自己紹介
- 北村雄一(北村@)
 - イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
 
2013年6月26日水曜日
勝負できるのはルールと盤を熟知した者のみ
系統学が出現する以前、研究者は「進化はこんな風に進行したのだろう」そういうお話ありきな憶測で話をしていた。
実際、一世代よりも古い本はどれもそういう内容である。
∧∧
( ‥)推論ではなくて、
憶測ね。
(‥ )推論なら、このぐらい
確からしい、と言える。
あるいは確からしさを
言えるように作られた
方法論に基づいたものを
推論という。
そうでないなら、それは
思いつきありきの憶測だよ
確かに、思いつき自体は悪くはない。
∧∧
( ‥)問題は思いつきが正しいか
どうなのか?
それを論証するには
思いつきとは独立な
基準を持つ推論方法なり
検定方法を使わないと
いけませんよと。
( ‥)昔の研究者はさ、
–□ それをやらなかった
のだよね。
いや、正確にいうと、やりたくても出来なかったのだ。なぜなら推論する方法、仮説を検定する方法を持っていなかったから。
∧∧
( ‥)でもある日、分岐学や
距離法の出現で
それが変わる。
研究者はデータを説明する
グラフを発見する方法論を
手にした。
( ‥)それがほぼ1世代前の
–□ 話なんだよね。
以来、30年以上が過ぎた。以後、生物の進化はどう推移したのか? それを論じるには分岐学や距離法、あるいは最尤法などを使うことになった。
そして、これについていけなかった研究者は次々に脱落していった。
いまや、学術誌は全部そういうものである。たまにおかしなものも混ざるけども、ふーん、という感じでしか見てもらえない。
∧∧
( ‥)なんか、一世を風靡した
研究者が、わずか30年後、
査読もないような
小ちゃな地方の博物館の
紀要に、新種記載して、
その時に、
分岐学なんて信用しない
と書いたりね。
( ‥)ロバート・バッカーさんな
–□ あの人、皮肉だよね、
時代の風雲児と
言われたのに、
彼の仮説は無条件では
支持されず、彼の予想は
大枠では当たったけども、
名誉はそれを見つけた
研究者のものになった。
そして彼が反対した
斬新な仮説はいずれも
パラダイムシフトを
引き起こしている。
だから、あの論文は
印象的だったな
恐竜温血説をひっさげて、過激な論客と言われたのに、実際には、分岐学とかKT境界の隕石衝突とかには反対して、しかしそれらが時代を駆け上っていった一方、本人はいつの間にかそういう立ち位置にいて、忘れ去られている。
∧∧
(‥ )時代の流れって
\– こういうもの、ですか
(‥ )KT境界の隕石衝突、
分岐学の出現
距離法、最尤法、
エボデボ、
性淘汰に血縁淘汰、
そしてダーウィニズム
全部、ここ30年、
40年の話だよね
時代は変わったよ。
これらに取って代わられたものはすべて時代遅れの遺物となった。でも今でも、そういう遺物は残っている。特に私たち素人に。
そりゃあそうだ。今の読者が大喜びで読んでいる最新仮説とかいうのは一世代前のものだ。しかも教科書を読まないからそれはもう理解がひどいもんだ。
例えばどこぞの掲示板で鳥の進化はこう進んだに違いない、と議論はしているけども、論文も教科書も読んでおらず、根拠は間違いだらけ。系統学出現以後ではお話ありきの憶測はなんの意味もないし、そんなの時間の無駄だし、時給換算したらどれだけのお金をドブに捨ててしまったんだい? という人
あるいはダーウィニズムは間違いだと信じ、間違いを見つけたと思い込み、得意になって吹聴するのだが、血縁淘汰や中立説や自然淘汰もESSも知らず、学校で習っているはずのメンデル遺伝さえも理解していない始末。こんな無駄な時間はいったい幾らに相当するだろう? なんのために人生をこれほど消費してしまったのか? それで、一体、何を手に入れた? お前が手にしたものはなんだ?
あるいはこのように進化したと述べつつも、やはり解析もなにも知らず、50を過ぎた今、ただただ無駄に人生を終えて、何事もなし得ぬままにみじめったらしく死んでいくだろう男。
あるいは曰く、分岐学はころころ変わるではないですか! あんなものはオセロと同じではないですか! と得意げに言っているが、お前、オセロも分かってないだろ、そしてこれを言うのはお前で100万人目だ、というような...
∧∧
( ‥)オセロね。オセロは
挟まれたら反転する、という
ルールがあるだけ。
ころころ変わるけども、
勝敗は偶然ではない。
力量を反映して収束する
はずですから。
( ‥)おもろいから今度の本で
–□ 書いたよ。
反転するというルールがあるのは事実。だがゆえにすべてが不確定になる、というのはゲームをまったく理解していない。
盤を見れば勝敗は読める。そしてルールと盤を見て取れる人間だけが勝負に参加できるし、勝利の可能性にベットできる。これは系統学でも分岐学でも、スポーツでもなんでも同じだ。ルールがあり状況がある。
教科書も読まない人間にチャンスはないし、オセロみたいにころころ変わるのだとすねてる人間に先などあるわけがない。
∧∧
( ‥)こういうことを次々に
本に書く
(‥ )そうして
より適格な知識を持つ
人々を増やし、
知的に劣った旧世代と
置き換えるのだ。
忘れてはならぬ。40を過ぎたら、もう時代の遺物なのだということを。そして勝負するにはルールと盤の有様を熟知しなければならぬ。
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