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2013年11月1日金曜日

あらゆるシグナルを等価とみなし、すべてを分け隔てなく

 
 ∧∧
(‥ )トトロはサツキちゃんを見て
\‐  ほっぺを赤くするから
    おっさんくさくて
    下品でいやだそうです
 
 (‥ )そりゃあ、トトロというか
     大トトロは
     おっさんだからな
     見た目からして
     おっさんだしな、
     というか、
     あの、おっさん臭を消したら
     ただの化け物になっちゃうし
     つか、怪獣ですよ怪獣。
     あの爪、見てくださいよ。
 
 それに、小さなメイちゃんを見てほっぺを赤くしたらもっとまずかろう。それはもう犯罪です。
 
 ∧∧
( ‥)とはいえ、いやだそうです
 
  (‥ )人は十人十色
      何かを見れば色々なものを
      想起する。
      それは思い出だったり、
      懐かしさだったり、
      トラウマだったり、
      色々よな。
 
 人によっては、可愛い、賢い、幸せな女の子、という存在を見ただけで、自分の不遇と理不尽な扱いと己の老いと風貌を思い出して絶望する。
 
 トトロに限らず、キャラクターを生かすために与えられた属性がある。それはかっぷくの良い、頼りがいはあるが優し気でぼんやりした、しかしなにか生々しい”おじさん”という属性であったりする。
 
 その生々しさや血の通った有様を多くの人は受け入れるが、しかし、それを恐怖したり、嫌悪する人もいる。もちろん、いやな想起には、当然、なにか理由があるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)反対にそういうのが希薄な
    キャラクターもいますよね
    希薄だから逆に際立つ
    それでキャラが立つ人
 
  ( ‥)ビッグオーのドロシー
    ‐□ とか、そうだろうね。
 
 うまいリンク先が少ないけども例えば以下
 
 =>R・ドロシー・ウェインライト 【ピクシブ百科事典】

 
 ∧∧
( ‥)...彼女はメカやがな
 
  (‥ )でも、あの子可愛い….
      いやなんと
      表現すればいいんだ?
      まあ、可愛いじゃんよ
 
 おでこを引っこ抜かれて、抜け殻になっちゃって、ごろりん、と転がっている有様などは、なかなかに素晴らしかった。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは生もの嫌いか?
 
  (‥ )いやいや、私、
      菜食主義者では
      ございませんですよ
 
 とはいえ、人間の露骨な有様、理性の枠を越え、我慢の限界を決壊させて、「これはいやっ!」 吹き出る人の奔流を見ると、とさすがにひるむ。
 
 ああ、少なくとも自分には、仕事に使えそうにない感情の奔流は、けたたましいノイズにしか聞こえない。ここから、どんな情報が抽出できるというのだろうか? そう手をつかねてほとばしる流れをただ見てしまう。
 
 ノイズはゼロにはできないし、ノイズにこそ、重要なシグナルが混ざっていることもある。しかしそのシグナルがつぶしの効かない絶望の叫びだったら、ではなんとしたら良いものなのか?
 
 ∧∧
(‥ )生の奔流、それはしばしば
\‐  ノイズであり雑音、
    応用の効かない個別の羅列
    でも、それこそが
    人間なんでしょ?
 
  (‥ )経験から自由になれない
      憎しみ、恨み、渇望、
      喪失、あこがれ、
      経験が人を作るなら
      そこから自由にはなれない
      そして、
      ふとしたはずみで
      爆発するのだな。
      だが、それこそが
      その人の有様であり
      その人そのものともいえる
 
 そんなもの、当人ですら望んではいなかった。
 
 しかし、不本意と言えども、それが望んでいないことであっても、それはやはりそういうものなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そして人によって生の奔流
    感情の爆発のきっかけは
    サツキちゃんを可愛いなあ、
    と愛でるトトロであったり
    するのだと
 
  ( ‥)人生様々ね
    ‐□ でもあれよね、
      メイちゃんも
      サツキちゃんも
      まったく同等に扱う
      存在ってのが本当にいたら、
      年端もいかない幼子と
      思春期の入り口に来た
      女の子、
      この両者を区別しない
      知的存在がいるとしたら、
      それはやっぱり
      人智を越えた化け物だよな
 
 
 本当に人間に対して分け隔てなく平等に接する存在は、人間の発するあらゆるシグナルをすべて、無意味、無価値、等価と見なすような存在だろう。
 
 ∧∧
( ‥)多分、不死、不滅、全能、全知
 
  (‥ )意味も無く女の子の腕を
      へしおったり、
      死にかけの老人に
      大量の金銭を振りまいたり
      町をひとつ消したり、
      もぎとった人間の首で
      塚を作ったり、
      田んぼの収穫を全部、
      たわわに実った麦に
      取り替えたりするだろうな
 
 人間の涙も笑いも喜びも風貌も賢さも愚かさも美しさも醜さも、どれも等価と見なす、それはそういうことのはずだ。
 
 美も醜も、賢さも愚かさも、どれもまるで区別しないのなら、生と死も、子供も死体も区別しないだろう。
 

 
 

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