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2015年9月25日金曜日

技術の発達は機関の比率を変え、機械のデザインを変える

 
 新しい技術が機関の大きさを劇的に変える場合がある。するとそれ以前の世界とそれ以後の世界とでは、同じ役割を果たす機械でさえ、形もデザインも用途もまるで違ってくる。
 
 ∧∧
(‥ )蒸気機関から内燃機関への
\‐  転換なんかはそういう
    事例だよね
 
  (‥ )蒸気機関は熱効率が
      悪いのだよな
      大きな出力を出すには
      でかくないといけない
      だから小さい機関を
      使わなければ
      成り立たない乗り物は
      蒸気機関世界では
      存在しない
 
 
 例えば蒸気バイクは機関がやたらと大きい=>https://www.google.co.jp/search?q=steam+bike&biw=987&bih=751&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMImb_6guOPyAIVBp2UCh0o…

 
 そして遅い
 
 *画像は良くないけども、薪を燃やして水を沸かして走るという点では、この動画がいかにも蒸気バイク=>Epic Steam Bike - YouTube
 
 ∧∧
(‥ )そして他の動画を見ても
\‐  蒸気バイクの速度は
    どれも
    似たりよったりですね

=>extreme steam bike - first run - YouTube
 
  (‥ )もっと画像が良いもの
      もっと綺麗に作ったもの
      ガスを燃焼させている
      らしきもの....
      youtubeには色々あるな
      でも、どれも速度は
      似たようなものだよね
      そして
      内燃機関と比べると
      初速も加速もない
 
 蒸気機関世界にはバイクはないんだろう。自動車があるとしても、それは特殊な用途に限られそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)かように内燃機関の出現は
    機械の姿とデザインを
    そしてその用途をまったく
    変えてしまったのである
    19世紀の時代から見れば
    現在の内燃機関文明は
    技術革新後に到来した
    SF世界ですね
 
  (‥ )反対に外燃機関のままで
      文明が進行していたら
      どうなっていたのか?
      それを描くと
      スチームパンクになるって
      わけだ
 
 かように、技術の進歩は機械に対する機関の比率を変え、機械のデザインと用途を変える。それを踏まえれば、異世界なのだから技術が根本的に違うはず、この世界の技術にはおおまかに言うとこういう制限がある。このような設定を裏にしいてデザインを考えることで、統一的に異世界の機械を描く事が可能ではある。
 
 つまりこの話はhilihiliのhilihili: それは、あからさまな詐欺だの続き
 
 ∧∧
(‥ )ただこのようなことは
\‐  歴史、技術史、物理法則を
    踏まえた演出であって
    これをもったいぶって
    ”SF魂”などと言う必要は
    ないのである
 
  (‥ )というかだな
      SF魂とか言ってる奴が
      エアカーを使った
      カーチェイスを
      小説で書いていてだな
      私は大笑いですよ
 
 タイヤが無いエアカーは制動が自動車よりも劣っているだろう。ホバークラフトと同じで小回りがきかない。未開の原野や沼沢地が広がっているというのならともかく、エアカーなんてものが都市のある世界で普及している時点で、何かが根本的におかしいのだ。それは設定がおかしいのか? それとも頭のどっかが悪いのか? そんな奴が言うSF魂って一体なんだ?
 
 ∧∧
(‥ )空中に浮いていること
\‐  浮きながら制動すること
    これがどれほど大変なことか
    それを分からないままに
    その作家さんはSF魂つまり
    ”サイエンス・フィクション魂”
    と豪語していたのだと
 
  (‥ )ただの馬鹿ですよ
 
 そんなだったら、未来世界だし、やっぱり車は浮いてるよねー とかそういう軽い気持ちで創作に挑めば良いだけの話。そこに、SF魂などという非科学的な生気論を打ち出す事はないのだ。ましてやそんな迷信的生気論にサイエンスと書き付けて箔をつけようなどと、外道の極みである。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )ところで
\‐  蒸気文明が蒸気タービンの
    徹底的な効率化を
    達成したら
    どうなるのでしょうね?
 
  (‥ )さてねえ?
      蒸気タービンは
      熱効率が非常に
      良いそうだが
      どこまで小型化
      できるのかね
 
 蒸気タービンは大きいというイメージがある。それを考えると、やはり蒸気世界にはバイクは存在しないかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)そしてその世界は
    石炭の液化は
    あるだろうけども
    石油がないのだね
 
  (‥ )ざっくり言うと
      白亜紀が無かったのじゃ
      ないかな?
 
 現在の我々が消費している石油の多くは恐竜が栄えた白亜紀に出来た。しかし、スチームパンクの地球には石油が無い。つまりその地球では白亜紀が存在しなかったのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )たまたまなのか
\‐  必然なのかどっちでしょうね?
 
  (‥ )さてねえ
 
 石油は植物プランクトンの死骸が堆積してできる。そして白亜紀に石油が大量に生成されたのは、海洋底の拡大速度が増した事が原因であった。端的に言うと、地球内部の熱が現在よりも放出されたのである。もしかしたらその原因はその前の時代において、地球内部の熱がこもったことにあったのかもしれない。
 
 ∧∧
(‥ )恐竜時代開始時にあった
\‐  超大陸パンゲアが
    原因じゃないかって
    説もあるけども
    よく分からんですね
 
  (‥ )仮にそうだとすると
      スチームパンクの地球は
      現在がちょうど
      海洋底が拡大する時代に
      なっているのかもな
 
 ∧∧
( ‥)つまり今と気候が
    全然違うわけだ
 
  (‥ )大陸のかなりの部分は
      水没している
      水が熱を運ぶから
      気候は高緯度まで
      おだやかだ
      人類の居住区は北極や
      南極にまで広がっているし
      水運が発達して
      いるだろうね
 
 おそらくスチームパンクの地球では、シベリア帝国とアラスカ連邦が、北極海の通商路と利権をめぐって対峙していたりするのだろう。それに、極域にまで社会が大規模に展開しているとしたら、世界地図の概念や南北という感覚も、こっちの地球とはまるで違うはずである。
 
 
   

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