自己紹介

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2012年8月31日金曜日

人を残して飛び立つ言葉

 
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
 ( ‥)そうねえ、伝え聞くに
   –□ オリンピックでの竹島
      アピールから韓国大統領
      の陛下侮辱発言の流れで
      韓国に対する印象が
      ずいぶん様変わりした
      らしいけども
 ∧∧
( ‥)武力衝突とか、言うはいいけど
    法的に可能なの? とか
    インテリ気取ってる文化人が
    ひんしゅく買ってる、というより
    今やむしろ無視されてるっぽい、
    というのは置いておいて
 
 ( ‥)反日韓国や竹島問題、
   –□ 李承晩ラインはずっと以前
      から一部の人が取り上げて
      声を枯らさんばかりに
      説き伏せていたのだ
 
 ∧∧
(‥ )ネットを見ると、そういう声
\–   を引用した意見や知識、見解
     は見えますけども、最初に
     言い立てた人々の姿は
     まるっきり消えてますね
 
  (‥ )やっぱあれだな、僕らは
      必要な時に必要な引用を
      必要な分、思い出して
      必要なだけ使う
      そういうことだな
      事実、言葉は引用の引用の
      引用の引用。何人もの
      頭と手と口を経てきたものだ
 
 ∧∧
( ‥)つまり、言葉とは個人の
    ものではない。個人を媒体に
    集団の中を飛び交う断片、
    それこそtumblerのような
    抜粋の引用の引用の引用
    無記名で無個性で、しかし
    切り出された必要なパーツ
    が舞踊る世界であると
 
  (‥ )確かに理論のような例だと
      それを超越はするのだよね
      万有引力=ニュートン
      相対性理論=アインシュタイン
      個人名と理論がほぼ=
      になっている。
 ∧∧
( ‥)でも知識や見解や状況説明や
    要約はそうはならない
 
 ( ‥)時々さ、しゃべった言葉が
   –□ その時、たまたま
      みんなから必要にされて
      祭り上げられて
      勘違いしちゃう人いるけど
      世の中、もっと現金なのな
 
 自分が必要にされている、と思うと、たぶん、取り返しのつかないことになるんだろう。足下に真っ暗な穴があってそこから落ちる。
 
 ∧∧
(‥ )発言者は、草葉の陰で無念
\–   でしょうか?
 
  (‥ )だが、今や言葉は羽を
      のばし、羽ばたきだした
      わけなのよ。
 
 地を這いずる己の身から、自分を置いて飛び立った言葉を眺めて恨みを抱くか、ああ、これもありだと仰ぎ見るのか、それはその人次第、それも一興。
 
 
 
 
      
 
      

雷と紀元前669年の惑星騒動

 
 
 夜、散歩にいってぼんやり月と星を眺めていると、西空の方がちかっと、何度か光った。
 
 ∧∧ 雷ですかね?
( ‥)
 –( ‥)空全体を光らせると言えば
      雷だろうなあ
 
 湿気の多い夜だった。まだ2時だというのにベンチは露でびしょぬれで、丘から西を眺めると、視界は悪く、遠くはかすみ、月の光で何もかもがミルク色がかった灰色に沈んでいて、なんとなく遠くにひと塊の雲が見えるだけだった。
 
 月明かりで全体が一様に溶けたような空では、なんともはかなげに見える雲だけれど
 
 ∧∧ びかっと光りました
( ‥)
 –( ‥)なんと、あれは雷雲かい?
      確かに、雲の上は平らに
      広がっているけども...
 
 音はまったく聞こえない。よほど遠くらしい。
 
 家に帰って調べて見ると
 
 ∧∧
(‥ )該当する雷雲というと、
\–   富士市みたいですね
     富士山南山麓を中心に
     相当な豪雨です
 
  (‥ )なんとねえ、その距離で
      あの高さだったのか。
      でっかく高い雲だった
      のだな。
 
 さて
 
 紀元前669年、ある占星術師より、来月から水星が上がります、と聞いたアッシリアの王エサルハドンは占星術師イシュタル・シュム・エレシュに手紙で聞いた。
 
 「本当かい?」
 
 イシュタル・シュム・エレシュは手紙で返答して曰く、「いや、もう上がってますから」
 
 ∧∧
( ‥)ところが金星の件も書くべき
    だったのに、
    それを書き落としたせいで
    エサルハドンさんが
    「えっ? 金星の方は
    もう上がっているわけ?」
    と勘違い
 
( ‥)一応、みんなに聞いてみるか
  –□ 王室占星術師のみなさん
     ナブ・アッヘ・エリバと
     バラシに
    「金星上がってるの?」
     と手紙を発送。
 
 ナブ・アッヘ・エリバさんは、「はあ? まだ見えませんよ? それ言った奴ろくでなしですわ。明日の集まりでとっちめてやります」と返答

 ∧∧
(‥ )バラシさんは曰く、
 □–  「わが陛下、繰り返しますが
     その人は水星と金星の区別が
     ついておりません」
     と返答。大騒ぎですね。
 
 (‥ )「そいつ惑星の区別ついてない
     ですよねー」という揶揄が
     メソポタミアの楔文字に
     あるとは聞いていたけども
     このエピソードか。
 
 ∧∧
( ‥)でもまあ、誤解は解けて
    ナブとイシュタルのみんなで
    夕刻に観測して満足しました
    byバラシ
    というオチですか
 
  (‥ )なんかもう今の占星術師と
      違っていい加減なことを
      言えないのな
 
 占星術師といっても暦と天体観測をまかされた人々で、現在でいうと天文学者に相当する。占星術自体、今のように複雑過剰にごてごてしたものではなく、こういう事例の時にはこう言われてますね、程度のもので、言動はシンプル。惑星の運行を記述し切れるようなアルゴリズムがないから、当然、観測重視。おまけに社会的な責任は重大なので色々と大変だったらしい。
 
 
 
 
 

2012年8月30日木曜日

よく見えなくなった感じ

 
 
 ∧∧
( ‥)? 最近、妙だと?
 
  ( ‥)んー、ネットを見ていると
    –□ テレビがよく見えなく
       なってきた。そんな
       感じっていうの?
 
 テレビを捨ててしばらくたつけども
 
 ∧∧
( ‥)最初はネットを見ている
    だけでも、今、今日、テレビで
    どんなことが流されているのか
    なんか分かったと。
 
  (‥ )まあ、それは今でも同じ
      なんだけどね オリンピックで
      メダルをとったとかさ
 
 ただ、例えば文化人がいかにも言いそうな、ひんしゅくを買うような発言に対して
 
 ∧∧
( ‥)以前は、ここがおかしい
    あそこが間違っている、と
    具体的な批判が反応として
    出ていたけども
 
 ( ‥)最近は、なんていうか
    「ああ、またこのへ理屈ね」
    で、簡単に流される感じ、
    というかね。
 
 ∧∧
( ‥)相手に対する理論武装や
    相手の意見が持つ欠点の
    指摘や理論的検討が
    終わっちゃった状態?
 
  (‥ )そんな感じかな?
 
 ネット経由では、テレビのことがよく見えなくなった。ひどくぼんやりしてきたと言えばいいのか。
 
  ( ‥)理論的検討、
      それが陰謀論なのか
      事実なのかはともかく
 ∧∧
( ‥)まあ、物事の説明は両方
    混ざってますからね
 
 混ざっているにしても何にしても、いずれにせよ
 
  (‥ )推し量る定規が完成した、
      というの? それで
      規定に達しないものは
      「ああ」と言われて
      ポイ捨てされる感じ
 ∧∧
( ‥)以前は測り方をめぐって
    色々な議論があったり
    目盛りの入れ方で色々な
    意見があったけども、
    今はもう、測って、論外は
    全部切り捨て、そんな感じ
    であるのだと。
 
 わくわくどきどきはもうどこにもなくて、これは違うわ、とルーチンワーク的に、大した感慨もなくただ捨てられるような・・・・
 
 
 

小難しいけど、実際には楽な本を選んでるよね

 
 
 プトレマイオスやアルキメデス、ユークリッド、彼らと比較すると、より以前にいたプラトンやアリストテレスの理論体系はかなり稚拙になってしまう。だが文化的には後者の方が有名で、本はよく読まれている。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、「原論」は教科書
    みたいなものですから
    むしろよく読まれています
    けどもね
 
  ( ‥)でもな、プラトンや
    –□ アリストテレスの哲学を
       賞賛したり、何か知ろうと
       熱心に読もうとする人が
       いる時点で分かるべきこと
       だったのだ
 
 中学以上の学力が必要な本を私たちは読む事ができない。そし見た目や言い回しは小難しいが、実際には楽に読める本を選んで逃げている。
 
 ∧∧
(‥ )ユークリッドさんたちの本は
\–   人生哲学や政治哲学でないって
     こともあるんでしょうけどね
 
 (‥ )必要じゃないから、
     そう言い返すかもね
     だけどもな、それ以前に
     読もうとしても
     読めないんだよ。
     これはほぼ確実だね。
 
 だからこういうことも起こるのではないか?=>*
 
 ∧∧
( ‥)足し算、かけ算以前に
    数の何たるかも分からぬまま
    本を書き、本を読み、納得
    して人生を終えていく
    それがあなたたち人間の
    有様であると
 
 ( ‥)およびでは無かったのだ
   –□ この世の人間のほとんど全員
      およびじゃなかったのだ
 
 ∧∧
( ‥)遺伝子プールとしての
    意味はあるでしょうに
 
  (‥ )ごくまれに超絶的な能力者を
      生み出す、遺伝とコピーが
      織りなす渦巻き。
      それが僕らだ、
      そういうことだけどもね
 
 それを考えるとローマ帝国が版図の西半分を野蛮なゲルマン人に明け渡して放棄する時代、国家維持のために宗教に頼らざるをえない時代に科学がストップしてしまった訳がよく分かる。
 
 ∧∧
( ‥)アレキサンドリアの図書館、
    破壊しちゃいましたしね
 
 ( ‥)少数精鋭を集めて伝達し
   –□ 維持し、改良する。その
      媒体が破壊されたら
      小学生レベルの学力で
      読めるものしか残らない
      当たり前だよね
 
 本を熱心に読む人の中にはいるのではないか? 所詮は学力のなかった自分の無念を生み合わせるために小難しい本をあえて選んで読んで、人生の溜飲を下げるのだと。
 
 ∧∧
( ‥)小難しい本ね
 
  ( ‥)でも肝心な本はよめなーい
    –□
 
 
 
 
 
 

回帰しない永劫

 
 
 ∧∧
(‥ )かつてニーチェさんは宇宙に
 □–  ある原子の数は有限だから
     組み合わせも有限で、ゆえに
     現象は繰り返され回帰する。
     そう述べたと
 
  (‥ )それを永劫回帰というだか
      なんだかはともかくとして
      数学的にいうとそれは否
      という話が出てくるね
 
 出典は「数学入門(上下)」岩波書店 遠藤啓 1959 上巻のpp50
 
 ∧∧
( ‥)10個の原子を10個の数に
    見立てる。回帰、循環する
    とは循環小数に該当すると
    した場合
 
  (‥ )循環しないで無限に続く数
      無理数がある時点で、
      すべてが必ず循環回帰する
      これはありえませんと
 
 循環するものもあるけど、有限だからといって必ず全てが回帰するわけではない、ということ。
 
 ∧∧
( ‥)以前、僕らは足し算と
    かけ算をちゃんと理解して
    いないのじゃないか? という
    話をしましたが=>*
 
  ( ‥)んー、それ以前にそもそも
    –□ 数字のことすら分かって
       いないのじゃないか? と
       思ってしまうなあ
 
 ある人がいわく、今時のラプラス主義者とでも言うか、すべての原子、素粒子のベクトルが分かれば、過去も未来も進化もそのすべてを強大な演算能力を持つコンピューターの中で再現できる(断言)という(本人は)大まじめな意見があったけども。
 
 ∧∧
( ‥)物理定数はいくら測定しても
    終わらないし循環もしないから
    無理数じゃね? っていう
    話ありませんでした?
    無限に開いた無理数を絶対正確な
    演算に取り込む条件って
    どんなでしょうね?
 
 (‥ )数学者たちはともかくとして
     僕らは数そのものをちゃんんと
     理解しているだろうか?
 
 数は1、2、3、4・・・・・・だけではない、ということをちゃんと把握しているだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)世界は正の整数だけで出来ている
    それが誤りであることを発見
    証明した人はかつて殺された
    のでしたっけ?
 
  (‥ )無理数を発見した人は
      殺された
      ピタゴラスとその教えを
      受け継いだ人々の間にある
      古代ギリシャの伝説だよね。
 
 僕らは数をちゃんと理解しているか?
 
 
      

2012年8月29日水曜日

夏休みの宿題処理はその後の人生の縮図

 
 
 ∧∧
(‥ )鵜呑みにしてるとプロには
\–   なれない!! という言葉
 
  (‥ )鵜呑みにしなくても
      プロにはなれないけどね
 
 鵜呑みにする、も、鵜呑みにしない、も、プロになる条件かといったら違うだろう。
 
 ∧∧
( ‥)鵜呑みにするしない、これと
    プロになれるなれないは
    特に因果関係ないでしょう
    からね
 
 (‥ )まあ、色々言う事は
     可能だけど、うさんくせえ
     よなあ
 
 もちろん、鵜呑みにする/しない、これは、正しい/正しくないの条件でもない。夏休みの宿題を自力で考えようが、他人の答えを写そうが、正解/不正解とは関係ない。
 
 ∧∧
(‥ )自力で考える方がえらい
\–   とも言いますけどね
 
  (‥ )自力で考えたあげくに
       間違っていたら、
       そりゃあ馬鹿以下だよ
 
 自力で考えて間違った時、それを間違いだと気づいて路線変更して解析をもう一度、あるいは何度でもやり直すのなら
 
 ∧∧
( ‥)正しい解に到達する可能性は
    増えるでしょうね
 
  ( ‥)ただ、それには何をもって
    –□ 正しいと判断するのが正しい
       のか、それが問題になる。
 
 それを考えていない奴は大概の場合、めでぃありてらしー、とかいう抽象論に逃げ込んでごまかすし、あげくに正しい解を発見できない。
 
 そんな有様になるくらいなら、さっさとあきらめて他人の答えを写す方が良い。馬鹿以下よりは馬鹿の方がずいぶんまっとう。
 
 ∧∧
( ‥)問題は誰の答えを写すか
    ですよね
 
  (‥ )ここが人生の分かれ目だよん
 
 
 
 

2012年8月28日火曜日

ルナーカレンダー

 
 
 
 ( ‥)つまりあれだ、19年間に
   –□ 7回、13ヶ月の1年が
      あれば太陰暦と太陽暦は
      2時間程度のずれで収まる
      わけだから
 ∧∧
( ‥)ずれが24時間、丸1日分に
    なるのに19の12倍、
    228年あまりかかると
    *挿入は太陰暦の一ヶ月
 
  (‥ )太陰暦の一ヶ月は29.5日
      単純にこれだけ考えて
      ざっくりいって6700年
      ばかしたてば一ヶ月また
      挿入すれば良い計算だ
 ∧∧
( ‥)まあ、そんな程度のずれなら
    他の要素うんぬん以前に種まき
    の時期を適時ずらせば良いだけ
    ですけどね
 
 ああ、これが紀元前8世紀には確立されていた中東の暦であると。
 
 
 ∧∧
(‥ )他の要素がどう効くのかも
\–   ちゃんと把握しなくちゃ
     ですね
 
  (‥ )何千年うんぬん以前に、
      文明とか暦は時々の大きな
      イベントで変わっちゃうから
      農業とかに関して言えば
      いつの間にか調整したことも
      色々あるんだろうな
 
 

2012年8月27日月曜日

しろと言われるならやるしかあるまい

 
 
 昔、ある掲示板でこんなことを言った連中がいた。
 
 ∧∧
( ‥)北村なにがしの書いた本を
    読んできたのに、彼のblogで
    の言い様は刺々しく幻滅です、
    でしたっけ?
 
 ( ‥)んー、読んだのは良いけどね
   –□ 続けて出てくる言葉が
      イリジウムが地球深部へ
      いったというけども、
      だったらマントルから
      イリジウムがやってくる
      はずです、なんだよな
      あれは愕然としたね
 
 時々、勘違いする人がいる。
 
 イリジウムが地球深部へいったのは、これが重い元素だからである、と。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、重けりゃ沈みますからね
 
  (‥ )確かにイリジウムは重いのだ
      白金やウランよりも重い
      ウランは立方mあたり
      18950kg
      イリジウムは22560kg
      あるからな
 
 しかしだ、地殻における存在比はppmで換算するとウランが2.4、イリジウムは0.000003である。
 
 ∧∧
( ‥)6桁も違っている
    重さが効いているのだと
    したら、明らかに
    おかしい値です
 
  ( ‥)実はさ、効いているのは
      重さじゃないんだよね
 
 学校で元素の密度や重さや存在量はある程度習ったはずだよな? 思い出してご覧。おかしいと思わなかったのかね? 
 
 そうは思わずに、マントルにもイリジウムがあるはずだ!! と力説したのなら、では、かつての勉強とか学校の時間は何の意味があんの?
 
 ∧∧
( ‥)似たような勘違いをしていた
    ライターさん、いましたよね
 
  ( ‥)彼はな、先の連中よりも
      きちんとはしていたんだ

 イリジウムがあるのは地球のコアだ。
 
 そこまでは正しい。だがしかし、
 
 ∧∧
( ‥)コアとマントル下部の境界層から
    プリュームが上がる時、
    地上にイリジウムが供給される、
    と書いてしまいました。
 
  (‥ )最低限、彼も疑問は
      抱かなかったのよね
 
 効いているのが重さでない以上、そのプロセスで地球のコアから地上にまでイリジウムが本当に供給されるの? そう思うのなら、なぜどうしてイリジウムはコアにあってマントルにないのかもう一度考えた方がよくね? 理屈おかしいだろ。
 
 そして、ああそうね、確かに書かなかったよ。この本=>*でもね、最初はその説明があったけども削ったよ。だってそうだろう? ”地球深部からは供給されない”ということを鵜呑みにしてればいいんだよ。それでも考えるのなら調べればいい、そうすれば気づくはずだ。なぜイリジウムが鉄を主成分とするコアにあるのか?
 
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ、なんでこんな話を
    ぶつぶつ言っているのか
    というと
 
  ( ‥)先日、某所で本の一部監修に
      関して協力を要請した時、
      某研究者から
      こんなことを言われてなあ
 
 大学生向けの本? いや、大学院生向けでしょ?
 
 ∧∧
( ‥)教科書は初歩しか書いていない
    普及書は間違いだらけ、
    だのに、いや、それゆえにか
    次のステップがいきなり英語
    日本語の教科書なーい
 
 ( ‥)確かにその状況だと
     学生さんの構造がピラミッドに
     ならないんだよね
 
    |
____|____
 
 ↑こうなります ジャンルとして後継者がなくなって滅びる運命
 
 ∧∧
( ‥)初歩で放り出されて、
    それでも右も左も分からぬままに
    とにかく自力で英語を読み、
    文献を調べ、金と労力をつぎ
    こんで到達するのは、ほんの
    わずかな上澄みだけ
 
 ( ‥)おまけにさ、普及書は
     間違いだらけなわけだろ?
     武器も持たせず地雷原と敵がいる
     まっただなかに突撃させる
     ようなものよな
 
 *普及書には、ここ=>*で書いたような馬鹿話という罠がありますよ、という意味。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはよく言いますよね
    考えるな、鵜呑みにしてろ
    と
 
  (‥ )鵜呑みにしてれば、そーかー
      イリジウムは地上にないんだー
      で終わりなのよ、
      鵜呑みにしないけど、調べも
      しないで考えると、
      こうすれば噴き出すぴょん!!
      とか、妄言を言い出すわけさ。
 
 だから考えるな。
 
 しかし考えるなら、調べろ、英語を読め、フランス語もドイツ語もあるぞ。文献買うのに万単位の金をつぎ込め、図書館いけ、サイエンスでもネイチャーでもなんでも調べろ。古本屋で過去の教科書を漁れ。本が理解できないのなら、その本を理解するための本を買え、読め、借りろ。それも理解できないのならその本を理解するための本だ。
 
 選択肢はどっちかだ。中途半端はトンデモになるしかない。
 
 ∧∧
( ‥)だけども、一般人はともかく
    学生さんを相手にするなら
    そうは言っていられませんと
 
 ( ‥)んー、あの人がああ言うって
   –□ ことは事態が深刻だって
      ことなんだ。ぎょっとしたよ
 
 了解、了解した
 
 確かに大学生向けの本だ。院生向けでも似たようなもんである。
 
 そして、しろと言われるのなら、やるしかあるまい。
 
 
 
 
 
  

2012年8月26日日曜日

暑い夜空、冬の大三角

 
 
 *の続き
 
 時刻は3:00を回り、夜明けが近いが、しかしまだ夜が濃い時間 星がここらとしてはかなりきれい。
 
 ∧∧ お散歩です
( ‥)
 –( ‥)おー、オリオン座が
      高くなってきた
 
 丘の上まで登ると、東の地平線低く、プロキオンとシリウスが赤くにぶく輝いているのが見えた。
 
 ∧∧ 冬の大三角、きました、これ
( ‥)
 –( ‥)牡牛座の木星、双子座の金星
      カペラ、アルデバラン、
      ベテルギウス、リゲル
      カストル、ポルックス
      プロキオン、シリウス
      冬の星々のお出ましだ
 
 ちょうど南の空に来たくじら座を見るとミラが見えた。
 
 ∧∧ 3か4等星でしょうか?
( ‥) 
 –( ‥)なんか、ミラだ、と
      思ってミラを見るのは
      ひさしぶりだよね
 
 *注:ミラはかなり極端に光度を変える変光星なので、見えない場合も多い。それに空の状態があまり思わしくないここらでは、くじら座の他の星もよく見えないので、仮に見える光度であっても、見えているのがミラなのかどうなのかよく分からないこともある。
 
 帰り際、より高度を上げた冬の大三角がいよいよ明るくなっていた。寒い季節が間もなくやってくる。
 
 
 
 

呪わしい約束の地へ

 
 
 生命あふれる奇跡の星、地球
 
 
 (‥ )これ、逆だよな?
     この宇宙で生は
     望まれていない
     望まれぬ者達が寄り添う
     ありうべからざる場所、地球
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ
 
 死、こそが普遍的なこの宇宙の中にぽっかり生がある。これを奇跡だと?? むしろこれは呪いだろ。
 
  ( ‥)神はおっしゃっておられる
      お前ら苦しめと
 
 ∧∧
( ‥)みなさん、前世で悪いことを
    して、この地獄に送り込まれた
    のですかね
 
 こんな宇宙に送り込まれたのだ。たぶん、よほどの許されざる大罪を犯したのだろう。しかし、一体全体何をしたのか思い出せない。
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、ポエムな妄想絶頂な
    ところで申し訳ないですが
    実際は死もないし、呪いも
    人が作ったものですよね
 
  (‥ )二酸化炭素と水から生まれ、
      そして再び二酸化炭素と水へ
      戻る。死だの生だのではなく
      現象がどんな形をとるかだ
 
 呪いとか奇跡とか、そんなものは人の認識であって、ありもしないものだ。そういう意味では生も死もない。あそこからきて、一時留まり、そして戻る、それだけの話。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、進化の過程で
    生を渇望し、死を恐怖する
    ようになっちゃいましたから
    ”それだけの話”には絶対
    なりえませんけども
 
  ( ‥)意義のない生に執着し
      意味のない死に恐怖する
      そういう意味じゃまさに
      呪いなんだけどね
 
 それはさておき
 
 人間らしく幸せになりたい、ぶっちゃけ面白おかしく暮らしたい
 
 ∧∧
( ‥)不可能ですけど、
    そう願う人をだしにして
    金儲けするって手は
    あるのですよね
 
  (‥ )ドイツはギリシャをだしに
      したじゃないか、という
      揶揄があるのもそのためか
 
 だが実際のところ、そんなものはうまくいかない。事実、破綻した。後はゆるゆると世界経済は滅びの道を下るのみ。
 
 昔、ある人が曰く、文明が進んだなんて嘘さ。進んだのならどうしてこんなに俺たちは忙しいのさ。
 
 ∧∧
( ‥)たぶん、彼は自分がとんちんかんな
    ことを言っていると思わなかった
    のでしょうね
 
  ( ‥)文明=安楽な生活、
      という前提が間違っている
 
 文明とは敵に征服される恐怖に怯え、絶え間なく競合することでエスカレートする営みだ。
 
 ひるがえれば、文明が進めば安楽で満ち足りた生活が送れる、その発想は根源的に根本的にまったくもって愚かしいまでに間違っている。前提が誤っている以上、彼の言葉は単なる間違った文章で意味はない。
 
 ∧∧
( ‥)過労死するのが文明人だが
    より進んだ文明では過労死すら
    許されないであろう
 
 (‥ )さあ、世界を分割支配する
     列強諸国の国民諸君、
     楽しいゲームを
     自覚しよう
 
 勝ち残ったものこそ、一番最後に死ぬ事を許される果てしなきゲームの真っ最中だということを自覚しようじゃないか。
 
 思えば、最初からそうであった。20年前に冷戦が終わった時、今のトップはまだ40代の青二才だったが、実際にはすでに経験に固定化され、愚かな老人になっていた。冷戦は生きるか死ぬかのゲームを2つの国しかしていなかった。そんな安楽な時代が終わって、しかし、僕らはまだ冷戦の亡霊たちを組織の上に据え、ぬるいゲームをしていたけども、それももう終わりだ。
 
 世界は約束されたより完璧な地獄へとまた一歩近づく。砂時計の砂粒が落ちるように、ゆっくり、しかし確実に。
 
 さあ、進もう諸君、呪わしい約束の地へ。他のすべての選択肢はこれよりもっと悪い道であるがゆえ。
 
 
 
 

2012年8月25日土曜日

あきらめの手札

 
 
 
 ( ‥)ほら、賢しげに他人に
     アドバイスする奴が
     いるだろ
 
 ∧∧
( ‥)ああ、いますね、大概
    役に立たないアドバイス
    なんですけども
 
 (‥ )相手や問題の状況を把握
     しきっていないのに
     アドバイスしても役に立つ
     わけがないからな
 ∧∧
( ‥)でも、状況説明されたからと
    言ってですよ
    「ではこうすれば良いでは
     ないですか」
     とか言えないですよね
 
 「こうすれば良いではないですか」
 
 そんな得意満面な間抜け面で忠告など出来るわけがない。こっちがすぐに思いつくことは、相手はとっくにやっているか検討した上で放棄しているもんだ。
 
 ∧∧
( ‥)対策Aはしたの?
    なぜ対策Aは無駄だったの?
    対策AもBも通用しなかったの?
    どんな状況なわけ? もしかして
    レベルC? 相手が話さなくても
    そのくらいは聞くべき、
    あるいは考慮するべきだと
 
  ( ‥)なんで大人は夢や希望が
      ないの? 僕、お父さん
      みたいになりたくない
      そう賢しげに言う奴が
      いるだろ?
 
 そんな質問、愚問、発想をしていること自体がすでにもう駄目なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)みんなそう思った
    でもみんなそうはなれなかった
    つまりそうはできない
    力学的な制約がある
 
  (‥ )全員失敗している時点で
      無理だと気づくべきなんだ
 
 なぜ挑戦しないのか?
 
 そうではない、君のような人間がたくさんいた、全員失敗した。それがこの宇宙だ。不正だからではない。不正がなくても同じことになる。君の言っている道はそもそも間違っていたのだよ。それは美しいが通れない道、机上の空論でしか存在しない幻想のルートでしかない。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも、無理なら無理でやれる
    ことはあるでしょうね
 
 ( ‥)それが累積したのが
     この世界だとも言えるね
 
 政権交代で分かったのではないか? 
 
 あれも出来る、これも出来る、こうすればみんなが幸せだと夢と理想を語った未経験者たちよりも

 あれもできない、これもできない、あれも無理、これも無理、そういう否定しかしない飼いならされてぼけた連中と揶揄されたあきらめの政党の方がまだしもちゃんとしていたと。
 
 ∧∧
( ‥)せつないけども現実
    なんですよねー
 
  (‥ )あらゆる方角が閉じていて
      2、3ある選択肢はどれも
      ぱっとしない
      役なしの手札しかない
      これがこの宇宙さ。
 
 あきらめの道を選ばないという手はあるが、それは奈落につながっている
 
 ∧∧
( ‥)でも、考えてみれば全員
    分かっているべきこと
    だったのですよね
 
  ( ‥)自分を見ればいいのさ
 
 自分を見ればよく分かるではないか。あきらめの手札だけから出来ている
 
 
 
   
 
 

くるくる

 
 
 ∧∧
( ‥)どう思います?
 
  (‥ )ある日、ライバル会社で
      社長の交代があって、
      そしたらその社長が
      へへ、仲良くしましょうよ
      と言ってきたら
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ、むしれるだけ
    むしり取ろうと
    するでしょうね
 
 ( ‥)政権交代まであと1年
     今のうちに既成事実を
     作ろうとするのは当然
 
 なんか民主に投票した人から話を聞いた限りでは、彼らがここまで無能とは思わなかったらしい。
 
 ∧∧
( ‥)愚かな大衆を騙す
    扇動政治家、だったら
    良かったけども
 
  (‥ )”愚かな大衆”とやらが
      びっくり仰天してしまう
      それほどまでの能無しだった
      これが予想を越えた現実。
 
 ほら、世界は僕らが推し量っているようなものじゃない。
 
 ∧∧
(‥ )あの連中は外国のスパイ
\–   そういう陰謀論もあります
     けどもね
 
 (‥ )陰謀を張り巡らすほどの知性ね
     気持ち分からんでもないけど
     現実から眼を背けるべきでは
     ないよなあ
 
 ∧∧
( ‥)陰謀論者は言うでしょう
    どんな馬鹿でも悪だくみは
    するのだと
 
 (‥ )ああ、そうとも、
     だがな、馬鹿の悪だくみは
     結果がまるで予想できない
     そう答えておこうじゃないか
     そもそもやること計画する
     ことがトンチンカンだから
     馬鹿と言われるわけだからね
 
 この宇宙には、理解できない脳みそくるくるが山のようにいて、陰謀論という化粧では糊塗しきれない、恐ろしい素顔がそこにある。
 
 
     

この宇宙は汚職や癒着だけに還元できない

 
 
 陰謀論は理解の現れ
 
 ∧∧
( ‥)そりゃそうでしょうよ
 
  ( ‥)陰謀論は理解以外の何物
      でもないからな
 
 ∧∧
( ‥)ある現象を人間関係や
    金銭のやり取り、癒着や汚職に
    還元することですよね
 
  (‥ )人間が普遍的に行う動作
      自分たちも扱える動作
      それに翻訳することで
      本来理解の範疇外にある
      現象の理解を試みる。
      それが陰謀論だね
 
 ∧∧
( ‥)ただし
 
 ( ‥)自分たち自身がやっている
     ことを思い起こせば分かるが
     人間関係や癒着や汚職だけが
     判断や決定の要因じゃないんだ
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
 ( ‥)陰謀論は根本的に誤りを
     含んでいるってことだね
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
 (‥ )複雑でたくさんの陰謀を
     組み込んだ陰謀論は確実に
     間違っている
 
 
 あと、陰謀論はおそろしく楽天的すぎる
 
 ∧∧
( ‥)陰謀ですべてをコントロール
    できる、そういう意味では
    楽天的でしょうね
 
  ( ‥)計画的、とも言えるよな
      無駄に計画的、とでも
      いうべきかなあ
 
 ∧∧
( ‥)でも、実際にはそういう
     コントロールは不可能だと
 
  (‥ )家族やクラスや会社を
      自分の一手で
      コントロールできるか?
      できないだろう?
 
 コントロールできている、と思い込んでいる人もいるけども、それはごく単純な状況で、しかも条件つきだ。条件や前提が壊れると、そのコントロールとやらはあっという間に壊れてしまう。それは本当にコントロールだったのだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると
 
  ( ‥)ようするに机上の空論
      だよな? それを信じる
      とは机の上から出たことが
      ないってことだろ
 
 あるいは思考が非常に論理的なのかもしれない
 
 ∧∧
( ‥)思考が論理的、ようするに
    言葉を恣意的に定義して
    それを正しい配列に並べた
    ことですよね。無矛盾というと
    聞こえは良いけども、
    実は現実について
    なにひとつ語っていない。
 
  ( ‥)行動力があれば戦術的には
      物事を打開できるかもね
 
 ∧∧
( ‥)だけど、個々の勝利を累積させても
    戦略が破綻していたら、
    どうにもなりませんよね?
 
  (‥ )必死に薮をかきわけて走って
      そりゃあ雄々しい有様なんだ
      けどもね
 
 そっちは沼だよ? というやつ
 
 この世界は汚職や癒着だけに還元することは不可能で、それを試みると、その判断は確実に間違っている。間違った判断でも行動力があればある程度は突き進めるが、いずれ現実の前に屈服して折れ、沼地に沈む。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それも陰謀の結果
    なんでしょうけどね
 
  ( ‥)最後は世界を憎みだすのだ
    –□ なぜ自分を見捨てたのかと
       なぜ私のプランを理解しない
       のだ? と怒るのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それは本人に原因が
    あるのだと
 
 (‥ )自分をなぜ見捨てた? 以前に
     なぜ、お前は汚職と癒着以外の
     要素を切り捨てたのか?
     なぜ他のデータを見捨てたのか
     そこが問われる。
 
 
 
 
  

夢の物語

 
 
 夢を見た
 
 時々、夢に出てくる駅があった。都会の中にある、路面電車の小さな、しかしにぎやかな駅。何度か見た場所だ。ただいつもとくらべて駅と町並みは広く、駅前の小さな古本屋も妙に間延びした感じで大きく、しかし何もかも手抜きでもしたかのように希薄になっていた。入ってみたがめぼしい本は何一つなかった。
 
 夢を見た
 
 修学旅行のような感じだが、どう考えても自分がいてよい場所ではなかった。おかしなことに旅館から外に出ると、もう部屋には戻れなかった。業務用の小さなエレベーターしかなく、しかも外からは反応しないのである。ああ、しかしちょうど良い、置いてきた荷物には大した物は何も入っていないはずだ。そもそも荷物なんて持っていただろうか? 財布はポケットに入っていて、そのまま帰ろうと歩き出した。針葉樹がまばらに生える高原のような場所なのに、どういうわけか海辺でもあって、夕焼けの中、小さな工場のような開けた港の施設で、ばかでかい何かが解体されて吊るされているのを見た。誰かが耳元で、あれはクジラだ、と言ったが、誰もいないはずだ。それに、それはクジラではなく、明らかに魚だった。それもクジラウオではないだろうか? 標本にされてぺしゃんこになったクジラウオとよく似ていた。違うのはそれが5メートルはあることで、肉をあらかた削ぎ落とされて解体されて吊るされて風にゆられ、もともと水気が多いせいなのか、あるいは塩をなすり付けられたせいのか、夕闇の中でぼたぼた水をとめどもなく垂らしていた。
 
 夢を見た
 
 遠い田舎に引っ越していたが、田舎とはいえそこは駅前でにぎやかだった。冬は寒いと人が言う。丘から降りる途中に神社と墓地と保育園があって、ごちゃまぜになっていた。帰った家は暗く閑散として空っぽで、思う。おかしい、オレは本をどこにやったのだ?
 
 
 ∧∧
( ‥)なんか悪夢っぽいですけど
    珍しいですね、夢を見る
    なんて
 
  ( ‥)立て続けに見るなんて
      めったにないんだが
 
 ∧∧
( ‥)疲れてます?
 
  (‥ )もう1週間近く前の話
      プリンキピアのせいかもね
 
 事実、夢を見た、いや、寝ているのに明らかに考えていた、ニュートンが何を言っているのだろうと
 
 ∧∧
( ‥)起きてみると
 
  ( ‥)やっぱり分かりません
    –□ でしたとさ
       物語だったら分かる
       展開なんだがな、
       そうはいかん現実ね
 
 ∧∧
( ‥)でも基本は難しくは
    ないのでしょ?
 
  (‥ )該当する箇所は
      高校レベルかなあ
      出来の良い学生なら
      すぐ分かるはずだけども
      自分はそうじゃなかった
 
 起きてから考えて、そして分かった。
 
 思うに夢は役に立たない
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあそうでしょうよ
 
  ( ‥)夢のようにはいかぬ
      というより、夢まで
      浸食されるとは
      業が深い
 

 これはこれ=>*の続き 

2012年8月24日金曜日

大きいデータは良いものだ(本当に?)

 
 
 ∧∧ 学会終了でーす
( ‥)
 –( ‥)後半だけ参加したけど
      やっぱ疲れるな
 
 さて
 
 以前、こんな人がいた。
 
 分子系統学が信用できない。分岐学も信用できない。
 
 ∧∧
( ‥)なぜかというに
 
  ( ‥)単純に自分の思い描く
    –□ シナリオと違う系統樹が
       出てくるからだろうね
 
 しばらく前、何年もたったある日、ひさかたぶりに出会ってみると、分子系統学の熱烈な支持者になっていた。
 
 ∧∧
( ‥)理由は?
 
  (‥ )出てきた系統樹が自分の
      シナリオに合っていたから
      じゃねえかな?
 
 分子系統学の支持者になったのではない。単に自分の思い描いていたシナリオを出力した研究にしびれた、と言うべきかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)悪いことではないですね
 
  ( ‥)自分の研究に都合の良い
    –□ 研究やデータを引用する
       それは論文生産という点
       では当然だし、誰しも
       やっていることなのだ
 
 別にそれ自体は悪いこっちゃない。確かに我田引水の度合いがひどすぎてひんしゅくを買ったり、あるいは白い眼で見られることもあるが、ありっちゃありだ。少なくとも科学のルールには抵触していない。
 
 *ただし、科学は実力と検証の世界なので、出来の悪い業績を作るとみんなから、めった切り、なます切りにされる、というだけの話(”めった切りにされる”、とは反対論文が多数出る、というわけで、ある意味、新たな業績のきっかけと貢献ではある。自分ではなく他人の、ではあるが)。
 
 とはいえ、どこまで自覚的なのかなー、と思って探りを入れてみると、こんな返事が返ってきた。

 核ゲノムの全塩基配列を比べたのですよ!!?? データは多い方が正しいに決まっているでしょう?? 
 
 ∧∧
( ‥)一見するとすごく
    もっともなんですけどね
 
  ( ‥)でもさー遺伝子みたいにさ、
      挙動がある程度分かっている
      言い換えると分かっていない
      ものを一括して、多ければ
      良いはずだ、というの
      すごく危険なのよね
 
 異なる振る舞いをする部位を混ぜたり、挙動が分かっている部位と分かっていない部位を一緒にしたり、それを単純に、多ければ良い、と言うのは、しかも把握しないままに言うのは危険だ、という意味。
 
 あるいは最低限こう? 
 
 ちょーっと不用心すぎやしませんか?
 
 ∧∧
( ‥)遺伝子重複どうします?
    進化速度が違っている配列を
    混ぜたらどうなります?
    データを”きれいに”した時
    何が起きているのでしょう?
 
  ( ‥)言い出したらきりないんだ
      でも、ある程度分かっている
      とはこういうリスクや考慮や
      把握をせまられることなのだ。
 
 分かっているは、挙動を把握せよ、という要請であるし、分かっていない部分もあるとは、今は良いがいずれ何か来るかもしれない、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それを言ったら
    あなたも同様なんですよ
 
  (‥ )うん、うかつだったな
 
 素人でさえ、すぐにこれだけ危うさに思い当たるのだ。研究者が何もしていないわけがない。
 
 ∧∧
(‥ )どんな状況で何が起きて
 □–  どう混ぜるとどんな誤謬が
     生じるのか、それを防ぐ
     方法は何か、一般に行われる
     処理に潜む問題点は何か
     根本問題その他
 
  (‥ )論文が幾つも出ているわけだ
      リサーチしなければならん
 
 そうだ、すべては基礎の把握にある。そして以上のように問題点と対処方法、危険の指摘をする研究者がすでにいるのは当然。それは心強い。だがしかし、すべての系統解析者がそこまで踏み込むのかというと、それは必然ではない。
 
 *まったく配慮していない人もいますよ、という意味(系統解析や遺伝子の振る舞いと影響。それを議論する/議論できる研究者と、解析法を利用する研究者。この両者が同じとは限らない。というか多くの場合、違うよね、という意味)。
 
 ∧∧
(‥ )...くだんの人は、、こういう
\–  危険に気がついていたの
    でしょうかね?
 
  (‥ )気づいてないだろう
 
 気づいていたらあんな隙のあることは言わない。
 
 
 
 
 

事実としておそらくやっていない、そうしてる

 
 
 ∧∧ 学会から帰宅でーす
( ‥)
 –( ‥)うーむ
 
 ∧∧
( ‥)3年ぶりの学会
    どうよ
 
 ( ‥)ーーーん
   –□ 浦島太郎になったりは
      してないけども、
      リサーチしなければ
      いけないってことは
      分かるな
 
 ∧∧
( ‥)それも基礎からね
 
  (‥ )毎回1からやり直す
      大事なことだ
 
 それはそれとして
 
  *の続き
 
 
 ∧∧
( ‥)ケプラーさんが3つの法則を
    見いだした時、その背景には
    プラトンさんが言い出した
    世界の背景に美しい数学的
    比率がある、そういう信念が
    あったと
 
  ( ‥)確認が必要だけど
      あれはそうだろうね
 
 ∧∧
( ‥)そういう意味では役に立った
    信念であると?
 
  (‥ )最低限、結果的にはそう
      だろうね
 
 ∧∧
( ‥)役に立ったからには世界には
     数学的な秩序が実際にある、
     そう言って良い?
 
  (‥ )それは言い過ぎだと思う
 
 ∧∧
( ‥)あくまで作業に便利な概念?
 
  ( ‥)結果的にはそうだと
      言えるかもね
 
 ∧∧
( ‥)便利だから使う、しかし
    そうだというわけではない
 
  ( ‥)そういうことになるね
 
 ∧∧
( ‥)でも、あくまで便利だから
    使うだけだ、数学的な秩序は
    現実世界に存在なんかしない、
    現実世界がそうふるまうこと
    は実際にはありえない
    そこまで言い切れる?
      
 
  (‥ )数学的な秩序があるという
      前提抜きでやっていけるか
      そういうことよな
      それは無理だと思うし、
      事実としてやっていない
      のじゃないかな?
 
 
 
 
    

2012年8月22日水曜日

少し踏み込みが強い

 
 
 
  ( ‥)なんか疲れたなー、
      やる気もないし、
      疲れもとれないし
      つまらないし、鬱病かな
 ∧∧
( ‥)ただの夏バテじゃね?
 
 
  (‥ )まあ、確かにそうなのよ
      散歩したり、走ったり
      公園のベンチで寝ながら
      夜風の中、星空見てきたら
      気もまぎれたわけで
 ∧∧
( ‥)疲れ果てた、休みをとろう
    それは良いけど、家の中で
    エアコン(設定28度)かけて
    ごろごろ休みましょうでは
    体にも心にも悪いでしょう
 
 さて
 
 こっちと=>*ちょっとだけかぶる話
 
 
 ( ‥)法則が実在する、という考え
     は昔からあるんだ
 ∧∧
( ‥)それこそ、プラトンさんの
     イデアってそうでしょうね
 
 だが、実際のところ
 
 ∧∧
( ‥)法則は人間が作ったもので
    あるのだと
 
 (‥ )現実は法則にぴったり
     きっかり従ったりしない
     必ずずれがある
     言い換えると、現実が
     法則に厳密に従わないのは
     なんらかの誤差だ、そういう
     発想がないと法則は
     成り立たないし、
     発見できないし使えない
 
 ∧∧
( ‥)でも、これが誤差だ、と
    切り捨てる時、なんでそれが
    誤差と言えるのか根拠が
    よく分からないですよね
 
 (‥ )惑星の軌道を見ると
     おおまかにこういう割合になる
     のだから、その割合が本来の
     あるべき姿で、そこから
     ずれているわずかな現実は
     誤差だろう、そういう発想
     だとすると
 
 この世界は美しく割り切れる、数学的な調和から成り立っている
 
 ∧∧
( ‥)という、かなり踏み込んだ
    発想がないと現実を
    誤差として切り捨てることは
    できないだろうと
 
 ( ‥)現実のいくぶんかを切り捨てる
     わけだからね、現実より優先
     すべき何物かがそこにある
     そういうことじゃねえか?
 
 ∧∧
( ‥)物事が複雑すぎるので、重要な
    要素AとBだけで予測して
    みました、という考えや処理も
    あるんですけどね
 
 (‥ )法則もそれと同じと言えば
     同じなんだよな
 
 ただ、要因AとBで予想するとざっくりこうなるよ、この処理方法使えるでしょ?? というのと、世界の有様を見たらざっくりこう記述できるから、これが法則です、この法則を定理にしましょう、というのでは
 
 ∧∧
( ‥)ちょいと違うのでは? と
 
  (‥ )後者は踏み込みが強いよな?
      そして主張がかなり大胆
 
 
 
 
 

2012年8月21日火曜日

使うを拒否するは罪にあらず、暴落させたものこそ大罪なり

 
 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)気に入らない人間をよって
    たかって血祭りにするのが
    悪魔の所行と言うのなら
 
 (‥ )裁くべき立場でありながら、
     それを反対にもみ消すは
     悪魔にさえも許されぬ大罪
 
 大津の一件はそれゆえに恐ろしく深刻だ。
 
 ∧∧
( ‥)でも? 道徳や倫理や人権を
    数学の定理や公理や物理の法則
    のように思っている人は
    そうは考えないだろう、と?
 
 ( ‥)その手の人にとってあれよな
   –□ 道徳や倫理や人権はどんな時
      でも永遠普遍。紙幣と違って
      絶対に価値の暴落しない真理
 
 ∧∧
( ‥)暴落しないのなら、さほど深刻
    には受け止めないでしょうね
 
 (‥ )暴落しないのなら、関係者への
     襲撃事件も、いいぞもっとやれ
     と煽る意見も理解できないし、
     悪魔!!と罵倒するだけだろうな
 
 だが、暴落するものだったら、どうなのだ?
 
 ∧∧
( ‥)実際には法律だの、正義だの、
    道徳、倫理、人権、全部あなたがた
    人間の発明したものでしか
    ありません
 
 (‥ )そして紙幣と同様、裏付けや
     信用が失墜すると、その瞬間に
     暴落が始まるんだ。
 
 ああ、道徳や倫理が真理だと思っている人たちよ、あなたがたにとっては、襲撃も煽りも、単なる許されざる罪でしかないんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)だけども、暴落するものだ、
    そういう前提に立つと
 
 ( ‥)襲撃も煽りも、暴落の反映。
   –□ 悪魔でさえも許されぬ
      もみ消し、という大罪の
      顕現に他ならない。
      事態の悪化は深刻だ
 
 内乱の続く国でようやく合意がなった。中立的立場だと目された政府が、皆から武器を回収した。
 
 ∧∧
( ‥)だが、政府の一部が
    その武器で犯罪を犯した
 
 (‥ )その瞬間、平和という紙幣は
     信用を失い、価値を暴落
     させるのだ。要するに内乱に
     逆戻りだよ。ゆえに大罪
     なのだ
 
 ∧∧
( ‥)平和を公理、真理と信仰する
    人は、再び武器を手にして
    戦い始める人を平和の敵と
    罵倒するでしょうね
 
 (‥ )こいつは何いっとるのじゃ?
     で終わりだけどね
 
 
 紙幣を暴落させてはいけない。
 
 紙幣を暴落させた張本人が正義を語っても誰も相手にしない。
 
 暴落した紙幣を使わない人を、なぜ尊い紙幣を使わないのか?? お前達は悪魔だ、という人は、まあ、現実の把握に失敗している。
 
 ついでにいうと
 
 ∧∧
( ‥)数学の公理、定理、物理法則も
    結局は人の作ったもの
    なんですよね
 
 (‥ )そんなことはない!! と
     力説する人もいるけどな
     しかしだ、
     長さが現実にあっても、
     パターンが現実にあっても
     それを測る物差しは
     便宜的なもので
     人の作ったものだからな。
 
 
 ましてや正義や人権や道徳や倫理ごときに実体があると思っちゃあいけねえ。間抜けなことをするとあっさり暴落する。そして暴落した紙幣を使わないのは、使わない人の罪ではない。暴落させた人々の罪なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)ゆえに許されざる罪をも
    凌駕する大罪となる
 
  (‥ )だからまじやばなんだよ
 
 悪魔だの、悪だの、真理だの、我が社の株は無敵だ、うちの紙幣の価値は不変だ、そんな信仰告白をしている人にとってはそうではないのかもしれないが。
 
 
 
 

2012年8月20日月曜日

疲れたので 絶望 せよ

 
 
 
 ∧∧
( ‥)昨日は仕事せず
 
 ( ‥)プリンキピアのせいかな
   –□ 今日もやる気ないし
      休もうかな〜
 
 ∧∧
( ‥)脳で処理できる物事には
    限界がある?
 
 (‥ )ありますねえ
     疲れちゃった
 
 ∧∧
( ‥)疲れちゃった、と言えるのは
    良い事ですよ
 
 ( ‥)休んでこその疲れただ
   –□ 追い込まれると
      疲れちゃったも言わなく
      なってくるからねえ
 
 それはそれとして
 
 ∧∧
(‥ )絶望先生の最終集が発売。
 □–  メインヒロインが通常の
     意味において実在しな
     かったという物語
 
  (‥ )他の子たちで交互に
       演じていたのな
 
 ∧∧
( ‥)ネットでも一部で以前から
    話題になってましたけど、
    第1集、7話で包帯巻いて
    いたの謎でしたし
    巻末に掲載された3・1人も
    嘘予告にしては謎でしたしね
 
 ( ‥)この物語、確かに妙な
   –□ 雰囲気はあったんだよな
      キャラが明滅するように
      入れ替わる感があるというか
      読んでると、時々、頭が
      チカチカしてくる感というか
 
 ∧∧
( ‥)場面転換や台詞回しのために
    必要な演出だ、と言えばそれまで
    なんですけどね
 
 (‥ )ネットでもあった第25集、
     250話の場面もね、演出、
     場面の切り返しだと言えば
     そうなんだけど、唐突と
     言えば唐突なんだよな
     丸内さん、どこいったの?
     あれ? 可符香さんどこ?
     って感じで
 
 ∧∧
( ‥)12集、111話も
    そうですかね?
 
 ( ‥)あれも唐突感あったの
   –□ だよね。台詞回しの
      ためなのか、あるいは
      場面を切り替えたり
      リズムを生むためなのか
      それにしては、あれ?
      可符香さん、どこから
      挨拶してるの?
      一見さまお断りの時も
      奈美ちゃんどこいったの?
      そんな感じでね
 
 
 ∧∧
( ‥)まあ、作る身でもなければ
    百見さまでもない身で、
    いや、百見さまでも
    しょせんは作者の手のひらの
    上ですけどもね
 
 (‥ )116話はまといちゃんじゃ
     ないのか、117話はカエレ
     ちゃんじゃないのか?
     284話は、少なくとも後半
     は千里ちゃんじゃないのか?
     最後の髪留めの形が同じだし、
     もっともらしく言うことは
     できるけども、
     補助仮説を導入すれば
     こういう推論をいくらでも
     成立させることが出来る。
     一歩間違えるとトンデモとか
     疑似科学的な憶測になるよね
     普段、登場しない人もいるし
     物語的にも補助仮説の
     導入が可能な体勢だし。
 
 ∧∧
( ‥)でもまあ、憶測を声高に
    正しい!! と言うのは
    あれでも、妄想して楽しむ
    のはありなんですよね
 
 ( ‥)意外と楽しいな
   –□
 
 
 
 

2012年8月19日日曜日

悪魔も正義を強制される宇宙

 
 
 *の続き
 
 ∧∧
(‥ )関係者たちをリンチして
\–   殺すのだ、という勢い、
     まるで正義感に
     燃えている人々こそ
     悪魔だ、という
     意見もありますね
 
  (‥ )いやまあ、言わんとする
      ことは分かるけどさ、
      悪魔なんてこの世にいないし
      ちょっと落ち着けよ
 
 ∧∧
( ‥)悪魔は苦痛の擬人化でしかない、
    という意味ではなくてね
 
  (‥ )悪魔が存在しても、悪魔は
      悪魔でいられない、と
      言った方が正しいかな
 
 純粋な苦痛の具現。それが悪魔だというのなら、理屈の上では考えられる
 
 ∧∧
( ‥)無敵で不敗で圧倒的な能力と
    耐久力を持ち、
    呼吸するかのように
    人を殺す殺人鬼
 
  (‥ )だけども悲しいかな、
      そんなものは存在できない。
      強い殺人鬼でも
      何人かの人間にかかれば
      あっさり殺されるからな
 
 端的に言うと、悪魔と悪は、組織でないと存在できない。
 
 ∧∧
( ‥)でも、組織になるってルールを
    守るってことなんですよね
 
 ( ‥)そりゃあ、悪魔だって勝手な
   –□ ことはできないからなあ
      しかも、そうして悪魔軍団に
      なっても、無敵にはなれない
      という悲しさ。
 
 ∧∧
( ‥)悪魔軍団が世界を征服しても
 
 (‥ )征服された方が多いからな
     へたなことするとあちこちで
     反乱が起きて破滅、悪魔たちは
     みんなリンチされてそれはそれは
     むごい殺され方をするだろう
 
 ∧∧
( ‥)結局、悪魔はルールを守り
    支配される側のことをちゃんと
    考えて運営しないといけない
 
  ( ‥)それがこの世界に覇権を
      争う軍団と国家があれど
      魔王もそれを倒す勇者も
      いない理由よな。
      単体戦力は無力なんだ
      集団でないと
      やっていけないし
      集団になるとルールを
      守り、正義を行う必要が
      あるんだ
 
 悪魔でさえもルールを守り、正義を行わなければ存在できない世界。これこそ、この宇宙が地獄以上の地獄そのものであることに他ならない
 
 ∧∧
( ‥)ところが、ある悪魔たちが
    ルールを破ったばかりか
    それを隠蔽した
    しかもばれたのですよ
 
  (‥ )他の悪魔はドン引き
      大魔王様は怒髪天
      人間たちは、よーしじゃあ
      リンチ始めるぞーと
      祭りだわっしょい
 
 ルールを破る奴が出る。
 
 これは当たり前。
 
 だからこそ、公正に裁かなくてはいけない。これは危機管理に他ならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、公正に裁く事、
    これ自体を破壊したら
 
  (‥ )すべてが終わるんだ
      それは一人、二人、100人
      1000人殺したどころの
      騒ぎじゃない
      それ以上の罪
 
 
 
 

放棄すべきは定理や公理

 
 
 ∧∧
(‥ )大津で関係者が襲撃された件
\–   ネットは大にぎわい、しかし、
     気に入らない人が血祭りに
     上げられるのを喜ぶのは
     いじめと同じだ!! という
     批判の声。まあ、そういう
     声が上がるのは当然ですね
 
  (‥ )いじめの解決にならない。
      いじめ問題はいじめでは
      解決されない、そんな意見
      もあるね
 
 ∧∧
( ‥)どう思います?
 
 (‥ )みんなはいじめ問題を
     解決しようとしている、
     それが本来ではないのか?
     そうは言うけども、実は
     これらの前提自体が
     間違っているとしたら
     どうだね?
 
 単に、裏切り者を抹殺しようとしているだけだとしたら、どうなるね?
 
 ∧∧
(‥ )その場合、相手が全滅するまで
\–   止まらないでしょうね
 
 (‥ )どっちが動態を説明できていると
     思う?
 
 取るべき仮説はどっちだろうか? 説明できない前提か、説明できる前提か?
 
 ∧∧
( ‥)動態を説明できる前提の方を
    選ぶべきであると
 
  ( ‥)説明できる=正しい、ではない
      それなら天動説も天球も
      正しいことになるからな
      だが、説明できない、は
      それ以前に論外だ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )これでは同じいじめではないか
      これではいじめ問題は解決
      されないではないか、
      これらの前提や意見が現実と
      人々の動態を説明できないのなら
      前提を棄却するべき
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると
 
  (‥ )世の中の人々、もちろん、色々
      な人がいるけども、おおまかに
      言ってしまうと、あれを
      いじめ問題とは思っていない
      そういうことだろう
 
 犯罪であり、犯罪を、警察と都市の行政、教育委員会が組織ぐるみで隠蔽した、そう思われている。
 
 ∧∧
( ‥)つまり裏切り者、そして
    本来だったら気に入らない相手を
    殺し、リンチするのがあなた方
    人間だ
 
  ( ‥)しかし、それでは社会が
      崩壊する。それは困る。
      だから信頼できる相手に
      調整を依頼する
      暴力を行使する欲望を相手に
      委譲する
      リンチではなく、公平な裁判
      へ明け渡す
      だが、その相手がそれを
      裏切ったらどうなるか?
 
 ∧∧
( ‥)普通の裏切りではすまない
    でしょうね
 
  (‥ )じゃあちゃんと使ってね
      と渡した暴力を私利私欲の
      ために使ったわけだろ?
      平和になったから、と
      言われて相手に銃を渡したら
      その銃で悪さを始めたのと
      同じ状況よな
      じゃあそれ返せよ、そして
      まず真っ先にお前らを殺す
      となるの当たり前だろ
 
 止まらん、止まらん。もっと上の人々、もっと上位にいる知的エリート、世界の支配者が自ら出てきてばっさり鎌を振り下ろさないとこれは止まらん。
 
 ∧∧
( ‥)だからこそ、マジヤバ
    なんだと
 
 ( ‥)これは非常な危機なんだよね
     言い換えると、そう感じない
     人たちはあれよな、道徳とか
     人間性とか、倫理とか
     人権とか、そういうものを
     数学の公理や定理のように
     扱っているのよな
 
 だからたぶん、言うのだろう、定理と公理から証明するとこうなるが、お前達はそうなっていない。ゆえにお前達はおかしいのだと。
 
 ∧∧
( ‥)だけども本当は
 
 (‥ )定理や公理から証明したことが
     現実と乖離した場合、放棄するは
     現実ではないんよね
     放棄すべき、あるいは修正すべき
     は定理や公理なんだ
     こうなると数学じゃなくて
     自然科学だけども、現実を
     見据えるのが経験と科学さね
     そして今起きているのは現実だ
 
 定理や公理は自分の正しさをまったくなにも保証していない。証明も矛盾がないですよ、と言っているだけで、困ったことに正しく矛盾のない文章で大嘘をつくことはまったくもって可能だ。証明は現実そのものではない。
 
 ∧∧
( ‥)証明も定理も公理も
    それ自身ではすっからかん
    ですから
 
  (‥ )そうであるのに、
      説明すべき現実の方を
      棄却してどうする。
 
 
 
 
 

ありうるは、他のすべてが無い、ではない

 
 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)未来予測が悪いわけでは
    ないですよね
 
  (‥ )そりゃそうさ
 
 だが未来予測で経路を判断した場合、それが正しいかどうか知るには、実際にそこを通る必要がある
 
 ∧∧
( ‥)問題は、過去の出来事は
    実際に経験することは
    出来ないということですね
 
 (‥ )理論的にここが通れる
     これ自体は推論として問題ない
     だが、通った、が
     過去に起きた場合
     実際に通ってみよう、という
     検証は不可能だ。
     なんといっても過去の出来事
     だからな
 
 未来予測では過去の出来事を検証できない。だから未来予測で過去を語るのは科学にはなれない。いかに議論を重ねてもそれはゴミくずだ。
 
 さらにいうと
 
 理論的にここが通れる=ここを通ったはずだ は明らかな間違い
 
 ∧∧
( ‥)ここが通れるは、
    ”他の経路が存在しない”
    ではないですからね
 
  (‥ )存在を証明して有頂天に
      なるのはいいんだけどな
      非存在を証明するのは
      もっと難しい。
      存在証明で非存在の証明も
      成し遂げたと勘違いして
      いる時点で相当出来が
      悪いのよ
 
 そんな稚拙な勘違いをする奴の証明だの論理だの理論だの、そもそも信用できるわけがない。
 
 
 

2012年8月18日土曜日

過去推論を未来予測と勘違いしている

 
 
 ∧∧
( ‥)?
 
 ( ‥)ああ、ほら、どこぞの掲示板
     で鳥の飛行の起源を一生懸命
     論じてた連中がいたろ?
 
 あるいは人の進化を論じていた連中もいる(例えば人類の水中起源説)
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
 (‥ )どういうわけだか、
     この手の議論が始まると
     みんな、このような進化が
     起きたはずだ、事実、この
     ような進化を想定すると
     うまく説明できる、という
     主張をするのだよね
 
 ∧∧
( ‥)A地点からB地点まで至る場合
    経路Cがありうるし、理論上
    経路Cは成立する、だから
    経路Cを通ったに違いない
    経路Cは良い道ですから問題ない
    そういう議論ですね
 
  ( ‥)でもそれ、全然意味ないの
      だよね
 
 経路Cが通れるか通れないか、が問題なのではない。過去にその経路Cを実際に通ったかどうかが問題なのだ
 
 ∧∧
( ‥)理論上、経路Cが一番良い
    道だからそれを通った
    そういう主張ですけどね
 
  (‥ )それ意味ないんだよね
      オレなら経路Cを通る!!
      お前はあいつじゃない
      だろう、何を言っているのだ
      という突っ込みね
 
 良いか悪いか、ありえるありえない、ではなく、実際にどこを通ったのか? が解くべき問題
 
 ∧∧
( ‥)良いから通ったはず、
    ありえるから通ったはず
 
  (‥ )ではなくて、防犯カメラの
      映像やコンビニのレジの
      記録、もっていた物品から
      彼が過去どこを通ったのか
      推論する、が正しい。
 
 どこが通れるか、どれが一番良い道か、が大事なのではない。どの道を通ったか? なのだ
 
 ∧∧
( ‥)問題の考えが逆なんですよね
 
  ( ‥)この道が良いからここを
      通ったはずだ間違いない。
      この道を通ったみたいだけど
      これはどんな道だろう
      それを調べよう。
 
 2つは順番が逆なのだ。そして後者が正しい。
 
 ∧∧
( ‥)無駄な議論?
 
  ( ‥)無駄だね。もう科学者も
      そういう議論してないしね
 
 というのはともかくとして
 
 むしろここから分かることがある
 
  (‥ )この道が良い道だから
      ここを通る。これ、過去推論
      じゃなくて、未来予測と
      計画の立案だよな?
 ∧∧
( ‥)ああ、まあ、そうですね
 
 つまりあのありがちな、無駄な議論は、あれか? 過去推論と未来予測を間違えて行っているということか?
 
 ∧∧
( ‥)未来予測ができるあなたがた
    人間に特有の誤謬?
 
  ( ‥)どうなんだろうねえ?
    –□
 
 
  

2012年8月17日金曜日

楕円軌道ふたたび

 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)つまり、楕円の焦点から
    外周へ線を引き、三角形を
    無数に描くことにより
    楕円を多角形で近似する
 
( ‥)その時、重力は描かれた三角形
  –□ の外接する辺に対応した
     向心力に比例し、一方で
     時間の2乗、つまり幾何学的
     には三角形の面積の2乗に
     反比例する
 
 ∧∧
( ‥)彼の言っていることを非常に
    簡略に言うと、そういう
    ことなのだと
 
  (‥ )面積は辺と距離の積だ。
      つまり以上の関係式には
      距離の2乗に反比例する、
      これがすでに入っている。
      後は他の要素を
      すべて定数に書き換えて
      しまえばいい。楕円の
      図形的な性質を利用してね
 
 ∧∧
( ‥)それに成功した時、
    楕円軌道をめぐる物体
    に作用する力は距離の逆2乗に
    比例することが証明できる
 
 ( ‥)これがケプラーの第1法則
   –□ を論証したニュートンの
      やりかた。おそろしく
      単純に説明すると
      こういうことだ、
      この理解で良いと思う
 
 ∧∧
( ‥)良い、、、はいいけど
    これ、どうするの?
 
  (‥ )うん、そこなんだ
 
 
 
 

含有量の高い奴がいいです

 
 
 
 ( ‥)ほとんどの老人の話がなぜ
     つまらないのか?
     それは彼自身の人生を
     語るからだね
 
 ∧∧
( ‥)人に何か伝達するのなら、
    個人の枠組みを越えた
    もっと普遍性あるものの方が
    価値高いでしょうね
 
 もちろん、これは考えようによっては不当な言い様だ。少なくとも、人間は自分を言葉でアピールする動物である、という視点に立つのなら。
 
 *いかにくだらなくても自分の人生をアピールする動物、それが人間。それを越えろ、というのは人を越えろ、という無茶ぶりだという意味。
 
 
 ∧∧
( ‥)というか、人を越えよと?
 
 (‥ )いやね、もっとね
     現金な話をね
     したいのよ
     オレ、高尚なことなんか
     どうでもいいからね
     文化人じゃないし
 
 言葉が貨幣なら、お前の貨幣の価値と額面を、それを保証するのはお前のくだらん人生だ。そんな通貨いらねえ。お前の人生と同様、お前の通貨はただのゴミくず。
 
 
 ∧∧
( ‥)金貨とか欲しいですよねー
 
 (‥ )含有量の高いやつが欲しー!!
 
 
 困ったことに自分の人生は金貨だと思い込んでいる人間が多すぎる。
 
 ∧∧
( ‥)希少価値って、多いの
    反対なんですけどね
 
 ( ‥)含有量!! 含有量!!
 
 

夕暮れのトンボ、流星、重力

 
 
 
 昨日の夕暮れ、丘の上から赤い空を見ていると、飛行するカナブンと思われる虫にアタックする大きなトンボの影があった
 
 
 ∧∧ 無茶じゃね?
( ‥)
 –( ‥)無理だよね
 
 
 アタックして、ぱっと、軽やかに離れた
 
 しかし、しばらく後、何か2センチかあるいはそれ以上のものを抱えて重たげに飛ぶトンボの影
 
 
 ∧∧ あれは? セミ?
( ‥)
 –( ‥)透明な翅があるように見えた
      けども、、、ヒグラシ
      かねえ?
 
 
 トンボは、ギンヤンマか、あるいは時々見るオニヤンマかもしれない。重たげに飛んでどこかへ消えた
 
 
  
  ( ‥)ああ、疲れた
    –□
 ∧∧
( ‥)少し寝ちゃいましたね
 
 夜も更けて日付が変わり、外へ出ると透明度はあまり良くないが夜空は快晴で、散歩に出かけて星を眺める。
 
 
 ∧∧ 流星が3つ
( ‥)
 –( ‥)明るかったね
      ペガサス座を流れたのは
      流星痕が残ったね
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  (‥ )うん、天体を軌道に留める
   □–  向心力は時間の2乗に
       反比例する。ようやく
       意味が分かったし
       実感できたと思う
 
 ∧∧
( ‥)流れ星を眺めながら
    考えて、こんどこそ
    理解できました?
 
  (‥ )まあ、たぶんね
 
 
 ∧∧
( ‥)疲れたから寝ます?
 
  ( ‥)プリンキピア、
      ちょっときつい
 
 
 
 

2012年8月16日木曜日

これは冗談抜きでやばい

 
 *の続き
 
 
 ∧∧
(‥ )大津の関係者が襲撃された件
\–   関係者の声として、
     暴力は許されない
     事件は卑劣で許せない
     そういう発言が報道されて
     ますね
 
  (‥ )ああ、これ、マジヤバだな
 
 いわば自社株や自国紙幣を自ら紙くずに暴落させた当の本人たちが、そんなことを言ったら、人々の反応は、

 あぁ??
 
 だろう。
 
 ∧∧
( ‥)状況は非常に深刻だと
 
  (‥ )一人の人間が傷つく、
      例えばおいちゃんが殺されても
      誰もなんとも思わずに
      はいおしまい、だろ?
 
 だが犯罪を組織的に、それも司法や行政、教育に関わる人間がもみけそうとした、そうなるとそんなものではすまない。
 
 しかも当事者達がその問題を自覚していないとなると
 
 ∧∧
( ‥)法治国家、マジヤバ状態
 
  ( ‥)冗談抜きで粛清が
      必要とはね
 
 とはいえ、まあ、
 
 ∧∧
( ‥)さいわいにも
 
  (‥ )そうねえ、まだじゃれあって
      いるレベルだからね
      なんとかなるよね
 
 ∧∧
(‥ )国家官僚のみなさんはどう
\–   動いていることか
 
  (‥ )彼らは法律にのっとって
      動く人々だから無法に
      大粛清なんかするわけ
      ないけども、さて
      どう出るかね?
 
 
 
 世間では色々な陰謀論や、どうせ茶番で終わらせるんだろ? というシニカルな、ある意味、当然な意見が多数現れており、これは極めて深刻だ。信頼を失うことには恐ろしい威力があり、それを自覚していないのはあまりにも危険すぎる。
 

額面自体がころころ変わる紙幣は暴落します

 
 
 ∧∧
(‥ )大津市の例の問題、関係者が
\–   襲われたみたいですね
 
  (‥ )ほう?
 
 
 ∧∧
(‥ )ネット上の声、
\–  :じゃれあいでしょ?
    :何の問題が?
    :原因とは特定できないはず
    :やらせじゃね?
 
 (‥ )つまり自分の時だけ
     我が身を守るのは
     ダブルスタンダードだろ?
     嘘つきならこれも嘘だろ?
     そういう言い様よな
     まあ、組織的に犯罪を
     隠蔽するとこうなるは必然ね
 
 ∧∧
(‥ )暴力は許されない、という意見
\–
 
  (‥ )筋を通すことを一度放棄すると
      通さないこと自体が筋になる
      それでも古い筋を通せると
      思うのは愚かよな
      自分の都合良く額面を変える
      ダブルスタンダードな
      紙幣なんて誰も信用しない
   
 
 ∧∧
(‥ )...暴落しちゃったんですね
\– 
 
  (‥ )もう紙くずだからね
      なんで使ってくれないの?
      使って何が悪いの? 
      使ってください
      使わせてください
      そんなこと言われてもなあ
 
 ∧∧
( ‥)ひるがえればですよ
 
  (‥ )紙幣の信用を保ちたかったら
      味方だろうが身内だろうが
      原理原則のためなら
      粛清しなけりゃいかん。
      原理原則って
      そういうものだからね
 
 ∧∧
( ‥)大粛清=信用、ではないですけどね
 
  (‥ )それは当然さね。
      紙幣を使うのは人々で
      使えるかどうかを決めるのは
      現実だ。粛清そのもの
      が価値を決定するわけでは
      ないね
 
 だがしかし、額面自体が相手によってころころ変わるのはそれ以前に論外だ。価値を決定するのが現実でも、価値を維持するには粛清が必要だ。暴落した正論を述べても、そんな紙くず、もう誰も受け取ってはくれない。
 
  
 
      
 
 

1円玉の夜空

 
 
 一休みして外に出たら
 
 ∧∧
(‥ )このあたりではすばらしい
    夜空です
 
  (‥ )おー、散歩へいこう
 
 ちょうど金星がぎらぎらと東の地平線に上がってきたところで、ぼーっと夜空を眺めていると、明るい流星が2つ、暗い流星が2つ流れた
 
 ∧∧ やぎ座もはっきり見えますね
( ‥)
 –( ‥)あの星座、暗い星が多いけど
      形はしっかりしてるからな
      夜空が暗いときれいだよね
 
 みずがめ座、うお座、くじら座、見える見える。
 
 まあ、暗い、とはいっても神奈川県の中央部。北の八王子、南の茅ヶ崎、西の厚木に小田原、東の横浜、川崎、そして東京。周囲は大都市だらけ。森の夜道を抜けて、暗闇になれた眼で見ると、夜空は街の明かりで濁った灰色に見えて、やっぱり明るすぎる。
 
 ∧∧
(‥ )それでも、風が強くて、空気が
    比較的澄んでいて、月もないし
    アンドロメダ星雲が
    眼で見えますね
 
 (‥ )家の周辺でアンドロメダ星雲
     を眼で見るのは、ずいぶん
     ひさしぶりだなあ
 
 帰って望遠鏡でのぞくものの、しかし、やっぱり空は明るすぎるし、星雲は倍率の関係があるにしてもかすんで見えるし、木星も金星も、まるで水中に投げ込まれた石のようにゆらいでいた。
 
 ∧∧
( ‥)さすがに、都市が多くて
    気流は悪いですね、
    いつものことですが
 
  (‥ )とはいえ、良き散歩で
      あった。
 
 ∧∧
( ‥)...ところで、1円玉を
    夜空にかざして何をして
    いるんですか?
 
 ( ‥)ほら、魚が、
   –゜ それが深海魚でも
      浅い海や淡水の魚でも、
      開けた水中を泳ぎ種類は
      体が銀色である意味を
      実感する試みだ
 
 一様に灰色で暗い夜空にかざされた1円玉は、10円玉よりも見えにくい。
 
 ∧∧
( ‥)銀色なので夜を映して
    背景の夜空にまぎれますからね

 
  (‥ )実感できるだろ?
  ゜–
 
 
 
 

2012年8月15日水曜日

無念、文学では経済は救えない

 
 
 ∧∧
(‥ )そういえばあなたは、こちら
\–   では=>* 老人の失われた
     リビドーへの果てぬ思いが
     消費を生む、と書いて
     こちらでは=>* 
     高齢化社会と欲望の低下、
     それに従う経済の鈍化を
     恐怖しているのですよね?
 
  (‥ )ああ、、うん、そうだね
 
 
 ∧∧
( ‥)どっちよ?
 
 
  (‥ )文学では経済は救えない
      と答えておこう
 
 無くなってしまった欲望を思い起こし、失われてしまった輝きを渇望せんとする破廉恥な試み、しかしそれは前進し、生み出そうとする点において雄々しく、だがしかし、経済全体を救済するほどの力はない
 
 ∧∧
( ‥)二次元見て満足しちゃ駄目?
 
 (‥ )水戸黄門で網タイツの女忍者
     を見るのが精一杯ではなあ
     コミケだとか同人誌とか二次創作
     の足下にも及ばないだろ。
 
 若さと煩悩のおぞましくもはじける輝きを見たまえ、老人諸君。
 
 そして無念、文学と秘めたるリビドーでは経済は救えない。
 
 
  (‥ )それ考えるとさ、高尚な
      文学って最低だな
      なにあの、ふかしだけ
      こいてる役立たず?
 ∧∧
( ‥)ああ、またそういうことを言う
 
 
 
 

最後の人類

 
 
 起きるとまだ暗かったので散歩へいく。
 
 ∧∧ 途中で曇りましたが
( ‥)
 –( ‥)流星が2つ見れたね
 
 雲間から木星、輝く金星、そして空に爪でも押し付けたかのような薄く、上がったばかりでにぶく銅色に輝く三日月が見えた。
 
 ∧∧ 昨日の金星食は雨で無理
( ‥)
 –( ‥)うん、でもこれもなかなか
      良い感じだよ
 
 さて
 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)でも? もしもとてつもなく
    優れた技術があれば、相対論
    を越えられないこの宇宙でも
    冒険はできると?
 
  (‥ )燃料を旅先で補給できて
      信じがたいほど耐久性が
      ある船体で、光速に
      かなりすみやかに到達
      できる加速力のある船が
      あればね
 
 あるいは冷凍冬眠なり、それに準じた仕組みがあれば。
 
 ∧∧
( ‥)燃料を旅先で補給ねえ
 
  ( ‥)化学燃料とか核燃料なら
      可能だよね
      でも効率が悪すぎる。
 
 ∧∧
( ‥)理想的には反物質でしょ?
    一応、加速器があって電源が
    あれば製造はできますよね。
    どれだけの規模になるのか
    現実的なサイズに収まるのか
    必要な燃料を補給するのに
    どんだけかかるか知りませんが
 
  (‥ )旅先の恒星の周りを周回
      しながら太陽電池みたいなもの
      を展開して、じーっとたまるの
      待つのかな。
 
 結局は冷凍睡眠か何かしなければどうにもならなそう。ひょっとしたら燃料補充のためだけでも、ずっと眠り続けながら何年も何十年も、あるいはもっと回り続けるはめになるのだろうか。
 
 ∧∧
(‥ )そうして反物質を補充しても
\–   例えば太陽に一番近い恒星まで
     20年ぐらいの旅でしたっけ?
 
  (‥ )それでもびっくりするくらい
       速い旅だけどね。化学燃料や
       核燃料じゃ、数光年の距離を
       越えるのに、数十年、数百年、
       数千年以上とかそんな長旅に
       なっちまうし
 
 ∧∧
( ‥)もしもすみやかに光速近くに
    まで加速できたら良いですけどね
    加速による相対論的な時間の遅れが
    顕著に出れば、最低限、本人に
    とって旅は短くなると
 
 (‥ )時間の歩みが船外よりも
     のろくなって、船内時間で
     数週間、数ヶ月ぐらいで
     次の恒星までいけるのなら
     うれしいね。
 
 それでも絶対的には長旅ではあるけども。
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、仮にそんなことが
    可能でも、船はとんでもなく
    丈夫で、色々な安全装置が
    必要でしょ?
 
  (‥ )光速近い速度で旅をして
      ぶつかってくる微細な粒子に
      よる破壊やらなにやら
      どうなるかねえ
 
 ∧∧
( ‥)だいたい加速器だの反物質炉だの
    制御装置だのなんだの、どんだけ
    精密な部品がつまっているのだという
 
  (‥ )普通に考えればあっと言う間に
       壊れたり、故障したりする
       よな、直すにしても複雑
       すぎて無理だよね。
 
 そもそも旅に出るご本人自身、たぶん、生身とかではないだろう(冷凍睡眠とか簡単にいうけども、コチコチに凍らせられて、しかも何十年経過しても問題なく普通に起きてくる、という時点で、それはもう人間どころか哺乳類でも、脊椎動物ですらない。細胞の構造すら違っているんだろう)。
 
 ∧∧
( ‥)でも? それをクリアできる
    信じがたい技術があれば、
    それこそ星々をまたにかけた
    大冒険は可能だと
 
 ( ‥)100光年先の星まで
   –□ いくのに100年以上かかるし
      銀河をまたにかけた旅に
      でかけるのなら10万年以上
      の時間が必要だけどもね
 
 ∧∧
( ‥)旅の間に故郷の地球が滅びたり
    ひとつの文明が消え失せて
    人類が絶滅するほどの時間が
    経過するけども
 
  (‥ )それでもあれだ、
      宇宙でたったひとりの人類に
      なるはめになっても
      褐色矮星に降る雨や
      ガスジャイアントの超臨界の
      海に潜ることはできるわけだ
 
 スターウォーズのような世界は無理だし、ああいう意味合いで大冒険はできない。この宇宙はそれが出来ない宇宙だ。以前も書いたように=>*
 
 ∧∧
( ‥)でも、もしも相対論の壁の
    向こうにいってしまって
    家族どころか同胞や文明や
    人類ともお別れする
    覚悟があれば
 
  (‥ )とてつもない旅と冒険は
      出来るだろうなあ
 
 
 
 
      

2012年8月14日火曜日

でっちあげられたお菓子

 
 
 *の続き
 
 ( ‥)スポーツだって、人体の構造
     医療的な知識がなければ
     やっていけないのだから
     科学教育や振興で
     センスオブワンダーが
     強調されるって
     ずいぶんおかしな
     話なんだけどな
 ∧∧
( ‥)科学はそういう情緒的
    な衝動とはむしろ対極のもの
    現実と経験と科学的な判断、
    そういうものの最たるもの
    本丸そのもの
    でしょうからね
 
 もちろん、動作が冷静そのものでも、衝動があるからこそ、人はその選択肢へ向かうのだ。いかにどれだけお上品な仕草でも、腹が減っているから食うのだ。
 
 そういう意味では
 
 センスオブワンダーを子供に見せて科学に興味を引かせよう
 
 これの言わんとすることは分かる。
 
 とはいえ
 
  (‥ )でもさ、実際は科学の
      センスオブワンダーって
      みんなのワンダーとは
      相性悪いのだけどな
 ∧∧
( ‥)科学が見せる現実の驚異って
    現実だけに容赦ないですから
 
 例えばの話、科学はスターウォーズと相性がよろしくない。星々や銀河をめぐる大冒険なんて現実には無理だからだ。
 
 ∧∧
( ‥)というか、ぶっちゃけた話
    科学はSF全般と相性良くない
    ですよね。
 
  (‥ )光速を越えられず、光速に
      到達することすら困難な
      宇宙の現実、それを示した
      科学は、大冒険とかフィクション
      とは根本的に相容れないよね
 
 そもそもフィクションってのは現実からの飛翔と逃走であって、現実を記述しようと模索する科学とは根源から対立する。実際、科学、科学したSFは受けが悪いのみならず、ジャンルとして衰亡しているそうだ。みなの夢に科学を混ぜた当然の報いなんだろう。夢に現実を混ぜてどうする。いくら合金を作るといっても割合を間違えちゃあいけねえなあ。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、恐怖の現実を織り込む
\–   ことで、きれいなお話を
     作ることもできますけど
 
  (‥ )ゲド戦記を書いたル・グインの
      「幻影の都市」みたいにな
 
*かつて竜座のガンマ星エルタニンをめぐる惑星に建築された植民地。侵略者によって占領された母星地球を調査するためそこからやってきた主人公。光速に到達できる宇宙船を使い、生まれ故郷から地球へ、地球から故郷へ。光速で移動する以上、相対論的な時間の遅れが生じるために、この旅は彼にとってはほんの数週間か数ヶ月、しかし故郷と地球の間ではその間に数世紀が過ぎてしまう。
 
 ( ‥)故郷の妻はとっくに塵になり
     地球で知り合った人々も
     故郷へ変えれば塵になって
     いるだろう。自分は故郷へ
     帰ろうとしているのか
     故郷から離れようとして
     いるのか
 ∧∧
( ‥)相対論的な時間の壁に引き裂かれる
    人々の物語ですね
 
 きれいな話は描ける。それは事実。
 
 だがまあ、普通はこんな話を望んだりはしないだろう。皆が望むセンスオブワンダーなんて、結局は砂糖をまぶされ、でっちあげられたお菓子でしかないのだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも、この恐怖の現実
    宇宙が見せる異様な姿
    それに興味を持つおかしくて
    少数派な子供がいるのです
 
 (‥ )結局さ、センスオブワンダー
     なんざあ、どうでも良いのよ

 恐ろしい現実を見せてやればいい。それに眼を見開いて「これは何??」と異様な関心を払うもの。それこそ後継者になりうるだろう。そして次の恐怖を発見してくれるに違いない。
 
 
 
 

センスオブワンダー

 
 
 ∧∧
(‥ )技術立国なのだから子供達に
\–   科学のセンスオブワンダーを
     教えよう、という意見
 
 (‥ )そんなのどうでもよくねえ?
     教えなきゃ興味持たない
     ようなやつは、ゴミかす
     だろう 役に立たんぞ
 
 ∧∧
( ‥)あんまりな言い様です
 
  (‥ )でもあれよ、興味がある
      だけじゃどうにもならない
      のが科学よ? 興味持った
      やつを増やしたって
      使えないべ
 
 ∧∧
( ‥)競技人口が多い方が
    強い、というのはあなたも
    言ったことですよね
 
  ( ‥)じゃあ、必要なのはむしろ
    –□ 道場に相当するプレイルーム
       だよな。そして訓練された
       教師だ。普通の教師では
       無理だね。科学は専門技能
       だからな。
 
 ああ、思い出す、ある時、某比較的大手の出版社に持ち込み企画にいったのだった。所詮は人づての持ち込みで、相手は仲介してくれた人のメンツを立てて会っているだけで、なんの興味も持っていないのは、まあすぐ分かった。
 
 ∧∧
( ‥)でもそんなことはどうでも
    よいことで
 
 ( ‥)編集者が愚痴るのだ、科学もの
   –□ は売れないんです。最近の子供
      は科学に興味ないんですよ
      そういう風にね

そこで聞いた。「ロケットが飛ぶ原理って説明できますー?」
 
 ∧∧
( ‥)その人、説明できなかった
    のですよね
 
  (‥ )ロケットと宇宙の本を編集
      したのにそのていたらくなんだ
 
 もちろん、編集者が全員そんなわけはない。自分で調べ、取材し、下調べの後、企画を出し、調整し、社内で根回しを行い、著者を探し、イラストレーターを探し、監修者にオファーをとって依頼し仕事を把握してこなす人もそりゃあいる。
 
 ∧∧
( ‥)でも、逆に言うと全員が
    そういうまっとうに仕事を
    果たしている人ではないと
 
  (‥ )ロケットの本を作っておいて
      ロケットが飛ぶ原理を説明
      できないでおいて、子供ガー
      とか愚痴る。強烈だろ?
 
 そして、どんなものごとでも、最初は興味から始まるが、しかし、動機の次に必要なのは技術と基礎だ。
 
 ∧∧
( ‥)それを求める相手にきちんと
    説明できるか、ですよね
 
  ( ‥)化石が出来る仕組みを書く
    –□ 例えばの話
 
 死んだ生物の遺骸はそのままでは食べ尽くされ無くなっててしまいますが、食い荒らされない状態、例えば土砂に埋もれるような状態では残る場合があります。川が海に出れば流れはゆるやかになり、運んできた土砂は沈みます。こういう場所で遺骸が埋まり、保存され、そして土地が隆起してさらに浸食されると、かつて地中に埋もれた生物の遺骸が人の眼に触れることになります。
 
 ∧∧
( ‥)子供向きの本ではこれでも
    十分かもですけどね
 
  (‥ )間違いではないけども、
      省略があるんだ。そして
      その省略が落とし穴になる
      例えば以前書いたこんな
      馬鹿話のようにね=>*
 
 時々、思う、周期的絶滅説、あれは仮説自体としては確かにあって、科学の世界ではこれをめぐって議論になった。いわばひとつの論文が多くの他の研究を生む、それが反論でも欠点の指摘でも賛成であれ、みんなの業績を上げることに一役かったことは事実。それは科学にとって有意義なんだろう。実際、この議論から明らかになったことは幾つもある。
 
 それ自体は事実。
 
 ∧∧
( ‥)でも、サイエンスライターや
    科学ジャーナリズムがこれを、
    しかも上っ面だけを取り上げた時
 
  ( ‥)あれはね、センスオブワンダー
      がもたらした最悪の結果の
      ひとつだと思うよ。
 
 だから売っちまったんだろう? センスオブワンダーだったから
 
 だから買っちまったんだろう? それがセンスオブワンダーだったから
 
 だが、事実は、あるいはより妥当な仮説はセンスオブワンダーではなかった。そこにあったのはもっとつまらない結論であり、しかしそれは古生物学や地学にとってはるかに深刻なもので、緩慢に作用する浸食の恐ろしさだった。長大な時間さえあれば、この宇宙では予想もつかないことが起こる。
 
 ∧∧
( ‥)大事なのは技術と基礎
    なんだと
 
  (‥ )なんでもそうだろ?
      興味だけじゃすぐに
      行き詰まるからな
 
 そして、必要とあれば、子供にそれを具体的に説明できるのか、それが問題。
 
 必要があったのにロケットの原理を説明できないのは論外。
 
 だがそんな連中が本を作る現場にもいるという現実
 
 技術と把握が不十分である時、たぶん、僕らはセンスオブワンダーという見た目は派手だが、薄っぺらなメッキに逃げ込むだろう。そして事実逃げた。売った、買った。
 
 ∧∧
( ‥)スポーツで汗をかくって
    すばらしーだろー
    としか言えないコーチ
 
  (‥ )言ってもいいし、
      いてもいいけど、それだけ
      じゃ困るよな。
 
 
 

2012年8月13日月曜日

楕円軌道

 
 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
  ( ‥)そうねえ....
    –□
 
 ニュートンの「プリンキピア」におけるケプラーの法則の論証。第2法則、第3法則、および重力が距離の逆2乗で働く、ことの論証はまあ、分かる。
 
 ∧∧
( ‥)問題は第1法則、楕円軌道の
    論証ですか
 
  ( ‥)あー、うーん、この
    –□ 幾何学的な論証、全然
       分からん。
 
 というものさることながら、なんでニュートンがこのような(素人には)奇怪に見える論証にしたのかも分からない。
 
 ∧∧
( ‥)知らないことがあるのでしょう
    第2、第3法則、距離の逆2乗
    これらの論証でも例えばの話
    ピタゴラスの定理が
    使われていましたよね?
 
 ( ‥)そんなこと書いちゃいないが
   –□ 当たり前だよな、
      ピタゴラスの定理は知ってて
      当然のことだし。
      いちいち説明なんか
      しないだろうしな
 
 これと同様な理由で、たぶん、楕円の図形的な性質も含めて、円錐曲線のことをこちらが知らない。それがうまく理解できない原因なんだろう(ニュートンもそういう基礎的なことをいちいち書いたり説明したりしていないから、読んでるこっちは分からないものが分からないという意味)。
 
  ( ‥)取りあえず発注をかけて
    –□ 後は本の到着を待ちつつ
       別件をこなすか
 
 ∧∧
( ‥)少し休みます?
 
 
 
 

ラブマシーン

 
 
 
 ∧∧
( ‥)人を不幸にするのは容易だと
 
  ( ‥)理想郷の夢を与えればいい
 
 出来もしない理想郷のために殺し合いが始まるから
 
 ∧∧
( ‥)問題は
 
  (‥ )人が喜ぶ夢って理解できない
      のよね、理解できないものは
      製造できない
 
 ∧∧
( ‥)人を幸せにするのは容易だと
 
  ( ‥)みんなの夢と希望を破壊
      しつくしてしまえば良い
 
 ∧∧
( ‥)問題は
 
  (‥ )死んだ人間だけが夢を
      持たないのだ
 
 ∧∧
( ‥)人を絶滅させるのは容易ではない
 
  ( ‥)だが理論上は可能
 
 
 さあ、みんな幸せになろうじゃないか。
 
 
 
 

人生とは何? という問いをすることこそ問うべき問題


 
 ∧∧
( ‥)地球より熱い金星ではすべての
    水と二酸化炭素が気化して
    無秩序、あるいは紫外線で分解
    地球より寒い火星では凍って
    時に昇華するけど、基本は固体
 
 ( ‥)そして地球にいる僕らの肉体は
     水と二酸化炭素に由来して
     いるのだ
 
 ∧∧
( ‥)ものすごく単純にいうと
 
  (‥ )生物ってのは完全な無秩序と
      すべてが固体になってしまう
      静的な秩序、その間の現象だ
      そういうことだよね
 
 ∧∧
( ‥)つまるところ
 
  ( ‥)極端な死と死の間でゆらぐ
      不安定な現象が生。
      まあ、普通に考えて
      必然的に死ぬよね。
 
 ガスのようにむちゃくちゃでもなく、氷と霜のようにカチンコチンでもなく、どっちでもない間をゆらゆらよろよろ、どっちでもない状態でふらふらするのが生物なら、いずれどっちかに行き着いて死ぬ。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えるとですよ
 
 (‥ )不滅の理想社会、固定された
     理想郷を夢見た
     マルクス主義者とか、ああいう
     連中が破滅したのは当たり前
     だよね
 
 たぶん、彼らには生というものがまるで分かっていなかったのだろう。固定された理想郷は死以外の何ものでもない。理想郷に至りたいのなら死ぬべきだったのだ。そういう意味ではスターリンは正しい。殺し尽くせばそこは理想郷であり、もう誰も苦しまない。そういう意味ではスターリンは誤っていた。彼は殺し尽くしていない。
 
 ∧∧
(‥ )死を回避することに成功した
\–   ものが子孫を残す
 
  (‥ )それが生物である以上、
      生物が死を恐怖するのは
      必然。
 
 死と死の間でしか成立しないのに、いや、だからこそ、生という現象はどうにか両極端な死の間にいようと必死に踏みとどまろうとするものになった。
 
 ∧∧
( ‥)つまり生きる事には
    意義も意味も目的もない
    それらは必然が生み出す
    自然現象である
    落雷みたいなもんですね
 
 (‥ )だから生を問うのはそもそも
     無意味なのだ。私の存在意義は
     なに? それは質問が
     間違っている。
 
 ないものを、これは何? と問うのは意味がない。そもそもそんなものは最初からどこにもないからだ。
 
 ∧∧
( ‥)そうではなく
 
  (‥ )なんでありもしない質問をする
      ようになってしまったのか
      そこが解くべき問題よな
 
 生きている意味はなに? こんなとんちんかんな質問を真顔でするようになった、その理由こそが問うべき問題。
 
 ∧∧
( ‥)あなたたちが社会性動物
    だからじゃないですかね?
 
  ( ‥)たぶんね、自分の社会的
    –□ 地位が気になって気になって
       夜も眠れないのよね
 
 人生の意味を問うた哲学者も、病欠したけどオレのいない部署はきちんとやっているだろうか? と、無駄に心配する風邪っぴきの部長も、どちらの問いも答えも間違っている。しかしこんな無駄なことを深刻な顔で申し述べるその衝動とその理由、これこそが人間という種族の進化とその基礎を解明するひとつの鍵になりうる。
 

2012年8月12日日曜日

それでもなお


 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
 ( ‥)そうねえ、ニュートンの
   –□ 「プリンキピア」とかに
      なってくるとさすがにね
      頭の容量を越え始めるな
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
 (‥ )おいちゃんレベルな人は
     最初っからおよびじゃ
     なかった、
     そういうことだね
 
 まあ、そうなんだ、クイズ番組とかでもみんなが面白半分に見ていられるのは小学生レベルで、
 
 
 ∧∧
( ‥)クイズ番組で微分積分、対数
    証明、三角関数、そんなの
    出題されませんからね
    出るにしても暗記問題の
    レベルでしょう
 
 ( ‥)ニュートンの前にケプラー
   –□ その前に偉大な
      プトレマイオスがいて
      紀元2世紀の段階で数学は
      もうすでに高度な域に
      到達していたのよね
 
 確かに√はないし、0もないし、マイナスもないし複素数もないし、だから二次方程式で+-の答えが出てくるということもない。だがしかし、それでもなお二次方程式を解いたし高度な域に到達していた。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えますとね
 
  ( ‥)うん、この世界の人間の
    –□ ほとんど全員、およびじゃ
       なかったのだよなあ
 
 およびじゃなくても人は生きていくし、離合集散する遺伝の奇跡的な組み合わせで怪物的な能力者がそこそこの頻度で出現するには、それなりにでかい集団でないと無理だし、それゆえの有象無象な人々であるとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)およびでなくても必要
    あるいは必然なんですよ
 
  ( ‥)科学がある段階に来た時、
      技術と成果を持つ
      集団が他を圧倒し始めた
 
 その時から世界は、ごく少数のほんのわずかな能力者たちが、連綿と伝え維持する成果に生存が左右される場所になった。社会に出たら学校の勉強など役に立たない、そう、うそぶくのは落伍し、必要なしと放棄された連中だった。役に立たぬのならば社会の基盤を作り上げるボルトになれと調整され、使用された人々でしかなく、彼らの言う事を真に受けるのはやはり同様の落伍者だった。

 世界は僕らを消耗し、僕らは世界を必要としているが、あちらは特にこっちを必要としているわけではない。
 
 ∧∧
( ‥)消耗品でも必要でしょ
 
  (‥ )映画マトリックスで
      発電機にされている
      有象無象みたいにな
 

輝く積乱雲


 
 ∧∧ 西の空に積乱雲
( ‥)
 –( ‥)おー、午前の太陽の光を
      あびて、まぶしくて直視
      できないくらいだね
 
 どうも下では豪雨らしい。小さな黒雲が通り過ぎたり、一時、かすかに雨がぱらついたり、天候はやや不安定。
 
 ∧∧ 洗濯物大丈夫?
(‥ )
 –( ‥)まあ、大丈夫だと思うよ
 
 
 

運命はあの日に決まっていた


 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうだなあ、こう考えて
      みようか
 
 その会社は大きな、大きな会社。とてつもなく大きな会社で、入社するとまずふるい分けの試験がある。その試験では、優秀な成績を修める者、それはこの場合、全体の1000分の1、最上位のほんのわずかな人間を抽出する。
 
 ∧∧
( ‥)99.9パーセントの人間は
    落伍者となり、エリート
    コースからはずれる
 
  ( ‥)でも幸いなことにね
      会社がでかいからね
      ろくな才能がなくても
      あるいは不釣り合いに
      突出した才能を持った
      ダメ人間でも生きていける
      いや、むしろそっちの方が
      楽だし儲かるんだ
 
 会社があまりにもでかいので、有料の社内報や同人誌、同人音楽でもなんでも、それなりな売り上げを伸ばせるし、才能と運と立ち回りがうまくいけば、名誉とありあまる富を手に出来る。
 
 ∧∧
(‥ )一方、エリートの人たちは
\–  書類を読み、書類を処理し
    色々な部署へいかされ
    色々なことをやらされ
    しかし、人間だから何もかもを
    覚えるわけにもいかず
 
 (‥ )それでも、会社の現実を
     見ることになるのよね。
     うんざりするような現実をね
 
 エリートだと自覚して喜び勇んで勤務し始めるものの、書類の山の山、処理すべき案件の洪水、処理すべき案件を確認しなければいけない処理すべき案件、見えてくる経営、エリートコースでない人たちの愚痴、口先だけのやかましい組合の利権、ライバル会社とのせこせこしたつきあい、あちらにもあちらの事情があり、自分達にも自分達の事情があり、複雑すぎて、もつれすぎて、社内も社外も現状を維持するのが精一杯。自分たち権力の中枢にはズルがある。しかし、そうでない他の部署でも、それが給湯室の中でさえも、眼に余るようなズルがある。
 
 ∧∧
( ‥)でも社内報を書く人たちは
    そんな現実を目にするわけ
    でも処理するわけでも
    ないのだと
 
 (‥ )社内報を書いている連中は
     結局のところエリートでは
     ないただの落ちこぼれ
     だからな。別に経営や
     社内の実体を把握する必要は
     ないし、把握できる立場でもない
     自分で処理するわけでもない
     そもそも彼らの現実は効率よく
     日刊社内報を書いて有料で
     社員に売りつけることさね
 
 同人誌を作ってかせいだり、同人音楽を作ってかせいでいる連中もそうなのだ。別に会社の経営や会社の実体を知っているわけではない。一般社員に売りつけてかせいで得意満面になって絶頂に勘違いしても、所詮、彼ら自身の現実と、その身の回りを知っているだけなのだ。実際、落ちこぼれである以上、会社の書類に眼を通すわけでもなし、書類を処理しているわけでもなく、処理できる能力があるわけでもなく、したこともなく、口先だけの気楽なものである。
 
 ∧∧
( ‥)知らないし、いざ自分がやるわけ
    でもないし、、責任ないから
    無責任に言い立てる?
 
 (‥ )政権交代ガー、とか
     我々にまかせればV字回復、とか
     たかが電力でしょ? とか
     そりゃあ言い出すよ
 
 小学校の時から決まっていたのだ。書類に眼を通すのがいやだ、好きな事だけしていたい、勉強なんか馬鹿馬鹿しい、僕には無理だ、世の中が間違っている、こんな理不尽な世の中を変えてやる、でも書類はいやだ、そう思いそう感じ、そうしたあの日から。
 
 

2012年8月11日土曜日

その、輝く眼は謎


 
 ∧∧
( ‥)でっ? どうなんです?
 
  ( ‥)ようするにあれだ、視界の
    –□ 前方および、下方からくる
       緑色の光はカットする
       そういう仕組みだね
 
 ∧∧
( ‥)...生物発光の光を選択的に
    排除している?
 
  (‥ )とっ、解釈できうる構造。
      しかし仮にそうだとしても
 
 何の意味があるのか、当てずっぽうなことは思いついても、よく分からない。
 
 ∧∧
( ‥)わざわざそんなものがあると
    言う事は、なんらかの適応的な
    意義なり利益なりがありそう
    ですけどもね
 
 ( ‥)それがさ、同属でありながら
   –□ 持ってる奴と持ってない奴が
      いるんだよな
 
 ∧∧
( ‥)でも、そういう事例でもっと
    顕著な例もありますよね?
 
 ( ‥)そうなんだけど、これ
   –□ 一体全体なんだろうね?
 
 少なくとも、魚、いや魚に限ったことではないけども、体色、発光、識別、性淘汰、中立浮動を把握しないとちょっとどうにもならない、ということは分かる。
 
 ( ‥)鳥の体色、魚の体色に
   –□ 関する本があったよね
 
 ∧∧
( ‥)...ああ、また資料を
    ひっくり返して
 
 
 

暗黒世界の知識


 
 ∧∧
( ‥)本を読む目的は知識の吸収
    じゃない、どう思います?
 
  (‥ )さあ?
 
 本に書いてあるのは知識や情報、理論、仮説や検証方法
 
 ∧∧
( ‥)本に書いてる仮説を試した
    でも、うまくいかない
 
  (‥ )やり方が悪いのかもね、
      あるいは本が間違っている
      のかもしれない
      あるいは、本は正しいのだが
      本が示すのは概要だから、
      必須だけどそれを抜きでは
      成功しない細かいもろもろの
      事が省略されているせいかも。
      そういうのは自分で自力で
      調べて、あるいは工夫して
      やるしかないことあるよね
 
 ∧∧
(‥ )本を読んで知識を生み出せ
\–
 
  (‥ )ある程度資料を見ていると
      誰でも馬鹿でも愚図でも
      思いつくもんでな、
      まあ、知識を生み出す
      そのこと自体は
      勝手にしなさいだよな
      勝手に思いつくし、
      思いつくこと自体は
      さして重要じゃない
 
 ∧∧
( ‥)思いつきが正しいと言えるか
    どうか、それをどう検証するか
    あるいはそもそも検証できるのか
    そこが重要であると
 
  (‥ )暗黒の深海でも視覚による
   □–  性淘汰は働くだろう、
       そういうことは思いついた
       だけど、これは
       検証した人がいたのか、
       そもそも検証できるのか
       それを確認しなけりゃ
       ならんのよ
 
 そして、どうもこのことを念頭にいれている人たちがいることは分かった。
 
 
 
 
 
 
 
 

失われたものは失われた


 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)ほら、以前にこういうこと
      を書いたじゃない=>*
 
 ∧∧
(‥ )tumblrは無料の雑誌、さらに
\–   電子書籍の出現で出版界は
     ずいぶん食われるだろうと
 
  (‥ )でっ、付け加えるとさ
      電子もtumblrがある限り
      出版界のすべて、
      既存のパイのすべてを
      受け継げるわけないのよね
 
 絶滅じゃないにせよ、電子だろうが、紙だろうが、雑誌は消滅する時代。失われたパイはもう元には戻らない。
 
 ∧∧
( ‥)状況自体は変わりませんが
    出版界が丸々電子化する
    わけではないし、ありえない
 
  ( ‥)考えてみれば当たり前
    –□ なのよな、仮に紙の
       すべてを全部電子化しても
       必要なくなった部分は
       需要がないから、
       電子だろうが紙だろうが
       消滅しちゃうわけだ
 
 ∧∧
(‥ )そういえばお知り合いのフリーの
\–   編集者の方が言ってましたね
     去年は雑誌の仕事が急減したと
 
  (‥ )1人の1年だけども、
      無視はできない話だね
 
 考えてみれば、雑誌関係のフリーの編集者とか写真家とかイラストレーターとかいっぱいいることを考えれば
 
 ∧∧
(‥ )たくさんの人の人生が
\–   これから変わるのでしょうね
 
  (‥ )お互いに関連もっているから
      おいちゃんみたいに直接
      関係なくても影響はくるの
      だろうなあ。
 
 

2012年8月10日金曜日

寝室のリアルが国家の一大事


 
 ∧∧ つくば市から帰還でーす
( ‥)
 –( ‥)やれやれ、さすがに
      神奈川からじゃ遠いよな
      あちらには4時間弱しか
      いられなかった
 
 ともあれ、所定の目的は果たす
 
 さて
 
 *の続き
 
  ( ‥)考えてみたら
    –□ ナウシカもそうだよね
 
 ∧∧
( ‥)主人公に敵対する、とでも
    月並みには言うのか、
    初代神聖皇帝さんも、
    2代目の皇弟さんも
    若い時は理想に燃えた青年の
    末路として描かれてましたよね
 
 主人公自体、一歩間違えると、というか、当初の状況ではおそらく同じ運命を辿って、おいぼれた暴君になって終わっていたであろうストーリー。
 
 
  (‥ )それにしても、こういう
      事例はあるにはあるけども、
      数が少ない。逆に言うとさ、
      少しリアルに描かれた君主の
      姿なんか一般的には
      望まれていないのかもね
 ∧∧
(‥ )リーダーになったら、たとえ
\–   私利私欲がなくても、汚いことも
     卑怯なことも、暗殺やら謀略やら
     犯罪やら手を染めるでしょうからね
     そんな泥臭いもの、見たくは
     ないでしょうよ。
 
 実際、うんざりするリアルは日常生活だけで十分と言えば十分ではある。
 
 そうなのだ、こんなまじめな話だけとは限らない。どこまで本当か、めとった美人の王妃さま、しかしどういうわけかベッドの中で王妃相手に何が立たず、彼女は魔女です、だから取りあえず離婚させてください、これ、正当!! とふかしこいた王様がいたとかいなかったとか。
 
 ∧∧
( ‥)...まあ、王様ですからね、寝室の
    リアルが国家の一大事になる
    という恐ろしい世界
 
  ( ‥)ある意味、地獄絵図だよな
    –□ 友達相手なら笑えるけど
       自分が部下だったら
       笑う以前に青ざめるし
       真顔で同僚と相談する
       はめになるだろうし
       そんなヒーロー見たく
       ないよなあ
 
 
 
 

フィクションにはないが現実にはある


 
 ∧∧
(‥ )ヒーローが栄光へ登り詰める
\–   過程で、悪魔となって没落する
     そういう物語はあまり
      ありませんと
 
 (‥ )スターウォーズの
     ダースベイダーはそういう
     まれな例かもしれないけど
     ここではあれね、悪に染まる
     という意味合いよりは、
     ヒーロー自体が悪魔的
     殺人鬼的な側面を必然的に
     持っている、王になったその時
     殺人鬼的な側面が顕現して
     甚大な被害を人々にもたらす
     という意味合いよな
 
 ∧∧
( ‥)砂の惑星なんかはそういう
    テーマなんですよね
 
  (‥ )作者自体が英雄についていく
      のは危険だ、と述べていた
      わけだしね。
 
 帝国の運輸、経済、すべてに必要なスパイス。その産地は限られた土地、”デューン”と通称される砂の惑星でしかとれない。その砂漠へ、帝国の権力闘争に破れた主人公が逃れてきた。彼は公爵家の生き残りであり、高貴な血筋の人間で、洗練された軍事教育と戦闘訓練によって叩き上げられた聡明で心優しい青年だった。そして砂漠にいたのは、抑圧され、厳しい環境で鍛え上げられ、強大な力を隠し持った人々だった。この不幸の組み合わせが恐怖を生み出す。
 
 主人公は砂漠の人々に受け入れられ、ゲリラ戦を展開、帝国運営の要である惑星を掌握し始める。その目的は本丸である皇帝を惑星に呼び込むこと。まんまと罠にはまって進軍してきた皇帝を、主人公は奇策と砂漠の人々の力で打ち倒す。

 いまや解放者であり、不敗の軍事指導者であり、政治指導者であり、宗教指導者であり、救世主であり、好きな時、好きな数だけ、好きな場所に自分を崇拝する狂信者をいくらでも送り込める力を手にした主人公は、歴代皇帝さえも及ばぬ圧倒的な権力者になっていた。彼は全帝国を征服せんと宗教戦争を開始する。殺しも殺したり、その数610億人。
 
 ∧∧
( ‥)でもあの主人公さんも
    失敗したけども、宗教戦争を
    阻止しようとはするのですよね
    自分が死んでも生き残っても
    聖戦で宇宙を血で染め上げる
    ことになると気づいて絶望
    するのだけど
 
  ( ‥)もっと悲しい話はないかね
    –□ 勇者としてスタートした
       英雄が、ついに君主になる
       けどもスターリンになって
       惨めに終わるという話
 
 ∧∧
( ‥)..それ、スターリンまんまじゃね?
 
  (‥ )うはっ!

カテゴリーはなんのため


 
  ( ‥)そういえば昔、あなたは
      老人を嫌っているけども
      あの人も老人なんですよ
      どうするんです? と
      言ってきた奴がいたな
 ∧∧
( ‥)あなたはそれに対して
    答えました
 
 彼は科学者
 
 ∧∧
( ‥)相手はずるいって言って
    ましたけどもね
 
  (‥ )馬鹿かお前は、と
      返しておいたけども
 
 カテゴリーってのはそういうものだ。
 
 ∧∧
( ‥)カテゴリーの任意な適用は
    危険ですけどね
 
  (‥ )資産家、富裕階級、地主
      反革命分子、右翼勢力...etc
      あらゆるレッテルが用意されて
      いて、誰も粛正から
      逃れられない、そんな状況も
      あったというからな
 
 言い換えると、現実を操作する上で鍵となる部分を正確に反映したカテゴリーかどうかが、分かれ目だ。
 
 ∧∧
(‥ )資産家、地主、反革命、右翼
\–   この場合は、マルクス主義の理論
     と計画に合わないという
     カテゴリーですね
 
 (‥ )それだと自分に反対する奴は
     全員粛正になってしまう。
     自分を救済するためだけの
     カテゴリーになってしまう
     僕ちゃん悪くないカテゴリーだ
     しかしだ、計画も理論も、
     それ自体は現実じゃない。
     救済すべきは理論じゃない。
     現実であるはずなのだ。
 
 計画も理論も本来は現実を操作するためのものだ、現実でなく、計画と理論それ自体を救済することを目的化するのは本末転倒。
 
 ∧∧
( ‥)次世代に回すべきお金を
    私利私欲のために使うか
    最悪の場合、退蔵してしまう
 
 (‥ )それに着目したカテゴリーが
     老人である場合、老人である
     ことはまぎれもない罪になる
     存在自体が悪となる
 
 それがいやなら超越しろ。老人と見なされる着目点を放棄し凌駕したまったく別の何かに。
 
 
 *ちなみに科学者の中にも、若かろうが、すげっ、これが自分と同じ人間か?? という人もいれば、年を経ていても、うおっ、鋭さを失わないなあ、さすが違うぜ という人もいれば、反対に、お前全然業績ないじゃんよ、natureに1回載ったインパクトファクターだけじゃねーか、おまけにお前、基本が馬鹿じゃん、若いドクターのポストのために今すぐ死ねよ、くそかす野郎、という連中もいる。カテゴリーはどこに注目したカテゴライズなのかで意味が全然違ってくる。
 

2012年8月9日木曜日

サーマルノイズ


 
 ∧∧
(‥ )動物の目にあって光に反応する
\–   色素。光だけでなく熱にも
     自立的に反応してしまって
     ノイズ(Thermal noise)を
     生じさせるみたいですね
 
  (‥ )えっ? そうだったの?
 
 夜行性、あるいは暗い場所で生活する動物の目にあって光を反射させる構造、タペータムは、網膜に光を反射させることで感度を増大させるもの、と言われるけども
 
 ∧∧
(‥ )実は色素を増量すると
\–   必然的に熱によるノイズが
     増大するので、それを
     引き起こすことなく
     感度を増加するもの
     ではないか、という
     解釈があると
 
  (‥ )まじですか
 
 
  ( ‥)すごーく暗い場所では
      映像の輪郭が乱れる、
      画素が荒い状態に見える
      妙に風景がざらついた
      感じになる。あれも
      熱のノイズが目立って
      くるからかな?
 ∧∧
( ‥)それは単純に光子の数が
    減ってくるからじゃないですか?
 
 さて、どうなっているのやら
 
 

2012年8月8日水曜日

それで、何をどうする気だい?


 
 ∧∧
( ‥)なんです?
 
  ( ‥)生きる理由、いや、
    –□ 生きる意義を人はよく
       尋ねるよね
 
 ∧∧
( ‥)まあ、たいてい、答えが
    ばらばらで一致しません
    けどもね。
 
  (‥ )問いに対して答えが
      ばらばらって状況は
      原因が限られて
      いるんだよな
 
 
1:問いが間違っている
2:答え自体に意味がない
 
 ∧∧
( ‥)同じでは? 質疑応答に
    意味がないってこと
    でしょ?
 
  (‥ )生きる意義は無意味って
      ことなのよ
 
 だから時々、思う。
 
 私は立派に生きてきました。

 あぁ? それで? おまえそれで何をどうするの?
 
 
 
 

ザ・グレイマン


 
 *の続き
 
 ∧∧
(‥ )ザ・グレイマン
\–   ウエルズさんの
    「タイムマシン」で
     割愛された部分・・
 
  (‥ )? そんなのがあるの?
 
 貴族と労働者が2つの異なる種、エロイとモーロックに分化した未来。そこから脱出した主人公はさらなる未来へ辿り着く・・・、というのは読んで知っていたけども、実は割愛された部分があって、そこでは知性を失った人類のさらなる子孫が、まるでウサギかカンガルーのような生物として霜の降りた寒い平原で草を食んでおり、巨大化したムカデらしき節足動物の餌食になっている
 
 =>*
 =>*
 
 ∧∧
(‥ )主人公さん、あれはどんな動物
\–   なんだろう? 標本欲しいな
     と、石投げて、頭にヒットさせて
     死なせちゃってますね
 
  (‥ )知性を失い、草食動物と
      なった人類を知らずに
      殺してしまう
      なんかもー、壮絶な話
      だよな。
 
 ∧∧
( ‥)ネットの情報だけでは
    真偽はなんともですが
 
  ( ‥)うーん、一応、本での引用も
    –□ あるみたいだね
 
 時間によって人間性が浸食されるというドラマ
 
 ∧∧
( ‥)wikisource これをどこまで信用
    できるかですけど、遠い未来
    雨、風の浸食で山も谷も崩壊して
    ムア(moor:ヒースの
    生えた水はけの悪い荒れ地)に
    なっているという描写。
    土地が隆起するとか、そういう
    概念はないんですかね?
 
  (‥ )当時も隆起の概念はあるから
      あえてそうしたんじゃないか?
 
 時間によって全てが浸食し、世界は滅びに向かうという世界観
 
 ∧∧
(‥ )地球の自転が静止して、太陽が
\–   動かず、しかも赤く巨大化
     している寒い世界
     これは本でも読みましたが
 
  (‥ )いつも思い出すたびに
      不思議なんだけども、
      太陽の巨星化と言う概念は
      もう、当時あったという
      ことなのかな?
      *注:巨大な太陽は巨星化
       とは異なる表現の
       可能性もある
 
 最後、主人公は3000万年後、巨大で赤く、しかし寒く冷たい太陽が身じろぎもせずに照らす赤い浜辺に辿り着く。生物などほとんどいない、寒く、空気の薄い世界。しかし、その時間を離れる彼は最後におかしなものを見る。赤い浜辺の前で飛び跳ねる、丸いボールのような肉体と、触手らしきものを持った何者かを。
 
 ∧∧
( ‥)たった3000万年後に世界の
    崩壊ですか
 
 (‥ )「タイムマシン」は19世紀末
      に書かれた小説だからだろう
 
 当時は地球の年齢がどんなに長くてもせいぜい数千万年ぐらいだと思われていた時代だった。
 
 
 

知的生物の進化の果て


 
 *の一部続き
 
 H.G.ウエルズ。「宇宙戦争」では進化の過程により、内臓が退化し、事実上、頭脳と感覚器、操作に必要な指だけで成り立つ存在となった純粋知性体たる火星人を描き、「タイムマシン」ではイギリスの労働者階級と貴族階級がまったくの別種に、しかもどちらも知性が退行した生物となっている世界を描いた。
 
 ∧∧
(‥ )使わない器官は退化し
\–   使う器官は発達する
     用不用説を用いた
     世界観なんですよね
 
 (‥ )ダーウィンも用不用説を
     取り入れているって
     一般には信じられているから
     ウエルズの進化観が
     おかしいのはむしろ当たり前
     なんだろうけど
 
*ダーウィンが用不用説や獲得形質を認めたのは、実際には集団遺伝学とメンデル遺伝が無い時代における苦肉の問題解決とみるべきだと思う。そこが彼の異様なところで時代に先んじた部分ではなかろうか。そういう意味合いではウエルズの進化観は根本的におかしいし、あるいは一般人が思い描く誤解そのままだと言える。(以前書いたものはこっち=>* )
 
 ∧∧
( ‥)考えてみれば
    タイムマシンでも性淘汰は
    ぜんぜん考慮されていない
    のですよね
 
  (‥ )人間の知能って性淘汰の結果
      かもよって仮説や理論から
      見れば、安楽な生活している
      貴族の子孫が頭弱くなって
      いるってのは奇妙な結論
      だよね。
 
 彼氏、彼女にもてようと、人は頭を総動員する。そのことを考えると
 
 ∧∧
( ‥)貴族の子孫が知性を退化
    させているっておかしな
    話ですよねえ。もてるために
    今からは想像できないような
    高度で奇妙で、複雑で
    トンチンカンにも見える
    会話力やアプローチ術を
    持っていてもおかしく
    ないでしょう
 
 ( ‥)性淘汰でなくても、人間は
   –□ 集団内部の駆け引きで知性を
      発達させている、という見方
      もある。そういう仮説から
      考えてもおかしな設定よな
 
 というか当時の英国における貴族社会自体、あらゆる駆け引き、策謀、会話術があっただろうことを考えてもおかしな世界観だと言える。そもそも貴族社会の趣味の延長がエスカレートしていくうちに色々な科学と成果が花開いたことを考えてもおかしい。
 
 やっぱウエルズはばりばりの用不用説論者、というか一般的な誤った進化観の持ち主だったということなのか?
 
 ∧∧
(‥ )でもそれだけでなくて
\–   ドラマとして強烈で劇的だ
     そういう設定と舞台装置でも
     あるのでしょうね
 
  (‥ )実際、宇宙戦争とタイムマシンは
      知的生物の進化の果てとして
      まったく逆のヴィジョンを示して
      いるわけだしね。
 
 かたや、純粋知性体となり、機械を事実上の肉体として自在に駆り立てる侵略者、かたや固定された社会制度の中、ただただ与えられた状況をこなすだけで知性すら失い、快楽と迷宮の園にすむ退化したおとぎの末裔たち
 

今日もごそごそ


 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)ほらウエルズの小説
      「タイムマシン」
 
 舞台はイギリス。発明家が自身で建造したタイムマシンで未来にいったところ、はるか未来のイギリスでは貴族階級と労働者階級が別種の生物として分化していた。地下で労働にいそしむかつての労働者階級は、照明が途切れた暗黒に適応し、巨大な目を持ち、今でも惰性で労働し、生産し、しかし新月の晩になると地上に現れ、地上人を時にさらう地下生物になっていた。一方、地上人である人々は、地上に残った貴族たちの子孫。どんな労働もない安楽な環境で天使のように子供のように善良だが無力の存在であり、そしてどちらも、もうさしたる知能は残っていない。
 
 そこで主人公がかつての図書館を見つける場面がある。もう、誰も読まなくなり、読まれなくなってただ朽ち果てるだけの本の山
 
  (‥ )子供の頃、そんな小説を
       読んでさ、大人になって
       ブックオフとかいくと
       あの場面を思い出すのだ
 ∧∧
(‥ )一時、ベストセラーになって
\–   膨大な数が売れて、そして
     持ち込まれる限りない本、
     忘れ去られた書物が集積する
     場所ですから
 
 神保町の古本屋街と違って、厳選するとか、本屋ごとに差別化するとか専門化するとかされていない。それゆにえこそ時に掘り出し物があるが、多くは有象無象の集積。
 
  ( ‥)本はなぜ売れなくなったのか
      という本をブックオフで
      見かけた時のなんともいえぬ
      強烈な感覚は忘れがたい
 ∧∧
( ‥)なんかとりとめもない内容で
    手にしても買う気には
    なれませんでしたよねえ
 
 いや、そんな本を出しているから衰亡するんじゃねえ? そう言った人がいたけども、なんかそれはそうだと思う。
 
 あれで、せめて縦横にデータと統計学を駆使して、意外な、あるいは当たり前な、あるいは玉石混淆なありとあらゆる結論を出力してくれたら、、、と思うけども
 
 
 ∧∧
( ‥)そんなこと出来る人間が
    出版界に就職するわけ
    ないでしょうに
    *注:以上の本は出版界の
    人間が書いたものだった
 
  (‥ )研究者になっているよね
      仮に存在するなら、
      最高学府を出てるよな

 そんなブックオフでも、おおーと感じる場所がある
 
 ∧∧
( ‥)どこです?
 
  ( ‥)ラノベの場所
 
 並んだありとあらゆる、見た事も聞いたことも読んだ事もない、なぜか似たような外見の統一的なタイトルがずらーりと並ぶ、あの一体感。
 
 ∧∧
( ‥)確かに、新書も統一的ですけど
    新書以上に出版社の垣根を
    越えた統一感ありますよね
 
  (‥ )なんかね、書棚をこんこんと
      手で叩いて感触を確かめて
      しまうのよ
 
 もしやこれは受肉し、現世に顕現した個物ではないのか? という感慨
 
 ∧∧
( ‥)個物ね
 
  ( ‥)tumblrでもこんな言い様が
      あったよな、僕らのしている
      ことは全部他からの引用で
      それの寄せ集めだと
 
 しかり。確かに何かまれなことが起きてオリジナルが付け加わることはある。だがそれも新しい既存の要素として無数のコピーの渦に巻き込まれ、あるいは数を増やして定着し、あるいは埋もれて消えていく。そもそもすべての引用も最初はそうしてこの世に誕生してきたものだ。
 
 ∧∧
( ‥)肉体を維持する無数の遺伝子も
    考えを支える無数のアイデアも
    人間の肉体も心も知識も
    無数の個々のものの集合ですから
    
  ( ‥)僕らは系譜の寄り集まり
      なのだ。個々の個人に遺伝子と
      アイデアが一時集合するが
      それは無数の子孫を振りまいて
      雲散霧消する運命だ
      個人というのはそういう
      意味では実在していないのだ
 
 しかし、渦巻く系譜は確かにそこにある。そして生物にも色々な大きな目立つ系統があるように、考えや小説や物語にも色々と目立つ系譜と流れがある
 
 ∧∧
( ‥)ああ、あなたにはラノベが巨大な
    柱に見えるのね
 
 (‥ )まっ、見た目の統一感に
     かもされたイメージでしか
     ないのかもしれんけどね
     実際、あの中にはありとあらゆる
     アイデア、試み、模倣、挑戦
     失敗、個性が渦巻いている。
     だけど、あの強烈な柱のような
     イメージは新鮮でな
 
 ∧∧
( ‥)しかし、あなたは別のジャンルに
     いるのですよ
 
  ( ‥)そして今日もごそごそ
    –□ 次なる綿毛作成のために
       作業中です
 
 
 
 
 

2012年8月7日火曜日

悪いのか? ではない、悪なのだ、カロリー的に


 
 ふくれあがる医療費、破綻していることも無視して続けられる年金、それにあぐらをかき消費し、貯金し、愚痴だけをこぼす老人達
 
 ∧∧
( ‥)でも、老人たちは言うでしょう
    切れる老人でさえ言うでしょう
    オレが悪いのか? つまり、
    オレのどこが悪いのだ?
    そう叫ぶでしょう
 
  (‥ )良い、悪いではない
 
 老人であることは罪であり、悪なのだ
 
 何が悪いのか? そんな問いは無意味だ。ただ、生きて呼吸して食事をしてしゃべる、それ自体、存在すること、それ自体が悪そのものなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)なぜだ!! と叫ぶでしょう
 
  ( ‥)次世代の存続を危うくする
      孫の食い物を奪う死に損ない
      それは悪以外の何者でもない
      説明する必要すらないな
 
 あるいはこう言えばどう?
 
 実は悪とか善とか、あるいは良い、悪いの問題ではない。
 
 道徳とか倫理とか、そんな上っ面のルールの問題でもない。
 
 負担をかけるだけの存在になっていて、あまつさえ分け前をさらに要求したら、生者から敵であり裏切り者だと見なされる、それだけの話。物理法則というか算数のレベル。
 
 ∧∧
( ‥)ようするに損得の問題ですね
 
  (‥ )というかカロリーの
      問題なんだ
 
 かつて日本の民話に曰く。あまりに貧しいその村では食い扶持を減らすために老人を山に捨てていました。じゃんじゃんじゃんと楽器をかきならし、山に置いて、かきならしながら降りてくるのでした。
 
 ∧∧
( ‥)老人の泣き叫ぶ声を
    かき消すためにね
    単なる言い伝えか
    それ以上の何かなのか
 
  ( ‥)ダーウィンのビーグル号
      航海記に曰く 
 
 その最果ての寒い地の人は野蛮人ではあったが人だった。食いもしない動物を標本にするためにとったら非難された。彼らには敬虔さや倫理があった。神のような概念はないようにも見えるが、しかし、腐りかけたクジラの肉を切り分ける時、深い沈黙があった。
 
 ∧∧
( ‥)ダーウィンさんは、ああこれだ
    俺たち英国人もかつて野蛮人で
    彼らも僕らと同じ人間で、
    この人たちは人の祖先の姿を
    とどめている、これが人の起源の
    ヒントになるに違いないと
 
 ( ‥)そして、この人々は、彼らの
     言う事、伝聞によると
     非常時には老人を食うのだ。
 
 イヌはカワウソを捕まえる、
 
 ∧∧
( ‥)でもばあさんはできない
 
  (‥ )だから食料が欠乏した時
      ばあさんが逃げても
      捕まえて、いろりの
      煙で殺して食うのだ
 
 ∧∧
( ‥)打算と計算は無用な人間を
    処分して食うことを選択
    するのだと
 
  ( ‥)老人は言う、
      オレが悪いのか??
      それがすでに間違いだ。
 
 オレが悪いのか? ではない、お前が悪そのもの、食われるべき肉でありながら逃げようとしている、それゆえに悪そのものなのだ。
 
 すでに事態は良いか悪いか、道徳の問題ではない。
 
 道徳はルールでしかなく、認識と判断と損得で変わる。
 
 カロリー的に処分すべき、そう見なされたら、その瞬間からまぎれもない悪として認識される
 
 誰が真っ先に食い散らかされるのか? 誰が最初に処分の口実を自分から与えるのか? それだけだ。
 
 ∧∧
( ‥)切れる老人から食われる世界
 
 (‥ )人間はね、ある意味、生まれつき
     の道徳者でね。でもね、
     だからこそ、口実が必要なんだよ
 
 誰を最初に食うか? 誰が一番役立たずか? 誰が真っ先に自ら処分される口実をおめおめと、間抜けにも若者達に与えてしまうのか?
 
 ∧∧
( ‥)事態は人食いにまでは
    切迫していませんが
 
  (‥ )基本的にこういう力が
      絶えず作用する、そう
      思った方がいいね
 
 ∧∧
( ‥)では、あなたはどうします?
    今は自活できているが、
    いずれ自活もできない
    老人になるはずだ
 
  (‥ )老人を超越するしかないな
 
 ∧∧
( ‥)超越ね
 
  ( ‥)年を取る事、それ事態が
      敵視される理由ではない
 
:自活していない
:自力で生み出さない
:生産できない、あるいは採算が見合わないことしかできない
:ぼけて、切れて、制御できなくなって迷惑ばかりかける(コストが過大だ)
 
 ∧∧
( ‥)カロリー的に採算がとれない
    こうした悪い条件を
    満たせば敵視される
    反対に満たさないのであれば
 
  ( ‥)存続を許されるだろう
      あるいは無視される、
      そういうことだな
 
 ああ、老人たちよ。老人であることは悪だ。何が悪いのか? ではない。そんな問いをする時点で悪なのだ。それがいやなら超越するしかあるまい。老人であることを。
 
 ∧∧
( ‥)しかし、言うは易し
    行うは難しですよ
 
  ( ‥)さーて、それじゃあ
    –□ おいちゃんは
       どう死のうかな
 
 セカンドライフとか、ああいう恥知らずな言動を行うような死に様はいやだよねえ。

この早朝の空は、その頃には夜の帳の後


 
 *の前半の続き。また散歩へいく
 
 ∧∧ もう夜が明けかかってますね
( ‥)
 –( ‥)ちょっと遅すぎたかな
 
 東の白む地平線を見てみると、オリオン座と、そして双子座のカストルとポルックスが見えていた
 
 ∧∧
(‥ )登ってきましたねえ
 
 (‥ )去年の28日=>に*
     双子座を見ているが、
     そうか双子座自体は
     もう見える頃合いか
 
 ただ、シリウスとプロキオンは見えていないから、冬の大三角形にはまだ厳しい。
 
 ∧∧
( ‥)星は1年、つまり12ヶ月を
    かけて天球をめぐり
    同時に1日24時間で
    めぐっています
 
  (‥ )ようするに1時間は
      ほぼ無視できる誤差で
      半月分に相当するのよな
 
 *星が天球をめぐる、という表現は奇妙かもしれないけれども、まあ無視する
 
 *12ヶ月で1回転、24時間で1回転、つまり1ヶ月の星の動きは2時間に相当、半月の星のめぐりは1時間の移動に相当する
 
 ∧∧
( ‥)1ヶ月が120分。
    今月28日は21日後、
    つまり3分の2ヶ月だから
    このオリオン座と双子座を
    1時間と20分早く見れる
    計算ですね
 
  (‥ )さらに太陽の登りも
      遅くなるからなあ
      白む東の空にプロキオンと
      シリウスを見れるわけだ
 
 帰り際、まだ影で暗い森の道で、キイキイキシキシキシイイイと声がする
 
 携帯の照明で照らすと
 
 ∧∧
(‥ )カミキリムシがクモの巣に
    ひっかかって糸をかけられ
    あばれてますね
 
  (‥ )ああ、人間が捕まえても
      首を動かしてキイキイ
      やるけど、クモに捕まっても
      やるんだ。
 
 西空を見ると沈みかかった白鳥座がほぼ直立状態になっていた。
 
 ∧∧
(‥ )今から半年経つと、これを12時間
    早く見れるわけですね
 
 (‥ )半年後、つまり来年の2月頭、
     12時間早く、ようするに
     夕方の4時よな
 
 ∧∧
( ‥)これを夕方の8時に見れる状態
    で考えると
 
  (‥ )8時間早く見れる状態
      2時間が1ヶ月に相当する
      から換算して4ヶ月後だね
 
 つまり12月。夕暮れが終わって夜が始まる時、この風景がやってくる
 
 ∧∧
(‥ )ヨーロッパではクリスマスの頃
    白鳥座は西空に十字架となって
    かかるから人気があったとか
 
  (‥ )この早朝の空は、その頃には
      夜の帳が降りた後の風景だ

2012年8月6日月曜日

地獄じゃなくてここが地獄


 
 ∧∧
( ‥)えらい長く寝てましたね
 
  ( ‥)うん、テキストと概念図の
    –□ 作成、それで疲れていた
       ってことだろうなあ
 
 散歩に行くと、ちょうど東の地平線から月が上がってくるところ。そろそろ帰ろうか、と思っていると、さそり座のところをすぱーんと鋭く流星がかすめ、アンタレス、つまりサソリの心臓のあたりで爆発するかのようにギラっと金色に輝いて消えた。
 
 ∧∧ 流星群のものでしょうか?
(‥ )
 –( ‥)分からんねえ、流れた
     方向からするとそれっぽい
     けどもね
 
 暗い森の道を歩くとカサコソ音がする。携帯の明かりで照らしてみるとオサムシが2匹、争うように取っ組み合い、ばたばたと暴れていた。
 
 ∧∧
(‥ )交尾....ではないですね
 
 (‥ )交尾だとペニスを伸ばすし
     バックから組みかかるけど
     これは対面状態でばったん
     どたん、だね
     *交尾の対面位は動物の中では
      あまり例がない
 
 どうも同じ肉にかじりついたあげくに、争いになっている模様。
 
 さて
 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、現時点での妥当解を
    次世代に伝える、さながら
    タンポポの綿毛のごとく
    本を送り出す、そういう立場
    であることを考えると
    あなたが生き残ること自体には
    なんの意義も意味もないですよね
 
  ( ‥)うーん、そうなんだよね
    –□ 75あたりで限界点に
       達したら、後はどんなに
       生きていても
       屍と同じ状態だろうな
 
 いや、屍よりもたちが悪い。死体は葬儀代しかかからないが、役立たずの生者は死体よりも金がかかって集団という視点からすれば、あるいは集団に帰属している他の個人からすれば有害以外の何者でもない。
 
 ∧∧
( ‥)いわゆる群淘汰や種淘汰の
    ない世界で良かったですね
 
  (‥ )集団の適応度を下げる、
      そう言われてせっせと
      ぶち殺されちまうからな
 
 *いやいや群淘汰、今でもあるじゃんよ、とかそういう話はここで詳しくするにはめんどいので、とりあえず省く。
 
 ∧∧
( ‥)でも、似たような運命
    ですよね
 
  ( ‥)オレがなんで
      くたばりぞこないを
      養わねばいけないのか?
      人が打算と計算で動く
      個人の集合体である時、
      事実そうなのだけど、
      その結論は容赦ないからな
 
 老人がオレを助けろと国や若者を搾取し、政治家が選挙で落ちたくないから老人にリップサービスしようと考えるのは当然だ。
 
 だがしかし、それゆえにこそ、若者が老人をどついたり、踏みにじったり、見捨てたり、見殺しにしたり騙したり搾取したりするのもまた当然なのだ。そして多分、これからそうなるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)あなた方はものすごく
    我慢しながら生きている
    のですよね
 
  (‥ )集団になった時、自分勝手に
      出来ない、すると死んでしまう
      そういう世界の中で何世代も
      打算と計算と配慮と考慮で
      しのぎを削ってきたのだ

 にこにこ笑ったり、無表情でいる人々も、一皮むいたら怒りと不満と憎しみでいっぱいだ。
 
 ∧∧
(‥ )いわゆるブッシュマン、コイサンの
 □–  人たちがアルコールを手にした時
     酩酊状態で激しい喧嘩が
     起きてしまって、酒は好きだけど
     みんな罪悪感にかられるって
     話ありましたよね
 
  (‥ )ああいう狩猟採集の人々でさえ
      人間関係の下に不満を大量に
      抱えているってことだよね
      僕らに至ってはアルコールを
      のんでも自分を隠して制御する
      ことを強いられている。
      文明とはそういうものだけど
      見方を変えれば地獄よな。
 
 そういう意味では公共の場で怒ることは良い悪いの問題ではない。みっともないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それが地獄を作るわけ
    ですよ
 
  (‥ )というか、地獄を作る、
      そういう状態ではすでに
      ないわけさね
 
 地獄はここなのだ。
 
 地獄で泣いても助けなんかきやしねえ。だから黙れ。それがこの地獄の本質。
 
 そして世界はより完璧な地獄になるだろう。じょじょにではあるが、この過程は人類が絶滅しない限り停止しない。
 

裏切り者と見なされないように走れ


 
 *の続き
 
 ∧∧
(‥ )でも、これからこういう人
\–   増えるのでしょうね
 
  (‥ )ああ、増えるけれども、
      若者達は適応するだろうなあ
 
 切れる老人をあしらって、あわよくば口実を見つけて根こそぎ奪うような、そんな手段を身につけるのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはどうなります?
 
  ( ‥)平均寿命から考えると
    –□ 後、30年は自活できる
       機能を残していられると
       思う。予測でしかないが。
 
 だけども、75になればもう無理だろう。
 
 ∧∧
( ‥)平均的に言って、皆さん、
    そのぐらいの年から急激に
    老け込みますからね
 
  (‥ )弱ったことにそれから
      10年、20年生きてしまう
      場合が普通にあってな、
      そうなると末路は悲惨よな
 
 ∧∧
( ‥)死ねばいいのに、
    死ぬのが怖い
    困ったものですね
 
  ( ‥)いまや老人たちは若者から
      裏切り者とみなされている
      もはや老人は存在が
      罪なのだ
 
 ∧∧
( ‥)それは倫理的に、道徳的に
    おかしいと反論する人も
    いるでしょうけどね
 
  ( ‥)道徳や倫理は取り決めだ
      人間は道徳では動かん
      打算で動くのだ。
 
 打算的に考えて採算がとれない仕組みは支持されない。崩壊するのみ。緩慢で、しかし不可逆な瓦解はチクタクチクタク進行中だ。逃げ切れるものではない。逃げ切りたいなら今すぐ死ぬしかない。死に損ない共はよくもまあ、逃げ切れるなどと思ったもんだ。生に必死にしがみついているくせに。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは、どうします?
 
  (‥ )打算的に考えて
      裏切り者と見なされない
      コースをひた走る
      それしかあるまい
 
 ∧∧
( ‥)でも、そこで最初の問いに
     戻るのですよ
     あなたは能力を失って
     残り10年、20年を
     残したらどうするのか?
 
  ( ‥)稼働時間を可能な限り
      死ぬ時に近付ける
      言うは易し、行うのは難し
 
 それにたぶん、もう一工夫必要だ。
 
 ∧∧
( ‥)残り30年、準備期間は
    もうあまりありません
 
  (‥ )しかも30年後というと
      状況もまた変わるだろうしな
 
 さて、どうしたもんかね? 
 
 
 
 

2012年8月5日日曜日

それは問いではありませんね


 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
 ( ‥)そうだなあ、ジャーナリズム
   –□ は反権力であるべき、は
      そのままだと結果にデータ
      をそろえるだけになる
 
 ∧∧
( ‥)そういう記事の書き方は
 
 (‥ )捏造を生むのもそうだけど
     捏造うんぬん以前にさ
     楽なんだわ。
 
 書きたいことに合わせているだけだから。馬鹿でも出来る。
 
 ∧∧
( ‥)楽うんぬん以上にやばいっしょ
 
 ( ‥)楽ってのもやばいよ
   –□ 楽は僕らが普段思っている
      以上にやばいんだ。
      ここで楽をしたから
      ついでにこれをやろう
      とか、もう一足調べよう
      とか、疲れたから休む
      とか、だったらいいけども
 
 反権力で良いしー、反権力だから正しいしー、それに楽だしー
 
 ∧∧
( ‥)とか言い始めたら
 
  (‥ )んー、奈落の底まで
      落ちることになるね
 
 怠惰と惰性というはるか深み。調べずに思い込みで書いて、正しいはずだから疑わず、自分を理解しないと思った相手を分からず屋と罵倒し、でも実際にはめんどくささと逃げと自分のどうしようもない人生への言い訳で、しかしそれゆにえこそ、そこに落ちたらもう這い上がれなくなる。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)いくら調べてもすべては仮説
    疑っても前提は前提
    それも分からない奴は
    馬鹿だろう。まっとうな推論も
    形式的には以上と
    似てますけどね
 
  (‥ )でもさ、そういう推論は
      実際はどうなのだろう?
      確からしいのはどれなの?
      と問いを問うているわけだ
      問いを問う限り、歩みは
      無限だよ。
 
 しかし、反権力は答えを先に出してしまっている。そこには問いはなく。自分を疑うこともなく、当然、検証することもありえないし、反対するものはすべて敵になるだろう。それはあるべきジャーナリズムではなくて、むしろ信仰告白と悪魔払いに近い。
 
 
    

テニスウェアを着ていた


 
 電車に乗って町に買い出しへ出かける。ぼ−っと入り口付近で座っていると、入ってきたじいさんが若者に、「おいこら!! 人の足踏んづけたらあやまれや!!」と怒鳴っていた。
 
 ∧∧ テニスウェア着てますね
( ‥)
 –( ‥)ラケットの袋には
      錠剤が見えるなあ
 
 膨らむ医療費、若い世代にのしかかる負担、そのくせレジャーを楽しむ余裕と働いていないセカンドライフ
 
 ∧∧
( ‥)さっさと死ねよ、ですか?
 
  ( ‥)皆殺しにするわけにも
    –□ いかんけどな
       穏便に老人を搾取する
       あるいは死なせる方法を
       考えねばいかん
       だろうなあ。
 
 一番穏便な手は死ぬのを待って相続税の形で金をふんだくることなんだろうけども。もう一工夫、欲しいところ。
 
 ∧∧
(‥ )でも、最近、きれる老人
    多いですよね?
    先日もコンビニでいきなり
    理由もなく怒りだした老人が
    いて、若いお兄ちゃんの
    店員がはへ?? と
    面食らってましたよ
 
 (‥ )優秀な人間はいつでも少数。
     他はただの馬鹿。おまけに
     年取るとメッキが剥げるし、
     ぼけるし、馬鹿は大バカに
     なっちまうし、それに
     今の老人は犯罪多発世代の
     成れの果てだからな=>*
     今日見たあの老人だって
     若い頃はレイプや強盗や
     殺人してたかもしれないし
     今の人間には犯罪に見えても
     当時はそんな認識すら
     なかったこともありうる
      
 
 そう考えると、ああいうみっともない老人の姿は、なんか理解自体はしやすい。
 

 

人間らしい生活をしてみたいと思いませんか?


 
 ∧∧
(‥ )なんかね、お金お金で必死に
\–   働いて、もっと人間らしく
     生活できる場所があるんじゃ
     ないか、そういう世界が
     実現できるんじゃ
     ないだろうかと
     そういう叫び声が聞こえます
 
  (‥ )人間らしい生活なんて
      1万年前に終わったがな
 
 農耕の開始ですべて終わった。人類は土地をたがやすという呪いから永久に離れられなくなった。大地に帰ろう、土地をたがやし生きていこう、馬鹿馬鹿しい。あれは自然の改変である以上に地獄への道だった。
 
 ∧∧
( ‥)もう、農耕と都市化の波から
    逃れられる場所も人も
    ほとんどありませんからね
 
 (‥ )グルーバル化は西欧の
     世界征服が始まった
     500年前から決定的となり
     地球のどこにも逃げ場はない
     敗北したものは奴隷化され
     彼らを搾取して築き上げた
     工業社会の中に僕らはいる
 
 そんな世界の一員が、人間らしい生活をしたい、だなんて笑わせてくれる。もうそんな選択肢も未来も自由も僕らにはないのだ。
 
 あきらめろ。幸せは永久に失われ、未来は固定化し、時間の経過と共に今よりもっとひどくなるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)生き残るのは誰か? ではなく
 
  (‥ )最後に死ぬのは誰か?
      をめぐって殺し合うのだ
 
 それが僕らの未来。すなわち、約束の時、来たれり。
 

2012年8月4日土曜日

知った気でいる基礎、これこそが難しい


 
 延々と寝続けて、起きたら暗くなっていた。
 
 ∧∧
(‥ )外は猛烈な湿気です
 
 (‥ )雨が降った痕跡があるなあ
     洗濯物も湿っている
 
 雨量情報を見てみると、16:00あたりで結構な雨があったらしい。
 
 散歩にいくと、もう真っ暗なのに公園のあちこちに人がいた。車の通りもいつもより慌ただしい
 
    なんだろうと思っていたら
 ∧∧ 花火ですね
( ‥)
 –( ‥)なんかあちこちで花火が
      打ち上げられてるね
 
 さて
 
 地球の歴史では色々な生物が一斉に絶滅する大量絶滅が何度か起きた。しかも2600万年の周期で起きているらしい。これほど巨大で規則的な周期を引き起こせるのは、天文現象しか考えられない。太陽系の最外辺をめぐる未発見の天体が、小惑星や彗星の軌道を揺り動かし、太陽系内部に送り込んでいる可能性がある。だがそれに異論が出てきた。大量絶滅にはいつも洪水玄武岩の噴出が従っている。これは地球内部に原因がある証拠ではないのか? 例えば地球のコアとマントルの境界層から周期的にプリュームが上昇し、それが地上に巨大で異例な火山活動を引き起こすのではないか? コアから来たプリュームは天体衝突が原因とされるイリジウムの濃集さえ説明できるし、恐竜が実は隕石衝突の数十万年前から滅びかかっていることを説明できる。事実、白亜紀の終わりにはインドのデカン高原を形成した洪水玄武岩の噴出が起きており、これが白亜紀の生態系の破壊し、そして恐竜の衰亡を引き起こしたのだ。有名なメキシコ、ユカタン半島の巨大クレーターも衰退した恐竜にとどめをさしたに過ぎないのである。そしてここにきて新たな学説が登場した。インドのデカン高原を形成した噴火は隕石衝突によるもので、それはユカタン半島のものとは別の隕石によるのかもしれない。ユカタン半島のものよりもはるかに巨大な隕石が地殻を打ち抜き、マントルを露出させ、大噴火を引き起こしたのだ。これをシバ仮説と・・・・
 
 ∧∧
( ‥)...なにヨタ話を書いてるんだよ
 
  (‥ )でもさ、こういうのが
      分かりやすい文章を書く
      サイエンスライターの
      仕事なんじゃねーの?
 
 *注:真に受ける人がいるかもしれないので一応書いておくと、以上の文章は最初の1行は科学的な仮説なのだけれども、次は妥当性の低い棄却されたアイデア。洪水玄武岩の噴出ウンヌンのあたりから後ろはもはやヨタ話や馬鹿話、半分以降はトンデモ。こういう記事は”分かりやすい”かもしれないが、実のところ「拝金主義が名馬を切り捨てる」とやっていることは同じ=>*
 
 現実の話は
 
 ∧∧
( ‥)絶滅が本当に周期的に起きて
    いると言えるのか?
    もさることながら
 
  (‥ )それ以前に、その大量絶滅
      って本当に絶滅なの?
      が問題になるのだよな
 
 確かに大量絶滅はあった。特に大きかったオルドビス紀末期、デボン紀末期、ペルム紀末期、三畳紀末期、白亜紀末期に起きたものはビッグファイブと呼ばれている。
 
 ∧∧
( ‥)でも、他の幾つかはおそらく
    間違いなんですよね
 
  ( ‥)何人かの人間はそれを
    –□ 知らずに書いてしまった
       のだ
 
 彼らはこう述べたし、書いた。

 ”海退が起きる時、大量絶滅が起こる”
 
 彼らはまじめにこう書いた。だがしかし、このたった1文に込められた誤謬と落とし穴は、現代人の目からみればむごいほどだ。
 
 ∧∧
( ‥)でっ、それを次の次の次の
    本で説明しなければ
    いけませんと
 
  ( ‥)こんな分かりにくい事を
    –□ ほとんどの人は
       読まないだろうけどね。
 
 大量絶滅の原因ってなんだろー?? とか、周期がある理由はなんだろー?? とか、周期を説明できる仮説を思いついちゃった!! とか、そんなハイカラなことをする前に、僕らは堆積学や浸食のことをまず学ばねばならない。化石が出来る過程なんて知ってるよーとか知ったかぶりな馬鹿面をする前に、見直さなければならぬのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でもそれが難しいの
    ですよね
 
  ( ‥)僕らが知った気でいる基礎
    –□ それこそが一番難しい。
 
 
 
 

商品は用意されている、ただし帰ってこれない


 *の続き
 
 分かりやすい記事、とは多くの人が分かったと思える記事
 
 売れる記事、というのは多くの人がこれなら買っても意味が分かるし読めるという記事
 
 ただし、分かった=正しい、ではない。
 
 分かりやすくすると文章の妥当性はむしろ劣化する
 
 ∧∧
( ‥)まあ、前々から言っている
    ことですけども
 
 ( ‥)それを踏まえるとだよ
   –□ 科学ジャーナリズムは
      国民に幅広く正しい
      科学知識を分かりやすく
      伝えることが目的である
      これは要望自体が
      狂ってるよな
 
 あるいはもう、文章として成立していない、というべきか
 
 あるいは科学ジャーナリズムとかほざくしろものは、しょせんは呪われた存在、望まれた本来の機能も果たせない唾棄すべき欠陥品と言うべきか
 
 ∧∧
( ‥)なるべく正しくするには
    どうします?
 
  (‥ )そりゃあ、読者層の大半を
      切り捨てれば良いのだよ
 
 分かりやすい文章を読んで分かった気になるような人は、より妥当なことを把握する能力も容量もないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)必要ないと
 
  (‥ )だって、必要ないべ
 
 
 ∧∧
(‥ )そういう人はどうすれば
\–   よいのでしょうね
 
  (‥ )そういう人向けに嘘、
      大げさ、まぎらわしい、が
      あるではないか。
      商品はすでに用意されて
      いるのだ
 
 そして旅立てばよろし 分かったという片道切符の世界へ
 
 ∧∧
( ‥)片道切符ね
 
  (‥ )だって、分かった、って
      言ってる連中って
      やべーじゃんよ
      人の話は聞かないし、
      資料も本も調べないし
      最初の思いつきから
      一歩も外へ出ないし 
 
 商品はすでに用意されている。ただし、いったら帰って来れない。
 
 
 
 
 

2012年8月3日金曜日

嘘が入っているでしょー


 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)まいどのことながら、
    あれですね。分かりやすいとは
    それ自体が問題をはらんでいる
    のだと
 
  (‥ )例えばの話だよ
 
 あなたの人生を分かりやすくみんなに説明する人を、あなたは信用できるか?
 
 ∧∧
( ‥)...うさんくさい、と
 
  (‥ )そんな奴、信用できねーよ
 
 絶対、嘘が入ってる。
 
 
 

理想的な商品を売るお仕事です


 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)ジャーナリズムってのはね
      売れなきゃ意味ないんだ
 
 例えばの話、人気のある名馬が骨折、診断は予後不良、安楽死させられた、とする
 
 ∧∧
( ‥)この事実を前にした時、
    単純に2つの記事の書き方が
    あると
 
  (‥ )1つ、骨折の程度、
      復帰不可能な状況、それが
      もたらす必然の結末
      2つ、拝金主義が名馬を
      切り捨てた!!
 
 さて問題、どっちの方が分かりやすく、どっちの方が楽に記事を書けるだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)1つ目は取材して、病状や
    関連事項をもろもろ
    理解しないと書けません
    競馬の歴史や品種改良
    育種や力学を知らないと
    だめでしょうね
 
  (‥ )2つ目はな、30分ぐらい
      あれば馬鹿でもでまかせで
      書けるんだ。
      実際、拝金主義が名馬を
      切り捨てた、この文章で
      伝わっちゃうしね。
 
 そしてなんでもそうだが、コストをかけずに安く仕上げたもので、なおかつ、消費者の趣向に合ったものこそ理想的な商品なのであった。
 

究極的


 
  (‥ )いじめ問題の解決?
 
 ∧∧
(‥ )それも、究極的なものを、
\–   だそうです
 
 ∧∧
( ‥)ありますか? 誰が加害者で
    誰が傍観者で、誰が有罪で
    誰が無罪か、その困難をすべて
    解決する方法は?
 
  (‥ )そりゃあ、あるにはあるよ
 
 まだ一次文献で確認したことはないけども、さる本に例えば曰くこんな事例があったという
 
 都市を包囲した軍団の兵士が尋ねた。
 
 町にいる異端者どもと我らの信徒、どう区別すれば良いでしょうか?
 
 皆殺しにしてしまえば良い。神は自分の子をすべてご存知である
 
 ∧∧
( ‥)1つの有罪ですべてを
    抹殺してしまえと
 
  ( ‥)いちいち識別できないの
      ならば町ごと抹殺して
      しまえば良い。有罪を
      見逃す有害を考えれば
      無実な者も傍観者も
      殲滅してしまえば良い
      ある意味正論中の正論よ
 
 ∧∧
( ‥)狂気のさたですけどね
 
 (‥ )裏でほくそ笑む加害者を
     見逃すよりも、町を
     丸ごと一つ抹殺した方が
     利益が出る。そう計算した時
     為政者たちは何をする
     と思うかね?
 
 

かつてワインはギリシャものだった


 
 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)でも、由来は俺たちだから
    俺たちがいつまでも最高!
    ・・・のはずだ。
    という主張、それ自体は
    いつでもどこでも見られる
    話ですよね
 
 ( ‥)日本のモルトウイスキー
     なんかモルトじゃない、とか
     フランスワインが最高!!
     お前らコピー、わろす、
     とかな
 
 ∧∧
( ‥)でも、例えばワインなんて
    古くは中近東、古代ギリシャ
    のものですよね?
 
  (‥ )その後、ローマ帝国に
      ワインのシェアを
      奪われたのだよね
 
 そのローマでも、高級ワインだけはやっぱ本場ギリシャだよね!! とギリシャから少数銘柄の輸入は行われていたという。だが、そんなイタリアも、やがて征服地であるガリア(後のフランス)にワイン産業を奪われていくことになり、さらにその1000年以上も後、そのフランスが今度は、アメリカワインなんてーーー!! とか言い始める顛末。
 
 ∧∧
(‥ )ヨーロッパ、アメリカ、日本
 □–  中国、韓国ってどんどん
     製造業が移転するみたいに
     移り変わるもんですねえ
 
  (‥ )数百年後、柔道って
      フランスやブラジルの
      古典武術になって
      いたりしてな
      なんか独自の礼とか作法
      とか出来てるのよ
 

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