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2010年4月14日水曜日

世界は際限もなくぶれるという理解

 
 科学ニュースの分野で時々言われる表現。

 この分野では次々と新しい発見があって3年、5年もたてば仮説ががらりと変わる

 ∧∧
( ‥)ああ、恐竜好きな人の間とかでもそういう表現が
    使われることありますね。

     (‥ )端から見てると、いやあそうかあ?
         という感じなんだけども。

 先日もほとんと同じことを言われて、「はあ、そうですかね」と返す言葉が濁った。いやいや、恐竜なんてこの24年の間にただただ答えが収束していってませんかね? ぶれがでかくなる事例なんかあったっけ。確かにここ壊れるんじゃないか? という箇所がじりじり壊れはじめているように見える事例もあるけども、それも結局のところ収束だよなあ。

 考えても見れば、新しい発見があれば仮説や理論ががらりと変わる。それも3年とか5年なんていう短いタイムスパンでがらがら変わるってのはずいぶん奇妙な世界観でもある。理論や仮説ってのは既存のデータを説明するものであって、1つや2つの新しいデータを加えたり抜いたりすれば壊れるなんていうものではそもそも困る。

 ∧∧
( ‥)そんな脆弱な理論は普通、提案しないでしょ?

     (‥ )出してもいいけど、そんなではすぐにつぶされて
         スタンダードになる暇なんか、そもそも
         ないだろうしなあ。

 まあ、確かにあんまりよろしくない理論に基づいた論文が数年ばかし流行して、そして丸ごと消滅するってこともあるらしい。

 ∧∧
( ‥)でも、あなたの言っているその事例って
    その理論を採用しない他の研究者(複数)が
    「いや、こんなんだめだろ」とずーっと
     言ってたやつでしょ?

     ( ‥)だって話だな。
 
 なんか流行ってるなー(分野がちょっと遠いので又聞き小耳)、と感じていたらいつのまにか聞かなくなったので、どうしたんだろ? と思っていたら実のところそんな話であったことが本に書いてあった。
 

 翻って考えるに、データからグラフを描いた後で、1個か2個の新しいデータを加えたら途端に既存のグラフが大きく壊れるって事例は、日常生活からしてもあんまりない。

 ∧∧
(‥ )まあ、重大なことを見逃していたのに気がついて
\-   はっ!! そうか、と大騒ぎになることは
     ありますが。

     (‥ )でもそれだってあれさね。結果を引き起こす
         小さいけども重大な原因(ほとんどその単一の原因で
         結果を導き出すような強烈なやつ)を見逃していたとか
         そういう場合さね。

 ふとした、でも致命的な計算間違いを見つけた、そんな感じ? 

     (‥ )でも、でっかい母集団の中からサンプルを幾つかとって
         母集団の傾向を推論するような場合、1個か2個の
         追加データで結果がどかーんと変わるかね?
 ∧∧
( ‥)あんまりありそうにないですねえ。


 3年、5年で理論や仮説ががらがら変わるという世界観はかなり奇妙に思えるし、事実、世界はそういう風にふるまっていないと思う。

 

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