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2010年10月18日月曜日

ああ、やっぱ本は重要だよね 特に子供向けの本は

 
 地殻の下にあるマントル。それが固体であることは地震波の伝わりから明らか。

 ∧∧
( ‥)でもマントルはマグマでどろどろ、
    地殻の下は溶けた液体だと思っている人が多いと

      ( ‥)地学関係者からすれば「はっ? 何いってるの?」
        -□ というカルチャーショック

 そういえば日経サイエンスの9月号では編集部に「読者の中にはマントルを液状だと勘違いしている人がいるはずだ」と言われて半信半疑だった研究者が、自分の記事につけられるイラストの当初案でマントルが液状に描かれていたのを見て愕然とした。そういう話がちろっと載っている。

 ∧∧
( ‥)物心ついた時からと申しますか、
    研究者の皆様は最初っからそういう理解ですからね

      (‥ )彼らは世の中の半分ぐらいの人が
          地下はどろんどろんだと思っているなんて
           思いもしないのさ。

 とはいえ、

 当初は地質学者もそう考えていた時期があったらしい。

 ∧∧
( ‥)いつ頃?

      ( ‥)よく知らん。ただ、
        -□

 先日目を通したアイソスタシーの本では1836年には、地殻の下にマグマの海がある、というアイデアがあったことが述べられている(アイソスタシーの起源となるアイデアであった)。

 ∧∧
( ‥)地震波の有様からその前提が破壊されたのは?

      (‥ )1909年にはとどめを刺されたみたいね
       □-  ←「地球の科学史」朝倉書店 2001

 ああ、ほぼ正確に100年前なのか。

 とはいえ、やっぱ今でも地殻の下はマグマでどろどろ、例えば隕石が落下してでっかいクレーターができるとマグマがどっかん、火山が大噴火、と思い込んでいるか、あるいはそういうことを

 ∧∧
( ‥)連想する人がいると。

      (‥ )まあ、一般的には普通の反応だよね
       □-   連想すること自体は悪いことでは
            ないんだけども。

 何気なく検索をかけると、そもそも固体は流動しないのだから、マントルが岩石であり、固体であるというのは嘘だ、現代地質学でいうアイソスタシーはとんちんかん、と主張しているサイトとかも見つけた。

 ∧∧
( ‥)はあ

      (‥ )どこぞの掲示板でもいたろ?
          マントルは対流しているから固体じゃない、とか
          言っていた人たち。

 あー、うーん、つまりほら、そういう理解をする人はそれなりにいるわけだ(うん、だから恥ずかしがることはないんだよ君たち。ありがち、ありがち)。 

 それを思うにつけ

      ( ‥)中学時代に中川鶴太郎さんの本を
        -□ 読んでおいてよかったよ

 ∧∧
( ‥)岩波の子供向けの本ですね。
    今でも名著と言われてますが。


 思うに、やはり、子供向けの本をちゃんと書くってことは大事だということかいな。

 ∧∧
( ‥)トンデモさんやオレ様理論屋さんたちの考えを
    変えることには役立たないんですけどね・・・・

      (‥ )いいんだよ。連中は頭が固定して流動しないから。
          考えなんか変えやしない。そして最低限あれだ。

 そういう本を子供の頃に読んでおけば、100年前に終わった話を今でも信じている、なんてことになったりしないし、あるいはそういうものを信じるのは勝手だが、信じる根拠が実のところ全然ない、ということを知るきっかけにはなる。

 ∧∧
( ‥)本は人を説得する必要はないのだと?

      (‥ )普通の人に分かることだけ
          比較的正確に伝えればいいんよ。

 説得しなければ考えを変えないような奴は見捨ててよろしい。どうせ役に立たないから。

 
    

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