ふと人から話を聞いて言われたサイトを覗いてみる。
どうも某ライターさんが書いた本(噂な評価を聞くにしてもかなりやばい本らしい)を読んで感銘を受けたらしく、ショウジョウバエが”ヒトで言えば3〜4万年程度の短期間で”別種に進化するなんて”偶然だのみのダーウィン学説”を危うくするのだ以下うんぬん。
でっ、その文章を読んでこう考える。
(‥ )世の中の人っていうか、あれね、少なくとも世の中には
外見の変化と遺伝子の変化が同時だ、そう思っている
人がいるってことなんじゃないかな?
これは興味深いと思わないかね。
∧∧
( ‥)表現形と遺伝形の変化が同時だと?
冒頭の文言はそういう理解に基づいた誤解(結果的な誤謬)
だとあなたは解釈しますか?
というか、、、そういうことなんじゃなかろうか?
(‥ )あるいはこう? ”Aさんは外見と遺伝子の変化が
- 同時に起きていると思っている”という仮説は
以上の文言をうまく説明するじゃん。どうよこれ。
∧∧
(‥ )でも、”偶然遺伝子に起きた変異が代々受け継がれて”
\- という文言も出てきますよ?
あれー? これはどう解釈するべきなんだろ?
∧∧
( ‥)まずこうでしょ? 生物の遺伝子はいわばアトムのような
粒子であるというメンデルの仮説がある。粒子ならば
融合して希薄化するということはない。劣性遺伝なら
何百世代経ってもまだまだかなりな割合で残っている場合もある。
(‥ )だから生物には膨大な遺伝的変異というストックが
すでにある。それを淘汰すれば、そりゃあ急激な
進化が起きるわなあ。今西だの断続平衡説だの
そんなものを持ち出すまでもなく集団遺伝学で。
そういえば昔、育種の方が書いた本であったよな。仮にこれらの野菜、果樹に今後一切の変異が起きなかったとしても品種改良は無限に可能である。
∧∧
( ‥)無限かは知りませんが、言わんとすることは
分かりますね。
(‥ )組み換えとかも考えなきゃいかんのだろうけども、
そう豪語するのは当然だと言えば当然だよな。
でっ、それを踏まえて考えるに、偶然頼みだから無理というのは、そもそも淘汰を考えにいれていない、そういうことか。少なくともまずは最初にそう思う。
しかし
∧∧
( ‥)でも生存競争はみんなが知っている単語ですよね?
(‥ )すると行き着くのさね、外見と遺伝子の変異が同時。
ようするに、遺伝子を粒子として理解していない
のではないかと。
仮に”そう理解している”とすると、例えば彼が生存競争を知っていて、それがふるいとして機能すると主張されていることは知っていても、手持ちの玉がたまたまふるいを通る(あるいは通らない)大きさに変異しなければ自然選択なんか働くわけがないわけだし、その時、たまたま変異する可能性は低いのだから自然選択は機能するわけがない。そう解釈するのではあるまいか。
∧∧
( ‥)というのがあなたの解釈ですね。
( ‥)なのだけどねえ。
∧∧
( ‥)その人たちが生存競争がふるいとして
機能するということを知っているかどうかも
また問題ですが。
(‥ )知らないなんてことがあるのかね?
∧∧
( ‥)ネコがネズミを丸かじりしても
それがふるいだなんて普通は
思わないのでは?
(‥ )生存競争と自然淘汰を知らないのか、
あるいはメンデル遺伝を知らないのか・・・
さてさていずれなりや?
∧∧
( ‥)第3の選択肢。両方知らない。
(‥ )それはまことに妙な話であるんだけどね。
昔、血液型占いにこんなのがなかったっけ。同じA型でもAOとAAは違う。
∧∧
( ‥)メンデル遺伝ですねえ。典型的な。
(‥ )こんな話が占いでまかり通るわけだろ?
逆に言えばだよ、メンデル遺伝は粒子で
考えるということを知識として知らないわけがない。
いやしかし、メンデル遺伝=遺伝はいわば粒子だから融合希薄化するなんて考える必要はないよー。という理解をする必要は必ずしもない、と言われれば、そうでもある。
∧∧
( ‥)メンデル遺伝を知ってる≠融合希薄化はありえない
ですね。
( ‥)さてもさても、仮定が多く、
未知なることもあまたある人間の理解なり。
*今回は存続をめぐる争いを、生存競争という単語で代用しています。
∧∧
( ‥)それにしても、あなたはこういう話に
意外と食いつきますね。
(‥ )融合遺伝時代の人間の思考を読み取る
事例になると思わないかね?
なかなかに興味深い。