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2016年5月30日月曜日

遺伝子は神託ではない ゆえに滅すべし


 時々曰く、次のように言う人がいる
 
 人種間の遺伝的差異などほとんどない。

 人種は存在しないし、人種という概念は否定されている。
 
 
 ∧∧
(‥ )...これ自体は正しいこと
\−  なんですけどねえ
 
  (‥ )問題は
      これを言う人たちが
      科学は道徳や倫理を
      正当化する道具だと
      思い込んでいるらしい
      点だよな
      
 科学は道徳や倫理を正当化したりはしない。現実はこう振る舞っているよ、と教えるだけである。
 
 ここを勘違いするとおかしなことになる。
 
 例えば、生物は自分の子孫を残すようにふるまっている。そのためありとあらゆる残忍な行動が進化してきた。
 
 遺伝的に道徳的が正当化されるのであれば、子殺しも容認されよう。
 
 ライオンの子殺しは有名である。ライオンは雌の群れが狩りをする。雄ライオンは雌の群れにくっついた紐のような存在で、雌ライオンを妊娠させる役割を果たす。まあそういう役職だと思えば良い。
 
 ∧∧
( ‥)でもそうであるから
    若い雄ライオンたちが
    その地位を目指して
    挑戦を挑んでくるのである
 
  (‥ )だからライオンの群れに
      おける
      雄ライオンの地位は
      非常に不安定だ
 
 どのぐらい不安定かというと、雌ライオンの妊娠、子育ての長さとほとんど変わらない。
 
 つまりライオンの雄には雌ライオンの子育てが終わるのを持っている時間がない。
 
 ∧∧
(‥ )だから雄ライオンは
\−  前の雄を追い出して
    群れを確保すると
    前の雄の子供たちを
    殺してしまう
 
 (‥ )生物には子供をどれだけ
     残すのか?に原因した
     残忍な行動が
     幾つもあるのだ
 
 ライオンのような例が他の動物にもあるし、ライオンと反対に、子育てをする雄を襲って、前の雌の子供たちを雌が皆殺しにしてしまう場合もある。
 
 あるいは、育児放棄や虐待が起こる場合もある。血縁でない子供を放棄したり、飢え死にさせたり、あるいは自分の子供でもそれが失敗した繁殖で、子供を殺した方がお得な場合にはつつき殺したり、そりゃあもうやりたい放題だ。
 
 ∧∧
( ‥)人間の児童虐待も
    動物のそういう事例と
    あまり変わらないのだよね
 
  (‥ )というか同じなんだよ
      人間も動物だからな
 
 もし冒頭の人の言い様のように、遺伝的な決定論で道徳を正当化しようものなら、我々は子殺しや児童虐待、育児放棄、ネグレクトを正当な道徳として認めねばならないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )人種差別はいけませんよ
\−  と言うのは
    別にかまわないけど
    人種は遺伝的な根拠が薄い
    概念だから
    人種で物事を考えてはいけない
    などと
    道徳を遺伝的に正当化すると
    人間の道徳は木っ端みじんに
    なってしまうであろう
 
 
  (‥ )それにさ
      人種は遺伝的な基礎が
      存在しないから
      人種差別に意味はない
      というのは
      諸刃の剣なんだよな
 
 地球上のいかなる人種も、遺伝的にはほぼ無視できる程度の違いしかない。
 
 これを知って、言って、ドヤ顔をしている人間は次のことを見落としている。
 
 ∧∧
( ‥)実はわずかな遺伝的な差異を
    手がかりに
    仲間を認識した結果
    できたものが人種
    だとすると
    遺伝的差異の多い少ないは
    問題の本質ではない
    自分たちが重視する
    ほんのわずかな差異だけで
    根拠は十分である
 
  (‥ )設計がほとんど同じ車でも
      色や外見のパーツが
      違うだけで
      別の文化圏とグループを
      作るからな
 
 派手に彩色され飾られたデコトラは他のトラックと同じはずだが、それは別の文化圏を作り、まったく異なる人間関係を構成するであろう?
 
 かように、遺伝的にほぼ同じだから区別などないし、区別する必要も無い、というのは正しい指摘であると同時に、まったく見当はずれなのだ。実際、問題となっているのはそこではないのである。

 そうである以上、人種差別を否定するのに遺伝的な根拠を使う必要などない。

 汝ら寛容であれ、それが汝をまた寛容に扱ってくれる根拠となろう。

 なれば、寛容でないもの、かつまた、裏切り者は滅すべし。

 道徳なんてものは、動機も根拠もそんな程度で十分。
 
 ∧∧
(‥ )それにしてもなんで
\−  ”人種は遺伝的に
    意味が無いという”
    正当化だけが一人歩きして
    いるんですかね?
 
 
  (‥ )見当はずれの指摘だけど
      事実であることが
      その理由のひとつだろう
      そしてもうひとつは
 
 非常に失礼な言い方をすれば、この正当化が阿呆向けだからだろ。
 
 ∧∧
( ‥)もう少し穏便に
 
  (‥ )安易に分かりやすい
 
 人間は遺伝子に神秘性を感じている。実際、遺伝子が人を規定するのは事実である。それゆえ、遺伝子的に人種は存在しない、という指摘は論理主義者にとって神託も同じ。
 
 それに彼らはひれ伏す。
 
 というかそんな程度のことでひれ伏してしまう人間が人種差別をしているのだとも言えるし、人種は遺伝的に存在しないと言っている人間も、神託にひれ伏しているのだから、その根っこは人種差別主義者と変わらない、ということでもある。
 
 つまるところ、人種なんて遺伝的には意味なんかない、とドヤ顔をしている人間も、裏を返せば平気で人間を優生学的に選別、抹殺するということでもあろう。遺伝的根拠を神託のごとく扱うとはそういうことだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)なればどうする?
 
  (‥ )滅すべし!
 
  
 
      

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