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2018年3月28日水曜日

科学理論は魅力で勝つが、逃げのためにそれを使うのは...

 
 
 地動説という真理を唱えるガリレオを教会と人々はあざけった。かように権力と愚民は無知蒙昧。私の不遇もそのためだ。皆に認められない私もまた、それゆえにこそ真理を確かに握っているのである。
 
 
 ∧∧
(‥ )とっ主張する人たちに
\‐  地動説の具体的な根拠を
    尋ねると説明できない不思議
 
 
  (‥ )まあそんなもんだな
      人間は
      自分に都合の良い話だけに
      興味ありよる
 
 
 さてさて、とはいえしかし奇妙なことだが、地球が自転している証拠(フーコーの振り子:発見1851年)、そして地球が公転している証拠(ブラッドリーの光行差:1728年)、いずれも地動説が認められた後で見つかっている(ニュートンが万有引力をプリンキピアで示したのは1687年)。
 
 ∧∧
(‥ )つまり地球が実際に
\‐  動いているという
    証拠が見つかる前に
    地動説は受け入れられた
    わけですなあ
 
  (‥ )問題はそれが何か
      なんだよな
 
 直接証拠がない時点で研究者が受け入れた。これは一体どういうことか?
 
 ∧∧
(‥ )地動説と天動説が等価である
\‐  ということは古代から知られて
    いたわけだから
    どちらも天体の運行を
    等しく説明できること
    これが決め手でないことは
    確かでしょうね
 
  (‥ )地動説の最大の問題は
      力学的に説明できない
      だったのだけど
      その困難はガリレオが
      かなり軽減したのだよな
 
 それにガリレオが天体望遠鏡で明らかにした太陽黒点、月面の山々、木星の衛星、金星の満ち欠けは地動説体系で宇宙を説明しても問題ないことをさらに後押しした。
 
 ∧∧
( ‥)でもここまで至っても
    実は天動説と地動説は
    等価でしかない
    地動説でも力学上の問題は
    生じないし
    地動説でも理論上の問題は
    少しだけ
    これだけの話のはず
 
  ( ‥)後、ひと押しあるとしたら
    ‐/ ケプラーの業績だよな
 
 コペルニクスの地動説は天動説の書き換えでしかなかったので、体系が非常に煩雑だ。それに対してケプラーの狂気から生まれた地動説において、太陽系は単純な同心円になったのである(厳密には楕円であるが)。
 
 ∧∧
(‥ )でもここまできてもなお
\‐  天動説と地動説は等価のはず
    周転円をさらに導入すれば
    天動説でも説明できるはず
    現在でいうフーリエ変換を
    行えばよかったはず
    それでも地動説を皆がとった
    理由はなんでしょうね?
 
  (‥ )フーリエ変換が
      めんどくさかったとか
      そういう理由じゃね?
 
 ∧∧
( ‥)あらそういう?
 
  (‥ )等価だったら
      誰だって楽な方を選ぶべ
 
 
 平たくいうと、地動説の魅力が上昇したから、と言えばよいか。
 
 ∧∧
(‥ )ケプラー以後の地動説と
\‐  ガリレオ以後の力学を使えば
    天体の運行はすべて整合し
    太陽系の大きさは判明し
    かなり単純な仕組みですべて
    説明できて
    なおかつ力学的にも
    もはや無理がない
 
  (‥ )科学理論ってのはな
      魅力で勝つのだと思うよ
 
 
 整合性の魅力、必然の説明に収束できる魅力、単純性の魅力、新しい知見への拡大の道を示してくれる魅力
 
 
 ∧∧
( ‥)では皆から評価されない
    俺の正しさは
    ガリレオやコペルニクスが
    保証してくれるはず!
    という世間の皆様の主張も
    地動説が持つ
    魅力ゆえの判断ですかな?
 
  (‥ )魅力は魅力だろうが
      それは
      手前勝手な妄想から
      生まれたありもしない
      魅力であろうし
      逃げの魅力だよ
 
 
 逃げても良い。だが逃げる時は必ず前に向かわねばならぬ。後ろに逃げると詰む。逃げるための魅力に飛びつくようではダメだ。
 
 
  

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