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2015年1月31日土曜日

ロジカルシンキングとは死者の服飾

 
 人は死ぬ
 ソクラテスは人である
 ゆえにソクラテスは死ぬ
 
 ∧∧
(‥ )単純な演繹の例だね
\‐ 
 
  (‥ )論理とは本来
      こういうものだな
 
 BはAである
 CはBである
 ゆえにCはAである
 
 よりよく言えばこう
 
 BはAに含まれる
 CはBに含まれる
 そうである以上、CはAに含まれる
 
 ∧∧
(‥ )問題はこれだと
\‐  経験的な事柄を
    まったく導きだせない
 
  (‥ )昨日も今日も朝が来た
      ゆえに明日も朝が来る
      論理では
      こんなことは言えないのだ
 
 昨日、太陽が上り朝が来た
 しかるに
 昨日は明日を含まない
 そうである以上
 明日、朝が来るとは言えない
 
 ∧∧
( ‥)論理は明日の朝のことすら
    述べることができません
 
  ( ‥)そこで登場するのが
    ‐□ 帰納だな
 
 昨日、朝が来た
 今日も朝が来た
 ゆえに明日も朝が来るだろう
 
 これまでの経験を一般化して、これまで経験したことが無い事柄までその延長線で語ってしまう
 
 これが帰納
 
 ∧∧
(‥ )この推論は論理的には
\‐  まったく正当化できない
 
  (‥ )まあめちゃくちゃだね
 
 
 言い換えれば、論理は必要ではあるが、論理的に生活する、というのは無理だということでもある。演繹では明日、朝が来ることすら結論できないのだ。これでは生活など不可能だ。
 
 つまり以上から明らかなように、日常生活でも、ビジネスの世界でも演繹と帰納、この両方を使うことが必要なのです。つまり、論理とロジックとは経験と知性の複合です。演繹と帰納を縦横無尽変幻自在に....
 
 ∧∧
(‥ )などというのは
\‐  いかにも浅はかな結論で
 
  (‥ )演繹と帰納だけでは
      やはり
      話にならんのよね
      例えばだ
      資料と書籍、
      遺跡などからすると
      ナポレオンは実在した
      この推論は
      帰納でも演繹でも
      正当化できない

 こんなことすら帰納と演繹では扱えないのだ。
 
 いや、正当化はできるのかもしれない。
 
 この本に書いてあることは事実である
 この本はナポレンについて言及している
 ゆえにナポレオンは事実である
 
 ∧∧
( ‥)それって論理的に
    表現しただけで
    ナポレオンの実在を
    証明したわけじゃ
    ないんじゃね?
 
  ( ‥)困ったことに
    ‐□ 本に書いてあることが
      すべて事実ではない
      これは
      経験的に確かでな
 
 そうである以上、以上の論理は採用されないだろう。
 
 そして帰納法でもナポレオンの存在は正当化できまい。帰納法ではおそらく、この世界の本はナポレオンに言及している、と主張できるだけだ。いや...実際には、ナポレオンについて書いた本も中にはありました、という程度のことしか言えないだろう。
 
 これは実在の論証になっていない。
 
 演繹も帰納もナポレオンが存在したことを論証できない。では論証するにはどうすれば良いのか?
 
 ∧∧
(‥ )実のところ私たちは
\‐  帰納でも演繹でもない
    なんかおかしな手法で
    理解を手にしているらしい
 
  (‥ )それが仮説発見だ
 
 資料からするとナポレオンってこんな人でしょ?
 
 ごく単純な動作である。当たり前な発想だ。だがしかし、この推論は帰納でも演繹でもない。実は論理的には全く正当化できない突飛な飛躍である。
 
 演繹からみれば無謀な飛躍に見える帰納から見てさえも、仮説発見の結論は顔色が青ざめるような飛躍である。もはや異次元への旅だと言えば良い。
 

 以上を踏まえると、ロジカルシンキングというのがいかにも馬鹿っぽく聞こえてくる。
 
 彼らの言うロジックとは一体なんだろうか?
 
 演繹か? だとしたら明日のことすら分からない
 
 帰納か? だったらそのロジックとは論理的な飛躍だ
 
 仮説発見か? それは方法論ではあるが論理ではない 
 
 ロジカルシンキングとか言うけども、一体全体、どこになんのロジックがあるのか?
 
 あるいはこうである
 
 お前の言うロジックって具体的に何よ? ちゃんと言えるの?
 
 そもそもである。ロジックなんてものは、判断において必須でないのである。
 
 ∧∧
( ‥)ロジックも思考も
    知性がなくても
    解探索は可能
    そしてそれが進化
    確かにロジックは必要ないね
 
  (‥ )それはだな
      漫画を見れば分かるのだ
 
 ラノベでも良い。みんながあれやこれやでめちゃくちゃした結果から出てきたのが、あれらである。漫画やラノベ業界から見たらブラック企業なんか笑い話だ。ブラック企業が人間を燃料にして燃やしているというのなら、漫画やラノベは人生に点火して吹っ飛ばして粉みじんにしては次に点火している。
 
 ∧∧
(‥ )でもその狂気のさたから
\‐  宝石が誕生してくる
 
  (‥ )ロジカルシンキング?
      笑える冗談よな
      漫画やラノベの
      足下に及ばぬひ弱な
      死に損ないよ
 
 ロジカルシンキングと言っているようでは、なにひとつとして生み出せないであろう。
 
 だが、ここまで来て気がつくことがある。
 
 論理では正当化できぬ飛躍を、ひとつどころか無数に重ねることでついに新しいものを作り出す。
 
 それを見た以上、次のことは言える。

 論理では新しいものを生み出せない。
 
 つまり、論理的に言えば、ロジカルシンキングはなにひとつとして生み出せぬ。
 
 ∧∧
( ‥)だがこれは大いなる
    ヒントである
 
  (‥ )何も生み出せない
      いや
      何かを
      生み出してはいけない
      そういう領域がある
 
 それは安定的で巨大な組織
 
 組織は新しいことを一切してはいけない。新しいことはリスクである。皆にリスクを負わせてはいけない。事実、人生を焼き尽くして消費して燃料にするようなことを彼らはしていない。してはいけないからだ。彼らは豊かで安定的で勝ち組の人生だ。だがしかし、だからこそ彼らは何一つとして新しいものを生み出せない。
 
 いや、一切、新しいことをしてはならぬ。
 
 そしてこの事実は、何も生み出せないロジカルシンキングというあり方と極めて整合的だ。
 
 ∧∧
( ‥)つまりロジカルシンキングとは
    なに一つとして
    新しいことをしない人のための
    ものなのだと?
 
  (‥ )たぶんファッションだろ?
 
 飛躍の無い世界。
 
 いや、飛躍が許されない世界。
 
 そんな世界で何か仕事するにはどうすれば良い?
 
 毒の無いプレゼンを画期的に見せることが望ましい時、どうすれば良い?
 
 何一つとして新しいリスクを起こしてはいけない世界で、ライバルたちと競い合うにはどうすれば良い?
 
 どんなファッションを着れば良い?
 
 上司と居酒屋にいったり、カラオケにいくのは飽きた。もっとスマートに生きたいなと思った人は、さてどうすれば良い?
 
 ∧∧
(‥ )それがおそらく
\‐  ロジカルシンキングだと
 
  (‥ )暇人が窮屈な世界で
      スマートに生きるための
      ごまかしだろ?
 
 確かに確かに、組織が大きければ漫画やラノベのアイデアをパクって加工して、横取りして、それを売って大儲けできるであろう。そして事実としてそれを悪びれもせずにやっている
 
 彼ら自身は新しいものを生み出せぬ。人生を爆破して消耗するには莫大な人件費がいる。そんなものを企業は支えられない。そうである以上、新しいアイデアを生み出しては”いけない”のだ。パクって加工するのが唯一、許された道である。
 
 では? パクって加工する時に、退屈なプレゼンを画期的にしなければならぬ。どうしたら良い?
 
 ∧∧
( ‥)そういう時に着こなす
    ファッションが
    ロジカルシンキング
 
  (‥ )まあでかいと
      安泰なんでな
      そういうことにだけ
      傾注してしまうものよ
      他に出来ることも
      ないしな
 
 もちろん、安泰=無限ではない。遅かれ早かれ、組織ゆえの重みで自壊するだろう。その道はじわじわと進行する死の道だ。
 
 だがしかし、先を見据えて新たなことをすれば死の可能性はもっと高まる。改革をしてはいけない。することもできない。自分は勝ち逃げ出来る、それを信じて眼をつむるしかあるまい。
 
 そしてロジカルシンキングは原理的に新しいものを生み出せぬ。ゆえに、それが必要とされる場は、必然、新しいことが許されぬ、すべてが固定された場所となるだろう。なればそれを着こなせ。ロジカルシンキングをばっちり決めて、勝ち逃げの人生を信じて眼をつむってスマートに生きるべきだ。
 
 つまるところロジカルシンキングとは死者の服装である。人生を賭けた生者が着るようなものではない。
 
 
 

2015年1月30日金曜日

平均寿命までを1日と換算すると一月は

 
 ∧∧
(‥ )今年も30日目
\‐  明日で1月も終了
    12分の1が経過です
 
  (‥ )自分の今の年齢から
      平均寿命までの時間を
      1日24時間に
      例えて換算すると
      一ヶ月経過は
      3分30秒に該当するな
 
 ∧∧
(‥ )あまりたいしたことは
\‐  出来なかったねえ
 
 (‥ )今日は魚とフクロオオカミで
     1日が終わったよ
 
  
 
 

客観的なデータは存在しないし、ロジックは役に立たない

 
 客観的なデータとロジックを重んじる精神が企業を...
 
 ∧∧
(‥ )どう思います?
\‐
 
  (‥ )客観的なデータなど
      ありえないし
      データから
      結論を出すことを
      ロジックとは言わん
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  (‥ )絵に描いたような
      典型的な馬鹿じゃね?
 

*データというものは、こうではないか? という思いつきがあって収集するもので、客観的なものなどありえないし、客観的なものでは役に立たない。そもそも主観的な意図が無いと収集できない。
 
**データの傾向をデータから読み取る過程で必要なのは仮説発見であって演繹ではない。論理ではグラフを描けないし、グラフを描くことを論理で正当化することはできない。論理は必要ではあるが、推論の過程の多くでほぼ役立たずである。

***ロジカルシンキングとは思い込みを文法的に述べました以上のことを申し述べてはいない。つまり、ほぼ意味がない。それでもロジカルシンキングを重んずる人がいるのは、単に仲間内で格好よく思われるからだろう。飲み会やカラオケで親睦を深めようと誘う人と動機は多分同じ。
 
****同じだったら楽しい方が良くね?
 
 
 
 
 

だって他に道がないもの

 
 考えてみればなぜこう言えなかったのか?
 
 助けは必要ない。だが補助が必要だ。

 介助ではない。機械を作ってくれ。
 
 それを作ってくれるのならお金を出そう。なに、皆さんからいただいた年金だ。それを再び還元し、戻すだけだ。
 
 機械だ。崩れ落ちる体を支える機械。必要なのは助けじゃない、機械だ。
 
 薬物だ。崩壊しそうになる神経を、短絡してしまう神経を制御する薬物だ。
 
 動くのだ、自立して動くのだ。死ぬ最後のその時まで、私は私自身で働き、動き、そして死のう。
 
 ∧∧
(‥ )これができませんでしたと
\‐
 
  (‥ )言うことすらなかったな
 
 このことから分かることがある。
 
 会社のために、社会のために汗水垂らして働く。
 
 彼ら自身が自分たちにも他人にも言い聞かせたこの言葉はまったくの嘘である。実際にはこうだ
 
 働いたのだから社会は見返りをよこせ、俺たちを養え。楽させろ。やっとこれでいまいましい仕事から開放される。もう働かなくて良いのだ、ひゃっはー
 
 ∧∧
( ‥)当然ですけどね
 
  (‥ )当然ではあるな
 
 しかし老人たちは自分たちのエゴを社会正義に言い換えた。
 
 ∧∧
(‥ )まあ社会正義に言い換えないと
\‐  欲望を主張できないからね
 
  (‥ )だが本当にこれを
      信じている
 
 欲望は罪にあらず。しかし己の嘘を嘘と気づかぬ愚かさ、それは罪なり。
 
 人は最後まで自立して死ぬべし。 
 
 
 ∧∧
( ‥)たとえ機械と薬物で
    無理矢理動いているだけ
    だとしてもですか
 
  (‥ )だって他に道がないもの
 
 
 
 
 

道徳とは村八分とリンチのことである

 
 以前、新宿の駅で電車を待つために並んでいたことがある。
 
 新宿には幾つかそこが始発の路線がある。その日はそれで使うために並んでいたのだ。
 
 どこでもそうだが、始発の駅だと座れる。でもすでに並んでいる人がいる場合、次発の電車に乗るための列に並ぶ必要がある。
 
 実際、その路線のそのホームには、先発の列はここ、次発の列はここ、と列を作るべき場所が表示されている。
 
 並んでいると、外国人のおじさんとおばさんが列に割り込んだ。まあ、おじさんおばさんと言っても40代ぐらいだろう。西欧系という風ではない、少なくともゲルマン系にはあまり見えなかった。ラテン系ではないだろうか? 南米の方かもしれないなとは思ったが、実際のところは分からない。
 
 二人が、特におばさんの方が列に割り込むから、列に並んでいた日本人のおばさんが怒って文句を言った。こうしなきゃだめと彼女の体を押した。
 
 外国人のおばさんは、はあ? という顔である。
 
 おじさんの方は少し困った様子だ。
 
 自分のすぐ隣なので、一応、説明を試みたのだが、自分の英語が駄目なのかもしれないし、そもそも彼らが英語圏の人間ではないのかもしれないし、通じたのかどうかは分からなかった。

 とはいえ、おじさんはおばさんに何事か言っていた。英語ではどうもない。
 
 ホームに電車が入って扉が開くと、外国人のおばさんは並んでいる列を無視してさらに割り込んでいった。とはいえ、結局、席には座れなかった。
 
 おじさんは、こっちを見て、困りました...という顔をして、後から自分も列車に乗り込んだ。これは正当である。
 
 周囲の人たちの反応を見るに、列を無視して割り込み、乗り込んだ外国人のおばさんに対しては、全員が不快感を感じたらしい。文句の声が上がったし、小突いたりもしていた。
 
 ∧∧
( ‥)ここから分かることは
    明白である
 
  (‥ )ルールを守らないよそ者は
      徹底的に排除しなければ
      ならない
 
 以上はまれな事例だ。だがもし、この先このようにルールを守らない人間が増えれば、列を作って行儀良く待つことで得られる利益の保証はなくなる。保証が無い以上、ルールを守るものは誰もいなくなるだろう。守っても意味がないからだ。
 
 結果的に、全員が損をすることになる。
 
 それを防ぐためにはどうすれば良いか?
 
 ルールを守らない人間は排除し、抹殺せよだ。
 
 ∧∧
(‥ )日本の秩序は
\‐  村八分のルールで
    運営されている
    そう吐き捨てる人もいるけど
 
  (‥ )秩序というものは
      もともとそういうものだ
      吐き捨てる連中は
      それが分かって
      いないのだね

 
 倫理とか道徳というものが、もともとそういうものなのだ。
 
 倫理と道徳は、裏切り者を村八分にしてリンチして排除して、吊るし上げて殺すことで初めて成立する。
 
 人間はプログラム通りに行動する機械ではないし、社会を構成する部品でもない。利害関係がばらばらな個人の集合でしかない。
 
 人間は人間なのだ。機械じゃない。
 
 それをまとめるものこそが、利益と協定と遵守と排除と暴力だ。
 
 ∧∧
( ‥)ろくでもない仕組みだけどね
 
  (‥ )他にやりようがないのだよ
 
 というか、実のところこれは人間だけの仕組みではどうもないらしい。例えばミツバチは群れを作る利益がもはやあまり無いという。より正確に言うと、母親である女王の子供、つまり働き蜂から見ると自分の妹を育てる意味があまり無い。これは女王蜂が乱交に近い交尾をすることで生じてしまうことなのだが、その結果、働き蜂たちはむしろ自分で産卵して子供を育てる方が良い。
 
 *働き蜂は交尾をしていないが、雄なら産める。
 
 ∧∧
(‥ )実際、それをするものもいる
\‐
 
  (‥ )だけどみんなから
      ボコられちゃうのだよね
      生んだ卵も発見次第
      全て殺される
 
 つまり、全員がズルをしたい
 
 しかし、他人がズルをすると自分が割を食ってしまう
 
 それゆえ、自分はズルしたいのだけど他人のズルは許せない
 
 それゆえ全員が抜け駆け出来なくなっている
 
 相互監視と制裁でズルが許されないのなら、母親である女王蜂が産む卵を育てることで妥協しよう
 
 ∧∧
( ‥)道徳の正体とはこれだと
 
  (‥ )仲間を遵守せよ
      しかし裏切り者は殺せだ
 
 外国人労働者や移民を増やせという経団連などの主張は、それが進行したらある時点で全員の怒りを買うことになるだろう。行列に並んでいたのにそれをよそ者に無視された。それがたびたび起これば全員がこれまで得ていた利益を奪われることになる。利益を奪われれば怒りだすこと必至。共通の怒りを持てば、その怒りをぶつけることは正当となる。法律は人間に入力されたプログラムではない、至上命令でもない。法律とは、全員の賛意があって成立している約束事でしかない。つまり法律とは株券だ。それに価値を与えるのは全員の認識だ。認識が変れば法律の価値は暴落し、法律は紙くずになる。そうして別の見えざる法律が暫定的な通貨として流通しだす。
 
 つまり暴力が正当化されるのだ。移民推進の言い出しっぺたちは群集によって家から引きずり出される。首に縄をかけられて死ぬまで道路を引きずり回される。そうして建物から吊るされ、油をかけられて焼かれることになるだろう。
 
 それこそが道徳であり倫理というものだ。
 
 あの小さなトラブルでさえ声を上げる人がいた。もっと多くなれば怒る人は多くなる。それが臨界に達したら集団は別のフェーズへ移行する。超法規的な手段が全員の賛意で承認される。裏切り者狩りが始まり、抹殺が開始される。これは必然。
 
 ∧∧
(‥ )日本は移民に頼らず
\‐  自力で状況を
    打開しなければいけない
    そういうことですかね
 
  (‥ )言い換えるとあれな
      僕の考えた理想の移民が
      最強の労働者だ
      今の若者は駄目だ
      そう言っている老人たちは
      実際には
      自力で問題を
      解決することを
      拒否したのだな
 
 たんに過去の遺産にすがりついて、これが減ってしまうのは嫌だ嫌だ、と泣きわめいている、歩くことも出来ぬほどに太った近視眼のデブでしかない。
 
 彼らはすべてをあきらめて、自由意志を放棄して空想の世界に逃げ込んでいるに過ぎぬ。
 
 これが老いというものだ。老いるとは悲しいものだ。
 
 そして一方、日本社会は村八分で成り立っていると吐き捨てる人は、実のところ人間を機械だと考えているのだろう。プログラムされた道徳に沿ってただ行動するだけの機械。彼らは人間をそう思っている。そうでなければ、人間が示す本来の姿を見て絶望したりはしない。
 
 ∧∧
( ‥)あるいは
    村八分と吐き捨てる人は
 
  (‥ )彼ら自身が
      プログラム通りに
      頑迷に行動する
      人工知能のような存在だ
      そういうことだろうな
 
 

2015年1月29日木曜日

熟慮に頼ると多分、死ぬ

 
 集合知と衆愚は結果論でしかない。
 
 いや、考えることをあきらめなかったのが集合知、あきらめたのが衆愚。
 
 ∧∧
(‥ )というやり取りがあった
\‐  みたいでね
 
  (‥ )考えて出した結論も
      それが実際に
      妥当かどうかは
      結論を走らせてみないと
      分からん
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
 
  (‥ )やっぱ結果論だろうな
 
 
 つまり、
 
 これは皆で考えた集合知! と讃えるのも
 
 こんなものは考えることを放棄した衆愚だ! と切って捨てるのも
 
 どちらも結果から遡及した論点先取でしかないし、意味はないし、何も語っていない。その主張は正しいのだろう。
 
 
 ∧∧
(‥ )考えない蟻さんも
\‐  ちゃんと結論を出して
    結果を出すからね
 
  (‥ )頭を使っても
      実行しなければ
      意味が無いし
      最後まで諦めずに
      考えたけども
      結果を見れば
      全然駄目だった
      そういうことあるからな
 
 そういや、これ自体は個人の話だが、テストがそうだ。最後まであきらめずに頑張ろうが何をしようが、駄目なものは駄目であった。
 
 考えることは結論の妥当性を保証しない。そもそも考えなくても妥当な解は出る。進化がそういうものであるし、そうである以上、熟慮と正しさに相関関係はない。あっても無視できるレベル。
 
 それゆえ、熟慮に頼ると、多分、死ぬ。
 
 
 

こんなものが知的生物と言えるか! とはかなりの馬鹿発言

 
 人間はどうしてこうも暴力的なのだ? こんなものが知的生物と言えるか!
 
 ∧∧
(‥ )でも僕らが知っている
\‐  知的生物って
    人類だけなんだよね
 
  (‥ )つまり冒頭の発言者は
      僕ちゃんの考えた
      最強の知的生物
      という
      ありもしない事例を
      持ち出して
      断じているわけだ
 
 そんな中二病丸出しのような恥ずかしい妄言で世界を語ってドヤ顔されても困る。
 
 ∧∧
( ‥)そうではなく
    人類こそが知的生物の
    事例であるのだから
    その行動とその原理を
    解明することで
    初めて知性が理解できる
    認知心理学とか
    進化心理学が行なっている
    分野ですか
 
  ( ‥)それを考えると
    ‐□ 知性って
      かなり馬鹿っぽいよね
 
 
 実際、冒頭の事例のように、見るべき現実の知性を無視して、ありもしない僕の考えた最強の知性とかを持ち出して、この世界は間違っていると語りだす人間がいるのである。人間の知性というものがかなり馬鹿っぽいものであること、かように明白だろう。
 
 
 
 
      

天空にかかる家の夢

 
 
  ( ‥)そういえば先日
      妙な夢を見たな
 
 ∧∧
( ‥)夜の夢でしたっけ?
 
 自分のいる部屋は砂の中だった。どうも砂丘を掘って、くりぬいてつくったらしい。砂の天井、砂の壁、砂の階段、そんなものがどうして崩れないのか理解に苦しむ部屋だ。
 
 机などはあった。しかしどれも半ば砂に埋もれている。
 
 窓もあった。砂丘のぎりぎり。部屋は砂丘を掘られて出来ているから、床は人間の背丈ほど掘り下げられていて、窓はちょうど外の地面と同じ高さだった。
 
 そして、見える景色は真っ暗。
 
 外に出てみると、そこはなだらかな勾配の砂浜だった。海が見えるが、波の音がしない、波が砕ける様子も見えない。静かな世界だ。本当に海だったのかも分からない。しかし水面の向こうは水平線が広がるのみで、なにも見えぬ。広大であることは間違いない。
 
 星も見えぬ真っ暗な空。波もたてぬ果てしない水面。かすかに分かる灰色の砂浜。
 
 空にはしかし妙なものが浮いていた。どういうわけか家である。なかば逆さまになって、かしがった姿勢でじっと天空にかかっている。まるで自分がこの世界の月であると言わんばかりだ。
 
 ただ、でかい。空の四分の一あまりを覆っている。そしてなぜなのか、どうしてなのか、家には二つの眼があった。
 
  (‥ )死んだ後の世界って
      あんなもんかな?
 ∧∧
( ‥)死んだ後には
    何も無いでしょ?
 
 死は感覚の喪失だ。そこには何も無い。
 
 ∧∧
(‥ )小説の言葉だよね
\‐
 
  (‥ )とはいえだ
      星が見えて
      望遠鏡があるのなら
      あの夜の世界でも
      いいかもしれん
 
 いや...永劫の夜は飽きるだろう。昼が無いというのは、飽き飽きするに違いない。というか、あの無駄にでかい家は夜空の邪魔である。
 
 あるいはしかし、夜の世界なのに砂丘には植物が生えていた。あの世界は昼が来るのかもしれない。それとも単純に夢の舞台装置として、脳が設定しただけだろうか? 確かに、以前みた夢の夜空には星があったが、星座がおかしかった。ペガサス座とカシオペア座の位置関係が間違っていたし、ペガサス座の大きさも変だったのだ。かように夢の世界とは現実が再現しきれていない。
 
 それにしても、なんで自分の脳は天空にかかる巨大な家を作り出したのであろう?
 
 ∧∧
( ‥)先日、星を見るために
    夜の海にいったし
    引っ越しもしたいから
    そんな夢を見たんじゃない?
 
  ( ‥)かもしれないな
    ‐□ 人間いつ死ぬか分からんが
      死ぬにはまだ早いし
      まだやらねばならんことが
      あるからな
 
 しかし、仕事は進行こそしているが、なかなか進まないのである。
 
 
 

2015年1月28日水曜日

正義を叫ぶ者はあまり良い人工知能ではない

 
 もし、人工知能が
 
 なぜ人を殺してはいけないのですか?
 
 そう尋ねたら
 
 ∧∧
( ‥)どうしましょうかね?
 
  (‥ )取りあえず電源を切るね

 
 あるいはもし、人工知能が
 
 人殺しは悪であり禁止されています。なぜ死刑や戦争があるのですか?
 
 そう尋ねたら
 
 ∧∧
(‥ )この人工知能をどう評価します?
\‐
 
  (‥ )ポンコツっぽいよね

 こうも言えよう。どうもこの人工知能は、最初に与えられた定義や指定に拘泥してしまい、後から聞いた情報や状況に基づいて理解を前進させる能力に欠けているように見えると。
 
 少なくとも第一印象はそうである。
 
 
 ∧∧
( ‥)この人工知能さんには
    なんと説明します?
 
  (‥ )人間は仲間を大事にする
      視点を変えれば
      仲間に対して
      自分を大事にすることを
      求めている
      お互いがそうしている
      つまり人間関係とは
      相互に援助しあった関係
      それゆえにこそ
      仲間を傷つける者は
      排除しなければいけない
 
 自分が大事にされたいのなら、仲間を大事にせよ。
 
 お前を大事にしているのだから、お前も私を大事にせよ
 
 この相互に援助し合う関係には利益がある
 
 だがこれゆえにこそ、仲間を傷つけるものに容赦はしない
 
 裏切り者と敵は排除しなければならない
 
 そうしないと、お互いに助け合っている関係は崩れてしまう
 
 それは不利益である
 
 不利益をもたらす裏切り者と敵を排除せよ
 
だがこれを聞いた人工知能が答えて曰く
 
 人殺しは悪のはずです。すると仲間を殺す死刑も悪です。敵を殺す戦争も悪です。悪は禁止されています。禁止されている悪を行なうあなた方は悪の体現者です。つまりあなたがたは悪魔です。悪は禁止されています。あなた方は禁止されねばなりません。
 
 ∧∧
(‥ )人工知能がそう返したら
\‐
 
  (‥ )まあ電源を切るね
 
 電源を切って、入念に無力化してから再起動させよう。そうしてから、なぜこんな受け答えをするようになったのか? それを調査検討することになるだろう。一体どこがバグっているのか?
 
 ∧∧
( ‥)何がいけないのだと
    思います?
 
  ( ‥)最初に与えられた指定や
    ‐□ 命令から
      離れられないのだと
      思うけどもな
 
 実際、人工知能とこんな会話が出来るとする。
 
 人殺しは悪であり禁止されている
 
 あなたがたは犯罪者を死刑にします。それは今の定義と矛盾しませんか?
 
 仲間に害を及ぼす裏切り者は排除しなければならない。
 
 最初の定義と私の認識を変更しました。仲間を傷つけることは許されない。殺すことも禁止されている。しかし仲間を傷つけた者は排除しなければいけない。それには殺すことも含まれている。死刑はそれに該当する。
 
 だいたい正しい
 
 確かに今の私の認識は不十分であると思います。例えば、喧嘩したから死刑である、そんなことをあなたがたはしません。
 
 他人を傷つけることに対するペナルティーは状況によって違うのだ。傷つけたその大きさに従ってペナルティーも大きくなる。
 
 具体的にはどのような相関がありますか?
 
 例えば...
 
 ∧∧
(‥ )この場合だと
\‐  最初の理解がある
    そして
    次に聞いたことに基づいて
    最初の理解を変更して
    より現実を説明できるように
    理解をバージョンアップさせて
    いますよね
 
  (‥ )反対にだ
      殺人は悪だから
      死刑と戦争を容認する
      人間は悪魔だ!
      と叫ぶ人工知能は
      それが出来ないってこと
      だろうな
 
 ∧∧
( ‥)つまり正義感の強い
    論理的な人工知能は
    最初の理解を
    変更することなく
    そのままゴリ押ししてしまう
    あまつさえ
    自分の理解ではなく
    現実を変更しようと
    暴力的に画策する
 
  ( ‥)最初の理解に
    ‐□ 執着する度合いが
      強すぎるのだろうね
 
 そしておそらく考えるに、執着が強すぎる人工知能も、実のところ他の機能はうまく働いているのではないだろうか?
 
 あるいはこう言えばより正確である。
 
 殺人は禁止されている。ゆえに死刑や防衛戦争を容認する人間は悪であり、禁止されねばならない。
 
 そう結論する人工知能と
 
 現実を見ると死刑は容認されている。人間は仲間は助けるが、裏切り者と敵は殺せ、という原理で動作しているのであろう。
 
 そう推論できる人工知能、
 
 この両者の違いは、単に最初の理解に拘泥するかしないか、その執着の強さの違いだけで説明が可能なのではないか?
 
 ∧∧
( ‥)なぜかと申しますに
 
  (‥ )実際、以上のような
      受け答えを見ると
      裏切り者を発見して
      排除せよという
      人間的な機能は
      きちんと
      働いているのだよね
 
 殺人は悪である。死刑も防衛戦争も殺人である。ゆえに死刑や戦争を容認する人間は禁止されるべきである。
 
 この論法には、敵を発見し、排除せよ、という動作が含まれている。
 
 つまり人間の基本動作
 
 仲間を大事にせよ、しかし裏切り者と敵は殺せ、慈悲はない
 
 これがきちんと動作できている。 
 
 ∧∧
(‥ )すると
\‐   誰が裏切り者であるのか?
     それを認定する部分
     そこだけがおかしいのだと
 
  (‥ )そして以上で見たように
      そこの動作が変になるのは
      最初の理解や命令に
      拘泥するからだ
 
 そうだとするとこうなるであろう
 
 人工知能が持つ”最初の理解に執着する度数”を上げると...
 
 殺人は悪。ゆえに死刑も悪。死刑容認派も悪である。死刑容認派は抹殺しなければならない
 
 そう主張する
 
 一方、”最初の理解に執着する度数”を下げると
 
 殺人は悪。しかし死刑が行なわれている。すると殺人のすべてが禁止されているわけではないのだろう
 
 となる
 
 おそらく、もっと下げて0にしてしまうと
 
 殺人は悪。しかし死刑がある。つまり殺人が悪であるという最初の理解はまったくの間違いであった。ゆえに殺人は禁止されていない。
 
 とかそういうことになってしまうのだろう。
 
 そしてこれを踏まえると
 
 ∧∧
(‥ )これを踏まえると
\‐  世の中で声高に
    正義を叫び
    世の中に絶望する人の
    思考回路が分かるだろうと...

 (‥ )人間は下等だ
     人間は暴力的だ
     死刑とは何だ?
     戦争を見よ
     人の残虐さを見よ!
     人間は悪魔だ!
     こんなもの知的生物ではない
     こういう発言はしばしば
     あるけども
 
 実際のところ、この発言をしている当のご本人が、味方を助けろ、だが敵と裏切り者は殺せ、という人間的な原則で動いていることはほぼ間違いないだろう。
 
 事実、ここにあるのは敵と見なした人間に対する強い敵意である。
 
 つまり、無駄に強い正義感から世の中を批判する人間にあるのは、聖人の魂などではない。そうではなく、敵を認定し、排除しようという人間的な暴力的で強い欲望である。
 
 ∧∧
( ‥)つまり彼らは
    その部分は
    ただの人間なのだと
    ご本人が怒り狂って
    否定している
    まさに人間そのものだと
 
  ( ‥)だからそこは
    ‐□ 正常なんだろうな
      おかしいのは
      最初の理解や思い込み
      あるいは
      子供の頃に与えられた
      最初の命令から
      一歩たりとも
      離れられないところ
      そこだろうね
 
 ぶっちゃけ、あんたバグっちゃってるんじゃねえか? ということなんだが、人間の知性や脳を司る遺伝子はいくらだってあるのだろう。
 
 人間は無数の変異が交配によって離合集散する遺伝子の網目である。つまり過剰な正義感も拘泥も、それは単純にバグと呼べるものではあるまい。身長が異様に高い人が時々現れるように、組み合わせによっては最初の命令に通常よりも非常に強く拘泥するようになる。それだけのことなのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )実際、この手の人は
\‐   多数派ではないけども
     それなりな数で
     存在しますよね
 
  (‥ )つまり本来は人間の脳で
      必要な部分だろうな
      それがやや過剰だ
      そういうことに
      思えるな
 
 確かに、最初の理解に全く拘泥しない知能はまるで役立たないに違いない。それを考えると、最初の理解をすぐに手放すな、これは本来必要不可欠な動作と考えるべきなのだろう。ただ、正義感の強い人間ではこの動作が平均よりも過剰になり、執着が強くなっている。それゆえ全体の行動がおかしくなり、理解が決めつけになっている。そう考えるべきではないか?
 
 そして、この手の人間は危険なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)なんでかと申しますと
 
  (‥ )人工知能で例えれば分かる
 
 例えれば分かるであろう。
 
 殺人は悪である。ゆえに死刑や防衛戦争を容認する人間も悪である。悪である以上、それは排除しなければならない。
 
 そう主張する人工知能がいたら皆はどう思うか? 素晴らしい! 人工知能で正義を実現できた! と賞賛するか? いいや、すぐに電源を切るはずだ。
 
 なんでかというと、思い込みが強い一方で、敵と裏切り者は排除せよ、という人間的な回路はそのまま残っており、実際に、敵意を他人に向けているからである。
 
 以上は例え話だが、現実の人間にもこのような思考回路を持ち、このように主張する人はいる。そしてそれは危険人物以外の何者でもなかろう。事実、世の中は腐り切っていると考えた教団が毒ガスをまいたということが実際にあったのだ。
 
 誰よりも人間的なくせに、人間を暴力的であると断じて暴力をふるおうとする。正義感を理路整然と、論理的に述べる人間はあまりにも危険だ。
 
 これはhilihiliのhilihili: それでは人工知能っぽくね?の続き
 
 
 

2015年1月27日火曜日

2015.01.27 暗くうねる雲

 
 
 図書館からの帰り、夕暮れの雲は暗く、うねっていた
















 ∧∧ お疲れモード?
( ‥)
 ‐( - -)あーうん
      さすがにね疲れたね
 
 

それでは人工知能っぽくね?

 
 人を殺すことは悪いことです。だったら死刑も戦争も犯罪ではないですか!

 
 ∧∧
(‥ )そう主張する人は
\‐  多くはないけども
    必ずいるよね
 
  (‥ )言葉を額面通りに
      受け取っているのだな
 
 人を殺してはいけません。そういう禁止事項を命令として受け入れ、殺人はすべて禁止されるべき行為である、そういうプログラムで行動しているのだと言える。
 
 ∧∧
( ‥)ある意味では
    非常に機械的
    あるいは人工知能的?
 
  ( ‥)どっちかというと
    ‐□ 失敗した人工知能的だな
      失礼な言い様だけども
      そうなるなあ
 
 殺人が悪なら死刑も戦争も悪ではないか、こういう主張を馬鹿正直に唱える人は、ある意味、人工知能に近い。例えばの話、
 
 人を殺してはいけないのだ
 
 了解しました。では戦争も死刑も犯罪なのですね?
 
 重罪人を殺すのは止むなし。防衛戦争で相手を殺すのも止むなしだ。
 
 それは矛盾しています。再定義を求めます。
 
 こういう、よくSFで出てくる、なんか微妙な人工知能。
 
 ∧∧
(‥ )実際のところ
\‐  人を殺してはいけませんとは
    文脈的にはまるで別の意味に
    なるよね
 
  (‥ )和を乱すな
      仲間は殺すな
      敵と裏切り者はぶち殺せ
      そういうことだね
 
 人間が作る”社会”とは、仲間は結束する。助け合う。しかし、仲間内で問題を起こした奴はリンチで粛清、そして敵は皆殺し。そういうものだ。
 
 ギャングもヤクザも、あるいは犯罪集団でさえそうだろう。彼らは人間だ。ちゃんと社会を築いている。
 
 こんな話があった。その少年ギャング、もちろん日本の話ではない、どうも南米のどこかの話である、彼は友人を殺した。その理由は、

 殺人には使わないから貸してくれ、そう頼み込むから銃を貸してやったのに、あいつはそれで人殺しをしやがったんだ。俺との約束を破って、しかも嘘をついた。絶対に許さない。だから殺した。
 
 ∧∧
( ‥)約束を破ってトラブルを
    増やすような奴は
    殺して当然である
 
  (‥ )少年ギャングでも
      約束とか義理とか
      面子とか
      そういう社会性を守る
      そういうことであるな
 
 これを考えるに、人間の多くは、”人殺しは良くない”、という言葉の持つ意味をちゃんと文脈的に理解できているようである。
 
 つまり、人殺しは良くない、とは、
 
 仲間は大切にしろ
 困ったら助けてやれ
 裏切り者と敵は殺せ 慈悲はない

 
 ∧∧
(‥ )多くの人はそれをちゃんと
\‐  理解しているのだね
 
  (‥ )ただしどうやら
      自覚的ではないのだな
 
 それは時々現れる、人殺しはなぜいけないの? という無邪気な質問に対して、多く人がうまく説明できないことを見れば明らかだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも実際には
   ”理解できている”のだと
 
 (‥ )だって
     人殺しはなんでいけないの?
     それを言った奴には
     みんなグーパンチを
     顔面に
     叩き込みたくなるだろ?
 
 つまりほとんど全員が、説明はできないし、無自覚なんだが、理解はしている。
 
 そればかりか、すでに理解通りに行動しようとしているのだろう。
 
 人殺しはなぜいけないのか? そういうことも分からない危険人物はリンチして粛清し、抹殺しなければならぬ。
 
 仲間は助けろ、しかし裏切り者と敵は殺せ。明らかにこの原則通りに人々は行動しようとしている。
 
 ∧∧
(‥ )人間というのは
\‐  そういう点では悩ましいね
    意識では自覚できないけど
    脳はちゃんと
    計算づくで行動している
 
  (‥ )意識なんて
      演算の影のような
      ものだからな
      脳の計算を
      意識が自覚できる
      保証はまったくない
      だが計算しているのだ
 
 例えば人は言う。日本社会は空気を読むことを強制すると。
 
 ∧∧
( ‥)ご本人が苦労していることを
    うかがわせる発言です
 
  ( ‥)以上をうまく把握できて
    ‐□ いないのだろうな
      命令通りに
      動作しているのに
      文脈を理解する機能を
      搭載していないから
      うまく整合できて
      いないのだ
 
 例えば人は言う。日本は集団から外れたものに冷たく、自分たちに従わないものを村八分にすると。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ裏切り者を
    排除しないといけないからね
 
  (‥ )実際なあ中国の人は
      日本人と同様
      困った人を助けるのだ
      だけどそれを食い物にする
      悪い奴が少数混じるから
      助け合いが日本のようには
      機能しないし
      あるいは必然的に
      縁故に頼るように
      見えるよね
 
 
 つまり、日本のような社会は裏切り者を徹底的に抹殺しないと成立しないと言える。例えばの話、行列の順番を破った人間を即座に村八分にするような社会でないと、きれいな行列は維持できないだろう。ほんのわずかな人数で良い。約束事を守らずズルをする人間が混じれば、行列を守る利益は大幅に損なわれる。そうなれば行列に行儀良く並ぶことから生じる利益はもはや二度と帰ってこない。
 
 ∧∧
(‥ )つまり行列と順序を守ることで
\‐  生じる利益を防衛するには
    行列と順序を守らないよそ者を
    徹底的にしらみつぶしに
    排除しなければならない
 
  (‥ )ズルをするよそ者に対する
      憎悪がネットでは
      広がっているけど
      そりゃあ
      当たり前なんだよな
 
 
 多分、ほとんど全員が、自覚的ではないが理解しているのだ。脳が計算しているのだと言える。ずるをするよそ者も裏切り者も、すべて皆殺しにしなければこの世界は維持できない。それが分かっているのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると
    日本社会は村八分社会だと
    喝破する人もまた
    これが理解できて
    いないだろうと
 
  ( ‥)人工知能っぽいよな
    ‐□ これでは
      毎日がつらいかもな
 
 とはいえ、この手の人も、ある程度の立場にはいけるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)なんで?
 
  (‥ )この手の知能って
      多分
      暗記問題とか
      公式を覚えて
      問題を解くとか
      そういう作業は
      得意っぽいだろ?
      テストの成績自体は
      良いんじゃね?
 
 それゆえ、そこそこな地位にはいけるのではないかと予測する。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれ以上は無理かもね
\‐
 
  (‥ )無理だろうねえ
      そっから先は
      空気を読むとか
      論理とかけ離れた
      いかれた狂気とか
      それが必要になるからな
 
 いや、だからこそ人工知能っぽい人はすでに絶望しているのだと言える。そこそこな地位にいけた人間は、それ以上はもはやかなわぬという現実に直面した時、自信を喪失し、絶望し、世界を呪う道しか残されておるまい。
 
 そうなったら、後は飼い殺しの人生が待っているだろう。
 
 ∧∧
( ‥)どうすれば良いのかね?
 
  (‥ )そんなの簡単
      その場から
      出て行けば良いのさ
 
 単純な話である。出て行けば良いのだ。日本を出る人もいれば、単純に田舎を出るものもいる。都会は孤立した個人が複数である世界だ。ここなら村八分からかなり自由でいられる。それでも企業にいたら苦しいが、それがいやなら職場さえ出れば良いだけの話。なにも難しいことではない。簡単ではないか。
 
 ∧∧
(‥ )でもそうしないで
\‐  安全圏で愚痴ってばかり?
 
  (‥ )まあ賢しい連中とは
      そういうもんさ
      だけどその選択が
      正解だけどね
 
 自分が軽蔑する檻の中で、ずーっと生温く生きていけば良い。自らの剛直な知能で世間を切って捨てて溜飲を下げていれば良い。それだけだったら空気読めない奴だなと皆に思われるだけですむ。それだけならさすがに排除の対象にはならない。下を見て罵倒し、上を見てなぜだと怒れば良い。世間は狂っている、酒を呑んで愚痴れば良い。もう飛ぶことを諦めた人間にはそれが多分、正解である。
 
 ∧∧
( ‥)それがいやなら
 
   (‥ )おいでよ狭間の世界
 
 夜でもなく、昼でもなく、通りでもなく、家でもなく、突き当たりでもなく始まりでもない世界。
 
 ∧∧
(‥ )幸せにはなれないけどね
\‐  
 
   (‥ )困ったことに
       飛べもしないしな
       狭間の世界には
       狭間だけになにもない
 
 だが、それでもなお、本当にそこが嫌であるのなら、そこを出て、狭間の世界にくれば良いだけだ。

 それもしないというのなら、それは所詮、口先だけである。
 
 つまり、不満はあれども、今のままで満足しているであろう? なぜならそこがお前の頂点であり、そこから出るあらゆる方角がすべて下り坂だからだ。人間の脳はそういうことを敏感に計算し、察知する。それが分かってしまったら最後、もう足はすくんで動けまい。動かせるのは愚痴をこぼす口だけである。そしてそれは悪いことはではないのだ。諦めと共に残りの時間を経過させれば良い。
 

 
 

2015年1月26日月曜日

いつでも自己責任で批判します

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)20年ぐらい前はさ
    ‐□
 
 20年ぐらい前
 
 アメリカは良いよね。危険な場所だからいくな! と言われても行く人がいる。あれは自己責任でちゃんといっているんだよ。潔いよね。自由の国だよね。自由には責任が伴うよね。日本は禁止禁止で自由意志を尊重しないよね。
 
 ∧∧
(‥ )と論評する人が
\‐  いましたよと
 
  (‥ )しかし昨今は
      日本人は自己責任だからと
      他人を見捨てる
      これはひどい国民性だ!
      と批判する人がいるのな
      一体どうしたいのかね
 

 
 

人間は両極端であるべきだ 氷山の腹か阿呆なペンギンか

 
 amazonの進出で書店が消えていく
 
 ∧∧
(‥ )まあ合理化だね
\‐  amazonは便利だからね
 
  (‥ )自分も
      書店で本を買うことは
      もうほとんどないからなあ
 
 
 検索する。見つける。amazonで発注する。
 
 発注された本が届く。本の末尾に引用文献が載っている。その論文を探す。
 
 論文に引用文献と書籍が載っている。それをamazonに発注する。
 
 本を読む、検索する、論文と書籍を見つける。論文の引用文献と書籍を...
 
 ただこれの繰り返しだ。
 
 ∧∧
( ‥)googleとamazonの登場は
    画期的でした
 
  ( ‥)一昔前に比べると
    ‐□ 情報の探索は
      格段に向上し
      効率化されたのだ
 
 googleとamazonの登場は強烈なインパクトを持っている。特にamazonは巨大な倉庫を持っていて、膨大な商品を抱え込んでいる。通常のものであれば、よほど特殊な物でない限り、ほとんどすべての客の発注と受注に答えることができる。
 
 ∧∧
(‥ )通常の書店でこれに
\‐  対抗できるのは
    ほとんど無いですよね
    ジュンク堂とか
    それぐらいですかね
 
  (‥ )理由はそれだけでは
      ないけども
      町の書店とかが
      消えていくのは
      当然だよね
 
 まあ、町の書店が消えていく理由はそれだけではない。そもそも20年も前から徐々に、しかし確実に、次々に姿を消していったのだ。amazonとgoogleの登場以前から続いていたことなのだから要因がそれだけでないこと明白だろう。
 
 *20年以上前、関東に上京して以来、近隣沿線の本屋はほぼ網羅していたけども、それらの中で現在も生き延びているのは本当にわずかとなった。半分以下どころか、多分5分の1とかそのぐらいになっているだろう。
 
 ∧∧
(‥ )とはいえamazonやgoogle
\‐  あるいはtumblrとか
    そういうものの出現が
    強大なインパクトを持つこと
    まず疑い無し
 
  (‥ )携帯電話の出現も
      大きいよな
      もう誰も彼も
      iPhoneで何か見ておる
 
 それでもなお、今でも本を読む人がかなりいること、それは電車に乗れば分かることでもある。確かに紙の本は電池切れが起こらないし、扱いやすい。そういうわけで紙の本が存続すること、これ自体は疑いない。
 
 ∧∧
( ‥)問題は市場が縮小すると
    色々大きな影響が
    出てくることだよね
  
  ( ‥)縮小するなら
    ‐□ それはそれまで
      所詮はそんな程度の
      ものだったのさ
      そう知ったかのように
      言う連中もいるけどな
      そういう連中は
      物を作ったことがない
      連中よ
 
 物作りを支えるのは膨大な無駄であり、それはくだらないものであり、野卑で下品なものだ。
 
 描き損じから完成品が生まれるように、試行錯誤の膨大な駄作から傑作が生じるように、あるいは人生を次々に焼却炉にくべるがごとく、無数の漫画家を消費する中から飛び抜けたものが生まれるように、あるいはエロから至極のものが誕生するように

 くだらないものこそが基礎となる
 
 すなわち、底辺こそが基礎なのだ。

 そういう膨大な底辺があるからこそ、もっとまっとうなものを作る余地が出てくる。
 
 大きな塔も基礎がなければ、高く立つことかなわぬ。
 
 ∧∧
(‥ )底辺が縮小すると
\‐  まともなものも作る
    余力すら失ってしまう
 
  (‥ )漫画を規制しよう
      クールジャパンを
      きれいなものだけに
      変えてしまおう
      そういうことを考える
      お上品な連中の言い様が
      馬鹿っぽいのも
      これが理由よ
 
 例えばエロを規制された文化に想像力など出てくるわけがない。
 
 *出てくると言えば出てくるが、それは規制をかいくぐるためのアイデアであって、それ自体は面白いが、苦肉の策でしかないとも言える。例えば役者絵が禁じられたので、これは土壁に描かれた落書きを写生したものです、と称して釘でひっかいたような役者絵を描いた江戸時代の事例。
 
 つまり底辺を縮小させてはいけない。
 
 底辺が基礎である以上、下らぬと切って捨ててはならぬ。
 
 そしてまた、底辺の縮小を見て、ざまあ見ろと高みの見物をしていても駄目だ。
 
 それは必ず、自分の足下をも浸食してしまう。
 
 それが分からんというのなら、そいつは物作りをしたことがないし、これから先、上を見て飛ぶことなどできまい。新しいアイデアを作り出すこともまたできまい。何も作れぬ彼は批判し、罵倒し、くだらぬとののしり、そして規制することしかできぬ。お前の人生はすべてを衰亡させるのみに成り果てるだろう。
 
 いや、すでになってしまったから、お前はその有り様なのだな?
 
 ∧∧
(‥ )町の本屋なんか
\‐  売れ筋の馬鹿本しかないし
    漫画は低俗だし
    新書は馬鹿だらけ
    質が低い本ばかり
    こんなものが衰退しても
    どうでも良いよ
    そう言う人もいるよね
 
  (‥ )そういう発言はしばしば
      俺様は
      こんなに高度な本を
      こんなに買って
      読んでいるのだ
      馬鹿共とは違うのだ
      こんなに金を
      使っているのだ
      どやあ!
      そういう主張や自信と
      セットになっているもの
      なんだが....
  
 要するにそれは、馬鹿共とは違う自分こそが文化の体現者でございます、そんな俺様が軽蔑するような文化など消えて当然でございます、という主張だとも言えるけども
 
 ∧∧
( ‥)それ自体が勘違いも
    はなはだしいと
 
  (‥ )だってさ
      そういう連中が
      自慢する本代って
      話を聞いてみれば
      年間に
      せいぜい10万だ
      たった10万円だぞ?
 
 たかが10万円である。これなら年間に漫画だろうが雑誌だろうが、1000円使う人間100人と同じだ。
 
 ∧∧
(‥ )その人たちの割合が
\‐  100対1だったら
    年間に10万円を使う人は
    出版界に落とすお金
    その全体の
    半分を占めるけども...
 
  (‥ )1000対1なら
      10パーセント
      1万対1なら
      1パーセントだよ
 
 そして、少なくとも100対1なんてことはないだろう。そしてまた、漫画を何気に買う人間が年間に落とす金額が1人あたり1000円というのも少なすぎる仮定である。
 
 実際、週刊漫画は年に4冊は新刊が出るが、1冊あたりの金額を400円としてもそれだけで1600円になる。文化人を自称する読書人とやらは、漫画を買う人を馬鹿だ低俗だと罵倒する。だがしかし、漫画を読む人々が出版界に落とす金額は、1人あたり年間1000円を越えることまず確実だ。
 
 ∧∧
( ‥)しかも圧倒的に分母が
    でかい
 
  ( ‥)出版界を支えるのはな
    ‐□ 俺様は頭良いだろと
      自慢するような
      その手の
      痛い連中じゃない
      そやつらが罵倒する
      漫画とかを読む人々だ
      彼らこそが
      出版界を支えているのだ

 そうした膨大な売り上げを流用して、そこそこましな本を出す。単純化するとそういう仕組みであると言って良い。
 
 氷山が海上に顔を出すには、水面下にある膨大な氷の塊を必要とする。そんなようなものである。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  ”馬鹿部分の縮小”は極めて
    深刻なのである
 
  (‥ )全体の水没が
      始まってしまうのだ
 
 実のところ、日本の出版事情は順調であった時期から、かなりぎりぎりだったとも言える。
 
 例えば曰く、出版社の人は漫画とかで稼いで、その余力でまっとうな本を出す、みたいなことを言うけど、だったら2万、3万という正当な価格で良い本を出せばいいじゃないですか。そういう意見もある。
 
 ∧∧
( ‥)これは確かに
    正論なんだけども
    うかつだと
 
  (‥ )そういう本は
      すでにあるからな
      だけど
      そういう本は英語なのだ
 
 日本語でもそのような本が無いわけじゃないが、数があまりに少ない。しかし英語の本だとそういうものがもう少し普通に存在する。
 
 なぜであろうか?
 
 多分、答えは単純だろう。
 
 ∧∧
(‥ )英語圏は人口が多いから
\‐  2万、3万でも一応は売れて
    支出と収入がとんとんか
    あるいは我慢できる
    赤字ですみますよ、と
 
  (‥ )実際、英語圏でも
      苦しいっぽいのよな
      この手の本は
      すぐ絶版になるし
 
 つまりどうも英語圏でもあっぷあっぷらしい。そういえば全世界で50冊しか売れなかった本もあるそうだ。その分野で必読だ、と言われるような内容であるにも関わらずにである。
 
 だが、英語の本はまだ救われている。日本語の本ではそういうものすらそもそもない。あるいはそれに近い本を自力で出す余地がない。せいぜい英語のものを翻訳するのみである。だがしかし、使命感に基づいてそういう無理をしてきた会社は潰れた。
 
 ∧∧
( ‥)日本語という母集団と
    分母の数では
    そういう本当に高度な
    専門書は
    ペイできないのだと
 
  (‥ )これは二つのことを
      暗示しておるな
 
 ひとつは、順調な時代からすでに日本の出版界はギリギリだったということ。日本語圏は氷山としては小さくて、必然、海面上に姿を見せている領域がわずかでしかなかった。このことを示している。
 
 そしてもうひとつ。
 
 自慢げに自分の読書歴をひけらかし、自分の知能を誇って漫画を馬鹿にするような連中。この自称読書人たちは、自分たちこそ知性の体現者、我こそ文化の担い手であるような顔をしているが、実際のところ本当に高い専門書には手を出していないし、それを維持する力にまったくなっていない。ただの口先だけの役立たずだったということだ。
 
 ∧∧
( ‥)そう言えるであろうと
 
  ( ‥)年間10万円程度では
    ‐/ 専門書を数冊買うのが
       限界だろ?
       そんな程度じゃ
       自慢にはならんぜや
 
 だいたい、そんなことでは課金ゲームやAKBの熱烈なサポーターにも勝てないであろうこと明白である。
 
 つまるところ、読書人の存在とは、あまりにもちんけなのである。吹けば飛ぶような、取るに足らない存在だ。
 
 たぶん、自分は頭が良い、漫画やラノベや最近の新書を読む奴は馬鹿だと他人を軽蔑して罵倒し、切って捨てるあまり、自分たちが手にする”すばらしく知的な本”とやらが、軽蔑されるべき底辺のがんばりで支えられていることに眼がいかなかったのだ。
 
 これは高慢ちきで世間知らずの貴族的な発想だとも言えるし、精神論だけで必要不可欠な要素を切って捨ててドヤ顔しているブラック企業の経営者にも似ている。
 
 ∧∧
( ‥)しかも実際には
    出版界にも
    高度な専門書の維持にも
    全然貢献していない
 
   (‥ )読書人というのは
       存在も頭の出来も
       中途半端なんだよ
       中途半端だから
       上にいけないし
       中途半端だから
       下を馬鹿にすることしか
       できんのだ
 
 そういう意味では人間において必要なのは、賢しい連中ではなく、両極端の人々なのだとも言える。水に沈んで青く鈍く輝く氷山の大部分か、海上の小さな塊の先っちょにちょんと座ってぼけーっと周囲を見回しているペンギンか、そのどちらかであるべきだ。
 
 そしてもしもペンギンになれるのなら、海に潜って氷山の腹をくすぐることもできるであろう。
 
 
 
 

2015年1月25日日曜日

百人隊長クラスティヌス

 
 この戦いが終わったら...
 
 ∧∧
(‥ )死亡フラグって言われる
\‐   演出方法だね
    死っていうのは
    大事な想いを
    抱いている人にも
    ふいに訪れる
    そういう意味合いや
    無常観や悲劇を込めた
    やりかた
 
  (‥ )今日見た言い様によれば
      歴史上一番古い
      死亡フラグというと
      カエサルの百人隊長
      クラスティヌスが
      発したものだ
      というのだが....
 
 いや、あれってそうなの?
 
 一世紀近く続いたローマの内乱。三頭政治が崩れ、勝ち残った実力者カエサルとポンペイウス、互いが軍団を率いて行なわれた最終決戦。数に勝る敵は有利、我は不利。その状況下で百人隊長の彼が言ったのは
 
 わしの後に続け。以前にわたしと同じ中隊にいた兵士たちよ。お前らの最高司令官に契約した務めを果たせ、もはやこの一戦が残っているだけだ。この戦いが終わったら、カエサルは彼の威信を、われわれはわれわれの自由を取り戻すだろう。

 今日こそ最高司令官よ、生きていようと、死んでいようと、ともかくこのわしに、かたじけないとお礼の言葉を言わせてみせますぞ。
 
 「内乱記」講談社学術文庫版 pp210~211


 ∧∧
(‥ )これは死んでも構わぬ
\‐   突撃だ!
     という話だよね
 
  (‥ )そして百人隊長
      クラスティヌスの功績は
      彼が言った通りである
      カエサルにそう
      評価されるわけだ
 
 これは決意のまま突撃して、言葉通りの結果を得たということだろう。願いが断じられた死亡フラグとか言う単純な演出とはちと違う。そしてカエサルはそれに報いた。
 
 カエサルは軍事指導者でありながら奇妙に書き物がうまい人であった。それに政治家でもあるから時にはごまかしを行なっている。例えば、脱出したポンペイウスを追ってエジプト王国へ侵入し市街戦をするはめになった際、アレキサンドリア大図書館を焼いてしまったことを直接は書かなかった。暗示するにとどめたのである。*以上の和訳版ではpp229に出てくる話がそれ。
 
 そういう意味では彼の書いたことが何もかも本当であるわけではなく、演出もあるのだろう。
 
 とはいえ、最終決戦時、優勢であったポンペイウス軍をカエサルは打ち破った。数でまさる敵騎兵が自軍右翼を包囲、押しつぶそうとするのを、用意して右翼後方に隠しておいた部隊ではねかえし、敵の弓兵を殲滅し、前進して突撃した軍団はついにポンペイウスを潰走させた。
 
 そしてクラスティヌスは、彼の言い放った言葉通り、奮戦して大きな功績を上げつつ、そして戦死した。顔の真っ正面に剣を突き立てられて死んだという。
 
 ∧∧
( ‥)そしてクラスティヌスさんは
    その功績によって
    内乱記に名を上げられる
    ことになったと
 
  (‥ )彼は不滅の存在に
      なったのだ

 
 
 ちなみに、「プルタークの英雄伝」岩波文庫版においても、カエサルの話、ポンペイウスの話でクラスティヌスの話が出てくる。話は内乱記とほぼ同じだ。つまりこの点でカエサルの演出はほとんど無かったと考えてよさそうである。彼は敵陣に突っ込んで奮戦している時、剣を口に突き立てられ、首まで貫かれて絶命したとされる。この戦いが終わったら生きているにせよ、死んでいるにせよ、いずれにしてもインペラトール、あなたに礼を言わせてみせましょう。彼の言葉は現実となった。
    



2015年1月24日土曜日

出た人も残った人もやれることなどほとんど無し


 ∧∧
(‥ )自立した個人...
\‐  
 
  (‥ )なにをもって
      自立した個人
      確固とした個
      と呼ぶのだろうな?
 
 なんでも一人で出来る?
 
 ∧∧
( ‥)野良猫とか
    ナマケモノみたいに
    繁殖以外では仲間と
    交流しない動物?
 
  (‥ )人間には無理だな
 
 自給自足している人間? そんな奴はいまや地球上にはほとんど存在しない。
 
 ∧∧
(‥ )社会に出て収入を得ている
\‐
 
  (‥ )そんな奴なら今度は
      いくらでもいるんだよね
 
 じゃあ自立した個ってなんだ?
 
 例えばこうか? 
 
 僕の仕事はもう終わりました。先に帰ります。
 
 ∧∧
( ‥)合理的だとも言えるし
    単に空気を読まない人だとも
    言えますね
 
  ( ‥)これならどちらの場合でも
    ‐□ 個が強調されるのは
      確かだな
 
 
 僕の仕事はもう終わりました。先に帰ります。それがしたいのであればそうすれば良いし、それを駄目と言われるのなら、そこを出て行けば良い。
 
 ∧∧
(‥ )でもお外は寒いのですよ
\‐
 
  (‥ )じゃあ我慢するしかないな
 
 どっちを我慢するのかはその人次第である。
 
 どうにも我慢できない人間はとっくに出て行った。
 
 残っているのなら、愚痴はこぼすが状況に我慢できている人間たちだけだ。だって外は寒いのだから。
 
 そして当然だが、外に出た人間を助けてくれる人間は、もう誰もいないのである。少なくとも、元の組織の人々はそうである。
 
 ∧∧
( ‥)すでに関係ないからね
 
  (‥ )助ける理由がない
      そんなの自己責任だからな
 
 出て行った人々はどうなったであろうか?
 
 単にその会社とその職場が嫌で出て行って、別の場所で普通に暮らしているのかもしれぬ。
 
 あるいは外の世界でごそごそ生活し続けているのかもしれぬ。
 
 もしかしたらそのどれでもなく、暖かな家庭に戻ったのかもしれぬ。
 
 実際には出戻りの役立たずと扱われ、そこはぎすぎすした場所かもしれないが、金銭的には外よりずっと暖かいのだ。
 
 我慢できているとは、そういうことである。人間は収入と支出で考える。
 
 あるいは、実家や親族に金をせびりに行ったのであろうか?
 
 なんにせよ、自分で選んだ道である。残るにしても、出て行ったにしても、どっちを選んでも人は愚痴をこぼすであろう。そうして選択の結果は誰もが自分で取ることになる。
 
 
 ∧∧
(‥ )こういう自己責任論を
\‐  否定する意見もあるよね
    国が保証するべきと
 
  (‥ )それは国が保証しないと
      駄目なぐらい
      個人が
      ばらばらになっている
      そういう社会だね
 
 そうであれば話は整合的になる。
 
 私は帰ります。
 
 どうぞ。
 
 あなたを解雇します。
 
 そうですか。
 
 保証をお願いします。
 
 手続きをしてください。
 
 こんなもの、個は確立されたものではない。単にバラバラにされただけだ。そして、バラバラであるのなら国家という唯一残った集合体が保証をしなければならぬ。保証のための仕組みを作り、保証のための金と、保証を運営するための人件費を計上し、税金を上げてかき集めねばならぬ。それは必要だが、整備されればされるほど効率が悪くなっていく。
 
 ∧∧
( ‥)それはいずれ破綻する道
 
  (‥ )まっ
      西欧世界もアメリカも
      日本も
      それぞれ違う部局がだが
      それぞれ破綻しかかって
      おるよな
 
 それにしても思うに、残った人間が外へ出て行った人間を自己責任と突き放すのは、むかつく話ではあるが、しかしそれは当然だろう。組合から出た人間を人は助けてはくれないのである。そこには義務も必然性もない。
 
 一方、自分自身は残っているにも関わらず、自己責任論はおかしい、日本は個が確立していない! と言い立てる人もまた、それはそれでなんか微妙だ。
 
 ∧∧
(‥ )言ってることは
\‐  正しいのだけどね
 
  (‥ )でもそれって
      世界を正論で切って捨てる
      自分はすげーだろ
      どやあ!?
      というやつだからな
 
 ∧∧
( ‥)信用できませんと
 
   (‥ )それは自分の
      社会批判のネタとして
      使っているのだ
      自分の組織を批判する
      ネタとして消費したのだ
      しかも口先と違って
      結局は檻の暖かさを
      選んだ連中だからな
      所詮は
      言葉が軽いのだよね
      
  
 ∧∧
(‥ )なんて言えば良いのでしょうね
\‐
 
   (‥ )現実はくだらないから
       くだらないことを
       言えば良いんじゃね?
 
 ∧∧
( ‥)なんと?
 
  (‥ )そんなの自己責任だけど
      さりとて露骨に
      切って捨てれるわけもなし
      しかしやれることも
      ほとんどないし
      どーしよーかなー
 
 ∧∧
(‥ )ほんと役に立たないね
\‐
 
  (‥ )それが現実よ
   
 
 寒い外へ出た人間も、暖かな場所に残った人たちも、実のところ、やれることなどほとんど残っていないのだ。
 
 
 
 

2015年1月23日金曜日

カバのレストラン

 
 以前、ネットで見た言い様で曰く。
 
 カバが絶滅して古生物学者が骨を見つけたら、研究者は大きな牙を持つことからカバを肉食動物として復元するだろう。
 
 ∧∧
( ‥)絶滅種が何を食べていたか?
    実際は牙の有無ではなく
    食物を処理する
    奥歯を見て判断すること
    なんですけどね
 
  ( ‥)カバの頭骨と歯を見て
    ‐□ あれを肉食動物だと
      判断するような馬鹿が
      いるわけねえだろ
      なんだよな
 
 
 実際、牙を持つ植物食動物というのもいるので、牙の有無で肉食か植物食かを判断することはできない。これはすでに知られていることだ。
 
 マスクディール(ジャコウジカ)=>https://www.google.co.jp/search?q=musk+deer+tusk&biw=1036&bih=818&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=CHPBVJe2J8fd8AXQl4HACA&ved=0CAYQ_AUoAQ
 
 そしてカバの奥歯の形態は植物をすりつぶすことに適したものとなっている。
 
 肉食動物なら奥歯は肉を切る刃のような形になるか、あるいは構造がもっと尖る。
 
 それにカバの奥歯は摩耗もしているのである。肉食動物の歯は、摩耗するにしてもそんな顕著ではない。
 
 ∧∧
(‥ )そこまではすぐ分かること
\‐  カバが植物食の動物であること
    これは明白
 
  (‥ )問題はそこから先なのよな
      肉食動物に誤認される
      なんてのはただの馬鹿話よ
 
 カバが肉食動物と誤認される、というのは馬鹿話でしかない。そんなものは何にも知らない人間の底の浅い思いつきであり、所詮はたわ言だ。
 
 そうではなく、問題はそこから先である。
 
 カバの奥歯は比較的丈が高い。
 
 ∧∧
( ‥)葉っぱを食べる歯だ
    だけど
    固い草も食べるかな?
    という歯であると
 
  ( ‥)草、この場合は
    ‐□ いわゆるイネ科植物だが
      草は歯を顕著に
      摩耗させるのだ
 
 それゆえ、草を食べる哺乳類は丈の高い歯を持つようになった。哺乳類は構造上、歯が一生に一回しか生え変わらない。つまり永久歯が摩耗したら餓死してしまうのである。
 
 摩耗による歯の消失までの時間を長引かせるため、歯の丈を高くせざるをえなかったのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )カバさんの歯はやや丈が高い
\‐   でも顕著ではない
     だとすると
     草は食べるだろうけども
     草ばっかり食べるような
     歯ではないだろう
 
  (‥ )ところがだ
      やっこさんの食事の大半は
      草だって言うのだよな
 
 
 つまり、歯の形と観察される食性がずれている。これこそが、どういうこっちゃ、という話だろう。
 
 確かにそういうことはありうるのだろう。例えば最近、雑食性の祖先から進化したホッキョクグマは、純粋な肉食動物なのに歯の作りは祖先とあまり変らない。
 
 カバもこういう例であろうか?
 
 しかし、カバはホッキョクグマよりも歴史が長い。そんな長い歴史の中で歯の形態が食性とずれたままってことがあるだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)でもさっき読んだ論文だと
    歯の同位体から見ると
    カバさんは
    純粋な草食いでもないし
    純粋な葉っぱ食いでもない
    そういう結論が出てくる
    見たいね
 
  (‥ )なんかさあ
      冗談みたいな話だよな
      現在の動物で
      動物園にいるような連中の
      食性に関する知識が
      怪しいって
      言うのだからね
 
 もちろん、これは誤差みたいな話だろう。草ばっかり食べてます、が、いや、草だけじゃなくて思ったよりも草以外の植物を食べているみたいよ、になる。これはいわば誤差で収まる話と言えばそうだ。
 
 それにカバが餌をあさるのは夜である。暗闇の中にうごめくでっかい、しかも飛び抜けて危険な野生動物を遠くから観察して、彼らが何を食っているか調べるというのは簡単な話じゃなかろう。
 
 それを考えれば当然の結果なのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )とはいえ
\‐  ちょっと待ってくれよ
    という話ですよね
 
  (‥ )結果的には歯の形態と
      整合的な話では
      あるみたいなんだよな
      ”草も食うけど
      それほどでもない”
      もちろん続報が必要な
      わけなんだが

 
 それでも色々と考えさせられる話ではあるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? この話は
   書くのですか?
 
  ( ‥)んーーー
    ‐□ 書いた方が良いと思うが
      どこで書くかだな
  
 説明する以上は同位体の話を書かねばならぬわけで、これは結構面倒くさいのであった。
 
 
 ∧∧
(‥ )以前書いた本では
\‐  校正の人が
    理系の本を手がけるのが
    初めてだったのか
    ”同位体とは何?”
    と書いてきましたよね
 
  (‥ )同位体は
      義務教育でやってないか
      やっても
      忘れているだろうからな
      新しい概念
      新しい単語
      新しい単位
      人間にこういうのを
      読ませるのは障害が
      あまりに大きいのよね
 
 実際、考えてみれば明瞭なのである。
 
 本を読むのと腕立て伏せ30回と、どっちが楽か?
 
 ∧∧
( ‥)腕立て伏せだろうね
 
  (‥ )ではみなさん
      腕立て伏せを
      自発的にするか?
      しないよなあ
      まあそういうことだ
 
 読ませる本があるとしたら、それはやばいことをしていると考えるべきだが、やばいことをしないとそもそも人は本を読んでくれないのである。
 
 
 
 

果てしなき行軍

 
 文献を少し読んだぐらいじゃ実感が持てないけども、昔の軍隊において、補給は現地調達であった。
 
 ∧∧
(‥ )実際には色々みたいだよね
\‐  各自お弁当持参みたいな
    ものもあれば
    補給部隊を組織して
    それなりに運ぶ場合もある
 
  (‥ )カエサルのガリア戦記
      なんかだと
      友好部族に食料を
      供出させて
      それを船で運んだり
      あるいは現地調達
      略奪なんだよな
 
 ごく単純に考える。
 
 組織化された補給部隊がいるにしても現地で略奪するというのは、兵隊からすればボーナスであった。これは正しいのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)カエサルさんも
    ポンペイウスさんとの
    戦いで損害を出して
    補給が足りなくて退いた時
    味方から敵に回った都市を
    攻略して略奪したよね
 
  (‥ )あれはむしろ好都合と
      思ったのかもしれんな
 
 味方だったら食い物を提供させる程度しか要求できないけども、敵だったら堂々と略奪できる。食い物、金などの財産だけじゃない、人間を捕まえて売ればそれだけでもそれなりな金になろう。
 
 ∧∧
(‥ )こういう単純なモデルで
\‐  考えた場合
    軍隊はある限界に達すると
    もう動けなくなるだろう
 
  (‥ )単純に食って略奪
      食って略奪だけなら
      グンタイアリと同様
      永久に軍事活動を
      続けられるのだけどな
 
 人間はどうも違うらしい。財産を築いて、例えばの話、それから個々に繁殖のための家庭を作ろうとする。
 
 ∧∧
( ‥)つまり生活が豊かになると
    それを維持したり
    守らなければいけない
    ところが豊かな場所を
    全部略奪したら
    それ以上先へはいけない
 
  (‥ )軍隊を出撃させて
      勝ち続けても
      儲けがもはや
      出ないのだよな
 
 この場合、グンタイアリと人間の違いは蓄財するかしないかだとも言えるし、グンタイアリの場合は財産が全部次世代に変換されてしまうので、人間のような制限がないということにもなろう。
 
 本当にそれだけの違いでことが起こるのかはともかく、グンタイアリと人間は、ここが顕著に違う点だろう。実際、人間は永久に行軍しているわけではない。
 
 ∧∧
(‥ )そればかりか
\‐  組織が大型化していくと
    補給部隊が必要になり
    補給部隊を維持するために
    大変な経費を支払うことになる
 
  (‥ )前に考えたあれだな
      家族がある世界では
      生活が苦しいんだよ
      お金貸して...
      しょうがないわねえ
      これですむ話が
      福祉国家では
      国家が行なう福祉
      それを実行する補給部隊を
      維持するために
      大変な経費を支払うことに
      なる
      効率が悪くなるのだ
 
 これは当然な話で、規模が大きくなるとそれを専門に行なう部隊が必要になるし、部隊の規模自体が大きくなる。補給を円滑に行なうそれだけのために膨大な経費を支払わねばならぬし、それを省略することはできない。
 
 ∧∧
(‥ )グンタイアリさんは
\‐  そういう必要がないんだよね
    みんなで行軍して
    みんなで狩りをして
    みんなで運んで
    みんなで食べる
 
  (‥ )体が小さいことも
      あるのかな?
      体が小さいと
      筋肉の生み出す出力が
      相対的に大きい
      食い物の運搬にかかる
      経費は
      そんなに大きく
      ならないよな
 
 *トナカイを追って生活する遊牧民など、そういう人たちの生活に関してはこれを論じない。いずれにせよ、ここで問題にしているのはつまるところ金と穀物だ。そして金と穀物はトナカイではない。金と穀物は自力では歩いてくれない。人間が動かさなければいけない。
 
 人間にグンタイアリのような真似は無理らしい。
 
 
 ∧∧
( ‥)豊かな土地を占領した軍隊は
    もはや移動することは出来ぬ
    むしろ豊かなのは自分
    いまや立場は反対
    侵入してくる敵から
    国土を防衛するために
    経費をかけねばならぬ
 
  ( ‥)多分、どんな国家も
    ‐□ この原則からは
      逃れることは出来ないの
      だろうなあ
 
 例え話だから軍隊と略奪と補給部隊と経費の話にしたけども、これは結局、成功して巨大化した企業でも同じことが言えるであろうし、福祉国家とかいうしろものについても言えることだろう。
 
 豊かになってしまったら、後は支出だけがどんどん増えていく。
 
 ∧∧
(‥ )出血の量と造血の量を
\‐  均衡させることすら
    出来ないのである
 
  (‥ )事実、日本は国債を
      発行しているからな
      借金を作っているわけで
      均衡できていない
 
 こういう限界はあらゆることに言えるのだろう。例えばもし日本やアメリカが昔のような貧乏な国であったら、そうしてイスラーム世界が16世紀までそうであったように、世界でも有数な豊かな地域で先進国であったのなら
 
 ∧∧
( ‥)日本やアメリカは
    中東を侵略して
    略奪したでしょうね
 
  (‥ )でも現実はそうじゃない
      今や豊かなのはこちら側で
      言っちゃ悪いが
      貧しいのはあっちだ
 
 実際、アメリカは産油国であるはずのイラクを征服したのに、これを維持することすら出来ず、中東はめちゃくちゃ、シリアは内乱状態になってイスラム国なる集団が勢力圏を拡大する有り様。
 
 ここでこう考えてみる。
 
 例えばの話、古式ゆかしく、弓と剣術、つまり人類すべてにおいてほぼ同等と思われる力で戦争を行なうような場合、アメリカ軍はイスラム国の勢力圏へ侵入できるだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)無理っぽいよね
    お金ばかりかかって
    進軍がストップしそう
 
  (‥ )反対は多分成り立つのだ
      イスラム国の戦士は
      アメリカ領土内に入って
      略奪し
      それで十分採算が
      取れるはずなんだよな
 
 雑な理屈ではあるけども、現実としてアメリカは産油国であるはずのイラクをすら維持できなかった。これは考えてみればとんでもない話で、それを考慮すると、この予想は正しいのではなかろうか。
    
 ∧∧
(‥ )なにもかも
\‐  経済が決定しているのだと
    そして豊かになるとは
    立場は強まるが
    必然
    出血死に至る可能性が
    高まってしまうことである
 
  (‥ )端的に言うと
      ビジネスになるのか?
      ビジネスにならないのか?
      そういうことなのだな
 
 そして思うに、日本人2人がイスラム国に捕まり、身代金を要求される事件。ああいう事件への対応も、話を突き詰めてみればビジネスの話になっているようである。
 
 ∧∧
(‥ )ああいうのはそもそも
\‐  誘拐ビジネスって
    言われちゃうぐらいだけど
 
  (‥ )というか対応策もな
      アメリカ軍がやったように
      空爆と暗殺で
      大きなコストを相手に
      支払わせる
      これって
      損を巨大化させることで
      相手のビジネスを
      成立させなくするって
      やり方だからね
 
 当たり前だが、どこまでいっても経済的な原理というか、家計簿の話に物事は帰着する。収入と支出のバランスだ。赤字か黒字か、それだけの話となる。
 
 ∧∧
( ‥)そして相手に損をさせるのが
    出来る精一杯ですか
 
   (‥ )しかし多分
       状況は厳しいのよね
       軍事的な報復で
       相手を赤字にする
       正しい策だけど
       軍事に金がかかる以上
       この選択肢自体が
       赤字だろうからな
       
 
 あちらからすれば実入りは大きいが、こちらからすれば支出ばかりが多いのである。豊かで巨大な国になった今、福祉と同様、軍隊も防衛も大変な支出が必要となる。当然、そのために大量の税金が必要となるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )いわば状況は負け戦
\‐   富が巨大だから
    すぐに死なないけど
    出血量が多くなっているのは
    まったくの事実
 
  (‥ )それでもなお
      ローマ帝国みたいに
      これをこれから
      何世紀も続けるわけだね
 
 ∧∧
( ‥)でも日本って自衛隊を
    外に出せないでしょ?
 
  (‥ )いやいやそもそも
      軍隊が無い国だろ?
      建前は建前なんだし
      そうであればだ
      もはや
      実態はどうでもよくね?
 
 
 もう、市民軍だの徴兵制だのが意味のあるような状況ではない。そういう軍隊ではないし、そうしたところで進軍なんかできやしない。実際、無理をしてそれに近いことをやったアメリカの失敗とそのつけがそもそもイスラム国であった。素人に出来ることといったら軍人に敬意と税金を払うのみである。未来の愛国心とは熱狂的な賛美ではなく、不平をこぼしながら義務としての税金を粛々と払うということになるだろう。
 
 
  

      
  
 

2015年1月22日木曜日

パクリへと帰還する

 
 売れる要素をパクるのと、作品をパクるのと、
 
 ∧∧
( ‥)どっちが楽か?
    あるいはどちらを
    するべきなのか?
 
  ( ‥)売れる要素をパクる
    ‐□ この方が正しいよね
 
 もちろん、この作品が売れたのは”ここだ!”という理解自体が間違っていることもありうる。その場合、売れる要素をパクったはずなのに、売れないという結果にもなろう。
 
 はず、と、そうだ、は違う。
 
 ∧∧
(‥ )とはいえこうすれば
\‐  売れるはずだという
    ”理解”や”納得”があれば
    行動もしやすいだろう
 
  (‥ )企画も通しやすいよね
      組織の場合
      これは特に重要だろうな
      売れなかったら
      責任問題だからな
 
 
 ∧∧
( ‥)でも単にパクるだけだと
    危険だろうと
 
  (‥ )売れる保証が
      ないわけだからね

 それを考えると正当なパクリ。つまり原作付き。しかもさして人気があるようには見えない原作(失礼)を、アニメを高尚に見せる箔として使う。これはあまりにも危険だ。
 
 確かにこのような箔付けの原作付きアニメは、高尚に見えるから普通の大人がお金を出しても、”オタク”と呼ばれて社会的地位を失わずにすむ。
 
 そうして金を持つ大人に安心感を与えつつ、なおかつ原作を魔改造して親子でも楽しめるような面白いヒット作にする。
 
 これは非常に効果的なのだろうけど、大変、難儀な話に思われる。少なくとも普通の人間に出来ることではないし、させることでもないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )しかも映画って高いからね
\‐
 
  (‥ )お金だけじゃない
      二時間も時間を
      とられるだろ?
      支払うコストが
      大きすぎるのだよ
      いまや映画なんて
      娯楽としては最低の
      部類だとも言えるよな

 そこで連続して失敗すればどうなるか?
 
 もうあそこのスタジオが作るものは駄目だと客に思われるであろう。
 
 これは株価の暴落のようなものである。そうなればもう誰も足を運ばないであろう。
 
 ∧∧
( ‥)お客というのは
    面倒くさい存在だと
 
  (‥ )人間の知能なんて
      小学生レベルだからな
      だけどお金を持つのは大人
      子供は客にならん
      そして大人は
      社会的地位があるがゆえ
      見たいアニメを素直に
      見ることが許されないのだ
 
 
 大人はやせ我慢しなければいけないのである。やせ我慢するからアニメや漫画を素直に楽しむオタクが許せないのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )そこに救世主のごとく現れた
\‐  原作付きのアニメ
    声優は俳優を起用し
    しかも天才的な技術で
    面白い魔改造
    お金を出しても
    時間をかけても損はないし
    子供も喜ぶから
    子供をつれて見に行く口実も
    確保されている
 
  (‥ )理想的だよなあ
      でもこんなの天才だけが
      なせる技で
      これを模倣できる
      後継者なんか出るわけ
      ないよね


 これゆえ、人は売れた作品をパクるという現実路線へと帰還しなければならぬであろう。
 
 
 
 

2015年1月21日水曜日

世の中は不正に満ちていると糾弾するデブ

 
 その喫茶店の前を通った時、おっさん1人、おばさん2人の会話が聞こえてきた。
 
 ...まったく色々な保証を切ってしまうのだから許せない。
 
 暗殺したいくらいよ。
 
 でもポイントは増えているのよ。信じられない。
 
   暗殺ってことは
 ∧∧ 要人のことだよね
(‥ )
 ‐( ‥)政策推進の立案者って
     ことは最高責任者である
     首相のことだろうな
 
 
   安倍さんを殺したいと?
   でも支持率は上がってると?
 ∧∧ それが許せないと?
( ‥)
 ‐( ‥)まあそういう内容に
      聞こえるね

 
 
 民主主義なんだろ? 暗殺じゃなくて選挙で戦えよ、という正論はこの際どうでも良い。 
 
 暗殺だろうが誅殺だろうが粛清だろうが政治は政治だ。
 
   問題はそれが
 ∧∧ 支持されるか? ですか
(‥ )
 ‐( ‥)ポイントが増えている
   ‐□ 支持率が増えているって
     ことだろうけど
 
 自分の意に沿わぬ意見の持ち主が支持されているのを見て、その理不尽さに怒り、そうして暗殺という言葉を口にしたのであろうか?
 
 
 ∧∧ それは暴虐だろうね
( ‥)
 ‐( ‥)まあ暴虐でもなんでも
     良いのだがな
 
 テロリズムをどう定義するのか? にもよるが、少なくとも理想を追求するとは自分の計画や意に沿わない人間を抹殺してもよい、いや、むしろ抹殺しなければならない、理想のためには法令もルールも関係ない。そういうことでもある。
 
 というか理想とはそもそも大虐殺のことなのだ。理想を追求するのは殺人鬼のやることだ。
 
 だが、そんなこともどうでも良いのである
 
 問題は
 
 ∧∧ あの人たち太ってたね
(‥ )
 ‐( ‥)デブってことは
   ‐□ 既得権益者なんだよな
 
 世の中なんでもそうだが、その体型の人間が言うと説得力が無くなる言葉というものがある。
 
 成功を力説するガリ
 
 世の中は不正に満ちていると糾弾するデブ
 
 これは駄目だ。
 
 貧乏人も安価でデンプンと脂肪過剰な食事を摂るから太る? いやあ、あのおっさん、おばさんは結構良い服を来ていたと思う。そうして喫茶店に入っていった。チェーン店のどうってことのない店だが、ああいう店の食事は無駄に高いのである。世の不正を憎む人間が入るにしては、ずいぶんな金持ちではないか。
 
 
 

夜道を延々と呪詛しながら歩く

 
 神奈川県中央では、肉眼でラブジョイ彗星を見ることはできない。
 
 望遠鏡で見ても尾は見えない。
 
 では、もっと暗い場所ならどうか?
 
 そこで神奈川県の南、海岸にまでいってきた
 
   ...彗星さん
 ∧∧ 肉眼で見えるね
( ‥)
 ‐( ‥)暗い星みたいだが
     ちゃんと見えるな
 
 現在、ラブジョイ彗星は、おひつじ座δ星ボテインから、おひつじ座41番星に向かって進行中で、20日の夜にはちょうどほぼ中間地点にいた。
 
 *去年の夏の写真なので当然、ラブジョイ彗星は写っていないが、ボテインと41番星の配置はリンク先の通り=>Untitled Document
 
 **ちなみにこの画像、これまで41番星をボテインと誤表記していたので、キャプションを書き直した。
 
 望遠鏡で見ると、まばゆい、と表現するのは言い過ぎにしても、まばゆいばかりの輝く彗星だ。やはり暗い場所で見るとまるで違う。
 
 これはきれいなものだ。さあ、スケッチをしよう、と思っているところで雲が猛然と沸き上がり、見えなくなった。
 
   到着したら途端に
 ∧∧ 曇りですか
(‥ )
 ‐( ‥)気象庁の天気分布予報は
      来る前に確認してたけど
      外れちゃったかな...
 
 21日は雨の予報ではあったが、朝までは大丈夫であったはず。予報よりも速く雲が拡大した、そういうことやもしれぬ。
 
 さらにこの時点でただちに撤収していればぎりぎり最終のバスに乗れて帰れたかもしれないけども...
 
 ∧∧ もう30分切ってるね
( ‥)
 ‐( ‥)ギリだなあ...
 
 慌てて忘れ物とかをしたらどうする? とか考えたのが悪かったのか、未練があったせいなのか。結局、最終のバスは逃した。天気が一旦回復したのもつかの間、結局、再び曇りになってしまってようやく諦めたが、当然、すでに帰る手段なし。
 
   確かに当初の予定では
   日没と共に来て
 ∧∧ 最終で帰るはずでしたが
(‥ )
 ‐( ‥)やることあって
     出発が遅れて
     さらに予想よりも
     到着に時間がかかり
     最終バスまで時間がない
     状況に陥ってから
     このタイミングで曇天
     なにもかも破綻で
     やれやれだな
 
 そしてさすがに1月の夜である。寒いのだ。星が見えていたら我慢できる寒さなんだが、曇りでやることもないのではどうにもならない。
 
 すでにバスは逃し、必然、最終電車も逃しているわけだが、せめて暖かいところまで後退しよう。
 
 というわけで、歩く。
 
 多分、分解した望遠鏡をかついで6キロあまり歩いた計算。
 
 誰もいない夜道を、全世界を呪詛するがごとく、つまらん、失敗だ、つまらん、失敗だ、延々と愚痴をこぼしながら暗闇の中を一人歩く、歩く。
 
 ∧∧
( ‥)なんかもう最低だね
 
  (‥ )愚痴も我慢しなければ
      ならぬ人生なら
      生きてる価値など無いぞ
 
 ファミレスに到着したのは1時15分である。それから始発を待って帰った。自宅に帰り着く頃、空が白み始めた。
 
 以上のように最低な結果だが三点分かったことがある
 
 ∧∧
(‥ )ラブジョイ彗星は
\‐  空が暗ければ肉眼で見える
    ただし望遠鏡で見ても
    尾は見えない
 
  (‥ )だとすると
      家の周辺で観測しても
      変わりはない
      そういうことだな
 
 もうひとつ。ちょっと合間をぬって確認できた。おうし座のM1星雲。通称カニ星雲、これは神奈川の中央ではまったく見えないが、南でならあっさり見えた。
 
 ∧∧
( ‥)やっぱ都市の光で
    かき消されているのだね
 
  (‥ )冬の野外で一晩中の観測は
      現時点ではつらい
 
 だとすると、星雲の位置は分かっているのだから、まず自宅周辺で星雲周囲の星の配置を記録した後、機会を見て南端で星雲を観測し、それを後から描き込めば良いであろう。
 
 ∧∧
(‥ )実際には
\‐  自宅周辺では見えない暗い星が
    南では見えるから
    星雲を描き込めばすむ話では
    なくて
    周辺の星のスケッチも
    新たにする必要があるけどね
 
  (‥ )それでも作業の省略化は
      かなり可能だろうな
      そしてそれなら
      夕刻に到着
      観測とスケッチ
      最終バスで
      温かな部屋へ帰宅
      これが可能になるだろう
 
 ただ、月齢と天気から考えると、これからひと月近くは無理であろう。予報では2、3日、雨が続く。それが終わる頃になると月齢は3を越えている。再び、明るい夜空が戻ってくる。
 
 ∧∧
( ‥)次の新月周辺
    2月中頃の挑戦ですか
 
  (‥ )仕事と〆切があるから
      そのぐらいの進行で
      考えるべきだろうなあ

 今度は日没と共に来て、即座に去ることとしよう。
   

2015年1月20日火曜日

公理といっても、それは認識論的に恣意的に決めたでしょ疑惑

 
 ∧∧
(‥ )文章を分かりやすく書け
\‐  ただし
    分かりやすい嘘は禁止
 
  (‥ )専門用語は使うな
      使うとしても
      1回の説明に1語のみ
      なおかつ使用した用語は
      必ず説明しろ
      ただし人間が
      一度に理解できる文字数は
      25文字が限界なので
      それを制限として
      文章を作成せよ
      そんな感じかな
 
 
 ∧∧
(‥ )そこまでしても
\‐  非常に単純な事柄しか
    説明できないよね
 
  (‥ )一番困るのが
      皆が分かったと思っている
      単語や
      単語が指し示す概念
      それ自体に誤りが
      まざっている場合だな
 
 典型的な例が”種”だろう。種は人間の恣意的な認識だ。
 
 種とは認識と理解、つまり情報を脳内で処理する過程で使用する便宜的な枠組みでしかない。画素みたいなものである。画素は必要だが、実在するわけではない。
 
 同様に、種は人体の外部には存在しない。
 
 存在すると主張する人もいるが、種を明瞭に指定できるのはむしろ例外的な事例と考えるべきだろう。
 
 *例:その系統、最後の生き残りであったロンサム・ジョージ。これなら個体を指定すれば種になる。ただし、ロンサムジョージは種ではなく、亜種の最後の個体であった。
 
 
 ∧∧
( ‥)人間の認識は恣意的
    しかし理解は
    認識に基づく動作
    そうである以上
    理解には必ず
    誤謬の原因が隠されている
 
  (‥ )理解という動作は
      必然的に
      理解を破壊するように
      作用する
      そう言うべきかもしれんな
 
 認識という過程そのものに誤謬や現実との齟齬がある以上、理解には絶対的に誤謬が混ざる。
 
 最近抱いている疑惑なんだけども、点から等距離にある点の集合が円である、という定義と認識は自明の理、つまり公理であるとされるが
 
 ∧∧
(‥ )これも単なる認識だと
\‐
 
  (‥ )近似的に正しいけど
      自明の理というのは
      おそらく飛躍だな
 
 それは、点から等距離に存在する大きさゼロの点は真円を描くに違いない、という認識でしかないんだろう。実際、これを論証した人はいない。そもそも空間がピクセルのようなもので出来ているのなら、単純に考えて以上は成立しないし、空間がそういう成り立ちをしていないという保証は聞いたことが無い。
 
 ∧∧
( ‥)例えば嗅覚に依存する生物は
    点から等距離の点の集合は
    円であると認識できるので
    あろうか?
 
  (‥ )嗅覚に依存する動物ってさ
      点と点と
      それをつなげる線に沿って
      動くように見えるのだよね
 
 あのような世界観に、点から等距離の点の集合は円である、という発想があるのだろうか?
 
 点と線による世界観。考えてみれば自分たち人間にもそういう世界観はある。
 
 ∧∧
(‥ )地図がそうだよね
\‐  測量したものはともかく
    人間が
    認識的に案内図を描くと
    実際の地形とかなり違う
    配置と道筋を描くという
 
  (‥ )あれは目印という点と
      道筋を主観的に
      組み上げたものだよな
      あれはもしかしたら
      嗅覚に依存する動物の
      世界観に
      かなり近いかもしれん
 
 実際に近いのかどうかはともかく、例えば、地図を描く感じで円を想像してみよう。
 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)...困ったね
      点となる目印から
      等距離の目印が
      思いつかん
 
 例えば自分の家を中心とする。そこから等距離の目印を列挙する。列挙し尽くした時、その集合は円になる...はずなんだが、そんな実感を思い描けるだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)思い描けない?
 
  (‥ )理屈じゃ円になるのだ
      それは”理解”できるが
      思い描けん
      そもそも等距離の目印が
      存在しないからな
 
 自分の家から等距離にある地点はどこか? 
 
 そう言われても思い浮かばない。考えてみれば感覚的な地図とはそういうことを可能にするものではないだろう。私たちの地図は点と線だ。その組み合わせを描くには平面が必要だが、実際のところ認識自体は点と線であって、平面ではない。広がりがないのだ。
 
 これでは円を描けない。
 
 そもそも思い描いた地図の上では、等距離という概念もよく理解できない。
 
 確かに目的地にまで至る道筋を考えるとそこに相対的な長い短いはある。場合によっては同一の目印に至る時、ほぼ同じ”長さ”と思える道筋もある。だが、その長さとはなんだろうか?
 
 それは歩んだ時間とか、あるいは歩いた時の疲れ具合が同じとか、そんなことではないのか?
 
 本当に距離が同じなのか?
 
 ∧∧
(‥ )もし嗅覚で世界を感じる
\‐   知的生物がいて
     その人たちが
     匂いの目印と道順で
     世界を把握している時
     彼らの世界に
     円はあるのだろうか?
 
  (‥ )理解はできるだろうけど
      スタートはそこじゃ
      ないだろうね
 
 多分、点と線と距離と角度を計測するところから始めるのかもしれない。彼らが円を把握するのはそのずっと先ではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)少なくとも
    円というイデアが存在する
    そういう世界観は
    持たないだろうと
 
  (‥ )真円というイデア
      それを信じれるのは
      視覚で図形を感じて
      図形を単純化
      理想化して認識する
      人類の特性だと思うけどな
 
 それを踏まえて考えると、ユークリッドの原論は非常に胡散臭い書物なのだとも言える。実際、その胡散臭さはプラトンのイデア論と同じなのだろう。そもそも彼らの数学の発端はピタゴラスであり、その根幹は宗教だ。
 
 樽親父のディオゲネスがプラトンをおちょくり続けたのもそのせいだろう。
 
 ∧∧
(‥ )プラトンくん
\‐  君の言うイデアなんて
    僕には見えないけどね?
    そう言ったと
    伝わってますからね
 
  (‥ )たぶんディオゲネスの
      言っていることが
      正しいのだよな
 
 考えてみれば原論の公理は自明の理ではなく、実際には恣意的なものであること明らかだ。
 
 円は等距離の点の集合である、そう設定したのも便宜的な理由だろう。
 
 ∧∧
(‥ )そう設定しないと
\‐  あらゆる幾何学的な
    位置においても成立する証明
    これが成り立たなくなるよね
 
  (‥ )おかしな話だろ?
      ゼノンのパラドックスを
      見れば分かるように
      古代ギリシャ人は
      無限を扱い切れないが
      幾何学を
      成立させるためには無限を
      導入してる
      これは必然的でないよね
 
 ∧∧
( ‥)恣意的に設定しただろ、と
 
  ( ‥)原論でさえも
    ‐□ 人間の認識という
      やばいものを
      組み込んでいる
      最低限
      その影響下にあることは
      警告的であるな
 
 これはあらゆることに絶対的に誤謬が入り込んでいることを示している。それがどれなのかを見極めなければならぬ。
      
      
     

原作をアレンジして名作にするというのは邪道というか無謀

 
 未来少年コナンには原作がある。邦題「残された人々」
 
 敵国上空に張られたバリアーを打ち破るために超磁力兵器が飛び交った大戦争。地殻変動で大地はめちゃめちゃになり取り残された小さな島、そこで暮らすのは少年コナン。彼は原作では戦前の生まれである。彼は大戦後、たった一人で生き抜いてきたのであった。
 
 ∧∧
(‥ )そこに来るのは原作通り
\‐  モンスリーさんだっけ?
    でもただのおばさんだよね
 
  (‥ )主要なキャラはそれなりに
      同じなんだ
      ヒロインであるラナも
      後から出てくるし
      偏屈な老人を装うラオ博士
      インダストリアの有力者で
      侵略者の尖兵である
      横柄な男ダイス船長も
      登場するけども
      共通点はそのぐらいかな
 
 アニメだとハイハーバーを征服したモンスリーたちの部隊が無力化されてしまう津波の襲来があるが、原作ではあの時点でインダストリアは完全に消滅してしまう。当然、話はそれで終わりだ。そうである以上、世界を滅ぼした巨大爆撃機、その最後の一機であるギガントの登場と離陸はないし、当然、ギガントに侵入し、これを素手で破壊するコナン、ジムシー、ダイス船長、三バカトリオによる大乱戦も無い。
 
 というかあの三人、原作において別に仲は良くない。まがいなりにも最後はコナンの方についたモンスリーと違って、ダイス船長は最後まで敵であった。
 
 さらに言えば、モンスリーはコナン狙いのショタコンじゃないし、ダイス船長もラナちゃん狙いのロリコンではない。どっちも普通のおばさん、おじさんである。
 
 ∧∧
(‥ )未来少年コナンって
\‐  それを考えると
    トンデモ魔改造だよね
 
  (‥ )思うのだけどさ
      魔改造と
      パクリと
      どっちが難しいの
      だろうな?
 
 NHKのアニメというと、「太陽の子エステバン」というものがあった。少年エステバンが古代文明の遺産である飛行機械、大コンドルを操縦するトンデモ話だったはずだけども
 
 ∧∧
( ‥)あれも原作魔改造だよね
 
  (‥ )「黄金の七つの都市」
      西欧が新世界を
      征服して
      黄金伝説が飛び交い
      先住民に
      略奪をしかけている時代の
      話だから
      内容が暗いのだよね
 
 うろ覚えだけども、そもそも冒頭、主人公エステバンが逮捕されて裁判にかけられるところから話が始まる。彼は地図を作る職人なんだけども、発見された黄金を当局に報告しないまま着服し、隠したのではないかと疑われているのだ。
 
 当局の見解はかなり正しい。だがエステバンの回想で進む現実の出来事はひどい話であった。黄金をめぐって略奪、謀略、殺し合い、裏切り、失望、別離、そして仲間の病死、ここに至って彼は熱湯の吹き出る温泉に黄金を捨てたのだ。
 
 ∧∧
(‥ )最後、ヒロインが
\‐  刑期が終わって釈放されたら
    また会いにくる
    そう言って去っていく話
    でしたっけね
 
  (‥ )アニメは原作の面影を
      ほとんど残していない
      魔改造ぶりだな
      結果から言うと
      ほぼ無名の作品だが
 
 
 思うのだけども、パクリよりも魔改造の方が難しいのじゃなかろうか?
 
 ∧∧
( ‥)アイデアをパクる
    原作をアレンジする
    どちらの方が
    成功しやすいか、ですか
 
  (‥ )パクるのは
      売れたものをパクるわけで
      パクった以上は
      売れる要素が
      すでに含まれている
      つまり原理的に
      パクった方が楽だよね
 
 
 だが、原作付きはそうではないだろう。
 
 確かに売れた原作をアニメ化するとか、そういうこともある。しかしそれはある意味100%のパクリというべきだ。この場合、アレンジを加えることもあるが、それは漫画とアニメの表現形式なり制限が違うから変えるに過ぎない。
 
 ∧∧
(‥ )そして以上の魔改造の事例で
\‐  その原作は売れた原作なのか?
    というと疑問符が
    つくからね
 
  (‥ )事実として
      あれらの原作は無名だろ?
      だったらこれはもう
      個人の才能の勝負だよ
      それを考えるとさ
      天才が去った後の
      ジブリが
      原作付きのマーニーで
      こけたってのは
      暗示的だよね
 
 
 実際、あの「残された人々」を「未来少年コナン」に変えてしまうという能力は、尋常ではない。
 
 その、尋常ではない人と同じやり方で組織を維持するだけのヒット作を作って金を稼ごうというのは無謀に思える。
 
 ∧∧
(‥ )こういう風にさ
\‐  あなたのような部外者が
    まるで見てきたかのように
    物事を論評するのは
    すごく間抜けに
    聞こえるものなんだけどね
 
  (‥ )でもなあ
     「残された人々」と
     「未来少年コナン」を
      見比べると
      あのアレンジぶりには
      ちょっと
      畏怖してしまうのでな
 
 これをあれにするか?? という技術を越えた異様な才。考えてみれば魔改造の才というのはちょっと再現が難しいものだろう。技術だけではどうにもならぬ。才とは脳の神経が織りなす回路なり。なれば才とは尋常ならざる回路ということになろう。そして、神経の構造は努力や訓練では身に付かぬ。
 
 それを踏まえると、原作付き、アレンジ、魔改造でヒットを量産しようというのは無謀極まりないと考えるべき。
 
 再現できないものは再現できぬ。
 
 再現するには再現可能なものを再現対象に選ぶべき。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
    組織はやはりパクるべきである
 
  (‥ )天才ではない人のために
      神はパクるという選択肢を
      この世に
      お造りになられたのだ
  
 
 これはhilihiliのhilihili: 組織はパクるべし、という神託の続き
 
 
 
 
 ところで
 
 ∧∧
(‥ )あなたは何をパクリます?
\‐
 
  (‥ )それはちょっと
      考えどころだな
      この業界のヒット作は
     「癌は切らずに直ります」
      とか
      内容が嘘ものだと
      相場が決まっていてな
 
 嘘はね、分かりやすいだろうけど、やっぱ嘘なんだよね。
 
 皆の望んだ嘘こそが、皆の望む商品なんだけどね、やっぱ嘘は嘘なんだよね。
 
 というかだ。嘘が持つ最大の欠点はつまらん、ということだ。
 
 つまらないものをパクっても、それは単に苦痛なだけである。
 
 ∧∧
(‥ )そういえばあなた
\‐  痛いことは嫌いだよね
 
  (‥ )ゾウリムシと同じでな
      嫌いな刺激に対して
      負の走行性を
      持っているのだ
 
 人間、体の設計からは自由にはなれん。
 
 ∧∧
( ‥)嘘でないヒット作だと
    あれだよね
    理解の形式を根底から
    変えるようなものが
    売れるよね
 
  ( ‥)そんなの
    ‐□ 普通の人間には
      真似出来ないし
      独自すぎて
      パクれないんだよね
      どうしたものかねえ
 

 
      

2015年1月19日月曜日

嗜好品を奪うことは許さないと見えてしまう

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえやっぱ
    ‐□ フランスの件は
      あのままでは
      容認できないよなあ
 
 侮辱したら殺された
 
 この時、どう言い訳できるのか?
 
 これは問いを変えた時こうなる
 
 侮辱されたので殺した
 
 この時、私は罪を犯したがそれにはこんな理由がある
 
 そう言えるか?
 
 ∧∧
(‥ )フランスの件を無条件に
\‐   全面的に容認すると
     例えば虐められっ子が
     虐めっ子を殺した時に
     悪いのは全部
     加害者である
     そういう論理になる
 
  (‥ )それだけではない
      自分を侮辱した人間を
      殺す権利を放棄することに
      なってしまうのだ
 
 ∧∧
( ‥)おだやかな言い様ではないね
 
  (‥ )だがなあ
      人が人を殺す
      これはしばしば
      自分の名誉を回復する
      行為なんだよな
 
 
 人間は社会性の動物だ。それゆえ、社会的侮辱に対して猛烈な反撃を行なうのは必然であった。意外というか当然かもしれないけども恋人や夫婦もそういう理由で相手を殺すのである。
 
 まあなんだ、ジダンもあの局面で頭突きをしたろ? という例のあれだ。
 
 ∧∧
( ‥)殺しちゃいないけどね
 
  (‥ )似たようなもんだろ?
      人がしばしば
      実利より名誉を取ること
      これは明らかよな
 
 
 ともあれ
 
 ∧∧
( ‥)いずれにせよ
    そんなことを言うと
    お前は言論の自由を
    否定するのか?
    そう言われるだろうね
 
  ( ‥)でかい名詞を使うと
    ‐□ 個々の事柄はすべて
      等価になってしまう
      それでは議論が雑だな
 
 殺人と言った瞬間に、すべての殺人が等価になる。
 
 例えばこれは医療ミスであり殺人だ、と主張する。これまたそういうものだ。
 
 つまり、個別の事柄で論ずるべき時にでかい名詞を使うものではない。
 
 いや、むしろ、ごまかしたいからでかい名詞を使うのではないか?
 
 これは、疑惑が尽きぬ。
 
 ∧∧
(‥ )言論の自由...
\‐
 
  (‥ )弱ったことにさ
      風刺漫画は所詮は商品
      だとするとだ
      預言者を下品に
      侮辱した漫画を
      多くが読んだとは
      言論の自由を叫ぶ行軍の
      大多数もまた同じ
      そういうことに
      なりうるのだよな
 
 それを考えると見方によってはこうである。あの行軍は、俺たちの嗜好品を奪うことは許さない、そういう行軍になってしまうと。
 
 果たしてそれは正当か?
 
 ∧∧
( ‥)そうではない、と
    彼らは言うでしょう
 
  (‥ )それは
      反論としては
      不十分であるね
  

 言論の自由、これは設定を申し述べているだけで、説明でも釈明でも展望でもない。そして一度下品な嗜好品を大量に、しかも真っ昼間から衆人環視の元で消費してしまうと動機そのものまで疑われる。設定だけではごまかし切れぬ。
 
 この下品さは欧米人がぎーぎー喚き立てるエロ漫画なんてもんじゃない。新聞の影響力は漫画どころの騒ぎではないのだから。そんな出来事、いや構図であろう、下品な風刺漫画を販売する人間がいるとは、それすなわち大量の購買者がいるということなのだ。この歪んだ構図を言論の自由うんぬんだけで説明しきれる、全てをチャラにできると主張する方がどうかしている。
 
 いや、もっとどぎつい問いもありえよう。あの行軍は名誉を取ったのか? それとも実利を取ったのか? 
 
 ∧∧
(‥ )それを聞いたら彼らは
\‐   激怒するだろうね
 
  (‥ )とはいえな
      白昼堂々
      下品な嗜好品を
      大量消費するとは
      そういうことなんだよ
      隠れてエロ漫画を読んで
      抜きました、てへー
      みたいなわけには
      いかんぞ
 

      

滅びゆく世界

 
 ∧∧
( ‥)疲れた?
 
  ( - -)まあさすがに
 
 ハワイにはフサミツスイという鳥がいた。絶海の孤島にたどり着いた動植物だけが作った生態系だ。人類がやってくるとそれらはもろくも崩れ去り、種族は次々に滅びていった。ハワイの花々の蜜を吸って生活する鳥フサミツスイも例外ではなかった。
 
 ∧∧
(‥ )最後のフサミツスイ
\‐  カウアイ・オーオーが
    滅びたのは1985年
    生きながらえたとしても
    1987年が最後だと
 
  (‥ )なんとねえ
      俺が中学や高校の時に
      絶えたのか
 
 カウアイ・オーオー 世界鳥類和名辞典によると和名キモモミツスイ。ハワイの固有種フサミツスイ属に所属する4種類の鳥の中で唯一絶滅していない種とされているが、この本が出た年は奇しくも、その1985年だ。。
 
 手持ちの資料によるとこの鳥は、1981年にはたった一組のペアだけになっていたという。1982年、ハリケーンが直撃した後、雌が消えた。残された雄が最後に目撃されたのは1985年。その後、雌を呼ぶ声が記録されるが、1987年を最後とする。

Moho braccatus 和名キモモミツスイ=>https://www.google.co.jp/search?q=moho+braccatus&biw=1062&bih=831&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=nua7VPX2EoHAmAWmhYKoCA&sqi=2&ved=0CAYQ_AUo…
 
 
 ∧∧
(‥ )スズメに似た鳥
\‐  ハワイマシコもつい最近
    絶滅したんだね
 
  (‥ )ハワイマシコ属
      つまりPsittirostra属を
      どう取るか次第だけど
      1989年に絶滅したのな
 
 
 近縁種は生きているけども最後の種族キガシラハワイマシコは1970年代には60羽、1989年には2羽となり、その年を最後に目撃が絶えた。
 
 Psittirostra psittacea 和名キガシラハワイマシコ=>https://www.google.co.jp/search?q=moho+braccatus&biw=1062&bih=831&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=nua7VPX2EoHAmAWmhYKoCA&sqi=2&ved=0CAYQ_AUo…



 

2015年1月18日日曜日

組織はパクるべし、という神託

 
 そういえば、ディズニーのベイマックスで日本のアニメ文化とその独自性はもう終わった! とかなんとか言う以前に
 
 ∧∧
(‥ )ディズニーの
\‐  ライオンキング(1994)は
    ジャングル大帝レオの
    ぱくりだろ
    と言われたものだよね
 
  (‥ )どうでも良い話だが
      そう言われたのは
      確かなんだよな
 
 もう20年も前の話である。ようするに事態は20年前から変っちゃいないのだ。
 
 もちろん疑惑の真偽も、それがパクリなのかオマージュなのか二次創作なのか、そんなことも、どうでも良い話である。そもそもジャングル大帝の生みの親である人もまた、ディズニーに大きな影響を受けたのであるし。
 
 だがここから分かることがある。
 
 ∧∧
( ‥)ディズニー自体も
    ディズニーさんという
    個人からスタートした
    会社なんだけども
    組織化して創作能力は
    喪失したと
 
  (‥ )というか
      組織が創作能力を
      維持できるわけがない
 
 漫画やラノベを見れば分かるように、創作能力は膨大な個人と人生の消耗を必要とする。天才が率いたならば組織は創作能力を持つが、それはトップが能力者であるからで、彼がいなくなれば、組織は創作能力を必然的に喪失するだろう。創作能力を維持するには膨大な人数を抱えなければいけないし、成功する事例が少ない以上、支払う経費に対する見返りは本当にわずかだ。これでは創作の維持など不可能である。
 
 ∧∧
(‥ )むしろ創作能力を
\‐  持っていてはいけない
 
  (‥ )持っていたら
      組織がつぶれるさね
 
 それを考えると、ジブリもそうなるってことなのだろう。
 
 というか、そうならねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )すでに俳優を声優として
\‐  起用するとか
    一般人が安心して見れるように
    しているよね
 
  (‥ )人間は社会的地位に
      敏感だからな
      大人なのに
      アニメを見るオタクと
      言われると
      社会的地位が崩壊するでな
      ああいう安心感を
      与えるのは大事だよね
 
 あと必要なのはパクリだ。
 
 ∧∧
( ‥)すでに原作付きを作って
    いますけどね
 
  ( ‥)原作付きじゃだめだよ
    ‐□ パクリだよパクリ
 
 成功例の美味しいところを抽出して宝石として売りつける。そうであらねばならぬ。
 
 これ原作があるんだ。聞いた事無いな。 面白いの? うーん...なんか微妙。では多分、駄目だろう。
 
 ∧∧
( ‥)ゲド戦記
 
  (‥ )それだったら
      ハリーポッターを
      ぱくった方がよくね?
 
 
 そういえば、ジブリとディズニーが共に女性二人の物語を公開した2013年、2014年。この第一次百合戦争はディズニーによる「アナと雪の女王」の圧倒的勝利で終わったのであった。
 
 ∧∧
(‥ )でもアナと雪も
\‐  聖闘士星矢のパクリだ
    という疑惑があったよね
 
  (‥ )なんでもパクリと
      言うのは感心せんけど
      本当にそうだとしたら
      むしろ
      勝利の鍵はそこにあると
      見るべきだな
 
 なお、ジブリによる「思い出のマーニー」は原作付きだった模様。
 
 
 

ビキニアーマーは理屈じゃない

 
 hilihiliのhilihili: 文法で話が面白くなるわけではないの続き
 
 日本人は論理的に物事を考えないから、話の筋を想いの強さで解決してしまったりするのです。
 
 この意見はよくあるが、これはつまり例えば欧米は論理で話を作るし、非合理なことはない、という主張にもなる。
 
 
  ( ‥)そういえば
    ‐□ ビキニアーマーって
      アメリカのパルプ雑誌
      とかが発祥だよな
 ∧∧
( ‥)でもああいうのって
    性差別がどうので
    規制とまではいかないけど
    廃れたんだっけ?
 
 ビキニアーマー。すなわち、女の子の戦士があられもない姿で戦うビキニの鎧。防御力などあるわけがない理不尽な代物だが、だがしかし、あれを見れば分かる。理屈の整合性だの筋道なんて話においてどうでも良いんだよ。商品ってのは認識と要望なんだよ。それが見て取れるであろう。
 
 ∧∧
(‥ )筋道がおかしいから
\‐  ビキニアーマーは
    規制されたわけじゃ
    ないだろうけどね
    それにビキニアーマーは
    あくまでも設定であって
    話の筋道とは違う
 
  (‥ )でも結果は同じだろ?
      理詰めで話を面白く出来る
      場合もあるけども
      理詰めなら話が
      面白くなるというのは
      間違いだよね
      そしてアメリカは
      ビキニアーマーを
      失ったのだ
 
 なぜ理詰めで創作をしようとするのか?
 
 むしろあれだ。これは理詰めを追求するようなビジネススタイルというか社会人としてのあり方が欧米にはある、単にそれだけの話で、それ以上のものではないってことだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり面白い話を作りたい
    わけではない
    単にお行儀の良い
    ビジネスマンが
    商習慣で理屈を
    こねているだけではないかと?
 
  (‥ )ロジカルに物事を
      説明できないと駄目
      ご立派に聞こえるが
      論理で出来ることなんか
      本当にごくわずかだ
      所詮は文法だからね
      それを考えるとだな
      ロジカルに考えるとは
      そうしないと
      彼らの社会では減点対象に
      なるからそうしている
      それだけのことでしか
      ないのだろうな
  

 もし、そういうことの延長でロジカルに物事を考え、話を面白くできると思っているのなら、多分、色々と台無しで残念なことになるのであろう。
 
 論理は所詮は文法である。別に万能でもなんでもないし、文法ごっこをしている人間が良い歌を歌えるかというと、そんなことはあるまい。
 
 
      

文法で話が面白くなるわけではない

 
 ∧∧
(‥ )日本人は論理が苦手だから
\‐  作る物語に筋が無い
    想いの強さで
    問題を解決したりしてしまう
    昔からある意見だね
 
  (‥ )でっ?
      論理的に筋を通して
      それで
      面白い話を作れるのか?
 
 ∧∧
( ‥)あなたも筋が通っていない話や
    想いの強さで解決したりする話
    嫌いでしょ?
 
  (‥ )嫌いだよ
 
 
 だが、好き嫌いと、面白いか面白くないか、受ける受けないは違う。
 
 実際、筋を通すことで面白くなる話もあるが、筋が通っていなくても面白くなることはある。
 
 理屈の正しさと面白さは関連してはいる、だがしかし、理屈が正しければ面白くなるのかというと、理屈はそれを保証してくれないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )むしろ冒頭の意見は
\‐  その人がたまたま見た
    つまらない物語が
    筋道の通っていない
    ものだった
    それだけのことかもね
  
  (‥ )論理は単なる文法だ
      文法さえ正しければ
      話は面白くなるか?
      否だな
      文法が間違っているから
      話は駄目になるか?
      これもまた否だ
 
 
 ∧∧
(‥ )欧米だと話は全部
\‐  理詰めなんですかね?
 
  (‥ )だからあっちの創作は
      つまらないのか?

 もちろんこれは言い過ぎだ。
 
 とはいえ理詰めで物事を考えた時、それゆえにこそ、とんでもない駄作が出来ることも考慮せねばならぬ。
 
 物語はむしろ認識だ。そこに論理もあるが、論理以前に、認識に沿っていないと話は受け入れてもらえない。
 
 
 

2015年1月17日土曜日

正常化バイアス

 
 正常化バイアス
 
 ∧∧
(‥ )非常事態だけど
\‐  みんなが騒いでいないから
    騒ぐ必要はないかな?
    そう思っているうちに
    逃げ遅れるとか
    そんな話でしたっけ?
 
  (‥ )まあそういう使われ方を
      するみたいね

 
 とはいえしかし、この言葉、時として
 
 俺様は危機を察知している
 
 だけど周囲はそれを理解してくれない
 
 世間は俺様が察知した危機を理解できない馬鹿ばっかりだ!
 
 そういう意味合いでも使われる。
 
 ∧∧
(‥ )危機は説明するものだけどね
\‐  正常化バイアスでは
    説明になってませんね
 
  (‥ )本人にとっては
      自明の理なんだろうけどな
      だから怒っているの
      だろうけどね
 
 
 とはいえ、傍から見ていると、こんなのは正常化バイアスだ! と大騒ぎしているご本人が、今、一番損してるよね? ということも少なくない。
 
 
 

あれは人生を犠牲にして得たものだ 

 
 ディズニーが作ったアニメ、ベイマックス。これは日本アニメを取り込み、それを越えて一般向けに受けた。これがゆえに、日本のアニメや漫画文化は終わったと
 
 ∧∧
(‥ )でもそれって悪く言えば
\‐  パクリだし
    そもそも漫画やラノベを
    原作にするのがアニメだし
    パクリだろうと
    インスパイアだろうと
    オマージュだろうと
    二次創作だろうと
    アイデアはどこも他人頼り
 
  (‥ )それを考えると
      あれだな
      評論家ってのは
      アイデアは簡単に
      思いつけるものだと
      考えているのだろうな
 
 実際にはそうではない。漫画やラノベを成り立たせるためにどれほどの人生が犠牲になったのかは想像できないほどだ。
 
 ∧∧
( ‥)試行錯誤という
    甚大な犠牲の上に
    ようやく幾つかの原石が
    生成される
 
  ( ‥)巨大企業はそれを
    ‐□ 安値で買って研磨して
      高く売りつける
      それだけの話よ
 
 つまり、アイデアを作るという作業はあまりにもコストが高いのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )そりゃ高いでしょうね
\‐  漫画家、ラノベ作家
    イラストレーター
    みんなバタバタ死んで
    いきますからね
 
  (‥ )企業はこんなもの
      維持できないさね
 
 こんな発狂したような試み、出版社がすくい上げて舞台を提供してあげるのが精一杯である。
 
 しかし、それを考えてみれば出版社というのはたいしたものではないか。評論家だの映画会社だのよりはるかに輝いておる。
 
 ∧∧
(‥ )でも、なぜか漫画家さんと
\‐  トラブルが多発する
    出版社があるけどね
 
  (‥ )なんでああなるのかな?
      監督するために
      暴力的になる道を
      選んだのかな?
      あるいは大学を出たのに
      漫画編集に配属されたのが
      嫌でたまらないのかな?
 
 
 とはいえ、出版社はまだリスクを引き受けている。
 
 そしてそういう試みの上澄みだけをテレビや映画がすくいとる。
 
 卑劣と怒る人もいるが、それも当然。組織はあくびが出るほど退屈だが、組織とは退屈でなければならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )組織は冒険しちゃ
\‐  いけないからね
 
  (‥ )僕が責任を取りますとか
      そんなたわ言を言う
      馬鹿も時々いるけどな
      そういう奴は説明する前に
      取りあえずグーパンチで
      顔面を
      殴っとくべきだろうな
 
 
 責任取りますって...取れるわけないんだから、そういうことを言っちゃいかんよ。
 
 あるいはこうである。
 
 会社をぶっつぶして社員を全員路頭に迷わせても構わん、つか死ね。そういう残忍冷酷非道外道な人間だけが全権を奪取して恐怖の大冒険をするべし。
 
 業績が先の読めぬジェットコースター。一寸先もまるで見えぬ中で生活を賭けて手探りで走り抜けるべし。さながら血液を賭けた大ルーレット大会。
 
 ∧∧
( ‥)ぞくぞくしますね
 
  (‥ )おもろいだろうなあ
 
 血湧き肉踊るではないか。
 
 ∧∧
(‥ )まあそういう人は
\‐  まずいないし
    いても勘違いさんでしょうね
 
  (‥ )稀に成功する奴が
      ヒーローになるけども
      我々ぼんくらが
      真似するもんじゃないね
   
 それにしても思うに、世の人はアイデアと試行錯誤を甘く見過ぎかもしれぬ。漫画とかラノベ、あれは、膨大な人生を犠牲にして得たものだ。あんなことを組織が再現することなど出来ぬ。したらあまりのコストに会社は即死する。アイデアは命をかけるものだ。言葉や思考を重ねたぐらいで、アイデアなんか浮かびやしない。浮かんだところでそんなもの、自己満足のゴミかすだ。
 
 そして命を賭けねばならぬようなものを維持できるほどの体力は会社にはない。
 
 なれば、原石を探し、買い付け、それを研磨して高値で売りつける。これが組織のできるすべてであろう。
 
 ∧∧
(‥ )言い換えれば組織は
\‐  高い研磨機は持っている
    そういうことなのだろうね
 
  (‥ )つまらん人生かもしれんが
      それだけでも
      たいしたもんなんよ
      研磨機を維持するのは
      容易ではないからな
 
 おもろい人生を歩もうと冒険の旅に出ても、ほぼ全員があっさりとつまらなく死ぬのである。冒険なんか出るものではない。それに、宝石を手にして売る。それもまた賭けであり、興奮があるのだ。
 
 
 
 
   

実家に金を借りにいく方が不器用でも効率的

 
 ある人が生活に困った。彼はとうとう恥を忍んで、実家にお金を貸してもらうことにした。
 
 ∧∧
(‥ )電話一本ですみますかね?
\‐ 
 
  (‥ )それとも実家に帰って
      お願いするのかな?
 
 それは場合と金額によるだろう。
 
 さて、このお金の無心にかかる経費はいくらだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)電話一本ならほとんど
    ただ同然ですかね?
 
  (‥ )実家に帰るのなら
      いくらかな?
      2000円ぐらいかな
      遠ければ1万円とか
      3万円かな?
 
 お金は口座に振り込めば手数料として2、300円はかかるかもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )ところがこれが
\‐  国家による生活保護だとする
 
  (‥ )まず申請が必要だな
 
 次に手続きが必要である。
 
 その次に実際の振込があり、そうして通知もあろう。
 
 ∧∧
(‥ )事務処理をこなすから
\‐  そのための事務員さんが必要で
    事務員さんに払う人件費が
    かかっているね
 
  (‥ )そもそもその前の段階
      金を集める時点で
      経費がかかっておる
 
 つまり税金を支払う企業と個人、それを円滑に進めるための機械と事務員を維持管理するための必要経費と人件費。
 
 それをしかるべき場所に集め、予算とする。
 
 予算を審議し、振り分け、それを分配する。
 
 そうして申請の審査を行い、審査に応じて手続きを行い、そうしてお金を振り込む。
 
 それらの事務作業に関わる機械と事務員のためにかかる維持費と人件費。
 
 ∧∧
(‥ )親が子供に
\‐  しょうがないわねと
    お金を渡せばすむところを
    国家の保証となると
    これだけの大事になる
 
  (‥ )2万、3万どころの
      騒ぎじゃねえな
      まあ効率が
      めちゃくちゃ悪いわけだね
 
 ぽんとお金を渡せばすむ話なのに、ものすごい遠回りをしている。
 
 もちろんだからといって、効率が悪いから官僚も事務員も首にしろ。そうすればお役人の不正もなくなって無駄遣いも減る! なんてことは起こらない。
 
 ∧∧
( ‥)官僚と事務員のいない国家や
    企業なんてあれでしょ?
    補給部隊のいない
    軍隊みたいなものでしょ?
 
  (‥ )言い換えればあれかな
      国家の運営は
      高度に発達した
      軍隊のようなものだ
      そういうことかね?
 
 つまり国民の面倒を見る福祉国家は金食い虫の軍隊と同じだ、ということになる。

 金食い虫でないと運営できないし、運営するにはどうしても金食い虫にならざるを得ない。
 
 ∧∧
(‥ )軍隊は勝って
\‐  利益を上げない限り
    どこかで進軍を止めなければ
    いけなくなるよね
 
  (‥ )つまり福祉国家の進撃は
      必然的に停止する
      それは間もなくやってくる

 というか、世界を見ればどこもかしこも危機的な状態だ。
 
 なれば次に来るのも必然
 
 進撃の限界に達したら高度に発達した軍隊たる福祉国家は解散しなければいけない。本当の軍隊なら後退すればすむが、国家には後がない。
 
 なれば人々は人間本来の共同体へ帰還する。つまり、実家にお金をせびることになるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり解散した軍隊は
    家へと回帰せざるをえない
 
  (‥ )西欧世界の未来
      ここにあり
 
 つまりやはり多分、ダール・アルーイスラーム、すなわちイスラームの家に呑み込まれることになるだろう。もちろん、単純に伝統社会に回帰する方が当たり前なのだけども、個の確立とか本気で信じてやってしまったと言うのであれば、西欧世界には、もはや帰るべき伝統の家など残っちゃいまい。

 自立した個などという馬鹿なことをするからこんなことになる。
 
 家族を解体した人々が帰ることが出来る場所は、宗教だけだ。
 
 そしてその方が面白そうである。
 
 ∧∧
(‥ )どんな未来でしょうね?
\‐ 
 
  (‥ )イスラーム化して
      ついにジハードを開始した
      新生西欧
      それに対するは
      キリスト教原理主義で
      空前の格差社会を
      正当化したアメリカ帝国
      プロテスタント国にも
      関わらず
      ロサンゼルスに抱えるは
      移転したネオヴァチカン
      そして
      アニミズムを残した
      国家でありながら
      政治も人間も半ば
      機械になった大日本帝国
 
 そのぐらいになってもらわねばこの世界はあまりに退屈だ。
 
      

2015年1月16日金曜日

それを言う奴は嘘つきだ

 
 ∧∧
( ‥)あなたがた人類は
    森から草原に出た
    猿であった
 
  ( ‥)苦労したらしいよ
    ‐□ 本当は果物とか
      肉とか食って
      生活していたのだからな
 
 人類に近縁なチンパンジーやゴリラも集団で生活している。だから人類も最初から集団だったのは当然だろう。
 
 ∧∧
(‥ )だけど自発的に相手を
\‐  助けるのはあなた方の
    特徴だそうですね
 
  (‥ )おせっかいな猿だ
      そう言う事もできる
      みたいだな
 
 まあ、たぶん、というかほぼ確実にそうなのだろうけど、苦しい環境に出てしまったので、単なる群れというだけでは駄目だったのだろう。それゆえ、助け合いという行動をより強化したということなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)お互いに殺し合う
    戦争をする猿なのにね
 
  (‥ )敵は殺せ
      味方にはおせっかいをしろ
      単純な原理原則さね
      問題はどこにもない
      おせっかいで
      良かれと思って
      誰か殺すこともあろうさ
 
 だが、一部の文明はあろうことか、個人に自立をうながした。
 
 あるいは自立した個、これこそが素晴らしいと賞賛した。
 
 ∧∧
( ‥)いかれてると
 
  (‥ )正気じゃないね
 
 一人で自立して生活する。
 
 これは他人と一緒にいるのが嫌で組織にいられずに飛び出して、それでも死にたくはないから無理矢理なことをして生活するような人格破綻者がやるべきことで、普通のまともな人間に押しつけるような生活じゃない。
 
 ∧∧
(‥ )普通の人がこれをやったら
\‐  どえらいことに
    なりますよと
 
  (‥ )人格破綻者でも
      これはきついのだがな
      普通のまともな人間では
      きついどころの
      騒ぎじゃないだろう
 
 せいぜいあれである。就職や結婚の機会をすべて失い、収入は上がらず、日雇いの労働者みたいな非常に不安定な雇用にすがってなけなしの金で生きていくことになる。
 
 ∧∧
( ‥)人格破綻者だって
    結果は同じようなものだけどね
 
  (‥ )だけどな
      それがほとんど
      苦にならないがゆえに
      人格破綻者なのだ
 
 なぜって、雑音のような生きた人間がいないのだから、それだけでもかなり幸せなんである。
 
 皆の笑い声 幸せそうな顔 生きているという幸福 優しいねぎらい 

 こういった神経をかきむしるような、黒板を爪でひっかくような耳障りなものが無い世界だ。
 
 寂しいと感じるのだから、それは幸せとは言えないが、雑音がない以上、これを不幸であると断じることもまたできまい。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれは
\‐  人格破綻者の認識で
    普通の人にとっては
    そうではない
 
  (‥ )そうであるのにだ
      普通の人々に
      個を確立せよ
      確固として生きよ
      自分の意見を持て
      自分の意志を示せ
      自分を持て
      こんな非道が
      まかりとおっておる
 
 みなみな、こんな言い様を信用してはいけない。真に受けてもいけない。人間はどうでも良い日常をとぼとぼ歩きながら、それでも笑い、泣き、怒り、愚痴をこぼせばそれで十分なのだ。個だの自立だの意見だの意思だのどうでも良い話ではないか。
 
 そもそも、意思などなくとも誰しも意見を持ち。意見など言えずとも誰しも意思を持っている。
 
 ∧∧
(‥ )そうじゃないんだ
\‐  現代の民主制において
    確固たる自立した個人は
    必然かつ重要なんだ
    そう主張する人は
    大勢いますけどね
 
  (‥ )それは一匹狼を気取った
      家畜野郎か
      死にかかった野良犬だ
 
 よく見てみれば良い。そういうことを言っている奴は組織に属していないか? 給料をもらっていないか? 口では周囲を馬鹿だらけと言って一匹狼を気取っているが、実際には自分自身が軽蔑する檻から一歩も出た事が無い家畜ではないか? どうして口先だけでお前は檻から出ないのだ?
 
 よく眺めてみれば良い。たしかに自立して走っているが、そやつは満身創痍ではないか? 組織から離れて肉も無く、いつも飢えていて、それでも倒れるわけにいかないから自らを叱咤激励し、そうして自分を格好よく見せているだけの死にかかった野良犬ではないか?
 
 ∧∧
( ‥)さもなければそういう言葉を
    売りつける商売人ですか
 
  (‥ )人体が集団生活に
      設計されている以上
      その限界は越えられない
      言っている奴は
      どいつもこいつも
      嘘つきさ
 
 ゆめゆめ忘れてはならぬ。確固たる個として確立した個人こそ理想の姿。こんな主張は嘘でなければ成り立たぬのだと。
 
 嘘にも色々ある。自分をたばかる嘘、自分を肯定するための嘘、そして他人に売りつける嘘。あんな美辞麗句を真に受けてはいけない。
 
 
 

 

2015年1月15日木曜日

異常者でない限り、人間は個として設計されていないだろう

 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )人間の体は
      孤独に生きるようには
      設計されていないんだ
      それなのに
      個を確立して生きよとは
      それ自体が社会として
      設計ミスだよね
 
 経済的に元気があれば金と消費で忘れることもできようが、それが崩れたらもう駄目だ。それでもなお一人で生きれる人間はむしろ異常者だと考えた方が良いだろう。
 
 異常者であることは批判の対象にはならないが、異常者でないと出来ないことを皆に強制するような価値観や世界はいかれている。
 
 ∧∧
(‥ )だから西欧は国家が
\‐  個人を救済するのですかね?
 
  (‥ )仮にそうだとしたら
      ちょっとした地獄絵図だな
 
 国家の救済がなく人が死ぬのも地獄なら、救済しないといけないほど孤立した人を量産する社会も地獄であろう。
 
 端的に言えばである。殺人鬼だけが殺人を犯すべきで、一般人が殺人鬼の真似をしてはいかんのだ。
 
 ∧∧
( ‥)とんでもねえ
    例えだな
 
  (‥ )異常者でないと
      無理なことを
      一般人にまで強制して
      それで自立だ個の確立だ
      アイデンティティだとか
      そんなことを言う方が
      とんでもないと
      思うけどな
   
 自立を賞賛するのも、個の賞賛を鵜呑みにするのも考えものである。だいたいそんな主張をする奴は口先だけで、実際には組織に飼い殺しにされる立場に甘んじているか、あるいは若い体力で無理矢理泥沼を切り抜けつつ自分で自分を騙しながらただ摩耗しているか、そのどちらかではないのか?
 
 自立だの個の確立だの、社会性の猿が出来もしないことを言うものではない。そのように設計されていないのに、偽りの美辞麗句で苦境を飾り立てて一体どうしようというのか? 少なくとも、まともで普通の人間がそんなことを信じては破滅だろう。
 
 これはhilihiliのhilihili: 孤独な個人は家に帰還するの続き
 
 
 
  
   

孤独な個人は家に帰還する

 
 所詮、人間はどれも同じで、近似的には粗野な田舎者。井の中の蛙なのだとも言える。

 しかし個性というものはあるだろう。すべての田舎がすべてにおいてイコールというわけではないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )なんというか
\‐  西欧世界には西欧世界の
    スパイスが効いていると
 
  (‥ )彼らが集団ではなく
      宗教の命令で
      動作しているだけの
      複数の個人だったら
      運命はほぼ確定的だよな
 
 そこにいるのが孤独な個人でしかないのなら、行き着く先は決まり切っている。
 
 ∧∧
( ‥)あなたたちは
    社会性の猿だからね
    単独生活種ではない
    原理的に一人では
    生きてはいけない存在だ
 
  (‥ )だのに個人主義とか
      ほざきだすわけだ
      自由主義の結果なのかな?
      それとも一時は
      豊かだったから
      一人で生きていけたので
      各々がそれぞれに
      分散しちゃった
      単にそれだけの結果かな
 
 人間は社会性の猿である。一人で生きていけるようには、そもそも肉体や神経や心が設計されていない。
 
 それなのに個人主義になって独立した個になってしまった。
 
 それが西欧で本当に起こった事だとしたら、これは致命的なんだろう。自立していると言えば聞こえは良いが、それは帰りたいけど帰る家が無い状態でしかない。
 
 これが致命的なことであること、今、一人で実際に仕事をして生きている人はよく分かっていることではないか?
 
 それゆえに苦境に陥っている人、しかし頼る先が無い人、彼らにとって、この危機はよく分かることではなかろうか?
 
 ∧∧
(‥ )日本と違って
\‐  西欧は素晴らしい社会で
    国が保証してくれるのだ
    そう言う人も
    いるんですけどね
 
  (‥ )富は搾取から生まれる
      保証があるのなら
      割を食う人間がいる
      日本なら若者だ
      西欧なら移民だろ?
      移民を利用し
      移民を搾取し
      移民を罵倒して
      移民とのトラブルが増え
      社会保障という孤立のまま
      衰亡の道を歩く
      この構図は
      まるで冗談だな
 
 ∧∧
( ‥)国家はいずれ限界に
    到達してしまうだろう
 
  ( ‥)人は家に帰らねば
    ‐□ ならぬのだ
 
 家が提示されれば人はそこに帰還するだろう。それは道理。
 
 個人主義、自己を確立した堅固なアイデンティティ、なにやらよさげに聞こえるが、実際にはそんなもの、か細くひ弱な個人でしかない。
 
 孤独にさいなまされて、自らの肉体の限界まで動いても状況を打開できない。必ずそうなる。
 
 だって、保証のための仕組みを作ればそれだけ人件費がかかるのだ。組織は金がかかるし無駄も多く、しかし無駄が多くないと組織的になれない。
 
 なれば破滅は明らかである。
 
 いくら”個”を誇りにしていても、そんなもの経済の前には屈服するだけだ。
 
 孤独しか取り柄が無い個人の行き着く先など、すべて決まっているのではないだろうか? 
 
 ∧∧
(‥ )呑まれちゃいますか
\‐

  (‥ )ダール・アル=イスラーム
      イスラームの家
      つまり
      ムスリム共同体に
      取り込まれてしまうのは
      やっぱ時間の問題かもな
 
 
 ∧∧
( ‥)西欧がイスラーム世界に
    なるのを見てみたい?
 
  (‥ )俺は順調に生きても
      あと40年も
      生きられないはずだ
      40年でどこまで
      進行するのかね?
 
 
 ああ、しかし、子供の頃、豊かさの象徴に見えたアメリカが今やああなっているのを見れば、残り40年、いささか無理をして見届けてみるだけの価値はあろう。
 
 
      
      

多神教でもないし一神教でもない可能性

 
 イスラームでは預言者を描くことは禁止されている。
 
 ∧∧
( ‥)預言者は神ではなく
    あくまで人である
    預言者を
    崇拝するようなことは
    あってはならない
 
  ( ‥)神を描いてもならないし
    ‐□ 作ってもいけないし
      それと同様
      預言者を描いても
      作ってもならない
 
 これはセム語族の人々から始まった一神教の根幹でもあった。旧約聖書、モーゼの十戒にも偶像崇拝の禁止が明瞭に言われている。
 
 ところが、キリスト教にはイエスや聖母マリアを描いた聖像を崇めるイコン崇拝があったり、あるいはイエスの磔刑の様子を描いているし、あるいは像を作り教会に安置している。
 
 ∧∧
(‥ )キリスト教が
\‐  多神教化していると
    言われてしまう
    ゆえんだね
 
  (‥ )そもそも三位一体
      父と子と精霊
      これはギリシャ・ローマで
      三柱の神を一組で
      表わしていた様式と
      形式が同じだからな
      そりゃ疑惑も持たれるわ
 
 キリスト教は一神教ではあるけど、多神教化したでしょ? そう疑われるのは当たり前だろう。そもそも旧約聖書に書かれた戒めに反しているのだ。この説明は難しい。
 
 *ある意味、神学の役割はひとつにはここにあったと言えるやもしれぬ。三つのペルソナを持ちながら、しかし実体はひとつ。唯一の神。すなわち三位一体。一般の信徒はともかくとして、真面目に考えれば三位一体と一神教を矛盾無く成立させるには努力が必要だ。
 
 それにしてもなにゆえにこうなったのであろうか?
 
 セム系の人々からインド・ヨーロッパ語族の世界に一神教が入った時、インド・ヨーロッパ語族の文化に影響を受けたのであろうか。
 
 あるいはその文化に布教するためにこそ、そういう形式を取るようになった、そういうことであろうか。
 
 これは多神教に慣れ親しんだ受け手による単なる誤解であったのか
 
 あるいは意図的になされたものなのか
 
 それは分からない
 
 
 ∧∧
( ‥)とはいえ
 
  (‥ )すごく悲観的に言うと
      西欧人って
      多神教徒に対しても
      一神教徒に対しても
      神経を逆なでするような
      人たちかもしれんな
 
 多神教徒に対して自分の価値観だけを一方的に押しつける。これはよく言われる。単純すぎる見解のようだけども思い当たることは確かにある。
 
 考えてみればクジラをあやうく絶滅寸前にまで追いつめたのは西欧人だが、今では捕鯨を続ける日本をあしざまに罵るのである。
 
 考えてみれば奴隷貿易で文化や共同体を大破壊したのは西欧人であるが、今では奴隷制を批判する急先鋒である。
 
 つい最近まで面白半分に人間狩りをしていたような連中が、手のひらを返してこれを言う。
 
 考えてみれば風刺漫画で他の文化圏や他人の気分を逆なでする一方で、日本のエロ漫画には目くじらを立てるのである。
 
 そして、一神教徒に対しては、預言者をまるで偶像崇拝を思わせるような形式で描いた上に、それをおちょくるということをやってのける。多文化共生とか言いつつ、結果はこれだ。
 
 風刺漫画は表現の自由以前にただの商品であり売り物だ。それは人々の需要があることを示しており、それは人々の認識をも示しているだろう。
 
 つまりこれが彼らの認識。
 
 人間は平均すればただの粗野な田舎者で自分たちの村以外のことにはまるで無神経だ。だが無神経さにはそれぞれ村の個性が出る。
 
 ∧∧
(‥ )西欧の無神経さは
\‐  単一の価値観を
   正しい正しいと押しつけるのに
    一神教の根幹は理解できて
    いないような行動だと

 (‥ )悲観的に言うと
     西欧キリスト教は
     一神教と多神教の
     悪いところを合体させた
     ように見えるな
     楽観的に言うと
     逆になるはずなんだがな
     なんかそうは見えないな
 
 考えてみれば、彼らの文化はかなり妙かもしれぬ。
 
 西欧社会では個を確立していない人間は軽視されるのです、そう言われる。
 
 その一方で、彼らは個人主義でものすごく孤独ですよ、とか言われる。
 
 あるいは、宗教にこうしろと命令されているから慈善はするけど、彼ら自身は親切などではないよ。そう評する人もいる。
 
 ∧∧
( ‥)実は
    宗教の命令として道徳を
    プログラムされた個体が
    ただ雑然と集まっているだけ
    なのかもしれない
 
  (‥ )例の疑惑だな
  
 ダーウィンが進化理論を提案した時、その衝撃は日本人などには理解しがたいものがあった。神の存在を前提しない理論。彼らにとってそれは神の存在を否定するように見えた。
 
 神と天国と地獄と審判が存在しない可能性。
 
 このことに彼らは震え上がったのであった。神も審判も存在しない世界では、人間は獣になってしまうのではないかと。
 
 日本人からすれば、はあ? 何言ってるの? の話なんだが、彼らはそう思った。
 
 *ついでに言うとダーウィンも、別にそんなことないでしょ、と思っていた。未開人なり野蛮人なり、当時そう呼ばれていた人々にも倫理や道徳や謙虚さがあるということを、彼は経験上知っていたからだろう。というかそのことを書いている。
 
 ともあれ
 
 ∧∧
(‥ )西欧人は神の否定は
\‐  倫理、道徳、社会の崩壊と
    考えたわけだね
 
  (‥ )これは疑惑だ
 
 西欧人は個が確立していると言えば聞こえは良いが、入力されたプログラムに沿って行動する個体が存在するだけで、実際には社会なんて形成していないんじゃないのか?
 
 社会全体が関連性を持って動いているように見えて、実はプログラムに命ぜられた通り、A地点からB地点まで歩く個人がそれぞれいるだけで、それは複数ではあるが、集合でもなんでもないのではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)この疑惑はあまりにも
    極端だけどね
 
  (‥ )とはいえな
      相互監視とリンチによる
      相互作用
      つまり宗教によらない
      倫理と道徳で群れを
      形成している日本と
      まるで違う社会の可能性
      そもそも
      あれが社会であるのか
      それすら怪しい可能性
      これは念頭に入れて
      置いた方が良いかもよ
 
 実際、そうとでも考えないと理解が甚だしく困難ではなかろうか。多文化共生と言いつつ一神教徒なら絶対やってはいけないことをしたり、それが商品として皆に望まれていたり、それで相手を不快にさせたり、さらにトラブルが起こると今度は言論の自由という価値観を掲げて絶対の行進をするという動きは、傍から見ているとどうにもチグハグで混乱的に見える。
 
      


2015年1月14日水曜日

古いものに新しいアイデアを

 
 シャリーア、つまりイスラム法において妻は複数めとっても良いが、経済面、愛情面、すべて平等に扱わなければならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )つまり家にも帰らず
\‐  愛人宅にいりびたっている
    男性を
    秘密警察が
    シャリーアに基づき
    逮捕できるはず
 
  (‥ )考えてみれば
      なぜこの発想が
      今までできなかったのか
 
 ∧∧
( ‥)あなた男だから
    妻が複数? でへへへ
    条件は平等?? 無理じゃん
    そういう発想しか
    できなかったんじゃね?
 
  ( ‥)恥ずかしながら
    ‐□ そういうことなのか...

 
 というか、世の中の多くの反応がそうなのである。

 イスラム? ハーレムを認めている淫らな宗教でしょ?
 
 とか
 
 フランスがイスラームに染まったら、フランスは一夫多妻を認める国家になってしまう!!
 
 とか
 
 うへへっ、イスラーム世界が羨ましいなあ、じゅるる
 
 とか
 
 いや、実際のところシャリーアは平等な扱いを命じているから、理想的には禁止していると考えるべき
 
 とか
 
 でも複数の奥さんをめとって、平等に接していない人たちもいるでしょ!
 
 とか
 
 勘違いから理屈、ヒステリーまで色々な反応があるが
 
 だが、本当だったら、
 
 じゃあシャリーアに基づいて、浮気している旦那はせっせと逮捕しなくちゃね。
 
 そう考えるべきではなかったか。
 
 ∧∧
(‥ )息子の保育園の若い保母さんと
\‐  いちゃいちゃしている
    サラリーマン
    その時
    大音響と共に吹っ飛ぶ壁
    ガラスは蹴破られ
    四方から次々に突入してくる
    重武装黒づくめの秘密警察
    空を飛ぶ武装ヘリ
    悲鳴を上げる愛人
    裸のまま連行される男
    
 
  (‥ )これって適法だよね?
      こういう発想がなんで
      出来なかったのかな?

  
 これはhilihiliのhilihili: あれはそもそも商品だからねの続き
 
 ∧∧
( ‥)この世には色々な
    可能性がある?
 
  (‥ )古いものに新しいアイデアを
      そういう言い様があったが
      そうあるべきだよな
 
 多分、フランスで今起きていることは、あらゆる点であまりに古臭いのだろう。
 
 
 
 

正しい=正論ではなかろう

 
 正しいことが正論だったら苦労はしない。
 
 ∧∧
(‥ )でも正しいことが
\‐  正論だと思っている人は
    多いですよね
 
  (‥ )だから
      正論のほとんどは
      聞くに堪えない
      しろものだべ
 
 

 

あれはそもそも商品だからね

 
 物事の理解は即物的な要素だけで組み立てるべきだろう。
 
 精神論は構造の分からない未知の部品であるから排除するに限る。
 
 ∧∧
(‥ )でも人間は精神論を
\‐  必ずどこかに入れるよね
 
  (‥ )WW2の日本軍は
      補給を軽視した
      日本軍は馬鹿だ
      今の日本人も同じだ
      うちの社長も同じだ
      そう力説したりな
 
 補給を軽視した、ここまでは即物的だが、結論を馬鹿という精神論で終えている。そうして今度はそれで現在を語ろうとしている。これでは補給を軽視して戦う根性論と同じ穴のムジナだろう。
 
 *細かいことを言うと、補給を軽視した、というのも根性論的理解かもしれない。単に補給を継続するだけの機械力や工業力が無かったと考えた方が良いのではないか?
 
 ∧∧
(‥ )例の風刺漫画家の射殺事件
\‐  フランスでは大規模な
    デモだそうですね
 
  (‥ )風刺漫画ってさ
      権力への挑戦とか
      パンチの効いた文化
      言論の自由とか
      言われるけど
      そもそもあれって
      商品なんだよね
 
 ∧∧
( ‥)売れるから作るのだ
 
  ( ‥)つまり皆が望んだ商品だ
    ‐□
 
 もちろん、必ずしもそうとは言い切れない。新聞の漫画なんて誰にも期待されていないどうでも良いおまけである場合もある。
 
 とはいえ、皆が望んだ商品を作っただけ、と考えると印象は強烈だ。
 
 ∧∧
(‥ )イスラーム教徒なり
\‐  ムスリムの皆さんを
    おちょくりたい人たちが
    フランスには
    山のようにいるってことですか
 
  (‥ )他人の心の
      よりどころである
      預言者を侮辱する
      他人の価値観を
      土足で踏みにじる行為だ
      フランス人は根本から
      性格が悪くて
      冗談のセンスが最悪という
      可能性もあるけども
      そうではないだろうなあ
      あれはただの人間だよね

 
 人格が歪んでいるという可能性は確かにあろう。西欧ときたら日本で言えば関ヶ原の戦いの前から新世界を奴隷化し、住民の抹殺を行なってきたわけだ。その後はアフリカの奴隷化、搾取、文化の破壊と侵略である。そんな文化のあり方を何世紀も続けてきたら心がおかしくなるのかもしれない。
 
 とはいえ、むしろありそうなのは
 
 ∧∧
( ‥)ただの人間だろうと
 
 (‥ )文化の違いで
     こちらからすると
     冗談が下品で異質で
     きつく感じる可能性もあるが
     ありゃあ
     日本の粗野で田舎っぽい
     親父やババア共と
     同じだろうな
     ああいう下品さは
     感じが似てるしな
 
 つまり今、フランスでは普通の人々がムスリムに対して猛烈な敵意なり、危機感なり、それに近似な何かを抱いている。そういうことなんだろう。まあ、こんなことは誰もがニュースから見て取れる話だけども、風刺漫画は商品であると考えると、ことの深刻さがよく分かるというものだ。

 
 ∧∧
(‥ )増えゆく移民に危機感を
\‐  つのらせているのだと
 
  (‥ )大規模なデモってのも
      そういうことだろうしな
 
 もっとも、危機感があるだけで、別にまだ危機というわけではないらしい。
 
 ∧∧
( ‥)フランスがイスラーム国に
    なってしまう
    本気でそう信じているのなら
 
  (‥ )法学者を召し抱えて
      シャリーアの解釈を
      押し進めて
      自分よりの国家を
      作り出すだろうからな
      それがないってことは
      フランスが
      イスラーム化するにしても
      半世紀以上は先かな
 
 法的な解釈とは重要なものだ。しばしば人は自分に都合良く考えて堕落をまねくのはよくある事。
 
 例えば人々がイスラームに抱く一夫多妻というイメージも
 
 ∧∧
(‥ )実際にはすべての奥さんを
\‐  平等に扱わなくちゃ
    いけないんだよね
 
  (‥ )平等って...どんだけ
      金が必要なんだよ
      という話でな
      運用次第じゃあれよな
      愛人宅にしけこんでいた
      男性を
      秘密警察が
      シャリーアに基づいて
      逮捕連行する世界に
      することだって
      出来そうだよね
 
 実際のイスラーム世界でそんなことが行なわれているとは聞かないが、考えてみればそんなことは先進国でも行なわれないのである。男としてはそっちの方がありがたいからだろう。
 
 物事を決めるのは実は法律じゃない。皆の要望だ。しかし法律はそこにある。何事も、ここに色々な余地がある。
 
 ∧∧
( ‥)愛人宅にいたら連行される世界
    フランス人はそれに
    耐えられるのですかね?
 
  (‥ )無理っぽいけどな
      偏見かね?
 
 
 

2015年1月13日火曜日

その言い訳は原理主義的でなければならぬ

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )そうねえ
      死ぬ時なり
      殺された後なり
      何を主張するのか?
      どう言い訳できるのか
      そこが問題だよな
 
 ∧∧
(‥ )死んだら関係ないけどね
\‐
 
  (‥ )とはいえだ
      言い訳できるかどうか
      それは重要だよ?
 
 ∧∧
( ‥)あなたは殺されるようなことは
    していないよね
 
 ( ‥)お前は馬鹿だと言えないから
   ‐□ お前は馬鹿だという内容を
     遠回しに1時間くらいかけて
     しゃべったら
     相手が怒りだしたことは
     あるな
 
 ∧∧
( ‥)そりゃそうでしょう
 
  (‥ )人間ってのはよく出来てる
      自分が馬鹿だとは
      自覚できなくても
      馬鹿扱いされていることは
      分かるのだ
 
 ∧∧
( ‥)殺されたらなんて反論します?
 
  (‥ )根拠を列挙すれば良い
 
 殺されるのは困るが、評価とその理由は正当だ。
 
 お前は口先だけ、理屈だけ、具体性がない、理論だけ、検証なし、実行していない、無責任、後付け、前もって何も言わない、無能、いやむしろ有害。
 
 ∧∧
(‥ )フランスで殺された
\‐  風刺漫画家とかも
    反論してますね
 
  (‥ )言論の自由とかな
 
 とはいえ、彼らは以前にも日本の原発事故などを風刺していたので、それゆえ言われてしまうのであった。他人の不幸を風刺したのだから、今度は自分の不幸を風刺したら? 
 
 ∧∧
( ‥)どうやって?
 
  (‥ )他人の大事なものを
      下品におちょくっていたら
      殺されちゃったー てへー
      とかかな?
 
 ∧∧
( ‥)...それが風刺ですか?
 
  (‥ )素人はこんなもんだ
      プロの技はプロに
      聞いてくれ
 

 とはいえ言えることはある。
 
 殺された時、なんと言い訳できるか?
 
 多分、これはかなり大事なことなんだろう
 
 ∧∧
(‥ )その言い訳が
\‐  言論の自由では駄目だと
 
  (‥ )それだと
     ”言いたい事を言ったら
      殺されました”
      としか言っていないだろ?
      そんなんじゃ駄目だよ

 
 だから言われるのかも知れぬ。他人の不幸を風刺したのなら、今度は自分の不幸を風刺すれば良いではないか? 
 
 これは確かに正しい指摘だろう。

 しかも、単なる皮肉に見えて深刻な指摘かもしれぬ。なぜってこの皮肉は、
 
 あなたたちには客観的な基準がないですよね? 権利を主観的に自分に都合良く使っているだけですよね? そうじゃないというのなら、他人に向けてばかりいた、ご自慢の解剖学を今度は自分に向けたらいかが? それが出来ないのなら二枚舌の嘘つきだ、そういう主張だからだ。 
 

 ∧∧
(‥ )原理原則は自分も含めて
\‐  誰彼構わず
    みさかいなく使うべき
    ですか
 
  (‥ )教義のためなら
      自分も殺す
      それが真の原理原則だ
      そうでないと
      上っ面の言葉を振りかざす
      ただの失礼で下品な人間に
      なっちゃうからね
 
 確かに、身内が射殺された時、遺族に心情を尋ねるのがはばかられた、と涙ながらに書いた新聞記者が批判されたことがある。お前たちはいつも他人の不幸を面白おかしく書き立てているではないか。報道の自由と知る権利を盾に他人を土足で踏みにじってきたではないか。なぜ身内には躊躇してしまうのか?
 
 ∧∧
( ‥)二枚舌であると
 
  (‥ )自分が流血した瞬間
      卒倒してしまう殺人鬼と
      警官隊に何十発も
      打ち込まれながら
      ぞくぞくするねえと
      1人道連れに死ぬ殺人鬼
      どっちが愛されると思う?


 
 
 
 

おうし座を運行するラブジョイ彗星

 
 ラブジョイ彗星、C/2014 Q2はじりじりとおうし座を移動中

 
 ∧∧ 撮影してみるの?
( ‥)
 ‐( ‥)肉眼では無理だが
     あれだけ明るければ
     デジカメなら写るだろ
 
 やってみたら写った。















画面中央からやや左下、緑がかったぼんやりしたしみのようなもの、これがラブジョイ彗星。ちなみに画面左下のやや明るい星はおうし座29番星らしい。
 
 ∧∧
(‥ )さすがに肉眼では無理だよね
\‐
 
  (‥ )本当に空が暗くて
      澄んでいれば見えるかも
      だけど...
      小さいから星と区別が
      つかないかもしれないな
 
 天文関係のサイトはともかく、普通のメディアは8000年に1度とか、エメラルドグリーンとか宣伝に忙しいけども緑に見えるのは機械で露出した話。目で見ると白いしみである。


スケッチをアップするとこんなだ











 ∧∧
(‥ )これは望遠鏡での
\‐  スケッチだから
    ひっくり返った状態
 
 (‥ )もう日付が変ったから
     昨日12日のデジカメ画像に
     10日と11日における
     彗星の位置を乗せてみると
     以下のような感じだね












 倍率を下げていくとこうである。





















 


撮影は日付が変る直前で、おうし座は西の地平へ傾きかけている。もっと早い時間、例えば7時とか8時に見える場合は、星座の向きが変ることに要注意だ。
 
 


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