∧∧
( ‥)どう思います?
( ‥)普通の人間以上が優れた人間なら
-□ すぐれた人間は数が絶対的に
少ない以上、周囲を見れば
絶望するだろうね。
∧∧
( ‥)まあ、絶望するだけでは
ご本人の実力が絶望に値するほどの
ものかどうかは保証できかねますけども
(‥ )クラスで1人は周りが馬鹿だと
絶望する奴がいるだろ?
そこそこ実力がある、
すごい実力がある、
ましてやそうであれば絶望は
絶望的なまでに深かろう。
すばらしき技を持つ人が、絶望の言葉を語るであれば、聞いて上げるふりをしながら聞き流してあげなさい。彼らは苦しいのだから。
∧∧
(‥ )まあ、この場合は模倣の模倣ばかりだ
\- そういう絶望らしいのですけどね。
(‥ )そりゃあ、オリジナルを作るのは
めんどうくさいからねえ。
ものっすごい大変だもの。
∧∧
( ‥)まあねえ
ノンフィクションですら容易でないのだ、模倣を越えたオリジナルなフィクションをつくれなど、ほとんどの人間には無理である。
∧∧
(‥ )でも、需要自体は飽くこと無く
\- あるのですよね
(‥ )だとしたら模倣でもなんでも
望むがままを作るしかない。
人間である以上、思考も趣向も
およそある枠内に収まるからな。
むしろ模倣が望ましいね。
模倣の模倣でもなんでも作ればいいだけの話、いずれ誰かが何ものかたずさえてやってくるだろう。
(‥ )だいたい、みんなが本格的な
オリジナルなんかしゃちほこばって
持ってくるなんて、それは異常事態
に他ならないしな。
∧∧
( ‥)ポテチを食べながらゲームしている時に
本格的な料理を持ってこられても
困りますしね。
さあ、諸君、心おきなく模倣に模倣を重ねれば良い。模倣の過程で変異は必ず起こる。さすれば淘汰が起きて何ものかが残るだろう。ついには模倣の先に予想もつかない果実が実るだろう。たまに実ればそれで良し、それを模倣し次の果実が実るまで次々に探せ。
一足飛びに果実を手にしようと考えるなかれ。本格的なオリジナルには、この経路であれば到達できるなど無理だし、それはもはやトンデモ。
∧∧
( ‥)うまくいくわけないと
(‥ )一足飛びに理想状態に到達できる。
そんなことを考えるから
昔のマルクス主義者みたいに
現実に絶望するんだよ。
理想は独裁と虐殺とともにやってきて、夢の行き着く先は失敗と立ち枯れだ。彼らがダーウィンをまったく誤解したか、曲解したか、そもそも受け入れなかったのはよく分かる話である。
∧∧
( ‥)ようするに、答えが
”分かっている”、この経路こそ
真理なりと思い込んでいると
(‥ )有象無象の群れが知性もないまま
もぞもぞ動く様に嫌悪し、
理解できず、なぜこれが分からないと
罵倒し、怒り狂うのだ。
だが、悲し、経路を発見するのはじりじり動く有象無象の非知性だ。
知性を持つ我が見つけたこの輝ける経路に続け、そう自負する人の行き着く先は嘘で塗り固められた地獄であるし、事実、地獄だった。
*知性抜きでも調整された何ものかが出現できること、知性がなくても問題解決が可能であることを説明したダーウィンを、知性こそ問題解決の鍵と考えた賢人達は理解できなかった。理解できない賢人達は自分の知性を信じて賢者の道を示したが、しかし、それは愚者の道にも劣る最低かつ最悪の大失敗だった、という話。ちょうどこの世代が今、老人になろうとしている。
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