( ‥)やばいんだよなあ
-□
∧∧
( ‥)何が?
(‥ )もうじき出る自分の本の間違いが
-□ まだ把握できていない
∧∧
( ‥)ああ、、、それはやばいですね。
誤字、肝心なことの書き忘れとか、そういうのは気づいた。
∧∧
( ‥)でも、数値や概念や説明の間違い(省略とか説明が粗いは抜かす)
を見つけられないのはやばいですよね
( ‥)ないわけないからな。
-□ ようするにこれはチェックと把握が
中途半端だってわけだ。
間違いがない、などということはありえない。間違いを発見できていないが正しい。
ようするに処理し切れていない。ははっ、困ったね、能力のキャパシティを明らかに越えている。
∧∧
( ‥)というか、話はむしろ逆ですよね
能力のキャパが落ちているんですよ。
(‥ )年はとりたくないもんだな。
地学や古生物学がばかでかいジャンルで、ゆえに処理し切れていないってこともあるけども、ああ、これだ。40代になったあたりでライターの生産するものが歯止め無い劣化を始める原因は。
∧∧
( ‥)というか、加齢による処理能力と体力の低下、
同じことをやり続けた惰性、それが原因だろうという
あなたの持論を通した見解ですよ。
( ‥)理論負荷性。便利な言葉だよな。
気持ちはとてもよく実感できるよ、分かるって楽だよな。そうじゃないかね?
∧∧
( ‥)あなたの以前の言い様からすれば
「分かった」というのは検討と検証の放棄である。
そういう一面があるわけでしょ?→*
( ‥)分かったには「暫定的にそうしとけ」って
程度の、当たり前で現実的な意味合いも
使用方法もあるんだけどな。
だが時に、いやしばしば、特に「考えた、だからオレえらい」と思う人間には「分かった=これで絶対に正しい」と思い込むやつがいる(あるいはそう見える)。
(‥ )楽だよな
∧∧
( ‥)クロスチェックしないですみますからね。
年齢を重ねて35を過ぎる。とたんに体力が低下して本も論文も読まなくなって、取材しなくなる。
( ‥)実際なあ、例の本の人だって、80年代から
時間が停止してるしさ。
∧∧
( ‥)時間が問題というよりも、
その論文のその後の運命が問題ですからね。
論文自体の”年齢”は関係ない。100年、200年、論文とは呼ばないが1000年、2000年前のものでもいい。しかし、その論文や著書がどう生き延び、あるいはどう滅びたのか、あるいは現実の前にいかに破壊されたのか、あるいは突破したのかは把握しなければいかん。
そうだよなあ、いかなるものにも歴史はあるが、しかし科学は歴史そのものだとでもいうの? 科学は知識の集積だ、というのは一面では正しいけども、実はもっと有象無象で生物、あるいは系統に近いもの。集積なんていうお上品なものでは決してないのではなかろうか。
離合集散、変貌を繰り返しながらただひたすらに現実に適合し、それを処理せんと変身を繰り返すものではなかったか?
(‥ )反対にだ、これでいい、オレは分かった、
その時、そこで歩みは止まるわけだ。
当然だよな。科学は単なる知識じゃない。
∧∧
( ‥)死んでいないけども死んだのだと。
そうね、比喩的にいうと変身と適合を止めた時、後に残るは歯止め無く進行する劣化。
体も脳細胞も記憶も、すべて砂のごとく少しずつ、しかし確実に崩れ落ち、残るは「分かった」「確信した」というファンタジーのみ。
これは人の残骸、つまり無惨。
∧∧
( ‥)でっ? あなた今からどうします?
(‥ )取りあえず別の仕事していい?
-/
さてしかし、人生の後半は無惨か、あるいは諦観と愚痴か、さて、いずれなりや?