自己紹介

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2017年7月23日日曜日

すべての会話が有料化したこの世界において

 
 テレビの時代、CMは全盛期であった。
 
 
 ∧∧
( ‥)そして今、ネット全盛期
 
 
  ( ‥)今、CMを見ると
    ‐/ うっとうしいだけだな
      なにこれ馬鹿じゃないの?
      作ったやつ死ねよ と
      思うのよね
 
 
 今時、コマーシャルなんか作っている連中に未来などあるのか? ただの死に損ないじゃないのか?
 
 ∧∧
(‥ )でもそれを言うなら
\‐  紙の本もそうだろう? と
    言われたりする昨今
 
  (‥ )そうだねえ
 
 もっとも、割り込んでくる侵略者であるコマーシャルに対して、紙の本はただそこにあるだけだ。
 
 ∧∧
( ‥)まあ無粋な侵略者では
    ないのだと
 
  ( ‥)紙の本が揶揄されるのは
    ‐/ むしろ揶揄する人の
       世界観の問題だからな

 
 実際、一時、盛んだったではないか。紙の本は電子化を拒んでいる、妨害している抵抗勢力で、それが電子化という素晴らしい可能性をつんで欧米資本に負けているのだという言説が。
 
 ∧∧
(‥ )実際のところは正反対
\‐  出版社は電子化におおいに
    期待していたけども
    一部のエロ以外では
    利益が出ない
    エロだけでは経費を賄えない
    この状態では
    過去の書籍の電子化という
    輝かしき未来は
    手間賃を考えれば
    全く無理で事実不可能
    欧米資本でさえも
    どうにもならず途方にくれて
    欧米資本に市場を奪われると
    危機感を抱いた日本国の
    てこ入れさえもあったけど
    電子化うんともすんとも動かず
 
  (‥ )皆が思っているような
      状況ではないんよね
      紙の本が
      電子化を拒んでいる
      なんていうのは
      一部の版権問題を
      陰謀論的に拡大解釈したに
      すぎないからな
      
 というか、紙の本が電子化を拒んでいるというのは、この世界は不正に満ちていて、その最大の被害者は正当に評価されない自分である、という意識高い系のねじくれた現実逃避でしかない。実態はまるで違っているのだ。
 
 ∧∧
( ‥)ただあれだね
    ネットの普及で
    書籍の売れ行きが落ちたのは
    事実だから
    誤解しやすいのだろうね
 
  (‥ )ネットの普及で書籍の
      売れ行きが落ちたのなら
      電子書籍にしたって
      売れるわけがないし
      事実、売れてないんだが
      あの手の意識高い系は
      そういう発想しないのよな
 
 ネットはまずもってコミュニケーションのツールであって、会話の手段だ。通信費という形で大量のお金を消費者から奪う。この時点で本はネットに負けているのである。会話という人類にとって必然の行動が有料化した、ここが現代という時代の肝心な部分だ。
 
 これに対し、本は会話よりも低位な需要でしかない。より上位の需要である会話が有料化したネット社会。この状況下では必然的に会話へと金が流れ、本には流れない。会話に本が勝てる道理はないのだ。ゆえに、電子化したところで本が売れるわけがない。

 これゆえに言うのである。本は電子化しなかったからネットに負けたのだ、というのは何も知らない愚か者のたわごとなのだと。そんな程度の認識では、お前はこの先、死ぬぞと。
 
 
 ∧∧
(‥ )とっドヤ顔で言ったところで
\‐  自分の生活が
    良くなるわけもなし
 
  (‥ )そういうわけで
      設定が変更された
      この世界で
      状況を一から
      組み直さなければいかん
      さてもさても
      どうしたものかな
 
 
 20世紀末から21世紀初頭にかけて世界の設定は変更された。こうして会話は有料化し、そこへ金が流れ始めたのである。


 さて? ではどうすれば会話から金を奪えるものですかな?
 
 
  
 

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