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2012年7月1日日曜日

だって仕分けたじゃんよ



 原発が地震でぱーんしたからメタンハイドレートを掘ろう、日本近海の海底にレアアースがあるからそれを掘ろう。日本は海洋国家だ。海底資源に手を伸ばせば資源大国になれる。しかも、日本にはそれが出来る海洋調査船「ちきゅう」があるではないか!! 

 ∧∧
( ‥)残念、3年前に事業仕分け
    されちゃいました

  ( ‥)船自体がなくなった
      わけではないけどね

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 マントル到達まで、6000メートルを掘る、そしてマントルを構成しているカンラン岩を採取するという国際プロジェクトにも関わっている、というか根幹をなしている船だ。そもそも「ちきゅう」でないとこの大深度掘削は出来ない。

 ∧∧
(‥ )3年かけて1800メートルしか
\–   掘っていないじゃないの??!!
     という某議員さんの指摘

 (‥ )あれ、1回の航海でちゃちゃっと
     掘った深さだし、別にマントル
     採集だけが仕事じゃないし、
     予定は目白押しだし、
     東南海地震の調査もあるから
     あちこちガンガン掘っていたし
     そもそも国際プロジェクトで
     どこを掘ってマントルまで
     到達するか、世界の研究者たちが
     議論中だしな

 岩石だけで数千メートル、さらに船と海底の間にある海水数千メートル分まで含めて長大なドリル(というかもうここまで長いとたわむのでストリングと呼ばれる)を動かして掘らねばならない。しかもマントル上部の温度は数百度以上にもなる。掘削速度と長さだけを考えれば数ヶ月でさっさと掘れるような距離でも、どう掘るか、そもそもどこを掘るか、どんな装備が必要か、適正なビットは何か? 有効な掘削用泥水は何か? 何年もかかるのは当たり前(そもそも現場というものは経験を積まねばプロジェクトを完遂できない)

 ∧∧
( ‥)色々なプロジェクトをこなしつつ
    最終的な目的達成まで
    いくはずだのに

  ( ‥)それをさあ、3年かけて
      やっと1600メートルしか
      掘っていないんだー
      こんなの無駄だー
      とか勝手に思い込んで
      得意げに仕分けたのよな


 ちなみに、ちきゅうは海洋の大深度掘削を日本も自力で行えるようにするための船でもあった、ノルウェーの会社に協力をあおぎ、その技術を日本に根付かせようとした。

 その矢先の仕分けであった。

 なんのために金をかけたと思っているのだろうねえ、あの議員さんがたは
 
 そして仕分けの2年後、東北沖地震が起こる。






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