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2013年10月4日金曜日

えー、ぱくれば良いんじゃね? *あくまで引用という意味で

 
 今年はダイオウイカの姿が放送されたり、上野で深海展が行われたこともあって
 
 ∧∧
( ‥)仕事の依頼が少し
    ありましたと
 
  ( ‥)でも、いかにも
    ‐□ 急でなあ...
      それに、〆切が
      来年一月とかでね
 
 今年はあと2冊本を出さねばならぬ。一冊は出版自体は年を越えるだろう。そういうわけでもはや余裕もなく、断らざるをえない状況に。というか、事情を話したら、ああ、それでは無理ですね...と相手から取り下げる事例もあったり。
 
 ∧∧
(‥ )でも編集部や
\‐  編集プロダクションからすれば
    他のライターさんを探すのが
    大変じゃありません?
 
  (‥ )そうでもないさ
      ライターなんて
      掃いて捨てるほど
      いるからね。
      だから、本来ならば
      仕事の依頼は
      断っちゃいかんのだ
 
 仕事を断って他の誰かに仕事がいく分、新しい人が育つだろう。そうなれば自分なんてすぐにお払い箱だ。これは全員、誰もがそうである。確かに、世の中には自分には才能がある、誰も俺様にはかなわない、と無駄に有頂天になる人がいるけども、それはそいつが有頂天に馬鹿なだけで、現実はそんなことはない。
 
 とはいえ、一人がこなせる仕事量には限界がある。物理的に無理なことは、やはり不可能だ。
 
 一方、知らないジャンルの本を書くのは誰でも難しいけども、三ヶ月あれば不可能ではない。そういう意味では深海生物のことを本にするなど誰でもできる。自分で出来ないのは残念だけども、他人にふること自体は問題ない。
 
 ∧∧
(‥ )だからって、
\‐  ぱくれば良いんですよ
    と相手に言うなんて
    あなためちゃくちゃですね
 
  (‥ )文学、芸術ならいざしらず
      科学は引用で
      成り立っている
 
 大きさ、分布、性質、形態、特徴、食性、ここにあるのは確認された事実だけだ。
 
 ∧∧
( ‥)これを列挙することは
    正当である。というか、
    他のことを勝手に
    書いちゃだめだからね
   
 
  ( ‥)つまりだ、
      ぱくる、もとい、
      引用だけで本を
      作り出すことは
      科学や情報関係の本では
      むしろ正当なんだよね。
      余計なことを書くより
      ずっとまっとうだ。
 
 問題があるとすれば、そういう無味乾燥、かつ無色な本を作ることを、いさぎよしとしない人がいることで。
 
 ∧∧
(‥ )たくさんの文字を書かないと
\‐  原稿が埋まらないってことも
    ありますからねえ
 
  (‥ )でも元情報が足りないのに
      膨らませるってのは
      冗長であるばかりか、
      間違いが忍び込む温床でね
      危険極まりないよね。
 
 そういう意味では、引用だけで本を作れば大丈夫、と言うのもかなり怪しいことになる。引用する本自体が膨らまされていた場合、引用するだけでも間違いが紛れ込んでくる可能性がある。
 
 ∧∧
( ‥)ましてや深海生物は、
    情報が非常に限られて
    いますしね
    基本的に、書く事が
    あまりありませんし
    膨らんだり、
    間違いを引用したり、
    そういうことは多いでしょう
 
 *例えば次ぎを参照=>チョウチンアンコウ (ちょうちんあんこう)とは【ピクシブ百科事典】
 以上のリンク先では、チョウチンアンコウ類には一匹の雌に十数匹の雄が寄生する場合がある、とされている。しかし、少なくとも2009年の時点で最高記録はミツクリエナガチョウチンアンコウの8匹で、十数匹というのはあまりに破格に多い。どこからこの数が出てきたのか不明。思うに、これは話が膨らんでいる事例ではなかろうか? 例えばこういう情報を何気に本に書いたら、ではどうなるか? そういうこと。参考[Oceanic Anglerfishes] Pietsch 2009
 
 
  ( ‥)まあ、短時間で
    ‐□ 深海生物の本を作るなら
      画像を大きくして、
      文章を極力切り詰める
      余計な引用それ自体を
      可能な限り減らす。
      そんな工夫が
      必要だろうなあ。
 
 
 少なくとも、深海生物は写真さえあれば売れるので、文章なんかどうでも良い側面がある。そういう意味ではかなり恵まれた分野で、素人でもそんな難しい領域じゃない。書く事を300文字程度に限定して、注意深く書けば良いのだ。
 
 
 それにしても、どうも最近、本の制作時間があまりにも切り詰められているようにも思うけども、そこんところ、どうなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)元からそういう側面が
    あったのですけどね
    悪化してます?
 
  (‥ )分からん。確かに
      今までに聞いた最悪の例は
      5年以上前の事例だからな
      悪化は今さらでもなんでも
      ないんだけどね。
 
 *入稿の1週間だか2週間前だかに、まったくライターが見つからない、助けてくれ! と編集から泣きつかれた人が、それぞれに関して説明し、それを録音して口述筆記で原稿を上げた、という事例。
 
 ∧∧
(‥ )それだけだったら
\‐   めでたしめでたし、
     だったのですけどね
 
  (‥ )結構売れたみたいだしね
      でも、編集側が
      本の別の箇所で
      ぱくりをしてしまい
      それがばれて問題に
      なったのだ
 
 プロにあるまじき話だけども、時間がないと人はそういうことをする。引用ではなく、これは、ぱくりですよね、としか言い様がないことをしてはどうにもならん。
 
 そして、これも時間に限りがあるせい。
 
 ∧∧
( ‥)悪化してるにせよ
    慢性化しているにせよ
    この状況の出版界で
    あなたはなんとします?
 
  (‥ )差別化するチャンスと
      見るべきだろう
 
 
 

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