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2015年5月19日火曜日

賢い無能であるのなら、無数の馬鹿に投資せよ

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )生物ってすごく冗長で
      訳分からんことを
      やっているのだよな
 
 受精卵から体を作る際、体の前後軸の決定が必要だ。これは座標を決定する蛋白質の濃度分布から作られる。

 ∧∧
(‥ )濃い方が前
\‐  薄い方が後ろ
    ここまではしごく論理的
    なんですよね
 
  (‥ )ところが前後を決定する
      蛋白質の由来が
      複数あるので
      後方の余計なものを
      抑制するとか
      抑制するための因子を
      後方へ集結させる因子とか
      そういうものがある

 
 つまり、濃い、薄い、その分布を分子の拡散から計算し、方程式で解けば生物の胚発生が理解できるか、というとそれが出来ない。確かに個々の作用は方程式で表現できるはずなんだが、方程式の存在に必然の意味がない。
 
 つまり基本的な前提を公理として演繹することがまったく出来ない。
 
 生物は進化の過程で誕生した。その過程は確率的な過程で、人間が思い浮かべるような論理的な構造ではない。生物は人間が作ったような理路整然とした仕組みを持っていない。それゆえ、論理で演繹出来る存在ではなくなった。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えれば
    論理的な思考で生物を
    把握することは不可能だろう
 
  ( ‥)頭良い連中をそろえた
    ‐□ はずの脳科学が
      なんか今ひとつなのも
      そのせいなのかもな
      あの連中は少し
      賢すぎじゃねえかな
 
 ∧∧
( ‥)理解には
    もっと馬鹿っぽいことが
    必要?
 
  (‥ )進化という解探索は
      知能無しでも動作可能
      なれば
      知能で解探索を進めるなど
      賢い無能のやることですよ
 
 実際、論理主義者たちの抱える絶望を見ればそれが分かるというものだ。彼らは自分たちの論理が正しく、それを受け入れない世界を断罪する。
 
 だが実際は逆だ。世界は論理抜きで動作している。ここに気づくべきだ。
 
論理には世界を記述する能力がない。論理主義者たちは自らの挫折で、これをこそ思い知るべきだったのだ。
 
 つまり論理主義者とは賢い無能である。だから絶望する。
 
 ∧∧
(‥ )解探索に必要なのは
\‐  馬鹿と数
 
  (‥ )しかしなあ
      馬鹿と数で
      切り開いた地平が
      豊かになると
      今度は賢い無能が
      集まってくるのだよな
 
 論理主義者は賢い。賢いから金のある場所へ集まる。
 
 論理主義者は賢いがゆえに無能である。無能だから何も作れない。
 
 もちろん、制御は出来る。そして巨大で豊かになると組織は制御に多大な投資をしなければいけない。つまり制御は是非とも必要なのだ。だがしかし、それゆえに必然的に非効率的になる。
 
 言うなれば、効率的な福祉国家など存在するわけがない。
 
 かくて組織は寄生虫の集合体に成り果てて、ついには破滅する。
 
 福祉国家は必然的に消滅し、成り上がった会社は賢いだけの社員に食いつぶされる。
 
 ∧∧
( ‥)組織が必然的に自壊する前に
    次の地平線を馬鹿に
    開拓してもらわないと
    いけないのである
 
  (‥ )賢い無能であるのなら
      死ぬ前に馬鹿へ投資せよ
 
 
 それが存続というものだろう。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )でも賢い無能さんって
\‐  そういう馬鹿なことを
    絶対にしないよね
 
  (‥ )だから寄生虫にしか
      なれないんだがな
      まあ生き方としては
      正しいけどね
 
 
 

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