自己紹介

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2010年6月27日日曜日

主観と客観のレート

 
 自殺の名所って場所がある。死ぬ人は取りあえずそこへいってみようと思うのかどうなのか、行ってみるものらしい。しかし集まってこられる地元の人にとってはえらい迷惑な話だろう。

 
    (‥ )人間はさあ、自分の価値は地球と同じぐらい
        あると思っているかもしれないけども、
        他人から見ればほとんど無価値なんだよな。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ。

 遠い異国の人の命は自分たちの時給で換算すれば100円か10円か? まあそんなレートだろうってことはおおよそ検討がつくもので。

    (‥ )さもなきゃ、自国の兵士や現地の人々が
        何千、何万と死んでも政権は継続したのに、
         不景気になったら共和党大敗なんてことは
         起きないだろうからな。
 ∧∧
( ‥)まあねえ。

 僕らが望む安い商品は異国のとんでもない低賃金と極貧に支えられている。彼らが不幸かどうかは知らないが、ともあれ、こっちから見れば極貧であることには変わりない。

 ∧∧
( ‥)ようするにあなた達は毎日、どこかの人を
    搾取して生きているのだと。

    (‥ )人の命を喰っているのだとも言えるな。

 これを”人食い”と言った人もいたなあ。

 ∧∧
( ‥)人食いと言ってもなお、改めませんか。

    ( ‥)レートが違うのだということを
      -゜ あからさまに反映している行動であるね。

 つまるところ人間の命のレートは自分≒無限大から見知らぬ遠い人≒100円か1円以下まで色々とあるわけでして。

 それが死んだらどうなる?

 ∧∧
( ‥)生者の価値ではなく、死者の価値を
    推し量ると。

    (‥ )より正確には死者の価値だけでなく、
        死体の価値も推し量ろうというわけかな。

 死者という言葉に人格が、あるいは他人から投影された人格が認識されているのであれば、死体は死者と明らかに違う言葉。

 ∧∧
( ‥)死者は人によっては大事なものでしょう。

    (‥ )近親者にとっては大事なものだろうね。というか
        そういう人がいるからこそ、単なる死体に
         単なる死体以上の価値が出るというの?

 死体に生者の思いが投影されるからこそ、死者という価値あるものが生ずると言えば近似?

 ∧∧
( ‥)株やお金のような感じですか。

    (‥ )大量生産品でもその人にとっては大事な
        ぬいぐるみなどと言えば、より近似。

 ではその価値をはぎとってしまえばどうなるのかというと。

    (‥ )そうなると死体ってさあ、ぶっちゃけた話、
        あれって生ゴミなんだよね。
 ∧∧
( ‥)ああ、、、まあねえ。

 重量、数十キロ、腐りやすく、動物、昆虫があっという間によってくる、そういうしろものだ。液体をぶちまけるし、重いし、辺りも汚れる。

    (‥ )それでもその人には死者としての思いが
        投影されているのだと他人は推し量るから
        おろそかにできんのよ。
 ∧∧
( ‥)地元の人にとってはえらいこっちゃですね。

 そんなものが年に何度も自分の家の近くに放り出されてごらんよ。たまったもんではあるまいよ。
 
 死ぬ人間は自分の価値が0だと思っているのだろうか? 果たしてそうか?


    (‥ )他人からすればその人の命は1円か10円なんだ。
        だが死者になったらどうなる? 0どころか
         マイナスになっちまうだろ?
 ∧∧
( ‥)ああ、孤独死の片付けにはお金がかかりますしね
    価値は0どころかマイナス何万かもしれませんね。

 自分を捨てるのであれば自分の価値は0か? いやそうではない。その時点でもなお自分の価値は何千か何万かあると換算せねばなるまい。他人にマイナスということは相手に出費を押し付けるということで、平たく言うと押し売りすることで、強制的に価格を発生させていることになる(より正確には”それを片付ける人の行為”に価値が発生している。だからこう? 価値を発生させるイベントを強制的に発動している)。

 ∧∧
( ‥)でも、そんなこと考えている余裕はたぶん
    ないんじゃないですか?

     (‥ )だから声かけってやつをするんだろうな。

 青木ヶ原樹海。あれもしかし、1000年も経てば、なにもかも忘却に押し流されて土壌が十分に形成され、たがやされる日がくるということか。

     (‥ )あるいはほんの何世紀かの間に火山灰がふって埋もれて
         豊かな緑に覆われたりしてな。
 ∧∧
( ‥)火山灰や土石流に埋もれた村や人々の上に
    町があるなんてありきたりな話ですからね。

 時間の前に、個人それ自体の存在は感知されず。

 ではその長大な時間の中で君は何を残す?

 
 

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