自己紹介

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2011年10月10日月曜日

できる精一杯

 
 サイエンスライターとか文化人とかが目指す、「一般人にこの知識を知らしめ、啓蒙し、社会を改良するのだ!!」という努力は
  
 ∧∧
( ‥)まったくの無駄に終わると。
 
    (‥ )ルイセンコのことなんか、
        それが肯定であれ、否定であれ、
        本当に一部の人しか
        覚えていないだろ?
 
 ルイセンコ。ソ連時代、ロシアにいた人間で、環境からの刺激に対して生理的に反応する植物の性質を「進化」であるとみなし、これを応用すれば品種改良など思いのまま、メンデル遺伝は資本主義、ショウジョウバエで遺伝の研究してもむだ、遺伝子資源集めても意味ない、俺様の意見こそマルクス主義的ですとスターリンにとりいってまっとうな研究者を粛正に追い込んだ男。
 
 ∧∧
( ‥)日本でも左翼系の知識人とか
    一部の研究者にシンパが
    いたんですよね。
 
    ( ‥)大地の支配者ルイセンコとか、
      -□ そういう本も出たけど、誰も
        覚えちゃいない。
 
 舞い上がったお馬鹿な連中が有頂天になって書いた本がたくさんあったけども、そんな記憶、なーんにも残っちゃいない。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、一部の知識人に今だに
    その残滓が木霊のように
    残っているふしはありますけども
 
    (‥ )だが、少なくとも革新的に
        人々の知識を変えるのだ!!
        という舞い上がった試みは
        成功しないってことだね。
 
 ∧∧
(‥ )もし、本当にルイセンコさんの言っている
\-   ことが正しかった世界だったら
     革新的な品種改良の前にその知識は
      受け入れられたでしょうか?
 
    (‥ )どうだろう? 状況によるな。
 
 例えばの話、メンデル遺伝と雑種強勢を応用したF1の優良作物は普通にあるけども、
 
 ∧∧
( ‥)メンデル遺伝や雑種強勢の理解が
    広まったわけではありませんね。
 
    (‥ )すくなくとも大きな成果を
        収めても、その知識が普及するか
        といったらそうでもないんよね。
 
 *作物でも人間でも遺伝子は対になっている(例えばAとA)。一方、人間も作物も有害な遺伝子をたくさんもっている(例えばAに対するa)。こういう有害な遺伝子の効果はペアになった相手によって隠される場合もあるが(Aとa)。ペアによっては隠されない場合もある(aとa)。だが、このことはaaとAAの状態になっている親同士を掛け合わせれば産まれる第1世代(F1)はすべてAaになるということでもある。ようするに無条件で有害なaの効果が隠され、優良で均一な作物が出来上がる。ただし、この条件は次の世代では失われる。

**AAがすでにいるならわざわざ掛け合わせなくても...と思うかもしれないが、AAの遺伝子を持っている親はbbを持っている親でもある、という状態。
 
 ∧∧
( ‥)同様に、サイエンスライターの啓蒙活動も
   たとえ、それが妥当な内容と知識であっても
   無駄に終わるってことですね。
 
    (‥ )本を読み、関心があって、なおかつ
       正しく理解できるか、あるいは鵜呑みに
       できる一部の人にだけ、知識を累積
       させることができる。つまり格差を
       作り出す、これが出来る精一杯。
 
 

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