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2015年3月4日水曜日

外注した以上、必然的に素人ゼネコンに転職し、品質は下落する

 
 EPSONのプリンター、2年保たずに壊れた。
 
 ∧∧
(‥ )使い方が悪いと
\‐  言われるのでは?
 
  (‥ )別に使用している
      同型機種は健在なんだ
      そうかもしれないし
      そうでないかもしれない
 
 EPSONの安いプリンターをつなぎとして買ったら、インクの交換には専用の付属物が必要であることが分かった。
 
 ∧∧
(‥ )開封したこのインク
\‐  このままじゃ使えないね
 
  (‥ )置いておいたら
      中身も出ちゃったし
      捨てるしか無いな
      なんでこんな煩雑で
      意味不明なことするかな
 
 近所のコンビニにあるシャープ製のコピー機、多機能になったのは良いが、コピーの仕上がりを確認していると、そのわずか10秒程度の中断で、設定を強制的に解除してしまう。そのたびに再設定が必要というトンデモなしろもの。これを作った奴はコピーをしたことがないんだろう。
 
 あまりに不便で、さすがにクレームがあったのか、最近ではそれが改善された。
 
 しかし、以前の機種と比べてコピーに時間がかかるのは変らない。間抜けな話で、コピーの最中に、三つの間違い探し、なんていうクイズが液晶画面にわざわざ出てくる。こんな不必要な機能のために企画書を書いたり、あるいはイラストレーターに画像を発注する手間を考えれば、コピーの速度を上げれば良いだけだろう。
 
 それに、一回コピーするごとに、この設定でコピーを続けますか? はい、いいえ、の選択肢画面が表示される。以前の機種にはなかった機能で、この一手間が余計に増えた。やっぱこのコピー機を作った間抜けは、自分でコピーをしたことがないんだろう。
 
 別のコンビニでは同じシャープ製だけども古い機種が今でも健在だ。もう5年とか10年近く変っていないように思うが、こっちの方が使い勝手は良いし、何より速い。
 
 ∧∧
(‥ )日本の家電は多機能だけど
\‐  意味不明
    使いづらい
    すぐ壊れる
    無駄な機能
    品質が一定していない
    メーカーや機種にもよるけど
    最近は
    さんざんな言われようですね
 
  (‥ )直感的に言うと
      金がなくなったせいかな
 
 直接は関係ないが、以前、某大手出版社にいって編集者と話をした時、相手はこんなことを言った。
 
 図鑑を作ってもね、最近の子供は科学や技術に関心を持ってくれないのですよ。
 
 彼らが作った図鑑をぱらぱらとめくった。ロケットと宇宙開発の本だ。
 
 違和感を覚えて尋ねてみた。
 
 ロケットの飛ぶ原理って、説明できます?
 
 相手の編集者がめんくらった顔をして、目が一瞬、泳いだから、話題を変えた。
 
 ∧∧
( ‥)子供うんぬん以前に
    作っている編集者が
    分かっていないと
 
  (‥ )編集者ってのは
      理屈の上では
      ちゃんと把握できる
      はずなんだ
 
 編集者は、本に誤字脱字や誤った文法表現がないか何度も見直すものだ。当然、本の内容が頭の中に叩き込まれる程度には読み返すことになる。
 
 つまり、編集者は本に書いてあることは知っている。
 
 ∧∧
(‥ )作った本に書いてあればね
\‐
 
  (‥ )図鑑を読んだ時の違和感は
      それだったんだよね
      原理の説明がまったく
      ないんだよ
 
 とはいえ、それが子供に興味を持たれなくなった原因かといえば、そうは言い切れぬだろう。理系に関心を示す子供とて、科学に対して持つ興味ときたらたわいもないものだ。どの恐竜が強いかだの、何種類の魚や鳥の名前を覚えているかだの、そういうことである。そんなもの科学でもなんでもないし、子供は物事の背景に潜む原理原則や根拠などに興味を持ってはおるまい。
 
 だがしかし
 
 ∧∧
( ‥)しかし、作り手側が
    原理原則を把握していないって
    致命的だよね
 
  (‥ )野球のルールを知らずに
      野球の本を
      作っているような
      ものだからな
 
 ルールも知らんのに解説本を作る。なぜこんな有り様になったのか?
 
 昔からそうであったのかもしれないが
 
 ∧∧
( ‥)でも?
    少なくともこういう事態を
    促進する状況があると?
 
  ( ‥)出版界は以前よりも
    ‐□ 外注が増えているのだよね
 
 本なんてものはたわいないものに見えるが、これが意外と大人数の作業なのである。
 
 文章を書く人が必要だ
 イラストを描く人が必要だ
 デザインをする人が必要だ
 
 本によっては翻訳者と監修者も必要である
 
 これらすべてを統括して指揮を取るのが編集者である。編集者とは実のところゼネコン業なのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )でも最近は
\‐  編集プロダクションに
    外注することが
    多いみたいだよね
 
  (‥ )小さな出版社は
      今でも自分で全部やるけど
      大きなところは
      外注する場合が
      多くなったみたいよなあ
      そればかりか
      仕事が欲しい
      編集プロダクションが
      企画を提案するらしい
 
 もちろん、作業を外注しようが、企画が外からこようが、やること自体は同じなのだ。

 例えば以前やった仕事では、編集者が、イラストレーターと調整役と編集プロダクションを統括し、調整役が監修者とライターの間を取り持っていた。
 
 ただ、こうすると個々の人間と担当者同士の距離が大きくなることは否めない。
 
 ∧∧
( ‥)それでも
    あの編集者さん自身は
    統括しきったのだよね
 
  (‥ )でもさ
      あの編集者さんは
      数年で定年を迎える
      ベテランだったのだ
 
 これと同じことをすべての会社員が出来るかって言ったら、そうではないだろう。
 
 実際、以上の事例自体、当初はそういう体制ではなかったのである。編集会議で、企画を聞いたその編集者が、
 
 でっ? ライターはどうするの? と尋ねたところ、企画者から、編集プロダクションに所属するライターさんが直接監修者とやり取りを...という返事が返ってきたので
 
 待て、それだと確実に破綻する。間に調整役になる人間を入れろ。
 
 そう言って体制を整えた結果なのだ。
 
 *確かにライターは本を読んで調べて書くが、所詮は泥縄なのである。そんな成果を監修者がいちいち監修していたら、監修者は出来の悪い生徒を持った赤ペン先生か、あるいはお母さんのような立ち位置になってしまう。当然、出来上がるものも、最低ラインをなんとか越える程度のものになるだろう。さらに、こうしたやり取りは〆切に影響する。そうである以上、本の他の部分にも必ず悪い影響が出る。間に調整役が必要だ。

 **これを踏まえると、ロケットの本なのに、ロケットの飛ぶ原理を記述していない理由がなんとなく見えてくる。ライターはただでさえ薄利多売なのに孫請けでピンハネされている。いい加減な仕事をするだろう。そうならざるをえない。編集プロダクションは自転車操業だし、本の内容が薄っぺらで表面的なものになるのは必然。そうであれば編集者は原稿の誤字脱字を直すことはできるが、知識自体は入ってこない。そもそも書いてないからである。
 
 ∧∧
(‥ )このようにゼネコン業は
\‐  簡単なものではない
    あるいは製品の質を
    下げないゼネコン業は
    経験がないと出来ない
    経験がない以上
    外注すれば質は必然的に
    下がっていく
 
  (‥ )仕事を外注するってのは
      自分がやったこともない
      ゼネコンの立場に
      自分を置くことなのだ
  
 つまり、同じ会社に在籍しているはずなのに、仕事を外注した瞬間、右も左も分からない素人に転職したも同然となる。
 
 そして今の日本は人件費が高いので、苦しくなった企業は仕事を外注することが多くなっている。
 
 ∧∧
( ‥)日本の家電メーカーと
    その製品の質が落ちたのは
    それで全部説明できると?
 
 (‥ )金がなくなれば外注するので
     必然的に統括しきれなくなる
     もの作りの精神が
     失われたとか
     そんな抽象論よりは
     具体的だろ
     どうよ?
 
 
 あるいは、皆、ゼネコン業をなめ過ぎなのかもしれぬ。
 
 例えばの話、世の中で起きるデスマーチとて、結局のところ素人ゼネコンが下請けにしわ寄せを与えている、そういう現象であると見るべきではなかろうか。
 
 待って、待ってと待たせるばかりで仕様も決まっていないのに、突然、下請けに納品を要求してくる。そういう馬鹿っぽい運営も、それは素人だからだ。
 
 ∧∧
( ‥)素人がゼネコン業を
    すんじゃねーよ
    そういうことですか
 
  (‥ )ゼネコン業をなめてる奴は
      死ねってことですよ

 
 
 
 
 *2016.02.05追記 これから11ヶ月後、シャープは買収されることが決まった=>hilihiliのhilihili: みんな分かった上でここに来たのであろう?
 
 
 
 
 

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