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2012年1月10日火曜日

世界はクラスター

 以前、種の起源を読むを書いた時に
 
 ∧∧
(‥ )生物学的種概念や断続平衡説は
\-  なんで取り上げないの? みたいな
    感想ありましたよね。
 
    (‥ )あの時、ああ、距離があるなあ
        と感じたのよな。
 
 生物学的種概念。それ何の役に立つの?
 
 断続平衡説。それであなたならどんな論文を書くの?
 
 これらで一体何ができると思う?
 
 ∧∧
( ‥)意味ないから教える必要は
    ないだろうと。
 
  ( ‥)逆に中立説をなんで取り上げないの?
    -□ という意見がなかったのは興味深いね
 
 ダーウィンと中立説の関係はなかなかに興味深い。一般的には中立説によって進化論はダーウィンを越えた、中立説こそ、ダーウィンの不完全さを表しているものだと考えられているっぽい。それを考えると、中立説の記述がないのは当たり前だと思われたのかもしれない(実際には手に負えないので意図的に抜いた、が正しい)。
 
 
 ∧∧
( ‥)まっ、あの時には手を出さずに
    いましたが
 
    (‥ )今度は可能かなあ?
     □-
 
 ∧∧
( ‥)マニアックな本になると思う?
 
    (‥ )どうだろうねえ?
     □-  マニアックな本にはなるけど
        売れるのとはちと違うしね
 
 ありきたりなものは必要ない。ある程度、特化したものが必要なものとなる。でも特化したものが、すべからく必要であるとは限らない。それに、
 
 ∧∧
(‥ )それに、必要性に特化しちゃう
\-   そんなことも起こるのですよね
 
   (‥ )一般的にはそれで問題ないけども
      本の場合は読者の思い込みに特化して
      心地の良い、でまかせになっちゃう
      ことがあってね。
 
 そうねえ、あの距離を思うと、
 
 ∧∧
( ‥)読者は無視した方が良いのでは
    ないかと?
 
    ( ‥)ご要望を聞いて嘘まみれに
      -□ なるよりはましだろうしね
 
 実際、よほど根源的な機能に関わることでない限り、消費者の願いを聞いても、商品は大概ろくなものにならない。
 
 理論を説明するのと、理論が形成された歴史を記述するのはまったく違う。理論を説明する時には必要なかった敗北した理論の紹介も、歴史を記述する時には、その敗北の過程と理由を説明することがむしろ必要になるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )実際、断続平衡説は今、最前線で
\–  脚光を浴びている理論だ!! と
    勘違いしている人もまだいるの
    ですよねえ。
 
   (‥ )ああいうの見るとな、
      自分を科学好きとか思っている人とは
      距離を置きたくなるのよな。
      明らかに汚染されて、自分で自分を
      是正できていない。つき合いきれん
 
 というか、こんな状況を作ってしまったのがサイエンスライターとやらの罪というものか。先日も、そうそうたる研究者の面々に混ざって、馬鹿が進化論をトンデモ紹介している本があって、頭を抱えた。
 
 そうさ、これが科学ジャーナリズムってやつの罪だよ。
 
 研究者の皆さんもとっくにごぞんじでしょう? この世界にはお互いに何の関心も持たず、読む本も手にした情報もまるで違う、隔絶された人間集団が幾つも並立しており、しかも互いの存在をほとんど感知していない。
 
 
 
 

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