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2009年10月31日土曜日

トンボマダラ

 
 Methona confusa 日本語ではトンボマダラというらしい。トンボとはいっても翅が透明なだけで実際にはチョウの仲間。

 ∧∧
( ‥)それもドクチョウらしいですね
  -□
    (‥ )それこそ他のドクチョウとドクチョウ科として、過去には
        ひとくくりにされていたっぽいのだが。

 ここでいう”他のドクチョウ”とはHeliconiinae かHeliconiini のこと。ようするにHeliconiusとド派手なその仲間たち。Heliconius erato つまりアカスジドクチョウは有名(どういうわけかエラートドクチョウとも言うらしい。なぜエラーとのばす??)

 ∧∧
( ‥)Heliconiusはいいけども、Heliconiini ?
    ヘリコニニ??

    (‥ )ヘリコニウス族ってことなんじゃねーの?

 分類階級どうでもいいけども、しかし今では、トンボマダラもヘリコニウスも Nymphalidae つまりタテハチョウ科という扱いで、

 ∧∧
(‥ )なおかつ、このファミリーの中では2つのチョウは
\-   どっちかというと縁遠いらしいですが。

    (‥ )ドクチョウってイメージがあるから意外だけども、
        まあ、このファミリー内部の系統関係の確からしさが
        どの程度かってことだよな。

 なんでもこのファミリーを9つの科に分ける人もいるそうだ。1つを9つってあんた、分類混乱してる?

 ∧∧
( ‥)系統関係の議論もこれからなんですかね?

    (‥ )それっぽいけどもね。
     □-

 チョウの系統関係はさっぱり分からない。分類はもっと不明。

 ともあれ、トンボマダラ。描いているとなんかいやーんな感じ。ちょうど胃がもたれるような感覚に襲われる。

    (‥ )ドクチョウだって知っているからかもしれないけども、
        なんかさあ、毒々しいっていうの?
        胃に何か悪いような印象がなあ。
 ∧∧
( ‥)なんかカノコガ見ている感じですかね?

 カノコガ。ハチに擬態しているとも言われる、真っ昼間にその辺をへこへこふらふら飛んでる真っ黒で、翅は透明、腰に黄色のバンドを持つ、なんか頼りないけどふてぶてしい蛾。擬態うんぬん以前に味が悪いという話がある。というか、そうでもないと敵がうろうろしている昼間の世界をわざわざ飛んだりしないだろう。

    ( ‥)あれもなんかなあ、胃がもたれる見た目というか
        のどにくるっていうかさあ。
 ∧∧
( ‥)まあ、あれを食べてひどい目にあうのは鳥さんか
    トカゲさんだけでしょうけどね。
 
 とはいえ、黒白とか、黒地に真っ赤なスポットが入っているものを見て”うわー、おいしそう〜〜〜”なんて普通は言わないわけで。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、そうでしょうねえ。

    (‥ )それ考えると重箱とかうるしの食器とか
        ああいうものの見た目は最悪だよね。

 金とか螺鈿で飾るってのはそれに対する抵抗なのか、どうなのか。

 
 
 

2009年10月30日金曜日

ばいばいテレビ

 
 もはや見なくなって久しかったテレビ。たまたま家の前にきていた廃品回収のおっさんにひきとってもらう。テレビの回収はしていないんだよねーと言っていたおっさんも、小さなテレビだというと、それならオッケーだとのこと。

 なんでも小さなテレビは東南アジアで需要があり(日本同様、人口密度が高い上に住宅事情もあいまってでかいテレビはどうにもできないそうだ)、それなら売れるから引き取ってもいいという話。似たような理由で自転車とマウンテンバイクもおっさん(とその会社)は回収しているそうな。ただし子供用は不可。すくなくともおっさんの受け売りであるけども、じゃあと引き取ってもらう。

    (‥ )こうして我らの部屋からテレビが
        ついになくなりました。
 ∧∧
( ‥)もう粗大ゴミと化していましたからね
    よかったじゃないですか。

 テレビがなくなったら。うはー、本が置ける置ける。うれしいねえ。どんだけスペースとっていたんだよテレビ。

 ∧∧
( ‥)もう、見なくなってずいぶん立ちますからね。

    ( ‥)ネットで本を買いあさり、古本屋と図書館で
        資料を探す。そんなことをしているうちに
        テレビの必要性はどんどん小さくなっていったからなあ。

 粗大ゴミと化していたテレビは名実ともに粗大ゴミに。いや、むしろ必要としている人の手に渡るための第2の人生を歩むことになりました。

 それにしても

    (‥ )こーれでもうNHKの受信料なんか
        払わねーぞ。
 ∧∧
( ‥)あなた、ワプアの番組以来、
    NHKを目の敵にしてますからねえ。

 ワーキングプア、略してワプア。働けど貧乏。ああ、あの番組はひどかった。例えばの話、会社の寮にいて20万をもらっていて、そんでもって1ヶ月に何度かはそうめんだけで暮らしているという”貧乏”話。

 はあ?

 ∧∧
( ‥)そうめんってバカ高い食料なんですよね。

     (‥ )圧倒的に高いんよ。

 不等式で示すとこう。

そうめん>カップラーメン>即席めん>パスタ>米

 そうめん、高い。グラム換算するとどこの頭のおかしい高級米ですか?? というくらいに高い。目をひんむくくらい高いのです。そうめん喰って、20万もらっているやつが貧乏ってどういうことじゃい。

 ∧∧
( ‥)で、あなたはははーんと思うわけですよ。

     (  ̄  ̄)ははーん NHKのやつら高給取りだから
           あれが貧乏に見えるんだな??

 これをアブダクションによる仮説という。

 ともあれ、男の貧乏話を真に受けちゃいかんよ。男の貧乏生活、特に食生活はたいがいの場合、むしろ生活無能力を反映している。

 ∧∧
( ‥)本を買って借金作っているあなたは
    人生が無能力を反映している。

      ( ̄  ̄ )むっ、それは否定できんな。


 ともあれ、人をおちょくるのもいい加減にしやがれNHK、ということで、そんな連中に金など払わん。

 
     (‥ )あとなあ、”貧乏”な事例をただつなげても
         それは優良なドキュメントとは言えんぞ。
         事例の列挙っていつの博物学だよ。
 ∧∧
( ‥)最低限、平均よりも収入が低い方々がいる
    という程度のことは言えるんじゃないですか?

 しかし、それではカラスの一部には白いものがいますといっているのと同じ。もうちょい、まっとうな仕事を希望。

 ∧∧
( ‥)まあ、これで受信料の必要もなし、
    感心できないアナウンサーを見ることもなし
    よかったじゃないですか。

      (‥ )まあ、そうだな。

 ノーベル物理学賞受賞の報道のさい、さるNHKのアナウンサーが曰く、

 ”私、文系だからこういうことは分からないのですが”

 とご発言。


 ∧∧
( ‥)まあ、分からなかったんでしょうね。

      ( ̄  ̄ )調べろよ。


 僕ちゃん、文系だから分かりませんはねーだろ。



 

2009年10月29日木曜日

ドクチョウ

 
 トケイソウの仲間を食べて大きくなって、そしてまずさを警告する色をまとった派手なチョウへと羽化する。それがドクチョウ。特にこの場合はHeliconius属の話。

 ∧∧
( ‥)erato種とmelpomene種の区別はどこで
    つけるんですか?

    (‥ )翅の裏側を見るらしいのだけども・・・
     □–

 まいりましたね、絵は当然といえば当然ながら表側を描いています。

 ∧∧
( ‥)どうしたもんでしょうねえ。

    (‥ )どうしたもんかねえ。

 2つの種はいわゆるミューラー擬態。同属だけあってミューラー擬態を実現させている遺伝子はどっちも同じ、ってことで理解はオッケー?

 ∧∧
( ‥)要確認です。

    (‥ )そうだね。

 ところで、

    (‥ )この知見って恐竜の初期進化と鳥の初期進化における
        理解に役立つと思う?
 ∧∧
( ‥)さあ?


 

オレ様の気持ちはオレ様で良く分かる

 
 オレ様理論屋さんの脳内では何がおきているのか? 

解釈:使えるデータのうち、ごく少数しか使わず。そこでぱっと思いついた仮説に固執して、結果的に使用可能なデータを使わず、そして経験的に仮説を検証することができない(最悪の意味で論理的だということもできるかもしれない)

予測:少ない情報だけで問題を解くという動作は、仮説に固執するという動作とリンクして出現するだろう

 ∧∧
( ‥)でも、ここであなたは自分の仮説と予想に異論を
    持つわけです。

    (‥ )ファーストインプレッションで仮説を思いついてしまう
        それ自体は問題ない。問題は仮説を(おそらく最節約的に)
        検証し続けられるかどうか。だとしたら、少ない情報で
        問題を解く、そのことと、仮説に固執するということ、
        この2つの動作がリンクして現れるだろうという予測が
        自分の仮説から本当に必然的に導けるのか?

 という疑問。

 そのような疑義に対して脳内会議が招集され、会議は紛糾。

 でっ、

 人間のパズル解決の過程を次ぎのように考える


 大容量の問題→解くのをあきらめる→1:普通の人
 ↓
 解くのをあきらめない→解く方法それ自体を考える→2:科学者
 ↓
 一部のデータからぱっとひらめく→この仮説を経験的に検証する→3:科学者
 ↓
 ひらめいた答えに満足して経験的に検証しない
 ↓
 4:オレ様理論屋


 ∧∧
( ‥)3と4が区別できますか?

    (‥ )たしかに問題だな。

 ぱっとひらめく。これ自体は3と4の識別点にはならない。

 ∧∧
( ‥)なりませんね。だから先の疑義が提案されたわけですよね?
    少ない情報で答えを思いつくことと、仮説に固執することは
    必ずしもリンクしないのではないのかと。

    (‥ )だがここでこう考える。

 ぱっとひらめく。その後、3と4では次ぎのことが起きる。

 3の場合
 仮説を思いつく
 ↓
 データを集める→仮説が支持されない→仮説を棄却し1コマ戻る
 ↓
 仮説が支持される
 ↓
 仮説が検証されたと考え、取りあえずその仮説を使う
 ↓
 データを集めて3コマ戻る


 4の場合
 仮説を思いつく
 ↓
 何か満足したのでそれで終わり
 ↓
 でもなんか追加のデータがきたよ
 ↓
 もう解決していると確信しているから無視するよ


 ∧∧
( ‥)ああ、3の人は無限ループで何度も思いつく
    4の人は思いつくのは1回限りかあるいは
    ごく少ないと。

   (‥ )思いつくこと、それ自体では確かに3と4は識別できん。
       だが思いつく回数を比べたらどうなのだ?

 そもそも科学が永々と活動するのは真理を探究しているからでもなんでもなく、解答探索の方法がそもそも無限ループだから。

 一方、オレ様理論屋さんが破滅的なのは新しいデータを無視するから。だから一歩も前に進めないし、だから現実に殺されるし、しかし仮説は無敵になる(戦闘に参加しないので不敗ということ)。

   (‥ )このような考えに基づき、やはり予想する。
       情報のごく一部だけから答えを出す動作と
       答えに執着する動作はリンクする。
 ∧∧
( ‥)でっ、その予測をどう調べますか?


 データを集めればいい。実際、もうすでにあるんじゃねーの。児童心理学とか認知心理学とか、人工知能とか(特にうまく動作しない事例)。



    (;— —)あーでも、調べるのめんどくせー
       -□
 ∧∧
( ‥)おや、そこでめんどくさがっていると
    まさにオレ様理論屋さんですね。


 あー、初めて、分かったやっこさんたちの気持ち。めんどくさいし金をかけたくないんだ、たぶん。論文読みたくないとか、教科書いや、とか、英語はいやだってそういうことじゃないんかい。

 コストは最小限に、でも満足感というベネフィットは最大に。それがオレ様理論の真骨頂!!

 ∧∧
( ‥)馬鹿なこといってないで、
    言い出したからには調べなさいよ。

    ( — —)はい、はい

 
 


 

2009年10月28日水曜日

流れ星が流れる

 
 昨晩というか今朝のこと。夜の2時頃に散歩に出れば、ケフェウス座をひゅかっと流れ星。流星痕も残った。

 ∧∧
(‥ )オリオン座流星群?

    (‥ )流れた方向からするとそうであっても
        おかしくないね。

 一個だけだったけども、とにかく流れた。

 そうだ、うかつ。あの日、あの時、あの朝、伝え忘れていた。

 極大。つまり流れ星が一番流れる時間と日を過ぎてもまだ流れるってことは当然あるんだ。それを伝え忘れるとは、なんたるうかつ。

 ∧∧
( ‥)そもそもそういうものだってこと、
    それ自体を忘れていましたね。

    ( ‥)うかつだったよなあ。
        今朝がた見るまで忘れていたよ。

 来月のしし座流星群の極大は17、18日あたりらしいけども、その前に30分ぐらい外にいてなんとなく星を見れば予行練習にはいいかもしれないし、流れ星を見ることもできるのではないか。そう、伝えることにする。

 ∧∧
( ‥)あたたかい格好でいないと
    いけませんね。

    (‥ )動かないとびっくりするくらい
        体が冷えるからねえ。

 できればあたたかいお茶も。

 

枠組みを使う時と捨てる時

 
 人間は物事を把握する時、なんらかの枠組みなり仮説なり、暫定的な考えなりなんなりを必要とする。

 例えば、自分は今、実在していて、今見ているこの風景はバーチャル映像でもなければ幻でもなく、悪魔が見せている夢でもない。という前提。

 ∧∧
( ‥)まあ、当たり前ですけどね。

    (‥ )だが困ったかな。世の中にはこれは夢ではないかと
        疑う人や、端から見ていると幻覚みているんじゃね?
        という人も時としている。これもまた事実。

 この世のすべて、観測するものすべてが取りあえず現実だってのはあくまで仮定なり仮説であって、別に確固たる真実ではないということ。あるいは確固たる真実であると仮定しても、それとは矛盾する状況が観測され、世の中で観測されていることのすべてが事実であるわけではどうもないっぽいという話。

 さて

 オレ様鳥進化論。色々な人がいるのですよ。古今東西、ハイルマンからしてそうだろうし、教授もそうだ。本を書いている人間(英文)だけでも他に少なくとも2〜3名はいるし、ネットで考えを表明したとか、雑誌に(論文ではなく)記事を書いた人までいれたらこれがもういっぱいいる。

 ∧∧
( ‥)まあ、どれも全部が全部駄目ってわけじゃないですよね。

    (‥ )そりゃあそうだ。

 全部の発言が全部駄目なんてそんなことあるわけない。例えばフェデューシア教授だって、系統関係はめちゃくちゃだが、引用できる部分も当然ある。フェデューシア教授の系統仮説を鼻にもかけない人だってそこだけはしばしば引用していることがある。教授にとっては不本意なのか、関係ないのか知らないが。

 ∧∧
( ‥)あなたも教授のあの部分は引用しますよね。

    (‥ )するね。そりゃあそうなんだ。

 だいたい、考え方の一部が間違っているからといって、相手の業績のすべてを全否定する奴は、まあ、まともなやつならそんなことはしない。いかに神の設計に基づいて研究を築き上げてもリチャード・オーウェンは偉大な解剖学者であり、錬金術師で神的宇宙観をもって世界を記述してもニュートンの万有引力は使える。

 ∧∧
( ‥)オレ様鳥進化論の人々だって
    全部が間違いじゃないでしょ?

    (‥ )そりゃあそうだ。

 例えば先日見たやつ。鳥の風切り羽は手首よりも先に生えているから鳥は木登りには手を使えないはずだ(あるいは制約を受けるはず)という意見は。

 ∧∧
( ‥)まあ、あの意見は初めて見ましたね。

    (‥ )イラストレーターと研究者以外ではね。

 *注:自力で飛行する動物は4回進化した。そのうち、脊椎動物の3グループ。翼竜、鳥、コウモリのうち、翼竜とコウモリは翼を畳んでもかぎ爪を持つ手の指が前を向くので、木に登るとした場合、それを効果的に使用することができる。一方、鳥は手首から先全体で風切り羽を支えているので、始祖鳥のように手にかぎ爪を残したものでも木に登ることに手は使えないのではないのか、ということ(少なくとも使いにくいにはまったくの事実だし、問題はこれだけではない)。

 まあねえ、そりゃあねえ、気づくよねえ。というか皆、もうとっくの昔に気づいているわけだし。

 ∧∧
( ‥)でも原始的な鳥が手を使って登る復元は
    今でも幾つかありますよね。

    (‥ )手も使って登っただろう。そういう仮定に基づくと
        そういう復元をせざるをえない、だから
        そういう風にしている。でもおかしいことには
        気づいている。まあ、矛盾ではあるな。

 ∧∧
( ‥)でもだとすると、なんというか吠える人もいるんじゃないですか?
    ほら見ろ、見ろ、矛盾だ、おかしい、変だって。

    (‥ )いるんじゃないか、というよりいたよね、知り合いで。
        まあ確かに変だからなあ。

 変なのは当たり前。そりゃ当然。変だからね。最低限、無理があるんじゃね? ということは言える。確かに鳥は時々、ずいぶんおかしなことをするけども、あれはちょっと無いんじゃねーの、とは思う。

 ただ、だからそんな仮説を棄却して、オレ様の仮説をチョイスしろ、と言うと問題が生じる。

 ∧∧
( ‥)私の仮説を選んでください。そう売り込みをかけても
    いいわけでしょ?

    (‥ )もちろん。少なくとも相手に迷惑をかけないような、
        まあ理想的には論文を書いて査読のある学術誌に
         可能ならば英語で投稿するというのはありだと思うよ。
         別に和文でも査読があってちゃんとしてれば問題ないと
         思うし。

 もっとも、これはあくまで手続き上の話。科学の中核であろう検証の話とか、採用している仮説の大転換が起きるためにはこういう事務の話ではなく、もっと別の要素が効いてくる。

 例えばの話。万有引力は水星の近日点の移動を説明できなかった。そこで色々な説明を試みる人がいた。事実、それらの仮説は矛盾を解消できたのだが、もろもろ有象無象の仮説はどれも支持されずじまい。結局、相対性理論が出るまでそのままだった。

 ∧∧
( ‥)使えることが分かっている仮説は矛盾を抱えていても
    そのまま使われ続けるわけですね。

    (‥ )だから”オレ様、その問題を解決できる!!”
        というセールストークだけでは誰も見向きしないのよ。

 人間がその枠組みを採用する時と、反対に捨てる時に何が起きているのか。そこんとこ理解しないとまあ、理論に明日はやってこない。

 ところで

 ∧∧
( ‥)あなた自身はさっきの問題をどう見るんです?

    (‥ )ああ。

 そもそも問題が存在しないんじゃねーの?

 


2009年10月27日火曜日

分類群ごとの分類体系崩壊

 
 系統学が出現して、既存の分類体系が壊れる場合がある。しかしその後の対応は分類群ごとに違っているらしい。少なくとも端から見ている限りでは。

 可能な限り分類体系を矛盾なく残して可能な限り系統を反映させた分類群>例えば魚類

 もうどうにもならないので分類体系自体が放棄されつつある分類群>化石爬虫類

 なんかそもそも系統解析はこれからだよという分類群>現生鳥類

 ∧∧
( ‥)昆虫は?

    (‥ )今のところ破綻は少ないね。目で壊れたのは
     □-  ゴキブリは確実、ハジラミもまあ確実なんだろうなあ
        シリアゲムシは多分、壊れそう、かな。

 ただ、あまりにも種数が多いせいか、なんかこう、もっとマイナーなところ(上科とか)で色々やっているような印象があったりなかったり。あるいは一方ではものすごく高次の系統関係の推定がある感じ。もしもありったけの種類を突っ込んで全部やったらどうなるか。

 ∧∧
( ‥)それは現時点では演算し切れるようなデータじゃ
    ないんじゃないの?

    (‥ )なんかそう思えるよなあ。

 昆虫における分類階級は安泰っぽく見えるけども、じつはそれは錯覚で、大崩壊したりするんだろうか? とても大崩壊が起きるとは思えないけども。そんなことが起きたりしたら、それはまあそれで面白そう。

 ∧∧
( ‥)魚類はえらいこっちゃになっているでしょ?

    (‥ )そうだねえ。前からこれは人為的なもんじゃない?とか
        これ怪しくね?ってのがばらけたり、
        あらぬ方向へ飛んでいったりしたけども・・・・。

 いわゆる目内部の系統は解決済みとするとか、あるいは取りあえず、これ、という感じで、一括したデーターセットを作っていなかった/というかそもそもそんなことが無理なのか/のせい(らしい)なのかどうなのか。派生的な連中の系統関係がかなりぐだぐだに。

もちろん、幾つかの系統推定でぶっ壊れましたというだけで阿鼻叫喚になるわけもなく、あくまでこんな結果がでましたよってだけだと言うこともできるけども、とはいえ、ある意味、あれはやっぱり阿鼻叫喚(比較的最近のを鵜呑みにしていた人からすれば)

 ∧∧
( ‥)あのあたりの分類階級とかどうなっちゃうんでしょうね?

    (‥ )そもそも研究分野内部でこそ分類階級は堅持したけども
        他にしわ寄せきてるしね(例:テトラポーダ全体が亜綱扱い)
        どーなっちゃうんだろうねえ??

 ふとそこで思い出す先日の話。書店はどうも棚における書籍の配置が十進法分類に従っていないらしい。考えてみれば453・2とかそんなラベルは確かにない。

 ∧∧
(‥ )そういえばありませんね。
 □-
    (‥ )書店は本の動向、はやりすたりをダイレクトに受けるので
        そんなことはできないって話なんだが・・・。

 まあ、確認不足だけども、仮にそうだとしたら、変化にさらされればさらされるほど分類群/分類階級/分類体系は放棄されやすくなる。そういう見本であるということか。

 ∧∧
( ‥)じゃあ次ぎに危ないのは魚類ですか?

    (‥ )どうなんだろ?

 まさか標本とか資料の整理番号を全部書き換えるわけにもいかんだろうし、あるいは整理番号なら問題ないってことで、ともかく目とかは(さすがに科は大丈夫ではないかと思うけども)、なにか役に立つ旧番地のような扱いをされるのじゃろか?

 ∧∧
( ‥)どうなんでしょね?

    ( ‥)系統と現実的な事務処理の間で妥協案が
      -□ 示されてしかるべきではないかと思うのだけども。

 さてさて、どうなりますことやら。

 ∧∧
( ‥)でも、変化にさらされる度合いと分類体系の放棄/遵守の
    度合いを、別の業界でモニターするのは面白いかもしれませんね。

    (‥ )図書館を取材してみっか。


 

 
    

種が期限

 
 先日のちっちゃな講演会。ダーウィンの進化理論においてたぶん重要なのは

:コンセプシオンでの地震と隆起、そしてアンデス山脈での地質調査
:フジツボの研究という経験から得た、種が便宜的な概念でしかないという確信

この2点という話をしたところ、当然、次ぎのような質問が。

種の起源という本でありながら種がないとはどういうことですか?

 
   (‥ )種と呼称するものの由来は明らかにしたが
       そのためには種を破壊する必要があるなり。
 ∧∧
( ‥)でも、納得していただけたんでしょうか?

 そこ問題。

 A村とB村がある。人口は違うし、村の祭りの日も祭る神様も違う。かつては水争いを起こしたこともある。だが調べて見るとはるか昔、数百年も前にこの地にやってきた太郎さんがA村の基礎を作った。その息子の次郎さんがB村の基礎を作ったのだが、その後の長い歴史の流れでお互いの出自は忘れ、異なる村となり、ついには争いまで起こる始末。

 ∧∧
( ‥)村の由来を明らかにするには村という枠組みを
    とっぱらわなければいけないが。

    (‥ )村にこだわる限り、それは不可能。

 という例え話を不十分に展開(特に村の具体的な由来を説明することできず)。準備不足、ここに現れる。

 ∧∧
( ‥)それにしても種ってやっかいな概念ですよねえ。

    (‥ )小さな隆起→丘→山→山脈といっても誰も文句はいわないが、
        変異→変種→亜種→種→別種というと途端に
        そんなことはない!!と言い出す人間がいるって奇妙だよなあ。

 なんなんでしょうね、あの心理は。


 
 

取り急ぎこんな案を

 
 オレ様理論屋さん。それはある日、はっと新説を思いつき(それ自体は別にかわないのだが)、自説を検証することもなく自説の正しさを確信し、教科書や論文を直接読むこともなく、研究者は間違っている!!と(どういうわけだか)断言し、あまつさえ自説を認めない連中は馬鹿だ、阿呆、保守的だと叫び立てる。

 ∧∧
( ‥)まとめるとこんな感じですけども、
    彼らの行動は彼ら自身では首尾一貫していると
    あなたは考えるわけですか?

    (‥ )しかり。彼らの内部ではこれは整合的な行動。

自説を検証しないのは、科学において検証というものがどういう意味を持っているのか、そして検証するにはどのような方法論を用いているのか分かっていないせい。また、その必要性が分からないから検証しない。そもそも検証という言葉の意味がたぶん分かっていない。教科書を読まないとそれが分からないし、それが分からないから教科書を読まないのだとも言える。

論文も読んでいないのに研究者を批判できるのは、研究者がどんな判断基準を持っているのか知らないせい。相手の判断基準が分からないから相手が示す仮説の是非が分からない。だから批判できる。少なくとも自説が正しいという確信に立てば、自動的に自説以外の仮説はすべて間違いになるので、批判するのは当然と言えば当然。

馬鹿だ、阿呆だ、保守的だ、気に入らない、好きじゃない、それはひどいという、なんか抽象的な発言をするのは検証の具体的な仕組みを知らないから。メカニズムなり手続きなりを知っていたらこんないい加減な論評、反論はしない。エンジンを見て、馬鹿だ、阿呆だ、保守的だといっても、それだけでは技術的な意味がないのと同様。これは彼らが方法論を具体的に把握していないことを示す。

でっ、考えた。

   (‥ )前言ったように、この行動は、暗算では解けるはずのない
       大容量の計算をいきなり”解いて”しまったことに
       たぶん該当する。そう考える。
 ∧∧
( ‥)ああ、データのすべてを解析して最小二乗法とか最節約法とかで
    解析するんじゃなくて、これだーーっと一部のデータから
    ぱこんとグラフを引いちゃうってことですね。

 少なくともオレ様鳥進化論の人は、あれは本来、人間の脳ではとても処理できない問題に該当するものを解いてしまっている(でっ、間違っている)。オレ様進化論の人々も少なくともまた同様。論文を読む以前に普及書すらまともに読んでいない。だから彼らの扱うデータはあまりにも小さすぎる(でっ、間違っている)。創造論者も同様。例えば彼らはカニス属が相互に交配するということすらまともに知らない。彼らの種とはせいぜいが属に該当するもので、変種だ亜種だ、その地理的分布だの、そういうデータをまったく扱っていない。属間の交雑もあることすら知らない(でっ、間違っている)。

 ようするに
1:大容量のデータのごく一部しか使わず、いきなり答えを出す(ただしこれ自体は悪いことではない)
2:その後、追加されたデータ、無視した大規模なデータ。いずれもことごとく無視する
3:最節約に仮説を検証しない
4:最初の答えに固執して、いかなる反証例が出ても言い訳を挿入して生き残りをはかる

という状態。

    (‥ )つまりこうではないか?
        大規模なデータを与えられた時の人間の
         反応を見れば、オレ様理論屋を理解できるのではないか?
 ∧∧
( ‥)とっ、いいますと?

 小規模なパズルを与える。みんなが解ける。

 暗算では解けない大規模なパズルを与える。みんなが解けるわけではなく、以下のように対応が分かれるとする。

1:解くのをあきらめる
2:解けた人に聞く
3:解く方法を考える
4:無理矢理”解いてしまう”

 ∧∧
(‥ )この場合、1、2は普通の人(要領がいいともいう)
    3は研究者ってとこですか。

    (‥ )でっ、例えばこの場合の4番目がオレ様理論屋さん。

 そこで思う。仮に先のモデルが正しい場合。4の無理矢理解いてしまう人がオレ様理論屋だとすると、必然的に、データのごく一部しか使わない、自分の答えに異様に固執する、この2つの動作がリンクして現れる、そう予想できるのではなかろうか。

 ∧∧
( ‥)これであなたはあなたの仮説が正しいのか
    検証できるのではないかと考えるわけですか?

   (‥ )データのごく一部しか使わない、答えに執着する、この2つは
       普通に考えればリンクするような動作とは思えないだろ?

 それでもなお、2つの動作がリンクする傾向があるとしたらみっけもの。

 ∧∧
( ‥)でも、まだ具体的なメカニズムの解明には遠くありません?

    ( ‥)そーねー、でもまあ、最初はこんなところから
        始めるしかないんじゃないかな。

 オレ様理論屋の頭の中で何が起きているのか? それは科学を知る上では逆に解かねばいけない謎。



2009年10月26日月曜日

オレ様理論の始まり

 
 オレ様理論屋さんは論文を読まない。教科書も読まない。英語は分からないと逃げ出す。あまつさえ、内容をオレ様に教えろと要求する。

 ∧∧
( ‥)それが1人、2人じゃないんですよね

    (‥ )なんかなあ、大抵の場合、オレ様理論屋って
        そうなんだよな。

オレ様、論文読みたくない、だからお前がオレ様に読め。

オレ様、英語読めない、だからお前がオレ様のために訳せ。

 ∧∧
( ‥)オレ様のために実験しろってのも
    ありましたよねえ。

    (‥ )オレ様の論文を英語に訳せっていった
        やつもいるんだよな。

 オレ様理論屋ってのはどうしてどいつもこいつも、いつでもなんでも他力本願なんだい??と思うのだけども。

 まあそのあたりの考察はともかくとして。

 いやさあ、気持ちは分かるんだ、気持ちは。

 ∧∧
( ‥)あなたも英語がたがたですからね

     (‥ )それでもどうにかせんといかんのよ。

 先日、届いた本はドイツ語だった。でもしょうがない。それしかないんだもん。なんでないんだか訳分からん。なんでもそのジャンルでは世界に6人しかいなくて(えっ?? そんな馬鹿な?? と思う)、1人、日本人が書いた本はもう絶版。今だに古書店では見つからず。

 ∧∧
( ‥)でも、それで弱音を吐いたら研究者からどんな
    評価をされることか。

     ( ‥)馬鹿、根性なしのレッテル貼られておしまいさ。

 研究者は必要となったら自力でロシア語だろうがオランダ語だろうがフィンランド語だろうが読むんだ、

たとえ言葉が話せなかろうがなんだろうが、ドイツにいって、身振り手振りだろうが何かする子だっているのだ(困った時はにこやかに微笑んで手を振ろう)。

 それが”日本にいて、しかも辞書があって、必要な情報がそれしかない状況下”で、僕ちゃんドイツ語わかりましぇーん、誰か訳してくだちゃい、では相手になんかしてくれるわけがない。

 というわけで、のっそりのっそり動くしかない昨今。こんな話を思い出した。

 ある場でのことである。これまたオレ様理論を展開した人がいた。教科書読めと言われて、なぜあなたたちはこの研究を無視するのですか!! この研究は明らかに獲得形質があることを示しているではないですか!! と力説。

 ∧∧
( ‥)でもその研究ってもう覆されていたんですよね

    (‥ )まーねー

 というか思った。ははーん、このおっさんは北村も知っている某ライターの本かなにかを読んだんだな? 論文も読まずにそのネタって言ったら彼の記事だろう。でもさあ、彼が書いてた当時に思ったけどさあ、そういうすっごいでっかいネタのくせに、”獲得形質の機構が想像不可能、いやむしろ単なる自然淘汰じゃねーの?”という状況下で、パラダイムシフトだとセンセーショナルに書き立てるのは感心しないよねー、と思っていたら案の定の結果。しかも今やおそらくはその記事を真に受けたばっかりに道を踏み外した犠牲者が目の前に!!

 ∧∧
( ‥)でもあなた、教えてあげませんでしたよね。

    ( ‥)誰かが教えて上げるかもって思ったのさ。


 ただ、その場に居合わせた数百人の誰一人として教えて上げなかった、というだけの話。たぶん、全員、ふーーーん? それで? と思っていたんだろう。

 ∧∧
( ‥)一応、聞きますけど、なぜ教えて上げないんでしょうね?

    (‥ )無駄だって分かってるからだろ?
 
 自力で調べない奴に何かを教えたって無駄。単なるくれくれ君になるだけだから。しかも身にならない。すべての努力が無駄になる。

 
 

ダーウィンと集団遺伝学

 
 先日は神奈川県立川崎図書館でダーウィンの話をすることになったのだけども。

 ∧∧
( ‥)工業暗化の説明はあれで十分でしたかね?

     (‥ )産業革命、ばい煙、黒いガの増大、選択圧、
         これらは一応は話したけどねえ。

 ”工業暗化はダーウィンのアイデアを支持すると誤解されてきた間違った例だ、という誤解”が広がっているからそこんところは気をつけてね、という話は余計だったかもしれない。
*ちなみにこれは根深い誤解で、以前、「パリティ」で”あれが誤解であったように”、という引用がされていた。


 今度、こういう機会があるとしたら工業暗化などをもう少し具体的に説明することにしよう。

     ( ‥)基礎の部分はついついはしょっちゃうんだよね。
 ∧∧
( ‥)皆さんがみんな、十分に知っているとは限りませんし

 あと、しくじったのは集団遺伝学の説明で、創始者効果と浮動の話をごっちゃにしちゃったことで。

 ∧∧
( ‥)しっかりしてくださいよ

     (;— —)はいはい

 でもそれ以上にしくじったなあ、と思ったのは、ネコの毛皮の話をしたんだから中立遺伝とダーウィンの考えをもう少し軸にした話せばよかったなーと。

 ∧∧
( ‥)ネコの毛皮の多型は中立というよりは
    人間の好みが一様でないからだと
    思いますけどね。

     (‥ )まあ、それでも原種のリビアヤマネコよりは
         えらいこっちゃになっているわけだから。

 ともあれ、もう少し発展出来る話ではなかったか? ウォレスとダーウィンの性淘汰をめぐる議論もそうだったけど(クローニン曰く、この点に関するウォレスの説明は全然駄目です、のくだりに相当)、むしろ考えるべきは

 ∧∧
( ‥)淘汰がゆるむと形質がばらける。そこから必然的に
    導き出されたらしいダーウィンの理屈の展開ですね。

     (‥ )彼のパンジェネシス仮説を見ると、もしかしたら
         確率的な浮動で形質が固定するという理解まで
         あともう一歩だったんじゃないかと思えたけども。

 ダーウィンが退化の説明においては用不用説の残滓を残したのも以上もろもろのせいじゃないかと思えるし、集団遺伝学的な理解にどうやって近づいたのか、反対にいえばなぜたどり着けなかったのか。

 ∧∧
( ‥)それが課題だと。

     ( ‥)「ダーウィン種の起源を読む」ではとても処理できないから
       -□  その部分は全部棚上げってことにしたんだが。

 さてさて


 

    

評価するにはどうすればいい?

 
 時々、聞かれるこんな質問。

 研究者でもないのに、どうして研究者の業績を紹介できるのですか?

 答えは簡単。

 研究者の評価基準を把握すればいい。

 ∧∧
( ‥)それは研究者がどういう解析手段を持っているのか、
    そもそもその解析手段の正当性は何なのか、それを
    把握するということですね。

    (‥ )まーね

 例えば、

 草野球で成績を上げたオレ様プロがオレ様に打たせろとまさに宴もたけなわの球場に出向いたところ、門前払いを喰った。見ている観客は大笑い。ヤジは飛ぶわ、ものまで投げつけられる。そこでオレ様プロは言いました。なんでもお前らはプロ選手でもないのにオレ様の実力を計れるのだ!!

 ∧∧
( ‥)まー、簡単ですよね。成績を見れば一目瞭然。

    (‥ )投げる、打つ、守る。これらの数値をざっくりとでもいい
        把握していればちょっとした観客ならおよその評価ができる。

 むろん、以上の事例ではオレ様プロの言い分にもやや理がある。評価される前に門前払いを喰らわせられたから。とはいえ、これもまた常識である程度は判断できる。

 ∧∧
( ‥)もしもプロ級の実力者なら高校時代とかにすでに頭角を
    しめして既に既知のものになっているはずだ。

    (‥ )年齢をいって体力が落ちていく過程で
        いきなり出てきたって事例はまあ、聞いたことが無いしね。

 当事者でなくても評価はできる。プロ野球なら試合がテストになる。だから数値があればおよそのことは分かる。

 しかしこのことは逆にいうとこういうことでもある。

 ∧∧
( ‥)研究者の判断基準や解析手段の手段そのものの正当性。
    それらを把握しないと物書きは破滅ですよね。

    (‥ )さらにいうとそれらの使用法そのものの
        妥当性が個々の論文で違うから
         ”具体的にどのように使用されたのか”
         それを把握しなければいかん。

 これがやっかい。例えばの話、始祖鳥は鳥でなくて恐竜だという論文。どう見てもデータの使い方が確信犯。個人的にはへーこんな手できましたかーーって面白がって読んでいたけども、やはり研究者の中にはちょっとばかし顔をしかめる人もいる(当たり前)。

 ∧∧
( ‥)でもあれをまま真に受けた報道がありましたよね。

    (‥ )別にいいんだよ。新聞とかはまんま報道したけども
        何気にこーゆーことだよーーって言っている
        研究者のコメントも引用していたじゃないか。

 問題があるとすれば”革新的な研究がなされた、なんと始祖鳥は鳥ではなかったのである!!!”と何をどう真に受けたのかセンセーショナルに(しかも分かりもしないで)書き立てることで。

 ∧∧
( ‥)まあ、あの事例に関してはそういうのは
    なかったですね。

    (‥ )なかったのは良いことさ。

 とっまあ、個人的に思うに解析手段もさることながら、個々の論文でどう使用されたのか、が実は大問題で。

    ( ‥)実はそういうのがあっちゃこっちゃに
      -□ あるんだよなあ。
 ∧∧
( ‥)そういうのは気をつけないといけませんねえ。

 さる研究者が本の中で曰く、確かに既存の理論は壊れた、だからといってもっと前に駄目になった理論を復活させてこれでもいいじゃないかと論文を書く研究者がいるが、しかしこれは問題のすり替えではないか?? (どちらかというと物理系)

 ∧∧
( ‥)ジャンルごとの論文と研究の歴史を把握しないと
    おいそれと評価はできませんねえ。

    (‥ )これが容易ではないんだわさ。

 

2009年10月25日日曜日

分類学は分類学なのだが

 
 とはいえ、しかし、図書館の人と話をして思った。まさに真の分類学。整理整頓をする技術である、そう割り切って、というか最初からそんなことを知った上で「十進法分類」の本を読み、そして図書館を利用するお客さんのニーズと現実と、そして配布された公的な分類表との板挟みになりながら整理するという営み。

 ∧∧
( ‥)でもその世界でも旧来の分類ではカバーできないところを
    ちゃんと個々に調整しているわけですよね。

    (‥ )そして分類体系を知った人にはわからねーなんだけども
        知らない人には便利ーってわけなのだが。

 分類学における実際の分類の営みはこういうものであるらしい。それこそ個々の図書館でそれぞれ対応が違うのだろうし、本屋になるともっと違う。

 そこで思う。生物分類学は、ではどうなのだ?

 ∧∧
( ‥)どうなんです?

    (‥ )?それが良く分からん。

 分類学は生物学において必要だ。それは当たり前。図書館で本を利用する時に本の分類が必要だ、というのと同じ。だが一部の人はこうも言う。生物分類学は本の分類よりももっと現実のものである。
 
 ∧∧
( ‥)?どう現実的なんですか?

    (‥ )系統を反映しているとか?

 だけども分類学と系統学の最大の反目点は、端から見ていて思うに、

系統を反映すると使いずらいという分類学

系統反映した分類体系じゃないと意味わかんねーだろ、という系統学

とまあ、こんな感じっぽい。系統を反映することは系統学からの要請であるが、それを断固拒否する人々もたくさんいる。

 ∧∧
( ‥)反対に、分類体系をほとんど知らずに系統解析する人も
   いるでしょ?

    (‥ )あれはあれで問題が起きるのだけどもね。

 分類体系を知らない、というよりは同定をちゃんとしないままやると、特に最初の基準になるものの同定を間違えると大変なことになる。

 ∧∧
( ‥)例えばサバの遺伝子はこれです、と提出しつつ
    そのサバが実はアジだったとか。

    (‥ )まあ、問題を極端にデフォルメするとそうなるね。

 アジをサバだと勘違いしてこれがサバの遺伝子ですと(実際にはアジの遺伝子を)提出してしまった場合、いざ、アジの切り身を解析した時に、これはアジではなくてサバですと表示されるという話。さすがにこんなことはないが、ある程度、似た話はどうも実際にあるらしい。

 ∧∧
( ‥)まあ、解析結果は正しいわけですね。

    (‥ )同定が、というか名前のラベル貼りが
        おかしいだけでね。

 でも逆にいえば同定する能力はやっぱり大事だろ、そういうことでもある。

 ∧∧
( ‥)でも、同定する能力と分類学とどうつながるんですか?

    (‥ )そこ問題というか疑問でなあ。

 α分類、β分類、γ分類って言葉がある。記載だとか同定とか、そういうのが必要なのは良く分かる(将来はどうなるのか分からないけど)。でもそれと分類体系そのもの、目とか科とかの擁護とがどう関係するんだろうか?

 ∧∧
( ‥)分類体系は同定を容易にする理想的な検索表だとか?

    (‥ )いや、分類体系ってそんなもんじゃないぞ。

 例えばクジラが分類学においては哺乳類にされている。それは系統的にも正しいが、もしも便利な検索にするのならクジラと魚とアシカは全部一緒くたにすべきだろう。花だってそうだ、花の色で分ければいい。

 ∧∧
( ‥)検索表でもなし、さりとて系統をそのまま直訳したものでもない。

    ( ‥)生物分類学とはなんだろうか?

 そして何を目指しているのだろうか。

 

世界を美しく記述して幸せに

 
 昔、こんな人がいた。Aという動物はY目に所属する。なぜならY目は形質Qを持つものと定義されており、Aは形質Qを持つからである。AがW目に所属するというたわ言をほざく人もいるが、それは間違いである。なぜならAはY目に分類されており、W目に分類される形質を持っていないからである。

 ∧∧
( ‥)はあ、これ、何をいっているんですか?

    (‥ )矛盾のない文章を述べてみましたってことなんじゃね?

 事実、以上の文章に矛盾はない。

 ∧∧
( ‥)でも形質Qを持つものがなんでY目であると定義されるのか、
    そのなぜを説明していないじゃないですか。

    (‥ )説明できないんだろ。というか知らないんだろ。

 いや、分類的な意味なら以上の説明でもいいかもしれない。定義した、そして矛盾のない文章を作った。それで十分であって、”定義自身の正当性”を述べる必要性は確かにない。

    ( ‥)分類って言うのはそれでもいいのだ。
 ∧∧
( ‥)はあ、そんなもんですかね?

 それじゃいやだっていう人はどうしたかというと系統学の世界にいってしまったわけだし。分類学における目や科や属や種がどのようにして判断されて、いかなる解析で、いかなる数値の時に、いかなる理由で目である、そう決定する方法を述べた人はどうもいない。あるいはこう。そういう試みはいっぱいあったとしても、どれもメジャーにならなかった。

 例えばの話、テタヌーラの分類階級は何?何?と聞く人に、そんなものはないですよ、と答えると、なぜなぜ? と聞かれるが、ああ、下目ですよ、と嘘教えると、そうですかと何の疑問も持たないらしい。奇怪といえば奇怪な反応だけども、当たり前といえば当たり前。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )図書館で本を手にしてうろうろしている人に
        その本をいれる書棚はどこどこですよ
         といったら安心するだろ?

 本を突っ込んで整理できたら、はーやれやれと安心して満足するのであって、その書棚の配置そのものの正当性は何だ? とは問いはしない(普通の人間はそんなこと考えない)。

    ( ‥)世界を美しく記述できて、それで幸せに
        なれるのなら、それで満足なんだろ。
 ∧∧
( ‥)はあ、じゃあ世界の謎はどうするんですか?

 世界の謎、そんなものは彼らにとってどうでもいいってことですよね、明らかに。そして謎を問うのが自然科学であるのなら、本を整理してやれやれと幸せになるのは科学でもなんでもない。

 

十進法分類

 
 本の分類に使う十進法分類。本の分類群ごとに数字を割り当てているのだけども、時の経過とともにあるジャンル(分類群)が巨大化して、あたらしく数字を割り当てる昇格みたいな扱いになる一方で、かつての大きなジャンルがもはや全滅寸前にまで衰微していても、今だに巨大群扱いになっていたりするそーな。(ようするに生物でいう痕跡器官のような状態らしい)

 図書館や本によってはあるジャンルに片寄った品揃えをしているから通常の十進法分類で使う数字のさらにその先に数字をつけて細分化させたり(そうでないと本の整理ができない)、そもそも急激に巨大化したジャンルは分類の改訂とでもいうのか、それが間にあっていないので、もう独自にまとめたり、分けたりするしかない。

 そういう場合、十進法分類を覚えている人にとってはなんじゃこりゃ??分かりにくい!! なんだけども、知らない一般人からしてみたら何の違和感もない。いやむしろ一般の人のためにそういう配置をあえてしている。

 ∧∧
( ‥)まごうことなき純粋な分類学でも
    現実の変化にそって変えたりするわけですか。

   (‥ )そしてまごうことなき分類学でも
       分類体系をそのまま使えばいいってもんじゃ
        ないってことだな。

 分類体系を暗記してそれを自在に使う人は少数とは言えどもどっこにでもいるもんだけども、その手の人は分類体系が変わると頭がこんがらがる、というよりは嫌悪をしばしば示す。しかしながら、分類体系ってのは現実を便宜的になおかつ利便的に扱うものであって、体系ありきの分類というものは非現実的。

 

 
   

2009年10月24日土曜日

図書館

 
 
 ∧∧  あの子はもう、到着した頃でしょうか
( ‥)
 -( ‥)たぶん、そろそろつく頃ではないかな。

 神奈川県は冷たい雨である。あちらはどうだろう?

 さて、

 本日は図書館で話をすることに。

 話し終えて、なんとなしに図書館の人と話をするさいに、十進法分類の話になる。その本に目を通してみるとなんか楽しい。

 ∧∧
( ‥)電話帳みたいなもんでしょうに

    (‥ )人の作りし分類ってのは楽しいじゃないか。

 話をさらに聞けば、本の分類は世界の有り様の変化によって変わり、旧来の十進法分類をあえて破壊する配置に本をならべる場合もあるらしい。十進法分類を知っている人は頭がこんがらがるが、知らない人にとっては便利。



 

2009年10月23日金曜日

正当化できるくくりをなぜ発見できる?

 
 くくりは恣意的なものでもなんでもいい。それが結果的に生き延びることができればそれでオッケー。もちろんオッケーと言うには、”適切であると検証済みの解析手段”を用いた条件下で生き延びることが必須条件。

 ∧∧
( ‥)とっ、あなたは考えるわけですか。

    (‥ )だって、客観的に絶対的な”くくり”の基準なんて
        我々は持っていないだろ?

 そんな物差しが外界に存在するなんて話は聞いたことがない。中性子とか原子核とかそういうのはくくりや物差しになるんじゃないか?と言う人もいるかもしれないし、そうかもしれないけども。まあそれは置いておくことにしましょうか。

 ともあれ、個人的に不思議な問題だと思うのは。

 ∧∧
( ‥)なぜ我々が”極端にめちゃくちゃなくくり”を
    採用しないのか、そういう問題ですか。

    (‥ )馬の目とトンボの足を同じものであるとして
       他のものから選り分けてくくったりはしないよね?

 馬の目とトンボの足といっている時点で破綻しているのだけども、例えば馬のトルンバとトンボのトルンバは同じものである。へーっ? トルンバって何? どこの部分と聞くと我々が言うところの馬の目とトンボの足を指差された。

 ∧∧
( ‥)そんなことがあったら、トルンバというくくり自体を
    疑いますよね?

    (‥ )まーそうだろうねー

 おかしなもんで人間はこんな”むちゃくちゃなくくり”を普通しない。それに個人個人でくくりがぐだぐだで、個人ごとにくくりが全然違うということもない。無秩序ではないし、現実とのずれがあってもさほどずれていない。

 ∧∧
( ‥)トマトは赤いから果物だ、きっと木になっている
    そういう子供はいても(これはある程度正しいとも言える)

    (‥ )トマトはオコゼに近い、トマトのヘタは
        オコゼの尾びれと相同だ、なんて言わないよな。

 人間が採用するくくりは現実から”さほど”ずれていない。でもなんでこんなことが起こるのか?

 ∧∧
( ‥)人間とあなたたち自身が呼称する個人の集合が
    共通祖先からほとんど同一の神経を受け継いだから
    認識/情報の処理がおよそ均一なんでしょ?

    (‥ )だけどもそれだけじゃないだろ?

 つまり、色々と経験に照らしてみても、どうもくくりそれ自体はそれなりに妥当であるらしい。そりゃあ馬の足とトンボの足、馬の目とトンボの目、それぞれ機能的な意味だけで同じ”足”だの”目”だの言っているかもしれないが、結果的に間違いであったと言えるかというとそうでもない。

 ∧∧
( ‥)経験的に言ってしばしば妥当なくくりかたを
    しているらしい。ではそんなことがなぜできるのか?

    (‥ )そんな能力をどこで獲得したのか? 
        そういう言い方をすればより”理解”がしやすい?

 ようするに多分あれだ、どちらも赤いのだからイチゴと同じくこのベニテングタケも喰えるっぺや、そんな”くくり”をした奴は死んだってことなんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)まあ毒の有無は経験的に知るのかもしれませんけどね。

    (‥ )でもシカの足とウサギの目を同じだとくくるやつは
        ウサギが走ると”まばたきしている??”と思うわけだろ?
         それじゃあ生きていく上で不都合じゃあないのかい?

 経験に照らし合わせても結果的にまあ妥当な”くくり”を発見できるのは、これはやはり(あるいは当然)進化の過程で手にした能力であるということで。

 とはいえ

 ∧∧
( ‥)でも人間のくくりってすごく”実用的”な面を
    要求されているせいか、しばしばとんでもないことに
    なってますよね?

    (‥ )クジラを魚に分類したりね。これは硬骨魚類の範疇次第では
        微妙な問題であるが。あれって生活の上では当然だよなあ。

 クジラを獣であると分類することは生活するさいにおいて妥当であるとは多分いえないのじゃあなかろうか(この場合の妥当でないとは、狩りによって1日あたりに手に出来るカロリーが減るという意味)

 妥当なくくりを発見する能力は人間にはある程度そなわっているに違いない。そうは思うのだけども経験に照らし合わせて考えていくと、それが破綻する場合も当然あり、実際にあり、そしてそれにはしばしば積極的な理由があるんじゃないのか、と。


ちなみに

    (‥ )この書き込みではバブルス君よりもジョージブッシュJrに
     -   系統的に近いものはすべて人間と呼称しています。
 ∧∧
( ‥)単系統そうでよかったですねえ。

 


2009年10月22日木曜日

そのくくりの正当性はどう論証すれば論証できる?

 
 中途半端で恣意的なくくりで解析をしてもいい/あるいはよくない理由とは何か答えよ。

 ∧∧
( ‥)というお題を試験で出されたらどう答えます?

    (‥ )そうさのー

 恣意的でも中途半端でも取りあえずやってみればいいんじゃないすかーと答えてみる。

 ∧∧
( ‥)”いいんじゃないすかー”の理由とは?

    (‥ )この場合、”そのくくりが妥当か/否か”は究極的には
        そのくくりそれ自体を使用することで出した結論を、
         現実と照らし合わせて最節約に整合するかどうか
         それを見て、間接的に判断するしかないのではなかろか
         ということさね。

 くくりAを使った解析結果は現実と30ぐらい整合した
 くくりBを使った解析結果は現実と80ばかし整合した

 妥当なくくりはどちら?

 ∧∧
( ‥)恣意的でもいいと?

    (‥ )いいんじゃないの? 少なくとも最初は。
 
 ∧∧
( ‥)オレ様鳥進化論とかの人のデータのチョイスは
    恣意的だから駄目だってあなたは言ってるじゃないですか。

    (‥ )いいんだよ、最初は。

 問題があるとすれば、

:そのデータのチョイスは結局のところ怒濤のごとくおしよせてくる他のデータによって”チョイスの正当性”が脅かされる、というか破壊されてしまうこと

にたぶんある。

 ようするに最初から”破壊されてしまうのがすでに分かっているデータ”を説明もなくチョイスしているから、それを恣意的だと表現しているわけであって。

    (‥ )より詳しく言えば”すでに見込みのないデータのチョイス”は
        正当性の根拠が”最初”から不明であり、
        それを悪い意味で恣意的だというのさ。
 ∧∧
( ‥)恣意的にも悪い恣意的と良い恣意的があると?

 あるいはこう? 

破壊されてしまうことがすでに分かっているくくりやチョイス


まだ破壊されるかどうか分からないくくりやチョイス

とがある。

 思うに、一般的には支持されない仮説、たとえば、鳥はこのように進化したに違いない。そしてこの発見に気がつかない研究者は馬鹿に違いない。というオレ様鳥進化論を言う人は、”破壊されてしまうことがすでに分かっているくくりやチョイス”を自分が使用しているということを”まだ知らない”。だから本人はたぶん、自分のデータのチョイスや答えの出し方が恣意的だとは思っていない。

 おそらくそれで十分だから教科書を読まないし(既に”正しくない”と本人が”分かっている”ことが書かれた本は読む必要が当然のことながらない)、異なる解析手段を用いているから、研究者の使う解析手段は”古いパラダイム”だとか”保守的だ”とか”不十分だ”、”間違っているに違いない”と彼らが主張するのは当然。

 とはいえ、このような反応(別にオレ様鳥進化論に限らず、オレ様理論では絶えず出てくる反論)は実のところ解析手段の妥当性そのものが議論の的になっていることを、発言者が理解していないことを示している。仮に問題を理解している/あるいは意識しているのなら”保守的だ”とかそういう曖昧模糊な言い方はしない。

*エンジンの性能の差を議論している時に機械的な説明や熱力学的な指摘を行わずに”保守的だ”と論評したらそれは技術者からどう評価されるだろう?

 ∧∧
( ‥)そして解析手段の妥当性は現実と照らし合わせて
    はじめて確認できると。

   (‥ )そして”くくり”の妥当性はそのくくりを解析にかけて
       出した答えを現実と照らし合わせてはじめて
       評価できるんじゃなかろーかと。

 
   (‥ )言い換えれば最初はぶっちゃけこれでいこうー
       でもいいってことじゃないのかね?
 ∧∧
( ‥)解析手段の妥当性もくくりの妥当性も
    現実世界でのテストをくぐり抜けたら
    それでいーじゃないということですか。

 というよりもそれ以外に”そのくくりが妥当か否か”を識別出来る点はないのだと思う。
 

 ∧∧
( ‥)結果次第であると。

     (‥ )たぶん、そうなんじゃねーの?
 


ミッシングリンク それは謎

 
 進化論はミッシングリンクの問題を解決できていないではないか、中間種が未発見であることを解決できていないではないか。


   (‥ )と息巻く人が、自分の人生が実在することに関しては
       露ほども疑っていないのは、これ不思議。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあそうですね。

 あの手のお利口さんはいつもそうだ。不完全なデータでは正しい答えなど出るわけないと言って、自分の足下を切り崩していることに気がつかない。


 それは心の謎である

 

 

スーパーボール あるいはなぜ私はビー玉の模様を

 
 終わった。半分は終わった。取りあえず。

 ∧∧
( ‥)でもまだ半分だけですよ

    ( — —)はいはい

 さて
 
 早田文蔵さん。紹介された分類学に関するこの人の言及を聞いていると、なんというか

    (‥ )昔、透明なボディーの中にきらきら光るものを
        入れたスーパーボールがあったろ?
 ∧∧
( ‥)はあ、あれを連想するんですか?

 あるいはある種のビー玉を連想するのだぞなもし。

 そしてこんなことを考える。

それが投影される/あるいは切り出される。それはすなわち、スーパーボールなりビー玉の影を見ていることになる。それかあるいは

 ∧∧
( ‥)あるいはガラスだと”影”が屈折しちゃうから
    見たまんまな映像について言及している
     というわけですか。

     (‥ )僕らが見ているものは3次元かもしれないけども
         僕らが見ている映像自体は2次元だ。

 ”見る”というのはどうあがこうが2次元なのだ(おまけに処理の過程でゆがんで見える)

 そこで”低次元な切断面に射影してみました”と聞くと、こんなことを連想。

     ( ‥)イデアの影とは射影なのかね?
       -□
 ∧∧
( ‥)さあ? 影とは確かにいってますけどね。


     (‥ )円を回転させて組み合わせを変える。動くということは
         より高次元なものを投影しているからなのかね?
 ∧∧
( ‥)さあ? 確かに動くとか、”動く的”ってことでは
    ありますけどね。


     (‥ )スーパーボールやビー玉を見る時、
         向きを変えれば内部の森羅万象はその見え方を
         変えるわけだよね。
 ∧∧
( ‥)? まあ変化と動きではありますよね。

 イデアの影が動くとは、これは一体いかなることなりや?

 ∧∧
( ‥)まあ、イデアの影なるものが実際に森羅万象の本体、
    つまり森羅万象こそイデアを投影したものであると
    ブルーノさんが考えたかどうかはともかくとして、
    あなたはここで考えるわけですよ。

     (‥ )類似性に基づく人々が自分たちの考えは
         系統学よりも盤石である。そう信じた気持ちは
         分からなくもないよなあ、とね。

 ビー玉の中の森羅万象をすべて立体的に再現できたら、これこそ世界であり、これこそ森羅万象である。そう言うのは当然と言えば当然。

 ∧∧
( ‥)ただ、それはそのままでは複雑怪奇なので、
    あえて平面にしてみたり

     (‥ )あるいは複雑怪奇な有り様を処理しきれなくて
         平面図にまでしかたどりつけなかったり。

 どうも話を聞くに、世界はそういう図譜と無数の試みで満ちているらしい。

 そしてビー玉の中が森羅万象であるのだから、では、これを見ればよいではないか、というのは当然の結論といえば結論。

 ∧∧
( ‥)ただ、ビー玉の中の森羅万象の有り様に
     おかしなパターンが見えるわけですよね。

     (‥ )有り様の有り様、それ自体が何か別のことを
         指し示しているのだ。

 それは結局、

森羅万象、それ自体が過去においてはまるで違う姿をしていたことを。

そして現在の森羅万象それ自体がかつてから今に至るまでの間、ある原理に従って、今の姿を手に入れたということを。

そして森羅万象の今の有り様、それ自体の有り様にそのことを指し示す痕跡が残されていること。

それらを指し示していたというわけであって。

 ∧∧
( ‥)それは森羅万象、それ自体が別の何者かの影であった
    そういうことでしょ?

     ( ‥)だから系統学は表形学を圧倒し、
       -□ 表形学もまた分子系統学になったのだと
         思うのだけども(少なくとも生物学では)。

 そしてこうも思うのですよ。早田さんの美しい世界も、それは系統の影であったということなのだ。

 そしてこうも思う。

 分類に関する本であるのに、”分類の実質に関して著者は明言していない”、およそこれに近似な評価を時としてされているらしい、そういう書き方になっているとはいかなる意図があるなりや?

 ∧∧
( ‥)それは分類は森羅万象を”見た”ものだという主張と
    しかし森羅万象それ自体が実は別のものの影であったということと
 
      (‥ )それに気づかなかった、それを無視した
          しかし人がそうしてもそれはやはりそこにある、そういう
          人間の心の歴史と系統との関係と、
           整合的に符号しそうだと思うのだけどもね。

 ∧∧
( ‥)でもそれはあなたの”見た”世界なわけですよね。

      (‥ )いろいろな意味で見たのだ。

 
    

2009年10月21日水曜日

togarna

 
 togarnaってなんだ、とがるなって?

 ∧∧
( ‥)種小名でしょ?

    ( — —)由来ですよ、由来。etymologyですよ。


 記載が1867年となると絶望的か?

それは見た

 
 ふと視界を横切るものがいたので、ネコかと思い、目を向けると直射日光のもと、ハクビシンが塀の上を歩いていった。

 ∧∧
(‥ )夜行性じゃあないんですか?
 -
    (‥ )たまには出歩くんじゃないの?

 立派にハクビシン。白日のもと、ひょこひょこと歩くハクビシン。真っ昼間からハクビシン。ものの見事にハクビシン。

 ∧∧
( ‥)そして今のあなたは〆切りです

    ( — —)なんかこう・・・

 

2009年10月20日火曜日

流星5つ

 
 1:00から2:00まで公園で夜空を眺める。

 1:16にカシオペア座、1:20にさんかく座のあたり

 1:45ぐらいにおひつじ座

 それから後はヒアデス星団をかすめた短いものと、とぎょしゃ座を流れたもの

 合計5つの流れ星。

 ∧∧
( ‥)でも、最後のぎょしゃ座を流れたのは
    東西に流れていたから。

    (‥ )あれはオリオン座流星群のものじゃないよね。

 オリオン座流星群のものと思われる流れ星は全部で4つ。もしかしたらもうひとつあったかも。とはいえ、

    ( ‥)星図ぐらい用意して記録すればよかったな
      -□
 ∧∧
( ‥)まあ、明日以降にそれは行いましょう。

 風が南風だったせいなのか? 夜空はこのあたりにしてはかなりよかった。
 
 エリダヌス座を追跡できたし、くじら座の輪郭がたどれるくらい。しかしミラは今だに見えず。
 

2009年10月19日月曜日

星団

 
 夜の2:00。空は晴れていたのだけども、残念、流星は確認できず。とはいえ、神奈川県のことあたりとしてはずいぶん良好な星空で、なんといってもウサギ座がちゃんと分かるくらい、いい夜空。

 ∧∧
( ‥)それにしてもウサギ座が分かりますってのも
    なんかあれですよねえ。

   (‥ )いやだって昨晩などはウサギ座すら
       よくわからなかったではないか。

 周囲には東京、横浜、川崎、厚木、小田原、八王子、調布、所沢。これだけの都市群に囲まれていて空が明るくならないはずがない。暗い森の道を通っていても手を見ればそれがはっきりと分かるし、そんな程度の闇夜でも、それに慣れた目、森を抜けた後に空をもう一度見上げてみれば、暗く見えていたはずの夜空が”白く”見えるありさま。

   ( ‥)それでもヒアデス星団の星を11個、
       はっきり確認できるぐらいには良好なのだ。
 ∧∧
( ‥)先日は、9個? いやもう少し見えるかなーでしたしね。

 ヒアデス星団はばらっとした星団。しかしアルデバランがあるせいか(本当はアルデバランとヒアデスは見かけだけの関係のはずだったけども)、あるいはそれがなくともざっくりと星があるせいか、あれはあれできれいな星団。もしも地球がああいう星団にもっと近かったらどうだったろうか。

 ∧∧
( ‥)夜空は明るかったでしょうね

    (‥ )別の意味でね

 プレアデス星団に近かったらどうだろう。1年の半分は夜空にガスで包まれた強大な星々が輝くことになっていたら。

 ∧∧
( ‥)天動説。最も外側の天球に神がおわしまし、そして
    天球の原動力をより下位の世界へと伝える。
    そういう世界観のままかもしれませんね。

    (‥ )木星はジュピターって呼ばれなかったろうなあ。

 というかゼウスが雷神であると設定されるかどうかも怪しい。

 

2009年10月18日日曜日

樹々をぬって落ちる

 
 急げや急げ、やれ急げ。近所の町にあるちょっと大きな、しかしなんか微妙な古本屋でごそごそと雑誌をあさる。

 とっくの昔に廃刊になって消え去った、日本にかつてあった幾多の科学雑誌の中でもその栄光と恥部をともに抱え込んだような月刊誌。植物には戦略などないのだ、偶然です、ダーウィンではわからへんのやの言葉が踊る。新発見?の恐竜の報告をこんなところでしてしまって、これは記載ではないと断りを入れた記事はいつ見てもなんともシュールと言えばシュール。

 でっ


    ( ‥)さすがに使えるものが混ざっておるがな
      -□
 ∧∧
( ‥)今回、くだんの人たちの寄稿文もありますね


 どさどさ購入して、しめて9000円なり。



 さて

 今朝方、朝の2:00に外へ出たら空は曇ってあたりは濡れたままだった。夕方の雨の名残がまだ残っている。しかし3:30には晴れていた。というわけで公園へ。

 ベンチはびしょびしょだったがタオルで拭く。空を眺めることおよそ45分。

 ∧∧  流れ星は1つだけでしたね
(‥ )
 -( ‥)まあ、それは時の運さね、やもえまい。
     休んで星を見られることをまずは良しとすべし。

 その流星は3:50ごろに西の地平線近く、魚座のあたりを流れたのだけど、ちょうど見ている場所からは樹々と枝の間。流星群の輻射点から出ているのかまでは正確に把握できず。


 

2009年10月17日土曜日

なんじゃこりゃ

 
 調べものをしていたら

 ∧∧
(‥ )なんですか? これ?
\-
   (‥ )んー?


 ・・・あー、つまりあれですか。イラン革命の前に採集したままほったらかしだった標本が、second specimen を採集したことでほぼ40年ぶりに(おかしな)新種だと確認できて、そうして2006年に記載していたと。

 ∧∧
( ‥)次ぎの本に書きますか?

    ( ‥)どーだろうねえ。

 新種だとか新ネタだからといって、腹減った魚が釣り餌に食いつくように飛びつくってのは、それはどーなのよ?

    (‥ )手堅いことをしたいのだ。       
 ∧∧
( ‥)サイン配列の時は突っ込んでいったのに??



    ( ‥)サイン配列は例外だよ。
 ∧∧
( ‥)またそういう風に疑り深い性格が出てくる。

 
 と思っていたらYou tubeに動画が・・・・

     ( ‥)イラン革命から30年。
       -/ あの当時は子供だったが世界は変わったな・・・
 ∧∧
( ‥)さあ、どーするんですか?

 一応、紙媒体でもクロスチェックしたいんですけどね。

 
 

本のありかた

 
 すでに書いたように「分類思考の世界」は読み終えたのだけども。

 ∧∧
( ‥)どうでした?

    (‥ )楽しい本だったよ。普通に素直に楽しめた。
        よく整備されたワンダーランドって感じかね。

 こんな読み方が正しいのか/妥当なのかどうかは知らないけども、イデアの影のままに読める/組み合わせる/を楽しんで、それを推論することができるというのなら楽しいのは当然。

    (‥ )さながら万華鏡
     □-
 ∧∧
( ‥)さりとてでたらめでもないと。

 そりゃあそうなのだ。ただ単に偶然とかランダムな組み合わせを楽しむのなら、それはきれいかもしれないけども”記憶術”とは言いません。

 とはいえ

 この本は親切と考えるべきだろうか、それとも意地悪と見るべきだろうか?

 ∧∧
( ‥)?

    (‥ )作者の主張が分からん、という向きもあるようなんだよね
     □-  確かにそうだとも思うし、でもこうも思う。
        その疑問、前の部分や後の部分で明言してませんかねえ? 
         とね(あくまで解釈)。

 ∧∧
( ‥)○○は△△であると指定しないと
    明言だと”認識されない”ってことじゃないですか?

    ( ‥)みんな”そういう本”に慣らされているからなあ・・・
 
 分かりやすい本。

 はあ、”分かりやすい”ねえ・・・・。分かりやすいってそれが何を示しているのか、一体全体、それを言っている発言者は自分が何を分かって言っているのか、それをちゃんと理解しているのかい?

 ∧∧
( ‥)分かった/分かりやすい/分かりましたは
    何かを保証できるわけではないと。

    (‥ )相手の喜ぶ嘘を教えれば、相手は大喜びで信じるからな。

 君は世界でたった一人の君だから、それだけで十分。これはとても大切なことなんだ。だから前を向いて今のままでいいんだよ。

    ( ‥)駄目だ、こんなもろばれな嘘しか思いつかん
 ∧∧
( ‥)あなた、詐欺師には向いていませんね・・・


 ともあれ

 売れる本を分かりやすい本を、とやっていくうちに出版界はどんどん劣化。作る方も読む方もどんどん馬鹿に・・・・・と思いつつも。

 ∧∧
( ‥)でもあなたはそれを否定してますよね?

    (‥ )そうねえ。

 読者が馬鹿になったから携帯電話に流れたんだとかたわ言を言う奴もいるけども、いやいや本なんてもともとばっかなもんなんですよー、専門店でない新規の古本屋/というか本のリサイクル販売店にいってごらんよ。人間ってどんだけ馬鹿なものを作ってきたんだろうと思うし、それでいいんじゃねーの。人生なんてどうせゴミくずみたいなもんなんだ。しかしそれでいいじゃない。だけども、だから、オレ様たちはいい本を作ってきたのざます、オレ様たちこそ本の価値を分かる選ばれしものでございますなんて平気で言うような編集者はちゃっちゃとくたばればいい。

 と思いつつも

    ( ‥)こういう作りの本も作れるわけだよなあ
      -□
 ∧∧
( ‥)「系統樹思考の世界」はもっとぶっ飛びでしたけどね。

 嘘!!?? こんな構成ありかよ、まじっすか??? と思ったもんだけども、しかしとはいえ「系統樹思考の世界」は思うに内容まんまな構成。あんだけ正直な本は見たこと無い。二次元でしょ? といったら三次元ですって答えだったけども、いやいや投影すれば二次元になるでしょ、と言いつつも。

 ∧∧
( ‥)今回の本こそ二次元なのでは?
  -□
     (‥ )やっぱ「系統樹思考の世界」は三次元かあ。
      □- 
 
 でっ次ぎにこれを見せられたら、いやあどうしたもんですかね。

 

オレ様メモ

 
 オレ様理論を考える人々、それがオレ様理論屋さん。

 ∧∧
( ‥)そもそもカテゴリーとしてくくれるほど
    共通の特徴があるのかどうか・・・

    ( ‥)それはまた今度ね。

 ともあれ、忘れそうなのでメモとして。

 前につらつら書いたこと。オレ様理論屋。例えばオレ様鳥進化論の話を端から見ていて思った。ああ、進化のシナリオ考えてから系統を論じちゃうんだ。それってへたすりゃ循環論法だよね、もちろん悪い意味で。

 ∧∧
( ‥)今の研究者はそんなことしないと。

    (‥ )30年前なら良かったんじゃない?

 たぶん、そんな議論をするのが1世代遅かった。

 ともあれ思う。最初のアイデアはそんなもんでもいいんだ。問題は検証する方法論そのものが妥当かどうか。

*例えばの話、オレ様はプロ選手になるのだと根拠もなく思ってもいいが、それが成功するのかどうかは本人の努力というよりは、努力をどこに投資したのか、その投資の成功次第。つまるところ努力自体は成功をまったく保証してくれない。無駄な努力ってあるわけだし。

 でもって思う。オレ様鳥進化論。いや、これはオレ様人間進化論(人間アクア説とか)とか色々な例があって、人間の歴史って範囲にまで広げればげんなりするくらい”色々な歴史ミステリー”が過去には”実在した”らしい。

 ∧∧
( ‥)でっ、それはデータの解析がなってない
    結局は解析手段を持っていないと。

    (‥ )データを恣意的にチョイスした、ということでもある。

 そして思った/書いた。ようするにそれって人間の脳では解決不可能な大容量のデータを恣意的にチョイスすることで扱えるレベルにまで軽くしたってことじゃねーの?

 というモデルで考えた場合。

 ∧∧
( ‥)予測されるべき行動は何か?
    その検証手段を考えなさいと?

    ( ‥)まーそういうことなんだけども。



 さて?


 

 

2009年10月16日金曜日

検証可能なモデルを作れ

 
 思うに。

 オレ様理論。

 古今東西、洋の東西を問わず存在するオレ様理論。進化に限っていってもオレ様進化論もあればオレ様鳥進化論もあるし、オレ様人間進化論もある。

 まあどれも同じ欠点を抱えていて、データをどう解析したのかが不明。ようするにデータの解析の仕方が恣意的。

 そしてどれも同じ痛い点を持っている。例えば、教科書を読まない、研究者が何しているのか調べもしない。そのくせ自分は彼らよりすごい!! と思い込んでいるのはこれまたいつも共通。

 ∧∧
( ‥)でっ、次ぎに何を言うかも予測できると。

    (‥ )そうねえ、さる人も言ったように予測できるねえ。

曰く:オレ様に反対する人間は保守的である
曰く:オレ様に反対する人間は古いパラダイムに捕らわれている
曰く:オレ様に対してその言い方は失礼だ
曰く:オレ様を認めない相手には人格的な問題があるに違いない
曰く:オレ様、実験や検証はしたくない
曰く:オレ様、教科書や論文は死んでも読みたくないけどお前たちが間違っている
曰く:オレ様が認められないのは世界がおかしいからだ



まあ、だいたいこんなん。いつも彼らはこの道を通り過ぎて、そうしてどこかへいってしまう。

とまあ、このような予測はつくもんで、そして彼らはいつも予測通りに推移する。弱ったもんでこれを自力で突破したオレ様理論屋さんは、さてはて聞いたことがない。。

そして予測がつくとは、「オレ様理論の人ってこういうのだろ?」というモデルが出来ているってことなんだけども。

   ( ‥)しかしこれではなあ、今まで見たカラスはがーがー鳴くから
       今度のこのカラスもがーがー鳴くでしょう
        そう言っているのとあまり変わりないよなあ。
 ∧∧
( ‥)オレ様理論屋さんを説明する仮説は果たして科学として
    成立するのかってことですね。


   (‥ )このままではオレ様理論を説明する理論がオレ様理論に
       なってしまう。
 ∧∧
( ‥)オレ様理論のどこがいけないのか、それを指摘するのは
    楽なんですけどね。

 しかり

 オレ様理論の悪い箇所を指摘するのは楽だ。

 オレ様はデータを解析した。

 なるほど、ではその解析の仕方は具体的に何で、その解析の仕方それ自体の妥当性はどうやって担保しているわけ? と聞けばいい。

 ∧∧
( ‥)草野球で年間に200本のヒットを打ったと言っても

   (‥ )200本打ったというデータからオレ様すごいと結論した。
       ではその200本打ったからオレ様はプロでも通用するという
       その解を導いたその”解析”の妥当性は何か? それを聞けばいい。

 それでも帰らなければ、じゃあテスト受ければ?(オレ様理論屋さんには論文書けよ)と言えばいい。(ちなみにオレ様理論屋さんはオレ様の意見は論文じゃないけど、お前、とにかく引用しろと平気で言ったりする)。

 さて、彼らはいつもそうだ。そういうのは簡単だ。

 そして当たり前の意見でもある。

 AもBもそうだからCもまたそうだろう。そういうのはものすごく当たり前なので、オレ様理論屋が次ぎにこんなことをするだろう、と予測するのは実際、当たり前にできる。

 しかし問題はその先。

 ∧∧
( ‥)どんな機構でそれが起こるのか?それを推論する。
    そしてその先が問題ですね。

    (‥ )オレ様理論屋さんはこういう思考形態で活動し行動する
        そういうモデルを作って、それを”適切に”検証できたら
        その問題は解決される。

 オレ様理論屋はいつも論文も教科書も読まずに、オレ様は教科書を越えたっ!!と主張する、それって馬鹿じゃねーの? と評価するのは、まあ馬鹿って言い方がいいのかどうかはともかく、”それおかしくね?”という意味合いで表現するのならそりゃあそうでしょうねえ、そう思う。

 ∧∧
( ‥)言い方はともかく評価はそうだって
    ことですか。

    (‥ )草野球ですごかったからといって今すぐプロの試合に出せ
       と言うのは馬鹿じゃねーの?=あなたはデータから妥当な解を
       導いていないのではないでしょうか?という意味合いでなら、
       その評価は当然の評価であろうと。

*注:つまり馬鹿という表現はそれ自身では何も保証していないってことでもある
        

 しかし、”オレ様理論屋はこういう思考形態で活動し行動しているに違いない、オレ様理論屋って馬鹿じゃねーの?”で止まってしまっては困る。

 ∧∧
( ‥)それだとオレ様理論と同じであるとは言えませんが、
    同じ状況であるとは言えますよね。

    ( ‥)言い換えればこうだな、検証可能なモデルをまず
        作らねばならない。そして検証しなければならない。

 もちろん、妥当な方法で。

 ∧∧
( ‥)オレ様理論屋さんを科学の対象物とすると。

    (‥ )そうでもせんと理解できんではないか。

 

オリオン座流星群

 
 昨夜、というか今朝にあたる夜の3:00頃、仕事の合間に一息いれようと公園まで散歩、ベンチで寝ていたらひゅかっと流れ星。

 ∧∧
(‥ )おや、明るい。流星痕も残りましたよ。

    (‥ )流星痕を見たのはひさしぶりだなあ。

*流星痕:明るい流れ星が流れた後、その痕跡がすじのようになってしばらく見えること

 ヒアデス星団とプレアデス星団の間を通って消えていった。帰り際には南西の地平線の直上を下に向かって流れた明るい流星があったけども。先ほど調べてみたら、

 ∧∧
(‥ )国立天文台によるとオリオン座流星群がピークになるそうです
\-
    (‥ )へー!! 

 今夜も見に行こう。

 HPには流星群の流れ星とそうでない流れ星の見分け方も載っている。


 

すべての知識を体系的に表現できる

 
 日の落ちかかる公園にいってベンチに座り、「分類思考の世界」を読んでいたら目の前のベンチにやってきた老夫婦。そこでおばさんが旦那に言うのです
「こういうね草がね、生えていてね、引き抜くと根がこんなでね・・・」
といって次々にあたりの草を引き抜き始めた。ちょうど第12章の最後、愛について語られている部分を読んでいるところだったので、笑った。

 ∧∧
(‥ )・・・なんでしょうね、公園の雑草、それも
    ある種のすえの高めなイネ科植物だけを引き抜くというのは

    (‥ )自分の家の庭と勘違いしているんじゃないか?
     □-  ”雑草は抜かねばいけない”というプログラムに沿って
         行動しているんじゃないの?

 ∧∧
( ‥)それは妄執でしょ?

    (‥ )愛とはしばしば妄執なのだ。
     □-  

そうして11章、12章、エピローグ、後書きまで読み終える。ちょうど読み終える頃、老夫婦は去っていった。

 ∧∧
( ‥)・・・まあともかく、本はようするに全部読んだわけですね

    (‥ )一応、本文はね。

 種と我々が呼ぶもの。それは生物の系譜をある時間面で切って、その断面を見ていること

 いやいや

 その断面を見て、それが種だーとかなんとか言っているうちに把握出来た種の数が脳の限界を越えたので色々と整理してみました。それが分類学。

 ∧∧
( ‥)そして種はどこから来たのかというと

    (‥ )人の心の中からやってきた不滅のものだ
        ということになる。

 とっ、言うわけでこの本で一貫して述べられ続けてきた”種の起源”が明らかになる。

 いやいや

 それぞれの章をがちゃこんがちゃこんと回転させて組み合わせると、そういう答えがすらりと答えが出てくるというべきか

 ∧∧
(‥ )なんか、、、、まんまな本というべきですかね?
 □-
    (‥ )前回の「系統樹思考の世界」もまんまな本だったけども
        今回もやはりタイトル通りの確信犯的な構成と
        いうべきなのかね。

 ∧∧
( ‥)でっ、しかしながらそれはあなたの仮説を通してみた推論であると

    (‥ )そういうことになるねえ。
 
 ともあれ、引用するにこう。

「種」を発見するとか「分類」を構築するという行為は、あらゆる意味で「推定」ではありえない。「種」や「分類」には推定すべきパラメーターは何もないからである。pp299

 ∧∧
( ‥)それって科学ですか?

    (‥ )パラメーターがないのに優劣を比較しようって行為は
        どういう意味で自然科学なのか? とは
         問われるんだろうね。

 それでも種や分類は誰でも求めるものなのだ。最近、Wikiを見て何を笑ったかって、テタヌーラにご丁寧に分類階級がつけられていたことで、提案者がPhylogenetic taxonomy で定義付けをしていようが、単系統群の名称として設定されていようが、提案者が分類階級を放棄していようが、そのまま分類階級をつけると下目の中に鳥綱が入ってくるはめになる(つまり分類階級の入れ子構造それ自体に破綻が生じる)ことになろうが、そんなことどうでもいいらしい。

 ∧∧
( ‥)そこまでしても分類階級が欲しいのだと。

    (‥ )そしてその階級を正当化すべき
        パラメーターは確かにどこにもないのだ。

 まさしく愛ですよ。愛。すばらしいねえ愛ってやつは。
 
 
 

神殺し

 
 第10章。

 神殺しのチャールズの名の下に種を救済する人によって、種を奪われた人の物語?

 ∧∧
( ‥)でもダーウィンさんって”種”殺しの人ですよね?

     (‥ )こういうのは皮肉っていうべきなのかね?
         言うとしたらどんな皮肉カテゴリーなんだろうね。

 ブラックウェルダーさんの意見はこれを読む限りではものすごくまんまな意見。

:進化や種分化の機構は分類学にはなんの関係もない。

 ∧∧
(‥ )言い切りました
 □-
     (‥ )そうねえ、関係ないのかもね。
 
 というか、多分本来、分類学にとって進化だの系統だのって関係ないですよねえ。

 

 

 

広がる世界

 
 なーんか頭がぐでーーっとしている状態。起きて仕事、寝て起きて仕事。もう、間に合わないんじゃないの?? ミイデラゴミムシのスプレー攻撃の仕組みに関してささっと目を通す。仕組みはものすごく単純らしく、過酸化水素水にレバーを突っ込んだ状態。とはいえ、できた酸素とハイドロキノンなるものが反応したりと、極短時間の間に何が起きているのやら。

 さて

 「分類思考の世界」は8章、9章。読んでいきなり世界が広がった。いやあそうではなくて

 ∧∧
( ‥)歩いていたらこれまでいったことのない場所に出た?

    (‥ )やっぱり世界が広がった?
     □- 

 ∧∧
( ‥)あなたはもっとちゃんとリサーチすべきです

     ( ‥)まあ、そうなんだけどさ。

 さてさて

 ∧∧
( ‥)種がシステムだとかなんとか、もろもろの人が語った
    そういう意見をどう見ます?

    (‥ )第5章のモーニング娘。を見よ?

 それなるものが動作しているところを実際に見て、記述するなりなんなりしてればそれでいいんじゃないすかーという立場で、システムって何??と言ってみる。

 ∧∧
( ‥)でもモーニング娘。がindividualなのか?とか
    実在するのか? とか システムなのか?とか
    言い出したら。

    (‥ )じゃあそのindividualってどう定義すればいいんよ??
        とかそういう展開に議論が達したら地獄絵図?

 でっ、ある意味その地獄絵図を作ったやつは誰だ? お前か??? という話といえばいいのか。

1:ポパーさんたちの意見
プラトンからマルクスまでの知的伝統がそれを作った

2:マリー・ウィンザーさんの意見
いやでも1の意見って不十分じゃない? ダーウィン以前の分類学もなんかこれで定義しまっすとかそんなナイーブなこと言ってないし。

 ∧∧
( ‥)じゃあ誰が犯人?

    (‥ )これだけあっちゃこっちゃで”事件”が出てくるっていうのは
     □-  知的伝統うんぬんにしては幅が広すぎるよねー


例:マルクス主義者と分類学者のマイヤと系統学者のヘニックの意見が収束する/あるいはそういう側面がある。

 ∧∧
( ‥)じゃあ共通原因はもっと別で、
  -□ もっとでかいという展開に。

    (‥ )プラトンは人間の心にとらわれて
        いであーーーーっと叫んだゆかいなおっさん。

 

 

2009年10月14日水曜日

なんとかしてくれセニョール

 
 それにしても論理、論理と得意げに言うくせに、いざ公理系と論理式を見るとびびって逃げ出し、言葉の定義は正確にしなくちゃいけないんだい!!と神経質に言うわりには定義とカテゴリーの由来を平気で無視する。

 ∧∧
( ‥)あなたたちお猿さんは一体なんなんですか?

    (‥ )しょうがないんだアミーゴ。

 トンボには赤が分からないのと同じなんだ、しょうがないんだよアミーゴ。




 最近覚えたやりとり:なんとかしてくれセニョール、しょうがないんだアミーゴ。


残骸のオレ様

 
 さてさて、第7章はルイセンコ騒動と種の実在論。当時、「二つの遺伝学」は誰もが読むべき権威ある基本文献だと考えられていたって、まじですか・・・。

    ( ‥)もはや別の宇宙の話だな
 ∧∧
( ‥)異次元ですね。

 観念論的なメンデル遺伝を排し、実践的なミチューリン農法(ルイセンコ農法と翻訳)を行うべし、そうねえ、徳田って人たちはそんなこと言っていたよなあ。

 ∧∧
( ‥)メンデル遺伝学が観念論的?

    (‥ )そうねえ、「二つの遺伝学」を読んだ経験からするに
        これは仮説的、と翻訳すれば理解できるかなあ。

 仮想的な存在を前提すれば観念論的なんだそうだ(彼らは電子をどう思って工学したんだろう?)

 いやもっと平たく言うとマルクス主義と弁証法でないものは観念論的である、そう翻訳すればいいか。さらに言ってしまえば観念論的=悪い、と翻訳すれば彼らの言ってることが理解しやすいかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)悪いから悪いってそれだけじゃ意味ないでしょ?
 
    (‥ )意味ないよ。というか実際に意味なかったし。

 ルイセンコや徳田って人が言ったことは正直、うすっぺらのぺらぺらで、要約してしまえば

マルクス主義であるものは良い
ルイセンコの考えに従えば農業に革命が起こるはずであり、農業生産は無限に増大するから良い
ルイセンコの考えはマルクス主義的であるから正しい

マルクス主義でないものは悪い
メンデル遺伝学は農業生産を無限に増大することを保証しない
メンデル遺伝学はマルクス主義的ではなく、だから間違っている

まあ、こんな感じ。

 ∧∧
( ‥)じゃあ、実践的とは?

    (‥ )マルクス主義に基づいて何かする、と翻訳すれば
        たぶん、理解できると思う。

 彼らの実践的という言葉には”政治運動”の意味はあるが、実験するとか検証するとかそういう意味はない。あるいはあったとしても使用に耐えられないほどに意味が希薄。さもなきゃ遺伝子資源を求め集め続けたヴァヴィロフを殺したりはしない。実験とか検証とか仮説の妥当性とか、そんなもの彼らにとってどうでもいいことだったんだろう。というかそれはすでに分かったことだと思っていた、”解決済み”だと認識しているから無視できたんじゃなかろうか。

 ∧∧
( ‥)でも、運動すれば検証することになっちゃうでしょ?

    (‥ )だから破滅したんだろ?

 しかし本体が破滅してもなぜか残響が残ることがある。というか”良いのだから良い”なんてことを言ったのがいけないのか、はたまた”論理的であるのだから正しいのだ”なんていうごたいそうに聞こえる無意味を振り回していたのがいけなかったのか。

 頭がなまっていたのかもしれない。

 そして確かに70年代になってDNAも紹介しているのにマルクス主義だの弁証法だの言っていた本もあった。

 ある意味、オレ様理論の最悪の面がただひたすらに出た事件。それがルイセンコ。検証の従わないオレ様理論なんてゴミくず以下ですよ。以下。

 ∧∧
( ‥)でっ、この種なるものがある機能を果たすという
    残響はどうなるんでしょうね?

    (‥ )それはここから先を読まねばなあ
     □-



 
 

ぐるぐる

 
 「分類思考の世界」ででてくるメタファーとメトミニー、何の気なしに調べてみればシネクドキなる言葉もあるそうな。

 ∧∧
(‥ )シネクドキ、、、提喩?
\-
    (‥ )どれがどう違ってどう使うんだろうねえ?

 ようするにメタファー、メトミニー、シネクドキ、これらは全部人間が表現で使う比喩を分類したものらしい。

 ∧∧
( ‥)ということはシネクドキは比喩カテゴリーってこと?

     (‥ )クラゲを海月と書いたら比喩タクソンかね。

 どの比喩カテゴリーに所属する比喩タクソン?

 ∧∧
( ‥)この議論をより正確に展開するために
  -  言葉を正確に定義し、公理系にするのです

     (‥ )でっ、比喩タクソンと比喩カテゴリーって
         そもそもどっからきたの? という問題は
         置き去りにするわけか。

 ついでにいうとおかしなもんで、世の中には言葉を正確に定義して論理的に構築すれば問題ない、と考えている人や、あるいはそれですべてが分かったと感じる人、おれって巨大な知識の体系を手にしたじゃん!!と有頂天になる人(オレ様理論屋とかもそうなんでしょうね)は結構いる。

 そのくせ、”では公理系にしましょう”という提案はいつも無視されるらしい。

 ∧∧
( ‥)なんででしょうね?

     (‥ )なんとなーく論理的? という満足感があればいい。
         そういうぬるーい世界観なんじゃない?
 
 ∧∧
( ‥)でっ、根本の”カテゴリー”とか分類とか
    定義の出所問題は置いてけぼりですか。

     ( ‥)世の中の知識体系の大部分は
         出所不明な分類をなんとなーく論理的に
         組み上げただけかもしれないねえ。

 でっ、インテルメッツォと第7章を読んだのだけども。

 早田文蔵さんの世界観は詩的できれいだけども、これはどう理解したらいいんだろ?

 ∧∧
( ‥)この人にとって曼荼羅ってどう見えたんでしょうね?

     (‥ )? この宇宙、たぶん3次元の宇宙を2次元に
         投影した平面図か何かだって思ったのかね?

 あの曼荼羅ってやつはするとあれか? ひっぱるとぺこぺこぺこぱこここってのびて立体物になって全宇宙を体現するものになるって理解なのだぞなもし?

 ∧∧
( ‥)宇宙を体現するというスローガンをそのまま
    理解したらそうですよね?

     ( ‥)分類は多次元形質空間におけるパターン分析・・・
       -□ この場合、種なるものの認識はどうなるのだね?

 特徴が無数に浮かぶ世界の中で、ある面から見るとなんかまとまりがあるように見える。そういうこと?

 ∧∧
( ‥)別の面から見たら、別のまとまりが見えると?

     (‥ )だから動的?
 
 
 
 

2009年10月12日月曜日

びりびりする

 
 センニンソウ。HPにアップしているけども、茎をかじったら爽快感があるというのは少し補正しなければいけなさそう。

 ∧∧
( ‥)茎はある程度は爽快感というか
    刺激があるんでしょ?

    (‥ )青臭いけども、刺激があることはあるんだ。
        悪い気はしない。

 葉柄をかじると刺激がもう少しある。問題は葉っぱ。

 ∧∧
( ‥)葉っぱをかじったご感想は?

    (;— —)うええええええ、舌がびりびりする。
       -゜

 アルカロイド? それとも他の何か?? なんだいこりゃあ??

 

そのレンガって実在するわけ?

 
 資料が見つからず。害虫だから調査はされているのだけども肝心の擬態についてはどうも調べた人がいないっぽい。

 ∧∧
( ‥)まあ、ありがちですよね

    (‥ )人気があったり、人に知られているからといって
     □-  調査しやすいとか、ましてや調査しましたって
        ことには必ずしもならないからなあ。

 記載はされども体長、プロポーション、特徴の記述以外なんにも情報がない生物なんていっくらでもいるわけで(生態に関わる詳しい記述が、胃の内容物は甲殻類です、程度なもんだったりするわけで)ありまして。

 さて

 「分類思考の世界」すでにある程度は「心の思い描くものは何?」に書き込んだことであるけども、追記すれば第4章を読んでいてこう思った。

ほほう、メトミニーとな。なるほど、メトミニーもアブダクションも、この記述からすると部分からまだ見ぬ全体/あるいは部分を説明する物語を推論する力なわけで、これが系統樹思考であり、メタファーは分類思考なのであるな、、、、

 と思っていたところで、これで締めくくっては面白くないと、本質主義の話になる。そこで語られるのは部分を説明する系譜や歴史を人間は推論するのだけども、それだけではない。人間はなにか本質的なものが世界の背景にあると考える、ということ。

 ∧∧
( ‥)そこまで読んで、あなたはこう解釈するわけですよ
    人間が現象の背後にある何かを推論し/あるいは結論づける時、
    系統推定という妥当な推論によって導かれた答えもあれば
    なんか訳の分からん方法で導かれた答え(血液型占い)もあると。

     (‥ )とっ、読むわけなんだけどね。

 そして思うに、この本、読む人によってはまったく理解できない内容なんじゃあなかろうか。系統推定と血液型占いは同じなのか?と読む人もいるやもしれぬ。あるいは個々ばらばらのテーマがつらつら流れているだけだと思うかもしれぬ。

 いやいや、そもそも本ってのは大なり小なりすべてが”読者の解釈に基づいて読まれているものであり”、解釈に個体差が生じるのは当然。そしてまた、

 ∧∧
( ‥)以上の解釈自体があなたの解釈であると。

     ( ‥)個々のデータを説明する背景的な何かを推論した。
         仮にそれだけしか説明が与えられていない場合、
         我々はまっとうな推論とまっとうでない推論を
         識別できないって”考え”に基づいて読んだ結果であるな。

 実際、データからそれを説明する全体を考えるという点だけを見た場合、万有引力も系統推定も血液型占いもどれも識別できず、同じと言えば同じ。

 ∧∧
( ‥)データの解析過程が違うってことですよね。

     (‥ )まっ、他にも検証できるかとか、
         検証されたかのかとかね。


 ともあれ、第5、6章まで読んだのだけども。この章はこう?

:立派な建物を作るのはいいんですが、建材として使っているレンガはそもそもmade in どこですかね?

という感じざんしょか。

 ∧∧
(‥ )第5章のしょっぱなはアルチンボルトの絵でした
 □-
     (‥ )春、夏、秋、冬しか知らなかったから
         なんかインパクトあるよなあ。

 モーニング娘。は、そうねえ、言われればそうだよねえ。

 ∧∧
( ‥)モーニング娘。は実在するんですか?

     (‥ )実在ねえ、どうだろうね。互いに調整し合う時計の集団と
         同じような形では”あります”/”動作しています”と
         言えるのじゃあなかろうか。

 ∧∧
( ‥)個々のサッカーチームは存在するんですか?

     (‥ )個人の集合で、なおかつお互いに情報交換しつつ
         連動して動いているから、そういう点では
         ”ある”とか”動作してます”ということは言えるかもね。

 ∧∧
( ‥)じゃあモーニング娘。や個々のサッカーチームは
    individual なんですか?

     (‥ )? さあ???


 

絵を描け

 
 こんな話。知り合いの子が車いすで遠出を試みたさい、森の中の小川近くに花が咲いているのを発見。川辺までいける道があったので、それを利用して近づいたら、一見固そうだった地面はとんでもないぬかるみではまってしまい、まったく身動きがとれなくなった。

 ∧∧
( ‥)怒られたみたいですね

    ( ‥)そりゃあ危険だからな。怒られるのは当然だろう。
        雨が降って増水したら流されちまう。

 ∧∧
( ‥)あなたはどう思うんですか?

    (‥ )見たいものを見ようとして行った、
        その行動力、かくあるべし。
 

 知り合いのイラストレーターも同意見だった。「それは良し」と。そりゃあそうだ。絵を描く、見る、観察する、なんであれ行動力がともなわなくちゃあいけません。それが危険であったとしても(あんまり危険なのは困るが)、あるいは心に思い描く絵を描く時にだって見ることは当然必要だ。

 ものを見なくちゃ心の中も描けない。森に興味を持つのならそれで描けるものは増えるだろう。絵を描く才と物事を見る行動力があるのなら、それはしっかり握っていなければいかん。


 ∧∧
( ‥)あなたの知り合いのように、脳内の映像を視覚的に
    ”見て”描いちゃう人もいますよね?

    (‥ )あっこまでいくとさすがに危険じゃないか? と思うけどもね。

 へたすりゃ彼岸の彼方を飛び越えてこっちに帰ってこれなくなるかもしれん。できることは知っているし、ある程度は”できる”状態にもっていくことだってそりゃあできるけどもさ、しかしだよ、

 ∧∧
( ‥)でも、あれはちょっと危険ですよねえ。

    ( ‥)あれはなあ・・・・

 とはいえ、ああいう能力/あるいはそれに近似のものがあるからしかるべき絵が描ける。

 ∧∧
( ‥)あれってどんな能力なんですかね?

    (‥ )努力と訓練もあるけども生まれ持った力だろ?
        しかもトレードオフなものだと思う。

 何か異能の才あれば、何かが犠牲になっているもんだ。実際、反対に言えば世の中には”まとも”だからどうしようもない絵しか描けないやつがいる。とはいえ、まあねえ、それはねえ、不幸なのか幸福なのか、さてどっちなのやら。少なくともセカンドライフとか言ってるじじーやばばーがなんか趣味で絵を描く分には幸せだろう。そういう場合、普通にしてればいいのさ。そんなことを誰も責めたりしやしない。

 才というのはその先に/あるいはそのはるか前にあるもんさね。


    (‥ )だから言うのさ、絵を描く才があればそれを大事に。
        花が見たくて泥にはまるのならその心を大事にってね。
 ∧∧
( ‥)・・・あなたにしては、らしくないこと言ってませんか?
   まっとうと言うか・・・。


 いやいやどうだろう? まともだ、普通だ、そんなもの知ったこっちゃない。

 そんなこんなで先日のことを思い出した。何が信じられないって、いやはやイラストを描く人間が自分からまともでいたいと言うのですよ。いや、まいったまいった。異能の才を発露しようって人間が”まとも”だの”普通”だのだとさ。

 ∧∧
( ‥)普通なのは普通にいいことだと思いますけどね。

     ( ‥)普通に普通のことをやっているのなら問題ない。

 だが普通以上の世界に普通のままでくるなんて自殺行為もいいとこだ。草野球をやっているのなら健康維持にいいに違いない。だがプロになるというのなら日曜日に練習しましょという”まとも”ではすまない。

     (‥ )まともってのは平均的ってことであって異能でもないし
         優秀でもないんだよ。実際、我々自身が普通の人間や
         普通の才を評価しないぞ? 草野球を見るのに金を
         払うか???
 ∧∧
( ‥)まあ、払わないでしょうね。

 そもそも普通の人間からして普通であることを評価したりはしない。少なくとも積極的には評価しない。実際、まともに仕事ができるからといって、「ああ、あなた普通ですねえ、いいですねえ」とか「あなた平均的ですね、すばらしい」なんてほめられたりはしない。

     ( ‥)まともな人間やまともな能力は評価に値せん。
         それは基本的なスペックだからだ。
 ∧∧
( ‥)まあそうかもしれませんね。
    車は走る、冷蔵庫は冷えるみたいなもんで。


 ましてや、まともな絵描き、普通の絵描きだあ? だめだよそんなんじゃあ。


     (‥ )だから言ったのさ。その才があるのなら
         それを大事にしろってね。それは望んでも
          手に入れられない貴重な力だ。
 ∧∧
( ‥)やっぱり、あなたにしちゃあずいぶん人間らしいことを言ってますよね?

 
 

2009年10月11日日曜日

心の思い描くものは何?

 
 「分類思考の世界」第3章、第4章まで読んで・・・

 ∧ ∧
(  ̄  ̄)しまいましたか・・・

    (‥ )まあそのなんだ、目下進行中の仕事の資料にも
        目を通しているから良しとしてくれよ。

 それにしてもこの期におよんで公園で植物をスケッチしているというのも、我ながらいかれてる。

 さて

 第3章。つまりこう? 

人間は進化の産物で、進化の産物である”心”によって世界を解釈し処理している。さて、異なる時間にある2つのもの、例えば10年前の自分なるものと現在の自分なるものが同一であることは帰納的に主張できるにしても、では同一であるとか、同一と主張できるとはいかなることなりや? そもそも我々はAとBが同一であると主張する時に・・・・

 ∧∧
( ‥)その時に、進化の産物たる”心”を通してデータを処理して
    そして結論を出している、ということですよね?

    (‥ )まあ、世の中には昨日の自分と今日の自分が
        同一であることを証明できる、そう息巻く
        楽しい人もいるけどもね

 そういう楽しい人には、ある意味第4章がお勧めか?

 第4章はこう?

:グットマンさん曰く、類似性は役にも立つけど、法螺を吹きまくる時があるから危険、危険

 ∧∧
(‥ )メタファーを使って類似性を説明できることはあっても
 □-  類似性によってメタファーが説明されることはない・・・
    これはどういう意味なんでしょう?

    (‥ )そうさのう・・・・

 公園のベンチで脳内会議が招集され、以下のようにグッドマンさんの見解を解釈。

:メタファー(隠喩)は物事がそなえるあらゆる形質の一部のみを手がかりに述べられる。いわば形質が恣意的にチョイスされて、複数の物事におけるつながりが主張されている
:確かに他の特徴が結果的に同様のつながりを支持することはある(類似性によってメタファーを説明できることがある)
:しかし、利用可能なすべての証拠が示していることは、”最初にチョイスされた形質”のチョイスの基準が恣意的であったことを正当化するものではない(類似性によってメタファーが説明されることはない)

    (‥ )どう?
 ∧∧
( ‥)さあ

 グッドマンさん本人の論文を読まないとこれ以上はなんとも。


 そしてさらに第4章はこう?

:メトミニー 観察された部分から、その背景にある全体/あるいは何か本質的なものを類推すること(世界がイデアの影ならばイデアを探す能力ってか?)。これは人類が進化の過程で得た能力であるが、その影の本質とやらの中には系譜や血縁もさることながら、もっと何か別の得体の知れないものも含まれている

   (‥ )この解釈はオッケー?
 ∧∧
( ‥)まあ、仮説を通してものを見るのは当然ですから
    その解釈は第1号として暫定的に採用すればいいのでは?

 仮説君、暫定1号によって例えばこんなことを考える。

 足跡、何本かの体毛。そうした手がかりから獲物を追跡する能力は、淘汰の結果として有効に現実を再現する能力になるのではなかろうか? 人間が持つ、系統を再現する能力や力もそういうものの延長かもしれない。こうして人間の類推する能力は正当化される、、、、

 、、、、、ようにも思えるが、例えばの話、人間の作る分類体系はどうだろう? あれは進化の過程で生まれたのであり、それゆえに現実を再現する能力を体現した正当なものだと言えるのか?

 ∧∧
( ‥)その保証はないですよね? 例えば、
    獲物をより効率的に捕まえることができる(魚には漁網、獣には罠)
    あるいは調理できる、そのことに向いたカテゴライズを作る
    能力でも有利になるんじゃないですか?

    (‥ )つまり進化の過程で誕生した”現実を処理する能力”が
        現実世界における実際のありようを再現する能力で
        あるとは限らないと言えるわけだよね。

 さてはて、では、その心の思い描くものは何?

 
 

小手先勝負商売

 
 いいですかー、みなさーん。お客様にはこうやって笑いましょう、はい、だめだめ、そんな笑い方じゃ、そんな挨拶、姿勢ではだめですっ!!

 ああ、煮詰まっているねえ、リストラもできず、人件費は削れず、さりとて他の支出を削れそうも無く、原価は高いし、材料費も高騰、それでいて純益を上げる方法がなんにも思いつかない時にやっちゃう暇つぶし。つまり、なんか小手先の営業努力すれば売り上げのびるんじゃね? ってやつ。

 ∧∧
( ‥)まあ、サービス業で他にやること思いつかないなら
    ああいうことするんじゃないですかね?

    (‥ )でっ、 売り上げ伸びたってちょちょいと
        喜んでいるうちにこれが円高/円安で
        覆ったり、元に戻ったりして一喜一憂するわけだ。
 
 まあテレビがああいう小手先勝負を取り上げるのは分かるよ、なんか一生懸命だってのは見れば馬鹿でも分かるし、原価だ支出だと計算機を叩かない分だけ理解しやすい。器用で能率的な人間よりも努力するお馬鹿さんの方を評価するような、そんなぬるま湯にいる連中ならあれで十分でしょ。

 ∧∧
( ‥)問題はああいう戦術がどこまで
    戦略の不備/不利をカバー出来るかですね。

    (‥ )戦術で戦略の失敗を糊塗しようってか?

 そいつは無理ってもんだぜや、マダム。

 ∧∧
( ‥)でも、彼女の場合、あれが商売なんでしょ?
    お客が”なんか効果あるっぽい”と思い込んでくれれば、
    あるいはそう思い込んだ人がお客になれば
    それでいいのでは? 効果それ自体は直接は関係ないでしょ。

    (‥ )そして原価0だからうまい商売であるな。

 でっ、そう解釈した場合、確かに彼女自身はマナー向上の依頼をする企業よりはなんぼかましとなる。

 
 

そぎおとしすぎ

 
 もうドイツに戻った頃だろうか。

 ∧∧
( ‥)ところで先日の朝、あなた寝ぼけてませんでした?

    (‥ )いや、、、そんな記憶はないのだが。


 さて閑話休題

 ところで

 こんな話になった。かつて話題になったその人の作る曲ってなんかワンパターンになっちゃって売れなくなったみたいだけど、なんでかね?

 そこで彼がこう言った。

 売れない部分を削ぎ落とし過ぎたんじゃないですか? そしたら残るのは飽きられる部分だけでしょ?
 

   (‥ )人間には遊びが必要ということなので
    -   遊んでいい?
 ∧∧
( ‥)却下




 

2009年10月10日土曜日

パーソナルだからオレ様

 
 オレ様理論。これを言う人はどういうわけか教科書読まない、論文読まない、研究者が論じていることを直接調べようとしない。しかし、リサーチしていないのにどういうわけか自分の考えは正しく、相手が間違っていると断言する。さながら、

:オレ様、去年は草野球のホームラン王だった。大リーグのことは良く知らないが、お前らよりも成績は上のはずだからとにかく今すぐ試合に出させろ。

という状態。

 ここで問題になるのは成績という数値そのものではなく、どのような状況下でその成績を出したのか、ひいていえばどのようなテストをすれば”相対的にではなく絶対的に正しい能力判断”ができるのか? ということであって(ようするに物差しで計ったか計らないかではなくて、その物差しの精度そのものが議論されている)

 ∧∧
( ‥)それが分からないから”オレを試合にださせろ”というし、

   (‥ )それが分かっているから”そんなことでは駄目です”と
       言われちゃうわけだ。

 そんでもって思う。オレ様理論って、そうねえ、誰が言い出したのか知らないけども適切な言い方だよね。

    ( ‥)? でも、オレ様理論って誰からいつ聞いたんだっけ?
 ∧∧
( ‥)自然発生的に何度も何度も出現しては
    普及することもなく消えていく言葉じゃない
     ですかね?

 ともあれ、オレ様っていうのはようするに個人のこと。これを、私個人の判断基準では正しいのですから正しいのですよ、という意味だと解釈すると

 ∧∧
( ‥)まさにオレ様基準

    (‥ )オレ様基準に基づいた理論だからオレ様理論。

:オレ様基準だとオレ様、草野球でトップだからお前らのところでもトップに違いないずら
:プロ野球の入団テストではあなたは断トツの最下位でした


 とまあ、こういう状態になるのは必定。

 おかしなもんで、当の本人以外ではオレ様理論がそのままではどういう結果をもたらすのかは素人でも分かる。例えばの話、自分がプロ野球の選手でなくてもコーチでなくても分かることで、ぼけーーーーっとひなびた野球場で座って一応はプロである方々の練習を眺めながら、

あっなんか一悶着起こしている人がいる。ああ、また今年も変わった人がきたんだなあ、おや、二軍の人にボール投げてもらってるよ、あっ、三振・・・・。

てなもんで。

 今日はちょっと調べものをしていたら、太陽の表面温度は25度であるという説がひっかかってきた。そういえばそんなことを言っている人がいたよなあ、と思い出しつつ、話を聞くにどうもあれらしい、この人の場合、解けるはずの計算をその前提のほとんどを省略した上で解いてしまい、結果的に間違った答えを出してしまった模様。

 やっぱデータを恣意的にチョイスして、危険な程、簡単な問題に置き換えているってことか?

 
 


脈動変光星ミラ

 
 寝てしまった。

    ( ‥)まあ、やむをえまい
 ∧∧
( ‥)まっ、煮詰まってますからね

 現在、いわゆる天使待ち

 夜、散歩にいったらばひさかたぶりに星の見える空。まあなんだ、月が出ていたけどもそれでもくじら座の星々が幾つか見える状態。夏よりも空も空気もきれいらしい。

 さて

 ∧∧
(‥ )ミラがまだ見えません。

   (‥ )? はて? 雲のせい? 11月が極大だと聞いたが。

 いきなりぶわっと明るくなって極大期に達するのかね、あの星は? それともあれですか? 脈動変光星ってことは直径がA倍大きくなると表面積がAの2乗倍になるので、そいでもって急激に増光して見えるということですか?

 *脈動変光星は星が縮んだり/膨らんだりして光度が変化する。

 ∧∧
( ‥)中心の核融合反応にあぶられて体積が増大する過程は
    星の直径を絶えず一定に大きくする/増加した直径の2乗分だけ
    星の光度を増光させる結果を必然的にもたらすんですかね?

   (‥ )どーだろ?

 後、星とたなびく雲を見て思う。核融合で生じた光はプラズマの中を直進できないので星の表面に届くまでどえらい時間がかかると思ったけども。

   (‥ )じゃあ、脈動変光星では右往左往する光ごと、
       星が膨らんだり、縮んだり、つまり星が膨張したぶん、
       内部にある光は外側に移動したかと思うと収縮してもとに
       戻るってことを繰り返しているわけ?
 ∧∧
( ‥)? さあ?

 
 どうなってるわけ?


  

山と砂と時計と同期する時計

 
 「分類思考の世界」つい第2章まで読んでしまいましたとさ。

 ∧∧
(;‥)ちょっとー!!

   (;— —)はいはい仕事するよ仕事するよ、分かってるから
         仕事しますよ、はいはい。

 種カテゴリー、種タクソン

 ∧∧
( ‥)意外と区別してませんでした?

   (‥ )まあなんだ、それが主旨なのかどうかはともかくとして
       そうねえ、違いがあるのは分かれども、あまり意識は
       してなかったかもね。

 そういうのは分かったとは言わないかもしれない。

 ともあれ、例えばこんなことを考える。山カテゴリー、山タクソン。山というカテゴリーを定義するのはいいけども、その定義で山と呼ばれているものは十分記述されるのか? その一方で、山と呼ばれる”それ”は、果たしてどんな”存在”なのか?

 ∧∧
( ‥)存在って言っていいんですかね?

   (‥ )山のありようとはなんぞいや? と言い換えてみる

 例えばこう。山は砂粒や岩、石からできている。ではここで問題、

:山にある個々の砂粒、個々の岩、石はあくまでそれぞれ個別の存在なのか
:山にある個々の砂粒、個々の岩、石は個別の存在などでなく、お互いに関係を持ち、それらすべてで統一された全体としての山を作り上げているのか

 ∧∧
( ‥)?

   (‥ )こんな話が昔あった。

 写真に写っている単為生殖するタンポポの群落。これらすべてはひとつのindividualか否か?

 ∧∧
( ‥)個々バラバラでしょ?
    それは類似した個体がただたくさんいるだけでは?

   (‥ )おいちゃんもそう思う。少なくとも単純/素直な
       感想としてはそう。

 遺伝的に均一であっても、一つの祖先から誕生した子孫たちだとしても、お互いに遺伝的な交流がないのだからその群落はただ類似した個体がいっぱいいる、それだけの話ではないのか?

 ∧∧
( ‥)同じ工場でつくられた時計が全部同じ時を指していても、
   だからといってその時計の集合が何か
    ”個々の時計以上の実体”を作っているわけではないですよね?

   (‥ )だよね?

 でももしも、時計同士がお互いに配線なり、無線なり、なにかでつながっていて、同期したり、何らかの仕組みで集団のメンバー個々の時計がある誤差の範囲内から遅れたり、進んだりしないとしたらどうなるんだろ?

 ∧∧
( ‥)・・・その場合は個々の時計以上のなんか実体のようなものが
    あるように感じますけどもね。

   (‥ )さっきのタンポポの群落よりはなんかありそうだよね?
       細胞が集まって多細胞生物ができるみたいな。

 じゃあ、お互いに関係すればより高次な実体があったりすると言えるわけ?

 ∧∧
( ‥)関係があるから、そうなのだ、ではないんじゃないですか?
    時計さんたちの同期がもっとルーズだったりしたら
    なんかあるとは思えないなあ、実感、薄いなあと思いますよ。

   (‥ )まあ、そんな気はするよなあ。

 でもそれいうと、セイヨウタンポポも単為生殖”種”だっていうわりには、ごくまれではあるけども”別種”と交雑していたりする。さてはて、するとセイヨウタンポポ同士の交雑もごくまれにはあるわけかい?

   (‥ )じゃあさっきのクローン集団はどうなるっぺや?
 ∧∧
( ‥)”薄い”individualだとか?

 こんな論文があると聞いた。砂粒を球体であるとしてシミュレーションすると”山”が形成されない。しかし角張っていると仮定すると富士山のような山ができる。砂粒のあり方によってお互いが積み上がって山という全体をつくりあげている。

   (‥ )じゃあ、富士山ってindividualなのか?
 ∧∧
( ‥)・・・すごく薄い、とか?

 
 individualって何?



2009年10月9日金曜日

くさかげろう

 
 打ち合わせをして帰る途中、クサカゲロウがひらひらと飛んできたので取っ捕まえる。そういえばクサカゲロウは悪臭を放つそうだ、聞いた話によればクサカゲロウのクサとは草ではなく、”臭”だとか(嘘か本当かは知らない)。ということを思い出し、家に帰ってふと手の臭いを嗅ぐと、、、

 ∧∧
( ‥)どんな臭いですか?

    ( ‥)博物館の標本庫の臭い・・・
      -

 標本庫の臭いだよなあ、これ。なぜに? 

解けないはずの問題を解くアルゴリズム

 
 さて、割れたお皿を組立てる例え話。それを書いていた時、最初はこんなことを考えていた。

:オレ様理論を言う人々は割れたお皿を組立てられない人である

ところがこの仮説というか思いつきというかには明らかにおかしい点がある。

 ∧∧
( ‥)たぶんですけど、オレ様理論の人たちだって
    割れたお皿を組み上げられるんですよ。

   (‥ )たぶん、そうなんだよな。

 いや、これこそ勝手な推論なんですけどね。オレ様理論を言っている人をとっつかまえて割れた皿を組み上げさせたわけではないので。でもまあそんな問題解決も出来ない人間は実生活で大変な困難に巡り会うと推論されるので。取りあえず”たぶんできるでしょ”という前提で話を進める。

 そりゃあたしかにオレ様理論の人で日常生活からしていかんぞそれ、もはや犯罪やんけって人が北村の知る限りで少なくとも2名いたけども、それは一部の事例として取りあえずここでは考慮しない。

 そしてこの場合、オレ様理論の人々は必然的に二枚舌であるということになる。なんというか相対主義的な主張をする人や、創造論者と話した経験からそう考えているのだけども。

 ∧∧
( ‥)どんな選択肢を選んでもいいはずだ。そういう人に
    対して、じゃあ青酸カリを飲め、というと
    いや、私はそれをしない、と言ったり。

   (‥ )創造論者みたいに神を守るためには言い訳ばっかするのに
       パンを喰う時は”これは食べられない偽造のパンでは?”
       とはいちいち疑わないみたいにね。

 ようするに日常、人間が行っている推論過程の延長にある推論方法を採用すればいいのに、いざオレ様領域だと使わなくなる奇妙な動作をする。それがオレ様理論の人たち(例えば系統推定ならば最節約な手段を日常では使うくせに、系統推定になると途端に使わなくなる)。

 つまるところオレ様理論を言っている連中は二枚舌なんだろ? と思っていたのだけども。

 ∧∧
( ‥)でもその仮説には弱点がありますね
    二枚舌、というのは単なる現象の表現であって
    説明ではないですよね?

    (‥ )そうなんだよなあ。

 相対主義者とか創造論者とかオレ様理論屋とかが”二枚舌”と呼べる状態にあるのは、まあほとんど間違いない。でもそれは現象の表現であって、説明ではない。ようするに二枚舌だってことはもういいのだ。なぜ二枚舌になるのか、その仕組みを提案することがまさに問題。

 でっ、先の書き込みで”オレ様鳥進化論を唱える人々は原理上解けないはずの大容量の問題を暗算で解いちゃってる”という主旨のことを書いていて、ふと思った。

 例えば先日こんな記事を見た。割れた皿を復元できるアルゴリズムが開発された。

 そして思う。ああ、もしもこれが人間の思考過程とかを反映しているものなら、それを調べれば人間が割れた皿を復元する過程が分かるんだろうなあー。

 でもこうも思う。

 ばりんばりんに割れて、解くことが原理的に不可能なくらいの大容量の問題になった場合、そのアルゴリズムはお皿を復元できるの?

 いやこれは問題設定がおかしい。つまりこう

 現状のままでは解けない大容量の問題に直面した場合、どうすればいいか?

1:無駄なことはあきらめる
2:なんか復元しちゃう
3:復元する適切な手段を考案し、それが妥当かどうかを検証した上で実行し、解決を試みる

 ここまで考えて、そこで次ぎの説明を提案

 オレ様鳥進化論とかオレ様理論とか、そういうのを思いついちゃう人は計算の難易度によって脳内の解決手段を切り替えているんじゃね?

   (‥ )これなら二枚舌が説明できるんじゃない?
       例えば日常生活は言い訳最小限な最節約基準で
       おおむねやっているのに、大容量の問題になると
       処理できないので、データのチョイスを恣意的に
       行うことでデータを処理できるレベルにまで軽くして
       処理を行ってしまう。
 ∧∧
( ‥)さあ、どうでしょうねえ。

 つまるところこう。

:オレ様理論屋さんは常識レベルの問題は普通に処理しているが、いざ大容量の問題に直面するとあきらめない、さりとて妥当な解析手段を発見することから始めるわけでもない。その代わり、大規模なデータの中から一部だけをチョイスし、自分の脳内で処理出来るレベルに加工した上で、問題解決を”してしまう”人たちである。

 暗算では解けるはずのない問題を解いている(解いたと思い込んでいる)ってことはそういうことじゃなかろか? そうだよなあ、系統解析もさることながら流体力学とかまで暗算で解いているとしたらそれ、確かに問題じゃね?

 そしてこうも思う。大容量の問題はそうそう解けないからチャレンジしてもしょうがない問題であって、だとしたら、その場合、正しい結論を発見するような淘汰はかからないんじゃあないのかね。日常の問題解決では人間の能力はほとんど同じなのに、こういう浮世離れした場面では能力、関心度がえらくばらけるってそういうことじゃあないのか?

   ( ‥)まずはこんど、割れた皿を復元するプログラムの
       ことを調べてみるか。
 ∧∧
( ‥)認知心理学ですか?

 *認知心理学ではコンピューターで人間の動作を再現して、実際の人間の動作とつき合わせることで人間の脳内で起きている現象を解明しようというアプローチがある。たぶん、オレ様理論屋さんの問題は、本来は認知心理学と人工知能というジャンルが扱うべき話。

 例えばの話、自分の容量では解けない問題を無理矢理解いてしまう人工知能とは、どういう仕組みだろうか?

 今度調べてみますか。誰か研究しているかもしれない。

 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね?

    (‥ )研究者っていっぱいいるし、ある意味では”阿呆”で
        問題解決のためとあれば手段を選ばないから
        いろんなことするよー すっごいよー
        マッドだよー

 肩車して泳いでもらったり、アニサキス呑んでみたり、トカゲに毛皮を着せたり、何の動機だったのか、円柱内部の水中にある気泡の振る舞いを調べたり、筆石の模型を作ってプールで沈めたり、なんでもありだ、偉大だよ。呆れる時もあるけど。やっちゃうんだもん。すげーよ。

    ( ‥)研究者って人々をなめちゃいけません。
 ∧∧
( ‥)さいですか。



2009年10月8日木曜日

特異的な分布

 
 資料に目を通してテキストを作成中。というか、”当方が作成した報告書を一般向けに書き直してください”という仕事なんだけども、この深海性のヒトデの分布は、、、と見ていると

 ∧∧
(‥ )特異的な分布
 □-
    (‥ )はあぁ? 

 なんじゃそりゃと思って読むと、採集地が日本海とタスマニア、ニュージーランド。

 ∧∧
( ‥)これはまた面妖な

    ( ‥)遺存分布かね?

 ∧∧
( ‥)でも日本海って氷河期の時に深海の動物相が
    壊滅したんじゃなかったですか?

    (‥ )このヒトデは日本海では比較的浅い場所に
     □-  いるそうだけども。

 深いと2000メートルまでいくそうな。それにしてもなぜよりにもよって日本海?


割れすぎた皿を組立ててしまいました

 
 台風が抜けた神奈川県は午後になると青空だった。さて、

 Hennig が示したっていう破けた地図を再現するさいに道路の整合性を基準にするっていう話。手持ちの証拠から過去を整合的に推論することは誰もが絶えずやっていることでもある、例えばこう。

:突風の被害を地図上にプロットするとごく狭い範囲内で、一直線に続く
:破壊されたものなどを見ると巻くようにものが動かされた痕がある
:目撃者の幾つかの証言
:破壊されたものから推論される破壊力

 ∧∧
( ‥)竜巻だと推論されますね。

   (‥ )竜巻を直に記録した映像などがなくても
       そのように推論されるわけだ。
       規模の推論も可能である。

 仮に誰も目撃者がいない場所で竜巻が発生したとしても、それなりな痕跡があれば(以上の手がかりから目撃者の事項を抜けば良い)、そこから竜巻が発生したのだと推論することはできる。

 過去はどこにもないもので、手がかりから推論するしかないが、それでもなお確認できるし、場合によっては検証することすら可能。

   ( ‥)落として割れたお皿でも、手がかりから復元することは
     -○ 可能なのだよな。
 ∧∧
( ‥)割れる前のお皿はもはや世界のどこにもない
    過去のものですね。それを手がかりから
    再現すると。

 こんなことはつまるところ人間なら、まあ誰だってできる(割れ方の程度によるが)。ところがこの問題を系統推定に置き換えるととたんにできなくなる人がいる。

 いや、でも考えてみればそれは当たり前なのだ、系統推定は(おそろしく単純な事例でない限り)もっのすごく容量を喰う規模の大きな計算問題だから人間の脳には処理しきれない。例えば極々簡単なはずのペリカニミムスの論文だって、データマトリックスから名前を消して、先入観抜きの手計算でやったら結構大変なんよ。分岐学とか系統推定ってコンピューターで処理してるだけでしょー? とか無邪気にいうやつはいっぱいるけども、そんなこと言う前に例題を手計算で解いてみればいい。

    ( ‥)個人的には手計算でハジラミが側系統群であることを
      -□ 示した論文は重宝しているんだが。
 ∧∧
( ‥)はあ。

 さて、オレ様理論。教科書読まずに独自の理論や解法を発見したと主張する人たち。数学から物理、生物学に進化学、さらに広範な学問領域にまで至るありとあらゆるジャンルで存在する”オレ様、頭のいい研究者の誰もが思いつかなかったすっごい解法を見つけちゃったよ”という主張。

 系統復元の世界ではそうねえ、どいうわけか鳥の進化に関してオレ様理論を言う人が世界中にいっぱいいるのだなこれが。それだけ鳥が魅力的な存在だということか? 鳥はスキャンダラスな存在なのです。

 さてさて、そのオレ様鳥進化論。やっぱりというか当たり前というか予想通りというか、教科書を読まず、研究者のテクニックや処理方法を調べず、そして解析プログラムも使わないし、ましてや大容量の計算を行う演算機械も使わない(ようするにパソコンとか使用しない)ままで答えを発見している。

 ∧∧
( ‥)するとオレ様鳥進化論の人とかは
    解けるはずのない大容量問題を
    自分の脳みそだけで”解いちゃった”と?

    (‥ )結果的にはそうなっちゃうんじゃない?

 さながら、落ちて割ったお皿を組立てられません状態。いやいや違うのだ。組立ててはいるんだから。だからこう。

:落ちて木っ端みじんに割れたお皿をオレ様組立てしてしまう。

 ∧∧
( ‥)悪いことではないんでしょ?

    (‥ )そりゃあ悪いこっちゃない。というか良い/悪いの
        問題じゃあないからね。単純に妥当な組み立てじゃない
        ってだけの話であって。

 大抵の場合、割れたお皿は誰でも組立てられる。

 しかし、もしも破片が数十個になってしまったらこれは相当大変な作業になるし、1000ぐらいに割れたら、たぶん人間の脳容量ではどうにもならない状態。

 ∧∧
( ‥)それを解決しちゃった、というのが
    オレ様鳥進化論の抱える問題であると。

    (‥ )そういうことじゃないか?

 とはいえ、オレ様鳥進化論の人々だって”データ処理”はしているんだよね。問題はその処理の妥当性。そしてここでオレ様理論にかかわるさいにかならず出てくる押し問答が現れる。

:まずテストを受けてよ
:なんでだよ、オレ様すごいんだよ、テストなんて保守的だよ

 ∧∧
( ‥)でっ、草野球の話に続くと。

    (‥ )草野球の話に戻ります。



そこ、へっこんでます

 
 消費者を便宜的に3つに分ける。A群、B群、C群。

A群は物事を鵜呑みにする、圧倒的多数の人々
B群は物事を疑い、考えるが正しい答えにたどり着けない人々(少数派)
C群は物事を考え、正しい答えにたどり着ける人(極少数派、科学者あるいはそれに近似)

とっ、言う訳で、投資に対する利益の大きさから考えて、物書きってのはA群の人たち向けに書くように強い選択圧を受けている。

 ∧∧
( ‥)まあ、前から書いていることでもありますね

    ( ‥)A群、B群、C群。これ、そろそろ
        HPで説明しないといけないよな。

A群は平均的な能力の人々で、そいでもって本を読んでいちいち考えない。というかそんなことにコストや消費カロリーを割いたりしない。

 ∧∧
( ‥)そんなもん?

    (‥ )デート前のみんなのありさまを見てごらんよ。
       どれほどの労力を投資し、予測まで行っていることか。

 平均的な能力ってのは特にすぐれているわけではないことを示す。その上、本、この場合は難しい考えさせれる本とか教科書のことだけども、そんなものを読み。理解することにA群は投資を振り分けたりしない。

 ∧∧
( ‥)なんででしょうね?

    (‥ )投資をしても自分の生存や存続を向上させることには
        つながらないと判断しているんだろ?
 
 実際、それはおそらく正しい。そりゃあ人間にとって重要なのは見かけ、服装、容姿(容貌ではない)、相手に対してどう接するか(デートの時のエスコートの仕方など)であって科学することでもなんでもない。

 ∧∧
( ‥)その場合の相手って、、、未来の配偶者とかでしょ?

    (‥ )も、含まれるというべき。


 科学者というのはそういう点でも異能者だと言える。大部分の人間が投資しようとしない対象物に膨大な投資を行い、しかも正しい答えを自力で発見できる能力を持っている。彼らは自力で問題を解決出来る。教科書を読むし、理解できる。

 というわけで、こういう人々、つまりC群はライターの書いたものなんか(専門外の事柄をリサーチする一環としてとか/軽い読み物を読みたくなった時とかは例外として)読んだりなんかしない。だって必要ないんだから。ライターもC群向けの本なんか書きやしない。そもそもC群はC群の書いた本を読むもんだ。

 B群は? これは数が少ないからライターからすれば有望な消費者とはみなせないからいちいち書かない。というか、B群は立場が中途半端なのがいけない。

 ∧∧
( ‥)A群向けの本で満足するわけでもなく
    B群向けの本が特に書かれるわけでもなく、
    自分で教科書を読むわけでもない。

   (‥ )難しいことは専門家にまかせるっぺや、と言って問題解決を
        はかるわけでもなく、自力で妥当な答えにたどり着けるわけ
        でもない。

 どうでもいいことをいちいち考えないA群を馬鹿にするB群ってのは多いけども、でもしかしだよ、端から見ていると問題解決能力の高さを見た時、その山はA群とC群にあるのであって、B群は谷だと言える。

 ∧∧
( ‥)2つのニッチがある時に、中途半端な中間種が
    不利になりましたって話みたいですね。

   (‥ )A群はC群から答えを聞くし、C群は自力で妥当な答えに
       到達する。どっちもできない、しないB群が
       へっこんじゃうのは当然と言えば当然。

 それもこれも、自分で考える、という行為を始めながら、教科書や論文を読まないからいかんのだ。

 例:種の起源も現代進化論の教科書も読んでないけど、グールドの「ワンダフル・ライフ」を読んで、そうか、生存競争抜きの世界があって俺たちは遺伝子からも自由だー!! と叫ぶ。

 

2009年10月7日水曜日

イデアの影

 
 夢を見た。どういうわけか一升瓶に酢を入れて持ち運び、それをちびりちびりと飲んで歩いている。すると見知らぬ子供が来て言うのです。おじさん、なんで酢を飲んでるの? ぬおっ!! 見られた!!

   (; ̄  ̄)口封じーー!!
 ∧∧
(;‥)ちょっとーー!!

 まあそんなバイオレンスな展開になるわけもなく、さーねー と答えておいた。

 さて

 なんかぷつぷつと”オレ様理論と疑似科学はなにゆえに教科書を読まずに科学に分け入ろうとするのか?”を説明する仮説を考察しつつ、HPを更新しちゃったり、絵を描いたり、スケッチしたり、資料を集めたり原稿を書いていて、そしてふと思う。

 ∧∧
( ‥)あなた仕事から逃げたくてしょうがないんでしょ?

    (;— —)いやもう全力で逃げたいです。

 歯が浮きそうだというか、溶けるよ溶けちゃうよ。細胞の接着が解除されてぐちゃあーーーって溶けちゃう溶けちゃう。

 と言っているのに、買ってしまいました「分類思考の世界」

 ∧ ∧
(  ̄  ̄)仕事以外の本を読んでる暇があるんですか? あんた。

    (;— —)買うはずじゃなかった買うはずじゃなかった
       -□   買うはずじゃなかったほんとだよ、信じろよ。

 いやでもだってさあ。なんか馬鹿になりそうだったからふと本屋に入ったら、それがですよ、この本が手招きしているんですよ、これが、これが、これが。

 でっ、今回はいきなりブルーノさんによるイデアの影でした。さて、これがどう内容を投影したものなのか、それはこれから。

 ∧∧
( ‥)ところで、イデアの影、中央円内にある記号は
  -○ 十二宮と惑星(5惑星+太陽と月)ですよね

    (‥ )不思議なことに人馬宮と天蝎宮の
     □-  配置が逆のように見えるけども。

 むう。火あぶりにされたブルーノさん。これには何かの意味が?

 ∧∧
( ‥)それにこれはどう使うのでしょうか?
  -○

    (‥ )まあ、とにかく本を読もう。

 取りあえず、仕事を最優先して。

 

 

センニンソウ

 
 センニンソウをアップ。なんか変な花だな、少なくともCore eudicotsではないんじゃないの?と思っていたら、本当にそうでしたよという花。4枚の花びらは実は萼片。かじってみるとちょっと爽快感がある。青臭いけども。

 ∧∧
( ‥)アルカロイドじゃないんですか?

    (‥ )そうかもねえ。

 今度もう少し確認して調べてみよう。


草野球で裸の王様

 
 2つの異なる意見が収束しない時、しかも有効な判断基準も持っていない場合、声を荒げてがんがん主張した方が有利になるってのは問題だ。

 それはまことにごもっとも。

 ∧∧
( ‥)でも、こういうのって珍しくないですよね?

    (‥ )学術活動を政治活動と勘違いして
        業績もないのに宣伝活動するやつは
        どっこにでもいるからな。

 当然、そんなことをしたら大ひんしゅく。もちろん”オレ様理論”を主張する人でも、というか、だからこそというべきなのかこんなことをするやつがいる。そもそも実際、去年とか一昨年とか、その前とかに見ましたよ、個人的には珍しくもないと思う。あきあきってやつ?

 ∧∧
( ‥)なんでそうなるんでしょうね?

    (‥ )判断基準が分からないからさね。

 オレ、去年の草野球で200本ヒットを打ってイチローに並んだからスカウトしてよ、って言ったら、さてどうなるか。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、すごいことはすごいかもしれませんねえ
    でも、なんていったらいいんですかねえ。

    (‥ )すごいねって言ってお茶を一杯ふるまい、
        そのままお引き取り願えばいい。

 まあなんだ、判断基準なりテスト基準なりが分かっていると、こういう状況のどこに問題があるのか分かりやすい。

 ところがいざ科学のことになると上のようなすげー恥ずかしいことをしているのに、聞いたこちらがなんかすごそーと思えたりしてしまうのは、それは判断基準が分からないからだ。つまるところデータの解析手段の妥当性、そのものが究極的には問われているのであって、出た結果そのものや思いついたアイデアがすごいでしょ? が問われているわけではないんだなこれが。

 ∧∧
( ‥)アイデアも問われているけど、それよりもさらに
    奥や根底が問われているわけですね。

    (‥ )そこが明らかにされて良しと判断された上で
        そこからようやくアイデアが問われるわけさね。

 実際、ヒット200本打ったこと自体が問われているのではない、どんな状況でどんな相手から打ったのかが問われている。そこんところが分からないと、まあなんだ、やっぱ端からみて恥ずかしいことになっちゃうんだなこれが。

 ∧∧
( ‥)恥ずかしいですまない時もあるでしょ?

    ( ‥)そうねえ、あったねえ。
        どうなっちゃったんだろうねえ。
 
 これを避けるには入団テストを受けるしかない。しかし奇妙なことにこういうことをする人が入団テストを受けたことはどうもないらしい。

 おかしいといえばおかしいし、整合性があると言えば整合性がある。
 

 

2009年10月6日火曜日

手抜きの草野球

 
 普通。

 普通ねえ、普通かあ。そんな話がこの前ありました。

 普通。平均点以上の人間をすぐれている、あるいは頭いいと普通に評価するのなら、普通であるとはいかに評価されるのか。

 ∧∧
( ‥)まあ、普通なら普通に普通でしょ?

    (‥ )普通なら普通にオッケーだろうな。

 誰しも毎日愚痴をこぼしたくなるし、誰でもこんなことを言う。オレがんばっているんだよ。でもこうも言われる。いや、皆がんばっているわけだし。

 お互いに自分の愚痴は聞いて欲しいが他人の愚痴は聞きたくない。

 ∧∧
( ‥)平均的な人間が平均的に努力しているとすると
    世界における努力の大半は互いに等価だって
    ことになるんですかね?

    (‥ )同じ速度で歩いている人間がお互い同士では
        相対的に停止して見えるようにね。

 そりゃあ自分の愚痴は聞いて欲しいけど、他人の愚痴は聞きたくないわなあ。だって同じ内容なんだから。同じ内容であれば自分の方が相手よりも大事なのだから自分の愚痴の方が優先されるに決まってる。

 ∧∧
( ‥)なんかいやーんな世界ですけど、
    まあしょうがないですね

    (‥ )他人の愚痴も苦労も聞きたくないが、自分のは聞いて欲しい。
        それはやむを得ないさね。少なくとも普通のままでありたいと
        願うのならね。愚痴を聞くのもやぶさかではないさね。

 普通のままを願うならそのままでいればいい。普通に普通でいたいなんて当たり前のことなのだ。当たり前のことをして当たり前に生きていけばいい。それが本来、平均的にはあるべきことだ。

 だがしかし、普通以上を自ら望んだとしたらどうなのだ?

 ∧∧
( ‥)普通以上に努力し、普通以上の能力を持ち、
    普通以上の競争の中で普通以上の要求に
    普通以上に答えなければいけなくなりますね。

   (‥ )自動的にそうなるな。そうでなければそうなれない。

 例えばの話、

 どういうわけか夢がかなってしまい、1ヶ月後の日曜日にプロチームとなぜだか対戦することになった我が草野球チームなのだが、まあ、俺たち普通の社会人だから仕事帰りの1時間くらい練習するしかないわけだけども、それでも勝てたら嬉しいなあ〜〜〜

と言っていたらそれは、まあそのなんだ、ただ痛い奴というか、なんじゃそりゃ?な話なわけで。

 ∧∧
( ‥)普通以上を望むなら普通以上のことをせよ
    普通以上のことをしたくないのなら普通以上を
     望んじゃいかんというわけですか。

   (‥ )まあなんだ、望んでもいいけど、それは
       夢や小説やゲームの中だけに
       しとけばいいんじゃねーの?ということさね。

 実際、小説やゲームは普通の人間が普通以上を願った夢であふれてる。それでいいんだ本来は。実際にあんなことはできやしない、そしてしない、そう割り切った時、初めて夢で遊ぶことが許される。

 しかし、普通以上を自ら望んだのならそうはいかん。
 
 ∧∧
( ‥)でも、オレ様理論の人っていつもそうでは?

    ( ‥)そうねえ、いつもそうかもねえ。
 
 彼らはいつだって普通のままで普通以上を望む。

 だいたいプロの人間を普通のただの人間だと思うからいかんのだ。相手は選抜され、知的伝統を受け継ぎより発展させるように訓練され、自らもそれを望んだ異能者たちだ(そりゃあ専門外のことではごく普通だけども)。そんな連中と、よりにもよって相手の土俵で向こうをはるっていうんだ、普通なんぞでどうするよ?

 
 

自分と同様、相手もしているはずだと思ったりする

 
 オレ様理論。こんなものは世の中に満ちている。本屋にいけばそんなことはすぐ分かる。もちろん、そんな理論のほとんどすべて、一切合切が結局、ゴミで始まり、そしてゴミくずで終わるわけだけども。

 オレ様理論。これをオレ様鳥進化論というごく狭いジャンルに限定してもいくらだってある。bcf理論だってそうだし、そもそもハイルマンがそうだったし、教授だってそうだ。ポールの魅力的なアイデアもそうだし、ちょっと鳥の進化に興味のある連中だったら多かれ少なかれ考えるもんだ。内容は色々。教科書にほとんど近いものから、どうにもならないゴミまで色々あるのはただの現実。

 ともあれ、こういったオレ様鳥進化論には共通する欠点が幾つかあって、例えば
 
 ∧∧
( ‥)データのチョイスが恣意的?

    (‥ )平たくいっちまえばそうだな。

 ようするに使える膨大なデータのうち、ごくごく少数しか使っていない。この原因は教科書を読まないとか論文を見ないとか、あるいは科学って何? という問題意識の欠如もあるんだけども、実のところ最大の原因は

 ∧∧
( ‥)観察力の欠如ですか

    ( ‥)本や論文を読めばかなり是正できる
      -□  はずなんだけどねえ。

 研究者ってのは元来、すぐれた連中を選抜し、訓練したいわば叩き上げのエリート集団なんだよね。それが1世紀以上かけてきたデータの蓄積は冗談みたいなものがあるわけで、それを利用しないでどうするんだか。

 ∧∧
( ‥)言い換えればそれをどう扱うかですね

    (‥ )”しゃぶりつくしてしまった”と言われくらい使い切った
        そういう分野もあるけども、鳥の進化ではまだまだ。

 例えばウネンラギアと始祖鳥とシノルニソサウルスの坐骨を見て、何とも思わないわけ? と個人的には思う。坐骨って骨だけでも相当なデータがあるわけで、恣意的にデータを使っていると、坐骨一個で足下を覆されかねない。これに恥骨、腸骨、尾椎、前関節突起、後関節突起、以下うんぬんと続くわけだから、そりゃあねえ、戦況は圧倒的に不利になるでしょうよ。

   ( ‥)ダーウィン曰く、ひとつの特徴に頼った体系は
       必ず挫折するのだ。
 ∧∧
( ‥)無視したデータに破壊されると。

 でっ思った。オレ様鳥進化論を考えている人と話すと、どうしてその形質が重要なんですか!! と喰ってかかってくるやつがいる。

 なにいっとるんだこいつは? データを重み付けなしで一番整合性がとれる状態を再現した時に結果的にこれが残りましたと言っているだろうに、と違和感を持っていたのだけども。


   (‥ )あれってこうだな。自分が恣意的にデータを発見したから
       相手も恣意的に発見したと思っているんじゃなかろうか?
 ∧∧
( ‥)はあ、そんなもんですかね?

 データを総合的に解析して、一番適切なグラフを発見する。そういう科学の手続きを踏まないということは、手段不明な方法でデータを処理したことを示す。それはおそらく直感的に一部のデータだけをチョイスしたことを示すが、それは結果的に”過剰な重み付け”になっている。

 自分が過剰な重み付けをしているから、だから相手も過剰な重み付けをしている。

 そう解釈しているんじゃなかろうか。


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