自己紹介

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2009年12月30日水曜日

それでもみんな生きている

 
 温暖化を止めますと言いつつ、その温暖化を止める技術を事業仕分けの対象にする。そこが政治家のすばらしい、あるいは間抜けなところで、物事の理解も把握もできずにただただ右往左往する。何のために観察するための目を持ち、聞くための耳を持ち、そしてかつまた思考力のある脳を持って産まれてきたのか? とはいえ、能力の限界を越えることをやってみせますと言ってしまった時にそれは茶番。

 
    (‥ )あら悲し。
 ∧∧
( ‥)はあ

 把握しきれないままにレポートを提案し、それを全部官僚に丸投げであることを棚に上げて、得意満面に相手に質問し、丸投げのくせに官僚をとっちめてやったと自画自賛する。これまた間抜けの真骨頂。

 それをマスコミは永田町VS霞ヶ関と自家製の紋切り型で記事と活字の羅列を生産するだけで、給料の割りには楽な仕事しかしていなーい。歩けよ聞けよ、調べろよ。幸せを追求して世界を語っているうちに言葉だけの人生になっちまいましたとさ。現実世界を斬るのだとたわ言いっている間にバーチャル世界にどっぷりつかるだけの引きこもり。

    ( ‥)あら無惨
 ∧∧
( ‥)はあ

 それでもしかし、みんなそれぞれ生きている。世界を造る間抜けな歯車ひとつひとつになって、それでもなんとか生きている。

    (‥ )しかしその行き着く先は間抜け。
 ∧∧
( ‥)はあ
 
 生きるってなんだろうかねえ?
 

 けたたましくもむごい世界。それが僕らの現実。さてどうしたものか?
 

 

2009年12月27日日曜日

背中合わせ

 
 用事があって近所、といっても電車で少しいった先の河原へ。半年ぶりにいってみたら流路がちょいと変わって、石でうまっている場所があったり、前は歩いていけた場所が水の底。しかも、目指すものはすでに他人にごっそり根こそぎとられている始末。

 用事をすませることはとりあえず出来たのだけども、さて、収穫があるや無しや?

 と思いつつ、一仕事終えて休んでいると、背後から、ピチュー、とでも形容すればいいのか鋭い声がする。見上げるとなにやら小さな鳥が空中ではばたきながら静止中。

 ∧∧
(‥ )見事に静止してますね

    (‥ )頭が”ぴたし”という感じで動かないなあ。

 ものの見事に空中停止。体はさすがに揺れているけども頭が固定されたかのように動かない。首で微調整をしているのか”ぴたし!!”と動かない。お腹がオレンジがかった茶色で、背中や羽、頭は黒っぽく見えたので何の鳥だろうと思いつつ、やがて空中静止をやめて柵にとまったところを見てみれば、

 ∧∧
( ‥)
 -   あれはカワセミですよ

    (‥ )へー、驚いた。カワセミって
        あんなに見事に空中停止できるんだ。

 さすがに前後左右にそのままハチドリ式に自在に移動とまではいかないものの、見事な技を披露。でも肝心の餌になる魚とかは見つけられなかったらしい。水に飛び込むことは結局なかった。

 最初とまっていたのは水たまりの反対側。そちらに人が歩いてきたら飛び立ってこっちに来たのだけども。

 ∧∧ 距離3メートルばかし、なんか微妙に警戒されてませんね。
(‥ )
 -( ‥)ごりごりちまちま土を掘っている、無害なやつだと
    -  認識されたかね。

 あの人間は餌でも探しているんだろうか? とでも思われたのかもしれない。

 ともあれ、夕暮れが近づく中、カワセミはこっちにトルコ石色の小さな背中を向けて、こっちは黒いジャージの背中をカワセミに向けて、お互いに我関せずとばかりに相手を無視してそれぞれ作業。


2009年12月26日土曜日

波打ち際の出来事

 
 ひさかたぶりにいってまいりました三浦半島(神奈川県の東端にある東京湾と相模湾とをへだてる半島)。明け方は曇天だったけども、昼間には晴れて暑い暑い。地層を見ながら海岸を歩く、歩く。

 ∧∧  橋が壊れてますね
( ‥)
 -( ‥)なぜに?

 はて? 今年は関東に台風でも直撃したっけ? 海岸をいく橋の幾つかは壊れ、あるものは橋の本体がどどん!!と土台からはずれてきっちりと丸ごと横にずれている始末。嵐の直撃と波の力にしては出来過ぎな結果なのだけども、人力で動かせるわけがないし、重機を入れて動かしたにしては、しかし狭すぎる。

 ∧∧ 欄干がぽっきり折れてます
(‥ )
 -( ‥)どういうこっちゃ。

 満潮になっている時間に橋が壊れていたりといつもより意外と不便。

 途中で斜交層理が入った、というか、もはや細かすぎて「これは斜交葉理だ」と後で人に言われた模様というか構造の入った石を見つけたので持ち帰る。

 斜交層理、流れのある水底でできる構造で、地層でしばしば見られるもの。

 ∧∧
( ‥)あなたもつくづく暇人ですねえ

     (‥ )でも実物が手元にあった方が実感わかね?

 三浦半島のそこの地層は斜交層理がたくさん入っている。

 他にも幾つか興味深い地層の断面が入った石もあったが今回は持ち帰るのを断念。

 ∧∧
( ‥)次回はもっとじっくりと地層を観察し、
  -  そして採集しましょう。

     (‥ )いやもう、向きがどうなっているのか、
         どの地層がどう積み重なっているのか
         実感しないとな。

 すんげー分厚いってことは分かるのだけども、断層でどのくらい、そしてどうずれているのかとか、そういうことをさっぱり理解も実感もしていない。

     ( ‥)次ぎは場所も替えて火成岩もだ。
 ∧∧
( ‥)はあ、それはそれは


 


2009年12月24日木曜日

つまらない世界を歩く

 
 この宇宙はつまらなさが無限に累積して出来ている。

 ∧∧
( ‥)そうなの?

    (‥ )そうなんじゃないの?

 自分たちの人生を振り返ってごらんよ、つまらなさで満杯じゃあないかい?

 ∧∧
( ‥)でっ、その宇宙でどう生き延びるのかと申しますと

    ( ‥)必要な資料に目を通し、人に聞いたり、取材したり
      -□ 実際に見に行ったり。

 そういうことをしないから、例の事業仕分けになってしまうってことじゃあないのかね。おしゃれに言葉を斬ったところで現実を理解することなんかできやしない。それはただのきれいな妄言になってしまうだろう。

    (‥ )格好いいことしよう、夢を実現しよう、
        そんなきれいごとを言っているうちに足は地面から離れ、
        あらぬ場所へいっちまうってわけさ。
 ∧∧
( ‥)はあ


 まあそんなことはともかく、必要な資料に目を通している最中なのだけども、どうにも頭が限界。先日、人にインタビューしたことのかなりの部分はこれまた別の本を読めば調べがつくことでもあった(ということに昨日、気がついた)。

 ∧∧
( ‥)でも、インタビューしたからこそ、その本の内容が
    すらすら頭に入ってくるわけでしょ?

    (‥ )まあそうなんだけどさ。インタビューされる人は
        本の解説委員じゃないんだぜや。

 もしそんなことのために取材を使ったら問題だ。

 ∧∧
( ‥)でも取材という行為にはそういう効果も見越されている
    のじゃないの?

    (‥ )それはそうなんだけどさ。

 さりとてそれを主眼にするわけにはいかんでしょうよ。

 さて、今度は技術関係の資料だけでなく、科学関係というか論文も読まなければいけなさそうなのだけども、まいったもんで、このジャンルのことはほとんど分からない。

 ∧∧
( ‥)蛇紋岩
  -゜
    (— —;)いやそのくらいのことは知っているんですけどね。
      □-   それでどうこうなるようなもんじゃないがな。

 それでも目を通さねばならんでしょうよ。それ以外にこの”つまらない世界”を歩く真っ当な手段はない。

 ∧∧
( ‥)つまらない世界を歩くにはつまらない方法しかないと。

    (‥ )真っ当な手段というのはつまらなくて退屈で、
        派手でも華やかでもなく、永々と続く作業で

 でもだからこそ有効なんだとも言える。

 ∧∧
( ‥)でもさすがに少し疲れましたか。

    ( — —)ちょっと休みますね。

 

それはとても痛かった

 
 事業仕分け。仕事の合間にぽつぽつと調査中。

 ∧∧
( ‥)現状の感想は?

    ( ‥)そうねえ、調べ始めた事例だけを
      -□ 見ても思うにだね

 ぐだぐだ

 透明化した分だけ意義があるではないか、と言っている人もいるけども、いやあ、参加した人たちのことを考えるとだね、あんなことはむしろ透明化しなかった方がよかったんじゃねーの? という感想を。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )馬鹿丸出し、というと品がないのでねえ、
        何と言えばいいかねえ。

 出来もしないことを勘違いしてやっちゃったあげくに、自分は意義があることをした、えっへん!! と胸を張っている、しかも基本がぐだぐだという状況を端から見てそれを何と言えばいいかといえばだよ、、、

 ∧∧
( ‥)痛い?

    (‥ )そういう表現が一番適切かつ親切で、お上品かもね。

 そんな醜態をさらしたことを成果というのならそれも確かに成果である。

 ご本人たちが結果的に醜態をさらしていること、それもまた透明化の結果である。

 それ自体が成果だというのなら成果であり、意義と言えば意義かもしれぬ。

 しかし、”今、自分は醜態をさらしている”ということが認識出来ないとこれすらも意義になってくれない。

 さながら初めて参加したオリンピック、100メートル14.5秒で惨敗し、会場で醜態をさらしまくり、観客からの生暖かい拍手で迎えられても、記録が記録されなければ、記録を比較して”自分はまったく話にならなかった”ということが認識できなければ、後の躍進につなげることができない。

 参加しただけで僕ちゃんえらいでしょ、やったからすごいでしょ、と言っているのは参加していないことと同じ。

 
 きちんと確認はしていないけども某大物政治家のおっちゃんが、「新人議員を幾人集めたってそんなことできるわけねーじゃん」と苦言を呈したとか、そんなことがまあ一般的には言われているらしい。

 その人が本当にそんなことをいったのかどうかは知らないが、その主旨の発言があったとしたら、

 ∧∧
( ‥)彼の発言は正しい?

     ( ‥)経験的にそんなこと無理じゃんよ、
         その常識的な発言は妥当というか、真っ当というか
          当たり前であるな。

 それはつまらないかもしれないが、当たり前であって、そして真っ当だ。

 というか、この宇宙はつまらなさが累積したものではなかったか? 

 真っ当なことはえてしてつまらないものじゃあないかね。

 しかしそれを分かっていなかった人たちが得意げにやったことは、とても痛かった。

 そして基礎がぐだぐだだった。

 

 

2009年12月23日水曜日

お話はとりとめもなく

 
 一昨日は取材、昨日は某所で進化理論に関するちんまりとした講演を。

 ∧∧
( ‥)途中で科学哲学ちっくな話になっちゃいましたね

    (‥ )そーだねー

 まず、グラフってのはこうやって発見、検証、論証するんですよーという話をして、それを踏まえて進化理論の検証の話をするはずが、ちょっとごちゃごちゃとした各論の話に。

    ( ‥)むう、分岐図がデータから描かれたグラフや仮説であって
        仮説を検証するために必要であることを説明しようと
         最小二乗法とかまで話し始めたのがまずかったか。
 ∧∧
( ‥)もう、もっと簡単にダーウィンの論証を
     述べればよかったんじゃないですか?

 誤差最小に描くからこそグラフは検証できる。

 一方、創造論は誤差をいくら拡大させてもいいので、説明能力それ自身はあるのだが、説明の質が悪い(オレ様理論屋と同じ)。

 ∧∧
( ‥)というか、19世紀になって創造論よりも
    説明の質が高い進化理論が現れたことで
    創造論は凋落したと言えばよかったのでは?

     (‥ )オーウェンとダーウィンを対比させた資料も
         事実として作ったいたわけだしなあ、

 検証にはグラフが必要で、分岐学とはその手の質の良いグラフを発見する方法だとか、各論に脱線し始めたところで、まとめる時間と機会を逸した。
 
 
    ( ‥)後、進化は分岐であって、半順序って呼ばれるもんですよ、
       僕らはついつい順序で考えちゃって進化理論を
       誤解しますけどねーとか
       そういう話をするべきだったなあ。
 ∧∧
( ‥)進化と退化は対義語なのか? って質問が出てましたからね。

 この手の受け取り方が世間的には当たり前だってことは当然知っているけども、うかつにもそれを失念していたのは問題。こういうところから説明しなくちゃいかんよねえ。

 ∧∧
( ‥)進化を半順序ととらえるのか、
    順序ととらえるのかって、ダーウィンさんと
    グラント先生を対比させればよいのでは?

     (‥ )それとオーウェン VS グラント、
         オーウェン VS ダーウィンという構図を
          からめて説明することができるかもね。

 グラント先生。ダーウィンの元恩師。話によると過激な社会思想と”進化は発展するものだ”という発想に取り付かれていたせいか、原始的な哺乳類の顎を、これは中生代の地層から出たのだから爬虫類に違いないっぺや、と強行に主張してしまい、そこをオーウェンに突かれて科学の世界から事実上失脚。


2009年12月21日月曜日

参加の意義が有意義に

 
 参加することに意義がある。

  
    (‥ )参加の意義が有意義になるには
        どうすれば良いかね?
 ∧∧
( ‥)は? オリンピックの話ですか?

 例えば参加することに意義があるとしたら、例えばとにかくこれから初めて参入するのだ、という最初のステップであるという場合もあるだろう、

    (‥ )そういう参加でもどうすれば未来に
        つなげることができるだろうか?
 ∧∧
( ‥)ビリになったら、というか確実にビリでしょうけどね
    参加した時のノウハウとか、経験とか空気とか
    そして成績を持ち帰ることでしょ?

 記録を持ち帰り、それを解析し、検討し、では次回により上を目指すにはどうすればいいかとプランを練る必要がある。

    (‥ )つまりある基準があるから未来につなげられる
        わけだろ?
 ∧∧
( ‥)そりゃあそうでしょ。いきました、でもそこでは
    何の競技も行われていなくて、誰も評価されない、
     もしそうなら何も得るものがないですよね?

 何らかの基準があるから、それもスピードで1位とか高さで1位とか、得点で1位とかそういう客観的な基準があるから評価できるし、そしてかつまた未来へ向けて検討できる。

 では問題。行政刷新会議だの事業仕分けだのって、じゃあどういう基準で意義を計るわけ?

 ∧∧
( ‥)削った金額でしょ?

     (‥ )そうかもしれんがさ、仮にそうだとして
         何を削って、そして何を失って、何を得たか
         それが問題になるんじゃねーのかい。
          現実世界ってそういうもんだろ?

 やったこと自体が意義ありという人もいるけども、そんなものはたわ言だ。それではオリンピックにただ見に行ったのか、あるいは競技に参加したのか、その競技でどんな点をとったのかがまるで見えてこないのと同じだ、おんなじ。

     ( ‥)それは未来につながらない。
 ∧∧
( ‥)まあ、意義があるから有意義なのだとか
    そんなトートロジーちっくな言い方でしか
    ないのかもしれませんね。

 だがそれは意義のある説明ではない。それではただの思い込みと識別できない。


2009年12月19日土曜日

そうね、給料って高いのよ

 
 昨日は某所で忘年会だった。とはいえ300人もいるので

 ∧∧
(‥ )ホストの方以外、どなたも知らない人
   ばかりですね・・・

     ( ‥)でっ、こっちは会場の隅に拠点を構え
       -□ 食い物、飲み物を集めておいてから
         本を読むって寸法よ。

 豆腐料理が一番うまかったな。

 ∧∧
( ‥)....つくづく愛想のない人ですねえ

     (‥ )いやだって、この本、なかなか面白いよ
       -□

 認知科学の本で「心のシミュレーション」というもの。原題は[The Computer and The Mind]。

 ∧∧
( ‥)ああ、またぞろ「オレ様理論屋さん」の脳活動を
    解明しようって魂胆ですね。

     ( ‥)直接問題に切り込むのもありかもしれないが、
       -□ まずはその前に基礎を固めよう/認知科学の
         本にまずは目を通そうってことさ。

 というか面白いから買った。

 そういえば昨日、古本屋にいったら「オレ様物理科学者(自称)」が書いた/自費出版したっぽい、古い本を見つけた。買わなかったけどもご本人が言うには著名な物理学者に論文(自称)を送りつけたらしい。文章にとりとめが無く、端々にカタカナ(例えばイメージとして言うと「...ということにナルのである!!」という感じ)を無意味にいれるところはどっかの誰かさんを思い出す。自己紹介の経歴が無駄に長いこと、妙に自己愛が強いらしいこともまた同様。ここを見た人の中には、ああ、あいつがそうだったよな、と思い当たる人もいるかもしれぬ。分野が全然違うけども、過去に何人も何人もああいう”彼ら”が繰り返し出現したことがうかがえる。

 さてはて

 先日、あることで分からなくなったのでその会社のコールセンターに電話したら、奇妙に機械音声なオペレーターが出てきた。文章につかう、「それでは」、とか、「ということになりまして」、というような単語の使い方、使う単語の種類、文章の構成が異様に一律。

    ( ‥)うえ?? もしかして機械? ついに機械の
        音声認識と対応がここまで進んだのか??
        と思ったくらいで。
 ∧∧
( ‥)そんなわけないでしょ。

 こっちの言うことも今ひとつよく理解できないっぽい。いらいらしたけども、でも、さすがに途中で気がついた。

 ∧∧
( ‥)あなた、口調が”疑心暗鬼”なものから途中で急に
    愛想の良いものに変わりましたよね。

    (‥ )いや、さすがに状況を理解したので・・・・

 後で、コールセンターのそのオペレーターの支持にしたがって手続きをしている最中に、その企業の人間と直に連絡をとる機会があったのだけども、そこで試しに聞いてみたら案の定。

 ∧∧
( ‥)そういうオペレーターの業務は海外委託
   だそうですねえ。

    (‥ )受け答えが奇妙に一律で、こちらの言うことの把握と理解が
        ちょっと不完全。自動機械にしてはあまりに高度すぎるし、
        ネイティブスピーカーにしてはラフな日本語を
        把握しきれていない。

 海外への業務委託。そうだよなあ、そうするしかないんだ、その会社自体、以前よりもはるかに人間がかかわる業務を自動化で縮小しているらしい。そして自動化で減らすだけでなく海外委託。アメリカの企業が顧客からの問い合わせを英語が話せるインドの会社に委託するように、先日聞いた、経理も中国などへ委託している企業が多いというように。海外委託!!

    ( ‥)僕らの給料がいかに高いのかってことだよな。
 ∧∧
( ‥)給料をもらっている立場だと人は文句ばかりいいますけども、
    会社にしてみたら人間が一番高いですからね。

 僕ちゃんの雇用は守れと大声上げるのはいいけども、自分たちはたいしたスキルがなく、今や海外に無数のライバルが出現しているこの状況。そうねえ、給料ってもらっている分には文句たらたら皆は言うけど、絶対的にはとんでもなく高いんよ。

    (‥ )世の中の人はどうするのかねえ?
 ∧∧
( ‥)しがみつくんじゃないですか?

 でっ、そのしわ寄せは新規採用にいくんですかね。

 ∧∧
( ‥)それにしても相手が海外の人間だろうと
    気づいた瞬間に愛想がよくなるとは・・・

     ( ‥)スキルをもったエリートにはそれなりに
         敬意を払うべきさね。

 例えこっちよりも人件費が安くても、外国語がしゃべれるようになったということの背景に対しては、少なくとも敬意を払わねばならぬ。




2009年12月17日木曜日

間抜け論

 
 間抜けを無限に累積させるとそれは日常になる。

 我々の常日頃おこなっていることを思い出す。それは間抜けの連続で、そしてしかしそこから日常が作られる。

 おう、ならば!!


    (‥ )ここで、気がつきました。日常、普遍な間抜けな動作を
    -    観察し、それを延長して考えればですよ
         この世の森羅万象、そのすべてが分かるのです!!
 ∧∧
( ‥)この世のすべてはともかく、、、人間のことは
    それが正しければ分かることになるんでしょうね。

 かつてチャールズ・ライエルは日常観察できるごくごく小さなことの積み重ねが過去においても同様に起きたと仮定し、そして長大な時間があればその累積だけで多くの事柄が説明できることを示した。すなわち斉一説。


    (‥ )これに対して間抜け説!! どーよ???
 ∧∧
( ‥)はあ、また間抜けな呼称ですねえ。

 HPさえちゃんと読んでいないこともろバレな、間違いのある資料を配布されて判断し、オレのやったことは意義があるからこれはいいことだったのだと成果をとうとうと述べるが、意義の結果には目を向けない。その理由たるや、説明責任は官僚にあるから僕ちゃん関係ないときたもんだ。間違いのある資料と提言をざっと見て言って、それが成果だ、悪いのは相手のせいだとさ。すごいよねえ。

    ( ‥)まさしく間抜け。
 ∧∧
( ‥)なんといいますか、でもそれの累積が
    確かに結果を生み出すのでしょうね。

 調べろ、調べろ、ネットでもいいから一応調べろ、クロスチェックしろ、さもなきゃ人に聞け、人間なんざしょせんはただの猿なんだ。自分は頭がいいと思ってないで聞けすぐに。

 しかし僕らは思い返せばそんなことはしていない。

 事実、何もかも、なんでもかんでもなんとなーく鵜呑みじゃないかいね。

 日常、常日頃、自分たち自身の間抜けさ加減を思い出してみよう。そしてそれが累積したらどうなるか?


    (‥ )これぞ大宇宙の神秘を解く理論
 ∧∧
( ‥)いやな理論ですねえ.....




 

2009年12月16日水曜日

意義とやらが幾らになりますか?

 
 事業仕分け。これには意義がある!! とまあ、そういう風に言う人が幾人もいるみたいだけども。

 意義ねえ。でっ、その意義がとやらが結果の妥当性をどう保証してくれるというのかね?
 
 ∧∧
( ‥)保証してくれませんか

     (‥ )意義と結果の妥当性にどんな因果関係があるかね?
         それを示せって言われても無理だぞ。
         意義は信念だ、信念が妥当性を示してくれるかね?

 妥当性は意義などという言葉以外のもので示さねばならん。

 ∧∧
( ‥)あなたはこういう事柄に否定的ですよねえ。

     ( ‥)こういう意義がある本を書かせてくれないか、
         そういっても誰も動かないからな。

 意義って言葉だけで商売できると思っているのなら、そういう連中は宗教家かマルチ商法でもやってればいい、ああ、ジャーナリストって手もあるわいな。

 ∧∧
( ‥)でもあれでしょ、科学のこの研究にどんな意義がありますか
    お金を投資する意味がありますか? ってその手の人は
    よく問いますよね。

     (‥ )笑っちゃうだろ。

 相手に意義だけでなく、さらに見返りを強制するのに、自分は意義だけで見返りを示さない。

 ∧∧
( ‥)まあ、彼らにしてみればこうでしょうね。
    投資を引き上げればそれだけ”見返り”が返ってくると

     (‥ )だから未来の見返りを平気で否定するんだろ?

 ようするに未来を売って現在を買ったのさね。事実、教育の無償化、子育てを支援しよう、それは今でしかないんだよな。

 ∧∧
( ‥)子育ては子孫につながるでしょ?

     (‥ )いや、つながらんな。

 子育ては”ある期間”でしかない。ある時期をいくら累積させてもそれは未来になんかなりゃせんよ。

 今をいくらよくしても、未来を売ったのであれば、ではその子供たちの就職、つまり未来はどうなるんだい?

 ∧∧
( ‥)子供を塾や専門学校に行かせない代わりに

     (‥ )今日の食卓を豊かにして、低賃金労働者に
         なれってさ。

 刹那主義者ってやつらは好きになれんし、好き嫌いうんぬん以前に信用ならん。

 

 
 

間抜けが無限に累積すればそれは日常

 
 まあ検索をかければ官僚が馬鹿だ、省庁は腐敗している、政治家はキチ○○、選挙民は愚民、ジャーナリズムはゴミ(うん、確かにゴミだ)などなど

 ∧∧
(‥ )陰謀論もありますね
\-
    (‥ )まあそりゃあそうなんだけどさ。

 そりゃあさ、あいつうっとーしーからスキャンダルがないかどうか探そうよ、うわっ、あった。政治家として駄目だよねー、何見落としているんだかねー、とか、そういうことはそりゃあるだろうし、

 ∧∧
( ‥)友達の彼女を盗っちゃったーとか
    恋敵の彼女の悪口を流したりとか

    (‥ )というのと同じレベルでね、
        そりゃあね、するに違いありませんよ。

 というかこんな足の引っ張り合いを何万年もしてきた猿が我々人類でありまして、だから陰謀は絶えず、自動的に陰謀論も絶えたためしがないのだけども、それを言う以前に

 ∧∧
(‥ )見れば、なんでもかんでも陰謀論というか
\-   なんでもかんでも人のせいですね

    (‥ )まあそりゃあ人のせいにはなるんだろうけどさ。

 人間社会で起きていることだ。一応、社会的に起きる現象はそりゃあなにかしら人のせいにはなるわいな。何もしなければ何もしなかったことが罪として問われることになる。

 ∧∧
( ‥)こういう陰謀論、というか”お前らが悪いに違いないんだ論”は
    何がいけないのかと言いますと
 
    (‥ )何ひとつとして具体的じゃないってことだな。

 子供が悪さした、じゃあそれは文科省のせい。

 財政が破綻している。じゃあそれは財務省のせい

 なにもかもうまくいかない。それは総務省のせい

    ( ‥)以上の主語を野党のせい、与党のせい、官僚のせい
        戦後教育のせい、マルクス主義のせい、アメリカのせい
        その他もろもろ以下うんぬん
 ∧∧
( ‥).....まあ、そのなんだ。あれですよね、
   事象に影響を与えうるものは全部、列挙してみました
   ってやつですね。

 さすがに赤道ギニアがいけないんだとか、アンドラのせいだとかそんなことを言う人はいないけども。

 具体性がけたたましいくらいに無い。

 ∧∧
( ‥)なんでですかね?
    具体性がないのになぜ語るの?

     (‥ )楽だからじゃねーかー?

 結果の原因を探る、因果関係を明らかにする、ある特定の事象に影響を与えうる無数の事柄の中から最も影響を及ぼしたものを発見する、そのメカニズムを明らかにする、あるいはその推論を妥当に行う。

 ∧∧
( ‥)それはそれは

     ( ‥)難しいんだ、これが。

 そして思う。永田町VS霞ヶ関。そういう風に阿呆みたいに簡単な対立軸で物事を切るのも。官僚がいけないんだーとか言うのもそれはそれは楽に違いない。責任だってそりゃあある立場には違いないし、無いわけないわいなあ、しかしだよ、

 ∧∧
( ‥)でもそれは実際にはそんな単純なもんではないと

     (‥ )というか事態はもっと阿呆なんだと思う。

 陰謀論だの、お前らが悪いに違いないとか言う前に、まずは自分たちを見てごらんよ、

     (‥ )俺たち、古今東西、老若男女、サラリーマンも
         主婦も漫画家も官僚も小説家もアイドルも
          政治家もどっかの教授もみんな阿呆っぽくね?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、その、なんだ、お猿さんだとは
    思いますよ。

 名誉教授は不名誉教授と申しましてね、陰謀論よりも以前にだ、そもそも我々人類が阿呆だから、阿呆が無数に累積すれば阿呆で間抜けなことが不断に起きると考えた方が現実的じゃあないかね。

 ∧∧
( ‥)はあ、それで?

     ( ‥)今回の事業仕分けもなあ、

 あれは関わった人間が一人残らず(とまではいかなくても、ざっと言えばほとんど全員が)間抜けだからあんなことになったんじゃないのかい

 ∧∧
( ‥)そうなの?

     (‥ )いくら官僚が”頭が良くたって”、勘違いとかあるだろ?

 見てごらんよ、思い出してみればいいじゃないか、事実として僕らの日常はただただひたすら、一心不乱に間抜けの累積ではなかったか?

 ∧∧
( ‥)はあ、だから間抜けだと?

     (‥ )すごくシンプルな答えじゃね?
         いやそれだけじゃだめだから
         調べているんだけどさ。

 陰謀論とかあいつらが悪いとか、お利口さんはすぐそんなことを考えてみんな他人のせいにしちまう。

 だけども現実ってのはもっと間抜けで、だからとんでもなく残酷じゃあないのかね。


 

 

2009年12月15日火曜日

ぽろりもあったよ

 
 昨晩はふたご座流星群の極大だったので見に行った。

 ∧∧
(‥ )なんか雲が出てきました

     (‥ )あら残念。

 それでもエリダヌス座をかすめるように、ぽろっ、とえらく明るい流星が1つ。時刻は11時10分ぐらい。奇妙に動きが遅く、ひゅか、と流れるのではなくて、ぽろっ、とこぼれるように流れる。他のどの星よりも明るい。極大時の金星と同じくらい明るく、それでいて色は白く鋭い緑。

 ∧∧
( ‥)後は暗いのが1つだけでしたね

     (‥ )見れただけでも良しとしよう。

 さすがに寒いので30分あまりが限界。

 

2009年12月14日月曜日

ジャーナリストっていいなあ

 
 下調べを始めたら、どうも事態は想像以上に間抜けで、しかしそれゆえに深刻らしい。

 ∧∧
( ‥)まあ、問題を引き起こした発端の人々の立場も
  -□
     ( ‥)当然と言えば当然なんだけどね。

 いきなり何も知らないでレジに入ったら、そりゃあそのバイトは打ち間違いしまくるわさ。

 問題があるとしたら、等の本人が自分が打ち間違いをしていると気づいていないことと、そればかりかオレ様は仕事しているじゃんと得意満面で、前からレジ打ちをしていた人たちをリストラしろと要求し始めたことで、周囲の人たちが頭を抱えている

 という感じ?

 ∧∧
( ‥)あるいはこんな私でもコンサルタント業ができますと、

     (‥ )鼻息粗く会社に乗り込んだが
         実は経理のけの字も分からん状態で
         でも本人は得意満面という状況....

 かな?

 帰り際、永田町VS霞ヶ関というキャッチコピーを見た。

 そして思う。ジャーナリズムってやつは楽と言えば楽なんだ。今年はこの切り口で調理すれば流行の最先端さ、そうと決まれば、ただただ原稿を生産できる。

 ∧∧
( ‥)でもそれでは妥当性は保証されないでしょ?

     ( ‥)問題が起きなきゃいいのさ。


 ジャーナリズムと発掘あるある大事典の相違点はなに?

 露骨な捏造があるかないか


 共通点はなに?

 実害が(すぐには)表に出てこない



 

しかし思うに

 
 さて、終わりなきファンタジー。踏まえて思うに、


     (‥ )こりゃあ世間の雇用のことも
         ある程度調べるべきなんだろうかね?
 ∧∧
( ‥)はあ、なぜに?

 過去における相対的な低賃金というスキルだけを武器に就職したのに今もって会社にしがみつく人間がうじゃうじゃいる一方で、会社の経営は傾き、企業は是正策をろくすっぽ取ることも出来ず、就職のためにはスキルアップを余儀なくされる人々がまじめに専門学校などへ通う一方では、僕ちゃんの雇用をまもれーとなーんのスキルもない人間が月給20万、社宅暮らしでお金がないよーと叫び、それを高給取りのNHKがワーキングプアだー、プアだーとがなりたて、1位でなくても問題ないぴょんと科学技術の予算を削れば未来は高校の無償化バラ色だと政治家が言い立てる。

     (‥ )なんか色々な意味で馬鹿っぽくね?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ。

 まあみなさんそれぞれ立場があるってのは、それはまあこちらもそうですから各々色々なことをおっしゃられるのも分かるのでございますが、なにか頭の中にある”経済や雇用のモデル”の妥当性は大丈夫なのかと。


 

終わりなきファンタジー

 
 昨日、聞いた話。今や企業の経理は中国などへの外注。日本人で経理というと例えば”ビールの経理”とかのように特化していないと採用してもらえない。

 ∧∧
( ‥)まじですか?

     (‥ )まあそういう話だったな。

 そりゃあ自前の経理でちまちましている会社もあれば、それこそ自分で経理している個人営業もあるだろうし、しかし経理のような事務作業でさえ人件費がかかりすぎるので人件費の安い国に外注するとか、あるいはパートタイマーを雇うとか、そういう話は確かに前から聞いたことがある。

 ∧∧
( ‥)むう・・・・となれば”ビールの経理”のように
    特化したスキルの持ち主でないと雇ってくれない
    というのは

     (‥ )確かに必然の結論であるし、その情報に
         矛盾はないよな。

 日本がそれこそ破竹の勢いで成長を続けた時、日本に学べと、そういう本が諸外国で幾つも出されたけども、考えても見ればあんなものは全部たわ言で

 ∧∧
( ‥)単に先進諸国にくらべて人件費が安いから
    それだけですよねえ。

     (‥ )まあ、ちょっとや少しはまじめな労働者って
         側面もあるんだろうけどさ。

 ともあれ、ことこうなってしまえば、今度は立場が逆になって日本も人件費の安い国へ外注せざるをえないわけで、そうなってしまえば、”人件費が安かったので馬鹿でもまじめに働けば生活できるだけでなく、右肩上がりに賃金が多くなりました”という構図は成り立たない。というか成り立つわけがない。

     ( ‥)ましてや”特別なスキル無しのまま低賃金時代に
         就職した社員”は
         法律によって保護されているから。。。。
 ∧∧
( ‥)若い社員、若い労働者にしわよせがくることになりますね。

 リストラは起きるし、正式な雇用は躊躇されるし、パートタイムとかそういう臨時雇用も多くなるだろうし、その一方で”特別なスキル無しのまま低賃金時代に就職した社員”はその座を決してゆずらず、図体だけでかいしょもない会社は赤字に喘いでる。

 ∧∧
(‥ )某業界の1、2位の大企業が赤字です
\-
     (‥ )あんだけ売り上げあるのになあ、
         たぶん、無駄に人間を”飼い過ぎ”なんだよ。

 でっ、思う。どっかの人たちがいっている高校の無償化って、それ意味なくね? 


 ∧∧
( ‥)役にも立たない授業を無料化するだけ?

      (‥ )それだけでは付加価値にならない授業を
          無料化するだけ、というべき?

 その一方で、高度なスキルを利用する科学技術の予算は削ろうだとさ。頭の中身がケーキか何かでできているんだろう。あるいは

      ( ‥)まあ、政治家やジャーナリストはバーチャル世界の
          住人だろうから、彼らは彼らであれでいいかもね
 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか?

 ジャーナリストってのは情報を右から左へ動かす連中だ。良く言えばスーパーのような小売業。あちこちからものを仕入れて、それを店頭販売する。

 良く言えば料理店。材料を仕入れてきて、それを加工して販売する。

 ∧∧
( ‥)それはそれで大変なスキルですよね?

      (‥ )誤字脱字を無くし、ちゃんと裏を取り、
          最終チェックの局面では、”この数値おかしくね?”
          というようにロジカルに頭を働かせて目を通す。

 それらはそれらでまったく高度なスキルなんだが、いかんせん、情報の解釈/加工における局面がよろしくない。極端なことを言えば情報加工のやり方において”○○になったのは△△のせいだ”という紋切り型を”発明”し、ただただそれにそって記事を大量生産すればいいってこともあるし、事実、それが可能。


      (‥ )例えば今の日本が不況なのは小泉改革のせいだ、
          そう言えばいいとかね。
 ∧∧
( ‥)単にアメリカの住宅バブルがはじけただけですよね。

 だけどもマスメディアとかジャーナリズムにとっては”記事を効率的に生産すること”が大事なんであって、別に妥当性や検証可能性とかが大事なんではない。彼らは活字というバーチャル世界の住人で、3次元の世界を理解(するのに必要な適切な解析手段はどれであるのかを検討)しようとか、そんなことをする必要がない。

 言ってしまえばこう。まずいものや腐ったものを売ったらスーパーと料理店は死活問題になるが、ジャーナリズムはそうではない。

      ( ‥)人畜無害な紋切り型を発明すればそれでいいのさ。
 ∧∧
( ‥)はあそんなもんですか。

 でっ、そういう言葉を採用して選挙に勝つのが政治家。無駄をなくしてお金ばらまこうとかってそりゃあねえ、それは彼らにしてみたらそうだろうねえ。

      (‥ )彼らはゲーム世界の住人なんだ。
 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね。

 でっ、経理のスキルを手に入れようといろいろやっている人はリアルワールドの住人。

 

 

2009年12月13日日曜日

論理を都合良く使う

 
 仕事がまだ残っているのに、またもや別件に手を出していたり。

 ∧∧
( ‥)さりとてこれをやらないわけにはいかないですよね

     ( ‥)そーなんだよなー

 資料を作成したのでそれに目を通さねば。

 さて

 先日、見た記事。カレイやヒラメは体の片方に両目がある。ようするに片方の側の目が成長の過程でよいしょと移動して体の右側面/あるいは左側面だけに目がある状態になる。これを見ると反進化論者というか、斉一的な、あるいはダーウィン流の漸進的な説明を好まない人はすぐ

 なんか特別なことがあったに違いないずら

と考える。

 というか、なんかこの問題解くのが(僕には)難しそう・・・そうか、だったらなんかすっげーことが起こったに違いないずらよ、と

 ∧∧
( ‥)とっ、まあすっごい解法にとびつくと。

     (‥ )これ、裏を返すと、オレ様に解けない問題は
         摩訶不思議な解法しかないに違いない
         そういうなんとも自信過剰な
         意見の表明でもあるんだけどね。

 漸進的に目が動いたっていいだろうし、実際、カレイとかの幼生はじょじょに動くわけだし、そもそも

    ( ‥)そもそもカレイとかの頭骨って基本的に
        普通の魚なんだよな。
 ∧∧
( ‥)目の入る位置の骨が
    ひんまがっているだけなんですよね。

 まあさすがに体の本来の左右が生態的には上下になっているのでそのあたりの違いもあるし(下になる顎と上になる顎とでは大きさや歯の形に違いがあったりする)、骨の編成が一部とは言えども変化しているわけだからさすがにもろもろの骨同士が関節する位置とかのずれを補正するような構造になっていた(と思う)けど。

 ∧∧
(‥ )?でもカレイとかの一番ひんまがっている部分って
 ゜-  目を支えるフレームのような部分ですよね?

     (‥ )そんな大規模な変化には見えないんだよなあ。
 
 確かに珍妙な魚には違いないけども、だからといってそういう小さな変化の累積をすっとばして説明しちゃうような大突然変異とか神様とかインテリジェンスな存在とかを導入する必要なんかあるのかね? と思っていたら、まあ案の定(というか当たり前なんだけども)、中間的な化石が出てくるわけでして。

 ∧∧
( ‥)なんか特別なことがあったに違いないずら、
    普通では解決できないっぺや、そう言い切っちゃうのは
    問題ですよねえ。

     (‥ )たった一個の(反証的な)証拠で
         破壊されちゃうからな。

 ありえないだの言い切るから一個の証拠で撃破されちゃうんだよ。

 ここまではすでに聞いていた話で、ここから先が最近聞いたこと。こんな状況になってもインテリジェント・デザイン説の人とかはあきらめない。例えば、まだまだ証拠が足りないとか、いやこの問題よりももっと大きな問題があるのだと言い立てているのだそうな。

 ∧∧
( ‥)おかしなもんですね。ありえないってのは
    例えばID論以外のすべての解決策は間違っているという
    意見の表明でしょ? それは論理的な証明に近いですよね?

     (‥ )というかご本人たちは証明した気取りなんだろ?
         しかしだからこそたったひとつの反例で論理は崩壊する
         はずなんだけどね。

 あり得ないと自信満々に言い立てていたのに、しかしだからこそそれは一個の反証で破壊されてしまう。だがそれを無視して、今度は証拠が足りないという。

 まあ確かに実はこれはある意味では正しい。なぜかというと証拠を積み上げることで論証することは帰納法なんだから論理ではない(演繹=論理という意味では帰納法≠演繹なのだから帰納法はこの意味では論理的ではない)。だから証拠をいくら積み上げたって、そんなことは論理的には僕らは認めませんよ認められませんよ、ということは演繹至上主義的には正しい。

 ∧∧
( ‥)だけどそのくせ、一個の証拠で論理的に
   ”ありえない”が反証され、破壊されたことには
    目をつぶるんですか?

     (‥ )あの手の人の論法って2枚舌うんぬんもさることながら
         論理を都合良く使っているんだよな。

 反証1つで論理は破壊されてしまうという論理の性質は無視するくせに、証拠を積み重ねることで論証することは論理的ではないということだけはどういうわけか分かっていて、それをただただ言い立てる。

 


一皮むけば

 
 最近は本を書いたり、訳の監修をするはめになったり、それらの補完も兼ねてそろそろHPの古くなったコンテンツをちょこちょこと新しくしようと思ったり。

 でっ、ウミウの頭骨とプラテオサウルス(比較的初期に現れた恐竜)の頭骨レプリカとオオトカゲの頭骨をぼんやり見比べて思う。

    ( ‥)鳥って普通に爬虫類だよなあ。
      -○
 ∧∧
( ‥)まあ、そうかもしれませんね。

 カメの頭骨とヘビ(派生的なガラガラヘビ)の頭骨も持っているけども、それにくらべたら鳥の頭骨は融合が進んでいるとはいえ、ずいぶんと保守的かもしれない、というか実際に保守的だよね、これ。反対にカメもヘビも何か狂ったようにおかしな頭になっている。

 絶滅種でいうと、例えば首長竜の頭骨なんかはものすごく変。下側頭窓が開いた鱗竜類の系譜ですと言われれば、ああ、なるほどとも思うけども、なかなか理解に苦しみますのですよ、あの珍妙な頭は。

 鳥は昼間でも空と地上を行ったり来たりするせいか、分布も広くて普遍的にあっちゃこっちゃいにいて、大きさも手頃なせいなのか、同じ飛行動物のコウモリよりもはるかにポピュラーな食用動物。そういえば聞いた話ではセキセイインコはオーストラリアのネイティブの皆様にとっては、かつて食用だったのだそうな。

 ∧∧
( ‥)セキセイインコって見た目はあんまり
    食用っぽくないですけどね。

     (‥ )色が妙に派手だしな。

 ともあれ、群れが地上に降りたところで棒だかなんだかを投げ、ぱこーんと当たってぐったりした奴をそのまま火にくべ、羽毛を焼き、内臓を抜いてからばりばり食べたとかなんとか。

 ∧∧
( ‥)また豪快な。

     (‥ )日本人もスズメの丸焼き、チュンチュン焼きに
         してまるかじりするからな。同じっちゃ同じだね。

 ただあっちはセキセイインコってだけな話で。

 ともあれ、ポピュラーな食用動物。それが鳥が爬虫類と呼称される系統群の中で特別枠扱いである原因、たぶん。

 ∧∧
( ‥)しかも歯もなく、羽毛を持ち、空を飛ぶという
    その独自性。

     (‥ )そのうえ、視覚に依存した動物だから
         しばしば色鮮やかで、時に声も美しい。

 だからこその特別枠で、だからこそ認識された分類群なんだろうけども

     ( ‥)一皮むけばただの爬虫類
       -○
 ∧∧
( ‥)ですねえ。

 これが爬虫類でないのなら、クジラは哺乳類じゃないよな。

 

 

2009年12月12日土曜日

検証出来る型式で説明を試みよう

 
 性淘汰というとシカの角とかクジャクの尻尾とかそういう事例があるんだけども、それこそどこぞのオレ様鳥進化論者さんたちが跋扈する掲示板では、そういう形質は一種の病気というか病的なものだー、とかそういう意見が出ていたことを思い出す。

 ∧∧
( ‥)昔、はやった定向進化論ってやつですね。

     (‥ )種に寿命があって、種が衰亡すると異常な
         デコレーションが発達するとかな。

 昔はやったというよりも、ダーウィン以前からあって、ダーウィン以後になってもどういうわけか生き残り、さらにはマルクス主義と親和性がよかったせいか、マルクス主義と合体したような姿になって一世代前ぐらいまで生き残っていた。あの掲示板を覗くとタイムスリップしたようなめまいを覚えるのだけども。

     ( ‥)ともあれ、定向進化論とかマルクス主義がふつーの発想で
         人間的に親和性があるからくっついたり、それと関係なく
         何度もリバイバルするんだろうけどもね。

 ∧∧
( ‥)一定方向に進化するってのが人間的な発想だと?


 というか、Aがこうだった、Bがこうだった、だからそういう法則があるのだろう、という所まではまっとうな推論なのだけども、一定方向に進化するずら、とか、病的にでっかいから病気でしょ? という説明になってない説明をチョイスしちゃうのがまっとうではないけども人間らしいっぽい。

 例えばテタヌーラの分類階級は下目で前足の指が3本の肉食恐竜であると定義できる、と嘘八百を人に教えるとどういうわけか相手がそれを真に受けるようなもん。定義が嘘うんぬん以前に、こんな言葉に意味はない。ないけども知った気にはなれる。説明それ自体が本当に有効な説明であるかどうか以前に、その説明を聞いて知った気になれるかどうかがむしろ問題で、知った気になれればそれで相手は信用するらしい。

 一定方向に進化するように見える(現在の生物を見ると生物には無数の変異があるのに、ある変異だけがチョイスされてそれだけが累積する)のはなぜなのか? と問うている時に、一定方向に進化するんでしょ? では説明になっていない。あるいは現在の生物を見ていない。でもなんか人間はこういういい加減な説明をされても分かった気にはなるらしい。あるいは安心できるから取りあえず鵜呑み?

 ∧∧
( ‥)まあ、分かってはいることに
    なるんでしょうけどね。

      (‥ )これはこれこれだ。そう説明文をつければ
          その説明文では応用がまるで効かないとしても
          ”分かったことにはなる”からなあ。

 例えばシカの角は性淘汰なんかじゃなくて、あんな異常な形質は病的に見えるから病気でしょ、これもまた説明になっていない。病気だとしてもなぜその種族が一様にその状態なのかが問題になるのであって、一定になっているから一定になる傾向があったのだ、というのでは説明とは言わない。

 なぜ病的な状態がはやったのか、そのプロセスを説明して検証できるような型式にしなければいけない。そういう型式にしてそして検証して初めてまっとうな意味で理解したと言うことができる。

 ∧∧
( ‥)確かに病気でしょ?という説明でも”分かる”という意味では
    説明になっているんですけどね。

      (‥ )でも、病気に見えるから病気でしょ? ふーん、じゃあ
          その仮説を君はどう検証するんだね? と
          言われたら困るだろうな。

 病原菌でも探すかね? てきとーな説明で分かった気になるのはいいのだが、てきとーな説明だから検証する時に困ることになる。

 ∧∧
(‥ )ダーウィンさんは長い間変化しない種族と系統を示して
 □-  定向進化を否定したんですよね。

     (‥ )種族を発展させる力なんてそんなの
         あるわけないってね。

 もちろん、定向進化論も進化しない生物の存在を説明できる。その生物は活力を失ったのだ、そう言えば良い。だけどもそれは

”長い時間変化していない”


”活力がないので変化していないのである”

と言い換えただけで、説明とは言いがたい。せめて変化しない種族はミディ・クロリアンが減少しているはずだからミディ・クロリアンをさがそー、とかてきとーなメカニズムを言えば自説を検証すると意気込む点ではなんぼかましになるかもしれない、先行き真っ暗だろうけども。

 ∧∧
( ‥)生物おのおのの進化の速度というか
    変化の速度が違うのは。

     (‥ )種族を取り巻く環境や生存競争相手が違うからだ、
         というのがダーウィンの説明なんだけども。

 これなら検証できるし、性淘汰も検証できるし、事実として検証されてきたわけで。

 
     ( ‥)説明って実際にちゃんと検証可能な
         型式にするべきだよな。
 ∧∧
( ‥)まあそうでしょうね。
         
 そして思う。性淘汰も自然淘汰も進化学も系統解析も科学哲学も知らないで、例えば鳥の進化をうんぬん論ずるってのは、そうねえ、小説家のように仮説を生産して楽しむ分にはいいけども、科学とは現実を操作するほど応用が効くものだという観点からすると、さてはて、正当化できるとは言いがたい。科学はSFでもなければ小説でもないよねえ。

 

毛のないクマさん

 
 ナショジオのサイトをのぞいたらドイツの動物園にいるメガネグマのドロレスくんの毛が抜け落ちるという珍事がご紹介。後頭部以外の体毛をほぼ失ったその姿たるや、元の愉快な姿をしたメガネグマとは似ても似つかない珍妙な動物。

 でもどっかで見たことのあるような。イヌとクマの間の子のような、あるいはまるでおっさんが四つん這いになって、ものすごい出来がいいようでいて、おかしな具合になっているゴリラのかぶり物をしているような、、、、、

 ∧∧
( ‥)っていうか、体毛の抜け落ちた中型の哺乳類というと
    あなたたち”人間”でしょ?

      (‥ )おっさんに見えるのはそのせいか。

 目よりも後ろ、後頭部ともみあげにあたりそうな側頭部の体毛が残っているので顔面が裸になっている霊長類のようにも見えるし、というか妙におっさんくさい。筋肉のつきかたも足の構造も人類と同様、べた足なせいか、きみょーに人間。

 ∧∧
( ‥)というか、そういう原始的なつくりが
  - くまさんと人間で共通だってことですよね
     僕らネコはもっと派生的だからあまり似てませんよね?

      (‥ )ネコやイヌは中足骨がながーく伸びているからなあ。

 それにしても体毛を失ったとたんにクマがおっさんくさく見えるというのは、まあ以上のようなこともあることながら、やはり人間が”体毛を失った哺乳類”であるからで。

 ∧∧
( ‥)あなたたちはずいぶんとおかしな哺乳類ですよ。

      (‥ )なんでこんなことになったんだろうねえ。

 ダーウィンはこれを性淘汰で説明したんだけども。そうねえ、人間が他の類人猿にくらべて妙に体毛が少ないのも、そのくせ種族間で奇妙に体毛の様子が違っているのも、そりゃあ自然淘汰によるセレクションの結果もあるだろうけども、そういうバリエーションの豊富さそれ自体は性淘汰かもしれない。

 ∧∧
(‥ )その辺りの研究ってどうなってましたっけねえ?
\-
      (‥ )さてどうだったか。

 

2009年12月9日水曜日

一応は必需品なのか?

 
 出版業界は不況である。業界のトップが丸ごと消滅するほどの市場縮小を経験し、さらに利益を上げるために短期間にコストのかからない本を作り、その売り上げで次ぎの本を作りという・・・・

 ∧∧
( ‥)粗製濫造、デフレスパイラル、自転車操業
   
     (‥ )そう言われて久しいのだけどさ。

 そんな愚痴は10年以上も、というか仕事の最初っから聞かされ続けてきたわけで、デフレスパイラルというのかどうかは知らんが、まあイメージ的にはまさにずっとそんな状態。用語を正確にしようがなんだろうが悪化した状況は変わらない。

 とはいえ、

 ∧∧
( ‥)確かに出版業界は相当な市場縮小を経験して
    パイの多くを失いましたけども。

     (‥ )宝石業界はさらにひどいって話だな。

 話で聞く限りでは出版業界が悲惨と評価されるのなら、宝石業界は瀕死と表現しなくちゃいけないくらいひどいらしい。もちろん、実際にどの程度そうなのかどうなのかは知らない。とはいえ、なんでもブランド品に食われたとかなんとか聞く・・・

 ∧∧
( ‥)まあ、確かに宝石をきらめかせている
    人ってそうはいませんよねえ。

     (‥ )確かに町を行く女の子はみんなブランドもので
         武装しているよなあ。

 とはいえ、若い女の子が宝石に群がっていた時代があるのかどうかは知らない。もともと宝石ってのはもっと年上の女性が身につけるものだったかもしれないし、事実、宝飾品を買うのは(個人的な経験では)40以上、たぶん50以上の女性で、後は石が好きな若い女性が石を買うくらい。

 若い子も確かに宝石の輝き、それ自体は好きかもしれないが、買うってのは別問題。

 ∧∧
( ‥)若い女性はジュエリーって言うよりは
    デコレート用のストーンを買いますよね。

     (‥ )そしてお金は50歳ぐらいの人の方がもっているだろうけど
         彼女たちも安くなくちゃジュエリーは買わないんだよなあ。

 そんなこんなで確かに宝石はがたがたっぽい。そもそも日本の金持ちなんて諸外国にくらべたら金持ちなどとは言いがたいわけで、そりゃあねえ、宝石の需要なんて成金バブルの時にしかなかったのかもしれぬ(よくは知らんけど)。

 ∧∧
(‥ )? おや、すると本というのは一応は
 □-   まだしも比較的普遍的な必需品ってことなんですかね?

     (‥ )例え携帯やネットに食われても
         それだけでは食われ切れない部分が
         あるのかもしれんね。

 宝石はそうねえ、確かにちんまりした宝石でちまちま飾るよりは携帯をキラキラのストーン(というかガラスだがプラスチックだか)でデコレートした方が確かに目立つし、印象的である。

 ∧∧
( ‥)高いだけでちんまりしているジュエリーは
    ゴージャスさで負けたってことですかね?

     (‥ )宝石の本当の価値が分かるのは金持ちだけだって
         言ったところでなあ、見た目のゴージャスさ、いや
         デコレートの”個性”それ自体が勝負の対象になったら
         宝石なんて意味ないよね。

 さてねえ、しかしとはいえ本はどうしたもんだかねえ。

 

 

取りあえずメモ

 
 オレ様理論屋さん。自己流に理論を打ち立て、自らこれを評して曰く、これ画期的、これを認めない研究者、馬鹿。とまあ得意絶頂に豪語するのだが、論文読まんし教科書読まないし、英語読めないよーと泣き言を言うし以下うんぬん。

 ∧∧
( ‥)でっ、その様相を調べるためにあなたは
   ”使うデータとそこから導いた仮説に対する固執度は
    反比例する”という予想を立てたわけですよね。

     ( — —)まだ調べていないんだよねー

 面白そうな本を見つけたが1万6000円なり。うおっ、お金が入るまでまってまってーー!!

     (‥ )まあなんだ、仕事がちょっとだけ一段落したから
         ぼちぼち調べないとな。
 ∧∧
( ‥)言い出したきりだと、それこそオレ様理論に
    なっちゃいますからね。

 オレ様理論屋さんの悪いところは頭が固いだの自説に固執しすぎだの、そういうとこもあるけども、そもそもフットワークが悪い、というか動かない、歩かない、現場にいかない、実物を見ない、思弁的、口だけ、めんどくさがりや、辞書引かない、読まない、聞かない、実験しない、他力本願、根性なしとか、そういうところが一番いかん。

     ( ‥)まあ、気持ちは分かるんだ、気持ちは分かるんだ、
         疲れた、重い、細胞が寝かせろって叫んでる。
 ∧∧
( ‥)そんなこと言ってもいいけど前に進むー
    死なない程度にー

 さて、

 前にも書いた。言葉を定義してそれを論理的に配置して結論を述べる。これは定義の時点で色々なものを削ぎ落としているし、論理的に並べて述べたことで得意満面になるのだが、実のところ正しい文法で嘘を述べることができるように、そんな得意満面はなんの保証もしてくれない。

 ∧∧
( ‥)論理それ自体は答えの妥当性を
    保証してくれなどしないと。

     (‥ )科学=論理的、と考えている人間が
         進化や系統解析を理解できないのは
         このせいじゃないかとね。

 さて、ところでこれはオレ様理論屋さんの考え方の”メカニズム”というか”過程”を推理したもんであって

 ∧∧
( ‥)”使うデータの数と仮説の固執度は反比例する”という予想は
    これとどう関係するんです?

     (‥ )その予想はオレ様理論屋さんが経験によって
         自らの仮説を是正することができない、
         という観察から導いたひとつの意外な予想なんだよね。
 
 使えるはずのデータの一部しか使わない傾向がある人間ほど自ら導いた仮説に固執する傾向があるというのは、まっとうに考えれば、はあ?何その奇妙な動作?なんでそうなるの?? なんだけども、

 ”経験的にデータを検証することができない”という動作から導ける予想は何か?

という問題設定ではまあなんだ、比較的もっともらしく導ける予測であって。

 ∧∧
( ‥)でっ、もしかしたらそう言う動作をもたらすものが
   ”定義した言葉を理路整然と組み上げて満足する”という
    行為だと?

     (‥ )そうではあるんだけども、しかし
         細かいことを言い出した時、さてどうだろう?

 確かにオレ様理論屋さんは”言葉の上ではいかにも正しいこと”を言う。実は当然。恣意的に言葉を定義してそれを理路整然と並べているからだ。だから理屈は正しい(ように調整されている)のだがまったく意味がないし、そもそも間違っている。

 だから定義した言葉を理路整然と組み上げるというのが彼らのやっていることであることは、まあそうなのだろうけども、考えてみればこれは非常におかしい。実際、定義した言葉で考えること、それ自体は結論への固執を生み出さない。

 ∧∧
( ‥)むう、確かに定義した言葉を理路整然と組み上げる。
    そのことは結論の固執を意味しませんよねえ。

     (‥ )”満足する”というのがくせものなんだよな。


 なぜ理屈が正しいだけで満足する? なぜだ? なぜだ? 

 さてさて、しかししかし、考えているだけではこれでは駄目だあ。


     ( ‥)仕事の合間に認知心理学の本もぱらぱら見たけども
       -□ 色々と忘れているなあ。もう一回、読み直して
         基礎から始めないとね。
 ∧∧
( ‥)取りあえず、今回はメモって感じですか。

 

 
 

 

2009年12月7日月曜日

血液型と占星術

 
 売れる本、売れる本。

 ∧∧
(‥ )ダイエット、お金儲け、成功術、
\-   ファッション、おしゃれなどなど

    (‥ )ようするに自分の適応度を上げることに
        役立ちそうな本が売れている。まあこれは
        生物としては当たり前だな。

 外見やファッションで他人に負ける本とか、散財してしまう方法とか、はたまた社会的地位を棒に振ってしまう方法集とか、そんなものが売れるわけがない。

 考えてみれば血液型占いの本とかが売れるのもそのせいなんだろう。人間をわずか4つに分類して断定的に、そのくせ言質をとられないようにあいまいな表現で個々のカテゴリーを述べる。それが血液型占いの本。

 ∧∧
( ‥)人間を推し量るツールとして
    使われるわけですか。

    (‥ )そんな真剣に採用しているわけじゃないだろうけどね。
        でもたいていの人間が血液型の類型化されたキャラクターを
        知っているのはそのせいだろ?

 推し量るとまではいかないまでも、なんか相手を知るヒントぐらいにはなるんじゃね? という程度には受け入れられているんだろう。さもなきゃこんなに普及したりしない。

 タイプが4つというところもたぶん、売りになっているんじゃなかろうか?

 ∧∧
( ‥)なぜ?

    (‥ )4つなら暗記しやすいだろう?

 星占いだとこれが一気に3倍、12個になる。おまけに惑星の運行だの位置だのが入ってくるから大変だ。

 ∧∧
( ‥)でも朝のテレビ番組とかでは星占いしてますよね?

    (‥ )テレビかあ、懐かしいなあ。

 ともあれこう? 星占いは占い師(専門家)が提供するものだが、血液型占いは皆がやっている。

 ∧∧
( ‥)むう、確かにお酒の席で血液型占いの話は
    出るけども、星占いの話は出ませんねえ。

    (‥ )血液型はすでに占いですらないからな。

 あれはあまたの数ある人間を4つの類型化されたカテゴリーに押し込めちゃって”いる”ものであって、星占いは文字通り占い。未来を見るものである。

    (‥ )天体の運行は規則正しいし、それは時間になるし
        時間となればそれは占いになるからね。
 ∧∧
( ‥)確かに占星術は未来を推し量る
    方法論のひとつでしたからね。

 天動説体系であろうが地動説体系だろうがメソポタミアだろうがケプラーだろうが星占いはどっちにしろ、どれにせよ単純な体系じゃあない。

 ∧∧
( ‥)だから未来を論ずるものになったんでしょうけど
  -□ 逆にいうと一般庶民からは手の届かないものに
    なったのかもしれませんね。

    (‥ )だからこそプロがいたんだろうけどねえ。

 もっともある人がこんなことを言っていた。雑誌の編集部に入って一番最初にやった仕事は”星占いのコーナーを担当すること”だったそうな。

 ∧∧
( ‥)あらら、じゃあ星占いのコーナーはでまかせ?
    占星術の理論体系に沿ったものじゃないわけ?

    (‥ )全部が全部でまかせじゃないだろうけども
        他の雑誌やテレビの星占いを見て、てきとーに
        書いている事例はあるみたいだね。
 
 つまり雑誌やテレビ、それぞれの星占いがなんとなく共通の未来を論じているのは同じ天体の動きを見て解釈しているからではなく、お互いにぱくっているせいかもしれない。

 
    (‥ )ともあれ、”理論体系にそっていない”という意味で
        でまかせなやり方で書くには、やはり血液型占いの
        方がたやすいだろうなあ。

 ∧∧
( ‥)そういえば星占いの本が本の売り上げの上位に
    入るってことはなんか覚えがないですよねえ。

 星占い。過去の天文学であるし、実際の自然現象である上に、惑星や星座をキャラクター化しているから面白い理論体系なんだけども、本にすれば売れるってわけでもないのかもしれぬ。

 ∧∧
( ‥)それに皆が知りたいのは占星術の理論体系
    そのものではないですよね。

     (‥ )もともと未来を論ずるものだからね。

 個人的には理論体系の方に興味があるんですけどね。


 

適応度を上げる本

 
 終わった。ようやくひとつ仕事が終わった。

 ∧∧
( ‥)三ヶ月で本を一冊作るのって
\-  無茶じゃありません?

     ( — —)本の形式にもよるけどね。
           ごり押し力技の最終回だったなあ。

 他の仕事もある一方で、カラーイラスト60枚(というか実質的には115枚?)はさすがにきつい。しかし三ヶ月で一冊というのは理屈の上ではやらねばいけないことで。

 ∧∧
(‥ )確かに原稿料から考えると年収200万以上いくには
\-   そのペースで書く必要がありますからね。

     (‥ )この状況を是正したいもんだがねえ。

 例えばの話。売れないがまっとうな本を1冊半年かけて書くとして、残りの半年で2冊、まっとうではないが売れる本をてきとーに書いて帳尻を合わせる。これが成立するには

 ∧∧
( ‥)”まっとうではないが売れる本”が”まっとうな本”の
    1.5倍売れる必要がありますね。

     (‥ )1.5倍って軽く言うけど、容易なことではないぞ。

 人によってはまっとうな本で売れる本を作ればいいじゃん、とか、売れる本がまっとうでないとはどういうこっちゃ??と言うかもしれんけども、まあ、そういう意見はあまり現実的ではないので取りあえず却下。

 ∧∧
( ‥)しかし1.5倍売れる本ですか。なんでしょうね?
    初版で1万部以上刷るような本ですよね??

     (‥ )それも3ヶ月で作れて、しかも
        持続的に作ることが可能な形式のもんだ。

 1回だけそういうことができても、後が続かんのではしょうがない。しかもできれば原価が安いもんが望ましい。本を1冊作るのに例えば資料代が20万かかってはしょうがない。

 ∧∧
( ‥)なんかもう、科学の本じゃないような気がしますよ。

     (‥ )みんなが買う本は適応度が上がる本だからなあ。
     \-   Amazonのランキングを見ても本の上位は

 エビちゃんカレンダー、無料からお金を生み出す新戦略、アイドルの写真集、ダイエットの本・・・

 ∧∧
(‥ )どれもリビドーの充実か適応度を上昇させる
\-   そういうたぐいの本ですね。

     (‥ )おいらは、他人の適応度を上昇させるような
         手段は知らないし、当然、書けないね。

 ∧∧
( ‥)星占いの本とか書いたら?

     (‥ )占星術の本ねえ。あれもまじめにやったら
         金かかるぞ。

 さてさて

 

2009年12月5日土曜日

論理的な過去

 
 昨晩は急に雨が上がり、空はきれいだったが明るい月に星は隠されていた。朝は青空がしみるように明るく、しかし今夜になったらまた曇り。

 ∧∧
(‥ )明日はまた雨だそうです
\-
    (‥ )安定しないなー
 
 さて
  
 昔、知り合いにこんな人がいた。SFマニアでSFとは科学的でなければならないと思っているのだけども、彼の科学観ってのは法則から論理的に結論を導き出せばいいって考えであるらしく。そいでもって進化論は理解できておらず、ダーウィンは間違っていたと思っているし、断続平衡説が正しいと信じているし、そいでもって

 ∧∧
( ‥)そんでもって系統解析が理解できていないん
    ですよね

     (‥ )そーなんだよなー

 分岐学が理解できないし不信感を抱いているにも関わらず、分子データを最節約に解析して、その樹形図から祖先形質を最節約に復元した結論を”信じている”というカオスっぷり。

 とまあ、そんな人を思い出してふと考えた。

 SFってのはしばしば未来の世界を述べるもんだ。特に以上の人が好むのは未来においてこんなことが実現しているっていうストーリーだったんだけども。

 ∧∧
( ‥)ある意味、アポロ世代とかの願望ですかね?

     (‥ )まあそうかもしれんのだけどね。

 ともあれ思う。既存の技術なりなんなりから未来を論理的に導く。まあこれが演繹になっているかどうかは知らんけども(少なくとも彼が論理式を扱うところは見たことがない)、まあ”演繹ごっこ”はしているらしい。さてここから導ける結論があるのだけども

     (‥ )彼が系統解析を理解できないのって
         このことからすると当たり前だよなあ。
 ∧∧
( ‥)まあ、系統解析は演繹じゃなくて
    アブダクションですからね。

 過去を再現するのは論理でも演繹でも帰納でもなくて、取りあえずはアブダクション。

 だとすると論理(ひいては演繹)こそが科学だと思っている御仁がアブダクションを使用する系統解析を理解するわきゃあないわいな。

 あるいはオレ様鳥進化論者が物理学とかの法則を振りかざして過去を推論しているのも、というか過去について断言してしまっているのも、それが端から見ているとトンチンカンにしか見えないのも、それは過去の歴史を推論できない方法論で過去を記述しているからであって。

 ∧∧
( ‥)そういう意味ではSF?

     (‥ )かもね。

 



2009年12月3日木曜日

世界は最節約に出来ているか?

 
 昔、ある研究者にこんな質問をした。

 人間は最節約に推論するように出来ていると思います? たぶんね

 それは進化で獲得された能力だと思います? でしょうね

 では世界は最節約に出来ていると考えていいと思います? いや、それは分からない

 ∧∧
(‥ )......

     (‥ )?

 ∧∧
( ‥)つまり当時のあなたは進化で得られた能力なら
    世界の構造を反映していると考えたわけですね?

     (‥ )とっ、思っていたんだけどね。

 そればかりか世界が最節約に出来ていることを論証することに使えるのでは? とも思っていた。もう何年も前の話。

 しかし考えてみればそうではない。あるいはこうも単純には言えない。

 選択されるのは”子孫を多く残す変異”なわけで、例えばの話、”食える類”というカテゴリーを識別して集める能力がある生物は子孫を残すだろうし、そういう性質を持つ種族ができるだろう。

 ∧∧
( ‥)”食える類”って明らかに人為分類群というか
    その種族本意分類っていうかで、
    実在なんかしないしろものですよね。

     (‥ )世界の構造を反映したものじゃなくて
         ”食べる側の生物の仕組み”を反映した
          ものなんだよな。

 ”自分では合成できない必須ビタミンを含んでいる類”というのを考えてみればいい。

 つまりこう。生物が持つ能力には世界の構造を明らかに反映していないものがあると予想できるし、事実として多分そう。だとしたら

 ∧∧
( ‥)最節約に推論する能力を進化的に獲得したとしても
    それがただちに世界は最節約に振る舞うように
    できていることを示すわけではないですね。

     (‥ )あの日、あの時、あの研究者の返答は
         実は当然のものだったんだよな。

 世界は概して最節約に振る舞うか? そうであるようにも思えるけども、そうであると論証できるのやら。

 ∧∧
( ‥)でもさ、”食える類”というカテゴリーが進化する
    というのは”てっとりばやく必要なものを手に入れる”
     っていうことですよね。

     (‥ )その背後にある要求は
         最節約ではあるのかもしれないのだよね。

 何を最節約というのか、科学の各ジャンルが述べる最節約がそもそも同じなのか? という問題はあるのかもしれんけども。

 

2009年12月2日水曜日

カノープスが見られない

 
 散歩にいってきた

 ∧∧
( ‥)さっさと寝なさいよ

    ( ‥)いやー月がきれいでねえ。
        公園はまるで昼間のように、しかし
        青く冷たく、それでいて落ち葉広がる林の
        白く照らされたベンチは安心感のある・・・

 ぼけーーーーっとしてきたのだけども。はて、カノープスが見られない。カノープス。それは東京からは見ることが難しいはるか南の星。明るい明るい恒星。しかし一番高く上がった時でも地平線そのすぐ上でしかないので東京からは赤く、にぶく、暗く、そしてほんの短時間しか見られない。

    (‥ )星座早見盤ではちょうど南中のはず
     ○-  なのだけどね・・・
 ∧∧
(‥ )見えませんよ?

 このあたりでカノープスが見れるのは丘の上でなおかつ北から南へまっすぐ道路が走り、それが谷底へ降りていく場所だけで、、そこへいったが見ることかなわず。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

    (‥ )さあ? 地平線のかなた、かすむ向こうに雲が
        あるとか?

 カノープスの光がどんだけの距離、大気、というかここでは対流圏だけども、そこを進むのか分からない。

 ∧∧
( ‥)一応、海岸へいけば、透明度さえよければ大島が
    見えますよね?

    (‥ )むう・・・・するとあれだな50キロじゃ効かないなあ。

 雲どころか大気の透明度までも問題なわけで、さてはて、直線距離にして何キロ先まで透明なら見えるのだ? カノープス。



2009年12月1日火曜日

答えはいつだって目の前に

 
 ついに一仕事を終えた(といってもまだ色付けが残っているのだけども)。そして時計を見れば


     (;— —)うそっ!!もう午後の10時???
        -□
 ∧∧
( ‥)とっぷりと夜になってます。

 さっきまで夕方だったじゃないか、嘘だ嘘だ。


  ∧∧
 (‥ )あなたがテキストを打っている間に
     お月様なんて天頂付近にまできてますよ。

      (— — )まじすか?

 昼間の1時間半ほど記憶が飛んでいるが、なんだオレ様朝から順調だー、無敵無敵と思っていたのはたぶん気のせいだったらしい。なにこれ、主観時間っていうの? それが遅くなっている気がばりばりするのです、そしてそろそろ限界っぽ。

 しかし最後にその前に

 オレ様鳥進化論者の人がどっかでこんなことを書いていた。北村なる人物の書いた本やネットを見ると、これらの事柄(鳥の進化に関して語っていない謎)はすでに書いた通りとご本人は言っているけども、そんなことどこにも書いてない!!

 ∧∧
( ‥)まあ、確かに明言はしてないですからね。

     (‥ )まあなあ。答えがすでに分かっている人間だけが
         分かるように、本当に何カ所かだけちょこっと
         単語を書き換えただけだしね。

 個人的には後になって”ああやっぱり。この可能性があるを考えて書き換えてよかった・・・”と胸をなで下ろしたもんだったけども(2冊ね)、でもそれは”分かっている”から言えることであって、そりゃあ読者が”そんなことお前、明言してないじゃん”と言うのは、そうねえそうかもねえ。確かに明言してないからねえ。

 ∧∧
( ‥)でも、それでもあなたは”理解しろ”と
    強要するわけですよね。

     (‥ )強要するね。

 というか読んでなくても気がつけ、ってところですかねえ。

 目の前に方程式がある。そして入力すべき値もわかっている。

 つまり科学者から見て我々読者が置かれた立場というのは

Xの2乗+2X+1

Xの値は2.5 あるいは 3.2である

という文章を黒板に書かれているようなものでありまして。


 ∧∧
( ‥)答えは自分で出しなさいと?

     (‥ )自分は自力で考えますと言ったら
         そうしなくちゃだめだろうね。

 彼ら科学者から見ればこっちの立場ってのは無惨なもんさ。せいぜい方程式の解き方を覚えてぎこちなく解いている中学生みたいなもんだから。

 ∧∧
( ‥)でもだからこそ自力で答えを出せと?

     (‥ )図書館や本屋へいけば参考書もあるだろ?
 
 しかしここで運命の分かれ道。

1:参考書を読む
2:X2乗+うんぬんとXの値なる暗号を独自に解読する

     (‥ )どっちが妥当な進路だと思う。
 ∧∧
( ‥)はあ

 だからさ、暗号解読なんかやってないで参考書を読んで、それから解を出して研究者に聞いてごらんよ。

 ∧∧
( ‥)あなたはなんて言われました?

     (‥ )「だろう? だから僕はあの仮説を支持しがたい」
        と言われた。

 みんなね、方程式を解いているんですよ。当たり前だよなあ、暗算でだって解けるんだから。見りゃわかる。だから研究者が解いてないわけがない。研究者と我々読者が違うのは彼らは方程式自体を自分で導き出せるだけの技術と思想的な訓練を受けているってことであって。

 ∧∧
( ‥)でっ、消費者である読者は見よう見まねで
    彼らが生産した方程式を使うことしかできないと。

     (‥ )それが関の山だな。

 でもそれすらしなかったら、さてどうなる?

 諸君は歴史のロマンを求めるか? 自己流の暗号解読を求めるか? それともあるいは科学そのものを求めるか?

 答えなんてものはいつだって目の前に転がっているもんじゃあないのかね。

 



 
 

刺激剤

 
 月が沈み、朝がくる。こちらの深夜の月はもうすぐ満月。地球を3分の1周した西の彼方では中天に月がこうこうと輝いているだろう。

 さて

 〆切り、しめきり、〆切り さてはて寝ぼけ眼のこの体、だるい、重い、いかに起こせば良いものか? いかにテンションを維持すればいいものか。

 そこでついにみつけました理想的な刺激剤。

    (‥ )コカコーラ!! どうよ
     ■-
 ∧∧
( ‥)はあ、そんなものでいいんですか?


 糖分、刺激物、覚醒物質、炭酸。おおおーー、理想的じゃあないか!! 

 ∧∧
( ‥)そう、、、なんですか?

     (  ̄  ̄)ふっ、これで後、10時間は戦える
        -■
 
 事実、10時間後には〆切り(第一波)がやってくる。

 

2009年11月30日月曜日

それは致命的

 
 オレ様鳥進化論。鳥の進化はきっとこうに違いない!!と進化のシナリオを提案するのだが、そのシナリオをどうやって導出したのかが不明で、しかもデータはそのシナリオを支持しない。

 ∧∧
( ‥)でっ、それがオレ様鳥進化論。

    (‥ )提案している本人は導出の過程を納得している
        みたいなんだけどね。

 でもこの手の進化のシナリオとやらは、これこれの条件ではこういうことになるからゆえにこういう進化が起きたはずだ、といういわばシナリオ先にありきの論法でこのままでは話にならない。

 ∧∧
( ‥)でもそういう発想自体は別に良いわけでしょ?

    (‥ )発想の過程自体は結果の正しさとは関係ないからな。

 オカルトな発想で妥当な結論に至る時もあれば、理路整然と破滅する場合もある。前者の例で言えばニュートンの万有引力が該当するとも言われるし、後者には例えばルイセンコ主義が該当しそう。

 ∧∧
( ‥)問題は発想を論証する過程ですね。

    (‥ )理論をいくらこねくりまわしても駄目なんだよな。

 シナリオに沿って理路整然と現象や事例を説明しても、それではどうにもならない。温暖化は嘘だというシナリオに沿ってすべての事柄を理路整然と説明することもできるし(逆も可能)、外来種の影響はまったくないと説明することもできるし(逆も可能)、アメリカ政府がUFOを隠しているでも理路整然と説明できる。

 ∧∧
( ‥)データとの整合性。誤差が最小か、あるいはそうではないか
    そこを仮説の識別点や妥当性の判断基準にするべきであると。

    (‥ )そうしないと区別できないだろうね。

 なんでこういうことをまた改めて書くのかというと、どっかの掲示板でオレ様鳥進化論を述べていた人が物理学は確立された科学であって、それに対して生物学は、、、みたいな優位性を述べていたから。

 どうも物理の法則で理路整然と導き出したのだから自分の答えが正しい、だから強力になると思っているらしいのだけども。

 ∧∧
( ‥)でも実際には物理学とてそういう種類のものでは
    ないですよね。

    (‥ )ニュートンは月やら地球、太陽の関係から万有引力を
        提案したけども、その導出の過程はいささか謎で
        そして太陽系内部で反証されちゃったんだよな。

 ようするに科学の歴史から分かることはこういうこと
 
1:仮説を導出する過程は謎でも良い
2:理論や仮説、グラフ、方程式はデータから導き出される
3:その妥当性は経験的に検証されねばならない
4:例え200年、2000年の検証で問題なかったとしてもその仮説がその後どうなるのかは保証の限りではない

 どっかの掲示板の人々もそうだけども、古今東西。オレ様鳥進化論者たちが抱える問題はこういう科学の過程を中途半端にしか理解してないところにたぶんある。

事実、方程式から導いたのだから答えが正しい、という発想は方程式を導出した過程が分かっていないことをしめしている

データからグラフを、グラフから方程式を、と考えた場合、方程式に値を入れて解くことそれ自体にはそりゃあ問題はない。

しかし新しいデータは絶えずその方程式それ自体を破壊する可能性を持っている
例:水星の軌道というデータは万有引力という仮説/グラフ/方程式それ自体を破壊する可能性を持っている

 新しいデータは方程式それ自体を破壊しうるし、そしてそれゆえに科学は検証をすることができる。入力して出力したから正しいってのは科学じゃねー。それは数学だ(数学は自然科学ではない)。

 ∧∧
( ‥)だから解けば問題ないじゃんってことは
    ないわけですね。

    (‥ )もしもそうだったら万有引力以前に天動説のまま
        だっただろうな。

 方程式を解けば問題ない。そういう姿勢はいろいろな人が言うことであるが、それは方程式を導出した過程と方程式の検証、この2つの過程を理解していないことを示している。

 ついでにいうと

 解けば問題ない、この発言には物理学にはそれがあるけども、進化学や生物学にはそういう方程式を導出する能力がない、ということを言外に示しているように聞こえる。しかし実はこれもまた致命的。だってあるんだから。

 ∧∧
( ‥)最節約法でもベイズ法でも色々ありますよねえ。

     (‥ )どのような進化が過去に起きたのか、
         個々の系統に関してそれを方程式なり/グラフにして
         出力できるからねえ。

 科学を理解せず、目の前に方程式を導出する方法があるのにそれを述べた教科書も論文も読まず、そしてそれらすべてをすっとばしてオレ様な理論を展開する。そりゃあまずかろう。

  

2009年11月29日日曜日

鳥と足

 
 鳥。一見すると特異な生き物だが、一皮むけばただの恐竜で普通に爬虫類。恐竜の中ではむしろアンキロサウルスの方が異常。あれのどこがどうディアプシダ?で爬虫類?

 でっ、しばらく前から考えていたんだけども。


    (‥ )鳥ってさあ、前足と後ろ足、どちらも単独で十分な
        動力になっている分、
        後ろ足の機能や形態に関する選択圧がルーズになって
        いるんじゃないのかなーと思ったりするわけよ。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか?

 少なくとも、他の恐竜よりはずっとルーズになっているんじゃないの? と。
 
    ( ‥)?そういう論文もあったような無かったような。
 ∧∧
( ‥)思い出して見つけなさい。


 後、北村の知り合いによる最近の提案がこんなの。ミクロラプトルの主翼は後ろ足。

 
 

2009年11月28日土曜日

かればん

 
 昔、フランク・ハーバードというSF作家がいた。代表作は「砂の惑星」。

 ∧∧
( ‥)おいちゃんはあまりこの人の作品を
    読んだことはないですよね?

     (‥ )砂の惑星とジャンプドアシリーズだけだからなあ。
         しかもストーリーはある意味同じね(特にドサディは)

 この作家さんの作風はなんか妙に詩的で美しい代わりにストーリーや設定の一部に不整合が見られること(面白さのためなら多少の破綻も無視いたしますよ勝つまでは)。

 他にも男性キャラが概して女性に依存する傾向があるとかそういう部分もあるんだけども(砂の惑星シリーズの最終回はおっかないけどしっかりもののお母ちゃんに支配されることで平和な世界が到来する一方、そんなお母ちゃんの支配なんかいやだと、あろうことか今までの登場人物が全員、涅槃の世界へ向けて逃げ出すという壮絶なオチ)。

 さて

 ジャンプドアシリーズの2作にはカレバンという知的存在が出てくる。人類を含めたいわゆる普通の宇宙人たちとコミュニケーションするにはピーチボールという球体の部屋を介さなくていけない。それは彼らがあまりに強大な力を持つがためのいわば緩衝剤。その姿は?なしろもの。というか見えていると思えるだけで見えていない(脳が見えたと思っている状態だということ)

 でっ、このカレバン、さらに言っていることがめちゃくちゃ。作風が詩的(つまりなんとなくお話を作りましたってことなので)ということもあるんだろうけども、一応、小説の設定上、彼らの知覚があまりに異質すぎるのが原因ってことになっている。

 ∧∧
( ‥)まったく完全なクローンを、記憶さえも同じものを
    仮に作ったとしても彼らは”識別”できるんですよね。

     (‥ )というか、”知覚”できるものが”それだけ”
         なんだよな。

 言ってみれば(作中、こういう単語による言及はないが)”由来”を識別できるし、逆にいうとそれしか知覚できない存在という設定らしい。彼らには人間が1本線に見えるんだそうな。

 でも、もしも”由来”が見えるとしたら実際には。。。。

 ∧∧
( ‥)網目に見えるはずですよね?

     (‥ )両親から半分ずつ遺伝子をもらっているからなあ。

 それともあれだろうか、生殖細胞の由来を見ると人類が離合集散する網目に見える一方で、個体の体細胞それ自体はその網目からすぽっとのびた一本線に見えるんだろうか。

 ∧∧
( ‥)なんか奇妙な世界ですよね。

     (‥ )でも現実には我々ってのはそういうものだろ?

 もしさらに解像度を上げたらどうなるんだろう?

 ∧∧
( ‥)遺伝子が離合集散しながら枝をのばした網目を
    構成しているのが見えてくるんでしょうか?

     (‥ )そうなるよねえ?

 例えばの話。血液型に関してどちらもBOの遺伝構成をもっている両親からはBOとBBとOOの子供が産まれうるわけだけども

 ∧∧
( ‥)親子の血縁関係という意味ではどの子供も
    産まれた時期が違うだけで同じですよね。

     (‥ )でもBとOの遺伝子の系譜を追跡した
         場合、同じではないよね。

 もしも由来を超高解像度で認識できる存在がいたら、人間やネコのことをどう見るだろう?

 ∧∧
( ‥)個体は網目になってどれも結合している一方で、
    よく見ると細い無数の糸がからまるように、
    個々の遺伝子の系譜が異なる分岐パターンを
    描くのが見えるのでは?

     (‥ )もしもカレバンがそこまで見た場合、
         人間のことを何て言うんだろうねえ?

 そして思うのだが、そういう知的存在はグールドとドーキンスの論争をなんと受け取るのだろう?

 
 

120度

 
 月が沈む。地平線との角度はおよそ15度。つまり360度の24分の1。ようするにあと1時間もすれば沈んでしまうのだけども、考えてもみれば


    (‥ )ドイツでは地平線から45度の高さ、
        ただし東の空に月がかかっていることに
        なるわけだよね。
 ∧∧
( ‥)ドイツと日本は8時間の時差がありますから
  -□ 天体は24時間で空を一周、つまり8時間の時差は
    単純に考えるとちょうど3分の1のずれに相当しますね。

 ようするに見えている星々、惑星、月、太陽の位置が120度ずれていることになる。

 ∧∧
(‥ )地平線から15度。つまり東の地平線から165度
 □-  そこから120度を引いて45度。

    (‥ )それでいいわけだよね。

 まあそういうことになるってことでオッケー?


    (‥ )ようするに今日の日の出が日本時間でおよそ6:30
        こちらの午後2:30にはドイツで夜明け近く
        つまり天体の位置が東の空から120度の
        位置にきたら、それ以後は地平線に沈むまで日本と
        ドイツで同時に見れるってことになるのか。
 ∧∧
( ‥)そういうことになりますか。
    緯度は違いますけども、その違いはどう効いてくるの
    でしたっけね? あちらの朝は遅く、夜は早いのですかね。

 ともあれ、今、見えている月は日本でもドイツでも同時に見えているんでしょう。こちらは夜中に西の山々に沈む月を。あちらは夕暮れの中、東の森から上がった月を。





2009年11月26日木曜日

オーガーフェイス

 
 君の真上に落ちてくよ 受け止めてくれないとコロス♪ って

 ∧∧
( ‥)すごい(ナイスな)歌詞ですね。

    (‥ )世の中には色々なラブソングがあるもんだな
    \- 

 人の発想力には限りがない。

 ∧∧
( ‥)そして今のあなたには時間と体力がない。

    (;— —)1日4枚は無茶だろー

 メダマグモ。英語では例えばOgre-faced spider。つまりオーガーフェイスドスパイダー。

 ∧∧
(‥ )直訳すれば人食い鬼顔グモですね
\-
     (‥ )ファンタジーの用語だとオーガって言うのかね?

 どっちにしても一見するとハエトリグモに似ているんだけども、目の配置と腕の配置が変なので確かに肩を怒らせた怪物に見えるご面相。本当は指程度の長さしかなく、ほっそい小さなクモなんだけども。顔はナイス。

 ∧∧
( ‥)クモとしての形からやや逸脱している?

     (‥ )そんな風に見えなくもないね。

 

 

寒い谷

 
 ぎょーせーさっしんかいぎー 口約束をまじめに果たそうとする正直者が馬鹿やってます。


    ( ‥)まー、今のところこんな評価かな
      -/
 ∧∧
( ‥)またざっくりとした評価ですねえ。

 どんな予算があるか分からんから言ってみましたでっかい約束。いざ現実になると約束はとにかく果たしてみようと大慌てでございます。過去のしがらみがないから革命できるんだって人がいるけども、まあなんだ何らかの行動に革命とか革新とか名称を与えても、その呼び名には品質の保証が全然ないんだよね、ただの名称だけに(過去のしがらみとやらも大事なんで残してきたってものをそういう名称で呼んでいたらチンチクリン)。

     (‥ )こんなんじゃ詐欺師にはなれるけど
         技術者にはなれんぞな。
 ∧∧
( ‥)はあ

 さて

 数時間前、さくっと雨が降っていたらしい。道には所々かすかに湿った跡が残っている。雨量情報を過去にさかのぼった限りでは確認がとれなかったけども、東京/神奈川ではぽつぽつとあちこちでわずかな降雨があった模様。本日(正確には昨日)の朝は曇り、昼間は晴れていたが夜になったら曇り。天気がやや不安定? よもや夜になって雨がぱらつくとは。

 そして夜の公園に散歩にいったら公園の入り口、谷間のところだけ道が濡れたままだった。

 ∧∧ なぜに?
(‥ )
 -( ‥)あそこだけ寒いからじゃない?

 公園の入り口は谷間になっている。というか公園自体が台地というか河岸段丘(でいいのか?)の浸食された谷間に作られた水田の跡地に作られたもので、周囲よりも20メートルかあるいはそれ以上低い。

 ∧∧  われわれがすんでいる段丘面と同じ高さですね
( ‥)
 -( ‥)入り口はそこまで低くなってるね。

 あのあたりは冷たい空気がたまっている場所で、道を通っていくとやや下りの過程で冷たい空気の層に体が潜っていくのが良く分かる。冬になればそこだけ霜が降りていることもあるし、地面が冷やされている分、あっこだけ乾きが遅いのではあるまいか。

 ∧∧
( ‥)それで十分説明できます?

     (‥ )さてねえ・・・後は空中の湿度が高いとか?

 冷えているせいか昼間、息を吐くとあっこの谷だけ息が白くなる。小川も流れているし、湿った感じもするし。空中の湿度が飽和状態に近くなっているとか?

 ∧∧
( ‥)説明としてはそんな感じですかね?

     ( ‥)丘の上、というか浸食され残った台地の部分に
         登ると暖かいんだよねー

 気晴らしにはちょうどいい。

 

 

2009年11月25日水曜日

カレーとハンバーグ、あなたはどっちが

 
 ネットとかamazonにある書評を見ると時々、はへーー??? というものにひっかかることがある。そういうのがよく見つかるのが理系書籍の書評。まあ、

私には分かりません、お金返してください

というのは極端な例なんだろうけども、なんかこういう痛いのがごろごろあったり。

 ∧∧
( ‥)・・・もはや書評の域を出ているというか
    あたしお馬鹿さんですって自分からいったも同然では?

    (‥ )まあそうなんだけどさ。

 そしておかしな書評を書いた人の書評を見ると、他の書評もやっぱ変。というかそういう人たちの書評一覧を見た時、アイドルのDVDとか漫画、CDなんかの書評がぞろぞろ出てきた時はさてなんとしたものか。

 ∧∧
( ‥)? アイドルのDVDを論評している人は
   お馬鹿さんってこと?

    (‥ )いや、そうではなくてだね。

 アイドルのこれがいい!! とか この漫画のここが駄目って、それは好き嫌いの話だよね。しかも個人のものでしかないよなあ。

 ∧∧
( ‥)人類に共通する好き嫌いもあることはあるでしょう?

    (‥ )甘いもの、しょっぱいもの、脂肪が多いものが好き
        腐った肉は嫌い、暖かく適度な湿度で晴れた日が好きとか
        そういうものはほぼ共通するだろうなあ。
 
 でも例えばアイドルとか漫画ってのはそういうものじゃあないだろう。

 あるいはこう? アイドルや漫画はそういう要求に応じて選抜されたものではあるのだろうが、いや、だからこそ、人類の大多数に共有されるような好きの基本的な要素は”既に”満たされているだろう。

 ∧∧
( ‥)でっそこから先となると
    それはもう個人の好みの相違の領域に
     入ってくると。

    (‥ )基本は既に実装済み。とっなると、それらの個々を評する
        書評は自動的におのが好みの単なる表明になるだろ?

 つまり結果的に、自動的にそういう書評はすでに他人にとっておおむね意味がないものになる。あるいは意味があるのかどうか保証の限りではない。

 ∧∧
( ‥)まあ、そもそも理系の書籍にちんちくりんな書評を
    書いている人が必ずしもアイドルのDVDや漫画の書評を
     メインに活躍しているわけじゃないでしょうけどね。

    ( ‥)まーねー そんな傾向があるというデータと
        解析手段を示せと言われたら困るしな。

 まあなんだ、単なる”思いつき”。

    (‥ )とはいえだ、個人の好き嫌いで科学を
        論評するのは望ましいことではないねえ。
 ∧∧
( ‥)それはそうでしょうね。

 さながらカレーとハンバーグならオレはハンバーグだ、その理由は・・・と得々と述べられてもこれは意味がない。

 ∧∧
( ‥)そしてそののりで科学を評するのは、
    それは少なくともペケですね。

    (‥ )まあ、そういうこっちゃ。

 

2009年11月24日火曜日

月と木星

 
 画材屋にいってホルベイン社製の色鉛筆Corkを買ったはずが、家に帰って確認したらBeigeだった。

 ∧∧
( ‥)? ちゃんと棚の数字は確認しましたよね?
  -゜ Corkは171。Beigeは173でしょ?

    (;— —)誰か間違って入れやがったな。

 色が似ている色鉛筆は抜いた後、なんとなしに戻すと戻すべき棚が間違っていることがしばしばある。戻す時は鉛筆の番号と棚の番号をちゃんと確認しないといけないですぜ、世間のお客様がたよ。

 うかつだった。そういうことがあるのは分かっているのに、いや、その前に色鉛筆を調べていた時だって、あっ、番号が違う。間違えて入れた奴がいやがるな、と気づいていたのに肝心なところで見落としを。

    (‥ )まあ、Corkは消耗がさほど激しくないから
        現状でなんとかなるんだけどさ。
 ∧∧
( ‥)これから1週間は家にこもりっきりですからねえ。

 さてもさても

 帰り際、夜空には三日月と明るく輝く木星が並んでいた。日本ではちょいと離れているけども、当然、お月様は移動するので地球の反対側、例えばドイツではもっと三日月と木星が近く見えるはず。

 ∧∧
(‥ )でも、ドイツの北部は雨みたいですよ。
\-
    (‥ )天気というのはうまくいかないなあ。

 神奈川県は昨日は雨だったが今日は晴れだった(厳密にはもう日が変わっているのだけども)。

 ∧∧
( ‥)明日も、というか今日の夜も三日月と木星が並ぶわけですね。

    (‥ )配置は反対になるけどね。

 木星は、あれはまだ山羊座にあるんだよねえ。

 ∧∧
( ‥)山羊座ってなんでヤギなのに下半身が魚なの?

    (‥ )ギリシャ神話ではテュポーンの襲来に
        驚いた神様パーンが慌てすぎたので変身が
        中途半端になったのだというけども。

 もともとの起源は古代メソポタミアだかなんだかという話。魚人間もいるメソポタミア世界の神話なら上半身は獣、下半身は山羊という存在がいても問題なしってことか。

 ∧∧
(‥ )でも、神奈川県では空が明るすぎて
    山羊座はよく分かりませんね。

    (‥ )先日は雨が上がった真夜中に
        もう何年ぶりなのか蟹座を見たよ。

 プレセペ星団を目で見たのは、さてはて何年ぶりだろう。



2009年11月23日月曜日

何か、何かドーピングを

 
 グラスフロッグは描きにくい。というかお腹がポイント、これ困る。背中は普通のカエル。でもお腹は透明、中身がちょっと透けて見えている。これがなかなかきれい。

 ∧∧
(‥ )内臓とかは白い袋に入っているんですね。
\-
    (‥ )カモフラージュなのかねえ?

 さてさて、さすがグラス(ガラス)ガエルというだけのことはある。

 絵はたくさん残っておる。絵を描くペースを早めたいものの維持するので精一杯。ドリンクによるドーピングは効きが悪いので、別のドーピングにトライ、トライ。

 ∧∧
( ‥)でっ? 具体的には?

    ( ‥)・・・・

 思いつかん。

 血液のめぐりをよくしよー 布団で温まるとか風呂に入るとか無しで(眠くなるので却下)。

 ∧∧
( ‥)それで? 具体的には? 

    (‥ )思いつかん・・・・
 
 心臓ばくばく、どきどきするような、こう、高揚感のある。いやそれでいて酒のような副作用が出ないものがいい。

 ∧∧
( ‥)ジェットコースターとか?

    (‥ )部屋にないよねえ。

 さてさてどうしたもんだか。

 
 

2009年11月22日日曜日

嘘はついていない

 
 神奈川県の天気は曇り。昨晩は晴れていたはずなんだけども朝になれば曇天。雨。

 ∧∧
( ‥)仕事がはかどりませんねえ。
 
    ( — —)事務作業は嫌いだよ。

 さて

 こんな話。

 私が開発したこの新商品をまず皆様に10個ずつ買っていただきます。そしてお友達やご家族にこの商品を買うように勧めてください。すると皆様が紹介することで新しくご購入された人、一人当たりにつき以下の金額が皆様に紹介手数料としてバックされます。そればかりではありません。新しく購入された方々が皆様と同様、いわば孫会員を勧誘なさるわけですから、その分の手数料もバックされるのです。

 つまり購入時に支払われた金額が戻るだけではありません。なんと定期的な収入が成立するわけですね。うれしいじゃありませんか、皆さん。今の年金システムに不安はありませんか? 老後に不安をお持ちではありませんか? この商品とこの購入システムに参加すればそんな不安は解決です。

 これを頭の固い人は成立しない商売であるとかいいますが、それは間違いです。この商売はまったく新しい経済システムなのです。ですから既存の経済システムでは推し量ることも評価することもできません。手持ちのもので推し量れない新しいものを推し量ろうとする。そんな無理をするから理解できないのです。そういうことを言う人は頭の固い人です。でも皆さんはどうですか? 皆さんはこの新しい経済システム、これを福天と言いますが、皆様はこの福天をご理解できる、それは皆様のお顔を見れば分かるんです、まだまだ柔らかい人だと私は思います。

 ∧∧
( ‥)ただのねずみ講やがな。

     (‥ )でもぱっと思いつきで書いたわりには
      □-  なかなか分かりやすい文章じゃね?

 分かりやすいってこういうことだよね?

 それに嘘はついていない。

 ∧∧
( ‥)そう? あっという間に破綻するでしょ?

     (‥ )それは既存の経済システムを通して考えた
         結論だろ? 先ほどもそう言っているジャナイかー

 ∧∧
( ‥)それはそうですけど、新しい経済システムとやらが
    それで正しい/成立するってことにはなりませんよね。

     (‥ )嘘も矛盾もないが意味とか妥当性とかは
         まったく保証されていないのだよな。

 ねずみ講やマルチ商法にひっかかる人たちは論理って言葉が好きで、経験とかアブダクションの方法論には興味がないに違いない。

 そして思う。分かりやすいって無惨な言葉だよねえ。なにも保証しちゃくれない。

 ∧∧
( ‥)まあ、世間一般の”分かりやすい”とは
    把握した気になれて、なおかつ最低限、鵜呑みにしても
    無害であることも保証されており、意図的な嘘でもないこと
    なんでしょうけどね。

     ( ‥)まーそうだろうな。

 意図的な嘘ではない、という条件がないとあるある発掘大事典(なんてすばらしい番組なんだ)は妥当であることになってしまう。

 無害であるだけでなく、よりよく言えば”妥当であることが経験的に妥当である方法論で論証されている”という点を識別の手がかりにしないとマルチ商法と科学は区別できない。

 

 

2009年11月21日土曜日

ジョギングやめるの?

 
 少し休もうと思ったら朝になっていた。

 
    (;— —)うおー、寝ちまった、寝ちまった
 ∧∧
(‥ )30分後に目覚ましをセットしたんですけどねえ
 □-  止めちゃってますね、普通に。

 
 人にはそれぞれ立場ってものがある。サイエンスライターなら事実を報道しなさいという品質面の要求に対して、嘘でもいいから本と記事をとにかく売らなきゃだめだぴょん、という経済的な要求がある。

 ∧∧
( ‥)でっ、概してサイエンスライターや
    ジャーナリズムの品質は保証されなくなると。

     (‥ )まあそれは一例なんだが。

 研究者は、例えば科学を追求するというそういう要求がある一方で、業績上げろ、という要求もある。そして一部の政治家が納税者にバック出来るような利潤が(短期的に)上がらなければ、そんな技術開発も研究も駄目だぴょん、という要求をしてくるのも、まあ当然。

 ∧∧
( ‥)でも政治家も理念と”当選しないと失職/失業”っていう
    要求の、いわば目標と経済の板挟みなわけですよね?

     (‥ )だから長期的な利益は維持できるが効果が見えずらいものは
         敬遠するし、長期的には破滅であっても次回の選挙で
          当選できる政策があれば、
          まあむしろそっちを選ぶだろうなあ。


 ∧∧
( ‥)じゃあロケット開発なんて無駄だぴょ〜んという政治家たちの
    意見と、ロケット開発駄目とは経済/国防の観点からして
     馬鹿だろお前らっていう、この2つの意見は等価というわけ?

     (‥ )発言をした動機に関して言うと、
        そういう意味では等価じゃないの?

 例えば、若手研究者の育成は雇用問題だぴょんっていう発言はそういう視点に立ったものじゃないかえ?

 ようするに若手の育成にお金を使うのは、それはようするに雇用しているんだろ? 税金で雇用しているんだろう? だから無駄だよ、無駄無駄。という発言は、

 ”オレ様もお前らも経済問題という点では立場が一緒だからオレもお前も等価のものとして扱っていいずら”

という思考を彼らがしているのだと解釈すると理解しやすい。たぶん。

 ∧∧
( ‥)でも実際には等価ではないですよね。

     (‥ )その投資で何が維持されているのか?
         そこから何が生み出されるのか、何を防衛しているのか
          そういう視点で見たとき、以上の2つは等価ではないね。

 
 ∧∧
( ‥)人がジョギングするのは体力を維持するためですよね

     (‥ )人間は体力が必然的に衰えるものである。
         だからジョギングやめて余った時間を読書に
          使おう、という主張も可能ではあるな。

 だがジョギングをやめれば本をリサーチしたり資料を読み込む体力も無くなってしまうだろう。それは例えばの話、ライターにとっては破滅だ。

 ∧∧
( ‥)本や資料を探す/読むってのは体力もお金も
    使いますしね。

     ( ‥)体力が無くなったばっかりに駄目になっていった
         サイエンスライターとか何人もいるからなあ。

 まあ政治家とか知識人がつまんないジョギングなんかやめてその時間をもっと楽しいことに使おーよーと明るく無邪気に言うのは、まあ分からんでもない。ただ個人的にはそれはおこちゃまな意見だと思う。若いよねえ。




 

2009年11月20日金曜日

さてなんとする

 
 行政刷新会議。そういえば今の与党は高校教育は無償化するとか言っていたけども、じゃあ社会に出た後の就職はどうなるんだい?

 ∧∧
( ‥)科学技術の維持運営を放棄した社会に
    発展と雇用があるのかってことですか。

    ( ‥)まーそういうこっちゃな。
        学校出ても、競争力のない国に
        まっとうな雇用なんて無いぞ。
 
 さもなきゃ低賃金労働。

 そうだねえ、今までの日本は、まーなんだバブル崩壊とか言われるよりも前の時代には”スキルがなくてもただ我慢して仕事していれば”それなりな給料が保証される時代だったわけでありまして。

 
    (‥ )そういう世界観だと技術やテクノロジーが
        世界標準に達していなくても雇用は
         創出されるわけさね。
 ∧∧
( ‥)それって低賃金で単純労働っていうことじゃないの?

 まあ、事実、それで日本は発展してきたわけだけども、給料が上昇して他の先進諸国と給料(人件費)が均衡状態に達してしまえば給料は飽和状態になるのはこれ当然。さらに製造業が外国へ出て行くのも当然。それでも雇用を守れというのなら人件費は据え置きか、事実として起きたようにデフレ。

 あら悲し。デフレですよデフレ。過去の成功にこだわったらデフレときたもんだ。たぶん同じ発想で行政刷新会議かな?

 ∧∧
( ‥)右肩上がりの経済成長って結局、
    飽和状態になるまでの夢ってことですかね。

    (‥ )そーじゃねーのか?
        中間層の平均所得が日本だけ月額2000万になんか
        これからなるわけないだろ?

 今からそうなるとしたら超絶技術を持った火星人、月給が地球換算(どんな換算?)で3000万、というやつらが地球に接触してきて彼ら相手に彼らの必需品を売るようになった状態じゃない?

 ∧∧
( ‥)さもなきゃ付加価値とスキルを売るしかないと。

    (‥ )そのためには教育だけでなく、訓練と
        社会に還元し続ける科学技術の維持運営が
        欠かせないだろうねえ。

 まあなんだ、世の中には低賃金労働なんかに頼る企業は日本から出て行け、そんなのがいるから俺たちは貧乏なんだって鼻息荒く言う人もいるけども、いやいや、自分や身の回りの人間をよく見てみねい。


 自分の手を見て考えてご覧よ。単純労働以外になんかできるようなスキルや知識を持っていたり、なんらかの技術を継承しているかね? 自分を月額20万以上で売るに足る十分な理由を法律とか労働者の保護とかうんぬん以外になにか持っているかね? 自分と同じ能力しか持たない他人に月額20万を払う気になるかどうか本気で考えてご覧よ。そんな力が自分にあるかね?

 ∧∧
( ‥)・・・・もってないように見えますね。

    (‥ )人は見かけで判断してはいけないというけど
        まー、大概はもってないだろうなあ。

 低賃金労働なんか出て行けというのは正論ではあるが、それを可能ならしめる条件が我々には整っていない。

 ∧∧
( ‥)この上、科学技術までどうかなったら
    どうなるんですかね?

    ( ‥)まーあれだな。アメリカから離れるぽ、アジアと仲良くする
        んだぴょん、って言われてもなあ、軍事力の維持均衡に
         例えば何が必要かとか、イージス艦のおつむって
         どこ製か知っている? なんでそういうことになってるか
         分かってます? とかそういうこと知らないんだろうな。

 技術を維持継承しなくてもファンタスティックに問題解決できるぴょんと言うのが行政刷新会議。

 とはいえ、行政刷新会議はあれはあれで仕事ではある。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )決断するのは別人だからあれ駄目、これ駄目って言えば
        仕事になるじゃないか。

 仮に企業がこれからどの部門を不採算部門として切り捨てるか、と会議する時、あんな会議にはならんでしょ。

 ∧∧
( ‥)そして勉学は支援するけども
    その後の就職は切り売りする結果を提案するわけですか。

    (‥ )今の代わりに子孫と未来を売り払ったって
        ことじゃないか?


 さてさて。ではどうしたものか。

 

雇用問題です

 
 まあ、そりゃあ全部の提言や刷新が原理的におかしいですということではないにせよ、若手の研究者の育成やらなにやらにかける予算を削減する。なるほどこれが行政刷新会議。

 ∧∧
(‥ )納税者に還元できることに予算配分するのーと
\-   主張している議員さんとかもいるんですね。

    (‥ )若手研究者の育成は雇用問題だろとか
        言っている人もいるみたいだなあ。

 まあ、そうねえ雇用問題なのかもねえ、循環論法的だけども個人の雇用という点で見たら、そりゃあそう見えるわさ。

 ∧∧
( ‥)でも若手の育成って技術の発展継承って側面もあるでしょ?

    (‥ )不採算部門は削る、というのはどんな会社でやっているに
        しても、技術/人材育成を削るからには、別の採算部門に
         ちゃんと投資するもんだけどねえ。

 そういうことしてるか? 連中は?

 逆にいうと雇用問題と言えば議員だってそうなんだろうけどもねえ。

 ∧∧
( ‥)?

    (‥ )科学は100年の計だと科学技術費の削減に反対した
        人たちがいたけども、議員ってのは次回の選挙の
         ことしか考えていないだろ?

 100年先のことなんか議員は考えないだろう。そういうもんだし、それで十分なのが議員ってもんさ。当選するのが仕事であって、妥当な政策をすることが彼らの仕事ではない。世の中には議員というものは妥当な政策を立案するもんだと考えている人もいるが、その仮説では彼らの行動は説明できないと思う。

 ∧∧
( ‥)じゃあ、長期的な視点に立つべきだ、という
    反論を彼らは聞かないと思う?

    (‥ )聞かないんじゃないか? 今年とか来年とかの選挙の方が
        大事だろ? 10年、20年さきなんて考える理由は
        彼らには欠片もありゃせんだろ。

 そもそも、納税者に利益が還元できることに予算を組むべきよーとか言っている時点でそんな視点や発想が事実として欠けていることを示している。

 ∧∧
( ‥)どうなっちゃうんでしょうね?

    (‥ )常識的な人間が是正するのを期待したいがどうだろうねえ。

 それは君たちの雇用問題でしょ、えへへ、と相手に言う前に、そもそも彼ら自身の雇用が(これは発言者自身が議員である場合だけども)かかっているんだ。大多数の選挙民に受けのいいことをして、その代わりに何かを売り払って取り返しのつかないことをするぐらい、平気でやっちゃうだろう。

 ∧∧
( ‥)どうしたもんですかね?

    ( ‥)常識的な人間がストップをかけることが無かった場合、
        そうねえ、若手への援助がなくなったジャンルに学生が
        進むのか? いや進まなくなったらどうなる?
        そういう基礎が破壊されてしまった場合、
         社会への利益の還元はどうなるんだろうとか。

 ∧∧
( ‥)そこまで事態が悪化したら是正する動きが
    起きますよね?

    (‥ )国が傾きかけた企業みたいになって
        競争力がなくなった状態で、わっこれは
        いかんぞなってか?

 手遅れ、手遅れ。

 ∧∧
( ‥)どうしたもんでしょうね。

    ( ‥)さーて、どうしたもんかね。

 馬鹿をやりつくして相手が勝手に自滅するのを待つってのもつまらないしねえ。
        

2009年11月19日木曜日

あるある漢方大事典

 
 漢方薬。あれは奇妙なしろもの。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )漢方薬が人体に効く仕組みと説明は
        いわゆる五行説に基づいているだろ?

 ようするに漢方薬というのはなんか良く分からん理論体系に基づいているわけで。

 ∧∧
(‥ )五行説って錬金術の亜種でしたっけ?
\-
    (‥ )まあ、系譜的にはそうなるのかな。

 ようするに四大元素説(地水火風)にプラスすることの金属(金)で、風が木に置き換わってるぞ状態。たぶん起源は西方世界でまあなんだ、メソポタミアあたりなんですかね、元素間の五芒星な配置とリンクと五角形のじゃんけん関係でできた理論体系。

 ∧∧
( ‥)でも、、、漢方薬って薬局でも売ってますよね?

    (‥ )だからといって医者や医学会は
        五行説で考えたりしないんだよな。

 解剖実習で五臓六腑がそれぞれ胆液が多くなると五行説に照らしてどうしたこうしたとかは習わないだろう。

 ∧∧
( ‥)? じゃあ薬局では疑似科学に理論づけられた
    しろものを販売しているわけ?

    (‥ )疑似科学というのが言い過ぎだとしたらそうだね、
        妥当であるかどうか検証されていない理論体系に
        裏づけられた物品を販売しているわけだが。

 ∧∧
( ‥)そーゆーのを疑似科学って言うんじゃないの?

    (‥ )まあ、広い意味ではそうなんだろうな。

 例えば葛根湯とかは風邪に”かかる前”に飲むと効果はそれなりにあるそうだ(という話を聞いた)。とはいえ漢方のどの成分がどう人体に効くのか、という論証とかは、まあなんだまともにやられていないっぽい。

 ∧∧
( ‥)? にゃっ? そういうのまずいんじゃない?

    (‥ )長い間使われているから観測されるほどには
        問題が生じたことが無い、つまり比較的無害
        ということなんじゃないの?

 でもここまで考えて思った。

 これ、発掘あるある大事典とどう違うわけ?

 ∧∧
( ‥)ああ、てきとーに健康番組を作っていたけども、
    問題が起きないように、効果はないけど無害ではある
    そういうダイエット法なりなんなりを提供していた番組ですね。

    (‥ )漢方ってあれとどう違うわけ?

:問題は起きない
:無害
:裏付けがないか、あるいは裏づける理論体系が現在では認められていない体系(てきとー)

 漢方薬とあるある発掘大事典はどこがどう違うのだぞなもし?

 ∧∧
(‥ )あの番組が問題になったのは”データの捏造”があったから
\-   ですよね。

    (‥ )まあ、番組で紹介した方法には効果がありませんと
        論証するのは大変だけど、捏造なら白か黒かを
        すぐに判別できるからな。

 それを見つけることで、これ破棄!!と対応したのは、まあまともな動作。でも逆にいうと漢方とあるある発掘大事典の相違点はそこだけか?

 ∧∧
( ‥)あー、漢方は一応、効果があるっぽい、ということは
   言えるとか?

    (‥ )まあ最低限、かなり無害ってことは言えそうだけども。

 これではあるあると漢方は識別できん。

 ∧∧
(‥ )漢方薬の入った薬効酒は適量の飲酒が勧められていますが
\-
    (‥ )納豆でダイエットさせても無害だからいいじゃんと
        番組をてきとーに作る発想とは、このままでは
         識別できんよな。

 もちろん、普通の薬も適量が求められるが、その場合は、これこれの量に達するとこのような弊害が生じるということが分かっている上で示されたものである。

 そういうことからすると”普通の薬の適量”は以上の事例(漢方とあるある)からは識別できるが、では漢方とあるあるの識別点はどこだ?

 ∧∧
( ‥)データの捏造があるかないか?

    (‥ )だったらすごいよねえ。

 漢方薬とは何だ?
 
 ∧∧
( ‥)漢方は副作用がないんだと言いますが。

    ( ̄  ̄ )そういう主張の時点ですごくいかがわしさを
          感じるよな。

 作用するけど副作用がない(と言い切る)論証ってどういう体裁をとるのやら。

 


 

2009年11月18日水曜日

本はマイナスです

 
 前に作った本の書評でこんなのがあった。内容はともかく、分量の割りには少し高いように感じます。

 ああ、それ、あちきも思いましたよ。

 ∧∧
( ‥)本を作った本人自身がそう思うと。

    (‥ )でもさあ、思い返してみると
     □-  この価格でないと純利益が生じないんだよね・・

 本を店頭で見つけて、ページ数の割りには高くないかなーーーっとなんとなく作った本人がそう感じる一方で、ところが考えても見れば、これだけの利潤が生じるのであるから、だからここまで投資して情報を集め、それをテキストとイラストに詰め込むことが可能である。そう自分自身が計算して制作していたことを思い出す(年間当たり数十万になる本代の何割りかがこの本の投資として割り当てられるということ)。

 ∧∧
( ‥)おかしな話ですね。本屋で自分の本を見たときに
    感じた感覚と、作っているときの計算/投資の時に
    考えていた内容が正反対というのは。

    (‥ )しかも2つの相反する考えを抱いているのに
        別に矛盾は感じていないのだ。
        というか意識すらしていなかったな。

 まあ考えてみれば当たり前で、安い価格でより多くの利益を求めようとする消費者な視線と、投資と利益、品質の要求から導き出されるある均衡点で本を作成している制作者とでは考えが同じになるわけがない。

    (‥ )本というのは消費者にとってマイナスなんだよね。
        少なくとも支払いに対する見返りに効率が上がるとか、
        1日に摂取できるカロリーが直接増大するとか、
        そういうベネフィットは本に関しては普通ないからねえ。
 ∧∧
( ‥)車のように移動の効率を上げるものでもなく、
    食事のようにカロリーになるわけでもなく、
    洋服のように社会的な地位向上を可能にする
    ものでもないということですね。

 本というのはそもそもが投資に対してむしろ損失を導き出すようなしろもので、商品としてはある意味、間抜け。

 本は人間の生活にとって必需品でもなく、カロリーにもならず、社会的地位を向上させるものでもない。そういう意味では、本を買う人間ってのは考えようによってはかなり変わっている人たちだとも言える。あるいはゲームの攻略本がその月における本の売り上げトップ10に入ることがある(あるいはあった)けども、それは当然。投資に対して直接効果が出るのであればそりゃあ買うだろう。

 ∧∧
( ‥)本は消費者の立場ではもともと損失的なものであるから
    評価がシビアになると。

     (‥ )でも作り手の立場に立つとそうはいかなく
         なるんだよなあ。

 ∧∧
( ‥)安くするにはどうすればいいんでしょうね?

     (‥ )まあ、ひとつには内容を薄くするとか
         人件費以外の投資が0になるように
          嘘八百と思い込みで塗り固めるとかね。

 
 逆に言うと類書がない(らしい)理由を実感。

 ∧∧
( ‥)あの価格、もろもろ以外の条件では・・・

     (‥ )ちょっと作るのは難しいかなあ。

 
 


さっしんします

 
 神奈川県では朝の2:00ぐらいにほんの少しだけ雲間から星が見えたものの、流星は確認できず。

 ∧∧
( ‥)まあ当然ですね。

    (‥ )やむを得んな。

 ヘビを描いた。ヘビ、意外と手間がかかる。

 さて

 ぎょーせーさっしんかいぎ。科学に関する分野だけでもめちゃくちゃな削減案がなされているので、世間的にはどうだか知らないけども、ネットや電子の世界では非難ごーごー。

 ∧∧
( ‥)さて、あなたはどうします?

    ( ‥)そうねえ、取りあえず、会議に参加した
      -□  面々のことを調べてみるか。

 どんな仮説でどんな世界観を持っているのか、それを見なくてはいけない。まあ予算は無限ではない、というのは当然なんだが、科学と技術の根幹を揺るがしかねない(端的に言うと、国というか日本国民と呼称されている集団の長期的な利益を捨てる気なのね?という)ようなことを決定する人々の判断過程はどうなっているのかという問題。

 ∧∧
( ‥)彼らを科学の対象にすると?

    (‥ )オレ様理論屋とかオレ様鳥進化論者とかを
        科学に扱えないか? とすでに考えている
        わけだよね?

 だったら科学を論評する人間も扱おうというのは当然。


    (‥ )まあそもそもなあ、1時間以内に赤道ギニアの
        抱える問題を解決する手段を考え、800字に
         まとめろって言われてひーひーいっている
         ような会議なんじゃないかと思うけども。
 ∧∧
( ‥)またそういう例えを・・・・

 でも問題が何なのか分からん状況で判断を迫られているという意味では、あの会議に参加している人々ってのは実のところほとんどそんな状況なんじゃあないのかね? マントルよりも地震をという発言の記録を見たときは笑った。というか微笑ましいなあ、大人ってやつは。

 

2009年11月17日火曜日

雨降り

 
 雨降り。

 ∧∧
(‥ )今日の夜はしし座流星群のピークのはずですけど。

    (‥ )こりゃあ見るのは無理だなあ。

 
 一応、起きている限りは夜空をチェックはするつもりだけども、天気予報では晴れ間がのぞくことはなさそう。ヨーロッパも雨降りの模様だし、あちらでも地域によってはともかく、ちょっと見るのは無理っぽい。

 ∧∧
( ‥)お天気だけはどうにもなりませんね。

    (‥ )どうもならんな。

 まあなんだ、流星群ってのはしょっちゅうあるんだ。また見れる時に見ればいい。

 ∧∧
( ‥)しし座流星群はピークを過ぎると見られないんですかね?

    (‥ )どうだろうねえ? 先日、夜空を見た時は
        さっぱり見えなかったけども。

 オリオン座流星群は前後数日間に渡って見ることができたのだけども、しし座流星群はピーク時に集中して、その前後にはほとんど流れないんだろうか? 

 ∧∧
(‥ )次ぎの流星群は来月。12月の14日にピークを迎える
\-   ふたご座流星群ですね。

    (‥ )また晴れたら夜空を見てみることにしつつ
        来月の流星群に期待しよう。

 
 

2009年11月16日月曜日

ほめおぱしー

 
 ホメオパシー。薄めてよく効くホメオパシー。

 ∧∧
( ‥)にゃ?

    (‥ )聞かんでくれ。おいらにも良く分からん。

 ホメオパシー。なんかすごいというが理屈が分からんホメオパシー。

 ∧∧
( ‥)アナタハフルイぱらだいむニトラワレテイルノデスーー
   
    (‥ )と、言われるのかな?

 確かにそうではある。お互いに異なる理論体系の中にいるので相手がまったく理解できない。

 ∧∧
( ‥)でも等価なのはお互いがお互いを相手の理論体系では
    理解できないって点だけでしょ?

    (‥ )そうであるな。

 現実世界において効果があるかないか、妥当かそうでないか、この点に関しては等価ではない。

 ホメオパシー。限りなく薬を薄めても効果がでるぞホメオパシー。

 とまあかつてホメオパシーのことをそう聞いて、最近、ふとニュースを見ていたらこんな話。水道水には色々なものが薄まったとはいえ含まれてくる。まあねえ、人間が色々なものをばらまいているから当然だ。水銀、鉛、有機塩素系化合物なんかが当然あるけども、香辛料や薬剤、ホルモン剤やらその他にも色々と含まれているのだそうな。

 まあ実際にそのデータを見たことがないので受け売りなんだけども、薄まっているとはいえそういうのが入っているのは、そりゃあ当然そうだろう。

 ホメオパシー。限りなく薄めても効果がきちんと出る(と主張している)ぞホメオパシー。

 ∧∧
( ‥)じゃあ水道水を飲んでももろもろの効果が
    てきめんなわけ?

     (‥ )さあ?

 実際のところ彼らの理論体系においてこのことがどう解釈されるのか? それについて予想できるほどホメオパシーについて知っているわけではない。

 

 

ぎょうせいさっしんかいぎ

 
 ふーむ。話で聞く行政刷新会議。さてもさても科学に関連する分野だけでもなんと評価したら良いものか。なんか一部に頭の悪そうな発言が混ざっているよなーと思いつつ。

 ∧∧
( ‥)評価するにはどうすればいいんですかね?

    (‥ )会議とやらに参加した人間にどの程度の知能があるのか
        判断の基準になった彼ら個人個人が持つ仮説は何か
         判断の元になったデータは何か、
          それをどう解釈したのか、

 そしてかつまた、では比較対象になりうるベストな解答はどのように導き出すべきか。

 ∧∧
( ‥)そして比較されるべきそれらが
    ベターであるかどうかをどう検証すればいいのか。

    (‥ )まあそうだね。

 もちろん、検証なんてものは簡単と言えば簡単なんだけども。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )やってから後悔するって言うだろ?

 

2009年11月15日日曜日

論理的だから科学だぴょん

 
 ドーピングは多少効いているかもしれない。しかし、これだけでフォローしきれるか?

 さて

 これは書評ってなんだいの続き。というかこっちがある意味、本題かもしれないんだけども。

 
   (‥ )ルイセンコ騒動とか「2つの遺伝学」を見ているとさ
       マルクス主義って”論理的だからこれは科学だぴょん”と
       思っている人にすっごく受けがいい理論体系なのかなー
       とまあ、そう思うわけですよ。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか?


 いやだって、マルクス主義だから科学的で論理的だからこれは科学で正しいのじゃーっという主張を聞いて、他にどんな解釈があるというのかや?

 ∧∧
( ‥)まあ少なくとも彼らがなぜ失敗したのかは
    良く分かりますけどね。

     ( ‥)論理的だから正しいんじゃーって考えには
         ”経験的にデータを付け加えることで仮説を検証する”
         という発想がないからねえ。

 そりゃ、実験もしないのは当然。そしていくら不利な証拠が現れたって無視するわけだがよ。

 実際、ルイセンコ騒動が終止符を打たれていったのはソ連でルイセンコが失脚するという政治的な出来事が発端なわけだし、”経験的に仮説を検証する”という意味での科学をしていなかったという結果がここにも見える。政治は科学じゃないでしょ(彼らは科学も政治であるべきで、マルクス主義に基づく革命を主張したから彼ら自身にとっては矛盾のない行動/主張なんだろうけど)。

 でっ、ここからがさらに本題。

     (‥ )論理的に正しいのだから正しいのだ、という意見は
         オレ様理論に共通する問題点じゃあなかろうか?
         というか、そもそもの元凶?
 ∧∧
( ‥)といいますと?

 言葉を定義してそれを論理的につなぎ合わせて矛盾のない文章を紡ぎ出す。

 これ、必然的ではないにせよ使用するデータは少数になるし、経験と検証を無視する(平たく言うと帰納法ではない)ことに直結するのでは?

 ∧∧
( ‥)なんで?

     (‥ )データってのはしばしば矛盾するもんだぜや。

 矛盾のない文章を作るって時点で、必然的に矛盾しているデータを削ぎ落としていないかね? そんなことを言っている時点で問題をものすごく単純化しているんじゃないのかね?(単純化それ自体は悪いことではないのだろうけど)

 ∧∧
( ‥)ああ、整合するデータだけをチョイスしているとか
    分かりやすい極端な例ではそういうことですね?

     (‥ )そもそも”定義”ってのがくせ者だろ?

 こう定義する。というよりも、文章内部でコンフリクトが起きないように定義している時がないかね?

 ∧∧
( ‥)データの恣意的な解釈ってやつですか。

     (‥ )既存のデータを曲解して自説に都合のよいように
         受け取っちゃう人っているだろ?
         あれって、結果的には恣意的な定義じゃないのか?

 そして当然、矛盾のない論理的な文章であるから、この文章が申し述べていることは現実にも真実である、という主張には経験的な検証という動作も発想もすっぽり抜けている。

 ∧∧
( ‥)しかし、科学の歴史を振り返るに、
    それは科学ではないですね。

     (‥ )でもそういう勘違いをしている人って多いだろ?
         知り合いのサイエンスライターにもそういうの
         いたぞなもし。

 法則を積み重ねて出した結論はすべからく正しい、とか、正確に定義した言葉を矛盾なく論理的に組立てれば科学であり、その解は真実であるとか、そんなものは科学とは呼べない。だけども科学とはそういうものであると考えている人は疑似科学を信じている人でもいるし、おかしなもんで疑似科学を批判する人にもいる。

 ∧∧
( ‥)矛盾ない文章、それ自体には妥当という意味はないですよね?

    (‥ )正確な文法でしゃべられた言葉でも嘘はつけるからな。

 
 ”論理的だからオレ様は科学だぴょん”はねーだろう。


 しかし、これらそもそもの根本である”使えるデータうち、少数のものしか使わない人は最初の仮説に固執する”というアイデアの調査は今だ、のろのろとして進まず。


 


 

書評ってなんだい

 
 「分類思考の世界」ふとたわむれに検索をかけてみたり、色々な書評をチラ見すると、それこそ色とりどりな書評があるらしい。例えば曰く、著者は種実在論に不都合な証拠ばかり集めていないか? 例えばルイセンコとか、という論評。

 ∧∧
( ‥)へーそう読み解く向きもありますか

    ( ‥)いや、なるほどね。
      -/

 個人的にはこう。かつてポパーはプラトンからマルクスへと続く知的伝統が本質主義を作ったと主張したが、実のところ例えば種に本質的なものがあるのではないのかと考える傾向はとんでもなく広く、あらゆるあまねく色々な立場、人物に出現する。

 ∧∧
( ‥)ようするに知的伝統とかそういう生易しいもんじゃ
    ないってことですよね。

    (‥ )例えばこう? 種や本質は一部の人々に憑いているものではなく
        我々全員の背後にすべからく立っているものである。

 さもなきゃこんなにあらゆる場所で顔を出してきたりしないでしょう。マイヤはマルクス主義者ではないなのか? と問われたり、ヘニックでさえ種に関して何かあるのだと考えている。

    (‥ )種とは人間の知恵から出たものではなく、
        人間の心からにじみ出たもの        
 ∧∧
( ‥)まあ、あなたはそう受け止めるわけですね。

 ルイセンコが廃滅した後もその残滓が種に関して残るのだってひとつにはそのせいなんでしょうね。知的伝統もさることながら、その部分だけはまま呑み込んでしまう素地が我々にはあるのであって。

 ∧∧
( ‥)だから不利な証拠を集めたというよりは

    (‥ )種というカテゴリーの起源と来た場所を、
        あるいはその歴史をあるいはその有り様を論じている。
        そう受け止めたのだけどね。

 この解釈自体が妥当かどうかは、さてどうだろう。確かに書評というのは本を論評したその人自身の能力が論評される恐ろしい場所なんであり、ほいほいと書評を書くのも、そりゃあどうかねーと思うのでありますよ。

 ∧∧
( ‥)そういうあなたはどうなんでしょうね?

    ( ‥)さあ、どうだろうねえ。

 書評自体の妥当性はどう検証したらいいと思う?

 ∧∧
( ‥)書評は解釈で、それ自体を支持する単語/表現/文脈が
    書評された本の内部/あるいは関連する書籍の中で登場するか
    どうか、それらの整合性で判断するしかないんじゃないですか?

    (‥ )そんな感じかなー。

 



星と世界

 
 体がもう仕事についていけない状況に陥ってしまっているらしく。8時間と起きていられない。

   ( — —)栄養ドリンクって本当に効くんですかね?
     -□   ぐびり
 ∧∧
( ‥)あっドーピング。


 さて

 ひさしぶりに夜空が晴れていたので散歩。雲が足早に過ぎ去ったり、雲だらけになったり、しかし30分もすぎると再び星空が広がったりと忙しい。

 しし座の流星群は18日未明に極大というから17日の夜ぐらいってことだろか。本日は流星は見当たらず。関東は17/18日と曇りや雨/晴れという天気予報であるらしく、観測にやや不適か?

 さて

 こんな話。「ダーウィン種の起源を読む」ではマイヤの生物学的種概念とかグールドやエルドリッジの断続平衡説は取り上げなかったのだけども。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

    (‥ )取り上げる必要がないと踏んだから、
        と言えば比較的正確な表現?

 生物学的種概念。少なくとも人間に認識できる2つの生物集団があって、それが実は交配している。あるいは隔離させていた機構が崩れて片方が片方に呑まれて消滅しつつある、あるいは交雑が起きているが選択圧のためか核ゲノムは浸透しないのにMtゲノムは片方の集団に浸透しつつある。

 とまあ、そういう”状況”を調べることも論ずることもまさに生物学ですね、なんだけども。

    (‥ )でもさあ、だからそれで種なんだ/いや種ではないって
        議論へ足を踏み入れた場合、はあ、だから何? 
        としか思えないんだよな。
 ∧∧
( ‥)まあそうかもしれませんね。

 例えばの話、A種とB種の交雑で単為生殖種Cが生じた場合、それは一体全体どういうこと? というわけで。

 ∧∧
( ‥)まあそもそもそこで種って言葉を使用してますけどね。

    (‥ )でもそれはあくまで便宜的な単語と使用法だろ?
        これを”交配しないのが種なのだ”と仮に設定した場合、
        以上の文章はまじめに考えれば混乱の極みになっちゃうべ

 種という言葉の使用、それ自体は場面場面ごとに何となく共通理解があるからいいけども、まじめに”種の普遍的な定義”だなんだと言い出したら、じゃあ例えばさっきの文章はどう書き直したらいいのよ、というわけでありまして。

    ( ‥)生物学的種概念に対して一番思うのは
      -□ このマイヤの提案が一体全体何の役にたったのか?
        ということであってね。
 ∧∧
( ‥)はあ、そうですか。

 生物学的種概念。最初聞いた時は、そりゃあ気持ちは分かるけど何それ? と理解できなかったが、それは今も同じで個人的にはやっぱり理解できない。そしてダーウィンの理論展開を説明する時には有害なので削除。

 ∧∧
( ‥)断続平衡説は?

    (‥ )化石データの統計的な処理が未熟な時代に出現した遺物?

 というわけでこれも削除。

 種に関しては例えば「分類思考の世界」三中信宏 2009 を参考のことでありますよ。第10章で語られるブラックウェルダーさんの意見は、間接的に聞く限り、それはごもっともでございますという感想を。



 
 

2009年11月14日土曜日

独自の仮説を発見するお手軽な方法

 
 さっき、前々から気になっていた本(オレ様鳥進化論者に該当する?)を発注。まあそのうちに届く予定。

 ここで言うオレ様鳥進化論者というのはオレ様理論屋さんの中でも曰く、”鳥はこうして進化したに違いない!!”と独自の理論を展開する人たちなのだが、どういうわけか大抵の場合、どの人も致命的な欠陥を共有する。例えば、

1:進化理論が分かっていない(進化を論ずるのに進化の原動力を知らないとはこれいかに?)
2:系統解析が分かっていない(歴史を論ずるのに歴史を復元する方法論を知らない/使わないとはこれいかに?)
3:祖先形質の復元が分かっていない(過去を論じているのに過去を復元する方法論を知らないとはこれいかに?)
4:扱うデータが異常に少ない(使えるデータのごく一部しか使わないとはこれいかに?)


 こんな感じ。他には多くのオレ様理論屋さんと同様、論文読まない、引用しない、教科書を無視する、解析手段に興味を示さない、仮説の経験的な検証をしないなどなどもおおむね共通する模様。

 でもまあ、そうなってしまうのは分からなくもないし、当然と言えば当然。

 ∧∧
( ‥)なんで?

     (‥ )教科書読んでスタンダードな方法論を理解し、
         それを用いれば、既存のデータを用いる限り
         既存のものと同じ答えがでてくるはずだろ?

 ようするにスタンダードなことをすればスタンダードな意見を述べることになるし、既存の意見に賛成することになる(ぶれがあるにしても容認できる範囲内)。


 反対に言えば独自の意見を述べるには次ぎの方法がありうることになる。

1:新しいデータを追加する(例えば新しい化石を発見する/あるいは使用できる場合にのみ有効)
2:データを作り替える(作り替えた場合、既存のものよりもより整合性の高い仮説を発見した場合に有効)
3:既存の方法論とはまったく違う、新しい解析手段を考える(解析手段そのものの妥当性が有効であることが示される場合にのみ有効)

 とっ、こんな感じ?

 ∧∧
( ‥)1番は例えばシュウ・シンさんのミクロラプトルに基づく
    新仮説とかですね?

     (‥ )2番だと”始祖鳥は鳥ではない”と報道された論文とかが
         該当するんだろうな。

 2番には他にもウプサラ大学のバットさんによるバージェス頁岩を含めた節足動物の初期系統の見直しなんかが該当しそう。ケプラーがかつてやったこともこれに該当するかもしれない。

 ∧∧
( ‥)3番は?

     (‥ )分岐学を提案したヘニング/ヘニックとか
         少数の化石からそれが何を反映しているのか
         調べる数学的手段を提案した人とか、
         そういうのが該当するんじゃないの?

 だが例えばオレ様鳥進化論者は、見た限りではこのどれもしていないらしい。ようするに新しいデータを発見するわけでもない、化石を見つけるわけでもない、データをより整合性の高い形に再編成するわけでもなし、ましてや新しい方法論や解析手段など提案したこともない。

 ∧∧
( ‥)でも、それでもなお独自の理論や仮説を展開しますよね?

     (‥ )以上の1、2、3を使用しないで既存のものと
         異なる仮説を展開するお手軽な方法がある。

1:使用可能なデータのうち一部だけを使う(データセットが既存のものと変わるので違う答えが出てきうる)
2:既存のデータを”全体の整合性とは無関係に”組立てる(少数のデータのみを使う場合、はしょったデータにある不整合は無視できるので特に可能)
3:オレ様な方法で解析する(解析手段が不明か、解析手段の有効性が不明か、あるいはありがちなのが解析手段が間違っている場合)

 ∧∧
( ‥)まあ、そうなると既存のものと違う独自の仮説を
    展開できるでしょうね。

    (‥ )教科書も読まず、論文も読まず、解析手段も理解せず、
        それでもなお独自の仮説を発見しているとしたら
        それは必然的にこういう方法しかないんじゃないのか?

 言い換えればこう。

 一部のデータのみを整合的にオレ様に判断すると誰でも新しい仮説を述べることができる。

 ただしスタンダードからは無視される。

 


2009年11月13日金曜日

萌える昆虫軍団

 
 ふと、燃える昆虫軍団を思い出して検索をかけてみた。

 ∧∧
(‥ )おいちゃんが子供の時、テレビで見た映画ですね?
\-
    (‥ )最後、博士が火だるまになって、わきゃーーーーっ
        と昆虫たちと一緒に地割れに落ちて地下世界に
        ご招待、、、だったっけ?

 燃える昆虫軍団。昆虫は、あれは普通にマダガスカルオオゴキブリだよね。

 天井を見上げたら昆虫さんがみっしりといて、きゃあああーーーっと叫ぶ女性の顔にぼたぼた落ちてくるマダガスカルオオゴキブリ。

 実のところ撮影上はスタッフから落とされているであろうオオゴキブリをぎゃーぎゃーと叫びつつ顔面で受け止めるためにしっかと上を見上げ続ける女優さんは、子供心ながらに大変だなあ・・・と思ったもんでございます(あのシーンはおもちゃではなかったと思うのだけども)。

 ∧∧
( ‥)燃える昆虫さん。設定上は、お尻の尾毛を摩擦させて
   その摩擦熱で発火させるんでしたっけ?

    (‥ )だった記憶があるんだけどね。

 個人的にはその設定が子供心にもうクリーンヒットに萌え萌えで忘れられない(記憶が間違っていない限りはそう)

 でっ、萌える昆虫軍団とたわむれに検索かけてみたら。

 ∧∧
(‥ )ヒットしてきます。
\-
    (‥ )考えること皆、同じだな。

 萌える昆虫軍団。それは例えばどんな本?

 ∧∧
( ‥)昆虫さんを連想させる格好をした
    女の子がたくさん出てくるとか?

    (‥ )ゴミムシがただずらっと並んでいればいいんじゃない?

 ∧∧
( ‥)・・・萌えるんですか?

    (‥ )特徴や同定のさいに必要な形質、
        系統を知るために有効な形質を列挙すれば
        もう萌え萌えだ。

 できれば鞘翅もちゃんと開いて翅脈も比較したい。これぞ萌えるゴミムシ軍団。でも種類が多いから妥協して廉価版で。

    (‥ )次回作は萌えるカミキリムシ軍団
 ∧∧
( ‥)はあ。


 

サイエンスライターってのはSFじゃねーの?

 
 散歩にいきます、朝の3:30。帰り際、4:00だってのに公園の道で人に道を尋ねられた。なんでも隣の駅までの近道はここだーーって教えられたのでここまできちまったのだそうだ。

 ∧∧
( ‥)こんな夜遅くにあの道を教える人が?

    (‥ )どうかしているよね・・・・

 さもなきゃ聞いた人が勘違いしたんだろう。ともあれ、北から吹く風は冷たく、それでも10度はある感じ。はるか地球の反対、ユーラシア大陸の向こう側を見てみれば、イギリスは関東よりもはるかに高い緯度にあるというのにもう少し暖かく、ドイツは雨が降っているにも関わらず、温度はこちらの朝と似たり寄ったりってとこらしい。やはり大陸の西側と東側とでは気候がまるで違う。

 ∧∧
( ‥)神奈川県のここらではもう落ち葉の季節ですね。

    (‥ )間もなく冬か。

 さて

 散歩の最中ふと思った。サイエンスライターってSFなんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)はあ?

    (‥ )どっちも科学してるんじゃーーって言う割りには
        科学を無視した方が儲かる。

 例えばこういうことを言う人がいる。相対性理論は皆信用しているのに、なんで進化理論となるとオレ様進化論だの、ダーウィンの言っていることはおかしいだのっていうやつがわんさか湧き出てくるんだい?

 いや、それは間違いだ。たぶん。だって相対性理論だって、だーれも信じちゃいませんよ。

 ∧∧
( ‥)そう?

    (‥ )SFを見てご覧よ。大宇宙を股にかけて何百光年もある恒星間を
        まるで隣町へタクシーでいくみたいに移動するし、
        大抵はウラシマ効果もなにもないじゃないか。

 ∧∧
( ‥)確かにそうですけど、でもそういうこと言い出したら
    難しいお話になりそうですね。

    (‥ )ウラシマ効果によって時間の向こうに引き裂かれる人々を
        きれいにまとめた話(「幻影の都市」とか?)もあるけど、
        大抵はそんな話にはしないよね。

 幻影の都市だって、例えばの話、映画化は無理でしょー。いやそんなことしなくていいんですけどね。

 ともあれ、はい、このようにみんな相対性理論を信じちゃいません。というか相対性理論が”すごい”ってことを知っているけど、内容を知らないからそれを無視したお話を見ても気にしないというのがより正確?

 ∧∧
( ‥)でもこれの何がどこで、どうサイエンスライターなんですか?

    (‥ )SFって結局は自然科学じゃなくて心理学だろ?

 みんなが喜ぶ話を作る。そうすれば売れるし、そうすれば生活できるし、そうする作家が生き残りやすい。ようするになんのこっちゃない、SFなりSF作家なり、それらは”心理的に受ける話”を作るように淘汰圧を受けているわけで。それは”妥当な仮説をチョイスせよ”という科学の世界とは全然違う。

    (‥ )SFっていうのは自然科学ではないし
        サイエンスライターも同様の意味で自然科学ではないし
        自然科学に参加すらしていないのさ。
 ∧∧
( ‥)はあ、、、でもそもそもSFが科学じゃないのは
    当然でしょ? あれフィクションだし。
    それを科学だって言ったら、それはファンタジーですよね。
    宇宙人、未来人、超能力者、それでいいじゃないですか。
    また聞きですけど。

 いやいやそう認識されているとは限らない。

 以前、ゴジラの映画はもっと科学的にちゃんとしたものであるべきだ、そう一生懸命言っている人がいたので、いや、SFも映画も自然科学ではなく心理学の範疇でしょ? つまりそれは心理学とか認知心理学で処理すべき問題(さもなきゃ市場リサーチ)といったら熱心に反論してくるのだが、その主張内容は「科学的におかしいのにも限度がある」という主張で。

 ∧∧
( ‥)? 限度があるってそれは堪忍袋の話ですよね?
    それこそ心理学の話では?

    (‥ )そりゃあそうだろうね。

 映画を科学的に妥当なものにってあなた、ゴジラが出てきた時点でもう破綻しているがな(*個人的にはゴジラ映画がどんな問題を抱えているのか知らないのでこれ以上は論評不可)。とにかく面白けりゃいいんですよ、面白けりゃ。心理的に、あるいは認識的に。

 そしてゆえに映画もSFも科学じゃねーがな。映画は論文じゃないし、SFも論文じゃねーし。

 ∧∧
( ‥)つまり、あなたの結論はあれですね?
    SFは科学でありたいと(一部の人は)主張するのだが、
    もともとそうではない。
    さらに心理的な淘汰を強烈に受けるからその望みはますます悪化する
     そういうことですね?

    (‥ )そしてそれはサイエンスライターもそうだろ?

 サイエンスライターは科学者ではないし、著作物は査読のある学術誌に載った論文ではない。データと解析手段、そして結論が理路整然と、あるいは結論同士の比較が可能な具体的な数値を出しているわけでもない。

実際のところサイエンスライターは多くの人が陥りやすい勘違いを自分もしてみせた方が多分、経済的には望ましい。例えばの話、

”これは異説であるがむしろこちらが正しいのではないのか!!”

と、こんな具合に”勘違い”した上でセンセーショナルに書き立てた方が”分かりやすい”し受けも良い。(*分かったという言葉や自覚それ自体は何の保証もしてくれないということ)

 ∧∧
( ‥)そしてそういう逸脱は淘汰圧によってますます
    顕著になると。

    (‥ )サイエンスライターもSFも、内部に抱える
        問題は同じじゃねーの?

 科学になれない、科学ができない、科学になりたい、でもますます状況は悪化する。しかもなんかどっちもじり貧ぽい。


 ∧∧
( ‥)それにしてもあなたはサイエンスライターに
    対して否定的ですよねえ。

    ( — —)立場上、肯定のしようがないからな。

 ルイセンコから50年、今西錦司、S.J.グールド(別に全部が変だとは言わないが)。それらを振り返った時に一体どんな弁解ができるというのだね?


 
 

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