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2017年7月11日火曜日

夜の水源

 
 夜の散歩に出た。満月を少し過ぎた月がこうこうと照らす明るい夜だ。
 
 ふと気になって先日のどぶ川を今度は遡上する。
 
   どぶ川の終着点は
 ∧∧ 8キロ前後の先にあったけど
( ‥)
 ‐( ‥)遡上はそんな先までは
     いかないからな
     せいぜい3、4キロだ
     気晴らしの散歩には
     ちょうどいい案配さね
 
 夏の夜の散歩は昼と違って体が極端に暑くならないから助かる。問題点があるとすれば写真が撮れないことだが、まあ下調べには良いだろう。
 
 前から奇妙に思っていたのだがこの川、地形の高低に素直にそっていない。もちろん水は低きに流れるから低い方へ流れてはいるのだが…
 
   でもむしろこれは
 ∧∧ 地形の等高線に沿ってますね
(‥ )
 ‐( ‥)丘の上から下へ流れる
     というよりは
     丘をぐるっとめぐるように
     流れているのだな
 
 川はコンクリートで整備されてはいるが、もともと深かったことが分かる。川幅の割に浸食が激しかったと見るべきだろう。実際、記録を見ると分かるが別の場所ではかつてもろにそうだった。深さ数メートルの浸食された崖の下に川があったのである。
 
 そして川がぐるっとめぐるこの丘は隆起で作られたものだ。

 多分、隆起に従って川の流れが曲げられ、そのくせ深い川だからすぐ脇に流路よりも低い場所があるのに、そこへ向かって流れることが無かったのではなかろうか?
 
 そうとでも考えないと斜面の等高線に沿って流れ、すぐ脇に流路より低い土地があるのにそこへ流れることもなく、分岐することもない不思議さは説明できないだろう。
 
   そればかりか川が
 ∧∧ 立体交差する場所がありますな
(‥ )
 ‐( ‥)おもろいことにさ
     立体交差する川は必ず
     このどぶ川を乗り越えて
     直行する形で
     低い土地へ流れるのだよな
 
 立体交差する場所は2カ所しかないのだが、2カ所とも別の川がくだんのどぶ川を乗り越えて、なおかつより低い土地へ流れていくように設定されているのは印象的だ。
 
   これってようするに
   本来はこのどぶ川の支流だけど
   低い土地へ水を流したいから
 ∧∧ 立体交差させたっぽいね
( ‥)
 ‐( ‥)立体交差させるとは
     どぶ川に深さがあって
     水をせき止めて脇へ流すとか
     そういうことが
     出来なかったということ
     なんだろうな
 
 多分、前近代の木造の水門とかではどうにもならないだろう。水圧に負けて破れてしまいそうだ。さりとて水車なんかつくって汲み上げるのは面倒だ。だが立体交差なら木造で、なおかつ水車よりも簡単に作れるだろう。
 
   近代、戦後ぐらいに
   コンクリートに変えられた
 ∧∧ そんな感じですかな?
(‥ )
 ‐( ‥)あるいは食料増産が
     叫ばれた時代に
     始めてそうして
     でもそういう時代は
     ほんの20年程度で終わって
     水田も果樹園も即座に
     住宅地に変わった
     そういうことかもしれん
 
 似たような地形はもっと上流にいっても見ることができた。江戸時代の大地震で隆起したという公園の脇を川が流れ、あるいはもはや大人の肩幅ぐらいの川とそれを包むコンクリートと堤の脇が川よりも低い場所があった。
 
 最後、市街地のはずれで川を見失った。川はそこで道路の下に再び消えて、そこから先、マンホールからもれる水音で追跡するも、音も消えて分からなくなった。
 
   でもこの辺りが
   水源でしょうなあ
   傾斜の下で複数の水路が
 ∧∧ 多分集まってる
( ‥)
 ‐( ‥)いかにも水が
     集まりそうな地形だし
     この程度の水量なら
     こんなもんだろうな
 
 町外れを流れる川の音が聞こえるほどの近く。距離は4キロほど。今来た道、月明かりの下を歩いて帰る。
     
    
 

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