幾つもついている。浴槽を回転させることで入れた洗濯物の重さを推論し、水の量などを決める。全自動だから当然だけども、センサーだの、以前はなかったような機械がいっぱいついているんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )多分壊れやすいの
□   でしょうねえ
 
  (‥ )部品が多いとどうしてもな
      センサーや演算回路
      スイッチや
       動作確認を示す
      ライトや発光装置
      個々が壊れる確率が
      低くても
      これだけあれば
      どれかが壊れる確率は
      高くなるからね
 
 
 やれやれ、これなら、古い奴を自分で修理出来るなら、あれをそのまま使った方が良かったかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)単純な作り
    重いけども頑丈な部品
    それがそろえば
    そう簡単には壊れない
    頑強なものを作れるよね
 
  ( ‥)演算回路もごく単純な
    ‐□ 動作なら再現が可能かもな
 
 例えばの話、オルゴールは動力であるゼンマイや、動力を伝えるギア、速度を調整する調速器、そして音を発する部品。さらに、”突起とその配置”、という形で音楽をプログラムされたシリンダーや円盤で成り立っている。大きさが小さいってこともあるだろうけども、プログラム通りに動作し、そして簡単に壊れたりしない。
 
 頑丈で壊れない、かなりな程度自動化された洗濯機、そういうものも可能やもしれぬ。
 
 とはいえしかし
 
 ∧∧
(‥ )でもさ、そんなことしたら
\‐  全自動洗濯機を作るために
    色々な部品を納品している
    ありとあらゆる業者さんが
    大打撃を受けるよね
 
  (‥ )30年の間に
      経済ってのは
      多様化して膨らんで
      大きく成長を遂げたのだな
 
 たくさんの人がこの洗濯機によって生計を立てているし、そのためにこれほどの普及品でありながら値段が高くなる。そしてこれに支払う金を稼ぐために我らの労働時間はさらに長くなる。
      
 
 
     

2014年10月25日土曜日

貴族専門用語

 
 科学の専門用語っていうのは、どっちかというと馬鹿っぽい。
 
 ∧∧
(‥ )ほとんどの場合
\‐  まんまな意味だったり
    冗談やしゃれでつけた
    言葉とかだしね
    東西って続いたから
    今度は名前に南や北を
    使おうぜー、とかね
 
  (‥ )訳分からねー言葉を
      使うんじゃねーよ
      そう思って調べると
      元の言葉がまんまあまりに
      長過ぎるんで
      単に頭文字を並べましたとか
      そんなのだからな
 
 得体の知れない語感を感じる単語も多いが、こういうのは大概がラテン語かギリシャ語だ。意味を調べればやっぱりそのまんまというのがほとんどである。
 
 例えば
 
 ファラグモコーン

 なんだそれ? と思って調べると、ギリシャ語だと垣根のある円錐、つまり隔壁で区切られた円錐である。日本語だと房錐だが、これも要するに、”房に分かたれた円錐”、ということだ。原語も訳語も調べりゃそのまんまである。
 
 *ファラグモコーンとは具体的に言うと頭足類の貝殻に見られる構造のことで、浮力を司る部分の名称。
 
 
 ∧∧
( ‥)科学ってのは即物的だ
   そういうことですかね
 
  ( ‥)逆になあ
    ‐□ ビジネスの専門用語って
      無駄にカタカナの場合が
      多いように感じるよなあ
      あるいは原語から
      かけ離れた意味になって
      いるものとかあるよね
 
 あれは即物的で馬鹿っぽいというよりも、むしろ自分に箔をつけたいのでそうするように見える。いわば内輪だけで通じる貴族やオタク文化のようなもので、ザギンでシースーみたいな。
 
 ∧∧
(‥ )芸能界とかは
\‐  単語の末尾を先頭に持ってきて
    暗号めいた会話をする
    そういう話でしたっけ?
 
 (‥ )どこまで事実かは知らんが
     そういう内輪で貴族的な
     文化を論ずる集団は
     無駄に冗長な単語を
     作ること多いよね
     無駄に冗長な単語を使用する
     これは
     仲間を識別するのに使えるし
     同じ文化を共有していますよ
     そういう宣言にもなる
 
 
 思うに、ばりばり働く人は人間関係が非常に重要だ。それゆえ、仕事において文化的側面があまりにも過大視されている、そういうことやもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )言い換えると
\‐  現実を操作する力が
    劣っている可能性ですかね?
 
  (‥ )人間社会は人間関係が
      大きな力を持つから
      それを重視するのは
      当然なんだな
      コミュ力とか訳分からん
      専門用語を連呼するのも
      そのせいだろうし
 
 問題は、人間社会とは、所詮は技術という下支えの上に建築された砂上の楼閣でしかない、ということにある。
 
 無駄な専門用語をやたら使いたがるというのは、いつか根底が破壊された時には、まるで無力となることを示しているのだろう。そしてもちろん、この手のもったいぶった冗長な単語を使うことには、私はあなたの仲間です、私はあなたに従います、という社会的な帰属と上下関係を示すことであって、それ以上の意味はない。

 
 

2014年10月24日金曜日

清涼剤をもっとおいしく飲める状況を

 
 人間、一度挫折したらそれで人生、終わりだ
 
 ∧∧
( ‥)でも実際には
    死ぬわけではない
    挫折もなにもへったくれも
    そもそも すべてに
    やる気がなく
    就職もせずに
    ずっとぷーたろーで
    バイトも何一つとして
    長続きしなかった
    あなたみたいな人生も
    あるわけだからね
 
  (‥ )だがしかし
      じゃあ俺みたいに
      なりたい人いる?
      と聞いた時に
      手を上げる奴は
      いないわけよ
 
 
 取りあえず死んではいないが、ほら、僕を見てご覧、挫折しても大丈夫さ なんて言えるわけもない。
 
 ∧∧
(‥ )言ったら...
\‐  聞いた人によっては
    絶望して自殺しちゃうかもね
 
  (‥ )まあ、だからだな
      この現代において
      挫折を皆が極端に嫌がるのは
      当然なのだよ
 
 敷かれたレールを上を走る。これが一番の安全パイだし、それを選ぶのは当然だ。というか他に選択肢が事実上、存在しないのだ。
 
 だがしかし、この安全パイを走るということ、非常にストレスが多いものであること疑いない。
 
 ∧∧
( ‥)あなたたちは本来
    そんな生活をする
    動物ではないし
    そんなことに大喜びする
    動物でもない

  ( ‥)だからさ小説や物語が
    ‐□ ご都合主義の塊になるのは
      当たり前なんだよな
      冒険、成功、自由、可能性
      賭け事、恋愛
      それらが現実に無いから
      いや、ありえない、から
      それを求めている
      だけなのだ
 
 反対に視点を変えればである
 
 例えば文学とは無駄なくせに頭を使う娯楽だ。つまり文学とは、
 
 俺様はこんな無駄でチンプンカンプンな文字の塊でも、ずっと読んでいられるんだぜ、俺ってすげーだろ?
 
 そういう無駄な苦労自慢に使われるものだ。別に内容があるかないかは関係ない。むしろ内容が無い方が望ましい。苦労自慢に内容があってはならぬ。文学とは難解で無意味でなければならぬのだ。そもそも有意義な文学など文学ではない。
 
 ∧∧
(‥ )でも今や日常のストレスが
\‐  非常に大きい時代である
 
  (‥ )もうな、
      悠々自適の生活で
      片手間に文学読んで
      そんなことで
      苦労自慢できるような
      状況じゃないんだよ
      文学? 小説?
      馬鹿ですかお前?で
      終わりだよ
 
 もっと他の苦労自慢が山のようにあるし、もはやあまりのストレスに世界は臨界一歩手前状態にある。こんな時代に文学なんぞ流行りはしないだろう。そうではなく、ご都合主義の物語が一服の清涼剤として消費されるべきなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、しかし
    それこそが物語本来の
    姿なのである
 
  ( ‥)しかしこのままでは
    ‐□ つまらんなあ
      文学なんてどうでも良いが
      もっと面白いことを
      したいよねえ
      清涼剤の向こう側を
      再び見てみたいよねえ
 
 
 先に述べたように、かつて植民地の人々から見れば先進国の住人は異界からやってきたスーパーマンであった。

=>hilihiliのhilihili: 努力には自由も高揚感もない

言い換えると、入植地にやってきた人は欲望を発露した。彼らはしばしば暴君であり、悪魔そのものでもあったが、異界の魔法使いであるという点では変わりない。
 
 ∧∧
(‥ )平凡な高校生とまでは
\‐  いかないまでも
    平凡な僕が異世界にいったら
    英雄に
 
  (‥ )そこまでいかないけども
      それに近似だったのだな
      現実に出来たのだよ
 
 もちろん、現実は物語よりもずっと地味で、そして過酷である。魔法使いは先住民に殺されたり、野獣に殺されたり、あるいは病気で死んだり、あるいは仲間から殺されたり、あるいは逮捕されたり投獄されたりした。財を成して帰るものは、そうはいなかったはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも不可能な世界と
    可能性は低いけども
    賭けに出る事が
    出来る世界とでは
    雰囲気が全然違うよね
    今の世界は賭けに
    出ることすらできない
 
  ( ‥)自由化を押し進めた
    ‐□ 中国に進出した日系企業や
      その他様々な企業や
      野心のある個人たちは
      かつて同じような
      賭けに出て
      自由と可能性の地である
      中国を目指したのだろうな
 
 だが、今や賭けに出る目はあるか?
 
 中国はまだバブル崩壊が顕著になっていないとはいえ、とっくの昔に状況はすでに飽和状態だと聞く。
 
 ∧∧
(‥ )めぼしい事業や立ち位置は
\‐  一部の成功者に占領されて
    しまったみたいですね
 
  (‥ )開放政策してから
      一世代だからな
      まあ当然だよね
      もう自由はないわけよ
      当然、夢もないわけだ
 
 結果は、日本と状況があまり変らないとも聞く。つまり先行できた年配者が勝ち逃げ、勝ち組になって良い場所を独占している一方で、若者には行き場がないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)行き場がないってことは
      敷かれたレールの上を
     走るしか無い
 
  ( ‥)そしてそういう生活は
    ‐□ 先の述べたように
      非常にストレスが
      たまるのだ
      一服の清涼剤が
      求められるのは必然よ
 
 だがしかし、清涼剤だけでは十分ではない。
 
 そもそも清涼剤とは、飲む環境が良くなければ効果が半減してしまう。
 
 暗い部屋で缶ビールを飲むのと、ごみごみしたビルの屋上ではあるが、ビアガーデンで本物のビールを飲むのとでは違うだろう。炭酸飲料だってただ飲めば良いというものでもあるまい。
 
 ∧∧
(‥ )もうちょっと
\‐  どうにかしないとね
    面白くないよね
 
 (‥ )清涼剤をもっと
     美味しく飲める状況をだな
     作らねばいかんのだよ
 
 だが当然ながら、これこそが難問なのだ。そして困ったことに、何も思いつかない。
 
 ∧∧
( ‥)なにかこう
    素っ頓狂なことを
    考えねばなりませんかね
 
  ( ‥)狂気に似た何かだな
    ‐□ なんだろうな
 
 
 
 

努力には自由も高揚感もない

 
 一度挫折したら人生終わりである。
 
 ∧∧
(‥ )実際にはそんなこと
\‐  ないんだけどね
 
  (‥ )そんなことないんだが
      そうだと思っている
      だから職場や会社や
      学校や部活やクラスや
      家庭から逃げられずに
      しがみついて
      死んだり殺したりする
      場合があるわけだ
 
 とはいえ、皆がそう思い込むのは当然だとも言える。目の前の肉にしがみつくのは、人間だけの特徴ではないし、それは当たり前の反応だ。
 
 そしてなにより、確かにそうなのだ、一度挫折したら人生はそこで終わりだ。
 
 ∧∧
( ‥)確かに良い大学へ入って
    良い企業に入れば
    まあ、おおむね一生
    高額かつ安定した収入を
    得られるからね
 
  ( ‥)このレールから
    ‐□ 落ちこぼれたら
      もう”終わりだ”
      それは少なくとも事実
 
 それを考えると、主人公が挫折して、それから立ち直る話なのに、なんで読者はそれを分かってくれないの?? どうして一度の挫折だけで物語を全否定してしまうの?? といぶかるのは虫が良すぎる要求だろう。
 
 ∧∧
(‥ )みんなうまくいかないから
\‐  今さら挫折なんか読みたくない
    あるいはこのレースから
    落ちこぼれたくない一心で
    勉強や仕事をするストレスに
    耐えかねて
    それで一服の娯楽を
    求めているのに
    その娯楽に
    ”挫折から立ち直りまーす”
    なんてものをね
    混ぜ込まれちゃね
    たまったものじゃないよね
 
  (‥ )これは体に良いのです
      そう言って
      薬剤とかビタミン剤を
      食事に混ぜ込むような
      無粋だからな
      受けるわけねーんだよ
 
 だいたい、挫折から立ち直る、という設定自体があまりにも”荒唐無稽”すぎるのだ。書いているご本人たちはこれがリアルだ、と思っているらしいが、実際のリアルとは、一度、挫折したら、大概はもう二度と立ち直れないのである。
 
 挫折のない順風満帆なもてもて主人公がご都合主義だというのなら、”挫折して立ち直る主人公”とやらは一体全体、なんと呼べば良いのだろうか?
 
 ∧∧
(‥ )でも時々、素っ頓狂な
\‐  人の話ってあるよね
 
  (‥ )小説だったけども
      三度財を成して
      二回破産した
      男の話があったよなあ
 
 舞台は遠くの惑星、ということになっているが、本来はアフリカを舞台にした物語で、それを別世界に置き換えたものだ。だから未来世界なのに”アスファルトの道路”が出てきたりする。
 
 つまりこれ、別の惑星の物語ですと言い訳しているが、実際にはケニアのパロディなのである。植民地時代から始まり、アフリカの人々による白人への叛乱と内乱、そして独立へと至る話なのだ。
 
 さて、この地球人、ようするに彼は一儲けしようと本国から入植地にやってきた白人のことだけど、彼は部族の王様になったり、あるいは象牙のハンターとして一儲けしたり、あるいは財産を政府に没収されて無一文にもなった。そうかと思うと、独立戦争が始まり、疎開した入植者の女子供のためにミルクの需要があるはずだ、それに気がついた彼は殺し合いの最中、ミルク販売を始めて金を作った。さらに独立後は保険業が成り立たないことに目をつけ、ミルクの代金を元手に保険代行に手を広げて大儲け。それが、彼が財を成した三度目で、そして最後となった。こういう話。
 
 ∧∧
( ‥)これ、元ネタが
    あるんじゃね?
 
  ( ‥)かもしれないね
    ‐□ 入植というのは
      現地人と入植者の間に
      技術と知識の差があって
      誰でもスーパーマンに
      なれるわけだよ
      なおかつ
      本国よりもライバルが
      少ないし
      法の手も届きにくい
      ”自由”があるわけだよな
      色々な人が色々な
      無法を働いて
      自由を謳歌しただろうしね
 
 それは現代人から見ると、身勝手ではあるけども、郷愁とも受け取れるし、あこがれとも受け取れる。
 
 ∧∧
(‥ )こういう挫折の物語なら
\‐   良いかもしれないねえ
 
  (‥ )というかこれ
      ギャンブル漫画と同じ
      構図なわけだからな
      ギャンブル漫画が
      成功しているのなら    
      こういう挫折もありだ
      そういうことだろうね
 
 あるいはギャンブル漫画も以上のような無法者も、無法であり、自由だから高揚感があるのだ。自由があって挽回のチャンスがあり、それに立ち向かうことは読者の神経を高揚させる。この時、挫折はゲームになる。
 
 一方、挫折を努力で挽回する。それはテストで赤点を取ったから補習授業を受けるようなものであって、高揚感などは持ちにくかろう。というか、うんざりだ。そこには檻があるだけで自由が無い。人間が本来持っている野生動物としての神経をかきたてるものがない。実際、これが良かれと作者が用意した、うんざりするようなお説教的なレールがあるだけだ。同じ敷かれたレールの上を走るのなら、もっと心地よいものの方が望まれるだろう。
 
  
 

2014年10月23日木曜日

ゼウスは一度負けた

 
 最近のラノベやアニメや漫画は駄目だ。主人公が無敵だからである。俺TUEEEとは、なんと甘ったるい考えだろうか?
 
 今時の漫画やラノベには制限があるのです。主人公の挫折を読者が認めようとしないのです。今の読者は駄目です。
 
 ∧∧
(‥ )と、文化人の方々は
\‐  まことしやかにおっしゃるが
    主人公が挫折する話
    というものが
    そもそもあったのか?
    そこがむしろ問題
 
 (‥ )ギリシャ神話のヘラクレスが
     無敵不敗である
     これは以前指摘した通りだが
 
=>hilihiliのhilihili: 神、俺TUEEE、ハーレム、これこそが歴史を動かす


 同じくギリシャ神話のペルセウスも同様だ。彼もまた敗北などしていない。
 
 だけども読み返していて気がついた。
 
 ∧∧
(‥ )ゼウスさんが
\‐  一回敗北しているね
 
 (‥ )失念していたけども
     テュポーン(テューポーン)
     に一回倒されて
     いるのだよね
 
 テュポーン。台風を意味する英語タイフーン(typhoon)の語源だとも言われる、ギリシャ神話最強の怪物。
 
 天地創造において曰く、天空と大地の交合から生まれたティターン一族。彼らの長クロノスは自らの息子に王位を奪われると予言され、子供たちを皆、呑み込んだ。

*いわゆる我が子を食らうサトゥルヌスはこれを描いたもの=>https://www.google.co.jp/search?q=saturno+devorando+a+sus+hijos&biw=1101&bih=831&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XBtIVMeyFcPLmwWq14LADw&ved=0CAY…

**一応書いておくと、呑み込んだとあるから、ゴヤが描いたように、むしゃむしゃ食べたわけではないようである。
 
***ゴヤはゴヤで子供に先立たれているから、先の絵画はそういうことを投影した内容だという解釈も聞く。

 
 ともあれ、陰謀によってクロノスはゼウスを呑みそこなった。成人したゼウスの叛乱により、予言通り、クロノスは倒される。それに怒った大地の女神ゲー(ガイア)が生み出したのがギガース、すなわち巨人。
 
 その巨人たちまでもがゼウスたちに倒された時、さらに怒ったゲーが生んだ怪物、それがテュポーン。竜の頭を百頭持ち、天動説体系の世界の中で、星々に届かんとする身長を誇り、手を伸ばせば東西に届くという巨魔。

 テュポーンの襲撃に逃げ惑う神々。ゼウスは雷電とさらには鎌を持って接近戦を挑み優勢に戦いを進めるが、格闘戦で負けた。手足の腱を切り取られ、岩穴に幽閉された。
 
 ゼウスは負けたのだ。
 
 とはいうものの 

 ∧∧
(‥ )でもこれも
\‐  ガッツ星人にセブンが負けた
    どうなる?? ハラハラ
    そういう感じだよね
 
  (‥ )倒されたから修行しよう
      新しい武器を手に入れよう
      挫折から立ち直ろう
      そういう展開じゃ
      ないからな
 
 そもそも手足の腱を切り落とされた時点で身動きはとれないのである。腱を奪い返したヘルメースたちによってゼウスは復活し、ついにエトナ山の下にテュポーンを封じ込める。以来、エトナ山は火山として火をはき続けているのだ。

=>https://www.google.co.jp/search?q=mount+etna&biw=1101&bih=831&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=DBxIVISxNoLsmAWWqIHwAw&sqi=2&ved=0CAYQ_AUoAQ#tb…
 
 
 ∧∧
( ‥)これを見ると
    主人公が負けた!
    どうする? どうなる??
    というのは
    物語の展開として
    ありなんだけども
    挫折はやっぱ望まれていない
    そういうことですかね
 
  ( ‥)たぶんそういうことじゃ
    ‐□ ないのかな
      ゼウスは負けたが
      挫折したわけじゃない
      そして
      ペルセウスやヘラクレスに
      至っては
      負けた事すら
      ないのだからね
 
 思うに、昨今の読者が挫折の物語を望んでいない、というのはただの言いがかりなんだろう。
 
 おそらく、現実はである、自分の書きたい物語が一般人の需要とずれているだけなのだ。ずれているだけなのだが、そんな現実を認める気になれず、世代論やありもしない若者の堕落のせいにしているだけなのだろう。今時の若いものは、という説明は、老人にとっては楽なのだ。
 
 あるいは仮に昔、一時でも挫折の物語がありだと見なされていた、それが本当だと言うのなら、”俺TUEEE”とは、物語が本来の姿へと復帰していく過程と見るべきだろう。
 
 誰も挫折なんかいちいち読みたくないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあなんと言いますかね
 
  (‥ )だってさ現実が
      挫折の連続なわけじゃんよ
      誰が娯楽の世界にまで
      現実の侵入を望むのかって
      話なわけよ
 
 それに考えてみれば大変な矛盾でもあろう。
 
 今時の読者は、挫折の物語を受け入れてくれない! 
 
 そうは言うが、だがしかし、このことこれ自体が挫折の物語なのだから、この現実を嬉々として受け入れれば良いではないか。挫折物語を認めろと主張する言い出しっぺが、どうして自分の挫折を率先して拒否するのか? なぜ泣き叫ぶのか?
 
 ∧∧
( ‥)自分の物語と違って現実が
    挫折しっぱなしだからじゃね?
 
  (‥ )自分の描いた物語では
      リベンジできるが
      現実にはそれができず
      物語は売れない
      だがしかし
      そーれーがーリアルよ。
 
 挫折して、そこから立ち直るなんてそんな非現実的なことあるわけがない。だのに、自分たち自身が、主人公は挫折から立ち直るという、最も非現実的なフィクションを恥ずかし気もなく語るのだ。

 そんなご都合主義を大声で言う人間が、挫折のない物語を、甘ったるいとか言うものではなかろう。
    
 
  
    

自分で作ったものにがっかりしないと人生が詰む

 
 良いデザインを作るには
 
 ∧∧
(‥ )そういうものを作るには
\‐  これが良いはずだ
    そう自分で思ったものを
    作ってみたけど
    出来上がりを見たら
    がっかりした
    そういう経験が3回は
    ないと駄目だそうですよ

 
  (‥ )頭の中ではいかにも
      良さげに思えても
      実際にはうまくいかない
      しかもそういう経験を
      何回もしないと
      そこそこ良さげなものを
      作る事すら出来ない
      そういうことだね
 
 ∧∧
( ‥)つまり自分に
    がっかりすることを
    何度も繰り返さないと
    そこそこなレベルに
    到達することすらできないと
 
  ( ‥)以前いた俺様理論屋も
    ‐□ 自分は絵がうまいと
      思っているのだが
      周囲からの評価は
      最悪でなあ
 
 ネットでも、
 
 ああ、あいつ? なんか偉そうなことを言って熱心に技術論を吹聴してpixivとかに投稿してるけど、まったく上達しない気の毒なおっさんだよね
 
 そう言われる始末。
 
 実際、人からそう批判されると、うるさい! 黙れ! これで良いのだ! この理屈が分からないのか!! そう言い立てるだけである。
 
 自分にがっかりしたことがないし、自分を正当化することしかできないのだ。
 
 そして、先日、人から、
 
 ほら、あいつの今の絵がこれだよ、見てみなよ、すごいよーwww
 
 と言われてみてみたら、確かにぎょっとするようなひどい絵になっていた。以前は左右がひんまがったへたうま未満の稚拙な、しかし一応は萌え絵だったものが、いまや、左右はそこそこ正しいが、可愛くもなんともない気味の悪い絵になっていた。
 
 自分にがっかりできない人間のたどり着いた先、これで良いはずだ、これで良いはずだで進んだ先がこれなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )でもそういう人って
\‐  意外と多いんだよね
 
  (‥ )俺は高校の時
      美術部にいたけども
      やっぱそういう奴が
      いたからなあ
 
 そいつがいない場所で先輩が言ったのである。
 
 あいつは、実力が無いくせに自分では絵がうまいと思っている。かわいそうな奴だ。
 
 確かにそうなのだ。あの男も自分にがっかりしたことがないのである。
 
 ∧∧
( ‥)挫折する必要はないけども
    がっかりする必要は
    あるんだろうね
 
  ( ‥)試してみる
    ‐□ うまくいくか
      いかないか
      それを実際に見て判断する
      そうしないと前には進めない
      しかも
      がっかりするというのは
      これでは駄目だ
      そうきちんと
      判断できているわけでな
 
  理屈と現実は違う。理屈や論理は仮説を見つけ出すひとつの手段でしかない。それはあくまでも仮説で、現実ではないのだ。実際に作って試して、そうして現実の性能を判断して初めて良い、悪いという結果が得られるのだ。
 
 つまり実行しないと意味がないし、判断できないと結果に意味がない。
 
 自分にがっかりするとは、実行できたのみならず、テストがきちんと出来ている証拠に他ならない。それは良い悪いの判断ができているということだ。
 
 ∧∧
(‥ )逆に言うと
\‐  自分が作ったものに
    がっかりできない人間は
    この過程が
    うまく機能していない
    良い悪いの見極めが
    うまくいっていないのだと
    
 
  (‥ )その末路を
      色々な場面で見るのだよ
 
    
 自分で作ったものにがっかりできない人間は、当然、自分を認めない世間と周囲に敵意を向けるが、もちろん、それではうまくなるはずがない。行き着く先は世間が悪い、世の中が悪い、社会が悪い、萌え萌え言ってるオタク共が悪い、だから俺様が認められないのだ、そうやって自分を守り、他人の悪口だけを言う、なんかそういう生き物に成り果てるだけである。
 
 

 

2014年10月22日水曜日

ただの好き嫌いを苦労自慢と実力の誇示に書き換える

 
 物足りない
 
 ∧∧
( ‥)それは
    私はすでに腹八分目である
    そういう自己申告だ
 
  ( ‥)つまり本を読んで
    ‐□ これは物足りない
      そう得意げに述べた時点で
      それがお前の限界点
 
 そこがその人の知能がたどり着けた最北だ。もうそれ以上は一歩たりとも前には進めまい。 
 
 ∧∧
(‥ )まあ、実際には
\‐  一歩二歩は前に進めるの
    ですけどね
 
  (‥ )そしてそれが
      商機なのだ
 
 腕足せ伏せ30回が限界の人間は、20回では物足りないと言うが、だがしかし、25回まで増やされたら悲鳴を上げだす、逃げ出す。
 
 ∧∧
( ‥)ならば21回ならどうか?
 
  (‥ )21回なら
      本人の自尊心も
      満足させられるし
      負担自慢もできる
 
 20回では物足りない。そんな俺様がなんと21回までやりましたよ! こういう自尊心と苦労自慢をくすぐってくれるもの、それが本のあるべき姿。
 
 ∧∧
(‥ )人間は苦労自慢が
\‐  大好きだからね
 
  (‥ )残業自慢は体力の誇示だ
      貢ぎ自慢は経済力の誇示だ
 
 そんなもの、奴隷の鎖自慢だろwww とか訳知り顔で笑っている場合ではない。そう得意げに指摘する人を世間の皆がどんな顔で見ているか知ってるかい? よく見てみなよ、負担の誇示は実力の誇示。それもできない負け組が、口先の理屈でなよなよしながら自己正当化しておる、彼らはそうあざけっているじゃないか。
 
 ∧∧
( ‥)しかしつまり
    こういう苦労自慢を
    くすぐれば
    売れる本ができる
    それが求められている本だ
 
  ( ‥)時々思うけども
    ‐□ 非常にくせの強い小説って
      そういうものかもな
 
 例えば非常にくせの強い食品があるとする。食品の場合、それは好きか嫌いか、という話でしかない。
 
 だが、小説でこれをしたらどうなる?
 
 ∧∧
(‥ )読める人と読めない人の差が
\‐  顕著に出るだろうね
 
  (‥ )好き嫌いが出るのだ
      だがな
      小説だとこの違いは
      一見すると
      読解力の差に
      見えるのだよね
      読書とは文化的行為である
      そう思われているからな
 
 つまり、単に好き嫌いのはずが、膨大で高尚な文学をたしなみ、その負担に耐える脳を持っている私、という実力の誇示に見える、苦労自慢になる。
 
 ∧∧
( ‥)一見するとね
 
  ( ‥)読む人を選んで
    ‐□ なおかつ一部特定の人に
      異様に受ける長編小説って
      あるよな
      そして事実として
      彼らは読める自分を
      自慢するのだ
 
 ただの好き嫌いを苦労自慢と実力の誇示に書き換える。
 
 あれは、そういう販売戦略だと考えるべきなんだろう。
 
 
 
 

たがために

 
 
   ( ‥)なんかさ
     ‐□ 腹が減るんだよね
 
 ∧∧
( ‥)生きてるからじゃね?
 
 
 
 
 

タヌキ急旋回

 
 洗剤を買ってコンビニから帰る途中、道を曲がろうとしたら、いきなり何ものか、小さなものがこっちへむけて猛烈な勢いで走ってきた。
 
 こっちもぎょっとしたが、あっちもびっくりしたらしい。自分の直前で方向転換すると、すぐ脇の溝の下に潜り込んだ。実に急旋回で器用なことだ。コンクリートで封をされた溝だ。中に入れば人間に手出しされることはない。
 
 潜り込む刹那、見えたのは街灯に照らされた、ふわふわした明るい色の毛皮と黒い模様である。
 
   びっくりした...
 ∧∧ タヌキだね
( ‥)
 ‐( ‥)あの連中はやっぱ
     眼があまり良くないのかな
 
 以前も書いた事だけど、夜の公園でタヌキと遭遇したことがある。この時もこちらが先に気がついた。見ていると、タヌキもベンチに座っているこちらに気づいたのが分かる。立ち止まって、月明かりの下、ぎょっとした仕草を見せたタヌキは、しばらくするとこっちを直角に迂回して立ち去った。
 
 こんな感じに

    ______ 
   |      | 
___| ◯    |____→
     ↑
     ベンチに座る私
 
 あくまでも自分の所定の進路は守るのである。なんという剛直ぶりか。迂回の仕方も、進路への復帰も、本当に直角なのだ。
 
 ∧∧
(‥ )さっきだって、
\‐  向こうからこっちは
    丸見えだったはず
    だからね
 
  (‥ )道の角だけど
      建物がない庭先だった
      わけだからね
      むしろ向こうの方が
      先に気づいても
      おかしくないんだが
 
 眼が悪いともあまり思えない。どっちかというと、視覚にあまり重きを置いていないのではないか、とも思える。
 
 反対に、嗅覚に重きを置かない人間の動作は、タヌキたちにはなんとも珍妙に思えるのではなかろうか。
 
 
 
 *以前、真っ暗な道を歩いていると、あちらからハクビシンが来るのが見えた。立ち止まって動かずにいると、そのまま足下まできてしまうのである。見てみようと思って首を動かした瞬間に、走って逃げた。見えてはいるんだが、見たものがよく分かっていないように思える。
 
 ∧∧
(‥ )でもさ、今日
\‐  夜の公園から帰る途中で
    角を曲がったバイクが
    こっちに向かってきたよね
 
  (‥ )ライトでこっちを
      照らしているのにな
      ほんの半秒ほどだけど
      反応が遅れているのだよね
      ぐずな奴なのか
      疲れてぼーっとして
      いたのか
      どっちだろうねえ
 
 確かにまあ、視覚依存の人間でも、こんなことがあるにはある。
 
 
 

2014年10月21日火曜日

トゲトゲ三葉虫

 
 三葉虫ケラウリネラ=>https://www.google.co.jp/search?q=ceraurinella&biw=1268&bih=827&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=2hFGVMbpLKbHmAXq2oLIDw&ved=0CAYQ_AUoAQ
 
 さらに以上の近縁種ケラウルス=>https://www.google.co.jp/search?q=ceraurus&biw=1268&bih=827&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=shxGVJKmHqaRmwWa44HgAQ&ved=0CAYQ_AUoAQ
 
 *ちなみに学名のceは、しばしば”セ”と発音、あるいは表記されるが、これは英語読みだ。
 
 ∧∧
(‥ )どっちもトゲトゲさんだ
\‐
 
  (‥ )三葉虫テラタスピス
      というものもいる
 
 三葉虫テラタスピス=>https://www.google.co.jp/search?q=ceraurinella&biw=1268&bih=827&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=2hFGVMbpLKbHmAXq2oLIDw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch…
 
 だが、このテラタスピスは以上の三葉虫とは所属するグループがまるで違うとされている。
 
 ∧∧
( ‥)どっちもトゲトゲさんだけどね
 
  ( ‥)前者のケラウリネラたちは
    ‐□ 有名な三葉虫ファコプスに
      近いとされている

 三葉虫ファコプス=>https://www.google.co.jp/search?q=phacops&client=safari&rls=en&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=DRRGVKGdIuGcmwWqnoDQBw&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1268&…
 
 ∧∧
(‥ )言われてもピンと
\‐  来ませんけどね
 
  (‥ )これを見て
      ケラウリネラたちは確かに
      ファコプスに近縁ですよね
      テラタスピスは別物ですね
      と素直に思える人は
      そうはいないだろうな
 
 確かに先のトゲトゲ2種類は、テラタスピスたちとは根本的な体型が違う。ケラウリネラたちは尻尾が比較的小さい。反対にテラタスピスとその仲間は尻尾の発達が良い。頭部の縫合線の走り方も違っている。さらに色々な仲間を図鑑で見れば、前者ケラウリネラがファコプスに近いというのも、まあそうなんだろうな、そう思えてくる。
 
 ∧∧
(‥ )でもファコプスさん自体は
\‐  頭部の縫合線自体が
    無くなってるよね
    尾部もかなり大きい
    棘はないけど
    尾部が大きいのは
    テラタスピスと同じだとも
    言えるよね
 
 
  (‥ )もちろん
      それだけだったら
      生物は進化するので
      同一の系統であることを
      把握するには
      たくさんの種類を
      並べないといけない
      次々に現れる形質と
      次々に消える形質とを
      見ながら
      リレーのバトンのように
      受け継がれる
      形質の変遷から系統を
      相互的に判断しないと
      いけない
      それですむのだが
 
 三葉虫の場合、それだけではすまないよな、という感が強い。少なくとも素人目に見てそうである。というか、大きなグループのまとまりが明瞭でない、というのは研究者たちからもしばしば指摘されるところだ。
 
 ∧∧
(‥ )違うこと、それ自体は
\‐  分かるのだよね
 
  (‥ )違うから分離できる
      それに加えて
      共通点を見ると
      これとこれがまとまる
      それを見るとグループが
      見えてくる
      そんな感じかなあ
 
 もちろん、素人目にそう見えるからといって、研究者がそれをしているに違いない、そう安易に言うことはできまい。
 
 ∧∧
(‥ )でもなんか
\‐  論文を読むと
    かなり困っている感は
    見えてくるよね
 
  (‥ )違うものだと識別できる
      共通点を見れば
      グループの判断もできる
      どの特徴を見れば良いかも
      分かってくる
 
 でもそうして作られたグループとは、一体全体、なんだろう? 
 
 ∧∧
( ‥)それが問われるのであると
 
  ( ‥)というかだな
    ‐□ 仮にそうなら
      そこまで書かないと
      いかんわけでな
      それを確認するのが
      仕事であるなあ
 
  

24時間前と24時間後


 ふと気がつけば朝の4:20である
  
 ∧∧
(‥ )24時間前には
\‐   国道467号線に沿って
     藤沢市を北上していた
     あなたですよ=>
 
  (‥ )そろそろ足が痛くなって
      きたので
      ファミレスで
      食事をして休んでいた
      頃合いだな
 
 その24時間後の今、なんとなく仕事の合間にネットで検索をかけて、なんだこれ? という記述に出会う。
 
 サーベルタイガーは人類がやってくる前に滅びたから、彼らが人類の狩りで滅ぼされたという主張には根拠はない
 
 という内容だ。記事の出所とリンク先を見たらwikiだった。
 
 ∧∧
(‥ )...これは間違ってますよね
\‐
 
  (‥ )たぶんホモテリウムの
      古い記述と
      スミロドンを
      ごちゃまぜにした
      のだろうな
 
 サーベルタイガーの一族は何種類もいるが、それぞれそのすべてが人類の進出する先から順番に絶えた。因果関係は明白だろう。そして人類はサーベルタイガーと遭遇している。
 
 そういえば、ネットで検索をかけていたら、この化石種のネコの名称は次の通りである、というwikiの記事がひっかかってきたのだが、それが間違っているということがあった。
 
 それは英語のwikiを直訳した内容であったが、英語圏の人間は日本人と違って、一属一種ごとに固有名詞をつけるということがない。これを知らぬままに勘違いしたものだった。
 
 つまり、
 
 西欧の洞窟から見つかるこのライオンの化石は...
 
 という意味の英語を
 
 ヨーロッパドウクツライオンは...

 という固有名詞だと思い込んでいる、そんな感じ。
 
 ∧∧
( ‥)ネットはつまらない?
 
  ( ‥)夜の町を延々と
    ‐□ 歩いていた方が
      面白かったなあ
 
 ∧∧
(‥ )あなたがたは本来
\‐  野外を歩きながら
    獲物や食べ物を探す
    動物だったからね
    そっちのほうで
    神経が興奮するように
    出来ているのだろうね
 
  (‥ )もちろんネットでも
      芋探しは出来るけどな
 
  
 ただし、ネットで数時間も探し物をしていると、もうそこで壁に突き当たる。そっから先の情報は電子化されていないのだ。検索は理解に必要な資料を探すひとつの手段でしかなく、最後は狩りに出かけねばならぬ。人間が本来持っていたスリルとは、こういうものなんだろう。出歩くことには絶えずスリルがある。
   
 
 ∧∧
(‥ )でも今夜は雨だね
 
  (‥ )出かけるには
      不向きな天候だなあ
      刺激のない平板な時間
      気分が憂鬱になるのも
      やむなしか
 
      
 
 

2014年10月20日月曜日

これは腰回りにきている?

 
 hilihiliのhilihili: 逗子市から鎌倉、江の島、六会日大前までの続き
 
 逗子から鎌倉、江の島、藤沢、その北まで歩いて、そこからは始発で帰って、休んで、起きて。
 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)んー
      足の痛みとかはないね
      でも
      腰回りに...
      痛みというほどではないが
      疲れが残っておるな
 
 なんだろう。背筋の方である。どこだろう? 腸骨の上あたりだ。人体の構造はよく知らないし、正確に場所を特定できるわけではないが、そういう感じ。  
 
 ∧∧
(‥ )腰の筋肉が
\‐  なまっているということ
    でしょうかね?
 
 
  (‥ )どうだろうね?
      でも考えてみれば
      普段一番使わない部分
      かもしれんな
      おっさんがぎっくり腰に
      なったりするのは
      ここが弱まる
      せいなのかな?
 
 ∧∧
( ‥)素人の勝手な解釈や
    生兵法は怪我の元と
    言いますけどもね
 
  ( ‥)んー でも
    ‐□ ここがくるというのは
      予想外だったなあ
 
 ∧∧
(‥ )どうやれば
\‐  おかしな負荷をかけずに
    鍛えられるのですかね?
 
  (‥ )単に長距離を走れば
      良いのかもしれんが
      3キロ走ったぐらいじゃ
      ここはこなかった
      からなあ
 
 ∧∧
( ‥)そういえばあなたは
    走った場合
    平面だと3キロが
    限界だったね
 
 
  ( ‥)もっと伸ばしなさい
    ‐□ ということかねえ
 
 
 
 
 

逗子市から鎌倉、江の島、六会日大前まで

 
 神奈川は鎌倉の東になる逗子市。
 
 昨晩はミスによって、そこで終電を逃すはめに。
 
   時刻は19日23時30分
 ∧∧  どうします?
( ‥)
 ‐( ‥)半袖だしなあ
     歩くか...
 
 10月もすでに半ば。昼間は半袖で良くても、夜になると冷える。だが、動けば問題ない。つまり、じっとはしていられない。
 
 店に入って酒を飲むのというのは、いかにも退屈だ。
 
 逗子から鎌倉方面へ抜ける道は知っている。鎌倉から江の島へ向かう道も知っている。それに今では携帯で地図も現在位置も分かるのだ。文明は進んだものである。
 
 
 ∧∧ 逗子から鎌倉へ向かいます
(‥ )
 ‐( ‥)ここらは古い家と
      高級住宅地が
      混在してる場所だが
      なんかあれだ
      少ししゃれてるな
 
 












 
 鎌倉は周囲を丘や山、崖に囲まれた、いわば要塞都市。丘を貫く夜のトンネルを抜けて鎌倉へと入る。なかなかに良い感じだ。



 










 0時30分。鎌倉の東、材木座海岸に出て見ると、相模湾の向こうは真っ暗である。
 
 というか、東にある東京、川崎、横浜、北から西へ連なる、鎌倉、藤沢、さらには茅ヶ崎、明るい都市部に照らされる雲が輝き、それと対照的に、何も無い湾の方角だけが真っ暗の闇に見える。














 
 なんと言えば良いだろう? 海岸沿いに西へと向かう自分の左目の視界に、ずっと黒い闇が至近距離に付いて回るような、奇妙な感覚だ。


 1時には鎌倉の西、由比ケ浜を通過














 
鎌倉の大仏を模した緑青色の警告ランプが道路上に輝く。

そうして2時には江の島に到達。









 




道路を這う、江の電のレールが信号機の色でぎらぎら光る。

江の島の灯台をすぎて北上し、海岸と観光地から外れれば、もう特に撮影するようなものはない。大きく、余裕のある道並みは、だんだんと閑散としていくのみだ。














 
  ...あっ、ばててきた
 ∧∧
( ‥)
 ‐(;- -)うおー、足が...
 
 一番近い駅から後は始発で移動しよう。4時を回った時点でリタイア。ファミレスで食事をしてから、六会日大前駅より始発で動く。
 
 歩いた道のりはだいたい、こんな











 
 ∧∧
(‥ )15キロぐらいは
\‐   歩いたのでしょうかね?
 
  (‥ )どうなんだろうな
      よく分からねーや
 
 思うに、49.195kmを走る選手だの、1日に水がめを持って何キロも運搬する人だの、そういう鍛えた人々と違って、あいにくと自分はどうにもならんという感じである。
 
 
 ∧∧
( ‥)とはいえ人は人
    自分は自分
    疲れたよね
 
  ( ‥)仕事は一休みしてからに
    ‐□ しようかなあ...
 

 
 


2014年10月19日日曜日

神、俺TUEEE、ハーレム、これこそが歴史を動かす

 
 ギリシャ神話の英雄ヘラクレス
 
 ギリシャ語だとηρακλησ

 つまり、ラテン語や英語で用いられるアルファベットで置き換えるとHraklehsなのだけども
 
 ∧∧
(‥ )でもラテン語だとHerculesと
\‐  表記されるのだね
 
  (‥ )ギリシャ語なら
      ヘラクレスあるいは
      ヘーラクレース
      になるのだ
      でもラテン語なら
      ヘルクレスだな
 
 日本語でもヘラクレスだったりヘルクレスだったりする。星座の表記はラテン語なのでヘルクレス座が正しかろうが、
 
 ∧∧
( ‥)人物名としては
    むしろヘラクレスですかね?
 
  ( ‥)まあ取りあえずここでは
    ‐□ ヘラクレスとしようか
 
 ヘラクレスは神々の長、 雷を操るゼウスと人間の間に生まれた子供である。ゼウスには正妻のヘラがいるので、ヘラの呪いによってヘラクスレスはしばしば狂気に襲われ、自分の子供を殺してしまったり、自分を信用してくれた人をも殺してしまったりする。
 
 とはいえしかし、ヘラクレスは神々の長の血を引く半神であり英雄だ。しかも各種技能。つまり、弓、レスリング、格闘術、戦車の操り方、それらをも神々から教えられた。戦士であるだけでなく、軍団指揮官でもある。矢も投げ槍も百発百中であり、敗北したことなどない。例外的なのが多頭の水蛇ヒドラを倒す際に、なんど叩き潰しても傷から再生してしまう首を阻止するため、イオラオスに手を貸してもらったこと、アルカディアの軍勢を率いた時、旅で病にかかり、そのため一度は撤退しなければいなかったこと、それぐらいだ。
 
 神の子にして不敗。生涯負け無し。棍棒と格闘術でことごとく敵を倒す、無敵の英雄。
 
 彼が最後に倒れたのは、半人半馬のケンタウロスであるネッソスの陰謀と毒にかかったためである。
 
 *:参考「アポロドーロス ギリシャ神話」岩波文庫版
 
 ∧∧
(‥ )まさに俺TUEEEですねえ
\‐
 
  (‥ )ついでに言うと
      ハーレムもてもてとは
      言わないけども
      まあ
      ハーレム状態なんだよな
 
 ヘラクレスは生涯、二度、ライオンを倒した。そのうち、最初の戦いの時、当地の王テスピオスはヘラクレスを歓待し、娘をあてがった。王はヘラクレスの子供が欲しかったのである。ヘラクレスは五十日間の狩りの間、王の娘を抱いた。そして彼は気づかなかったのだが、実はこの女の子、全員、別々の娘であった。
 
 ∧∧
( ‥)王に50人の娘がいて
    ヘラクレスは
    全員と同衾してて
    全員を抱いてて
    でもヘラクレスさんは
    同じ娘だよな?
    と思っていたって
    どんな設定だよ
 
  ( ‥)まあ、なんだろうねえ
    ‐□ もててるのは
      分かるけどね
 
 これは昨今流行りの、ハーレムもてもて、とは幾分違うだけろうけども、似たようなものではあるのだろう。ヘラクレスは他にも幾人かの女性と結婚したり、あるいは犯したりとやりたい放題である。
 
 神の子、俺TUEEE、そしてハーレム
 
 しかも、ヘラクレスの英雄譚は、単純に神話の与太話ではすまなかった。後にギリシャを征服したローマ帝国もギリシャ神話に染まった。当然だけども神話は国家のイデオロギーでもあった。一次文献を読んでいないものの、聞けば、いわゆる五賢帝時代最後の皇帝マルクス帝は、息子のコンモドゥスに帝位を継承させた。しかし、このコンモドゥス帝、ちょっとおかしな人物で、自らをヘラクレスに見立てて棍棒を持ち、闘技場に立つこともあったという。
 
 あるいは3世紀の軍人皇帝時代に一応の区切りをつけたディオクレティアヌス帝は、自らを最高神ユピテル(ゼウス)の立ち位置として喧伝し、副帝であるマクシミアヌスをヘラクレスと位置づけた。帝王たちは神の代理人であり、そして親子であり家族でもある。
 
 ∧∧
(‥ )コンモドゥス帝も狂人と
\‐  位置づけられてるけど
    実際どうだったのだろうね
    帝国の宗教とその半神として
    自分の権威を絶対化したかった
    のかもね
 
  (‥ )少なくとも帝国において
      ヘラクレス神話は
      そのぐらいのインパクトが
      あったのは確かだよな
      さもなければ
      ディオクレティアヌス帝が
      あんなことをするわけが
      ないからね
 
 神の子にして、俺TUEEEで、ハーレムで、こんなラノベ設定が帝国を動かす。これは一体いかなることか?
 
 人によっては、ローマ帝国って中二病帝国だったんだねwww としたり顔で言うのかもしれないが、話はむしろ逆なんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)中二病なラノベ設定こそが
    人の求める物語の根源であり
    それは時として
    国を動かす強大な力をも
    秘めているです
 
  (‥ )つまりだな
      友情、努力、勝利って
      お前は何をいってるの?
      という話なのだな
 
 人は時としてしたり顔で言う。今の漫画は血統重視ではないか 、結局は生まれ持った才能で話が決まっているではないか。友情、努力、勝利は一体どこへいったのか? と
 
 それに対する歴史の答えは明白だろう。友情、努力、勝利、そんなものは求められていないのだと。
 
 求められているのは、神、俺TUEEE、そしてハーレムである。そしてこれこそが歴史をも動かす。
 
 友情、努力、勝利などと言った時点で、何もかも詰んでいるってことなのだ。  
  
 
 
 これはhilihiliのhilihili: 無双無敵 俺TUEEEは物語と読者の本懐ぞの続き
 
 
 

2014年10月18日土曜日

冒険はラノベに任せよ そして読者はガラパゴスと言っていれば良い

 
 ∧∧
(‥ )日本の企業は既得権益だけを
\‐   守ろうとする
     日本の市場を守るために
     独自規格で壁を作り
     そうして世界市場を失う
     携帯電話しかり
     電子化が見当外れな方向へ
     向かう出版界しかり
     ガラパゴス化だ
     ガラパゴス化だ...
 
  (‥ )まあ
     ”ガラパゴス化”
     と言ってれば
     記事も主張も
     なんかさまになるから
     言いたい奴は
     それを連呼してれば良い
     そういうことなんだが
 
 だが、市場を閉ざそうという動機はもっと単純なものなのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)責任を取りたくねー
 
  ( ‥)失敗したら
    ‐□ どう責任を取るのさ?
       それを言われたら
       みんなひるむからな
 
 
 責任を取りたくないから余計なことはしない。これは当たり前である。
 
 というか、俺が責任を取るから新しいことをさせろ、などという無責任極まりないことを言ったりやったりしてもらっては困るのだ。
 
 だから世の中は口だけである。まるで映画のヒーローに自分を重ね合わせるが、決してヒーローになろうとしない人のように。
 
 実際、ガラパゴス化だ! 馬鹿だ阿呆だ! と連呼する人も責任を背負って新しいことに挑戦しているわけではない。単に安全圏にいて責任も取らずに愚痴と悪口をこぼして日頃のうっぷんと溜飲を下げているだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、物書きはそれでも
\‐  良いのだけどね
 
  (‥ )安全圏から
      挑戦せずに
      奴らは馬鹿だ阿呆だ
      これではガラパゴスだ
      そういった悪口を
      書いて売る
      これが物書きの商売よ
      なんせ需要があるのでな
 
 需要があるものを売って何が悪い? 
 
 そしてもちろん、新しいことは自分からはしない。それが物書きというものだ。

 そしてそれは、物書きに批判される人のことでもあったが、批判している人、彼自身のことでもあった。
 
 さらにつまるところ、ガラパゴスしている人も、ガラパゴスを批判する人も、それを聞いてそうだそうだと賛同する人も、まあ、全員同じようなものである。
 
 昨日と違った新しいことをしているわけでもないし、するわけでもない。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあみんながみんな
    そんなことをしたら
    困るからね
 
  ( ‥)みんなが毎日新しいことに
    ‐□ 挑戦したら
      人類は絶滅だ
 
 みんな、新しいことをするのは、映画や小説、おとぎの国の住人たちにまかせておけば良いのである。新しいことは口先だけにしておけ。それがこの世界の理というものだ。
 
 それを踏まえるに
 
  (‥ )つまりだ
      アップルのジョブズが
      日本人に大受けしたのは
      彼がラノベの主人公だった
      からだな
 
 ∧∧
(‥ )まあ確かに
\‐  あの人は俺TUEEE系かもね
 
 しかも、別に日本人だけに受けたわけでもない。
 
 これを踏まえるに、やはり物語の主人公は俺TUEEEでなければならぬ。そういうことなんだろう。
 
 そして人はラノベの主人公に理想の自分をたくして重ね合わせるが、自分自身は決して冒険の旅には出ないものである。
 
 ∧∧
( ‥)そんな旅に
    出てもらっちゃ困るしね
 
  (‥ )ガラパゴス
      がらぱごすー
      と口先だけで
      連呼する
      これは健全なことなのだ

 
 これはhilihiliのhilihili: 無双無敵 俺TUEEEは物語と読者の本懐ぞの続き
 
 
 

無双無敵 俺TUEEEは物語と読者の本懐ぞ

 
 そういえば小説「ラルフ124C41+」は俺TUEEEだ、と評した人がいた。
 
 ∧∧
(‥ )...そういう小説だったっけ?
\‐
 
  (‥ )どうだったかなあ?
 
 とはいえ、27世紀の未来、地球でもトップクラスの天才であり超有名人である主人公(そもそも作品名ラルフ124C41+とは、主人公の名前である)は、混線だかなんだかで、見ず知らずの女性と会話をすることになった。
 
 その彼女が雪崩に襲われたその時、主人公は電磁波を用いて、いながらにして遠くにいる彼女を雪崩から救うのだ。
 
 ∧∧
( ‥)超絶的というか
    それちょっと無茶じゃね?
    という内容でね
 
  ( ‥)人格はともかくとして
    ‐□ 無敵の天才が
      あらゆる知識と技術を
      使って問題解決に邁進する
 
 さらわれた彼女を取り戻すため、宇宙船を駆る。死んでしまった彼女を蘇生させるために自分の持てる全てを結集する。
 
 豪邸に住む、地球屈指の天才である有名人。まあ、なんだ、確かにこれは、俺TUEEEかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)そう言ったら激怒する人が
    いると思うけどな
 
  (‥ )この作品は古典的なSFで
      あらゆる技術の未来を
      予測した傑作
      明るい未来を描いた小説
      そう評価されるからね
 
 とはいえ、言わんとすることは分からんでも無い。無敵、全能、圧倒的な頭脳。確かにスーパーヒーロである。それも生まれながらにして、という奴だ。
 
 そして、欠点の見当たらない最強の主人公。それは、俺TUEEE、と表現される。
 
 ∧∧
(‥ )あなたも小学校の図書室で
\‐  以上を含めて色々を
    読んだけども
    俺TUEEE的なものは
    何かありましたかね?
 
  (‥ )謎めいた無敵の主人公が
      大活躍するという
      なんとも奇妙な物語が
      あったなあ
 
 戦後始まった米ソの宇宙開発競争、人工衛星、月への有人飛行、火星や金星へ向かった探査機。
 
 そのせいか、自分が子供であった70年代、金星や火星に人が移住した未来という小説は多かった。
 
 題名は忘れたが、この物語もそういう未来の世界。宇宙飛行の間に宇宙線にさらされて、金星や火星に入植した人々の間に突然変異として超能力者たちが現れた時代の話である。
 
 ∧∧
( ‥)でた! 
    放射能で突然変異
    超能力によるスパイ
 
  (‥ )もうね
      典型的な奴ね
      中二病的というかね
 
 ただ、一風変わっていたのが、その超能力。どれもかなりぶっ飛んでいるのである。テレパシーやサイコキネシスというのはまだともかく、飛行人なるものも出てくる。これは飛行能力を獲得した突然変異体なのだが、さらに強烈なのが火炎人。
 
 火炎人は口から火を吹く。
 
 ∧∧
( ‥)それは超能力なんですかね?
 
  ( ‥)どうだろねえ
    ‐□ どっちかというと
       奇術の部類だと思うが
 
 ミニ技術人という人々もいた。顕微鏡に匹敵する視力と細かいものを扱える指を持つ変異体である。どんだけご都合主義な変異なのだろう? 子供心ながらに面食らってしまう物語だ。だから強烈な印象が残っているんだろう。
 
 ともかく、こういう世界で様々な犯罪、陰謀、謀略、叛乱が用意されるなか、主人公はそれを摘発する任務を負っている。そして彼もまた超能力者なのだが、これが圧倒的に強い。
 
 確か、うろ覚えだが、個人が持てる能力はひとつだけ、という世界の中で、主人公と彼の仲間だけが複数の能力を持っているのだ。しかも、他の超能力者が持つものとは似て非なるもの、微妙にずれた力になっている。大空を飛ぶ飛行機から被疑者をひっつかんで飛び降りる。その能力は飛行人のもののはずだが、落下の有り様が飛行人ではない。飛行能力ではあるが何か別のものだ。
 
 ∧∧
( ‥)確かにそれだと
    俺TUEEEかもね
 
  (‥ )主人公は無敵最強
      それが俺TUEEE
 
 昨今のラノベはそういうご都合主義の塊だ。昨今の若者はそういう自分本位の人々なのだ。
 
 そう揶揄する人は多いが。だがそうだろうか? 同じ人間である。欲望という出力が大きく異なることはあり得ないと考えるべきだろう。
 
 実際、そういう例はたくさんある。
 
 ∧∧
(‥ )考えてみれば
\‐  昔のアメリカの
    パルプ雑誌なんかでは
    あられもない
    ビキニアーマーの美少女が
    登場するイラストが
    あったしね
 
  (‥ )ああいうのは
      あちらでは
      男女平等とか
      ”フェミニズム”とかで
      つぶされちゃったのかな?
      そのあげくに
      日本の萌えアニメとかに
      需要があったりすると
      言うのならば
      本末転倒だよね
 
 ほら、人間の欲望とその有り様は基本的に同じだ。昨今の若者は、と澄まし顔で評論なんかする必要はない。人間、我慢はほどほどにした方が良いってことだ。
 
 なんの取り柄も無く、科挙に落ちる僕にところに狐娘さんが来てくれる。中国のそんな古典もしかり、アメリカのパルプ雑誌とビキニアーマーもしかり、人の欲望はいつもハーレムと萌えと、そして俺TUEEEであろう。
 
 目の前の現象は、世代論と見るよりも、むしろ普遍的な現象と捉えるべきだろう。
 
 
  (‥ )考えてみればさ
      ギリシャ神話の
      ヘラクレスも
      あれは俺TUEEEだよな
 
 ∧∧
(‥ )あの人は
\‐  あまりに強いから
    時々狂う事で
    バランスを取っているの
    ですかねえ?
 
 ヘラクレスはゼウスが浮気をして作った子なので、ゼウスの妻である女神ヘラの呪いで時々発狂する。それが元で色々な冒険や行動を起こさざるを得なくなる、そういうキャラであった。
 
 ∧∧
( ‥)だかしかし
    それでもなお無敵で不敗
    そんな彼を
    最終的に倒すのは
    謀略と毒であった
 
  (‥ )まさに俺TUEEEですよ
      正攻法では
      敗北していないからな
 
 俺TUEEEは伝統芸と見るべきだし、むしろ考えるべきは、俺TUEEE設定の際にはどうバランスを取るのか? それこそが腕の見せ所なんだろう。
 
 *ヘラクレスの話は以下へ続く=>hilihiliのhilihili: 神、俺TUEEE、ハーレム、これこそが歴史を動かす
 
 
 さて
 
 ちなみに、先に引用した超能力の物語。確かオチはこんなである。複数の能力を持ち、しかも、力の強さも、力の現れ方も通常とは違う。敵どころか味方までもが主人公たちに疑いの目を向け始める。そうしてついに主人公たちは人里離れた場所へ、それぞれ別々に召喚される。
 
 いるのは審問官だけだ。
 
 彼は告げる。あなたは私を殺せる力がある。それは重々承知しているが、私はもう余命が長くありません。それに私を殺すと設置された爆弾が起爆します。良いですね? 質問に答えてください。
 
 あなたは子供の頃、一度は死んだ身で、しかし奇跡的に蘇生している。あなただけならそれでも良いでしょう。だがしかし、あなた方の全員がそうだとなると、これは偶然ですか? 疑わざるをえない。
 
 政府は状況を把握していたのだ。未知の宇宙船、侵入してくる何者か。これまで語られなかった事柄が次々に明るみになっていく。
 
 この詰問に対し、主人公たちの選択肢は単純であった。
 
 力を用いて審問官の心臓を止める。発作に襲われて倒れる彼に、どうしました? と歩み寄るふりをしながら意図的に爆弾を起爆させる。自殺による証拠の隠滅。
 
 ∧∧
( ‥)主人公たちは
    宇宙人だった
    そういうオチであると
 
  (‥ )一応、正義の味方で
      地球人を保護するために
      やってきてるんだが
      なんかもう
      めちゃくちゃな話だろ?
 
 
 海外の作品であった。原作も原題も知らない。とはいえ、あまりのめちゃくちゃさから今でも覚えているのである。口から火を吹く火炎人が超能力者でございます、というハチャメチャ設定は、忘れようが無い。
 
 
 これはhilihiliのhilihili: 主人公の挫折を望まない、というのは言いがかりでは?の続き


 

2014年10月17日金曜日

夕暮れの土星と火星といて座ヌンキ

 
 一仕事を終え、いそいそと散歩へ。時刻は16:30を回る。
 
 ∧∧ もう暗いね
(‥ )
 ‐( ‥)日が短くなったなあ
  
 一方、太陽は毎日少しずつ、じょじょに東へ移動する。今月3日の夕刻にはかなりきれいに見えたさそり座と土星も、

=>hilihiliのhilihili: 青い空、夕暮れと火星とアンタレスと土星


本日、17日には明るい夕暮れの中でよく見えぬ。











 
 
右下、よく見えないが土星が輝いている。中央にはさそり座の頭であるズクバとアクラブの二星が、その左にアンタレス。そうして左上に火星だ。


  
   まあ、よく見えないのはもやが
 ∧∧ かかっているせいかもだけど
( ‥)
 ‐( ‥)ともあれ、火星は火星で
   ‐□ 東へ動いたなあ
 
 アンタレスとの位置関係を見れば移動は一目瞭然だ。
 
 もう、いて座に入るところ



 







 左からアンタレスと火星といて座












 
 いて座は比較的明るいシグマ星ヌンキが目立つ。
 
 ∧∧
( ‥)さて、もう一仕事しましょうか
 
  ( ‥)気分転換もしたからね
    ‐□
 
 
 そういえば先日、電車に乗った時、皆が一様にiPhonなどをいじくっているのを見て思った。
 
 ああ、なんということだ、この人たちは全員、ちゃんと誰かとつながっているのだ、と。

 ∧∧
(‥ )あなたはほとんど誰とも
\‐  関係持っていないしね
 
  (‥ )人ときちんとつながる
      ああいうのが
      まともな人生
      そして
      人のあるべき姿なのだよな
 
 あるいは曰く、ある人が言った。
 
 この人のtumblrはつまらない! と
 
 ∧∧
( ‥)なにその他力本願?
    娯楽を他人に
    丸投げかよ
 
  (‥ )そういう時代が
      長く続いたからな
      僕らだって
      テレビがつまらん
      と言うだろう?
 
 だが、他人とのつながりがあれば会話で楽しみは十分だ。これゆえに、雑誌もテレビもネットに浸食された。
 
 ネットとは、人と人とのつながりである、いわば機械で実現されたテレパシーなのだ。そうである以上、この結果は必然。
 
 ∧∧
(‥ )それでもなお、
\‐  楽しみを外注する人は
    大勢いますよと
 
  (‥ )それ自体は当然だけど
      だがしかし
      丸投げしても
      楽しみはやってこない
      自分で探し
      自分で作らないとな
      駄目なのでな
 
 ∧∧
( ‥)あなたが惑星や星を
    見るのも
    楽しみをさがした結果ですか
 
  (‥ )これが出来る
      精一杯
 
 
 

夜明けの木星と月とかに座

 
 明け方の空は、月が出ているものの、空気は澄み、ここらにしては星がきれいだった
 
 ∧∧ 撮影ですか?
( ‥)
 ‐( ‥)散歩も兼ねてね
   ‐□
 

明け方。4時にもなると東の地平線から春の星座、しし座が上がってくる。そしてしし座の手前で輝く木星。













 

中央の月、その上に二つ輝く星はふたご座のポルックスとカストール、右側にあるのはこいぬ座のプロキオン。

中央やや左下にあるのは木星、そのさらに下で輝くのはしし座であり、そのα星であるレグルス。















少し拡大するとこう。左下が木星。上がふたご座。
 
ふたご座としし座の間に月があるということは、つまりかに座に月があるわけだ。

 ∧∧
(‥ )写真で見ると
\‐  月のちょうど左に
    かに座の甲羅の部分と
    真ん中のプレセペ星団が
    写り込んでいるね
 
  (‥ )星占いでは
      かに座に対応する
      惑星としては
      月が当てられているけども
      ちょうどかに座に月が
      きているわけだな
 
 *天動説体系では太陽も月も天球とは独立に動き惑う星、つまり惑星という扱いであった。
 
さらに拡大するとこう。













中央、四つの星が作るひし型がカニの甲羅。そしてその真ん中にある暗い星の集まりが、プレセペ星団。洋の東西で死者の魂と関連づけられた場所だ。
 
 ∧∧
(‥ )確か
\‐  漫画の聖闘士星矢だと
    かに座って
    ひどい扱いでしたよね...
    なぜでしょうね?
 
  (‥ )ギリシャ神話でも
      ちょい役なんだよな
      でも本来の由来
      メソポタミアだと
      かに座は
      はるかに恐ろしい星座
      だったらしいけども
 
 どうも、もともとは水の破壊力を司るような重大なものであったと聞くが、原典にはまだたどり着いていない。考えてみれば、十二星座の中ではかなり毛色の変った存在だ。
 
 ∧∧
( ‥)水を司る星座は
    他はどれも秋の 星座
    やぎ座
    みずがめ座
    うお座
    多分、農耕に関連づけられる
    星座だからね
 
 
  ( ‥)かに座ってのは
    ‐□ 不思議なんだよなあ
 
 
 

物足りない、それがお前の限界

 
 今作っている本と、これから作る本。
 
 これから作る本のことをふと考えてみる。
 
 ∧∧
( ‥)このような仕様で
    このような発注
    この文字数なのだから
    このような内容に
    なるであろう
 
  ( ‥)それを考えるとだな
    ‐□
 
 あれ? 今書いている”学生向けの本”よりも、来年書くであろう、”子供向けの本”の方が詳しくね?
 
 ∧∧
(‥ )当たり前と言えば
\‐  当たり前ですか
 
  (‥ )学生レベルの
      本となると
      基礎を書く事になる
 
 例えば学生向けに”日本の歴史”を書いたとする。内容は基礎と把握すべき事柄の列挙であり、説明であり、それを把握するための体系と理解と単語の紹介となろう。
 
 平安時代、武士の台頭、平家と源氏、幕府の成立、戦国時代、江戸時代...
 
 だが、子供向けだとどうなるか?
 
 例えば、忍者とは何か? 忍者の活躍を必要とした当時の社会情勢とは何か? 当時の戦争と農村の状況とはなんであったのか? そういう話になる。自動的に内容は深くなる。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、実際には
\‐  本のテーマの違いだけどね
 
  (‥ )ただ、”学生向け”と
      銘打つとなるとな
      内容がどうしても
      広く浅くなる
      これは否めないな
 
 別に教科書を書くわけじゃないけども、基礎を知らしめましょう、という主旨である以上、そういうことになろう。
 
 学生向けに自動車の本を書きましょう、そういう時に、特定メーカーのこのスポーツカーのエンジンの性能が、なんてことは書かんだろう。
 
 そして、学生は子供ではない、ということになっている以上、退屈だが必須の知識を延々と網羅した内容を読むべきである、ということになっている。当然、本の内容もそうならざるをえない。
 
 ∧∧
(‥ )でも、必須の内容だけを
\‐  網羅すると
    物足りない
    そう不満を漏らす人が
    出てくるかもね
 
  (‥ )物足りない、か
      物知りと自認する読者が
      口にする
      その手の不満は
      真に受けるべきでは
      ないね
 
 物足りない、とは、”今の私はすでに腹八分目です”、と自己申告している状態だ。
 
 つまり、彼の脳という知識の胃袋に入るのは、あとはせいぜい菓子パンひとつか、コロッケがひとつである。そういうことである。
 
 ∧∧
( ‥)物足りないの?
   じゃあ、はい、
    と言って出しても
    彼は食べ残すだけだと
 
  ( ‥)腕立て伏せが30回できる
    ‐□ そういう人間は
      20回だと
      なんてことはないのだ
 
 だが、「20回だと物足りない? じゃあ30回ね」、そう言った途端に彼は逃げ出すのである。というか、30回が限界だとしたら25回で逃げ出すだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そんな馬鹿な! と
    反論するだろうけど
 
  ( ‥)本を読んでる奴なんて
    ‐□ 所詮は
      本を娯楽で
      読んでいるのだよ?
 
 読書を自慢しても、それは結局のところ、”娯楽 ごときの話”、なのである。腕立て伏せ20回じゃ全然物足りない、と言い立てている連中も、例え実際には30回まで耐えられるとしても、25回でいやになって逃げ出すのだ。娯楽なんて所詮はそんなものだ。
 
 ∧∧
(‥ )物足りない
\‐  それがお前の限界である
 
  (‥ )20回では
      足りないようだから
      自分で筋トレをして
      30回を越えよう
      取りあえず60回を
      目指してみよう
      そういうことをするのは
      ごくわずかな人間だけだし
      そういう奴は
      “物足りない”なんて
      いちいち言わないからな
       
 
 物足りない、と言っている時点で、そこがすでにお前の限界。

  
 

2014年10月16日木曜日

通過儀礼としての試練と物語

 
 hilihiliのhilihili: 主人公の挫折を望まない、というのは言いがかりでは?の続き
 
 主人公が挫折する物語
 
 ∧∧
(‥ )ルグインさんの小説は
\‐  比較的そうなんですかね?
 
  
  (‥ )魔法の才に恵まれたゲドは
      学生同士の
      意地の張り合いから
      魔法勝負で
      死者の霊を呼び出す
 
 だがその時、得体の知れぬ”影”をも呼び出してしまい、それで大怪我を負い、力の多くを一旦は失う。
 
 ∧∧
(‥ )ルグインさんは
\‐  そういうパターンが多いよね
    物語の中盤で主人公が
    試練に会う
    しかも季節は冬だったりする
    通過儀礼なんですかね?
 
  (‥ )幻影の都市では
      主人公は撃墜される
      闇の左手では
      主人公は収容所に
      閉じ込められる
 
 辺境の惑星でも、主人公はぼこられてリンチされて雪の中に放り出されていたよな。
 
 ∧∧
(‥ )挫折する物語
\‐  それ自体は
    あるにはあるわけだ
 
 (‥ )とはいえ
     これも例外的な事例の
     ように見えるよなあ
     実際、
     事例がある=多い
     でもないし
     事例がある=受け入れられた
     でもないからな
 
 
 というか、そもそも作者が同じである。
 
 

主人公の挫折を望まない、というのは言いがかりでは?

 
 小学校にはかなり大きな図書室があった。
 
 ∧∧
(‥ )色々な本を読みました
\‐
 
  (‥ )ソヴィエトロシアは
      核兵器で水利事業をやった
      核爆弾で湖を作った
      そう誇らし気に
      本に書いてあってな
      大人になってそれが本当だと
      知った時、
      愕然としたものだが
 
 ワトソンとクリックによるDNAの構造解析、タバコモザイクウイルスの分解と合成。
 
 読んだのは別にそういう本だけではない。小説も読んだ。
 
 もっとも、推理小説は読まなかった。頭を使いたくないし、パズルに興味がないからだ。
 
 純文学も読まなかった。理由は以上と同じである。というか、純文学は図書館にあったっけ?
 
 たくさんあったし、読んだのは、必然、子供向けの冒険物語とかだった。
 
 そして思うに
 
 ∧∧
(‥ )最近、時々言われる事柄
\‐  今時の若者たちは
    小説の主人公が挫折する話
    あるいは負ける話
    若者はそういうのを
    読みたがらないんですよ
    そういう嘆きが
    ネットにあるね
 
  (‥ )....
     挫折する話
     負ける話
     そんな小説は
     見た事ないぞ
 
 多分、本を借りた頻度から考えると、図書館にある子供向けの冒険物語などそういう本、これらを100冊か200冊は読んだはずだ。だけども、主人公が挫折したり、負けたり、あるいは修行して再戦して、そうしてついに勝利を収める。そんな物語は見た事が無い。
 
 ∧∧
( ‥)子供向けだからだ...
    というわけでもないよね
 
  ( ‥)実は子供向けに
    ‐□ アレンジしてあるけど
      元は大人向けのSFとか
      そういうのも
      あったからな
 
 ベルヌの海底二万マイルには、単に簡略化されているものもあったが、主人公が少年に書き換えられているものもあった。ウエルズのタイムマシンには、本来の主人公である博士だけではなく少年と少女が追加されている、というのもあった(これ自体は古本屋で見つけたものだが)。どっちも登場人物が大人だけでは子供が読むには耐えないだろう、そういう配慮に基づいて書き換えられたんだろう。
 
 だが、挿絵や想定は子供向けだが、内容はそのままってものも多かった。
 
 現代でいうと、いわゆる鬱エンドと揶揄されるようなものもあった。主人公は冷酷である。知り合った女が手首を切り落とされるという拷問を受けているのに、はー? という感じで傍観している。そんな彼だが職務に忠実だ。最後は特攻をかけて自爆する。あるいはこんな話もある。体制側の主人公が反体制側へと回る友人たちを逮捕するような役回りを演じ続けるのだが、最後は反体制のデモに加わってしまうもの。あるいはもはや本来の肉体に戻れぬと悟った主人公カップルが、自らの脳を爆破して、自分たちの死を遠隔操作の肉体で見届けるという話。
 
 ちなみに、全部、外国の翻訳物で、アメリカの小説だと思う。
 
 ∧∧
( ‥)だけど主人公が挫折する話は
    見た事が無い
 
  ( ‥)記憶にはないねえ
    ‐□
 
 主人公が挫折する話。
 
 小学校の図書館から離れたら、例えばスターウォーズがそうなのだろうか?
 
 ∧∧
(‥ )第2作目で
\‐  主人公は腕をぶった切られて
    友達は固められちゃって
    味方は敗北するしね
 
  (‥ )他になんかあったっけ?
 
 北斗の拳でケンシロウがサウザーに負けちゃうとか? あるいはウルトラマンや仮面ライダーがごくまれに敵に負けちゃうとか、捕まるとか、危機に陥るとか? ガッツ星人の手によってセブンが磔に!
 
 ∧∧
(‥ )でもさ、それらも
\‐  挫折というよりは
    最強の敵、現わる!
    絶体絶命の主人公は
    どうなっちゃうんだろう??
    ハラハラ
    という話だよね
 
  (‥ )今の若者は
      主人公の挫折を望まない
      それって
      言いがかりじゃねえかな?
 
 危機はあっても挫折は描かれない。なぜかというに、もともとそういうものが好まれないからである。
 
 物語というもの、それ自体が本来こういうものではなかろうか。
 
 
 *一方、こういう事例もあるにはある。以下へ続く=>hilihiliのhilihili: 通過儀礼としての試練と物語
 
 
 
 
      

2014年10月15日水曜日

お前は負けたのだぞ

 
 ∧∧
(‥ )学校でこれだけ音楽を
\‐   教えても
    生徒は楽譜すら読めない
    これは音楽教育の敗北だ
    
 
  (‥ )学校の音楽の授業って...
      あれは
      失業者対策じゃねーの?
 
 音楽を志したが、半端な才能故に挫折した連中がそのまま学校の授業に直結するというのなら、そういうことになろう。
 
 ∧∧
( ‥)実際どうなのだろうね?
 
  ( ‥)さあねえ
    ‐□
 
 だが、もしそうである場合、これは恵まれた話でもある。
 
 日本は大学院生が欧米よりも少ない。だから数だけ増やそう。表面的な数字だけを見て、それでいながら受け皿である就職先も用意しないままに増やし、そして大量の失業者が生まれた。
 
 それを考えれば、音楽だの芸術だの、なんの存在意義もないくせに恵まれた立ち位置ではないか。
 
 そうして負け犬たちは、今度は自分が果たせなかった夢を子供たちに強制すれば良い。果たせなかった演奏会、果たせなかったコンクール。落ちこぼれの末路とは、そんなものだ。
 
 ∧∧
(‥ )そして音楽も美術も
\‐  初音ミクや漫画には
    勝てないのだと
 
  (‥ )勝てる道理がないからな
      音楽も美術も
      人工環境で手間ひまかけて
      培養された
      生存能力の低い
      か弱い品種でしかない
      そもそも連中は
      死に損ないなのさ
 
 そういえば、pixivを見ればダヴィンチ程度の才能なんてごろごろいるという揶揄があったなあ。
 
 ∧∧
( ‥)えらい言い様だけどね
 
  (‥ )まあ、でもあれは
      ダヴィンチ自身の責任でも
      あるよね
      あの人、
      作品が多くないから
 
 言い換えればである、先のようなことを言った人も、ミケランジェロ程度の才能ならごろごろいる、とは言えまい。
 
 ∧∧
(‥ )そんなこといったら
\‐  お前はシスティーナ礼拝堂を
    その天井画を描けるのか?
    そう問われるだろうね

=>https://www.google.co.jp/search?q=cappella+sistina+michelangelo&biw=949&bih=863&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XCw-VMeLMsa2igLQkoDQBA&sqi=2&ved=0…

=>https://www.google.co.jp/search?q=cappella+sistina+michelangelo&biw=949&bih=863&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XCw-VMeLMsa2igLQkoDQBA&sqi=2&ved=0…
 
 
  (‥ )技術もさることながら
      あの規模と量だよ
      圧倒的だよな
 
 やはり数だ。数と量の物量戦はいつでも勝利を収めるものだ。初音ミクも漫画もそうではないか。そこにあるのは数と量である。
 
 それにひきかえ、敗残者はけちくさすぎるのだ。
 
 音楽ではないが、こんなことがあった。
 
 あの人はね、美術の時間に、「俺より絵がうまい」と言われて美術の先生に絵を破られたのよ。
 
 ∧∧
( ‥)はあ?
 
  ( ‥)子供の言い分だ
    ‐□ そのままでは
      受け取れないが...

 だが、根も葉もないとは思えない。なぜかというに、自分が中学時代にこんなことがあったからだ。ある日、女の子が怒り狂って、こんな話をしてきたことがある。
 
 あの美術の先生ひどい! 私の友達が描いていた絵を取り上げて、もっときれいにしてあげよう、そう言って加筆して、台無しにしてしまったの!
 
 ∧∧
( ‥)...
 
  (‥ )才能が無い人間に
      挫折した失業対策として
      子供に教える立場を
      あてがってやる
      それがどんな意味を持つか
      その一端が知れるだろ?
 
 お前らは負けたのだ。階段を昇ったが落っこちた。
 
 負けは止むなし。だがしかし、負けた自分から目をそらすと、それがどういうことになるか? 負けた人間はこれすら受け入れられぬ。
 
 音楽だの美術だの、ただのぬるま湯でしかない。か細くひ弱で先がない。
 
 
 

読書が手抜きの手段とは

 
 
 以前、こんな言い様があった。
 
 本を読むのは他人の思考を追跡すること、そしてその人の考えをものにすることである。
 
 ∧∧
(‥ )これはある意味
\‐   衝撃的な言及
 
  (‥ )読書は作者の思考を
      頭の中に入れる事
      これはつまり
      読書とは手抜きである
      そういうことだからな
 
 
 読書することで人は得意満面になる。それ自体は素直に考えれば当然だろう。
 
 ∧∧
(‥ )読書は脳のカロリーを
\‐  多大に消費する
 
  (‥ )読書は無駄なのだ
      だが無駄であれば
      価値があるのだよ
 
 人間は無駄な負担をあえて背負う事で他人に自分の力を見せつける。
 
 残業自慢
 
 寝てない自慢
 
 どれだけ貢いだか自慢
 
 ∧∧
( ‥)奴隷の鎖自慢と
    揶揄する人もいるけども
    これは極めて重要
 
  ( ‥)これは力の誇示だからな
    ‐□ 言い換えればだ
      ”そんなものは
      奴隷の鎖自慢である”
      そういう風にだな
      賢し気に揶揄してる
      場合ではないのだ
      そんなことを
      自分から言うとは
      自分は力がありませんと
      白状したも同然
  
 
 だがしかし、よもや、読書が手抜きだったとは... 
 
 なんと干涸びた考えか。
 
 ∧∧
(‥ )本を読んで検討しない
\‐  自分の頭に合った本だけを
    ただ読んでいるだけですか
 
  (‥ )歳だな
 
 35歳を過ぎてみたまえよ。寒い日に外へ出歩きたくなくなるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)自分に合った本だけを読んで
    それを読書と呼ぶ
 
  (‥ )新しい本を読むのはな
      年寄りにはもうきついんだ
      年寄りの冷や水というか
      なんというかなあ...
      もう駄目なんだ
      体も脳ももたないのだな
 
 
 
 
 

くたびれ果てた世界

 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)んー
    ‐□
 
 三葉虫の分類がかなり困った状態である、というのは分かった。
 
 ∧∧
(‥ )分類するにせよ
\‐  系統解析するにせよ
    なかなかうまくいかない
    みたいだね
 
  (‥ )複雑な姿に見えて
      三葉虫は特徴が
      少ないのだよね
 
 多分、特徴は有限だが組み合わせは無限にある。だから2万種とも言われる個々の種を同定する事は出来るが、系統解析にせよ、 単純に分類するにせよ、いざそれを行うと、相互に矛盾のある仮説がいくらでも生じてしまう。どうもそういうことらしい。
 
 ∧∧
(‥ )特徴が少ない生物群では
\‐  よくある話だよね
    でも地層で見れば
    また話も変わるのかもね
 
  (‥ )特徴だけ見ると
      いくらでもまとまるが
      地層を見た時には
      出る地層が違う
      つまり時代が違う
      そうと分かれば
      同じ特徴だからといって
      違うものを
      無批判にまとめるわけが
      ないからな
 
 こういう時間的な分布を加味した推論というのは実際にあると聞く。例えば非常に大雑把な例だとこういうもの。一見するとよく似ているが、片方は古生代、片方は新生代の地層から化石が出てくる事例。つまり間に恐竜時代、およそ1億3500万年分の空白があるのだ。化石がごくまれにしか出てこない、というのならいざしらず、この事例はそうではない。だとしたらこの空白はいかにも不自然だ。
 
 ∧∧
( ‥)どう考えても
    似ているだけで
    実際には別物だね
 
  ( ‥)少なくともそう考えるのが
    ‐□ 妥当だよなあ
      言い換えると
      時間における分布を
      加味した推論
      これを理解する必要が
      いよいよ出てきた
      そういうわけだね
 
 ∧∧
(‥ )仕事はこれだけじゃ
\‐  ないんだけど
 
  (‥ )今日の夜にはこれは
      一段落できる
      遺伝の件は夜から
      再開するさね
 
 さてもさても
 
 物書きは嘘を書く事もできる。
 
 
 ∧∧
(‥ )以前、小耳に挟んだように
\‐   その性風俗のライターさんは
     でっち上げを
     書いていたという
 
  (‥ )考えてみれば
      当たり前なんだ
      取材と称して
      風俗店にいりびたる
      そんなことしてたら
      支出が多すぎて
      金銭的に出血死して
      しまうだろうからな
 
 捏造という動作の動機には色々なものがある。
 
 金がからむこともあれば、色事がからむこともある。
 
 もちろん政治的なものもある。イデオロギーに基づいて朝日新聞とかが色々、捏造したことは、耳目に新しい。
 
 とは言うものの
 
 ∧∧
( ‥)実は捏造の動機は
    もっと簡単
 
  (‥ )取材がねえ
      めんどくさいのだよね
 
 というか、さらに言ってしまえばである
 
 ∧∧
(‥ )歳だと
\‐
 
  (‥ )もうね
      頭も心も体も
      なにもかも
      動かないのよ
 
 そうなのだ。政治やイデオロギー、あるいは真実の報道、あるいは文化、人権、自由、平和、社会批判、あるいは規制と統制、そして道徳、努力。これら全部、老化によるごまかしをありがたく糊塗するための金メッキでしかない。
  
 ∧∧
( ‥)本当はもう
    動きたくないだけですと
    
 
  ( ‥)だって具体性が
    ‐□ なにもなくて
      連呼してるだけで
      連中は
      動かんだろう?
      事実として
      動かないのだよ
      いや
      動けないのだ
      疲れるからね
 
 捏造とは、手抜きなのだ。
 
 日本が悪い、社会が悪い、民主主義でない、官僚主義だ、貴族制だ、封建社会だ。
 
 そう言って批判しているだけで、一切今の場所から動かない。
 
 ∧∧
(‥ )確かに逃げようが無い人
\‐  行き場が無い人は
    いるんだけどね
 
  (‥ )ここで言っているのは
      そういう人じゃない
      もっと悪質な連中だ
 
 会社にいて、大学にいて、それなりな賃金をもらい、社会福祉を受けて、社会から守られて、それでも同じことを言うのはなにゆえか?
 
 ∧∧
( ‥)言っても良いのだけどね
 
  ( ‥)言論の自由
    ‐□ うんぬん以前にな
      愚痴をこぼさんと
      死ぬからな
      言いたくもなるのは
      しごく当然
 
 とはいえ問われる。
 
 では不満があるのなら、なぜどうして今もそこにお前はいて、その快適な檻から出ようとしないのか?
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ快適だからでしょう?
 
  (‥ )つまり歳ってことよ
 
 
 もう羽ばたけないのだ。  
 
 いや、最初から翼なんてなかったのだろう。翼がある、そう思い込みたかったのであろう。
 
 だって例えば、捏造したマスコミの連中は、実際に高給取りであろう。あれは典型的な例で、ああいうものの”もどき”がいくらでもいるのがこの世界。
 
 ∧∧
(‥ )そして歳なのであると
\‐
 
  (‥ )肉体が崩壊しかかっておる
      見れば一目瞭然よ
 
 見れば分かることだ。
 
 目はたるみ、いつも皮肉の笑みを浮かべた顔の筋肉は無意味にゆがんで、しかも力を失い、全身が崩壊しかかって、その眼はどんよりと曇っている。
 
 若い頃から確信に満ちたその顔は肯定と賛同の笑みと、敵に対するヒステリックな怒りしか見せたことがない。何もかも当然だからもう眼球周辺の筋肉は同じ表情で凍りついている。どんよりとした眼は驚きを感じた事が無い鈍麻した理解のなせるわざ。なんでもすべて、同じように解釈し、賛同するか敵意を見せるか、それしかしたことがないのであれば、そうもなろう。
 
 そしてもはや考えることが面倒だからいつも同じ言動を繰り返す。
 
 違う批判に同じ反論で答えるのだ。
 
 使う言葉と名詞はいつの間にか無駄にでかくなった。名詞をでかくすると何事も当てはまるから反論できた気になるし、理解できた気にもなる。
 
 ∧∧
( ‥) そしてそれをするのは
    歳だから
 
  (‥ )どうにもならんのよ
 
 人によっては曰く、私には家族があると。
 
 ではすると、お前の家族はお前の言い訳のために作られたものなのか?
 
 ∧∧
(‥ )家族と家庭を作れば
\‐  十分でしょう
 
  (‥ )もちろん
      そしてそれを
      言い訳にしても
      良いのだ
      というか
      そうでないと困るからね
 
 しかし問われるであろう。
 
 ならば、日頃の社会批判はただの愚痴なのだね? 自分から入った檻の中でつぶやく、ごまかしなのだね? と
 
 ∧∧
(‥ )そしてそういう皆さんのために
\‐  物書きは娯楽を提供いたします
 
  (‥ )まあそういうこったな
 
 
 しかし弱ったことに、提供する物書きも既に疲れて手抜きなのである。
 
 

   

2014年10月14日火曜日

台風19号の後で

 
 台風19号が過ぎ去って、昼になると空は晴天。
 
 ∧∧
(‥ )室温26度
\‐  湿度は40パーセントだね
 
  (‥ )洗濯日和だなあ
 
 風も強いから、タオル地のものが1時間程度で乾いてしまう素晴らしさ。
 
 3時ぐらいになると西から雲がやってきた。














 
 公園で資料を読んでいると、ちいちゃなハエトリグモに出くわした。よく見るとなにやらもぐもぐ食べている。
 
 ∧∧
(‥ )なんだろうね?
    獲物が足をばたつかせて
    暴れているね
 
  (‥ )なんだろうな?
 












 
 子供なんだろうけども、全長は3ミリ程度。小さいクモだ。相手が小さすぎて、手持ちのカメラでは画素の関係もあってか大写しには向いていない。黄色い足、白い体。
 
 獲物は、最初はもっと小さなクモかとも思ったが、触角が写っていることからすると、昆虫だ。多分、トビムシなんだろう。
 
 足をばたばたさせていたと思ったのも、触角だったのかもしれない。
 
 雨で洗い流された空は青く澄んでいた。














 
 
 


おっさんは主観的には天才であり不遇である


 主人公は才能があって、しかし不遇で、性格がねじ曲がっていて皮肉屋で友達はいないが、実は心優しく。過去の出来事で心は傷ついていて、そんな彼にある日、不可思議な彼女が現れて、もてもてになる冒険の日々が始まる。
 
 ∧∧
(‥ )よくラノベやオタク向けの
\‐   創作に登場する
     ご都合主義で下劣な設定だ
     そう揶揄される
     キャラクターですけども
 
  (‥ )でも、どんな創作物でも
      主人公って基本的に
      こんなものだよな
 
 古い中国の物語でも、役人に抜擢してもらえる科挙の試験がふるわず、何度受験しても受かる事無く、青春どころか生涯を棒にふりかねないような状況に追いつめられた主人公のところに、美少女に化けた狐がやってきたりするわけだ。
 
 ∧∧
( ‥)主人公の設定が
    ご都合主義で下劣
    なのではなく
    下劣なまでにご都合主義な設定
    これこそが主人公である
 
  ( ‥)逆に言うと
    ‐□ 悲しいかな
      これって
      若者の独占物じゃないのだ
      おっさんもこれを望むのだ
      ご都合主義とは
      おっさんの末路でも
      あるのよな
 
 おっさんは不遇なのである。なぜなら評価が確定してしまったからだ。確定しても人間には向上心がある。というか欲がある。だから不満なのだ。不満だから会社が悪い、世の中が悪い、世の中は馬鹿ばっかりだ、そうつぶやく。日本が悪い、政治が悪い、これは真の民主主義じゃない、日本は封建国家だ。あるいは反対に民主主義が悪い。日本人は堕落したのです。
 
 少なくともおっさんは、主観的には誰もが天才であり、それゆえに不遇であり、世の中を軽蔑しているのである。
 
 ∧∧
( ‥)主観的にはそうなのだ
 
  (‥ )ラノベや漫画の
      ご都合主義を笑う大人は
      自分たちが喜んで見ている
      創作物もまた同じである
      これを忘れているのよね
 
 もちろん、おっさんを軽蔑し、ラノベや漫画やアニメを夢中になって見るものたちも、それを忘れているのだ。
 
 おっさんとは、子供の延長でしかないことを忘れてはならぬ。そして人は不遇のまま大人になるのだ。あくまでも、主観的には、であるが。そして望むものは結局のところ同じなのである。
 
      

 

2014.10.14 3:00 気温22度、湿度100パーセント

 
 2014年、第19の台風ヴァンフォン
 
 ここは神奈川。関東に接近してきた台風の影響で、朝から雨が降ったり、強まったり、弱まったり、あるいは止んだり。そして、ひどく寒い。室温でも21度程度。外はもっと涼しいようで、熱が逃げていく。暖房をいれなければいけないほどだったのだが、急にその必要が無くなった。外の温度が上がり始めたのだろう。

 そして、13日の23時に強烈に降った後、14日へと日付が変るあたりで雨はほぼ止んだ。
 
 しかし風はむしろより強烈である。住宅街において風はめちゃくちゃな吹き方をしているが、原則南風だ、外へ出てみると妙に暖かい。
 
 ∧∧
(‥ )雨はほぼ止んだけども
\‐  これからが暴風域みたいだね
 
  (‥ )ずっと机に
      張り付いていたから
      体が痛い
      ちょっと散歩へいこう
 
 甘いものを無性に食べたくなった。
 
 一応、傘を持っていったが、使うことはなかった。使っても壊れるだけだったかもしれない。当たり前だが人は少ない。というか、事実上、いない。通りかかった飲み屋では、経営者がカウンターの客席を並べて横になり、休んでいるのが見える。
 
 ∧∧ そりゃこんな夜ではね
( ‥)
 ‐( ‥)いつもはこの時間でも
      結構にぎやかだからな
      台風ってのは怖いよな
 
 コンビニでアイスを買って、食べて、公園を散歩して、
 
 ∧∧ ベンチはどこも濡れてるね
(‥ )
 ‐( ‥)強風で容赦なく雨が
   ‐□ 吹き込んでいただろう
      からなあ
 
 湿度は高いが強風のせいか不快ではなかった。
 
 帰って計ってみると、外の気温は気温22度だが、湿度は100パーセントである。熱が逃げないので、その分、暖かく感じる。そういうことらしい。
 
 ∧∧
(‥ )室内は25度で
 °‐  湿度が80パーセントだね
 
  (‥ )外から帰ると
      ひんやりと感じたけども
      風がないと
      ちょっと蒸し暑いかなあ
      扇風機をかけるかな
 
 
  

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