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2012年8月10日金曜日

フィクションにはないが現実にはある


 
 ∧∧
(‥ )ヒーローが栄光へ登り詰める
\–   過程で、悪魔となって没落する
     そういう物語はあまり
      ありませんと
 
 (‥ )スターウォーズの
     ダースベイダーはそういう
     まれな例かもしれないけど
     ここではあれね、悪に染まる
     という意味合いよりは、
     ヒーロー自体が悪魔的
     殺人鬼的な側面を必然的に
     持っている、王になったその時
     殺人鬼的な側面が顕現して
     甚大な被害を人々にもたらす
     という意味合いよな
 
 ∧∧
( ‥)砂の惑星なんかはそういう
    テーマなんですよね
 
  (‥ )作者自体が英雄についていく
      のは危険だ、と述べていた
      わけだしね。
 
 帝国の運輸、経済、すべてに必要なスパイス。その産地は限られた土地、”デューン”と通称される砂の惑星でしかとれない。その砂漠へ、帝国の権力闘争に破れた主人公が逃れてきた。彼は公爵家の生き残りであり、高貴な血筋の人間で、洗練された軍事教育と戦闘訓練によって叩き上げられた聡明で心優しい青年だった。そして砂漠にいたのは、抑圧され、厳しい環境で鍛え上げられ、強大な力を隠し持った人々だった。この不幸の組み合わせが恐怖を生み出す。
 
 主人公は砂漠の人々に受け入れられ、ゲリラ戦を展開、帝国運営の要である惑星を掌握し始める。その目的は本丸である皇帝を惑星に呼び込むこと。まんまと罠にはまって進軍してきた皇帝を、主人公は奇策と砂漠の人々の力で打ち倒す。

 いまや解放者であり、不敗の軍事指導者であり、政治指導者であり、宗教指導者であり、救世主であり、好きな時、好きな数だけ、好きな場所に自分を崇拝する狂信者をいくらでも送り込める力を手にした主人公は、歴代皇帝さえも及ばぬ圧倒的な権力者になっていた。彼は全帝国を征服せんと宗教戦争を開始する。殺しも殺したり、その数610億人。
 
 ∧∧
( ‥)でもあの主人公さんも
    失敗したけども、宗教戦争を
    阻止しようとはするのですよね
    自分が死んでも生き残っても
    聖戦で宇宙を血で染め上げる
    ことになると気づいて絶望
    するのだけど
 
  ( ‥)もっと悲しい話はないかね
    –□ 勇者としてスタートした
       英雄が、ついに君主になる
       けどもスターリンになって
       惨めに終わるという話
 
 ∧∧
( ‥)..それ、スターリンまんまじゃね?
 
  (‥ )うはっ!

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