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イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2014年4月30日水曜日

こればっかりはどうにもならぬ

 
 hilihiliのhilihili: 仕事してねー やべー 俺やべーの続き
 
 
 ∧∧
(‥ )要するにさ あなたは
\‐  才能が無いんじゃないの?
 
 (‥ )才能が無くても
     仕事はしなくちゃならんでな
 
  
 
 24時間後に続く=>hilihiliのhilihili: そして、妥当性の基準だけが残った
 
 
 
 
 
 

仕事してねー やべー 俺やべー

 
 もう日付は変わってしまったが、4月29日、火曜日、用事があって町まで出かけると、妙に人通りが多い。はて? と思っていると、通りすがりの老人が奥さんに言っている言葉が耳に入った。
 
 「....で、今日は休日だから...」
 
 ∧∧ だそうです
( ‥)
 ‐( ‥)ああ、そうだったのか
 
 やる事が色々とあるが、全部、仕事とは関係ない作業だ。
 
 ∧∧
(‥ )先日、海へいったあたりから
\‐   仕事してないよね?
 
  (‥ )やべー、俺、やべー
 
 月のスケッチをしたり、花のスケッチをしたり、気分転換にHPを更新したり。海へいって疲れ果てたり、それで眠ったり、撮影した画像を整理したり。そうこうする間に、時間が刻一刻と過ぎていく。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、たまには
    いいかもだけど
 
  ( ‥)逆に言えば今まで
    ‐□ 仕事だけだったからな
      だらだら過ごすなんて
      ひさしぶりだ
 
 そういえば、ひと月ほど前、人と話している時に言われたのである。
 
 「リュウグウノツカイは書く事がないから困る」
 
 確かに。リュウグウノツカイはその異様な姿とその巨体で人気のある深海魚だ。しかし、書く事がほとんどない。
 
 あるとしたら
 
 硬骨魚類では多分、最大、というか最長である
 顎の骨の構造が特殊なので、吻部が伸びる
 立ち泳ぎをしている可能性がある(最近、画像も記録された)
 オキアミなどを食べている
 
 ∧∧
( ‥)そのぐらいですよ、と
 
  ( ‥)読者は色々知りたい
    ‐□ そう望むのだけど
      何も無いんだよな
 
 後は、せいぜい、分類学的なこと、系統学的なこと、民族学的なこと、食った人の感想とか、そんなもんだ。もともと深海魚で、稀魚で、さらにでかいこともあって、センセーショナルに扱われる一方で研究はほとんどされていない。だいたい、あんなでかいもの、保存することすら難しいのだ。邪険にされるのは当たり前である。
 
 ∧∧
(‥ )でも、みんなは知りたい
\‐
 
  (‥ )だが書く事は無い
      みんなが知りたいことは
      どこにもないのさ
      読み手と作り手側の相克が
      ここにはあるのだ
 
 ああ、しかし、個人的に一番悩むところは
 
 ∧∧
( ‥)皆の分かったが分からない?
 
  ( ‥)「分かった」が
    ‐□ 理解できないのだ
 
 例えば、やはりその典型はグールドの「ワンダフル・ライフ」だった。添えられた挿絵は素晴らしい。カンブリア紀の奇怪な節足動物たち。問題は文章だ。グールドらしい博学と比喩を用いた複雑な書き方、それ自体はまあ、どうでもよかった。
 
 問題はである
 
 ∧∧
(‥ )主張がおかしいと
\‐
 
  (‥ )バージェスの節足動物を
      記載した研究者は
      ”古い時代だから
      現在の生物群の原始的な
      仲間であろう”
      そう考えた
 
 しかし、彼は人種的偏見を持っている人物である。ゆえに...
 
 どうもグールドは、
 
 この研究者はこういう偏見のある人間なのだ。そして彼は下等、高等、近代的=進化的、古代的=原始的、という世界観で化石を解釈した。彼が抱く偏見が良くない以上、彼の世界観に基づいた結論、すなわち、”バージェス動物群は現在の生物の原始的な系統群である”という解釈もまた、間違いに違いない。
 
 そういうことを言っているらしいのだが。
 
 ∧∧
( ‥)なんじゃこりゃ? 
    これが科学者の理屈ですか?
    という違和感
 
  ( ‥)そういう箇所が
    ‐□ 次々に出てきてな
 
 例えば曰く、
 
 バージェス動物群を既存の系統樹に入れようとする分岐学的な試みは、どうもうまくいかないようである。
 
 どうやら一致指数が低いことを言っているらしいのだが、それは別に不思議なことじゃなくね?
 
 *一致指数:解析の結果得られた系統樹(正確には分岐図)がどのぐらいシンプルなのかを示す数値と言えばよいか。指数が低いほど収斂や逆転を想定しないと系統樹が成り立たない、ということを示している。結果的に言うと、初期に行われたバージェス動物群の系統解析は多分、正しくない。一致指数が低いのも、おそらく相同形質の判定が根本から間違っていることが原因であるように見える(例えばスウェーデンのバッド博士の解釈を参考にせよ)。しかし、グールドの見解はもっと間違っているし、そもそも根拠がない。
 
 「ワンダフル・ライフ」において次々に出てくる主張は、当時のスタンダードな解釈に対する反論でもあるのだが、それがどうにも説得力がないのだ。というか根拠が曖昧なものばかりなんである。異質性を強調する一方で、それを言ったグールド自身が異質性の基準をまったく示さなかったのも、そのひとつだろう。
 
 一回読んだだけでは分からなかった。
 
 だが、二回読んでみたら、もっと訳が分からなくなった。
 
 ∧∧
( ‥)三回目になってようやく
    分かりましたと
 
  (‥ )「ワンダフル・ライフ」
       あれは科学の本じゃねえ
 
 あれは、マルクス主義者であったグールドが、ダーウィンの自然淘汰説を破壊するためにぶち上げた、イデオロギー本だ。そう解釈すると分かりやすい。
 
 古生物学者であるグールドを「サイエンスライター」と揶揄した研究者の言い様は、確かに正しい。あの本は、サイエンスライターが書く本である。
 
 ∧∧
(‥ )でも売れた
\‐
 
  (‥ )俺も買ってるしな
 
 ∧∧
(‥ )わー、すごい変なのがいるー
\‐  そういう評価が大部分
 
  (‥ )それで良いと言えば
      良いのだ
      僕らはそんな程度でしか
      本やメディアを
      楽しめないのだからね
 
 だが、それだけではなかった
 
 あの本の内容を肯定的に”理解”して、賛同した人もまたいたからである。
 
 自然淘汰。自然界が見せる実力主義に恐怖した人々は、「ダーウィンの言う自然淘汰なんて嘘ですよ」、そういう救いの声にすがるがゆえに、今西進化論とか色々な有象無象な仮説にとびつくことがある。
 
 「ワンダフル・ライフ」もまたそのひとつであった。
 
 大部分の人は健全なことに、「わーすごい」なんだが、やはりいるのである。あの根拠無き理論武装に舞い上がって熱狂してしまう人が。

 そしてもちろん、彼らは主張の内容を肯定的に理解しているのだ。正しいと信じているのである。
 
 しかしすると、理解とは、一体全体なんだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)理解は理解
    ただの主観的な思い込みだよね
    理解は理解を保証しない
 
  ( ‥)そして俺には
    ‐□ 彼らの歓喜が理解できない
 
 つまり、歓喜する読者の気持ちがまったく全然、これっぽっちも理解できないし、共感すらできないのだ。主張に対して歓喜する。つまり、刺激に対して反応していることは分かる。しかし、それはただの観察だ。共感でもなければ、その意味においての理解でもない。
 
 ∧∧
( ‥)物書きとして致命的であると
 
  (‥ )俺はなんでこんな仕事を
      やっているんだろうね?
 
 
 
 *ちなみに、一応、説明すると「こんな仕事をしている」のには必然な理由がある。もともと自分はイラストレーターなのだが、イラストを大量にこなすには、本という”絵を載っける舞台”が必要なのだ。イラストは単価が非常に低い。大量に描いてまとまった金額を稼ぐ必要がある。それにはイラストを載せる舞台である、本それ自体を自分自身で書けば良い。それだけの話だ。
 
 それだけの話なのだが...

 ∧∧
( ‥)人の気持ちが
    理解できなーい
 
  ( ‥)基本は大部分同じなんだ
    ‐□ そのはずだのに、
      どこで自分は世界と
      ずれちゃったの
      だろうな??
 
 これはhilihiliのhilihili: 科学ライターは殲滅しなければならぬ ただの一人も残さずにの続きでもある
 
 
 
 

2014年4月29日火曜日

太陽光発電では生活できない人類が機械にまかせて遊び暮らそうとは...

 
 真空の揺らぎからエネルギーを取り出す。そういう発想がある。
 
 現実的か、とか、採算が取れるか、とかそういうことは抜きにして可能ではあるらしい。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、可能で採算が取れると
    仮定しましょうか
 
  ( ‥)機械さえあれば
    ‐□ 無限に発電が可能なのだ
 
 問題はである。無限に発電が可能なのは良いとして、では電気代はタダになるのか?
 
 ∧∧
( ‥)ならないだろうと
 
  (‥ )発電機のメンテナンスを
      しなければいかんからな
 
 壊れた部品や古い部品を交換しなければいけない。送電線も末端の機械群もそうだ。すべてを次々に取り替える必要がある。当然、点検も必要だ。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えたら
\‐  お金が必要ですよ、と
 
  (‥ )鉱石を採掘する
      船舶で輸送する
      工場で精製する
      それを再び運ぶ
      それから製造する
      製品と部品を
      メンテナンスに使う
      あらゆる行程が必要になる
 
 当然、コストがかかる。
 
 ありとあらゆる行程を機械化しても、メンテナンスを機械がやるにしても、やはりコストがかかる。機械が増えたらメンテナンスをする機械、それ自体がますます増える。
 
 当然、電気代はタダにはならない。
 
 これはお金の有る無しの問題ではない。お金という概念の話でもない。機械たちを維持するには資源と経費が必要なのだ。いかにエネルギー源が無限でも、資源も無限にあっても、金という概念がこの世界から無くなっても、こればっかりは解決できない。
 
 というか、全自動で自らをメンテナンスして、無限のエネルギー源と資源から生産を行い、金という概念を持たない存在が事実としてある。
 
 ∧∧
( ‥)太陽光線で
    光合成を行う植物が
    それだよね
 
  ( ‥)生物にとって太陽は
    ‐□ 事実上、
      無限のエネルギー源だ
      二酸化炭素と水は
      砂漠とかあるにしても
      事実上無限偏在だな
      しかし植物は無限に
      成長できるわけじゃない
 
 いや、やろうと思えば多分できるのだろう。
 
 彼らは細胞を自己複製することで自らをメンテナンスし、自らを廃棄し、自らを補填し、自らを交換し、次々にパーツを変えて古くなることもなく永々と持続する。余剰さえ出来るのならば、無限エネルギーのおもむくまま、無限に成長できる。
 
 ∧∧
(‥ )問題はですよ
\‐  エネルギー源は無限でも
    
  (‥ )時間あたりに使える
      エネルギーは
      有限なんだよね
 
 当たり前の話なんだが、太陽が今後50億年、つまり、地球の生物には事実上永久に当たるような時間存続するにしても、1秒当たりに生み出すエネルギーは無限ではない。それには限度があるのだ。実際、太陽光発電では人類の今の生活を維持できない。
 
 つまり無限のエネルギー源から維持費を引いて、残りのエネルギーでかつかつの生活をするしかないのだが
 
 ∧∧
( ‥)真空中からエネルギーを
    くみ出せるようになっても
    結果は同じだろうと
 
  ( ‥)無限だから使い放題だ
    ‐□ そんなわけないからな
 
 無限といっても、いわば濃度に違いがあるのは当然。一人当たり、カルピスの原液が1日1リットル支給されるのか、限りなく水に近いカルピスが1リットル支給されるのか、どちらも無限に支給されるにしても、この二つの選択肢は同じじゃない。
 
 *世の中には無限と聞くと使い放題だ、と思う人がいるけども、それは正しくないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )それでも植物だけなら
\‐  無限成長は運さえ良ければ
    可能だよね
 
  (‥ )新陳代謝を低くして
      長くのんびり生きる
      それで収支決算が
      0以上なら存続は
      可能だよね
 
 人間の手を完全に離れた機械。自己複製が出来る機械というのは多分、ありえないだろう。少なくとも部品で構成された機械にそんなことは無理だろう。SFで出てくる”部品で構成された機械生物”も、自己メンテナンスを完全にこなす機械群も完成はしないだろう。だが”分子を部品にして熱の揺らぎを組み立てに使う存在”、生物のようなものならそれが可能であるし、事実、可能としている。
 
 *これはこの話でもある=>hilihiliのhilihili: 機械生物 VS 有機生物
 
 部品を持つ機械では多分、無理だ。しかし、生物的な機械なら可能なのだろう。そして
 
 収入-維持費≧0
 
 こうである限りなら、存続は可能だ。仮に無限のエネルギー源が開発されれば、そして人類がメンテナンスを完全に自動化できれば、そして以上の条件を維持できる支出のみで生活すると決めれば植物のような生活ができる。
 
 問題はである
 
 地球の生物って植物だけじゃないよね? なんで?
 
 ∧∧
( ‥)ようするに裏切り者、
    あるいは利己主義者が
    現れるわけですよね
    自らは光合成を行わないが
    植物の余剰生産に
    ただ乗りする生物がいる
 
  ( ‥)ようするに我々、動物だ
    ‐□
 
 必ず裏切り者が出る。だから植物も防衛するために余計なコストを払ってアルカロイドやタンニンといった毒物を合成して防衛する。
 
 資源が無限に存在しても、単位時間あたりに利用できるのは有限だ。そして世界は多様で裏切り者が絶えず現れる。ゆえに理想化された必要最小限な経費だけで状況を切り抜けられるわけがない。無限成長できる植物でも、食われて終わる場合があるのだ。
 
 アクシデントに見舞われて、予算オーバーで大ピンチ、こんなことは誰でも経験があるんじゃないだろうか?
 
 すると答えは明らかだ
 
 ∧∧
(‥ )無限のエネルギー源が
\‐  存在しても
    電気代はタダにはならず
    使える量も限られており
    それを守るために余計な
    経費を必要としなければ
    ならない
 
  (‥ )つまるところだな
      やっぱり
      社会全体を自動化して
      人間が遊んで暮らせる
      未来なんてこないって
      ことさ
 
 まあ、可能といえば可能なのだ。マルクス主義が理想化された条件なら可能である、という程度の意味での可能なら。
 
 ∧∧
( ‥)人間全部がつつましい生活で
    無限に遊ぶために
    限られた娯楽と生活と食事しか
    許されない世界
 
  ( ‥)まあ、マルクス主義と
    ‐□ 同じ運命を辿るのだろうね
 
      
 これはhilihiliのhilihili: 機械に労働をまかせて働かないで暮らせる社会はありえないの続き
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ぶっちゃけた話
 
  (‥ )まがいなりにも
     無限エネルギーの
     太陽光発電では
     生活できないほどに
     むちゃくちゃしてる
     現代人がだな
     機械に労働をまかせて
     暮らそうって
     なんの冗談ですか?
     そういうことなのよね
 
 
 太陽光発電ではまかないきれないほどに生活を加速する必要があった。そうして石油に支えられる工業社会を作り上げ、さらに競合を激化させている。このこと自体、機械に仕事をまかせる、などということがあり得ないことを示している。
 

2014年4月28日月曜日

機械に労働をまかせて働かないで暮らせる社会はありえない

 
 機械にすべてをまかせることで、誰もが働かないで暮らす。それ、出来ると思うんですよ。
 
 なんで出来ないんでしょう?
 
 ∧∧
( ‥)どう思います?
 
  ( ‥)人間に必要なものを
    ‐□ すべて作ってくれる機械
      それが可能であるとする
 
 これは、理想的には自己修復して自らを維持するのみならず、人間が使う余剰も生み出してくれる、そういう機械のことだ
 
 人間は未だにそのような機械を作ったことはないが、実際にはこの機械に該当するものはとっくの昔から存在する。
 
 ∧∧
( ‥)それって芋とかパパイヤだよね
 
  (‥ )自己を維持しつつ
      利用可能な余剰を生み出す
      それは生物だからな
 
 そんな機械も環境もとっくの昔からあるのだ。
 
 実際、狩猟採集民は1日3時間とか、そんな程度の労働で事足りるという。私たちよりも労働時間はずっと短いのである。確かに、彼らの技はまさにプロの技であるし、訓練には時間もかかる。狩りとなると危険だし、凄腕のハンターも1年のかなりの部分は休みが必要だそうだ。そうでないと体が保たないのである。それにも関わらず、逆に言えば働きずくめなどということはない。
 
 働かないでも暮らせる社会。馬鹿馬鹿しい。そんなもの、とっくに実現されているのだ。
 
 では実現できているはずのものが、なぜ出来ないのか?
 
 我々が狩猟採集民に何をしたのか、それを思い出せば答えは簡単だ。
 
 ∧∧
( ‥)働かないで暮らす社会が
    実現しても
    少し余計に働いた人間が
    侵略者として富を奪い、
    働かないで暮らす社会を
    破壊してしまう
 
  (‥ )ここでは狩猟採集民の
      短い労働時間を
      ”働かないで暮らす社会”
      に近似させているけども
      まあ、そういうことだね
      事実、僕らがしていることは
      それなのだ
 
 あくせく働く農耕民が、あるいは過労死が出るほど働く工業社会の我々自身が、何をして何を求めているのか、それを自覚すれば分かる。
 
 働かない社会を侵略してつぶしてしまったではないか。
 
 なれば答えは簡単。働かない社会がなぜ実現できないのか? それは、それが敗者となる選択肢、そのものであるからに他ならない
 
 他人よりも働いたものだけが勝利者になれるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )働かないで暮らせる社会は
\‐  言い換えるならば
    ほんの少し働いただけで
    すべてを総取り出来る社会
 
  (‥ )次に来るのは
      全員が少し働く社会だ
      するともう少し働いた者が
      総取り出来る
      次に来るのは前よりも
      全員が働く社会だ
      このエスカレーションの
      行き着く先は
      もう明白だな
 
 人間が過労死する。つまり労働のデメリットが労働の利益を上回る。それによって働く事、それ自体にブレーキがかかる限界まで、社会は自動的に加速する。
 
 つまりこう言えば良い。
 
 機械にすべてをまかせて、働かないで暮らせる社会はなぜ実現できないのか?
 
 問題設定が間違っている。その社会を破壊したからこそ、今の我々があり、そして機械を作り上げ、さらなる加速を行っているのだ。
 
 なぜ? と聞くのはおかしい。「だから」なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)それゆえに行き着く先も簡単だ
 
  (‥ )我々の未来は
      完璧な地獄に
      つながっているのだ
 
 そして、すべては予定通りである。この道筋から外れたものなど存在しない。あるいは外れたもののすべてが圧殺される。そして、労働の不利益が労働の利益を上回るほどに加速する。あと数世代で世界はこの臨界点に到達するはずだ。
 
 
 
 以下へ続く=>hilihiliのhilihili: 太陽光発電では生活できない人類が機械にまかせて遊び暮らそうとは...

 
 

月齢25と26

 
 月齢25を追加(これは2013年のもの)=>Untitled Document
 
 月齢26を追加=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )これは2013年のものと
\‐  先日、26日の夜から
    翌27日の朝にかけて
    三浦半島へいってきた時の
    ものだね
 
  (‥ )なんというかこれを
      アップするだけで
      本日28日まで
      かかってしまったわけよ
 
 本当は24日の夜から25日にかけていくつもりだったのだが、雲が出たこともあって断念。
 
 ∧∧
( ‥)おまけに寝てしまって
    月齢25日の追加スケッチは
    無しよ状態に
 
  ( ‥)もうあれね、
    ‐□ 月齢24日を追加スケッチ
      するために望遠鏡をかついで
      公園までいって
      それをアップして
      それだけで疲れたわけだ
      ダウンですよダウン
      眠くてしょうがない
 
 ともあれ、26日、土曜日の夜はちょうど良い案配であることを確認。三浦半島まで出かけたのである。前回hilihiliのhilihili: 明るい灰色の空に天の川を見たの時には目的地まで行くバスが無くなってしまったわけだけど、今回は前より早いのだ。状況は完璧だ。
 
 ∧∧ バス無いよ
(‥ )
 ‐(;‥)うおっ! 今日は土曜日
   ‐□  休日運行じゃないか!
 
 休日運行の時は平日よりもバスの運行は早く終わる。うかつ。結局、前回と同様、最終目的地の手前が終点となるバスに乗り、そこからはやはり歩きに。
 
 ∧∧ 今日は人通りが多いね
( ‥)
 ‐( ‥)土曜の夜だからかな?
 
 バイクのツーリング、3人ぐらいで爆走する暴走族まがいな若者、上り、下りを問わずに移動する自動車、犬の散歩をするおばさん。時刻もやや早いせいか、あるいはより暖かな季節になったせいか、意外にも賑やかである。そして目的地までつくと本格的なキャンプをする人たち、焚き火、バーベキュー。
 
 こちらは星を見たいのだから、そそくさと海岸の暗い方へ隠れるように移動する。
 
 ∧∧
(‥ )今回は望遠鏡と
 □‐  200倍の接眼レンズも
    持ってきたのだよね
 
  (‥ )接眼レンズが100倍しか
      なくてな
 
 とはいえ、...
 
 と、ここまで書いたところで、あれ?
 
 ∧∧
( ‥)なんか書き込んでいる
    途中なんだけども
    blogにアップしちゃったよ
 
  ( ‥)うおー
    ‐/ おかしいな
      そんな操作したっけ?
 
 ともあれ、追記はまた後にしよう。今はやらねばならないことがある
 
 そしておよそ3時間後の17:30に続き
 
 接眼レンズが100倍しかない。そして我が家の望遠鏡は Vixen の PLANET-RC-125M というもの。
 
 ∧∧
(‥ )ずいぶん古い望遠鏡だよね
\\‐ 今ではもう売られていないし
 ⊥  接眼レンズの差し込み口も
    今とは規格が合わないと
 
  (‥ )そういうわけで
      差し込み口自体を買って
      規格を合わせると共に
      200倍の接眼レンズを
      購入したのだが
 
 ああ、だめだ。気流が悪くてやっぱり惑星を見てもよく見えない。木星も火星も土星もゆらゆら揺れるだけである。
 
 *気流が悪い:熱いアスファルトを通して見る風景が揺らぐように、上空には温度の違う、ひいては密度の違う空気の層があるので、天体はゆらゆら揺らいで見えるということ。そもそも星がまたたくのはこのためで、星のまたたきが激しい時に望遠鏡で覗くと、それはもう、すごいことになっている。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも100倍以外の
    接眼レンズをしまって
    見当たらなくなったのは
    月ぐらいしか見るものが
    なかったからだよね
 
  ( ‥)月でさえも、拡大すれば
    ‐□ ゆらぎが大きく見える
      だけだしな
 
 だが、月のスケッチをより詳細に進める、という点では、それでも200倍が必要だ、という事で200倍の接眼レンズを買ったのだが、その効果を見るのはまた後の話となりそうである。
 
 *今回は月が出てから日の出まで時間がなかったので、”南半球の全体像をスケッチして、では200倍で細部の詳細を行いましょう”、ということが出来なかった。そういうわけで月に関しても200倍はまだ未使用。
 
 ともあれ
 
 ∧∧
( ‥)星、きれいだね
 
  ( ‥)  うん、でも以前に
    ‐// 来たよりもやはり
     ⊥  明るくなった
        気がするな
 
 そういえば、去年の暮れだったか? 我が家の周辺も街灯が発光ダイオードに代わったのだが、そのまぶしさたるや強烈である。ある日、突然、夜道が昼間のようになった感じ。
 
 ∧∧
(‥ )三浦半島の南端は
\‐  三浦市だけど
    同じことをしたの?
 
  (‥ )どうなんだろうね?
 
 ともあれ、それでもなお、天の川をはっきりと見ることは出来るのだ。一方、北には関東平野という大都市圏があるわけで、やはり、やや北よりの高度の低い星や星雲は、ガイドブックの通りにしても所在がよく分からない。
 
 そもそも、手持ちにある星雲や星団の所在を書いた天体のガイドブックは、もう36年も前のものである。
 
 ∧∧
(‥ )都市部でもこの星雲は見える
\‐  そう書いてあるけども
    そこまではっきりとは
     見えないよね
 
  (‥ )36年前の灯りと
      今の灯りが全然違うのじゃ
      ないかなあ?
 
 確かに、神奈川ではないが、自分が子供の頃の街灯というと白熱電球に笠をつけただけのものだった。それがいつからか蛍光灯になり、そして発光ダイオードの強烈な光になったわけで、昔に比べると星の見え方が一層厳しくなっているのかもしれない。というか、多分そうだろう。
 
 ヘラクレス座のM13はともかく、こと座のドーナッツ星雲ことM57は、あまりにかすかで、望遠鏡の視野に入っているのが最初は分からなかったぐらい。
 
 ∧∧
( ‥)100倍の倍率で見ているから
    ということもあるの
    でしょうけど
 
  ( ‥)でもさ、ガイドブックだと
    ‐□ 100倍にしても薄れて
       見えにくくなることは
       無い、そう書いてある
 
 やはり、都市の光が強いってことなのだろう。実際、こと座の高度が上がるに従って状況はだいぶ良くなった。
 
 *拡大すると薄れる:望遠鏡は大きなレンズや反射鏡で光を集めて、肉眼で見えない暗い天体を観測可能にする。一方、細かい様子を知るには倍率を上げる必要があるが、それは集めた光を薄める行為なので、像は大きくなるが暗くなる。天体によっては拡大するとむしろよく見えなくなる、ということ。
 
 ああ、これなら小さな倍率の接眼レンズを持ってくればよかった。
 
 ∧∧
(‥ )本当は小さな倍率の
\‐  接眼レンズもあったけど
    それもしまって
    今では行方不明だからね
 
  (‥ )神奈川の中央では
      そもそも夜空が明るすぎて
      星雲が見えないんだ
      だから低倍率のレンズも
      出番無しだったのだよな
      だからしまったし
      だから
      100倍のレンズしか
      無い状況になった
      わけなんだが
 
 だが、空のきれいな場所へいけばまだ使い道がある。それを実感した今、考えなくてはいけない。
 
 ∧∧
( ‥)あるいはより根本的な
    解決として
    もっと大きな
    20センチサイズの
    望遠鏡を買うかだね
 
  ( ‥)色々と思案のしどころだな
    ‐□
 
 とはいえ、夜空はきれいだった。海の向こうから上がってきて全身を見せるさそり座は美しかったし、そして球状星団M4を初めて見た。
 
 ∧∧
( ‥)さそりの心臓、
    アンタレスのすぐ脇にある
    というから
    すぐに分かる球状星団だと
    言われているのにね
 
  ( ‥) 今まで都市部にいたから
   ‐// 見えなかったのだ
    ⊥  ここなら一発だよ
 
 さすがにまだ寒いが、明け方までなかなか楽しめた夜だった。天の川も、そこにひたっている、いて座もすばらしかった。地平線の向こうに赤い月が昇ってくるとそれをスケッチして、夜明けと共に帰った。
 
 
 
 と、スムーズにいくはずだったのだが。
 
 
   ところが帰りのバスを
 ∧∧ 逃してしまいました
( ‥)
 ‐(; - -)うおー!
 
 
 夜に来た時と同様、バスの折り返し地点まで歩く羽目に
      
 
 
 
 

2014年4月27日日曜日

科学ライターは殲滅しなければならぬ ただの一人も残さずに

 
 海から
 
 ∧∧ 帰ってきましたー
( ‥)
 ‐( - -)ああ、疲れた
 
 海へいってきた事の顛末は後でするとして
 
 何気に検索してみると
 
 ∧∧
(‥ )こないだ出したあなたの本に
\‐  書評がついてるね
    やや辛い評価のものもある
    ちょうどつい先日のものだね
 
 =>Amazon.co.jp: 超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50 目も口も頭も体も生き方も、すべて奇想天外!! (サイエンス・アイ新書): 北村 雄一: 本
 
 これの話=>Amazon.co.jp: 超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50 目も口も頭も体も生き方も、すべて奇想天...の おばぼたるさんのレビュー
 
  (‥ )ああ、言ってる事は
      正鵠を射ているな
 
 どういう読者を想定しているか分からない
 
 答え:正しい。読者とは仮想存在なので、その意味において読者を想定していないからです
 
 想像図だと思うと...
 
 答え:正しい。深海生物の姿は想像図です。本当の姿は直接観測された生物に関してさえも正確ではありません。ホタルにライトを浴びせて撮影した写真は本物だけど正確じゃないよね
 
 科学ライターが書くのであれば情報の取捨選択や統一感など...
 
 ∧∧
( ‥)これに対してはなんと答えます?
 
  ( ‥)科学ライターというと
    ‐□ いつも思い出すことがある
 
 スティーブン. J .グールドのやったことは、結局、無意味だった。

 
 ∧∧
(‥ )グールドさんはたくさんの本を
\‐  書いたけども、
    古生物学者だよね
 
  (‥ )だがな、進化学者や
      系統学者が
      彼をこう呼ぶ場面を
      何度か見たよ
 
 グールド? ああ、サイエンスライターの人ね。
 
 まあ、業績よりもむしろ一般向けの本が多いので、本気でそう思っている人もいるのだろうけども
 
 ∧∧
( ‥)でも、むしろ揶揄だろうと
 
  ( ‥)グールドの主張は
    ‐□ めちゃくちゃだったし
      結果的にはほとんど全部
      敗退したのだ
 
 種淘汰説は、間違いだった、というよりも意味が無かった
 
 自ら提唱した異質性は、自分たちでは数値化できなかったので忘れられた
 
 分岐学に否定的だったが、すべては分岐学になった
 
 断続平衡説を唱えたが、一時の栄光は幻になって、新たな解析方法によってそれは否定された。そもそも根拠がないのだ
 
 社会生物学批判は、最初は勇ましかったが、証拠の数に押され、ずるずると後退し、めそめそと言葉を少なくして、そんなことが無かったかのようにご都合的に消えた
 
 なにもかも敗退だった
 
 それでもなお、「ワンダフル・ライフ」のように売れた本もある。カンブリア紀に出現した多様で異質な生物たち。彼らが見せたきらめくような可能性。カンブリアの宮殿なんてタイトルがあるように、自然淘汰と生存競争では考えられないような進化が起きる奇跡の証拠であるとぶち上げたこの本は...
 
 ∧∧
(‥ )わーい、すごい変な生き物が
\‐  たくさんいるー
    という書評だらけでね
 
  (‥ )当然の反応なんだがな
      あれを見た時は、
      愕然としたな
      あれだけ売れたのに
      効果ナッシングなのよ
 
 そもそも「ワンダフル・ライフ」におけるグールドの主張。これにもまた科学者はほとんど誰も賛成しなかった。
 
 科学の歴史におけるバージェス動物群の評価は単純である。
 
 これらは初期の生物で原始的である
 
 一度、適応放散が起こるとニッチが新しいニッチを作り出し、多様性はすみやかに達成される
 
 急速な進化は、別に急速ではない
 
 しかし、やはり初期だけに、生態系は単純だ あきれかえるほど単純で簡単
 
 異様に見えるけども、バージェス生物群は現在の生物の、原始的な姉妹群です
 
 ∧∧
( ‥)発見当初からこうであった
    この見解は今に至るまで
    原則的に変わる事は無かった
 
  ( ‥)確かにグールドの本で
    ‐□ バージェス動物群を知った
      読者は、
      グールドのような主張が
      一時期盛んだったけども
      今はそう考えられていない
      そういう歴史の変遷が
      あると思い込んでいる
 
 だが、実際にはそれは間違いだ。伝統的でありきたりな見解があった、途中でグールドがなんか言ったが、他の全員が無視した。歴史的な意見の転換などなかった。それだけだ。
 
 方向性はほぼ同じままで、事実がより詳細に、議論がより緻密になった、それだけの話である
 
 ∧∧
( ‥)グールドさんのやったことは
    無意味だった?
 
  (‥ )効果はあっても虚構だった
      その意味で無意味だ
      だが悪い意味では
      まったく無意味でも
      なかった
      科学オタクや
      俺様理論屋や創造論者に
      ダーウィニズムを否定する
      手がかりを与えた
      このように効果はあった
      だが、
      これは間違っているよな?

 
 ああ、確かに科学ライターはでまかせを書いてもいいのだ。実際、多くがそうした。科学ライターとは所詮はマスコミにすぎないのである。マスコミがでまかせを書いてもいいように、科学ライターもでまかせを書いていいのだ。別に科学ライターに限らない。思い当たる節は、皆あるだろう?
 
 そしてグールドは、「科学ライター」と揶揄された。
 
 それでも本は売れた
 
 売れればいいはずなのだ
 
 科学ライターは売れれば良いのである それだけだ
 
 ∧∧
(‥ )でも、効果はなかった
\‐
 
  (‥ )あるいはあったのだが
      それは間違った主張が
      引用されるだけでしか
      なかった
      そりゃあそうだよね
      間違い、あるいは
      根拠薄弱な仮説を
      書いてしまったのだから
 
 科学ライターは売るためには嘘を書かねばならない。本当の話が売れることもあるが、売れる=本当、ではない。そうである以上、嘘を書かねばならない。
 
 つまり、書かねばならない集合に本当と嘘が混ざるのだ。そうである以上、そうしなければならぬ。
 
 ゆえに、科学ライターの行為に効果があるとしたら、それは嘘に関する部分でもある。これは必然。
 
 確かに、確かに、人生とは無意味なものだ。だから後がどうなろうが、信じ込んだ馬鹿がどうなろうが、そんなこと考える必要は確かにない。
 
 ∧∧
( ‥)どうせ無意味だからね

 
  ( ‥)事実として無意味であった
    ‐□ だがな、
      どうせ無意味な人生なら
      嘘を残しても
      しょうがなかろう

 どうせ無意味に終わる人生なのだろう? だったら、正しいことだけ書いてればいい。
 
 売れても効果はないし、あるいは無視できるレベル。効果があってもそれはセンセーショナルな嘘。そうであるなら、科学ライターのやることに意味など無いではないか。価値があるのは科学ライターじゃない。彼の解釈でも文章でもない。価値があるのは価値ある情報だけだ。
 
 言い換えればである。科学ライターのあるべき姿など、殲滅しなければならぬ。
 
 
 ∧∧
(‥ )でも、このあなたの言い様は
\‐  情報を取捨選択すべき...
    という評価に答えていない
    のでは?
 
  (‥ )いやいや、あの本、
      取捨選択したよ
 
 
 実は一番肝心なことが書かれていない。
 
 ∧∧
( ‥)困った取捨選択だな
 
  ( ‥)Bはなになに
    ‐□ Cはなになに
      Dはなになに
      ....
      Zはなになに
 
 この場合、説明されたものは何か?
 
 ∧∧
( ‥)Aだね
   
  ( ‥)まあそういうことさ
    ‐□ 
 
 ∧∧
( ‥)ライターとしての
    取捨選択ですか?
 
  (‥ )いや、作り手としての
      選択肢
      作り手として今回は
      その部分を抜かざるを
      えなかったわけでね
      取捨選択の結果、
      BからZはあるがAは抜けた
      それがあの本だ
 
 ネタは、取っておくものだし、本の都合上、今回はそれが使えませんよ、ということが当然、生じる。それが重要な部分でも、本の主旨に合っていない以上、それは割愛され、次回に回されるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )そういうことをお客が
\‐  求めているとは
    限りませんけどね
 
  (‥ )消費者には消費者の
      だが作り手側にも
      作り手の都合があるものよ
 
 そして、両者の利害は、大概、一致しない。立場が違うのだから、それは当然。そしてその相克は、相手のことがお互いに理解も把握もできていない以上、極めて根本的なものとなる。
 
 
 
 
 以下へ続く=>hilihiliのhilihili: 仕事してねー やべー 俺やべー
 
 

2014年4月26日土曜日

月齢24の月(1日遅れ)

 
 月齢24をリンク=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )月齢はどちらもほぼ25
\‐  そのはずだけども
    2013年9月1日と
    2014年4月25日の
    スケッチは全然違うね
 
  (‥ )月っていうのは
     やっかいな代物だなあ
 
 
 本日26日の昨日、25日の早朝に月をスケッチしたが、そのさらに24時間前の24日の早朝は、公園の向こう、東の地平線を見張らせる場所までいくかどうかで悩んでいたのであった。
 
 *この話=>hilihiliのhilihili: 寝てしまったので
 
 ∧∧
( ‥)結局、いくことにして
    望遠鏡を分解、
    公園の向こうまでいくことに
 
  ( ‥)1キロと少しばかり
    ‐□ 望遠鏡を持っていく
      なんてことはないのだけど
 
 ああ、しかし、オバマっちが来日しているこの数日、警察の動きがいつもよりも大きいのである。リュックを背負って、分解した鏡筒(望遠鏡の筒の部分)を持って夜道を歩く自分の姿はあからさまに不審者。
 
 ∧∧ 幸い、職務質問はされず
(‥ )
 ‐( ‥)警察の人がこっちに
   ‐□ 気づかない局面もあった
     わけだけども
 
 ライトをともして周囲を照らす。当たり前の行為だけども、これをすると逆に夜目が効かなくなる。慣れれば明るい夜道が真っ暗で底なしの闇に見えるのだ。その向こうに人がいても、普通は気がつかない。というか、気づけない。
 
 それに、ライトを照らしてパトロールする警察は、ある意味、自分の居場所を宣言しているようなものだ。しかし、それこそが効果なのだろう。防犯とはそういうものだし。夜の中を影もなくささっと動き回るような警察はもはや警察ではあるまい。
 
 ともあれ、早くつきすぎて、月はまだ上がらず。40分ばかし待つ。そして予報された月の出の時刻、2:13になっても何も見えない。
 
 見えたのは10分後の2:23だった。
 
 ∧∧ でも全然わからないよ
(‥ )
\\‐
 ⊥ 
  (‥ )地平線近いと厚い大気や
      大都市のスモッグで
      どうにもならんな
 
 *時間的には後の話だが、朝が来た時、太陽でさえ目で直視できる鈍く赤い楕円形だった。ここからは東京方面の空気を通してみることになるので、地平線近い天体はほとんど見る事ができない。ちなみに太陽が見えたのは予報よりも8分遅れである。

 地平線近くにあるオレンジ色の月。徐々に高くなって、地形がよく見えるようになるまで1時間近くかかった。月はだいぶ高く上がり、家の周囲でも見えるような高度である。公園まで来たのは無駄足だとも言えるが、無駄足だと分かったことは大きい。
 
 ∧∧
( ‥)南半球だけ詳細に
    スケッチするんだね?
 
  ( ‥)まあ、そういうことだ
    ‐//
 
 そうして、初めて、気がついた。ああ、月の南半球の西部(地球から肉眼では左、東に見える部分)、明瞭に影を落とすクレーターがあまり無い。
 
 ∧∧
(‥ )地形が更新されて
\‐  古い構造が見えにくくなって
    いるような
 
  (‥ )湿りの海からの
      放出物で覆われたようにも
      見えるよね
 
 そういう目で地形を解釈したことが無かったからだけども、考えてみればずいぶん変な地形である。
 
 そこでふと思い出した。古い参考文献にもそういうことが書いてあったはずだ。目を通してみると
 
 ∧∧
(‥ )...ああ、でもこの文献だと
\‐  このあたりの地形は
    一度融解して、
    それでリセットされたことに
    なってるね
 
  (‥ )なるほどな、
      火山説の人だったのか
      どうりでな
 
 なんで文献をほったらかしにしていたのかと言うと、以前、読んだ時には何を言っているのか分からなかったからで、読み直してみると、どうして混乱的かが分かった。
 
 アポロが月にいく以前、月のクレーターは隕石衝突か火山説かで学会が二分されていた。特に、日本で月の地質を一般向けに論じた人は、どうも当時、力を持っていた左翼の人々で、隕石衝突説はアメリカの説であるから受け入れなかった節がある。なにがなんでも火山説という勢い。
 
 ∧∧
(‥ )そしてこの文献の人も
\‐  火山説の人だね
    アポロ以後に衝突説が
    勝利した時代になっても
    明言はしないけど
    火山説で考えているんだ
 
  (‥ )隕石衝突説で理解が
      進んでいるのに
      敗北した火山説で
      月の地形を説明する
      だけども負けたことは
      分かっているせいか、
      火山説で説明していますよ
      とは明言していなんだ
 
 例えば、「クレーターの火口底(火山であるという意味ではない)」と書いているのに、クレーターはマグマから成長する、というようなことを書いている。これは混乱的だ。
 
 *「クレーターがマグマから成長する」:どうもマグマから軽い成分が分離して、そうして月の海と陸が出来る、クレーターもそうして出来る、ということらしい。こういう成分の分離はあるし、そうして大きな構造が出来ることもあるけども、それが円形になる、という説明はされていない。こうなってくると本来の意味での火山説(つまり、火山の火口が極端に大きいものが月のクレーターである)ですらなくなってくる。
 
 ∧∧
(‥ )アイソスタシーや
\‐  アイソスタシーの異常が
    月にあることも書いているの
    だけどねえ
 
  (‥ )これも混乱的だなあ
 
 アイソスタシー:水が水平を保つように、惑星の地形も重力や、あるいは重量に対して水平という均衡状態を保つ、と言えば良いか。もちろん、でこぼこもありうるが、それは水面に木材が浮かぶように、やはり重量的に均衡を保っている。だが、例えば水の代わりにキャラメルだったら多少の凸凹は支えられる。物体の強度が凸凹を維持するのだ。月もまた同様。アイソスタシーが均衡状態になっていない。つまり、水のような流体というよりも、かちんかちんに固いことが分かる。
 
 一方、地球は固体ではあるし、その意味では、かちんかちんなんだが、実のところ流れる。例えば大型クレーターを支えられない。だが月は明らかに支えていられる。つまり月は地球よりもずっと固い、あるいは非常に粘性が高い天体だ、とも言える。
 
 月を説明するには、こういうかちんかちんに冷えた天体であるにも関わらず、海が出来るほど強烈な火山活動と熱源を持っていた、ということを説明できなければいけないのだが...
 
 ∧∧
( ‥)その月の表面が部分的に
    再溶融したことがあると
    主張している
 
  ( ‥)それだったら
    ‐□ 全部流れて均衡状態に
      なっちゃうよな
      大型クレーターも海も
      消えちゃうだろう
 
 つまり、アポロ以後に決着がついたのにも関わらず、クレーター火山説にこだわるあまり、結果的に、書いてる内容が矛盾だらけで、しかも肝心の月の地学に関する説明が間違っているという有様。
 
 ∧∧
(‥ )そういう本、というか
\‐  この本は執筆者が複数だから
    そういう章だったんだね
 
  (‥ )どうりで訳が分からん
      わけだよ
 
 ともあれ、興味を抱く視点、それ自体は同じだ。南半球の南西部が一回更新されてしまったようだ、という視点があることは把握できた。
 
 
 ∧∧
( ‥)単に説明がおかしいという
    だけでね
 
  ( ‥)とはいえ一方、
    ‐□ このあたりが本当に
      巨大クレーター生成の際の
      放出物で
      覆われているのか?
      これはこれで
      その把握はまだなんだよね

 
 ただ、この辺りの地域は湿りの海と、東の海の近くだ。そういう場所で古いにも関わらず地形が不明瞭になる、というのは、素人目にも暗示的である。
     
 

2014年4月24日木曜日

なぜお前は私を選ばなかったのか?

 
 エロには色々な表現がある。読んでるこっちが恥ずかしく、というか、歯が浮くというか、ひるんでしまうぐらいにデレデレ甘々なものもあれば
 
 ∧∧
(‥ )ただひたすらに
\‐  男性が女性を暴力的に
    陵辱するものもありますね
 
  (‥ )まあ、道徳、倫理とかは
      置いておくとして
      個人の趣向や性癖は
      色々だってことなのだが...

 色々だから色々なんだろう。そう軽く考えてすませていたものの....
 
 いや
 
 実のところあれは、女の子に対する復讐なのではあるまいか?
 
 ∧∧
( ‥)なんだよ復讐って
 
  ( ‥)急に思い出した事が
    ‐□ あってね
 
 今から20年以上前、バブル華やかなりし頃、スポーツカーというかイタリア車とかドイツ車というか、あるいは高級車というか、そういう自動車を乗りこなしている男性がもてる、という時代があった。
 
 自分は学生だったから直接は状況を知らない。ノスタルジックに語れるものでもない。しかし、当時、こんな話を聞いたことがある。いや、あるいはなにかの雑誌で見たのかもしれないし、そもそも日本の話ですらない可能性もあるのだが
 
 ともあれ、それはこんな話だ。
 
 その男性は女の子にこっぴどく振られたのであった。なぜかというに乗っている自動車が嫌だと。そこで彼は高級車を買った。そうすると女の子をナンパすることなど、手のひらを返したように簡単だった。そして彼はナンパした彼女とラブホテルで一夜を共にすると、明け方、
 
 「どうせ車、目当てなんだよな?」
 
 と女の子たちを足蹴にしては罵倒するのである。
 
 ∧∧
( ‥)それを延々と続けているのだと
 
  ( ‥)多分、都市伝説に近いと
    ‐□ 思うのだけどもね
      作り話かもしれないしね
 
 だがたとえ都市伝説でも無視はできない。そもそも都市伝説とは噂だ。そして噂は人々の恐怖や思い当たる節をかき立てることでその命を得る。都市伝説が産まれて徘徊するには、それを裏付けるものがあるものだ。
 
 ∧∧
(‥ )自動車で女の子をナンパしては
\‐  彼女を罵倒する。
    彼は復讐をしているのだと
 
  (‥ )自尊心を傷つけられて
      彼は怒っているのだ

 
 そんなことを急に思い出した。そしてその見解を通してみると、暴力、陵辱ものに対する視点が、変わるとまでは言わないものの、見方に色がつく。
 
 ∧∧
( ‥)もしかしたら、陵辱ものとは
    女の子に対する
    復讐ではないのか? ですか
 
  ( ‥)自分を選んでくれなかった
    ‐□ 女の子に対する
      憎しみかな
 
 これは、別に男に限ったことではない。
 
 ∧∧
(‥ )あなたは自称フェミニストが
\‐  初音ミクに夢中のキモオタ
    きもいww
    と述べた発言も
    茶髪は非処女のビッチ! と
    罵倒するオタクの人の叫びも
    根本は同じだと考えて
    いますよね
 
  (‥ )どっちも、
      お前たちは
      自分を性の対象とは
      見てくれないのだ!
      そういう怒りだと
      思えるのでね
 
 しかも、おかしいと言えばおかしいし、当然と言えば当然なんだが、どちらの場合も、どうやら自分の好みでない相手に対して怒っているのである。
 
 自称フェミだか、30過ぎで未婚の女性だか、そんな彼女が今更キモオタを相手に望むか?
 
 オタクと自称する人間が、茶髪の腰の軽い女(と本人たちは思っている)相手を恋のパートナーに選ぶか?
 
 ∧∧
( ‥)そして、二つの怒りの
    共通点は、
    ”自分を性の対象と
    見なしてくれない”
    であると
 
  ( ‥)前にも言った事よ
    ‐□ ピーマンが嫌いでも
      ピーマンを憎悪したりは
      しない
 
 嫌いを通り越して憎悪するというのは、自分の存在意義を傷つけられたからこそなのだ。
 
 ピーマンは人間の存在意義を傷つけたりしない。だが、自分でないものを性の対象とする異性は、自分の存在意義を傷つける。なれば、憎むのはいずれなりや? 答えは明らかだろう。
 
 ∧∧
(‥ )...陵辱ものも、実は
\‐   傷ついた人が見てる
     そういう可能性ですか?
 
  (‥ )まあ、単に好きな人も
      混ざってはいるの
      だろうけどな
 
 とはいえ、人間の動機には憎しみと復讐が混ざっていることがある。そして憎しみは自分の存在を否定されたことから生じる。
 
 なぜ、お前は私を選ばなかったのか? 
 
 怒りの思いは深い。
 
 
 

もう明日のことが分からないってことは確からしい

 
 中国の杭州という町、普通に東京と同じような大都会である。その町へいった時、地下鉄に乗っていると、女の子が乗客に何事かしている場面に出くわした。身振り手振りからすると座っている客に次々と署名をつのっているらしい。中国語は分からないが、乗客が彼女たちに尋ねると、耳を指差すそぶりをするのは見て分かる。
 
 耳が聞こえないらしいのだ。そして署名を求めるらしき紙を出し、ボールペンを渡してサインをうながす。多分、耳に障害を負っている私たちが何らかの誓願をできるよう、署名をしてください。そういうことなんだろう。
 
 そして、乗客が署名をすると、今度は署名をしたから寄付をしてくれ。と要求するのである。
 
 耳が聞こえないからしゃべらない。その代わりに紙を見せる。乗客が何事か言うと、耳が聞こえないから分からない、あなたは署名したじゃないか、と、紙を指差すようなそぶりを見せる。困った乗客は小額だが金を寄付する。あまり大した金額じゃあるまい。だが、これを次々と行う。
 
 こっちにも来たが、当然、何が書いてあるのか分からない。日本人だとパスポートを見せると、ああ、と別の客の元へいった。
 
 地下鉄の駅と駅の間だ。不可能ではないにせよ、乗客は逃げようがない。ちょっとあまりにもずるいやり方だ。彼女たちが次の駅で降りると、入れ替わるように乗ってきた男性が、彼女たちをちらっと見て、何事か周囲に聞こえるように言った。
 
 中国語の分かる人によると、どうも、
 
 あの子たち、前も見たよ
 
 ということを彼は言ったらしい。
 
 ∧∧
( ‥)ようするに詐欺だよね
 
  ( ‥)ここから色々なことが
    ‐□ 分かるよね
 
 中国の人も日本人も、この点は同じなのだ。この手の詐欺は、ここまで露骨でないにしても、日本でも街頭で行われている。ただ、それが逃げようのない地下鉄の車内で行われるのは、大胆不敵としか言い様が無いし、日本よりも”自由”なのだ、ということでもある。
 
 もっとも、乗客の反応からすると、さすがにこれは中国の人もまったく想定外で、予想外の出来事であったことがわかる。つまりまともな中国人ならこんな発想はしないということだ。
 
 一方、弱者を救ってほしいという大義名分には、中国の人も当然、良かれと思って署名することも分かる。そしてそうしてしまった以上、金を払えと言われると、困りながらも応じてしまう人がいること、これも分かる。
 
 ∧∧
( ‥)そこは日本人も中国人も
    同じだね
 
  ( ‥)それで騙されてしまうのも
    ‐□ 同じなんだ

 
 ほとんど同じ。ただ、こういう詐欺行為を働く人間の頻度が日本よりも高いのだろう。こっちがごく短く滞在しただけでこういう場面に遭遇するのだから、そういうことになる。狭い田舎ならここまで大胆な詐欺はないだろうし、事実、見なかった。だがしかし、都会となるとそうではない。それは日本も同じだが、広い中国ではその自由度が日本よりも高い。少なくとも、現代の日本よりも高いことは、まあ分かる。
 
 ∧∧
(‥ )乗客の皆さん、
\‐  憮然というか、釈然としない
    顔をしていたよね
 
  (‥ )そりゃそうだろうな
 
 広くて自由があると、相互監視が行き届かない。そうなると狭い日本よりも、人間の自由度が上がる。そうなるとずるをする人間が必ずある頻度で現れてくる。
 
 ∧∧
( ‥)そしてそれに騙された人は
    次は騙されないぞと
    身構える
 
  (‥ )そして確実な”今”だけに
      なってしまう
      そうせざるをえないよな
 
 つまり、広いゆえに逃げるという選択肢がある中国では、ずるをする人間がある割合で存在できる。だから他の普通の人々まで、確実な今を取らざるをえないだろう。当然のことだが、しかし、この結果として明日のことや約束が不確定になる。こうして基本は同じなのに、日本人と中国人はまるで違う人々となる。どうもそういうことではないのか。
 
 民間の賠償は放棄した、という日中の取り決めを無視する形で、中国の司法は商船三井の船を差し押さえた。
 
 ∧∧
(‥ )そして商船三井さん、
\‐  差し押さえに対して
    お金を支払ったみたいだけど
    どうなるのだろうね?
 
  (‥ )さてねえ、相手に合わせて
      今を取ったのかどうなのか
      どっちにしろ
 
 もう、明日の事が分からないってことは確からしい。
 
 これはhilihiliのhilihili: 間違った中二病も物事を説明できるの続き
 
 
 

寝てしまったので

 
 hilihiliのhilihili: 月齢23の月(去年のもの)の続き
  
 ∧∧
( ‥)寝てしまいましたか
 
  ( - -)ああ眠くて眠くて
      しょうがなくてなあ
 
 起きてみるとすでに朝の4時を回っていた。この季節、朝が明けるのはかなり早い。月をスケッチする時間はなかった。
 
 とはいえ
 
 ∧∧
(‥ )月齢はほぼ同じはず
\‐  なんだけどね
    去年8月31日のスケッチとは
    全然違うね
 
  (‥ )日没が少しだけ
      進んでいない状況だね
      コペルニクスが
      まだ見えるし
      案の定、南半球の観察が
      しやすい状況みたいだ
 
 事実上、スケッチできなかったのは残念だが、まあそれが分かっただけでも良しとしよう。
 
 ∧∧
( ‥)今晩というか明日の朝は
    どうしましょうかね?
 
  (‥ )どうしようかね?
      夜が明けるのが早く
      月は東に低い
      さりとて、
      東の地平線が見える
      公園まで望遠鏡を
      かついでいくのは
      ちょっと手間が
      かかりすぎかな

  
 

2014年4月23日水曜日

月齢23の月(去年のもの)

 
 月齢23の月=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )ただし、スケッチ自体は
\‐  去年の8月31日のものだね
 
  (‥ )月齢で言うと本日の夜に
      見れる月がこの状態だ
      まあ、下弦の月を
      過ぎているから
      厳密には日付が
      変わるけどもね
 
 *今夜の月の出は0:52、つまり月が見れるのは日付が変わった後である。


 それにしても長かった。月齢16から1週間、雨やら曇りやらで月の観察は出来なかったのであった。
 
 ∧∧
( ‥)今夜見れる月がこれだ
    とはいえ、
    まったく同じようには
    見えないのだよね
 
  ( ‥)秤動もあるし、
    ‐□ 高度も違うしなあ
      観察すれば、
      一見同じに見えても
      ずいぶん違うことに
      気づきそうだね
 
 ともあれ、スケッチがすでにある以上、今夜、月が見れるのなら、追加的な観察をする方が良いだろう。
 
 ∧∧
(‥ )見るならどこ見ます?
\‐
 
  (‥ )去年のスケッチだと
      北が見やすいけど
      今月は南が
      見やすいのかな?
 
 だとしたら南半球を見るのが良いと思うのだけども。

 
 
      

人は輝かしき青春に一生拘泥する

 
 ∧∧
(‥ )ラノベやアニメの舞台が
\‐   しばしば高校なのは、
     読者が一番楽しかった
     時期だからだって
     説明がありましたよね
 
  (‥ )まあ、仮にそれが
      本当だとしようじゃないか
 
 つまり、人は人生が一番輝いていた(と本人が思っている)時期を一生忘れられない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  ( ‥)団塊世代とかで
    ‐□ いつまでたっても
      学生運動気分が抜けない
      連中がいるのも
      そういうことなんだろうな
 
 ∧∧
(‥ )大学時代の争乱が
\‐  一番輝いていた時期ですか
 
  (‥ )どっちかというとあれは
      重度で悪質な中二病で
      最悪の意味で
      黒歴史なんだけどな
      それでもキラキラ見える
      青春の幻惑って怖いよね
      無様だよねえ
 
 それを考えると、文学とか読んでいる連中と違って、ラノベというのはずいぶんと全うなものである。
 
 
 

獣にプログラムを上書きしただけ

 
 西欧における譲り合いと博愛主義的な人々の行動を見ると、日本人は社会性を失ってしまったのだと私は実感する
 
 ∧∧
(‥ )という意見があるけども
\‐
 
  (‥ )先日、聞いた意見は
      そういうのとは
      ある意味、真逆でな
 
 西欧は一神教で普遍的な愛を教えられているせいか、他人に対して博愛的な行動を示すけども、そうしているだけで、日本人のように、あの人から恩を受けたから今度、お返しをしてあげようとか、そういう人間対人間の付き合いは無いよ。
 
 という意見
 
 ∧∧
( ‥)途端、イメージが
    がらっと転換
 
  ( ‥)どっちが良い悪いと
    ‐□ 言うのは不毛だろうな
      どっちも一長一短だしね
 
 以上のような互いに対照的な、ざっくりした把握が、ある程度でも正しいとする。
 
 この場合、日本的なつきあいだと癒着が起こりやすいし、田舎の付き合いのように鬱陶しくもなる。
 
 反対に西欧的な付き合いだとフェアかもしれないが、人間関係は冷たく希薄だ。
 
 ∧∧
(‥ )外国の人で、
\‐  日本の人間関係に憤激したり
    反対に感激したりもする
    そういう色々な反応も
    ひとつは
    このせいですかね?
 
  (‥ )かもね
      人間である以上、
      造りは同じだ
      だとしたら違いは
      互いの社会で採用された
      あるべき行動が違う
      それだけの話だよね
 
 確かに、そう考えると分かることがある。進化論が現れた時、その理論は、神の存在は必然ではあり得ない、と論じた。この時、西欧人たちは恐怖を覚えたのであった。神がいないのなら、我々は獣に戻ってしまうのではないのか? と
 
 ∧∧
( ‥)つまり、あの人たちの博愛とは
    宗教でプログラムされた
    機械的な行動でしかない、と
 
  (‥ )だとすると、
     神は必然でない
     この結論には
     身震いするような恐怖を
     覚えるのだろうな
 
 もちろん、日本人の大部分はそんな恐怖は感じない。宗教が定めた道徳が消え去っても人間関係はそこにある。そして取るべき行動が定められているからだ。
 
 ∧∧
(‥ )日本人の礼儀ただしさは
\‐  単なる相互監視ではないのか?
    そういう揶揄はあるけども
 
  (‥ )相互監視こそが道徳だろ?
      それを考えれば
      その言い様は愚かだな
 
 相互監視こそが道徳だ。そもそも宗教だってそれを採用して「こうしなさい」と申し述べたものだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ただ、それがいつの間にか
    そのルールに沿って
    行動すれば良い
    それだけのことになっていると
 
  ( ‥)反捕鯨運動に感じる
    ‐□ 西欧人の薄っぺらさも
       原因はこれかねえ?
 
 西欧人は照明に使う油の原料として鯨を虐殺し、それが終わると今度は手のひらを返して保護に乗り出した。彼らが、単に新たなプログラムに沿って行動を書き換える人々だと考えると、この薄っぺらさは納得がいく。
 
 日本には捕鯨の長い歴史があり、鯨は糧であり、食べられた鯨は大切なものであり、感謝を示すべきである。それを西欧人が理解できないのも、こう考えると分かりやすい。
 
 ∧∧
( ‥)西欧人には
    関係性というものがなく
    それゆえに関係性に基づく
    取るべき行動というものが
    理解できないのだと
 
  ( ‥)人間同士、人間と鯨、
    ‐□ こういう関係性を
      全く見ないまま
      単にプログラムに沿って
      行動する
      そうであった場合、
      彼らが関係性に基づいた
      理屈を理解するのは
      不可能だよね
 
 確かに、確かに、思いおこせば異様な話なのである、神の存在は必然ではない、そう言われた時、それでは人間は獣になってしまうではないか! と恐怖した西欧人。 
 
 西欧人のこの発言は、自分たちは獣の上にプログラムが書かれているだけの存在である、自らそう明言したに等しい。
 
 ∧∧
(‥ )実際には、本人がそう
\‐  思い込んでいても
    そんなことあるわけないの
    ですけどもね
 
  (‥ )ルールだけに沿って
      行動するうちに、
      人間関係から必然的に
      行動規範が産まれる
      そういうことすら
      認識できなくなったの
      かもしれんな
 
 まあ、これもそんなおかしな話ではない。日本人でも、日本人が震災の時でさえきちんと行動できたのは相互監視しているだけではないか、と当然のことをさも大発見したかのようにまくしたてる奴がいたからだ。
 
 *相互監視こそが道徳だ、というのなら、彼のこの大発見は無意味な言葉でしかない。
 
 ∧∧
( ‥)みんな自分たちのことが
    よく分かりませんと
 
  ( ‥)産まれた時からその世界に
    ‐□ ついて学んでいると
      自分たちの
      根本的な動機について
      無自覚になるからな
      
 
 

2014年4月22日火曜日

確かに昔、アメリカは憧れの国だった

 
 例えば単純化して考える
 
 合衆国だけを考える民主党
 
 世界中に展開した軍隊で考える共和党
 
 ∧∧
(‥ )アメリカはその両方の間を
\‐  ぶれ続けていると
 
  (‥ )どっちもアメリカは
      特別な国なんだ
      という中二病
      丸出しなんだが
      やってることは両極端でね
 
 日本を敵視したり、そうかと思うと日本を誘ってイラクに攻め込んだり、また敵視したりする。
 
 腰がまったく定まらないわけで、二大政党制は正直言って迷惑。というか、アメリカ自身にとっても良くない制度だと言える。ぶれ続けて体力を消耗するだけだし、事実、そうなっている。
 
 一方、アメリカのミドルクラス、中間層とやらが復活することは、まあ、もはやないだろう。
 
 新しい企業が起業されて成功を収めても、新しく大きくて豊かな雇用が産まれるわけではないからだ。
 
 ∧∧
( ‥)仮にアメリカを
    日本やドイツまでを
    勢力圏とする帝国と考える
    一方、国内の有権者たちは
    没落している
    有権者たちは絶えず国内問題を
    解決することを求める
 
  (‥ )つまり、民主主義や
      直接選挙制や
      二大政党制を維持する限り
      選ばれる大統領は
      アメリカ帝国を
      放棄しようとする
      人たちばかりになる
      軍隊と帝国の方針と
      指導者の意思が乖離する
      状況はますます混乱的だ
 

 ∧∧
(‥ )つまりあくまでも
\‐  世界の警察でいたいのなら
    大統領は有権者の意向を
    無視しなければならない
 
  (‥ )ようするに直接選挙制や
      二大政党制を骨抜きに
      しないといけないわけだ
 
 そうでないといつまでも態度がぶれ続けることになる。そんな消耗を押さえるには、有権者の意向を無視して、世界中に展開した軍隊の意向を反映するような、間接選挙制や少数独裁制に移行しないといけない。この場合、それまでの民主主義は放棄することになる。
 
 つまり多分、アメリカには選択肢がある。直接選挙制と二大政党制を放棄した、小数独制裁制による世界最強かつ最大の勢力圏を持つ軍事国家という灰色と栄光の未来。
 
 ∧∧
( ‥)もちろん、共和党も民主党も
    どちらも合衆国派になる
    ということも考えられますよね
 
  ( ‥)世界帝国の放棄
    ‐□ 合衆国の生命線だけを
      最低限維持する
      世界最強でありつつ
      地域大国への後退
      これに
      双方が同意するという
      選択肢だよね
 
 世界の警察、とオブラートに包んだ言い方をしてきたが、ようするにそれは合衆国を母体とする世界帝国だ。それ自体を明瞭な意思を持って放棄すれば、建国以来の古式ゆかしい直接選挙制と二大政党制を維持したまま、つまり合衆国本来の姿のまま、栄光の地域大国へと後退が多分、可能。
 
 世界帝国か? 合衆国か?
 
 しかし、どっちにせよ
 
 ∧∧
(‥ )アメリカに新しく豊かな
\‐  雇用が産まれることはない
    それってようするにですよ
    アメリカンドリームは
    もはや存在しない
    そういうことになるよね
 
  (‥ )あっても、特別な才能が
      ある人だけが栄光を掴める
      そんな程度の話に
      なるわけだ
      魅力なんて、
      もはや無いよな
 
 ようするにこれは、世界中が持っていた、アメリカに対するあこがれが消えてしまう、そういうことに他ならない。
 
 ∧∧
( ‥)地域大国になるにせよ
    世界帝国のままでいるにせよ
    アメリカはいやな国に
    なってしまうだろうと
 
  ( ‥)どっちの道をいくにせよ
    ‐□ 軍事費は必要だ
      アメリカ国民は
      軍事力を維持するために
      福祉で飼い殺しにされつつ
      低賃金労働者として
      固定された人生を歩み
      納税を強制され
      義務を自発的に果たすよう
      宗教で統制される
      そんなところだろうな
 
 収入は少ないが支出は多い、そんな条件下では起業がブラック企業化するように、国家もブラック化するのは必然。飼い殺しにされつつ、義務を強制され、それを自発的に行うように信念と宗教を信奉させられる。
 
 そんな国をあこがれの目で見る人間はいない。というか、どこの先進国も、日本もドイツも中国も、多かれ少なかれ、似たような運命を辿るはずだ。そんな世界では、お互いにうんざりした眼でお互いを見るだけだろう。
 
 ∧∧
(‥ )そういう世界だと
\‐  アメリカの市民権を
    取りたいから
    アメリカ軍に入るという
    移民も減るでしょう
 
  (‥ )アメリカの本当に
      食い詰めた人だけが入る
      そういうことかもね
 
 ああ、しかし、それはそれで福音なのかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)本当に貧しい人が
    経験から叩き上げで
    国家の指導層に加入できる
    軍事国家
 
  ( ‥)事実上の少数独裁制に
    ‐□ 移行しても
      以前より出世の
      道が開かれる
      そういう可能性も
      あるんだよな
 
 ともあれ、何もかもが変わっていくのだろう。自分がまだ幼い子供の時、アメリカのものというとどれも良いもの、というイメージだった。だが大人からそれがもう終わりつつあることを知らされた。日本製の商品が良いものであると。
 
 中学、高校の時はアメリカのデトロイトなどで日本車の不買運動や議員による日本車破壊のパフォーマンスが行われていた。
 
 湾岸戦争の後にバブルがやってくると、アメリカは自画自賛し、日本人もこうすれば良いよ、と間抜け面で述べていた。絶頂の時にイラクに攻め込み、そしてリーマン兄弟はふっとび、国民は借金を抱え、デトロイトは廃墟になっていた。
 
 ∧∧
(‥ )日本の栄光もあっという間
\‐  だったけども
    アメリカもあっという間
    だったね
 
  (‥ )軍事力を維持する
      そのためだけに
      国民が存在する
      そんな国になるまで
      あと一世代ぐらいかな?
 
 多分、あこがれのアメリカ、豊かな民主主義国家アメリカ、強くて余裕のある超大国というイメージが地平線の向こうに隠れると、世界中で色々なことが変わるのだろう。
      
      
    

間違った中二病も物事を説明できる

 
 hilihiliのhilihili: ああ、やっぱ中二病だったんだの続き
 
 アメリカ人は中二病
 
 ∧∧
( ‥)でも言い換えれば
    日本人も中二病が
    必要だと
 
  ( ‥)昨今のネットを見ると
    ‐□ 色々と発明されている
      みたいだね
 
 例えば、
 
 漢字を発明した中国人と今の中国人は別物。
 
 ∧∧
(‥ )...侵略者や征服者によって
\‐   先住民が抹殺された
     というイメージだね
 
  (‥ )アメリカみたいな
      イメージなんだろうけど
      中国みたいに
      人口が多い土地で
      それはないと思うけどな
 
 確かに、中国の王朝はしばしば征服王朝だ。中国の人々がこれぞ中国と仰ぎ見る唐でさえも、実態は中国化されてはいるが北方騎馬民族の王朝である。*唐はいわゆる北朝の系統に当たる。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ征服者が
    呑み込まれておるがな
 
  ( ‥)清の満州族みたいに
    ‐□ 自分たちの弁髪を
      強制したって例もあるけど
 
 それでもやはり、満州族は満州族、漢族は漢族だ。
 
 ∧∧
(‥ )でも漢字を作った中国人と
\‐  現在の中国人は別物だと
 
  (‥ )あれだろ?
      日本人は漢字を使うし
      中国から色々なものを
      取り込んだ
      そういう文化的な
      負い目みたいなものを
      払拭する発明じゃね?
 
 拡大指向を露骨に示す最近の中国に張り合う上で発明された理論武装だと思えばいいんだろう。
 
 確かにあちらの人は
 
 日本人は俺たちの文字を使っている! というし
 
 日本人は日本人で、
 
 俺たちが発明した漢字と熟語を近代中国は使っている! と返したりするわけで
 
 そういう言い合いの中で、色々な言い訳や考えや理論武装が必要とされ、そして発明される
 
 ∧∧
( ‥)アーリア人は偉大だ、とか
    アメリカは特別な国だ、とか
    トルコ系言語を話す人々と
    その領土は全部トルコとか
    そういうのと同じだろうと
 
  ( ‥)どれも無茶だけどもね
    ‐□ 必要とされているわけだよ
 
 必要は発明の母である。そうである以上、これは無茶だろ? とか、これはファンタジーだよね? という理屈がまかり通るし、必要とされるのだ。つまり中二病である。
 
 もちろん、不要になったら人々はこんなもの、さっさと忘れるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )中国の人は中国の人で
\‐  三井の船を戦中の賠償だ
    とかいって
    差し押さえちゃうしね
 
  (‥ )なんというか、あれよな
      今しか考えていないのな
 
 そんなことしたら、どうなるか? それを分かってるのか??? もう信用されなくなるんだぞ?? と日本人なら思うけども、言い換えると、あちらの人はあまりそういうことは考えない、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)今だけなのだと
 
  ( ‥)中国に行ったことは
    ‐□ 全部でせいぜい3週間
      ぐらいだったけど
      あまり違和感ないよね
 
 広い大地、行き交う人々、例えばの話、犯罪を犯した者も、とんでもなく遠くへ逃げることができる。これゆえに当局が頭を抱える世界。あちらがあちらなりに管理社会になるのには、それなりに理由がある。
 
 ともあれこうなると、例えば商売のやり取りは一期一会みたいなものになる。騙して逃げる選択肢が存在し、それをする人間がいる以上、今、確実な利益を取らざるをえない。そうなってしまうと短期的な関係や短期的な売り上げしか取ることができなくなる。というか、それを取るべきなのだ。つまり、集団における最良のふるまいが”今現在”になる。そうなってしまえば、全員の行動がそれに固定される。日本人がお互いを監視することで正しく振る舞えるのと真逆で、中国では明日のことが不確定になってしまう。
 
 日本でも言うではないか、旅の恥はかき捨てである、と。逃亡できるほど広いとは、それが普遍的な戦略になってしまうこと、その可能性があることを示している。
 
 ∧∧
( ‥)ある意味、自由だね
 
   (‥ )自由だよ。無法でも
       あるんだがな
 
 自由だろうが無法だろうが、それは活気のあることでもある。ぎゅうぎゅうのスケジュールに追われている身からすると、あの開放感たるやただ事ではない。
 
 だがもちろん、これは長期的な計画や視点や投資がまったく意味をなさなくなる、ということでもある。
 
 日本が持つ窮屈さ、真面目さ、計画的さと引き換えの自由、その代償が、これだ、と言えば良いか。
 
 ∧∧
(‥ )必然、今しかない
\‐  そういうことになって
    しまうのだと
 
 (‥ )今しかないから
     開放政策で呼び込んだ企業が
     逃げてしまうようなことを
     今やっちゃうんだよなあ
     むちゃくちゃだよね
 
 もちろん、日本人からすればこう映る。中国は信用のできない国だ、口先だけで人を呼び込み、資産を築いたところで没収する詐欺師の国だ。
 
 ∧∧
( ‥)過去と未来がある日本人から
    すればそう解釈するのが
    当然であると
 
  ( ‥)まあ、普通はそういう
    ‐□ 解釈するんだけどね
      言い換えれば、
      あっちはそういう世界じゃ
      ないってことだよな
 
 広い、広い世界だもの。中国の人にとって、外部に世界がある、という知識はもちろん知っているが、そこには自分たちとまったく異質の世界観とルールを持つ世界が広がっている、そういう概念があるのかは怪しいもんだ。自分たちだけで完結できる世界の人々が、外の何を知ろうというのか。
 
 一方、日本人からすれば中国のこういう行動は何十年も虎視眈々と計算した理詰めの行動に映る。それは、日本人からすれば当然の解釈だし、憤激の元だろう。
 
 ∧∧
( ‥)そしてそれは新たな中二病を
    発明する元になる
 
  (‥ )それは当然
 
 そして中二病は正しいものである必要は必ずしも無い。間違った理論がそれでもなお役立つ時があるように、誤った中二病も役立つ時があるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )今度、発明されるのは
\‐   中国の人は何十年も
     陰謀をたくらんでいる
     腹黒い策謀家、という
     世界観ですかね?
 
  (‥ )典型的な陰謀論だね
      あっちからすれば
      えっ? なんで?
      かもしれないけど
      こっちからすれば
      それ以外のなんだと?
      になるんだろうな
 
 そして間違った陰謀論でも、物事を説明できることがあるのだ。それが中二病というものである。
 
 そして、中二病は絶えず必要とされ、誰かがそれを発明する。
 
 
 
 

ああ、やっぱ中二病だったんだ

 
 ∧∧
(‥ )アメリカで
\‐  日本の軍国主義回帰は
    ありえない、という
    論評があったと
 
  (‥ )ああ、やっぱあの連中
      中二病だったのな
 
つまり、この話の続きでもある=>hilihiliのhilihili: アメリカ人が中二病的な理解で行動している可能性
 
 原文を読んだわけじゃないが、まあそういうことなんだろう。
 
 どんな国家も人間も共同体も、思い込みと単純な善悪が必要だ。どんな国家もイデオロギーの中核はたわいのないもので、要するに中二病だ。アメリカの中二病は
 
 僕たちは正義と光の戦士
 
 日本人を浄化して悪のオークから平和のエルフにしてあげたけど
 
 時々、怖い。
 
 だって、黒いオークに戻って原爆の復讐をするかもしれないじゃん...
 
 ∧∧
(‥ )というものだろうと
\‐
 
  (‥ )中国が、
      アメリカは
      忘れてはいけない
      日本は必ず復讐するぞ!
      といったのは、
      まあこの意味では説得力が
      あるだろうな
      アメリカ人の心の琴線に
      触れるんじゃね?

 
 大体、諸外国からすれば、実際にするしないに関係なく、多かれ少なかれ、日本人はアメリカに核報復をする権利がある、と思われている節があるのだ。中国の言い様は、そんな的外れなものではない。
 
 とはいえ、
 
 軍国主義って、ずいぶん的外れだよなあ。
 
 ∧∧
( ‥)戦争は時代によって
    その有様をまったく
    変えてしまう
 
  ( ‥)平民を鼓舞して
    ‐□ 銃と権利を与えて
      大量動員して突撃させる
      軍国主義とは
      機関銃出現以前の
      古い戦争観だよね
 
 これは、今の世界の戦争にはどっちかというと合ってないものだろう。つまり、仮に安倍首相が本当に戦前のような軍国主義者であったとしても
 
 ∧∧
(‥ )もう、そんなことには
\‐  ならないでしょうよと
 
  (‥ )今更、僕らに銃を与えても
      意味なんかないからな
      軍国主義や愛国心自体に
      意味なんてない
 
 せいぜい、有事の際には自衛隊の足をひっぱるな、重箱の隅をつついたり精神論を叫んで全体を損なうような余計なことはするな、ぐらいだろうか。
 
 つまり翻れば、安倍首相と日本は軍国主義を指向していない。こんなことをいちいち言わねばならないというのは、多分、アメリカの読者や識者が中二病にかかっている証拠だろう。
 
 人間には自由意志はあっても自由はない。
 
 世界の有様を決めるのは物理的な制限で、人の意思ではない。
 
 つまり、平和主義者に自由がないように、軍国主義者にも自由はない。
 
 そうである以上、軍国主義やファシズムというのは意思の問題ではない。それがその場、その時、有効か否か、それだけの話になる。
 
 いかにファシズムが血の優位と共同体への奉仕を呼びかけて人々の魂を熱くかき立てて意思を強調しても、それが有効になるのはそれを成立させる機械的な条件がそろっている時だけだ。意思の問題じゃない。
 
 そうであるのに軍国主義うんぬんという枠組みでしか物事をとらえられないのだとしたら
 
 ∧∧
(‥ )やはりアメリカ人は
\‐  中二病であったのだと
 
  (‥ )そんなんだから
      イラクに攻め込んで
      国を傾けるんだよ
      無様で愚かなことだ
 
 もっとましな中二病を発明しないといけないのだが、さて、一体全体どうなることやら。そもそも、そんな必要を彼ら自身が自覚しているかどうかも怪しい。
 
 ∧∧
( ‥)ようするにですよ
 
  (‥ )アメリカはこれから
      何世代も模索するし
      世界最強のままでも
      甚大な被害を被るって
      ことだろうね
 
 
 
 
 

2014年4月21日月曜日

真面目に考えると八方ふさがりなので

 
 ついにローマ帝国は採算の取れない領土の西半分、貧しい地域を切り捨てたのであった。 
 
 ∧∧
(‥ )領土の西半分、
\‐  西ローマ帝国は瓦解し
    二度と再建されることは
    なかった
 
  (‥ )それから1000年
      農業技術は改良され
      気候の良い中世温暖期にも
      恵まれたが
      彼らの躍進は新世界を
      見つけたことに始まる
 
 戦乱が続くユーラシアよりも技術レベルでは劣った新世界を見つけた彼らは、現地人を抹殺するか奴隷にすることで安く大量の銀を手に入れた。そうして文明を滅ぼすと、今度はあたらな奴隷としてアフリカを、さらには他の世界を食いつぶしてきた。
 
 ∧∧
( ‥)他の文明を食いつぶして
    上前をピンハネしてきた文明
    それが西欧文明と文化であると
 
  ( ‥)500年もそんなことを
    ‐□ してきたわけだろ?
      連中の文化や仕草、行動
      思考、言葉や単語の
      隅々にまでそれは
      染み付いているだろう

 
 そんな彼らが発明した労働者の権利だの、人間らしい生活だの、文化的な生き方だの、それが当然だという連中の無邪気な笑顔だの、まあ、あれらを額面通りに受け取るのはたわ言としか言い様がない。むしろ嘘っぱちだと思った方が正しいだろう。
 
 ∧∧
(‥ )というと、グローバル化する
\‐  世界と西欧の行く末は
    破滅的だと
 
  (‥ )農業中心の古代世界では
      物価は、まあ、今よりは
      安いはずだよね
 
 石油がない、自動車がない、つまり高速物流がない。電気がない、冷蔵庫がない、流通する食品は原料の小麦や米か、干物や発酵食品、漬け物だ。
 
 ∧∧
( ‥)それにはごく単純な
    輸送費と経費しか
    かかっていないはずだと
 
  (‥ )現在は石油、自動車、
      電気、冷蔵庫、
      それらを維持する経費
      さらにそれらを維持する
      人々を教育する経費が、
      それゆえに人件費が
      かかるわけだ
 
 正確に比較出来るわけじゃないけども、ものすごく大雑把にいって
 
 ∧∧
(‥ )古代世界も現在のあなたたちも
\‐  あっぷあっぷの生活を
    することになる
    そういう結論が出てくる
 
  (‥ )収入は増えて豊かになった
      その分だけ必要経費と
      支出が増大しているのだね
 
 入る流れは増えたのに出る流れも増えたので、結果的に水位が変わらない、と言えばいいか。
 
 これを変えるには、入る金の流れを増やすしかない。それには、西欧のように他国を武力で制圧して収奪し、それを労働者の権利とうたいあげるか、あるいはかつての日本のように低賃金とその落差を武器に、豊かな欧米から流れる金の量を増やすか。
 
 しかし、いまやそのどちらもできない。入る金の量は減り、出て行く金の量と均衡するまで財産は減る。
 
 つまりようするに
 
 ∧∧
( ‥)一般庶民は
    古代の奴隷よりも豊かな生活を
    しているにも関わらず
    古代の奴隷たちと似たような
    悲惨な境遇で労働しなければ
    社会を維持できなくなる
 
  ( ‥)多分、西欧世界はまだ
    ‐□ 食いつぶせる文明が
      存在すると思っている
      さもなきゃ今でも
      無邪気に労働者の権利
      だとか言わないからな
      まあ、当然だよね
      元植民地の宗主国だし
      東欧なんかは新たに
      食いつぶせる文明だよな
 
 とはいえ、時間の問題であることは否めない。新たな奴隷として都合良く招いた移民たちは、いまや深刻な社会問題となっているのであった。貧しさを他人に押しつけて搾取した、そのつけが出ている。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、そういうことだろうと
 
  ( ‥)アメリカだってもう
    ‐□ どうにもならないよな
      オバマ大統領がいくら
      頑張っても
      中間層は壊滅だ
 
 AmazonやGoogleを生み出しても、それで雇用が劇的に増えるわけではないのだから、いくら新しい起業を生み出す自由な雰囲気があっても、そういう新しい企業が世界で勝ち進んでも、国内で雇用が生み出されるわけでもない。
 
 ∧∧
(‥ )そんなにアメリカの中間層を
\‐  救いたいのならオバマ大統領は
    大統領ではなく
    テロリストになるべきだった
    のかもしれない
 
  (‥ )ファイトクラブのラストで
      人々の借金とそのデータを
      所有しているカード会社を
      爆破してしまうようにね
 
 とはいえ、テロリストごときでは定まってしまった格差と、勝ち組と負け組とをリセットしてくれるような、もう一度、自由競争を最初から起こしてくれるような、そういった白紙への再転換は不可能だ。
 
 ∧∧
( ‥)それはそれこそ
    アメリカを見れば
    分かることだからね
 
  ( ‥)テロどころか動乱を
    ‐□ 引き起こさないと
      いけないからねえ
      メキシコの麻薬組織の
      トップになって
      アメリカにゲリラ戦を
      仕掛けるくらいの
      勢いでないと駄目かもね
 
 日本もどうにもならないのであった。もはやかつてのように貧しい国ではないからだ。その一方では豊かであるがゆえ、何か大きな工事をするとしても人手が足りぬ。そういう仕事は敬遠されてしまうのだから。
 
 とはいえ、しかし
 
 ∧∧
(‥ )ロボットを操縦して
\‐  あらかじめある程度できてる
    ブロックを積み上げるみたいな
    仕事だったら...
    みなさんやってくれますかね?
 
  (‥ )すでにクレーンとかが
      あるわけだし
      それでも人集まらないし
      ブロックやパーツの
      積み上げって耐震に関して
      どうなのよ? とか
      色々あるけども
 
 ∧∧
( ‥)なに? もうこのくらい
    馬鹿げた事を考えた方が
    良いと思う?
 
  ( ‥)真面目に考えると
    ‐□ 未来が破滅的だ、
      ということはだ
 
 これはもはや、不真面目に考えた方がまだしも良い、そういうことじゃねーのか?
 
 ∧∧
(‥ )真面目に考えるべき時に
\‐  不真面目に考えるというのは
    ひんしゅくを買う以前に
    非常に危険ですけどね
 
  (‥ )だが、真面目に考えた時
      あらゆる方位が閉じている
      そういう時はもう、
      真面目に考えちゃ駄目だ
      そういうことかもしれん
 
 そもそも日本に求められているものとは何ぞや?
 
 ∧∧
( ‥)えーっと、ロボット、
    サイボーグ
    パワードスーツ?
 
  (‥ )後は忍者だな
 
 これだこれ
 
 やるべきはロボット、サイボーグ、パワードスーツ、そして忍者

 
 

2014年4月20日日曜日

理想の民主主義とかそういう雑なことより

 
 理想社会は理想人間の集まりでしか成り立たない。そうである以上、理想社会を指向する人間は必ず大虐殺を始める。
 
 ∧∧
( ‥)理想を求める人は
    殺人鬼である
 
  ( ‥)理想を追求する人間を
    ‐□ 見つけ次第ぶち殺せとは
      言わないまでも、
      隙を見て
      崖から突き落とすぐらいの
      目でぬるく見ていた方が
      良いかもしれんね
 
 ああ、理想の民主主義とか、日本には本当の民主主義がないとか、そういう雑なことを言い出すから論点がずれるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)めんどっちー仕事を
    したくないんで
    もう少し楽な生活を
    させてもらえませんかね?
 
  (‥ )そのぐらい具体的に言うと
      具体案が出てくるものよ
 
 反対に、理想のなんとか、とか言い出すから具体的でなく、抽象的になって、選択肢を切り捨てることしか考えなくなる。
 
 理想のおねーちゃんじゃないと僕は駄目なんだ、と言っているようなもので、そういう雑な好き嫌いの果てがどこへつながっているか? 誰もが薄々知っている。実際、そういう例がごろごろしているではないか。
 

      

闇の三原色

 
 ∧∧
(‥ )闇の三原色はあるか?
\‐
 
  (‥ )ぬるく答えるなら
      普通に赤、青、黄色だな
 
 赤は赤い波長以外を吸収する
 青は青い波長以外を吸収する
 黄色は黄色以外の波長を吸収する
 
 全部混ぜるとすべての波長を吸収する闇になる
 
 ∧∧
( ‥)実際は、そんな真っ黒には
    なりませんけどね
 
  (‥ )全部混ぜるとあれなのよな
      全部の色を反射して
      全部の色を吸収する色に
      なるんだよね
 
 なんというか、どよーん、とした灰色になる
 
 ∧∧
(‥ )よくも悪くも汚い色ですか
\‐
 
  (‥ )だがしかし
      僕らが見ている風景は
      個々の部分の色は意外に
      地味で汚い色でな
 
 言い換えると、
 
 きれいだからきれいな色を使えば良いに違いない!
 
 というと、そんなことにはならない。なんかぱっとしない色や、これで良いのか? というような、地味だったり汚い色を使うことできれいな絵が描ける。
 
 金色の絵の具を塗っても金細工は表現できないように、この世界の美しさとは地味な色の配置次第だということなんだろう。
 
 そういうわけで、黄色、赤、青をまぜて汚い闇を描いても、うまく調整すれば夜になる。
 
 ∧∧
( ‥)そういえばあなたの場合
    絵の具を使う時は
    三色だけだったよね
 
  ( ‥)三色以上は制御し切れなく
    ‐□ なってしまうのでな
      最近はそれも
      面倒くさいから色鉛筆だ
 
 使っていた絵の具はなんであったか。ホルベインのアクリル絵の具で、何色セットとかに必ず入っているような、ありきたりな赤、青、黄色を使った。だから色も正確に言えばマゼンタとかシアンだ。当たり前と言えば当たり前だけども、どの絵の具を使うか、どう混ぜるか。同じ青系でもこの青を使うと効果的とか、こちらの青は緑を作るのには向いているが、こっちはそうじゃないとか、三原色系の絵の具によっても出せる色の向き不向きがあった。
 
 つまり、本当に闇の三原色を探したいのなら、それに向いたものを見つけなければならない。
 
 
 

2014年4月19日土曜日

その胡散臭さは本来からあまりにかけ離れすぎている

 
 フリーって言うのはいいけど、フリーランスときちんと言う人は、その手の仕事に誇りを持ちすぎているからどうも胡散臭い。
 
 ∧∧
(‥ )...という意見がですね
\‐  あるみたいで
 
  (‥ )この場合の胡散臭いは
      フリーランスの僕は
      組織に属さず
      カフェで仕事をする
      一匹狼のノマドです!
      という匂いのことなのな
 
 確かにうさんくせー
 
 だがしかし、この胡散臭さ、あまりにおしゃれ過ぎやしないか?
 
 ∧∧
( ‥)そもそも
    フリーランスとは
 
   ( ‥)フリーランスとは
     ‐□ free lance
       無所属の槍兵のことで
       つまり傭兵だ
 
 無所属なんでー、金さえ払っていただければ、参加しますよー。 あっ、略奪はオッケーすよね? 給料だけじゃボーナスになりませんからな。うっほ、我が方、不利じゃん? 逃げよ、逃げよ。近所の村、略奪したれ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたがフリーランスですと
    自己紹介する時は
    そういう意味合いを
    込めるのだと
 
  ( ‥)フリーランスって言葉は
    ‐□ 本来ならば
      自堕落臭がするものだ
      強烈に臭うものなのだよ
      まともには生きられない
      駄目人間の匂いが
 
 偉大なる天文学者ケプラー
 
 一般的に地動説の提案者であるコペルニクスの方が偉大だと思われている。確かにケプラーはコペルニクス説の支持者であり、学問的にはコペルニクスの子分のようなものだ。だがしかし、コペルニクスよりも偉大で狂気に満ちたケプラー
 
 そのケプラーの父親が傭兵だった。奥さんにDVするわ、戦場で何をしたものか、危うく絞首刑になりそうになって逃げ出すわ、最後は家族を捨てて戦場へ舞い戻り、そして死んだ。
 
 狂気のケプラーも晩年は父親の遺伝が発現したものか、三十年戦争の戦火に焼かれる地を流浪し、客死するのである。
 
 ∧∧
( ‥)それがフリーランスのはずだと
 
  (‥ )一体全体、いつから
      フリーランスって言葉が
      真面目に目を
      キラキラさせて
      人生と夢を語るような
      痛い単語に
      なっちゃったんだい?
 
 その胡散臭さは本来とはあまりにもかけ離れすぎている
 
 

戦争ごときではリセットできないらしいので

 
 この閉塞感を打開するもの。それは戦争である
 
 ∧∧
(‥ )そう主張した人がいて
\‐   話題になったのは...
     数年前でしたっけね?
 
  (‥ )いつだったかねえ?
      当時はこの発言に
      知識人がぎゃんぎゃん
      わめいていた記憶が
      あるけども
 
 まあ、知識人とはこういう時に、その発言は問題だ! と声を張り上げるのが仕事であるからしょうがない。しかし、知識人とはその実、金持ちで恵まれて若者を搾取する勝ち組の立場だ。その搾取ゆえに以上のような発言が出てきた時、そんな”正論”で相手に反論するのは正直言って恥知らずとしか言い様がない。
 
 ∧∧
( ‥)とはいえ、戦争で
    その閉塞感とやらを
    打開できるとも思えない
    それは事実ですね
 
  ( ‥)今の戦争はどうも
    ‐□ かつてのような
      総力戦ではない
      市民軍からかけ離れた
      プロによる限定的な
      戦争だよね
 
 だとしたら、社会の不均衡や勝ち組固定という状況を戦争でリセットできるとは思えない。
 
 *ひるがえれば、戦争を望むとは嘆かわしい、という知識人や文化人の声が異常なまでに虚ろなのは、彼ら自身が勝ち組であるからだ。この意味において彼らの主張は、私が戦争に反対なのは勝ち組である私の地位を平和という名の現状維持で望むからです、ということでしかない。
 
 とはいえ
 
 ∧∧
(‥ )限定的なプロの戦争でも
\‐  景気や雰囲気が上向くことは
    ありうるんだよね
 
  (‥ )湾岸戦争の後の
      アメリカなんかは
      そうなのだろうな
      でも、言い換えれば
      その結果があれだ
 
 ベトナムの敗北、日本という経済大国の出現は、湾岸戦争で払拭された。戦争に勝利し、有事には何も出来ない日本を見てアメリカはプライドと自信を取り戻した。そして、それだけでないにせよ、空前の好景気が訪れる。資本主義はついに新たなフェーズに突入し、不況という波から永久に脱したとか、訳が分からん妄言を垂れ流すくらいの絶好調。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それは結局
    借金という形で未来のお金を
    現在という時空に集約させる
    ことでしかなかった
    時間軸に沿って
    お金の疎密を作り出し
    経済を一時的に
    フル回転させていた
    それだけだったのだよね
 
  ( ‥)社会はリセットどころか
    ‐□ 勝ち組と負け組に
      固定化されてしまった
      わけだ
 
 つまりこれを見るに、どうやら、現代の戦争ごときでは格差をリセットすることができないらしい
 
 ∧∧
(‥ )どうしたものですかねえ?
\‐  少なくとも日本の場合
    勝ち組は老人だから
    時間が格差を解決してくれる
    わけではあるのですけどね
 
  (‥ )しかし、もう一工夫欲しい
      ところだよな
 
 だって、みんなそんなに待てないだろう?
 
 


 

19日の朝は曇りだった

 
 空は曇りで月は見れず
 
 ∧∧
(‥ )まあ、少し見れたのだけど
\\‐
 ⊥
 
  (‥ )晴れ間が短すぎて
      スケッチとまでは
      いかなかったからね
 
 とはいえ、マレ・ネクタリス、つまり神酒の海が多重リングであることは見て取れた。
 
 *神酒の海は、月のうさぎさんの片方の耳に該当する
 
 **多重リング:二重、三重の同心円状になったクレーターのことで、月では200キロ以上のものに多く見られる。神酒の海は直径860キロ。
 
 ∧∧
(‥ )当然だけども
\‐  論文も出ていますね
 
  (‥ )あれが多重リングとは
      知らなかったなあ
      やっぱ観察は大事だね
      チコ・クレーターの
      光条も伸びていて
      印象深い光景だよね
 
 チコ・クレーターは天文学者チコ・ブラーエの名前を冠されたクレーターだ。月の南半球で明るい光のすじを放つのが特徴で、それが神酒の海の上に到達するということは
 
 ∧∧
( ‥)神酒の海はチコが
    出来た時代よりも前に出来た
    そういうことが分かりますよと
 
  ( ‥)月は望遠鏡で観察できる
    ‐□ 地層の塊だとも
      言えるよね
      スケッチができなかった
      ことは至極残念だが
      やむを得まい
 
 ∧∧
(‥ )まあ、また機会がある時に
\‐  ちまちまスケッチして
    いきましょう
 
  (‥ )出来る時にとにかく
      やるのが大事なんだろうな

 
 

2014年4月18日金曜日

ツバキがアステリドだった

 
 ツバキのスケッチに色をのせていく。しかし疲れた。ちょっと気晴らしにツバキの系統に関して本をめくると...
 
 ∧∧
(‥ )アステリドの系統だ
\‐  そうだね
 
  (‥ )は? まじで?
 
 我が家のアステリドのコンテンツ=>Untitled Document
 
 いやいや、いやいやいやいや
 
 ∧∧
( ‥)確かに合弁だからね
 
  ( ‥)確かにそうだけどさ
    ‐□
 
 あの不規則な萼や5枚にとどまらない花弁と筒状に融合した無数の雄しべがアステリド? まじですか?
 
 *合弁:花びらが融合した花のこと。例えばツツジなんかがそうだし、どうもツツジとツバキは近いらしい。ツツジは一見すると花弁が離れているように見えるが、根元はつながっている。ツバキもそうだ。花が落ちると、そのまま一塊でぼてっと落ちる(これ自体が系統的には議論のある話にもなるがここでは省略する)。
 
 ∧∧
(‥ )確かにツツジの合弁と
\‐  似てはいるよね
    根元が融合してるし
    感じも同じ
    それに、ツツジは
    雄しべが10本の
    ものもいるよね
 
  (‥ )確かに、ツバキの筒状の
      雄しべを切り開いたら
      内側の列の雄しべが
      10本で5の倍数だった
      けどもさ
 
 いや、しかし、数が一定かどうかまでは調べていなかった。あの雄しべや萼や花弁の数にルーズな感じ、どっちかというと原始的な造りではないかと思っていたのだけども。
 
 ∧∧
( ‥)アステリドじゃないけど
    姉妹群的な位置にいる
    野バラの雄しべも
    一杯あるよ
 
  ( ‥)バラもツバキも
    ‐□ 八重咲きがあるしな
      同じアステリドだと
      ツツジの雄しべは
      数が多い場合もある
 
 これは、つまり、このあたりの花々は花弁も雄しべの数もまだ不定だったということか。
 
 あるいはそもそも花弁も雄しべも、本来がそんなものだということか。
 
 ∧∧
( ‥)アステリドは合弁以外
    特に目に見えるような
    特徴がないのでしょ?
    近隣のバラ系統群とも
    ほとんど違いがない
    それなら彼ら本来の姿は
    ほぼ同じだってことに
    なりますよね
 
  ( ‥)そしてツツジとツバキが
    ‐□ 近いっていうのか...
      確かに、花弁の融合や
      妙に固い葉っぱは
      似てはいるけどさ
 
 いささか戸惑いを覚えるけども、しかし、言われれば思い当たるふしがある。
 
 ∧∧
(‥ )ともかく色々な花を
\‐   見る事だよね
 
  (‥ )はー、先が長いな
 
 
 
 
 
 

キリンの長い首とオカピの短い首

 
 伝説的に曰く
 
 キリンの首は長く、頭まで血を送るには血圧が高い必要がある。一方、首を下げると、高い血圧に、さらに血の重さも加わる。そこで、キリンの首の血管には、脳にそのような圧力が加わることを防ぐ弁があるという。この仕組みがなければキリンの長い首はありえない。
 
 ∧∧
(‥ )でもキリンの仲間には
\‐   首が短くてもこの弁を
     持つものがいるという
 
  (‥ )だから、首が長くなる前から
      首が長く進化できるように
      なっていたのである
      これは進化の謎だ
      自然淘汰説は間違いだ
      進化論は間違いだ
      そういう意見だね
 
 ああ、しばしば言われることではある。
 
 しかし、考えてみればキリンのように異様に長いだけでなく、高い首を持つ動物は珍しい。
 
 というか、そもそも他にいない。
 
 ∧∧
(‥ )化石種を見ても、哺乳類で
\‐  首をあれだけ極端に
    伸ばした動物はいないですよね
 
  (‥ )大概は、ゴリラみたいに
      上半身全体を起こした
      姿勢になって
      腕を使って枝を引き寄せる
      そういうのだよね
      あるいは体自体を
      巨大化させて高い場所に
      頭を届かせる動物に
      なるんだよな
 
 でっかいラクダのような種族もいるが、彼らの首の姿勢はやっぱりラクダだ。キリンみたいに首だけを、しかもあれほど高くした姿勢の動物というのは、ちょっと思いつかない。確かに哺乳類以外まで範疇を広げると、恐竜の竜脚類のように首が異様に長い植物食動物がいる。しかし、あれも首だけを高くもたげたものではない。彼らの首はむしろゾウの鼻のようなもので、あちこちに動かす造りである。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    特異な血管の弁を
    持っていたから極端に首が
    伸ばせた、という
    結果論でしかないのかも
    しれない
 
  ( ‥)その場合、キリンは
    ‐□ 祖先が特異な弁を
      持っていたから、
      あんな異様な姿に
      進化できたというだけの
      話になるんだよね
 
 *これはいわゆる前適応という説明だ。つまり、祖先が持っていた適応が、後で別のことに流用される、というものである。この場合、それがその目的で使われる前にあった(ように見える)のは単なる結果論でしかない。
 
 **例えば、人間はキーボードを自在に叩ける。しかし、キーボードを持たないサルも同じことができる。霊長類の手は、人間がキーボードを叩くようになるために、あらかじめ進化したようではないか! という解釈は結果論でしかなく、まっとうな理屈ではない、という意味。

 ところでしかし、では、そもそもキリンが血管に持つというその弁はなぜ進化したのか?
 
 ∧∧
(‥ )オカピさんは一応、他の
\‐  反芻類と比べると首が長いと
 
  (‥ )孫引きでしかないが
      オカピの頸静脈は
      キリンのものと
      良く似ているそうだが
      他の血管はキリンほどの
      複雑さは欠いているそうだ

*リンク先のpdfファイル2ページ目
右列第4段落目を見よ=>‎www.science.smith.edu/msi/pdf/i0076-3519-422-01-0001.pdf
 
 解剖の報告とか読んでいないからなんとも言えないけども、しかし、これを見る以上では
 
 ∧∧
( ‥)これ、単純に、
    首が何らかの理由で長くなった
    その過程で、
    血の重みで血流がどうかなる
    ことを防ぐ器官が
    ある程度、発達した
    そこからさらに首が伸びた
    キリンではその仕組みが
    さらに発達した
    それだけの話なんですかね?
 
  ( ‥)人間も静脈には弁が
    ‐□ あるわけだよね?
      それを考えれば
      普通に、自然淘汰で
      じょじょに進化した
      それだけの話になりそう
      だけどね
 
 まあ、いずれにせよ、調べるべきことなのだけども、はっきりしているのは、冒頭の疑問はやはり単なる都市伝説の域を出ないのではないか? ということである。
 
 ∧∧
(‥ )キリンさんの長い首は
\‐  性淘汰だって意見も
    あるんだよね
 
  (‥ )意外と正しいかも
      知れないけどね
 
 ∧∧
( ‥)なんでそう思います?
 
  (‥ )あんな変な生き物、
      地球の長い歴史でも
      見た事ないだろ?
 
 キリンのようなちんちくりんな動物は地球の歴史上で他に見当たらない。それを考えると、あの姿は合理的なものではない、と考えることもできる
 
 ∧∧
( ‥)長い首を可能ならしめる進化が
    その過程自体はありきたりで
    じょじょに調整されながら
    進行したものであっても
 
  (‥ )進化を進める淘汰圧、
      進化の原動力自体は
      自然淘汰のような
      合理的な要請ではなかった
      のかもしれない
 
 そう考えた方が合理的かもしれない。
 
 
 *注:自然淘汰のような合理的な要請ではない:自然淘汰のように性能や結果の優劣が問われるのではなく、もてる、もてないに基づく性淘汰はその意味では合理性に欠ける。あのちんちくりんな姿は性淘汰の結果かもしれないよ、と言われると、むしろ違和感がない、という意味。一応、注釈しておくと、性淘汰はダーウィンが考えたもの。
 

 
 

月の海と雨と椿と


 夜は曇りなのであった
 
   月のスケッチは
 ∧∧ 無理だから〜♪
( ‥)
 ‐( ‥)散歩へいくか
 
 最近の夜はスケッチで費やしてしまって、散歩に出ていなかったのであった。
 
 
 ∧∧ 一休み〜
( ‥)
 ‐( ‥)スケッチは
     疲れるからなあ
 
 ぼんやりと町の灯りに見入った。天気予報だと神奈川はしばらく雨だ。実際、帰ってしばらくたった明け方から雨が降り始めた。ひさしぶりの雨である。
 
 月のスケッチがないのなら休むのも悪くない。
 
 ∧∧
(‥ )仕事がほとんど終わったのに
\‐  今度は月のスケッチで
    疲れているのだものね
 
  (‥ )おれは何をやって
      いるのだろうな?
 
 おかしい、しばらく休養を取るはずだったのだが、むしろ疲れているようである。
 
 空いた時間を使って月の海に関するコンテンツを作る=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )望遠鏡で見るだけでも
\‐  このぐらいは分かるのだと
 
  (‥ )そもそも月の地質学は
      アポロ以前から始まったし
      望遠鏡の観測と
      地質的な推論から
      着陸地点と採集するものを
      決めて送ったわけだしね
 
 望遠鏡で観測するだけでも、相当、色々なことが把握できる。
 
 ∧∧
( ‥)最後の仕事もあるけど
    本日は雨降り、
    どうします?
 
  ( ‥)んー、先日スケッチした
    ‐□ 椿の絵を完成させるか
 
 椿、描いてみればかなり珍妙な花だ。
 
 ∧∧
(‥ )原始的、と言えば
\‐  良いのですかね?
 
  (‥ )そういう風に見えるね
      なんだろうなこれは
      みたいな感じでね
 
 
 

2014年4月17日木曜日

月齢16日 クレーターは上書きされる

 
 月齢16をアップ=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )まあ、ほぼ月齢17
\‐  なんですけどね
 
  (‥ )でもあれよ
      一応、16日の夜の月だし
      それにこれだけ
      月の縁に近い場所の
      明暗境界線は
      時間が経過しても
      見た目はそんなに変わらん
      だろうということでね
 
 
 というわけで月齢16としてカウント
 
 マレ・クリシウム、危難の海が夕暮れを迎えたところである。
 
 ∧∧
( ‥)危難の海、クリシウムさんは
    他の海に比べて若い地形だと
 
  ( ‥)確かに、周囲の海の輪郭を
    ‐□ 侵しているような
      地形だものな
 
 月の海(マレ)は低地に溶岩のたまった、平らで比較的若い地形である。それはクレーターが海にはほとんどないことから明らかだ(ただしこれはあくまでも相対的な話で、絶対的には古い)。そして海自体が巨大なクレーターでもある。そして新しいクレーターは古いクレーターを上書きするように出来る以上、地形を見れば相対的な新しいと古いが分かる。

 ∧∧
(‥ )晴れの海が静かの海を
\‐  その晴れの海を雨の海が
    上書きしているように
    見えるね
 
  (‥ )論文を読んでも、
      雨の海イムブリウムが
      ここらでは一番新しい
      そうだ
 
 とはいえ、もろもろ論文や観察、スケッチで確認しないといけない。
 
 ∧∧
(‥ )海の元である
\‐  巨大クレーターと
    溶岩があふれて
    海そのものが出来た時代は
    ずれているんだよね
 
  (‥ )例えば雨の海を
      望遠鏡で覗くと
      あふれでた溶岩で
      沈没したクレーターを
      幾つも見ることができる
 
 巨大クレーターが出来てから、他のクレーターに上書きされた時間があって、それから溶岩が湧いてきたことは明らかだ。
 
 以前、ネットで見たのである。地球の生物は周期的に絶滅している。火山で滅びたという説と隕石衝突で滅びたという説があるが、どっちなのだろうか? もしかしたら両方ではないか? 巨大隕石の衝突で火山噴火が起こって絶滅が発生するのではないか?
 
 ∧∧
( ‥)隕石衝突で火山噴火が
    誘発される
    壮大なアイデアだけども
    これは安易だと
 
  ( ‥)その連中、
    ‐□ 月の海が衝突と溶岩で
      出来ているから
      だからほら! と
      言っていてな

 いやいや、あなたたち、望遠鏡でお月様を見たことないでしょ? 明らかに相当な時間のずれがあるよ?
 
 ∧∧
(‥ )まあ、太陽系の歴史の初期には
\‐  隕石衝突は今よりも
    ずっと多かったのですけどね
 
  (‥ )それでもアルキメデスや
      虹の入り江のような
      大きなクレーターを作る
      衝突はそんなすぐには
      起こらないだろうからね
 
 思うに、あんな有様を見ると、考えるということは愚かな行為でしかない、ということが肌で実感できるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)ものを見なさい、と
 
  ( ‥)現場にも資料にも
    ‐□ 目を通さない人間が
      推理したって
      冤罪を製造するだけって
      ことさね
       
 
 

2014年4月16日水曜日

月齢15日、フンボルトの海は見えず

 
 月齢15日目を追加=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )秤動の影響で
\‐  北東の地形が見えていないね
 
  (‥ )だから代わりに南西にある
      東の海が見えたのだな
      =>Untitled Document
 
 本日の観察で危機の海の東隣に見えた二重丸のようなものは、どうも周囲の地形と影でそう見えるもので(もしかしたら大きなクレターやその名残なのかもしれないけど詳細は不明)、真ん中の小さなクレーターが...
 
 ∧∧
( ‥)プルターク(Plutarch)
    つまりプルタルコスさんだと
 
  ( ‥)月のクレーターは
    ‐□ 科学や文化に寄与した
      著名人の名前が
      つけられるからね
      つまりプルタルコス
      「プルターク英雄伝」の
      著者だよね
 
 その北にあるクレーターは、どうも位置からするとセネカ(Seneca)らしい。
 
 ∧∧
(‥ )ああ、ネロ帝に自害させられた
\‐  人だよね
 
  (‥ )意外なところで
      歴史上の人物に
      出会うわけだ
 
 ちなみにユリウス・カエサルもクレーターの名前になっている(月の真ん中あたりにあるので半月前後にならないと見えない)。
 
 ∧∧
( ‥)古くて形が崩れたクレーター
    なんだけどね
 
  ( ‥)ところがこれ、
    ‐□ 地質的に結構重要な
      クレーターなんだよね
 
 当のカエサルがこれを聞いたら、なんと言うのだろうか? 自分の名前が月の地形につけられていると知ったら、さて、なんと返す?
 
 ∧∧
(‥ )うまい冗談を言って
\‐   不謹慎な笑いを取るのじゃ
     ないですかね?
 
  (‥ )あるいは女の子を
      くどくネタにするのかな?
 
 
 *ユリウス・カエサル(クレーター):最初、ちっこくて、と書いたけども、調べてみたら直径90キロあったので、この表現を削除。
 
 ∧∧
(‥ )目立たない、と書くのが
\‐  正しいのですかね?
 
  (‥ )意識して見たこと
      なかったからね
      まあ、観測して確かめるさ


 

2014年4月15日火曜日

忘れていないか? 自分が把握していない経費がこの世界に存在することを

 
 自営の人は雇われている人よりも能力がある、という意見はおかしい。
 
 ∧∧
(‥ )この見解、どう思います?
\‐
 
  (‥ )反対に言うとあれだ
      自営業で今まで
      生き残ってこれたから
      優秀なはずだ、という
      評価をする人もいるし
      自画自賛する人もいる
      これは事実だね
 
 まあ確かに、”自営業で生き残って来れた者は優秀だ”という意見の理屈は分かりやすい。
 
 ∧∧
( ‥)まず自営業には余力がない
 
  ( ‥)反対に言うと
    ‐□ 大量に売れる商品を
      大量に作る場合には
      人が大勢必要になる
 
 そうなると企業になり、そして雇われる人が出てくる。この時、規模自体は大きくなるので、ガス光熱費、材料費、輸送費などといった必要経費を抜いて残った利益が、もとの売り上げの5パーセントしかなくても、それが年間一億円という場合もありうる。
 
 ∧∧
(‥ )その企業が仮に10人を
\‐   雇っていた場合
     一人当たり年間に500万を
     払っていても
     5000万円が残るね
 
  (‥ )雇われ人を必要とするほど
      生産と売り上げの
      規模が大きくなるとは
      そういうことなのだ
 
 割合でいったら貧乏、かつかつぐらしの自営業者と同じ、あるいはそれ以下でも、残った隙間が大きければ複数の人が充分に暮らせる。そういう理屈になる。
 
 ∧∧
( ‥)さらにいえば
    企業であれば収入を
    ならすことができる
 
  ( ‥)商品を納品しても
    ‐□ すぐに金になる
      わけじゃない
      お金の入りは翌月、
      あるいは翌々月、
      あるいはもっと先という
      こともありうる
 
 会社はそれに耐えなければならない。
 
 だが隙間が大きければ、会社を構成する細胞である雇われている人自体はそんな収入の変動に直面する必要はない。会社がそれを平均にならしてくれるのだ。
 
 会社が緩衝剤として機能する。そう言えば良い。
 
 ∧∧
(‥ )反対に言えば自営業は
\‐  少ない割合、
    収入の変動に直接
    さらされているわけだね
 
  (‥ )まあ、あれな、
      水が少ない上に
      やたらと水位が変動する
      沼に住んでる魚みたいな
      ものだろうな
 
 まあ、だから、自営業者で生き残ってきた人間が我と我が身を優秀とほめたたえるのは、分からんでもないことだ。他人を優秀とほめるふりをして自分をほめている人も見た事があるが、彼もそれが必要だったのだろう。変動する世界の中で生活することは意外とストレスが溜まることであり、こういう時、人間には宗教のような信念が必要だ。企業が愛社精神を喚き立てることと、これはなにも変わらない。
 
 ∧∧
(‥ )でも、冒頭の意見はこうも
\‐  続きますね
    自営業なんて協調性が
    無いだけだろう? と
 
  (‥ )そういうところは
      あるだろうな
      というか、そうでなければ
      やってけないからね
 
 ∧∧
(‥ )だから生活がカツカツなんだ
\‐
 
  (‥ )まあ、それは以上のように
      ただの事実だろうね
      水位が低くて変動しやすい
      環境では生活はどうしても
      カツカツになるからね
 
 ただ、その言い様の先に、ゆえに自営業は優秀ではない、という結論が隠れているとしたら
 
 ∧∧
( ‥)それは間違いだと
 
  (‥ )そういう環境で
      生き抜く能力を持っている
      それは確かであるからね
 
 多分、能力の有無と収入の大小を混同したことが間違いなんだろう。
 
 能力の有無は収入と関係ないし、収入の大小は能力の有無とは関係ない。それはむしろ、その人が選んだ道だ。
 
 ∧∧
(‥ )そもそも何の能力の
\‐  どの優劣なんだ、という
    話がありますけどね
 
  (‥ )水位が変動する
      浅瀬で暮らす魚は
      その環境で生き抜ける
      だからといって
      水位が深くて集団で
      暮らしている魚の群れに
      入れるわけもない
      その逆もまたしかり
 
 人間、置かれた立場のことしか分からない。会社員でも、経理にいるか、総務にいるか、営業にいるかで考え方が全然違うはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)部署によっては金の流れを
    把握しているから
    お前たちはこんな給料では
    生活できないと言うが
    会社も限界なんだよ!
    そう絶叫することも
    ありうる
 
  ( ‥)あるいは主婦のことを
    ‐□ 考えてみよう
 
 専業主婦は支出を知っている。だが、どんな投資で収入が発生しているか、それを充分に把握しているとはいえない。家計上手だからといって、実は、会社という組織が緩衝してくれた”一定で安定的な金額”でやりくりしているだけかもしれない。
 
 ∧∧
(‥ )あるいは会社員によっては
\‐  以上の何もかもを
    分かっていないことすら
    ありうる
 
  (‥ )なぜどうしてどうやって
      金が動いているのか
      把握していない人がいる
      それは当然だ
 
 一体、誰が好き好んで、自分の日常業務以外の経費の流れを把握するだろうか?
 
 経費どころか、支出を把握していない人もいる。奥さんにまかせっきりなそういう男たちが、定年退職後にどうなるのかは、スーパーにいくと分かる。彼らは何一つとして何も出来ないのだ。彼の目の前にあるのは、見た事もない、料理の材料という未知の行程だ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのような自営業者は
    一応、全部できているけども
 
  (‥ )ところがだよ、確かに
      自分は本を作る
      そして金をもらう
      自分の必要経費も
      当然分かっている
      支出も分かっている
      だがな取引先の会社と
      本を作り上げる
      作業全体にかかる経費や
      支出、収入、利益のことは
      全然分かっていないのだ
 
 なんとなく見たり、聞いたりした範囲内では、どうもこうらしい、という予想がたつが、それはあくまでも仮説であり、モデルでしかない。
 
 やはり業務外の経費の流れが見えないのだ。
 
 そして、分からない、ということは”その場の予測や動態”が見極められない、ということを意味する。
 
 ∧∧
( ‥)あなたもamazonのkindleや
    電子書籍にはおおいに
    期待したし
    恐れも感じたけども
    実際にはそういうことは
    まだ起きていない
    あるいは進行中なのだが
    遅々として遅い
 
  ( ‥)出版界の仕組みを
    ‐□ なんとなく把握してから
      考え直すと
      ああ、こりゃあ駄目だ
      ということが分かったけど
 
 *ようするに出版界は書籍を電子化する余力がほとんどない。また、例えば仮に自炊を認めて電子化を促進させる、そればかりか、今すぐすべての書籍を電子化できたとしても、電子化させた書籍自体を流通させる力が出版界にはない、おそらく。そしてこれは単純に経費の問題でもある。
 
 ∧∧
(‥ )でも世間の人は出版界は
\‐  馬鹿で保守的で愚かだから
    電子化を阻んでいるのだと
    解釈する
 
  (‥ )冒頭から話題にした
      言い様もそうなのだがな
      それは、
      僕らが金の流れ
      すなわち、必要経費、
      収入、支出、これらを
      ちゃんと把握していない
      からだと思うよ
 
 そうだ、人は立場によって支出と収入、そして必要経費の把握がまったく異なっている。この違いを、そして自分が把握していない経費がこの世界に存在するという自覚を持たない限り、人は安易なモデルで誤った答えを出すだろう。
 
 忘れていないか? 自分が把握していない経費がこの世界には厳然として存在するということを     
 
 

月齢14の月とマレ オリエンタレ

 
 月齢14 東の海をアップ=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )東の海は
\‐   初めて見たね
 
  (‥ )もちろん、月を見る時
      西側が見えていれば
      視界には入っている
      のだけどね
 
 だが、なにぶん、月のはじっこだ。夜明けが進行すれば影は消え、みるみるうちに姿が影無しの、のっぺり状態になってしまう。
 
 ∧∧
(‥ )0時には多重リングというか
\‐  三重の山脈を見ている感じが
    あったのですけども
 
  (‥ )3時過ぎたら、
      分からなくなっちゃった
      からね
 
 せっかくのほとんど満月なので、全体のスケッチもしておいた。後々、海の表記に流用する予定。
 
 ∧∧
( ‥)海の名前を覚えなければ
    いけませんよと
 
  ( ‥)昨日は月の地質学の論文を
    ‐□ ぼーっと眺めていたけど
      ああ、なるほどなあ
      という感じだったよ
 
 
 

2014年4月14日月曜日

文章は任意の部分を無駄なく広げられるので

 
 マントルとマグマ、同位体という言葉が難しすぎないか?という意見が
 
 ∧∧
(‥ )出てきましたと...
\‐  
 
  (‥ )でもまあ
      大丈夫じゃね?
      ということで
      落ち着いたわけだよ
 
 そういうわけで、ままでいくことに。
 
 ∧∧
( ‥)説明すると逆に大変かもね
 
  ( ‥)地球内部が溶けた溶岩
    ‐□ つまりマグマで出来ている
      と”勘違いしている人”が
      多いことからすると
      マグマもマントルも
      そのままで良いと思う
 
 *注:地球の内部で溶けているのは原則的に鉄で構成された核の部分(それも外部)だけで、他は全部固体である。マントルはカンラン岩を主成分としており、立派な岩石だ。つまり地球内部は溶岩やマグマではない、ということ。
 
 **反対に地球内部は溶けていると思っている人が多いらしいことからすると、「地球内部はマグマではない。マントルはカンラン岩である。マグマは次のように水の作用で出来る。それゆえに火山活動は非常に偏った地域で起こるし、それが中米を作り上げ、最終的に北米と南米を地続きにした」と説明すればそれで充分でしょう、という意味。
 
 その一方で、
 
 同位体は、説明したらむしろ訳が分からなくなるので、こちらは説明自体を省略。そういうのがあるよ、とだけ述べれば問題なかろう。
 
 ∧∧
(‥ )説明するなら、
\‐  同じ元素でも
    化学的性質は同じだが
    重さの違うものがある
    それが同位体
 
  (‥ )その説明で世間の人が
      納得するのか
      そもそも理解できるのか
      理解するにしても
      何をどう理解したと
      感じるのか?
      そこが問題になるよね
 
 それをするよりは、同位体ってものがあってね、それを調べると絶滅動物が何を食べていたのか? それを知る手がかりが得られるよ。と言えば
 
 ∧∧
( ‥)同位体ってのはなんか知らんが
    便利なアイテムだ
    と思ってくれると
 
  ( ‥)説明してもいいけど
    ‐□ 説明したら
      500文字ぐらい
      とられちゃうからね
  
 同位体、なら3文字だが、説明の500文字は大きい。
 
 もちろん、そういうのは本来、基礎も踏まえて説明するべきだけども、それはやや専門的な本でやるべきだろう。今回の企画はそうじゃない。
 
 *それに考えてみれば、同位体は学校の授業でやったよね。
 
 ああ、そういえば最近、ネットで見たのである。
 
 専門用語に逃げようとする物書きがいると。
 
 ∧∧
(‥ )反対に、専門用語を使わないと
\‐  不正確になるよ
    という人もいますよね
 
  (‥ )実際はどっちも言える
      ことでな
      実のところ
      専門用語の問題じゃ
      ないともいえるよね
 
 専門用語は、概念や理解や仮説につけられた名前でしかない。言って見れば省略なので、省略である限りは、使用にはわずかではあるが曖昧な部分が自動的に含まれる。
 
 ∧∧
( ‥)通常は問題にならないの
    ですけどもね
 
  ( ‥)理解があいまいな奴が
    ‐□ 専門用語を使うとな
      これがめちゃくちゃな
      ことになるでな
      ごまかしどころか
      嘘になってしまう
 
 とはいえ、しかし、専門用語は省略ではあるが、本来は理解に必要な概念や仮説でもある。そうである以上、専門用語を使わないとなると、説明自体が間違いになる。
 
 ∧∧
( ‥)専門用語を使って知った気に
    させることもあれば
    難しい専門用語を使わない
    ことで知った気にさせる
    こともできるのだと
 
  ( ‥)でもどっちも不正確という
    ‐□ 点では同じなのでね
 
 そういう意味では、専門用語の使用の有無は、それ自体では正しさとも正確な理解とも関係ないと言える。
 
 ∧∧
(‥ )今回のあなたの処置は
\‐  わずかな専門用語だけにして
    説明を省略したということ?
 
  (‥ )文章は展開しようと思えば
      どの部分もいくらでも
      広げることができるのだ
 
 冗長にするとか余計なことを付け加えるとかではない。そういうこと一切抜きにして、必要不可欠な部分を説明していく。それだけでも文章は、その任意の部分をいくらでも広くする事が出来る。
 
 しかし文章量が有限である以上、どこでもいくらでも広げられるわけではない。
 
 ∧∧
( ‥)今回は同位体という
    単語に関しては
    こういうのがあるよ
    それを調べれば
    分かる事があるよ
    それだけを述べて
    別の場所を広げましたと
 
  ( ‥)肝心なのはその絶滅種が
    ‐□ 何を食べていたのか?
      だからな
      広げるべきはそこだよね
  
 
 文章は任意の部分を無駄なく広げられる。そうである以上、専門用語の使用の有無は問題の本質ではないだろう。
 
 
 

それは考えて作られた間違いでしかない

 
 その人物はネット上の掲示板で、隕石衝突でクレーターが出来る、そして隕石衝突で火山噴火が引き起こされ、クレーターの中央に丘が出来るのです。そう力説したのであった。
 
 ∧∧
(‥ )クレーターの中央には
\‐  丘や山がぽつーんと
    出来てることが
    あるからね
 
  (‥ )でもあれって、
      隕石衝突の爆発とその反動で
      できるんだよな
 
 実際、人類が実験によって作ったクレーターでそういう丘が出来た時、それは衝撃によって地下の粘土層が盛り上がったものだった。明らかに火山活動ではない。
 
 そして天然のクレーターの構造もそうなっているのである。地下の堆積物が全部、上へせり上がっているのだ。
 
 つまり、冒頭の意見を述べた人物が、この事実を知らないことは明らかだったし、そういう本を読んでいない事も明らかだった。
 
 そもそもクレーターについて書かれた本は日本語には事実上、一冊しかない。しかしそこには”粘土層の盛り上がり”という事例がちゃんと紹介されている。このことを考えると、冒頭の人物はクレーターに関してまったく調べることすらしないまま、たった1冊の文献を読むことすらしないまま、勝手な思いつきを自信満々に述べたことは明らかだった。
 
 つまり、冒頭の主張は考えて作られた間違いでしかないのである。
 
 さて
 
 ネットで見た言葉に曰く。
 
 考えるな調べるんだ。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、そりゃあそうでしょうね
\‐
 
  (‥ )確かに、考えるという
      行程は大事なんだけどね
 
 だが、考えるという行程は、「こうじゃないか?」というあたりをつけるだけの作業だ。言って見れば、調べるために考えているだけでしかない、とも言える。
 
 ∧∧
( ‥)考えて”分かること”など
    ごく少ない
 
  (‥ )というか科学ではないね
      数学だろうね
 
 いや、数学ですらないんだろう。数学だって様々な思いつきを発明品として付け加え、そうして革新的な進歩をしてきたのだ。0、マイナス、無理数を表示する√、虚数、複素数、筆算、小数点、大容量の計算を可能ならしめる対数、微分、積分、無限を扱う際の新しい決まり事。
 
 これは、単純に論理的に考えたという結果ではあるまい。
 
 仮に単純に論理的に考えてこのような発想が発明されるというのであれば、ではなぜユークリッドの幾何原論では二次方程式を充分に解けないのか? なぜ天才たるアルキメデスは芸術的とも言える、しかしその場限りの技巧を使った積分と微分の証明しか出来なかったのか? なぜニュートンは自ら微分積分の基礎を作りながら万有引力の証明にそれを使えなかったのか?
 
 考えて出来るなら、全部を理路整然と導いてもおかしくないだろう。
 
 考えれば論証できるというのなら、ではなぜ人は0やマイナスや微分、積分、虚数に疑いの眼を向けたのか?
 
 ∧∧
(‥ )論理は発明を産まないって
\‐  ことですかね?
 
  (‥ )それを考えるとだな
 
 時々、いるではないか。自分は考えたよ、自分は考えて成果を出したよ、考えることこそが大事だよ。
 
 まあ、言うのは勝手だが、以上を踏まえると、どうも不安を感じてしまわないか?
 
 つまり
 
 お前の言っているその成果と業績とやらは、本当に成果なのだろうか? 
 
 実際には、ずっと底辺をのたうちまわって、その事実から逃れるために、自分は考えたから大丈夫だ、そう虚勢をはっているだけではないのか?
 
 本当にお前の成果は成果なのか?
 
 それにひょっとしたら
 
 お前の業績はただの嘘っぱちじゃねえのか? 冒頭の人間が調べもしないで考えた故の間違いを、堂々と主張してしまったように、お前も知らぬままにそれをしているのじゃないのか?
 
 ∧∧
( ‥)その懸念を考慮せよと
 
  ( ‥)考えただけでは
    ‐□ それが正しいとしか
       思い込めなくなるのでな
 
 考えた正しさは、その正しさを保証してくれない。
 
 それゆえ、考えた時間を誇示して自分の意見の正しさを正当化したり、考えの論理性を誇ることで正当化することは、あまりにも危険すぎる。




 
 

2014年4月13日日曜日

因果関係は判定できず、雑な詭弁を義憤にかられて語る

 
 ∧∧
( ‥)どう思います?
 
  ( ‥)そうねえ
    ‐□
 
 その人は、原発がぱーんした時に言ったのである。大変なことになる、なぜ日本人は逃げろと言わないのか? と
 
 ∧∧
(‥ )まあ、パニックですかね?
\‐  もちろん、本人は
    落ち着いているわけだけど
 
  (‥ )少なくとも本人は
      日本にいなかったわけでね
      まあ、義憤であるな
 
 もちろん、義憤であるから駄目だ、でもないし、義憤であるがゆえに良し、でもない。この宇宙は義憤とは無関係に運行している。
 
 ともあれ
 
 子供たちを検査したら腫瘍らしきものが見つかった、と報道された時、彼は天にも舞い上がる勢いで、朗々と日本の窮状と、それを招いた日本人の愚かしさを糾弾したのであった。
 
 ∧∧
(‥ )問題があるとしたら
\‐  そもそもの話が
    比較の無い話だった
    そこですかね
 
 (‥ )例えばの話
     タバコ工場がぼーぼー燃えた
     その翌年、その町で
     厳密に診断したら
     肺がん患者が
     見つかりました、では
     どうにも因果関係を
     述べることが出来んのでな
 
 比較した時に統計的に多いか少ないか、そうでないと原因と結果を求めることはできない。
 
 ∧∧
(‥ )でも、この人は
\‐  確率的にこんなことがあるから
    日本人はもっとこうするべきだ
    そう述べたりも
    するのですよね
 
  (‥ )統計と確率ってのは
      似ているけども違うし
      それに、言葉は所詮は
      言葉なのでな
 
 その言葉をどんな意味でその文脈において使っているのかが問題になる。
 
 まれな事故も行程の数が多く、時間があれば確実に起こる、それゆえに、という話であれば正論だ。しかし、彼の論はそうではなかった。
 
 そうである限り、彼の主張、つまり、まれであっても事例が起こりうるとは、必ず起こるということだ、だからするべきだ、とは、まれなことを普遍的に見せる詭弁だろう。
 
 あるいはこう言えば良い? 小さなカテゴリーに大きなカテゴリーを押し込んで、部分集合を全体集合に見せかけて主張を粉飾していると。
 
 ∧∧
( ‥)でも彼は義憤で語りますよ、と
 
  (‥ )以上をまとめると
      めちゃくちゃ危険人物
      なんだよな
 
 因果関係を判定する能力がないのに、名詞の包含関係を破綻させた雑な詭弁を義憤で語る。
 
 要するにこれは根拠も無い事を、良かれと思って押しつけることに他ならない。
 
 
 

月齢12の月とワルゲンチン

 
 月齢12の月をスケッチしてアップ=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )月齢12のお月様って
\‐   見所が色々とあるね
     見る場所多くて
     困っちゃうくらい
 
  (‥ )多分、盾状火山の
      リュンカー山
      アリスタルコス高原と
      シュレーターの谷
      溶岩で満たされた
      ワルゲンチン・クレーター
      色々だよね
 
 
 ∧∧
( ‥)見所は火山が多いけど
    地球とまるで違う世界
 
   ( ‥)リュンカー山
     ‐□ 見た目からして
       ぺちゃんこだけど
       高さ300メートルしか
       ないらしいのだよな
 
 月を見れば一目瞭然だ。地球における成層火山のようなもの、例えば富士山とかキリマンジャロのような高い火山がまったくない。
 
 ∧∧
(‥ )火山活動が地球とは
\‐  全然違っているという
    ことであると
    そもそも現在は火山活動を
    停止していること自体、
    地球と大きく違うところ
    ですけども
 
  (‥ )そして違いを見れば
      単純に言うと溶岩が
      非常に柔らかいって
      感じだよね
      地球の火山のようには
      爆発しないし
      噴出物が堆積して
      成長することもない
      そういうことに見えるね

 
 月の海(玄武岩溶岩が流れてできた地形)は非常に平らだし、幾つかある火山の標高がどれも低いことも、そういうことなんだろう。
 
 シュレーターの谷だって溶岩が流れた跡だという。地球にもそういった、溶岩で浸食された谷があるが、月のものは規模が段違いに大きい。望遠鏡を使えば、地球から見えるくらいなのだから。
 
 ∧∧
( ‥)月のマグマは地球のものと
    違って温度がずっと高かった
    そうですよね
 
  ( ‥)まあ、そもそも水がない
    ‐□ わけだからね
      月でマグマが流れると
      したら
      そりゃあ岩石の融点を
      越えているはずだからな
 
 *水がないから融点を越えているはず。現在の地球におけるマグマは水の作用で融点が降下して出来るので、実は岩石の融点以下の温度だ、という意味。反対に、融点以上であるべき月のマグマならそりゃあさらさらでしょう、ということ。
 

 ∧∧
(‥ )それなのにワルゲンチンさんは
\‐  あふれんばかりに
    内部がマグマで一杯
    なぜでしょうね?
 
  (‥ )なんだろうねえ?
      もれてもおかしくないと
      思うのだけどな
 
 考えてみればおかしな話だ。クレーターの縁、というのは隕石衝突で地層がひっくりかえされて出来たものだ。どう考えても断層、というか割れ目だらけだろう。実際、月には水没したかのようにマグマに没してしまって、今では輪郭しか残っていないものがある。
 
 ∧∧
( ‥)いかにもクレーターの縁の
    隙間を通って
    マグマが内部に侵入してきた
    ように見えるのですけどね
 
  ( ‥)なんでワルゲンチンは
    ‐□ ぱんぱんなんだろうな?
      
  
   

2014年4月12日土曜日

タンブルウィード

 
 ∧∧
(‥ )回転草がアメリカで
\‐  大発生
 
  (‥ )ああ、西部劇で
      風に吹かれてころんころん
      転がってる奴か
 
 枯れてボール状になると、風にふかれて転がって、そうして種子をばらまくという草。そういう話を昔、聞いた事がある。
 
2014年、今年の騒動というと、1月29日に投稿された、このニューメキシコのものがそうだろうか=>Tumbleweeds bury New Mexico town - YouTube
 
2013年11月のもの=>Tumbleweed storm in rush - YouTube
 
子供がハイテンションだ=>Tumbleweed Invasion - YouTube
 
 
  ( ‥)回転草か
      英語でなんていったっけ?
      子供の頃に読んだよな
      ...ダルドンウィード?
 
 ∧∧
( ‥)tumbleweedだね
\‐  タンブルウィードですよ

 記憶はあいまいだ。ウィードしか合ってない
 
 
  (‥ )いや、ダとタで冒頭は
  ‐   どちらもタ行
 
 ∧∧
(‥ )はいはい
\‐  ウィードは雑草
    タンブルはタンブラーと同様
    倒れる、転がる
    ごちゃごちゃ詰め込むの
    意味だね
 
 英語も分からずに、しかも”ダルドンウィード”なんて覚えていると訳が分からないが、正しいスペルを見れば名前の由来は理路整然と即物的だ。辞書にも書いてある。tumbleweed 回転草、であると。
 
 

 

月齢11の月


       ○
  
 ∧∧ 月のスケッチをして〜♪
( ‥)
 ‐( ‥)はいアップー
   ‐□
 
2014年4月12日、月齢11の月=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )まだ月の地質学を
\‐  うんぬん出来るような
    レベルではないね
 
  (‥ )まあ、まずは全体の
      俯瞰から始めないとな
 
 いつも思うが、人間、おしゃれにやろうとすると破綻するものだ。
 
 ∧∧
( ‥)何事も、まずは地道に、ですか
 
  ( ‥)特に全体像を見回すのは
    ‐□ 大事だよね
 
 2014.04.12 6:30に以下追記
 
 ∧∧
(‥ )クレーター・シラーは
\‐   火山活動で出来た、という
     解釈があったのですね
 
  (‥ )まあ、えらく細長くて
      変な形をしているからなあ
      カルデラじゃないか?
      そう考えたみたいだね
 
 現在ではどうも否定されたようなのだが、詳しいことは分からない。クレーター・シラーの周辺は地質的にかなり興味深い場所のようである。
 
 ∧∧
( ‥)分からないことだらけですね
 
  ( ‥)しかし、
    ‐□ このようなところから
       理解を作っていかないと
       興味は長続きしないの
       だろうなあ
 
 月面に限ったことではないが、珍奇な地形を見て、おおーと言っているだけでは、やがて飽きてしまうだろう。なんたら百景なんて、100を全部見終わったら、それで終わりである。
 
 ∧∧
(‥ )でもこの地形はなんだ?
\‐  と考え始めると
    あるいは調べ始めると
    途端に世界がパズルになる
 
  (‥ )世界が謎になり
      世界は謎を語りだすのだ
      地形が謎を語る
      そう言っても良い
 
 なんとか百景では、こうはいくまい。
 
      
 
 

2014年4月11日金曜日

海辺の不法投棄

 
 そういえば、先日、神奈川県は三浦半島で星を見に行った帰り、バス停に戻る途中の道ばたで大量のCDが捨てられているのを見たのであった。いわゆる不法投棄である。

 ∧∧ 同じ銘柄だね
( ‥)
 ‐( ‥)2、3種類混ざってるが
      同じ銘柄が大量に
      段ボール箱ごと
      捨てられてるなあ












 
 海岸で星を見る数日前には雨が降っていたし、そのせいもあってかなにか湿っているような見た目だ。ジャケットがやや退色していることからすると、そこそこな時間放置されていたものなのだろう。手前のものは女の子3人組だが、大量にあって一番目についたのは、どうも女の子が8人、赤と青を基調にした、カラフルな衣装で並んでいるらしきものだ。
 
 調べてみたら、AKB48の「ハート・エレキ」劇場版、というものらしい=>https://www.google.co.jp/search?q=akb48%E3%80%80ハート・エレキ%E3%80%80劇場版&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=meBHU9fkD5KC8gX4sIKIDg&ved=0CAYQ_AU…

 
 ∧∧
(‥ )CDに握手券とやらが
\‐  ついてくる、そういう仕組み
    でしたっけ?
 
  (‥ )そんなだな、
      だからCDを必要以上に
      大量に買う人がいる
      そういう話だったが...
 
 まあ、いらないものは場所も取る。遅かれ早かれ、廃棄せざるをえないのだろう。

 
 いや、でも、なぜ不法投棄?
 
 ∧∧
( ‥)分別がめんどくさいとか?
 
  ( ‥)どうだろうね?
    ‐□ 可能性はあるかな
 
 星を見に行くために道を歩いている時、街灯下のゴミ箱の札にびっちりと何か書かれているので好奇心にかられて見てみると、やたらと細かくゴミが分別されているのであった。同じ紙製品でも3つぐらいに分けられているっぽい。これはいかにも面倒くさい。
 
 ∧∧
(‥ )でもCDを捨てるのって
\‐  そんなに難しいのですかね?
    
 
  (‥ )あるいは、出すこと自体が
      恥ずかしかったのかな?
 
 人が少なければ。誰が何のゴミを出したのか、それが分かってしまう場合もあるだろう。実際、そこではないが、そこから5、6キロ離れた住宅街のゴミ箱では、番号が違う人は出さないでください、と注意書きが貼られていたのであった。
 
 ∧∧
( ‥)特定されるのが
    いやだったと?
 
 (‥ )エロ本が訳分からない場所に
     どかっと捨てられているのと
     理屈は同じかもね
    
 

二つの球状星団

 
 先日、海へいって撮ってきた球状星団の写真を上げる
 
M13=>Untitled Document

M92=>Untitled Document
  
 
 ∧∧
(‥ )頼りない写真だけど
\‐ 
 
  (‥ )だが少なくとも
      星団の位置は分かる
      こういうの把握しないと
      天体は探せないからね
 
 後、複数の画像を重ねることでより、具体的になるのはありがたいし、そもそもこういうことが出来るのは嬉しいものだ。
 
 ∧∧
( ‥)天球の大きな領域を
    撮影した画像をつなげるのは
    困難だからね
 
  ( ‥)天球、というか僕らを
    ‐□ 360度取り囲んでいる
      視界は球面だからな
 
 それに対して画像は平面でしかない。球面を平面にした画像を平面でつなげる。広い領域を撮影した画像を結合すると、どうしてもゆがみと食い違いが生じる。
 
  ( ‥)だがここまで画像の
    ‐□ 領域が狭いと苦労は
       ないなあ
 ∧∧
( ‥)事実上の接線というか
    ほぼ平面に近似出来るくらい
    狭い領域だからね
 
 さてもさても
 
 ∧∧
(‥ )あとどのぐらい休みます?
\‐
 
  (‥ )そうねえまだやることも
      あるし、
      一方ではやらねばならない
      こともあるわけだ
 
 まあ、休み休み考えよう
      
 
 

2つの人工衛星

 
 散歩に出てみると、星空はきれいだったらしい。
 
 らしい、というのはもう3:30になっていたからで。
 
   先日の経験からすると
 ∧∧ 天の川がかき消される明るさ
( ‥)
 ‐( ‥)まあ、もともと町の明かりが
      強烈なここらでは
      あまり関係ないけども
 
 金星が地平線の向こうから、分厚い大気を貫いて、赤く鈍く輝き始める時刻、すでに空は太陽の影響が出始めてかすかな天の川は搔き消えてしまう=>hilihiliのhilihili: 明るい灰色の空に天の川を見た
 
 しかし、そもそも明るい星しか見えないここらでは、朝の影響を感じるほどに空が明るくなるには、まだ少し時間がかかるのだ。
 
 そして風が強いせいか、意外にも星はきれいだった。天頂にさしかかったヘラクレス座も、一応、形が分かる。
 
 ∧∧ 強風でかすみが飛ばされた?
( ‥)
 ‐( ‥)かもしれないね
 
 へびつかい座も形が...まあ、分かる。へび座も一応、りゅう座も。
 
    結局、きちんと形が見れたから
 ∧∧  なんか分かる、だよね
( ‥)
 ‐( ‥)仮説や理解があらかじめ
     ないと、把握できない
     そういうことだね
 
 やはり、きれいな場所で星々を見ないと、理解には限界がある。
 
 反対に、きれいな場所で星を見れば、星の配置がきちんと把握できるようになる。
 
 そういうことらしい。
 
 眺めていると人工衛星を見た。4時を少し過ぎた頃合い、4:16までの間のどこかの時点だ。西に傾きはじめたうしかい座とかんむり座を北西の空から通過して、へびつかい座のイェドプリオルをかすめて南の空へ消えていった。
 
 どういうわけか2つの光点が前後に連なって移動していくのである。2つの点の角度は腕を伸ばした時のひとさし指、2関節分ぐらい
 
 ∧∧
(‥ )5度20分ぐらいだね
\‐
 
  (‥ )前の点の位置を
      後ろの点が通過するのに
      15秒ぐらいかな
 
 同じ速度で、しかも同じ直線上を動くという事は、同じ軌道上に投入されている、ということなのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それって何よ?
 
  (‥ )さあ? なんだろうね
 
 
 
 

2014年4月10日木曜日

ヘルクレス座とエルタニン

 
 ヘルクレス座のコンテンツを作る=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )12星座以外のコンテンツを
\‐   作るのは仕事とは
     関係ないんですけどね
 
  (‥ )まあなんだ
      なんとなくだね
 
 我が家の周辺ではヘルクレス座はほとんど見る事ができない。6つの星が作るHを横倒しにしたような姿と、これ、へびつかい座の星じゃね? と思うくらいにはずれた場所にあるα星ラスアルゲチだけである。
 
 ∧∧
( ‥)でも先日、海で見た
    ヘラクレス座は
    印象的でしたよね
 
  ( ‥)春の星座ってあまり
      明るい星がないんだよな
 
 しし座のレグルスは1.4等星で、そんな明るくない。おとめ座のスピカも1.2等で同様、うしかい座のアークトゥルスだけが0.2等で気合い入っているけども、他は明るさに関して言えば、ぱっとしない星々が輝いている。
 
 ∧∧
( ‥)代わりに賑やかですけどね
 
  (‥ )秋のように寂しくは
      ないんだよね
 
 そういううわーっと賑やかに輝く群衆の中で、なぜかヘルクレス座だけがちょっと暗く見えた。中がすっぽり抜けたような巨人の星座。
 
 ∧∧
(‥ )ヘルクレスさんは...
\‐  メソポタミア文明の
    マルドゥク神と関連が
    あるって言うよね
 
  (‥ )どっちも海、あるいは
      水の化け物と戦って
      打ち倒しているからな
 
 ただ、これはあくまで神話の類似性だ。星座が対応するのかどうかは分からない。確かにヘルクレス座は図像的には北極星を廻るりゅう座の頭を踏みつけているけども。
 
 ∧∧
( ‥)でも一般的に
    ヘルクレスさんが倒した
    水の怪物ヒドラは
    春の星座とされる
    うみへび座だよね
 
   ( ‥)メソポタミアでは
     ‐□ ヘルクレス座は巨人とは
       認識されていなかった
       みたいだけども..
 
 さて、どう考えるべきなのか
 
 ちなみに、ヘルクレス座の足下に頭がくる、北天の星座、りゅう座。そのまさに頭部にある星、りゅう座γ星エタミン(先のリンク先の冒頭の画像左を参照=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )あるいはエルタミン
\‐  あるいはエルタニンだね
 
  (‥ )りゅう座ガンマ星
      すなわち
      ガンマ・ドラコニス
      Gamma Draconis
      固有名はエルタニン
      ル・グインの小説
      辺境の惑星の舞台で
      幻影の都市における
      主人公の母星の太陽
      だよね
 
 エルタニン

 ル・グインのつむぐ物語において、この星を太陽とする惑星に人類が入植した時、彼らが直面したのは、この惑星はエルタニンを一回りするのに地球年にして60年を費やすという事実だった。つまり四季の長さも地球の60倍。15年の春、15年の夏、15年の秋、そして15年の冬。
 
 ∧∧
( ‥)15年の冬の到来を前に
    南下する北方民族と
    その襲来に対抗するべく
    ついに同盟を結んだ
    地球人と現地人、そして
    その二人の男女を描いた
    小説だよね
    サンリオ文庫版では
    漫画家の竹宮恵子さんが
    きれいな表紙を描いてました
 
  ( ‥)幻影の都市はその惑星で
    ‐□ 文明を再建した人々が
      ついに宇宙船を建造し
      自己欺瞞の種族シングに
      支配された地球に
      やってくる話だったけども
 
 ル・グインは「ゲド戦記」シリーズで有名だけども、銀河と星々を舞台にした話、ハイニッシュ・ユニバースのシリーズも書いている。辺境の惑星と幻影の都市は両者の間に数百年あるいは1000年の時間差があるが、祖先と子孫を描いた作品でもある。
 
 ∧∧
(‥ )ヘルクレスさんの足下に輝く
\‐  りゅう座のこの星が
    舞台になっているわけだね
 
  (‥ )ヘルクレス座から話が
      ずれちゃうけども
      ガンマ・ドラコニス
      エルタニンと聞くと
      連想が広がって
      しまうのでな
 
 

へび座の球状星団

 
 hilihiliのhilihili: 明るい灰色の空に天の川を見たの続き
 
 ∧∧
(‥ )でっ、ちっちゃなデジカメで
\‐  お星様の写真を撮っていたら
    球状星団も撮影できましたと
 
  (‥ )まあ、ものすごく頼りない
      写真なんだけどね
 
 HPのコンテンツ=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )メシエ天体5番
\‐  M5 へび座の球状星団だね
 
  (‥ )ヘルクレス座のM13が
      写せるのは確認済みだった
      わけだけど
      へび座のM5が写せるとは
      意外だったな
 
 もちろん、神奈川の中央にある我が家の周辺では無理だろう。
 
 ∧∧
( ‥)というか我が家では
    へび座が見えないからね
 
  ( ‥)星が見えないとさ
    ‐□ 赤道儀とかで座標を
      入れてやるとかなら
      ともかく、
      もうお手上げなんだよね
 
 へび座はさそり座の少し上にある星座で、本来はへびつかい座の一部であったものだ。
 
へび座のコンテンツも簡単に制作=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )へびつかい座には他にも
\‐  明るい球状星団が
    あるらしいじゃないですか
 
  (‥ )その撮影はまた次回だね
 
 とはいえ
 
 ∧∧
(‥ )でもほんと、
\‐   この画像は、
     はかなくて頼りない
     ですよねえ
 
  (‥ )だけど、星団って、
      肉眼で見ると
      こんな感じだがな
 
 もちろん、ちょっと大きな口径や空の条件が違うとまた変わってくるわけだけども。
 
 

明るい灰色の空に天の川を見た

 
 水曜日の朝は三浦半島の海岸を延々と歩き続けていたわけだけども
 
 ∧∧
( ‥)でも、出かけたのは
    火曜日の夜から
    なのだよね
 
  ( ‥)月曜の打ち合わせの
    ‐□ 帰りに星を見て
      また星を見たくなったのだ
 
 つまりこの話は時系列的には、水曜日の朝から昼にかけて海岸を歩き通して貝殻を拾ったhilihiliのhilihili: 4月の重油騒動の前、火曜日の夜から水曜日の明け方まで、にあたる。
 
 人の少ない場所までいくと、灯りがないので星は非常にきれいに見える。しかし、当然、夜にいかねばならなぬ
 
   やってきました
 ∧∧ 三浦半島22時
( ‥)
 ‐( ‥)半島は交通の便が
     良くなくてね
     この時間を過ぎると
     バスが終わっちゃうからね
 
 いや、10時にバスがあるだけでも大したものだと言える。
 
 しかし、そのバスも最終目的地の手前で運行を終了したので、そこから1〜2キロを歩く、途中、警察のパトカーがスピードを落として、こちらをうかがっていた
 
 ∧∧ 怪しまれてるね
(‥ )
 ‐( ‥)そりゃこんな時間に
      こんなところを
      歩く奴はいないからな
 
 もっとも、最終地点で降りたのは自分以外にももう一人いたので(どうも始業式を終えた高校生らしい)、それを考えると、ありえないわけではないのだろう。パトカーもスピードを上げて走り去っていった。
 
 通行人は誰一人としていないが、代わりに自動車やバイクとは意外にすれ違う。いや、むしろこちらを追い抜くのだ。前からはこない。みんな、東京方面からの帰宅者なんだろう。
 
 海岸についたらついたで、まず先客がいた。バイクとテント、さらに明け方までの間に2台の車がそれぞれ来て、テントを張った。一台はどういうわけか1時間程度で帰ったが、あるいは別の場所へ移動したのかもしれなかった。
 
   
 ∧∧ なんか賑やかだね
(‥ )
 ‐( ‥)皆さん、朝釣りか何かかな?
 
 夜空は、あまりかんばしいものではなかった。まず、半月が出ていてふたご座の近くにある。神奈川の中央だと半月の明かりは別に深刻には感じない。なんでかというと元々、都市の明かりが強すぎて、半月の明かりがまぶしくは感じないのだ。
 
 だが、三浦半島までくると、半月は、これがぎょっとするほど明るすぎた。沈みかかったふたご座と輝く木星の脇にある月は、空の3分の1近くを明るく塗りつぶしている。













 
   まあ、これは最初から 
 ∧∧ 承知の上ですが
(‥ )
 ‐( ‥)とはいえ、暗い場所では
      月明かりの深刻さが
      これほどとはね
      初めて知ったよ
 
 もちろん、月は半月(上弦の月)であるから間もなく日付が変わる時間、西空にすでにかかっている。月が沈むのはざっくりいって夜半過ぎ、それから朝まで暗い時間が充分にあるはずだ。
 
 しかし、月が沈んでも夜空が妙に明るい。手をかざすと、自分の手が真っ黒な影になって見えるし、手と服の色が違うということもなんとなく分かる。そのぐらい明るい。
 
 ∧∧
(‥ )でも、お星さまは
    ちゃんと見えてるよ
 
  (‥ )透明度が悪いのかな?
 
 空は闇ではなかった。明るく感じる灰色だ。だのに、星は見えていた。ヘルクレス座やへびつかい座をきちんと見たのはずいぶん久しぶりだし、明け方には夏の星座たちと天の川が、さらには続くやぎ座が水平線から上がってくるのを見ることができた。神奈川の中央ではどれも見れないものである。
 
 ∧∧
(‥ )でも、どうも水平線近くでは
    星が全然見えないみたい
    ですね
 
  (‥ )透明度が悪いのなら...
      星が見えるのに明るい
      これが説明できるよね
 
 明かりがあれば星は負けて、かき消えるが、空がかすんでいるだけなら、星はかすみを照らすものの、見えるだろう。
 
 実際、明け方になって相模湾側に出てみると、17キロばかり先にある江の島は、まあ見えるのだが、そこから先と、さらには富士山が全く見えなかった。空気の透明度が悪いのだ。
 
 ∧∧
( ‥)明るく見えるのも、
    絶対的には暗いので
    目が敏感になって
    いるせいだろうね
 
  ( ‥)確かに、デジカメの
    ‐□ 光が堪え難いほどに
      まぶしいのだよね
      敏感だから夜が灰色に
      見えているけども
      実際には暗くて、
      単にかすんでいるだけ
      なんだろうな。
 
 空全体が白く明るく、まるで光に照らされたように感じるのに、天の川が見えるというのはそういうことなんだろう。東の水平線から昇ったいて座から発する銀河は、織り姫と彦星をへだてて、はくちょう座がその中を飛んでいた。
 
 夜空が闇と光というコントラストを失ってしまった、そう言えば良いか。
 
 灰色ではあるが、暗いだけに色々なものを見た。 
 
 流星は5つ以上、流れたと思う。5時間も寝転がっていれば、そのぐらいは見ることができる。だが、暗いものもあったから、家の近くでは見えないものもあっただろう。流星群ではないから向きはばらばらだ。だが2つぐらい見事なものがあった。
 
 ∧∧
(‥ )人工衛星も飛んでるね
 
  (‥ )暗い光も見えるせいか
      興味深いな
 
 ぴかぴか、ぴか ぴかぴか、とリズムカルに、しかしやや複雑な拍子を打つような感じで光るものがあった。なんというか、不思議と尺取り虫を連想する光り方だ。
 
 あるいは、ぴかーー とフラッシュのような輝きも見た。時々、夜空で見る得体の知れない光で、しばしばそれっきりな代物だが、よく見ると、非常に暗いが動いていく人工衛星の光が見えた。やはりどうも、向きによって反射が変わる、増光が極端な人工天体らしい。
 
 ∧∧
( ‥)我が家の周囲では
    気づけなかったでしょう
 
  ( ‥)時々、夜空で見る
      フラッシュのような光は
      これなんだな
 
 多分、人工衛星だろうと思っていたけども、なるほど、それを確認できたのはやはり暗い場所のたまものだ。
 
 中間的なものも見た。猛烈に輝く時もあるが、一定の調子で暗く何度も明滅を重ねる人工衛星。ひょっとしたら回転しているのだが、一部の面がこちらの見る向きに応じて強く光を反射しているのかもしれない。
 
 明け方、なにかちょっと明るいな、と思ったら、途端、見る見るうちに天の川が搔き消えていった。時間にすると3時30分から40分までのごく短い時間。
 
 ∧∧
(‥ )朝までまだだし
    空は青くもなってないし
    こんなわずかな増光で
    天の川は消えちゃうんだね
 
  (‥ )驚いたね
     こんなに淡い光だったのだ
 
 星はあっという間に次々に消えていき、星座はたちまちその形が分からなくなった。
 
 
 hilihiliのhilihili: へび座の球状星団へ続く
 
 

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