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2016年9月3日土曜日

賢い君は今度はどんな自殺をするんだい?

 
 なんで弱者を保護しなければいけないのか?
 
 この問いに対して、
 
 困った人がいれば助けるのが当たり前だろ? 問題は金だよ。どこまで助けられるのかは金で決まるんだ。
 
 という答えでは満足できなかった人々がいる。多分、彼らは絶対的な根拠と命令が欲しかったのだ。
 
 しかも、神が殺されたこの世界では神の絶対命令がない。
 
 ∧∧
(‥ )そこで満足できない人々は
\−  弱者保護は人間の生存戦略です
    とかいいだした
 
  (‥ )この手の言動を信じる人は
      この世界はすでに
      最適解に至っているとは
      考えなかったのだな
      安易な絶望論者ってことか
 
 
 彼らは多分、この世は不正と間違いに満ちていると考えている。
 
 だが実際には違う。人間は遺伝子に行動を規定されていて、その遺伝子には変異があり、変異はそれぞれ異なっており…
 
 ∧∧
( ‥)そしてすでに変異は
    淘汰されているのである
 
  (‥ )淘汰された結果
      決まったのがこの世界だ
 
 つまり、我々の行動は原則的に、現状、最適解の集積だってことになる。
 
 ∧∧
(‥ )現実にはもっとおだやかな
\−  主張になるはずだけどね
    個体が持つ遺伝子には
    変異があり
    すべての変異が現状最適な
    ものでそろっていることは
    ありえない
 
  (‥ )それでもあれだぜ
      この世界は不正と間違いに
      満ちていて
      人間の行動は
      愚かさの集積で
      人々は馬鹿ばっかりで
      神の命令を行使しないと
      馬鹿共を制御できない!
      という連中の世界観と
      比べれば
      現実にずっと近いぜ
 
 たとえば、インチキ医療にひっかかって死ぬ人間がいるように、人間は自分の命がかかっている時でさえ、考えることを節約してしまう。
 
 まったくもって狂っているとしか思えない行動なのだが…
 
 ∧∧
( ‥)でも考えてみれば
    それほどおかしな行動では
    ないよね
    脳は人体の中で極端に
    カロリーを消費するし
    半年先の利益よりも
    今の楽を選ぶのは当然だよね
 
  (‥ )要するに
     後5分だけ...と言いながら
     遅刻しちゃうぞ
     状態なんだよな
 
 二度寝の遅刻とインチキ医療にひっかかってみすみす死んでしまうこと、えらい遠い事柄のようだが、考えてみれば基本は同じだ。

 そして、先の未来にあるかもしれないものより、今、目の前にあるものを取るのは最適解のはずであろう?
 
 ∧∧
(‥ )明日の芋よりも今の芋を
\−  取るのは当然だからね
    明日の芋は取れるかどうか
    分からないわけだし
 
  (‥ )その当然の行動に
      インチキ医療は
      付け入っている
      だけど
      目前の利益を取るという
      その行動自体は
      最適解だと
      考えて良いわけだ
 
 なればこう考えるべきでないか? 
 
 この世界に絶望している人間達、彼らが絶望し糾弾している人間の行動も、それは実のところすべて最適解なのであると。
 
 ∧∧
(‥ )異質を排除するのは
\−  当然な行動である
 
  (‥ )見たことも無い相手は
      危険かもしれないからな
 
 ∧∧
(‥ )貧困たたきも当然である
\−
 
  (‥ )助け合いは当然だけど
      ただ乗りは排除しないと
      福祉自体が消滅して
      しまうからな
      裏切り者は殺せだ
 
 裏切り者を抹殺するという行動は、ミツバチにも見られる。賢しい人は蟻や蜂は人間と違って仲間を見捨てないとか言うが、現実は違う。蟻や蜂の内部では争いが起きており、兄弟姉妹を出し抜こうとするものがいて、裏切り者を皆でよってたかって殺す、それが彼らの世界だ。
 
 ∧∧
( ‥)人間と変わらないな
 
  (‥ )まあ正確には人間が
      蟻や蜂と変わらない
      なんだけどな
      あっちの方が
      社会制の実現が
      数千万年
      早かったからね
 
 話を戻せば、我々は蜂や蟻と同様、最適化されているってことだ。人の有様は変異と進化で揺らいでいるが、原則、最適化されていることに違いは無い。
 
 すなわち、人のこの姿、

 賢しい人間たちが、醜い、愚かと吐き捨て糾弾するこの姿と行動こそが、実は最適解であり、それにはそれぞれ各々合理的な理由がある
 
 これを忘れてはならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )賢しい人々は絶望するでしょう
\−
 
  (‥ )賢者の愚かさとはそれよ
      やつらは否定するだけで
      現実を把握しようとせん
 
 現実を把握せずに絶望するなど、エンジンを知らずに車に絶望するも同じ。だがしかし、これが賢者というものの正体であった。

 そしてこれがゆえに賢者は失敗し続けるのである。
 
 プラトンを始め、何千年も何百世代もそうであった。
 
 賢い人間はいつもいつも同じ失敗を繰り返す。
 
 さあだから賢き諸君! 君らは今回、どんな自殺をするんだね? 見せてくれよ、今度の死に様を。できればいつもより変わったやつをお願いしたい。
 
 

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