自己紹介

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2010年6月22日火曜日

マリウスの丘をゆけ

 
 寝ちまった。

     ( ‥)体が少し重い。
 ∧∧
( ‥)適当に寝るからですよ。

 本日、というかもう昨日か、打ち合わせのために横須賀方面へ移動したので、その時間を利用して「惑星地質学」東京大学出版会 2008 に眼を通す。

 前も書いたように世の中には「隕石衝突でクレーターができれば火山噴火が起きる」そう思う人がいる。例えばこんな案配、白亜紀末期の大量絶滅の時、インドでは長期間に渡る大規模な火山活動が起こり、片やメキシコに巨大隕石が衝突しているのだから、、、、

 ∧∧
( ‥)きっと隕石衝突がインドの大噴火を
    誘発したに違いない。

      (‥ )そういう新説を思いつく、言っちゃうのは
          そりゃあ個人の自由かもしれんけどさ。
 
 だけどもそれはもう科学の範疇に入り込んでいるのだから、個人の自由を通り越して科学の土俵で話を展開しなけりゃならぬ。つまり例えばマントルは固体なんだから、地殻を打ち抜かれた状態でマントルが融けてマグマがぼこぼこ大噴火する(あるいは衝突地点はそうなっていないのに、その反対側に火山活動が起きる、その)条件を、、、

 ∧∧
( ‥)地学の人が納得できるように、さらに既存の仮説、理論、
    データを説明できるようにしないといけませんよねえ。

     (‥ )まあそもそもそんな説明が可能なのか?
         ということが問題なのだけどね。

 しかしあの手の提案者は見た限り、そういう説明のはるか手前で止まっているっぽい。例えばの話、メキシコに出来たクレーターは火山と関係あるだろうか? というか火山噴火を実際に誘発させたクレーターがどこかにあるだろうか? あるのならその証拠は何か? それにそもそもマグマがどこでもぼこぼこ噴き出すものなら地球の火山分布って明らかにおかしくね?

 だが、地球から眼を離し、天を眺めやると、そこには謎の天体が浮かんでる(前に書いたのはこんな→*

 ∧∧
( ‥)月の海、お月様のうさぎさん部分は玄武岩
  -□
      (‥ )あれはいかにも巨大なクレーターの底が
          噴出した溶岩にすっかりおおわれた状態。
          *クレーターの奥からしみ出したで
           よさげと思えるけども、その解釈が
           妥当なのかは文献/論文/未確認

 あんな小さな天体で、しかも水もないのになぜあんなに溶岩が溢れ出すわけ? 熱源は何よ? という個人的な謎。
 
 よく聞く話ではあるけども、月の海(玄武岩)を作った火山活動は月の歴史のごく初期(39〜32億年前)に起きた話で

 ∧∧
( ‥)だとすると、地殻の下にある、すでに/まだ融解している状態の
    マントルなりなんなりが噴き出したという理解でOK?

      (‥ )最低限、月は過去において、表面からかなり奥の方まで
       □- 1回融けたことがある。そう考えると
          月の表面を作る鉱物が軽い鉱物であることを
          説明できる、そういう理論はある。

 ようするにマグマの海が冷却していく過程で元素と鉱物の分別が起きたとすれば良い、逆にいうと、月の表面が軽いということはそういうことだ、という説明

(*するとこの場合、表面は結晶した軽い岩石で固まっていても、そのずっと奥はまだ融けている? それなら隕石衝突が地殻をはいで、さらに断層が奥まで届けばまだ融けている岩石がマグマとして滲み出て来れる?? ←この解釈が妥当かどうかはまだ未確認 ついでにいうと前半はともかく、後半のおおげさな解釈をする必要があるのか? とも言えそう)


     ( ‥)しかし、鉱物と元素の片寄った分布を説明するために
       -□ 月を融かすとはこの仮説、大胆な。
 ∧∧
( ‥)それだけの膨大な熱がどっからきたの?
    という突っ込み、疑問が必ず入りますからね。

 天体の表面が一様にマグマに覆われるというのは、これは(当たり前だけども)素人が思っているよりも大変なことであるらしく、ジャイアントインパクト説がそれをも説明してくれるのか、さらにここに放射性物質も関わっているのか(関わっていないわけはないけども、関与はどの程度か?)はまだ把握できず。

 ともあれ言い換えればこう? 

 ∧∧
( ‥)月の海を作る玄武岩、かたや地球の海洋プレートやインドの
    噴火で噴出した玄武岩をマグマにまで融かした熱。
    それぞれの熱、あるいは融解の原因はどこからきたのか? 
    それを理解せよ、ということですかね。

      (‥ )由来、というか仕組みがいささか違う
          そう考えるべきなのか、どうなのか。

 地球と月、それは違う(最低限同じではない)と考えるべき、なのかな?

 ともあれ、月と地球の火山活動がだいぶん違うらしい、というのはまあ、火山の有り様を比べれば分かる話・・・、とここまで考えてふと疑問に。

 ∧∧
( ‥)月の海が地球のいわゆる洪水玄武岩(インドなどで噴出した)に
    対応しそうだなあーというのはともかく、
    地球のような火山に対応する地形は月にあるんですか?

      ( ‥)とっいうことも含めて「惑星地質学」に
        -□ 眼を通したのだが・・・・

 嵐の海にあるマリウス丘陵(Marius hills)が例えばその代表らしい。

 ∧∧
(‥ )うさぎさんが餅をつく、臼の下にあたる
\-   ところみたいですね。

      (‥ )画像もひっかかってきたけども、これね
       □-  →the-moon - Marius Hills


 一応、別の文献でも確認。マグマは冷えるに従って鉱物が結晶していくが、この地形はその残りの粘性の高い液がぐりっと出た感じ/解釈をされているらしいけども。
 
 ∧∧
( ‥)素人にはよく分かりませんが、
\-   溶岩流が作ったらしい谷の起点にある
     丸いのは火口なんでしょうか?

      (‥ )どうなんだろうねえ。わからんなあ。


 望遠鏡ではどのくらい見えるだろう? 見てみたい。
   

2010年6月21日月曜日

そりゃあさあ、怖いよねえ、怖いんだよ

 
 
     (‥ )まあ、資料でもなんでも、英語だけど
         眼を通しておいてねって言われたら
         そりゃあみんなブルーになるよな。
 ∧∧
( ‥)面倒くさいですしね


 それもそうだけども、あの、世の中で目にするあまたの不安感たっぷりな反論とか必死の理論武装とかは面倒くさいでは説明し切れないと思う。

 ∧∧
( ‥)まあ面倒くさいと不安感はずいぶん
    離れていますからねえ。

     (‥ )あれだろ? 社会的な立場を破壊される恐怖だろ?

:子供から話せる英語を教えましょう
→英語を話せないオレ様の立場が下克上・・・

:英語話せるようにしないと国際的に通用しない
→今まで「あいつってメジャーじゃ通用しなかったよね〜〜」と外野から言いたい放題だったのが、突然マウンドに引きずり出されて、社会的実力を今こそ示す時、できなかったらお前の実力って何? とにこやかに言われた感じ

 ∧∧
( ‥)恐怖なんですか?

     (‥ )社会生活をするサルにとってはだね、
         社会的地位を失うのは死ぬに近似なんだよ。

 あの必死の抵抗と理論武装と不安感はそうとでも考えた方がたぶん説明しやすいと思う。

 ∧∧
( ‥)怖いんですか?

     (‥ )怖いんだよ。

 家族、同僚、取引先、彼女、子供の前で赤っ恥をかくようなことになってごらんよ? 今まで平均的に適当に生きて、ありきたりな努力と才能でつかんだメッキがぼろーーーっとはがれてみなよ?

     (‥ )死にたくなるか、リセットボタンを探すか
         タイムマシンが欲しくなるだろ。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、そうかもしれませんね。


 怖いんだよ。特に〆切り間際は。

 

むごいくらいだ

 
 英語。英語が嫌いな人は多い。というか英語を子供の頃から教えようと言うと、いやその前に日本語を・・・とか言う人が必ず出るし、

「彼氏が和文雑誌に載ってた。別れたい・・・・」

というギャグを聞くと笑うんじゃなくて、そんな場でさえ「いや、その前に日本語を・・・・」と言う人もいるくらい。

 ∧∧
( ‥)みんな英語コンプレックスなんですね。

     ( ‥)劣等感、抱えているからなあ。

 しかしだよ、以上のように「日本語を・・・」と言う連中だって、プロ野球よりはメジャーだとか、どっかのチームよりはイタリア、ブラジルって(たぶん)言うわけでしてね、結局のところはね。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、国内1億2000万と戦うのと
    世界に打って出るのとではねえ、
    求められる実力がねえ、違いますからね。

     (‥ )そんなことは分かっていても、英語と言われると
         ぶつぶつうだうだ言うわけさ。

 気持ちは分かるけど。

 ∧∧
( ‥)あなたも英語だめだめですからね。

     ( ‥)論文を辞書引いて読めるくらいだもんなあ
       -□ *小説や日常会話はさっぱり分からない

 そりゃあ気持ちは分かるけども、だからといってやらないわけにはいかない。というかやらないならグダグダ言わんと、さっさとすっぱり全部あきらめろ。

 ∧∧
( ‥)論文読まなきゃいかんのですよ。

     (‥ )そりゃあね。編集者だっていざとなれば
         英語の論文を苦労して読んで、取材にいく
         からね。

 全員がそうするわけではないですけどもね、もちろん。しかしそうなればやらないわけにはいかんでしょうさ。

 ∧∧
( ‥)英語は国際語ですから

     ( ‥)英語圏の人が思っている以上に国際語だからなあ。
       -□

 以前、ある即売会でオーストラリアの人が「ええ?? 英語ってこんなに世界中の人に使われているの??」ってびっくりしてたから。

 ∧∧
( ‥)大英帝国圏であった、イギリス、アメリカ、インド、
    アフガニスタン、パキスタンは言うに及ばず

      (‥ )日本、台湾、ブラジル、ロシア、ドイツ、フランス
          国際舞台じゃあ共通語は英語だよな。
           参加した連中の使用言語は全部英語だ。

 当然、国際誌ともなれば英語がほとんどメインだし、国際的に勝負するとなるとそれはやっぱり英語です。

 ∧∧
( ‥)野球やサッカーなら腕と足で、
    数学なら数式でカバーできるんでしょうけどね。

      ( ‥)自然科学はなあ、専門用語+科学哲学+英語
          だよなあ。*科学哲学とはこの場合広い意味

 ∧∧
( ‥)そして当然、国際舞台になるとさらなる競争が
    あるわけです。

      (‥ )こんな感じで上下関係とコンプレックスが
          あるっていうかね。

 日本語 < 英語 < 英語+冴えてる < 英語+冴えてる+数学 

 世の中には英語がしゃべれて数学できて、現場で作業して、解析するためのプログラムを自分で組んで、そいでもって論文を書く人間もいるわけで。

 
      ( ‥)しかもあの人、おいらと同じくらいの
          年齢だもんなあ。才能と経験と努力の差は
           圧倒的じゃないか、を通り越して
           はるかにぶっちぎっている。
 ∧∧
( ‥)人間のこの差たるや、何かの歌詞じゃありませんが
    むごいくらいですね。

 さりとて

 ∧∧
( ‥)やらないわけにはいかんでしょう

      (‥ )やらないわけにはいかんな。

 そして、世間は(というか科学界はというの?)こういうことやらないやつに冷たいのよね。

 ∧∧
( ‥)・・・・当たり前でしょ、そんなこと。

      (‥ )当たり前ですよ、こんなこと。

 国際舞台の大乱戦で勝ち抜くことを夢見て、学生時代、院生と泣きそうになりながらも辞書引いて、努力して勝ち取ってきた人たちですよ。そこであんた、「僕ちゃん、英語しゃべれないし読めないし、読む気も努力もしないけど、オレ様の考えた意見を聞いてくださいぴょん」なんて言ってごらんよ。

 ∧∧
( ‥)どっかの誰かさんいわゆるフルボッコ
    だったでしょ?

      ( ‥)まっ、そりゃあなあ。あげくに実験したくないもん
          なんて言った日にゃなあ・・・・。

 世の中にはなんにもしないくせに口だけでかい途方もないへたれがいる一方で、はるか上空を駆け抜けていく人もいる。

 ∧∧
( ‥)そしてあなたは

      (‥ )よろよろ歩くしかないよね。
       □-  この論文、文章が達者なのか
           読むのが大変というか。

 ダーウィンほどではないですけども・・・・・疲れた。

 

 

2010年6月20日日曜日

メタな理解っていうんですかね?

 
 分かった、ということは現実を理解していることではない。あるいは分かったという実感があるからといって、その理解が妥当であるとは限らない。

 
 ∧∧
( ‥)そもそも科学の歴史がそうでした。

      (‥ )分かったと思っていた、正しいと思っていた理論が
          間違っていた/妥当ではなかった、そういうことが
          ”分かる”連続だった。

 よりよく言えばこう? 現実を説明できるより良い理論を発見してしまいました。

 ∧∧
( ‥)古い、良く説明できていた理論Aが”旧分かった”で、

     (‥ )新しくて、より良く説明できる理論Bが
         ”新分かった”

 ∧∧
( ‥)でも世の中の”分かった”は理論を把握した、
    ”この理論はこういう体系です(に違いない)”
    と”自分なりに理解した”ということですよね。

     (‥ )そうねえ、科学の分かったに対して、世間が科学に
         対する理解はいわゆる俗語で言うところの
          メタな話っていうかねえ。

 メタ理解って言うの?

 ∧∧
( ‥)サイエンスライターの分かりやすい文章ってのは
     メタ理解ってことですかね?

     (‥ )ゆえに不正確になるとも言えるかもね。

 不正確が単純に”解像度が荒くなる”のだとしたらまだしも問題は少ないけども、不正確さが、バグを持ち込むとその”メタ理解”は致命的。

 ∧∧
( ‥)でも理解しやすい、分かりやすいってのは
    しばしばバグったメタ理解ですよね?

     (‥ )だから理解した、分かった、という実感で
         確信を持つのは危険なんよね。

 そういえば前にも書いたように、世の中的には地球の内部はどろどろに融けた溶岩で出来ていると思われているらしい→*(某博物館の人に聞いた限りでもやっぱりお客さんの多くはなんとなくそう思っているそうだ)。

 ∧∧
( ‥)でも、分かりやすい勘違いですよね?
    火山からは溶岩がぼこぼこどろどろ流れてきて
    ますからね。

     (‥ )だからきっと内部は融けているに
         違いないってね。

 だけども地震波、地殻内部における温度上昇をそのまま当てはめて(しまって)考える温度、圧力の増大による物性の変化その他もろもろを組み合わせると、マントルは固体じゃんよ、岩石(おそらくはカンラン岩)やがな、融けてなんかいないよ(逆に言うと温度を算出できる)、という話になる。

 ∧∧
( ‥)でも、溶岩が流れることから内部がドロドロに違いないを
     類推したのなら、それ自体はメタ理解とは
     言わないかもしれません。

    (‥ )科学理論を理解したっていうよりは、科学的な作業の
        第一歩という感じだからなあ。

 でも、隕石衝突でクレーターができると地球に穴が開いてマグマがぼこぼこぼこ〜〜〜っと流れる、火山噴火どっかーんだと考える人たちはどうだろう? 中には科学の啓蒙書を読んでそういうことを思いついている人もいるみたいだから、ここまでくるとなんかちょっとメタっぽい? 科学のオレ様理解というの?

 鳥の進化仮説をオレ様全開で論じているどこぞの掲示板。最近はクラス進化論まで飛び出すなど、もう絶頂な感じなんだけども。あっこでは隕石衝突で地殻が吹き飛べばマントルの融点が(融ける程に)下がるとか、衝突で岩石が融けるから火山噴火が起きるとか論じていたのを思い出す。

 ∧∧
( ‥)メタっぽい?

    (‥ )どうなんだろうねえ。ただ、幾つかの正しい
        知識や記述に基づいて解釈しているみたいだから
        ちょっとメタっぽいかもね。

 しかしながら、地球のクレーターの地質調査でそんな火山噴火どっかーんな痕跡がでてきたことあったっけ? ということは言えるだろうし、人間が爆薬で作ったクレーターにも中央丘ができたのはなんでだろうとかなぜ考慮しない?

 ∧∧
(‥ )岩石は融けるでしょ?
\-
    (‥ )ああ、表面が融けた衝撃変成の結晶とかもあるからね。
        あれ、感激だよなあ。
         だから融けることは融けているよねえ。

 ∧∧
( ‥)熱水活動の痕跡があった例もあるみたいですよね。

    (‥ )まあね、でもそれを言ったら東京で温泉付きの
        マンションが販売されたのってどうしてだと思う?
        ということになるんじゃないの。
 
 分かった、これが正しいという確信ってなんだろうか? 実のところそれは、分かったという実感を申し述べているだけで、その科学理論をどの程度理解したのかとか、そのメタな理解が現実とどの程度整合的であるのかとか、そんなことはまったく語ってもいないし、保証もしてくれない。
 
 
 

2010年6月19日土曜日

分かったって何が分かったんだい?

 
 でっ、新江ノ島水族館に行って、そして帰宅。

 
     ( — —)ちょっと疲れました。
 ∧∧
( ‥)さいですか。
 
 
 ゴエモンコシオリエビのお腹を堪能。サガミハオリムシ動いてる。シロウリガイ、追加があったんですね。
 
 
     (‥ )ユノハナガニ落ち着きなーい
 ∧∧
( ‥)せかせかしてましたねえ。
 
 顎脚で触角をぬぐってきれいにする白い陶器のような姿、熱水に空けられた外殻のこげた穴、その有り様と仕草とはすばらしい。
 
 さて

 
 分かった、分かりやすい。はあ? それで一体何が分かったのだと?

 ∧∧
( ‥)一通り読むことで状況を把握しました。
    私なりに。
 
      (‥ )理解。それはこういうことだよねという解釈。
         ようするに理解は仮説だよな。

 科学が無数の仮説と、その妥当性を検証する過程と果てしない戦いの場であるというのであれば、科学の本やその成果を理解したとは、仮説の検証過程が今現在こういう状況? という状況把握。

 というか状況把握の仮説と言えば良い?

 ∧∧
( ‥)仮説の有り様を仮説した?

      (‥ )今、試合はどうなってる?

 1−0でリードしているが9回の裏、ファーボールで満塁。替えの投手なし

 2−0でリードしており、現在、鉄壁のディフェンスでゴールを守備。残り5分

 こうした具体的な状況把握が”分かる””分かった”に近似?

 ∧∧
( ‥)では、分かりやすいって
    どういうことなんでしょうね?
 
      (‥ )2−0で負けたよ。

 勝負の結果を端的に伝える、それが分かりやすいに近似?

 
 ∧∧
( ‥)でもさ、勝負が決まったと思って200年後に
    覆ることだってあるでしょ?

      (‥ )万有引力の法則とかな。

 今でも使える便利な定規だからほとんどの人は万有引力を敗北した仮説とは呼ばないだろうけども、広く精度その他の意味で相対性理論に場をゆずったのは事実。最低限、万有引力で物理学は終わってしまった・・・という過去の一時にはやった考えは勝利宣言を撤回せざるをえなくなったのもまた事実。

 ∧∧
( ‥)分かりやすいは分かったではない?

      (‥ )分かりやすいも分かったも、分かったという実感、
          それ自体の妥当性を保証してくれるものではない。
           そう言えばどう?

 

趣味の先は

 
 
 ∧∧
(‥ )・・・結婚って要するになんですか?
\- 
      (‥ )仕事だろ?

 ∧∧
( ‥)じゃあ恋愛は?
\- 
      (‥ )趣味じゃねーか?

 恋愛の延長で結婚すると、思うにたぶん不幸になる。

 ∧∧
( ‥)あなたの仕事はまさに趣味の延長の
    ように見えますけどね。

      (‥ )気晴らしってものが存在しないのよ。
          すべての時間が経済に支配される灰色の
           時間っていうの?

 ∧∧
( ‥)趣味と仕事が合体したらもはや楽しみのない
    世界になると?

      (‥ )趣味が仕事になった時、それは
          趣味でなくなると言えば近似?

 それでも、げーげー想いを吐くように仕事する、というか出力する人間もたまにいる。

      ( ‥)ゴッホと子供の時に出会ったおばあさんが
          言うには、彼、ぼそぼそしゃべって臭かった
           このエピソードって本当かなあ。
 ∧∧
( ‥)どうでしょうね? 

 まあ、でもいかにもって感じがすると言えばする。ああいう絵を狂気の勢いで描いて燃え尽きたのなら、いかにもという感じ。妥当性は不明だが。

 
      (‥ )絵を描くやつはまともじゃないんだ。
          うまい絵を描く人間は特にまともじゃない。
 ∧∧
( ‥)それはあなたの持論ですけどね。
 
 
      (‥ )いやそうだって、出力するものが無数に出てくる、
          それを編集する能力がある、それに没頭してしまう
          それはまともじゃないよ。
 ∧∧
( ‥)まあ、まともじゃないかどうかは知りませんが、
    平均的な人間の行動からははずれてはいるでしょうね。

 
 生物学者のヘッケルが絵を描くのが恐ろしくうまかったことを知った時は、、、

 
      ( ‥)不信感持っちゃうんだよなあ。
          絵を描くってのは編集能力もさることながら、
          それ以前に、”出力するもの”を発見してしまう
           能力があるってことだから。
 ∧∧
( ‥)湧き出るアイデアと論証の妥当性は関係ないですからね。
  -□  でもヘッケルさんの絵は空想画ではなくて
     写生でしょ?

 前、国立科学博物館でやっていた微化石の展示は、ああきれいだったなあ。すごいよ美しいよ、なんという集中力だろう、すばらしいよヘッケル。ただ、ある人が言うに彼の絵はうますぎて使えなかったと言う。それは本当だろうか? らしいといえばらしい話。もちろん、確認してみないと分からない。

 
      (‥ )絵を描く人間はろくでなし、
          人として信用ならん。
 ∧∧
( ‥)そういうことを言うとオレ様を侮辱するのか??
    と怒る人が世の中にいくらもいるでしょうに。

 いいんだよ、絵を描く人間は信用ならんと言われて怒るようなやつは能無しさ。

 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか??

      (‥ )お前ら酸素がぶ飲みきもいんだよ!!
          って嫌気性細菌に言われたからって
          呼吸するのはやめないだろ?

 あふれんばかりの才能があるなれば、呼吸するかのごとく自然にそれをすればいい。それができない程度なら異能者たりえない。そんな奴は中途半端な能無しだ、能無し。

 ∧∧
( ‥)でっ? あなたは

      ( ‥)悲しいかな才能が無いように思えてならないねえ。

 とはいえ、これから仕事で海にいこう。

 ∧∧
( ‥)あふれんばかりの才気がなくても
    仕事ならばやらねばならんと。

      (‥ )井戸が枯渇しようがなんだろうが
          仕事ってのはそういうものさ。

 枯れた井戸でもなんでもいいんだ、必要とあれば掘るべし。そして趣味の延長の仕事はやっぱりろくなもんじゃない。

 



2010年6月18日金曜日

真実を伝えるジャーナリズムが疑似科学

 
 
     (‥ )ジャーナリズムは真実を伝えるべき、
         そういう意見や批判があるよね?
 ∧∧
( ‥)ありますね

 それはこう? ジャーナリズムは真実を伝えるべきものなのに、その義務を果たしていない

 
     (‥ )つまりそういう批判?
 ∧∧
( ‥)たぶんそうでしょう。

 ・・・・・・



     (‥ )逆にこう考えればどうだろうか?
         ジャーナリズムは真実を報道するものではない
 ∧∧
( ‥)はあ

 あるいはこう。構造上の問題で妥当性の追求はすぐに頭打ちになるし、あるいは最初っから書きたい文章があって、”ああたぶんこんなんだろうな”という分かりやすい結論にデータを合わせてしまって記事を書く方が都合が良いし、調べるよりも効率的。


     (‥ )ジャーナリズムが真実を報道すべきとは、
         ジャーナリズムの動態を説明できない駄目仮説。
 ∧∧
( ‥)はあ、それでその仮説を棄却しちゃうんですか。


 どうよ?



 ∧∧
( ‥)なにをいまさらって感じですが、
    ジャーナリズムは妥当なことを報道するべきでしょ?

     (‥ )するべきだ、でもしてない(あるいはできるはずの
         はるか手前で質が頭打ちになる)、という現実を
         前にしてだな、”○○が□□であるはずなのに、なぜ□□
         でないのか??”と説明できない仮説に
         拘泥するのって疑似科学っぽくないかね?

 ジャーナリズムは真実を伝えるべきだ、しかるになぜにこんな体たらくに? という主張は現実を説明できない仮説に拘泥しているのだから、いわば疑似科学状態? あるいはそれに近似、あるいは類似?

 ∧∧
( ‥)でも、虚偽の情報発信は困るんですよね。
    たとえ本人にそんな気がなくても
     迷惑ですよ。

      (‥ )そういう時はあれじゃね?
         これ正しいとは言えないでしょ。
          困りますねー、と言えばいい話じゃねーの?

 ∧∧
( ‥)あー? つまりあれですか?
    単純に、これ虚偽じゃね? と言う分には当然だけども
    真実を伝えるべきマスコミがこんなこと許せない!!
    という理論武装は微妙におかしくね? というご意見ですか?

      (‥ )だってあれじゃんよ。

 真実を伝えるのがジャーナリズムとマスコミの仕事のはずなのに!! といくら言ったところで、その”かくあるべし”が彼らの現実における動態をそもそも説明できていないのなら、そんな正当化に意味なくね?

 ∧∧
( ‥)まあ現実を説明できていない仮説で現実を糾弾するのは
    ちょっと痛いかもですね。

      (‥ )片や、これ嘘じゃーん、だめでしょ、と
          言っている分には問題ないっぺや。

 その指摘がただの事実であるのならなおさらそう。

 

 

それはたぶん上っ面

 
 ∧∧
( ‥)どう考えるべきなんでしょう?

     (‥ )そうねえ

 こう考えてみる。

1:文字を読む力があるのは官僚
2:事実、書類を実際に読むのは官僚
3:書類の文章を解釈できる能力を持つのは官僚
4:ゆえに知性と必然的に起きる間違いを反映させるのは官僚
5:民主世界において、政治家に知性は必然ではない

 ∧∧
( ‥)ゆえに?

     ( ‥)事業仕分けに問題があるとしたら

 そこに判断と勘違い(勘違いは0にはならない)が反映されているとしたらそれは官僚が仕事をしたという証拠。あるいはその反映。

 ∧∧
( ‥)政治家の皆さんは?

     (‥ )この系から抜いてしまっても結果に影響はない。
         最低限、”事業仕分け”という戦術の上ではね。

 たぶんこう考えればどう? 民主党とか”2位じゃいけないんすかー??”というファンタスティック発言ねーちゃんの存在、あるいはその言明は単なる現象の表面。

 ∧∧
( ‥)つまり?

     (‥ )あってもなくてもどうでもいい。
         系の動態を理解する上では抜いてもいい要素。

 あれは単なる上っ面に張り付いたとるに足らない要素で、あってもなくても現象の理解には関係ない。おそらく。

 ∧∧
( ‥)そういうもんですかね?

     (‥ )現時点ではそのように考えるのが
         一番うまく説明できると考える。

 まあこうも言える。公約を実現するのがうまくいかない、のは、実現不可能な公約を発言してしまったこと、なおかつ実現不可能であるとは”思わなかった”ことを示す。それはつまり、実現不可能なことを実現可能だと思っていたことに他ならない。

     ( ‥)民主世界において政治家になって社会をより良く
          しようと思うのなら”嘘”ついてでも当選する
          しかない。
 ∧∧
( ‥)でも本人達は嘘だとは思わなかったんでしょ?

 それはつまり状況が非常に深刻であることを示す。つまるところそれは状況を把握できていなかったにも関わらず、把握できていなかった状況を改善しようと考えていたということだから。

 ∧∧
( ‥)理解できていない系を操作できると
    確信していたと。

     (‥ )それは致命的だよな。

 ぷっ、選挙民ってちょろいよなー、こんな間抜けな公約信じるんだもん。まあそれはそうと適切に現実的に系を操作しなくては、という腹黒い連中の方が個人的には望ましかった。

 

2010年6月17日木曜日

彗星を見に

 
 比較的明るいマックノート彗星がアンドロメダ座のあたりを移動中らしい。

 ∧∧
( ‥)というわけで朝の3:00に公園まで
    出発しましたが

     ( ‥)雲は広がっちゃうし、夜も明けちゃうし
         どうにもならんな。

 今度はもう少し早く移動しよう。もっとも、天気予報を見る限り、天候はあまりかんばしいものではない様子。

 ∧∧
( ‥)どっちにせよ、神奈川県の中央部では
    難しそうですよね。

     (‥ )空が明るいからなあ。

 よほど条件が良い時じゃないと肉眼では見えないのではなかろうかと思いつつ。明日につなぐ。

 

陰謀論は計画的に

 
 陰謀論 陰謀だ陰謀だ!!

 
    (‥  )陰謀論をいう人ってあれだよね?
        計画的に人間が踊ってくれるっていう
        信念の持ち主なわけだよね?
 ∧∧
( ‥)? ああ、まあそうでしょうね。

 陰謀とは計画的に予定のまま動くということに他ならぬ。

 ∧∧
( ‥)あらかじめ予定された通りに個人が
    反応するってことですからね。

    ( ‥)でもさあ、他人がこちらの思惑通りに
        動いてくれるってことあるかなあ?

 まあ、確かに例えばネットで、「お前らばーか、能無し、こんなことも分からないでやんの」とか書けば

 ∧∧
( ‥)許せない許せないって反応は、
    まあそれなりに返ってきうるでしょうね。

    (‥ )でもそれ、集団の中の何割かはそれを見て、
        さらにそのうちの何割かはそういう感情を抱いて、
        さらにそのうちの何割かはその想いを実行する
        そういう話だろ?

 刺激Aに対して個人がリアクションBをとる、というものではないよねえ。まあ確かに時々、冗談みたいにというか打てば響くように刺激Aをすると反応Bを返す人はいるけども、普通、人間の反応はそんなに分かりやすくないし、予想もつかない。

 ∧∧
(‥ )通行人AからZまでにライオンをけしかけたところ
\-   全員が同じ反応、逃走するを示しましたが。

    (‥ )いやその、強烈で根源的な刺激ではそういうことも
        確かにあるんだけどさ。

 逆にいうとこう? 陰謀論を唱える人は、”人間は刺激Aに対して確実に反応Bを返してくれる”と思っているということか?

 ∧∧
( ‥)そうでなければ理屈に合わないでしょうね。
    陰謀論は人間が非常に規則的に正しい
    リアクションをとることを想定していると。

     ( ‥)でもさあ、人間はそういうものではないし、
         そもそも経験からして陰謀ってあったかな?

 思い出せ、思い出せ。

 ああ、そういえば

     (‥ )先生が学校の近くの本屋でエロ本を買っているのを
         生徒に見られて、その生徒に1000円を渡して
         口止めしたんだが、翌日にはそれが話題になっていた
         というのがあったが。
 ∧∧
( ‥)それは陰謀というよりは密約したんだけども
    簡単に破られたって話ですよね?

 ああ、他にないか? ないか?

     ( ‥)小学校の時にホームルームの時間に先生がいうには
         学年のある子が他の子の背中をナイフでばっさり切った
         けども、ナイフはこういう風に使ってはいけません!!
         こんなことはお家の人に話してもいけませんと・・・
 ∧ ∧
(  ̄  ̄)それはもみ消しやがな。

 ナイフで同級生を斬りつける荒れる小学生とか聞くと、へー、最近はもみ消さなくなったんだーという感想を。
 
     (‥ )陰謀ってどうやれば計画的に
         遂行できるのかね?
 ∧∧
( ‥)スキャンダルをもみ消すのが
    精一杯なんじゃないですかね?

 陰謀論、それは計画的に遂行できるほどに予定調和なものなのか?

 

 

2010年6月16日水曜日

ハットンさんは何をした?

 
 公園へいって本を読む。本日の神奈川県は蒸し暑い。湿気が多くて風がふいても丘の上は今ひとつさわやかならず。

 ∧∧
( ‥)読んでいる本は岩波講座「地球科学6」
    地球年代学ですね

     ( ‥)ちょっと面白い箇所だけ飛ばし読みという
       -□ あまりよくない読み方なんだけども・・・

 James Hutton さん。18世紀末の人物だけども、海底に堆積した地層は突き上げられ(ようするに隆起するってことですね)、褶曲し(ようするに波のように地層がたわむ)、陸地になった後で浸食され、それが再び沈下して地層が堆積し・・・・

 ∧∧
( ‥)ようするに不整合(地層の堆積と次の地層の堆積の間に
   地層が堆積しなかった空白がある)の概念とそれが成立する
   メカニズムを最初に考えた人だと。

     ( ‥)だけど、ハットンさん、考えてから自説を裏付ける
       -□ 地質現象を探し求めたって書いてあるんだよな。

 ∧∧
( ‥)理論を考えてから典型的な例を探し求めたと?

     (‥ )でも、理論が何もないところから出るとは
         思えないから、最初に何かを見て
         思いついたんだよな?

 まあそうねえ、身近なところでも不整合の地層はあるわけだし。

 ∧∧
( ‥)あちらはイギリスですけど、こちらでも家の近所を
    見れば河原の堆積物の上に赤土が乗ってますよね。
    イギリスの地層はもっときれいでしたっけ?

     (‥ )思いつくのはありっちゃありなんだよな。
         三浦半島とか足をのばせば深海堆積物の上に
         赤土が堆積しているし、褶曲というか
         下の地層は水平からずれているしね。

 もっとも、家の近所でうんぬんという事例はいずれも赤土で、赤土は火山性の降下物だから、ハットンさんの堆積、隆起、浸食、沈下、堆積、隆起、というサイクルとは言いがたいのだけども(堆積、隆起、堆積/浸食、で後半の沈下と堆積、隆起が抜けている、ということ)。

 ともあれ、たぶんハットンさんは

 ∧∧
( ‥)何か手近な観察からとっかかりを得て、それを
    説明する仮説を思いつき、、、、

     (‥ )それを支持する強烈な例を求め探したって
      □-   ことだよな。

 3年後、ハットンさんは直立したシルル紀の地層を覆う、デボン紀の地層をついに見つけて感動に打ち震えたらしい。

 ∧∧
( ‥)自身が思いついた仮説が強烈に論証された
    瞬間です。

     ( ‥)あー? でも最初は何から思いついたの
       -□ だろうねえ?
 
 理論は思いつきから始まってもかまわない。それがちゃんと論証されればそれでよい。でも最初の思いつきってどんななの?

 
 

砂上の楼閣

 
 
 ∧∧
( ‥)それにしても、そろそろ考えているだけでは
    だめですね。

      (‥ )blogだけでも駄目だな。HPのコンテンツに
          していかないと。

 HPのコンテンツにする。つまり、もっとしっかり調べないと。そもそもHPのコンテンツ自体、あちこちにがたがきている。

 ∧∧
( ‥)そして考えてばかりだと
    理解が砂上の楼閣になっちゃいますから。

      ( ‥)そういうのありがちなんだよね。
        -□ まずは仕事なんだが。

 この前、科学哲学の本を送られたから、それをちゃんと読みますか。そしてそこから論文や著作物へ。

      (‥ )今、読んでいるのは堆積岩の本なんだが
       □-  これがやっかいでねえ。
 ∧∧
( ‥)地学は難しいですよ。

 

なんちゃって論理

 
 予想するに

 一律に定義できて・論理的なら良し、という人は物理学では破綻が(あまり)表に出てこない。

 しかし化学、分子生物学となってくると破綻が表に出てきはじめて

 そして、進化学、系統学では破綻のあげくにしょうもない理論に飛びついたりする→*

 ∧∧
( ‥)予想というか、幾つかの事例を説明するために
    あなたが持ち出した仮説ですね。

      (‥ )まあ、一律に定義できるのなら、それは
          論理的に扱えうるから、一律に定義しやすそうな
          物理学の世界では、いかにもそれでうまく
          いっているように見えるだろうな、とね。

 しかし、陽子や中性子や電子が一律に定義できて、なおかつそれが過去、現在、未来においても同じ性質であろうとしても(もちろん、この仮定が正しいという保証は論理的には正当化できない)・・・・・

 ∧∧
(‥ )そこから組立てられた元素からしてすでに
 □-  一律なものではありません。

      (‥ )化学の段階で一律/論理的は怪しいからなあ。

 生物学ではいわずもがな。

 
      (‥ )問題はだ。一律に定義できる、論理的に正当化できる。
          そんなものはごくわずかしかなくてだね。
 ∧∧
( ‥)まあねえ、電子が未来永劫同じ性質を持つものだって
    前提は・・・・

 勝手にそう前提したか、あるいは昨日も今日もそうだから明日もそうでしょ? という帰納論に基づくわけで、つまるところそれは、ゲームの設定と同じか、あるいは論理的には正当化できない推論によった答え。

 ∧∧
( ‥)つまり、論理だ、一律だ、と言っている人々も
    演繹や論理以外の推論方法を用いているわけ
    ですよね。

     (‥ )帰納論やアブダクションを使わないと
         僕らは1秒たりとも活動できないよ。

:5分前の自分と今の自分が同一であることを論理的に証明せよ
:塩をコップの中の水にれたら水がしょっぱくなった、しょっぱくなった原因がその塩であることを論理的に証明せよ
:今見ている光景がバーチャルな映像ではなく現実そのものであることを論理的に証明せよ。

 ∧∧
( ‥)論理的に証明せよ。

     (‥ )無理です。

 できるという人はやってみてください(例題:ビリヤードの玉Aを玉BにぶつけたところAは静止して、Bが動き出した。Bの運動の原因がAであることを論理的に証明せよ)。

 
 ∧∧
( ‥)一律に定義・論理的に真なるものは真なり、
    それをいう人も帰納論やアブダクションを使います。

     ( ‥)だけども、帰納論やアブダクション→*でつまづく。
         いやむしろ、だからこそつまずくというの?


 論理的に答えを出せるはずだ、そう言っていた人が系統学の分野で途端に大破綻したりするのを見たりする。

 ∧∧
( ‥)オレ様鳥進化論者とかですか。→*

     (‥ )まあねえ、該当しちゃうかもねえ。

 ドローの法則に基づいて系統解析すればいいとか(実際にはドローの法則は形質の向きを決定するだけなので、複数の仮説のどれを選ぶのか? という肝心なチョイスでは役に立たない)、こういう進化の経路を通ったに違いない、見ろ、見ろ、とか、

 
    ( ‥)これこれゆえにこうである、
        そうは申し述べているんだけどさ
         それって論理じゃないんだよな。

 ∧∧
( ‥)アブダクションですよね。つまり本当は彼らは
    論理的に考えていないんじゃないですか?

 
 たぶん、、、そうなんだよねえ?(*論理的に考えないことが悪いのではない、帰納やアブダクションの正当化がなっていないということ) 


    (‥ )実際さ、一律定義で論理的であるものが科学である、という
        意見を論理的に証明することってできると思う?
        疑問だよなあ。
 ∧∧
( ‥)”一律定義で論理的”=”科学”か、
    ”一律定義で論理的”は科学を包含する、か
    そうでなくちゃ成立しないんじゃないんですか?

 それを論理的に証明できる?

 あるいは意地の悪いことをいえばこう。再現性のあるものこそ科学だという定義はどう論証すれば正当化できる?  例えばの話、それを論理的に論証することは可能?

 ∧∧
( ‥)無理じゃないですかね?

     (‥ )なんかね、無理っぽいよねえ。

 より意地の悪い質問をすればこう?

 ニュートンの万有引力が論理的に導けることを論理的に証明せよ。

 ∧∧
( ‥)無理でしょ?

      (‥ )まあね、無理だろうね。

 やれる!! という人はやってみよう。

 ∧∧
( ‥)つまり?

      (‥ )論理で科学を語る人って、つまるところ
          なんちゃって論理しているんじゃないのかな、
          とね。

 でっ・・・・・

 

2010年6月15日火曜日

ほら、君のすぐ近くにきっといる

 
 ∧∧
( ‥)でっ? もう3日も前→*の本題ですが

 
     (‥ )こんなサイエンスライターがいた。

 彼は物理系のことを書くと(少なくとも素人目には比較的)問題がないように見えた(あくまで北村の主観:実際に彼の言説をすべてチェックして確認したわけではないし、あからさまにおかしい箇所もあった)。

 だが彼はいざ進化論のことになると書くことがトンチンカンになる。

曰く、今西進化論は断続平衡説の先駆け
曰く、ダーウィニズムなんかでは進化が説明できるわけがない
曰く、自然淘汰と偶然で進化が起きるわけがない
曰く、断続平衡説や中立説などでこそ進化は説明できる

 ∧∧
( ‥)なんでなんでしょうね?

     ( ‥)このトンチンカンな事態を見て、
         幾人かの人がいく通りかの説明をして
         見せたのだけどね。

曰く、勉強不足だろ?
曰く、どうせサイエンスライターじゃんよ
曰く、だってこの人、文系だろ?

 しかし、個人的にはこう説明を試みる。

 彼はごく素朴な科学観の持ち主で、Aはこう一律に定義できる、Bはこう定義できる、Cはこうである、そしてかくかくしかじかでゆえに結論はこうであり、論理的であるがゆえにこの答えは正しい。そう考えていると仮定する。

     (‥ )そういう世界観で生物学や進化理論を
         語ると、どうなると思う?
 ∧∧
( ‥)破綻するでしょうね。
 
 例えば生物種Aは一律にこのように定義できる、と考えた時点で破綻が起きる。種にそんな定義はできない、というか、いかようにでも定義できるだろうけども・・・・

 ∧∧
( ‥)その定義が、その生物種Aなるものの
    現実における振る舞いを記述できなければ・・・・

       (‥ )その定義は便宜的である以前にただの役立たず。

 問題は役立たずの定義からでも論理的に矛盾のない結論が導きだせてしまうということで・・・。
 *すべての衛星はチーズなのだから月はチーズである、という文章は論理的に正しい

 ∧∧
( ‥)つまり、あなたの解釈は、
    彼は素朴な科学観(一律定義・論理的ならよし)を持っていた
    それがゆえに、一律に定義できない生物学の分野で
    破綻を生じさせたと。

       (‥ )実際、分子遺伝の分野では記述に
           さほど破綻が生じないんよね。

 分子遺伝はまだしも”一律に定義できる”ように見えるジャンルだから。

 ∧∧
( ‥)見えるだけでしょ?

       (‥ )見えるだけだね。

 例えば同種とされるA種に所属する個体が持つ酵素、そのそれぞれのアミノ酸の配置や立体構造、その活性はすべて同じだろうか?

 ∧∧
(‥ )分子遺伝の記述がさほど破綻していないのに
\-   進化が理解できないっておかしな状況
     ですよねえ???

       (‥ )生物が無数の、しかも同じ遺伝子座であっても
           異なる遺伝子が離合集散している渦であるとは
           思っていないんだろ?

 そんな渦巻きに淘汰を加えれば、進化が起きるは必然。しかし、すべてが均一で一律であると考えていたらどうなのだ? だったら淘汰では何も起きないと考えてしまうのは必然(しかしおかしなことに、遺伝的浮動による中立説は信じているわけで、これは、彼の理解が根本的におかしいことを暗示していると思う)。

 つまりこう考えればいいのだと思う。実際には分子遺伝の記述と理解においても彼は破綻している。

 ∧∧
( ‥)単にそれが表面化していないだけだと?

    (‥ )たぶんね。

 というか、物理学においても実は破綻しているんだろう。

 ∧∧
( ‥)それが表面化していないのだと。

    (‥ )陽子や電子や物理法則は一律に同じだと仮定しても
        かまわない(ように見える)だろ?
        だから理解の破綻が見えてこないんだよ。

 *実際には、彼は大容量の演算ができる計算機にすべての素粒子のベクトルを入れれば過去も未来も確実に把握できる、未発見の過去の存在物も発見できる、と言っていたから、物理学の分野でも理解の破綻は表面化しているんだとは思う。

 だからこう言えばいい? 論理的で理路整然と科学を語っているだけでは、その人が理解しているのか、それとも破綻した理解をしているのか識別できない。

 ∧∧
( ‥)しかるべき人を集めたつもりでも、
    混ざっちゃってることがあると?

     (‥ )再現実験できないのは科学じゃない、だから進化論も
         科学とは言えないって、そういう不用意な
         ことを言っちゃう科学者がいるわけだろ?→*
         つまり、そういうことじゃないの?

 実はこういう人はたっくさんいるんじゃないですか? ほら、きっと君のすぐ隣にも座ってる。

 
 

2010年6月14日月曜日

馬鹿は馬鹿なりに

 
 こういう記事→*

 ∧∧
( ‥)どう思います?
\-
     (‥ )おいちゃんが持つ現時点の仮説で
         解釈すると。

 「事業仕分け」などで科学研究の成果が見えにくいという批判」
 「予算を増やしていくには国民とのコミュニケーションが避けられない」

 というのは

      (‥ )馬鹿丸出しの意見と解釈。
 ∧∧
( ‥)つまり?

 論点がずれてる
 ちゃんと調べたか?
 それ、ただの思いつきじゃねーの?
 意味ないと思うよ
 おままごとの域を出ていないよね。

 ∧∧
( ‥)人によってはあなたの意見こそ
    説明が不十分だと言うでしょうね。

      ( ‥)そりゃ、説明してないからな。
          まだ説明する気もないしね。

 ははっ、それにしても科学コミュニケーターとかってものも哀れなもんだ、なんの役割も果たせていない。

 ∧∧
( ‥)なんででしょうね?

      (‥ )第1に格で負けたんだろうなあ、そして第2に
          正しいことを分かりやすく伝えるのが仕事だ、
          そんなことが”可能だ”、それをすれば皆が
          理解してくれる、そういう前提が効果的でなかった
          そういうことじゃないか?

 あるいは逆に言うとこう? 分かりやすく説明してもらえれば僕らも納得できるはず、そう思い込んで(勘違いして)いる政策立案者(消費者)がそれを格の高い人間に要求した、しかしこうなるとこれは最悪に問題。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、分かりやすい説明、
    そういう説明はすでに不十分ですからねえ、
    分かりやすいから分かった!! という理解は
    致命的に間違っていることがありますから。

      (‥ )それにだな、成果が見えにくいって発言がそもそも
          馬鹿っぽいんだよな。

 見えにくいじゃなくて、まずは自分で理解しろ。自分の眼で直に見ろ。理解できる頭も眼もないのならあきらめろ。口だすな。それでも知りたいなら馬鹿なりに努力しろ、他人に頼るな、説明しろなんて言わないで、せめて自分で相手に聞きにいけ、聞く前にまず下調べしろ、読め、歩け、怠慢に逃げるな、他人に振るな。取材もしないでいきなり当事者に説明させてどうする。


      (‥ )馬鹿でもいいんだ。自分が馬鹿だって分かっているなら
          だけども馬鹿で無自覚で怠慢であることは罪に値する。
          他人に迷惑だろ?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ。


 実際に当然の義務だと迷惑かけようとしているし。

 学校の授業で分からないことがあると、オレは馬鹿なんだろうな、と思ってそのこと自体はあきらめる。だけどもいざ社会に出ると、オレ様が分からないのだからオレ様に分かるように説明しろと相手を呼びつけようとする。弱ったことだ。

 みんな学校時代の謙虚だった自分を思い出せ〜〜〜
 
      (‥ )馬鹿は馬鹿なりに努力せんと、
          馬鹿を通り過ぎちゃうぜ
 ∧∧
( ‥)どこにいくんでしょうねえ。

 説明の義務を言い立てる前に調べる義務をまず果たせ。調べないと説明の意義さえ行方不明になって多分無意味に終わるだろう。
 
 
 

2010年6月13日日曜日

浮かぶデブ

 
 街へいったらぴっちぴちのシャツを着たデブが階段を降りるところで、ぼよん、ぼよよん、と体中にさざ波が走って、反射した。

     ( ‥)地球に大きな地震が起きると
         あんな感じなのかな?
 ∧∧
( ‥)いや、その、それはどうでしょう・・・

 そしてまた、

 ∧∧
( ‥)あなたも運動しないと

     ( ‥)むー、太ってしまったからなあ
       - 

 運動しないと太り、そして体力がなくなると本も読まずに資料にも眼を通さなくなる。この国はデブが多くて、人間の体型も崩れてる。


     (‥ )人のことは言えん
 ∧∧
( ‥)困ったことです。

 

 街中では街頭演説、通り過ぎがてら聞いた限りでは、人口は減り、老人は増え、若者への負担は増大し、借金を子孫に残す。これでは国が保たない。消費税を上げて、孫のためにお金を使おうという呼びかけだったらしい。

 ∧∧
(‥ )当選するでしょうか?

    (‥ )あー?

 絶体絶命の時、悪魔が現れて言った。助けられるのは1人だけだ。孫を助けるか? お前が死ぬか? 

    (‥ )どちらの選択肢が勝利者たりうるか?
 ∧∧
( ‥)遺伝と血と気合いを見せるんだったら
    孫を助けて自分が死ぬでしょうね。

 まあ、孫を見殺しにして自分が助かったら、たぶん、今度は別の目的で悪魔を召還したくなるだろう。

 
 人が来て言った。今、あなたが我慢するとお孫さんに将来当たり前な利益が生じるでしょう。

    (‥ )選択肢やいかに?
 ∧∧
( ‥)びみょー、ですね
 
 不確実で当たり前な将来の利益は当たり前に手に入れられるだろうから、目の前の肉、オレはとります。

 ∧∧
( ‥)動機はともかく理屈は壊れ気味です。

    (‥ )理屈は動機を正当化した気になればいいのであって、
        正当化のためなら、理屈の壊れ具合ってのは
        しばしば無視される。

 将来の日本のために今、増税を

 ∧∧
( ‥)それを良しとするならとっくに
    やっているでしょうね。

    ( ‥)将来の日本には孫も含まれているけど、
        指示対象の大部分は赤の他人だからなあ
        将来の日本なんて、自分の年金の100円分
         ぐらいの価値しかないんじゃねーの?

 日本のためにこれだけがんばったのだ、と臆面もなく言う人も普通にいるわけだし。

 ∧∧
( ‥)日本のためではない?

    (‥ )自分のためだろ? 本当に集団のためなら
        役立たずになったら集団の利益を最大にする
        ために消える方を選ぶだろ?

 人間は利己的じゃない。人間は遺伝の奴隷ではない、そう声高に叫ぶ人が、いざ給料の話になると、集団のために働いたのだから対価をよこせと、露骨にエゴイスティックな要求をするのは当たり前。

 ∧∧
( ‥)これだけ頑張ったのだから、
    これこれの支払いを要求するというのは
    個人のポイントですからね。

    (‥ )それをエゴイスティックと普通は呼ばないのは、
        人間全員が自分の利益を追求するくせに社会性の動物だから、
        自分の利益を尊重させる見返りに、相手の利益も尊重する
        からだよなあ。

 対価をよこせ、は当然の要求だけども、それが他人や皆のための要求であるということはないだろう。それとも彼らは本気で自分のこれは他人のためだと思い込んでいるんだろうか?

 ∧∧
( ‥)するとどうなります?

    ( ‥)孫のために増税。
        まっとうな主張かもしれないけども
        当選するのか怪しいもんだな。

 無駄をはぶけば100兆の予算なんてすぐに作れますとか言った方がいいんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)さすがにそれはばれるでしょう。

    (‥ )露骨な嘘は耳に心地よくないからねえ。
        さすがに皆さん、耳が肥えていらっしゃる。

 ∧∧
( ‥)あなたはどうします?

    (‥ )どんどん膨らんで肥大化していく
        この有り様を見てかね?
         死ぬまで待つさ。

 世界はアドバルーンみたいにぷかぷか浮いて、中身はからっぽ。問題としては深刻であるが、その価値はとるに足らない。とるに足らないものが膨らむから問題は深刻だ。

 ∧∧
( ‥)ひどい言い様ですね。

    (‥ )子孫をしぼませるのは子孫をとるに足らないと
        評価したことにほからない。違うかね?

 ならば、それをしたものを評価しないは理。

 ∧∧
( ‥)そして、あなたの媒体は彼らではないですよね?

    ( ‥)だから死ぬまで待てるのさ。


 そして自分はどう死のうか?

 

2010年6月12日土曜日

再現性≠経験可能で考える

 
 ∧∧
( ‥)でっ?

    (‥ )再現できないものは科学ではない、
    -   つまり再現実験できるものこそ科学だ、
        という定義を申し述べる人がいるが、
        それは相当に奇妙→*

 再現できない人生経験から得た「再現できないものは科学ではない」という結論の正当性は何?

 ∧∧
( ‥)少なくともその人にとって、
    科学の正当性が科学的である必要は、
    はないのかもしれません

    (‥ )定義を申し述べることで正当性をはかる
        矛盾がない美しい体系を作れるかもしれないけども、
        それはあまりいいことではないよなあ。

 矛盾がない、というだけでは、それが経験的に妥当なのかどうか分からない。矛盾がないことはまったく何も現実を語っていない。語っているかどうかは現実と照らし合わせなきちゃいけない。

 ∧∧
( ‥)科学を経験的なものにしたいから、再現性を求めたのかも
    しれませんね。

    (‥ )再現できるのなら、それは経験可能である
        からね。

 しかし、再現性=経験可能、ではないよなあ。再現できないけども経験できるものはいくらでも、というか普通にある。

 ∧∧
( ‥)再現できないけども、経験可能とは?

    (‥ )例えば化石だろ?

 A種とB種は幾つかの証拠からすると類縁関係があるらしい。その仮説はA種とB種の中間形態(半順序な意味で)ありうることを予想する。


 ∧∧
( ‥)発見された化石C種はその中間形態に
    かなり近いものでした。

    (‥ )D種はA種とC種の中間で、E種は
        B種とC種の中間でした。

 ∧∧
( ‥)それは論証ではあるんでしょうけども、
    人によっては経験的とは認めないでしょうね。

    (‥ )例え自分が発掘していても、調査が進むにつれて
        最初の仮説が補強されていくのを目の当たりにしても、
        それでも以上の過程を経験的と
         認めない人はいるかもね。

 人によってはそれは経験ではなく、ただの推論だと言うかもしれない。

 ∧∧
( ‥)もっともそれを言ったら私たちの人生経験は
    すべからく推論ですね。

    (‥ )手持ちのデータから推論した過去だからなあ。

 僕らの記憶は全部断片的で、連続しているなどとはとうてい言えぬ。

 
    (‥ )すごい意地悪な話をすればさ、5分間の記憶を
        人間が完全再生できるのだったら5分かかる
        わけなんだよな。
 ∧∧
( ‥)記憶の早回しってものは聞いたことないですしね。


 走馬灯に人生を思い出してみせても、それは早回しっていうよりは断片的な、ごくごく劣化した記憶の荒くて雑な寄せ集めじゃないですかね?

 人生経験とは断片的な記憶の集積。それは単なる推論。みなが語るごたいそうな人生なるものはただの仮説だ。それも相当に片寄った。

 
    ( ‥)事実、僕らは新しい証拠を見て自分の
        勘違いに気がつく時がある。
 ∧∧
( ‥)経験的な推論を経験的に補正した瞬間です。
 
 そしてしかし、その経験的な補正は再現ではない。
 
 再現可能は経験して検証するための重要なツールだけども、再現可能以外は検証も経験もできないという主張であるとすれば、それはカテゴリーの包含関係を誤って理解しているのだと思う。
 
 ∧∧
( ‥)でっ?

      ( ‥)それでだな、本題はこれからなんだが・・・

 それは次にメモするべ。

 ∧∧
( ‥)仕事のお時間です

     ( — —)あーだりー

 
   
 

 

実験は再現できるが実験した自分が再現できない

 
 再現できないものは科学ではない

 ∧∧
( ‥)それを言っている人の人生も再現できないから、
   その人は科学でない根拠で科学でないと主張
    しているのかもしれませんね。

     (‥ )まあ、「再現できないものが科学でない」と
          本に書いてあったら”再現できる”とは言える
          のかな?

 再現できる、というのは”指示対象であるそれ”が未来においても過去においても均一で同一であるということを示す。あるいはそれが前提。おそらく。

 ∧∧
(‥ )個物を対象にするのが科学である、そういう主張
 □-  なのでしょうか?

     (‥ )さあどうだろうね? 個物とは何か?
         そもそもそれがよく分からないからなあ。

 もしかしてその人にとっては「再現できないものは科学でない」と記述してあって、何度でも手にして読むことができる”その1冊の本”は個物なのかもしれない。

 ∧∧
( ‥)個物ってindividualのことでしょ?(個体と個物は同じ)
   1冊の”その本”が個物ってのは言葉的には正しそうですよね?

     (‥ )まあそうねえ。
 
 まあ、ようするにこう?

 ”科学とは均一で、過去においても未来においても性質が変わらないものを対象にして、なおかつ実験によって反応や動作を行うことができて、しかもその結果が人間の手で確認、観測できるものである”

 ∧∧
( ‥)ということになりますか。ずいぶん不便な
    世界観ですけどもね。

     (‥ )生物学や地学、天文学では役に立たない
         考え方であるねえ。

 水は? 水とかはどうなるんだろうか?

 ∧∧
( ‥)純粋ではないですし、例え純粋であるとしても
    同位体が混ざっているでしょ?

     (‥ )元素や水、化合物、鉱物の同位体の比率は
         生物や周囲の温度で変わっちゃうしね。

 *生物は軽い同位体を使うし、温度が上がると、例えば水では蒸発しやすい同位体が飛んでしまって比率が変わる。そういうことからその鉱物を生物起源だと推論したり、過去の水温などを計測することが可能。一方でかなりおかしなふるまいを示す生物がいるので(高温状態では重い同位体を使用する)ややこしいこともある。

 ともあれ、あれだ、水は均一な性質を持つ、元素、同位体、化合物の混合したものだから、水は以上の定義でも科学として扱えるものだ、と考えるのかもしれない。

 ∧∧
( ‥)でも、、、元素って言葉を使うのは
    すごく怪しげですよねえ・・・。

     ( ‥)そうねえ、元素って言葉は複数の同位体を
         含む言葉だからねえ。

 再現できるものが科学であるというのなら、元素って言葉は使えないかあるいは最低限こう? 同位体の比率を指定してからでないと(厳密な意味では)使えないというべき?

 ∧∧
( ‥)まあ、ただの便宜的な言葉だ、と言い立てる
    こともできますよね。

     (‥ )種、みたいにな。

 でっ、いつも不思議になる。”再現実験できるものこそ科学である”、この言葉を真に受けて進化理論は科学でない、と主張する人間は意外といる。

 ∧∧
( ‥)最低限、言葉の上では矛盾はないでしょ?
    そう設定したのだからそうなのだ、再現実験うんぬん
    という大前提は、進化理論は科学でない、という
     結論を包含しています。

     (‥ )まあ、言葉に矛盾はないわなあ。
         矛盾がない=妥当、ではないのだけども
         矛盾はないよねえ。

 すべての衛星はチーズで出来ている、月は衛星である、ゆえに月がチーズで出来ている、これと同じくらい矛盾はないと思いますよ、そりゃあ。

 ∧∧
( ‥)再現できないから進化は科学じゃない、
    この言葉は矛盾もなければ
     妥当性も不明、それだけの話です。

     (‥ )そして、こういう主張をする人は
         再現できない歴史を科学として扱うことを
         放棄したわけだよね?

 問題は、科学として扱うことを放棄するのはいいのだけども、ではどういう選択基準で歴史をチョイスしたのか? ということで。

 ∧∧
( ‥)その人たちは歴史をチョイスしますか?

     (‥ )チョイスしてると思うよ。

 自分の人生、自分の経験、世界史、日本史、生物の歴史、これらに対してまったくなんの意見も持っていないなんてことはありえない。

 
     (‥ )科学である私の実験は再現性があって確かだが、
         その実験を行った私の経験は再現性がないので
         科学でもなければ確かでもない、なんて言わないだろう?
 ∧∧
( ‥)まあねえ、自分の人生は再現できないから科学でないのですよね。
    でも自分が行った実験は再現できるから科学であると。
    ずいぶんおかしな話ですし、でもそんなこと言いませんよね。

 実験は再現できるが、実験した自分はもはや再現できない(同じ服を着て、同じことを考えても体を構成する原子入れ替わってるよね?)。

 やった実験は科学だが、実験をした自分の経験は科学ではない、そんなことを言うやつは見たことがない。

 でもその言い様は実は正論ではあるまいか? しかし正論であるはずなのに見たことも聞いたこともないとはこれいかに?
 
 人生も日本の歴史も世界の歴史も生物の歴史も再現できないから、科学でない。それはいいのだけども、昨日こういうことをした、5年前にこういうことがあった、1000年前にこういうことがあった、古代エジプトでこういうことがあった、1万年前にこういうことがあった、それらすべてが科学でないとしても別にかまわないのだけども、


 ∧∧
( ‥)何らかの意見をチョイスしていない、ということは
    ありえないと。

       (‥ )ありえないね。

 問題は、そのチョイスの基準は何? ということで。

 
 ∧∧
( ‥)実は疑似科学なチョイスがありうると?

      (‥ )疑似科学なチョイスがありえない、ということは
          最低限ありえないね。

 それは科学の領域でない、と言ってしまったのだから、他の科学の定義や感覚や進化学や生物学、天文学、地学の観点からすると疑似科学的と言えるチョイスをしてしまうことはありうる。

 区別できないと自ら言ってしまっているのだから、そのチョイスがありえない方がおかしい。

 

2010年6月11日金曜日

お茶という静かな時間を

 
 古生物をカラーで描くのめんどくさい。ちっちゃなエビのような動物の場合、リアルに描くとどれも同じようになるし、差別化しようとすると根拠もなく派手になる。というか色の根拠なんかほとんどねーじゃん。

 
     ( ‥)迷って頭を抱えるくらいなら
       -□ 今度はモノクロで描こう。
 ∧∧
( ‥)はあ

 形さえとれればそれでいいだろう。色と引き換えに形をおろそかにするのはもういやだ。

 ∧∧
( ‥)古生物学は形の学問でもありますから。

     (‥ )形をちゃんと真剣にやっているのは
         もはや古生物学ぐらいなものだって
         意見があったけども、やっぱそうなのかな?

 さてさて、次回はペンにするか、あるいは鉛筆でいくか、さてどうする?
 
 さて
  
 ∧∧
(‥ )自分は相手に迷惑をかけているのじゃないか、
\-   迷惑をかけているから相手に嫌われているのじゃないか
     そう不安になっているそうです。

     (‥ )ああ?? うーん、まあ誰しもそういう懸念は
         抱くもんだけども、そうねえ、それは気にしすぎ
         だと思うよ。
 ∧∧
( ‥)でも、かんしゃくを起こして物を壊して
\-   しまったようですよ?

     (‥ )不安にかられたあげくに、さらに不安になる
         ことをしたわけか。だから相手に嫌われたと
         思い込んで落ち込んでいると。

 それはとても不器用なことだ。

 ∧∧
(‥ )不器用であれ、なんであれ、
\-   その子にとっては非常に深刻なことですね

     (‥ )まあ、お皿を割ったぐらいなら大したことは
         あるまいさ。

 人間、存在して生きているだけで相手に何かしら迷惑と負担をかけているわけだし。それは誰でもお互い様だ。互いに負担で、互いに必要であるのなら、差し引き0だ。それは交換だ。いちいち気にすることなどあるまいよ。

 ∧∧
( ‥)・・・・いつも思うんですけどね、
\-   あなたのそういうフォローってお猿さんの社会では
     かなり無神経だと思うんですよ。

     (‥ )相手に負担をかけるのが、相手から通貨を奪うことなら、
         じゃあ、相手に対価である通貨を支払えばいい。
          それで差し引きは0さ。

 ∧∧
( ‥)またそうやって、心の問題を通貨(お金)に
    置き換えて話をする。

     (‥ )通貨ってのは望むもの、必要なもの、必要な度合いを
         抽象化したものだろ? お金は馬鹿にはできないぜ。

 必要なものを差し計るために導入された共通のもの、それが通貨。通貨そのものは代理人でしかなく、それ自体は幻想かもしれないけども、それが表現しているものは重い。

     (‥ )きれいな水や必要な電気、それらを維持する人件費や
         必要経費、それを表現したのが電気代や水道代。
         通貨がいくら軽くても、通貨が表現しようとしたものは
         命と等価であるほどに重い。
 ∧∧
(‥ )まあ、ねえ、皆が支払うおかげで占める原価が減って
\-   大変お安い金額になっていますけどね。


 相手に迷惑をかけたとくよくよするくらいなら、そんな時間を忘れて相手に支払いをすればいいのさ。

 ∧∧
( ‥)どうやって?

     (‥ )相手と一緒にお茶でも飲めばいいんじゃねーの?


 忘れられがちではあるが、まともな人間は孤独には耐えられない。しかし、こんな基本的なことさえ忘れてしまうのは、ほとんどの人間がいつも誰かと一緒にいるからだ。だから、一緒にいてあげれば喜ぶさ。

    
 ∧∧
( ‥)あなたたちは集団でいないと
    生活できないんですよね。

     (‥ )もう何十万年もこんなことをしている。
         一緒にいてあげるだけで、相手は
         ほっとするんだよ。

 なるほど、人間は利益よりも失うコストの方を恐怖して、ささやかなお茶という利益を軽く見るやもしれぬ。

     (‥ )だけど毎日一緒にいて、静かな時間を相手に
         与えているのであれば、それで十分だろう。
 ∧∧
( ‥)ああ、ささやかなお茶、静かだけど一緒の時間が
    集まれば、割れたお皿を戻せるだろうということですか。

 だから一緒にお茶を飲んであげればいいさ。


 悩む時間があったら、静かで一緒な時間を相手と過ごせばいい。悩むなんてのは時間の浪費で意味がないから、そんなの忘れろ。


 ∧∧
( ‥)そんなあなたはどうします?

     ( ‥)もう一仕事したら公園にいこう
       -/

 風が涼しいのは、ありがたい。

 

2010年6月10日木曜日

上り坂になってますか?

 
 なんとなく頭のすみに置いてはいるけども、すっと調べていない問題が誰だって幾つかあるもんで

 ∧∧
( ‥)現在の食料生産、物流、運輸、技術、通信、人の移動を
    受け止められる国家のキャパシティー、
    これらが対応しきれなくなる温暖化の速度とは
    いかほどなものでしょうか?

      (‥ )わからん。調べてもないし、
          検討もつかないね。
 
 そういうレポートがあったとしても(あったような気もするが)、その内容がどの程度妥当なのか読んでみないと分からない。

 ∧∧
( ‥)そして、あなたたち人間はそういう
    不利な未来を前にしても、現状を維持して、得られるだけの利益を
    ありったけかき集めて、手に入れようとすると。

     (‥ )それがたぶん、一番利益が出るからな。

 現状のままでは長期的に見ると利益が下がる、と主張する人もいるだろうけども、人間が感じる”利益”というのはどうもそういうものではないっぽい。

 ∧∧
( ‥)未来の不確定なコストと利益よりも、

     (‥ )目前のコストを嫌って
         確実で当面の利益の方を選ぶ。


 当たり前と言えば当たり前。明日を迎えるには、まず今日を生き残らなくてはならぬ。

 ∧∧
( ‥)今日のために明日を犠牲にする
    場合もありうると。

     (‥ )未来の健康を売ってタバコを吸う。
         別にありきたりなことさ。

 ∧∧
( ‥)でも、それを良しとしない人もいます。

     (‥ )そりゃあね、人間は工業製品でも
         大量生産された機械でもないからね。

 しかし、”目前のコストと確実で当面の利益”の前では、そういう理念が効果的とは思えないし、事実として効果的ではないっぽい。

 
     ( ‥)理想は、たとえその道が妥当であっても、
         当面の利益が得られないと誰も登らない。
 ∧∧
( ‥)なんか耳かじりで進化論やった人が
    陥る壁みたいですねえ。

 例えばこう。力学的に考えると鳥はこう進化したに違いない!! 得意満面で進化の経路を説明する素人とか時代遅れの研究者とか日本にもアメリアにもいっぱいいるけども。


     (‥ )系統解析と祖先復元から推論したのならいざ知らず、
         ”論理的にここを通ったに違いない”という提案には
         意味がないんだよな。
 ∧∧
( ‥)力学や計算で示しても、そこを実際に通ったことに
    ならないこともさることながら、、、、、

 生物って利益が上がる方向にしか動けないんだよ? ”通れる”だけじゃだめなんだ。

     (‥ )そこが絶えず上り坂になっていることを
         示さなくちゃいかん。
 ∧∧
( ‥)最小限、経路のすべてに渡って
    利益が得られることを示さないといけませんね。


 コストとベネフィットはちゃんと計算したか? そしてその経路は上り坂になっているか? 現在の生物を観察してさえコストとベネフィットを論じるのは容易ではないのに、ちゃんと論証できるか? 

 そして哀れなるかな、人間も利益が上がらないと上がらない。

 ∧∧
( ‥)理念や理想は

     (‥ )この道を通るべしと主張するものの、
         その道が”上り坂”になっていることを
          保証しているわけじゃないからな。

 未来の利益をいくらいっても無駄だろう。人間は未来の利益に興味がない。

 ∧∧
( ‥)他の動物たちよりは
    未来的ですけどね。

     (‥ )明日のために準備するからな。


 でも、せいぜいそこまで。

 

2010年6月9日水曜日

乖離と乖離

 
 つまるところ温暖化懐疑論は(原則的に)見るに値しないしだろうし、そしてそこには嘘や勘違いが大量にあるんだろう→*


 ∧∧
(‥ )でもあれですね、エコや温暖化脅威論にも
\-   雑な話や勘違い、思い込み、嘘が混じっているじゃないか!!
     そう言われるかもしれませんね。→*

    (‥ )そうねえ、だからより正確にはこうかな


 温暖化懐疑論も温暖化脅威論も、どっちも科学そのものではないだけに、現実から乖離気味?

*注:ここでいう「温暖化脅威論」とは、”温暖化を止めるための社会的なムーブメントを起こそう”という積極的な行動そのもののことで、論文や仮説、妥当性の追求のことではない。

 あるいは、こう言えばいい? 

 温暖化と化石燃料の燃焼による二酸化炭素の増大との間における因果関係の妥当性。理解すべきはそれであって、それを知ればいいだけの話。そしてそれを論じるのは仮説の妥当性を論ずることであるのだから比較が可能

 しかし、そこから一歩はずれて、保護する、阻止する、無視する、反発するとなると、それ自体は信念の話であって、それをそれ自身によっていくら正当化しても意味がない
(*宗教と同じでお互いの比較はできるが、その比較と正当化自体には意味がないんじゃねーの? という意味)

 ∧∧
( ‥)論ずるに値しないと?
 
    (‥ )論ずることに意味がない、と言えばより正確。


 でもこう尋ねられるんだろか? 温暖化を止めないと大変なことになるのに、あなたは何をやっているのですか?? 温暖化を止める活動をするべきではないのですか??

 ∧∧
( ‥)問われたら、あなたはなんと答えます?

     (‥ )化石燃料の使用が経済的に優位な状態で
         二酸化炭素の排出量を減らす緊急性が
         求められた時、どの選択肢が有利であると
         人々は推し量るだろう?

 選択肢はたぶんこんな?

1:率先して排出量を削減する
2:削減を可能な限り引き延ばす

 ∧∧
( ‥)排出量を減らせばコストがかかる
    さりとて削減を引き延ばしてもコストが
     かかりますよ?

     (‥ )しかし、それぞれのコストが等価だと
         人々は判断するだろうか?


:排出量を減らせば今すぐ困る
:削減を引き延ばせば、将来困る、かもしれない


     (‥ )排出量を減らした場合のコストは
         比較的簡単に算出できそうだよね?
 ∧∧
( ‥)削減の引き延ばしと、温暖化による農業や社会に対する
  -□ ストレスと、その結果にともなうコストは
    どう計算したらいいんでしょうねえ???

 人間が直近の未来で、なおかつ具体的なコストの方を高く評価するとした場合、さて、人々は以上どちらの選択肢を利益ありと見なす?

 ∧∧
( ‥)2の「削減を可能な限り引き延ばす」、
    を取るだろうと・・・・

     (‥ )たぶんそうだし、事実としてそうじゃね?


 さらに、2の選択肢をとる集団がいた(実際にいる)場合、1の選択肢をとるのが(状況にもよるが)割に合わなくなる。俺たちが頑張って無理しているのに、奴らが2を選択したら意味ないじゃんよ、となるから。

 ようするに、1を選択した人々が、2の選択肢をチョイスした人間達におんぶお化けされている状態なので、不満が高まるだろうと予測。

 というか事実そう?

 
 ∧∧
( ‥)だとしたら余計に選択肢2はチョイスされないと。

     (‥ )場合によっては選択肢2をチョイスしたこと、
         そのこと自体を放棄するかもね。


 だから信念や感情を抜きにして、科学と経済(というか日々のそろばん勘定)から温暖化と社会の話をすればこう?

:温暖化と二酸化炭素の増加には因果関係がある

:しかし人間は削減を可能な限り引き延ばすことを選択する
        
 ∧∧
( ‥)つまりあなたは温暖化懐疑論にも温暖化脅威論にも
    興味がないと?

     (‥ )むしろ、ざっくりと言うと、懐疑論も脅威論も
         現実をうまく説明できずに現実から乖離して
         しまった状態であるから、ゆえに採用しない、
         ということかな。


:率先して削減することに不満だからといって、手堅く論証された因果関係までも”てきとー”に否定する必要はないでしょう

:脅威に対して率先して削減すべきだといっても、人間はそんな論理と動機では動かないし、事実として動作していないでしょう

 
 要するにたぶん、どっちも現実の説明に失敗している。

 ∧∧
( ‥)だから

      ( ‥)どっちも採用できない。



幸せにするために夢を売れ

 
 二酸化炭素による地球の温暖化。でもまあ、二酸化炭素を減らせ減らせ、エコだエコだと連呼されると飽きるというか、

  
     (‥ )あるいはあれかな、
         ◯◯しろ、◯◯しろ、と連呼されるのが
         果てしなくうっとうしいとうの?
 ∧∧
( ‥)ああ、小言をいわれているみたい
    ですからね。

 というわけで一部では温暖化懐疑論が浮上中。だが、世間のどのくらいがこの意見に興味を持っているのか?


 ∧∧
(‥ )温暖化懐疑論で検索すると
\-   ヒット数は110万件ですね

      (‥ )まあなんだ、赤道ギニアよりはヒット数が
          多いみたいね。

 適当に検索してみた人気漫画とかの10分の1以下だけども、そうねえ、110万件なら十分に市場として成立する大きさではあるっぽいよなあ。はあ、温暖化懐疑論ね。エコエコ言っている反動でそんな市場が成立するとは予想外な事態。ははは、この宇宙はやっぱり驚きで満ちている。

 ∧∧
(‥ )今年の夏は冷夏では? という予報が
\-   出ているみたいですが。

      (‥ )あれかな、「ほら見ろ、暑くなんかなってない!!」
          って冷夏を見越して書いたら売れるかな?

 ∧∧
( ‥)論文に眼を通すの大変でしょ?

      (‥ )まるっと嘘を書けばいい。あるいはこう?
          思いつきを書けばいいんよ。

 だってそう思ったんだもん、嘘なんかついてないもん、と言えるから。

 というか論文を読まないのならめちゃくちゃ楽だし。

 いやいや待て待て、論文を読むんだ。そして理解できないところがあったら「この論文は間違っている!!」と決めつける。

 ∧∧
( ‥)ああ、ありがちなオレ様理論ですね。
    理解できないのでなんとか理解できるように論文を
    曲解した結果、「ありもしない間違い」に気がつくという。

      (‥ )あれ、本人達は素でやってるからね。

 まあ、なんだ、どうせやるならだ


      (‥ )いもしない研究者の名前を出したり、ありもしない
          論文を引用してだな。
 ∧∧
( ‥)ばれますよ。


 問題ない、温暖化で一儲けをもくろむ産業界に消されたって言い訳するから。

 というか

      (‥ )そもそも、こういう本の読者はそんなこと
          調べたりしないから大丈夫さね。
 ∧∧
( ‥)そう?

 偏見? いやいや 本を読む人間がいちいち情報を調べたり、裏をとったりするわけがないじゃないですか。

 ∧∧
( ‥)はあ、、、そうなんですか?

      (‥ )本を読んで何か知れるだろう、という発想の人は
          裏なんかとらないよ。

 知るためのヒントになるだろう、と手にするのなら裏はとるかもしれないけども、本を読んだから「これで分かった」「分かるはず」と思っている人は裏なんかとらない、たぶん。

 ∧∧
( ‥)やっぱ偏見じゃないですかね?

      (‥ )じゃあこう表現しよう。

:本を読んでまで調べる人間は少数
:本を読んで調べた上で、さらに裏までとる人間はもっと少数
:だから露骨すぎる嘘や思いつき、思い込みを書いてもばれやしねー

 
 ∧∧
( ‥)いや、ばれますって

      (‥ )問題ない。

:本を読んでまで調べる人間は少数
:本を読んで調べた上で、さらに裏までとる人間はもっと少数
:本を読んで裏までとって、間違い、ねつ造、思い込み、勘違いに気がつく人間はさらにさらに少数 
 
      (‥ )恐れることはありません!!
 ∧∧
( ‥)恐れなさいよ。

 まあなんだそういう極少数派が何の脅威にもならないのは疑いない(あくまで売り上げ的には、という意味でね)。

 ∧∧
( ‥)はい、質問です。
  -

      (‥ )なんですか?
 ∧∧
( ‥)売り上げ的にはともかく、
    人としてどうなんですか?


 大丈夫、みんなを幸せにする時間と夢を売っているのです。そう言えば問題ない。

 ∧∧
( ‥)まあ、溜飲を下げる方がいらっしゃるやも
    しれませんけどね。

      ( ‥)逆にいえばあれだな、皆の溜飲を下げる内容を
        -□ 淡々と、しかし扇動的に書けば勝利だな。

 でっ? どう書けば溜飲が下がるのだぞなもし?
 
 
      (‥ )夢って言葉はだいっ嫌いなんだ。
 ∧∧
( ‥)ゆがんでますねえ。

 
 とはいえ、不信感が出るのにはそれなりな理由もある。その溜飲を下げるというのはあるべき行為といえばそう。問題があるとしたら

 ∧∧
( ‥)そのために嘘をつくことはないでしょうに

      (‥ )そういうこっちゃな。

 
 ではどうやってこの小言めいた世界の救済をはかればよい?

 

2010年6月8日火曜日

未来から見ればきっと一瞬

 
 ∧∧
( ‥)何かを販売して儲けを出すには・・・

    (‥ )仕入れ値や加工、輸送費、もろもろの必要経費
        例えば人件費+手に出来る利益で何かしら
        販売しなくちゃいかん。

 手にする利益が、”仕入れや生活を維持する(人件費)ために必要な金額”より下がってはいけない。

 ∧∧
( ‥)下がったら、その時点で
    その事業ははじけちゃいますね。

    ( ‥)理想的には安い人件費でそこそこな商品を作って
        金持ちに売れば、これがもう、うはうはだ。
 
 ∧∧
( ‥)でもみんなはもっと利益が欲しいし、利益の分け前を
    望むから人件費が上がりますね。

    (‥ )そうして「うはうは」終了。

 しかしバブルが終わってからもうずいぶんたつのに、まだ「収入が上がる状況になるはずだ」と思っている人がいるらしい。いやしかし、あの連中は一体、何を売るつもりなんだろ?

 ∧∧
( ‥)才能と実行力がある個人であれば右肩上がりは
    可能でしょ?

    (‥ )皆が望むそれだけの価値を生産できる
        能力と才能があればね。

 まあなんだ、それがない人間はそうだなー

1:これ以上、収入が上がるわけがないとあきらめる
2:誰かにたかって収入を増やす

この選択肢があるのかな。

 ∧∧
( ‥)誰かにたかって利益が得られるのなら・・・
    たかるでしょうね。

    (‥ )たかるだろうな。

:成功した人間にたかる
:成功した会社にたかる
:社会にたかる
:若い働いている人間にたかる
 
 ∧∧
( ‥)でも、無限にたかれるわけありませんよね?

      (‥ )そりゃあ無理だね。働いても
          たかられてしまうのなら、能力のある
          人間が働かなくなるからな。

 最小限以上働かないことが最適な解になると、昔なつかしの共産国みたいにほとんど全員が貧乏状態に収束して不満が積もる。

 反対にあまりに富が偏っても当然のことながら不安定。

 ひとにぎり大金持ちと全員貧乏の間のどこかの状態に収束(あたりまえ)

 ∧∧
( ‥)でっ? あなたのモデルだと民主制は
    知能抜きの回答探索法なんですよね?→*

    (‥ )それでこうだとするならばだ→*

:収入はもう上がらない
:才能のある人間と無い人間の間で格差は当然広がる
:たからせろという圧力は増すが、たかること自体にも限界がある
:たかることで利益が得られる有権者の数で政策は決定される


 ∧∧
( ‥)つまり?

    (‥ )たぶん、均衡状態が保たれたまま、
        あと20年ぐらい同じこと言っているんだと思う。

 税金を上げるべきだ。いやだよ無駄をなくすのが先だよ。うわ、具体的じゃねえ。埋蔵金!! アメリカ型を目指すのか? 北欧型か? パイを増やせ、いや大企業から金をとれ。公務員は甘い汁を吸っているに違いない、有権者は勉強するべき、マスメディアは怠慢、政治家は馬鹿ばっか、民度が低い、バブルの時はよかった、いやさ、愚痴こぼす前にお前、仕事してる? 

 ∧∧
( ‥)まあなんだ、税金(消費税)を上げるべきだって話は

    ( ‥)おいちゃんは、子供の頃からそういう話を聞い
        て育った覚えがあるからなあ。

 そうねえ、将来から振り返れば50年ぐらい言い続けていることになるのかな? 未来人は我々のところを馬鹿だ、アホだと言うんだろうか? いやいや、そんなこと言わないで

 ∧∧
( ‥)こんな堂々巡りのことをずっとしていたってことも
    彼らは覚えてないのでしょうね。

    (‥ )未来から振り返れば、50年なんてあっという間だからな。

 私たち自身、過去50年の記憶(読んで得た知識も含む)を掘り起こしてさっと記述したところで、それは何文字程度だろう? 50年なんて一瞬だ。

 ∧∧
( ‥)あなたはどうするんです?

    (‥ )商売するだけさ。
 

 議論に熱中する文化人を尻目に、「いらんかね?」、と路上でゴサ敷いて商品陳列。
 

安全牌の世界

 
 ドロマイト(Dolomite)の岩石学的な記載はDolomieuさん(1791年)による。

 ∧∧
(‥ )ドロミエさん?
 □-

     (‥ )なんて読むのかね? そしてドロマイトって
         記載者の名前なのかね?

 さて

 ふと思い出した。何年か前、テレビでこんなことを力説しているタレントを見たことがある。曰く、「みんなが戦争をしない、そう思えば、武器を捨てると決めれば戦争はなくなる!!」

 ∧∧
( ‥)??

     (‥ )逆に考えてみよう。

 100人の人間が武器を持っているが、お互いの武器が怖くてたまらない、そこである一人が言った。みんな一斉に武器を捨てよう、そうすれば平和だ。

     (‥ )この場合、2つの選択肢があるとする
         1:素直に捨てる
         2:捨てるふりをして秘かに隠し持つ
         どっちの利益がでかいでしょうか?
 ∧∧
( ‥)1の選択肢をとって、全員も同様にした場合、
    恐怖からは解放されるでしょうね。
     いわば軍事費の負担も減るからそれが利益に
      なるんでしょう。

     (‥ )だけど1人でも捨てなかったやつがいたら
         破滅だな。

 2の選択肢の場合、もし残りの99人が本当に捨てた場合、99人を支配できる。仮に90人しか捨てなかった場合でも、10人で残りの90人を分割できる。仮に全員が捨てなかった場合でも不利益は生じない。状況が同じだから。

     (‥ )すると1と2、どっちの選択肢が
         より安全パイだと思う?
 ∧∧
( ‥)以上の前提で話を進めるのなら2でしょうね。

 
 まあ、前提もおかしいんだろう。みんなが武器を捨てれば、というのは全人類がすべて同じ思考回路をしている、意思決定をしている、あるいは全人類の個人個人が同じ立場であって必然的に同じ出力をするだろうと仮定している(おそらく)。それはようするに人類の個人個人すべてがまったく均一な大量生産品で、なおかつまったく同じ状況に置かれているということを仮定している。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、そうでないと同じ答えが
    出てくるわけないですからね。

      (‥ )全員が同じ答えを出力する、というのは
          異常事態だよ。

 つまり前提が異常事態。

 ∧∧
( ‥)その上に、そもそも得られる利益の割にリスクが大きいから
    「武器の自発的な放棄」は選択されないと。

     (‥ )そうなんじゃねーの?
         そして最低限、現実世界はそういう風に
          振る舞っているよね。

 内乱が終了した土地で軍閥に武器を放棄しろと言う時、それは武力のもとで進められる一方で、相手は素直に応じない。要するに武力の独占と、独占に対する抵抗が起こっている、と言えばたぶん近似。

 つまりこう? 

 先のタレント(名前忘れた)の発言や発想は現実世界を説明することに失敗している(あれが本気で言っているとして)。

 ∧∧
( ‥)でもあれですよね? 「戦争のある世界、戦争が起こりうる世界」
    「武器のある世界」を平和に置き換えようとする行為は
     現実世界の否定であるのだから、それは必然では?

     (‥ )世界を変えよう、という動機や主張が
         「現実世界の否定である」としたら、
         それは「世界を説明しない原理で世界を改変しよう」
         という試みだってことだよな?

 ラジオを説明できない原理でラジオを改良しよう、そういうことと同じ?

 ∧∧
( ‥)あなたならどんな説明を提案します?

     ( ‥)ああーーー????

 例えばこう? 

 世間一般に言う「平和」とは「最も成功している戦争」である、とする(平和は戦争の極端な形であると前提する)。

 ようするにこう?

 休戦は戦闘よりも成功的、平和は休戦よりも、より成功的。

 しかしいずれの場合も軍隊が存在する。

 どう考えても「戦闘」がある状況よりも、「軍隊」はあっても「戦闘がない」状況の方が利益が圧倒的に大きい。

 そしてかつまた、いつでも戦闘がある状態に移行できる。

 ∧∧
( ‥)平和と言う概念を戦争という概念に包含するって
    言うんですか??
    なにか、賛成しかねる説明ですね。

     (‥ )でも現実世界の有り様を説明してくれそうじゃね?


 実際、大概の場合、そんなもの使いもしないはずなのに、どこの国であれ軍隊の装備と訓練を整え続けている状況は、そうだとでも考えた方がむしろ理解しやすい。

 ∧∧
( ‥)その説明からどんな結論が出てくるんですかね?

     (‥ )この世界のこの有り様は、これが安定的で
         そしてずっと続くんだろうなあ、
         という諦観。


 では、あきらめの先になにがあるなりや?

 あるいは、あきらめない先に何があるというなりや?

 

2010年6月7日月曜日

誠実なジャーナリズム?

 
 ∧∧
(‥ )誠実なジャーナリズム、ジャーナリストが
\-   日本には必要だ、そういうご意見です。

     (‥ )はあ・・・

 いやその、何言ってるんですか? 誠実なジャーナリズムってもはやジャーナリズムとは呼べないよ。

 ∧∧
( ‥)・・・ああ、とうとうそこまで言います?

     (‥ )ジャーナリズムが自分の利益を
         最大にするにはどうすればいいか?

 給料がこれ以上上がらないのであれば、仕事を最小限にすることでコストを最小限にすればいい。

     (‥ )取材しないか、取材は最小限にとどめて
         憶測と感想文を書く、
         これがジャーナリズムの最適解だ。
 ∧∧
( ‥)はあ、それが誠実でないというのであれば、
    誠実なジャーナリズムとは言葉の矛盾であると。

 より正確にはこう? ジャーナリズムの最適解は誠実さと矛盾する。

 ∧∧
( ‥)どうすればいいんですかね?

      (‥ )無茶を承知で聞きますか。

 2つの手を提案。

 ∧∧
( ‥)1つは?

      (‥ )官僚がやれ。任期は10年以上。

 ∧∧
( ‥)あまり賛成してくれる人がいるとは
    思いませんけどね、もう1つは?

      (‥ )人間やめろ。

 人間だから駄目なのだ。ただの普通の人間だから。ただの普通の人間では普通以上のことはできない。最適解から脱出できない。できるわけがない。できるならとっくにやってる。できると言うならやってみればいい。できないから。

 だから

 ただの普通以上を求めるのなら人間やめろ。

 ∧∧
( ‥)普通の人間をやめろと。
    その先は何?

      (‥ )狂気だろ?

 誠実なジャーナリズム? だめだよ、そんなこと言っているようでは。それはジャーナリズムではない。

 ∧∧
( ‥)それだと、、、その、誠実な狂気ということになりますよね?
    おかしくありません?

      (‥ )それこそが狂気。

 

アンキロサウルス

 
 
     ( ‥)アンキロサウルス完成
       -□
 ∧∧
( ‥)アンキロサウルスを描いたのは
    初めてじゃないですか?

 アンキロサウルス。メジャーな恐竜だけども見つかったのは頭骨が3つに尻尾の先、脊椎の一部、坐骨ぐらいだったよね?

 ∧∧
(‥ )記載されたのはそのうちの1つでしたっけ?
 □-  状況は是正されたんでしょうかね?

     (‥ )どうだろねえ? また調べてみるか。

 アンキロサウルス類はなあ、ものによっては相当正しく復元できるけども

 ∧∧
( ‥)ものによってはどうにもなりませんよね。

     ( ‥)頭以外はモザイクってわけにもいかんしね。
       -□

 だからこういう仕事でもないと描く機会はないよね、考えてみれば。
 

夢のない世界観

 
 ∧∧
( ‥)でっ?

     (‥ )そうねえ、次のように考えてみる

1:民主制は知性も知能もなくても(一応)機能する回答探索のツールであるとする→*

2:問題があるとする(実際にありますね)

3:問題解決の手段、つまり回答を発見したと確信する人がいるとする(実際にいますね)

4:しかし、利益と不利益をこうむる人の割合の関係で「その回答」へと至ることができない場合があるとする

 ∧∧
( ‥)ようするに、「経路」はあるのだが、
    民主制を採用しており、それが個人の利益追求の集合で
    進路決定がされる場合、その「経路」を通過しない、
    通過できない場合があると。

     (‥ )まあ、その経路が実際に通ることができて、
         目的地(「その回答」)が実現可能なプランで
         あったとしても、「そこまで至る経路」を
         集団が実際には通過しない場合がある。
 
 仕組み上、そう振る舞うって言えば良い?

 ∧∧
( ‥)例えば?

     (‥ )そーさのー

 例えばこんなことを考えてみる。

 その国の年金制度は選挙権を持っている人間のうち、実際に働いている人間の支払う金銭で運営されているとする。しかし年代ごとの人口比率が変化して、働いていないが選挙権を持つ人間がかなり多くなってしまった。そしてまた、実際に働いている選挙権を持つ人間の意思決定は(経済的な圧力がさほどでもないせいか)まだあいまいである。

      (‥ )仮にそうした場合、年金制度の維持は困難だが、
          維持した時に、利益を得られる人間と、
          得られない人間がいることになる
 ∧∧
( ‥)でも、それら2集団が受け取る利益の大きさは
    等価ではないのでは?

 ようするに、年金が消滅する、あるいは年金維持のために増税(実質的に年金切り下げ)される場合/あるいはそれがされない場合(つまり年金制度はそのまま維持される)。これらの単純な選択肢において、それぞれ2つのグループが受け取る利益/不利益は各々等価か?

      ( ‥)等価じゃないんだろうなあ。
 ∧∧
( ‥)片方には死活問題だけども、片方ではそうでもないとしたら
    それが投票、ひいては政策の決定に影響を与えるの
    でしょうね。

 この問題に限らないけども、答えや回答へと至らない場合なんていくらでもありうる。しかしこうした「理不尽」は一部の頭のいい人たちにはたまらないらしい。彼らに言わせればこう?
 
 なぜ分かり切った結論に至らないのか? ははーん、分かりましたよ。それは・・・

:民度が低い
:マスコミが問題から眼をそらしている
:優柔不断な政治家
:陰謀だ
:有権者が馬鹿だから
:戦後教育の弊害(右な意味でも左な意味でも好きに使えるよ)
:やはりここは頭のいい私/オレ/僕/我々が意思決定を・・・

 とまあ、だいたいこんな?

 ∧∧
( ‥)でも、そもそも民主制はそういう回答探索をする
    仕組みではないと。

      (‥ )自分の利益最優先の個人の集合体で、さりとて
          自分以外の人間が得をするのは許せないから
          お互いに相互監視している世界。

 そんな場合、そりゃ理想論な結論へ移動なんてしないでしょう。というか移動する条件が整っていない場所にほいほい自発的に移動していくわけがない。

 ∧∧
( ‥)でも条件が変動すれば回答へ向かって動き出す
    わけですよね?

      (‥ )20年後くらいかねえ?

 この手の失望は、たぶん、こういった問題に限らない。

 そして、理想が仕組みの都合上はじかれてしまう、そういう理想を唱える人は、人生で果てしなく遭遇する度重なる裏切りと失望にどうなってしまうのか?

 耐えかねてストレスのあまりに憤死するのか、あるいはあまりの「馬鹿さ加減」に切れて遠くの世界へいってしまうのか、さてはて?

 ∧∧
( ‥)でっ?

      (‥ )理想と夢を持つ人はいつも無惨に挫折して、
          普通の人間はしゅくしゅくと回答探索を
          続けると。

 仮にこの説明が妥当であるとした場合

      (‥ )国民は馬鹿だ、有権者は馬鹿だ、独裁制や
          寡頭制の方がいいっていうのは、あれだよな、
           理想を語る前に、現実世界の説明に失敗しているよね。
 ∧∧
( ‥)馬鹿と怒る人がお馬鹿かもしれないと?
    でも以上の説明、それ自体が妥当であることをどう論証します?


 さてー? どう論証したもんでしょうねえ。

 
    

2010年6月6日日曜日

散歩道

 
 
 ∧∧
( ‥)でっ、やはり見落としていましたか・・・

     ( ‥)出版社の校閲/校正する部署からの指摘で
       -□ 確認の問い合わせがあってね、後半部分に
         誤植の見落としが数カ所あった。
          *元ネタはこちら→* 
 
 やっぱりなあ、そうだよねえ、「誤植がない」、なんておかしなことがあるわけないんだよね(その可能性は0ではないが、経験的には0に近似と言っていいくらい確率が低い、という意味で)。

 ∧∧
( ‥)「誤植が見つからない』=「誤植がない」では
     ないですからね。

      (‥ )やはり頭がてんぱっていたんだな。

 その一方では問い合わせの最中に気がついた誤植(というか修正のとりこぼし)もあったので、

 ∧∧
( ‥)人間は「こういう文章だよね」と思い込んで
    読んじゃいますからね。

      (‥ )中身を忘れないと、誤植を「正しく読んでしまう」
          ことがあるからなあ。

 1日ばかし間を置いたのだから、後半だけ読み直そうか。

 さて

 公園にいって本を読んでいたら、”きょきょきょ、ききょきょ”と澄んで通る声が聞こえる。

 ∧∧
(‥ )ホトトギスですね。鳴かないと斬られたり
    強制されたり、待たれたりする鳥です。

     (‥ )高く澄んで、大きく、通る声だなあ
      □-  あの声を目当てに昔は飼育したりしたのかね?

 太陽が落ちて夕闇がくる時、ベンチの近くでカラスがずっとぴょんぴょん、たんたん跳ねたり飛んだり、さっと走りよったりしている。

 ∧∧
(‥ )何かを食べてますね?

     (‥ )飛んでたり芝の間にいる
         虫を食べているみたいだな。

 飛んでる虫が近くにきたので、叩き落としてみればちいちゃなコガネムシの手合いだった。

 ∧∧
( ‥)どうりでカラスさんがくちばしを閉じる時、

     (‥ )「くしゃっ!!」と音がするわけだ。

 あれ、おいしいのかね? でも彼らはカブトムシも食べるもんなあ。あれで十分ということか。

 そしてカラスのその足運び。ああ、なるほど、やはりそういうわけか。そうだよね、その可動性がないと動きがままならなくなるもんなあ。

 ∧∧
( ‥)得ることが大きい

     (‥ )散歩だね。

 

2010年6月5日土曜日

その望みの強さが門を開く鍵のひとつ

 
 データを説明する仮説は無限にある。

 ∧∧
( ‥)でもあなた達お猿さんは無限の中から
    ひとつか2、3つしか選びません。

     (‥ )しかし選んだだけではそれが正しいのか
         どうか分からない。

 論証しなければいけないけども、困ったことに論証の仕方それ自体にも方法がいくらでもある(多分、無限に存在するんだろう)。

 ∧∧
( ‥)データの質もさることながら、論証それ自体の
    妥当性が問題になりますね。

     (‥ )でだ、例えばデータを処理する方法が
         課題になるわけだけども。

 まあなんだ、認められた処理方法は無限にあるわけではなくて、例えば最小二乗法とか近隣結合法とか最節約法とかなんちゃら検定とか色々あっても、誰もが知るようにその数はさほど多くない。

 ∧∧
( ‥)逆にいうと「論証それ自体の妥当性」は
    すでに議論されていて、複数だが有限かつ
     小数個の提案だけがなされている
     すでに絞られている、そういうわけですね。

     (‥ )逆に言うとだ、これを知らないと
         無限の仮説から「それ」を選んだ正当性が
          主張できない。

 いや、より正確に言えばこう? それの正当性を主張すること自体はできるのだが、「それの正当性」の妥当性を示すことができない。主張することと、妥当性を主張することは違う(ジンバブエドルを発行することはできるが、それがアメリカドルと同等の価値を持つかは別問題)。

 ∧∧
( ‥)人殺しは禁止されるべき悪なのだから
    人殺しに包含されうる戦争も禁止されるべきである
    侵略された時の防衛戦も戦争に包含されるのだから
    防衛戦も禁止されるのが論理的である。

     (‥ )それは論理的には矛盾のない主張なんだよな。
         前にもやったネタだけど。

 問題があるとしたら防衛戦を展開する人々、軍人、政治家のみならず、蜂起した民衆にさえ、そういうことを言ったら無視されるか、最悪の場合リンチに会うだろうってだけの話で。

 ∧∧
( ‥)以上の主張をした人は言うでしょうね、
    この現実はおかしいと。

     (‥ )だがもちろん、このようにも言える。

 現実がおかしいんじゃなくてさ、あなたのその主張が現実を説明できていないだけなんじゃないの? 

 そもそも人間は「人殺しは禁止である」という原理で行動していないんじゃないの? 

 (*例えば「不利益をもたらす裏切りものや敵は排除しろ、場合によっては粛正しろ」という行動原理で動いている可能性)

 ∧∧
( ‥)要するに仮説なり理論なりが現実を説明できずに
    破綻した瞬間でもありうる、そういうことですね。

     (‥ )「チョイスした理論」を追加したデータで検証したが
         支持されませんでした、そういうことでもあるね。

 だけど人によってはそれを認めない。

 ∧∧
( ‥)なぜ?

     (‥ )知らんよ。オレじゃないし。

 だが、現実を観測する限り、「最初にチョイスした仮説や理論」にこだわるのみならず、拘泥する人がいることは事実。

 ∧∧
( ‥)支持されない仮説をチョイスし続けるのは
    疑似科学状態とか、後退的な議論をしている
    状態でしょうに。

     (‥ )それでもこだわるから拘泥している、なんだけどね。

 ∧∧
( ‥)説明になっていません。

     (‥ )彼らの心理のメカニズムを説明できないのは
         おいちゃんの責任だけども、
         彼らの心理を説明できないのはおいちゃんの
         せいじゃないけどね。

 いや確かになんだ、「これは道徳的だから良いのだ」「これは良いから良いのだ」という心理が理解できないから彼らの心理を実感することも説明することもできない、という意味では、確かに北村にも問題があるんだと言えますけども

(*紫外線が識別できない生物は紫外線を含めた色にこだわる生物の心理は理解できないという意味では、理解も説明もできない原因のひとつは「紫外線の識別ができない生物」のメカニズムにも原因があるかもね、という意味 ただし相手が紫外線を含めた光の有り様で行動する仕組みやメカニズム、それ自体を理解することは「紫外線が見えない生物」でもできる)

 ∧∧
( ‥)彼らは「これは良いものだから良い」という
    循環論法以上の根拠を示せない、そればかりか
    それに拘泥するあまり、経験的なデータを無視して
     ついには疑似科学状態に突入すると?

      (‥ )観測する限りはそう見えるよね?
          そこで最低限、こう言えばどう?

 何らかの理由で「その仮説」をチョイスしたのだが、それへの執着が強すぎて、データがその仮説を支持しなくてもなお拘泥するほど執着する場合、それは自動的に疑似科学状態になる(俗っぽい言い方をすると「周囲から浮く痛い人」になる)

 ∧∧
( ‥)・・・当たり前の結論になっちゃいましたね。

     (‥ )このネタ、もうちょい膨らむと
         思ったんだがなあ。

 ただ、こう言うことは可能? 

 何らかの理由で執着する仮説を持つような傾向がある人は、その動機やジャンルがなんであれ、その条件を満たしうる局面で疑似科学状態に突入しうる。

 ∧∧
(‥ )911のテロはアメリカ政府の自作自演であるという
\-   ロジックまで用いて反戦運動をしている人がいるみたいですね。

     (‥ )911自作自演説って色々な立場の人が
         言うもんだけどね。

 知り合いにも反米的?な人でそれを言っていた人がいたなあ。ようするに日本に干渉できる大国の数はごく限られていて、その筆頭であるアメリカに対する反感が「911自作自演説」をチョイスした原因であろうと推測。

 ∧∧
( ‥)それが反感であろうが、平和を願う望みであろうが、
    疑似科学へ至る原因になると?

     (‥ )いやだって、反証的なデータがどんどん出てきても
         執着するくらい強い望みがなければ疑似科学状態へと
         至らないわけだろ?

 だったら望みの強さが疑似科学へ至る原因(のひとつ)になるのであって、望みの内容は関係ない。

 ∧∧
( ‥)願いが強ければ疑似科学という異界への門が
    開くってことですか。

     (‥ )願いが強ければ、だけじゃないよね。

 願いが強いだけで至れるのであれば、ほぼすべての人間が自動的に疑似科学へと至るはず。

 ∧∧
( ‥)生きようという望みと死への恐怖、死を回避する願いは
    何よりも強いですからね。

     (‥ )たぶん、発動する条件を列挙すればこう?

:群がる反証を無視するほどの強烈な願いと望み
:誤った仮説をチョイスした場合でも淘汰されない
:仮説の妥当性を計る方法論(データからグラフを描く)を持たない

 ∧∧
( ‥)まあねえ、望みが強くて淘汰されなくて
    妥当性も計れないのなら固執を存続できますからね。

     (‥ )根本的には「その仮説が間違っている」が
        根っこにあるんだろうけども。

 でもまあ、あれだ。現在チョイスしている仮説が間違っているかどうかをあらかじめ知るすべはないのだから(天動説は数千年間存続したがその大部分の期間はまっとうな仮説だったよね)、以上の条件がそろえば疑似科学状態に突入でオッケー? あるいは近似?

 ∧∧
( ‥)ようするに反証的な事例を無視し続ける(続けられる)
    条件さえ整えば。

     (‥ )いつ、誰、どこ、何、どうやってを
         問わずに疑似科学発動。
 
 その望みの強さが鍵のひとつ。鍵がすべてそろえば異界への門が「ひらけごま」。

 そして天使がやってきてこういうに違いない「差し出せ、さすれば転成して望みの姿を得られるだろう」

 ∧∧
( ‥)望みが強ければ。

     ( ‥)人は差し出してしまうだろうな。

 その才能と想いが強ければなおのこと。

 

おかしい

 
 テキストデータを読み直す。自分の原稿ではないけども、誤植などの発見が仕事。

 
    ( ‥)なんか妙だよな
      -□
 ∧∧
( ‥)何が?

 言葉の言い回しや、接続詞の間違い(「もっとも、〜〜は・・・であったのであるが」の「もっとも」が「最も」になっている箇所など)や、名詞の間違い(ニュルンベルクがニュールンベルクと表記されている、など)は補正しているのだけども・・・

(*注:このblog記事の「以上の部分」を書いていたのがだいたい3:30(blog記事の時刻が3:37になっているのはそのせい) 以下は該当のテキストに赤を入れ終えてメールで送った後の8:00以後より作成)

 
    (‥ )なんていうの? もっとあからさまな誤植が
        見当たらないというの?
 ∧∧
( ‥)ああ、そういう心配?

 普通、誤植ってものは、どうやっても出現するものだ。

 ∧∧
( ‥)見つかるはずのものが見つからない
    これはおかしいと、、、

    (‥ )思うわけなのよ。


 よもやと思うが

     ( ‥)誤植が見当たらないというのは
       -□ 誤植を致命的に見落としているということでは
         ないのか???
 ∧∧
( ‥)さもなきゃ、あちらですでに十分、
    チェックされていたってことですね。


 そうねえ、この原稿自体はすでに赤を入れて返して、それが修正されて戻されてきた2回目のチェックだから、北村も含めて幾人もの人間がすでに複数回見ているわけで、、、

 ∧∧
( ‥)誤植が少ないのは当然でしょ?

     ( ‥)いや、しかし、それでも起きるのが誤植だし
       -□ あるはずだと思って探しているものが
          見つからないのは恐怖であるよ?

 
 初回赤の訂正し忘れか、あるいはこちらの見落としミスかと思われる「直っていない適切でない単語」とかは幾つか見つけたけども、誤植らしい誤植がなあ・・・

     (‥ )あっ、でも2足歩行が2速歩行になっている
      □-  箇所を見つけた。
 ∧∧
( ‥)よかったですねえ。
    少しは安心しましたか?

 
 いやどうだろう? 誤植らしい誤植が皆無か、あるいは皆無に近い、発見できないなどというのはやはり逆におかしいと思う。

     (‥ )頭がてんぱっているのかな?
 ∧∧
( ‥)ああ、とうとう自分の頭を疑い始めましたね?

 

2010年6月4日金曜日

理想セールスマン

 
 民主制はチョイスされた政策立案者の提案の正否が得票にフィードバックすることで集団の進む向きが決定され、究極的には答えに辿り着きうる仕組み(だと思う)(*もちろん局所的な解に迷い込んでしまうとか、ライバルに負けて消滅するとか、提案の正否と関係ない要素で方向が決定されるとか、そういうことは当然ありうる)

 理想は現象を説明するモデルそのものではなく、単なる目標。目標が目標そのものの価値を保証しないように、理想も理念それ自身の価値や妥当性をまったく保証しない。掲げられた理想的な答えは、そもそもそれが現実に動作するのか分からない(*もちろん、提案者は動作すると信じてはいるらしい)


 そうであったとした場合、以下、しばしば聞く疑義に以下のように回答が可能?

:独裁制や寡頭制の方が民主制よりも効率が良い 
A:今さらながらですが当たり前ですね、それ

:民主制は答えに到達するのがじれったいほど遅い 
A:同上

:なぜ分かり切った答えに辿り着けないのか? 
A:時間がかかるシステムですから同上


 ∧∧
( ‥)でっ?

     (‥ )さらに幾つか仮定を持ち込むと
         以上の想いを次のように解釈が可能。

:独裁制や寡頭制の方が民主制よりも効率が良い
→もっと早く分かり切った答え(オレ様答え)に到達したい

:民主制は答えに到達するのがじれったいほど遅い
→同上

:なぜ分かり切った答えに辿り着けないのか?
→民主制では原理的に答えへと辿り着けないのではないか? という疑問

 ∧∧
( ‥)はあ、それで?

     ( ‥)先の前提から、この想いに対して、
         しかし次のように疑義を唱えたとする。

:分かり切った答えとやらは、自然に到達できる到達点なのだろうか?

:分かり切った答えとやらは、そもそも現実世界において動作するのだろうか?

 少なくとも動作することを経験的に論証してから提案してくれないと「分かり切った答え」とやらは評価できない。それだけでは、提案者はまるで性能を声高に述べるだけで商品を理解していない出来の悪いセールスマンのように見える。

 要するに先の想い「民主制は以下云々」はつまるところ


     (‥ )到達できることも、動作することも保証していないが
         本人はそれを確信しているゴールに早く辿り着きたいのだけど
         民主制(ひいては有権者その他)がそれを
         邪魔しているのだ!!という絶望の発露だと推論。
 ∧∧
( ‥)根拠無き信念の実現がかなわず、
    フラストレーションがたまっていると?

 
  そうしたフラストレーションの様々な言い様を要約すればこう? 民度が低い、マスコミは政府と癒着している、マスメディアは民主党を叩き過ぎ

 ∧∧
(‥ )挫折に色々な説明が出てきているのは事実みたいですね
\-   でも妙なことに理想の賛成者は理想を点検するというよりは
     民度の問題や陰謀論を唱えているようにも見えますけども。

     (‥ )そりゃあ、訪問販売している自分の商品が
         役立たずでございました、とは言えないからな。

 いやしかし、あれだ、理想や想いが挫折する時、実は最低限の利益が絶えず生じているのでございますよ。

  
 ∧∧
( ‥)その理想や方法論は、そのままでは機能しませんでした、
    最低限そういうことは分かりますからね。

     (‥ )その経験をフィードバックしてバージョンアップに
         対応したら動作する解答に到達可能。
         できないと疑似科学状態まっしぐら。 

 挫折や失敗を経験にいかせないというのは何気ないことのようでいて、実は相当にいかれてる。

 私たちは解答を知っている。だから私たちにまかせてくれ、民主制よりも解答を知っている者による寡頭制こそ理想的ではないか??!! そう主張する人々はいつもいつも出てくるが、いつもいつも挫折して、地獄を作るか、奈落に落ちる。

 ∧∧
( ‥)ワンパターン?

     (‥ )ワンパターン。

 
 奇妙と言えば奇妙、当然と言えば当然なのだけども、あの手の人がこういう壁を突破したことはどうもないっぽい。

 ∧∧
( ‥)まあ、最低限・・・

     (‥ )突破を観測したことないよね。

 

 

2010年6月3日木曜日

理想も知能も必要とされてないんじゃないすかね?

 
 
     (;— —)もう、しばらくは神保町へいかないぞ

 ∧∧
(‥ )今月は苦しいんですけどね、また本を買って。
 □-

 帰りの電車の中では本を読んでいる人が幾人もいた。仕事の帰りに本を読むとは、物好きというかなんというか・・・

 ∧∧
( ‥)本に携わる仕事をしているくせに

     (‥ )本を読むなんて、あれは仕事だよ。

 仕事の後にわざわざ本を読みたがる(仕事をしたがる)なんて、それはきっと途方もない酔狂に違いないのさね。

 さて


 脳みそくるくると揶揄されていた人が「辞職しますね」、といって何時間が過ぎたのか。街を歩いても世界は別に何も変化していない。ああ、でも病院の近くで3人組のばーさんが「辞めちゃったわね」「今度は菅さんみたいよ」と話していたっけ。チューブがくるよ、チューブがくるよ。テレビや新聞は何をがなり立てているのか良く知らないけども、どうもそういうことらしい。

 政治が迷走を極めるものだから・・・

 ∧∧
(‥ )民主主義ってのは所詮はこんなものなのか?
\-   独裁制や寡頭制の方が意思決定としては上ではないのか?
     という疑問の声が散見されるようですが・・・

      (‥ )所詮も何も、民主主義は
          最初っからこういうものだろ?

 そもそも民主主義の歴史って理想を唱えた人々がひたすら挫折する歴史じゃないすかね?

 ∧∧
( ‥)統計的な裏付けがあるわけではないですけども、
    あなたはその(思いつきでつかんだ)仮説で
     どんな説明を試みます?

      (‥ )政策Aを提案した人間が選挙で選ばれ、
          政策Aを実行した。しかしそれで不利益を
          こうむった人が多く、結果的にその人は落選した。

 次に当選したのは政策Bを提案した人間で、その結果、不利益をこうむる人が少なかったので、結果的に政策Bを提案実行した人間は次回も当選した。

      (‥ )この場合、問題解決、集団の進路決定に
          理想は必要かね?
 ∧∧
( ‥)利益が出るか出ないかが重要であって
    理想は必ずしも必要ではないでしょうね。

 理想は必然ではないし、知能だって必ずしも必要とされているわけではない。提案とその利益、利益によるフィードバックが機能していればそれでよい。つまるところ条件さえ整えば知能がなくても問題解決をはかれるだろう(もちろん袋小路にはまる危険は当然ありうるし、知能をそなえた指導者に率いられた集団が現れたら敗北して服属するかもしれない)。


      (‥ )民主主義において理想も知性も必然でないのなら
          意思決定が効率的じゃない、とか
          分かり切った答えに辿り着けず馬鹿っぽいって、
           その指摘はおかしくね?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、もともと非能率的で知性のある生物のやるような
    行為でもないし、意思決定ですらないというのが前提なら
     そうなるんでしょうね。


 そういえばもう何十年も前にはやったというマルクス主義の本を、ルイセンコ運動の背景を知りたかったので読んだことがあったけども。

 曰く、多数決が正しい結論を示すわけではない
(*それはただの事実なので個人的にはそれ以上の正当化を求めます)

 曰く、少数派であっても答えの分かっている人が政策を実行すべきだ
(*それはかまわないが、その答えとやらの妥当性はどのぐらい? )

 ∧∧
( ‥)そしてあの人たちは答えの妥当性を
    経験的には示せなかったんですよね。

       (‥ )論理、論理って言っていたからね。
           そりゃあ経験的な妥当性は無視するよな。
           (*経験で論証することは演繹や論理とは言わない)

 論理的には示してみせましたよ、そりゃあ。単に矛盾がない体系であったというだけで(トンデモなのか使える仮説なのか識別できない)。

 しかしもちろん、それでも実行すれば実行それ自体が彼らの提案に対するテストになってしまうし、その結果たるや

 ∧∧
( ‥)無惨。

      ( ‥)マルクスバブルはとっくの前世紀にはじけて消えて、
          ルイセンコは失脚し、理想国家も
           空中分解しちゃいましたとさ。

 理想それ自体は世界の有様を説明していない。それは目標であって説明じゃないよねえ? それでは結果の妥当性を示せないし保証もしない。事実、理想は何も保証していない。

 知性も何かを保証するわけではない。知性的な解答が大間違いであることはいくらでも普通にある。そして少なくとも理想と知性を自認した先の人々の末路は無惨なもので、

「夢は妄想に、そして最後は悪夢になった。」

というやつ。

 ∧∧
( ‥)民主主義は

      (‥ )知性も理性も介在させる必要が(かならずしも)ない
          経験的な解答探索のツールだと考えてみればどう?

 そして理想がまたひとつ、必然的に挫折したと考えてみればどう? 

 ∧∧
( ‥)理想とは

      ( ‥)食えないものだね。

 その価値はオンラインゲームの架空通貨以下。

 そんなあってもなくてもどうでもいいものが挫折したぐらいどうということはない。

 はじけて散るのがいやなら成功する現実的なモデルとプランをテストしながらもってくればいい話。

 理想だなんてそんなもの、とるに足らない代物だ。
 
          

 

その人は呼吸していた

 
 「改訂 微生物のエネルギー代謝」を打ち合わせにいく電車の中で読む。


    ( ‥)電子伝達系に共役して・・・
      -□ あー、うー、やったはずだよな・・・
 ∧∧
( ‥)なるほど、あなたの学生時代における怠慢のつけが
    今ここで出ていると。

 読んでいたら、あるバクテリアは硫黄で有機化合物を酸化させてエネルギーを得るのだそうな。

 ∧∧
( ‥)硫酸じゃなくて?

      (‥ )硫黄なんだとさ。

 硫酸で呼吸する生物がいるのは知っていたけども、これは硫黄で呼吸ということですか??

 ∧∧
( ‥)硫酸呼吸(硫黄還元菌)とはその点で違うし、
    もちろん硫黄酸化細菌(化学合成菌)でもないと。

      (‥ )みたいね。反応式はだいたいこんな

 有機化合物+2水+4硫黄→2二酸化炭素+4硫化水素

 呼吸の条件を満たしているほど反応の過程が分かっているのかまでは知らないけども、はあ、こういう生き物がいるとは(Desulfuromonas)。

 昔、(気体状態の)硫黄を呼吸する異星人が出てくるSFがあったけども(*硫黄は周期表でいうと酸素と同じ族で性質が似ているので、酸素呼吸を硫黄で置き換えた、というアイデア 設定状、摂氏500℃で活動する。)。

 ∧∧
(‥ )ちゃんと論文や研究の進展を確認、理解しないといけないけど、
 □-  本当にいるんですね

      (‥ )硫黄の蒸気を呼吸するわけじゃないけど
          いるんだなあ。

 世界は広大。
 

枯山水は説明ではないですよね

 
 こんな感じ?

 文化は元になったものよりも、その出力の方が枝葉が多く、過剰装飾気味。つまり入力時にはなかったものがやたらとくっついてくる。

 ∧∧
( ‥)科学は?

    (‥ )現象を説明できるなにかざっくりした傾向を
        切り出してくる感じ?

 考えてみれば当たり前で、複雑怪奇な方程式なんて使い勝手が悪いことはなはだしいし、そんなものは時にはなんでも説明できてしまうので、

 ∧∧
( ‥)いわゆる反証不可能状態に
    陥ると。

    (‥ )つまり間違っているのか間違っていないのか
        分からないから、だめだー、とね。

 つまり

 文化は過剰装飾

 科学はシンプルがベスト

 ということ?

 ∧∧
(‥ )えらいシンプルな文化もあることは
\-   あるみたいですが・・・

    (‥ )抽象画とか枯山水みたいにかい?
        でもあれは説明ではなくてむしろ表現だよな。

 とはいえ、表現とは、あるいは世界観の説明かもしれない。

 しかし個人の世界観の説明は世界の説明ではないとも言える。

 ∧∧
( ‥)科学の世界観ってものもあるでしょ?

    (‥ )仮に「世界を適切に説明できるシンプルな仮説を良しとする」
        が世界観というのなら世界観なんだろうね。


 外部の現象を説明する仮説を発見、検証するにおいて適切と思われる方法論
 

 私は世界をこう受け取りました、私が見る世界の有り様とはこういうものです


 どちらも世界観というカテゴリーには包含できるかもしれないけども(世界を受け取った、見回した、という意味では共通点があるのでそれでくくれるという意味)、しかしずいぶん違うよなあ。
 
 つまりこう言えばより正確?

 世界を説明するベストをチョイスする方法論と、私は世界をこう受け止めましたという思いの間には距離がある。そういう意味では、

 ∧∧
( ‥)科学は世界をシンプルに説明することを発見し
    文化は自分を出力して表現する営みであると。

      (‥ )だから文化はしばしば過剰装飾、あるいは逆に
          そのチョイス不明な過剰削減に至る、これが近似?

 当たり前の話だけども、枯山水の海、山の表現は、海、山という現象の説明ではないよなあ。

 砂利にしかれた溝の列は波の表現、ひいては水の表現かもしれないが、水や波という現象の動態を説明する仮説であるとはとても思えない(実際、記述できない)。

 ∧∧
( ‥)科学と文化が対立するのは当然かもしれませんね。

     (‥ )野山をめぐる野蛮人と都会で詩を吟ずる貴族様とは
         相容れないものなのよ。

 
  公園へいったら朝の鳥の声とカエルの声は美しかった。詩吟をろうろうと詠うばーさんがいたけども、彼女は鳥の声をたぶん聞いていない。
 

 

2010年6月2日水曜日

すずめ

 
 
     ( _ _)・・・・
 ∧∧
( ‥)あら

 詰めが甘いのでテキストは後で見直そう。

 日が長いので、ようやく外が暗くなってきた。しかしついさっきまでまだ太陽は明るく、すずめがチュンチュンとベランダの先で騒いでいた。

 ∧∧
(‥ )食べ物なんかありましたっけ?

     (‥ )さてねえ??

 見てみると買って植え替えたキャベツの苗の近くに降り立ち、頭を振りながら頭の横についている眼で覗き込むような仕草をしている。

 ∧∧
( ‥)イモムシさんとかを探しているのかも
    しれません。

     (‥ )だったらありがたいね。

 実際はどうだか分からないけども。

 朝に発注した「改訂 微生物のエネルギー代謝」が届く。

 ∧∧
(‥ )amazonと運送屋さんは仕事してますねえ
 □-

    (‥ )たいしたもんだよな。


 

斬新ねえ、まあ斬新だったよね

 
 公園へいって本を読む。

 ∧ ∧
(  ̄  ̄) いいお天気です

   (  ̄  ̄)おー、空気が涼しくていいねえ。
     -□
  
 ふと本棚を開いてみたら「無機物だけで生きてゆける細菌」が出てきたから、それを公園まで持っていって、木陰の下のベンチで読み終えて帰ってきた。

 帰ってきたら。

 ∧∧
(‥ )辞任だそうです
\-
     (‥ )あら、ゲームオーバー

 そうかあ、これ(→*)を書いて10時間あまり後でこういうオチでしたか。

 ∧∧
( ‥)あなたの予想(半年もたない)を2ヶ月以上
    延命しました。

     ( ‥)予想以上だったよねえ、すごいよねえ。
       -□ 人間やればできるもんだな。

 どっかのネット記事(*)によれば事業仕分けは斬新だったんだそうだ。ああ、そうねえ、斬新でしょうねえ。”あの”資料をそのまま受け答え。そりゃあ斬新だよね。おいらにゃ、あんないい加減なことはできませんですよ(資料にはちゃんと眼を通して裏をとろうよ、完璧は無理にしても簡単でいいからさ)。

     (‥ )ああいう記事を見るにつけ思わないかね?
         ジャーナリズムって良い職業だ、
         取材しなくたって記事が書けるから。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、そうである場合もあるんでしょうね。

 「ノーベル受賞者の発言がひどいよぷんぷん」とか書いたりするんだ、これが(複数)。

     ( ‥)あれ、感想文だよね。
 ∧∧
( ‥)まあ、そうかもしれませんね。

 
 普天間が致命的か。口蹄疫ってマスメディアにとって本当にどうでもよかったんですね。

 

 

それはスパンジュールではないという推論

 
 仕事を始める前にひさかたぶりに明け方の公園とその広場へいく。それなりに晴れていはいるものの、月が明るくて星がよく見えない。

 ∧∧
(‥ )西の空に立って沈んでいく、うしかい座、
    天頂で輝く夏の大三角形、見えにくいけどヘラクレス座
    東にあるのは登り始めたペガサス座ですね

    (‥ )つまり山羊座も見えているはずなんだが、月が
        近すぎて、星が幾つか分かるくらいだな。

 明け方なせいか人工衛星を6つ見た。

 ・・・・まあ、人工衛星を6つ見た、というのはある意味ではおかしな言い方かもしれないけれど。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )見て、そこから超高解像度の望遠鏡で視認したわけでもなく、
        あるいはすぱーんと飛んでいって人工衛星であることを
        直に確認したわけでもないからさ。

 空を、のそーーーーっ、と横切る光る点を見て、ああ、人工衛星だな、と推論しているだけと言えばだけ。

 ∧∧
( ‥)光点の正体が高空を飛ぶ妖精スパンジュールでも
   エイリアンの宇宙船でもいいっちゃいいわけですからね

    (‥ )一番妥当な推論は人工衛星なんだけどもね。

 *スパンジュール、以前ちょっと聞きかじった妖精さん。航空機に不具合を起こすグレムリンの発展型で、超高高度を飛ぶ航空機や宇宙船に不具合を起こすというやつ(というか、不具合の説明のために導入された妖精さんと言うべき?)

 人工衛星(厳密には仮の推論)6つのうち、1個は周期的に、でもやや不規則に暗くなったり明るくなったりした。

 ∧∧
( ‥)なぜでしょうね? 回転しているとか?

    (‥ )さあ? 複雑で、でも規則的な形をしていて、
        光をぴかりぴかりと規則的に反射するとかかね?

 天空を飛ぶものには、たとえそれが人工物であっても不思議がそこにある。


 

2010年6月1日火曜日

他人の命は自分の時給100円ぐらい

 
    ( ‥)・・・・
 ∧∧    -—
( ‥)あっ、機能再開


 世間に回帰しよう。というわけで浮き世を眺めてみれば政権がいよいよやばくなってきたっぽい、少なくとも支持率の上では。

 
    (‥ )でもあれだ、素人集団がよくもったよな。
        半年前の政権交代の時は、今度の内閣は半年もたないに
        1万賭けるね、とはったけど誰も勝負に
         乗ってくれなかったっていうのになあ。
 ∧∧
( ‥)おいちゃんは賭けに負けちゃいましたね。
    まあ、成立はしなかったんですが。

 夏には選挙がねえ、しかし大勢は変わらなかろうなあ。

 ∧∧
(‥ )そうですか? 事業仕分けのトンチンカン具合から始まって
\-   普天間、口蹄疫と処置なし状態、「脳みそくるくる」と
     揶揄されまくってますが・・・

     (‥ )そういう時にこんな話

 ブッチー(馬鹿息子の方)がイラクに攻め込んだ時、支持率急増。しかし、戦争には楽勝したが、どだい無理のある進駐(戦略的に大失敗って言うの?)で犠牲者がばたばた出る出る。ベトナムみたいに背後に対立する超大国がなかったせいかそこまでひどくはならないけども、状況最悪。

     (‥ )でも2期できたよね?
 ∧∧
( ‥)ああ、まあ。

 でもリーマン兄弟の後、共和党は大敗。だからこんなモデルを提案。

     (‥ )他人の命は自分の時給に換算すると
         その価値は100円ぐらい。
 ∧∧
( ‥)ああ、自分の収入>戦争の犠牲者(数千+数万あるいはそれ以上)
    というわけですか・・・・。

 実際のレートはもっとひどいかもしれない。

 ∧∧
( ‥)だから、もっと状況が悪化して
    皆の給料に影響がでるぐらいにならないと
     大敗はしないと? そうですかね?

     (‥ )ひとつの提案。

 ∧∧
( ‥)あなただったらどんな人に投票します?

     ( ‥)そーさのー

 信念がなくて、自分が馬鹿だと分かっているので簡単に官僚へ丸投げしちゃう人。

 ∧∧
( ‥)・・・・・

     (‥ )信念があったらどんなに”反証”があらわれたって
         方向性を変えないだろ? そんなやつはトンデモと
         区別ができんし、こっちの要望を聞かないぜ?

 自分が頭いいと思っている奴は話にならない。書類の不備も気がつかないのにそれを鵜呑みにして政治主導だって言っちゃうぐらいなら、官僚に丸投げした方がずっといい。

 ∧∧
(‥ )民主党は科学や医療に弱いって意見もあるみたいですが
\-
     (‥ )官僚が勘違いして作った書類をまんま
         使っていたというケースが1件はあるけども・・・

 そもそも自分たちで考えるからいけないんじゃね?

 ∧∧
( ‥)考えるなと?

     (‥ )考えると言うのなら膨大な書類を見なくちゃいけない。
         それができないのなら、できるやつに丸投げしろって
         ことさ。

 文字が読めない/読まない奴よりは、時に勘違いするにしても、文字を読める/読む奴の方がまだまし。

 ∧∧
( ‥)だから馬鹿で信念のない人を選ぶと。

     (‥ )信念がなくて自分が馬鹿だと自覚している人間を選ぶ。
         それができることの精一杯。これが近似?


 ∧∧
( ‥)でもさ、私は馬鹿で信念がなく、官僚に丸投げしますが
    次期の選挙で落選したくありませんので、
    皆様の声次第ではよく審議した上でご要望がなるたけ
    反映されるように努力する所存でございます、なんて
     言う人います?

     (‥ )そこ、見極めが難しいね。


 だから民主主義は難しいんだな。

 

エビの尻尾

 
 
    ( ‥)・・・・・・
      -/
 ∧∧
( ‥)寝たら?

 さて

 「エビの尻尾に良く似ていて・・・」と文章を書く。エビの尻尾・・・・・。

 
     (‥ )一般的にはエビの尻尾で通じるんだけどね
 ∧∧
(‥ )手持ちの資料では、あそこはAbdomenです
 □-

     (‥ )abdomen ようするに腹部だね。
 ∧∧
( ‥)尻尾って狭い意味ではものすごく固有な
    特徴でしょ?

 そうね、肛門よりも後ろに体が伸びる、それを尻尾というのなら、尻尾はほとんど脊索動物に限られる固有の形質じゃなかったっけ?

 ∧∧
( ‥)まあねえ、エビやカニさんのお尻の
    穴は・・・・

     (‥ )体の末端に開くもんな。

 尻尾、それに関しては最低限こう言える。エビの尻尾と呼称される部分はネコや魚の尾部とは明らかに違うよ(エビの”尻尾”には足が生えているがな)。

 ∧∧
(‥ )まあ生物学辞典とかでは「比較的単純でしばしば細長い形態を
 □-  とる体の後半部」とありますけどもね。

    (‥ )でもcauda なんだよな。

 tailとも書かれておりますけども。

 ∧∧
( ‥)・・・・

    (‥ )・・・・


 ああ、そういえばいたねえ、サイエンスライターは分かりやすさと正確さを求められるのですーーーとか力説してたおっさん。

    (‥ )あの彼にエビの尻尾が・・・って言ったら
        なんていうのかね?
 ∧∧
( ‥)聞き流すんじゃないんですか?
 

 
    (‥ )・・・・・
 ∧∧
( ‥)例えばの話です。

 
 正確ねえ、あの言葉はあまり正確な言葉じゃないよね。それともあれか、正確さを馬鹿正直に追求するのはしばしば実用的じゃないってことか。本来はゴールしか示していない単語だし。

 だが、考えても見れば、”正確さ”、とは目標地点までの距離を競うべきものであって、そういう意味で正確(実は目標地点までの距離を言っている)と言うのであれば、実用的になる? それでいいと思えるけども。


 ∧∧
( ‥)まあ、正確さと分かりやすさが
    トレードオフって状態なんですが。

     (‥ )つまるところはそういうことであって、
         「エビの尻尾のように」という表現をすることに
          迷いはないのだけどね。

 単にその言い回しは正確じゃないよね、ってだけの話。

 しかし、それはいつものことだけど、ああ、またこういうことをしている、そう思う。



 そしてこうも思う。あのおっさんは深いことを言ったのか? それともただの能天気だったか?

 ∧∧
( ‥)どっちでしょうね?

     (‥ )さてねえ?

 
 

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