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2017年7月22日土曜日

頭首工と塩の偉大さを知るがいい

 
 
   朝も早いうちから
 ∧∧ 散歩でーす
( ‥)
 ‐( ‥)日が上がらぬうちに
      目的踏破達成だ!
 
 
 この町では江戸時代に治水工事があって、河川の流れが変えられた。今まで見てきた河川は、実はその旧流路なのである。
 
 しかしそれにしては妙なのだ。流路を変えられた河川の幅は50メートルぐらいある。そこそこの大きさだ。河原だって持っている。
 
   ところが今まで見た
   旧流路はいずれも
   3〜4メートル程度
 ∧∧ 河原も存在しない
( ‥)
 ‐( ‥)実は流路変更点の
     ちょっと先で幾つにも
     分岐していたそうだな
     これまで見てきた
     旧流路はその名残だ
     そうであるよ
 
 分岐していた場所は、地名にもかつての有様を残していた。今日はまず散歩がてら、そこへ出かけた。その地に広がるのはこんな風景。


 
 道路が微妙に上がり、そして向こうで再び下がっている。こういう地形があっちこっちに広がる場所。
 
   いかにもいく筋もの流路に
   浸食され
   あるいは堆積を受けた
 ∧∧ 地形ですかね
(‥ )
 ‐( ‥)なんだろうな?
     少しぞくぞくするな
 
 このあたりは比較的早い時期に発展した場所でもある。理由はよくわからない。かつてこの町が市になった時は、市街の縁辺部だった場所である。早い時期に発展したといっても、旧街道に並ぶような大きな構えの店や漆喰塗りの倉などはない。あるのはもっとこじんまりとした店であり、戦後しばらくは発展し、そうしてさびれたありがちな商店街になっている。
 
 この町を後にして、そうしてたどり着きました、旧頭首工



 
   頭首工、読みはとうしゅこう
   用水路の水を大河川から
   取り込むための取り水口の
 ∧∧ ことですな
( ‥)
 ‐( ‥)この頭首工の建築は
      昭和の始めだ
      そうだね
 
 すでに役割は終えているが、一応、今でもいざとなったら動かせるというふれこみである。
 
 それにしてもこの頭首工のある場所、昭和以前の時代からこのあたりで水を取り込んでいたというが…
 
   
 ∧∧ 可能なんですか?
(‥ )
 ‐( ‥)んー 現在の
     水の取り込み口との
     高低差を考えれば
     ぎり可能かなあ?
 
 

 
 現在の堤防の上端が、この頭首工の向こうに見える水面とほぼ同じ。
 
 そしてその堤防から2〜3メートル上がった場所に家々が並ぶ面があり、そこから見た時、現在の用水路の底面はやはり2メートルか、それより少し下にあるだろう。
 
 それを考えれば、頭首工の水面は用水路とほぼ同じだろう。この場所は段差があるが、周囲の様子からすると工事の前からこのような段差があったようにも思われ、江戸時代でも取り込みは可能だったのではなかろうか?
 
 それにしてもこの頭首工が出来る以前、この町の扇状地を流れる2つの用水路はここではあるが別々の場所から水を取り込んでいたという。
 
 水を取り込むにはこの河川の流れを何らかの手段でせき止めて流路を変えて用水路に導き入れる必要がある。もちろんせき止めには水位を上げる目的もあったのだろう。
 
   
 ∧∧ なにを使ったのでしょう?
(‥ )
 ‐( ‥)水争いの様子を記述した
   ‐□ 資料の中に
     ”ワク”を使ったとあるから
     江戸時代にも使われた
     治水道具の枠じゃないかな?
 
 まだよく理解できないが、枠という道具は、木で作った枠の中に石を入れて固定することで水の流れを塞き止めるもののようだ。石というのは、この場合はもしかしたら竹などの籠に石を入れた蛇籠かもしれないと思われるけども、そういう塞き止め用の道具である。ちなみに牛という道具もあるが、こちらは三角錐を横に寝かせたような木枠を蛇籠で固定するものらしい。
 
   木の枠に石や蛇籠...
   なんかスカスカに
 ∧∧ 思えますけどね
( ‥)
 ‐( ‥)でもあれだ
     流れる水の半分を
     邪魔するだけで
     単純にそれだけ水位が
     上がるよな
     その水を用水路に
     導き入れれば用水になる
     わけであるしな
 
 実際、かつての水争いでは、お前らは枠を二カ所に増やしたではないか! いや、枠の間隔は変わらないから問題ないはずだ! という堂々巡りで言い合いしたという。木枠に石入り蛇籠を詰め込んだだけではスカスカじゃないかな? と思う以前に、そもそも枠同士の間に間隔があることが分かるだろう。

 どうも古い時代の日本の治水は、完全に水を塞き止めるという発想がなく、流れを受け流すとか、流れを邪魔して流路を変えるとか、水位を変えるとか、そういう発想で運営されていたらしい。
 
 明治以後、日本にきた西洋の治水技術者の手で現在のような治水方法になるのだが、それはそれで日本に適合していたのかは議論の余地があるようだ。
 
   まあ詳細を把握するのは
 ∧∧ まだ先ですな
( ‥)
 ‐( ‥)暑くなる前に
     帰るべ 帰るべ
 
 だが、日差しが急激に強くなる。
 
 ぎゃああああああーーー
 
 
 ∧∧ 帰ったぞー
(‥ )
 ‐(;- -)うおー死ぬぞ死ぬぞ
 
 
 帰った後、塩分を補給したら元気になった。
 
 
 ∧∧
( ‥)塩分! 塩分!
 
  (‥ )塩分! 塩分!
 
 
 塩は偉大なり。
 
 

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