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2018年11月7日水曜日

怒るってことは理念ではなく利益があるのだ

 
 シリアでフランス人ジャーナリストが武装勢力に拘束された時、フランスメディアと国民は彼らの救出に心砕いた。
 
 だが安田さんが解放された時、日本人は彼を非難した。
 
 この差はなんだろう?
 
 フランスは民主主義を大事にする国で、連帯を大事にしているからではないか?
  
 ∧∧
(‥ )という意見に対して
\‐  そりゃあフランスは
    シリアの
    元宗主国だからじゃね?
    という醒めた意見
 
  (‥ )まあそうだろうね
 
 
 人間が何か行動を起こす時、そこには必ず利益の追求がある。
 
 フランス人がジャーナリストの拘束に強く反応したのは、そこに利益の追求があるからだ。
 
 そして日本人がシリアでとっ捕まったおっさんに渋い顔をするのは、そこに利益の追求が...というか損害賠償の請求とお前これどういうことよ? という抗議の意図があったからだ。
 
 ∧∧
( ‥)というか
    フランス人から見れば
    シリアの武装勢力って
    まじもんの敵じゃね?
 
  ( ‥)フランスは
    ‐/ アラウィー教徒と
       仲が良い
       ようするに
       実のところ本来は
       アサド政権側だよね
 
 反対に武装勢力は仲が良い相手の敵なわけで、フランス人から見ても、それは露骨に敵じゃね?
 
 考えてみよう。我々がかつてある国の宗主国であったとする。その国で内乱が起こった。国のお偉いさんやその一族は我々とそれなりに親しい付き合いがある。少なくともそういう話はなんとなく伝え聞いている。
 
 今、その国のお偉いさんは内乱で毒ガスを使ったりして国際的に顰蹙を買っている。わが国も爆撃をしたぐらいだ。
 
 だがしかし、頭の中には今のあそこのお偉いさん達こそが、自分たちの親しい相手であったという歴史的事実がある。
 
 さて、その国の武装勢力。まず間違いなくそれは反政府側である。つまり我々に親しい人の敵である。

 もちろん今まで反政府勢力は我々に露骨に敵対することはなかった。

 しかし奴らは今、取材中の我々の仲間を捕まえた。あからさまに敵対し始めたのである。
 
 さあ皆さん、この場合だと、どう思われますか?
 
 ∧∧
( ‥)ああそれだと
    怒るわ
 
  (‥ )単純にそれだけで
      説明できるよねえ
 
 それを、フランスは民主主義だからだの、連帯しているだの、ジャーナリストが尊敬されているからだの、こんなちんけな抽象論で説明しようとは片腹痛い。
 
 
 ∧∧
(‥ )反対に安田さんは
\‐  ウイグルいかねえの? と
    言われたわけだけど
 
  (‥ )日本人から見れば
      シリアより
      ウイグルだからな
 
 
 反対に、フランスは中国に武器を売り、日本やアメリカは嫌な顔をするのである。かようにフランスは極東に興味などもっていないし、配慮もしないのだ。立場が変われば利益も違う。利益も違えば反応も違うだろう。
 
 
 
 
   

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