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2010年4月2日金曜日

その必然でない前提を渇望しないと死ねない猿の物語

 
 仏陀はあるかないか分からないものを論じるべきではない、とかなんとかそんなことを言ったらしい。

 ∧∧
( ‥)少なくとも複数の人があなたにそう言いましたね。
    ようするに魂とか天国とかそういうあるかないか
    分からないものを論じるべきではないと

      (‥ )当たり前な考えであると同時に
          宗教的には恐ろしい考えでもあるだろうなあ。

 あるかないか分からないものを論ずるべきではない。

 あるいは

 説明する時に不必要な前提を立てるべきではない

 という考えは宗教的に許されざる考え方でもある。この考えの延長線には”神や天国の存在を仮定する必要も前提もありはしない”という結論が必ず出てくる。

 ∧∧
(‥ )そういえば神学大全にもそういう
\-   結論に対する反論とその論証がありましたね

     (‥ )そりゃあそうだろうな。神の存在を前提と
         する必要がないことには誰かが気づくし、
         宗教はそれに反論する必要があることも
         当然、誰かが気がつく。

 この世界には秩序がある。人間はこの秩序ある世界で解答を発見する能力を持っている。神が我らと世界を共に創り、この世界で生き延びられるようにプログラムしたと言うのなら、ではなぜそのプログラムの結論は神の存在を必然としない? 

 神にプログラムされた知能が神を必然としないなぜだ?

 なぜ神は自分が実在することを論証できないように世界を作った?

 ∧∧
( ‥)あなたのその問いに創造論者の方は
    こう答えました。
    それは楽園追放の時に魂が歪んだのだと。

     (‥ )それはあなたのプログラムが
         誤作動を起こしているという回答であるね。

 彼はこちらの質問の意図を理解していたか? 神の創造した秩序と調和するプログラムがなぜ神の存在を出力できないのかをこっちは尋ねているわけで、プログラムが誤作動するというのなら、ではなぜ私たちの誤作動な知性が世界と調和する? 神の創りたもうた世界もまた誤作動しているのか?

 神は世界を発狂させたか?

 ∧∧
( ‥)あちらが立てばこちらが立たず

     ( ‥)人がこの世界で生きていること、それ自体が
         宗教にとって最悪の問題を生み出す。

 ある人はこういった。仏陀は天国とか魂を論ずることを避けたから、科学の出現も進化論も仏教にとってさほど脅威ではなかった。

 ∧∧
( ‥)本当ですかね?

     (‥ )まあ、そういう側面はあるかもね。

 しかし、仏陀から由来したとされる思想のすべてがそういうものではない。もっと宗教に近いものもあるという(まあそうだろう)。

 ∧∧
( ‥)そういう人々に対して、天国?
    そんなあるかないか分からないものを
     論じても無駄だよ、とは言えないという
     話もありましたね。

      ( ‥)論じないということは天国を
          保証しないことでもあるからな。

 天国が無いということは証明不可能な問題であり、ゆえに「あなたが天国を期待してもそれが無駄であること」これもまた証明不可能である。

 ∧∧
( ‥)とっ、肯定的に言われてもみんな嬉しくないでしょうね

      (‥ )宗教抜きにして人間は死に耐えられない。

 

 

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