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2010年6月4日金曜日

理想セールスマン

 
 民主制はチョイスされた政策立案者の提案の正否が得票にフィードバックすることで集団の進む向きが決定され、究極的には答えに辿り着きうる仕組み(だと思う)(*もちろん局所的な解に迷い込んでしまうとか、ライバルに負けて消滅するとか、提案の正否と関係ない要素で方向が決定されるとか、そういうことは当然ありうる)

 理想は現象を説明するモデルそのものではなく、単なる目標。目標が目標そのものの価値を保証しないように、理想も理念それ自身の価値や妥当性をまったく保証しない。掲げられた理想的な答えは、そもそもそれが現実に動作するのか分からない(*もちろん、提案者は動作すると信じてはいるらしい)


 そうであったとした場合、以下、しばしば聞く疑義に以下のように回答が可能?

:独裁制や寡頭制の方が民主制よりも効率が良い 
A:今さらながらですが当たり前ですね、それ

:民主制は答えに到達するのがじれったいほど遅い 
A:同上

:なぜ分かり切った答えに辿り着けないのか? 
A:時間がかかるシステムですから同上


 ∧∧
( ‥)でっ?

     (‥ )さらに幾つか仮定を持ち込むと
         以上の想いを次のように解釈が可能。

:独裁制や寡頭制の方が民主制よりも効率が良い
→もっと早く分かり切った答え(オレ様答え)に到達したい

:民主制は答えに到達するのがじれったいほど遅い
→同上

:なぜ分かり切った答えに辿り着けないのか?
→民主制では原理的に答えへと辿り着けないのではないか? という疑問

 ∧∧
( ‥)はあ、それで?

     ( ‥)先の前提から、この想いに対して、
         しかし次のように疑義を唱えたとする。

:分かり切った答えとやらは、自然に到達できる到達点なのだろうか?

:分かり切った答えとやらは、そもそも現実世界において動作するのだろうか?

 少なくとも動作することを経験的に論証してから提案してくれないと「分かり切った答え」とやらは評価できない。それだけでは、提案者はまるで性能を声高に述べるだけで商品を理解していない出来の悪いセールスマンのように見える。

 要するに先の想い「民主制は以下云々」はつまるところ


     (‥ )到達できることも、動作することも保証していないが
         本人はそれを確信しているゴールに早く辿り着きたいのだけど
         民主制(ひいては有権者その他)がそれを
         邪魔しているのだ!!という絶望の発露だと推論。
 ∧∧
( ‥)根拠無き信念の実現がかなわず、
    フラストレーションがたまっていると?

 
  そうしたフラストレーションの様々な言い様を要約すればこう? 民度が低い、マスコミは政府と癒着している、マスメディアは民主党を叩き過ぎ

 ∧∧
(‥ )挫折に色々な説明が出てきているのは事実みたいですね
\-   でも妙なことに理想の賛成者は理想を点検するというよりは
     民度の問題や陰謀論を唱えているようにも見えますけども。

     (‥ )そりゃあ、訪問販売している自分の商品が
         役立たずでございました、とは言えないからな。

 いやしかし、あれだ、理想や想いが挫折する時、実は最低限の利益が絶えず生じているのでございますよ。

  
 ∧∧
( ‥)その理想や方法論は、そのままでは機能しませんでした、
    最低限そういうことは分かりますからね。

     (‥ )その経験をフィードバックしてバージョンアップに
         対応したら動作する解答に到達可能。
         できないと疑似科学状態まっしぐら。 

 挫折や失敗を経験にいかせないというのは何気ないことのようでいて、実は相当にいかれてる。

 私たちは解答を知っている。だから私たちにまかせてくれ、民主制よりも解答を知っている者による寡頭制こそ理想的ではないか??!! そう主張する人々はいつもいつも出てくるが、いつもいつも挫折して、地獄を作るか、奈落に落ちる。

 ∧∧
( ‥)ワンパターン?

     (‥ )ワンパターン。

 
 奇妙と言えば奇妙、当然と言えば当然なのだけども、あの手の人がこういう壁を突破したことはどうもないっぽい。

 ∧∧
( ‥)まあ、最低限・・・

     (‥ )突破を観測したことないよね。

 

 

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