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2010年4月27日火曜日

すると論文における論証された証拠の分布を?

 
 その写真はないでしょう・・・・。とはいえ、しかし。

 ∧∧
( ‥)1つの証拠がつぶれたとしても
    それでその論文の論証全体が一気に大崩壊となる
    わけではありませんよね?

      (‥ )そりゃあそうだね。

 実際、同じコア(ボーリングで地下から掘り出した円柱状の岩石/堆積物のサンプル)を見ても研究者とその論文によって解釈が違う。そこに面白さがあったわけで(だから余計に写真とその有孔虫の同定に、ちょっと待ってー!! それ止めてーー!! だったのだけども)

 ∧∧
(‥ )コアを見ると、クロスベッディングのある層が複数重なっています
\-   ああ、きれいですねえ。
 
     (‥ )では問題、その複数のクロスベッディングは
         どうやってできたと解釈するのが妥当でしょう?


*Cross-bedding:流れのあるところでできた堆積物で、傾斜する層が幾つも重なった構造を示すもの。
//////// ←こんなの。この場合、水の流れは右から左を示す
 
     \\\\\\ 
      //////
    ///////
 ∧∧ 
( ‥)こういう重なりはどうできたのか?
    解釈は複数ありますよね。

     (‥ )そして、この堆積が起きたのはクレーターの
         底でね。

ありうる解釈
1:長い時間をかけて堆積した
2:地質学的には瞬間的(事変が起きた数時間後には堆積開始)

 ∧∧
( ‥)でっ? あなたはどちらの解釈を?

     (‥ )論文をざっと見た限りでは2だねえ
      □- 

 1も2もどっちも一応は説明できている。例えば堆積の層が変わって場合によっては流れの向きも変わるのは、

1だと河川とかの流路が変わるから。つまり長い地質学的な時間をかけて流れが変わった証拠だとみなす立場。

2だと、そりゃあ崩壊した外縁からクレーターの中に水が流れ込んでくるわけだし(周りは海です)、流れの向きは色々と変わるんじゃないの? というやつ。

 とはいえ、上にいくほど堆積物の粒子が細かくなるというある論文の指摘を読むと。

 ∧∧
( ‥)・・・それ、なんかいかにも一瞬ぽいですよねえ。

     (‥ )そうなんだよなあ。

 乱泥流の堆積物がそういう分化を起こす(粗い粒子が下、細かい粒子が上になって堆積する)ことからすれば、これだって堆積は一瞬じゃないの? と思えるわけでして。でもって仮説2をとる論文が1より多く、なおかつ論証に使っている証拠の数も多いように思える(例えば1の論文では、最低限、こういう意味合いでは堆積物の分化は述べられていなかったんじゃなかったかな)

 ∧∧
( ‥)つまり論文とそれにおける論証に使われた証拠の数で
    あなたは妥当性を判断しているのだと。

     (‥ )まあ、ねえ、単純に考えるとそうかねえ。

 ああん? するとあれですか? 論文とそこに分布する証拠(あるいは論証された証拠とその分布)の有様を見て、論文の妥当性をあちきは判断しているってことになるのですかね。

 ∧∧
( ‥)論文を個体かなにかだとした場合、
    それらにおける特徴の分布で判断しているってこと?

     (‥ )のように一見思えるけどね。


 というか、自分はそういうことをしているのか? と思った。

 だがしかし、実のところそれはどうだろうか?

 

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