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2011年4月23日土曜日

150年前にあきらめたのではなかったか?


 Faber-Castell社の色鉛筆。番号は9201-165 Emerald Green、すなわちエメラルドグリーン
 
 
   ( ‥)この色は今回初めて使ったな
     -|
 ∧∧
( ‥)あまり使う機会があるような
    色ではありませんからね。

 目の覚めるような明るい、鮮やかなグリーンで白っぽいというか輝いた色というか、その分、個人的には緑色のもの、例えば植物を描く時には使いようが無い色に見える。

 ∧∧
( ‥)世界は実のところかなり
    地味ーな色の
    組み合わせですからね。

    ( ‥)でもそれが鮮やかさを
        産むのだ、すばらしいね。

 とはいえ今回は派手な色を使ってしまった。

 ∧∧
(‥ )ホルベイン社のCeladonも
|-   今回かなり使いましたが。

   (‥ )メタリックグリーンを表現するには
       いいかなーと考えたんだがね
        安易すぎたかもね。

 まあ、描き方が把握できれば、何が良しで何が不可なのかそのうち掌握できるだろう。

 さて

 ∧∧
( ‥)脱原発、クリーンエネルギーの
  -□ 使用を進めよう、というご意見。

    (‥ )でも現実的じゃないよね、という
        突っ込みはすぐに入るわけでね。

 ∧∧
( ‥)節電した生活でも別に困らない
  -□ だからそれで良いよ、
    というご意見

    (‥ )今まで節電してなかったのにかい?
        さんざん使ってきたのにかい?
        そりゃあ理屈がおかしいか
        非現実的だろ

 ∧∧
( ‥)節電しても困らない社会を作って
  -□ 脱原発でつつましく生きよう、
    というご意見。

    (‥ )自分たちだけは幸せになろうってか
        そんなこと世界の他の国が
         許しちゃくれないだろ。

 ∧∧
( ‥)許しちゃくれませんか

    ( ‥)それが出来るのならまだ鎖国してるべ。

 中国だって朝貢貿易してるままだったんじゃねーの。

 *朝貢貿易:中国の皇帝へ「貢ぎ物でございます」という建前でする貿易だけども管理貿易なんで、もっと自由化しろよ、お前らの市場でかいだろ?? というヨーロッパ列強の要求はエスカレートして結果的には以下省略

 ∧∧
(‥ )鎖国してつつましく生きて
\-   幸せになる、というのは
     無理ですよと。

    (‥ )生活水準が落ちる。購買力も
        収入も下がる。鎖国しなくても
        海外へ出稼ぎに出るか、工場を
        誘致して低賃金労働者になるか
        そんなオチじゃね?
 
 このオチ、普遍的なオチでもある。普遍的なオチなら普遍的にそうなるさ。
 
 
 そういえば、こたびの震災では後で聞いたらがっかりした人がいたのだそうだ。なんでも震災という外圧によってしか社会を変えようと思わない日本社会に失望したらしい。

 ∧∧
( ‥)何と見ます?

    (‥ )いやあ、外圧で社会を変えるって
        むしろ、それが当たり前じゃね?

 フランス革命だって結局は小氷期の一番寒い時期、一番ひどい冬が来た時に起きているわけだし。

 *小氷期 ようするに小氷河期のこと。中世期が温暖で、この時期に人口の増えたヨーロッパは18、19世紀の小氷期でひどい影響をこうむった(例えば「歴史を変えた気候大変動」B・フェイガン 河出書房を見よ)。

 ∧∧
( ‥)社会の脆弱さが気候の悪化で
    露呈して。

    (‥ )絶対王政に対する有力貴族たちの
        反乱が、内ゲバの大粛正になって
        王室と婚姻関係にあるオーストリア
        帝国はせめてくるわ、それに対して
        市民軍やらナポレオンやら出現

 やり返して大侵略。フランス軍は足でかせぐのです!! と軽装備で食料は現地調達(略奪)、征服、反攻、ウィーン条約。戦争以前に戻しましょうよ、で一件落着、、、と思いきや、征服戦争で市民革命のイデオロギーが浸透しているから、あっちの王国で市民革命、あっちの帝国で内乱、帝国崩壊、民族紛争、世界大戦

 ∧∧
( ‥)ようするに

    (‥ )外圧と内ゲバだろ?
        これが変革さ。
 
 というかヨーロッパで科学や技術が捨てられないどころか発達したのは

 ∧∧
( ‥)外敵が存在したからですね

    ( ‥)外圧こそが今の世界を作ったのだ。
      -□ まあ、このあたりの話は
        「銃・病原菌・鉄」の
         受け売りになるけど。

 *「銃・病原菌・鉄」 なぜユーラシアの西端に誕生したヨーロッパが世界を征服できたか? ユーラシアは東西に長く、同じ緯度、気候帯に属した区域が大きい。必然的に文化や知識の伝播が速く、新しい知識が発生する率も大きい。ユーラシアの中でもヨーロッパが世界征服に至ったのは地形的な理由で統一と平和が訪れず、ずっと戦争してたから。似たような発想や説明はヨーロッパの本では他にも散見できる。

 ∧∧
( ‥)外圧を強調するのはむしろ
    鎖国していたアジアな発想かも
    しれませんね。

    (‥ )外圧でしか変われない日本、という
         嘆き自体が鎖国な日本の
         発想だったりしてな。

 だが、現実はむしろ逆で、外圧があるからこそ、皆、いやでいやでしょうがないけども変わるんじゃねーの? 本来、どうせだったら同じ人生を歩んだ方が楽だからなあ。

 そして翻って思う。

 電力消費をあきらめてつつましい生活って、、、そんな自分たちだけ幸せにのんびり暮らそうなんて、この地球で言うにはいささかむしが良すぎないかね?

 ∧∧
( ‥)この地球に逃げ場はないと

    (‥ )そもそも無いから開国したんだからな。

 幸せなんて、そんなもの、明治維新、150年前にあきらめたのではなかったか?


 

 

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