自己紹介

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2011年9月14日水曜日

喪失の過程

 
  もし話を考えろ、と言われて試しに考えると。
 
    (‥ )なんかあれだ、とっくの昔に
     □-  死んでしまっている主人公
        ばかり考えてしまうな。
 ∧∧
( ‥)くせ、なんでしょうね。
 
 そういえば、
 
 閉鎖された世界、閉ざされた町、出口のない道、辿れない記憶、この町でつむがれる物語は誰かが与えた強制される演劇。舞台さえ本当は何も無いただの空間。最後、すべてがグリッドに還元され、そこにあるは高さと広さのみ。

 そんな話ばっかり書く脚本家さんもいたよね。
 
 
 ∧∧
( ‥)くせ、なんでしょうね。
  
    ( ‥)自分がとっくの昔に死んでいる話って
      -□ 結構ありそうだけども、意外と
        思い出せないな。
 
 まあ、シックスセンスは確かそうなんだっけ?
 
 ∧∧
( ‥)自分探しの旅に出た女の子が
    最後、自分の死体を見つけるって
    漫画があったみたいじゃないですか。
 
    (‥ )まあ、自分探しをする必要は
        ないんだが、自分探しをしないと
        自分が死んでいたことを
        発見できなくなる。ストーリー上
        そうならざるをえなくなるのかもね。
 
 実際のところ、自分がすでに死んでいようが生きていようが、そんなこと、どうでもいいことである。機能すればそれで良い。
 
 ∧∧
( ‥)主人公が人間から昇天しちゃうって
    話はそれなりにあるんですけどね。
 
    (‥ )マトリックスとかそうだよね。
 
 マシンシティに向かうものの、迎撃に現れた機械軍団の前にたまらず危険を犯して電磁波渦巻く雷雲に飛び込む主人公たち。電磁パルスにやられて次々に死んでいく機械。雲を抜けた時に現れる輝かしい雲海と青い空、初めて見る強い日差し。

 きれい、と思わず口にする彼女の隣で、目を失った主人公、何も言わず。
 
    ( ‥)カットされているとか
        言うのでなければ
        あのシーンはよかったな。
        彼女は人間だが
        主人公はもう人間じゃないって
        分かる場面だよね。
        知りたければ聞けば良いのだし。
 ∧∧
( ‥)実際、その直後、機械の命の輝きに
    感嘆の声を上げる主人公の前で
    彼女はくしざし、虫の息ですからね。
 
 片方は人間、片方はすでに超越者。別離は必然。
 
 ∧∧
( ‥)そして機械の神の面前で
    機械の世界へ召されると。
 
    (‥ )最後、死んじゃって引きずられていく
        姿がイエスの昇天なのよね。
 
 まんまやがな。
 
    
 ∧∧
( ‥)ところで死んでいることに気がついた
    主人公って最後はどうなるんでしょうね?
 
    (‥ )機能を喪失するか、あるいは
        自己を喪失して終わるのじゃないの?
 
 確かに、生きるとは自己喪失の過程に他ならず。人が昇天することかなわず。他に道なし。
 
 
 

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