自己紹介

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2015年4月30日木曜日

世界はどこか熱狂的

 

 曇りである。













 
   でも日差しが出ると
 ∧∧ もう痛いね
( ‥)
 ‐( ‥)夏至まであと二ヶ月
      今年の春は少し
      慌ただしいよな



 


世界はどこか熱狂的だ
 
 


対応を見れば中身を推論できる

 
 世界に不満があるのなら自分を変えろ
 
 こう言われた時に
 
 この世界に迎合して、この世界に耐えられるようになれって言うのか?? ふざけるな!!
 
 と絶叫するのか
 
 確かにね、今の自分のやり方では状況は突破できん。さてどうするかな。こうやってみればどうかな?
 
 と考えて具体的に動くのか。
 
 ∧∧
(‥ )同じ言葉を言われても
\‐  人によって
    受け取りも対応も
    違いますよと
 
  (‥ )まあなんだ
      受け取り方や対応の違いを
      観察すれば
      その人の立ち位置
      性格、戦略、状況
      頭の回転速度から
      今、腹が減っているか
      どうかまで
      色々と推論できるよな
 
 
 もちろん、現在の一手が未来へつながる以上、その人の未来の可能性さえも推論できるであろう。
 
 
 
 

世の中への不満は話半分

 
  
   ( ‥)昔の人の不満を
     ‐□ 読むとさ
       ああだからローマは
       滅びたんだな
       そう思う訳よ
 
 ∧∧
( ‥)ところがその不満の記述から
    何世紀もローマ帝国は
    存続しているという事実
 
 
 ちょっと物知りだと不平不満や破滅の予言や社会の糾弾をするし、文章を書く知識人はそれをせっせと書き残す。
 
 この世界はもう駄目だ!
 
 残されたこうした記述だけを読むと、それはもう当時は地獄のような世界だったのだな? と思ってしまうのだが、考えてみればそんなわけがない。
 
 ∧∧
(‥ )だから今の世の中の
\‐  たくさんの警告も
    聞く必要はありませんと
 
  (‥ )まあ話半分ぐらいにね
      聞いておくべきだね
 
 
 

吸血鬼とは儚い認識論的な夢

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )吸血鬼ってさ
      認識論的な存在なのな
 
 吸血鬼。その由来は不明瞭なれど、現代における一般的なイメージはこうである。人の血を吸い、血を吸うことで仲間を増やし、コウモリなどに変身し、不死身で再生能力を持つ。
 
 不死身で再生能力を持つ。
 
 ∧∧
(‥ )体が細胞の集合体である
\‐  ことを考えれば
    これはありえないね
 
  (‥ )不死身で再生能力を持ち
      破損した箇所を急激に
      修復できる
      そんなことしたら
      ガン細胞がすぐに出現して
      あっという間に体が
      ガンに食いつぶされて
      吸血鬼としての存在が
      自壊するよね
 
 
 体を修復する細胞分裂の過程で、どうしてもエラーが生じる。そのエラーからたったひとつで良い、ガン細胞が生じれば、それが急激に他を圧倒して、個体としての存在が崩壊してしまう。
 
 細胞の寿命を制限し、不死化を阻止し、分裂回数や分裂できる細胞を限定することで、これを阻止しようとしている人間でさえ、遅かれ早かれガンに犯される。

 それを考えれば、不死身であり再生する吸血鬼、そんなもの、あっという間にガンが生じてしまうのだろう。

 もちろん吸血鬼は妖怪で、体が細胞で出来ているとかそういう存在ではないのだ、そう言うことはできるが。
 
 ∧∧
( ‥)それこそ
    吸血鬼が
    人間の認識論に基づいた
    存在である証拠
 
  (‥ )人間が自分の体と細胞の
      関係に気づいたのは
      かなり最近だからね
      吸血鬼ってそれ以前の
      ”存在”だからなあ
 
 吸血鬼は人間が細胞を認識し、さらに細胞のガン化を理解する、そのずっと以前に考えだされた。それゆえにたぶん、吸血鬼そのものがまごうことなきたった一個の存在である、そう設定されているのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり吸血鬼は
    細胞の集合体だとは
    考えられていない
 
  ( ‥)最近のSFやホラーだと
    ‐□ 作者も読者も細胞という
      概念を知っているから
      吸血鬼も細胞を
      持っていたり
      するのだけどね

 
 だがその場合でも、皆の考えはこうではないか? 細胞はあくまでも部品だ。細胞は一糸乱れぬ統率をとれた行動をする、細胞はあくまでも部分である。ほとんどの人はこのように考えているであろう。
 
 だがこの認識は正しくない。
 
 ∧∧
(‥ )実際には
\‐  細胞はお互いに相互作用を
    行なうけども
    実態はあくまでも
    ばらばらの個別
    部分であるが部品ではない
 
  (‥ )そして細胞は
      自己複製の際に
      どうしてもミスをする
      ミスから生まれた
      変異の中で
      有利なものは数を増やし
      子孫を増やし
      増殖能力を高める方向へと
      進化し始める
 
 そうしてガンが生じる。これゆえ、吸血鬼など存在できるわけがない。

 いや、そもそも吸血鬼は人間の夢が詰まった存在であった。
 
 人の夢、不老不死と無敵の再生能力。
 
 ∧∧
( ‥)でも悲しいかな
    生物が死を設定したのも
    再生能力が限られているのも
    細胞のガン化や個体の崩壊を
    先延ばしにするための策
    多分そう
 
  (‥ )それを考えるとさ
      死ぬ力と再生能力の制限は
      現実と折り合って
      我々が得た
      解答なんだよな
      でもその解答を拒否して
      不老不死と再生能力を
      空想の産物に与えた
      それが吸血鬼
 
 吸血鬼とはなんと儚い夢物語か。

 生物が進化の過程で得た選択肢ではなく、生物が選べなかった破滅の選択肢を与えられた存在、それが吸血鬼。
      

 

2015年4月29日水曜日

次の政治体制はあまり想像できない

 
 商品から得られる利益には限界があり、そこから割ける人件費、つまり賃金にも限界がある。
 
 ∧∧
(‥ )だからある段階で
\‐  必然的に賃金の上昇は
    打ち止めになる
 
  (‥ )さらに新興国が
      低賃金を武器に
      競争を挑んでくると
      賃金を維持することさえ
      できなくなってしまう
      良く言えば節約
      悪く言うとデフレだな
 
 10年以上前になるか、テレビが馬鹿みたいに節約術を連呼して、それは消費を鈍らせるからよせ、と政治家たちは渋い顔をした。しかしテレビでは高給取りのコメンテーターたちが庶民代表を気取って、政治家たちは庶民の生活が分かっていないのです! とがなりたてていた
 
 しかし、節約術うんぬんがデフレをまねくもさることながら、問題は、すでに豊かになった以上、出費はもとのままだってことで。
 
 ∧∧
( ‥)携帯電話や固定電話に
    かかる通信費とかね
 
  ( ‥)携帯電話出現以前よりも
    ‐□ 通信費に関する支出は
      増えているよなあ
 
 つまり、賃金が上昇して打ち止めになった時、支出は増えているのでどうしても貧乏にならざるをえない。
 
 支出を自分一人で抑えても、増えた支出は必ず商品の価格に反映されている。
 
 ∧∧
(‥ )これを阻止する方法は
\‐  あるんだよね
 
  (‥ )昔ながらの方法だな
      奴隷を使う
      労働力を奴隷化して
      賃金を払わず
      彼らが得るべき利益を
      ピンハネする
      その金を市民が手に入れる
      そういう仕組みだね
 
 奴隷制度を廃止した時、その国のその町はさびれてしまい、今に至るまで復興できていない、そういう事例が南米にはあるという。その一方で奴隷制度廃止後も伸びた町は、実は移民を低賃金労働者にした町であったという。

 
 ∧∧
( ‥)格差社会こそが
    富を生み出す唯一の
    手段である
 
  (‥ )西欧は列強時代に
      諸外国を奴隷化した
      ようするに
      貧乏を輸出することで
      市民が豊かになった
      そう見るべきなのだろうな
 
 そもそも民主主義とはギリシャの昔から他民族を奴隷化して搾取する主義であった。
 
 それを考えれば民主国家が貧乏を輸出するのは当然。
 
 民主国家とはかように暴虐非道で、人倫を踏みにじる存在である。
 
 ∧∧
(‥ )でもその構図が
\‐  壊れかかっている?
 
  (‥ )ドイツだってなあ
      もう20年以上も前から
      トルコ系移民を
      搾取してると問題視され
      今となっては
      移民が多くなりすぎて
      今度は
      それが問題になって
      いるわけだろ?
      必然でもあるし
      間抜けでもあるよね
 
 移民を奴隷代わりに輸入したあげくがこの有り様なんだけども、それもまた必然の結果であろう。
 
 これは何もドイツに限らないらしい。ドイツのネオナチと移民排斥は、諸民族を配下に置いた帝国を作らなかったドイツの特徴であるとか言った人もいたけども、それから10年あまり後にイギリスで大暴動があった。このことからすれば、この論評もまた。たわ言だったということなんだろう。
 
 そしてこのように本来、民主主義の基礎である奴隷制度が瓦解しつつあるとは、つまりそれは...
 
 ∧∧
( ‥)民主主義の終わりであると
 
  ( ‥)次に優位性を持つ
    ‐□ 政治体制はなにかな?
 
 なんであろうか? もはや右肩上がりの成長が望めない世界で、それでもなお生産効率は最大にしなければならぬ。こんな統制的な世界であるから、例えばファシズムが有利になるであろうか?
 
 しかし、ファシズムは統制的ではあるが、国民を整列させて突撃させる主義主張。兵器が高度化していく世界ではあまり意味がなさそうである。
 
 では軍人貴族制かというと、どうにもこれは保守的っぽい。国家間の競争が激しい世界ではちょっと生き残れなさそうだ。
 
 ∧∧
(‥ )国民を義務でしばった
\‐  統制的な国家でありながら
    諸外国に対して技術面で
    遅れをとらないように
    絶えず流動している社会
    それでいて軍隊は
    プロ化が進み
    総動員は夢の話
    なんですかね? これ?
 
  (‥ )アメリカや日本の
      いやなところを
      合体させたような
      国じゃないかと
      予想できるけど
      想像しにくいよな
      イデオロギーや宗教で
      統制されていて
      そのくせ社会の流動が
      推奨される
      一体なんだろうな?
 
 あるいはよく分からないけどビザンチン帝国とか? 
 
 
    
 

2015年4月28日火曜日

死者の夢は作り物であった

 
 夢を見た。死んだ知り合いと話をしていた。
 
 いや、知り合いといっては相手に失礼かもしれぬ。なぜなら最後の数年間、仲は良くなかったからだ。
 
 ∧∧
(‥ )昔の人はそういう夢を見ると
\‐  死者との対話
    意味あることと
    占ったものですけども
 
  (‥ )違うねえ
      あの受け答えは
      彼がするものじゃなかった
      あれは俺の脳が
      勝手に作った
      あからさまな
      人工物だったよ
 
 とはいえ、こんな夢を見たことには理由があろうし、思い当たる節がある。
 
 ∧∧
( ‥)ガンの本を読みましたと
 
  (‥ )ガンは細胞と遺伝子の
      暴走である
      その説明自体は事実だが
      説明になっていない
      ただの例え話で
      原因の解説ではないのだ
 
 ガンの本を幾つか読んでも、何をいってるんだからさっぱり分からない。しかしふと思いついた。細胞のガン化。これって、ようするに自然淘汰だよね?
 
 ∧∧
(‥ )人間は数十兆の細胞で
\‐  出来ている
    細胞同士には競合があり
    自己増殖に有利な変異を
    起こした細胞は
    子孫を必然的に増大させる
    細胞のガン化は進化によって
    加速される
 
  (‥ )つまり人体内部における
      自然淘汰と進化で
      ガンが必然的に
      発生するのだ
 
 そう思って調べたら、論文や本があることが分かった。
 
 [ Cancer The evolutionary Legacy] Mel Greaves

 Amazonでは中古しか売られていないが和訳もあった
 
「がん 進化の遺産」メル・グリーブス ブレーン出版 2002年

=>Amazon.co.jp: がん―進化の遺産: メル グリーブス, Mel Greaves, 水谷 修紀: 本
 
 
 ∧∧
(‥ )訳が少し難解ですね
 □‐
 
  (‥ )イギリス英語なんで
      大変だったと
      後書きにある
      原著も買ったし
      場合によっては
      付き合わせれば良い
 
 本の内容はそのままだ。自然淘汰によって人体の細胞には必ずガンが生じる。
 
 ∧∧
( ‥)つまり人間が寿命を
    伸ばせば伸ばすほど
    確率論の必然から
    確実にガンになる
 
  ( ‥)前もいった話だな
    ‐□ 細胞の集合体である人間は
      個体として
      存在出来る時間が
      必然的に限られている
 
 細胞のガン化を阻止するあらゆる仕組みがある。細胞に対し、意図的に寿命を設定する、分裂回数を可能な限り制限し、これを逸脱しても被害を最小限に抑える構造、さらには細胞における遺伝子の逸脱を察知した時、細胞もろとも自殺を発動する遺伝子の存在。
 
 そこまでしても、細胞のガン化と個体としての統制の喪失は時間の問題である。いずれ遅かれ早かれ、どこかの細胞が死を拒否して不死化する。不死化した細胞が人体を破壊する。不死化によって個体が崩壊する。
 
 ∧∧
(‥ )人体の不死化というのは
\‐  理論上あり得ない
    そういうことですよね
 
  (‥ )だから
      彼の夢を見たのだな
      あの人は人間の不死化を
      信じていたからなあ
 
 彼も、寿命を延ばすとガンの発生確率が増大して手に負えなくなる、というのは知っていた。だがこれはどちらかというと経験的な事実でしかなく、理解そのものではない。
 
 一方、彼は今西錦司とグールドを信用していて自然淘汰説は葬り去られたと信じていた。

 そんな彼である。人体内部における自然淘汰と生存競争によって個体は必然的に崩壊する。彼がこの説明を聞いたとしても、理解できないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)それに思い至ったから
    あなたは
    亡くなった人の夢を
    見たのですか
 
  (‥ )多分ね
 
 そしてここから言えることもある。
 
 人間とそれを支配する遺伝子たちが自分のコピーを作り、存続するには、個体が死なねばならない。
 
 というか、どうしても個体は崩壊するからそれしか方法が無かろう。
 
 同一個体を作る細胞はひとつの受精卵から生じたクローンのはずなんだが、クローンとて同一ではありえない。自然淘汰と生存競争で遅かれ早かれ、個体としての統制を喪失してしまう。 
 
 それゆえ、崩壊する前に子孫を作らなければいけない。
 
 これはつまり
 
 ∧∧
( ‥)自分のコピーを最大限に
    増大させる
    この利己的な目的のためには
    自分が死ななければならない
 
  (‥ )自分の利己的な利益を
      最大にするには
      自分が死ぬ必要がある
      これを踏まえるとあれだ
      不老不死を実現した瞬間に
      人類は絶滅するのだろうな
 
 いや、正確にいえば、不老不死族と寿命制限種が共存して、不老不死種は全滅し、残るのは寿命を意図的に制限した個体たちだけである。そういうことになろう。
 
 それにしても、冒頭の彼、不老不死を望み、永遠の生を渇望して死んだ彼は、こんな話を聞いたら多分激怒するだろう。だがしかし、事実はこういうことだろう。
 
 それを考えれば、夢に出てきた彼はもちろん彼ではない。あれは自分の脳が作り出したまったくの別物だ。少し悪いことをしたようにも感じる。
 
 ∧∧
(‥ )まあ後はもっと
\‐  資料を調べることですね
    これってまさに
    個体は遺伝子の
    乗り物でしかないし
    そもそも
    そうでないと存続は不可能だ
    そういう話だしね
    すでに言及があるのでは?
 
  (‥ )こういう理解が先にないと
      以上のようなことが
      書かれているのに
      それを読んでも
      見落としている可能性が
      あるからな
 
 まあ、ゆっくり調べれば良いのだ。


 これはhilihiliのhilihili: 個体の存在は100%完全であるわけではないの続き
 
 
 

信じていることはほとんど全部妄想

 
 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )生産効率が上がったのに
      賃金が上がらないのはなぜ?
      この質問をする人は
      生産効率が上がれば
      賃金は無限に増大する
      そう考えているわけだよね?
 
 そうでなければ、作業効率=賃金の上昇、なんて発想はしないだろう。

 だが実際にはそうはならない。

 例えば1秒で車が出来たとする。材料費や制作費、工作機械の維持費はただ同然。だのになんということでしょう! これが10万円で売れるのである。
 
 原価0で10万の利益。破格の商品である。
 
 だがしかし、これは次のようことでもある
 
 ∧∧
(‥ )言い換えればあれだよね
\‐  効率が事実上
    無限大にまで改善されても
    1台の車を売って
    手に入れられるのは
    10万円が限界です
    そういうことだよね
 
  (‥ )1日で1台売れたら
      日給が10万円だ
 
 
 でも1ヶ月に1台売れるだけなら月給10万円である。
 
 ∧∧
( ‥)そして実際には
    作るのに時間がかかるし
    作るためにはお金もかかる
 
  (‥ )つまり作業効率が
      無限大でも
      賃金はどこかで
      必ず頭打ちになるし
      実際にはもっと速い時点で
      頭打ちがくるのだ
 
 賃金は必ず頭打ちになる。それもかなり速く。
 
 しかし、かつての世代はこれが良くわかっていなかったらしい。
 
 例えば日本よりも欧米の賃金と生活水準が高いとする。なれば、西欧の賃金に追いつくまで、低賃金労働者である日本人の賃金と収入は上昇し続ける。低賃金で作られた同質の商品は欧米の商品を駆逐する。
 
 ∧∧
( ‥)しかし賃金が上昇し切って
    頭打ちに達すると
    その強みは終わる
    賃金として使える利益は
    すべて使い尽くしてしまい
    これゆえに
    それ以上、賃金が上がることは
    原則あり得ない
 
  ( ‥)だけどおっさんたちは
    ‐□ 経験上
      賃金は上昇するものだと
      思い込んでいるから
      賃金の上昇は必ず
      頭打ちになることが
      理解できない
 
 だから、おっさんたちは、今を我慢すればいいのに、なんで若者はすぐ会社を辞めちゃうの? と不思議そうな顔をする。自分の経験が世界の理だと思い込んでいるわけで、これはつまり阿呆なのだ。
 
 だがしかし、
 
 生産効率が上がったのに、どうして賃金が上がらないの? それは貧しくなったから? それとも払わないから貧しくなったの? そういう質問が出てくる。
 
 ∧∧
(‥ )ようするに若者も
\‐  頭の出来はおっさんと
    同じということですか
 
  (‥ )おっさん世代の遺伝子を
      混交したのが子供の世代だ
      集団的には同質だからな
      変わる訳が無いね
 
 つまりどうも、右肩上がりの成長は無限に持続できる。持続できないのはそれを阻む悪い人たちがいるからだ、そう考える点ではおっさんも若者も同じらしい。
 
 ∧∧
( ‥)つまりですよ
 
  (‥ )俺たちが信じていること
      このほとんど全部は
      ただの妄想だ
 
 これらをすべて放棄しないと、多分、道を見つけられぬだろう。
      

 
 

2015年4月27日月曜日

現在分配中

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
   ( ‥)そうね例えば
     ‐□ ざっくりと
       こう考えてみる
 
 ヨーロッパはまず新世界を奴隷化して、そこから安価な銀を取り出した。
 
 次に戦争だけは長けていたヨーロッパはユーラシアの貿易を武力で押さえにかかった。
 
 さらにアフリカを奴隷化し、そこから人間を買い、それを文字通り食いつぶしながら産業を育成した。
 
 さらに産業の機械化に成功して様々な市場を安価な製品で奪い取った。
 
 ∧∧
(‥ )ごく単純に考えれば
\‐   この500年の間に
     世界中の富を
     奪い取ってきたと
 
  (‥ )日本は彼らの次に
      工業化に成功した
      社会なんで
      低賃金を売りに彼らから
      富を奪った
      そういうことかな
 
 もちろん、生活が豊かになり、賃金は上昇し、西欧の水準に達すると低賃金の強みはなくなるので、状況は平衡状態となる。
 
 ∧∧
( ‥)次に中国が低賃金を売りに
    世界の工場を自称する
 
  (‥ )これってさ
      ものすごく単純に言うと
      世界中から収奪された富が
      再分配されていく
      過程だってことになる
 
 ここまで単純な理解で良いのか正直分からない。

 というか、むしろ怪し気な点が多々あろう。例えば、新世界の銀がヨーロッパに集まって、それが今、世界中に拡散していっているのか? と問われれば、それは疑問に思われる。
 
 *実際、新世界の銀は西欧商人の手を経て、最終的には当時の中国、清帝国に流入したと聞く。そして例えばその銀が、西欧列強の中国進出で再び西欧に戻って、彼らの富になったのだ! とか言えるだろうか? 調べないと分からないけど、それはいかにも胡散臭い。
 
 ∧∧
(‥ )あなたは何も知らない
\‐  なにも分からない
    証拠があるわけでもない
 
  (‥ )ただ状況はこうだったし
      時系列に並べると
      こうなるし
      強みの低賃金も
      人件費の上昇で破綻する
      これはまったくの事実で
      そして次々に工業化は
      広がり
      先進国の富は外へ
      出て行く傾向がある
      これも事実だよな
 
 それを考えると
 
 ∧∧
( ‥)日本は貧しくなったのです
    この指摘はまったくの
    無意味であると
 
  (‥ )指摘自体は事実なんだが
      そんな指摘に
      何の意味があるの?
      そういうことだね
 
 富を分配していけば、そりゃ貧しくなるでしょうよ。

 それを踏まえれば、日本が貧しくなったのは誰のせい? こんな話、どうでも良いことだ。原因究明も責任者探しも、どれも全部間違いだろう。必然的に起こることはそれだけの話。責任も何も無い。
 
 つまり、目尻の小じわは誰のせい? そんな質問に意味がないように

 分配すれば富は薄くなる。それだけの話でそれ以上の意味はない。
 
 ∧∧
(‥ )富は作ることもできるけど
\‐
 
  (‥ )それは外部から
      エネルギーが
      流入してくるからで
      流入と支出の差額分が
      富になる
      そしてそれだけの力を
      生み出せるのは
      食料生産における
      太陽エネルギーと
      石油と原子力だけだな
 
 そして、自分たちの電気代を考えれば、そのような富の生成がこれ以上はもう無理であること、明白。この限界を突破する技術も開発できていない。
 
 ∧∧
( ‥)どうしたもんですかねえ?
 
  ( ‥)問題はそこよ
    ‐□
 
 貧しくなったなんてどうでも良い話だ。どうやって富を作り出すのか、それが問題となる。
 
 ∧∧
(‥ )例えばありうるのは
\‐  貯蓄を放出させちゃう
    ですかねえ....
 
  (‥ )森を破壊して
      草原に変えちゃうぞ
      戦略だなあ
 
 *森は木材という貯蓄になって食えないままの部分が山のようにあるので、効率が良くない。それに対して草原は豊かだよね、という意味。
 
 **考えてみればこれは、富を作るのではなく、死んでる富を流しましょう、というだけの話でもある。それでも森よりは草原の方が活気はあろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも社会を
    草原に変えちゃうって
    社会を非常に不安定化させる
    ことでもあるよね
 
  ( ‥)安全に不安定化させる
    ‐□ 方法ってないのかな?
      
 例えば、失礼な話、中国は自由人の国だけに、あっという間に不安定化しそうである。それこそ”共産革命”が起こって富が放出されて格差社会が是正されたりするのかもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれって国益を
\‐  大いに損なうよね
 
  (‥ )現在みたいに科学技術を
      体系的に維持しないと
      遅れを取る世界では
      そういう社会混乱は
      致命的だろうからな 
      革命が起これば
      一気に一歩後退する
      それを考えると
      中国の覇権はないよなあ
      退潮傾向にあるとはいえ
      アメリカの覇権が
      あと何世紀か続くよね 
 
 
   

2015年4月26日日曜日

抱き合わせで売れ

 
   ( ‥)天国がないとさー
     ‐□
 
 ∧∧
( ‥)はいはい?
 
 
 
   (‥ )貧乏人に喜捨すると
       天国いけるよーって
       金持ちを騙せなく
       なるんだよね

 ∧∧
(‥ )昔のお金持ちは
\‐  騙されていたんですか?
    そんなたまですかね?

 
 さてどうだろうか

 
 
   ( ‥)神様はいないけど
     ‐□ 天国はあるってことに
       しない?
 ∧∧
( ‥)その設定はちょっと
    無理があるんじゃね?
 
 
 
 どこでもそうだというわけではないけども、一般的には天国と神はセット販売のようである。
 
 
 

村に自由はありません 自由が無いのが村です

 
 民主主義においては政治家をお互いに選出し、汚職などして自分だけこっそり儲けようとする人があれば即座に貶めてやろうとお互いに目を光らせておる。
 
 
  (‥ )こういう政治体制だのに
      日本人はその善悪を
      周囲の視線で
      決めているだけじゃないか
      こんなのおかしいよ
      そう批判する人が
      いるわけなんだが
      これってどういうことよ?
 
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 
 考えてみれば民主主義とは小さな組織から出発したものであった。それを踏まえれば民主主義とは村の論理そのものだとも言える。村に自由はあっても自由はない。
 
 
 
 

1000年とは、考えてみれば直近の過去

 
 ローマ帝国が東西分裂した後、残った東ローマ帝国は、実際にはギリシャ帝国であった。
 
 この帝国は6世紀、ユスティニアヌス帝の時代以後、衰微するが、10世紀、11世紀に大国として再生する。
 
 だがしかし
 
 1071年。遊牧騎馬民族トルコ人との戦いで破れ、領土の多くを失った。
 
 ∧∧
(‥ )そこで西欧に救援を
\‐  求めたら
    やってきたのは
    異教徒を虐殺する野蛮人
 
  (‥ )日本だと平安時代の
      後期だよな
  
 
 1204年。第四回十字軍、この野蛮人たちに都を占領、略奪される。
 
 ∧∧
(‥ )日本だと鎌倉幕府が
\‐  成立したぐらいですね
 
  (‥ )日本で例えれば
      早めに成立した
      モンゴル帝国に京都が
      占領されたが
      やってきたのは
      とんでもない蛮族で
      根こそぎやられた
      そんな感じかな
 
 1453年。救援を求めるも援軍はこず、見殺しにされ、オスマン・トルコに征服される。
 
 ∧∧
(‥ )日本だと応仁の乱が
\‐  そろそろ起こって
    室町幕府が不安定化する
    そんな時期ですね
 
  (‥ )つまりさ
      ギリシャ人って
      日本人の
      時代感覚からしても
      これだけ近い時代に
      こういうことを
      西欧人からされてるわけよ
 
 日本人からしても1000年というのはかなり具体的な時代である。ましてや日本人よりもずっと古い歴史を持ち、紀元前からの遺産を持つギリシャからすれば、こんなの最近の話だよね?
 
 
 ∧∧
( ‥)それを思うと
 
  ( ‥)現代のギリシャ人って
    ‐□ ゲルマン人やフランク族
      (*フランク族は広義の
         ゲルマン人である)
      をどう思っているのかね?
 
 ∧∧
( ‥)ゴミカス程度にしか
    思ってないと?
 
  (‥ )野蛮、残忍、卑劣
      汚らわしい獣のごとき蛮族
      心のどこかで
      そんな風に思っていても
      おかしくなくね?

 
 これはhilihiliのhilihili: あれって東ローマのやり口だよねの続き
 
 


 

2015年4月25日土曜日

漫画ネタが実話になっているのか?

 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)んー
    ‐/ さっきコピペを見てな
 
 それは、同窓会にいったら黒人がいて、彼が二次会行くぞーと場を仕切っていた、という話で。
 
 まるで実話のように書かれていたのだけども、それ、漫画「課長バカ一代」の話だよね?

=>https://www.google.co.jp/search?q=課長バカ一代&biw=882&bih=735&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=HsQ6VYbyGYfm8AXa3IHoDQ&sqi=2&ved=0CAYQ…

=>https://www.google.co.jp/search?q=課長バカ一代%E3%80%80同窓会&biw=882&bih=735&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=TMQ6Va6DMIXg8gXSzYHgDg&v…
 
 ∧∧
(‥ )魁クロマティ高校を
\‐  描いた漫画家さんの
    作品だよね
 
  (‥ )同窓会にいって
      月日の流れは大きい
      みんな変わったなーと
      眺め回していると
      なぜか黒人がいる
      というシュールな話でな
 
 主人公がお座敷で、すてーんとすっ転んで、誰だ彼は? 見覚えがないぞ、人相が変わったとか、老けたとか、そういう問題ではない....と絶句し、さんざん考えるのだが思い当たるふしがない。別のお座敷のお客が紛れ込んだのかな? と思っているとその黒人の彼が、二次会イクゾー と叫び、皆がおおーと唱和する。一体誰なんだ? という話。
 
 だったよな
 
 ∧∧
( ‥)漫画のネタが
    抜粋されて
    出所不明の
    実話っぽくなって
    流布しているのですかね?
 
  ( ‥)分からん
    ‐/ リンクを見失った
 
 ただ、確かにこの世界に流布している話には妄想、妄言、創作、デマ以前に、漫画がネタ元なのに実話扱いにされているものや、長い流布の間にずいぶんと変質してしまったものもあるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )そういえば以前
\‐  ウイルスで生物は進化する
    アフリカでは
    マラリアに対抗できる
    赤血球がそれで進化した
    そういう流布を見たよね
 
  (‥ )ウイルスによる遺伝子の
      水平移動という事実と
      ウイルス進化論という
      戯れ言と
      変異と自然淘汰による
      鎌状赤血球の進化と
      超優性がごっちゃまぜに
      なっているのよな
 
  
 

正しさは人の目を曇らせる

 
 夢を見た。
 
 地面を掘るとミミズが出てきた。ミミズは食えると聞く。だがこれは食えん。いかにも土臭そうだし、第一、小さい。
 
 起きると腹が減っていた。
 
 夢を見た。
 
 フリスクのような白い錠剤型のお菓子なんだが、一粒が妙に大きい。しかし飴玉ではなくそれより小さい。砂糖菓子でもない。半透明ではないのだ。包装箱の説明には、
 
 甘くて爽やか
 クールにリフレッシュ
 大声で奇声を発したくなる衝動を抑える効果もあります
 
 と書いてあった。
 
 これは食っちゃいけないものだ! 
 
 そう思って起きると腹が減っていた。
 
  (‥ )俺は一体どうしたんだ?
 
 ∧∧
( ‥)お腹が空いているんでしょ?
 
 
 さて
 
 自分が会社にいるとする。不満は色々とあるだろう。上司、同僚、部下、通勤、業務、賃金、そして時間。
 
 不満は当然、皆にあるから色々と愚痴ることもあろう。
 
 しかしこの時、
 
 そうだよね? おかしいよね、こんな会社変だよね。こんな会社は潰れるべきだよ!
 
 そう言い出したら
 
 ∧∧
(‥ )白い目で見られるだろうと
\‐
 
  (‥ )皆が賛同して
      一揆を起こすことも
      ありうるが
      それは扇動者に説得力が
      あるからじゃない
      不満があまりにも
      大きい場合だな
 
 つまり、物事を決定するのは理念や正しさではない。損得だ。
 
 損得勘定をした時、自分は一揆が起きた方が得である
 
 周囲を見回せば、得になる人間が十分多いので、一揆は成功するだろう
 
 こう言う時に賛同が連鎖し、一揆が起こりうる。
 
 しかしそうでない場合
 
 ∧∧
( ‥)そうでない場合に
    この会社はおかしいよね?
    こんな会社は馬鹿だよね?
    つぶれるべきだよね!!
    そう言い出したら
    皆から白い目で見られる
 
  (‥ )会社は賃金を生み出す
      共有された仕組みなんだ
      それを破壊しようとか
      それが馬鹿であるとか
      まくしたてる
      それは会社に所属する
      仲間に対して
      お前ら死ね
      お前ら馬鹿
      そう言っているのと
      同じなんだよね
 
 そりゃあ白い目で見られるだろう。
 
 それにしてもこれは疑問であろう。
 
 なぜ白い目で見られるような言動を言い立ててしまったのか?
 
 それは損得勘定を計算しなかったということだろう。損得を計算しないで正しさだけをぶんぶん振り回している、危ない人だとも言える。
 
 そして、

 周囲の人間の損得がどのぐらいなのか? 一揆に賛同してくれるかどうか? それを推し量ることにも失敗した
 
 そういうことでもあろう。
 
 あるいはこう言えば良いだろうか。
 
 彼は正しさに目が曇らされて、損得勘定も皆の生活も動機も読むことができていないと。
 
 ∧∧
(‥ )だから失敗する
\‐
 
  (‥ )失敗するのは当たり前だな
      だけど正しさに
      目が曇っている以上
      彼は反省なんかしない
      今度はみんなを
      恨み始めるのだ
      そもそも空気を
      読めないからな
 
 俺は正しいのに、それに賛同しないこいつらみんなおかしい。
 
 こいつらは政治や社会の問題には目を向けず、不真面目な話ばかりしている。こんなことは異常だ。
 
 彼はこういうことを言い出すようになる。
 
 ∧∧
( ‥)でもそれでは成功しない
 
  ( ‥)人は損得で動く
    ‐□ 正しさに目が曇って
      皆の損得を見極めることが
      できていない以上
      必ず失敗する
      ようするに口先だけなのだ
 
 だがしかし、口先だけで、しかもこれほど空気を読めないし、損得も見極められない人間、これがなぜか死なない。
 
 これは矛盾である。
 
 どういうことであろうか?
 
 色々な場合がありうるが、ひとつはこういう可能性がありえよう。
 
 実は生活に困っていない。
 
 ∧∧
(‥ )まあ確かに
\‐  愚痴を通り越した
    批判と否定を
    繰り返す割りには
    その組織にずーっといる
    人っていますからね
 
  (‥ )そういうのってな
      周囲から見ると
      口先だけの駄目な人に
      見えるのだけどね
      正しさに目が曇っていると
      そういうのは
      自覚できなくなるよね
 
 いや、むしろ
 
 会社がおかしい、社会が異常だ。それが分からないお前たちは馬鹿だ。お前のせいで俺の考えた計画も実行できないんだ。
 
 だから僕のせいじゃないですよ。

 こうやって何もかも他人のせいにして自分だけを正しい立場に置いて、それでいながら決して危険な外へは出ようとしない。自らが批判し続ける組織で飼い殺しにされる立場に甘んじて、それがゆえに安心して舌鋒鋭く批判する。

 そういうことであろう。
 
 そして、これは...確かに甘美かもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたもします?
 
  (‥ )読者が馬鹿だから
      俺の本が売れないのだ!
      とか言うのかい?
      言うのはかまわないし
      言うけども
      それだけじゃ死ぬし
      言ってるだけじゃ
      意味ないよ
 

 しかし、逆に言うと彼にはそれが出来る。

 世の中は馬鹿だらけで正論を言うと叩かれる、こんな社会は狂っている。

 安全地帯からこのように、舌鋒鋭く世界を批判して止まない。
 
 正しさというのは、それほどまでに人の目を曇らせるということか。
 
 
 
 

2015年4月24日金曜日

皆の立ち位置はそれぞれどれ?

 
 昨日23日、朝の話だけども、公園を歩いていると、おっさんたちの話し声が聞こえた
 
 萩原流行、死んじゃったそうだね 
 
 ハーレーで車の間を...
 
 
 ∧∧ 俳優さんでしたよね
(‥ )
 ‐( ‥)確かそうだね
 
 
 別のおっさん、おばさんは違う話を熱く語っていた。
 
 ドローンはGPSで位置を決めているからそれを規制すれば
 
 皇居に飛ばす人たちも
 
   首相官邸の屋上に
 ∧∧ ドローンが落ちてた話ね
( ‥)
 ‐( ‥)まあ普通にテロ
     なんだけどね
 
 
 こんなことがあればドローンが規制されてしまう。これでまた日本においてひとつ新しい技術が禁止されて、諸外国に遅れをとる。飛ばした奴はどうしてくれるんだ?
 
 いやいや、こういう事件を口実に規制しようとする馬鹿がいる日本社会がこそ問題なのです
 
 ∧∧
(‥ )どう思います?
\‐
 
  (‥ )言ってることが事実か
      正しいかもさることながら
      どんな立ち位置で
      言っているのかが
      争点になるんだろうな
 
 規制があれば日本は諸外国に遅れを取る。これは困る。
 
 そういう立ち位置の人なら、では規制しようとする連中をどうねじふせようか? ここに想いをいたらせるだろうし、彼の放つ言葉もそういう文脈におけるものとなろう。
 
 反対に、自分の人生の復讐を社会に向けたい人は、規制しようとする馬鹿こそが問題なのです、そんなこともあなたは分からないのですか? 日本は悪い社会です。それに気づかぬあなたも悪い人です。つまりお前も俺の敵だっ! 成功するはずだった俺の人生を返せっ!
 
 ∧∧
( ‥)同じ言葉でも彼の言葉は
    以上のような文脈で
    放たれる言葉に
    なるでしょうと
 
  ( ‥)まあどっちなのかは
    ‐/ 見れば大体分かるけどな
 
 
 では、皆の立ち位置はそれぞれどれ? あるいは何?
 
 
 

読書とは他人に対する威嚇行為である

 
 ∧∧
(‥ )本を読んでそれを
\‐  理解するとは
 
  (‥ )学校の授業で
      そんなテストが
      あったかい?
 
 いや、あったことはあったけども、その採点の基準とはなんだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)うさんくさいと
 
  (‥ )あるいは非常に恣意的か
      そのどれかだろ?

 
 
 作者の気持ちを答えなさい
 
 作者は〆切に追われて疲れた、めんどくさい、とかしか思っていないのだが、答えはそれでは駄目なのだ。出題者が勝手に考えだした答えが正解となる。
 
 そういうのは恣意的。あるいは人為的と言うのだ。主観によって作成された人工的なものだ、とも言える。
 
 それはおもちゃのお札のようなもので、流通されるべき裏打ちが存在しない。
 
 ∧∧
(‥ )歳はとっても
\‐  たくさんの本を読んでいるよ
    という
    自慢と感嘆、そして讃歌
 
  (‥ )そんなもの
      何の意味もない
 
 
 あるいはここから明白に分かることは、読書とはまったく無意味な無駄自慢であること。時間と体力と金を他人に誇示する威嚇行為でしかない、ということである。
 
 読書とは、ヤンキーが大股開きで電車の座席に座ることと変わりない。文化的に下劣の下。
 
 
 
 

2015年4月23日木曜日

口の中に口あり

 
 最近は他人の意見を聞けない人が増えました
 
 ∧∧
(‥ )という見解
\‐
 
  (‥ )それだけだと
      事業を傾けた社長が
      最近は私の意見を
      聞かない社員が増えました
      嘆かわしいことです
      そう言っているのと
      区別できないからね
      その説明では駄目だよね
 
 
 というか単に意見が割れれば、それだけでどちらの立場に立っていても他人の意見を聞く人間が半減することになるし、三分割すれば3分の2の人間が自分と意見を違えることになる。
 
 なれば、意見が多数なら人はほぼ誰と話をしても意見が合わない。
 
 つまりもともと本来、人の意思は孤独なものだ。
 
 これまでは皆が意見が一致した、というのならそれはむしろ妙な状況であろう。
 
 それを良きこと、と本気で信じていたのであれば、むしろそちらの方がおかしかろう。
 
 人は本来孤立している。それを感じないとすれば、なにか認識に齟齬があろう。
 
 ∧∧
( ‥)仮に意見を聞かない人が増えた
    という意見が正しいとしても
    意見が多様化した
    それだけで説明が可能
 
  (‥ )でも今、
      意見が特に多様化したとか
      反対に減少したとか
      そういう証拠はないなあ
      というか言ってる本人が
      根拠を示しておらん
 
 話はもっと単純で、単に自分が少数派になってしまったので、周囲から浮いた、それだけですべてが説明できよう。
 
 つまりは、時代に取り残されつつある人間の叫びだと言えようか。
 

 それはそれとして
 
 ∧∧
(‥ )論文に登場したこの名詞が
\‐  ドイツ語で”皮”というのは
    どういうことでしょうね?
 
  (‥ )変異すると
      くしゃくしゃになるから
      かもしれないけど
      よく分からんな
 
 ∧∧
( ‥)どうします?
 
  (‥ )ちょい役だろ?
      素直にシペトテックで
      良いんじゃね?
 
シペトテック=>https://www.google.co.jp/search?q=xipe+totec+aztec&biw=1017&bih=790&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=Bbw3VZPLO-PDmwW3_oDgCg&ved=0CAY…

 スペインによる征服以前にメキシコ、アステカ帝国で奉じられた神のひとつである。生け贄の皮をはぎ、それをまとった神官を描いた、あるいはかたどったものとされる。
 
 彫像を見ると口の中に口がある それはそういうことだ。
 
 

2015年4月22日水曜日

分かっているのにシノニムを作るな 地獄の業火で焼かれろこの野郎

 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)有名な遺伝子なんだが
    ‐□ 困ったことになあ
      先に命名した人が
      いるのに
      著者が
      それを引用しながら
      新名を提案して
      それが一般化しとる

 
 一体全体、いつの生物学だよ? 100年前の野蛮人かお前らは。
 
 ∧∧
(‥ )分子生物学は
\‐  命名規約は無いみたいだし
    ギリシャ語やラテン語は
    使わないし
    頭文字造語を乱発するし
 
  (‥ )命名の先取権も
      まともに運用できないとは
      生物学者とは思えねえ
 
 まあ、正確にいうと命名規約や先取権は分類学の話で、生物学の話ではない。そもそも自然科学というよりも事務手続きの話なんだけども。
 
 ∧∧
(‥ )命名を無視されちゃった人は
\‐  名前からすると
    日本人ですかねえ?
 
  (‥ )無視した方は
      マックスプランクとか
      でけー名前が出てきたな
      めんどくせえなあ
      どいつもこいつも
      地獄へ落ちないかな
 
 こういうことをやられると書く方も困るのだ。状況を調べる手間がかかるし、このことを書くと、それだけで数百文字を取られる。本題が薄くなる。
 
 ∧∧
(‥ )新名をシノニムにして
\‐  古い名前を取り上げている
    辞書もあるみたいね
 
  (‥ )これを典拠にするかなあ
 
 もちろん、その場合にも一応調べなければいけないわけで、手間だけが増えていく。
 
 地獄の業火で焼かれろ。
 
 
 

大元帝国の栄光再び

 
 そういえば、中国にはユーラシア大陸の陸路とアジア、インド洋、ヨーロッパを結ぶ交易路を一括して発展、整備しようという一帯一路構想というものがあるとか。

=>https://www.google.co.jp/search?q=一帯一路&biw=1007&bih=755&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=3IM2VeT8FoeE8QW_rID4Dw&sqi=2&ved=0CAgQ_AU…
 
 
 ∧∧
(‥ )これってようするに
\‐
 
  (‥ )モンゴル帝国だね
 
 
 モンゴル帝国は、イラン、中央アジア、中国を配下に納めた。特に中国を支配した大元帝国は海洋にも乗り出した。イスラーム商人の力を借りて、巨大な貿易圏を作ろうとしたという。

 帝国の早い崩壊で、...それは気候変動が原因であったとも聞くけども、中国による海外への拡大はそこで終わった。モンゴルを北へ追いやった中国の明はこういう方向へは発展しなかった。確かに鄭和の遠征とかあったけども、それも立ち消えだ。

 結局、数世紀の時間を経てこれらの交易を全部手に収めたのは西欧であり、西欧列強の侵攻に日本も中国も慌てて対処する羽目になる。
  
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  この構想は明の失敗を
    取り戻そうという
    歴史的な構想ですか
 
  (‥ )希有壮大だねえ
      しかしこれを
      大真面目に語れるのは
      征服王朝とはいえ
      大元帝国が実際に
      これに近いことを
      やってのけたからかもな
 
 過去の実績があれば、自分たちもやれる、そう思うのは当たり前なことであろう。王朝が交代したとはいえ、現代中国の指導者も帝国の末裔。それを思えば違和感のない発想だ。
 
 ∧∧
(‥ )中国としても
\‐  自国の資源の確保や
    安全保障を考えれば
    これ自体は当然の結論
    なのでしょうけどね
 
  (‥ )とはいえ
      ちょっとな
      無茶だよねえ
 
 西欧も武力で制圧しただけとはいえ、それに数世紀かかっているわけで、思いついてすぐにどうこうできるものではないだろう。多分、夢が大きすぎて、そしてあまりにせっかちすぎる。
 
 
      

2015年4月21日火曜日

おっさんは過大評価されている

  
 おっさんたちが買い物かごをレジから運ぶ。
 
 おっさんは自分で買い物ができない。
 
 おっさんたちは自分は何を食べたら良いのか、それには何を作れば良いのか、そのためには何を買えば良いのか、それが分からない。
 
 奥さんであるおばさんが買ったものを眺め、おばさんが金を払うのを見守り、そしてレジから運ぶのだ。
 
 まるで、ごく単純な用途だけに使われるために、これに何の意味があるの? そう思える工場の部品に似ている。
 
 ∧∧
(‥ )おっさんたちは
\‐  何も出来ない
 
  (‥ )それを考えるとさ
      色々と理解できるよな
 
 冷戦が終わった。これからはかつての列強時代のように国家同士が再び権謀術数を多国間で展開する訳分からん時代になる。
 
 そう言われても、おっさんたちは、はあ? だろう。
 
 中国が大国になって海洋へ出ようとしている。それを許すわけにはいかない。軍事力で押さえ込まなければならない。
 
 そう言われても、リベラルなおっさんたちは、はあ? としか言わないだろう。
 
 マルクス主義は失敗したとか間違っていたとか以前に、あれそもそも意味ないよ、と言われても、
 
 おっさんたちはやはり、はあ? だろう。
 
 ∧∧
( ‥)自分のご飯の準備も
    自分で新たに
    学習できない
    なれば
    もっと複雑なことに
    対応などできるわけがない
 
  ( ‥)分かり切ったことなんだが
    ‐□ 意外とな
      おっさんも
      おっさんでない人も
      おっさんを過大評価して
      しまうのでな
      ここんところは
      誤解が多いよね
 
 
 
 
  

好き嫌いは簡単に作れるか否かと等価ではない

 
 漫画やラノベが下流であると見なすのはまあ人の勝手だ。
 
 いや、彼らはそうしなければならぬのである、そう言うべきか。
 
 ∧∧
(‥ )その趣味じゃないと
\‐  上流階級でなくなるし
    上流階級でいたいのなら
    その趣味でなければならない
    そういうことは
    あるからね
 
  (‥ )そうしないと
      立ち位置が確定しないのだ
      社会とはそういうものだ
 
 だが、下らないのだから漫画やラノベなんて簡単に作れるだろ? 本気でそう言い出すのなら、そいつは物作りの現場から一切排除されるべきである。
 
 ∧∧
(‥ )簡単になんか作れるわけ
\‐  ないからね
 
 (‥ )そういうことを言う奴は
     プログラムなんて簡単だろ?
     設計なんてこれでいいだろ?
     料理なんてこうすれば
     合理的じゃん
     こんな安全確認なんか
     やるだけ無駄だろ?
     この部品なんで必要なの?
     取っちゃおうよ
     そういうめちゃくちゃを
     確実に言い出すからな
 
 文化を受け入れる受け入れないは単なる本人の趣向。しかし、出来もしない物作りを簡単だろ? と言った瞬間に、それは公の問題、趣向による公への侵犯となる。
 
 己の好悪が現実であると考えているのだ。そんな人間の現実操作は危険に決まっている。

 かくなる人間、必ず問題を引き起こす。あらかじめ排除せねばならぬ。
 
 
 
 

      

2015年4月20日月曜日

借金心理

 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)ほら時々いるだろ?
    ‐□ 我々は日本のバブル崩壊と
      その後の失敗を
      徹底的に調べた
      だから失敗はしない
      と誇らし気に言う
      外国の連中
 
 それってあれだよね、借金で破産した人たちのことを徹底的に調べましたから、僕らの借り入れは計画的ですよ、と言っているようなものなんじゃねえの?
 
 ∧∧
(‥ )まじヤバってことですかね?
\‐
 
  (‥ )人間ってさ
      借金作ったり
      賭け事をしたりすると
      そういう得体の知れない
      言い訳を発明して
      ますますどつぼに
      はまるのだよな
 
 
 
 

個体の存在は100%完全であるわけではない

 
 得体が知れない説明というと、例えば、”ガンは細胞の反乱である”、とか、”ガンは細胞の暴走である”という説明で。
 
 ∧∧
(‥ )確かに反乱や暴走では
\‐  あるのでしょうけどね
 
  (‥ )だけど
      説明が擬人的だ
      うんぬん以前に
      説明になって
      いないんだよね
 
 なぜ反乱したのか? なぜ自動的に暴走するのか? そこが知りたいのであって、反乱しています、暴走しています、ということを知りたいのではない。

 そもそも反乱だの暴走というのは実際に起きている現象を単に申し述べているだけで、説明でもなければ原因でもない。
 
 ∧∧
(‥ )でっ、実際には
\‐  細胞のガン化は非常に
    原理が単純で
 
  (‥ )単純に自然選択に従って
      進化が起きてるだけ
      みたいだな
 
 人間は個体である。私たちがそう胸を張っても、所詮は個別な細胞の寄せ集めなのである。細胞は全体に奉仕するように設定されてはいるが、細胞がそれに従う道理はない。
 
 ある変異が細胞で生じ、その細胞が他の細胞よりも人体内部で子孫を増加させる場合がありうる。そのような変異は人体内部で生じる自然淘汰において有利に働く。しかもこの過程は淘汰によって累積、加速されるので、変異細胞から生じた子孫細胞は、自動的に遺伝子が不安定になっていく
 
 ∧∧
( ‥)そして幾つもの変異が
    有利なものとして固定され
    最終的に子孫細胞から
    ガン細胞が産まれてくる
 
  ( ‥)ついには本来の性質すらも
    ‐□ 消失して転移し始める
      ガンとしては大成功だが
      個体としては末期だな
      やがて
      ガン細胞が個体を
      殺してしまうので
      そこですべての細胞が
      ガンもろとも消滅する
 
 このように、進化的に説明するとガンの発生と悪化への過程は単純で分かりやすい。

 だがどういうわけか、こういう説明はあまり多くないらしい。
 
 ∧∧
(‥ )なんででしょうね?
\‐  
 
 (‥ )分からん
     書き手にとって
     進化的な説明には興味が
     わかなかったせいかも
     知れないし
     ガン化の過程が
     遺伝的にどう進行するのか?
     それが分かってきたのが
     最近だからかも
     しれないな
 
 あるいはそれとも、細胞の反乱、暴走、という説明になっていない説明が、なんとなく分かりやすかったから、そこで理解が停止したのであろうか?
 
 統制された通常の細胞は社会を形成する善である。そして統制に従わないガン細胞は悪者である。
 
 そして悪者が人体という社会を破壊する。

 そういう社会的、道徳的な説明で全てを納得した。そのせいで進化的な説明が普及しなかったのであろうか?
 
 ∧∧
(‥ )確かに生物の遺伝子の中には
\‐  細胞のガン化を感知すると
    細胞の自殺を発動するものが
    あるよね
 
  (‥ )さながら強制自爆だ
      個人の欲よりも
      社会の秩序を優先する
      道徳主義者なら
      高邁な意思を
      感じるのかもな
      もちろん
      実際には即物的で
      その遺伝子は進化上
      有利であるから
      進化してきた
      それだけだけどね
 
 細胞の集合である個体が次の子孫を作るまでの間はガン化を阻止する。それは有利でありえよう。
 
 しかし、進化上有利である特徴は、どの時点で、どの時間で、どの長さで、異なる時間尺度でまるで違うものとなりうる。

 ガン細胞に自爆を強制させる遺伝子が進化上有利であるといっても、それは長い目で見ればの話。

 短い目でみれば細胞にとって有利なのは無制限の増殖と不死化と強制自爆の解除だ。つまり時間の尺度を変えれば話は正反対である。そうである限り、ガンは必ず生じるし、人間の寿命が長くなれば長くなるほど状況は悪化するということになる、
 
 ∧∧
( ‥)つまりあれだ
    個体と称する
    統制された集合も
    実際には裏切り者の排除を
    完璧には実行できない
    そればかりか
    裏切り者の排除が
    進化で生じたもので
    あるにも関わらず
    進化自体がその裏をかいて
    統制を崩壊させる
 
  ( ‥)個体は個物に思えるが
    ‐□ 実在なんかしない
      あるいは存在が
      100%完全ではない
      そう言えば良いのかな?
 
 そして自然選択が存在する以上、実在が不完全である個体の存在には限界がある。必ず存在が瓦解する。そう言うこともできよう。
 
 あるいはこうも言えようか、個体が個体と言える状況でいられるのはごく限られた時間内だけで、必然的に起こる統制の崩壊を食い止めていられる間だけ、我々は個体でいられると。
 
 

      

2015年4月19日日曜日

静かなり冥王星

 
 今年の7月は冥王星に探査機ニューホライズンズが到達するのであった。惑星から矮惑星に扱いが変わったとはいえ、太陽系で唯一、探査機が到達していない惑星、それが冥王星である。
 
 ∧∧
(‥ )でも話題になって
\‐  いませんね
 
  (‥ )先日
      少し興味を持った
      編集さんに
      以前記事にした
      冥王星の原稿とか
      送ったけども
      企画会議ではやっぱ
      没だったみたいだよ
 
 確かに個人的にも興味自体はあるが、冥王星が本として売れる話題か? と言われると正直な話、否だろう。最近、冥王星が話題になったのも、惑星から降格という、冥王星とは直接関係ない話でのことであった。
 
 というかすでにハッブル宇宙望遠鏡でそれなりな姿も分かっている。

=>https://www.google.co.jp/search?q=pluto+hubble&biw=1022&bih=764&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XZIyVZT2KaPBmAXX84DADQ&sqi=2&ved=0CA…
      
 
 ∧∧
( ‥)さらに海王星の衛星
    トリトンに
    良く似ているだろうことも
    分かっている
 
  ( ‥)トリトンも冥王星も
    ‐□ 起源が同じというか
      太陽系外縁の矮惑星
      なんだよね
 
そのトリトンはすでに画像がある

=>https://www.google.co.jp/search?q=pluto+hubble&biw=1022&bih=764&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XZIyVZT2KaPBmAXX84DADQ&sqi=2&ved=0CA…

 その姿たるや、なにやらのっぺらぼう的で、クレーターがあまり見当たらない。
 
 そしてどうやら凍った湖もあるようだ。

=>https://www.google.co.jp/search?q=pluto+hubble&biw=1022&bih=764&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XZIyVZT2KaPBmAXX84DADQ&sqi=2&ved=0CA…
 
 要するにトリトンは極低温の太陽系外縁にありながら、かつて氷が溶けたことがあるのだ。のっぺらぼう的にクレーターが少ないのもこれが理由らしい。
 
 ∧∧
(‥ )不純物があると
\‐  水の融点が下がるから
    マイナス100度近くでしたか
    それでも溶けることは
    ありうるけども
 
  (‥ )マイナス数十度にせよ
      0度以上にせよ
      いずれにせよトリトンは
      以前は熱を持ったことが
      あるのだよな
      海王星に捕獲されて
      現在の軌道に落ち着く
      その過程で熱を得た
      みたいだけど
 
 原因は違うけども冥王星もどうも溶けたことがあるか、内部に熱を持ったことがあるだろう、そうも言われる。だとしたら、冥王星はトリトンとますます良く似ているってことなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ハッブルの画像と
    トリトンの画像を合わせれば
    冥王星の想像図を
    それなりに描けますよね
 
  (‥ )というかすでに
      描かれているのだよな

NASAで使われているイメージ画像=>NASA Extends Campaign for Public to Name Features on Pluto | NASA

 
 このもっともらしさぶりを見ると、なんかもう、冥王星までいかなくてもいいんじゃね? と思えてしまう。そんな違和感のなさ。

 多分、実際に画像が送られてきても、こんな世界なんだろうなあ、と思えてならない。
 
 ∧∧
(‥ )冥王星で
\‐  大盛り上がりするとしたら
    冥王星に何があった時
    ですかねえ?
 
  (‥ )宇宙人の基地があるとか?

 
 ∧∧
( ‥)それは冥王星自身のネタでは
    ないよね
 
  ( ‥)冥王星単体では
    ‐□ ちと厳しいよ
      そして宇宙人の基地なんか
      あるわけないしな
      今年の夏に1回か2回
      新聞に
      冥王星の写真が載って
      それっきりかなあ
 
 
 それでも、事実上の二重惑星でもある冥王星とその衛星カロンが、実際にお互いに回り合っている動画、主星である冥王星がカロンの重力でふらふら動いている様子は印象的だ。

=>The View from New Horizons: A Full Day on Pluto-Charon | NASA
 
 探査機と冥王星の距離は、地球と太陽の距離より近くなったそうである。
 
 
*冥王星の衛星Charonはシャロンと発音、表記される場合もある。今はむしろそっちの方が主流、あるいは公式であろうか?
 
 
      

2015年4月18日土曜日

ホラーに乱入

 
 少し横になって寝ると、夢を見た。
 
 なにやらホラー映画を見ているらしい。白い病室。ひとつのベッド以外何も無い部屋。寝ている患者に見舞客が来るが、どの客も、病室に入ると奇妙な風景が一瞬見えるのである。足下に広がる泥水、そしてそこに浮かんだ人の顔。
 
 さらに客には別のものも見えるようになる。それは小さな、小さな生首。大きさは携帯のストラップのようなものだ。だが生首であり、そしてなによりそれを見た時、皆は理解してしまうのである。自分が近々、いつ、どのようにして理不尽に死んでしまうのかを。
 
 あまりにも奇妙な体験なので誰もが口をつぐんでいるが、一人が不安にかられてしゃべりだすと、全員が同じこと話しだす。
 
 そして同じ体験をしていることに気づいたことによる、恐怖と混乱。
 
 幻覚が一致するということは、幻覚は事実であり、そして脳裏に知らされたように、皆がそれぞれ理不尽に死ぬこと、これもまた事実であるのかと。
 
 不安にかられる中、一人がいった
 
 ここは知恵の神トトと冥府の神アヌビスにご相談しよう
 
 ∧∧
( ‥)砂、太陽、ピラミッド
    秩序ある死の世界と
    それを統べる神の
    いきなりのご登場ですか
 
  (‥ )もうね
      ジャパニーズホラーが
      木っ端みじんですよ
 
 理不尽な死に投入されるは秩序ある冥府の世界とその支配者たち。それまでの夢の流れも話としては大概にいい加減だが、ここでポッキリ、完全に折れてそれた。
 
 最後、目覚める前に夢で見たのは、召喚でもされたのであろうか? トトとアヌビスが囲碁みたいなことをしながら病室に現れた風景だった。アヌビスが待ったをかけていたが、あのゲーム、多分、囲碁ではなく、双六だか将棋だか分からない古代エジプトの遊戯なんだろう。

古代エジプトのゲーム=>https://www.google.co.jp/search?q=ancient+egypt+game+senet&biw=1035&bih=811&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=e_cxVdf_F4jymQXT3oDgBQ&sqi…
 
トト神=>https://www.google.co.jp/search?q=ancient+egypt+thoth&biw=1035&bih=811&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=EvkxVbqqJon98QXa2IG4Dg&ved=0CAY…
 
アヌビス神=>https://www.google.co.jp/search?q=ancient+egypt+game+senet&biw=1035&bih=811&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=e_cxVdf_F4jymQXT3oDgBQ&sqi…
 
 
死者の書におけるトト神とアヌビス神=>https://www.google.co.jp/search?q=ancient+egypt+thoth&biw=1035&bih=811&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=EvkxVbqqJon98QXa2IG4Dg&ved=0CAY…
 


光度は5.4等ぐらいに見えた

 
 そうだよな、いて座の新星の光度も周囲の星と比較すれば出るのだよな
 
 ∧∧
( ‥)なんで忘れてたの?
 
  ( ‥)最近忙しくて
    ‐□ 混乱状態だったからな
      そこまで頭が
      回らなかったのだろう

 
 どうも多分、18日の早朝における新星の光度は5.4等ではないかと自分には思われた
 










=>Untitled Document
 
 
 ∧∧
(‥ )星の光度の一覧は
\‐  ネットで拾ったもので
    ちょっと不安がありますが
 
  (‥ )まあ暫定だ
      一応、目視と比較では
      違和感も無いしな
      応急処置としては
      良しとしよう
 
 スケッチで”カ”と仮に標識した星はどうも5.6等星であるらしい。新星はそれとほぼ同じか、やや明るく感じた。素人が識別できる光度差は0.2等というし、経験からしても自分の識別力はその程度らしい。それを考えると新星の光度は5.4等ではないか? と思われた。

 *興味深いことにネットで落とした恒星の光度一覧では6.9等と7.0等とされている星を、自分は、オ、ケ、とそれぞれ標識しており、しかもケ=オとしている。つまりどうも0.1等の光度差は識別できていないようである。その状態で、V≧カ、としたということは、やはり新星とカの間には0.2等以上の差があったということではなかろうか。
 
 ∧∧
(‥ )これからどういう風に
\‐  減光していくのだろうね?
 
  (‥ )幸い、いて座は
      これからが見頃だ
      まあおいおい
      見ていこうではないか
 
 つまりこれはhilihiliのhilihili: 2015年いて座の新星の続き
 
 




その給料には自害の値も含まれておる

 
 フリーランスの語源は傭兵。傭兵といえば金で立派に働く現代の傭兵もいるが、歴史的には、へたれのろくでなしも多い。
  
 ∧∧
( ‥)あなたもへたれの
    ろくでなし
 
  (‥ )逆に言うとさ
      正社員って
      正規兵なんだよな
 
 民間企業の社員に限らん。給料をもらうとは、正規兵ということになる。
 
 なれば、組織の命とあれば死地におもむき死ぬが当然。
 
 ∧∧
(‥ )正規兵も脱走したり
\‐  反乱したりするけどね
 
  (‥ )まあ下っ端は
      それでも良いけども
      高給取りの連中は
      そんなわけには
      いかんよね
 
 もちろん、正規兵でもクーデターで政権を奪取する自由はあろう。法に触れるかもしれないが、将軍が皇帝になっても良いだろう。それを実行出来る実力を持ち、実力があれば自由になれる。部分的とはいえ、法をねじ曲げる自由を手に入れることもできよう。
 
 ∧∧
(‥ )でもそこまでの暴虐に
\‐  至れないまま
    高給取りの人も
    おりますよと
 
  (‥ )だったら
      いざ組織に何かあれば
      自殺でも自害でも
      しなくちゃ
      嘘だよな?
 
 そうでなければ、一体なんの高給か?
 
 組織に、頼むから君だけで責任を取って死んでくれ。そう言われたら自害すべし。それが高い金を受け取る意味ぞ。高給とはそういうことも含まれておる。それを知らないとは言わせない。それを知らずに金を受け取るなど、あるまじきこと。

 ∧∧
(‥ )でもさ自殺しても
\‐  意味なかったってことも
    起こるんだよね
 
  (‥ )黒幕が土下座して
      頼む死んでくれ
      家族には苦労かけないから
      そう言われて保証もされて
      責任取って自殺したのに
      結局、司直の手は
      黒幕まで及んじゃったとか
      そういうこともな
      あるみたいよな
 
 無駄死に、犬死にで、あんまりな結末だ。世の中、ままならぬ。

 人には自由な意志こそあれど、いずれを決断するなりや?
 
 
 
 

2015年4月17日金曜日

日常系四コマ漫画とアダルト動画と具体的にはどう

 
 hilihiliのhilihili: 本がスナック菓子へにじり寄るの続き
 
 短く、そしてすぐに。

 ネットのコンテンツはまるでスナック菓子のように消費される。

 このような趣向の世界で、コンテンツの内容が5分以上続く本や映画は、それが存続したいと思ったら有り様を変えねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )一応、正論ですか
\‐  あるいは
    作り手などが直面した
    現実の一面?
 
  (‥ )それを考えると
      ラノベってすごいな
      あれだって本だし
      物語が小刻みに
      5分程度で読める量ごとに
      起承転結するわけじゃ
      ないよね
      だけど売れてる
 
 *もちろんそれは、まるで売れない大量のラノベ死屍累々の上に築かれた、ほんの一握りの栄光でしかないんだけども。
 
 ∧∧
(‥ )週刊連載漫画は
\‐  小刻み完結に
    やや近いですかね?
 
  (‥ )もっと近いのは
      四コマ漫画集だな
 
 ∧∧
( ‥)女子高生の日常を
  ‐□ ゆるく無害に
    四コマ漫画にして描く
    そういうものもあるね
 
  (‥ )これが一番
      冒頭の言い様に近いかな
 
 
 しかし言い換えればすべての漫画が四コマ漫画であるわけではないし、ラノベや新書も含めてすべての本が四コマ漫画であるわけでもない。
 
 ∧∧
( ‥)すると冒頭の言い様は
    正しくはないって
    ことですかね?
 
  (‥ )正しいのだけど
     一面でしかないか
     あるいは
     すべての本が四コマ漫画化
     しつつあるのだが
     本の種類によって
     その表現形式が違うので
     一見するとまるで別物に
     見えてしまっている
     そういうこともありうる
 
 そういえば、なんぞ、ラノベは開始からかなり早い段階で裸の女の子が出てくる、そう指摘する意見があったが。それが事実ならこれがそうかもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )実際にそういう傾向が
\‐  あるかどうかはともかく
    動機としては
    分かりやすいですよね
 
  (‥ )アダルト動画だってそうだ
      開始から30分も
      ことが始まらずに
      導入部のドラマが続いたら
      男共が暴動を起こして
      焼き討ちですよ
 
 もちろん、女の子が脱げば良いというわけでもなかろう。スチュワーデス制服ものなのに開始5分で制服を脱いだ演出に怒り心頭、という話があったが、それは当然。需要を見誤ってはならぬ。
 
 とはいえしかしこのことは
 
 ∧∧
(‥ )以上を踏まえれば
\‐  もともとジャンルごとに
    ”すぐ食べられる”
    ”すぐ使える”
    これが追求されている
    ただ表現形式が
    違うってことですかね
 
   (‥ )だから一見すると
       別物に見える
       そういうことかも
       知れないなあ
 
 確かに、アダルト動画の演出と、女子高生日常四コマ漫画が同じ目的に邁進しているようには見えない。少なくとも意識して解釈しないと、そうは思えないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)これをあなたも
    やるべきだと
 
   ( ‥)具体的には
     ‐□ どう...すれば良いんだ?


 
 ところで
 
   (‥ )スチュワーデスって
      もう死語なんですかね?
 
 ∧∧
( ‥)知らんがな
 
 
  ( ‥)キャビンアテンダントもの
    ‐□ そう言うべきなのですかな
 
 ∧∧
( ‥)調べろよ
 
 
 
一応、少なくともエロの世界ではまだ死語ではないらしい=>スチュワーデス av - Google 検索
 
   (‥ )あとさ
      ビデオって死語だよね
      どうしても
      アダルトビデオと
      書きたくなるんだが
      今の若い人は
      なんて呼ぶの?
      アダルト動画でOK?

 ∧∧
( ‥)だから知らんがな
 
 

  
 

本がスナック菓子へにじり寄る

 
 本や映画は5分で楽しめない。あるいは5分ごとに楽しみがくるわけでもない。ネットの時代において、これでは廃れる。
 
 ∧∧
(‥ )ネットの娯楽が
\‐  必ずしも5分で味わえるとは
    限らないけども
 
  (‥ )でも言わんとすることは
      分かるよなあ
 
 ∧∧
( ‥)あなたも映画は
    大嫌いだからね
 
  (‥ )2時間も人を
      拘束しておきながら
      あげくに2000円も
      取りやがるのですよ
      ふざけるなって話ですよ
 
 この意味において、本は映画ほど暴力的ではない。本は見るのを止めることができるし、持ち運びが出来る。
 
 ∧∧
(‥ )でもネットの娯楽は
\‐  本よりもっとお手軽だ
    これは
    なぜでしょうね?
 
  (‥ )なぜだろうな?
      本は長い娯楽向きで
      ネットは短い娯楽向き...
      仮にそうだとしても
      理由が分からんな
      ネットでは画面が
      スクロールするせいかな?
 
 例えばスクロールすると長い感覚が残るから、それが軽さへの希求につながるとか...。

 あるいは紙の反射光と、液晶の透過光の違いなのかもしれない。
 
 まあ理由が分かる必要はない。
 
 観測した現実がなんかそう見える。対応するにはそれだけで十分である。
 
 ∧∧
( ‥)仮にネットがスナック菓子的だ
    とするのなら
    本もスナック菓子にするべき?
 
  (‥ )本はレストランなのだ
      レストランで
      スナック菓子を
      出す必要はない
      むしろ高級指向をだな...
      とか力説したいところだが
      ポテトチップも
      フライドポテトも
      本来はレストランとか
      厨房から
      出てきたものだよね
 
 それを考えると、娯楽がスナック菓子的になっているのなら、本もそれににじり寄るべきなんだろう。

 というかにじり寄っているのである。
 
 昨今の新書は昔よりも質が落ちた。飲み屋で上司が愚痴るような人生訓や、意識高い系の勘違い人生論のようなものばかりではないか。良く言われることである。
 
 ∧∧
(‥ )経済的には
\‐  悪いことじゃないけどね
    それにどうせ
    人間の教養って
    上司の愚痴レベルでしょ?
 
  (‥ )まあそうだね
      教養って
      ただの無駄自慢だし
      知性自体がそもそも
      無駄な存在だからな
      教養とか言ってる時点で
      勘違いよ
 
 いや、話がぶれたぞ。
 
 新書が劣化した、というのは、ネットのようなスナックつまみ食い的な感覚の普及とは、直接関係ないのである。
 
 事実、居酒屋で聞かされる上司の愚痴や勘違い人生訓は、スナック菓子と等価ではありえない。
 
 ∧∧
( ‥)むしろあれだよね
    舌が麻痺して
    ぎとぎとの脂ぎった
    濃い味の料理を食べる上司と
    それに付き合わされて
    ウンザリ顔の部下は
    ポテチ食べて動画を見てる方が
    幸せみたいなね
    両者は等価ではない
 
  ( ‥)スナックつまみ食い文化は
    ‐□ 否定されるものではないし
      新書の劣化と等価で
      論じるものでもないな
 
 そして、つまみ食い的な文化に近づけて本を作るというのは、内容の劣化と直接関係なく実現できるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )問題はどう料理するか
\‐  ですか
 
  (‥ )同じ塩と脂を使っても
      舌を麻痺させるラーメンと
      スナック菓子とでは
      方向性が異なるからな
 
 そしてもちろん、客層も違うのである。
 
 人間の基本は同じで、誰もが塩と脂を好んでも、食うものや食べ方のスタイルは違っている。ここを混同してはならぬだろう。
 
  
 
 
 

2015年4月16日木曜日

時代はあまりにも遠くにラス

 
 検索をかけて調べものをしていたら、youtubeにラス蛋白質による信号伝達の解説があることに気がついた


=>Signaling by the Ras Protein - YouTube
 
 
 ∧∧
( ‥)時代は変わりましたね
 
  ( ‥)目もくらむような
    ‐/ 進歩だよなあ
 
 遺伝子とその蛋白質の構造、それがGTPでどのように活性化されるのか? そこまで分かった知識が、かつては概念すら存在しなかったネットとyoutubeで動画として見ることができる。

 時代は自分が学生だった20年前とはまるで違う世界になった。
 
 *ラス蛋白質。ラス遺伝子がコードする蛋白質で細胞分裂に関する信号を伝達するもののひとつ。化合物GDPがつくかGTPがつくかで活性化、非活性化が決まる。この遺伝子と蛋白質が突然変異で本来の機能を失うと、細胞のガン化が進行する。


以下もある=>▶ The MAP Kinase (MAPK) signalling pathway - YouTube

 
  (‥ )あと
      酵素のキナーゼのこと
      英語人はカイネーズって
      読むのな
 
 ∧∧
(‥ )動画で知るネイティブの
\‐  発音
 
 
 

2015年いて座の新星

 
 2015年の先月、3月15日、いて座に新星が出現したという。

=>まだまだ目が離せない、いて座新星No.2 - アストロアーツ

 それまで見えなかった暗い星が急に明るくなって、あたかも新しい星が誕生したかのように見える現象。それが新星、すなわちノヴァ(NOVA)。これはラテン語で新しいの意味。

 ∧∧
(‥ )今朝方
\‐  やっとスケッチ
    出来ました
 
  (‥ )そもそも新星出現を
      知らなかったり
      知ったら天気が悪くて
      雨がずーっと降っていたり
      一ヶ月もたっちゃったな
 
スケッチをアップするとこんな。新星はいて座のいわゆる南斗六星、ひしゃくの柄の付け根にあたるφ星のすぐ近くに現れた。

*いて座は今の季節だと明け方3:00ぐらいに、南の空低く見えてくる。











=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )地味なスケッチだね
\‐ 
 
  (‥ )でも肉眼で見る星空って
      こんなもんよ
      これでもむしろ
      きれいに描き過ぎだ
 
 とはいえ初めて見る新星である。しかも爆発から一ヶ月がたったのにまだこの明るさだ。多分、今朝でも光度は5等か6等ぐらいあるようだ。明るくなった時は4等まで届いたという。
 
 ∧∧
(‥ )これは明るい新星だよね
\‐ 
  
  (‥ )空が暗い場所なら
      ぎりぎりだけども
      目で見える明るさだ
      すごいよねえ
      どんな爆発をしたのかな?
 
 
 *星が丸ごと大爆発して木っ端みじんに吹き飛ぶ超新星と違って、新星の爆発はもっと小規模で、星も存続するし、何度もこういう爆発と増光を繰り返す場合もある。新星は時々、空に現れるが、目で見えるものはごくまれだ。
 
 
 次へ続く=>hilihiliのhilihili: 光度は5.4等ぐらいに見えた
 
 
 
      

読書は読書にあらず

 
 ∧∧
(‥ )あなたならなんて言います?
\‐
 
  (‥ )読書は読書にあらず
      読書を読書と見なすは
      愚の骨頂
 
 
 
 

2015年4月15日水曜日

知性はホラを吹くことしかできず、すべては嘘っぱちである

 
 
 hilihiliのhilihili: 夷狄の文化は受け入れないでしょうの続き
 
 例えば「銃・病原菌・鉄」を読んだ人が曰く、この本は他の大陸に対してユーラシアが覇権を握った理由は説明しているが、ユーラシアの中でなぜ西欧が覇者になったのかを説明していないと。
 
 ∧∧
(‥ )これは半分正しいけど
\‐  半分間違った指摘だと
 
  (‥ )題名に「銃」って
      書いてあるがな
 
 銃の祖型は中国なりモンゴル帝国なり、アジアで産まれたが、銃を発達せしめたのは、ずっと戦争をしていた西欧であった。日本の種子島も結局はヨーロッパ由来の武器である。
 
 ∧∧
(‥ )ただあの本は確かに
\‐  なぜ西欧がずっと戦争を
    していたのか?
    それについては
    あまり説明していないの
    だよね
 
  (‥ )地形で説明しているが
      それは半分正しくて
      半分は間違いだろうな
 
 なぜなら、ローマ帝国は統治できていたからである。
 
 ∧∧
( ‥)そしてこれは
    ローマが偉大だった
    というよりも
    たんに運が良かっただけ?
 
  (‥ )多分ね
      タイミングが
      5世紀ずれたら
      統治どころか
      ガリア征服も
      無理だったんじゃないかな
 
 あるいはタイミングが1000年ずれたら、反対にゲルマーニアまで征服できたかもしれぬが、まあそれは別の話である。ここでは論じない。
 
 重要なのは、戦争が西欧発達の大きな要因であり、それは実のところ西欧の書籍では時々出てくる考えでもある。そこであろう。小説1984年でさえ、おおまかに言えばそういう内容だ。あの架空世界の指導者たちは、戦争と科学こそが社会変革をもたらすことに気づいたために、戦争の無限継続による絶対平和を確立したのであるから。
 
 つまり、西欧世界の幾人かの人々も気づいているってことだ。西欧の根源は戦争であると。
 
 *それを考えると、こんなことをいちいち説明しないのは当然だとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)そしてこれは
    ひとつの結論へと至る
 
  (‥ )以上ではない
      多くの西欧人
      あるいは
      西欧の文化や価値観を
      受け入れた日本人
      あるいは世界の知識人
      彼らや僕らが
      無意識のうちに持っている
      世界観や価値観
      これは全部嘘っぱちだ
 
 社会が発達すると民主制に至る
 
 民主制が最高の政体で必然の帰結である
 
 社会が進歩すると豊かになる
 
 進歩した社会では福祉が充実する
 
 進歩した社会では基本的人権が保証される
 
 
 以上これらが全部、まったくの嘘。妄想、妄言。
 
 ∧∧
(‥ )そういうことに
\‐  なってしまうだろうと
 
  (‥ )すべてが戦争に
      帰結するのなら
      以上はすべて
      戦争の略奪の結果だ
      そういうことになるし
      実際、そういう歴史だべ
 
 そもそも社会がある方向へ進化発展し、そして次の段階へ移り、輝かしき上位存在になる。これは人間がいつか天使になる、というような昔から良くあるトンデモでしかない。
 
 つまりはただの迷信、黒魔術だ。黒魔術な発想を後生大事に信じているのは、まあ人間らしいといえば人間らしい。
 
 だがそれは間違いだ。事実ではありえない。
 
 ∧∧
( ‥)もう全部の思い込みを
    放棄するべきであると
 
  ( ‥)というか
    ‐□ 放棄出来ないから
      それゆえに
      破滅すると思うのだがな
 
 
 事実、そうなりかかっておらんか?
 
 イラクを民主化すれば素晴らしいことになる! そういうたわ言をほざいた結果、どうなった?
 
 そしているではないか。世の中馬鹿ばかりと嘆くだけの人が。
 
 実際のところ、その嘆きはむしろ、知性は問題を解決することができないということを意味している。あるいは、知性的な結論はまったく意味が無い、それをこそ示唆しているのだろう。

 だが人はそこには目を向けず、馬鹿ばかりと、全てを他人に責任転嫁する。
 
 知性自体に意味が無い、そう考えるべきであろう時に、彼らはそうしない。そして破滅の人生を歩み、ずっと同じ間違いを犯す。
 
 これと同じことが、もっと大規模に、世界的に進行するであろう。
 
 ∧∧
( ‥)知性を放棄せよと
 
  (‥ )知性は
      ホラを吹くことしか
      出来ないから
      問題解決に使うなって
      ことさね
 
 少なくとも知性は信用できん。あまりにも胡散臭い上に、悪いことは他人のせいにばかりしよる。
 
 
     

2015年4月14日火曜日

夷狄の文化は受け入れないでしょう

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )例えばだ
 
 欧米諸国は、中国が豊かになれば民主化が進むに違いない、そう考えたという。
 
 ∧∧
(‥ )本当にそう考えていた
\‐  仮にそうしましょうか
 
  (‥ )長く文明を築いてきた
      中国がだな
      そんな夷狄の習俗を
      受け入れるわけが
      ないよなあ
 
 中国の人でなくとも、人が何か外国の習俗を受けれ入れる時は、相手が自分よりも豊かである時だろう
 
 ∧∧
( ‥)あれを受け入れれば
    豊かになれるかも...
    この発想は
    合理的に見えるけども
    それはせいぜい
    類感呪術かもしれない
 
  (‥ )青い目をした欧米人は
      青い花が目に良いと
      考えたとか
      アメリカ人がもたらした
      物品は神様の贈り物で
      飛行機が神様なんだとか
      *カーゴ・カルトのこと
      そんな程度の話よな
 
 その意味で言えば、人が民主化を受け入れるとしたら、それは民主化が金儲けの効果的なおまじないに見えた時であろう。
 
 ∧∧
(‥ )もちろん人が
\‐  民主化を求めるのは
    それだけが理由では
    ないけども
 
  (‥ )だけどな
      みんな生活が大変なのよ
      その時に
      立派な理念だけで
      相手に物を売り込める
      本気で
      そう思っているとしたら
      考えが最低にがさつよな
 
 さても、さても、豊かになれば中国は民主化が進むに違いない、欧米人が本気でそう思っているとしたら
 
 ∧∧
( ‥)がさつ?
 
  (‥ )一神教のせいなのかも
      知れんけどさ
      考えの根底がそんなでは
      大失敗して
      大やけどするよね
 
 特に、自分たちの経済が危うくなって金が無いとなれば、それはそれはおかしなことをするだろう。賭け事に金がからんで手持ちが少なくなった時、人が何をするか? ちょっと考えてみればその行き着く先は明白である。
 

 あともっと意地悪なことを言うと
 
 西欧人は西ローマを征服した後、彼らだけのせいではないにせよ、ローマの統治機構を引き継げなかった。そうして帝国の崩壊から1600年、ついに大国家が産まれることはなかった。
  
 ∧∧
(‥ )中国は逆なんだよね
\‐   異民族は基本的に
     中国に感化されて
     すぐに帝国を継承する
 
  (‥ )中国の黄金時代と
      中国人に
      言われている唐だって
      もともとは北朝で
      その起源は
      遊牧民の王朝だからな
 
 思うのだが、先住の文明国から文明と統治を継承することさえできなかった夷狄どもの文化文明など、一体誰が尊敬できようか?
 
 少なくとも、世界の中心を自負した人々がそうするとは思えない。
 
 
 
 
 

燃えて尽きる

 
 20年近く前、知り合いに連れて行かれたラーメン店の味は、濃い塩水だった。
 
 おいしいでしょう?
 
 そう訪ねる彼に、ええ。おいしいですね、とだけ言って嘘をついた。
 
 知り合いは大変な巨漢で...いや、実際には背丈は自分と同じぐらいである。巨漢に思えるのはデブだったからだ。
 
 最近になってその彼が糖尿病で死んでいたことを知った。
 
 ∧∧
( ‥)以前もした話だね
 
  (‥ )どうも幾つかの
      ラーメン店は
      塩味と脂で
      中毒させることで
      客を
      固定化させているらしい
 
 塩と脂肪と炭水化物、人間にはこれが是非とも必要で、しかし自然界では手に入りにくい。それゆえ、人間は塩と脂肪と炭水化物を好むように出来ている。
 
 そこに付け込んで、客を塩と脂肪に慣らす。もっと強い刺激を求める客にもっと濃い塩と脂肪を与える。それに慣れさせる、さらに強い刺激を与える。多分、どうもそんな感じ。
 
 その結果は、まあ普通に死ぬよなあ。
 
 だが死んで損耗しても、新しい固定客が付けばすべては相殺される。
 
 今日は健康診断の待合室で巨漢を見た。でもすれ違う時にざっと見ると、背丈は自分と同じだった。170を少し越える程度である。
 
 ∧∧
(‥ )だけど容積はあなたの
\‐  3倍はあったよね
 
  (‥ )単純計算なら
      200キロ越えだな
      200は多すぎにしても
      100以上は
      いってるよな
 
 まだ若い人間で40歳になっていないかもしれない。それにしても彼も彼らも体型がどれも同じだ。代謝が落ちて腹が出るとかではなく、全体が膨らむ。まんべんなく脂肪がついた単純な結果なんだろうけども、だれもかれも良く似ている。そして相撲取りではないから体脂肪率もひどく高いのだろう。
 
  ( ‥)あと15年ぐらいの命かな
 
 ∧∧
( ‥)50代で死ぬ
    そんな感じですかね
 
 冒頭の知り合いも、ラーメン評論家で死んでいった人も、みんな体型はこんな感じで良く似ている。そして寿命も似たりよったりである。今日見かけた彼もまた、まもなく消えるのだろう。
 
 
 
      

賢明なる選択として知性を抹殺するべきだ

 
 Amazonの書評を見れば、本を読んでも頭は良くならない、それは明白ではないか。
 
 ∧∧
(‥ )そういう意見はしばしば
\‐  目にするところ
 
  (‥ )まあねえ
      めちゃくちゃな書評や
      大量の書評を書いてるけど
      書評にどれも意味がない
      あるいは見当外れ
      そもそもその本
      そんなこと書いてないよ?
      内容の捏造や勘違い
      そういうことすらしてる
      書評は多いからな
 

 知性がそんなに良いものなら他の動物だって知性を発達させるだろうに、そうではない。人間だけが極端に抜きん出ている。つまり知性とは実利を伴わないもので、合理的なものではない、そう考えるべきではないか? 
 
 このような疑義を踏まえると。知性は見せびらかしのために発達した、知性とは、本来は不要、無駄な能力である。これはありえそうな話。
 
 ∧∧
( ‥)書評も見せびらかしですか?
 
  ( ‥)書評の質があれだけ
    ‐□ ばらけちゃってることを
      考えればそれっぽいよね
      本人たちは
      書評は
      自分の知性の発露と
      考えているのだろうが
      実際には
      知性が無意味な存在で
      あることを
      示しているだけかもな
 
 いってみれば書評とは、クジャクが尾羽を広げて競い合うようなもの。壮観だが意味はない。

 もちろん、疑問もありえよう。例えば、クジャクの尾羽はどれも似たような感じで、どれも良い勝負に思えるが、書評は勘違いに中二病、いっちゃってる意識高い系から、しごくまっとうなものまでと、質がずいぶんとばらけているようである。
 
 これはなにゆえであろうか?
 
 人間から見ると一様の品質を保っているように見えるクジャクの尾羽も、クジャクからすればばらけているように見えるのであろうか?
 
 それとも、人間のクジャクの尾羽である脳みそは、まだ歴史が浅く不安定で、質がめちゃくちゃなんだろうか?
 
 あるいは人間の知性が何の意味もない存在であるがゆえ、文章と文脈を正しく読み取るなんてことがそもそも想定されていない、答えも収束なんかしない、そういうことだろうか?
 
 ∧∧
(‥ )いずれなんでしょうね?
\‐
 
  (‥ )さあ?
      なんだろうねえ
 
 とはいえ思うに、書評も読解も、そこから知性という概念を抜き取るべきだろう。
 
 あるいは、知性こそが問題を解決できる、という根拠の無い思い込みを一切排除するべきだろう。
 
 知性こそが問題を解決できる、このまったく根拠のない思い込みが、書評から人生、政治から国際関係までも含めて、あらゆる問題をこじらせているようである。
 
 ここはひとつあれだ、賢明なる選択として、知性を抹殺するべきだ。
 
 
 

2015年4月13日月曜日

ヘイトスピーチ・ダックスピーク


 ヘイトスピーチという言葉は
 
 ∧∧
(‥ )運用が恣意的すぎないか?
\‐  という疑惑の声が
    ありますよ、と
 
  (‥ )ヘイトスピーチを
      垂れ流す
      オタク共を殺せ!
      みたいな使い方とかな
 
 新しい単語は新しい概念に対してつけられる名詞であって、そして概念とは恣意的なものである。
 
 そういう言葉が恣意的に使われるのは当然と言えば当然なんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもヘイトスピーチを
\‐  垂れ流すオタク共を殺せ!
    では
    言葉の使い方が
    まったく恣意的で
    普遍の意味を失うと
 
  (‥ )そういう意味では
      ヘイトスピーチとは
      1984年の
      ダックスピークみたいな
      使われ方を
      されているのだろうな
 
 ダックスピーク(duckspeak):小説1984年に登場する造語。イングソック党、つまり英国社会主義党に支配されたこの世界では、敵に使うか味方に使うかで意味が正反対になる単語として使われている。敵に使えばそのままの意味、あいつはアヒルみたいにガーガー喚き立てている、という否定的な意味になる。味方に使えば、彼の主張は極めて熱心で情熱的である、という肯定的な意味になる。
 
 味方を罵ることは許さない。だが敵を罵ることは良い。そういう使い方はいかにもダックスピーク的だ。
 
 ∧∧
( ‥)どうしたもんですかね?
 
  (‥ )正しさという概念を
      取っ払えば良いんじゃね?
 
 お前の主張は憎悪を煽る言葉である。この言い様は、敵を罵倒し味方を守る主張である。それゆえ、そもそもダックスピーク的なんだとも言える。そうなってしまうのは、敵と味方、不正義と正義、不正と正しさ、そういう区分けとそれを正当化する概念が言葉の裏側にあるせいだろう。
 
 ∧∧
(‥ )だったら正しさという概念を
\‐  取ってしまえば良いのだと
 
  (‥ )正しさは正しさを
      保証できないからな
      正しさというものを
      基準にすると
      根拠が純粋に
      主観的になって
      ただの押しつけに
      なっちゃうからね
 
 だから正しさという概念を放棄してしまえば良い。正しさは概念としてあまりにでかくて曖昧なので、正しいことを判断するには使えないとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)なにを使えば良いのですかね?
 
  (‥ )なるべく即物的なものが
      良いのだよな
      .....カロリーとか?
 
 
 
 
 *後、辞書を見ていたらduckとは古期英語で”水にもぐる”を指す単語に由来するとあった。
 
 ∧∧
(‥ )水に潜るからダック(アヒル)
\‐  なんですかね?
    ダック(カモ)が
    水に潜るから
    潜ることがダックなんですかね?
 
  (‥ )さてねえ
      辞書としては前者で
      説明しているんだが
 
  
 
 
 

降魔の儀

 
 これより、破産の儀を執り行う
 
 ギリシャを祭壇へー
 
 固唾をのんで、なす術も無く見守る諸国たちを眼下に見ながら、ギリシャは問われる。
 
 見なさい、ドイツ、ベルギー、オランダ、フランス、イギリス、スペイン、イタリア...なんか微妙なのも混ざっているけど、彼らはギリシャを許すでしょう。そしてギリシャは生きていける。緊縮財政の中、過去の思い出を抱きながら。
 
 緊縮財政に..抱かれて...
 
 だがそれでも思い果てぬと言うのなら。
 
 それでもなお、前借りした金で買ったスポーツカーから見たあの日のパルテノン神殿がまばゆかったと思うのなら
 
 積み上げるが良い。お前に残された全てを。
 
 ただ一言、デフォルトと言うだけで、ゲルマン共のくびきから放たれ、自由の大空へと羽ばたく漆黒の翼を授からん。
 
 そしてついに語られる一言
 
 押し寄せる裏切り、恐慌、絶望、逃げ惑う諸国はいかなる最後を遂げるのか
 
 
 ∧∧
(‥ )ベルセルク風に言えば
\‐  こういうことが
    いずれ起こるだろうと
 
  (‥ )経済的な用語として
      以上が正しい表現かは
      知らんが
      時間の問題っぽく
      見えるよね
 
 ∧∧
(‥ )...あなた楽しそうだねえ
\‐
 
  (‥ )すかした理想論者が
      現実の前に摩耗するのは
      いつ見ても楽しいもんさ
      唯一の娯楽だよ
 
 ∧∧
(‥ )他人事じゃないけどね
\‐
 
  (‥ )そりゃあ
      俺は触で食われる方
      だからな
      他人事ではないね
      まじヤバですよ
 
 とはいえ、運命は変えられぬ。運命の衝撃を緩衝することは可能であろうし、それを全員が必死で行なうだろう。だがしかし、時がやってくるのは確実だ。すなわち、間もなく触が来る。何年後だかは知らんけど。
 
 小さな津波と侮るなかれ。数十センチの水位上昇でも、足がぎりぎり立つ水深にいる人間は溺れるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)ほぼ転職に近いことを
    考えないといけないよ
 
  ( ‥)そうはいっても
    ‐□ 転職も簡単ではないのでね
      さてどうしたものかな

 
 考えつく限り、あらゆる手を試すべし。   
 
 
 

2015年4月12日日曜日

Tの字の路地をUターンする自動車のごとく

 
 帰り道、公園の道路に渡された金網で閉じられた水抜きの溝にさしかかると、なにやらがさがさ音がする。
 
 かなり大きな動物が動く音だ。
 
 なんだろう? そう思って立ち止まって見ると、足下の金網の下を、少し慌てた様子でタヌキが走り抜け、側溝へ消えていった。
 
   水抜きの溝や側溝を
 ∧∧ 通路にしてるんだね
( ‥)
 ‐( ‥)体の幅とほぼ同じ
     だよね?
     Uターンできるのかな?
 
 まあ出来るか、道の脇を走る側溝と、道路を横切る水抜きの溝はT字型につながっている。仮に四足動物の肩幅しかない溝でも、道路と自動車の要領で方向転換できるんだろう。
 
   そもそも獣は毛を取れば
   身はスリムですからね
 ∧∧ 我々しかり
(‥ )
 ‐( ‥)なんの問題も
     ないんだろうなあ
 
 
 
 
 

プラトンは意外とまともかもしれない

 
 今を去ること25年前の1990年、湾岸戦争が勃発した時、自分は学生で、教授がこんなことを言ったことを覚えている。
 
 アメリカはどうなっていくのかな? どこか国家主義的で軍国主義的で悪い方向へいくのではないかな。言論の自由とか制限されてしまうのではないかな。ちょっと心配なんですよね。
 
 ∧∧
( ‥)今にして思えば
 
  (‥ )今にして思えば
      教授の言い様は
      正しくもあり
      そして
      間違ってもいるな
 
 
 そもそも民主主義は戦争から産まれてきたし、民主主義は国民全員が兵士として動員される軍国主義に他ならぬ。国家主義的で軍国主義的とは民主主義の本質そのものだろう。
 
 その点では教授の言い様は的外れだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも懸念は大当たりでね
\‐   その意味ではまったく
     正しかった
 
  (‥ )ブッシュ(父親)は
      クウェートのイラク軍を
      たたき出しただけで
      イラクには
      攻め込まなかった
      それをアメリカ国民は
      良しとしなかった
      結果的にパパブッシュは
      勝利者であるにも関わらず
      二期目がなく
      クリントンに破れた
 
 アラブの指導者は負けを認めないと聞いたことがある。負けを認めると殺されるからだとも聞いた。実際、フセイン大統領はアメリカに勝利した! と述べた。

 これを聞いたアメリカ国民は、こんなことは聞き流せば良いのに、それをしなかった。彼らは怒った。我々の勝利は盗まれた、と。ブッシュの判断は間違っていたのだと。
 
 2003年、イラク戦争が勃発。パパブッシュの息子であるブッシュjrはイラクへ攻め込んだ。これをアメリカ国民は喝采して支持した。
 
 この熱狂ぶりを良しとしなかった人もいる。中にはこれをスターウォーズになぞらえて”帝国”と呼ぶ人もいたらしい。ようするに共和制を守るためと称して戦争と軍事力の増大、そしてパルパティーン議員による軍事独裁が進む物語に、現実を重ね合わせたのである。
 
 ∧∧
( ‥)でも?
   そもそも民主主義は
   軍国主義であるとしたら
   それこそが
   正しい民主主義であると
 
  (‥ )古代ギリシャ以来
      異民族を征服し
      男を殺し
      女子供を奴隷にして
      売り飛ばす
      これが民主主義だからな
      近代民主主義も
      同様のことをもっと
      大規模にやったろ?
      言い訳はできないぞ
 
 むしろ問題があるとしたら、認識の甘さにあったように思われる。
 
 クウェートから敵をたたき出しただけで止まったのはなぜか?
 
 大義が立たぬだけでない。アメリカは陸戦では勝てない。それにイラクを粉砕したら、スンニ派、シーア派、クルド人、その他もろもろが割拠している地域がどうなるか分かったものではない。
 
 だから止まった。いや、止まらなければいけないのだ。
 
 アメリカ国民にはこの認識が確実に無かった。そうでなければパパブッシュを失脚させたりしないだろう。そうでなければ勝利が盗まれたと叫んだりしなかっただろう。そうでなければイラクに改めて攻め込んだりしなかっただろう。
 
 すべては国民が自ら決めたことであり、そうである以上、自己責任を取るべき決断であった。
 
 ∧∧
(‥ )どっちかというと
\‐  理解が浅いこと
    これこそが問題だった
    そういうことですかね
 
  (‥ )民主主義は統治を
      成功させたことが
      ないんだよ
      殺す、奪う、奴隷化する
      これしかしたことがない
      民主化すればうまくいく
      こんなこと歴史的には
      起きなかっただろ?
      ありもしないことを
      出来ると思い込むのは
      ただの妄想だよ
 
 教授が言った、言論の統制が起こるというのは、まあ確かに起こったようである。しかし、全員が兵士になる国だ。歩みを乱すものが袋だたきにあうのは当然だろう。
 
 ∧∧
( ‥)民主国家であれば
    言論の統制は当たり前だと
 
  (‥ )独裁制における統制とは
      別の形で
      自主的な統制があるのだな
      実際
      ソクラテスは殺されたろ?
      民主国家には民主国家の
      言論統制があってな
      それに逆らった者は
      殺される
      これは当然
      そうでないと隊列が
      乱れるからな
      当たり前だよね
 
 民主主義には民主主義の言論の自由があろうが、民主主義には民主主義の言論統制がある。それも当たり前だろう。しかも全員が命をかけて戦う場である。異論を挟むものを全員が袋だたきにするのも当たり前だろう。人間は個体の集合として社会を作り、社会は個体の相互作用で成立している。なれば、人間の社会ならば相互監視が当然。
 
 全員が隊列を組む民主制には義務と統制と相互監視があり、裏切り者の排除がある。この世界に自由はあるが、義務という意味での統制がある。自由は無い。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると教授の
\‐  言い様は
    指摘においては正しく
    この点においては
    間違っていたとも言える
 
  (‥ )統制があるのが
      問題じゃない
      状況を把握できて
      いないのが問題なんだ
 
 それは本来、プロである官僚が正すべきことのはずなんだけども、直接民主制がいけなかったのであろうか? 素人臭い思い込みでイラクに攻め込んで、そしてこの有り様である。
 
 ∧∧
(‥ )師匠のソクラテスを殺された
\‐  弟子のプラトンは
    民主主義に絶望して
    プロの政治家と軍人による
    独裁を夢想した
 
  (‥ )その点ではプラトンって
      まだしも
      まともなんだな
 
 実際、アメリカのあの有り様を見て、こんなの言論統制だ、これは軍国主義だ、こんなの民主主義じゃない、これはパルパティーンに率いられた軍事独裁だ、そんなことを言い出す連中がいる。
 
 いやいや気づくべきはそこではない。
 
 これが民主主義なのだ。相互監視とリンチと略奪と奴隷化しかできない巨大な殺人兵器。これぞ民主主義。こんなやばいもの、扱いは慎重に行なうべきである。
 
 これに絶望して民主主義を否定したプラトンは、パルパティーンがどうのと言う人よりも、現実を見据えていたのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも実際にやってきたのは
    プラトンさんの考えた
    理想国家ではなく
    二世議員が率いる
    プロの軍人集団
    無敵のローマ軍だった
    わけだけどね
 
  (‥ )世襲制議員が
      プロの政治家なのだ
      だけど官僚がまだ
      存在しないんだよな
      ここに官僚を加えるまで
      さらに長い時間が
      必要だったのだよね
 
 それを考えれば官僚組織を整備している現在の民主制は昔に比べるとかなりまともではあろう。
 
 だが、それでもなお、直接民主制は素人の有権者と直結しているために、どうも危険であるらしい。実際、その結果が今の世界である。
 

 

2015年4月11日土曜日

もう一押し必要

 
 
 ∧∧
( ‥)昨日はほとんど
    寝てばかりでしたね
 
  ( ‥)やったことと言うと
    ‐□ メールを打って
      打ち合わせの
      日取りを決めて
      ラフを1枚描いた
      それだけだな
 
 多分、前日にしていた調べもので体力が尽きたのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)歳か
 
  (‥ )まあ歳もあるけど
      仕事をして疲れたら眠る
      これ大事ね
      フリーだと特にそうだな
      休みが見えない職種は
      疲れたら眠るに限る
 
 
 反対にひらめいた時にはずっと仕事しているわけだし、特定の休日が存在しないのなら、眠りたい時が休日だ。
 
 いや、起きていられない時が休日だ、そう考えるべきか。
 
 さてもさても
 
 この本は1万部売れるか?
 
 これは非常に楽観的な話で、実際のところ1万部売れる本というのはほとんど存在しない。
 
 ∧∧
(‥ )単純に日本人口で割れば
\‐  1万2000人に1人が
    買えば1万部突破で
    楽勝に思えるけども
 
  (‥ )子供は本を買えない
      マイナス1600万
      老人は本を読む体力が無い
      マイナス3200万
      本を買いそうにない
      これらの人口
      およそ5000万を
      引き算すると
      日本人のうち
      購買力があって
      読書できる体力を持つのは
      7000万ってところか
 
=>‎www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/pdf/topics82.pdf
=>1 高齢化の現状と将来像|平成26年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府

 
 だが購買力と体力があっても、その人が実際に本を買って読む必然性など存在しない。読書をすると知的になりますだの、あんな世迷いごとを真に受ける人間などそうはいない。本を買う人間はもともと本が好きなだけなのだ。本は単なる嗜好品である。
 
 では、本を買う人間とは以上7000万の中でどのぐらいの割合を占めるか? 

 本を買って読むとは、金を支払うだけではない、それを読むために時間を割り当て、脳のカロリーを多大に消費する行為に他ならぬ。

 ラノベでさえも文字だらけであるし、ラノベを鼻から馬鹿にする連中が読む本も、その内容はラノベと大差ない。ラノベと新書が同レベルだとすると、それらを読む人間が潜在的な購買層であると想定できる。
 
 それを考えると、本を買って読むことに労力を注ぎ込める人間はクラスで1人というところか? 

 それを踏まえて30分の1ってことで考えると
 
 ∧∧
( ‥)読者のありうる規模は
    7000万割ることの30
    つまり233万ってところ
    ですかね?
    15人に1人なら
    466万だ
 
  ( ‥)すると1万部売れるとは
    ‐□ 233人に1人
      あるいは466人に1人が
      買うってことだよね
 
 仮に学校に1000人の生徒がいたとする。これを大学や高校だとして考える。
 
 1000人いた場合、1万部売れた、ということは、校内で同じ本を買った人間が2人か4人、あるいは5人いる計算になる。
 
 まあ間を取って3人だとする。
 
 するとこう問うことができる。年間1万部が売れる。それは母校の校内で今、自分が作っている本を1年以内に3人前後が買う計算になる。この可能性を想像できるか?
 
  (‥ )絵は多い
      お勉強系である
      類書はない
      それでも3人が買うのは
      ちょっと想像できないなあ
 
 ∧∧
(‥ )なんかこう
\‐  もう一押し必要ですよね
 
 
 
 

2015年4月10日金曜日

未来は炭坑の火事のごとく

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
   ( ‥)中国主導の銀行に
     ‐□ ギリシャのせいで
       借金爆発寸前の
       西欧諸国が参加
 
 これの何がすばらしいかというと、これが、いつ、どんな風に、どうやって吹っ飛ぶかな?? わくわく、という感覚を呼び覚ますからで。
 
 
   (‥ )それを思うとですね
       早くしろ早くしろ
       早く見せろ早く見せろ
       吹き飛べ吹き飛べ
       そう考える訳ですよ
 
 ∧∧
(‥ )吹っ飛んだら
\‐  洒落にならないし
    吹っ飛んでも関係者は
    ”いや、吹っ飛んでないよ?
     吹っ飛んでませんよ??”
    そう強弁するだろうし
    そうやって状況を緩衝するから
    大爆発大恐慌というより
    少なくとも見かけは
    湿気た花火になるのでは?
 
 しかし、あのアメリカでさえリーマンショックの湿気た花火の後はあんな感じである。そしてそのすべては国と国民が望んだ結果であった。

 バブルを作り出した。そうしなければならない状況ではあった。しかしその過程で、資本主義はついに不況という欠点を克服したとか言い出す人間も現れた。それは素人をバブルに巻き込む煽り文句だったのかもしれぬ。なればそれもまた必要であり、そして必然であったのだろう。しかしイラク戦争もそういう作り出された高揚感の先にあった決断ではなかったか? もともと一神教で十字軍気取りの国家は高揚感で後押しされたのではなかったか? 実際、たとえそれが借金であったとしても、金があればすべてが可能。その時、気分が希望と冒険にはやるは人の性。これが人の生理から生じる決断なれば、その選択肢もまた必然。しかしその結果は果てしない紛争と地域の不安定化。これもまた当然。そしてこの経済状況においても継続されるべき戦争と支出するべき軍事費。借金の希望は現実の支出に化けた。

 これらは定まっていた事。すべては因果のままに。
 
 ∧∧
( ‥)ブッシュさん(jr)が
    指導者であろうが
    オバマさんが指導者になろうが
    左右どっちにぶれても
    どうにもならなかったかもね
 
  ( ‥)ブッシュ(父)は
    ‐□ イラクに攻め込まなかった
      その彼を有権者は否定し
      勝利者であるのに
      二期目は無かった
      かように
      すべては国民が望んだ事
      人は自由意志により
      破滅の運命を選択する
 
 人間に自由意志などない。いや自由意思はあるのだが、人が自由意思を行使して選び取るのは定められた運命。すなわち運命獲得論のごとく。水滴が俺はこうしたい、そう望んでも、水滴の集合である川は低い場所へ流れる。これに抗う術はなし。
 
 なれば見たくはないか、すでに定められた破滅の未来。

 花火を可能な限り湿気らすために全員が努力をするだろう。そして爆発は延焼程度にまでおさえられるのだろう。それは当然。
 
 しかしそれはずっとくすぶり続けることになる。これは必然。消す事が出来ず、永久に燃え続ける炭坑の火事のごとく、世界が煙に覆われる。
 
 ∧∧
( ‥)なんかこう
    今の世界に飽きたって感じ?
 
 
  (‥ )意外とさ
      皆が
      ”もういいよ飽きちゃった”
      そう思って
      その思いが臨界を越えた時
      破滅が起こるのかもな
 
 いや、予め定められた運命の結節点が、その時、この現世に降臨する。そう言うべきか。
      

 
 *運命獲得論:人間は自由意志によって神により定められた運命を選択し、獲得するという考え。かつてイスラーム世界で提案されたひとつの神学的解釈であるらしく、内容が矛盾的なので、運命獲得論ってどう解釈すればいいの? という議論の対象になったと聞く。
 
 
 
   
  

 

そうはいっても専門図書は買ってないよね

 
 雨が降り続いて、寒気が入って
 
 ∧∧
(‥ )夜になったら
    晴れちゃったよ
 
  (‥ )放射冷却すると
      遅霜が降りかねない
      天気だなあ
 
 2:45現在、外の気温は6度、湿度は75パーセント。とはいえ、空は薄曇りで半月も煙っている。これなら底冷えは無さそうだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ? どうよ?
 
  ( ‥)んー 大体だけど
    ‐□ 分かったと思う
 
 細胞膜に存在する受容体。これは通常は不活性であるが、信号となる因子(リガンド)が来て、外側の部分に結合すると変形し、二つの受容体が対になる。すると細胞質中の部分が酵素としての活性を示す。
 
 ∧∧
(‥ )だけど変異体だと
\‐  外側のコードが
    消失しているから
    因子の存在と関係なく
    受容体が勝手に対になると
 
  (‥ )つまり酵素としての活性が
      持続しっぱなしになる
      これが細胞の過剰な
      成長をまねく
      そういうことだな
 
 ここまで把握を進めるのにおよそ4時間かかった。
 
 *検索をかけて論文を調べて、そこから推論して検索をかけて論文を見て、そこから推論して検索をかけて、ということを繰り返していくと、時間さえあれば状況は一応把握できる。
 
 ∧∧
(‥ )ここまで書いてくれてる
\‐  日本語の本は無いんだね?
 
  (‥ )あるにしても見てないなあ
      この知見自体は
      2001年のもので
      すでに
      14年前なのだけどね
  
 だが考えてみれば現在の科学の公用語である英語という形で論文が書かれ、それを英語の教科書が引用し、それを読んでいる日本人の研究者が学生のために講義を行い、英語の教科書を参考図書として推薦し、さらに日本語の普及書を書く。これが日本語の本に引用されて、ついに知識は日本語で普及する。
 
 この過程には大体、30年近くかかる。
 
 これを考えれば、14年前の知見を日本語では見た事が無い、というのはありうる話ではある。日本語での言及が存在するにしてもすぐには発見出来ない頻度だってことだろう。
 
 ∧∧
( ‥)日本語話者は
    1億2000万人いて
    世界的には
    かなり大きな集団
    なんだけどね
 
  ( ‥)でも英語には勝てないのだ
    ‐□ 分母が大きいことも
      さることながら
      科学の公用語だからな
      世界中の頭良い奴が
      英語で記述するわけで
      日本語では太刀打ちできん
 
 英語は多分、造語力が弱いので、科学の用語としてはあまり向いていなかったかもしれない=>hilihiliのhilihili: ギリシャ語が良いのではなく、英語の造語力が劣っている?

 しかし、文法や動詞の活用が比較的単純であることを考えれば、科学用語としてはともかく、公用語としては使い勝手が良い方なんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )英語教育に対して
\‐  日本が発展したのは
    日本語の教科書があるからだ
    そう主張して
    英語教育に
    反対する人もいるよね
 
  (‥ )言わんとすることは
      分かるし
      多分事実だろうな
      それに
      別に英語をしゃべれる
      必要はないんだ
      とはいえな
      日本語の本だけじゃ
      どうにもならないことから
      目をそらしちゃいかんな
 
 というか、日本が発展したのは日本語の教科書があるからだ! ドヤ顔して言うのは良いけども、じゃあ英語の本を翻訳した日本語の専門書、お前さんは買ったかい? そう問うことはできよう。
 
 ∧∧
( ‥)日本語の本は英語の教科書より
    どうしても一世代遅れるし
    翻訳しても
    難しいからと
    敬遠されて売れない
    それどころか出版社は倒産
    皆の努力も水の泡
 
  (‥ )まあ売れないのは
      その人のせいではない
      日本人口1億2000万
      この分母をもってしても
      専門書籍を
      買い支えることは出来ない
      それだけの話なのだけどね
 
 とはいえ、
 
 日本の発展は日本語が...と、大層なことを言っておるが、そういうお前は翻訳された教科書を買ったか? 
 
 口先だけではなく、発展に寄与したか? 
 
 そうでないのなら、お前の言っていることは、うんざりするような英語を読むことから逃げたいだけの言い訳に聞こえるが、いかに?

 そう問うことはできよう。
 
 
 ∧∧
(‥ )まあそういうあなたも
\‐  英語は話せないしね
 
  (‥ )というか仕事以外の場では
      日本語を話す事さえ
      おっくうでな
 
  

2015年4月9日木曜日

極微の事例はマクロな組織の動態を説明しない

 
 そういえば先日はNHKの業務委託を受けた、とか言う人間が受信料について訪ねてきたのである。
 
 ∧∧
(‥ )テレビないって言ったら
    帰ったけども
 
  (‥ )4月に人間の出入りが
      あるから
      新住人かどうか
      確認に来たのだろうな
 
 NHKのやっていることは駅前で歌っている流しが、お前、俺の歌聞いたろ? 金払えよ、と通行人から金をせびり、いやだと言うと、訴訟するぞ! と恫喝すること。あんな商売をしていては人も組織も駄目になろう。因果関係がない状況における実績とは、幻想でしかない。しかし人は実績を実力と思い込む。これは錯誤というよりも錯覚でしかないのだが、これゆえに人は際限なく堕落する。無様なことだ。
 
 ∧∧
(‥ )ありあまる金で
\‐  すばらしい番組を作る
    そういう意見もあるけど
 
  (‥ )映像の20世紀だかかな
      この頃ソ連は
      スターリンの指導で
      多民族が共生する社会に
      なっていました
      そうやって
      スターリンの
      プロパガンダ映像を
      さらっと仕込んだりする
      連中だけどな
 
 
 少なくとも、やばい奴が紛れ込んでいること疑いない。あのようなもの、素晴らしいなどと評価するに値せず。
 
 ∧∧
( ‥)報道とは必然そうなると?
 
  (‥ )フリーは金がないから
      売るために嘘をつく
      組織は金があるが
      その条件で自分を
      最適化するには
      仕事をしてはならない
      だから何も作れない
      残るのは信念で
      犠牲を顧みずに
      仕事をする奴らだが
      信念は妥当性を保証しない
      むしろ
      信念は事実をゆがめる
      捏造でもなんでもするよ
 
 正しさを信じるから人は歩める。しかし、正しさのためなら人は捏造する。昔、マルクス主義者がよくやったことだ。
 
 これは、正しさが正しさ自身を保証できないから起こるできごとだ。正しさとは存在自体、概念自体が自己矛盾だとも言える。端的に言えば、正しさを求めることは正しいことではありえない。

 これは広く言えばコミュニケーションの問題であって、この概念にはサイエンスコミュニケーションとか言うたわ言も当然入っている。ようするにサイエンスコミュニケーションなんていう馬鹿話は絶対的に成立しえない、そういうことだ。
 
 ∧∧
(‥ )確率論的には
\‐  この障壁を越えて
    飛び出てくる
    事例があるのですけどね
 
  (‥ )例え話的に言えば
      量子論だよな
      たまたま金があって
      たまたま自由に出来て
      たまたま仕事の話が来て
      たまたまひらめいて
      たまたま本に出来た業績が
      壁を突破して
      長く金字塔になって残る
      そういう事例だな
 
 だが、こんなことはあくまで例外的な事例である。極微的には起こりえるが、マクロの組織ではこんなことは生じない。それは無視出来るもので、マクロ世界には影響を及ぼさない。
 
 端的に言えば報道だろうがコミュニケーションだろうが、科学コミュニケーションだろうが、それが組織的で、あるいは大きな運動になることを想定する以上、これらは原理的に馬鹿話にしかならない。極微な出来事を巨大化することは不可能である。このことを認識できないようでは論としては問題外だ。考慮するに値しない。
 
 
 
 
 
 

知性で世界を理解、制御しようとは愚劣

 
 賃金の低い会社はなぜ忙しいのか?
 
 それは馬鹿が多くて効率が悪いからである。
 
 まあ、そんなことはない。知能なんていう概念を説明に用いる必要はない。
 
 人件費を安くしないと成立しないとは採算が悪い分野なのだから、人件費を削るだけでなくサービス残業を強制してくるだろう。
 
 賃金が低ければ忙しいというのは当たり前だろう。
 
 つまり、低賃金の職場は底辺だから馬鹿だらけで効率が悪いとか、そんな説明を持ち出す必要はなかろう。
 
 ∧∧
(‥ )なんていうのですかね
\‐  言い換えれば
    馬鹿...
    これは学業の成績が悪い
    そういう意味だとしますけど
    成績が悪いことで
    仕事の効率が悪くなるのは
    よっぽどのことだ
    ということですかね
 
  (‥ )そういえば昔
      一時だけど会社にいて
 
 その時、同期だったヤンキー上がりの高卒の彼がある日、頭を抱えて訴えるのである。
 
 今度入った奴が分数を理解できないんだよ、どうしよう、と。
 
 ∧∧
( ‥)分数計算ができない
    とかではなくて
    3分の1とかが
    そもそも分からないと
 
   (‥ )彼が指示しても
       新入社員がそれを
       理解できなくて
       おかしなことをするから
       困っちゃったらしいよ

 
 フォークリフトで倉庫内部の商品を配置し、あるいは搬出する作業である。1パレットの3分の1とか2分の1とか、そういう指示が出るのだ。分数計算どころか、分数という概念すら知らないようではさすがに困るのである。
 
 *それを考えれば、分数計算ができて、好きな音楽のジャケットや酒やタバコの銘柄の英語が読める。ヤンキーだろうがなんだろうが、それで十分エリートなんだとも言える。義務教育とはたいしたものなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )最近はなんですか?
\‐  マイルドヤンキーとか
    学力が極端に低い
    低賃金労働者の存在に
    衝撃を覚える人も
    いるみたいですけども
 
  (‥ )そんなの昔からいるんだよ
      この話だって20年前だ
 
 自分が高校時代の時だって、あの高校の生徒は分数計算ができないとか、そういう話はあった。これだと30年前である。結局、分数も理解できない人間がいるという事実は、昔から何も変わらない。
 
 ∧∧
( ‥)さすがに分数計算ができないと
    作業効率は落ちますか
 
  (‥ )まあこういうのが
      成績の悪い人間が
      組織の効率を落とす
      具体的な例なんだがな
      考えてみれば
      成績の悪い一部に
      足を引っ張られるのは
      相対的には
      どこでも起こることよな
 
 例えば全員が分数計算が出来る会社で必要なのは、二次方程式を解く能力かもしれない。その会社では二次方程式を解けない人間が入社したら効率が落ちるだろう。
 
 あるいは全員が所定時間に2万文字を読みこなせることが普通の会社では、2万文字を正しく読めない人間は会社の効率を落とすだろう。
 
 それを考えるに、底辺で馬鹿だから効率が落ちるのだ、というのはそもそも現実的な仮定ではないのかもしれない。

 人間がそれぞれの学力に応じて集合を作るのであれば、それぞれの集合は、それぞれの能力に応じた仕事を受注することになる。つまり単純で理想的な状況では、どの集合もその平均的な能力に見合った作業を行なう。それゆえ、行なうべき課題の難易度が違っていても、作業効率はどこでも同じになりうる。さらにそれぞれの集合の作業効率はあくまでも平均の話であって、どの集合でも、その集合における平均以下がいるであろう。彼は必ず皆の足を引っ張る。だとすると、集合ごとにおける足のひっぱられ度合いは、どこでも同じだということになりうる。
 
 以上を考えると、底辺は馬鹿だから効率が落ちるのだ、という見解は極めて怪しいのではなかろうか。実際、賢さを標榜する企業や集団が馬鹿っぽいことをしているのはよく見かけることである。
 
 
 

 *そういえばマイルドヤンキーって小説1984年に出てくるプロールと同じだ! とか言ってた人がいたと聞くが、そもそも1984年のプロールというかプローレとは、プロレタリアート(労働以外に売り物がない人々)の意味で、その省略である。プロレタリアートというと、イギリスでは貴族たち上流階級と一線を隔てて決して交わることがなく、言葉の発音さえも違う下層民のことだ。マイルドヤンキーうんぬんなんてどうでもいい話で、世界は最初から階層制なのだ。
 
 **1984年の作者オーウェルはマルクス主義の理想を追求して自分もプロレタリアートになるんだと貧民窟に出かけて生活したが、結局、プロレタリアートにはなれなかったのであった。もちろん、プロレタリアートは革命なんか起こしはしないし、理想の社会主義国家など到来しなかった。あるのはスターリンの独裁体制下にあるソ連だけである。
 
 ***この挫折とプロレタリアートに対する失望は、彼の作品、動物農場でも1984年でも出てくる。強大な力を持つ馬のボクサーはその気になれば革命を私物化して暴政を振るう豚や犬たちを一掃できるのだが、それをしないまま老衰で倒れて、そして売られてしまうのである。老いぼれた彼は無用なものとして殺されて煮られてしまう運命だ。あるいは、1984年において賢明なる同士オブラエインの口を通じて語られるプロレタリアートの評価とは、彼らはアルゼンチンの野に放たれて草を食む牛である、というものであった。
 
 ∧∧
(‥ )考えてみれば
\‐  えらい言い様だよね
 
  (‥ )まあオーウェルの場合
      本人の挫折があるから
      重みはあるけどな
 
 ただ、知性で世界を操作しようとした、そのマルクス主義の試み自体が大失敗であったことを考えると、動機の是非はともかく、知性で世界を制御し、知性で世界を語ろうとするのは愚劣の極みであったかもしれぬ。
 
 これはhilihiliのhilihili: 知能は存在しない ゆえに説明から排除するべきであるの続き
 
 
 
 

知能は存在しない ゆえに説明から排除するべきである

 
 低賃金でもいいから、定時で帰れて週休二日の職場がいい。
 
 いや、そんな場所はない。安い職場はむしろ激務である。
 
 そうそう、そうなんだよね。賃金が安いと馬鹿が増えるから仕事の効率が悪いんだよ。
 
 ∧∧
( ‥)最後がおかしい?
 
  (‥ )頭が良ければ問題解決
      っていうのは
      ほぼ空想上の話だからな
 
 頭の良し悪しで説明するのはあまり賢い説明じゃない。それはむしろ説明すべき仕組みを人間の脳内にしわ寄せして隠しているだけで、説明としてはむしろごまかしに近いだろう。
 
 ∧∧
(‥ )安い職場が激務なのは
\‐  もっと即物的な理由で
    説明するべきである
 
  (‥ )給料が安いとは
      人件費が安いって
      ことでな
 
 人件費が安いとは、そこまで切り詰めないと採算が取れない、そういうことだろう。
 
 人件費を切り詰めてまで採算を追求しているのだ。そこまで追いつめられているのならサービス残業を求めるのは当然だ。
 
 ∧∧
( ‥)サービス残業って
    賃金を時間で薄める行為
    だからね
 
  ( ‥)当然、賃金は低いのに
    ‐□ 激務になるんだよな
      休みはなく
      長時間労働を強いられ
      見返りは少ない
 
 なれば賃金の低さと業務の厳しさが相関するのは必然。
 
 現象の説明は即物的であるべきだろう。そして物事の説明を頭の良し悪しに帰結するのは賢明ではない。頭の良し悪しは何に対して良い悪いなのかも含めて、モデルとしてあまりにもいい加減である。
 
 ∧∧
( ‥)知能という概念を
    説明から排除せよと
 
  (‥ )そもそも知能とは
      単なる概念であって
      実在ではないと
      思えるしね
     
 
 なれば頭の良し悪しで物事を説明するは、悪霊で悪運を説明すると同じこととなろう。
 
 
 
 
    

2015年4月8日水曜日

ほとんど溶けた雪が混じる:温度5度湿度78パーセント

 
 神奈川県は今日も雨
 
 ∧∧
(‥ )昨日、今日と雨続きで
    今朝は急に寒くなったね
 
  (‥ )さっき見たら
      雨の中にわずかだけど
      溶けかかった雪が
      残ってたよ
 
 温度は5度、湿度は78パーセントである
 
 
 
 
 22:40追記:夕方になって外を歩いたら、あちこちで室外機がうなり声をたてていた。
 
   暖かくて静かだった
 ∧∧ エアコンが寒くて大活躍
( ‥)
 ‐( ‥)ほんと
     真冬に逆戻りした
     みたいだなあ
 
 外で出て呼吸をすると、油が燃える匂いがかすかにする。石油ストーブがあちこちで使用されているのだろう。空気の匂いが変わるような天候であった。
 
 22:40現在、温度は6度、湿度は72パーセントである。
 
 
 

ギリシャ語が良いのではなく、英語の造語力が劣っている?

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)語源はちゃんと
    ‐□ 書くべきだと
      思うのだよね
 
 つまり話はhilihiliのhilihili: デフォルト物語の続きである
 
 考えてみれば本来、科学の用語はギリシャ語、ラテン語、あるいはラテン語化されたギリシャ語で、読めば意味が分かるようになっていた。
 
 ∧∧
(‥ )んー 
\‐  でも今では
    頭文字に省略したがると
 
  (‥ )今だけの話なのかは
      知らんけども
      ちょっと困るなあ
      名前を聞いても
      単語から
      想像できないのだよ
      語源を書かなきゃ駄目だよ
 
 
 以上とは対照的に、ギリシャ語や漢字というのは読めば意味が分かるようになっている。科学の単語や医学の単語、病名、器官名など、それらは大概ギリシャ語だ。そして日本で作られた科学用語や専門用語、解剖学用語や器官に当てられた漢字には、原語のギリシャ語が持っていた本来の意味をちゃんと翻訳したものが多い。
 
 いや、これは英語でも本当はそういうもののはずなんだが、どういうわけだか最近はやたらと略称で書きたがる。
 
 これはなにゆえか? 
 
 ∧∧
(‥ )なんででしょうね?
\‐
 
  (‥ )ギリシャ語は
      造語力が大きい
      そういう評価を
      良く聞くけども...
 
 ギリシャ語の造語力は大きい...。良く言われるけども、そう言われてもピンとこない。

 ギリシャ語の造語法というと、複合語を作る際に前の単語の語尾を取って語幹を残し、基本的にオミクロン(ラテン文字のオーに該当する)を入れてつなげる。単純にそれだけの話だよね。
 
 ∧∧
( ‥)日本語だと
    表意文字の漢字を
    単純に並べる感じですかね
 
  ( ‥)ギリシャ語の造語力って
    ‐□ そんな特筆するほど
      大きいのかなあ?
 
 ただ、最近の分子生物学の用語がやたらと英語の頭文字や省略であることを考えると、これはむしろ
 
  (‥ )ギリシャ語が
      すぐれているというより
      英語の造語力が
      駄目ってことか?
 
 ∧∧
( ‥)どう...なんですかね?
 
 そんなことありうるだろうか? 例えば頭を意味するヘッド(head)の後に単純に文字をつなげて、ヘッドライト、ヘッドマスター、ヘッドフォン、別に普通に、英語でも複合語が作られておる。
 
 ただ、赤血球は英語だとレッドブラットセル(red blood cell)で3語なんだけども、ギリシャ語に由来する専門用語だとエリスロキテス(Erythrocytes)。つまり1語にまとめられた複合語だ。

 日本語も3語ではあるが赤血球(セッケッキュウ)であって、これも事実上1語だよな。
 
 確かにレッドブラッドセルは間延びしすぎかもしれん。
 
 ∧∧
(‥ )そして今の分子生物学の
\‐  造語法だと
    red blood cellを
    rbcと呼ぶような感じですか
 
  (‥ )分子生物学が生物学に
      あるまじき
      造語法と命名に
      あふれたのは
      これが理由か?
 
 そしてこれは英語の限界なんであろうか?
 
 このちょっと困った状況は、英語という、造語力の無い言語が科学の用語になってしまった近代の弊害なんだろうか?
 
 
 
 
 

2015年4月7日火曜日

あれは文字だらけなんだよね

 
 ラノベの何がすごいって
 
 
  (‥ )あれ開いたら中身が
      文字なんだよ?!
 
 ∧∧
(‥ )挿絵はあるけど
\‐  数えるほどだからね
 
 あんな文字だらけなのに売れる! これはすごい!
 
 
 ∧∧
( ‥)それは正しくないよね
    大量に売れてないのがあって
    わずかなものが
    大量に売れているのだよね
 
  ( ‥)やっぱ文字だらけなのが
    ‐□ いけないのかな?
 
 やはり文字だらけだからそれが障壁になっているのであろうか?
 
 ラノベなんて中身が薄いじゃないかww そうやって馬鹿にする人は多いが、そういう人が熱心に読んで人生のよりどころにしている新書とか、もっと大層な本も、実態はラノベと変わらない。いずれも数時間あれば読めるものだ。大差ない。
 
 ∧∧
(‥ )考えてみれば
\‐  ラノベを読む人も
    新書を読む人も
    難しい本を読む人も
    頭の出来が極端に違う訳が
    ないからね
 
  (‥ )極端に頭の良い奴だけが
      読む本は儲けが出ないから
      事実上この宇宙には
      存在しないのと
      同じ扱いだからな
 
 つまり市場があると踏んで出版社が出している時点で、読んでいる人が多いことを示す。多いということは読者の頭の出来が平均的だということだ。
 
 なればラノベを読もうが、新書を読もうが、もっと難しいマイナーな本を読もうが、読んでいる人間に差などあるわけがない。
 
 差があるとしたら、それは勘違いの差であろう。
 
 ∧∧
( ‥)で? 今書いている本は
    3分2が絵であると
 
  ( ‥)ラノベよりは
    ‐□ とっつきやすいはず
      なんだがな
      どうかなあ...
      これ1万部売れるかなあ...
      売りてえなあ
      どうしようかなあ

 
 
 
 
 

デフォルト物語

 
 分子生物学は非常に名詞が多いのである。
 
 ∧∧
(‥ )生物が持っている化合物は
\‐  無数だからね
   
 
  (‥ )それでさ
      分子生物学者や医者は
      やたらと頭文字を
      使いたがるのだよな
 
 だからAPCだのrasだのGTPだのmycだのが氾濫することになる。
 
 ∧∧
( ‥)まあDNAもそうだよね
    これはもう普及したけど
    こういう頭文字系の単語は
    覚えにくい?
 
  ( ‥)意味が分からない
    ‐□ 無味乾燥な単語だと
      個人的には頭に
      入りにくいのだよね
 
 ショウジョウバエはこの点では良い。100年あまり前、突然変異の名前を決めた時、ホワイトとか、ジャイアントとか、ヘアリーとか、見た目からまんま名前をつけたからだ。最近でもウイングレスとかイーブン・スキップド、ドーサルなど、これまたまんまな命名である。
 
 *ただし、例えば遺伝子の命名は機能を喪失した突然変異が発見の由来になるので、命名と機能が正反対であることも多い。ホワイトとかドーサルはそういうもののひとつだ。
 
 **ホワイトは赤を司り、ドーサル(背中)は実際にはベントラル(腹側)を司る。
 
 ∧∧
(‥ )でっ?
\‐  日本語文献が見当たらなくて
    今困っていると
 
  (‥ )あるにはあるが
      数が少なくてな
      必要を網羅し切れない
      それで困っている訳よ
 
 英語の文献を読めばいいだろう? と言われればその通りである。しかし、編集さんもクロスチェックする時に、確認元が英語しかない、というのは痛いのだ。もちろん英語も読める人だけども、時間がかかるのは致命的である。
 
 ∧∧
( ‥)というわけで
    メモも兼ねて英語の文献を
    翻訳してテキストにすると
 
  ( ‥)俺の英語力は
    ‐□ ひどいもんだが
      無いよりましだろう
 
 いや、考えてみれば英語をもっとちゃんと読める研究者ですら、翻訳がはちゃめちゃになっていることがある。英語をそのまんま日本語に訳したような状態なので、日本語になっていない、という状況はしばしば見る場面でもあろう。
 
 それはそれとして
 
 repression of default fates

 これはなんと訳すべきであろうか?
 
 ∧∧
(‥ )辞書的には
\‐  失敗する運命の抑制
    だよね
 
  (‥ )デフォルト(default)
      つまり債務不履行だ
 
 でもそれでは意味が通じない。どうもこのデフォルト、基底状態の意味で使われていると考えるのが妥当である。続く文脈における使われ方もそうだ。
 
 つまり、基底状態へと至る運命を抑制し妨害する、と訳すべきなんだろう。
 
 *本来は状態Aになるはずなんだが、それを邪魔することで状態Bの完成を実現している、という意味。
 
 ∧∧
( ‥)この意味のデフォルトって
    製品が出荷された時の状態が
    ”デフォルト”であるとか
    そういう意味合いで
    使われるものだよね
 
  ( ‥)最近使うようになった
    ‐□ 言い様だよねえ...
      手持ちの辞書は
      1985年のものだけど
      その意味は載ってないな
      あるのは債務不履行だ
 
 債務不履行と出荷された時の状態が基本、とではかなり意味が違うけども、ここ最近のいつどこでなんの変化があったのであろうか?
 
 ∧∧
(‥ )この本自体は
\‐  2001年のものだよね
    1985年から16年間
    その間になにかあったと
 
  (‥ )なんだろうねえ?
      パソコンの普及か? 

 
 
 

2015年4月6日月曜日

限りなく薄めたカレーは理論上カレーではある

 
 サイエンスコミュニケーションはまるでうまくいかない。成立した試しが無い。
 
 ∧∧
(‥ )なぜでしょうね?
\‐
 
  (‥ )答えは簡単だね
 
 人間は文字を読めない
 
 ∧∧
( ‥)25文字は読めると
    言ったのは
    あなただよ?
 
  (‥ )説明は
     25文字以上あるんだよ
 
 文科省が行なった試みもあるというが、どれもうまくいかなかったとも言う。
 
 ∧∧
(‥ )なぜでしょうね?
\‐
 
  (‥ )国家官僚は
      文字を読める人たち
      だからだろ?
 
 ただ文字を読めるだけではない。

 数千、数万、数十万の文字を読める、それだけでもない。
 
 可能な限り正確に必要不可欠大量の文章を読み、それを可能な限り正確に把握し、可能な限り間違いがないように事務的に文章を書く。
 
 極端な話、こういう人間を抜粋して国家の運営に従事させるために受験体制は存在する。

 国家官僚を抽出するためだけに受験はあると言っても良い。
 
 だがこれは次のことを示す。
 
 ∧∧
( ‥)文字が読める人間の提案は
    文字を読めない人間には
    届かない
 
  (‥ )カレーを食えない人間に
      カレー職人が
      適切なカレーを出すような
      ものですよ
 
 もちろん、カレーを食べられない人にカレーを食べさせる方法はある。カレーを可能な限り、物理的に薄めれば良い。カレーの構成要素がそれぞれ1分子でも混ざっていればそれはカレーだ。
 
 ∧∧
(‥ )本末転倒だね
\‐
 
 (‥ )サイエンス
     コミュニケーションとやらが
     なぜ失敗するか?
     理由なんて単純さ

 
 そして物書きは諦めるか、あるいは可能な限り薄めたカレーや、カレーと称したハンバーガーやコカコーラを売るようになる。
 
 ∧∧
( ‥)それがトンデモ?
 
  (‥ )事実だろ?
      否定できるか?
 
 

      

あれって東ローマのやり口だよね

 
 ギリシャのカメノス国防相は、西欧が我々を助けないのなら経済難民を送り込む、そこにはISILのテロリストたちも混ざっているぞ、と述べたという。
 
 この話の続き=>hilihiliのhilihili: 〆切が近づく世界
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  ( ‥)考えてみればさ
    ‐□ これって
      東ローマのやり口だよな
 
 ∧∧
( ‥)ああ、帝国の東西分裂後
    押し寄せるゲルマンたちに
    西へいくように
    そそのかしたやつね
 
  ( ‥)東ローマ帝国は
    ‐□ 西ローマ帝国を
      生け贄にしたと言えば
      良いかね
 
 理由はそれだけではないにせよ、蛮族たちは西ローマを蹂躙し、西ローマ帝国は解体した。そして残った東ローマ帝国とは、実のところギリシャ帝国であった。かつて地中海西方のローマに征服されたギリシャは長い統治と帝国分裂後に、我こそローマ帝国の正当後継者であると称した。

 これは確かにそうなのだが、かなり妙な話でもある。それはアメリカが世界帝国を作り、そして崩壊した後、日本が我こそ大アメリカ帝国の正当後継者であり、アメリカ人であると言うようなものだ。
 
 例えば東ローマ帝国(ビザンティン帝国)は、我らはローマ人であり、ローマ皇帝を頂いていると称した。だが実際にはギリシャ人の帝国だった。言語もギリシャ語である。それまで使われていたラテン語は帝国分裂後に消滅したそうである。
 
 ∧∧
( ‥)東ローマは蛮族たちに
    西へいくようそそのかす
 
  (‥ )ベルリンにISILを
      送り込むぞーって
      言い出すギリシャは
      歴史的に平常運転なのな
 
 
 まあ、文明国のギリシャである。ゲルマン蛮族どものことなど、どうでも良いに違いない。
 
 ∧∧
(‥ )ヨーロッパ人は
\‐  東ローマのやり口を
    どう思っているのですかね?
 
  (‥ )大部分はそそのかされて
      西にいった連中の
      子孫だから
      疑問に思って
      いないんじゃね?
      東ローマのやり口に
      批判的な話って
      ほとんど聞かないよね
 
 考えてみれば西へいくようにそそのかす、というのは、これはかなりひどい話である。それこそ、ISILをベルリンに送り込むのとさほど変わらぬ。しかし批判する意見はあまり聞いた事が無い。そそのかされて入植した子孫だからこの非道を無意識のうちに流してしまったのだろうか? 意識しないまま都合の悪い事実を忘れたのであろうか? 西欧の文明は自分たちの後ろ暗い罪から目を背ける文化になったであろうか?
 
 ∧∧
(‥ )ゲルマンというか
\‐  現代ヨーロッパ人の多くは
    かつては
    ひどい扱いをされていた
    はずなんですけどね
    それも
    忘れちゃいましたかね
 
  (‥ )ぶっちゃけ
      動物扱いなんだよな
      面白半分に殺されたり
      奴隷狩りされたり
      出世しても
      他の帝国臣民と違って
      最後まで皇帝には
      なれなかったわけで
      賤民だよね
 
 それを考えると冒頭のカメノス国防相の言い様は、失礼かつ暴虐である一方で、歴史的には極めて当然なのかもしれぬ。
 
 

2015年4月5日日曜日

〆切が近づく世界

 
 ∧∧
(‥ )中国主導でアジアの
\‐  銀行を作ろうと
 
  (‥ )言っちゃ悪いけど
      私物化する気
      まんまんだよね
 
 ∧∧
( ‥)根拠も無いのに
    そんなことを言うなと
    言われるでしょう
 
  (‥ )中国は日本やアメリカと
      違って
      自由の国だからな
      全員が己の才覚で
      生きる事を強制される
      自由主義なのだ
      人と人の付き合いが
      ものを言う真の自由世界
 
 そんな自由の国でお金を集めて金貸しを始めたら、ひとたまりもないだろう。
 
 というか、ひとたまりもないから金集めに必死になってきた、そういうべきかもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )ヨーロッパも
\‐  これに参加しますよ、と
 
  (‥ )ギリシャ発のバブル崩壊に
      直面して
      西欧の連中も
      そんなに困っているのか
 
 未だに猛威を振るう、イスラム国ことISIL、ダーイッシュ。
 
 彼らISILが何らかの形でギリシャにまで手を伸ばし、欧州全体、さらには世界経済を破壊ならしめる。
 
 そういうことは可能か?
 
 ∧∧
( ‥)異教徒異民族の地に
    長駆して小規模のテロをしても
    影響なんかないでしょう
    という話はしたけども

=>hilihiliのhilihili: 腕はどこまで伸びる?

 
  ( ‥)だけどさ現実のギリシャ人は
    ‐□ ギリシャを
      援助してくれないのなら
      経済難民を西欧へ大量に
      送っちゃうよ?
      その中にはISILの
      テロリストも混じってるよ
      とか言い出すのだよな
 
=>greece defence minister kammenos economic migrants jihadist - Google 検索

*ギリシャ連立政権の党首でもある現カメノス国防相が、西欧がギリシャを助けないのなら経済難民をベルリンへ大量に送り込む。そこにはISILのテロリストも混ざっているだろう。と恫喝した話。少なくとも報道ではそうである。
   

 さすがギリシャ。言う事が違うぜ。想像の斜め上をいってくれる。
 
 ∧∧
(‥ )ギリシャと西欧って
\‐  歴史的にもずっと
    トラブル続きだよね
    中世期にも
    嘘つきギリシャ
    未開のフランクと
    お互いに言い合ってるし
 
  (‥ )やっぱね
      文明国のギリシャと
      野蛮なゲルマン共とでは
      軋轢が絶えないのですよ
 
 それを考えるとなんだ、中国主導の銀行に西欧諸国が参加、というのは
 
 ∧∧
( ‥)おわた、ですか?
 
  (‥ )終末観は否めないよな
 
 経済が大崩壊、というのはまあないんだろう。皆、それなりに調整し、騙し騙しやっていくはずである。というかその騙しの一手が新たな銀行ということやもしれぬ。それが大凶と出るのか、少なくとも延命効果はありました、という結果になるのか。参加、不参加、いずれにしても皆は最大限の努力をするだろう。それは状況の激変をやわらげてくれるだろう。
 
 少なくとも楽観的にはそうだ。
 
 とはいえしかし
 
 ∧∧
(‥ )どうなっちゃうんでしょうね?
\‐
 
  (‥ )話は変わるけどさ
      某大手出版社が
      希望退職者を大量に
      募りだしたのだよね
 
 えっ? あの会社と言えばラノベの老舗だろ? 売れ筋を確保しているあんな大手でもやばいの?? と青くなったが
 
 ∧∧
(‥ )実際には合併に伴う
\‐  合理化みたいだね
    過去の業績の賃上げに
    寄生したままで
    無駄に高級をもらっている
    年寄りたちを排除する
    少なくとも表向きはそうだ
 
  (‥ )良い決断ではあるだろうな
      そうしないとこれからの
      時代を乗り越える事
      かなわぬだろう
 
 とはいえ、それを考えると状況は深刻だ。自分もほとんど転職に近い事を考えねばならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )今の一手がどう出るか?
\‐  ですかね
 
  (‥ )今作っているこの本が
      年間に1万部出なかったら
      やばいと考えるべきだなあ
 
 とはいえ、この本が1日に全国で30部売れる未来は、あまり想像できないのである。
 
 
 

サメは実力か活路か

 
 先日の会話
 
 男と女は戦争の様式が違うので、動機が同じでも出力が別物に見えてしまうのですよ。

 ああ、サメを見れば男は”強い!”と感じますよね。

 なるほど、女はサメを見ればコラーゲンだと思います。
 
 コラーゲン!
 
 ∧∧
( ‥)まあ美容なんだから
    戦いではありますな
 
  (‥ )サメの実力に憧れる男
      サメのコラーゲンに
      活路を見いだす女
      世界はギャップに
      満ちてるよー
 
 
 ようするにこれはhilihiliのhilihili: 女の戦争、男の戦争の続き
 
 
 

2015年4月4日土曜日

ついていって上げなさい

 
 接待でキャバクラへ連れて行かれたら、こんな程度で喜ぶ人間だとお前は思われているのだ。
 
 ∧∧
(‥ )...という意見が
\‐  ありますね
 
  (‥ )それはいくのが嫌な人間の
      見解だろ?
      全員が自分と同じである
      ように語るのは
      正しいとは言えないな
 
 実際にはこうだろう。
 
 キャバクラへいきたいのは接待している相手の方だ。なれば、金を支払うのは確かに相手だが、誘われた自分こそが相手を接待していると考えるべき。誘われたら文句を言わずに笑顔で付いていけ。それが接待の心得ぞ。
 
 ∧∧
( ‥)一人でキャバクラへいって
    会社の領収書を切ったら
    業務上横領だけども
 
  (‥ )誘われた自分が同席すれば
      立派に接待交際費ですよ
      自分が気乗りしなくても
      自分がいるだけで
      名目が立つのですよ
      相手を立てて上げる
      べきですよ
 
 ∧∧
(‥ )あなたがこの可能性に
\‐  気づいたのっていつです?
 
  (‥ )キャバクラに
      連れて行かれた時
      この人が
      俺を接待することで
      得られる利益とは
      一体なんだろうか?
      そう考えた時だな
 
 まともに考えるとそんな利益はまったく存在しない。つまり接待する理由が見当たらない。
 
 だが人は利益に基づいて行動する。利益が存在しないのに接待で出費をすることなどありえない。
 
 つまり自分が見落としている理由がどこかにあるのだ。
 
 そして接待費は自腹ではない。ここまで考えれば、後はほぼ自明だろう。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはそこにいるだけで
    口実となり
    それゆえに有益なのである
 
  (‥ )口実って大事だからな
 
 それを考えれば、キャバクラへ連れて行かれた時、自分は馬鹿にされているとか、そんな小難しいことを考える必要などないのだ。にこやかについていって楽しむ相手を接待してあげるべき。
 
 もっともそこまで経済にゆとりがあればの話であるが。
 
 ∧∧
(‥ )今時はこんなこと
\‐  少ないですよね
 
  (‥ )誘われたら
      恵まれていると
      考えるべきだね
 
 

なぜ否定しようと考えたのか? それが根源

 
 生物学者リチャード・ドーキンスがセルフィッシュ・ジーン(selfish gene)、すなわち利己的遺伝子という言葉を使った時、それに衝撃を受けた人々がいた。
 
 人間は社会性動物だ。特に近代化が進んだ社会では、利己的なことをしてはいけないとされる。誰もがそう教えられ、そしてそれを強制される。
 
 それゆえ、利己的遺伝子という言葉を反社会的と見なして身震いした、そんなところだろうか、

 もちろんこれは奇妙なことである。そもそも道徳は”人間が利己的な存在ではない”ということを意味していない。道徳が示すことはむしろ逆である。物事が禁止されるとは、実態がそうではない、ということだ。
 
 すなわち、道徳は現実の否定である。

 そうである以上、道徳の存在が示すのは次のようなことに他ならぬ。
 
 人間は利己的な存在でお互いを出し抜き、自分だけ甘い汁を吸おうと考えている個体の集合である。
 
 ∧∧
(‥ )でも自分はそうしたいけど
\‐   他人が勝手なことをして
     自分が不利益をこうむるのは
     いやなんだよね
 
  (‥ )ゆえに裏切り者を
      抹殺しようとするのだ
 
 道徳の正体とはこれだ。

 相互監視による裏切り者の探索、そして私刑と抹殺による裏切り者の排除、これこそが道徳。
 
 道徳はただただ利己的な目的から生じてきた冷淡で現実的な打算であり、それを実現するために表面的な約束事を提案してきた。そう言うこともできよう。
 
 
 だがおかしなもので、人間の中にはこの現実に耐えられないものがいる。
 
 あるいはこう言えばいい?
 
 道徳は、外見上は現実の否定、という形式をとっており、その根底にある冷酷で暴力的で利己的な動機を覆い隠している。
 
 一方、親や社会から、人は表面的な禁止だけを教えられる。この時、これをただ鵜呑みにして、この部分だけに異様に拘泥する個体が存在する。

 彼らは利己的な遺伝子という言葉には耐えることができなかった。多分、利己的なことをしてはいけませんよと入力されたことと、人間が利己的にしか振る舞わないという現実、この二つの衝突に心が耐えられなかったのであろう。
 
 もちろん大概の人間はこんなこと気にしない。しかし人間は大量生産品ではなく、品質は一定していない。このコンフリクトに耐えられないものが、数は少ないが必ず存在する。
 
 彼らは利己的遺伝子という言葉を否定しようと考えた。
 
 例えば曰く、利己的遺伝子という言葉は擬人化である。実際の遺伝子は考えないのであるから遺伝子の擬人化は間違いである。ゆえに利己的遺伝子は間違いである。間違いである以上、遺伝子が利己的に振る舞うということ、これもまた間違いである。このような主張。
 
 ∧∧
( ‥)しかしこれは
    言葉の把握に誤りが
    あることによる誤謬
 
  ( ‥)擬人化は誤りである
    ‐□ だから擬人化された
      遺伝子の振る舞いも
      間違いである
      この論が間違いだな
 
 例えば擬人化された戦艦長門が、私が見たかったのはこんな光じゃない、と言った時、戦艦は人間ではないのだから彼女のこの叫びも事実ではない、こう主張することは正しいであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)間違いだね
    戦艦長門は実際に
    核実験の標的に
    されて沈没したからね
 
  (‥ )まあそういうことだ

 
 この誤りはさながら次のようなものである。白い1羽のカラスが見つかれば、カラスが黒いことは否定される。同様にカラスという言葉に含まれるすべての事柄が間違いとなる。カラスがカーカー鳴くという事柄も否定される。
 
 ∧∧
(‥ )実際のところ
\‐  白いカラスの発見で
    否定されるのは
    ”すべてのカラスが黒い”
    という言及だけですよね
    大部分のカラスは黒いという
    現実自体は
    何も否定されていない
    他の事柄もまたしかり
 
  (‥ )やはりこれもそうだ
      名詞の把握と組み立て
      ここがおかしくなってる
 
 つまりこれはhilihiliのhilihili: そして理屈だけが骨張って残ったの続き
 
 ∧∧
( ‥)名詞の把握がおかしい人が
    誤謬を犯している?
 
  (‥ )いや多分
      そういう複雑な事柄では
      ないんだと思うけども
 
 多分、話は非常に単純ではなかろうか。

 人間の思考の大部分は、思いつきと後付けの理論で構成されている。これは恥じることではない。当たり前だし他にやりようがない。
 
 そしてこれを踏まえると以上の誤謬の理由は単純であろう。
 
 ∧∧
(‥ )利己的な遺伝子という言葉を
\‐  否定したい人が
    そのために名詞を
    恣意的に運用した
    文章を破綻させるわけには
    いかない以上
    論理的な歪みは
    名詞の中にしわ寄せされ
    隠される

 
  (‥ )そうすれば一見したところ
      破綻の無い綺麗な文章を
      作成することができる
      それだけのことだと
      思うのだがな
 
 文章の歪みを無くせば、それは名詞の内部にしわ寄せされ、名詞の破綻として隠される。

 つまり名詞の使い方と指示対象を検討すれば、主張の破綻や誤謬が明らかとなる、そういうことでもあろう。
 
 そしてまたこれは、誤謬自体は結果でしかない、ということを示している。
 
 ∧∧
( ‥)つまり誤謬は
    名詞の使用に隠されているが
    誤謬の原因は
    彼の最初の思いつきに
    起因している
 
  ( ‥)つまりな
    ‐□ なぜそれを否定しようと
      お前は思ったのか?
      これが問われるべき
      根源なのだな
 
 
   

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