絵が描けるのなら自分の家の周囲を説明することもできるだろ? という話。
∧∧
( ‥)あなたならいかに?
(‥ )今の住処の場合、周囲の家並みは南北に細長く
碁盤目状に区画されている。
河岸段丘で、上と下の段丘面に挟まれているからそうなるし、
( ‥)碁盤目状ってことはたぶん、畑だったんだろうな
∧∧
( ‥)まあ、確かに幾つか畑が残っていますしね。
南北それぞれ谷で切られている。
∧∧
( ‥)今は道ですが。
(‥ )切り通したか、あるいは以前から浸食された谷を
道にしていたか、あるいは谷そのものだったか。
たぶん、谷を利用した道をさらに拡張したのだと思う。
段丘面のあちこちに細い、急傾斜で狭い道が今でもぽつぽつとある。幾つかにはコンクリートのブロックを埋めて作った階段がそのまま残っている。戦後ぐらいのものだろうか。そんなものさえない道(ほとんど放棄されている)もあるし、赤土だから昔は雨が降ると(降らなくても)すべって大変だっただろう。すべって転ぶと寿命が縮むよ、といういわれのある坂もあるらしい。
∧∧
(‥ )よくいく公園の丘は浸食されのこった
高まりですね。
(‥ )電車がな、浸食された谷にそって段丘を降りて、
次に、降りた段丘面を走っていく場所でもある。
谷に断ち切られているけども、ここらへんには丘が続いていて、まるで尾根のようにつらなっている場所もある。
∧∧
( ‥)でも、みながみな、そういう映像を
思い浮かべるわけではないですよね。
(‥ )たとえ絵を描く立場であったと
してもね。
漫画家は描き慣れたいわば記号を並べて絵を描くのだ、そう言った人がいるけども、まあそうかもしれない。
∧∧
( ‥)思い描いた映像をいわば翻訳して
出力できると。
(‥ )一方では、「見たまま」の映像を
後からほぼそのまま出力できる人もいる。
絵を描けるということは、実はかなり異常な才能か、異常さを必要とされる才能であって、つまるところ一般人は絵がへたくそ。
まともな人間は絵がへたくそだし(平均はすぐれているとは言わない)、それはむしろ望ましいことだとも言える。
個人的には絵がうまい人間を見た時には、まず人としての素質を疑うべきだと思っているし、彼らは異常でなければいけない。
逆に異常であることを恐れる絵描きはただの能無しなので、無視してよろしい。どうも見た限りでは、異才や異能者は自分の異様さを自覚もできないし、認識すらできていないらしい。
彼らにとってはそれが当然なので、呼吸するように自分自身の非常識さに関して無自覚なのは当然。周囲から変な奴と言われるので何か感じるにしても、ようするに彼らは天然だ。
しばしば人生を失敗しているし、事実、絵を描く以外のことがまったくできない。
才能ってのはそういうもんでしょ。
人のままでいたいのなら、絵はへたくそな方がいい。
絵を描くのであれば、人であることをあきらめろ。
∧∧
( ‥)あなたは?
(‥ )翻訳か、見たままか、どっちもできないなあ。
概略図や、見た風景が何となくこんな感じ
そういうのは出力できるけど。
スケッチやメモをしている時点でどちらでもないんだろう。事実、標本を見て絵を描くし。
記号で出力するか、見たままで出力するか。だがしかし、さらにかけ離れたことをしている場合がある。
例えば、川の向こう側、とは何だろうか?
∧∧
( ‥)対岸ではなくて、川の「向こう」ですね。
( ‥)自分は水面を風景と光の反射と認識しているのだけども
その子にとって、水面とは何かもっと別なもの、
こちらとは別の広がりを持つ世界、
そのように見てるということ、、、、だろうか?
水面、すいめん? いや、むしろ「みなも」
「みなも」の向こうに世界があるなりや?
∧∧
( ‥)光や色彩と遊ぶ、そこから受けたインスピレーションや
心に思い浮かんだイメージと格闘して絵にする、
そういうことでしょうかね?
(‥ )かもしれないし、そうではないかもしれない。
印象派とか、マティスってどう世界を見て感じていたのか、とか、そういう感覚なのか。
それとも違うのか?
∧∧
( ‥)光と色彩に乗る、のだとか?
(‥ )確かにそういう風に、そう詩的に解釈できる
絵を描く人はいるよな。
あるいはむしろ、色や明るさを強調することは、若い頃には当たり前かもしれない。
そこで聞いてみた
北村の絵はどう思うか?
すると
普通にリアルっぽい
という、およそそういう返事
あれ?
なんか予想と違うぞ。
( ‥)もっとこういう色を使うべきだ、とか
ここでは黄色を、とかそういう答えが返ってくる
かと思ったんだがなあ・・・・
∧∧
( ‥)光と色彩に乗る人も、普通の絵は普通なものだと
認識している、そういうことですかね?
認識は同じで、出力が違うだけってことなのか?
∧∧
( ‥)あるいは、こちらの解釈が間違っているのかも。
(‥ )意思の疎通が不連続。
別に困りはしないが、しかし困ったことである。
このままではつまらない。それはとても困ったことである。