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2013年11月7日木曜日

ロジカルシンキングという病

 
 予測するに、ロジカルシンキングを唱える人間は、統計的な因果関係の論証を理解できない。
 
 ∧∧
(‥ )そもそも論理は因果関係を
\‐   説明できないと
     言いますね
 
  (‥ )ボールを蹴飛ばしたら
      ボールが動いた、
      これ自体は単なる事実だが
      ボールが飛んでいったのは
      蹴ったことが原因である、
      これを論理で示すことは
      出来ない、という話ね。
 
 以上を踏まえて端的に言うと、ロジカルシンキングというのはただの間抜けなたわ言。
 
 まあ、そんなことはどうでも良い話で
 
 ∧∧
( ‥)注目したいのは、
    論理で原因を説明しようと
    すると、
    一体全体、何が起こるのか?
    そこにはどんな困難が
    待ち受けているのか?
    そこですか。
 
  ( ‥)ボールを蹴る
    ‐○ ボールが動く
 
 ボールを蹴るという動作がある
 ボールが動くという現象がある
 この二つが同時に起きた
 
 これを? 演繹的にどうしろと?
 
 ∧∧
( ‥)動作と現象があるだけだね
 
  ( ‥)どうにもならん
    ‐……..○
 
 こういう原因と結果、それを演繹や帰納でどう論証すれば良いのか?
 
 ∧∧
( ‥)ボールを蹴ったらボールが
    動いた
    ボールを蹴ったらボールが
    動いた、
    帰納的に言えば
    ボールを蹴るとボールが動く
    これは一般化できますかね
 
  (‥ )でもこれもやっぱり
      ボールを蹴る
      ボールが動く
      この二つが同時に
      起こるというだけ
      なんだよね
 
 ボールを蹴るとボールが動く
 
 つまりボールを蹴ればボールが動くだろうから蹴りました
 
 ということは言えるし、出来るが、
 
 ボールを蹴ることがボールが動く原因であり、ボールが動く原因はボールを蹴ることである
 
 ということにはならない。
 
 *言い換えれば、ボールを蹴るという動作はボールが動くという結果の原因である、この文章から結果とか原因という部分を取り除いてしまえば、帰納でも扱える範疇内の話だ、ということになる。しかしこのことは、原因と結果という部分が帰納でも演繹でもない部分。つまり論理的な飛躍である、ということに他ならない。
 
 ∧∧
(‥ )帰納を使った一般化から
\‐  このボールも蹴れば動くだろう
    とは予測できるし、
    実行もできるけども
 
  (‥ )それもやはり
      動作と現象、この二つが
      同時に起きている
      というだけなんだよな
 
 二つの現象が同時に起きる=二つの現象は原因と結果である、ではない。
 
 人によっては運動量保存の法則というものがあって、そこから演繹すれば、と言うのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)運動量保存の法則って
    どうやって導きだしたの?
 
  (‥ )ボールを蹴る
      ボールが動く
 
 運動量保存の法則は、別に因果関係を論証する理論ではない。因果関係がある、と仮定したかもしれないが、それは仮定であって、法則が述べているのは、二つの現象には数的な比例関連があるよ、というそれだけだ。これは因果関係の論証でも証明でもない。
 
 ∧∧
(‥ )これとこれが原因だ、
\‐   という因果関係の推論は
     演繹や帰納からすれば
     論理の飛躍以外の
     何者でもない
 
  (‥ )ロジカルシンキングの
      胡散臭さはここにあるよな
 
 ロジカルシンキングは演繹だ、帰納だ、と人は言う。だが困ったことにそんな論理ごときでは、原因すら説明できない、だのにロジカルシンキングで原因究明とか言い出す人がいる。これは自分たちが何をしているのか、そのことに無自覚であること、そして恐ろしく雑なことをしていること、それを明白に示している。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも”原因”とか
    ”因果関係”とかは明瞭なもの
    ではなくて、
    統計的なものですよね
 
  (‥ )問題はここにもあるな
 
 ロジカルシンキングは統計を説明できるか?
 
 ∧∧
( ‥)無理だろうと
 
  ( ‥)統計というのはね
      データからグラフを発見する
      という動作だよね
 
 これは演繹や帰納では正当化できない。
 
 というと、やはり問題に立ち戻らなければならない。
 
 ∧∧
( ‥)ロジカルシンキングとは
    ではなにか?
 
  (‥ )人を論破するための
      テクニックで、
      それ以上ではない
      そう考えるべきだろうな
 
 考えてみれば論理的に見える弁舌で人を惑わす技術は、それこそ古代ギリシャで疎まれた技術であって、あるは春秋時代の韓非子が批判したことでもあった。
 
 ∧∧
( ‥)ロジカルシンキングとは
    その末裔だろうと
 
  (‥ )というかだな、
      ありがちな人間の
      ありがちな限界、
      そして
      ありがちな人間の
      ありがちな理論武装、
  
 それがロジカルシンキングとかいう厚化粧の正体だ、そう考えるべきなんだろう。
 
 まあ、でも、そんなこともどうでも良い話なのだ。因果関係はうまく説明できない、この指摘は、実のところ結構古いネタであるから。
 
 むしろ、そんなことをよりも
 
 ∧∧
(‥ )統計学を論理で考える時に
\‐   何が起こるのか?
     というのも課題ですかね
 
  (‥ )帰納や演繹、
      ロジカルシンキングでは
      統計は理解不可能。
      でも、実際にどんなことが
      彼らの頭脳内部で
      起こるのか?
      注目に値するのはここ
      だろうね。
 
 
 
 

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