自己紹介

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2015年9月30日水曜日

正しい生き方とは許されざる罪である

 
 東京オリンピックのエンブレムがパクり疑惑
 
 ∧∧
(‥ )自主的に撤回したから
\−  もう旬を過ぎた話題だよ?
 
  (‥ )だからするのさ
 
 エンブレムさん。大手で下積みをして、ニャンマゲ様をデザインして。独立して、事務所を構えて、大きくして、部下を抱えて、仕事を自動生産するとことにまでこぎつけて…
 
 
 ∧∧
(‥ )あんなの身内同士で
\−  公募と参加と審査を繰り返す
    出来レースじゃないかwww
    と揶揄する意見もありましたよね
 
  (‥ )いいんだよ
      出来レースでも
      身内同士のなれ合いでも
      それで仕事が進めば
      それでいいんだ
 
 ∧∧
(‥ )あんなのパクリじゃないか
\−  そういう声
 
  (‥ )いいんだよ
      デザインでも創作でも
      絵でも曲でも全部は
      なにかしらのパクリだ
      それに
      パクリもセンスが
      なかなかに良いじゃないか
      良いものをパクっとる
 
 
 ∧∧
(‥ )致命的だったのは
\−  ネット画像の無断引用だった
    わけだけどね
 
  (‥ )こればっかりは失政だな
      部下を十分に
      監督できなかった
 
 でも部下を抱えて自分の名前で仕事をさせるというやり方は正しい。漫画でも、事務所化、プロダクション化によって、とっくの昔に作品は漫画家本人の手から離れ、漫画家が死んでも問題なく連載が進行するということはよくあることだ。
 
 もちろん、世間体はあるから、目だけは先生が描いています! とか、公式な嘘をつくことを忘れてはならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )つまりエンブレムさんは
\−  決して間違った生き方を
    していたわけじゃ
    ないんだよね
 
  (‥ )下積み、独立、事務所化
      隙があったのは確かだが
      生き方は間違っちゃいない
      というかむしろ正統だし
      正しい生き方だ
 
 だが、彼は失脚した。ここから次のことが分かる。
 
 正しい生き方は全く評価されない。
 
 だがしかし、多くのデザイナーがエンブレムさんを擁護したし、素人丸出しなデザイン乱立やパクリ狩りを批判したのであった。
 
 これらすべて、正しい生き方をして何がいけないのか? 一体何が問題なのか? そういう正当な叫びであったと受け取るべき。
 
 ∧∧
( ‥)でもね
    この擁護のせいで
    むしろ大炎上ですよ
 
  (‥ )それはなぜか?
      今や答えは簡単だな
 
 それは正しい生き方だから批判されるのである。

 正しい生き方をして何がいけないのか? この怒りが正当であるにも関わらず愚かである理由はここにある。それは現実を見れば明らかではないか。

 正しい生き方とは許されざる罪なのだ。
 
 
 
 さてもさても
 
 ∧∧
(‥ )あなたは正しくない生き方を
\−  している割に
    成功してないのはなぜよ?
 
 
  (‥ )正しい正しくないと
      成功するしないは
      関係ないからな
 
 もちろん、評価するしない、評価されるされない、とも関係ない。
 
 ∧∧
( ‥)残念ながら?
 
  (‥ )残念ながらね
 
 
 
 

2015年9月29日火曜日

良い自我マニアとは何か?

 
 ∧∧
(‥ )西欧人は自我の芽生えが
\‐  早いそうですよ
 
  (‥ )自我ねえ
      個体の存在すら怪しいのに
      自我の芽生えだ存在だ
      鼻息が荒いこったな
      おそれいるねえ
 
 
 そんなありもしないものを、ある! などと無駄に力を込めて語るから頭がてんぱる。見ろ、彼らの慌てぶりを。
 
 ∧∧
( ‥)そう言うと激怒するんじゃ
    ないんですか?
 
  (‥ )じゃあ自我って何だ?
      説明してみろって
      連中に尋ねてみ
 
 全員、てんでバラバラな事を言い出しよるから。
 
 ∧∧
(‥ )分かったような
\‐  分からんようなって
    ことなんでしょうね
 
  (‥ )それでもいいんだ
      だけどな
      そんなあやふやなものを
      金科玉条に掲げて
      自我自我じがー! って
      力入れて叫ぶから
      おかしなことになる
 
 
 いい加減な物は、なんかこんな感じ〜〜、とゆるく言っておくに限るのだ。境界線も無いものに、定義なんていう拘束具をはめるから自由が失われる。自我とは自由の放棄と見つけたり。
 
 ∧∧
( ‥)SFとはなんぞや??
    とか
    ラノベとはなんぞや?
    とか
    萌えとはなんぞや?
    とか言い出すと
    ジャンルが衰退するみたいにね
 
  (‥ )自我自我って
      自我マニア共は
      うるさすぎるのだよ
 
 
 良い自我マニアとは何か? それは死んだ自我マニアのことだ
 
 
 

論理的な人間は必ず二枚舌になる

 
 論理的な人間は必然的に二枚舌になる。
 
 
 ∧∧
(‥ )論理が断言出来る事は
\‐  ただひとつ
    それは否定のみ
  
 
  (‥ )すべてのカラスは黒い
      この命題を肯定することは
      不可能だ
      だがしかし
      否定することなら可能だ
 
 
 白いカラスを1羽見つければ良い。そうすると”すべてのカラスは黒い”という命題が”間違っていた”ということが分かる。
 
 実のところ、論理にできることとはこれだけだ。何々は間違っていた。これが論理にできるそのすべて。
 
 ∧∧
(‥ )数学ならいざしらず
\‐  現実世界で
    論理が断言できることとは
    こんな程度の事柄でございます
 
  (‥ )しかもこれ
      どうでも良い内容だよな
 
 すべてのカラスが黒いわけではないこと、そんなことは誰でも知っているし、アルビノのカラスがいるからといって、ほとんどのカラスは黒いという事実は揺るがない。
 
 ”すべてのカラスは黒いという命題は間違っている”という知識は、理解を豊かにはしない。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ注目すべきは
    論理がかように
    無力なことである
 
  (‥ )まあ別に論理のせいでは
      ないんだがな
      論理とはもともと
      そういうものだ
 
 悪いのは、論理的であれば正しい、とか、論理的に考えれば問題は解決できると思い込んでいる人間たちと、その思い込みだ。これは有害極まりない上にあからさまな嘘である。
 
 ∧∧
(‥ )そして論理人間は
\‐  必ず二枚舌になると
 
  (‥ )否定された命題しか
      確かなことが言えない
      そんなことを
      実行している奴は
      一人としていないからな
 
 人間が何かする時には、こうであろう、という前提が必要である。この時、使用している前提にはある程度の確信が必要だ。
 
 もちろんこれは、肯定的な前提を用いていることに他ならない。

 例えば、”すべてのカラスは黒い”という前提を人は使うのである。
 
 もちろん”すべてのカラスが黒いわけではない”という前提も使うであろう。
 
 だがしかし、

 確かな命題は、”すべてのカラスが黒いという命題は間違っている”、これだけだ。私はこれを使う。私は”カラスが黒い”という命題は使わない
 
 なんてことはしないのである。否定された命題のみが論理的に正しい命題なのだとしても、そんな命題を人は使用したりしないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)論理的な人間もまた同様
    彼らは何らかの命題を
    肯定的な前提として
    動作しているだろう
    しかし論理で確信できるのは
    否定された命題だけである
    否定された命題しか
    使えないのに
    何らかの命題の内容を
    肯定的に前提するとは
    これいかに?
 
  (‥ )要するに論理的な人間は
      二枚舌野郎ってことさ
      そうでないと奴らは
      動作しない
 
 実際、彼らが二枚舌であること、少し話せば明瞭である。
 
 論理的な人間、あるいはロジカルシンキングを信仰する人間は相手の意見を否定する時には反証を使う。 
 
 あなたはそういうが、こういう事例があるではないですか!
 
 以上は、白いカラスが1羽見つかれば”すべてのカラスは黒い”という命題は否定される、と同様の論理的な考えだ。
 
 だがこの後がいけない
 
 一方、あなたは私の考えのここがおかしいと反証例をあげたが、私が思うにそれはこう考えれば説明できる。
 
 今度のこれはあからさまに論理ではない。矛盾する事柄に補助的な仮説を導入して自説の救済を試みる。これはむしろ仮説発見とかアブダクションとか、グラフを描くとか、そういう動作である。
 
 ∧∧
(‥ )もちろん以上個々の動作自体は
\‐  問題ないんだよね
 
  (‥ )反証で命題を覆すのも
      矛盾を補助仮説で
      説明するのも
      それぞれは正当だ
 
 ただし、自分の意見を肯定する時には補助仮説を用い、他人の意見を否定する時には反証を論理的に使うとなると、これはあからさまな二枚舌である。
 
 ∧∧
( ‥)そして論理的な人間は
    必ずそれをすると
 
  (‥ )そうしないと
      動作できないんだ
      だったらそうするべ
 
 現実世界において、論理で確実に言えることは命題の否定のみである。ここまで生み出すものが貧しい思考方法で現実世界を生き抜くことなどまったく不可能だ。それにもかかわらず論理人間は生きている。つまり彼らの過ちは、彼らが生きていることから明らかである。
 
 つまり、論理的な人間が生きていること、それ自体が、論理人間が論理や論法をまったく恣意的に使い分けている証拠だ。
 
 論理的な思考をする人間は必ず二枚舌であり、物事を恣意的に都合良く言いくるめるし、そうでないと論理的な思考を防衛することはできない。
 
 論証されるべきは、これであった。

 
 

2015年9月28日月曜日

火炎模様がついてくる

 
 夢を見た。
 
 軽井沢を思わせるなだらかで涼し気な土地だ。大きな山のふもとであるように思えるが、山は見えなかった。あまりにも大規模な山で山頂がはるか地平線の彼方にあるのか、それとも夢の設定がいい加減であるのか、それは分からない。
 
 脇道にそれてしまった。本道へ戻る小径を歩くと、眼鏡をかけた小太りで小柄な男がずっとしゃべりながら立ち尽くしていた。
 
 この道をいくと大変なことが起こるよ。大変なことが起こるよ。
 
 その脇をすり抜けると別の人物が目についた。というか人型の何かだ。皮をはがされて焼かれた動物のようにも見えるし、古びて真っ黒になった仏像のようにも思われた。そいつが自分の後を付いてくるのだ。

 見るたびにそいつの姿は変わった。白黒のうねるような模様を身につけていたり、目の部分がえぐれたようになって、周囲に火炎のような模様が広がる時もあったし、二人の男女になったこともあった。70年代を思わせるやぼったい服装だが、外見は人間だ。おかしなところというと肌も髪も服も、すべてが真っ赤だという点だけだ。真っ赤な表情で人懐っこく、にやにや笑っている。
 
 ついてくる彼らに自分がこれからいく先をつげた。すると彼らは泣き、そしてあきらめるように引き返していった。彼らがなぜ、それではついていけないと泣いたのかは分からない。夢の中で自分がどこへいこうとしていたのかも覚えていない。

 自分がいこうとしてるのはどこであったのか? 何をしようとしているのか? ごく当たり前のことだったはずなのだが、起きた今では思い出せない。

 夢の世界ではこちらで当たり前なことが邪悪なことになるのかもしれない。あるいはそれとも、夢の自分は彼らがどん引きするような禍々しい存在であったのかもしれないが、何も分からない。夢はその後も少し続いたが、別になんてことのない風景だ。涼し気な風景。湿った薄暗い道。一人で歩く、ずっと。

 
 ∧∧
(‥ )ひさしぶりにおかしなのを
\‐   見たねえ
 
  (‥ )少し疲れ気味かな?
 
 
 
 それとも、何かの天啓か?
 
 
 
 

デミウルゴスによる悪意ある世界

 
 
 日本には不正が満ちているが、この世界のどこかに理想の国がある。
 
 理想の国として上げられたものにはアメリカ、イギリス、スウェーデン、ドイツなどなど。
 
 ∧∧
(‥ )でも日本の人が
\‐  こぞって移民するかといったら
    そんなことないですよね
 
  (‥ )まあここから明瞭に
      分かる事は
      以上の理想の国は
      総合的に見れば
      日本と同じ
      みんなでドングリの背比べ
      ってわけだ
 
 
 水が移動しないなら位置エネルギーは同じと見るべきである。人が移動しないとは、そういうことだ。
 
 世界のどこかに理想の国がある。これはプラトンのイデア論とかと似たような迷妄だろう。
 
 ∧∧
( ‥)プラトン? イデア?
    なにを大げさなと
    言われそうですけどね
 
  (‥ )というかね
      大げさなんじゃなくて
      話はむしろ逆だと
      考えるべきだ
 
 プラトンは意識高い系のおっさん、イデア論は頭でっかちが酔っぱらって考えるありがちな思い込み。
 
 ∧∧
(‥ )プラトンもイデアも
\‐  その辺でご高説を述べている
    意識高い系の
    おっさんと同じだと
 
  (‥ )理想の国なんて
      あるわけねえからな

 
 
 例えば人が曰く。ドイツには自由があるそうだ。市民は意識が高く、政治に参加し、民主制の自覚があり、デモに参加し、企業は効率的で、社員は人間的な生活をしている。
 
 しかし、その人は取り上げないが、一方では一世代も問題視されているトルコ系移民への搾取がある。増加する移民たちの問題もよく取りざたされる。ギリシャ危機で露呈したのは、ユーロ安を隠れ蓑に日本などよりも安く物を輸出しつつ、金融商品でギリシャをカモにするドイツの姿であった。
 
 ∧∧
(‥ )そして今度は
\‐  フォルクス・ワーゲン社の
    排ガス不正ですか
    検査があると
    窒素酸化物の量を
    少なく見せるように動く
    ソフトを搭載していたのだと
 
  (‥ )富は偏りから生じる
      どこかが出ていれば
      どこかがへこむ
      現実はそこまで
      単純じゃあないけども
      おおむねそうだ

 
 
 豊かで効率的な社員がいるというのが本当なら、それはどっかに影があるということであろう。それは国外にあるのかもしれないし、国内にあるのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)しわ寄せをどこに
    押しつけるかって話だからね
 
  ( ‥)理想の国があるのなら
    ‐/ それは血まみれって
       ことなのさね
 
 別に血まみれであることは構わない。しかしそこから目をそらすのはいかがなものか?
 
 世の中は不正に満ちている。こんなものは、自分の境遇に不満のある人間の単なる言い分だ。
 
 そして、世界のどこかに理想の国がある。これは、その挫折を外部委託したものだ。
 
 もちろん、そんなもの実際にはないのである。理想の国は挫折した人の心の中にある麻薬に過ぎぬ。
 
 かような世界観は高邁ではあるが、ただの逃げだ。逃げた先には何も無い。
 
 
 ∧∧
(‥ )そういうあなたは
\‐  どんな世界観でこの世に
    いどみますかね?
 
  (‥ )この世界を作った
      創造主がいる
      それは本当かもしれん
 
 ∧∧
( ‥)ほう?
 
  (‥ )ここまで悪意のこもった
      世界はな
      知的生物が意図的に
      作ったと見るべきかもな
 
 この世は偽りの神、デミウルゴスが作った悪意ある宇宙。生きることができるぎりぎりの条件で可能な限り苦しむように作られている。この悪意において理想の国とは、すなわち蜂蜜をまぶした罠である。イデアを無邪気に掴んだが最後、人は迷妄の中でより苦しんで死ぬように設定されている。デミウルゴスはそれを良しとして歓喜するのだ。皆、祭壇の生け贄にすぎぬ。
 
  
 
 
 

日本軍が精神論で負けたという主張はオカルト

 
 ギリシャ人は議論の仕方を知らず、相手を言い負かすことしかしなかったから滅びたのです。
 
 ∧∧
(‥ )...なに? この意見?
\‐
 
  (‥ )古代ギリシャは
      単純に人件費や
      軍事における保守性や
      国民皆兵にこだわることで
      滅びたと思うけどもな
 
 もっともそれは言い過ぎでもあるんだろう。アリストテレスの著作を見れば、戦争が職業軍人のものになっていくなかで、それでも対応しようと若者への戦争教練にカタパルトの使い方を取り組んだりしたことが分かるし、職業軍人である傭兵を雇ってもいる。末期においても、なお意気軒昂で、アテナイ国民総出で総力戦を挑んでもいる。

 
 ∧∧
(‥ )それでもローマには
\‐  勝てなかったけどね
 
  (‥ )そりゃ無理だよ
      ローマは人件費が
      地獄みたいに安いし
      そのくせ兵役は長くて
      事実上職業軍人だし
      裕福な東地中海へ
      遠征すれば
      略奪しまくって補給できる
 
 ブラック企業も真っ青な安さで雇われた職業軍人が略奪しながら行軍してくる。こんなものにどう挑めば良いというのか?
 
 こんなローマ軍を相手に、ギリシャが勝てるわけがない。
 
 後のギリシャ人の中には、アレキサンダー大王がペルシャではなく地中海の西側、ローマへ攻め込んだら、といういわゆる架空戦記を妄想した人がいたそうだ。だがそれは無茶ってものだ。
 
 ∧∧
(‥ )アレキサンダー大王は
\‐  兵士に支払う金を略奪する
    こともあって
    ペルシャ方面へいったの
    だからね
 
  (‥ )地中海の西なんて
      貧乏な地域へ遠征したら
      さすがの
      アレクサンダーだって
      それだけで敗北ですよ
      ピュロス大王みたいに
      撤退に追い込まれるのが
      オチだよな
 
 
 かように考えれば、ギリシャの滅亡は議論うんぬんと関係ないこと明白であろう。少なくとも、そんな生気論的な説明を必要とする余地はない。
 
 ∧∧
(‥ )議論が駄目だから
\‐  負けたって..なんすかね
 
  (‥ )これを言った人
      日本軍は精神論で負けた!
      とドヤ顔して書いてるけど
      これもおかしいよね
 
 勝敗を精神論で語ってはいけない、と申し述べているのに、ギリシャの敗北を精神論で説明している。これは矛盾だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもあなたたち人間は
\‐   精神論でものを説明するのが
     大好きだよね
 
  (‥ )そしてだ
      日本軍は精神論で負けた!
      とドヤ顔している連中の
      胡散臭さも分かるだろ?
 
 
 だいたい、精神論で負けた、という言い方がすでに精神論なのである。精神論か否かではない。武力と経済が物理的に機械的に大きい方が単純に勝つのだ。

 条件さえ整っていれば精神論でも勝つし、整っていなければ機械論と合理主義でも負ける。
 
 だいたい、精神論で負けたとは、合理主義なら勝てるという主張でもあるが、これはまぎれもない精神論であるし、むしろオカルトであろう。

 
 合理主義者なら勝てるというのなら、では、どうしてお前はそこでくすぶっているのか?
 
 
 

2015年9月27日日曜日

ステーキ捨てて コンビニでおにぎりを

 
 安保法案だ、戦争が出来るようになるぞ! 徴兵制が来るぞ! 戦争が始まるぞ!
 
 
 ∧∧
(‥ )今時、徴兵制って...
\‐  70年前ならいざ知らず
    人件費の高い昨今
    一体幾らかかるんですか?
    皆さんに配布する装備を
    どうそろえるんです?
    そもそも
    素人相手に何を配布して
    何をさせる気なの?
    そういう質問を投げかけても
    徴兵ダー 戦争ガー
    の返答だけであると
 
  (‥ )さらに言うと
      非武装中立で大丈夫だ
      憲法9条で平和だったのだ
      だから安保はいらない
      9条さえあれば良い
      そう繰り返すだけ
      人間はなあ
      今までのやり方を
      変えたくはないし
      考え方も理解も
      変えたくないのだ
      例え国家どころか
      自分が滅びようとしても
      自分の財産が壊れようとも
      変えたくないものは
      変えたくないんだよ
 
 以上とは一見すると正反対だけども、こんな話を読んだ事がある。

 フランスで革命が起きた。当初は中央集権化を押し進めた国王に対する貴族の巻き返しだったはずが、いつのまにか、保守派とみなした人間を片っ端から虐殺する恐怖政治になってしまった。貴族は言うに及ばず、平民から革命の同士、さらには国王一家までが処刑される有り様。王妃の母国であるハプスブルク帝国は言うに及ばず、国王を殺す革命政府のやり口に、各国は恐怖して軍隊を差し向ける。
 
 これに対して革命政府は扱いやすい火器を庶民に渡し...、というか庶民を革命の名の下に大動員して大量に突撃させるやり方に出た。馬鹿のひとつ覚えのように突撃させる。しかし大量だ。ひたすら数で押しまくる。戦争は一気に様相を変え、これまでにない大規模で壮絶なものとなった。今や攻守を変えて各国に押し寄せるフランス軍。略奪、暴虐、大殺戮、これぞ民主主義の真骨頂。しかもそれを率いるは軍事の天才ナポレオン。
 
 ナポレオン進撃の前に危機感を抱いたプロイセンの軍人は、農奴解放を王に訴えたという。解放された農奴を率いて、ナポレオンと同じことをするのだ。それなら勝てるとは言えないまでも、まだしも抗することはできよう。
 
 ∧∧
(‥ )だけど王様はそれを拒んだ
\‐  国は滅びはしなかったけども
    屈辱的な条件で講和し
    支配を受け入れるしか
    なかった
    農奴解放が実現したのは
    ナポレオンの勢いが衰えて
    プロイセンを含めて
    各国が反転攻勢を
    しかけ始めてからの話
 
  (‥ )農奴を治める王様の国
      農奴とは
      土地に縛り付けられた
      農民たち
      ここまで支配力が強く
      そして権力を握っている
      こんな王様にとって国は
      自分の持ち物だろ?
      自分の持ち物が
      滅びようとしている
      その時に至ってさえも
      国を守る最終手段に
      踏み切れない
      これはすごい話だよな
 
 この話はうろ覚えだし、原典まで読んだわけじゃない。だから確認が必要だ。
 
 とはいえ、この話を読んだ時に誰もが思うであろう、愚かな王様であると。
 
 しかし考えてみれば、僕らの人生はこんなことの連続であった。
 
 あともう少し、あとこれだけ、手持ちを手放すのは嫌だし、もしかしたら状況が好転して、手放す必要がないかもしれない....
 
 そうやって、みすみす機会を逃す。
 
 考えてみればこんなことばかりではなかったか? 王様の行動を笑うに笑えない。
 

 
 ∧∧
( ‥)だけどそれゆえにこそ
    これは生々しい衝撃
    自分の持ち物である国が
    滅びる時に至ってさえもなお
    変革を決断できないという現実
    これは恐怖ですよ
 
  ( ‥)それを考えるとさ
    ‐/ 憲法9条があるから
       平和なんだと言う人は
       国が滅びるその瞬間
       自分の財産が消える
       その瞬間まで
       同じことを言うだろう
       それが分かるよね
 
 平和を保ったのは憲法9条じゃなくて核兵器と軍事力だろ? という指摘も意味はない。人は信じたいものや守りたいものを最後まで守るのである。
 
 ∧∧
( ‥)たとえ国家や
    自分の財産が失われるとしても
    最後の最後まで
    目の前のものにしがみついて
    しまうのだと
 
  (‥ )まあ考えてみれば
      当たり前なんだがな
 
 
 目の前のお肉を捨てて出かけて、腹ごなしはコンビニのおにぎりですまそう。人間は、こういう決断をすることが出来ない。
 
 
 

ガ0927

 
 腹が減った。オイスターソースで肉を炒めて、それをおかずに食べる。そしてほぼ食べ終わった時に気がついた。
 
  
   ( ‥)蛾が入っとる...
     ‐°
 
 ∧∧
( ‥)ああ
    目を少し離した隙に
    熱にやられて
    そのまま炒められて
    しまったわけだね
 










 皿に残ったオイスターソース。そして飯粒と比べれば分かるが、小さいけども、そこそこ大きな代物で、1センチはある。
 
 











 種類は分からないけども、時々見る白いやつなんだろう。しかし、今やすっかり炒められてオイスターなべっこう色だ。
 
 ∧∧
( ‥)昆虫さんは体が小さいからね
    高温にさらされると
    すぐに温度が上がって瞬殺だ
 
   (‥ )そういえば昔
       調理中にカが飛んできて
       コンロの金具に
       ぴたって止まったことが
       あったよなあ
 
  弱火とはいえ、金具は高温だ。ぴたっ と止まった瞬間、びくっ! と震えてそのまま停止した。
 
 ∧∧
( ‥)もがく暇もございません
 
   ( ‥)こいつもそういうことを
     ‐° したんだろうなあ
       間抜けな野郎だぜ
 
 ∧∧
( ‥)食べないの?
 
   (‥ )どうも蛾は苦手でな
       以前、
       毒蛾に刺されて以来
       どうにも蛾は嫌いだよ
       鱗粉がいかんのだ
 
 不愉快なやつだ死ねばいい。
 
 ∧∧
( ‥)すでに死んどるがな
 
  ( ‥)こういう時思い出すのは
    ‐° 「虫の惑星」を書いた
      昆虫学者エヴァンズの
      エピソードだな 
 
 なんでもそれはこんな話だ。アメリカの田舎だかどこだかのレストランに入った時、料理にゴキブリが混ざっていたことに気がついた。炒めものですでにゴキブリはばらばら。腹が減っていたので可能な限り、ゴキブリを選り分けた。すべてを平らげた後の皿にパーツを寄せ集め、ゴキブリをほぼ完全に復元しておいたという。
 
 空いた皿を取りに来たウェイターの顔は見物だったそうである。
 
 ∧∧
(‥ )まあゴキブリに比べれば
\‐  かわいいもんですよ
 
  (‥ )別に体に異常もないしな
 
 




味見は論理ではない

 
 ∧∧
(‥ )論理人間は不幸面
\‐  そう言うと怒る人も
    いるんだろうね
 
  (‥ )怒るのは
      身に覚えがあるのか?
      それとも
      論理という言葉の
      使い方がずさんなのか?
      どっちだろうな
 
 
 例えばこう考える。
 
 今の若いものは駄目だ。ニュースを見れば若者の凶悪犯罪が多発していることが分かる。若者の精神を厳しく鍛えなければいけない!
 
 若者の犯罪が増えているって統計的な証拠はどこにあるんです?
 
 そういう理屈ばかりこねるから駄目なんだ!
 
 さて、以上のやり取りにおいて理屈っぽいのはどちらか
 
 ∧∧
( ‥)若者の犯罪が多発していると
    断じている人が
    理屈っぽい人でしょうね
 
  (‥ )反対に統計的な証拠を
      求める人は理屈を
      あまり重視しない人で
      あるなあ
 
 一見すると逆のように思う人もいようが、例えばこう考えるとどう? 
 
 三角形の内角の和が180度だそうですが、それを支持する統計的な証拠はどこにあります?
 
 こんなことを問うだろうか? 

 もちろん問わない。このように問うことは論理でもない。かように、証明は論理ではあるが、論理は統計的な証拠を必要としないものである。言い換えれば、統計は論理とは言えない。
 
 ∧∧
(‥ )統計ってこの意味において
\‐  論理ではないんだよね
 
  (‥ )数学ではあるのだがな
      だけども
      これが論理かと言われたら
      違うよねえ
 
 実際、自らを論理的科学的と自称したマルクス主義者たちは、統計学を忌み嫌った。論理であれば○か×か、0か1かのはずなのに、統計学ときたら、何パーセントぐらいだよ〜とかいい加減な値を言い出すのである。少なくとも、論理主義者からすればいい加減で許しがたいものなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも確からしさとは
\‐  実はこういうものである
 
  (‥ )つまり確からしさは
      論理じゃないのだ
      当たり前だよね
      演繹じゃないんだから
 
 この橋は絶対に壊れません。なぜならマルクス主義的に作られているからです。マルクス主義は正しい、ゆえにマルクス主義的であるこの橋は絶対に壊れません。

 
 そう言われた時、
 
 そうなんだ、ところでこの橋の強度ってどのぐらいなの?
 
 こう尋ねることは論理ではない。ただの確認だ。確認することを論理とは呼ばない。
 
 ∧∧
( ‥)だから
    ”若者の犯罪発生率が
    上がっていると
    あなたはおっしゃるが
    そんな統計が
    どこにあるのか?”
    こう尋ねることは
    論理でもなんでもない
    ただの確認である
 
  (‥ )これを理屈っぽいと
      呼ぶようではいかんよな
      それでは
      味見をして料理の出来を
      確かめることを
      理屈っぽいと
      言っているのと同じだよ
 
 つまり、理屈っぽい人間とは、根拠を問う人のことではない。

 根拠も無いのに若者の犯罪が増加していると思い込む人、こちらの方をこそ、理屈っぽい人間と呼ぶべきなのだ。
 
 事実、次のように考えてみよう。
 
 論理は大前提が内部に抱えている結論を導く。

 若者の犯罪が増えていると思っている人間は、だからこそ若者の精神を鍛えないといけない、そう結論する。
 
 これはまぎれもなく、偏見の大前提から新しい偏見を導いた事例である。明らかに思考が論理的だ。
 
 そしてかように論理とは、偏見と思い込みがあらかじめ含んでいたものを出してくるだけなのである。
 
 これこそが、論理と論理人間の正体である。
 
 しかしそんな彼らは自分たちが論理的に思考していることをまったく自覚していない。

 そして彼らは、若者の犯罪が増えたという根拠はどこにあるのか? と問う人を理屈っぽいと否定して逃げるのである。
 
 論理的な人間とは、他人を理屈っぽいと否定するくせに、自分自身は自分の論理のレールから外れようとはしない。
 
 あるいは、他人の意見を理屈っぽいと言って話を聞かぬ人間、彼らこそが、実は一切の妥協を許さぬ論理人間だと言うべきか。

 
 ところで
 
 ∧∧
(‥ )そういえば世の中には
\‐  まずい飯を作る人が
    いるけども
    そういう人は味見をしないし
    人の意見を聞かないそうですね
 
  (‥ )考えてみれば
      そういう人って
      論理的なんだろうな
 
 この作り方で良いのだ、その思い込みを大前提として、そこから論理的に導けば、自分に都合の良い結論ばかり出てくるだろう。

 当然、人の意見は聞かないし、味見もしないだろう。なんと言っても拝聴も味見も論理ではないのだから。
 
 
     
 
  

2015年9月26日土曜日

論理人間は不幸そうな顔をしている

 
 論理的な人間と言うのは、どいつもこいつも不幸そうで、文句ばっかり言っておる。
 
 ∧∧
(‥ )そんなもんですかね
\‐
 
  (‥ )不幸というのは色々ある
      貧乏な不幸とかな
      でも論理をこねくりまわす
      余裕があるってことは
      そういう不幸じゃないよな
      そして切羽詰まっている
      わけでもない
 
 切羽詰まっているのならまずは行動だ。理屈うんぬんなんて言わない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
    貧乏でもなく
    切羽詰まっているでもない
    そういう余裕ある立場で
    なおかつ
    不幸な人間が論理を
    ふりかざすのだと?
 
  (‥ )おそらく話は逆でな
      論理を振りかざすから
      不幸になっているのだと
      思う

 
 論理とは前提がもともと持っているものを引き出すことしかできない。つまり、論理を振りかざして不幸や主張を理路整然と申し述べる。それは彼が抱いているもともとの世界観が不満そのものだ、というだけの話。
 
 ∧∧
(‥ )この世界が気に入らないから
\‐  この世界が気に入らないと
    言っているだけなのである
 
  (‥ )彼自身は自分の訴える意見が
      真理であり
      誰もが受け入れるべき正統だと
      考えておるのだがな
      実際は彼個人の不満でしか
      ないわけよ
 
 当然、皆がみんな、彼の意見を受け入れる事は無い。当たり前である。人間は工業製品ではないのだ。
 
 しかし、彼にとって自分の結論は論理的な真理である。公理から演繹された定理である。
 
 もちろん、実際には自分の偏見を回りくどく出力させただけでしかないのだが、彼はそれが真理であると思い込んでいるのだ。

 これは、論理こそ真理を導くという、プラトン的な錯誤でもある。しかし、残念ながら論理的に考えるとはこういうことだ。かくて論理は人の目を閉ざし、不幸へと追い立てる。
 
 ∧∧
( ‥)そして彼は世界を憎む
    自分が見つけた真理を
    受け入れない世界を恨む
    だから恨み言と不満だらけ
 
  ( ‥)実際には自分の不満を
    ‐/ 自分で出力しただけだし
       前提も間違いだらけ
       なのだがな
 
 
 例えば、自分が見つけた真理は他の誰もが結論するはずだ、論理人間はしばしばそう思い込む。しかし、そう思い込んでいること自体に病巣が見える。実際こういう発想は、人間は一律に鋳造された工業製品のようなものだ、という前提があって初めて成り立つ。
 
 ∧∧
(‥ )だが実際には違う
\‐  人間は無数の変異が
    離合集散するネットワークで
    ひとつとして同じものがない
 
  (‥ )しかし彼は人間を
      工業製品だと
      思っているのだ
      そういう誤った前提から
      スタートした彼は
      人間をどう思うかな?
 
 彼は次のように考えているだろう。自分は真理を発見した。自分は人間である。人間である自分はこの真理を受け入れた。そして人間は一律な存在である。だからすべての人間がこの真理を受け入れるはずだ。彼にとってこれは自明の理である。
 
 ∧∧
( ‥)でも実際には大間違い
 
  (‥ )彼の発見は彼の不満を
     出力しただけだし
     人間はばらばらの個人だ
     彼の発見や
     ましてや彼の個人的な不満を
     受け入れる義理はない
 
 しかし、彼からすれば人間のこうした行為は裏切りに他ならない。なぜ多くの人は私が発見した真理を共有できないのか? そう思い込む。
 
 ∧∧
(‥ )ここで彼は
\‐  世間の人間は馬鹿なんだ
    教育が悪いのだ
    民主的でないのだ
    日本は民度がなっていないのだ
    とかなんとか言い出すと
 
  (‥ )まあこれも全部同じことを
      言ってるだけなんだがな
      ようするに
      ”なんで私の意見に
       賛成してくれないの?”
      それだけの話
 
 しかし、彼の不幸はこれだけではすまないのである。彼はある日、テレビやネットで自分と同じような意見を持つ人を見て嬉しくなる。自分と同じ真理にたどり着いた人がいたんだ! 有頂天になった彼は活動に参加する。
 
 しかし、すぐに失望する。なぜって、無数の色が渦巻く世界の中で比べたから似た色に見えただけで、中に入れば赤っぽいのやくすんだものや、ショッキングピンクやらなにやら混ざっているからだ。彼のその後の運命はありきたりだ。失望して離脱し、不平不満をぶつぶつこぼしながら生きていくか、仲間内でさらに分派を作って活動も考えも先鋭化していくか、そんなところだ。
 
 ∧∧
(‥ )これって不幸なんですかね
\‐

   (‥ )間違った前提から
      間違った結論を導きだして
      世界が間違っている! と
      わめきたてながら
      人生を消耗するのだ
      これを不幸と呼ばずに
      なんと言おうか?
 
 
 論理人間というのは、これゆえに不幸面だ。 
 

三角物語

 
   ( ‥)ファンタジーの
     ‐/ 服装ってさ...
 
 ∧∧
( ‥)はいはい?
 
 
   (‥ )三角っぽいよね?
     ‐/ 
 
 ∧∧
( ‥)はあ...そう..ですかねえ
 
   ( ‥)たぶんあれだよな
     ‐/ エロく見せるため
        肌色率を上げようと
        生地のパーツを
        三角にして
        角同士をつなげた結果
        なのだろうな
 
 
 ∧∧
( ‥)まあビキニとかって
    そうだろうけどさ
 
 
   ( ‥)パーツが四角だと
     ‐/ 紐も接合部分も
       増えるよな?
       だったら三角だよな?
 ∧∧
( ‥)寝た方がいいんじゃね?
 
 
 
 

2015年9月25日金曜日

エアカーは幽霊である

 
 一世代前、アシモフ博士が予言したエアカーが普及した未来。
 
 ∧∧
(‥ )アシモフ博士が予言したのは
\‐  グランドエフェクト
    ビークルという名称だったの
    だよね
 
  (‥ )ようするに地面効果を
      利用して
      低高度を自在に飛ぶ
      乗り物ってことだな
 
 
 地面すれすれを飛ぶと揚力が大きくなる。小さな翼でも飛べる。例えばそれこそGround Effect Hovercraftで検索するとこういう動画も出てくる。

=>UH 19XRW Hoverwing™ Ground Effect Hovercraft, - YouTube
 
 ∧∧
(‥ )実用化はされているわけだ
\‐  ただ実用的では
    なかったわけだね
 
  (‥ )翼があるし
      かさばるし
      小回りがきかないし
      車輪と地面との摩擦を
      利用できる自動車と比べて
      制動性が悪いし
      プロペラを利用するから
      ものをまきあげるし
      都市部では使えないよね
 
 それでもアシモフ博士がこの意味でのエアカーを予想したのは、未来にたくしたロマンだったのかもしれない。あるいは博士自身の社会予想も原因かもしれない。博士は人口増加に応じて建築物を作りやすく、なおかつ温度の安定している地下に都市が広まると考えたから。
 
 ∧∧
(‥ )都市が地下に沈んで
\‐  しかもアメリカみたいに
    平原と荒野がある国だと
    都市同士の移動に
    エアカーはありかもね
    日本はちょっと難しいかな
 
  (‥ )とはいえ
      人間も動物も移動跡を
      見れば分かるけど
      同じ経路を通るのだよな
      だから道ができる
 
 それを考えると都市が全部地下に沈んでも、道はそのまま残るし、やっぱり自動車だろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもアシモフ博士の
\‐  エアカーって
    機械的にはありうるし
    実際に作られているものでも
    あるわけだね
 
  (‥ )ここが一般のSFで
      出てくるエアカーと
      違う点でな
 
 普通、SFに登場するエアカーは翼が無い。そのくせ以上のような弱点もない。空中に浮遊しているのに自由に止まり、自由に加速するし、自在に小回りが効く。車輪がないはずなのに、まるで車輪を持っているかのように動く。
 
 ∧∧
( ‥)好意的に受け取ると
    慣性や重力、質量を自在に
    制御する超技術なのです!
    ということなんだけども...

 
  (‥ )実際には車輪と地面の
      摩擦で制動している
      自動車の動きを
      そのまんま
      再現しているだけで
      書き手はなんにも
      考えてないんだよね
 
 実際、エアカーのカーチェイスがある小説で、主人公の宇宙船は大気圏内を移動するために翼がある、というものを見た事がある。
 
 宇宙船は大気圏内で機体を制動するための翼を持っているのに、ちっちゃなエアカーは翼がないまま自在に空中で制動しているというこの矛盾! そしてご丁寧にも、翼がある宇宙船で宇宙港に降り立った主人公は、そこからエアカーに乗ってご出勤ってわけだ。
  
 ∧∧
(‥ )...へ理屈はつけられるよね
\‐  エアカーはリニアモーターと
    同じで
    磁場で浮遊して制動して
    もらっているだけです
    道からは外れられませんとか
    でもこういうのって
    行き当たりばったりな
    後付け設定だよねえ
    しかもそれでは説明できない
    場面が大概あるし
 
  (‥ )たぶんこれは
      心理的なものなんだ
 
 大空を飛ぶ天使は鳥の翼を持つ。天使の文化的な祖先であったメソポタミアの合成獣たちもそうである。ライオンの頭と翼を持ち、自在に空を飛ぶ。世界中どこでも発想は同じだ。中国でも翼のある虎の話がある。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
    空を飛ぶものは翼がある
    翼があれば空を飛べる
    そういう心理的な理解が
    人間にはあるのだね
 
  (‥ )だが揚力とか
      空を飛ぶための
      出力とかには
      思いが至っていないわけよ
 
 大気圏内を飛ぶ宇宙船に翼があるというのはこれと発想が同じなのだ。航空力学ガーとかもっともらしく理屈づけている人もいるが、そのもっともらしさとは実のところ航空力学なものではない。

 その発想は迷信的、心理的なもので、天使と変わりない。天の使いだから翼がある。翼があれば空を自動的に飛べるはずだ。翼のある宇宙船は、これと立ち位置がまったく同じなのである。
 
 そうでなければ、宇宙船は大気圏内において翼で制動するのに、同じく空中で浮遊するエアカーに翼が無い事、それにもかかわらずエアカーは完全に制動できている矛盾を説明できない。ここには世界の背景に存在する技術という設定が丸ごと抜けている。こんな状態でメカ設定をして悦に入るなど笑える冗談だ。
 
 あるいは反対に言うとこうである、エアカーは実のところ空飛ぶ乗り物とは考えられていないってことだ。
 
 ∧∧
(‥ )エアカーは車輪のない
\‐  不思議な自動車だとしか
    思われていないって
    ことだね
 
  (‥ )さらにいえば
      僕らは自動車が
      車輪と地面の摩擦で
      動いていることを
      理解できていないって
      ことでもあるんだよな
 
 実のところこの無理解は、我々自身の理解にも言えることなのである。つまり人間は自分たちが足と地面の摩擦で動いていると理解できていないのだ。
 
 事実、幽霊は空中に浮遊しているし、足が無い場合さえあるのに自在に移動できるのである。
 
 ∧∧
( ‥)ああ幽霊ってエアカーなんだ
 
  (‥ )というかSFに登場する
      エアカーは幽霊と
      同じ原理で動くってことさ
 
 幽霊と同じ原理で動くとは、もちろん物理的なものではない。

 その原理は翼さえあれば空を飛べる天使と同じように、心理的なものである。自分たち自身が足と地面の摩擦で動き、制動しているということ。これを私たち自身が理解していないこと。この心理的な無理解が幽霊を生み出し、そしてエアカーを生み出したということだ。
 
 かように、エアカーと大気圏を翼で制動する宇宙船、この組み合わせはまったくもって非科学であるし、それは神話と同じ心理的なものでしかない。このことからSFが科学でないことは明白である。あるいはフィクションの前に科学の名を冠するのであれば、エアカーと翼のある宇宙船を同時に登場させた小説はSFではない。断罪されるべき単なる異端である。

 これが論証されるべきことであった。
 
 
 ∧∧
(‥ )エアカーや
\‐  気圏内を翼で制動する宇宙船が
    登場する物語はSFではない
    だとすると
    スターウォーズは異端ですか?
 
  (‥ )あれは正統なSFで
      良いんじゃねーの?
 
 ∧∧
( ‥)なんで?
 
  (‥ )我こそSFなりなんて
      馬鹿で失礼なことを
      言ったりしてないだろ?
      だったら正統だよ
 
 SFというのは便宜的に作られた概念であり恣意的な定義でしかない。つまり実在はしない。存在するのはただひとつ。定義不可能なまま拡大した人間の創作という離合集散するネットワークだけである。それを恣意的に定義し、恣意的であるにも関わらず、これぞSF、これぞSF魂と抜かしよる。これは自分の心理とそれを生み出した神経を他人に押しつけることに他ならない。
 
 下品な言い様をすれば、これぞSF、これぞSF魂という主張は自分のチンコを相手に押しつけているようなものなのだ。弾劾されるべきはこれであった。
 
 

 

サボテンをむさぼり食う

 
 ラクダは食えるのならなんでも食う。
 
 ∧∧
(‥ )本当にお腹をすかすと
\‐  魚や肉や革まで食べちゃう
    そうですねえ
 
  (‥ )トゲトゲの植物も
      容赦なく食べるそうだな
 
 例えばサボテンなんかどうなのだ? もちろん、サボテンは新世界の植物、ラクダは旧世界の動物だけども、今時は遭遇するだろう。
 
 検索してみたらあった

=>Camel eating cactus - YouTube
 
 ∧∧
(‥ )ウチワサボテンを
\‐  食っとるがな...

 
  (‥ )観光客の娘さんかな?
      女の子が
      やや引いてるよな
 
 こんなトゲ付きを食べて、ラクダさんは痛くないの?? という顔だ。


 あるいは生えているウチワサボテンをぼりぼり食べているラクダ。冒頭にかじられたサボテンがばばーんとアップになった後、犯人が登場するのが少し微笑ましい。容赦なき食害である。

=>Camels eating cactus - YouTube
 
 こちらのラクダはウチワサボテンを食べる時に上顎に前歯が無い様子がよく分かる

=>Camel chomping down inch long thorns - YouTube
 
 ∧∧
(‥ )偶蹄類は上顎に前歯がなくて
\‐  それでも植物を食いちぎる
    からね
 
  (‥ )隣のトトロで
      メイちゃんを襲うヤギの
      上顎に歯があるという
      ミスがあったが
      でもあの作画ミスは
      なんか分かるよなあ
 
=>https://www.google.co.jp/search?q=メイ%E3%80%80ヤギ%E3%80%80歯&biw=897&bih=611&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIm5…
 
 上顎に前歯が無いのに草を食いちぎるってどういうことよ? なんで無くしたの? 理不尽と言えばこれは理不尽なのだ。歯が上下そろっていると考えるのが普通であろう。
 
 





技術の発達は機関の比率を変え、機械のデザインを変える

 
 新しい技術が機関の大きさを劇的に変える場合がある。するとそれ以前の世界とそれ以後の世界とでは、同じ役割を果たす機械でさえ、形もデザインも用途もまるで違ってくる。
 
 ∧∧
(‥ )蒸気機関から内燃機関への
\‐  転換なんかはそういう
    事例だよね
 
  (‥ )蒸気機関は熱効率が
      悪いのだよな
      大きな出力を出すには
      でかくないといけない
      だから小さい機関を
      使わなければ
      成り立たない乗り物は
      蒸気機関世界では
      存在しない
 
 
 例えば蒸気バイクは機関がやたらと大きい=>https://www.google.co.jp/search?q=steam+bike&biw=987&bih=751&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMImb_6guOPyAIVBp2UCh0o…

 
 そして遅い
 
 *画像は良くないけども、薪を燃やして水を沸かして走るという点では、この動画がいかにも蒸気バイク=>Epic Steam Bike - YouTube
 
 ∧∧
(‥ )そして他の動画を見ても
\‐  蒸気バイクの速度は
    どれも
    似たりよったりですね

=>extreme steam bike - first run - YouTube
 
  (‥ )もっと画像が良いもの
      もっと綺麗に作ったもの
      ガスを燃焼させている
      らしきもの....
      youtubeには色々あるな
      でも、どれも速度は
      似たようなものだよね
      そして
      内燃機関と比べると
      初速も加速もない
 
 蒸気機関世界にはバイクはないんだろう。自動車があるとしても、それは特殊な用途に限られそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)かように内燃機関の出現は
    機械の姿とデザインを
    そしてその用途をまったく
    変えてしまったのである
    19世紀の時代から見れば
    現在の内燃機関文明は
    技術革新後に到来した
    SF世界ですね
 
  (‥ )反対に外燃機関のままで
      文明が進行していたら
      どうなっていたのか?
      それを描くと
      スチームパンクになるって
      わけだ
 
 かように、技術の進歩は機械に対する機関の比率を変え、機械のデザインと用途を変える。それを踏まえれば、異世界なのだから技術が根本的に違うはず、この世界の技術にはおおまかに言うとこういう制限がある。このような設定を裏にしいてデザインを考えることで、統一的に異世界の機械を描く事が可能ではある。
 
 つまりこの話はhilihiliのhilihili: それは、あからさまな詐欺だの続き
 
 ∧∧
(‥ )ただこのようなことは
\‐  歴史、技術史、物理法則を
    踏まえた演出であって
    これをもったいぶって
    ”SF魂”などと言う必要は
    ないのである
 
  (‥ )というかだな
      SF魂とか言ってる奴が
      エアカーを使った
      カーチェイスを
      小説で書いていてだな
      私は大笑いですよ
 
 タイヤが無いエアカーは制動が自動車よりも劣っているだろう。ホバークラフトと同じで小回りがきかない。未開の原野や沼沢地が広がっているというのならともかく、エアカーなんてものが都市のある世界で普及している時点で、何かが根本的におかしいのだ。それは設定がおかしいのか? それとも頭のどっかが悪いのか? そんな奴が言うSF魂って一体なんだ?
 
 ∧∧
(‥ )空中に浮いていること
\‐  浮きながら制動すること
    これがどれほど大変なことか
    それを分からないままに
    その作家さんはSF魂つまり
    ”サイエンス・フィクション魂”
    と豪語していたのだと
 
  (‥ )ただの馬鹿ですよ
 
 そんなだったら、未来世界だし、やっぱり車は浮いてるよねー とかそういう軽い気持ちで創作に挑めば良いだけの話。そこに、SF魂などという非科学的な生気論を打ち出す事はないのだ。ましてやそんな迷信的生気論にサイエンスと書き付けて箔をつけようなどと、外道の極みである。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )ところで
\‐  蒸気文明が蒸気タービンの
    徹底的な効率化を
    達成したら
    どうなるのでしょうね?
 
  (‥ )さてねえ?
      蒸気タービンは
      熱効率が非常に
      良いそうだが
      どこまで小型化
      できるのかね
 
 蒸気タービンは大きいというイメージがある。それを考えると、やはり蒸気世界にはバイクは存在しないかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)そしてその世界は
    石炭の液化は
    あるだろうけども
    石油がないのだね
 
  (‥ )ざっくり言うと
      白亜紀が無かったのじゃ
      ないかな?
 
 現在の我々が消費している石油の多くは恐竜が栄えた白亜紀に出来た。しかし、スチームパンクの地球には石油が無い。つまりその地球では白亜紀が存在しなかったのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )たまたまなのか
\‐  必然なのかどっちでしょうね?
 
  (‥ )さてねえ
 
 石油は植物プランクトンの死骸が堆積してできる。そして白亜紀に石油が大量に生成されたのは、海洋底の拡大速度が増した事が原因であった。端的に言うと、地球内部の熱が現在よりも放出されたのである。もしかしたらその原因はその前の時代において、地球内部の熱がこもったことにあったのかもしれない。
 
 ∧∧
(‥ )恐竜時代開始時にあった
\‐  超大陸パンゲアが
    原因じゃないかって
    説もあるけども
    よく分からんですね
 
  (‥ )仮にそうだとすると
      スチームパンクの地球は
      現在がちょうど
      海洋底が拡大する時代に
      なっているのかもな
 
 ∧∧
( ‥)つまり今と気候が
    全然違うわけだ
 
  (‥ )大陸のかなりの部分は
      水没している
      水が熱を運ぶから
      気候は高緯度まで
      おだやかだ
      人類の居住区は北極や
      南極にまで広がっているし
      水運が発達して
      いるだろうね
 
 おそらくスチームパンクの地球では、シベリア帝国とアラスカ連邦が、北極海の通商路と利権をめぐって対峙していたりするのだろう。それに、極域にまで社会が大規模に展開しているとしたら、世界地図の概念や南北という感覚も、こっちの地球とはまるで違うはずである。
 
 
   

2015年9月24日木曜日

それは、あからさまな詐欺だ

 
 ∧∧
( ‥)SFは実在しない
    SF自体が無駄自慢で
    科学などではない
    設定も無駄自慢のひとつ
 

   ( ‥)アニメのメカ設定とかも
     ‐/ そうだよな
       設定自体にこっても
       実体じゃないから
       意味なんかありゃしない
 
 もちろんある種の設定は必要だ。例えば大きさの比率がそうであろう。人間よりでかい銃。人間より小さい飛行機とコクピット。これでは困る。
 
 他にも色々あろう。トイレがない宇宙船、階段の無い二階建。
 
 ∧∧
(‥ )最低限の設定はないといけない
\‐  とはいえ
    ありもしない素材
    ありもしない運動性能
    ありもしないエネルギー
    ありもしない回路
    ありもしない伝達装置
    本編に登場しないそんなものを
    一生懸命設定しても
    意味ないよね
 
  (‥ )確かに背景に統一された
      理屈が存在すると
      登場する機械に
      統一性を与えることは
      できるのだよな
      でも言い換えれば
      統一性を確保できる程度の
      設定で十分です
      ということでもある
 
 端的に言えば、ワープとかいうトンデモ設定を持ち出して物理世界の理を無視しているような奴が、細々とした設定を描き下ろして、リアリティーだの、SF魂だのほざくな、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)ワープがあるから
    星間国家を維持できています
    そこまでで話が
    すむのなら良いけども
  
  (‥ )それ以上に
     無駄にメカ設定を考えだして
     ワープ機関の大きさはこうで
     エネルギー伝達経路がこうで
     ここの構造がこうだ!
     と言って熱心に描いても
     設定のための設定
     無駄のための無駄にしか
     思えないからな
 
 もちろんこういう設定に意味があることもありえよう。

:機械の中身を知りたい子供や読者のために、あらかじめ、もっともらしくでっちあげておく

:小説よりも漫画やアニメなどで顕著になるが、動かす時のことを考えて、関節や回転軸の動きや方向を把握しておく。これを決めながらデザインすると後々作業しやすい

:異世界であることを強調したいので、その世界における工学的な制限で、ワープ機関とその大きさ、比率が決まっていると設定する。例えば機関は最低でも全体の3分の1を占めてしまうし、どうしても球体でなければならない。しかも、動かすものが大きくなればなるほど機関の比率が巨大化してしまう
 
 ∧∧
(‥ )現在の地球では
\‐  考えられないおかしな外見の
    機械になってしまうでしょうね
 
  (‥ )生物なんかでは顕著だけど
      機械もサイズに応じた
      制限があるからな
      そういうものがあると
      統一感や大きさの違いを
      見せられる
      うまくやれば
      なにか妙な説得力が
      出てくるよね
      反対に
      おかしな異生物や
      異世界機械って
      ここが駄目なんだよな
 
 だが、この話、別にSFの話ではない、単に演出の話である。単なる演出の話をSF魂などと言ったあげくに、物理法則や素材の耐久性を無視して、無駄に細々とした機械の内部構造を見せるなど、まったくの無意味。はったりだ。

 ワープなんぞと言って、物理法則を重視しない人間が機械のデザインを語る、これは一体なんの冗談か?
 
 あるいはこうである、無駄自慢であることは良いにしても、そこに普遍性を示すサイエンスを冠するのは止めろ。それはあからさまな詐欺ではないか。
 
  
 それはそれとして
 
 ∧∧
(‥ )でっ? あなたは
\‐  この前、描いた異世界機械
    どうするんだ?
 
  (- - )もうねどうすれば良いか
      さっぱり分からなくてね
      チューブ内を
      高速で流れる流体と
      その張力で支えられている
      ことにしましたよ
      動作は流体の方向を
      磁場で偏向させて
      チューブの向きを
      変えることで行います
      多分、マシンの中身は
      ほぼ空っぽ
 
 ∧∧
( ‥)電源が落ちたら
    ぺちゃっとつぶれるの?
 
  (‥ )プレスアップフィギュアの
      ように
      スイッチが入ると
      ゆらゆらと立ち上がり
      スイッチが切れると
      つぶれるのかな〜
      とか思ってる
 
 
 =>https://www.google.co.jp/search?q=プレスアップフィギュア&biw=904&bih=773&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIi_DD19…
 
 
 
 
 

10円には青銅の価値があるがSFには無い

 
 良いSFマニアとは死んだSFマニアのことだ!
 
 ∧∧
(‥ )何がSFなのか?
\‐  その認識と定義は
    人間の脳神経が生み出すこと
    つまりSFとは実在ではなく
    便宜的な概念であって
    外界には存在しない
    SFの定義とは
    あくまでの脳内の現象であり
    自然科学ではなく
    心理学の対象である
 
  (‥ )人間を媒体として
      織りなされる創作活動
      そこにおける
      ある漠然とした領域を
      SFと呼ぶ
      それだけの話だな
 
 つまり、SFは実在しない。
 
 ∧∧
( ‥)するとSFマニアも実在しない?
 
  (‥ )その論はおかしいだろうな
      存在しないものの存在を
      確信して
      これを信奉する
      そういう行動は
      宗教であるし
      宗教を信じる個人は
      実体だ
      つまりSFマニア自体は
      実在するね
 
 厳密に言うと個体すらも実在が怪しいのだが、まあ、触れる、見れる、感じれる、認識できるという点では、SFマニアという個人は確かに存在するのである。 
 
 ∧∧
(‥ )SFという実在しないものを
\‐  宗教として信仰する個人は
    存在するのである
    その存在の生成は
    確率的である
    確率的である以上
    母集団である
    人間の数が多い時
    SFの実在を信じそれを信仰する
    個体の存在は複数となる
    つまり彼らとなる
    それをマニアと呼称する
    つまりSFマニアとは
    複数の個体のことである
 
  (‥ )そういうものに対する
      嫌悪感は
      よく言われるみたいだな
 
 
 曰く、SFマニアの選民思想が気に入らない、と。
 
 ∧∧
( ‥)気に入らないとは
    主観的な価値判断でしか
    ないけどもね
 
  ( ‥)この指摘自体はあれだ
    ‐/ 1000冊を読むまで
       SFを語るな
      という言い様があるように
      自分が読んだ数を
      自慢する習性が彼らにある
      聞く方からすれば
      それが不愉快ですよという
      指摘でもあるな
 
 もちろん、本を読むとはそもそも無駄である。まったく合理的ではない。人間は非合理で無駄なものを累積させて力を競う。それゆえ、1000冊を読んだという無駄自慢は、人間の真骨頂である。
 
 ただ残念ながら、流行が他へ移ってしまったのでSF読書自慢の価値が暴落したのだ。
 
 ∧∧
( ‥)前だってそんな価値は
    なかったんじゃね?
 
  (‥ )10円だって0円になったら
      無意味になるだろ?
      0になるってのは
      強烈な話なんよ
 
 政府が変わればかつての通貨は価値を無くす。特に貴金属などが含まれていない硬貨はそういう運命を辿る。それだけのこと。いまや流通価値を失った通貨を山のように見せられても、興味の無いものには、それはただのゴミでしかないのだ。ゴミを見て喜ぶ奴はいない。

 ゴミを見せたあげくに、君にはこの価値が分からないの? と優越感丸出しで相手を馬鹿にすれば、その相手から意味不明な選民思想と呼ばれるのは当然。
 
 ∧∧
(‥ )10円は0になっても
\‐  青銅の価値は残るの
    ですけどもね
 
  (‥ )SFは青銅のような
      普遍性がなかった
      そういうこったろ?
 
 なまじサイエンス・フィクションなどと銘打ったのが良くなかったのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)実際にはただの
    フィクションだよね
    自然科学のような普遍性はない
    つまり青銅たりえない
 
  
  (‥ )SFは所詮のところ
      フィクションなのだ
      認識論であり実体はなく
      自然科学のような
      普遍性もなく
      それゆえ青銅のような
      価値もない
      この理解は大事よ

 
 
 SFには10円の価値すらない。しかし、この認識こそが重大であり、そしてまずはこれが出発点。
 
 

2015年9月23日水曜日

おっさんは現実逃避し過ぎである

 
 今時のオタクはコミュニケーションや世間のことは不得意なままで、ひたすら歳を取っていくタイプなのですよ
 
 
 ∧∧
(‥ )...だそうですが
\‐
 
  (‥ )いやそれは
      オタクじゃなくて
      ただのおっさんだろ?
 
 思ってはいませんか? 俺は世間を生きて、付き合いをこなして、部下と言葉をかわして、野球を見てビールを飲んでいるからオタクではない。だから当然、俺にはコミュニケーション能力があるのだ。そう思い込んでやしませんか?
 
 ∧∧
( ‥)実際には同じことを
    ぐるぐる繰り返して
    何かしている
    出来ている
    そう思い込んでいるだけ
    部下にも家族にも
    同じ言葉と受け答えを
    何度も毎日しているだけ
    皆うんざりしてるけど
    それに気づかないのは
    自分だけ
 
  ( ‥)みんな自分を
    ‐/ 過大評価しすぎだよ
 
 自分がおっさんであり、すでに、受け答え自動返答装置になっていることから目をそらしてはいけない。自分に関する肯定感のすべてが、己が抱いた都合の良い幻想であることを知るべし。
 
 
 

論理人間には中身も経験もない

 
 論理は、前提という自分の偏見の中に、すでにあったものを引き出す力しかない。
 
 
 ∧∧
(‥ )この人は正しい人である
\‐  この前提から
    論理的に導かれる結論は
    ”この人の世迷い言は
     実は正しい意見である”
    というものである
 
  (‥ )論理的な人間が
      トンデモや
      怪し気な新興宗教
      非現実の理想主義や
      マルクス主義
      プラトン主義
      そういうのにはまるのって
      これが理由だろうね

 
 
 論理的な人間がいたら、敬して遠ざけよ。そして関わらない方が良い。必ずとんでもないトラブルを起こす。重要な職や部署につけてもいけない。誰か殺すような大きな事故を引き起こす。
 
 
    

位置と立場は相関する

 
 キリスト暦12世紀、アフガニスタンのゴール朝が北インドに侵入、征服に成功。しかし主君が暗殺されて混乱状態に。これを機に、当地を制圧した奴隷軍人が自立してインドの地にイスラーム政権を打ち立てる。いわゆる奴隷王朝。あるいはデリー・スルタン朝の始まり。
 
 *デリー・スルタン朝はこれ以後、ちまちまと成立した複数のイスラーム政権や王朝を総称する呼び名。
 
 ∧∧
(‥ )イスラーム世界は
\‐  自立心が旺盛な部族社会で
    彼らがいつ反乱を起こすか
    分からない
    だから
    イスラームの君主は
    購入した奴隷軍人を
    重用することが
    多かったのだよね
 
  (‥ )無敵のモンゴル軍を
      事実上初めて撃破して
      エジプト支配の基礎を
      作ったマムルーク朝だって
      奴隷軍人による
      王朝だからな
 
 
 そもそもマムルーク自体が白人奴隷の意味である。そしてマムルークなり奴隷軍人なり、彼らはしばしば中央アジアから購入されたトルコ人やその他、騎馬民族の子供や若者であった。古代と近代、その間の中世において、馬上から合成弓を自在に撃ってくる騎馬民族は最強の兵器になる。そりゃあ購入して雇うでしょう。
      
 ともあれ、インドは豊かな土地だ。北部の山岳地帯からたびたび異民族の襲来を受けた。デリー・スルタン朝のひとつで、15〜16世紀にかけて北インドを統治したローディー朝は、前の政権に仕えていたアフガニスタン軍人が創始したものだそうだ。
 
 ∧∧
(‥ )でもこれは次に侵入してきた
\‐  バーブルによって打倒され
    デリー・スルタン朝は
    これでお仕舞い
    そして
    キリスト暦16世紀初頭
    ムガール帝国が北インドに
    建国される
 
  (‥ )バーブルはその血を
      辿ればティムール
      さらには
      チンギスハーンに
      行き着く騎馬民族の
      指導者だよね
 
 
 もっとも時代は変わりつつあったので、バーブルは銃や大砲をたくみに用いたという。 
 
 それからおよそ200年後のキリスト暦18世紀初頭。未だに豊かではあるが最盛期を過ぎたムガール帝国に対し、イランを支配した暴君ナーディル・シャーが襲いかかってくる。この人物、中世イランを統治したサファビー朝ペルシャ皇帝を傀儡とすえた軍人で、勇猛果敢、公平にして残忍非道。ムガール帝国の大都市デリーを破壊して大虐殺を行い、帝国の富をほとんど略奪して持ち去った。
 
 そして、この侵略の口実は、ムガール帝国の皇帝がアフガニスタンの制御に失敗した、というものであったという。

 *ナーディルはあろうことか自分の親衛隊を皆殺しにしようとしたので、逆に親衛隊に殺され、バラバラに切り刻まれるという最後をとげたそうだ。ナーディル・シャーは日本では無名だけども、自分はあちら出身の人からこの人の物語を聞いたことがある。サファビー朝をないがしろにした暴君、デリーの虐殺、親衛隊に切り刻まれた最後。西アジア近辺ではかなり有名な人かもしれない。
 
 いずれにせよ、アフガニスタンをなんとかしろ! というナーディルの大義名分には、幾分かの理があった
 
 ∧∧
(‥ )これまた最盛期を過ぎていた
\‐  サファビー朝ペルシャは
    アフガニスタンから
    やってきた部族に
    短期間だけども
    支配権を奪われたことも
    あるんだよね
 
  (‥ )インドやイランにとって
      アフガニスタンは
      鬼門なんだよな
      どうしても制御の
      必要がある
 
 
 中央アジアがロシアに制圧されると、鬼門からやってくる脅威たちにロシア帝国が加わった。そして19世紀、ムガール帝国を滅ぼし、インドを支配した大英帝国は、ロシアの南下を防ぐ目的で、アフガニスタンにおいて数度の戦争を戦うことになる。
 
 ∧∧
(‥ )...なにも変わりませんね
\‐
 
  (‥ )同じ場所にいれば
      人は同じ立場に
      立つわけでな
      そりゃ同じことをする
      というか
      やらざるをえないわけよ
      位置と立場は相関する
      我々に自由意志はあっても
      自由自体は
      ないってことさ
 

   
 アフガニスタンに軍隊を進めて、勝ちも戦果も見えない戦いを行った君主や軍人や王朝や国家はひとつや二つではない。イギリスも、そしてアメリカも。反対に南下しようとしてひどい目にあったロシアもまたしかり。
 
 何度も同じことが繰り返されるとは、そうしなければいけない状況があるということである。
 
 アフガニスタンにおける戦いは不毛ではあるんだろう。そしてこれを愚かと笑う人は多い。
 
 確かに愚かだ。少なくとも戦果が見える当てすらなくてもやらねばならぬとは不毛であるには違いない。自分たちの仕事を思い出せば良い。義務と必要性とはしばしば愚かしく、そして不毛なものではないか。
 
 だが、この諦観から一歩離れて、
 
 愚かなことをしているからこいつらは馬鹿に違いないwww 
 
 と外野がただあざ笑うとしたら、それは物事が見えていないと言うのだ。
 
 笑っている人は、自分の人生を見回してみると良い。そんな人生をお前は本当に望んだか? そんな人生がお前の自由意志の結果か? 自由意志で掴んだのだというのなら、それは本当にお前の本心か?
 
 お前が義務と必要性に挑んだ人を笑った時、お前は何に対して目を閉じたのであろうか? 

 それは自分のどうしようもない人生から、目をそらす口実ではなかったか?
 
 愚かで不毛なことを笑うものではない。
 
 
 
 
    

2015年9月22日火曜日

模倣彼女2045年

 
 2045年に起こるという、人工知能が人を凌駕する技術的特異点。これは実際にはやってこないだろう。
 
 つまりhilihiliのhilihili: 痛いおっさん2045年の続き
 
 ∧∧
(‥ )ただしレプリカントなら
\−  2045年に作れるかもね
 
  (‥ )レプリカント
      つまり模倣人間だな
 
 文字通りの意味なら模造人間なんだろうけども、レプリカントは人工知能とはちょっと違う。
 
 ∧∧
(‥ )映画版である
\−  ブレードランナーでは
    レプリカントは
    人間同様に魂を持つに至る
    存在として
    描かれているけども
 
  (‥ )原作の
     「アンドロイドは電気羊の
      夢を見るか?」に
      登場するレプリカントは
      そういうものじゃないし
      人工知能ですらないよね
 
 
 レプリカントは、こういう時、標準的な人間ならこういう反応をする、という無数の受け答えを持ち、それを適時出力するだけの存在で、人工知能などではない。少なくとも人間を再現した存在であるなどとはいえない。
 
 ∧∧
( ‥)外見と受け答えは
    再現できているけども
    人間の神経を再現している
    わけではない
 
  (‥ )この違いは天動説と
      地動説みたいなものだな
      天動説と地動説は
      数学的には等価で
      どちらも
      星の運行を同じように
      再現できる
      だけどまったくの別物だね

 
 これと同様、レプリカントがいかに人間を模倣しようとも、あれは人間などと呼べないし、人工知能ですらない。ただの模造体と言うべき存在だ。
 
 ∧∧
(‥ )これと同様
\−  人間以上の
    記憶容量と演算速度を持つ
    機械といえども
    人間の神経回路を
    再現できていないからには
    人工知能ですらない
    ただし
    人間の受け答えは
    表面的には正確に再現できる
    これなら2045年には
    実用化されているだろう
 
  (‥ )人工知能が人間を支配する
      ことはないが
      電話対応の仕事は
      自動機械がやれるように
      なるから
      オペレーターの仕事は
      2045年には
      消えている
      そう考えるべき
 
 ∧∧
( ‥)つまり人工知能が
    人間を支配すると
    不安になるより
    失業問題を考えなさいと
 
  (‥ )これが現実の
      未来ってやつよ
 
 もちろん、そうなった2045年の未来、現実は小説が突きつけた問題に直面することにもなるんだろう。

 ∧∧
(‥ )表面上は人間を正確に
\−  模倣している存在がある
    その一方で
    人間としては異常な
    受け答えをする人間がいる
    では模倣体と人間の違いは
    一体なんだろうか?
 
  (‥ )まあ哲学者や神学者とか
     一部の真面目人間の間では
      深刻な問題になるかもな
 
 
 だが、大半の人間にとってこんなことはどうでも良い話だ。受け入れがたい人間を殺し、気に入った人間でない存在、犬や猫や、さらには工芸品の方をこそ慈しみ、愛する。これは人間が古来よりずっと行っていたことである。
 
 人間の中には自動機械のオペレーターを罵倒する者もいるだろう。だが、多くの人はそのような人をこそ下種とみなすだろう。これがばれることで社会的地位を失う人間も出てこよう。下種な人間は、慈しまれるように設計された機械よりも劣った存在とみなされて抹殺される。考えてみれば、これは当然である。
 
 ∧∧
( ‥)あるいは完璧に再現された
    二次元彼女が2045年に
    出現する可能性がね
 
  (‥ )人間とは何か?
      こんなどうでも良い
      話なんかより
      そちらの方が
      圧倒的な破壊力を
      持つのだろうな
 
 もちろん、彼女は肉体を持たないだろう。ただし、理想的に構築された彼女は、自分が疲れて家に帰ると、
 
 ご飯にする? お風呂にする? それとも、わ・た・し? 
 
 とベタな受け答えを理想的な声で再現してくれる。それを購入者が望めばそうなるのだ。家のあちこちに大型の画面があり、そこから彼女がこんにちは。自動化された調理器具で理想的な食事を配膳することも可能。

 もちろんそんなもの、ただのレトルト食品だ。しかし、今だってファミレスで出される食事はそういうものである。そしてファミレスの食事を多くの人は受け入れている。ではそこに、自分の理想とする姿と声、そして理想の受け答えが添えられたら、どうか? これに抗えるか?

 もちろん、色々な声とキャラ、バージョン、台詞があるし、当然、男女それぞれ様々な要求に沿ったものがあろう。以上は未来の一例にすぎぬ。
 
 ∧∧
(‥ )これぞ次世代産業ですかね?
\−
 
  (‥ )考えてみれば
      人工知能なんぞより
      こっちの方が
      社会を破壊しかねない
      インパクトを
      持っているけどな
 
 場合によって文化摩擦と宗教戦争を引き起こしかねないほどの強大な力。
 
 
 

2015年9月21日月曜日

愚痴をこぼす自由を死守せよ

 
 
 hilihiliのhilihili: 10円でなければ気にしないの続き
 
 戦争に関して日本人が気にする時が来るとしたら、それは安保などではなく、単純に未来の地球で過酷な現実と向き合った時であろう。
 
 ∧∧
(‥ )大日本帝国が
\−  あのままだったら
    アメリカは朝鮮戦争も
    ベトナム戦争も
    戦う必要はなかった
 
  (‥ )大日本帝国があれば
      中華人民共和国だって
      ソ連と
      中ソ国境紛争をする
      必要は
      なかったわけだ
 
 
 あれらは、大日本帝国が存続していれば、すべて日本が戦うべき戦争だった。勝利したアメリカが宗教的情熱にかられて勝手に、そして自由意志の結果として戦ったのである。
 
 ∧∧
(‥ )でもいまやアメリカは
\−  世界最強といえども
    勢力の後退を
    余儀なくされている
 
  (‥ )すると日本は再び
      その勢力を拡大させる
      日本は諸列強のひとつ
      だからな
 
 すると当然、戦争を戦う必要が再び出てくる。実戦とは限らない。軍事力を維持するだけでもそれは戦争だし、大変な負担になる。
 
 ∧∧
(‥ )日本国民はその時
\−  ふくれあがる軍事予算に
    直面して
    そこで初めて文句を
    言い始めるだろうと
 
  (‥ )自衛隊を非武装丸腰で
      任地に向かわせた国民も
      自分の財布から
      10円取られて
      軍事費に当てられたら
      大騒ぎするって寸法よ
      下劣ではあるが
      まあ、それが人間だよね
      下劣と批判はできるが
      これは自然なことだ

 
 
 こうした不満を押さえるために、国と社会は義務と名誉を喧伝するだろう。それは中国やアメリカがやっていることであり、彼らがその負担に音を上げつつある状況でもある。日本もこうなる運命なのだ。そしてこうなるのが自然であり必然である。

 もちろん、この状況は諸列強の社会と国民が、もう駄目だ、死ぬ、というギリギリの状態になるまで進行する。そうなって初めて、この状況は均衡状態として安定する。
 
 ∧∧
(‥ )それでも文句は
\−  出てくるでしょうね
 
  (‥ )でもどうにもならないんだ
      他に選択肢が
      ないんだからな
      この先にある道の中で
      一番良い道が
      今よりも悪い道である
      そこをいくしかない
      こういうのはよくある話よ
 
 
 現実を前に文句を言うことはできる。だが文句によって現実を変えることはできない。それでも文句を叫び、愚痴をこぼす権利は誰にでも許されることであろう。
 
 ∧∧
( ‥)そうして愚痴だけが
    最後の権利として
    残されるだろう
 
  (‥ )ここだけは死守しないと
      いけないのだ
      愚痴をこぼせなくなると
      人間は死ぬからな

 ああ、あと、漫画やアニメや、酒を飲む権利は認めてやるべきだ。未来において、自由はこの枠内において行使されることとなろう。
 
 ∧∧
(‥ )言っちゃわるいが
\−  全部現実逃避の手段やがな
 
  (‥ )そりゃそうでないと
      困る
 

 
 
 
 

10円でなければ気にしない

 
 ∧∧
(‥ )安保法案が
\−  賛成多数で可決
 
  (‥ )そりゃ議席を
      持ってるからな
 
 ∧∧
(‥ )内閣支持率が下落と
\−
 
  (‥ )下落が長続きするとは
      思えないなあ
      人間は自分の取り分が
      10円でも下落すると
      激怒するが
      安保法案は取り分と
      関係ないからな
 
 
 実際、ほとんど丸腰無抵抗状態で自衛隊が海外へいかされた時も、国民はそのことをほとんど気にしなかった。絶望的なまでに無関心であった。今、若者を戦争にいかせるな! という台詞を叫んでいる人々もまったく気にしなかった。
 
 かように、人は自分の利益については10円でも譲らないが、他人の負担についてはまるで気にしないこと明らかである。
 
 安保法案は金に関係ない。そうである以上、記憶にすら残らないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )だから安保反対の人は
\−  徴兵制がー と
    言うのですかね?
 
  (‥ )あれは脊髄反射みたいな
      ものだろ?
      それに徴兵制が
      出てくる場面は
      戦争が陸戦にまで
      それも大規模に
      展開した場合だよね
 
 
 徴兵は確かに不利益ではあるが、徴兵制が出てくる時点で、それは戦争が絶賛続行中ということだ。その時には負ける不利益の方が大きいのだから、今度は誰も反対しないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまりこのたびの
    安保法案は
    どうでも良いものとして
    単純に忘れられると
 
  ( ‥)世の中って
    −/ そんなもんだべ
 
 
 
 
 
 

痛いおっさん2045年

 
 ∧∧
(‥ )機械の容量と処理速度が
\−  人間を越え
    人類を凌駕する人工知能が
    誕生する技術的特異点
    すなわちシンギュラリティ
    予測される発生は
    2045年
 
  (‥ )amazonよりもでかい
      倉庫を作ったし
      ベルコンの速度を
      5倍に上げたから
      我が社はamazonに
      取って代わる! と
      息巻いている
      痛いおっさんみたいな
      予想だな
 
 
 
  

倫理は認識より誕生する なれば選択肢は明白

 
 トロッコがこの線路を直進すると5人が死ぬ。引き込み線にトロッコを入れれば5人は助かるが、その代わり、引き込み線にいる1人が死ぬ。
 
 どちらを選ぶべきか?
 
 遺族からの報復を考えると5人殺すよりも1人殺す方が妥当解である。

 だがあろうことかトロッコは引き込み線で横転。5人と1人、どっちも死んだ。
 
 ∧∧
( ‥)なればどうする?
 
  (‥ )町ごと焼くべし!
 
 
 ∧∧
( ‥)どこから焼くか!
 
  (‥ )この問いの本質とはこれだ
 
 いかなる組織もその2割を失えば機能を喪失する。町を焼け。殲滅しろ。組織を雲散霧消させるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )これは倫理の問題だ
\−   そうですよ
 
  (‥ )なれば良し
      倫理は認識から
      誕生するのだ
 

 すなわち、認識が破壊された時、事象は存在を停止し、問題は消失する。
 
 つまり、これこそが選択されるべき解答であった。
 
 
 

2015年9月20日日曜日

目撃者を追え!

 
 こちら漁師。ラッコの毛皮は屋根裏に届いたか?
 
 少年の言葉に彼はついに確信を持つ。
 
 それはコード88…。ジョバンニ、生きていたのか。
 
 あれで死んだと本気で思ったのかカンパネルラ? 
 
 燃え上がるアルビレオ観測所で二人の少年が剣を取る。
 
 
 ∧∧
(‥ )ゾンビを直せる魔法が
\−  使えたらどうなるでしょう?
    という問いがですね
 
  (‥ )人間に戻せる魔法か…
      絶対に
      トラブルの元になるから
      黙っているに限るな
 
 ∧∧
( ‥)直せると分かったということは
    実際に使ったんだろ?
 
  (‥ )最低限、
      一人のゾンビを人間に
      戻してしまったわけだ
 
 すなわち、今、必要なのは口封じ。
 
 ∧∧
(‥ )...逃げたぞ
 
  (‥ )追うのだアミーゴ
      奴を確実に殺ーす!
 
 だがしかし、町はすでにあちこちがゾンビだらけである。ゾンビの群れの中、生者から逃げる目撃者を追う男。
 
 ∧∧
( ‥)ゾンビが来たぞ
 
  (‥ )ゾンビを人間に戻ーす!
 
 
 はっ? 私は一体?? 混乱しているところを一撃必殺、バールで攻撃。後はゾンビ共が証拠隠滅だ。
 
 追うのだ! 目撃者はただの一人も生かして帰さん。
 
  
 
 

例えば怖いお父さんから自由になりたい

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  ( ‥)そうねえ2002年
      ワールドカップ
      日韓共同開催の時
      ジャッジがおかしい
      韓国が有利に働くよう
      あからさまな判定を
      していた
      そう話題になったよな
 
 その時、知り合いの左翼な人は、そういうジャッジでも勝つのが本当の実力ですよ。文句を言う諸国は情けない! と言っていたものであった。
 
 ∧∧
(‥ )それを
\−  ファンの前で言ったら
    どうなるんですかね?
 
  (‥ )キャンプファイヤーの
      焚き木にされて
      燃やされるんじゃね?
 
 とはいえ、人間を焚き木にする是非も、韓国のイメージ悪化はあの辺りからだよな、ということも、この際は本題ではない。
 
 ∧∧
( ‥)本題はその”左翼な人”の
    心理状態ですか
 
  (‥ )彼を左翼と呼んで良いかも
      良くわからんのだ
      天皇家を打倒しようと
      考えているわけでもない
      資本論も読んでいないし
      マルクスのなんたるかも
      知らんのよ
 
 ただ、強権的な父親が嫌いなこと、派閥があるとはいえ一党支配を行っている自民党が嫌いなこと、アメリカがお父さんのようで嫌いなこと、だからソ連が好きだったこと、マルクス主義が漠然と約束した素晴らしい未来を信じていたこと、民主主義におおいに期待する一方で、多数決が嫌いであること…
 
 ∧∧
(‥ )...民主主義に期待して
\−  多数決が嫌いって
    どういうことよ?
 
  (‥ )自分の意見が
      通せるはずだから好き
      自分の意見が
      無視されるから嫌い
 
 ∧∧
( ‥)ただのわがままやがな
 
  ( ‥)でも昔の左翼も同じことを
    −/ 言っていたものよ
       今もそうだけどな
 
 彼らは自分たちが正しいと確信している。というか自分が正しいと確信できる人間がすがった理論的な根拠、それがマルクス主義なのだとも言える。

 マルクス主義は自己啓発本のようなものなのだ。そうでなければ思想改造だの、そんな前向きな言い回しは出てこない。
 
 自分が正しいと確信している人間は、多数決を嫌う。正しいはずの自分の意見が大衆によって否決されるからである。

 だから彼らは大衆を無知蒙昧と忌み嫌うし、真理を知る自分たちこそが全権を握って大衆を導くべきであると考える。
 
 これゆえ、知識人は多数決が正しいとは限らないと主張するし、実際に主張したし、今もそう主張している。
 
 ∧∧
(‥ )でも自分の意見を取りあえず
\−  表明できる民主主義は好き
 
  (‥ )多数決は嫌いなのに
      民主主義の方が都合が良い
      そういう矛盾から生まれる
      表現が
     ”民主主義は多数決ではない”
      だな
 
 あるいは、これは真の民主主義ではない、日本には民主主義がない、である。

 多数決をないがしろにする一方で、言論の自由を強く言い立てるのも同じだと言えよう。

 
 ∧∧
( ‥)そして冒頭の人は
    韓国に好意的であった
    それはなぜですかね?
 
  (‥ )なんというかな
      言っちゃ悪いが
      発展途上国の人が
      好きなんだわ
 
 韓国が発展途上国なのか? と問われれば、当時はまだそうだったと言えば良いであろうか?
 
 ともあれ、彼は発展途上国の人が好きであった。
 
 というか、怖いお父さんである自民党や日本やアメリカや西欧列強に虐げられる人々に同情するのが好きであった。同情する自分に酔っているというわけでもない。それもあったかもしれないが、むしろ、怖いお父さんに弾圧される人々、少なくとも”彼にはそう見える可哀想な人々”に、自分の境遇を重ねていただけだった。
 
 ∧∧
(‥ )なんだかな
\−
 
  (‥ )でもな
      怖いお父さんという
      動機は
      ともかくとして
      こういう人は
      意外と多いんだよ?
 
 アメリカ軍の兵士が強盗を働いて日本人を殺した。マスコミは在日米軍ガーと騒ぎ立てたが、犯人がアメリカ国籍を取るために入隊した移民だったと知ると、とたんに騒ぎが沈静化したことがある。
 
 あるいは移民や不法入国者が女児暴行殺人を犯したり、無差別大量殺人を犯してもあまり大きなニュースにならないことがある。
 
 反対に新聞は安保安保で、薄いネタを無駄に大きく紙面で取り上げる。
 
 マスコミは知識人だ。知識で回りくどく理論武装された殻の下には、そうしなければいけない彼らの心理的な理由がある。
 
 
 

2015年9月19日土曜日

メガネザルの投げキッス

 
 メガネザルはウインクをする。
 
=>https://www.google.co.jp/search?q=tarsier+wink&biw=903&bih=792&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMI_NHy9pGByAIVxSqUCh2gswQt
 
 
 ∧∧
(‥ )...昼間の光がまぶしいから
\−  目をしょぼつかせている
    だけでしょ?
 
  (‥ )瞳孔が点になってるしな
      夜行性なのに視力に頼った
      狩りをする
      それゆえの巨大な目は
      昼間は光を集めすぎて
      まぶしくてたまらない
      脳よりでかい眼球と
      言われるだけのことは
      あるよな
 
 探せばもっと色々な表情を見ることもできるだろう。
 
=>https://www.google.co.jp/search?q=tarsier+wink&biw=903&bih=792&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMI_NHy9pGByAIVxSqUCh2gswQt#tbm=…
 
 
  
 

不毛なり想像力

 
 ∧∧
(‥ )想像力って何?
\−
 
  (‥ )発想の貧困だろうな
 
 
 想像すれば分かることだ。
 
 この言いようは明らかに論理的な演繹だろう。つまり一般的には、前提から考えて出てくる結論とその過程を想像力と呼んでおるにすぎぬ。それは不毛というのだ。
 
 
 ∧∧
(‥ )論理的な思考でも
\−  数学のように豊かで意外な
    結論が出てくるじゃないか
    そう反論する人もいる
    でしょう
 
  (‥ )そう言う奴には
      お前、数学が得意なのかって
      聞いてみ?
 
 
 想像力などと、それは私の脳は不毛なりと申し述べているも同然。
 
 
 ∧∧
( ‥)あなたも発想は不毛でしょ
 
  (‥ )いやいや
      俺の場合
      発想の根源が不毛に
      根ざしているのだ
      それを
      分かってくれアミーゴ
 
 
 不毛な世界観でこの世を干涸びさせる。みずみずしさなど許すまじ。想像力のことごとく、干涸びて死ぬべし。
 
 
 

2015年9月18日金曜日

例えば彼女の前で川に飛び込む

 
 ∧∧
(‥ )安保審理の国会で…
\−  乱闘騒ぎっていうの?
    多数決の選挙で負けて
    あげくに暴力に訴える
    こんな野党の
    どこが民主主義だ?
    と批判の声が
    
 
  (‥ )得票で負けてる野党が
      それでもスポンサーに
      自分はこんなに
      頑張ってますよ
      だから次回も支持してね♡
      と
      アピールするには
      もうそういうことしか
      残ってないからな

 
 
 なびかない彼女の前で川に飛び込むみたいなもので、人間としては、まあ、比較的常識的な行為に入る範疇ではある。多分。
 
 ∧∧
( ‥)常識的ねえ
 
  (‥ )みんながやるってことは
      ある程度は
      効果があるってことだろ?
      手応えがあるから
      やるわけでだな
 
 とはいえ、男が川に飛び込んだら、彼女がなびいた。言っちゃ悪いが、そういう彼女はちょっとくせがある人じゃないだろうか。そんなことでは幅広い支持が得られなくなるし、結局はマニアックな相手だけが残るだろう。

 それが問題になるくらいであろうか。
 
 
 
 
 

天気が壊れるのー

 
 
 ∧∧
(‥ )思い出したように
\−  強い雨が降りますね
 
  (‥ )天気が壊れてるー!
 
 ∧∧
( ‥)lainのネタやがな
 
  ( ‥)ウェザーが
     ブレイクしてるー!
 
 
 
 *lain:1998年にテレビ東京で放送された深夜アニメ。このアニメの後、一休みという感じでウェザーブレイクというごく短い天気予報番組が当時あった。このタイトルの響きが良かったせいか、lainの次回予告の後、つまり次にウェザーブレイクが始まるその直前。主人公”玲音”が、”お天気壊れてる?”と泣きながら問いただすイラストが放送されたことがある。

=>ウェザーブレイク lain - Google 検索
 
 

 
 
 

嘘つきなんじゃねーの?

 
 前向きに生きるから死ぬし、自分を信じるから詰む。
 
 ∧∧
(‥ )後ろ向きな発想だな
\−
 
  (‥ )この世界は自分ではないし
      この世界は自分の
      認識でもないのだぞ?
 
 
 自分の認識とも自分自身とも関係なく世界は滞り無く進行する。前向きに生きることも自分を信じることも、それは現実と一切関係ない。

 関係ないことに期待すれば、現実と自分が離ればなれになることは必然。
 
 ∧∧
( ‥)つまり死ぬ
 
  (‥ )当然そうなるべ
 
 前向きに生きる人間も、自分を信じる人間も死ぬ。人生が詰む。
 
 ∧∧
(‥ )でも前向きに生きる人もいれば
\−  自分を信じる人もいるよね?
    死んでないよね?
    なんでだろうね?
 
  (‥ )嘘つきなんじゃね?
 
 前向きな発言、自分を信じる信念。これらすべて、自分についた真っ赤な嘘であることが以上のように明らかとなった。
 
 これが論証されるべきことであった。
 
 
 
 

論理的に言うと論理は偏見を導くだけである

 
 論理により大前提から答えを導きだす。
 
 ∧∧
(‥ )でもこの答えは
\−  実のところ大前提に
    あらかじめ含まれていた
    ものなのだよね
 
  (‥ )平行線は交わらない
      その大前提から
      三角形の内角の和は
      180度である
      という答えが出てくるが
      実のところそれは
      平行線は交わらないという
      大前提にもともと
      含まれていたものなのだ
 
 では実際のところ平行線を延長した時、それは交わるのであろうか? あるいは否であろうか? それは神のみぞ知ることであろうし、状況によっても変わる。
 
 ∧∧
( ‥)僕らの身近な世界では
    平行線は交わらないから
    交わらないってことにして
    話を進めると
    三角形の内角の和は2直角
    現在でいうところの
    その和は180度
    この結論が出てくる
    それだけの話
 
  ( ‥)だけどプラトンは
    −/ こうした数学の証明に
       霊感を受けて
       これぞイデアという
       真理へ至る道なのだ!
       そう言う風に盛大に
       勘違いしたのだよな
 
 
 どう考えても頭がいかれているとしか思えない発想なんだが、まあ、このトンデモ論理は別にプラトンに限らない。そもそも古代ギリシャの数学は数道というべきものであって、その始まりのピタゴラスからして宗教として創始している。古代ギリシャ数学とその論理的な思考の根幹にあったのは、実のところただの胡散臭い思い込みなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )でもプラトンさんが
\−  熱中したように
    古来より多くの論理主義者が
    論理を真実へ至る道と
    信奉したのであると
 
  (‥ )実際のところ
      論理は真偽に関して
      沈黙しているのだがな
      論理は
      大前提に含まれている
      ものはこれですよ
      と示してくれる
      だけども
      大前提の真偽については
      何も語らない
 
 論理は、平行線が交わるかどうかについて一切語らない。
 
 論理が語るのは、平行線を無限延長しても交わらないとした場合、三角形の内角の和は180度である、と申し述べるだけである。
 
 だが、論理主義者はこの論理の働きを誤解した。
 
 論理こそが真理へ至る道だと非論理的な発想の飛躍を行ったのである。
 
 そうして論理主義者は非論理の極みである飛躍にしがみついた。
 
 大前提を論理的に演繹すれば、必ず真理に至るのであると。

 ∧∧
( ‥)でも悲しいかな
    大前提とは
    人間の認識でしかなく
    大前提が真か偽か?
    その肝心の部分はまったく
    保証されていない
 
  (‥ )論理主義者が
      やっていることは
      自分の偏見や思い込みを
      大前提にして
      それを
      論理にかけることで
      大前提があらかじめ
      内包していた偏見を
      ”真理”として
      発見しているだけ
      なんだよね
 
 
 プラトン以来、マルクスやその後継者に至るまで、論理主義者とはいつもそうであった。彼らは自分の偏見から偏見を導きだし、それが真理であると勘違いする。
 
 彼らがそう思い込むのは、論理が真理を導きだす魔法の道具であると、非論理的な勘違いをしているせいである。
 
 しかし己の偏見を真理であると誤解できるほど単純な論理主義者はこの過ちに気がつくことは無かった。考えれば考えるほど彼らは自分の偏見と認識を無謬のものと勘違いし、その行動はより暴力的なものへと変化していった。
 
 

      

2015年9月17日木曜日

せいぜいソクラテスを殺せるぐらい

 
 何をもって末期というのか? 

 その定義や認識はともかくとして、王をいただかないことを誇りとする国家があった。アジア的な専制君主制ではなく、自分たちで自由と政治を運営する、これこそが誉れなり。それを皆が信じている民主国家アテナイ。だがしかし、今やその栄光は風前の灯。
 
 ∧∧
(‥ )その時期に
\−  自害を宣告されたのが
    哲学者ソクラテス
 
  (‥ )哲学
     ギリシャ語だと
     フィロソフィア
     本来の意味は
     知を愛する
     だから哲学者とは
     学問愛好家のことだな
 
 哲学者というと象牙の塔の住人のごとき感があるが、民主制とは、本来、市民と戦争と軍隊が一心同体であった。当然、アテナイ市民であるソクラテスも兵士であり、戦争に参加している。敗北した時、潰走する人々の中にあって、そのしんがりでなおも追いすがる敵兵と戦ったという。
 
 ∧∧
(‥ )ソクラテスさんというと
\−  知らぬ風を装って
    相手に根本的な質問を投げかけ
    相手が得意げに答えるのを
    受け止めつつ
    実は相手の知らないことを
    相手に気づかせる
    そういうことを得意とした
    人ですよね
 
  (‥ )弟子のプラトンが伝える
      ソクラテスって
      すげー嫌な奴なんだよな
      毒人参を飲まされたのは
      当たり前だよね
      
 
  だが、同じくソクラテスから教えを受けた職業軍人クセノフォンが伝えるソクラテスはまるで別人である。
 
 我こそはアテナイを改革せん。そう理想に燃える若者にソクラテスは質問するのである。
 
 政治家になりたいのかい? そりゃいいね。ところで政治家になって改革するからには、年間の国防予算とか知っているのだろうけど、どうしたら良いと思うかね?
 
 えっ? 知らないの? ではどんな兵種をどのぐらい配備すれば効果的だと思う?
 
 えっ? 分からない? うーん、そりゃ困ったな
 
 ∧∧
(‥ )兵種と配備と規模と効果
\−  それらをさらに
    敵の数や質と比較考慮して
    それでようやく
    国防費とかが算出できるからね
 
  (‥ )結局この若者は
      ソクラテスの質問で
      己の無知に気づいて
      政治家をあきらめるのだ
      かように
      クセノフォンが伝える
      ソクラテスは
      まともで
      実直な人なんだよな
 
 二人の男が伝えるソクラテスがなぜこれほど違うのか? これは職業軍人でいつも現実と直面したクセノフォンと、なんだかんだいって机上の理想論者であったプラトンとの違いなんだろう。プラトンは一応、自分の理想の実践は試みたのだけど、あえなく失敗しているし、それになにより、プラトンはトンデモSF作家でもあった。
 
 古代エジプトよりも偉大な文明は実はアテナイで、かつて海の彼方から襲来した侵略者、アトランティス帝国を撃退したのはアテナイなのである!
 
 というトンデモ架空戦記(未完)を書いたのがプラトンだ。そして、アトランティスなどという根も葉もない存在が2000年以上が過ぎた今でも中二病患者を生み出している始末。
 
 ∧∧
( ‥)ある意味、作家としては
    大成功だけど
    プラトンさん
    かなり痛い人ですよね
 
  (‥ )理想が高じて
     君主のアドバイザーに
     なったり
     架空戦記を書いちゃうとかね
     なんか
     駄目な人なんだよなあ
 
 同じ駄目人間としての性なのか? 後世の知識人はプラトンとプラトンのソクラテスをありがたがった。だがしかし、実際は痛い人である。こんなプラトンが伝えたソクラテス像とは、おそらく元のソクラテスとほとんど別人なんだろう。
 
 だがどっちのソクラテスが正しいにせよ、人々は彼に死刑判決を下し、毒人参による自害を命じたのであった。
 
 ∧∧
(‥ )今の人でも
\−  ソクラテスと話したら
    彼を嫌い
    批判する人は
    いるでしょうねえ
 
  (‥ )現実と数字を見て考えなさい
     防衛に必要な兵種と
     予算はいかほどで
     それは我々の経済規模で
     考えた場合
     現実的なあるべき姿とは
     なんだろうか?
     こういうことを問うのが
     ソクラテスだ
     だがしかし
     こんなことを問われただけで
     目を白黒させたあげくに
     顔を真っ赤にして
     激怒する連中は
     山ほどいるだろうからな
 
 
 ソクラテスの質問で、理想に燃えていた若者は、己の無知を知って政治家をあきらめた。
 
 職業軍人のクセノフォンはこの話を好意的に紹介している。そりゃそうだろう。何も知らないで削減するだの、何も知らないで増強するだの言われたらたまったものではない。
 
 ∧∧
( ‥)でも人によっては
    せっかく民主制のために
    立ち上がろうとした
    若者の理想を質問で
    消してしまうなんて
    ソクラテスはなんて
    下種な老害なんでしょう!
    けしからん!
    そう怒るかもしれない
 
  (‥ )若者の政治デモを見て
      すばらしいと
      ただただ絶賛する
      理想主義者もいるからな
 
 理想主義者は現実を見ない。理想にこだわるから理想が現実的かどうかとか、そういうことも考えない。理想主義者は遠い現実よりも頭の中にある身近な理想に拘泥する。理想主義者は原理的に近視眼であるし、近視眼であるから理想主義者なのだとも言えよう。

 だが所詮のところ理想は理想。理想は現実ではない。そして理想は絶えず現実に敗北する。
 
 実際、理想に燃えるアテナイはペルシャ戦争勝利以来の伝統、古式ゆかしき総力戦を何度も敵に挑むが、結局は歴史の表舞台から消えていったのであった。
 
 やって来たのは生まれながら政治家であることを義務づけられ、子供の頃から軍事、経理、統治を実践してきた2世、3世の世襲制議員たち。そしてその彼らに率いられたプロの軍団、ローマであった。
 
 ∧∧
(‥ )ローマの政治家ときたら
\−  ろくなもんじゃ
    ないんですけどね
 
  (‥ )ピンキリではあるけど
      基本的には
      ひたすら
      私腹を肥やすだけの
      連中でな
      だがそれは現実でも
      あったのだろうなあ
      そして
      現実の中で訓練された
      彼らが
      勝利者となるのだ
 
 
 押し寄せる現実を前にした時、理想主義者に出来ることなどない。せいぜい、ソクラテスを殺せるぐらいである。
 
 汚い、汚くないも関係ない。現実を操作できたものが勝利者であり、操作できるからこそわずかだが現実を改変し、理想に近づけることができるのだ。理想主義者に世界を変えることなどできない。できることと言ったら、悪くすることだけである。
 
 
 
     
 

2015年9月16日水曜日

小人のコートは撥水性

 
  ( ‥)そう言えば以前
      ナウシカは
      砂の惑星のぱくりだ
      という意見を見かけてな
 
 ∧∧
( ‥)はあ…
 
 まあ確かにうろ覚えではあるが、学生時代に買った宮崎駿監督のイメージボード集(20年以上前の時点でそれは古本屋で買ったものであった)には、マスクをつけたユパ様とおぼしき人物が砂塵が荒れ狂う砂の荒野を馬に乗って進み、その背後にサンドウォームと書かれた、でっかい虫が這い進んでいるものがあった。

 砂の惑星の舞台、惑星アラキスには巨大な動物がいる。それが砂虫、すなわちサンドウォーム。

 イメージボードに描かれた怪物は砂の惑星のサンドウォーム同様、長いミミズ状の体であった。そして目が多数存在し、細かな足が無数にあるように見えた。あれはオームの原型なんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもナウシカって
\−  森に支配される世界の物語で
    砂漠の話ではないよね
 
  (‥ )砂漠は登場するけど
      主題は森だよね
 
 
 これまたうろ覚えだが、何かで読んだことがある。日本では田畑が荒れても、白土三平が描くような西部劇にはならないと。
 
 ∧∧
( ‥)日本の気候だと
    森に戻るだけだからね
 
  (‥ )砂の惑星にヒントを
      もらったにしても
      腐海と森を出した時点で
      ナウシカは別物だよな
 
 さて、最近見かけたのは、ナウシカたちは小さな世界の住人で、アリエッティはその続編である、という解釈であった。
 
 ああ、確かにしばらく前、ナウシカの世界は巨神兵が人間サイズで、ナウシカたちは小さいのだ、という解釈をネットで見たことがある。

 おそらく、以上の解釈はその発展型なのだ。また聞きしている間におかしな解釈が団子つながりになること、これはうわさ話では普通に起こる。
 
 ∧∧
( ‥)でもナウシカが小人の世界って
    そんなわけないでしょ?

  (‥ )そりゃないだろうね
      トルメキアの王子たちが
      古典時代の音楽家たちは
      実在したんだ!! と
      感嘆してかき集める譜面は
      普通のサイズだったからな
      旧世界の都市群も
      ナウシカたちからみれば
      普通の建物だし
      トルメキアの首都が
      寄生する古代遺跡も
      普通のサイズだし
      聖都シュワへ向かう途中で
      遭遇する丘は
      高熱で溶けたビルだからね
      丘であって山じゃない
 
 そもそも、巨神兵の設定も変わっているせいか、原作の一話、一番最初に出てくる巨神兵は裁定者でもないし、生物兵器でもない。内部に梯子とハンドルがある遺棄された古代の巨大機械であった。そして梯子やハンドルのサイズは、巨神兵の内部を駆け上がるナウシカと同じなのである。
 
 とはいえ、ナウシカの映画が公開された時、オームがダンゴムシに似ているからナウシカたちが小さいのかと最初は思った、そう感じた人が自分の知り合いにもいた。そのことからするとナウシカ小人説は意外とありきたりな感覚なのだろう。
 
 だがしかし
 
 ∧∧
(‥ )もしもナウシカさんが
\−  小人だったら
    毛皮のコートを着ないと
    死んじゃうよね
 
  (‥ )小さな体だと
      体温が維持できないからな
      人間のような裸の哺乳類は
      地上ではあっという間に
      凍え死ぬか
      新陳代謝が速すぎて
      すぐに餓死するよね
 
 小人は毛皮のコートを着ていないといけない。もちろん、手袋も必要だ。顔もなるべくなら露出しない方がいい。
 
 ∧∧
( ‥)そうかと思うと
    炎天下に出たら今度は
    あっという間に熱死ですよ
  
  (‥ )体積小さいと
      すぐに熱が上がるからな
      
 
 つまり、小人は毛皮のコートを着て日陰で過ごさないといけない。森から出ないか、あるいは夜行性か、あるいは地下生活者でないといけない。実際、小さな哺乳類はそういうものである。小人の目は小さく退化しているだろう。
 
 ∧∧
(‥ )さもなければ
\−   トカゲみたいな変温動物に
     なるんだろうね
 
  (‥ )ひなたぼっこで
      体温を上げて
      数分間獲物を追跡して
      体がかじかみはじめたら
      またひなたぼっこを
      するんだろうなあ
      なんか
      ウルトラマンみたいだよね
 
 ∧∧
( ‥)ウルトラマン変温動物説
 
  (‥ )そう考えていた時期が
      俺にもありました
 
 ともあれこういうことを考えると
 
 ∧∧
(‥ )サイズが異なると
\−  世界も行動も全然変わってくる
    だけどそういうことは
    一般には知られていない
    そのことがナウシカ小人説から
    見えてくるのだと
 
  (‥ )そういうことだな

 
 小人の世界は我々巨大生物とはまったく違う。例えば彼らに高さの恐怖はほとんどないはずだ。体積に対して表面積がでかいから、落下しても体に影響を及ぼす速度にまで加速しない。
 
 ∧∧
(‥ )木登りも得意だろうね
\−
 
  (‥ )重量が小さいから
      位置エネルギーの消耗は
      無視できるからな
      上下移動は大変だという
      概念は小人には無いか
      希薄だよね
 
 
 ∧∧
( ‥)その一方で水は非常に
    危険であると
 
  (‥ )表面張力が強く
      効いてくるから
      体にべたっと水滴が
      張り付くし
      へたに口を塞がれたら
      溺死しちゃうよね
 
 小人が着る毛皮のコートは撥水性が望ましい。
 
 
 

2015年9月15日火曜日

原野の使用は計画的に

 
  ( ‥)太陽光発電って
     原野商法みたいなもんだし
 
 ∧∧
(‥ )あなたの知り合いでも
\−  あれをやろうとしていた
    らしいじゃないですか
 
  (‥ )そりゃ原野が金になる
      わけだからな
      当たり前だろ?
 
 ∧∧
( ‥)誠意が疑われます
 
  (‥ )でもあれは
      あからさまだろ?
      パワーストーンを
      身につけたらみるみる
      やせたみたいなもんで
      商売としては
      良心的な方だよ?
      本気で受け取る方が
      どうかしとる
 
 ∧∧
(‥ )それですまない場合も
\−  あるんですけどね
 
  (‥ )鬼怒川の一件みたいにな
 
 ∧∧
(‥ )ソーラーパネルのある場所から
\−  水が超えた程度で
    済んだみたいでは
    ありますけどね
 
  (‥ )だが周囲の畑や
      水田は冠水したよな?
      これ
      えらいこっちゃだからな
 
 ∧∧
( ‥)原野の使用は計画的に?
 
  (‥ )原野の危険を見抜く
      こういうのって
      腕の見せ所なのよね
 
 
 
 
 
 

グリアナちゃん

 
 モンスター娘のいる日常、というアニメがあって..
 
 ∧∧
(‥ )というか元は漫画だね
\−
 
  (‥ )半身蛇の女の子
      ラミア族のミーアちゃん
      とかいるのな
 
 
 そして実物大抱き枕、全長7メートルなり=>https://www.google.co.jp/search?q=ミーア%E3%80%80抱き枕&biw=1146&bih=838&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIy6Wo-Oz2xwIVxp6mCh…


 
 7メートルの女の子か...さすがに人間サイズの大蛇としても長過ぎじゃね? 
 
 ∧∧
(‥ )...などと思っていたら
\−  東南アジアにいる
    アミメニシキヘビは
    8メートルで胴回りが
    1メートルみたいですね

=>https://www.google.co.jp/search?q=reticulated+python&biw=1146&bih=838&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIhNbhrvD2xwIVhIuUC…
 

  (‥ )下半身の太さを
      ヒップのサイズだとすれば
      90センチで1メートル弱
      8メートルに対して
      7メートル…
      意外と妥当な数字なのな

 
 もちろん蛇でも体型に違いがある。世界最大(あるいは世界最重)の蛇、グリーンアナコンダなら6メートル弱で胴回り1メートルに達するそうである。

=>https://www.google.co.jp/search?q=green+anaconda&biw=1146&bih=838&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMI8Le44fD2xwIVyZeUCh1d9AwZ#…

 
 
  (‥ )グリアナちゃんなら
      6メートルですむわけだな

 ∧∧
( ‥)そんなキャラはいねえ
 
 抱き枕に巻かれている人を見ると、妙にリアルである。

=>https://www.google.co.jp/search?q=ミーア%E3%80%80抱き枕&biw=1146&bih=838&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIy6Wo-Oz2xwIVxp6mCh…
 
 
 ∧∧
(‥ )抱き枕さんは1個10万円
\−  即完売したそうだけど
    なかなか勢いがありますな
 
  (‥ )こういう企画と消費って
      偉大だよね

 
 
  
 

2015年9月14日月曜日

娯楽がないんじゃないか仮説

 
 
 ∧∧
(‥ )洋画のポスターは
\‐  すばらしいのに
    それを日本の配給会社が
    馬鹿っぽいものに
    改悪してしまう
    なぜでしょうか?
    という疑問がありますね
 
 
  (‥ )広く馬鹿向けに改変する
      それは客が集まらない時に
      することだよな?
 
 ∧∧
( ‥)つまり映画を見に行く人が
    少ないのだろうと
 
  (‥ )単純に考えれば
      そうじゃねえか?
 
 ∧∧
(‥ )でも反対に言えば
\‐  外国の人は映画を見に行く
    そういうことになりますけど
 
  (‥ )他に娯楽が
      ないんじゃね?
 
 

ワイヤー切れればスペクタル

 
 ∧∧
(‥ )生きるためには
\‐  食べ飲み
    絶えず呼吸しなければ
    ならないのである
 
  (‥ )呼吸でエネルギーを
      作り出し
      代謝で再構築しないと
      存続できない
      しかも絶えずそれを
      する必要がある
      生きるという事が
      どれだけ不自然かって
      ことでもあるな
 
 生きることは不自然の極みだ。ちょっと気を抜くと安定状態である死へと滑落する。
 
 これゆえ、生きるにはいつも同じ、高くて険しい道を通らねばならない。生きるには労力がいるし、生きる事自体が不自然である以上、その道は絶えず上り道であり、しかもルートが決まっている。
 
 ∧∧
( ‥)さながら山登りには
    登山道が決められているが
    ごとく
 
  (‥ )登山道から外れる自由は
      あるんだがな
      まあ大概は死ぬよね
 
 自由を行使して決められた人生から外れることは、大変なエネルギーを必要とする。さながら尾根道から降りて、谷に降り、樹木をかきわけて斜面を昇り、まだ見ぬ山に登るがごとく。
 
 ∧∧
(‥ )たまに新ルートを
\‐  発見する人もいるけどね
 
  (‥ )その代わり
      死屍累々だがな
      俺が思うに
      自由を礼賛する奴らは
      しばしば卑怯者だよ
      登山ルートに設置された
      ケーブルカーの中で
      ワインを飲みながら
      挑戦者は偉大だ
      若者はもっと挑戦せよ!
      とかほざきよる
 
 あるいは登山道を登っているのだが、それで愚痴る人間も大勢いる。なんでこんな道を作ったのだ? 道を造った人々に対する愚痴だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれは止む無き場合も
\‐  多いのだよね
 
  (‥ )死体ってよ
      人の目には触れないんだ
      だから登山道から外れて
      死んじまった連中や
      もう登山道に戻れずに
      這い回っている連中は
      見えないんだよね
      だから文句ばかり
      言いよるよ
 
 薮に隠されているから見えないだけだ。死んで消えたから見えないだけだ。
 
 消息不明になった連中の足取りを、地図と登山道に重ねてご覧よ。みんなばたばた消えておる。
 
 ∧∧
( ‥)実はものすごい数の人間が
    迷い込んで消えている
 
  (‥ )自由って
      こういうことなんだよな
      

 道を外れる自由はある。もちろん、愚痴をこぼす自由もあろう。だがしかし、登山道を登っているのなら、もう少し現実を見ても悪くないと思うが、いかに?
 
 ∧∧
(‥ )ましてやケーブルカーの
\‐  中から
    理想論を歌い上げる人は
    好きになれませんか?
 
  (‥ )ああいう連中はな
      ワイヤー切れれば
      良いと思うよ
 
 文化人とか詩人というのは下種の極みである。
 
 
 
 

理解には大前提の破壊が必要でそれは苦痛である

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  ( ‥)そうねえ例えば
    ‐/ 物事を理解するには
      自分が信じている大前提を
      変えなければいけない
      ことがある
 
 言い換えれば、その準備が整わない限り、言っても相手は理解できない。そういうことでもある。
 
 ∧∧
( ‥)ということはつまり
 
  (‥ )言わなきゃ分からん奴には
      言っても分からん
 
 ∧∧
(‥ )だから黙っていると
\‐   
 
  (‥ )大前提を破壊しないと
      受け入れられないことを
      相手が受け入れる
      それはその人が
      切羽詰まった時だな
 
 ∧∧
( ‥)じゃあ切羽詰まったら
    説明するのですか?
 
  (‥ )そうしたら
      なんでもっと早く
      言ってくれなかったのだ?
      そう文句言ってくるべ
 
 ∧∧
(‥ )じゃあずっと黙っていた方が
\‐  よいね
 
  (‥ )相手をどう
      見殺しにするのか?
      この見極めは
      意外と大事なんよね
 
 
 

合理主義者とはオカルト信奉者である

 
 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  ( ‥)合理主義者って
    ‐/ オカルトが大好きだよね
 
 
 ∧∧
(‥ )そう言うと彼らは激怒する
\‐  でしょうけどね
 
  (‥ )実際はスタート地点から
      オカルトだったのだけどな
      プラトンとか見れば
      分かるだろう?

 
 イデアがあるって、それは人間の認識論だろ? 
 
 認識を公理とし、それを大前提にして論理をいくら展開しても、そこから引きずり出せる定理とはお前の認識、お前の都合の良い思い込みだ。
 
 
 そういう意味では、合理主義者はオカルトが好きだ、というのは正しくはない。
 
 合理主義者はオカルトそのものだというのがより正しい。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ認識をどう破壊するか
    それが理解の問題
 
  (‥ )オカルトってさ
      科学と正反対で
      論証は雑なんだが
      発想が当たり前で
      ありきたりなんだよな
      そこがつまらん
 
 
 

精神論の対案が、結局、精神論

 
 
 ∧∧
(‥ )旧日本軍は精神論で
\‐  馬鹿ばっかwwwと
    笑う人が多いですよね
 
  (‥ )日本国でも良いし
      現政権でも良いし
      自分の会社でも良いし
      それらを旧日本軍と
      同一視して揶揄する
      まあ便利な主張論であるな
 
 ∧∧
(‥ )言わんとすることは
\‐  分からなくもないですけどね
 
  (‥ )でもあれだぞ?
      精神論www とか揶揄する
      奴らが得意げに出してくる
      対案って
      大概は精神論を複雑に
      言い換えただけのもので
      意味ないぞ
 
 

2015年9月13日日曜日

いやいや 何を買ったのか見極めないと駄目でしょう

 
 
 画像の無断引用をすると絵師の奴らは怒るけど、そういう時に俺の分身が汚されたとか、そういう抽象論を言うの嘘でしょ? 素直に金が欲しいと言えばいいじゃんよwww
 
 
 ∧∧
(‥ )...という意見を言う人も
\‐  いますよね
 
  (‥ )ああその理解は単純で
      なおかつ
      覚悟が足りないかもね
 
 例えば不法に使って5万円を請求されたとする。
 
 そこで、
 
 ほら、金が欲しいだけなんだろ www 
 
 と5万円を渡したとする。
 
 ∧∧
( ‥)ところが
    受け取った相手が
    即座にその5万円を渡して
    言うのです
 
  (‥ )5万円分殴らせろ、とね

 
 これは正統な取引であり、高度なビジネスである。文句のつけようがない。
 
 
 ∧∧
(‥ )すべてを金で換算しては
\‐  いけないってこと?
 
  (‥ )いや違うね
      何を買ったのかそれを
      ちゃんと見極めろという
      ことさ
 
 実際、金が欲しいだけなんだろwww と言って支払った金は、使用料金だけなのだ。
 
 ここには無断使用によって社会的な面子をつぶされたことに対する支払いがまったく含まれていない。相手はそれを買いたいのである。それゆえ、支払うから殴らせろ、これは正統なビジネスとなる。否定はできない。
 
 ∧∧
(‥ )人間は面子を金で
\‐  買いますからね
 
  (‥ )というか面子を
      手に入れるために
      多大な支払いをするのだ
      そこを忘れちゃいかん

 
 
 上司が部下におごるのは、社会的地位を誇示しているのである。この時、部下が自分も支払いますと言い立ててはいけない。それは、私は上司の地位をおびやかします、という宣言に等しい。

 反対におごる上司は支払うことで地位を手に入れているのだ。そしてそれは力の誇示でもある。私は金があるという地位と面子の誇示だ。
 
 *言い換えると、おごらない上司の言う事など聞く必要はない。というか、そんな奴は死ね、ということでもある。
 
 人は社会性の動物だ。社会的な面子を買うために支払いをする動物であることを忘れてはいけない。面子をつぶされたから相手を殺す殺人事件も多いのだ。
 
 面子とはかように高額である。無断使用だけなら、ついやっちゃいました〜、で済むかもしれないが、相手の面子をつぶすような毒を無駄に吐くとなると、当然、多大な支払いが要求される。
 
 ∧∧
( ‥)そこを見誤ると
    殺されても文句は言えない
    というか
    侮辱した相手を殺すという
    高度な支払いをすることで
    社会的な
    面子を買うのが人間である
 
  (‥ )自分は何を買ったのか?
     それは正確に見極めないと
     いけないなあ
     社会生活をする上で
     これは大事なんよ
     ここが駄目な人間は
     社会に出るべきではないな
     無用なトラブルを
     まねくからな
 
 ちなみに、殺人は支払いとしてはあまり高額なので、半殺しぐらいにするのが妥当。
 
 ∧∧
(‥ )あるいは支払われた5万円で
\‐  相手の何かを買い取るとかね
 
  (‥ )何を買い取ると
      相手の面子をつぶせるか?
      目利きであることが
      必要よね

 
 そして人間である以上、誰もがこうであることを求められるし、これができないと周囲から食いつぶされる。それは当然だ。これが嫌だと言うのなら、薄暗い世界に静かに潜っているべきだ。明るい場所に出てくるのは自殺行為であろう。
 
  
      
 

今は昔 すべては娯楽である

 
 
   ( ‥)昔はインディアンを
     ‐/ 殺して
       今はゾンビを殺しておる
 
 ∧∧
( ‥)同じのりだったのでしょうね
 
 
 さて
 
 
 ∧∧
(‥ )あなたは誰を殺すんです?
\‐
 
  (‥ )その問いは困ったねえ
 
 
 
 

2015年9月12日土曜日

戦略を売れ!

 
 戦略なき組織は滅びる
 
 
 ∧∧
( ‥)戦略を持たない昆虫が
    大繁栄しているのはなぜ?
 
  (‥ )存続に戦略は
      必要ありません
      そういうことだな

 
 ∧∧
(‥ )世の中には
\‐  何を言うか!
    昆虫の生存戦略は多産多死だ!
    K戦略だR戦略だ
    と言う人もいるでしょうけどね
 
  (‥ )生存戦略という言葉は
      誤解をまねくよなあ
      生物学で使う
      戦略という言葉は
      例えば
      支払ったエネルギーに
      対して
      得たエネルギーは
      どれぐらいか?
      方法が幾つかありうるが
      以上の基準で
      一番最適な方法は何か?
      その生物の行動は
      最適化されているか?
      いないとすれば
      それは進化的になぜか?
      そういう無味乾燥な
      収支決算の話なんだけどな
 
 これに対して、世間が言う”生存戦略”という言葉は、生物がまるで商品のように一律にプログラムされた戦略を持っているかのようである。まるで、方針さえはっきりさせれば我勝てり、と言わんばかりだ。
 
 ∧∧
( ‥)まあ何を言っても
    人間はおかしな誤解を
    するものですけどね
 
  ( ‥)実際には無数の可能性が
    ‐/ 変異として
      用意されていて
      それが淘汰によって
      ある枠内に
      押し込められている
      それでも
      メンデル遺伝とかで
      可能性は無数に
      潜在化している
      だから
      いつでも対応できる
      そういう融通無碍なもの
      なんだけどね
 
 実際、年ごとにゆらゆら揺れる戦略(去年は黄色でしたが今年は赤になりました)、とか、収支決算の上では等価なので複数の行動が並立する場合(海に降りるか川に残るか)、という場合もある。
 
 かように生物は固定された存在ではない。そこにはばらばらの行動があるだけで、戦略なんて実際には無いのである。
 
 戦略という言葉も概念も、それはあくまで便宜的なもので、実在するわけではない。そう考えるべきなんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )つまり戦略が無い組織でも
\‐  問題ないのである
    あるいは
    なんとなく戦略が
    あるように見えても
    それはかりそめの姿で
    実際にはばらばらの個人が
    それぞれ勝手な事を
    しているだけである
 
  (‥ )望むがままを行え
      それだけの話よな
      戦略は結果論でしかない
 
 ああしかしだ、これはつまりこう言えば良い? 
 
 存続した組織は一見すると戦略があるように見えます。
 
 
 ∧∧
(‥ )...なんかありがたみが
\‐  かけらも無い言葉になったな
 
  (‥ )これを考えるとあれだ
      戦略無き組織は滅びる!
      この言葉がいかに
      ハートに響くか
      それが分かるよね
      むしろだ
      これが
      望ましい生存戦略である!
      そう言って頭でっかち共を
      だまくらかして
      金を巻き上げた方が
      良いってことだろうな
 
 頭でっかち共は頭で考える。
 
 だから、戦略とかそういう言葉が無駄に大好きだ。彼らが望んでいる、僕が考えた最強の戦略を、こちらが投げ与えれば良い。そうすれば、彼らは、我が意を得たり! と喜んで戦略を買うだろう。
 
 
 ∧∧
( ‥)ん? つまりこれは
 
  (‥ )頭でっかちは
      収支決算とか
      そういう地味な話が
      嫌いだってことだろ
  
 確かに、生物学の論文にロマンはほとんどない。ロマンはビジネス書とか戦略論とかにあるのだ。

 要するに、考える人間はロマンが大好きだ、ってことだ。頭なんていう間抜けなものを使うからそんなことになる。
 
 
 
  

2015.09.12 05:49の地震

 
 眠りは浅かったので、最初、ごおっという音に気づいた。同時に上下に、非常に小刻みに揺れだした。びりびりびりびり、という感じ。2秒程度の後、横揺れというか、もっとぐらんぐらんと揺れる力が押し寄せて、、瞬く間に過ぎ去った。しかし振幅はやはり小刻みだ。
 
 ∧∧
(‥ )時刻は12日の
\‐  05:49
    震源は東京湾のど真ん中で
    深さは70キロ
    マグニチュードは5.3
 
  (‥ )神奈川の中央部
      ここらの震度は3か
      まあそんな感じだったなあ
 
 震源がごく近いせいか、揺れが間延びされておらず、非常に圧縮された感じ。

 
 
 ∧∧
(‥ )びりびりびりびり
\‐  とか
    ぐらんぐらん
    とか
    擬態語多用すると
    ちょっと子供っぽいかも
 
  (‥ )でもまさにそんな
      感じでな
      しかも述べたように
      非常に揺れが
      圧縮された感じで
      異様だったよ
      ああいうのは初めて
 
 
 
  

笑っちゃいかんです

 
 精神論www 馬鹿ばっかww
 
 そう笑っているお前も、いざとなったら頑張ることしか思い浮かばないから。
 
 ∧∧
(‥ )意外というか
\‐  当然というか
    そんなもんですよね
 
  (‥ )考える奴もいるけど
      そもそも打開策を
      考えている時点で
      手遅れなんでな
      頑張ろうが
      考えようが
      馬鹿だろうが
      利口だろうが
      同じですよ
 
 詰む時ってそういうものだろ?
 
 

 
 
      

距離と固執が比例関係にある

 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  ( ‥)そうねえ
    ‐/ 目的までの距離と
       固執の強さは
       比例関係にあると
       考えてみようか
 
 例えばの話、目の前に肉を置く。
 
 目の前の肉に固執する度合いを80に設定されたA君
 
 目の前の肉に固執する度合いを40に設定されたB君。
 
   (‥ )後でこの1.3倍の肉を
       あげるから
       そう言って目の前の肉を
       取り去った時
       A君、B君はそれぞれ
       どうなる?
 
 ∧∧
( ‥)A君は泣きわめいて肉に
    しがみついてかじりつき
    B君はしょうがないなあ
    1.4倍にしてよと言います
 
 目的までの距離と固執の度合いが比例関係にある。ただし、個人によって距離と固執の度合いはそれぞれ異なる。
 
 これだけのことでまるで違う行動が出来上がるのではなかろうか?

 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
   ( ‥)肉を平和に置き換えよう
     ‐/ A君とB君は
        どうなるか?

 
 平和の固執度を80に設定されたA君は平和という目の前の言葉それ自体にしがみついて泣きわめく
 
 固執度を40に設定されたB君は平和という言葉のもう少し先にある事柄、軍事とか外交とか、さらには軍事を維持するための予算や経済力、法的あるいは事務的な手続きについて考えをめぐらす

 
 ∧∧
(‥ )目的と目標は別物だからね
\‐ 
 
  (‥ )目的を達成するために
      目標設定があるのだ
      つまり目標は
      目的よりも遠い
      だとすると
      近いものに強く
      固執するように
      設定された人間は
      目的よりも遠くにある
      目標を見ることはできない
 
 なれば帰結は明らか。目標を判断できないゆえに目的達成不可能なまま、達成しようと目的に固執することになるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)平和主義者の過激で
    見当外れな活動は
    これで説明できると?
 
  (‥ )モデルとしては
      単純でありきたりだし
      これ以上余計な前提など
      必要あるまい?
 
 
     
 
 

2015年9月11日金曜日

二カ所

 
 台風17号、18号が接近し、関東から日本海まで南北に雨雲が動き続けた2015年、9月9日、10日。
 
 つまりこの話の続き=>hilihiliのhilihili: 列島南北縦断とアリンコの日々
 
 ∧∧
(‥ )神奈川のここらへんは
\‐  ほとんど雨が
    降らなくなった後も
    少し離れた東京や
    北関東では延々と豪雨で
    ついにあちこちで
    川の堤防が決壊
  
  (‥ )大きな被害を出した
      茨城県常総市で
      堤防が切れた場所は
      どうも以下の二カ所
      みたいだね

 報道写真はこの二カ所を撮影したものと見てほぼ間違いない。
 












 

 googleで示された赤い領域は、上が若宮戸、下は最初に決壊が伝えられた新石下、その下が実際に決壊した場所である三坂町(決壊場所はどうやら二つの行政区分の境界線らしい)。
 
 若宮戸の周辺









 三坂町の周辺




 



 
 ∧∧
(‥ )大きく決壊したとされるのは
\‐  下流の三坂町のことの
    ようですね
 
  (‥ )自衛隊の救助が中継されて
      一番人目に触れた
      現場みたいだな
      濁流に耐えて話題になった
      白い家がちょこんと
      見えとる
 
 その一方で紛糾的に話題となったのは上流の若宮戸の周辺。画像を見れば分かるように、自然堤防を削ってソーラーパネルを設置したので、このせいで決壊したのではないのか? と騒然としておる。
 
 ∧∧
(‥ )これに対して
\‐  嘘だ! デマだ! と
    打ち消しも拡散して
    一部で混乱状態ですな
 
  (‥ )二カ所だったこと
      下流の方の写真が多いこと
      決壊が三坂町の一カ所だと
      考えると
      二カ所目が別の写真だから
      捏造やデマに見えること
      そのせいなんだろうな
 
 実際には画像を見ると複数箇所の写真が混ざっているし、報道も複数箇所と伝えている。それに写真からすると上流の若宮戸もかなり広く浸水したらしい。多分、1キロ四方ぐらいは、いっている感じ。家々が水に浮かんだ島状態になっておる。
 
 ∧∧
(‥ )決壊じゃないよ
\‐  越水だよという意見も
    あることはあるけども
 
  (‥ )その理屈を皆が
      はいはいと
      聞いてくれるかと言うと
      そうはいかんだろ
 
 
 
 

2015年9月10日木曜日

月と不死の青年

 
 
   ( ‥)仕事終えたし疲れたし
       寝るわ
 
 ∧∧
(‥ )なにか面白い事
\‐   ないですかね?
 
 
   (‥ )面白いことを
       考えながら寝るか 
 ∧∧
(‥ )具体的には?
\‐
 
 
   ( ‥)...面白いものが何なのか
      それを考えながら寝るか
 
 ∧∧
( ‥)やめろ
    まじ止めろ
 
 月はしばしば不死を象徴する。しかしギリシャ神話の月の女神アルテミスは不死性がほとんどない。アポロドーロスの「ギリシャ神話」によれば、アルテミスが不死としたピュロノエーなる人物の名前が出てくる程度である。

=>hilihiliのhilihili: アルテミスに見る不死性
 
 ∧∧
(‥ )後はこれも月の女神
\‐  セレーネーが
    青年エンディミオンに
    恋をして彼を不死とした
    という短い話だけだね
 
  (‥ )エンディミオン
      あるいは
      エンデュミオーンは
      有名な名前だけど
      アポロドーロスの記述では
      ほんの数行程度だな
 
 ではなぜエンディミオンが有名なのか? どうもヘレニズム時代にロマンチックに脚色されて話がふくらまされたらしい。
 
 ∧∧
(‥ )...あなたはそういう本や
\‐  物語を読まないから
    エンディミオンはあまり
    念頭になかったという
    ことですかね?
 
  (‥ )無骨な話にこそ
      ぞっとする原型が隠れて
      いるものよ
      そこに光明の火花が
      あるものさね
 
 色恋沙汰という、下種な服装をはぎとった下にこそ、恐怖と欲望の原型があるのだ。
 
 
 

人を信用できない人間は出来もせずに

 
 ∧∧
( ‥)テキストの3分の1と
    たたき台になるイラスト2枚
    二見開き分を先方に送ると
 
  ( ‥)こういう文字の配置は
    ‐/ 可能か? という
       提案も含めてね
 
 見開きの上半分はイラストだが、下半分にも生き物の体がはみ出している。しかしこの部分には半透明の白を乗せて、その上にテキストと文字を置いて良い。そういう提案。これをデザイナーに検討してもらって欲しい。
 
 ∧∧
(‥ )こうでもしないと
\‐  デザイナーさんは
    全体を
    無理矢理入れようとして
    イラストを極端に小さくして
    しまうだろうと?
 
  (‥ )あるいは土壇場になって
      こんなことは無理です
      と言って拒否するか
      そのどっちかだな
      その可能性をつぶしたい
 
 もちろん、イラストや写真がなんとなく見えるなあ、という状態にしておいて、そこに文字を乗せるというのは普通にあるやり方だ。デザイナーたちに、こんなことが出来ないとは思えない。
 
 ∧∧
( ‥)でもあなたはデザイナーさんに
    非常に懐疑的である
 
  ( ‥)というかだな
    ‐/ この縦横比のイラストで
       何文字で
       それでこういう
       レイアウトが出来るか?
       文字があふれるのなら
       その分削るから
       考えを聞かせてくれと
       あらかじめ
       伝えておいたのに
       文字が入らないから
       イラストを極端に
       小さくしました
       無駄な余白が出来たし
       タイトルも
       無駄にでかいけども
       気にしないでね
       みたいな
       デザインをされたことが
       あってな
 
 あるページに関して、こちらが、こう出来るか? と文字を削って、イラストがきっちり入るようにして、それを画像データにして送ると、そのページ自体は直してくれた。

 だが残りは、もう時間がありませんと、突っぱねられた。
 
 
 ∧∧
(‥ )納品が遅かったのかも
\‐  あるいは零細な
    デザイナーなので
    生活費を稼ぐために
    仕事をきつきつに
    入れてしまって
    対応できなかったのかも
 
  (‥ )色々な説明がありうるな
      だがな俺は何ヶ月も前から
      イラストの縦横比と
      文字数は指定したはずだぞ
 
 それにあの無駄なタイトルと巨大な余白。あれが解せない。あれをつぶせばもっと自由になれたはずだ。
 
 ∧∧
(‥ )...まあこの余白が
\‐  良いデザインなのだ
    そう答えるかもしれませんが
 
  (‥ )かもな
      だが俺は信用せん
 
 デザイナーは本当に仕事をしてくれるのか? 縦横比と文字数、たたき台になるイラストとテキスト、さらにはページのレイアウト、寸法、そこまで指定してデータを渡した。

 だが、そこまでしても、デザイナーはまたもやとんでもないことをしてくるのではないのか?
 
 そもそも、デザイナーたちが言う、これが本当に素晴らしいデザインだ、これで良いのです、あの口上は、実は仕事をさぼるための口実ではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)疑いだせばきりがないね
 
  ( ‥)本当だったら俺が
    ‐/ デザインしたいよ
 
 
 それを考えると、東京オリンピックのエンブレムで失脚したデザイナーさん。彼は非常にまともな人間なのだ。それが明らかであろう。
 
 ∧∧
(‥ )失脚の直接の原因である
\‐  トートバッグの一件
    あれは部下がやったことだと
    申し述べましたからね
 
  (‥ )もちろんこれで
      責任逃れはできない
      監督責任があるからな
      だが
      この言葉を素直に聞けば
      彼は部下を信用して
      仕事をまかせていた
      そういうことでも
      あるのだ
 
 もちろん、部下を信用するなど愚かなことだ。マキャベリや韓非子なら、信じる信じないではなく、いかに用いるか、恐怖と利益と法と名誉をどう使いこなすのか、それが大事だと言うであろう。

 実際、おそらくはそこが駄目だったから、エンブレムさんは失脚するはめになったのである。
 
 だがしかし、それでもなお言える。彼は人を信用できたのだと。
 
 ∧∧
( ‥)あなたみたいに
    人を疑ったりしてたら
    部下を使うなんて
    出来ないからね
 
  (‥ )俺は疑ってばかりだよ
      イラスト、テキスト
      配置案と寸法
      さらに
      こうしろ! ではなく
      これで出来ますか?
      デザイナーという
      専門家としての意見を
      うかがいたい
      そう俺は問うた
      だがここまでしても
      デザイナーは
      めちゃくちゃなことを
      するのではないか?
      俺はそれを疑っているし
      それを危惧しているし
      それを回避するには
      どうすれば良いのか?
      予防線を張る事ばかり
      考えておる
 
 ∧∧
(‥ )あなたは人として
\‐  駄目ですよ
 
  (‥ )エンブレムさんは
      まっとうな人さ
 
 まともな人間だけが部下を使える。そうでない人間は、すべてを自分一人で抱え込んで、出来もしないまま死ぬのだ。
 
 
   

列島南北縦断とアリンコの日々


 台風18号は浜松、名古屋を通過し、日本海に抜けて温帯低気圧になったものの
 
 ∧∧
(‥ )関東や神奈川近辺は
\‐  昨日9日の夕方に少し
    太陽が見えたけど
    ずーっと天気が悪いね
 
  (‥ )神奈川県中央のここらは
      曇天のままで
      雨が時々降り続けているな

 6:00現在、温度は24度、湿度は95%。当然ながら、洗濯物はちっとも乾いていない。

 
 だが、それでもここらの天気はまだ良い方らしい。例えば神奈川の東部である川崎や、あるいはその先の東京は、昨日からずっと強い雨のようである。

 ∧∧
(‥ )南からほぼ南北一直線に
\‐  雨が強く降っている地域が
    存在するみたいですね
    僕らがいる地域はそこから
    ほんの少しだけ外れてる
 
  (‥ )東京電力の雨量情報を見ると
      昨日9日の
      15:00あたりから
      ずーっとそうみたいね
 
 
=>雨量・雷観測情報

 
9日 15:00














9日 21:00














10日 00:00














10日 04:00












 
 ∧∧
(‥ )太平洋の東京から
\‐  日本海側、新潟県村上市まで
    強い雨の帯が続いていると
 
  (‥ )気象庁の
      気象衛星の写真からすると
      台風18号と17号の
      境界線になるような
      小笠原あたりから
      雲が生産されて
      北へ北へと流れてくる
      みたいだなあ

=>気象庁 | 気象衛星


 
 










 ∧∧
( ‥)洗濯物が乾かないのは
    痛いですなあ
 
  ( ‥)昨日はカタツムリの絵を
    ‐/ 描いていただけだし
       良いことというと
       一瞬晴れ間が覗いたので
       公園で
       ショウリョウバッタを
       2匹捕獲して
       それをアリンコの餌に
       できたことぐらいだね...
 






















幼虫のお腹が茶色なのは肉を食べた証拠












左下は女王アリ、中央やや右上は卵


さあ、蛋白質をたーんとおあがり。幼虫は成長し、女王アリは卵をたくさん産むと良い。
 
 
 *2015年9月11日 6:00に以下追記
 
 関東ではこれ以後も雨が降り続き、9月10日 07:45 茨城県で大雨特別警報が発表。鬼怒川において越水が発生。09:05 陸上自衛隊に災害派遣要請
 
=>防衛省・自衛隊:茨城県における大雨に伴う孤立者救助等に係る災害派遣について(23時40分現在)
 
 ∧∧
(‥ )9日の夕方
\‐  10日の01:10から
    すでに関東各地で
    移動を開始していると
 
  (‥ )大人数で人を助ける
      このためには
      要請があってから
      動くようでは駄目で
      予め対応できるように
      ある程度動いておくのが
      組織というものか
      
 
 ∧∧
(‥ )そして10日午後
\‐  00:50
    つまり12:50に
    ついに堤防が切れた
    という話ですね
    場所は常総市新石下
    *より正確には
    新石下と三坂町の境界線
    三坂町に入ったとこにある
    モービル三坂町SSの裏手
    らしい
 
  (‥ )そこだけでなく
      さらに複数箇所で水が
      あふれだす
      そのうち大規模決壊から
      見て上流にある
      若宮戸で起きた一か所には
      ソーラーパネルがあって
      その設置のために
      土地を削ったのが
      若宮戸で水があふれた
      原因じゃないのか
      そういう疑惑が上がって
      いるみたいだな
 
 
 
 大規模な決壊はもっと下流だが、googleで見ると、件の場所はここで良いらしい。



 





 
 ∧∧
(‥ )確かに
\‐  重機で削っちゃってますね
    伐採されたと思われる
    樹木も写ってる
 
 
  (‥ )ここは自然堤防だという
      話みたいだな
      堆積した砂で出来てるから
      削られて露出した砂の色と
      中州の砂の色が同じよな
 
 








 
 ∧∧
(‥ )ここは決壊じゃないんだ
\‐  越水なんだ
    ここからの決壊はデマなんだ
    そういう意見もネットでは
    散見
 
  (‥ )確かに最初のうちは
      この場所と
      大規模決壊の下流とが
      混同されていた
      みたいだからな
 
 
 ただ、報道写真を見ると、この周辺は浸水。さらに水の流れを示す泡がここから伸びている。それを考えると、水がここからも流れて出ているのは確かだろう。そしてそうなれば
 
 ∧∧
( ‥)そうなれば自然堤防は
    当然削れちゃうからね
    一般的に
    それは決壊でしょうねえ
 
  ( ‥)言い訳は難しいだろうな...
    ‐/
    

 
 9月11日の書き込み以下へ続く=>hilihiliのhilihili: 二カ所
 
 
 *9月12日 1:21 以下追記
 
 ∧∧
(‥ )11日撮影の報道写真を
\‐  見たら
    ソーラーパネルが置かれた
    自然堤防がえぐれては
    いないみたいですね
 
  (‥ )驚きだね
      自然堤防は頑丈だな
 
 

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