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2016年2月21日日曜日

圧縮できるのは読みがそもそも薄いからでしょう

 
 
 ∧∧
(‥ )速読なんて科学的に
\‐  ありえないってニュースが
    一部で話題になってるね
 
  (‥ )そりゃあ斜め読みを
      もったいぶった言い方に
      変えただけだからな
 
 斜め読みすればなんだって早く読める。
 
 ∧∧
( ‥)では斜め読みって
    なんでしょうねえ
 
  (‥ )河原の石探しと同じだろ?
 
 ひとつひとつの石をいっこいっこ手に取り吟味するのではなく、白い石を探そう、とか、そういうざっくりした方針で河原を歩いて探していく。
 
 ∧∧
(‥ )あらかじめ想定したものに
\‐  当てはまる事柄を
    見つける作業なのである
 
  (‥ )本で言えば
      ”こういう内容だろ?”
      という最初の思いつきに
      当てはまる文字を探し
      組み込んでいく
      そういう作業だな
 
 悪く言うと先入観に沿って、データを恣意的に集めていくということなのだが、実のところ、動作としては普通だ。

 だって、そもそも人間の大部分は本を読む時、まともに読んでいない。
 
 例えばの話、自分の好きな漫画でさえもきちんと読み込んでいない人間がいる事は、誰もが思い当たるであろう。

 つまり、普通の人間は漫画もまともに読めないのだ、そういう雑な読解は容易に圧縮が可能である。

 圧縮が可能になる読解だったら、速読にできるでしょう。
 
 人間の脳が出来る処理には限界がある。だとすれば、結論は容易なんである。

 読むものである本の密度は変わらない。

 そうであるのに速読によって圧縮ができるとしたら、そりゃ、お前の読みが元々薄かったということだ。
 
 ∧∧
(‥ )もちろん状況次第では
\‐   斜め読みも止む無しって
    ことはあるでしょ?
 
  (‥ )こういう内容を
      引用したいが
      それはどこかに無いか?
      とか
      この内容がどこかに
      書いてあったはずだよな
      とか
      そういう場合な
      
 
 とはいえ、こういう場合も斜め読み(速読)が元々持っている危険と隣り合わせであることは念頭に入れねばならぬ。

 例えばこの河原には白い石が多いはずだ、という予測で白い石(石英)を探す人は、花崗岩は白っぽいが目的には該当しないとはじくだろう。 
 
 ∧∧
( ‥)でもその花崗岩が
    その流域の地質の鍵であったら
    はじいたその瞬間に
    重要な事柄を
    見落としてしまうことが確定
 
  (‥ )斜め読みってのは
      そういうものだ
      危険性を承知で
      何か応急処置的に行う時に
      するものだ

 
 もっとも、以上のような危険性は、斜め読みを推奨する人にとって脅威ではないかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)なんで?
 
  (‥ )無批判に斜め読みを
      推奨する時点で
      そやつの目的が
      未知の発見でないことは
      確実だろ?
 
 単位時間に処理できる量を増加させる。それは要するに、数の自慢がしたいことを示す。
 
 河原の石探しで例えれば、全国の主要河川は制覇した! みたいな感じであろう。
 
 ∧∧
(‥ )この本は全部読んだ
\‐  内容はこうだった、どやあ
    みたいな感じですかね
 
  (‥ )もともと大部分の人間は
      本をちゃんと
      読まないからな
      熟読しても速読しても
      読み取れる内容に
      違いが生じない
      そういう状況で
      他人と差をつけるには
      これだけ読んだぞ自慢に
      たどり着かざるを
      えないだろうねえ
 
 実際、速読して圧縮できる時点で、それはそやつの読み込みが薄い事を示す。読み込みが薄いのなら、理解は全員、ドングリの背比べになる。
 
 だとしたら理解の確からしさを比べるのは意味がない。
 
 だって、確からしさを比較されても理解が浅いから、なにが争点になっているのか、なんで自分の読み込みが駄目なのか理解できないからだ。
 
 だったら数を誇るしか無かろう。
  
 
 これは最近、顕著になってきたように思うけども、海外のライターとかに多い傾向かも知れぬ。
 
 ∧∧
( ‥)困った感じ?
 
  (‥ )色々読んで文献を無数に
      縦横に引用してるけど
      あなた教科書を
      ちゃんと読んでいない
      ですよね
      ということが丸わかりな
      事例とかな
 
 要するに、基礎とか、基礎の基礎とか、基礎の背景の基礎とか、そういう必要なんけども把握するのがひたすらめんどくさいことをしていない。
 
 これは必然ではある。数を誇る場合において、一体誰が質の背景などわざわざ持ち出してくるであろうか?
 
 しかし、そうやって基礎を把握せぬ状態で思いついた仮説、これに沿うようにデータをあてはめていけば、出来上がるものは、なんじゃこりゃ? になるだろう。

 確かに見た目は壮大かもしれないが、知ってる人が見れば構造がめちゃくちゃって奴だ。
 
 ∧∧
(‥ )当初の仮説って
\‐  少ない根拠から
    思いついてるから
    大概はゴミですからね
 
  (‥ )ゴミに無数のデータを
      あてはめれば
      壮大だけど砂上の楼閣が
      できちゃうんだよ
 
 だが、どうも今時はこういうのがおしゃれらしい。
 
 例えば、海外の企業戦士はすごいんですよ!! 彼らは大量の資料を読んで自在に引用し、プレゼンし、議論の主導権を取って自分のプロジェクトを推進させる。日本人はナイーブすぎますよ!! とか感嘆する声も聞こえてくる。
 
 ∧∧
(‥ )apple社もそういう会社に
\‐  なったとか聞きますが
 
  (‥ )それが本当なら
      appleがシャープに
      なっちまうのは
      時間の問題なんだろうな
      止む無しだけど
      残念だよね
 
      
      
   

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