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2012年12月25日火曜日

世界終焉のエスカレーター

  
 
 
 ∧∧
( ‥)世界の終焉、ですか
 
  ( ‥)神話の時代から現在の
    –□ 創作に至るまで、
       まあ、ネタが同じと
       言えば同じなんだよね
 
 人間すべてがあるひとつの状態に固定される
 
 ∧∧
( ‥)そら、終焉ですからね
    ひとつの状態に固定される
    でしょうよ
 
  (‥ )これまでが終わる
      きれいさっぱり終わる
      それは不可逆な変化であり
      固定に他ならないからな
 
 新約聖書のヨハネの黙示録もそうだ。異教に支配された悪のローマ帝国は打倒され、永遠に続くキリストの世界に置き換えられ、永久に固定される。
 
 ∧∧
(‥ )近代の創作だと、人類全部が
\–   ひとつの状態に固定され
     呑み尽くされるか、あるいは
     入れ替えられてしまうか
     なんですよね
 
  (‥ )ヨハネの黙示録となにも
      変わらんな。
      レベルアップ
      置き換え
      固定だ。
 
 こういう時、必ず引用されるアーサー・C・クラークの「地球幼年期の終わり」も同様。
 
 ある日、異星人がやってきて人類社会に平穏と繁栄をもたらす。それはありがたいが、なぜ彼らはそんなことをするのか?
 
 ∧∧
( ‥)実はより上位の存在から
    派遣された下請けでね
 
  (‥ )人類が次の進化段階へ
      進む手助けをする、
      そのためにやってきたと
 
 次の”進化段階”とは個体が消滅し、全員がひとつになること。ある子供に最初のそれが発現したことを引き金に、他の子供たちへと変化が連鎖反応的に突き進む。肉体的な変化ではない。個体としての肉体は残している。しかし自我は消滅し全体でひとつとなった超生物。
 
 人類は未来がない大人と、いまや個体を捨てた全体生物であるかつての子供達である何か、に分かれる。
 
 ∧∧
( ‥)大人達は全滅し、子供達は
    地球を丸ごと食い尽くして
    上位存在の一部となるため
    旅立っていく
 
  ( ‥)まあ、進化といっても
    –□ この進化、進化論の
       進化ではないのだよね
 
 進化ならぬ、神化である。
 
 
  (‥ )中学生の時に幼年期を
      読んだときは、なんじゃ
      こりゃあ? と思ったよ
      作者はダーウィニズムを
      知らんのだな、とね。
      今風に言うと、トンデモ
      だよなって感じ。
 ∧∧
( ‥)まあ、所詮はお話ですから
  –□ 科学である必要性はない
     でしょう
 
 本当の人類の進化はむろん、そんなものではない。人類と呼ばれる交配する集団の中で、自然淘汰や中立的な浮動によって、何世代もかかって遺伝の割合が変化するだけだ。次の人類がどうなるのかは分からないが、神になるどころか、むしろ馬鹿になったり、今の僕らには精神疾患にかかっているように見える生物になるのかもしれない。宗教を手に入れたホモ・サピエンスが、それ以前の人類には精神疾患にかかっているように見えたかもしれないように。
 
 
 ∧∧
(‥ )幼年期の世界観は、むしろ
\–   ダーウィニズム以前、
     中世的な自然観ですよね
    
  (‥ )鉱物からキノコが、植物
      下等な動物、高等な動物
      サル、人、天使、神と
      続く、はしご的な概念だね
      エスカレーター式という
      べきかもな。
 
 事実、人類はやがて天使へと進化し、そしてサルが人になる、と言った人もいたという。
 
 
 ∧∧
( ‥)こういうエスカレーター式な
     概念ってあなたがたには
     根強い世界観ですよね?
 
  (‥ )むしろ、そこに訴えかけた
      から幼年期の終わりは
      傑作と評価されるのかも
      しれないし、
      ヨハネの黙示録も新約聖書
      に掲載されたのかもな。
 
 
 
 世界の終末を描いた他の多くの作品も多かれ少なかれ似たような傾向を持つのは、たぶん、このせいなのだろう。パクリとかオマージュとかではない、人間が有性生殖を行う以上、どの小説にも恋愛成分が混ざるのが当然であるようなもんだ。
 
 
 ∧∧
(‥ )エヴァンゲリオンも
\–   そうでしょうね
  
 
  (‥ )ゾンビ映画だって
      そうだよな
      あれも結局は、全員、
      ゾンビになるって話な
      わけだからね
 
 ∧∧
( ‥)ゾンビがねえ、あまり
    そうは見えませんけどね
 
  (‥ )でもひとつになる
      ひとつで世界を
      塗りつぶすという
      話だろう?
      例えばだ、
      ゾンビが巨大な
      光り輝くシナプスなら
      どうだね?
 
 触れると浸食され、人が光り輝く神経細胞のようなものになるのである。相手を求めて歩き、動き、手をのばし、触れた人を浸食し、結合し、情報を交換し
 
 ∧∧
( ‥)地球が光り輝く神経に
    覆われていき、生者は
    逃げ惑い、呑まれゆく
    ですか
 
  (‥ )結合すれば、ああなんだ
      どうってことないや、
      なんだろうけどな
      結合していない身から
      すればそんなもの、
      恐怖以外の何者でも
      ないからね。そして
      輝くシナプスをゾンビに
      すれば嫌悪感が
      もっと大きくなるだろ?
      でもさ、構図は
      どっちも同じだよね
 
 そういう意味ではゾンビ映画も以上の範疇の中である。違いがあるとしたら結合させられてしまうそのイメージが他のどんな終末よりも最悪であり、それゆえにホラー映画になるというだけだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)それにしても次に
    ステップアップすると
    どうしてしばしば
    全員がひとつになるの
    でしょうね?
 
  (‥ )理想を持つ、それは
      現実の否定だよな?
 
 現実の否定は固定された理想を夢見るだろう。
 
 
 ∧∧
( ‥)そして理想状態は
    1つのみであると
 
  (‥ )そして全員を
      理想状態に固定
      するとは全員が同じ
      ということなんでね
 
 まあ、そりゃあ、ひとつになるだろう
 
 
 
 
     

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