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2013年4月7日日曜日

仮説の有効性は立場とは無関係なところに由来する

 
 これはhilihiliのhilihili: 本の動態の続きでもある。
 
 
  ( ‥)時々さ、
      科学と言えども人の所行、
      その時代、歴史、宗教
      そういう背景に左右される
      ものであって、客観的な
      ものではない。
      そう、主張する人が
      いるだろう?
 
 ∧∧
( ‥)ああ、いますね
 
 人間は結論を下す際に、何らかの前提や仮説を必要とする。そういう意味ではこれはまったく正しい。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それは科学者でない
    あなたたちでも同じだ
 
  (‥ )全員同じなのだ。
      そこで先の話の続きさ。
      まさか、
      ガイア仮説が嫌いだ
      地球をお母さんに見立て、
      自然に過剰な期待を抱く
      能天気な連中が我慢ならん
      そういう動機で
      トンデモ仮説に手を出す
      ライターがいる、とは
      普通は思わんだろう。
 
 科学も人の営みで、人である限界から逃れられない、というのなら、
 
 じゃあ、テストや実験や観測や統計がない他のジャンルはもっとひどいことしてるんじゃね?
 
 ということに思い当たるべきなのだ。
 
 思い当たるべきなのだ。彼らがとんちんかんなら、俺たちはもっとひどいはずだ、と。
 
 ∧∧
( ‥)あなたが論理をひどく
    毛嫌いするのも、
    実は先のライターさんが
    原因ですしね
    これもおかしな動機に
    基づく行動ですか。
 
  ( ‥)論理的であれば実験なんか
    –□ 必要ない。
       すべてを統一的に
       説明できれば正しい。
       そういうことを言って
       しまう人だったからね。
 
 マントルプリュームによって引き起こされる火山噴火による2600万年周期絶滅説。彼がこんな仮説を選んだのは心理的な要因だけではない。論理的に整合性がある、そう彼が思ったからだ。
 
 ∧∧
( ‥)論理的に整合性ね
 
  (‥ )地学を学んだ人は、
      ここで、はあ?
      と言うだろうな。
 
 なぜなら、地学を学んだ人には以上の話が、そこで出てくるすべての単語が間違っているとは言わないまでも、正しいところがほとんどないように見えるからだ。
 
 だから彼らは言うだろう。
 
 はあ? どこが正しいの??
 
 と。
 
 事実、彼の書いた文章を読んだ院生の人が、この文章の正しい箇所を述べよ、と言ったことは正しい。なぜなら知っている人からすれば内容がまったくもってめちゃくちゃだからだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、考えるべきはですよ。
    そのライターさん
    地学を学んだことはないし、
    教科書も読んでいない
    そこですよね
 
  ( ‥)地球化学の本を読んだら
    –□ あるいは火山の本を
       読んだら絶対しない
       間違いが出てくるからな
 
 読んでいないことは明らかだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも? 読んでいないからこそ
    彼の知識の範囲内ではまったく
    論理的に正しく、間違いがない
    ように見えているのだと
 
  (‥ )そこが論理の恐ろしい
      ところだよね。
      間違いだらけでも
      その文章の中においては
      論理的に無矛盾に出来る
      わけだ。
 
 事実、彼はその主張と自分の文章を正しいと考えた。多分、彼の中では論理的に無矛盾だったのだろう。院生から見ると、はあ?? でも、知らない人にとっては整合性があった。そういうことである。
 
 ∧∧
( ‥)しかし、悲しいかな
    論理は現実について
    まったく何も語れない
 
  ( ‥)あんな仮説を本気で
    –□ 支持するあの有様を見て
       論理だけで満足する
       その危険性に
       身が震えたよ。
 
 恐竜絶滅がもう隕石衝突説で決まり、という状況になったというのに、それでも彼は、白亜紀末期、恐竜はすでに火山活動で滅びかかっていた、たまたま落下した隕石が最後のだめ押しをした、そう書き続けた。
 
 ∧∧
( ‥)その人の本を買った人は
    書評で書いたのです。
    マスコミは隕石、隕石と
    書き立てるが、ご覧なさい
    真実はここにある
    この説は論理的で説得力が
    あります。
    こういう本を読んで、
    マスコミによる洗脳から
    自由になりましょう、と
    
 
  (‥ )マスコミがいい加減なのは
      分かるけどもさ、
      マスコミじゃない、という
      それだけの理由で
      選ぶのも、いい加減だよね
 
 そしてその背景には、それぞれの想いがあったのである。それは論理であったり、あるいは自然を擬人化するような、頭がわいたとしか思えない思想への反感であったり、あるいはマスコミに対する不信感であったりした。
 
 ∧∧
(‥ )ひとつひとつの動機は
\–   それなりにもっとも
     なんですけどもね
 
  (‥ )間違った動機から
      正しい結論が出る時もある
      ケプラーのようにね。
      だが、
      正しい動機から
      まったく間違った結論が
      出ることもある。
      この話のようにね。
 
 考えてみれば、
 
 ”科学も主観的なのだ、だから科学も俺たちと同じもので、だから科学に権威などない、俺たちの主張も科学と同じぐらい強力なはずだ”
 
 と言い立てた連中はこれが分かっていなかった。
 
 ∧∧
( ‥)科学の有効性も
    仮説の妥当性も
    それは動機と無関係な
    ところから出てくる
 
  (‥ )それは明らかだ。
 
 
 科学の相対性を言い立てる連中はこれが分かっていなかった。先のライターだってそうだ。動機も論理も仮説を保証しない。仮説の妥当性はもっと別のところから出てくる。
 
      

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