自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2009年10月5日月曜日

つまりこういうこと?

 
 うえへえええ。どうしたものか、メジャーな種類はいくら調べても書けるような内容が出てこない。そのくせ書けることがある種類はなんか地味ー。

    (;— —)どうしたもんですかね、この状況
 ∧∧
( ‥)はあ、まあそりゃあ研究者が研究対象にする動物が
    メジャーだったり、ペット業界で有名だとは限りませんからね。

考えても見れば研究者が鬼のように調べた生物っていうと大腸菌、ファージ、酵母、アカパンカビにショウジョウバエに線虫にマウスにシロイヌナズナに人間なわけでして。当たり前っちゃ当たり前。もうしょうがないのでOtophryneで手を打とうと決めた。

 さてはて、暇な時間に少し頭を整理してみる。

:一部のデータを過剰に重み付けしている
:データから適切なグラフを導くことができない

それはつまり、データを収集して経験的に自説を検討することができない、ということを示す。

 ∧∧
( ‥)しばしば反証不可能と表現される状態ですね。

    (‥ )まあそういうことなんだが。

ようするに帰納的に仮説を検証することが不可能(あるいは拒否している状態)

 ∧∧
( ‥)でも整合性はあるんですよね?

    (‥ )そりゃあ、極端なことを言えば、適当な補助仮説を
        導入したり、なおかつ恣意的に選んだデータだけを
        整合性がとれるように配置すれば、当然、
        整合性は損なわれないだろうね。

 ただ、データ全体とつきあわせると整合性が破綻していくってだけの話で。

 ∧∧
( ‥)でも主張している本人の内部では
    問題は生じていないと。

    (‥ )問題が生じていると自覚していることは、
        普通の状態なら大声で主張したりはしないだろ?

そうねえ、たぶん、少なくともこの手の人たちの中ではいわゆる”オレ様理論”は理路整然としていることになる。だからたぶん堂々と主張できる。

 でっ、思い出すのだが。今西錦司はこんなことを言った。ダーウィンは神と教会を打倒したのはえらいけども彼の進化理論は誤りだ。

 ∧∧
( ‥)はあ、、、あの人の理論って創造論者を否定できる
    ような性能がありましたっけ?

    (‥ )ないよ。どっちも同じだ。論文かけねーもん。
        使いものになんかなりゃしない。

面白いもんで、人間は論理的に同じではある2つの文章を、こっちは正しい/こっちは間違っていると識別できる/あるいは区別する。

:人間はすべて死ぬ
:私は人間である
:私は死ぬ

:すべての衛星はチーズでできている
:月は衛星である
:月はチーズでできている

 ∧∧
( ‥)確かにどっちも文脈は同じですね

    (‥ )どっちも論理的に正しいのだ。
        前提が間違っている(と帰納的に推論される)
        ものがあるだけで。

 誰でも以上の2つの文章の正誤は識別できる。オレ様理論を言う人たちもたぶん同じ。

 しかし、以上の2つの事例は次のことをも示唆している。

 論理は文章の正しさを保証しているだけで、現実とは何の関係もない。あるいは現実を説明できると保証しているわけではない。

 論理それ自体は現実を保証しない

 すると問題は。例えばなぜ今西錦司は”論理的である創造論”を否定できたのか? ということであって

 ∧∧
( ‥)東洋人でキリスト教徒ではないからでしょ?

    (‥ )たぶんね。

 するとこういうことか?

論理的に識別できない2つの事柄があった場合、人間は直感的に取捨選択をしているだけで、別に深く考えているわけではない

 つまりこう?

オレ様理論を言う人々は直感的にデータを取捨選択し(だから恣意的)、それら一部のデータを整合性がとれるように並べ、論理的に正しいと主張している。そのような方法で仮説をチョイスしたために帰納的に仮説を検証することができず、そもそも論理を武器にしている時点でやはり経験を無視している(帰納は演繹ではないので)。

 ∧∧
( ‥)経験を無視する以上、反論があっても認めないでしょうね

    (‥ )経験を無視する以上、経験的に検証を行うという
        研究者の考えは理解できないことになる
        自動的にね。

 さて・・・

 ∧∧
( ‥)これ自体が仮説なわけですが
    どう経験的に論証します?

    ( ‥)実験するのか、観察するのか・・・・・

 そもそもオレ様理論の主張者ってカテゴリーが実在するのかという問題もあって

 ∧∧
( ‥)灰皿の例え話やがな

    (‥ )灰皿になっちゃうねえ。

 もうひとつ、この仮説は予測を理路整然と最節約に導き出せる程の性能があるのか? それが問題だ。



分かる/分からない

 
 公園にいったら朝も早よからツユクサにハナバチが飛来。熱心に訪花中。さすが温血動物、寒さをものともいたしません。訪花されたツユクサの花をルーペで覗いたらいわゆるX字型雄しべの花粉塊が幾つかぬぐったみたいに無くなっていたのだけども、ハナバチがとっていったのか、それ自体はよくわからず。

 ∧∧
( ‥)でもまあ、花の奥に舌をいれたり、
    足でごそごそ拭うようなことはしていましたよね。

    ( ‥)まあそうなんだけどね。

 さて

 分かる/分からない。前も書いたことなんだけども、分かった、という確信は実のところ”本人が何か確信している”という以上のことは述べていない。少なくともその”理解した”という確信はそれが”妥当であるか否か”ということにまったく関係しない。

 ∧∧
( ‥)例えばマルチ商法に引っかかった人は
    ”理解した”と思った上で参加しているわけですよね?

    (‥ )端から見て、「お前、騙されているぞ」という状況で
       あったとしてもね、本人は”理解した/分かった”と
       思っている。

 つまるところ、分かった/分からない/理解した/理解できない/、これらの単語はそれ自体ではたいした意味がない。分かったというのは、

私はこれを違和感なく受け入れた

というただの信念について語っているだけかもしれないし(例:君はこれをマルチ商法というけども私はそんなことはないと確信している。)、あるいは、

私は以下の手法でデータを解析した結果、この仮説を導いた。その仮説は妥当性がすでに検討されており、仮説を導いた解析手段の妥当性それ自体については付属の説明を見よ。まあこのような理由から私はこの仮説を採用してもいいじゃねーのと思うわけですよ。でもって私はその仮説に基づいて現象を観測し、解釈しているのだけども、それに何か問題ありますかね? 

というかなり手堅いことを言っているのかもしれない(例:まっとうな論文における記述)。


 さて、時としている”考える素人”が提案する、新説オレ様理論と遭遇した時、研究者はえてしてこんなことを聞く。

 どういう根拠でそれを言っているわけですかね?

 すると考える素人は次のようにしばしば反論する

1:こんなすごい根拠があるではありませんか、なぜ無視するのですか!!
2:私の仮説は理論的ではありませんか!!
3:私の仮説は現象を説明できているではありませんか!!


 ∧∧
( ‥)まあ、こういう事例はしょっちゅうみますね。

    (‥ )見るね。共通する特徴を抜き出すと例えば
        以上のような感じになるのだが。

 でもこれらの反論が研究者にはこう見えるっぽい

1:それがすごい根拠だっていうその根拠、それ自体の正当性はなに? 不明じゃん
2:理論的であることは妥当性とは関係ないよね。理論的=経験的にも支持された、なわけ?
3:説明出来る=経験的にすでに支持された、なわけ? オレは経験的に支持されたかどうかを知りたいんだが


 とまあ、こんな感じ? そういうわけで研究者はこの手の考える素人を馬鹿扱いするというか嫌うのだけども、でもまあ、そうねえ、しかし彼ら”考える素人”の立場からすれば先の発言は当然の行動なのだとも言える。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )”考える素人”を以下のように設定する。

 データを見た時、それを説明する最も妥当なグラフを発見できない

 これはおそらく次のことを意味する

:グラフを引いた根拠が不明
:しかしグラフを引くさいに何かのデータを用いてはいるのだから、これは結果的にデータのチョイスが極めて恣意的であるということを示す
:つまるところグラフが恣意的である
:グラフが恣意的であるということは、それがたまたま最善のグラフに近いものでない限り、追加されたデータは彼のグラフを支持しない
:それでも自身のグラフに拘泥するということは追加されるデータを利用できない/あるいはあえてしない/あるいは元々そんな発想がなかったことを示す
:つまりグラフを経験的に検証することができない

 しかしそれでもなお、彼らの理屈の展開には残るものがある。

 ∧∧
( ‥)はあ、なにが残るんですか?

   (‥ )論理だけは残るでしょ。

 いくら恣意的に少数のデータをチョイスしたとはいってもデータは使っているわけだし、それらの整合性はさすがにとろうとするだろう。というか、整合性をとって作った結果が彼らの”オレ様理論”であるとも言える。問題はたぶん、用いたピースが少なすぎることなのだ。あるいは人間の脳の計算容量を越える問題なのに、暗算だけで結論を出したのがいけない。

 つまるところ総合するとこうなんじゃなかろうか。

目立つ幾つかのデータだけを整合性がとれるように組み上げ、仮説を作成した。それで満足してしまったのか、あるいは追加のデータが最初の仮説を支持しないので見て見ぬ振りをしたのか、経験的に仮説を検証することが結果的にできなくなっている。

 そして予想するに、このような人はスタンダードな研究者のやっていることは”分からない”、と言うだろう。それも信念を提示するという意味合いでしか言わないだろう。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )仮説を経験的に検証するという方法論が分からない、と
        発言するからには、経験はそこから抜けているわけだろ?

 そういう”分からない”とは検証不可能な”分からない”、ではないのかえ? 検証不可能な発言ということは、ようするに、その”分からない”とは現実世界において意味を持っていない言葉なのだ。

   

 
 


2009年10月4日日曜日

かけ算

 
 かけ算で解ける問題が目の前にある。しかし本人はかけ算を知らない。

 かけ算が書かれた教科書がある。しかし本人は読まない。

 ∧∧
( ‥)かけ算ですか。

    (‥ )かけ算って難しいんだよ?

 辺と辺をかけたら面積が出ましたとさ。話が1次元から2次元になっとる。かけ算をなめちゃいけません。

 連立二次方程式で解ける問題が目の前にある。入力すべき数値もある。それを書いた本もある(この比喩に関しては少なくとも1冊、教科書以外で言及した本がある)

 しかし本人はこれを読まない。

 ∧∧
( ‥)教えるべき?

    (‥ )本人が読めばいいんじゃない?

 実際、例えばの話、ここにはやっかいな問題がひそんでいる。パラダイムって言葉は安易だけども便利なので使うと、

 そのパラダイムを受け入れて、そのパラダイムにそって考えないと解けない問題がある。


というかそのパラダイムにそって考えないと、解けても答えの意味が分からない場合がある。

    ( ‥)というか、実のところなんでもそうなんだけどね。
 ∧∧
( ‥)まあそうでしょうねえ。

 かけ算でも連立二次方程式でも同様。値を入力する、答えがでました。実のところそれは理解などとは言わない。複雑怪奇なプログラムで動いているパソコンを操作して答えを出すことはプログラムを理解したことにはならない。PAUPを使っても、それはPAUPを理解したことにはならない。

 例えばの話。次のような事例は理解について興味深いひとつのヒントになる。

 経験から物事の一般的な性質なり答えを結論づける。いわゆる帰納法。しかしじつはこれは論理的には正当化できない。あるいは論理を演繹だというのなら正当化できていない。なぜなら一部の事柄から一気に全体の事柄を結論づけるから。それは論理の飛躍だ。

 ∧∧
( ‥)例えば、これまでの経験から太陽が明日も東から登るという
    結論を導くことは

    (‥ )以上の意味では論理的に正当化できない。
        それは証明ではない。

 だがこういうとこんなことを言う人がたまにいるそうな。曰く

 何を馬鹿な!! 物理法則から明日も太陽が登ることは明らかであり、証明できる!!

 ∧∧
( ‥)はあ・・・それで?

    (‥ )このことは次のことを示していると解釈するのが
        たぶん、妥当。

 その人は理論や法則がどのようにして導かれ、それが科学においてどんな過程に相当するのか理解していない。


 ∧∧
( ‥)かけ算を理解しないと同じ?

    (‥ )かけ算を使えるし、九九も暗記しているが
        かけ算を”理解できていない”とたぶん同じ。

 
 まあ確かに思うわけですよ。そりゃあまあ、理解ってのはこれが容易ならざることでしてね。

 
 

素人とプロ

 
 まあ、そうなんだ。素人がプロの世界に入ってきてはいけない、口出ししてはいけない。そんなことがあるわけがない。

 ∧∧
( ‥)そりゃあそうです

    (‥ )そりゃあそうだ。

 ただ、例えばの話、教科書を呼んでいない人間が、おいらは教科書以上でございます、そう言うのはまあなんというか。

 ∧∧
( ‥)矛盾ですね。

    (‥ )矛盾だな。

 ありていに言ってしまうと痛いってやつ? とはいえ、痛いというのはいかにも抽象的なのでこう言えばいい。

 確認していないことを確信を込めて言うのは主張として十分ではない。

 ∧∧
( ‥)確信を込めて”始めること”はいいんでしょ?

    (‥ )そりゃあ問題ない。

 科学の歴史なんてそもそもそんなもんだ。太陽王がいるんだから太陽が宇宙の中心でもいいじゃんよ、とか、オレ、錬金術やっているから長距離を越えて作用する重力を想定することになんの違和感もないのよね〜〜、ペストでデカメローン、とか、オレ様、ベンゼン環がヘビでウロボロスするところ見ちゃいました、夢で(断言)とか。

 ∧∧
( ‥)後世の仮説や都市伝説的なものも混ざった見解ですけどねえ・・・

    (‥ )でもまあ、アブダクションなんてそんなもんだってこと
        それは分かるだろ?

 ただし、それで始まってそれで終わったわけじゃあない。それで始まって、その後は科学の所定の手続きに沿って検証されたわけで。

 ∧∧
( ‥)それには適切なデータ処理が必要ですね。

    (‥ )まあなんだ、ものすごく単純な例え話ならこうだなあ

 身長と年齢だとか、X、Yで表現出来るデータがある。それを経験的に立証したり、論証したりするにはどうすればいいだろう?

 ∧∧
( ‥)経験的に、というからには演繹ではだめでしょうね。

    (‥ )つまり、悪い意味で(ナイーブに)「論理的ならばOKだぴょん」
        とか考えている人はここで脱落だ。

例:ルイセンコ主義者

 経験的に検証するには予測とそれに基づいた観察が必要で、そのためにはグラフを導かねばならん。

 ∧∧
( ‥)5つのデータからすると人間はこういう風に成長するという
    グラフが描かれた。それが正しいとすると18歳の人間は
    だいたいこのくらいの身長のはずである。

    (‥ )予測あっての検証だ。だがここで不適切にグラフを
        引く人間は脱落することになる。

例:フェデューシ○教授     教授ー!! カムバッーク!! 教授ーーー!!

 でっ、そういうテクニックは教科書に書いてある。

 つまるところ素人とプロの違いは1つには

 データを適切に解析して解釈できるか否か。

 というか

 教科書をちゃんと理解できるか否か。

 というか

 教科書を自発的に読んで理解できるか否か。


 そんでもって教科書ってプロが書くもんなんだよねえ。とはいえ、実のところ我々素人は系統学の世界ではある意味ものすごくめぐまれた立場であって、もうグラフと入力すべき値が公開されちまってんだな、これが。

 ∧∧
( ‥)祖先形質の復元ですね。

    ( ‥)おいらも自分の本で説明したけども・・・・。

 実のところ”知ってれば誰でもできる”もんなのだ。というか、実際に色々とやってみると面白いし、やっている人はいっぱいいるらしい。それが論文になるわけないが、とはいえパズルを解く程度の頭の体操にはなるのだぞなもし。

 しかしやってみるとあれれ??? という値が出てくることがある。というか奇妙なコンフリクトが起きているのが分かる場合がある。例えばバージェス頁岩のグレートアペンデージ。あるいは鳥の飛翔。

 ∧∧
( ‥)でっ、それを解決するのは研究者ってわけですか。

    (‥ )ウプサラ大学のバットさんとかねえ。
 
 やっぱ、頭のいい人は頭がいい。そうきたかってやつ。ああいうのを見ると、そうねえ、興奮させられるよね。


 

シナリオありきは破滅です

 
 例えばフジカンゾウを見た時、思った。彼らの羽状複葉は同属の他の種よりも小葉の数が多いのだから、彼らは原始的ではないのか? だとしたらフジカンゾウの”茎までがべたつく”という形質もまた原始形質ではないのか?

 ∧∧
( ‥)でもその”お話”には幾つも仮定とか前提が含まれていますね。

   (‥ )しかり。

1:羽状複葉はヌスビトハギ属の内部で3つ以上→3つという方向性を持って進化している
2:別個の形質である”茎までべたつく”という形質もそれとリンクした方向性を持っている(例えば固有の派生形質ではない)

 ∧∧
( ‥)こんな前提、壊すことはたやすいでしょ?

   (‥ )そりゃそうだ。無意識に仮定しているとはいえ、これは
       ただの前提にすぎないからね。

 例えば逆のことを/あるいは違う前提を挿入すればいい。それで”お話”はおしまい。

 ∧∧
( ‥)進化の歴史を探るさいに最初にシナリオを用意してはいけない
    そういうことでもありますね。

   (‥ )シナリオ、あるいは”お話”というのは所詮、第一印象であって
       あるいはごく少数のデータを使っただけの危ういものだって
       ことだな。実は多数のデータを無視しているので結果的に
       そうしたデータを無視したつけを後で払うということもでもある。

 いわゆるあれ。人間が何かの体系を作る時、実のところ”ごく少数の形質だけを取り上げて、それを並べているだけだ”というやつ。

 ∧∧
( ‥)まさにフジカンゾウとヌスビトハギを見た時に
    あなたが思いついてしまった思考過程、そのままですね。

   ( ‥)今度のエッセイで、こういうことは悪い事例だから
     -□ やっちゃいかんと書くことにしよう。

 一般的に人間の観察力ってのは実は大したことがない。例えば葉っぱだけを見せて同定させてみればいい。あるいはこう。オレ様鳥進化論を語っている人たちに坐骨だけを見せて、それが何の坐骨か同定できるかやらせてみればいい。

   ( ‥)形態に基づく同定のテクニックをなめちゃいかん
 ∧∧
( ‥)でもそう言う作業が扱うデータでは系統は再現できないでしょ?

 しかり。そういう時に使えるデータ。例えば分類学が集めて扱うデータのかなりな部分は系統学では使えない。シドニー・マントンが賞賛されると同時に批判されるのもこの点でしょ? 彼女は途方もないデータを辛抱強く集めたけども、原始形質と派生形質をごっちゃにして系統を語ったので、その点は結局批判されることになった。

 ∧∧
( ‥)でも業績はすごいですよね?

   (‥ )本を見るとあっけにとられるからなあ。

 すげーすげー。でもデータの扱いに問題があった。だからコンウェイ・モリスに”彼女はすごいけども、残念ながら間違っていたと思う”と書かれるわけでありますのでしょうよ。

 つまるところ、データは大量にある。しかしデータの中には系統解析に使えないものがある、そのままでは破綻するし、しかもおうおうにして人間はそれらを脳内で把握しきれないし、扱うのにも限界がある。だからおそらく一部の形質だけを使って並べてしまう、そして

 ∧∧
( ‥)そうして作ったシナリオは無視したデータにしばしば裏切られると

   (‥ )データに使えないものもある、ということを失念していると
       特にそうなるだろうね。

 例えばフェデューシ○教授。オレ様鳥進化論の親玉ともいうべきおっさん。シナリオを作ってしまったばかりに人生の後半は防衛戦を戦うはめに。

 ∧∧
( ‥)でも90年代まではそれでも良かったのかもしれませんね

   (‥ )そうねえ。あの時までは知らない人が聞いたら
       へー、そんな異論があるんだー、というぐらいには
       評価してもらえただろうしね。

 当時はまだ、データはこう扱うべきです。そう言って分岐学やら系統学やらが攻め込んできたばっかりだったので、データ処理という点とか、科学哲学の上ではあなたのやりかたには問題あるんじゃないですか?(シナリオが先ではへたするとトートロジーになりかねないでしょ?)とか、そういう素人には分かりにくい部分で争っていたわけだし。

 ∧∧
( ‥)破滅の発端はたぶん、中国の羽毛恐竜化石ですね

   (‥ )それだけでないけども、あれはきつかったろうな。

 羽毛? いやいやこれはほぐれたコラーゲン分子だろ? そういう発見初期における彼の言い分もそれなりにもっともなんだけども、どんどこ見つかって、しかも機能的としか思えない形態を示すものが見つかるともはや弁護しきれない。一時、アーケオラプトル騒動があった時に、ほら見ろ、中国の化石は偽物なんだ!!と怪気炎を上げたけども。

 ∧∧
( ‥)ピルトダウンが偽物だから他のも偽物だって論法ですね。

   ( ‥)ああいう隙のあること言うから創造論者とかに
       学説(オレ様シナリオ)を利用されちまうんだよ。

 もはや不当な重み付けに頼るしかなく、ロンギスクアマの羽毛に頼ってみたり、発生学のデータと形態学のデータのコンフリクトであるはずの、123と234問題を鳥と恐竜の対立問題にすり替えてみたりと、学説(オレ様シナリオ)を延命するために必死だったが、そこにもたてつづけて徹甲弾を打ち込まれる始末。1986年から数えて23年目、こんな短期間でここまで戦況が悪化するとは、本人も含めて誰も想像していなかったのではなかろうか? もはや端から見てると満身創痍。さえていることも言っているのだからもったいないとしか思えない。

 それもこれもオレ様シナリオなんかに執着するからいかんのだ。


2009年10月3日土曜日

リーフカティディッド

 
 キリギリスの仲間には擬態をするものがいっぱいる。ライケンに擬態するトゲトゲしいやつもいれば、アカシアに擬態したもの、もっと幅広い葉っぱに擬態したもの。まあ、生息環境などによって姿形が違うのは当然なのだからいいとして、

 ∧∧
(‥ )落ち葉や葉っぱに擬態している種類がなんでこんなにいて
\-   しかもちょっとちょっと違うんですかね?

    (‥ )どれがどれっていうほど淘汰が違うとも思えないけどね。

 違うのか、なにかのトレードオフで決定されるのか。ある本では鳥のヒナの隠蔽擬態が近縁種でちょっとちょっと違うのは中立的なのだ、と述べられていたけども。

 ∧∧
( ‥)じゃあその中立的な形質とやらが、
    どうしてそれぞれの種で固定的なんですか?

    (‥ )?

 
 自然選択においてさほど違うとは思われない形質が、その種内では一定・・・。

 あーーー?? 性淘汰とか? はははははー

 ∧∧
(‥ )調べてみますね
\-

    (‥ )時間ないんだけどね。

 
 こうして夜はふけていく。


教科書を読まないからこその整合性

 
 例えばの話。二次方程式で解ける問題があるとする。教科書を読めば二次方程式が載っていて、極端な場合、(望ましいことではないが)公式の性質を十分理解できなくても数値を入力すれば、それこそ自動的に答えを導ける。

 ところが世の中には教科書を読まずに、”オレ様方程式”を発明する人たちがいる。まあべつに発明することは悪いわけではない。ドンピシャリ、独自に二次方程式を思いつくのなら、それはそれですばらしいに違いない。問題は、

 ∧∧
( ‥)この場合なら二次方程式ではない方程式を発明しちゃっている
    場合が問題ですね。

    (‥ )例えば議題に上がっている数字自体に関しては二次方程式と
        同じ答えを出せるが、それ以外に関してはてんで出せないって
        やつを発明しちゃうとかね。
 
 例えばその人の発明したグラフと二次方程式のグラフがどっかで交わっているだけって状態とか?

 ともあれ、さらにその上にその手の人が例えば次のような主張をすることがある。

 オレは正しい解法を見つけた

 さらにはこんな主張をする場合もある。

 曰く、オレは研究者も気づかないような解法を見つけたのだ。

 ∧∧
( ‥)? でも考えてみれば妙ですよね?
    教科書を読まないのに、結果的には教科書を越えたって
    言っているわけでしょ?

    (‥ )まあ、だからこの手の人は研究者とか院生からは
        評判悪いよね。

 まずは教科書読め、論文読め、と言われる、あるいは「そうですか、それはそれは・・」と慇懃にお帰りを願う。まあねえ、そうねえ、そういう風に言われるよねえ。

 でも、しかし、研究者とか院生からすればそうなんだろうけども、思いついちまった彼ら本人たちからすれば別におかしな論ではないかもしれぬ。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )教科書を読まないからこそ自分のアイデアは
        教科書以上だって思えるんだろ?
        何もない世界に光明のようにアイデアが光り輝いたら
        比較対象がなければそれが一番まぶしいだろ?

 そういう点では彼らの行動に矛盾はないし、理路整然としている。だけどもこれがくせ者かもしれない。

 ∧∧
( ‥)理路整然としているってことは
    疑問を持たない根拠になるのかもしれませんね。

    (‥ )疑問を持たないから自信があるとも言えるかもね。

 この手の人が疑問を感じるのは教科書とかスタンダードとか、あるいは別のアイデアを抱えている人々と遭遇した時。ただおかしいというか当然というか、こういう場合でも自分に疑問を感じるというよりは相手の意見やスタンダードな意見にこそ疑問を感じるらしい。実際、その手の人は

 ∧∧
( ‥)権威主義だとか、オレのアイデアが理解できないのは
    あなたたちが自分たちのやり方に
    拘泥しているからだっていいますよね。

    (‥ )言うね。そして彼らがそういう時、その
        半分は確かに正しいのだ。

 権威ってものはあるし、自分たちのやり方(パラダイム)に拘泥と言わないまでも、研究者なり一般人なりがある種のパラダイムを採用していることは疑いない。

   ( ‥)でもこの場合の権威ってのは検証された経験を踏まえた
       評価であるし、パラダイムなり仮説を用いているのは
       相手もそうだが自分自身もそうなんだよな。
 ∧∧
( ‥)つまるところ以上の反論は正当化になってはいないんですね。

 よくできたもんで、権威主義だの、あなたたちは自分のやり方に拘泥しているだけではないか? とか、そういう事柄に潜む問題はもう何十年も前に科学哲学とかで議論されてきたことで、それこそ教科書に載っている。

 ∧∧
( ‥)教科書を読まない人が教科書に載っていることの
    半分くらいを使った反論を独自にするわけですか。

    (‥ )教科書を読まない人が教科書に載っていることを
        独自に、しかし中途半端に思いついて反論する。
        確かに整合的ではあるだろ?

 

絵が見えてるから?

 
 データからそれを説明する”妥当な”仮説をどのように選ぶか、あるいはどのような”基準”で選ぶのか? そしてそれが妥当な基準であると主張する場合、その基準の妥当性はどのようにして判断すれば妥当であると言えるのか?


 ∧∧
( ‥)絶えず問題になることですね

    (‥ )絶えず問題になるからこそ、
        どのようにデータを処理すればいいのか?
        が科学の世界で問題になる。

 だから色々な方法論や解析手段が開発されるし、だからオレの方法論の方が妥当だ、いや、オレだ、で科学者のハードな争いが起きるのだと思うのだけども。そうねえ、そういう意味では科学者は”妥当な答えを発見できる方法の妥当性をどう論じればいいのか”を追求するプロなんだろーね、ということは言えるのだけども。

    ( ‥)プロと素人の違いはなに? それは
        パズルを組立てられるか、あるいはられないか。
        そうだとも言えるかな。
 ∧∧
( ‥)誰でも組立てられません?


 確かにパズルって誰でも組立てられるもんだけども、でも考えてみればそれって

    (‥ )単に完成図を知っているからじゃね?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあそうかもしれませんけど。

 完成図がどんなものなのかを知らなくてもパズルを組立てられるか、られないかがプロと素人の違い?

 あるいはこう

 整合性を最大にしよう(誤差とかそういう余計な仮定は最小限にしよう)という基準のもと、ざっくり組立てられるのがプロ(データを見れば妥当なグラフを引くことができます)

 なんか知らんけど、例えば審美眼とかこれが大事じゃね?という先入観に基づいてなんとなく作っちゃうのが素人(データの一部だけにくいついて、そこに線を引いちゃいます)

 
    (‥ )整合性/最節約性/誤差最小を踏まえてしゅくしゅくと
        作るのがプロ
        きれいな絵ができそうだと勝手に組み上げちゃうのが
        素人。
 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね?

 そんなもんじゃなかろうか? もう10年は前になるけども、現在スタンダードな系統仮説からするとあなたのアイデア、全然支持されませんよ。と言ったら悲しそうな顔になったというか、泣きそうになったやつ(プロではなくて素人)がいたもんだけど。

 ∧∧
( ‥)・・・はあ、それはそれは

    (‥ )泣かれたって困るよなあ。さすがに本当に泣きは
        しなかったけどさ。


 こんなこともあった。ある化石が出た時に、ある研究者にあの腰や足はどう思います? と尋ねたら彼はこう答えた。

 いやー、僕の仮説。壊れちゃったねえ。あははははは。

 ∧∧
( ‥)まあ研究者なら当たり前ですね。

    (‥ )ところが素人はこういうのが、意外とできんのよ。
 
 さもなきゃ泣きそうになったり、解析手段を調べもしないままぶつぶつ批判していやだいやだと目をそむけたりしない。




 


ファイラム

 
 Phylum つまりファイラム。まんま訳せば家門。分類学の分類階級では門。他の生物群と異なる独自で固有のボディイプランを共有する生物群をまとめた分類群。とまあ、しばしばそう言われる。門から門を導くことは不可能で、門は独自のものだそうだ(それ、いつのアカデミー論争なのだ?)。

 ダーウィンは種の由来を明らかにしたが門の由来は明らかにしていないではないか!! と鼻息荒く言っていた人もいるんだけども。

 
   ( ‥)門が科になっていく過程を見たこっちとしてはなあ
     -□ 何言ってんの、あんた?? って感じかな

 ∧∧
( ‥)ああ、ハオリムシですね

 ハオリムシ。昔は独自の門。今は環形動物におけるSiboglinidae 現在、テキストを作成中。サガミハオリムシは種小名まで決まっていないために今回の使用もまた見送りか?


2009年10月2日金曜日

サイコドクター

 
 サイエンスに載ったラミドゥス猿人の骨格。へーーー、きれいだねえ。足の骨なんか萌え萌えだ。まあそんなことはともかくとして、二足歩行をする古代人類というか我々につながる系譜の古代種、

 こんな発見を前にして自称、在野の研究者、サイコなDr.北村(仮称)が次のようにいったとする。

ラミドゥスが直立で二足歩行をしたって? そんなことはないっぺや。歴史の教科書をちゃんと読んだことあっか? 人間は最初は前屈みだったずら。テナガザルがへこへこ歩くとこから始まったずら。ラミドゥスもきっと前屈みに違いねえ。復元を間違えたか、さもなきゃ時代を間違えたずら(*つまり彼はラミドゥスがもっと新しい時代のものである、という解釈をしている)

さて。Dr.北村の言っていることは妥当だろうか?

 ∧∧
( ‥)それは”人類の直立二足歩行は歩き始めてじょじょに獲得された”
    そういう仮説に基づいている解釈ですよね? 
    ちっとも妥当じゃないですね。

    (‥ )だが、Dr.北村は次にこういうのだ。

初期の人類が直立二足歩行をしていたと考えている人も、そういう仮説に基づいて見ているだけだっぺや。つまり、どっちも同じ立場なはずだ。

 ∧∧
( ‥)まあ、言っていることの半分は正しいですね

    (‥ )まあそうねえ、半分は正しいねえ。
 
 人間が仮説を通して現象を解釈しているということに関しては正しい。

 ∧∧
( ‥)でも、残りは妥当じゃないですね。

    (‥ )そうねえ、サイコな研究者、Dr.北村(仮称)の主張は
        まっとうな研究者からは無視されるだろうなあ。

 つまりようするに手元に仮説がある、現実を説明できる仮説である、仮説を通して解釈している、それだけでは妥当な仮説と妥当でない仮説は識別できない。ではどこで識別するのだろう?

 ∧∧
( ‥)それは裏を返せば研究者は識別する能力なり基準なりを
    持っているということですね。

    (‥ )それを適切に説明できるようにならないと
        僕らは科学者の思考やロジックを理解できないし、
        彼らの主張の正当性や妥当性を判断できないわけさ。


 さてさて諸君、どう識別するね? そして識別それ自体の正当性と妥当性はどう示せばいいだろう?


 さて

 それはそれとしても、まだ読んでないけども、ラミドゥス猿人の論文はどうも二足歩行の起源や排卵の不明瞭化、犬歯の小型化を性淘汰で説明する論文でもあるらしい。なるほど、そうですか。

 ∧∧
( ‥)人間の言語能力も性淘汰で出来たのでは?という
    仮説もあるみたいですよね。

    ( ‥)昨今の知見も当然として、
      -□ ダーウィンの本もまた読み直さなくては。
        

 150年たったとしても、結局は元ネタあの人だしね。「人間の進化と性淘汰」は著者、訳者その他の注釈、脚注、解説も含めて一回読んだだけで理解しきれるものではないだでなあ。

 ∧∧
( ‥)それにしてもダーウィンの性淘汰を理解してから
    まだ30年ぐらいしかたっていないんでしょ?

    (‥ )逆にいうと現在の研究者(集団)は
        たいしたもんだとも言えるな。

 30年でダーウィンを凌駕する力があったんだから。



 

追跡できるか?

 
 お題。身近な寄生虫を進化理論とからめつつエッセイを展開せよ。

 ∧∧
( ‥)できます?

    ( ‥)むむむむうううううう
        できなくも、、、ない?
        いや、どうなんだ??

 吸虫と条虫で系統樹をつくる? いや、それ、細胞とかまで同定できますわい、というのならともかく、素人が判別できる程度の外部形態だけでやるしかないとしたら、いくらなんでも無理じゃね?? いや、よく知らんのだけども。


 ∧∧
( ‥)節足動物系ならどうなんですか?

    (‥ )どーだろ。

 一番身近なのはニベリン条虫とかなんだ。そいつを使わない手はない。しかしどうすればいい?

 ∧∧
( ‥)アニサキスは?

    (‥ )比較対象がないからなあ。
        あれ一種類だけだときついぞ。

 それともそうでもないんだろうか?

 今日、蛍光蛋白で神経が光っている線虫のポスターをたまたま見かけたけども、イントロヴァーターの共有派生形質の部分(消化管を包む脳)だろうか、のど元でひときわ明るく輝く光点には目をうばわれた。


残酷物語

 
 こんな問題を出題されたとする。幾つかのデータがある。例えばある生物の年齢と大きさ。さて、この生物がX歳の時のデータはまったくないのであるが、ではこの生物がX歳の時の大きさはどのぐらいだろうか?

   (‥ )こういう問題を出された時どうするね?
 ∧∧
( ‥)データからグラフを描いて、
    X歳の時の値を求めればいいだけでしょ?

 データからグラフを引く。グラフってのはつまるところ方程式なりなんなりであって、後は値を入れれば答えがでる。

 ではこの答えが妥当であることを検証するにはどうすればいい?

 ∧∧
( ‥)実際にそうであるか調べればいいだけでしょ?

    (‥ )そうなるねえ。

 正しかったらそれでよし、間違っていると思われる状況であれば最初に戻ってやり直し。

 でもここで問題。データから恣意的にグラフを引いた。こんなことをした場合、答えはどうなる?

 ∧∧
( ‥)おかしな値が出るでしょうね。

    (‥ )”恣意的に引いたグラフ”の性質次第で
        ちょっと変な答えからとんでもなくおかしな答えまで
         色々なものが出るだろうねえ。

 ようするにこう。

 データからどんな方法でグラフを引くのか? それ次第で妥当な答えにたどり着けるか、あるいはまったくたどり着けないか、それが決まる。

    (‥ )つまり必要なものはなに?
 ∧∧
( ‥)データから”適切なグラフ”を引く方法ですね。
    例えば最小二乗法とか。

 あるいは系統学の世界であれば最節約法とか、いろいろあらーな。ようするにデータからの誤差をトータルで最小にするようにグラフを引けばいいんだろ、ということ(<ものすごく乱暴な要約)。

 つまるところ、そこがなってないと何をどうしたって駄目。つーか、論文になんかならねーし。
 
 そして例えばこんなことをしているから破綻する。

:このデータが重要に違いないからここを通るようにグラフをこーんな感じで引けば間違いないずら。それでこんな感じで答えが出るだろうけどきっと正しいに違いない。実際、矛盾ねーから問題ない。

 いやいや、矛盾がないことも、説明できることも、どちらもそのグラフなり仮説が妥当であることをまったく保証してくれない。

 例:創造論は矛盾がない。あるいは矛盾をすべて説明してくれている。言い訳がとんでもなく多いだけ。平たく言うと最節約ではない。

 また、この場合、グラフを”こーんな感じ・・・”で引いてしまっているのがまずい。ようするにデータの解析手段が自覚されていないので、こういう場合、予想が明確に立たないか、あるいは立てられた予想を導いた手段が根拠不明なので、検証したと言われてもそれが検証にあたるのかそもそも成り立たなくなってしまう。

 つまるところ材料も解析手段も不明な論文って、それはねーだろう。リジェクトだリジェクト。

 ∧∧
( ‥)それにこの状況ってグラフの引き方が適切でないこともさることながら
    選んだデータ以外のデータを軽視しているということもでもありますね。

    (‥ )ようするにあれなんだよな。一部のデータだけで作ったから
        無視した他のデータに、結局、グラフが破壊されちゃうって
        ことなんだよねえ。
 
 例えば出ました、フェデュー○ア教授。きっと鳥の進化はこんなのに違いないずらと最初に作ったシナリオに沿ってデータを解釈してウン十年、しかし無視していたデータは”シナリオ”を支持しないし、次々に見つかる新しいデータに至ってはぶっちゃけ反証しちゃうぞ状態。状況は悪化し、戦線は縮小し、今や風前の灯に。一部のデータを恣意的に重み付けするしかないので、恐竜の手は123だが鳥は234なんだから違うんだいと、はあ、そんな詭弁に騙される奴が今どき何人いるんだよという補助仮説で防衛戦を展開するものの、最近、立て続けに徹甲弾を打ち込まれて、もはや轟沈かー??


    ( ‥)そこで本日、三島から帰る途中で考えました
        新書「フェデュー○ア残酷物語」
 ∧∧
( ‥)わあ、最低な題名。

 
 ところで、教科書や論文を読んだら? と言われた時の人の否定的な反応って大抵の場合、難しい、高い、英語読めない、なんだけども、それはなんでなんでしょうね?(日本語もあるよ)

 ∧∧
( ‥)当然と言えば当然ですけどね。

    ( ̄  ̄;)まーねえ、英語なんて読みたくないし、
          本なんて買いたくねーしな。
          面倒なのもそりゃそうだ。
 
 それに関してだけは同意はできる。しかし納得はできない。

 
 
    

 

2009年10月1日木曜日

その秘密はトゲ

 
 ヌスビトハギの同属別種、フジカンゾウ。残念ながら数日前に見かけた花はもう終わっていて、みつけた花も花柄が折れてしおれてた。しょうがないので折れてしおれた花を持って帰る。

 ∧∧
(‥ )手にくっつきますね
 ゜-
    (‥ )あらびっくり。

 フジカンゾウ。実を入れた莢もさることながら、茎も花柄も葉柄もひっつく力があるらしい。一応、近くのヌスビトハギを触ってみるとべたべたつくのは莢だけの模様。

 ∧∧
( ‥)なにゆえ、茎や花柄までべたつくんですか?

    (‥ )さあ???

 そこでぴんっときた。

 たまたま全身がべたつくようになっちゃって、それが結果的に実を分散するのに都合がいいから、ヌスビトハギでは淘汰を受けて実だけがべたつく/ひっつくようになった。つまりヌスビトハギは特化したものだとか??? 特化したとか??? したとかーー???

 そんな考えがぽっと頭に思いついて、いやいやと考える。

 ∧∧
( ‥)それじゃあ、どっかで”オレ様鳥進化論”とかを思いついちゃってる
    人たちと同じですね。

    ( ‥)そうなんだよなあ。思いつくのは誰でも思いつくんだ。
 
 思いつくのはしょうがない。思いつくのは止められない。でもそれを検証する手段というと、結局のところ、例えば最節約なデータの解析をして、あるいは類似度で作ってなおかつ根をつけた系統樹(?でいいのか?デンドログラムなのか?)を出力した後、そこに形質をプロットして最節約に祖先形質の復元をするべきであって。

 ∧∧
( ‥)そんなんだったら最初からデータを最節約に解析して
    素直にクラドグラムを作ればいいだけの話ですね。

    (‥ )いやまったくその通りでね。

 データからグラフを作って手持ちの値を入力し、そいでもって予想される答えを見つければいいだけの話。そんなこと、教科書を読めば高校生にも中学生にだってできる。それもせずにまずは”オレ様グラフ”を作って恣意的に答えをてきとーに出して、そんでもって矛盾がないっぽ、オレ様すごいじゃん、ではただの○○。というか、二次方程式が載っている教科書をぺらっと”見た”だけでオレ様方程式というわけわからんしろもの作って答えがでましたと言っているも同じ(しかも答えがあってない)。

 それじゃあお話を作っているだけやがな。それでは小説家にはなれても科学は理解できまいよ。最初に”お話”を考えてどうすんだい。検討すべき答えを真っ先に”作ってしまって”、それに満足してどーすんだい?

 ∧∧
( ‥)楽しいんじゃないの? 楽しいからするんでしょ?
    実際、あなた、一瞬だけど楽しかったでしょ?

    (;— —)すいませんねえ。すぐに我に帰りましたよ。


 とはいえ、しかしなんというか、ヌスビトハギ属の中ではフジカンゾウが原始的なのかな〜〜〜とか余計なことが念頭にあったもんで、ついね、そんなことを思っちまいましたとさ。

 それにしてもだいたい、考えても見れば”たまたま全身がべたつくようになっちゃってーえ”と仮定してしまっているところがお笑いかもしれぬ。

 ∧∧
( ‥)たまたま全身がべたつくようにって、なーんか
    そういう変異って淘汰に関しては
    中立ーな前提を敷いている臭いがしますよねえ。

    (‥ )だったら、なんで”フジカンゾウは全身がべたつくという状態に
        形質が固定されているわけ?”という問いに積極的には
        答えられないよね。

 ∧∧
( ‥)確率的にたまたま固定されたんですよ、と言ってみる。

    (‥ )いやあ、まあ、それでもいいかもしれんけどさ。
 
 まあなんだ、ここに含まれているもろもろの問題はこれから色々と考えよう。(適応主義が問題なら、確率的に固定されたんですよーという主義も問題になるんですかね、なるんだろうねえ、たぶんねえ)まあそのなんだ、研究者には笑われるかもしれないが、現時点では力不足であること、このうえない。

 ともあれ、顕微鏡でのぞいてみたら。

 ∧∧
(‥ )フジカンゾウの体を覆う小さな毛は
 □-  みんな逆トゲですね。

    (‥ )くっつく秘密はこれかよ。

 なんか、これ、もっのすごく簡単な変異でできちゃうんじゃないの? という仕組みっぽく思えた。

    ( ‥)べたべたした感触があるから
      -゜ てっきり粘液かと思っていたのだが。
 ∧∧
( ‥)調べてみるもんですね。

 一応、さっと目を通したら、それは本には書いてあることで、つまりすでに知られていたことなんだけども、しかしながら実際に先入観抜きに見てみると、おおーという感じ。きれいだなあ。今度はヌスビトハギとじっくり比較してみよう。

 ∧∧
( ‥)見落としていることがたくさんあるんですよ

    (‥ )うむ。まったくだ。


 


2009年9月29日火曜日

月がチーズでないことを示せ

 
 ところで

     (‥ )月がチーズでないことをどう示せばいいのかね?
 ∧∧
( ‥)簡単です。

:すべての衛星は岩石で出来ている
:月は衛星である
:ゆえに月は岩石で出来ている

     ( ̄  ̄ )・・・・
 ∧∧
( ‥)冗談ですよ

 距離が分かれば大きさが分かり、そこからまあ、なんだ、望遠鏡を通してみれば月面にのびる影からかなり高い山脈やらクレーター外縁があることが分かるわけで

 ∧∧
( ‥)そこまでくれば、チーズの強度では支えられないとは
    言えるでしょうね。

     ( ‥)反射光のスペクトルとか使えたっけ?
       -□

 でもまあ、そんな近代的な方法はどうでも良い。問題は

     (‥ )中世や古代の人々はなぜ月がチーズだと
         言わなかったのだろう?
 ∧∧
( ‥)天上界は特別だ、地上と違うと
    考えていたからじゃないですか?

 月は特別である(つまり言外にチーズその他もろもろではないという意味も含む)と結論した。それだけかいな?

 いやいやこんなのはどう?

:すべてのチーズは人間が作ったものだ
:月は人間が作ったものではない
:ゆえに月はチーズではない

 ∧∧
( ‥)月は人間が作ったものではないって
    どうして知っているんですか?

     (‥ )うーん、こう?

:人間Aは月を作ったことはない
:人間Bは月を作ったことはない
・以下略

 ∧∧
( ‥)帰納ですか。

    ( ‥)チーズであると言わなかったことを
        積極的に正当化するには、あーなんだ
        具体的にはこんな程度の理屈しか使えないかな?
 
 古代人はチーズであるとは言わなかったが、多くの人は岩石だとも言わなかったっぽい。


 

もしかしてよくできてる?

 
 いやいや、まてまて。こう考えてみる

:分岐学は種をOTUにして(っていうの?)系統解析を行っている
:種はしばしば側系統群である
:ゆえに分岐学は側系統群を認めている

 ∧∧
( ‥)三段論法になっているんですかね?

   (‥ )論理的に証明されたことになるのかね?

 なるほど、考えてみればよくできた議論かもしれない。

 ∧∧
( ‥)でも、こういう論法って最初の言い出しが”含んでいる”
    事柄を結論の形式で述べているだけでしょ?

   (‥ )側系統でありうる種を単位にしているという前提からは
       それを単位に使うものはすべからく側系統群を
       認めているという結論を導くってことになるかな。

 というかそもそも前提がそうだからそうなのだって、それだけの話なんだけど。

   ( ‥)まあ、証明なのかもねえ。
    
 ∧∧
( ‥)正しい証明には”そこには矛盾がありません”
    ということしか言っていないんじゃないですか?

:すべての衛星はチーズで出来ている
:月は衛星である
:ゆえに月はチーズで出来ている

うん、矛盾なく前提から答えを導けた。ゆえにこれは真実である。


さてはてどうなんだかね

 
 こんな意見、種を単位として系統解析をしている限り、分岐学は進化分類学(最節約法+類似度による折衷案)と同じなんだそうだ。

 はあ、まあねえ、ある解析を行ったさいに種を単位として使っていた(つまり暫定的に”このA種というグループ”に関しては問題は解決済みとして扱っていた)、ということを”結果的に側系統を認めていたではないか”と見なす(ような状況であることが分かった)のならば、そこに関しては”共通点になる”のでしょうねえ。

 ∧∧
( ‥)?? 個体を単位に解析をやればすむだけの話でしょ?

    (‥ )個体どころか遺伝子座でもかまわんでしょ。

 解像度上げれば色々なものが見えてくるんでしょうね。それは個体群とやらの遺伝的な交流の様相を見ているのかもしれないし(交雑しているA種とB種の間でミトコンドリアゲノムだけがA種からB種へ浸透しつつあるとか)、あるいは、種と呼ぶものではなく、その遺伝子そのものの系譜を観察しているのかもしれない(いわゆる”種”と人間が呼称するものと遺伝子の系譜はかならずしも一致するわけではない)。

 ∧∧
( ‥)まあ、以上の文章のA種/B種もそうですけども人間がカテゴリーを
    用いて意思疎通/あるいは解析を行うさいに”結果的に/意図的に
    側系統群、あるいは多系統群を含むカテゴリーを用いることがある”
    という点では分岐学と進化分類学の間に共通点はあるんでしょうね。

    (‥ )まあそうだね。

 問題はだから同じだと言えなくもないんじゃね? といっちまうことで。

 ∧∧
( ‥)何が問題なんでしょうね?

    (‥ )解像度が悪いんじゃねーの?

 100点ではないのだから75点と40点は同じじゃね? なんかこういうのって後退的な議論をする人が(結果的に例えば創造論者とかが/いや人間の誰しもがか/時々してしまう)よく使う手じゃなかろかね。

例:オレのも矛盾はあるがお前らのも矛盾があるのだからオレ様の仮説もお前らのものと平等に扱え。

 あともうひとつ気にかかるのが。

 ∧∧
( ‥)なんですか?

    (‥ )側系統群を認める。それが進化分類学の売りだったかしらね?

 あれは色々な意味でかなり難解なテクニックなんじゃないかと思ったことがあったのだけども、その認識は間違いだったのだろうか。改めて調べねばならぬ。

 

アニサキス

 
 先日の講演でお客に見せたアニサキス。アルコール漬けになっていたけども、それもグリセリンにつけて観察。

 
   ( ‥)おおー、すばらしい、よく見える
     -□
 ∧∧
( ‥)なんというんですか、口器になるんですかね、
  -/ 面白い形をしていますね。

 なんか色々とそれなりに構造が見えるじゃありませんか。うむ。時間をかけて把握していこう。

 ∧∧
( ‥)ところでイントロヴァート(陥入吻)は把握できそうですか?

   (‥ )ぱっと見、あるようには見えないなあ。そもそもアニサキスに
       Introvertがあんのかね?

 一応、ネマトーダには Introvert を持つものがいることはいるのだそうだ。とはいうものの・・・

   ( ‥)ネマトーダには関心もってなかったからなあ
       解剖学に関しては何にも分からん。
 ∧∧
( ‥)アニサキスも一応は幼虫ステージですしね。
    あるんだかないんだか。

 イントロヴァータの共有派生形質(でいいんだろうけども)には消化管をリング状に取り囲んで3つの部位に分かれる脳というものもあるそうだ。でもこれ、確認できるかね?

 ∧∧
(‥ )HPのコンテンツも修正、加筆していった方がいいでしょうね
 □-
 
   (‥ )仕事があるから少しずつにだな。

 

 

グリセリン

 
 戦争に次ぐ戦争で、2回も壊滅的な大戦争をしたあげくにやむを得ずしぶしぶ共同体になったものの、今だに反目の絶えないEU。

 それを考えると東アジア共同体って何それ? 効果がどのくらいあるの? 頭の方はどのくらい正気? と疑問は尽きず。

 閑話休題

 サンマに寄生する鉤頭動物ラジノリンクス。色が赤いので内部構造がよく見えず。そこでアルコール漬けにしていたものを本日、薬局で購入したグリセリンにつけてみましたところ。

    ( ‥)おおー見える見える。
      -□
 ∧∧
( ‥)透明とまではいきませんけど
    中身がちゃんと見えるようになりましたね。

 体内を何か管のようなものが通っているように見えるけども消化管なのかどうなのか。

 ∧∧
( ‥)肛門みたいな末端のくぼみも
    産卵する穴だったりして

    (‥ )体の後半になにかあるみたいなんだけど
     □-  消化管の内容物なのか、あるいは卵巣なのか
        あるは別の何かなのか・・・・

 ちょっと見たぐらいではさっぱり分からない。

 

2009年9月28日月曜日

ラジノリンクス

 
 サンマには鉤頭動物の一種、ラジノリンクスが寄生している。おおー、アカントケファラさんがいらっしゃるとですか!!

 
   ( ‥)あこがれの存在、それはアカントケファラ

 ∧∧
( ‥)はあ、、そうなんですか?

 さっそくサンマを買って調理しつつアカントケファラの一員、ラジノリンクスを探す。最初はスカかな? と思ったが見つけましたきれいなオレンジ色のちょろ〜〜〜んとした生き物を。顕微鏡で見てみると見える見える。彼らのトレードマーク。逆棘がついた伸縮自在の吻部。おーすばらしい。でも体の各部の細かい構造はよくわからず。尾端のくぼみは肛門? いやそうなの?? 寄生虫なのにそんなのあるわけ? 本はまだ読んでいないので詳しいことは分からず。

 ともあれ

 ∧∧
(‥ )手持ちの資料によると鉤頭動物は脱皮動物ではなくて
 □-  ロフォトロコゾア(冠輪動物)ですね

    (‥ )?? あれ?? そうなの??

 鰓曳動物とかと同じく脱皮動物で、しかもイントロヴァータなんじゃねーの? とか思っていたのだが。そうなんですか??

 ∧∧
( ‥)理解するまで大変そうですね

    ( ‥)むうう・・・・
      -□


 

2009年9月27日日曜日

公式を導く


 与えられたデータを最節約に/もっともうまく説明するグラフを描く。

 ∧∧
( ‥)グラフは公式なり方程式なりで示すことができますね。

   (‥ )しかり、ゆえにそのグラフにある値を入れれば
       しかるべき答えがでる。

 このような答えは予測になる。そして予測が立つから検証できる。

   ( ‥)でっ、これが系統解析、あるいは最節約法なり
       分岐学出現後に研究者が行っていることであって。
 ∧∧
( ‥)それ以前の人たちとは様相が一変したみたいですよねえ。

 それ以前の人々は以上のような考え方をしなかった。

 どんな考えをしていたかというと、現実の進化は実際にこうだっただろう。だからこんな結果が出るはずだ、というのが古典時代の人々の発想だったらしい。

 この考えに問題があるとすると、元データをどう解析したのか不明で、元データのある部分をなぜ他よりも重く見たのかその根拠が不明で、そしてどうしてそういう結論が導けるのかが不明であった、ということだけであって。

 ∧∧
( ‥)データを見て恣意的にグラフを引いてしまっているわけですね。

   (‥ )しかもグラフを公式にして値を入れるというような
       そういうきめの細かいことをやっていなかったのだ。

 *例えば祖先形質の最節約な復元を(意図的には)していないということ


 データを解析してグラフを描き、公式にして値を入れて予想を導き、それを実際に検証する。今となってはまあ、教科書を読んでいれば高校生でもできるような/理解できるようなことなのだけども、大の大人でさえもこんなことができなかったりする。

 というか、そもそもそういう本を読む手間もかけずに、聞き知って集めたちんけなデータのさらに一部だけを過剰に重み付けしてそれを通るグラフを恣意的に描き、なおかつそのグラフをなんとなく眺めてこうなんじゃねーの?と適当ーに答えを出して、あげくの果てにこれを”証明である”とか言い出すありさま。

 ∧∧
( ‥)えらいこっちゃですね

    ( ‥)まーねえ。

 例えば”こうやって鳥は進化したに違いない”とか新説(?)を語っちゃう前に、ちゃんと教科書読めばいいのに。

 ∧∧
( ‥)でも教科書や論文ぐらい読めよって
    この場合、理不尽な言い方かもですね。

    (‥ )まーねー

 教科書を読まなくてもオレは自力で答えにたどり着けると思い込んでいる人間でもなければ、わざわざ”新説”なんか唱えやしない。だいたいそんな発想とっくの昔に提案されているか、駄目だこれって棄却されたかのどっちかなんだ。ちゃんと調べていない間抜けでもない限り、新説なんかそうそう思いつきやしない(新説を思いついたらまず調べよう、大概の場合、それはただのゴミだ)。

 とまあ、そんな状況なのだから、だとしたら教科書読めよという要求は、この手の彼にとって理不尽な要求以外の何者でもない。

 ∧∧
( ‥)でもそういう人って意外といるんですよね。

    (‥ )教科書読みたくない、論文読みたくない、英語読めないもん
        辞書を引きたくない、オレの論文を乗せてくれない学術誌が
        いけない、学会は保守的だ、こういうこと平気で言うやからは
         どっこにでもいるからな。

 こういうのがごろごろいるのが実は世間だったりする。1万人に一人のあれな奴だって日本全体なら1万2000人いることになるわけだし、そんなもんなのだ。

 

 

それは心の仮説次第

 
 ふと読んだ本にあったこんな話。記載されたイカを探そう。そうしたら異なる2つのイカが採取される。一体全体どっちが原記載のA種とB種だろうか? 調べて見ると外套膜腹面のストライプで識別できることが分かり、さらに原記載論文にもその特徴の記述が見つかった。標本を採取し、なおかつ記載を読み直す時は目から鱗が落ちる思いだったそうで。

 ∧∧
( ‥)観察とは心に思い描いていた作業仮説次第だ
    そういうことですね。

    (‥ )そういうことだね。

 現物を見て、論文と照らし合わせないと論文の意味なり、現実感なり、内容の把握なりは従わない。

 ∧∧
( ‥)ヌスビトハギ属の葉脈は葉の縁に届く/届かない
    もそういうことになるんですかね?

    (‥ )葉脈が届いていない種類はまだ見ていないんだけども
        まあそうだね。

 言われるまで、そんなところは見ていなかった。すぐれた観察者による原記載なり検索表なりは当たり前だけどもやっぱり役に立つということか。さて、その一方ではとんでもない記載もあるそうで。

 ∧∧
( ‥)”白い”って記載があるそうですね。
  -□
    (‥ )正気とは思えないな。

 その記載者は「2色、丸い」とかそんな記載をする人だったそうで、しかもあっちこっちの生物/昆虫とかでそんな新種記載をしたそうな。

 ∧∧
( ‥)系統学どころか分類が混乱しそうですね。

    (‥ )するだろうね。

 その人だったんだっけ? タイプ標本の保存と管理が悪いので、少なくとも幾つかのものは完全に虫に喰われて、あるのはラベルとピンだけだという恐ろしい結果が。もうずいぶん前の人(19世紀とか?)らしいけども、しかし業界では(当然ながら)今でも有名人。


ヌスビトハギ

 
 ヌスビトハギのスケッチをアップ。こんな作業に2時間も時間をとられているのだから、仕事が忙しくなるとHPの更新が滞るのも当然か。

 ∧∧
(‥ )ともあれ、だんだんとマメ科植物の資料が
\-   そろってきましたね

    (‥ )ジャケツイバラとカワラケツメイが欲しいな。

 まあそういう話は抜きにしても現在、近所の公園には花が咲いているものだけで、後、4種類、マメ科植物がいる。たぶんそのうちのひとつはフジカンゾウというやつなんだろう。

 ∧∧
( ‥)基本的に本に頼らないことにしても
    さすがに同定の段階で目を通しちゃいますね

    (‥ )HPにアップする時にはどうしてもねえ。

 なんか知らんけど、これ見てねってわけにもいかんので、取りあえず該当の箇所だけ目を通すと、基本的な造りはヌスビトハギに似ているけども、もっと大造りで花のきれいなこの植物はなんじゃらほい? と思っていたあれが、ああヌスビトハギと同属の別種(フジカンゾウ)だったのか・・・と分かってしまうこともある。

 他にもヌスビトハギの検索表を見たら、葉脈が葉の縁に届いているか/いないか、というものがあった。そこですかあ、そこを見ますかあ、、、さすがにそんなとこ見ていなかったよなあ。

 ∧∧
( ‥)観察するって容易なことじゃないですね。

    (‥ )スケッチしていても色々なものを
     □-  見逃しているんだろうな。

 

2009年9月26日土曜日

しるえっと


 先日の夜、夕刻の日も落ちた公園の帰り道、ふと空を見上げたら見たこともない鳥のシルエットが見えた。公園にいるアオタカではないらしい。妙に翼が長くて、というよりも翼の長さに対して前後長がない。細長い板のような翼。胴体は短めで、尾羽は短く、頭はなんか丸っこい。ツバメでもアマツバメでもなく、サギでもカラスでもカモでもなく、小さな小鳥でもなく、さりとてカラスほどにまで大きいわけでもなく、ハトでもないし、ツグミでもなく、ヒヨドリでもムクドリでもなく、フクロウとも感じがまるで違う。なにか滑空するかのように飛んでいた。

 ∧∧
( ‥)ヨタカとか?

   (‥ )こんなところにいるかね?

 よく分からん。



2009年9月25日金曜日

そんな解決するから業績にならんのだね

 
 恐竜から鳥が進化した。というか、鳥って普通に恐竜で爬虫類でしょ? というのがもはや系統学の世界の話。実際、鳥が恐竜でないのならアンキロサウルスは爬虫類(ディアプシダ)じゃねえ。

 それでもなお、これに反対する人は、というか反対し続ける(しかない)人たちは今もいる。創造論者もそうであるし、一部、”鳥の飛行の起源は樹上にあった”という古典的な仮説を唱える研究者もまたそう。

 そして彼らが提示したスタンダードに対する反論の1つが、鳥の指は2、3、4であるが恐竜の指は1、2、3ではないか!!というもの。

 ∧∧
( ‥)主張の半分は正しいわけですよね?

    (‥ )発生学のデータと外部形態のデータがコンフリクトしている
        そこに”解決すべき問題がある”という点ではまったく
        その通りだと思うよ。

 問題は、彼ら、つまり創造論者や一部の古典的な鳥進化仮説に拘泥する人々が、”解決すべきコンフリクト”は”解決不可能なコンフリクト”であるから、ゆえに我々の仮説が正しいと”解釈”したことであって。

 ∧∧
( ‥)まあ、解決すべきを解決できないにしたってのは
    飛躍ですね。

    (‥ )推論過程に飛躍が入っても、ことと次第によっては
        かまわないと思うけどね。

 もちろん、彼らの主張は根拠の根拠が不明なのでまともな科学者はだーれも相手にしなかったのだけども、ともあれ、ここでひとつ思うことがある。

 解決すべきコンフリクト、というのは、実のところそこに論文のネタがあることを示している。しかるにそれを解決不可能であるから、、、としたのは

 ∧∧
( ‥)論文のネタを自ら潰したと。

    (‥ )そうなりうるし、結果的にそうなっちゃったね。

 まあ、彼らは解決不可能だから、ゆえにコンフリクトが起きない俺たちの論文が正しい、という形式では解決策を提示したし、論文を書いたわけだけど。

 ∧∧
( ‥)でも”解決不可能”と飛躍した時点で元もとあった
    ネタは自分から潰したわけですよね

    (‥ )実際、このあいだ、あの人にかっさらわれたからなあ。

 解決不可能だから、、とさじを投げた時にネタを潰していたってことだった。

 おかしなもんで、というか面白いもんでというか、あるいはむしろ当然というべきか。

ここにこそネタがある!!

と思った人は何人もいたっぽい。というか北村の知り合いでも”これって結局こういうことじゃないの?”と、今思えばかなり良い線いっていた推論を述べた人もいたくらいだし(そうなんだよね、何かおかしなことが起きるとしたら、それはケラトサウリアとテタヌーラの分岐点、ネオテロポーダの根っこのあたりということも確かにそうなのだ、テタヌーラも当初は”あれ”だったらしいし)、そして後は材料に巡り会う運と能力次第なわけだけども。

 ∧∧
(‥ )でもそれが現実になるとびっくりしますよね
 □-
    (‥ )さすがにね。

 
 ともあれ、見極めねばならぬ。

 さて

 そういえば以前、昆虫の成体の系統樹と幼虫の系統樹がコンフリクトを起こしている例を上げて、やはり系統解析には限界があるのだ、と述べている人を見た時には、まあなんというか。

 ∧∧
( ‥)ネタをスルーしてますよね

    ( ‥)その人が仮に学生だったら良い論文、書けないだろうなあ。

 コンフリクトしているから駄目だって、その考え方が駄目なんだってばよ。

 

2009年9月24日木曜日

それなりにうけたっぽい

 
 某所で寄生虫の話をすることに。もう一人の演者の方は寄生虫をよく知る人である一方、自分は寄生虫に関してはほぼ知らず(おまけに遅刻。すいません)。そういうわけで、話すよりはと現地でイカを切って、まずはニベリン条虫を探したら

 ∧∧
(‥ )真っ先にアニサキスが見つかりました
 〜-
    ( ̄  ̄;)あう・・・・

 いつも思うけども、アニサキスはどうしてこうも頑丈なのだろう?? ぴんぴんと暴れるアニサキスをシャーレに入れてお客に回す。そいでもってその間に見つかりましたニベリン条虫。

 ∧∧
( ‥)ニベリン条虫も回しますね
  -゜

    ( ‥)おっ、例のTetraphyllidea? らしきものも出てきた
      -□

 というわけで、全部で3種類の寄生虫をお客に見せることができました。線虫類であるアニサキスはともかくとして、条虫であるニベリンくんとTetraphyllidea? らしきものの共有派生形質は消化器官がないことらしい(他にもあるが)。

 でっ、そこでなぜダーウィンは種の起源の中で”一部、獲得形質を認めたのか?”をからめて解説。

 ∧∧
( ‥)あなたの理解では、あってもなくてもどうでもいい、
    そういう中立的な状態にまで退化した変異がなぜ”消失”という
     状態に固定されているのか、それを説明するために
     ダーウィンが用不用説の一部を残した、そういう理解ですね。

     ( ‥)彼の著作「家畜・栽培植物の変異」ではこれをより仮説的に、
       -□ つまりパンジェネシス仮説に基づいて
         説明しているようなんだけどね。

 まあ、寄生虫とダーウィンをからめて話してね、というお題だったのでそういう話に。この辺りの話はhilihiliのコンテンツ、種の起源を読むでまたおいおい補完の予定。

 ともあれ、小難しい話はともかくとして、生きている寄生虫を見せたのはそれなりに受けたっぽいので、まあ、良しとしていい感じ。

 ∧∧
( ‥)食品の中の寄生虫に関しても心配ご無用と言っておきましたしね

    (‥ )イカに寄生虫がわんさかいると言っても、
        みんな気にしないだろう。

 そんなことでどうかなるなら我々はそもそもイカを食べたりしないのだ。

 
     

2009年9月23日水曜日

ばらけていたんですか

 
 イカを解剖、というか調理して、米つぶ虫(ニベリン条虫:Nybelinia surmenicola)を採集。

 ∧∧
(‥ )イカを延長宿主にする寄生性の扁形動物ですね。
 □-
 
    (‥ )後、内臓の中から別の扁形動物を見つけた。

 どうもよくわからんけどもTetraphyllideaなるグループに所属するものらしい。4つ、あるいは5つ?の吸盤を持つふにゃふにゃしたレースのような形の頭部と、ピンク色の左右対称の線が走る上半身(?)と体節っぽい構造がずらっと並ぶ、変幻自在の下半身。

 とはいえ、手持ちの資料を見てみたら

 ∧∧
( ‥)Tetraphyllideaは側系統群として分解してますね
  -□
    (‥ )分解能いかんによっては(一カ所3分岐の場所がある)
     □-  多系統にもなりうるのかな。

 ニベリン条虫が所属するとされるTrypanorhynchaも分解する可能性があるっぽい。この図だと一部のものが他の派生的な単系統群の姉妹群になりうる可能性もあるってことらしい(3分岐状態)。

 それにしても扁形動物の分岐図には100以上もの形質がデータとして使われているらしく。いや? あんな単純な形態の生物にデータがそんなにあるの?? と思っていたら

 ∧∧
(‥ )すべてのステージで消化器官を持たない、脊椎動物の宿主
 □-  最初の宿主でアピカルピットフォームをとる・・・

   (‥ )細胞の各種構造、特徴、特定の細胞が発現する時期、
       ホックを6つ持つ、体の形態は葉っぱ状、などなど
       色々あるんだねえ。

 細胞の形態、特質、種類、様相、配置、発現、宿主の種類、外部形態、器官の数。確かに言われればいっぱいあるよなあ。

 ∧∧
( ‥)なんかもっのすごくたくさんの分岐図が編まれているようです。

   (‥ )扁形動物とその研究者、あなどりがたし。 




 

2009年9月22日火曜日

確かに手触りは枝豆だった

 
 公園にいってヌスビトハギ(たぶん)をスケッチ。面倒くさいけども、これも一応仕事。そして改めて見てみました公演のツルマメ。前にスケッチした時は9月の上旬。もう花は終わってマメを実らせており、その様子は

 ∧∧
(‥ )小さいだけでダイズですね
 ゜-
    (‥ )見事にダイズだな。

 触り心地はどういうわけか枝豆そのもの。莢の大きさが指先ぐらいしかないのを抜かすとまんまダイズ。

 ∧∧
( ‥)もさもさしてます
  -゜
    (‥ )莢の大きさは変われども、毛の大きさや長さ、
        毛が生える密度は変わらないってことかね?

 考えてみれば当たり前だと言えるし、奇妙なことだとも言える。

 

まあ、分かる感じ

 
 ざっくり調べてこう。

:現在の裸子植物は一応単系統という意見あり(本当ですか?)
:絶滅種まで含めると”裸子植物”はまあ明らかに多系統(あるいは側系統?)
:被子植物は一応単系統らしい(結構手堅い仮説)
:被子植物の中でもいわゆる/あるいは古典的なモクレン亜綱が原始的な分岐群である
:とはいえ、モクレン亜綱はばらけていて、側系統群であるらしい
:キンポウゲ亜綱はより派生的な被子植物(真正双子葉植物の中核群)よりは原始的でちょいとばかし中間的っぽい
:被子植物の”花びら”は起源がばらばらっぽい

 ∧∧
( ‥)まあ、なんか頼りない理解ですねえ

    (‥ )そうねえ。でも分かるっちゃ分かるよな。

 現生の裸子植物が単系統と言われると、本当かよ?? と思うけども(グネツムとか抜きにしてもあれのどこが単系統群なんだぞなもし??)、まあ絶滅群まで入れた”裸子植物”は明らかに多系統、かあるいは側系統ですというのは納得。

 さもなきゃ被子植物が”裸子植物”に包含されるという意味で裸子植物を単系統群にするしかない。先日の本はほんの少し、こういう考えを持っている気配があった(ただし、明白に明言と言えるほどの指定はしていない)。

 モクレン亜綱にされていたスイレンとかが((モクレン+コショウ+ドクダミ)他の被子植物)の姉妹群になっちゃって、モクレン亜綱が側系統群としてばらけちゃうのは、まあ、ありがちっぽい話(よく知らんけども将来的にはキクよりもモクレンに近い系統群がモクレン亜綱なり/あるいはモクレン類なりでございますとか再定義されたりするんだろか?)

 ∧∧
( ‥)あるいは暫定的に側系統群の
    モクレン亜綱を認めるとかですね。

    (‥ )それもありだけど、あんまり系統学を無視すると
        分類学って本当にただの”キャビネットの番号”
        になっちゃうから、それ却下。

 まあ、そんなよそ様の話はともかくとして。

 キンポウゲ亜綱が真正の双子葉植物の中核グループ(Core eudicots)の姉妹群で、ちょっと原始的っぽいというのは、なんか納得。

 ∧∧
(‥ )そういえば以前ニリンソウを見た時、なんだこれって
 □-  思いましたよね。

    (‥ )なんかなあ、雌しべが適当ーに螺旋状に配置されていて
        雑というと可哀想だけど、そんな印象を受けたよなあ。
        きれいな花なんだけどね。

 もっとも、それが本当に原始形質かどうかは知らない。

 ∧∧
(‥ )Core eudicotsの共有派生形質とおぼしきものは
 □-  花の構造が5の倍数、萼片と花弁が明確に異なる、
     雄しべの数が花弁の2倍、などなど

    (‥ )ようするにモクレンやキンポウゲよりも
        すっきりシンプルってことかね?

 まあ、いわれればそうか。手持ちの資料をざっと斜め読みした限りでもそれでいいっぽい。5つの花びら、5つのパーツ、あるいは5の倍数。ようするに典型的には桜とか、ああいうやつ。

 ∧∧
( ‥)とはいえ、解剖学的により詳しい理解に
    至るのは大変そうですね。

    ( ‥)いつでもそうだけども、あまり知らない分野を
        正しく/妥当に理解するのは容易なことではない。

 

2009年9月21日月曜日

自己循環型無限暴力機関

 
 進化を論じた映画の上映を宗教が/あるいは宗教的な理由が拒否する。

 ∧∧
( ‥)問題ない?

    (‥ )問題は生じているが、宗教にとって問題ない。

 宗教は元来、殺戮兵器であった。有史以来、何億人の命を奪ってきたのかわかったものではない。殺人、暴力、殲滅、拷問、虐殺、奴隷化、抹殺、それらすべてを肯定する力を持ち、実際に肯定してきた道具、それが宗教というものだ。映画の上映禁止ぐらいどうということはない。

 ∧∧
( ‥)宗教は人を救うものじゃあないんですか?

    (‥ )人を救える道具であるというのであれば
        命を奪うことも容易であろうなあ。

 使い勝手が良い道具なのだから、そりゃあ誰もが使う。

 ∧∧
( ‥)あなたも使います?

    (‥ )異端を殲滅するのに理由はいらない、とか?
 
 異端殲滅の目的とはなにか? 正統を正当化することか? 否、否。異端殲滅の目的とは異端殲滅なのだ。理由なんて存在しない。拷問の目的は拷問そのものであり、権力追求の目的とは権力に他ならぬ。理由も正当化も何もまったく必要ない。目的そのものさえ必要ない。目的の目的は目的そのものであって、正当化の目的とは正当化そのものだ。戦争の目的は勝利することでもなく、敗北することでもなく、休戦でも停戦でもない、戦争の目的とは戦争そのものだ。息することには原因があってもその行為それ自体には説明がいらないように、殲滅することにも説明はいらぬ。
 
 ∧∧
( ‥)それはまったくのファンタジーだし
    もはや宗教でもないですね。

    (‥ )ファンタジーである。その意見に関しては
        まったくその通りであるな。

 人間にこんなことはできません。

 ∧∧
( ‥)というか、仮にそんなものが現れても
    淘汰されて消滅しちゃいますよね?

    (‥ )あまりにもコストがでかすぎるからね。
        戦いの無限継続なんて、不利以外の何物でも
        ないから消滅する運命にあるな。

 だが、”宗教でない”とは言えないかもしれぬ。実際、宗教だろうが道徳だろうが、それらは何かを正当化すると規定したものではあるが、自分自身を正当化はしていない。

    (‥ )というか、正当だから正当だ、としか
        言っていないんだよな
 ∧∧
( ‥)はあ、、だから殲滅の目的は殲滅だ、というのと
    宗教は同じだと? そうですかねえ???

 でもまあ、そこんところは少なくとも共通しているんじゃないの? 

    ( ‥)だから危険なんだな。
 ∧∧
( ‥)まあ、危険人物が使ったら危険でしょうね。


人を救えるほどの力があるのなら、命をいくらでも奪えるだろう
自分自身を正当であると規定しているのなら、いかなることも正当化できるだろう
自分自身を良いと規定したのであれば、いかなることにも制限はなくなるだろう

    (‥ )異端殲滅の無限継続、無限闘争
        これ問題なし。
 ∧∧
( ‥)馬鹿に刃物って言葉、知ってますよね?


 
 

本当に言ったのかどうなのか

 
 こんな話。種の起源が刊行されたその翌年にあたる1860年、オックスフォードでかわされた論戦でウィルバーフォース大司教はおよそ次のようなことを言ったという。

1:ダーウィンは自然選択と競争によって”優れた変異が集積する”ことを示さなくては行けない
2:品種改良で新しい種が誕生したことはないのだから、品種改良を自然の説明に使うのは誤りである

 ∧∧
( ‥)はあ、実際にこんなこと言っちゃったんですか?

   ( ‥)言ったという話なんだが、本当かね?
     -□

1に関してはダーウィンは品種改良によって”現実に変異が累積すること”を示したので、ようするに大司教の主張は2に関してのみ意義がある(2は1を包含するっていうの?)。

 問題は、新しい種が誕生したことはないのだから・・・という彼の2における指摘が進化理論に対する深刻な問題として成り立つ条件であって、それは

 ∧∧
( ‥)それは”種が特別である”という前提が正しかった時のみ
    成り立つことですね。

   (‥ )でも実際には”種は特別なものでもなんでもない”からなあ。
       というか、それを示したのが種の起源のひとつの重要な
       部分なんだが。

 ようするに例えるのならこう

1:あなたは地震の時にまれに起きる隆起でアンデス山脈が生成したというが、隆起が集積して山脈ができることを実際に示さなければいけない
2:地震による隆起で山脈ができたことはないのだから、身近な現象から山脈を説明することは間違いである

 ∧∧
( ‥)大司教さんが言ったことは
    こういう主張と構図的には変わりませんね。

    (‥ )この主張が妥当なものになるには
        次のような前提がたぶん必要。

1:山脈は特別なカテゴリーである
2:ゆえに他のカテゴリー(例えば丘や隆起によって波間から顔を出した海底)を説明する理論(この場合は断続的な隆起によって高い地形の由来を説明する理論)を適用して説明することはできない

 たぶん、こういう場合にのみ、アンデス山脈の生成は地震による隆起で説明することはできなくなる。

 ∧∧
( ‥)同じように、種が特別なカテゴリーであるという場合にのみ、
    品種改良による品種の出現の説明が種にまで波及してしまう前に
    シャットアウトすることができますよね。

    (‥ )品種で適用された説明が”種”の領域にまで
        及ぶのを止めるには”種が特別である”と主張して
         それを保護する必要があるわけさね。

 逆にいうとその保護を破壊したのが種の起源のひとつの文脈であって

 ∧∧
( ‥)するとウィルバーフォース大司教さんが言ったことは

    (‥ )種の起源を読んでないか、理解できなかったか、
        あるいは理解した上で、あえてそれを無視したのか
        いずれかであることになるだろうね。

 理解できなかったとすればお馬鹿さん。あえてやったとしたら悪質なアジテーター。


 ∧∧
( ‥)そもそも本当にいったんでしょうか?

    ( ‥)そこんところはあまり調べていなかったのでねえ

 ともあれ、次のことは言える。ちゃんと調べていない時点で、お馬鹿さんかあるいは悪質なアジテーターであると解釈されうる発言を”彼がした”と安易に信じるわけにはいかない。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、相手に対して失礼ですからね。

    (‥ )実際、”品種改良で別種はできていないから進化理論は間違いだ”
        という発想はちょっと賢いが、特別頭がいいわけではない
        そういう人間(仮称:B群)がよく陥る罠であるね。

 ありがちな意見である一方で、根拠不明、というかあからさまに間違った主張でもある。例えばセイヨウタンポポと日本のタンポポはいかなる意味で”別種”であるとすることができるなりや?

 ∧∧
( ‥)まあ、、、別種ではあるんでしょうね

    (‥ )まあ、別種ではあるんだろうなあ。

 明らかに”識別できる”異なる集団で、すんでいた場所も生態も性質も特徴も違っているから別種で、それでもって侵入種であるセイヨウタンポポが在来種を駆逐していると思っていたら、実際には雑種が生じていて、しかも雑種と親種を人間が混合して”セイヨウタンポポ”であると認識していて、現実には”雑種”の方が多かったというオチ


 *一応、大司教さまの名誉のためにいうと、個人的には彼はお馬鹿さんやアジテーターというよりは普通の人だったんじゃないの? と(現時点では)思うのだけども。

 ∧∧
( ‥)立場上、進化論? 別にいいんじゃないの?
    とも言えませんしね。

    (‥ )積極的に進化理論を
        否定しなくちゃいけない立場だからなあ。
 

 

つるまめ

 
 3ヶ月ぶりにHPを更新。生命の樹にツルマメとガガイモをアップ。ガガイモはまあいいとして

 ∧∧
(‥ )ツルマメ。もうじき実がなるのでしょうか
 □-
    (‥ )なるはずだけどね。

 大豆の原種という話。そりゃあ確かに体の構造はダイズもツルマメも基本的に同じらしいけども見た目はずいぶん違う印象。

 ∧∧
( ‥)ほんのちょっとした遺伝子の違いで
    見た目に大きな変化が起きているということですよね?

    (‥ )たぶんね。

 インゲンの無限ツル性のものと、矮性のものとがあること(両者を交雑すると中間的なツルではあるが成長が途中で止まるものが出るそうな)からしても、多分そうなんでしょうねえ。

 しかし、それにしたって驚きだ。そういえば今日は公園でこれまた違うマメ科とおぼしき植物を見つけた。鑑賞目的の外来種かなと勝手の思ったけども、葉柄と花柄の根元にちいちゃいけども立派な葉っぱがあるじゃないですか。

 ∧∧
( ‥)ハギとかツルマメでは痕跡的な何か突起のような
    ものがある部分ですね。

    (‥ )よしよし、いい感じではないか。

 マメ科、これは使えるっぽい。

 

2009年9月20日日曜日

現実だけで組立てよう

 
 ヨーロッパで民主主義や近代文明が発達したのはなぜか? それはキリスト教があったから、という意見。

 ∧∧
( ‥)どう思います?

    (‥ )現象AとBがあった場合、それは原因と結果であるに違いない
        という推論だね。

例1:こぶを作ってぶったおれている人の脇に折れたバットがあったら、それはバットが原因に違いない
例2:こぶを作ってぶったおれている人の脇に砂糖がちらばっていたら、それは砂糖が原因に違いない

 
 ∧∧
( ‥)あなたはどう思います?

    (‥ )1000年間、戦争し続けたからだろ?
 
 なぜヨーロッパでは戦争が絶えなかったのか? ということにたいする即物的な意見はダイヤモンドの著作が参考。

 
 ∧∧
( ‥)後はガスキンさんとか?

    (‥ )参考になると思うけどね。

 
 

出来はたいして変わらない

 
 仕事がひとつ終了。さすがにすべてを潰すことはできず。

 
   ( ‥)とはいえ、さすがに明日は休んでもいいよねー

 ∧∧
( ‥)はあ、まあ

 ダーウィンの生涯を描いた映画「クリエーション」、アメリカでは上映拒否だかなんだか。はあ、まあそうねえ、そりゃあ宗教ってのはそんなもんだし、それに

 ∧∧
( ‥)それに、日本人だって似たりよったりかもですね。

   (‥ )進化論は資本主義的だとか、欧米の競争社会に基づいた
       非道徳的な理論だとか、アジアにはなじまないとか
       日本には独自の科学があるんだとか、そういうこと
        平気でいう連中がいるしなあ。

 道徳とか宗教で現実世界を語る。思えば世界を変えられる。念じれば、信じれば、そうすればスプーンが曲がると言うのと似たり寄ったり、アメリカ人も日本人も所詮は人間、ただの普通のありきたりな人間だ。頭の出来はそんなに違いやしない。
 


2009年9月19日土曜日

作業は続くよ細々と

 
 いろいろ、本業やら絵を描く約束やら、それらのすべてがストップ

 ドイツでおとなしく、まっているかい? まっていないとオレは怒る。

 ∧∧
(‥ )ゲラを見たら色々と出てきましたね
 □-
 
    (‥ )著者ではないのに、本にかかわるだけで
        こんなに大事になるとはねえ。

 監修というか確認作業というか、編集の手伝いでこんな有様。書いた本人、翻訳した人はもっと大変だったのだろう。ご苦労様である。

 ∧∧
( ‥)ちょっと無茶なくらい野心的な
    本ですよねえ。

    (‥ )考えても、普通はこういうのやらんし、出来んよ。

 それを現実に、本当に書いちゃうんだもんなあ、勢いというか、やれば出来るもんだというか、やっちゃうところがすげー、すげー。確かにあまりにも広範囲すぎるので多少なりとも用語や系統群名/分類群名などに不整合が生じているものの

 ∧∧
( ‥)そんなの気にしちゃだめでしょ?

    (‥ )まーね。

 こういう本を読んで、うん?? と疑問に思ったら、まずは自分で調べなきゃあだめだ。

 ∧∧
( ‥)英語の原著があって、論文も背景にある時は
    特にそうですね。

    ( ‥)例えば単肢類と裂肢類と汎甲殻類が出てくるけど
      -□ これはどう考えるべきだろうか?

 個人的には頭を抱えるけども、しかし、そんな未来の課題よりも、地味だが先にやらねばならない重要なことがある。

 ∧∧
(‥ )cuspate swale ってどういう意味?
 □-

    (‥ )まんま訳すと、”トゲトゲした水はけのわるい土地”
        って意味になるみたいだけどね。

 ∧∧
( ‥)でもこの場合は”形態”に関して記述した
    言葉なわけでしょ?

    (‥ )これに関しては卵パック型とか色々あってだね
     □-





2009年9月16日水曜日

あまりいったことのない場所

 
 誰でもそうだけどもよく行く場所と行かない場所とがある。すぐ近くだけども用事がないとか、障壁になるものがあるとかで行かない/行く必要がない。そんな場所があるもんで。

 ∧∧
( ‥)それは地形だけじゃなくて
    本や情報の世界でも同じですね。

   ( ‥)今回の仕事で分かったのは、現生鳥類と初期陸上植物という
     -□ ”場所”にはあまり”行ってなかった”ということなんだよなあ。

 現生鳥類ってのは素人目には端から見ると不思議なもんで、生態に関するレポート(性選択とか)はよく聞くけども、まともな系統解析の例はこれまでほとんど聞いたことがなかった世界。最近になって分子系統解析の結果が幾つか出てきたものの、それまでは血清反応による体系が(批判されながら)使われたり、形態データによる解析が仮にあっても、概してもっと前の時代の化石種のものだったりと、みょーに片寄っているという印象(とはいえ手元にはカッコウの形態データを用いた系統解析のレポートがあるにはある)。

 ∧∧
( ‥)現生鳥類の”体系”ってこれからどうなるんですかねえ?

   (‥ )(((走鳥類(カモ類(他の現生鳥類)))ってのは
        確からしいけどもね。

 他はどうなんだか。ともあれ、なんか少し懸念(?)するのはカモがここにくるのなら、じゃあ例の”あの形質”は原始形質なのか?ってことなんだけども。

 ∧∧
( ‥)まさか

    ( ‥)そうだよねえ、それはないよねえ。

 まあこんど化石鳥類も含めて、論文、もろもろ資料にあたるとしよう。分子系統に関してもデータの処理が妥当かどうか見極めないといけない。

 ∧∧
( ‥)例の”雪の下”さんに関しても骨をみたいんでしょ?

    (‥ )見る機会は作れると思うのだけど、例のあれが
       ”あったら”すごいよね。
 
 そしてもうひとつは初期の陸上植物。

 ∧∧
(‥ )リニア形の植物というのですかね? 
 □-  なんかばらんばらんになっているみたいですが。

    (‥ )分岐図上で物の見事に多系統

 ゾステロフィルムはヒカゲノカズラにむしろ近いというわけですか。そうですか。

 ∧∧
( ‥)データを理解し、解析の妥当性を判断できるようになるまで、
    ずいぶんかかりそうですが・・・・

    ( ‥)何年かかけてやるさ。

 仕事ってのはそういうもんでござんしょ。


 

2009年9月15日火曜日

 
 深度5000メートル、日本海溝で歌うアイドル。

 ∧∧
( ‥)人類、というか地球の歴史上初めての
    出来事ですね。

    (‥ )やるなあ。

 

Tribe Hominini

 
 監修作業進行中。やってきました霊長類における小さな小さなローカル分岐群。その名はHominoidea。まんま訳すとヒト上科、つまりSuperfamily Hominoidea。ところが弱ったことに原著の説明と分岐点/系統樹/系統群の名称の配置が整合しない。

 ∧∧
(‥ )そればかりか近年の”分類体系”とも
 □-   齟齬していますね。

   (‥ )まあ、分類体系であろうが系統関係であろうが
       独自のものがあるのは当然なんだけどね。

 問題は原著内部において図示と本文の説明とが整合しないということ。直すのは簡単、、、、、のはずなんだけども。

 ∧∧
( ‥)HominoideaをHominidaeに直したら、そこから先の
    分岐点の名称、および、端点の名称がすべて整合しなくなりました。

    ( — —)全部書き直しかよ。こんちくしょー。

 分岐点の名称があからさまにランクを示す語尾になっているので、ランクが変わった以上、影響を受けるすべての名称の語尾を変えなければいけない。当然、テキスト内における固有名詞も同様。めんどくさいったらありゃあしない。類で無視したいけども、ここまで固い、しかも末端の系統群ではそんなこともできず。おまけに他のページと違ってここに関しては入念に分岐点における名称が語尾変化しながらまめに記されているわけで(人間だからですか?)。

 ∧∧
(‥ )Hominini?
 □-
    (‥ )Tribeだね。

 ∧∧
( ‥)Hominina??
 □-
    (‥ )Subtribeだね。

 ∧∧
( ‥)Pongidaeはどう直すんですか?
 
    ( ‥)Tribe Pongiだね
      -□ GorillinaeはGorillinaだな。

 いやはや、ジャック・ゴーティエたちが分類階級という拘束具を否定したのはよくわかる(系統学者が直面するのはこんな簡単な状況ではない)。そしてまた反対に分類学者たちが系統学を無視して古い分類体系を堅持しようとする場合があるのもよくわかる。そりゃあ、系統解析の結果を無視したくもなるよなあ。分類学は安定が命らしいし(分類学は科学であるから体系は絶えず検討すべし、という意見も本によっては書かれてはいるんだけども、安定が命の自然科学とはこれいかに?)。

 やはり科以上の分類階級は指定が無い限りは記述しないで(原著にもそもそも記述がない)よかった、よかった。一歩間違えれば(一歩間違わなくとも)大変なことになっていたところ(例:下目に綱が包含される)。


   ( ‥)まあ、family, subfamily, tribe , subtribe , genus と
       そろいぶみだから、分類階級マニアは泣いて
       喜んでくれるかな。
 ∧∧
( ‥)いやあ.......


 系統樹のトポロジーは変わっていないと言うのになんということなのだ。


2009年9月13日日曜日

ハギ

 
 公園に咲いていたハギ、というかハギ属の何かをスケッチ。本を調べてみたが、なかなか同定できず。そいでもってさらに調べてみて、

 ∧∧
( ‥)どうもヤマハギってやつらしいですが・・・
  -/
     (‥ )あれ? 本に載っていたっけ?
      □-

 とてもポピュラーな種類らしいけども、なんで行き当たらなかったのか? ともあれ、ハギ属には微妙に異なる色々な種類がいるらしい。

 ∧∧
( ‥)タデと並んでマメ、なかなかですね
 
     ( ‥)興味深い。これは興奮させられる。

 問題はこの秋の間に、これらを十分に資料化できるかどうか。

 

2009年9月12日土曜日

ある意味ご立派

 
 参考にひっぱりだした本を見たら、まあその人は系統というよりは思いっきり分類学の人なので、2006年に提示した分類表がなんとまあ20年は昔に使われていたようなしろもので。

   ( ‥)分類表を作る時、この手があるんだよな
     -□
 ∧∧
( ‥)後で絶対文句でますよ。

 だけどもひとつの手であることには違いない。系統の通りに分類階級を割り当てたら破綻するから、じゃあ混乱しないように古い分類体系をほぼそのまま使って分類表を作りました、という手。

 ∧∧
(‥ )しかし今どき、キノドンティアに亜目を割り当てて
 □-  爬虫類に押し込めるとは

   (‥ )まあ、そのまま系統樹に当てはめるとキノドン亜目に
       哺乳綱が入り込んで、しかもそれが爬虫綱に入ることになるな。

 コンフリクトがもう絶頂。

 だけどもひとつの手ではある。ようするに分類と系統はまったく別だから分類体系は系統関係をまったく反映させる必要なんてございません、というスタンス。ある意味あっぱれ。

 ∧∧
( ‥)でも、それって分類学擁護であるように見えて
    すごく危険なことですよね?

   (‥ )そりゃあそうだね。

 このような姿勢に対して、なんだ分類学って整理整頓学であって、つまるところ自然科学じゃないんじゃねーの? という突っ込みが入ってしまうのはもうほんの目と鼻の先。

 ∧∧
( ‥)というか入りましたよね?

   (‥ )入ったねえ。

 それでもなお分類学を堅持するのはある意味ご立派なことである。



結局なくなりました

 
 でっ、監修の仕事でございます。原文と参照し、送られた訳文も検討して結局

 ∧∧
(‥ )使用する分類階級は科、上科、亜科だけですか
 □-

   (‥ )語尾が-dae -oidea とかそういうものは名称として
       分類階級の語尾をつけたが、他は抜くか、あるいは類で統一

 目も門も綱も全部放棄。原文で指定がなかったし、系統樹上にプロットするとコンフリクトしまくりなので。あきらめる。

 ∧∧
( ‥)分類表を作るわけにもいきませんしね。

   (‥ )勝手に作れないし、作ったら作ったで、
       たとえ有名な分類学者が作ったとしても
       どっかから文句でるからなあ。

 なるほど、末端の単系統群で、なおかつ分岐点ごとに階級をあてるという原則を堅持せずに、いわゆる・・・・

 ∧∧
( ‥)修正リンネ式とかを使えばどうにかなるかも
    しれませんね。

   (‥ )魚とか昆虫とかね。

 それでもどっかにしわ寄せはくるし(魚ならテトラポードにしわよせがくる)、個々の生物分野でやっていたことを全部かき集めて組み合わせると

 ∧∧
(‥ )破綻しちゃいますね。
 □-
    ( ̄  ̄ )訳して分類階級を割り当てた人には悪いけど
          無茶なことはできないよ。

 昆虫は甲殻類に包含されちゃうし(汎甲殻類がこの本では採用されている)、節足動物+αで分岐群はできるわで、労作ではあるのだが、分類階級はほぼすべて放棄。原文にもないし、分類階級の使用は原著者の方針とも違うようであるからこれで良いでしょう(だいたい、元は系統学に基づく本なわけだし)。

 ∧∧
( ‥)直しが大変ですね

    ( — —)さっきすべて直し終えました。

 しかし例えばmyomorphaはネズミ形類とすべきだったか? 

 

2009年9月11日金曜日

星占い師に聞かんだろ

 
 創造論のことは創造論者に聞いても無駄。何にも知らないから。

 
    (‥ )考えてみればさ、中世の星占いの体系を知りたい時、
        街角の占い師に聞かないよな。
 ∧∧
( ‥)聞かないでしょうね。

 よくわからんけども、まずはアルマゲストでも読むんじゃねーの? 

 ∧∧
( ‥)それを考えれば創造論を知るには古典を読むべしですね。

    (‥ )しかり。

 創造論者と進化論擁護派の議論って不毛だよなあ。


頭がなまる

 
 いやはやそれにしても、読むべき本も英語文献さえも確認しないで(wikiに頼るにしてもせめて英語版を確認すればいいのに)、そんなありさまで分類VS系統の戦場にひょこひょこでていくとは命知らずな連中だよなあ、と端から見て思ったりする。それにしてもと思うのは

 
   ( ‥)やっぱあれだ、創造論者とかと議論してると
       頭がなまるぞ頭が。
 ∧∧
( ‥)そう?

 だーって自分より頭が悪い、いや失礼、もとい、自分よりも誤差がでかい連中と対峙してどうすんだい?

   (‥ )おっめーのグラフ、データからの誤差がオラのよりも
       でっけーずらよ。そう言っちゃえば終わりだろ?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、究極的にはそうかもしれませんね。

 見るべき/読むべき/理解すべきは自分よりも賢い研究者の殺し合い。なぜ彼らは殺し合うのか、なにをめぐって戦って争って戦争しているのかを理解せねばいかんずらよ。

 ∧∧
( ‥)創造論者は役に立ちませんか。

    ( ‥)前に話をした時は失望したな。

 キュビエを知らん、バックランドも知らん。あげくのはてに単性論者のキリスト教徒さえも知らん。なんじゃあこりゃあ??? と失望したもんでございますよ。お前ら、ただの思いつきかよ。先人の知恵も言葉も引き継がず、何世紀もの伝統もなにもかもすべてを踏みにじりやがったな??

    (‥ )真の創造論を知るには創造論者と話してはだめだ。
        キリスト教を知るためにキリスト教徒と話してはいかん!!
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、一般のキリスト教徒じゃ
    確かに不十分でしょうねえ。

 もちろん、こんな言い方がものすごくアンフェアだってことは確かなんですけどもね。

 ∧∧
( ‥)そりゃあねえ、そのへんの歩行者を取っ捕まえて
    黒潮の大蛇行のメカニズムを教えてくれって言うようなもんで
    相手が??となったら、あんた日本人だろ? なんでシラナイノー??
    と切れてるおかしな外人さんと同じですよねえ。

    ( ‥)まあ、そういう意味では
        この言いようはねーだろ、なんだけどね。

 神学大全の一巻が見つからん。どこぞのキリシタンの家を劫略するしかないのか。

    (‥ )ドイツ傭兵団が神の都ローマを劫略するがごとく。
 ∧∧
( ‥)でっ、神学者の知恵を手にしようと。

 優秀な神学者は普通のキリスト教徒ではないだでなあ。

 ∧∧
( ‥)西洋科学の祖先でもありますね。

    (‥ )知恵というものには敬意を払わねばいかん。

 そしてもちろん理解し、使用しなければいかん。それを忘れた連中と話たって無駄無駄。頭がなまくらになる一方じゃあないのかい?



 

昔話

 
 昨日、打ち合わせの帰りにこんなことを言われた。北村さんの絵、あの雑誌で見たことありますよ。

 ああ、それはもうずいぶん前の仕事だ。

 そしていわれた、また恐竜の本は書かないんですか?

 ∧∧
( ‥)でっそれは難しいと答えたんですよね?

   (‥ )恐竜の本はね、企画が通りにくいんよね。

 なぜ? 恐竜の本は売れないから、そう答えたら意外そうな顔をしていた。まあ確かに気持ちは分かるけども、恐竜の本は事実として売れない。北村の書いたものが、ではなくて、恐竜の本は誰が書こうが売れない。恐竜の本を出した大概の編集者はそう言う(というか例外を聞いたことがない)。

 ∧∧
(‥ )おかしーなーなんで売れないんだろう?って
 □-  みんなが頭をひねるんですよね。

   (‥ )そして”恐竜の本は売れない”っていう
       経験則だけが残って、ますます企画が
       通りにくくなるってわけさ。

 まだ経験の浅い編集者や出版社を騙すという手もあるけども、まあどうにもなりそうにない(そもそも出版社は多くの場合、持ち込み企画をうけつけない)。

 雑誌は2つ潰れたし、科学のシリーズ物で恐竜を出したばっかりにお金が回収出来ず、シリーズそのものが潰れてしまったケースが少なくとも2件ある。

 ∧∧
( ‥)びっくりするくらい売れないみたいですよね

   (‥ )なんかなあ、2つの事例とも作者が一生懸命なのは
       よくわかったけどね、これが売れなかったらしいんだよなあ。

 そしてシリーズごと消えてしまう。

 理由はだいたい分かっている。消費者の大部分のニーズと制作者の作るものがまったくミスマッチ。ごく単純な話。そもそも恐竜という言葉自体にたぶん問題がある。世間一般で恐竜というと

 ∧∧
( ‥)首長竜や翼竜はおろか、サーベルタイガーとか
    マンモスとかまで含む用語なんですよね。

   (‥ )はなはだしい場合にはシーラカンスや
       ユーステノプテロンまで含まれるんだよな。

 恐竜という用語は一般の人々にとってが”鳥とトリケラトプスの一番近い共通祖先とそのすべての子孫につけられた名称”ではない。

 かつまた、分類学が大好きな人が使う”直立歩行をする陸生の爬虫類”という形質に基づく(不安定な)定義でもない。

 そうではなくて世間一般的には

 ”現生の心理的な分類群に包含できそうにない絶滅脊椎動物(できれば骨で展示されていることが望ましい)”

というような内容、それが恐竜という心理的な”分類群”。

 ∧∧
( ‥)それを考えると恐竜展って
    お客さんからすれば中途半端かもしれませんね。

   (‥ )マンモスやサーベルタイガー、オオナマケモノや
       シーラカンスやユーステノプテロンも展示されていない
       からなあ。

 そして思う。恐竜の本が売れないのは当たり前。だって、皆が認識している恐竜は鳥盤類と竜盤類だけじゃないんだから。

 ∧∧
( ‥)首長竜とか翼竜が恐竜ではない、ということ自体が
    問題ありだということですか。

   (‥ )系統学どころか、古典的な分類学者が提案した分類それ自体が
       世間一般の”分類”と齟齬しているわけさね。

 そういえば恐竜好きの子供たちが首長竜という時、実はその言葉が竜脚形類のことを指していると知ってびっくり仰天していた研究者の方がいたよなあ。

 ∧∧
( ‥)恐竜好きでもそんな認識なんですね。

   (‥ )つまるところこういうことなんだな。

 大部分の(便宜的に言うA群の)消費者が知りたいこと、望んでいること、求めているもの、それがもう、編集者や作者には理解不可能になっている。

 ∧∧
( ‥)まずはそこから調べないといけないわけですか。

   (‥ )言い換えれば、昨日の打ち合わせ相手の人が
       望んでいるような本は書けないってことになるわけさ。

 羽毛恐竜の一覧と鳥の進化、残念ながらものすごく売れなさそう。そして企画は確実に通らない。

 ∧∧
( ‥)なんとかできない?

   ( ‥)ずるっこい手を使えばやれなくはない。
       でも内容は薄いし、しかも2年はかかるぞえ。

 




 

2009年9月10日木曜日

喰う

 
 ネアンデルタール人はクロマニヨン人の到来以後、消滅した。なぜ消滅したのか? 現代人の祖先であるというか現代人そのもので同等の能力を持ち、石器制作でもすぐれていたクロマニヨン人に滅ぼされたとも言われているけども。

 ∧∧
( ‥)戦争に負けたんじゃないですか?

   (‥ )まあ、戦争を人間が陣形を組んで戦うと
       定義すれば、一説によると旧石器時代から
       戦争や処刑があったという説もあるからなあ。

 ネアンデルタール人は軍隊を編成したんだろうか?

 ∧∧
( ‥)冗談半分にそれを示唆した人がいましたよね。

   (‥ )軍隊といっても狩猟採集民の皆様がやるような
      武装した男たちが集まって争いにいくってもんだけど。

 クロマニヨン人も軍隊を編成したか? 現代人そのものなら編成したはずだよねえ。そういう”軍隊”による集落や部落同士の小競り合いが長い間に何度も続いて、そうして

 ∧∧
( ‥)ついにネアンデルタールは滅びると。

   (‥ )そんな程度の説明と前提でネアンデルタールの
       絶滅は十分なように思えるけどねえ。

 あくまで素人から見た感想なんだけども、文科系の科学者というか科学者は軍隊や戦争の役割とインパクトをあまりに過小評価するか、あるいは無視するという論評は意外と本当ではないか、とも思う。

 それにしても

 ∧∧
( ‥)勝ったクロマニヨン人がネアンデルタール人を
    喰ったりしたんじゃないですか?

   (‥ )そんなこともあったかもねえ。

 あんまりいい加減なことは言えないけども、しかし、

 ∧∧
( ‥)コンゴ内戦でアフリカーナの人々がピグミーの人たちを
    喰っているという話があったじゃないですか。

   (; ̄  ̄)いや、さすがにあの話にはどん引きだったが。

 喰うかあ。ピグミーの人たちを食べちゃいますかあ?? いや、だってピグミーの人たちってどう見ても人間だろ? ただの普通の人間だ。彼らを喰っちゃうって一体・・・・・・。

 それを考えると

 ∧∧
( ‥)クロマニヨン人がネアンデルタール人を食べたって
    おかしくないでしょ? ライオンがチーターの
    子供を食べるようなもんですよ。

    (‥ )まあそりゃそうかもしれんけどさ。

 証拠はないけども、そういうこともあったんじゃねーの? という想像。だって、現代人がそうなんだもん。


高い場所

 
 そういえば以前、プロフェシーという映画があった。アメリカにおける都市伝説のいわゆるモスマンを題材にしたんだかなんだかな物語。現在の出来事も未来さえもすべてお見通しの存在からいきなり電話をかけられて困惑する主人公の物語。

   ( ‥)あの中でこんな台詞があったよな。高い場所に登って
       作業している人は何ブロックも先のことが見えるが
       だからといって彼が偉大な存在であるわけではない。
 ∧∧
( ‥)先が見えているからといって、それを教えるからといって
    偉大であるとか、善意に基づいてやっているとか
    警告であるとか、そんなことはないって話でしたね。

 まあ、確かそんな話。先が読める立場にいるから偉大であるわけではない。単に空間的にそういう立ち位置にいるというだけの話。

 なるほど、それは結構面白いかもしれない。

 例えば、何かの事柄を教えてくれるからには、彼/あるいは彼らが善意でやっているに違いない。そう解釈する人もいるけども、それはまったくの飛躍だ。誰かがこちらに対して何か情報を与える時、確実に言えるのはその誰かがこちらに情報を与えてくれているというだけで、その動機についてはまったく何も語っていない。

 彼は善意だがこちらのことが分かっていないのかもしれないし、倫理や動機が異質すぎてこちらのことがまったく理解できていないのかもしれない、あるいは彼の動機が悪意そのものであるということ、これも当然ありうる。

 ∧∧
( ‥)考えてみればジャーナリズムやマスメディアも
    そうかもしれませんね。

    (‥ )彼らもこれから起こることはある程度知っているからなあ。

 もう何年も前、十数年前になるけども大きな事件の捜査が行われる2、3日前に、事件の真相をぼそっとしゃべったやつがいる。彼は新聞社にいたから、事前に記者や社内のうわさ話から何かつかんだんだろう。

 ∧∧
( ‥)でもだからといって彼が高潔であるとか
    皆のことを考えていったわけではないですよね?

    (‥ )ありゃあむしろうわさ話だからな。

実際、情報発信者がそれを善意でやっているとか、義務感でやっているとか、そうであるという保証はない。むしろ違うんじゃないの? そう思う。

 彼らは善意と義務感でやっている、そうであるに違いない、そうであるべきだ、そういう人もいるけどもそれはたわ言だ。あるいはそれは”○○であるべきだ”という自身の信念を語っているだけで、どっかの怪しげな宗教とそれでは何にも変わらない。あるいは区別ができない。つまるところ根拠がない。

 誰かが、ジャーナリズムやマスメディアは消費者のために何かしているのだ、そう考えているとしたら、それはおおいなる勘違いだ。そればかりか、

 ∧∧
( ‥)悪意そのものであることもありえますよね?

    (‥ )当然。

 しかも、弱ったことに、同じものがある人に対しては善意になり、事実そのように働きうるが、別の人に対しては一転してまったくの悪意になることがある。

 

2009年9月9日水曜日

 
 船頭が多いと船が山に登るという

 ∧∧
( ‥)どんな原理ですか。

   (‥ )とはいえ、現実に起こりうること。

 でっ、いつまで続くんだか。

ロボコンカ

 
 Loboconcha まんま読めばロボコンカ。The Tree of life に照らし合わせて見るとDiasoma に対応する系統群(あるいはそれにつけられた名称/呼称)らしいのだけども。

 ∧∧
( ‥)どう訳すんですか?

    (‥ )さあ?

 意味というかEtymologyも不明。conchaはラテン語で貝殻、しかしloboって何ね? ラテン語でlobusというと小葉というか突起物というような意味になるらしいけども、単語を合成した時にどう変化するのか分からないので、これが妥当なのかが分からない。

 ∧∧
( ‥)まあロボコンカの皆さんは
    頭部が退化している面々ですよね。

    (‥ )頭が殻に隠れ、神経系は二次的に
     □-  その中枢を失う、というか神経節の
        二次的な退化を従う。

 なんだろ? もしかしたら無頭殻類とか、無神経節殻類とかそういう意味なんだろか? とはいえ、用語が提案された出典までさかのぼらなければどうにもならないので、現時点ではロボコンカで表記する予定。

 ∧∧
( ‥)visceroconchaはどうなんです?
  -□
    (‥ )ヴィスケロコンカねえ。
     □-  viscera はラテン語では内臓なんだが。

 この呼称をされている系統群の特徴は頭部が発達し、神経の集中が見られること。まあカタツムリとタコを見ればそれがよくわかる。

 ∧∧
( ‥)有頭殻類とか? 有神経節殻類とか?
  
    (‥ )でもviscero-ってこの場合はどういう意味だと
        解釈するんよ? 内臓だよね?

 こちらも現時点ではヴィスケロコンカと表記することに。

 ∧∧
( ‥)でも誰かがどっかで何か書いてそうですよね。

    ( ‥)マイナーな系統群の日本語表記ってやっかいだよなあ。

 まあ、ない時はない時だ。まんま使えばいい。


2009年9月7日月曜日

発注

 
 ああ、そういえばバイオディバーシティーシリーズの無脊椎(節足動物以外)はまだ買っていなかったよなーーーー、というわけで先ほどamazonで発注。


    ( ‥)なんで買っていなかったんだっけ?
      -/    
 ∧∧
( ‥)さあ?



introverta

 
 Introvertaってどう訳せばいいのよ? 送られてきたテキストには内翻動物とあるが、、、と思ってたわむれに検索をかけたら

 ∧∧
(‥ )6件ひっかかってきましたね
\-
    ( ̄  ̄ )まじ?

 とはいえネットじゃしょうがないよね。文字文献(研究者が書いたやつ)による出典を探さねば。

 ∧∧
( ‥)無理して訳す必要はないのでは?

    (‥ )イントロヴァータ類とでも書くかね?

 まんま訳せば”陥入吻動物”。さりとてよもや勝手に訳語を作るわけにもいきません。

 そして本日届きました「The Tree of Life] Harvard University press 2006 この本で一応確認、Introverta を。

 ∧∧
(‥ )線形+類線形+動吻+鰓曳+胴甲動物ですね。
\-
    (‥ )ケファロリンカ(動吻+鰓曳+胴甲動物)
     □-  も載っているなあ。

 そうでしたね、話では聞いていたけども。ケファロリンカは楽しい単系統群だそうだ。類線形の幼生だってあんな姿をしているわけだし、なるほど、ケファロリンカを包含するIntroverta はありってわけですか。

 そいでもって分類階級はやっぱり触れられておらず。まあそうねえ、そんなもんだろうねえ、今どき分類階級にこだわる人ってもうずいぶん少なくなっちゃったしねえ。

 ∧∧
( ‥)なぜ今回の仕事に限って分類階級をそこまで
    配慮しようとしたんですか?

    ( ‥)送られてきた原稿に可能な限り
      -□ 分類階級が割り当てられていたからさ。

 とはいえ、原文がそうでない以上、研究者も特にこだわっていない以上、こちらもそんなに拘泥する必要はやはりないらしい。

 ところで、

 ∧∧
(‥ )今はコケ植物は側系統群なんですか?
 □-
    (‥ )なんかそういう扱いみたいだな。

 コケ植物という分類群も名称もいずれ消滅するのかね。
 
 ∧∧
( ‥)図書館と民俗言語には残るのでは?

    (‥ )そういや、キノコのことを”コケ”と呼ぶ
        地方もあったよな。

 コケってもともとそういう民族的な単語なわけ?

 



分類階級

 
 監修、という仕事が急ぎ。問題は分類階級をどうするのか? ということ。

 ∧∧
(‥ )原文には分類階級を指定する単語は
 □-  ほとんど出てきませんね。

    (‥ )family, kingdom, とか指定されているもの、
        語尾が階級を特定する形式になっているもの
        そういう幾つかの例に関しては科、界と表記したけども。

 大部分は原文において指定、語尾の限定はない。そういうわけで指定がない単語に関してはexclusiveなグループのみ、”翻訳された”時につけられた分類階級を残したけども、他は類に直すことを提案中。

 やっかいなのは

 ∧∧
( ‥)系統群につけられた名称とそこに示された単語に
    つけられた分類階級ですね。

    ( ‥)まあそのなんだ、語尾からして明らかに科なのは
      -□ いいとしても。

 やはりあれだ、個々のジャンルの研究者たちが作り出したかつての”分類階級”を照らし合わせると、これがもうめちゃくちゃ。お互いに整合性なし。

 ∧∧
(‥ )亜目の中に綱が入ってます
 □-
    (‥ )こちらは目の中に目だね。

 文中に言及がある分類階級は門、綱、目、科なんだけども、予想通り、こりゃあだめだ。使えない。入れ子構造大崩壊。まさに神奈川県・日本国・藤沢市・東京都の山田さん宛に手紙を出そうよ状態。

 まあこういう時、どっかの誰かさんなら、よっしゃ俺様が(勝手に)分類階級を割り当ててやるぜ!!と鼻息荒くはりきったあげくに大ひんしゅく(実話)を買うところなんだけども、そんなことは致しません。ってかできねーし。

 でもどうするっぺや?

 ∧∧
( ‥)科はかなり安定的だし、意外とみんな知っているし
    語尾が科を示していれば科と表記してもいいだろう、
    そういう話し合いは前に○○さんとしましたよね?

    (‥ )だから科と特定できるものは科でいいだろう。
     □-  でもそれ以外はどうにもならんよねえ。

 現状では門がなんとか使えるくらい。

 ∧∧
( ‥)綱も目も類に直しておきますか?

    (‥ )そうするのがシンプルかな。

 整理整頓する時にはどうしてもある”枠組み”が必要になる。枠組みは”整理”には必要であるのだが、問題は、

 ∧∧
( ‥)枠組みそれ自体が拘束具になってしまうってことですね。

    (‥ )しかも図書館の書棚同様に、間違った配置だと
        分かったので、では今すぐ爆破というわけにも
        いかないわけでね。

 書棚が現実的な配置であったことが支持されればいいけども、非現実的であることが示されてしまうと、古い資料をキャビネットから探すための手がかりとしての意味しかなくなってしまう。紹介しないわけにはいかないが、さりとて、でもこれは間違っていますというのも面倒くさい(昆虫はあんまり破綻が起きなくていいよねえ)。

 まあ、妥協案を提示すればいいわけで、これは結局ところ”現実はそうであるらしいが、書棚それ自体はこういう配置になっていますよ”という話(実際のデータはこういう配置ですが、検索する時はこっち見てね、というやつ)。

 つまるところ”科”が典型的だけども、-daeという語尾のグループ名を日本語で表記する時につける枕詞、それが”科”だと思えばいいわけで。

 ∧∧
( ‥)つまり科といっても、それはラベルで、
     伝統的なただの呼称であると。

    (‥ )もともとが人為的なものだしな。
        名称された系統群が実体だとしても
        名称と階級は別に実体でもなんでもない。

 整理整頓のために枠組みを使う分類学と、データから妥当な推論を導き出して批判的に検討する系統学とでは目的も用途も科学としてのありかたもまるで違っているわけでして。

 ∧∧
( ‥)語尾から分類階級を特定できてexclusiveなものにのみ
    単なる呼称として枕詞をつけると。

    ( ‥)他は類。

 門はなんとか使えそう? よくわからん。例えば軟体動物でも十分なので必要ないかもしれないが。
 
 後は一般的に普及している言葉に準拠する。例えばの話、人間は霊長類である、とは言うが、霊長目であるとはあまり言わない。
 

 

2009年9月6日日曜日

固い葉っぱとふにゃふにゃ葉っぱ

 
 いわゆるマメ科。たぶん、何もしらんで言っているけども、あれは単系統でいいよね? いいんだよね? わかんねーけど。

 ∧∧
( ‥)まずは観察ということで、リサーチは
    現段階では最小限にですね。

    ( ‥)あれだけ特徴的で他に例がないとなると
        単系統でいいと思うのだけども。

 でっ、いわゆるマメ科とおぼしき(そもそもマメ科と呼称されるグループの定義なり範囲が今は分からんので、今このblogのここの表記には”マメっぽい”という意味以上の意味はない)植物を見ていると、葉脈が細かくて固めの葉っぱを持つものと、葉脈があらくて(二次、三次の葉脈はもちろん入っているが)ふにゃふにゃした葉っぱのものとがある感じ。

 ∧∧
( ‥)例えばシロツメクサやハギ、ネムノキなんかは
    固い方、あるいはしっかりしているように見える
     代表ですね。

    (‥ )ツルマメやクズ、たぶんヌスビトハギは
        ふにゃふにゃなんだよなあ。

 ∧∧
( ‥)系統反映していると思います?

    (‥ )いやあ、、、分からん。

 ツルマメはしばらくしたらアップする予定。


インゲン

 
 公園でスケッチしてきた植物は、調べてみたらどうもツルマメという植物らしい。スケッチした個体というか株はたぶん、高さにすれば2メートル弱かそのくらい。花は数ミリという大きさで、全体がつるで他の植物に巻き付くあまり目立たないものだった。

 ∧∧
( ‥)本によると大豆の原種ではないか?
  -□ とのことですが。

    (‥ )にわかには信じがたいけどねえ。

 大豆ってつるだったかね? そうではなかったよねえ。きっちり上にのびてがっちりしてなかったっけ? 大豆とツルマメでは大きさも性質もずいぶん違うよな、、、と思いつつ、図書館でふと園芸の本を読んだら。

 ∧∧
(‥ )大豆ではないですが、インゲン豆にはつる性や矮性の品種があって
 □-  交配して中間的な品種が作られているそうです。

    ( ̄  ̄ )えっ?? まじ??

 無限成長するつる性の品種と、普通に立ってる矮性の品種を交配させると成長が途中でストップしてあまり大きくならない品種ができるのだそうな。

 まだよくわからないけども、つるかそうじゃないかってほんの少数の遺伝子で決定されているってことですかね?

 ∧∧
( ‥)つる植物の進化ってすごく簡単なのでしょうか?

    ( ‥)確かに色々な系統で”つる性”のものが出現しているからなあ。
        ものすげー簡単なのかな。

 今年の後半はマメとつるということで。

 

2009年9月5日土曜日

シロツメクサ

 
 シロツメクサ。シロツメクサはいわゆるマメ科の植物。というか、ハギとかカラスノエンドウ、その他色々、身近で生える”マメっぽい植物”のひとつなのだけども。


   ( ‥)なんかずいぶん形が違うなあ
     -。
 ∧∧
( ‥)基本は同じなんですけどね。

 葉っぱが左右対称的で葉脈がまっすぐのびるとか、葉っぱがひとつの群れのようについていて(羽状複葉ってやつ?)偶数であったりすることもあるけども、しかししばしば奇数で、複葉の先端に小葉(?)がついているとか、葉の縁にセレーションがないとか、蝶々形と言われるような特徴的な花の形とか(これらが共有派生形質になるのかどうかは良く分からない)。

 そしてたいがいの”マメ科”の仲間、というか、あるいは今現在、秋になり始めて身近で花を咲かせている”マメっぽい植物”は葉っぱと花をつける枝を茎の同じ場所から伸ばすのだけども・・・

 ∧∧
(‥ )シロツメクサはこの季節、見た限りでは
。-   そうではありませんね

   (‥ )別々に生やしているんだよね。

 匍匐する茎から葉っぱは葉っぱ、花は花で別々にのばしている。花の全盛期である5月頃なら他の”仲間”と同じなのだろうか? あるいはもっと外見が似ているレンゲソウではどうなのか?

 ∧∧
( ‥)まあ、本を見ればある程度は分かることなんですけどね。

    ( ‥)取りあえず、本を読まずにまずは調べてみよう。

 せっかくものが身近にあるのだ、まずは観察。

 そういえば

 ∧∧
( ‥)昔、魚類学者のアガシは学生に魚を与えて、
    本を読むこと禁止、他の人に聞くこと禁止、
    まずは自分の観察だけでレポートを提出させたそうですね。

    (‥ )良い教え方なんだろうなあ。鱗の数を数えたり、
        鰭の配置を考えたり、解剖したり喰ったりする
        学生もいたんだろうねえ。

 本を読むのは当然。文献も教科書も論文も眼を通すのは当たり前。とはいえ、実際にものがあるのなら、まずはそのものを観察せんと。


分布はどうして産まれるの?

 
 人間は情報を鵜呑みにする人が圧倒的に多く、考える人はどうも少ないらしい。しかも考えていれば妥当な答えに必ずたどり着けるというわけではない。自力でたどり着ける人とつけない人とがいる。そしてどういうわけか自力でたどり着ける人の方が圧倒的に少ない。つまりこう。

鵜呑みにする人>考えるが自力では正しい答えにたどり着けない人>考えてなおかつ自力で答えに到達できる人

 ∧∧
( ‥)その数を不等式で表すとこうですね

    (‥ )そうなるなあ。

 まあこういうことはほとんど誰もが経験的に見聞きする事柄で、たぶんこの構図を疑う人はほとんどいなさそう。実際、例えばどこかで”問題”を見た場合、それをあえて”解こうとしない人/する人”とに分かれるし、する人の中でも”解ける人/解けない人”がいるわけで。それはやはり

 解こうとしない人>解こうとするが正しい解答を見つけられない人>解こうとして実際に解ける人

 ∧∧
( ‥)とっ、なりますよね。

    (‥ )なるよねえ。

 場合によっては、例えばものすごく簡単な常識問題という場合にはこれは齟齬するとは思うけども、ここでは平均よりも難しいとされる問題を考える。ともあれ、どうしてこんな分布になるわけ?

 ∧∧
( ‥)まあ、当たり前っちゃ当たり前なんですよね。

    ( ‥)めんどくさい何かを検討するにはエネルギーがいる。
        大部分の人間はそんなことをせずに流す。
        流さずにあえて解答を探した人のうち、問題が難しく、
        誤答する人が多くなったら場合、以上の配置は
        すべからく実現するよなあ。

 だが一部の人が嘆く状態。つまり、

 なんでこいつらは教科書も読まずに俺様理論を考えて悦にいって、あげくの果てに研究者は間違っているんだ、俺様理論の正しさが分からない馬鹿ばっかりなんだ、と言えるわけ?

という状況はさてどうして生ずるものか? なぜ教科書を読まない。なぜリサーチもしないでスタンダードな仮説を否定し、あげくに俺様理論を展開できる?

 ∧∧
( ‥)何が不思議なんですか?

    (‥ )だって教科書にあたるような本を買えば
        これは取りあえず、すむ話だろ?

 なんのこっちゃない。数千円か1万円か、2万円弱くらいかけて、そいでもって本を読めばすむ話。だって答えが(あるいは答えの参考になりそうな情報や、さらには考え方が)そこに書いてあるがな。別に難しい話でもなんでもない。

 ∧∧
( ‥)それをしていないと。

    (‥ )そもそも読んでいない、というか、読むという発想が
        ないらしいんだよな。

 さながらこんな状態。

あの本を買えば問題の答えが書いてあるのに、その本を買わず、読まず、そのまま自分で解答を思いつくのだが、それが見当はずれの大間違いで、しかも本人それに気づかず。そしてそのあまりの駄目っぷりに文句をつけられた研究者があきれ果てるという構図。

 ∧∧
( ‥)まあごくまれに考えたその人の答えが正しかったって
    こともあるにはあるんですよね。

    (‥ )いるけど、そういう人ってちゃんと教科書を
        読んでいるもんだけどね。
 
 でっ、こう考えた。これは単に支払うコストと利益の問題か?

 例えばの話、人間誰でも支払うコストは最小限にしたい。だったら本は買わないし読まないのは当然。時間も金も節約です。時間は時給で、結局は金だしね。それにしてもずいぶん小さなコストを削ったもんだ。

 ∧∧
( ‥)そういうコスト削減の見返りで手にした利益は何?

    (‥ )なんかおれ、すげーの考えたって満足感じゃね?

 ∧∧
( ‥)それで満足なんですかね?

    (‥ )だっていわゆるトンデモさんって自慢してるじゃんよ。
        クジャクの無駄な尾羽と同じくらい自慢してる。

 じゃあ研究者やまともな院生はなぜこうはならないのか? まあ、もとから出来がいいだけなんじゃねーの? 先天的にさ、とかそういうことは抜きにしてコストとベネフィットでもっともらしく書いてみる。

 ∧∧
( ‥)彼らがまっとうなことをして手にする利益はなんでしょうね?

    (‥ )賞賛、実力に裏付けられた科学社会でのステータス
        安定的な収入、あわよくば科学史に残る永遠の業績
        ってとこかな?

 ∧∧
( ‥)では、なぜコストを払ってまでそんなことをするんでしょうね?
    だって研究って意外と命がけでしょ?

    (‥ )利益が彼らにとって大きいからとも言えるけど、
        減点するに値すると評価された時のペナルティが、
        あるいは支払うコストが巨大すぎるんじゃないの?

 例えばの話、素人の世界で本を読まない、論文読まないは、一応、冗談ですむけども研究者の世界ではそうはいかない。皆から、あっ、駄目だこいつ、とレッテル張られてはいおしまい。 まあ、端から見ていると、いいのかこれ? とこちらが思ってしまうくらいに無神経だったり鈍感だったり、あるいはもうすっかり老いぼれていてレッテルを気にしない人もいるけども、なんというか、まあ、普通の場合、

”ああ、こいつ必要な資料を自分で調べることもできないやつなんだ”

という評価は、もはや死刑宣告も同然。

 ∧∧
( ‥)でもまあ、理系って本来そういう世界ですよね。

    ( ‥)端から見ている限りでは彼らは職人気質で
        学生を手取り足取り教えたりしないからな。

 そういえばこんなことがあった。ある研究者がいった。自分で調べないような学生に物を教えたって無駄だと思うよ。そりゃあごもっとも、と北村が思っていると、別の同業者がこう言った。いや、でもまだ学生ですから教えてもいいんじゃないでしょうか?

 ∧∧
( ‥)でっ、あなたはそれに納得しなかったんですよね?

    (‥ )だってさ、その人、
        自分じゃなーんにも調べない人なんだよ? 

 だから思う。自分で調べない人に説明を試みる必要はない。どうせ理解しないから。

 そして思う。めんどくさいとコストを削減したあげくに手にしたものは小さな妄想という爽快感だけってのは、いかがなものでしょうかと。

 


どうも勝ったっぽい

 
 くだんのOさんが例の界隈に関して色々と書いてるからなんじゃらほいと思っていたら、

   ( ‥) 探し物の最中に引っかかってきたよ
     -/  ああ、なるほど、こういうことか。
 ∧∧
( ‥)なんか色々と書かれていたんですね。

 まあ、自分のことに関していうと、どうやら勝ったっぽい。情報を相手の望まない形式で書けばそれはどうなるか? 情報を血液とするのならば、それは相手の壊死を引き起こす。

 ∧∧
( ‥)壊死したくない人はどうするんですか?

   (‥ )自分で論文読むだろ?

 あるいは最低でも参考文献に眼を通す。鵜呑みにしたくないのなら論文を読むか、大学教官の書いた啓蒙書なり、教科書に眼を通すだろう。分かるやつってのはそういうもので、自力で分からんやつに教えたって理解はしない。せめて「生物系統学」とか「系統分類学」とか「分岐分類学入門」とか読めばいいのに。

 ∧∧
( ‥)それ、基本中の基本でしょ?

   (‥ )しかり。

 最低限、この手の本を読まずに恐竜だの系統だの古代の進化の歴史を探るだの、分類と系統の対立を語るだの、なんじゃそりゃ? エンジンの仕組みを知らずして自動車のうんちくを語るもそれは同じ。「系統樹思考の世界」も読めばいいのに(ちなみにこの本のネット上にあった書評で、個々は面白いのにまとまりきれてないってものがあったのには笑った。この本がどんな本なのかわかってねーんじゃねーの?と思う)。

 それにしてもあれだ、またぞろだ。


   ( ‥)中途半端に考えるから鵜呑みにする人たちよりも
       おバカな結論に飛びついちゃったり、
       俺様理論を考えたりするんだよ。
 ∧∧
( ‥)あなたが前に言っていたA、B、C群ってやつですか。

 *人間の知性なり読解力なりが平均値からどう分布するのかを考えると、(平均以下は読書対象から便宜的に排除する)、この場合、鵜呑みにする人が一番多く、考える人は少なく、考えて正しい答えにたどり着ける人はさらに少ない(正規分布するとでも言えばいいの?)。それらを近似値としてA、B、Cに分けると、鵜呑みにするA群が読者対象として一番多いので、A群相手に”鵜呑みにしても害のない形に加工した情報”を売るべき、という基本方針。そしてそれが基づく仮説。

 ∧∧
( ‥)詳しい内容の本は・・・

    (‥ )C群(考えて正しい答えに自力でたどり着ける人間)を
        読者対象にする場合、市場が小さすぎるし、
        そもそもすでに教科書が書かれている。
        ライターが手を出すジャンルじゃないね。
        だいたい、自力で答えを探索できる能力者に
        地図を売りつけるなんて馬鹿げているからな。

 そして考えるけども妥当な答えに自力ではたどり着けないB群。B群は市場としてはC群よりも大きいことは大きいが、経済活動の対象になるほど大きくない。そういうわけでこれらを読者対象とすることは却下。

 まあそのなんだ、Oさんは”いかに考えるべきか”を情報発信してもあそこの界隈にパラダイムシフトが起きないというけども、それは当然。科学者の世界”でさえ”パラダイムシフトは転向ではなく、世代交代(ようするに人が死ぬこと)で起きたという経緯があるわけで、

 ∧∧
( ‥)C群でさえ時にできないことを、B群にしなさいって
    それはいくらなんでも無茶ですよねえ。

    (‥ )例えばの話、トンデモがまともな仮説に転向した事例なんか
        聞いたことないしな。
 
 ようするに死ぬのを待つしかないわけだ。人間が死ぬのはすばらしい。さもないと我々は全滅していただろう。

 ∧∧
( ‥)でっ、そういう前提に基づく選択肢のひとつが
    情報を与えないってことですか。

    (‥ )情報を中途半端に、しかも相手の望まない形で与えれば
        血液がいかなくなって壊死する組織も同じ。

 もし、彼の人がC群なら、この状況下でも自力で答えを探索し、そして妥当な結論に到達するだろう。教科書を読み、英語の辞書を引き、論文を読むだろう。最低でも大学教官の書いた啓蒙書を読むだろう。その参考文献を探るだろう。理系に限らず、まともな学生以上なら誰でも発揮する能力だ。

    ( ‥)もちろん当然wikiになんか頼らんさ。
 ∧∧
( ‥)まあ、少なくともwiki止まりではないでしょうね。

 だが、もし彼の人がB群なら自力では答えにたどり着けないだろう。そのへんの啓蒙書と称するわけわからん本を読み、教科書を読まず、論文を読まず、人の意見を聞かず、科学者が採用しているパラダイムを知ろうともしないで、そして俺様理論を考えつくだろう。

 ルイセンコ派は死ぬまで意見を変えられなかった。プレートテクトニクスに反対した人々もそうだった。分岐学や系統学に反対する人々もそうだろう。彼らは最後まで分類階級にこだわるだろうし、それに関する議論を知ろうとさえしないだろう。その議論がもうほとんど終わってしまっていることも知らないだろう。それともフェデューシア教授みたいになりたいかい?

    (‥ )だから情報的に死ぬのを待つしかないのさ。
 ∧∧
( ‥)でっ、それはいいとしてこれからどうするんです?

 次の世代のA群に引き継ごう。ただ、それはもう恐竜じゃない。残念なことだ。壊死した組織に代わるものなんてでてきやしない。それは悲しいことだ。夢がゆっくりとしぼんで枯れ果てていくのを見るのは、それはそれは無惨なことだ、そう思う。



追記:後、大股開きね。あちきもね、最初はそう思って頭抱えていましたよ。もう何年も前の話であるが。

 ∧ ∧
(  ̄  ̄)見も知らない人の家に死体を隠すのは
      もうやめてくださいよ。

      (‥ )なんかそういうと物騒に聞こえるよねえ。

 
 

2009年9月4日金曜日

ふりまわすな

 
 道徳や倫理は少なくとも大概の場合、禁止事項か推奨事項を網羅したもので、世界を説明する仮説ではない。

 
   (‥ )例えば”人を殺してはいけない”とは
       世界を説明する仮説ではないだろ?
 ∧∧
( ‥)まあ、、そうですねえ。

 むしろ”人を殺してはいけない”は世界を説明できない事項。

 ∧∧
( ‥)人間は人間を普通に殺しますからね。
    狩猟採集民とかあるいはそれに近い人々の社会じゃ
    殺人発生率はかなり高いですし。説明できていませんね。

   (‥ )反対に、人口が増大すると人間関係の組み合わせは人口の
       およそ2乗で増大する。ある時点で”人を殺してはいけない”
       という規則を導入しないと集団生活は破綻する。
       こういう考えは”人間がなぜ殺人を規制するのか”を説明する
       仮説にはなるね。

 ようするに世界のあり方を説明する仮説になりうる。

 だがこれは”規則の導入にはこういう背景があったのでしょうね”という話であって、それゆえにこうだとも言える

 ”殺人の規制”それ自体はやはり世界を説明する仮説ではない。

 ∧∧
( ‥)つまり”人を殺してはいけない”は世界を理解する時に
    役に立たないと。

    (‥ )例えば、人間社会は死刑や自衛戦争を認めているだろ?

 人を殺してはいけないを真だと前提すると死刑や自衛戦争は認められない(論理的に導けない)。しかし実際にはそうではない。

 ∧∧
( ‥)人によっては怒りますよね。
    人殺しはいけないのになんで死刑や戦争があるの?って

    (‥ )論理的にはそうなるね。

 だが逆に言うとこういうことでもある。人を殺してはいけないを真であると前提すると現実は説明できない。

 ∧∧
( ‥)それは人殺しの規制は真ではないということですね。

    (‥ )それはつまりこういうことだろ?

1:人を殺してはいけない、これは結局のところ前提なり規制であって世界を説明する能力を最初からもっていなかった

2:人間は実のところ、人を殺してはいけない、という規制に沿っては行動していない。たぶんむしろ、裏切り者や敵は排除しろ、という規則に従って行動している。
 
 人を殺してはいけない、という規制は自分自身を説明していない。実際にできていない、そして世界を説明していない、そしてそもそも説明できるものではない。

 ∧∧
( ‥)でも道徳や倫理をふりかざす人はいっぱいますよね?

   (‥ )悪いことではない、むしろ推奨される良いことである
       だから”振り回しても良い”と思い込んだんだろ?

 ようするにこう

 彼らは世界を説明する能力のない道具を無自覚に振り回している。

 なんのこっちゃない、これはものすごく危険なことだ。
 
 
  

後出しじゃんけん

 
 進化論は後だしじゃんけんだ!!

 ∧∧
( ‥)....ああ、ありがちな誤解ですよね?

    (‥ )そーね。何度も聞いたり読んだりしたねえ。

例えばこんな一例:進化論は適当な補助仮説を持ち出してなんでも説明してしまう悪い仮説である

 ∧∧
(‥ )この薬を飲んでも病気が改善しないのは
\-  近代医学の敗北を証明しているのに、それを
    なぜ認めないのか、とでもいってみますか。

    (‥ )人間はすべて同じ性質を持つ、薬物に対する人間の反応は
         すべからく同じである、ゆえに効果がないという1つの
         事例はすべからく効果がないことを証明している。
         まあ、論理的ではあるかもね。

 単に前提がおかしいだけで(*人間は規格統一された工業製品ではありません)。

 あるいはこんな例

生存したものが適応したものだ。進化論はこのように適者生存を設定しているのだが、これはようするに生存した適者が生存していると言っているだけの、意味のないトートロジーである

 ∧∧
( ‥)後だしじゃんけんとはちょっと違うようにも
    思えますけどね。

   (‥ )まあ、彼らの言い分は要するに
       ずるしているって言いたいんじゃないの?

しかしながらダーウィンが前提したことは異なる変異はある条件下では生存する確率に違いが現れるだろう、ということであって。

 ∧∧
( ‥)トートロジーではないですよね?

   ( ‥)むしろあれだな、ダーウィンの前提をトートロジーの形式に
       勝手に書き換えて、それでトートロジーだ、トートロジーだと
       騒ぎ立てているわけであって。

 問題を自分で作り、自分で騒ぎ立てている。後だしじゃんけんだって言っている人自身が後だしじゃんけんをしている。

 ∧∧
( ‥)しかし何ゆえに進化論はこうも
    訳の分からない否定をされるんでしょう?

   (‥ )そりゃあ困るからだろ?

 あるいはこう。本人自身が困ると思い込んでいるから困っている。それはいわば本人の問題。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

   (‥ )道徳や倫理が機械論的に破壊されると思っているんじゃないの?
       そういう人多いよ。クラスにかならず一人はいる
       委員長タイプとでも思えば理解がオッケー?

 とはいえ、それは愚かなことである。道徳や倫理は禁止次項であって、世界を説明する仮説などではない。例えばの話、道徳や倫理は天動説や地動説でもないし、進化論でもないし相対性理論でも万有引力の法則でもない。

   ( ‥)道徳や倫理は世界を理解する道具たりえない。
       理解に使えないものを無理矢理使うから理解が
       散らかるのさ。
 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね。

 
 
         

 

2009年9月3日木曜日

性選択

 
 先日、ショウリョウバッタを捕まえてきた。オスは小さいがメスはやたらとでかいバッタ。現在、一部のものを飼育中。でっ、今さらながら気がついた。


 ∧∧
( ‥)これって性選択による形質ですよね?

    (;— —)うおっ!! なんで今まで気づかなかったんだ??

 どんな淘汰が働いているのかは知らんけども、あれだけサイズが違うのだ(長さはほぼ2倍、単純計算で重量は8倍あまり)、相当なにかが効いているはず。

 ∧∧
(‥ )日本はどうだか知りませんが、海外では
\-   近縁種なり直翅類の性的二型についての研究が
     あるみたいですね

     (‥ )うわおうー、盲点だあ。

 間抜けな話で手持ちのsexual selectionの本にも直翅類の性淘汰ことが少し書かれているらしいことに気がついたりする。

 

adaptation

 
 さる仕事で英文と格闘中。とっ、それはいいのだけどもadaptationという単語を

  ( ‥)これは専門用語で派生形質と言います・・・・
    -□
 ∧∧
( ‥)? adaputationってそういう使い方しましたっけ?

 まんま訳せば適応。まあ確かに改善とか改良って意味もあるし、自然選択によって適応的な状態に改良された、あるいはその結果の形質って意味合いも場合によってはあるらしい。

 ∧∧
( ‥)でもこういう使い方って今まで見たことあります?

    (‥ )いや、、ないなあ。単に英語の文献を
        読まなさすぎているせいかもしらんけどさ。

 弱ったね。どう訳すのよ? 適応的な形質とでも訳すかね?

 実際、adaptation or characteristics (technically termed "derived characters") と書いてあって

 ∧∧
( ‥)まんま訳せば 適応あるいは特質(専門的には派生形質と呼ばれる)
    ですよね?

    (‥ )たぶん、原始形質よりも適応度が高くて、なおかつその系統群で
        固有って意味合いを込めているように思えるけどもね。

 いやしかし、、なんかおかしくない? これじゃあ原始形質はすべからく適応度が低いってことになるし、原始形質は適応していないことになってしまうのではなかろーか。

 ∧∧
( ‥)なんか違和感を感じますよねえ・・・・
      
    (‥ )そりゃあ派生形質は淘汰の過程で前よりも改良されている、
        そういう側面はある程度は確かにあるだろうけどさ。

 しかしじゃあ、肺魚の肺よりも人間の肺の方が機能的にすぐれているからより派生的な状態でございますっていうことになるわけかい?

 ∧∧
( ‥)そうじゃなくて、外群比較した時に人間とネコは肺に
    肺魚にない形質を共有していて、外群比較の仮定上、
    それは時代的に後から誕生して伝達された形質であると
    判断されました、それだけの話でしょ?

    ( ‥)そうだと思うけどさ、
      -□ いや、じゃあこれどうすんだよ?

 もうしょうがないのでadaptationはこの場合、適応的な形質、でいくべきか、あるいはいっそのこと新規の形質でいくべきか。

 ∧∧
( ‥)新規の方がまだ違和感ないですけどね。

    (‥ )でも作者の主張が”適応的な・・・”だったらどうするよ?

 あまり意訳をするわけにもいかんし、どうしたものか。こういう用語の使用法がままあるものなのか、するとやはり北村は論文を読まなさすぎなのか、あるいはこの著者の考えが分岐学とか外群比較から少し距離があるものなのか??? どうしたものか、著者の考えと内容を尊重するのはもちろん当然のことであるわけで。

 ∧∧
(‥ )肺魚って鰓と肺を同時に持つことで
 □-  束ねられるんですか??

    (‥ )いやそれ、明らかに原始形質だろ?

 というわけで、こうなったらしょうがないので。

 ∧∧
( ‥)適応的な形質でいきますか。

    ( ‥)そうするしかないかなあ。

 
 なんでこんなことで悩まなければいかんのか。


 
 

2009年9月2日水曜日

まあ無理っぽい

 
 悪いことをしている官僚VS新しい政治家

 まあそういう構図で物事を考える人が多いけども、

 ∧∧
( ‥)あれなんなんですかね?

    (‥ )水戸黄○の見過ぎじゃね?

 そりゃあまあ、誰だって自分に都合のいい利益誘導はしているものだ、そうはいっても

 ∧∧
(‥ )逮捕されたどっかのおっさんだってめちゃくちゃな
 □-  賄賂をもらっているわけじゃないですよね?

    (‥ )少なくとも表向きは年間に何百万だからな

 そういう利益誘導がぜーんぶ消えたところでさてはてどんな程度の利益が還元出来るのやら。

 ∧∧
( ‥)まあ、”官僚がすごい悪いことをしていて、それを是正すれば
    皆がバラ色の未来を手に入れられる”という構図が現実になる
     条件をもろもろ仮定することはできますよね?

    (‥ )できるよ。

 ただ、そのために必要な仮定をどんだけ積み重ねなくてはいけないのやら。

 ∧∧
(‥ )そしてそういう仮定が現実に成り立つのかどうかはどうも
 □-  良く分かりませんね。

    (‥ )そうだねえ。

 どうも”官僚は悪いことをしているから、それを是正すればバラ色の未来が開ける”というのは物事を解釈するために誰かが持ち出してきた仮説であって、しかも根拠がよくわからない仮説であるらしい。

 ∧∧
( ‥)でっ、この仮定が妥当かどうかはともかくとして
   正しいか正しくないか分からないこの仮説に基づいて
   ”改革”することは可能?

    (‥ )無理だろ。

 まあなんだ、与党と官僚の戦争が楽しみだって言う人もテレビにはいるけども、戦争もなにも政治家にはそもそも何百/何千ページもある報告書やレポートを読む能力ないだろ。

 ∧∧
( ‥)読めないと思う?

    (‥ )小説を読んで、僕は読書をしていますって
        思っている人間では、まあ無理だね。

 小説は読書のうちには入りません。少なくとも漫画は読書でないと言うのであれば。小説ってのは漫画と同じだ、同じ。

 ∧∧
( ‥)官僚出身者の人もいますよね?

    (‥ )そういう人をかき集めて、誰かが一括して
        コントロールして統制を保てるような状況かね?
 
 


 

 
       

2009年9月1日火曜日

革命はやせ薬

 
 人によってはこのたびの政権交代は革新だとか革命だとか、あげくの果てには新しい政治のビッグバンなんだそうだ。

 ∧∧
( ‥)そうなの?

    (‥ )違うだろ。

 そんな断絶だの革命だの起こりゃしない。フランス革命やロシア革命だってそこで別に大断絶が起きたわけじゃああるまいよ。権力者が倒れ、新しい権力者が現れる。一見、大断絶に見えるけども、実際には顔が変わって、そしてちょっと改良するのがせいぜいといったところ。革命後のフランスには独裁者が現れて、そいでもってウィーン体制だし、ロシアだってアジア式の専制国家で大粛正なんて評されたわけでして(悪いは全部スターリンのせいにしてみんなほっかむりを決め込んだとさ)。

    ( ‥)我々人間という烏合の衆の集まりが
        バカみたいにきーきー叫んで右往左往する
        それが歴史の歩みってもんさ。
 ∧∧
( ‥)まあ、そうかもしれませんね。

 これさえすれば良くなるって、よくもまあそんな甘ったるい夢が見れるもんだ。一体全体どこの宇宙にそんなうまい話が転がっているものか、そんなものに騙されるのは阿呆だけだ、と意地悪く思っていると気がついた。

    (‥ )これさえすれば痩せますよっていう薬とかトレーニングとか
        あるけど、あれってこれと同じことだよなあ。
 ∧∧
( ‥)これさえすればみるみるうちにgoodだって販売してますよねえ。
    でっあなたたちお猿さんはそれを買うのですよ。

 なんだ、つまりあれか、政権交代すればみるみる良くなるとか、これさえすれば大丈夫とか、政治のビッグバンだとか、なんのこっちゃない、それらはやせ薬やシャイプアップ術やみるみるハゲが直るとか、これさえ塗れば問題無くなるファンデーションとか、そういうものだってことか。

 ∧∧
( ‥)というか、より正確にはそれを買っちゃう人々と
    同じだってことですね。

    ( ‥)どうせ半年後にはホコリがたまっているさ。

 アホみたいに甘ったるい夢を見ると後でがっかりすることになる。

 ∧∧
( ‥)でも、そんな過剰な期待を抱くのは一部のお利口さんたちでしょ?
    世間一般の人々はどうなんでしょうね?

    (‥ )まったく健全なことに買ったことを忘れるんじゃね?

 部屋のすみに置いているシャイプアップマシーンをすっかり忘れるのは健全な普通人、なんでこんなものを買ったんだ? この企業は嘘つきだ、こんなもを買ったあたしのバカバカばかー、とくよくよ考えて胃に穴が開くのはお利口さん。


ブログ アーカイブ