自己紹介

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2010年6月7日月曜日

夢のない世界観

 
 ∧∧
( ‥)でっ?

     (‥ )そうねえ、次のように考えてみる

1:民主制は知性も知能もなくても(一応)機能する回答探索のツールであるとする→*

2:問題があるとする(実際にありますね)

3:問題解決の手段、つまり回答を発見したと確信する人がいるとする(実際にいますね)

4:しかし、利益と不利益をこうむる人の割合の関係で「その回答」へと至ることができない場合があるとする

 ∧∧
( ‥)ようするに、「経路」はあるのだが、
    民主制を採用しており、それが個人の利益追求の集合で
    進路決定がされる場合、その「経路」を通過しない、
    通過できない場合があると。

     (‥ )まあ、その経路が実際に通ることができて、
         目的地(「その回答」)が実現可能なプランで
         あったとしても、「そこまで至る経路」を
         集団が実際には通過しない場合がある。
 
 仕組み上、そう振る舞うって言えば良い?

 ∧∧
( ‥)例えば?

     (‥ )そーさのー

 例えばこんなことを考えてみる。

 その国の年金制度は選挙権を持っている人間のうち、実際に働いている人間の支払う金銭で運営されているとする。しかし年代ごとの人口比率が変化して、働いていないが選挙権を持つ人間がかなり多くなってしまった。そしてまた、実際に働いている選挙権を持つ人間の意思決定は(経済的な圧力がさほどでもないせいか)まだあいまいである。

      (‥ )仮にそうした場合、年金制度の維持は困難だが、
          維持した時に、利益を得られる人間と、
          得られない人間がいることになる
 ∧∧
( ‥)でも、それら2集団が受け取る利益の大きさは
    等価ではないのでは?

 ようするに、年金が消滅する、あるいは年金維持のために増税(実質的に年金切り下げ)される場合/あるいはそれがされない場合(つまり年金制度はそのまま維持される)。これらの単純な選択肢において、それぞれ2つのグループが受け取る利益/不利益は各々等価か?

      ( ‥)等価じゃないんだろうなあ。
 ∧∧
( ‥)片方には死活問題だけども、片方ではそうでもないとしたら
    それが投票、ひいては政策の決定に影響を与えるの
    でしょうね。

 この問題に限らないけども、答えや回答へと至らない場合なんていくらでもありうる。しかしこうした「理不尽」は一部の頭のいい人たちにはたまらないらしい。彼らに言わせればこう?
 
 なぜ分かり切った結論に至らないのか? ははーん、分かりましたよ。それは・・・

:民度が低い
:マスコミが問題から眼をそらしている
:優柔不断な政治家
:陰謀だ
:有権者が馬鹿だから
:戦後教育の弊害(右な意味でも左な意味でも好きに使えるよ)
:やはりここは頭のいい私/オレ/僕/我々が意思決定を・・・

 とまあ、だいたいこんな?

 ∧∧
( ‥)でも、そもそも民主制はそういう回答探索をする
    仕組みではないと。

      (‥ )自分の利益最優先の個人の集合体で、さりとて
          自分以外の人間が得をするのは許せないから
          お互いに相互監視している世界。

 そんな場合、そりゃ理想論な結論へ移動なんてしないでしょう。というか移動する条件が整っていない場所にほいほい自発的に移動していくわけがない。

 ∧∧
( ‥)でも条件が変動すれば回答へ向かって動き出す
    わけですよね?

      (‥ )20年後くらいかねえ?

 この手の失望は、たぶん、こういった問題に限らない。

 そして、理想が仕組みの都合上はじかれてしまう、そういう理想を唱える人は、人生で果てしなく遭遇する度重なる裏切りと失望にどうなってしまうのか?

 耐えかねてストレスのあまりに憤死するのか、あるいはあまりの「馬鹿さ加減」に切れて遠くの世界へいってしまうのか、さてはて?

 ∧∧
( ‥)でっ?

      (‥ )理想と夢を持つ人はいつも無惨に挫折して、
          普通の人間はしゅくしゅくと回答探索を
          続けると。

 仮にこの説明が妥当であるとした場合

      (‥ )国民は馬鹿だ、有権者は馬鹿だ、独裁制や
          寡頭制の方がいいっていうのは、あれだよな、
           理想を語る前に、現実世界の説明に失敗しているよね。
 ∧∧
( ‥)馬鹿と怒る人がお馬鹿かもしれないと?
    でも以上の説明、それ自体が妥当であることをどう論証します?


 さてー? どう論証したもんでしょうねえ。

 
    

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